JP7853473B1 - 漏油検出材 - Google Patents
漏油検出材Info
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Abstract
【課題】雨水等の水に濡れても、漏油と誤認する恐れがなく、水に濡れた状態でも漏油だけを確実に検出でき、且つ検知すべき漏油の粘度や量に依らず、漏油箇所を短時間で正確に検知でき、耐候性・耐水性に優れた漏油検出材を提供する。
【解決手段】漏油検出材10は、所定の色が着色された着色層11と、前記着色層11の上面の少なくとも一部に接して設けられ、白色粒子又は白色粉末である白色粉体12が、その表面の少なくとも一部にシリコーン樹脂又はシリコーンゴム製の被膜12aを有し、前記白色粉体12同士が、前記被膜12aで繋ぎとめられつつ、漏油を吸油し水を撥水する間隙を有している白色の変色層とを、備えている。
【選択図】図1
【解決手段】漏油検出材10は、所定の色が着色された着色層11と、前記着色層11の上面の少なくとも一部に接して設けられ、白色粒子又は白色粉末である白色粉体12が、その表面の少なくとも一部にシリコーン樹脂又はシリコーンゴム製の被膜12aを有し、前記白色粉体12同士が、前記被膜12aで繋ぎとめられつつ、漏油を吸油し水を撥水する間隙を有している白色の変色層とを、備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、漏油を確実に検知でき、耐候性・耐水性に優れた漏油検出材に関するものである。
油が貯蔵されるタンクや容器の溶接個所、油配管の接手等の油漏れは、定期検査等でタンクや容器が空のとき、油配管に油が流れていないときは、空のタンクや容器、油配管に窒素ガスを所定圧まで封入し、窒素ガスの圧力低下割合を観察して漏れの有無を検査していた。しかし、油が貯蔵されているタンクや容器、油が流れている油配管での油漏れは、視覚で検出せざるを得ないが、少量の油漏れは視覚では検出されないおそれがある。
このように油が貯蔵されているタンクや容器、油が流れている油配管から油漏れを検出可能な検出材として、特許文献1には、透水性と油を吸収して保持する油保持性とを有する合成樹脂製であって、厚さが200μm以上の不織布で形成され、前記不織布が着色されている着色層と、前記着色層の一面側に積層され、前記着色層が水で濡れたとき不透明であり、前記着色層が前記油で濡れたとき透明となって、前記着色層の色相が透視できるように、屈折率を1.5~1.6とする白色粉末が透明樹脂に分散された厚さが少なくとも150μmの白色層とを有する漏油検出材が開示されている。
しかし、このような従来の漏油検出材は、雨水等の水に濡れても白色層が若干透明化し、漏油と誤認するおそれがあり、水濡れしたら白色層が十分に乾燥しなければ漏油が白色層に十分浸透せず白色層の透明化が不十分となって漏油を確実に検出できず、更に白色層の白色粉末の屈折率が1.5~1.6であることから屈折率1.4のシリコーン油では白色層が十分に透明化せずシリコーン油の漏油が検出し難いものであった。
しかし、このような従来の漏油検出材は、雨水等の水に濡れても白色層が若干透明化し、漏油と誤認するおそれがあり、水濡れしたら白色層が十分に乾燥しなければ漏油が白色層に十分浸透せず白色層の透明化が不十分となって漏油を確実に検出できず、更に白色層の白色粉末の屈折率が1.5~1.6であることから屈折率1.4のシリコーン油では白色層が十分に透明化せずシリコーン油の漏油が検出し難いものであった。
そこで出願人は、既に特許文献2のように、所定の色が着色された吸油性を有する着色層と、前記着色層の上面の少なくとも一部に接して設けられ、白色粒子又は白色粉末が透明樹脂層に含有され又は付された吸油性を有する白色層と、前記白色層の上面を覆うように設けられた透明な疎水性樹脂から成る保護層と、前記着色層の下面側に設けられ、吸油性と保油性とを有し、撥水性を有する材料で形成され又は撥水処理が施されている吸油層とを備える漏油検出材であって、前記着色層と前記白色層とに水の浸透を防止するように、前記着色層及び前記白色層とが前記保護層と前記吸油層とに挟み込まれ、且つ漏油検出対象物である屈折率が1.40~1.55の油と前記白色粒子又は前記白色粉末との屈折率差が0.1以下であり、前記吸油層の少なくとも一部の面に漏油又は漏油と水とが接したとき、前記漏油のみが前記吸油層に吸油されて前記着色層及び前記白色層に浸透し、前記白色層が透明状態乃至半透明状態となって、前記着色層の色相が前記保護層を介して目視できる漏油検出材を、開発している。
このように開発された漏油検出材は、雨水にも耐え、シリコーン油でも検知できるものであるが、側面から漏油が毛細管現象により吸油層に染み込み、着色層を経て、白色層にまで浸透し、白色層が透明状態乃至半透明状態となり、着色層の色相が漸く目視できるようになることによって、変色して漏油を検出するというものであるから、漏油の検出に、ガソリンのような低粘度の油でも数分間乃至数十分間以上、高粘度の油なら数時間を要することがあり、漏油の素早い検知ができないという問題があった。
また、この漏油検出材は、吸油層を層面方向に浸透しつつ、着色層のみならず白色層の層間方向にまで拡散するだけの充分量の漏油量が必要となるため、液滴状の漏油が少量過ぎて変色に至らず検知されなかったり、オイルミストのように極少量で霧状の漏油が検知されなかったりするという恐れがあった。
しかも、この漏油検出材は、漏油箇所から漏油が吸油層・着色層・白色層へと浸透・拡散することと、吸油層・着色層・白色層の繊維配向に浸透・拡散方向が影響されることとが相俟って、正確に漏油箇所を検知できないという問題があった。
