以下、本発明の実施形態について詳述する。本発明の積層フィルムは、特定のポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)の片面あるいは両面に特定の難燃粒子を含むコーティング層(II層)が塗布されている積層フィルムである。
本発明のポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)は、特定のポリエステルブロック共重合体(A)と炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)からなるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる。
前記ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物は、2mm厚さのシートでASTM D1003に従い測定した全光線透過率が60%以上であることが好ましい。また、JIS K7215に準拠する表面硬度が20~50Dであることが好ましい。
全光線透過率が60%以上のポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層は、目視で透明あるいは半透明なものであり、目視では半透明であるが透光性は有し、印刷物の上にこの層を置いた場合に文字を十分読むことができるものから、目視で透明であって印刷物の上にこの層を置いた場合に文字がきわめて明瞭に見えるものまで含まれる。全光線透過率が60%未満のポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層は、目視では不透明であり、印刷物の上にこの層をおいても文字を十分に読みことができない。
2mm厚さのシートで測定したJIS K7215に準拠する表面硬度が20~50Dであるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層は、指で押すと大きく変形するものから、指で押すとやや変形するものまで含まれる。表面硬度が20D未満だと強度不十分であり、表面硬度が50Dよりも大きいと柔軟な感触が得られない。
前記ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物の屈折率は、1.40~1.60であることが好ましい。さらに好ましくは1.42~1.58であり、最も好ましくは1.45~1.55である。なお、屈折率は、ポリエステルブロック共重合体(A)を構成する結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)の重量比や炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)を本発明の範囲で含有することで達成することができる。また、ここで、屈折率とは、D線(波長589nmの光線)における屈折率を意味する。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10~50質量%と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90~50質量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対し、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3質量部または、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)0.2~20質量部を含有する。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体(A)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とする。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4-ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5-スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p-ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(2-ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’-ジヒドロキシ-p-ターフェニル、4,4’-ジヒドロキシ-p-クオーターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであっても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下で共重合することも可能である。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)は、脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルである。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。
また、脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルのなかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300~6000程度であることが好ましい。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体(A)における高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量は10~50質量%、低融点重合体セグメント(b)の共重合量は90~50質量%である。好ましくは、ポリエステルブロック共重合体(A)における高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量は10~40質量%、低融点重合体セグメント(b)の共重合量は90~60質量%である。高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量が10質量%未満であると、結晶性が不十分となり成形性や耐熱性が悪くなる。一方、高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量が50質量%を越えると、本発明の目的とする透明性が十分に発現しない。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体(A)は公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、および低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。また、あらかじめ高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法。高融点結晶性セグメントと低融点重合体セグメントを鎖連結剤でつなぐ方法。さらにポリ(ε-カプロラクトン)を低融点重合体セグメントに用いる場合は、高融点結晶性セグメントにε-カプロラクトンモノマを付加反応させるなど、いずれの方法をとってもよい。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)は、ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対して、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3質量部または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)を0.2~20質量部を含有する。
ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対して、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3質量部を含有する場合、好ましくは0.05~2質量部、さらに好ましくは0.1~1質量部配合する。
脂肪族カルボン酸とは、直鎖または分岐した脂肪族基にカルボキシル基が付いた化合物であり、結合の一部に、不飽和基、脂環族基、芳香族基あるいは水酸基、リン酸エステル基などのその他の置換基を有していても良い。脂肪族カルボン酸の炭素数としては、好ましくは、炭素数10以上18以下であり、さらに好ましくは炭素数10以上15以下である。脂肪族カルボン酸としては、カプリン酸(炭素数10)、ウンデシル酸(炭素数11)、ラウリン酸(炭素数12)、トリデシル酸(炭素数13)、ミスチリン酸(炭素数14)、ペンタデシル酸(炭素数15)、パルミチン酸(炭素数16)、マルガリン酸(炭素数17)、ステアリン酸(炭素数18)、ツベルクロステアリン酸(炭素数19)、アラキジン酸(炭素数20)などが挙げられ、中でも、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、トリデシル酸、ミスチリン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸が好ましい。アルカリ金属塩の中では、ナトリウム塩がポリエステルエラストマーに対する溶解性、良結晶核形成性の点で好ましい。また、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)は1種類または2種類以上併用しても良い。
炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)は、融解性、ポリエーテルエステルブロック共重合体との相溶性、ブリードアウトの観点より、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩である。炭素数9以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、少量の配合で透明性を向上させることができる点で好ましいが、炭素鎖が短いためブリードアウトを引き起こしてしまう。また、コーティング層との密着性が低下する恐れがある。一方、炭素数が20より大きい脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、炭素鎖が長いためブリードアウトを抑制し、ポリエーテルエステルブロック共重合体の結晶性を阻害して透明性を向上させる点で好ましいが、十分な透明性を得るためには大量の添加が必要であり、大量の添加ではブリードアウトが生じてしまう。
上述の通り、本発明におけるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)は、ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対して、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3質量部または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)を0.2~20質量部を含有する。
ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対して、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)0.2~20質量部を含有する場合、好ましくは0.5~15質量部、特に好ましくは1~10質量部配合する。側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)の配合量が0.2質量部未満では、透光性や透明性が不十分であり、20質量部以上では相分離が起こり、機械的な物性と透光性や透明性が低下すると考えられる。
側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)は、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン系不飽和カルボン酸との共重合体を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオンなどで中和したもので、これらは、例えばデュポン社から”サーリン”または三井・ダウポリケミカル社から”ハイミラン”として市販されているものである。中でもナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオンで中和したものが好ましい。
炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)および側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)を併用することは相乗効果があるため透明性がさらに向上する。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)に、耐熱性が必要な場合は、ヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(D)および過酸化物分解剤(E)を含有することが好ましい。熱変色性が必要な場合は、ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤(D)は、炭素および酸素からなる構造であることが好ましい。
ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤(D)の配合量は、ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対して、0.05質量部以上5.0質量部以下が好ましい。より好ましくは0.05~2.5質量部、さらに好ましくは0.05~1.0質量部、最も好ましくは0.05~0.5質量部である。
過酸化物分解剤(E)の配合量は、ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対して、0.05質量部~5.0質量部が好ましい。さらに好ましくは0.05~2.5質量部、より好ましくは0.05~0.1質量部、最も好ましくは0.05~0.5質量部である。
ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤(D)および過酸化物分解剤(E)の配合量は、炭素および酸素からなるヒンダードフェノール系ラジカル補足剤(D)および過酸化物分解剤(E)の配合量が0.05質量部未満では熱劣化防止効果に乏しい。ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤(D)および過酸化物分解剤(E)の配合量が2.5質量部を超えると、ブリードアウトや熱による変色および初期色調、外観に問題が生じる。
ヒンダードフェノール系ラジカル捕捉剤(D)は、重合時に加えるのが好ましいが、重合後のポリエステルブロック共重合体に加えても良い。
ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤(D)としては、例えば、テトラキス〔メチレン-3(3’,5’-ジ-t-4’-ヒドロキシフェノール)プロピオネート〕メタン、2,4,6-トリス(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンジル)メシチレン、1,1,3-トリ(4-ヒドロキシ-2-メチル-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパノイック酸、ペンタエリトリトールテトラキス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸オクタデシル、3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジイソプロピルフェニル)プロピオン酸オクチル2,4-ジメチル-6(-1-メチルペンタデシル)フェノール、ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’,4’’-(1-メチルプロパニル-3-インデン)トリス(6-t-ブチル-m-クレゾール)、6,6’-ジ-t-ブチル-4,4’-ブチリデンジ-m-クレゾール、オクタデシル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
過酸化物分解剤(E)としては、リン系過酸化物分解剤および硫黄系過酸化物分解剤が好ましい。リン系過酸化物分解剤の中には、吸湿性を有する過酸化物分解剤もあるため、取り扱いの観点では、硫黄系酸化防止剤がより好ましい。
過酸化物分解剤(E)のリン系としては、3,9-ビス(p-ノニルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(オクタデシロキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリ(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリフェノキシフォスフィン、イソデシルフォスファイト、ビス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、トリスノニルフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、トリオレイルフォスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)フォスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ジエチルハイドロゲンホスファイト、ビス(2-エチルヘキシル)ハイドロゲンフォスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリオクタデシルホスファイト、テトラフェニルテトラトリデシルペンタエリスリトールテトラフォスファイト、ジエチルエステルオブ3,5-ジ-tert-ブチル-4-ハイドロキシベンジルホスホリックアッシド、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリス(4-フェニルフェノール)ホスファイト、ジフェニルノニルフェニルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ジノニルフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス[2-t-ブチル-6-メチル-4-{2-(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、トリフェニルホスファイト、10-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、10-デシロキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイトが挙げられる。
過酸化物分解剤(E)の硫黄系として、ジラウリルチオプロピオネート、ジステアリルテオジプロピオネート、ラウリルスステアリルテオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリルル-3,3’-チオジプロピオネートジラウリル-3,3-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミシスチルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジステアリル-β,β’-チオジブチレート、3,3’チオジプロピオン酸、ペンタエリスリトールテトラ(β-ラウリルチオプロピオン酸エステル)、ビス[3,3’-ビス(4’ハイドロキシ-3’-tert-ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、チオジエチレン-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートがあげられる。
本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂組成物は、紫外線吸収剤(F)およびヒンダードアミン系化合物(G)を含有しても良い。紫外線吸収剤(F)は、紫外領域に吸収をもつ物質で、紫外線が高分子鎖に作用するよりも前に、紫外線吸収剤自身が紫外線を吸収し、熱等の無害なものに変換し、高分子鎖自身の劣化を防ぐ役割として使用する。ヒンダードアミン系化合物(G)は、紫外線によって生じたラジカルを補足する役割として使用する。ヒンダードアミン系化合物(G)は、好ましくはアミンの級数が3級である。アミンの級数が1級あるいは2級の場合、耐候性は改善されるものの、熱による変色が生じてしまう可能性がある。
紫外線吸収剤(F)とヒンダードアミン系化合物(G)は光による変色を抑制する機構が異なるため、組み合わせることで、相乗効果が生じる。
例えば、本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂組成物に配合することができる紫外線吸収剤(F)として、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、p-t-ブチルフェニルサリシレート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’、5’-ビス(α,α-ジメチルベンジルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンアゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,5-ビス-〔5’-t-ブチルベンゾキサゾリル-(2)〕-チオフェン、2-〔2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-i-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシルオキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニルなどを挙げることができる。