また、これら漏油検出材は、白色層に親油性の透明樹脂、例えばエトセル(エチルセルロースのようなセルロース系樹脂が用いられており、太陽光や紫外線によって主鎖の炭素-炭素結合が切れ易く、短期間で親水化されてしまい、雨水や水漏れで変色し易いものであった。そのため、耐候性・耐水性に優れ、水で変色せず、漏油でのみ変色する漏油検出材が望まれていた。
本発明は、雨水等の水に濡れても、漏油と誤認する恐れがなく、水に濡れた状態でも漏油だけを確実に検出でき、且つ検知すべき漏油の粘度や量に依らず、漏油箇所を短時間で正確に検知でき、耐候性・耐水性に優れた漏油検出材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明の漏油検出材は、
所定の色が着色された着色層と、
前記着色層の上面の少なくとも一部に接して設けられ、白色粒子又は白色粉末である白色粉体が、その表面の少なくとも一部にシリコーン樹脂又はシリコーンゴム製の被膜を有し、前記白色粉体同士が、前記被膜で繋ぎとめられつつ、漏油を吸油し水を撥水する間隙を有している白色の変色層とを、
備えている。
所定の色が着色された着色層と、
前記着色層の上面の少なくとも一部に接して設けられ、白色粒子又は白色粉末である白色粉体が、その表面の少なくとも一部にシリコーン樹脂又はシリコーンゴム製の被膜を有し、前記白色粉体同士が、前記被膜で繋ぎとめられつつ、漏油を吸油し水を撥水する間隙を有している白色の変色層とを、
備えている。
この漏油検出材は、前記間隙に前記漏油が吸油されることによって、前記変色層が、透明に変色し、前記着色層の前記色を視認可能にするものである。
この漏油検出材は、前記白色粉体が、屈折率を1.40~1.50とする前記白色粒子又は白色粉末を含んでいることが好ましい。
この漏油検出材は、前記シリコーン樹脂又はシリコーンゴムが、例えばポリジメチルシロキサン骨格、ポリジフェニルシロキサン骨格、又はポリメチルフェニルシロキサン骨格を有するものである。
この漏油検出材は、前記変色層中、例えば前記白色粉体を30~90質量部と、前記シリコーン樹脂又はシリコーンゴムを10~70質量部との比で含んでいる。
この漏油検出材は、例えば前記変色層が、前記白色粉体とバインダーと溶媒とを含有する組成物の塗工層であり、前記間隙が、前記塗工層中での前記溶媒の消失跡であるというものである。
この漏油検出材は、前記着色層の下面側が、織布、不織布、及び紙から選ばれる吸油性基材層、若しくはフィルムからなる吸油性又は非吸油性の基材層で覆われているものであってもよい。
この漏油検出材は、前記変色層の上面を覆い、織布、不織布、紙、及びメッシュから選ばれる吸油性及び/又は油透過性の保護層を、備えているものであってもよい。
この漏油検出材は、前記保護層が、疎水性素材製であることが好ましい。
この漏油検出材は、前記着色層の下面側に、漏油を検出すべき対象物へ接着可能な接着層又は粘着可能な粘着層を、備えていることが好ましい。
この漏油検出材は、前記粘接着層又は前記粘着層と、前記着色層とが、前記漏油の浸透性となっているものであってもよい。
この漏油検出材は、前記白色粉体が、例えば有機化合物、金属石鹸、プラスチック粉末、金属無機塩、鉱物、ガラスビーズ及びガラスフィラーから選ばれた前記白色粒子又は白色粉末であるというものである。
この漏油検出材は、前記白色粉体が、前記金属石鹸、及び/又は非晶質シリカを含む前記白色粒子又は白色粉末であると一層好ましい。
この漏油検出材は、前記白色粉体が、非晶質シリカを含む前記白色粒子又は白色粉末であるとなお一層好ましい。
この漏油検出材は、前記着色層が、例えば黒、紺、赤、橙、青、緑、茶、及び紫、並びにそれらの何れかの中間色から選ばれるいずれかの色に着色されているというものである。
この漏油検出材は、前記着色層及び/又は前記変色層が、文字、記号、及び/又は図形の形状に形付けられており、又は前記着色層が、文字、記号、及び/又は図形の形状に印刷されていてもよい。
この漏油検出材は、前記白色粒子又は白色粉末と前記漏油との屈折率の差が0.1以下であることが好ましい。
本発明の漏油検出材は、漏水や雨水で水に濡れても変色層が透明乃至半透明に変色せず、たとえ水に濡れた状態でも、漏油の油でのみ、シリコーン樹脂又はシリコーンゴムを有する変色層が透明乃至半透明に変色し、着色層の色が見えるようになるので、漏油を誤認することなく確実に検知することができる。
また、この漏油検出材は、多量の漏油であっても、液滴程度乃至オイルミスト程度の少量の漏油であっても、変色層に漏油が染み込みさえすれば、遅くても数十秒間で、極めて速やかに変色層が白色から透明乃至半透明に変色して着色層の色が見えるようになるので、漏油箇所をタイムリーに検知することができる。
さらに、この漏油検出材は、変色層が漏油で濡れた箇所だけが透明乃至半透明に変色し着色層の色が見えるようになるので、漏油箇所を正確に特定でき、修理を迅速に行うことが可能となる。
しかも、この漏油検出材は、変色層が有するシリコーン樹脂又はシリコーンゴムが、太陽光や紫外線で分解したりその所為で親水化したりしないので、耐候性や耐水性に優れ、長期間にわたって性能を維持できるため、頻繁に貼り替える必要がなく、面倒な労務を軽減できる。
本発明を適用する漏油検出材10の使用前の一例の正面図を図1(a1)、そのX-X断面での模式断面図を同図(b1)に示し、漏油検出対象物30に付し漏油20が付着した使用状態の一例の正面図を同図(a2)、そのX-X断面での模式断面図を同図(b2)に示す。
この漏油検出材10は、図1(a1)及び(b1)に示すように、矩形状であって所定の色が着色されている着色層13と、着色層13に同一大きさの矩形状であり白色粒子又は白色粉末である白色粉体12を含有する白色の変色層11と、離型紙用粘着層15を介して接合された離型紙16を有している。変色層11中、図2に示すように、白色粉体12表面の少なくとも一部にシリコーン樹脂又はシリコーンゴム製の被膜12aを有しつつ白色粉体12同士が被膜12aで繋ぎとめられていることによって、漏油20(図1(a2)及び(b2)参照)を吸油し、水を撥水して吸水しない間隙12bを有している。
漏油検出材10は、同図(a2)及び(b2)に示すように、間隙12bに漏油20が吸油されて白色粉体12を濡らすことによって、変色層11が、透明に変色し、着色層13の色を視認することができるようになり、漏油及び漏油箇所の検知を可能にするものである。
着色層13の上面には、白色の変色層11が密着して設けられている。変色層11は、白色粉体12とシリコーン樹脂又はシリコーンゴムの原料バインダーと溶媒とを含有する組成物の塗工層によって形成されたものであり、組成物の塗工後に、溶媒が揮発すると、原料バインダー又は必要に応じて熱硬化・光硬化させたシリコーン樹脂又はシリコーンゴムである硬化物が白色粉体12の表面の少なくとも一部に被膜12aを形成しつつ白色粉体12同士を繋ぎとめているが、溶媒が揮発した分だけ間隙12bが、塗工層中での溶媒の消失跡として形成される。このとき、原料バインダーの結合特性によって、変色層11と着色層13とが、接合する。間隙12bが白色粉体12の個々の白色粒子又は白色粉末の間に形成されるから、変色層11は、多孔質層となっている。
間隙12bを形成させるためには、その組成物中の白色粉体12とシリコーン樹脂又はシリコーンゴムの原料バインダーとの比率を、重量比で、30~90:70~10、好ましくは50~80:50~20に調整することが重要である。このような組成物には、適宜、シリコーン架橋剤のような添加剤を含有させていてもよい。
白色粉体12とシリコーン樹脂又はシリコーンゴムの原料バインダーとの質量比率が、30~90:70~10を外れ、白色粉体12の比率が少ないと、空隙率の低下や白色粉体である白色成分の相対的減少の所為で、白色度が低下し、漏油の際に着色層13との色調変化が小さくなってしまう。一方、シリコーン樹脂又はシリコーンゴムの原料バインダーの質量比率が少ないと、撥水性や塗膜強度が低下し、水分を吸水して変色してしまったり、塗膜が脆くなって剥がれ落ち易くなってしまったりする。
白色粉体12とシリコーン樹脂又はシリコーンゴムの原料バインダーとの質量比率は、白色粉体12の特性(例えば、粒径、比表面積のような物性)によって、適宜調整される。
例えば、白色粉体12が、平均粒径10μm程度のシリカ系粉体が主体である場合、白色粉体40質量部程度、シリコーン樹脂又はシリコーンゴム60質量部の比率が好ましい。一方、白色粉体12が、同じく平均粒径10μm程度のステアリン酸亜鉛である場合、白色粉体75質量部程度、シリコーン樹脂又はシリコーンゴム25質量部程度の比率が好ましい。
例えば、白色粉体12が、平均粒径10μm程度のシリカ系粉体が主体である場合、白色粉体40質量部程度、シリコーン樹脂又はシリコーンゴム60質量部の比率が好ましい。一方、白色粉体12が、同じく平均粒径10μm程度のステアリン酸亜鉛である場合、白色粉体75質量部程度、シリコーン樹脂又はシリコーンゴム25質量部程度の比率が好ましい。
白色粉体として優れている材料は、屈折率が1.40~1.50の範囲で、太陽光や紫外線によって分解され難い物質で、水に溶解し難く、環境温度で溶融しない融点(100℃以上)の物質が適している。この特性に合う物質として、金属石鹸やシリカが挙げられ、好ましい。特にシリカは、屈折率が同程度の金属石鹸と比較しても、油との接触でよりクリアに透明化し、また融点も高いことから、より好ましい。
白色粉体12は、その平均粒径を20μm以下、好ましくは20~1μmとすることにより、乱反射して白色に視認されるものである。特に10μm以下では、光の散乱効果が高まり変色層11の白色度が高くなり好ましい。なお、白色粉末又は白色粒子の粒径は、例えばグラインドメータで測定したものである。シリコーン樹脂又はシリコーンゴムの被膜12aは、極めて薄くほぼ透明であるから、白色粉体12は、その表面の少なくとも一部がシリコーン樹脂やシリコーンゴムで被膜12を形成していたとしてもその厚みに影響されることなく、乱反射し続けるので、変色層11は、漏油20と接触しない限り、白色として視認される。
変色層11は、漏油と接触したとき、漏油と被膜12a中のシリコーン樹脂やシリコーンゴムによる間隙12bへの浸透性が高いことに起因して、漏油が、シリコーン樹脂やシリコーンゴムの撥油性に優り、間隙12bに浸透するようになり、間隙12bに充填されると、白色粉体12がもはや乱反射できなくなり、透明状態乃至半透明状態となる。この現象は、浸透した漏油を通過してきた光が白色粉末又は白色粒子との境界で大きく屈曲されることなく変色層11を通過できるからである。
ところが、シリコーン樹脂やシリコーンゴムは撥水性が高いことから、水との親和性が低いことに起因して、雨水や漏水や湿気などの水分が、間隙12bに浸透できない。そのため、変色層11は、これら水分で濡れても、透明状態乃至半透明状態とならずに、白色のままである。よって、漏油検出材10は、漏油を選択的に検知できるようになっているのである。
ところが、シリコーン樹脂やシリコーンゴムは、太陽光や紫外線で分解せず親水化を引き起こし難く、高温多湿に強いことから、耐候性・耐水性に優れた材質である。そのため、この漏油検出材10は、水で変色せず、漏油でのみ変色するばかりか、室内外の過酷な条件下であっても、劣化せず、高い耐候性及び耐水性と、漏油検出選択性とを維持できる。