紫外線吸収剤(F)は、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物からなる群から選ばれる1種類以上であることが好ましい。中でも、外観性を向上させるには、可視光領域波長である360mm以上の波長領域に吸光度が少ない紫外線吸収剤が好ましい。
ヒンダードアミン系化合物(G)として、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールの重合物、ビス(2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、1-〔2-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕-4-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、セバシン酸モノ(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチル-マロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6,-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2-〔〔3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル〕メチル〕-2-ブチルプロパン二酸ビス〔1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル〕などを挙げることができる。
ヒンダードアミン系化合物(G)の中でも、アミンの級数が3級であることが好ましい。最も好ましくは、窒素原子に結合している原子が全て炭素原子である構造である。
紫外線吸収剤(F)およびヒンダードアミン系化合物(G)の配合量は、ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対して、それぞれ0.1~5.0質量部が好ましい。より好ましくは、0.1~2.5質量部、特に好ましくは0.1~1.0質量部である。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物は、紫外線吸収剤(F)およびヒンダードアミン系化合物(G)以外の光安定剤を含んでいても構わないが、紫外線吸収剤(F)およびヒンダードアミン系化合物(G)のみ含有されることが好ましい。
本発明におけるポリエステルエラストマー樹脂組成物には、その他各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、本発明におけるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)や炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)以外、難燃剤、無機フィラー、安定剤、及び老化防止剤をポリエステルブロック共重合体樹脂組成物への添加剤として広く用いられているものを、添加することができる。
また、その他の添加剤として、着色顔料、無機、有機系の充填剤、カップリング剤、タック性向上剤、クエンチャー、金属不活性化剤等の安定剤、多官能グリシジル基含有スチレン系ポリマー等を添加することもできる。あるいは、カーボンブラックや酸化チタンなどの無機系顔料、有機系顔料、染料、インク、熱安定剤、光安定剤、架橋剤、分散剤、滑材、アンチスリップ剤、核剤、発泡剤、抗菌剤、消臭剤、吸着剤、導電剤、難燃剤なども含有しても良い。
本発明におけるポリエステルブロック共重合体樹脂組成物は、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)および/または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)の合計で、80質量%以上を占めることが好ましい。(A)、(B)、(C)、(D)、(E)あるいは(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)の合計で、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
本発明のポリエステルブロック共重合体樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルブロック共重合体、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩および/または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体と他の添加物を一緒に配合した原料をスクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、まずポリエステルブロック共重合体を供給して溶融し、さらに他の供給口より、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩および/または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体と他の添加物を供給混練する方法など、適宜採用することができる。
特定の難燃粒子を含むコーティング層(II層)は、屈折率が1.40~1.60である難燃粒子(H)を含有する。屈折率が1.40~1.60である難燃粒子(H)としては、例えば、金属水酸化物、無機酸金属塩、金属酸化物、金属、セラミックス、シリカ、酸化ケイ素、ハイドロタルサイト、ハイドロタルサイト様化合物、ガラスビーズ、ガラス繊維、有機ポリマーなどが挙げられる。難燃粒子(H)の屈折率はポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)と差が小さいものが好ましい。
前記難燃粒子(H)は硫黄化合物又はリン化合物を含有していることが好ましい。リン系や硫黄系はイオン性化合物を含有してもよく、例えば、硫酸誘導体イオン、スルホン酸誘導体イオン、リン酸誘導体イオン等が挙げられる。
難燃粒子(H)の平均粒子径は、10nm以上2500nm以下であることが好ましい。より好ましくは1000nm以下であり、さらに好ましくは800nm以下である。難燃粒子(H)の平均粒子径が2500nm以上の場合、光透過が小さくなってしまうことが考えられる。
コーティング層(II層)の厚みは1μm以上20μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは1μm以上10μm以下である。コーティング層(II層)の厚みが20μm以上であると、透明性が低下するともにポリエステルブロック共重合体樹脂組成物本来の柔軟性が損なわれる恐れがある。一方、1μm未満の場合は十分な難燃性を付与できない恐れがある。厚みは電子顕微鏡での測定や、塗布量から厚さに換算して求めることができる。