このような白色粒子又は白色粉末としては、常温で固体のものが挙げられ、具体的には、ステアリン酸やパルミチン酸のような脂肪酸やそのカルシウム塩である金属石鹸のような脂肪酸誘導体、アルコール誘導体、エーテル誘導体、アルデヒド誘導体、ケトン誘導体、アミン誘導体、アミド誘導体、ニトリル誘導体、炭化水素誘導体、チオール誘導体、スルフィド誘導体等の有機化合物粉末又は粒子、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメチルメタアクリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等のプスチック粉末又は粒子、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩、水酸化アルミニウム、タルク、シリカ等の無機金属塩粉末又は粒子若しくは鉱物粉末又は粒子、ガラスビーズ、ガラスフィラーを挙げることができる。
このような白色粉末又は白色粒子は、漏油検出対象物の油との屈折率差が0.1以下となるように選択することが好ましい。漏油検出対象物の油は、石油等の鉱物、動物、植物からとれる疎水性で且つ水に浮き常温で液体のものであって、屈折率が1.40~1.55の油、例えば絶縁油、灯油、軽油、重油、亜麻仁油、パラフィン油、シリコーン油、作動油である。このような油を漏油検出対象物とした場合、白色粉末又は白色粒子としては、ステアリン酸(屈折率1.43)、タルク(屈折率1.54)、尿素樹脂粉末(屈折率1.57)、炭酸カルシウム(屈折率1.50~1.64)、水酸化アルミニウム(屈折率1.57)、炭酸マグネシウム(屈折率1.52~1.53)、ガラスビーズ(屈折率1.52~1.57)、ガラスフィラー(屈折率1.50~1.58)が好ましい。
これらの白色粉末又は白色粒子は、単体、又は複数種例えば2~3種類を混合して用いてもよい。
このような変色層11の厚さは1μm以上とすることにより、変色層11を充分に不透明とすることができ好ましい。変色層11の上限は漏油検出材10の柔軟性との関係から260μm以下とすることが好ましい。
漏油検出材10中、着色層13は、吸油性を有する材料、例えば紙、不織布、織物等の布帛、多孔質セメント、多孔質セラミックス、多孔質金属等の多孔質無機材、発泡プラスチック、インキ塗膜を挙げることができる。これらの材料には、所定の色の着色が施されている。着色は、日光等に対して退色し難く耐光性に優れた顔料や染料又はその混合物のような着色剤により着色がなされていることが好ましく、目視や画像センサ等で認識しやすい白とコントラストが明瞭な色相、中でも黒、紺、赤、橙、青、緑、茶、紫の何れか、又はそれら何れかの中間色のような有彩色が一層好ましい。黒や紺は、明度の変化となり易いことに起因して影と見間違える恐れがあるため、彩度の変化が生じ危険色でもある赤が、実用的であってなお一層好ましい。
着色は、吸油性を有する材料を構成する素材に着色されていてもよく、所定形状に成形した材料に着色してもよい。着色層13の厚さは1~150μmとすることが好ましい。
着色は、吸油性を有する材料を構成する素材に着色されていてもよく、所定形状に成形した材料に着色してもよい。着色層13の厚さは1~150μmとすることが好ましい。
図1に示す漏油検出材10は、以下のようにして作製される。先ず、白色粉体12とシリコーン樹脂又はシリコーンゴムの原料バインダーと溶媒と必要に応じて各種添加剤とを含有する組成物を調製する。下面側に粘着層15に離型紙を貼着してある着色層13の上側面に、この組成物を塗布し、塗工層にする。得られた塗工層を、自然乾燥又は風乾させて溶媒を揮発させつつ必要に応じて熱処理又は光照射処理してシリコーン樹脂又はシリコーンゴムへと架橋硬化させると、その硬化物が白色粉体12の表面の少なくとも一部に被膜12aを形成しつつ白色粉体12同士を繋ぎとめ、溶媒が揮発した分だけ間隙12bが形成され、漏油検出材10が得られる。
漏油検出材10は、図1(b2)に示すように、粘着層15をフランジや配管のような漏油検出対象物30に貼付して使用される。漏油が変色層11上に付着すると、間隙12bに浸透し、その浸透箇所で変色層11を透明状態乃至半透明状態になることにより、着色層13が見えるようになり、漏油した事実と漏油箇所とを速やかに検知することができるようになる。このような間隙12bへの漏油の浸透は、毛細管現象というよりも間隙12bへの充填現象であるから、漏油箇所以外に拡散することがなく変色箇所の特定が事後的にも可能となる。
このような漏油検出材10の変色のメカニズムは、以下のように推察される。漏油検出材10は、漏油が接触してない状態では、図1(a1)に示すように変色層11の白色のみが視認でき、着色層13の色相は視認できない。変色層11に分散された白色粒子又は白色粉末と、白色粒子又は白色粉末を囲む間隙即ち微小空間の空気との屈折率差が大きく、変色層11を透過してきた光が白色粒子又は白色粉末と微小空間との境界で大きく屈曲されて分散される。一方、漏油検出材10に漏油が接触したとき、漏油が変色層11に浸透する。変色層11は透明又は半透明となって、図1に示すように着色層13の色相が視認できる。変色層11に浸透し白色粒子又は白色粉末を囲む微小空間を満たした漏油と白色粒子又は白色粉末との屈折率差は、空気と白色粒子又は白色粉末との屈折率差よりも小さく、変色層11を透過してきた光が白色粒子又は白色粉末と微小空間内の漏油との境界で大きく屈曲されることなく透過できるようになる。このことからも白色粉末又は白色粒子は、漏油検出対象物の油との屈折率差が0.1以下となるように選択することが好ましい。
図1(b2)に示していないが、この漏油検出材10は、漏油検出対象物30から滲み出た漏油が粘着層15・着色層13・変色層11へと浸透して、変色層11の透明状態乃至半透明状態への変色し、着色層13の色が視認できるようにして、用いてもよい。漏油が粘着層15に浸透して着色層13・変色層11へ到達するように、粘着層15は、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニール系、ポリウレタン系のような粘着剤・接着剤で形成されていることが好ましい。