コーティング層(II層)は、硫黄化合物又はリン化合物を含有するハイドロタルサイト様化合物の微粒子を含むことが好ましい。硫黄化合物又はリン化合物を含有するハイドロタルサイト様化合物は、複層構造体であり、一般式[M2+
1-xM3+
x(OH)2][An-
x/n・mH2O]で表される。このとき、M2+とM3+はホスト元素であり、An-
x/nはゲストイオンである層間陰イオンである。ハイドロタルサイトのような複層構造体を微粒子化する方法としては、公知の方法でよく、例えば特開2013-209488号公報の方法を用いて良い。ここで、微粒子とは平均粒形2500nm以下の粒子を意味する。
硫酸誘導体イオンとしては、スルファミン酸イオン(SO3NH2
-)、ペルオキソ二硫酸イオン(S2O8
2-)、硫酸イオン、過硫酸イオン、二硫酸イオン、亜硫酸イオン、二亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、亜ジチオン酸イオン、硫酸水素イオン、フルオロスルホン酸イオン等を挙げることができる。また、スルホン酸誘導体イオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン等の脂肪族スルホン酸;パラトルエンスルホン酸イオン、パラフェノールスルホン酸イオン、スルホフタル酸イオン、ポリスチレンスルホン酸イオン等の芳香族スルホン酸イオンを挙げることができる。なかでも、スルファミン酸イオン(SO3NH2
-)、ペルオキソ二硫酸イオン(S2O8
2-)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(SO3CF3
-)が好ましい。
リン酸誘導体イオンとしは、リン酸イオン、二リン酸イオン、酸性リン酸エステルイオン、リン酸アミドイオン、ポリリン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、過リン酸イオン、三リン酸イオン、ホスホン酸イオン、ホスフィン酸イオン、ペルオキソ一リン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、チオリン酸イオン、チオリン酸エステルイオン等を挙げることができる。なかでも、二リン酸イオン(P2O7
4-)が好ましい。
ホスト元素は、M2+としては、Ca2+,Mg2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+等を挙げることができる。また、M3+としては、Al3+,Ti3~4+,Cr3+,Fe3+,Co3+,(Mo5~6+)等を挙げることができる。M2+とM3+の組み合わせとしては、MgとAl、ZnとAlが好ましい。
コーティング層(II層)は、バインダー(G)を含んでいることが好ましい。バインダー(G)は特に制限はなく、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)とコーティング層(II層)との密着性が良好であれば、種々の有機化合物や無機化合物を用いることができる。密着性、及び成形性の観点から、有機化合物の方が好ましい。有機化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリアルキレンオキサイド、ポリプロピレングリコール、尿素樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、アクリル酸系ポリマー、メラミン樹脂、でんぷん、糖類、ポリエチレンイミン、ポリアミジン、オキサゾリン基含有水溶性ポリマー、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル、シリコーン等を挙げることができる。中でも、アミド系、イミド系、アルコール系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ樹脂樹脂、ABS、PC、PBT、PET,AS樹脂等が好ましい。バインダー(G)は、コーティング剤に添加されることが好ましく、積層フィルムの難燃性を顕著に向上させることができる。また、コーティング層(II層)に含まれるバインダーの含有量は、全固形分に対し、20質量%~80質量%が好ましく、35質量%~65質量%がより好ましい。
コーティング層(II層)は、本発明を阻害しない範囲内で、金属水酸化物、無機粉末、リン酸化合物、硫酸化合物、アルキルスルホン酸やホスホン酸等の塩、その他分散体及び難燃層の作業性、安定性、耐水性等を向上させるような添加剤(分散剤、有機溶剤)を必要に応じて含んでいてもよい。
例えば、金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。また、無機粉末としては、炭酸カルシウム粉末、酸化チタン粉末、酸化亜鉛粉末、酸化モリブデン粉末、硼酸亜鉛粉末等を挙げることができる。リン酸化合物としては、リン酸グアジニジン、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸エチレンジアミン、リン酸ピペラジン、リン酸アミド、酸性リン酸エステル等のリン酸塩や、それらのダイマー、トリマー、オリゴマー、ポリマーを挙げることができる。硫酸化合物としては、スルファミン酸、ペルオキソ二硫酸、硫酸、過硫酸、二硫酸のアンモニウム塩や、メラミン、エチレンジアミン等のアミン類の塩を挙げることができる。
コーティング層(II層)は、難燃粒子(H)あるいは難燃粒子(H)とバインダー(G)を含むコーティング液をポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)に塗布し、乾燥させて水やアルコールを除去すれば、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)表面に薄い難燃性被膜を形成することができる。
コーティング液の溶媒としては、水系溶媒でも非水系溶媒でもよく、本発明の効果を奏する範囲で任意に選択し用いられる。通常、水が好ましく用いられるが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル類;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等の含窒素化合物類;シクロヘキサン、n-ヘキサン、イソオクタン、トルエン、キシレン等の炭水素類、等を挙げることができる。
コーティング液は、ハイドロタルサイト様化合物が0.1質量%以上、好ましくは1質量%、より好ましくは5質量%以上含まれている。また、ハイドロタルサイト様化合物が50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下含まれている。
例えば、硫黄化合物又はリン化合物を含有するハイドロタルサイト様化合物の微粒子を含むコーティング液が塗布され、例えば加熱されると、脱水炭化して[M2+
1-xM3+
xO(2+x)/2]が残ると考えられ、緻密な層状構造を維持している。こうした層状構造は、酸素を遮断でき、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)と屈折率が近いため、透明性を維持しつつ、その燃焼を防ぐことができる。
また、硫黄化合物又はリン化合物を含有するハイドロタルサイト様化合物の微粒子を含むコーティング層(II層)は、緻密なハイドロタルサイト様化合物層が形成されているので、水に対する溶解性が極めて低く、高い耐水性をポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)に付与することができる。また、分散体自体は、中性から弱アルカリ性であり且つ分解性もないため、経時変化して酸性にならない。その結果、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)を酸劣化させることがない。
ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)は、コーティング層(II層)との間で密着性が良好であることが好ましく、特に熱が加わってもその密着性が保持されていることが好ましい。その結果、熱が加わってもポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)とコーティング層(II層)との密着性が保持されるので、コーティング層(II層)がバリアとなってポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)の燃焼を防ぐことができる。そのため、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)は、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)を含有することが好ましく、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)および炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)を含有することが好ましい。また、前述の通り、コーティング層(II層)にバインダー(G)を含有することが好ましい。
コーティング層(II層)の上に、柔軟性を損なわない範囲で、耐摩耗性および耐傷付き性の向上と、触感や光沢調整、殺菌や消臭、導電性の向上のために、さらに表面保護層(III層)を積層させることが好ましい。表面保護層(III層)を積層させることで、ポリエステルブロック共重合体からなる層(I)からコーティング層(II層)が剥離しにくくなる。さらに、表面保護層(III層)が積層することで、コーティング層(II層)に含まれる難燃粒子の平滑性を向上することができ、透明性や曇り度を改善することができる。
表面保護層(III層)としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂など公知の樹脂を使用することが好ましい。厚みとしては、特に限定がされるものではないが、柔軟性が損なわれない範囲である数μm~数十μmが好ましい。
その他の層としては、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)とコーティング層(II)間には、両者の密着性を向上させるためのプライマー層を設けてもよいし、上記した表面保護層(III)とコーティング層(II層)との間にも、両者の密着性を向上させるためのプライマー層を設けてもよい。
ポリエステルブロック共重合体からなる層(I層)とコーティング層(II層)の密着性を向上させるために、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)を前処理しても良い。前処理方法としては公知の方法で良く、例えば、コロナ放電処理、紫外線処理、プラズマ処理、フレーム処理、プライマー処理などが挙げられる。特に、コロナ放電処理が好ましい。
本発明のポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなる層(I層)の製造方法は、特に限定されるものではないが、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形、インモールド成形等の公知の方法であって良い。押出成形には、溶融流延法、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられる。
コーティング層(II層)積層方法は、特に限定がされるものではないが、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ダイコーティング法などが挙げられる。特に、バーコート法、グラビアコーティング法、スプレー法、ダイコーティング法が好ましい。
本発明の積層フィルムは、ASTM D1003に従い測定した全光線透過率が60%以上であることが好ましい。全光線透過率が60%以上の積層フィルムは、目視で透明あるいは半透明なものであり、目視では半透明であるが透光性は有し、印刷物の上にこの層を置いた場合に文字を十分読むことができるものから、目視で透明であって印刷物の上にこの層を置いた場合に文字がきわめて明瞭に見えるものまで含まれる。全光線透過率が60%未満の積層フィルムは、目視では不透明であり、印刷物の上にこの層をおいても文字を十分に読むことができない。
本発明の積層フィルムは、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなり、柔軟性、透明性、難燃性が優れることから、例えば、内装用表示装置の外装用フィルムに好適である。内装用とは、太陽光や風雨に直接さらされることのない、しかしガラス越しには強い紫外線にさらされることが想定される環境下に設けられるものであり、具体的には、建物(店舗やホテルや一般家屋等)内や自動車の車室内等の環境下である。
例えば表示装置に用いる場合、光源を含む表示素子と、表示素子と重なるように配置される本発明の積層フィルムを有するものであり、表示素子に用いられる光源は、特に限定されるものではないが、バックライトを有する液晶素子やエレクトロルミネセンス素子やLED等を含む、従来から公知の構成であってよい。
前記外装用フィルムとは、表示素子の外から見える部分を装飾・保護するものであり、人が触れうるフィルムを意味する。
本発明の積層フィルムを用いた内装用表示装置は、自動車内装用であることが好ましく、主にフロントガラスやサイドガラス回りに使用されることが好ましい。例えば、インストルメントパネルや表皮等に使用され、インストルメントパネルに使用されることが好ましい。インストルメントパネル部分としては、例えば、スピードメーターやタコメーターなどのメータパネル、カーナビゲーションシステムなどのナビゲーションパネル、オーバヘッドコントロールパネルなどのコントロールパネルである。表皮としては、ドアトリム、フロントパネル、グローブボックスパネル、シフターパネルなどである。
本発明の積層フィルムは、柔軟性を付与させるために、厚みとしては50μm以上2mm以下が好ましく、100μm以上1mm以下がさらに好ましい。表面状態としては、平滑または凹凸形状(凹凸を有する形状の場合には、幾何学形状や皮革様の形状を取っていてもよい。その中でも特に好ましくは200μm以上500μm以下の大きな凹凸の中に、1μm以上10μm以下の微細な凹凸が形成されたシボ形状である。)
凹凸の付け方としては、特に限定されるものではないが、インプリント転写法や樹脂塗布法等の公知の方法であってよい。