漏油検出材10の別な態様を図3に示す。使用前の一例の模式断面図を同図(a1)に示し、漏油検出対象物30に付し漏油20が付着した使用状態の模式断面図を同図(a2)に示す。この態様の漏油検出材10は、図1の漏油検出材の着色層13と粘着層15との間に、基材層14を有するというものである。この漏油検出材10は、図1に示すものと同様にして用いることができる。
この基材層14は、例えば疎水性樹脂製の漏油浸透性の不織布、織布が挙げられ、好ましくは不織布である。疎水性樹脂としては、セルロース、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、塩酸ゴム、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリブテン、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、ポリイミドが挙げられる。
着色層13は、前記の材質ものが挙げられ、熱溶着、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニール系、ポリウレタン系のような粘着剤・接着剤、及びこれらの複合剤のような接着剤・粘着剤を介して、この基材層14に付されていてもよい。又は、着色層13は、この基材層14上に、着色剤含有インクで印刷されたものであってもよい。
この基材層14は、疎水性樹脂製で、漏油非浸透性のフィルムとすることにより、変色層11側からの漏油のみを検知するようにしてもよい。このような疎水性樹脂としては、セルロース、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリスチレン、塩酸ゴム、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリブテン、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、ポリイミドを挙げることができる。
漏油検出材10の別な態様を図4に示す。使用前の一例の模式断面図を同図(a1)に示し、漏油検出対象物30に付し漏油20が付着した使用状態の模式断面図を同図(a2)に示す。この態様の漏油検出材10は、図1の漏油検出材の変色層11の上面に、不織布からなる保護層17を有するというものである。この漏油検出材10は、図1に示すものと同様にして用いることができる。
変色層11は、白色粉体12と被膜12aとからなり、間隙を有するために、爪で引っ掻いたり、工具等と擦れたりする物理的接触によって、剥がれ落ち易い。そのため、吸油性及び/又は油透過性の不織布製の保護層17で覆って保護しておくと、漏油検知に影響はないが、物理的接触に対しても、対抗できるようになる。
保護層17は、不織布の他、漏吸油性及び/又は油透過性であれば織布、紙、メッシュ等であってもよい。保護層17の材質は、疎水性樹脂が挙げられ、具体的には、セルロース、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、塩酸ゴム、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリブテン、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチルセルロース、ポリイミドが挙げられる。
離型紙用粘着層22は、親油性で且つ疎水性の粘着剤、具体的にはゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリビニール系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、及びこれらの複合粘着剤で形成されていることが好ましい。
漏油検出材10の別な態様を図5に示す。図1、図3~4で示す漏油検出材10は、粘着層15を有するものであるが、図5に示すように、粘着層を有していなくてもよい。
尚、図1、図3~5で示す漏油検出材10の形状に代えて、変色層11及び着色層13の形状は、矩形状、円形状等の各種形状他に、文字や記号等任意の形状とすることができる。例えば、変色層11自体を、漏油を示す文字例えば『oil』という文字形状にして文字が漏油によって浮き上がって表示できるようにしたり、逆に非表示となるデザインにしたりすることができ、又は着色層13を文字や記号等の形状にして表示又は非表示にしたりすることができる。
例えば、着色層13自体を、漏油を示す文字形状とした場合を例に説明すると、漏油がないときは変色層11により隠れているため文字形状が現れず、漏油したときは変色層11が透明又は半透明となって着色層13の文字形状が現れて視認でき表示されるようになる。一方、変色層11自体を、漏油を示す文字形状とした場合を例に説明すると、漏油がないときは変色層11により変色層11の文字形状でない部分で着色層13が見えつつ文字形状で着色層13を隠しているため文字形状として視認できるように現れているが、漏油したときは変色層11が透明又は半透明となって着色層13を隠さなくなるため文字形状が視認できなくなって表示されていないように見える。
この漏油検出材10によれば、フランジ等の漏油のおそれの場所に簡単に貼着でき、雨水や漏水で漏油検出材10が濡れても、漏油を確実に検知できる。または、この漏油検出材10によれば、漏油のみ或いは水と漏油とが含有される水・漏油混合液が漏油検出材10に接触したときのみ、漏油があることを確実に検出できる。
以下、本発明を適用する実施例と本発明を適用外の比較例とについて、詳細に説明する。
(実施例1)
図3に示す漏油検出材を以下のようにして作製した。先ず、黒色顔料としてカーボンブラック10質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)25質量部と、1-ブタノール65質量部とを混練した黒インクを調製した。この黒インクを、基材層/粘着層/離型紙としてのタック付き白色ポリエステルフィルム(リンテック株式会社製、PETWH50(A)PAT1 8LK2)にスクリーン印刷で塗布厚約5μmで塗布した後に乾燥して着色層を形成した。次いで、白色粉末としてのステアリン酸亜鉛(屈折率1.45~1.50)35質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)12質量部と、1-ブタノール53質量部とを混練した白インクを調製した。この白色インクを着色層/基材層/粘着層/離型紙の着色層側の面にスクリーン印刷により塗布厚約15μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。その後、50mm×50mmの正方形に断裁加工して、図3に示す漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により着色層の色相はほとんど視認できないものであった。
(実施例1)
図3に示す漏油検出材を以下のようにして作製した。先ず、黒色顔料としてカーボンブラック10質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)25質量部と、1-ブタノール65質量部とを混練した黒インクを調製した。この黒インクを、基材層/粘着層/離型紙としてのタック付き白色ポリエステルフィルム(リンテック株式会社製、PETWH50(A)PAT1 8LK2)にスクリーン印刷で塗布厚約5μmで塗布した後に乾燥して着色層を形成した。次いで、白色粉末としてのステアリン酸亜鉛(屈折率1.45~1.50)35質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)12質量部と、1-ブタノール53質量部とを混練した白インクを調製した。この白色インクを着色層/基材層/粘着層/離型紙の着色層側の面にスクリーン印刷により塗布厚約15μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。その後、50mm×50mmの正方形に断裁加工して、図3に示す漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により着色層の色相はほとんど視認できないものであった。
(実施例2)
図4に示す漏油検出材を以下のようにして作製した。先ず、白色粉末としてのステアリン酸亜鉛(屈折率1.45~1.50)35質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)12質量部と、1-ブタノール53質量部とを混練した白インクを調製した。この白インクを、不織布層としてのポリエステル製不織布にスクリーン印刷で塗布厚約15μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。次いで、黒色顔料としてカーボンブラック10質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)25質量部と、1-ブタノール65質量部とを混練した黒インクを調製した。この黒インクを、変色層/不織布層の変色層側の面にスクリーン印刷により塗布厚約5μmで塗布した後に乾燥して着色層を形成した。この着色層/変色層/不織布層の着色層側の面に粘着層/離型紙としてアクリル系粘着剤および離型紙を貼付した。その後、50mm×50mmの正方形に断裁加工して、図4に示す漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により着色層の色相はほとんど視認できないものであった。
図4に示す漏油検出材を以下のようにして作製した。先ず、白色粉末としてのステアリン酸亜鉛(屈折率1.45~1.50)35質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)12質量部と、1-ブタノール53質量部とを混練した白インクを調製した。この白インクを、不織布層としてのポリエステル製不織布にスクリーン印刷で塗布厚約15μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。次いで、黒色顔料としてカーボンブラック10質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)25質量部と、1-ブタノール65質量部とを混練した黒インクを調製した。この黒インクを、変色層/不織布層の変色層側の面にスクリーン印刷により塗布厚約5μmで塗布した後に乾燥して着色層を形成した。この着色層/変色層/不織布層の着色層側の面に粘着層/離型紙としてアクリル系粘着剤および離型紙を貼付した。その後、50mm×50mmの正方形に断裁加工して、図4に示す漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により着色層の色相はほとんど視認できないものであった。
(比較例1)