さらに、本発明の積層フィルムによると、優れた耐久性を実現することができる。すなわち、ポリエステルブロック共重合体樹脂組成物からなるフィルムであるため、耐熱性、耐光性、耐薬品性、耐油性、耐屈曲疲労特性などに優れる。耐熱性や耐候性が優れるため、使用する雰囲気の制限を受けにくく、高温下の室内や車室内で使用可能である。耐薬品性や耐油性も優れるので、手指の脂が付着した手での操作や、機械油等が付着する環境で使用しても劣化しにくいため、例えばタッチパネル、透光表皮等に使用できる。また、耐屈曲疲労特性が優れるので、次世代のフレキシブルな表示装置やフレキシブルモジュールにも対応可能である。
本発明のフィルムは、多層構造であってもよく、ポリエステルブロック共重合体等からなるフィルムと積層されてそれを支持する基材は、圧電フィルム、ミラーフィルム、導電性フィルム、金属蒸着膜、回路パターンを有するフィルム、タッチパネル等であってよい。フィルムの外観は、前述したようなレザー状に限られず、木目調、壁紙調、メタル調、石目調、タイル調などであってもよい。
また、本発明の積層フィルムは、成形性や熱融着性に優れているという利点をさらに有している。例えば、本発明の積層フィルムはポリエステルブロック共重合体であるため、表面に配置されているガラスや樹脂ガラスと密着性が優れており、特に熱接着性や曲面追従に優れている。すなわち、本発明の積層フィルムは、任意の表示素子に隙間なく強固に密着するため、所望の形状の表示装置を形成することが容易にできる。また、優れた熱融着性を有しているが、さらに密着性を向上させるために、接着剤を使用してもよい。
以下に実施例によって本発明の効果を説明する。なお、実施例7は、参考例1と読み替えるものとする。なお、実施例中の%および部とは、断りのない場合すべて質量基準である。また、実施例中に示される物性は次のように測定した。
<ポリエステルブロック共重合体(I層)>
・融点
差動走査熱量計(TAインスツルメント社製DSC Q1000)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
・全光線透過率およびヘイズ値
日精樹脂工業社製の電気式射出成型機(NEX-1000)を用いて、220℃(金型温度:40℃)の条件で、125mm×75mm、厚さ2mmの試験片を作製した。試験片の表面粗さは、KEYENCE社製VK-9700を用いて測定したところ、0.46μmであった。その試験片を用いて、ASTM D1003に従い、東洋精機製作所社製DIRECT READING HAZEMETERを用いて全光線透過率およびヘイズ値を測定した。
・表面硬度(ショアDスケ-ル)
前記試験片を用いてJIS K-7215に従って測定した。
・外観
前記試験片の下に印刷物を置き、以下の基準で評価した。
×:印刷物の文字を全く読むことができない。
〇;印刷物の文字を読むことができる。
◎;印刷物の文字を明瞭に読むことができる。
<積層フィルムに関して>
・全光線透過率およびヘイズ値
後述する積層フィルムを用いて、ASTM D1003に従い、東洋精機製作所社製DIRECT READING HAZEMETERを用いて全光線透過率およびヘイズ値を測定した。
・難燃性
後述する積層フィルムを用いて、JIS-D1201-1998に準拠して、燃焼速度B(mm/min)を算出した。なお、燃焼速度は60×燃焼距離(mm)/燃焼時間(sec)で算出し、燃焼速度を以下のように評価した。
×:150(mm/min)より大きい
〇:100~150(mm/min)
◎:100(mm/min)未満。
・外観
後述する積層フィルムの下に印刷物を置き、以下の基準で評価した。
×:印刷物の文字を全く読むことができない。
〇;印刷物の文字を読むことができる。
◎;印刷物の文字を明瞭に読むことができる。
・柔軟性
×:手で延伸することできない。
〇:手で延伸することができる。
参考例
ポリエステルブロック共重合体(A-1)の製造
テレフタル酸278部、数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール686部、さらに1,4-ブタンジオール316部、チタンテトラブトキシド0.1部を共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190~225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。ポリエステルブロック共重合体成分100質量部に対して“IRGANOX”1330(BASF社製ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤)0.1質量部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマーを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
ポリエステルブロック共重合体(A-2)の製造
テレフタル酸234部、数平均分子量約2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール754部、さらに、1,4-ブタンジオール228部、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190~225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。ポリエステルブロック共重合体成分100質量部に対して”IRGANOX”1330(BASF社製ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤)0.5質量部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で3時間30分重合を行わせた。得られたポリマーを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
ポリエステルブロック共重合体(A-3)の製造
テレフタル酸374部、数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール610部、さらに1,4-ブタンジオール335部、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190~225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。ポリエステルブロック共重合体成分100質量部に対して”IRGANOX”1098(BASF社製ヒンダードフェノール系ラジカル補足剤)0.05質量部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマーを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
表1にポリエステルブロック共重合体(A-1)、(A-2)、(A-3)の組成および物性を示す。
ポリエステル共重合体からなる層(I-1~I-5)の作製
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A-1)、(A-2)、(A-3)に炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(日東化成工業株式会社製NS-3A(ラウリン酸ナトリウム))(B-1)、(日東化成工業株式会社製ナトリウムステアレート(ステアリン酸ナトリウム))(B-2)、側鎖にカルボン酸ナトリウム塩基を有するエチレン系共重合体(DuPont社製“サーリン”AD8610)(C-1)あるいは(三井・ダウポリケミカル株式会社製“ハイミラン”1707)(C-2)を表2に示すような配合比率でドライブレンドし、45mmφのシリンダー径を有する二軸押出機を用いて、溶融混練したのちペレット化した。
これらのペレットを80℃で3時間乾燥後、日精樹脂工業社製の電気式射出成型機(NEX-1000)を用いて、220℃(金型温度:40℃)の条件で、125mm×75mm、厚さ2mmの試験片を作製した。得られた厚さ2mmのシートを用いて全光線透過率(%)、ヘイズ値(%)、表面硬度(Dスケール)を測定するとともに、外観を評価した。それらの結果を表2に示す。なお、厚さ2mmのシートを用いてJISK7142に基づいて測定した屈折率は、ポリエステル共重合体からなる層(I-3)が1.50で、ポリエステル共重合体からなる層(I-5)が1.51であった。
ポリエステル共重合体からなる層(I-6)の作製
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A-1)のペレットを80℃で3時間乾燥後、日精樹脂工業社製の電気式射出成型機(NEX-1000)を用いて、220℃(金型温度:40℃)の条件で、125mm×75mm、厚さ2mmの試験片を作製した。得られた厚さ2mmのシートを用いて全光線透過率(%)、ヘイズ値(%)、表面硬度(Dスケール)を測定するとともに、外観を評価した。それらの結果を表2に示す。
表2より、本発明のポリエステルブロック共重合体からなる層(I-1~I-5)は透明性を有している。一方、ポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対し、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3質量部または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)0.2~20質量部を含有していないポリエステルブロック共重合体からなる層(I-6)は不透明であった。
<コーティング層(II層)>
コーティング層(H-1)の製造
屈折率1.40~1.60の難燃粒子として、一般式;Mg3Al(OH)8(CO3
2-)0.5・2H2Oで示される市販の炭酸型LDH(層状複水酸化物:Layerd Double Hydroxide)であるハイドロタルサイト(商品名:DHT-6、協和化学工業(株)製、平均粒径:約1μm、屈折率:1.51)を700℃、2時間の条件で焼成して、特定無機層状化合物の焼成物を得た。得られた化合物の焼成物34.4質量部を、スルファミン酸アンモニウム(NH4SO3NH2)25.1質量部と脱炭酸イオン交換水1500質量部との混合液中に投入し、60℃で2時間撹拌し、ゲスト化合物である硫黄化合物を含有する難燃粒子を生成した。溶液中で生成した硫黄化合物含有難燃粒子の沈殿物を、遠心分離した後に水洗した。得られた難燃粒子の沈殿物に、水を加え、沈殿しないように高分散化させ、硫黄化合物含有難燃粒子を含む分散体を得た。分散体に含まれる硫黄化合物含有難燃粒子の平均粒径を、動的光散乱法測定装置(マルバーン(株)製)によって測定したところ、210nmであった。また、JIS K0062に準拠してアッベ屈折率計を用いた屈折率は1.50であった。さらに、得られた分散体に、さらにバインダー(アミノ系樹脂、固形分20%、25質量部)加えたコーティング剤を作製した。
コーティング層(H-2)の製造
屈折率1.40~1.60ではない難燃粒子として、一般式;AlOOHで示されるアルミナ1水和物(商品名:ベーマイトC20、大明化学工業(株)製、平均粒径:約2.3μm、屈折率:1.65)を用いて、固形分が5%(質量比)になるように水を加えて分散体を得た。得られた分散体に、さらにバインダー(アミノ系樹脂、固形分20%、25質量部)加えたコーティング剤を作製した。
実施例1~7
表2に示す配合比率で作製したペレットを80℃で3時間乾燥後、Tダイ押出により、その両面をセパレーターとしてのPETフィルムで挟んだ状態でニップし、幅1050mm、厚さ300μm、600μmのフィルム状のポリエステルブロック共重合体からなる層(I-1)~(I-5)を作製した。
ポリエステルブロック共重合体からなる層(I-1)~(I-5)の一辺に沿うように表3に示す乾燥後の厚みになるようにコーティング液(H-1)を滴下し、バーコーターをスライドさせることで塗工し、室温で5分間乾燥させた。その後、強制滞留乾燥機を用いて120℃で5分間乾燥させ、1晩以上室温で放置し積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムを用いて、全光線透過率(%)およびヘイズ(%)を測定し、外観、難燃性、柔軟性を評価した。結果を表3に示す。
比較例1~2
表2に示す配合比率で作製したペレットを80℃で3時間乾燥後、Tダイ押出により、その両面をセパレーターとしてのPETフィルムで挟んだ状態でニップし、幅1050mm、厚さ300μmのフィルム状のポリエステルブロック共重合体からなる層(I-3)を作製した。
比較例1では、コーティング層(II層)を設けなかった。比較例2では、ポリエステルブロック共重合体からなる層(I-3)の一辺に沿うように表3に示す乾燥後の厚みになるようにコーティング液(H-2)を滴下し、バーコーターをスライドさせることで塗工し、室温で5分間乾燥させた。その後、強制滞留乾燥機を用いて120℃で5分間乾燥させ、1晩以上室温で放置し積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムを用いて、全光線透過率(%)およびヘイズ(%)を測定し、外観、難燃性、柔軟性を評価した。比較例1の結果を表3に示す。
表3の実施例1~6から明らかなように、結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10~50質量%と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90~50質量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100質量部に対し、炭素数10以上20以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3質量部または側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)0.2~20質量部を含有したポリエステルブロック共重合体からなる層(I層)と、屈折率が1.40~1.60である難燃粒子(H)を含むコーティング層からなる積層フィルムは、柔軟で、優れた透明性を保ちつつ、高い難燃性を示した。
一方、比較例1に示すように、屈折率が1.40~1.60である難燃粒子(H)を含むコーティング層(II層)を含まないものは、柔軟性および透明性に優れるが難燃性が乏しかった。また、比較例2では、屈折率が1.65(1.40~1.60ではない)の難燃粒子(H-2)を含むコーティング層(II層)を有するものは、透明性および難燃性が乏しかった。