特許文献2の実施例1に示す漏油検出材を作製した。先ず、白色粉末としてのステアリン酸(屈折率1.43)30質量部と、透明なエチルセルロース樹脂5質量部と、キシレン65質量部とを混練した白インクを調製した。この白インクを、着色層として黒色に着色された上質紙の一面側にコーターアプリケーターを用いて塗布厚150μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。次いで、着色層の一面側に変色層が形成された基材を、40mm×40mmの正方形に断裁加工した。また、吸油層としてのポリエチレン製の不織布(旭・デュポンフラッシュスパンプロダクツ社製のタイベック1056DR(商品名)、坪量54g/m2)の両面に油を透過するアクリル系粘着剤を貼着して第1疎水性粘着層と離型紙用粘着層を形成し、50mm×50mmの正方形に断裁加工した。裁断加工した第1疎水性粘着層の中央部に、裁断加工した着色層を変色層が上面となるように貼着した。更に、変色層の上面及び変色層及び着色層の側面が被覆されるように、保護層として50mm×50mmの透明なポリエチレンテレフタレート製フィルムを貼着した。その後、離型紙用粘着層22に50mm×50mmの離型紙を貼着して、漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により保護層から着色層の色相は視認できないものであった。
特許文献2の実施例1に示す漏油検出材を作製した。先ず、白色粉末としてのステアリン酸(屈折率1.43)30質量部と、透明なエチルセルロース樹脂5質量部と、キシレン65質量部とを混練した白インクを調製した。この白インクを、着色層として黒色に着色された上質紙の一面側にコーターアプリケーターを用いて塗布厚150μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。次いで、着色層の一面側に変色層が形成された基材を、40mm×40mmの正方形に断裁加工した。また、吸油層としてのポリエチレン製の不織布(旭・デュポンフラッシュスパンプロダクツ社製のタイベック1056DR(商品名)、坪量54g/m2)の両面に油を透過するアクリル系粘着剤を貼着して第1疎水性粘着層と離型紙用粘着層を形成し、50mm×50mmの正方形に断裁加工した。裁断加工した第1疎水性粘着層の中央部に、裁断加工した着色層を変色層が上面となるように貼着した。更に、変色層の上面及び変色層及び着色層の側面が被覆されるように、保護層として50mm×50mmの透明なポリエチレンテレフタレート製フィルムを貼着した。その後、離型紙用粘着層22に50mm×50mmの離型紙を貼着して、漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により保護層から着色層の色相は視認できないものであった。
(比較例2)
実施例1の変色層の樹脂をセルロース系樹脂にしたこと以外は、実施例1と同様にして漏油検出材を作製した。先ず、黒色顔料としてカーボンブラック10質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)25質量部と、1-ブタノール65質量部とを混練した黒インクを調製した。この黒インクを、基材層/粘着層/離型紙としてのタック付き白色ポリエステルフィルム(リンテック株式会社製、PETWH50(A)PAT1 8LK2)にスクリーン印刷により塗布厚約5μmで塗布した後に乾燥して着色層を形成した。次いで、白色粉末としてのステアリン酸亜鉛(屈折率1.45~1.50)35質量部と、エチルセルロース樹脂5質量部と、1-ブタノール60質量部とを混練した白インクを調製した。この白色インクを着色層/基材層/粘着層/離型紙の着色層側の面にスクリーン印刷により塗布厚約15μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。その後、50mm×50mmの正方形に断裁加工して、図1に示す漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により着色層の色相はほとんど視認できないものであった。
実施例1の変色層の樹脂をセルロース系樹脂にしたこと以外は、実施例1と同様にして漏油検出材を作製した。先ず、黒色顔料としてカーボンブラック10質量部と、透明なシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、KR-220L)25質量部と、1-ブタノール65質量部とを混練した黒インクを調製した。この黒インクを、基材層/粘着層/離型紙としてのタック付き白色ポリエステルフィルム(リンテック株式会社製、PETWH50(A)PAT1 8LK2)にスクリーン印刷により塗布厚約5μmで塗布した後に乾燥して着色層を形成した。次いで、白色粉末としてのステアリン酸亜鉛(屈折率1.45~1.50)35質量部と、エチルセルロース樹脂5質量部と、1-ブタノール60質量部とを混練した白インクを調製した。この白色インクを着色層/基材層/粘着層/離型紙の着色層側の面にスクリーン印刷により塗布厚約15μmで塗布した後に乾燥して変色層を形成した。その後、50mm×50mmの正方形に断裁加工して、図1に示す漏油検出材を得た。得られた漏油検出材は、不透明な変色層により着色層の色相はほとんど視認できないものであった。
(実施例3)
実施例1、2で得た漏油検出材10及び比較例1、2で得た漏油検出材の各々をアルミニウム板に貼着し、試験体を作製した。この試験体を屋外(南面45度、日陰無し)に1ヵ月間設置した。その後、水(屈折率1.33)又は作動油(屈折率1.5;ENEOS株式会社製、高圧絶縁油K)又はシリコーン油(屈折率1.44;信越化学株式会社製、KF-96-500CS)の入ったトレイに浸漬して、変色層が変色開始するまでの時間を測定した。測定結果を下表1に記載する。
実施例1、2で得た漏油検出材10及び比較例1、2で得た漏油検出材の各々をアルミニウム板に貼着し、試験体を作製した。この試験体を屋外(南面45度、日陰無し)に1ヵ月間設置した。その後、水(屈折率1.33)又は作動油(屈折率1.5;ENEOS株式会社製、高圧絶縁油K)又はシリコーン油(屈折率1.44;信越化学株式会社製、KF-96-500CS)の入ったトレイに浸漬して、変色層が変色開始するまでの時間を測定した。測定結果を下表1に記載する。
表1から明らかなように、実施例1、2の漏油検出材10は、水に浸漬した場合には変色せず、作動油及びシリコーン油に浸漬した場合には、1秒、並びに10秒及び30秒で明瞭に変色し、油濡れを瞬時に視認することができた。一方、比較例1の漏油検出材は、水に浸漬した場合は変色しないが、作動油に浸漬した場合に600秒、シリコーン油に浸漬した場合に8時間かかり、油濡れを瞬時に視認することができなかった。また、比較例2は、水に浸漬した場合、直ちに変色する結果となった。これは、変色層のセルロース樹脂が紫外線により劣化して親水性が向上したため、水濡れで変色する状態となったためで、屋外では使用できないことが明らかとなった。
本発明の漏油検出材によれば、雨水のみでは変色せず、漏油したときだけ変色し、水の屈折率に近い屈折率のシリコーン油でも確実に漏油を検出でき、各種油のタンクや配管のフランジ等からの漏油を検出できる。
10は漏油検出材、11は変色層、12は白色粉体、12aは被膜、12bは間隙、13は着色層、14は基材層、15は粘着層、16は剥離紙、20は漏油、30は漏油検出対象物である。
Claims (17)
- 所定の色が着色された着色層と、
前記着色層の上面の少なくとも一部に接して設けられ、白色粒子又は白色粉末である白色粉体が、その表面の少なくとも一部にシリコーン樹脂又はシリコーンゴム製の被膜を有し、前記白色粉体同士が、前記被膜で繋ぎとめられつつ、漏油を吸油し水を撥水する間隙を有している白色の変色層とを、
備えていることを特徴とする漏油検出材。 - 前記間隙に前記漏油が吸油されることによって、前記変色層が、透明に変色し、前記着色層の前記色を視認可能にするものであることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記白色粉体が、屈折率を1.40~1.50とする前記白色粒子又は白色粉末を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の漏油検出材。
- 前記シリコーン樹脂又はシリコーンゴムが、ポリジメチルシロキサン骨格、ポリジフェニルシロキサン骨格、又はポリメチルフェニルシロキサン骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記変色層中、例えば前記白色粉体を30~90質量部と、前記シリコーン樹脂又はシリコーンゴムを10~70質量部との比で含んでいることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記変色層が、前記白色粉体と前記シリコーン樹脂又はシリコーンゴムの原料バインダーと溶媒とを含有する組成物の塗工層であり、前記間隙が、前記塗工層中での前記溶媒の消失跡であることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記着色層の下面側が、織布、不織布、及び紙から選ばれる吸油性基材層、若しくはフィルムからなる吸油性又は非吸油性の基材層で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記変色層の上面を覆い、織布、不織布、紙、及びメッシュから選ばれる吸油性及び/又は油透過性の保護層を、備えていることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記保護層が、疎水性素材製であることを特徴とする請求項8に記載の漏油検出材。
- 前記着色層の下面側に、漏油を検出すべき対象物へ接着可能な接着層又は粘着可能な粘着層を、備えていることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記粘接着層又は前記粘着層と、前記着色層とが、前記漏油の浸透性となっていることを特徴とする請求項10に記載の漏油検出材。
- 前記白色粉体が、有機化合物、金属石鹸、プラスチック粉末、金属無機塩、鉱物、シリカ、ガラスビーズ、及びガラスフィラーから選ばれた少なくとも何れかを含む前記白色粒子又は白色粉末であることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記白色粉体が、前記金属石鹸、及び/又は非晶質シリカを含む前記白色粒子又は白色粉末であることを特徴とする請求項12に記載の漏油検出材。
- 前記白色粉体が、非晶質シリカを含む前記白色粒子又は白色粉末であることを特徴とする請求項12に記載の漏油検出材。
- 前記着色層が、黒、紺、赤、橙、青、緑、茶、及び紫、並びにそれらの何れかの中間色から選ばれるいずれかの色に着色されていることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記着色層及び/又は前記変色層が、文字、記号、及び/又は図形の形状に形付けられており、又は前記着色層が、文字、記号、及び/又は図形の形状に印刷されていることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
- 前記白色粒子又は白色粉末と前記漏油との屈折率の差が0.1以下であることを特徴とする請求項1に記載の漏油検出材。
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