JP7853767B2 - ウイスキーハイボール飲料及びその製造方法 - Google Patents

ウイスキーハイボール飲料及びその製造方法

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Description

本発明は、ウイスキーハイボール飲料及びその製造方法に関する。
ウイスキーハイボール飲料は、ウイスキーを含む炭酸飲料である。ウイスキーハイボール飲料は、容器に充填したRTD(レディ・トゥ・ドリンク)製品としても販売されている。
ウイスキーハイボール飲料に関連して、例えば、特許文献1(特開2020-188743号公報)には、炭酸ガス圧が3.0~3.5ガスボリュームであり、アルコール100%換算で5~50mL/Lのウイスキーを含有する、容器入り炭酸アルコール飲料が開示されている。
特開2020-188743号公報
一般的に、ウイスキーハイボール飲料は、アルコール度数(エタノール濃度)が7%以上であることが多い。
一方で、近年、適正飲酒の観点から、アルコール度数を抑えた飲料が求められている。しかし、アルコール度数を抑えようとすると、ウイスキーの含有量が必然的に少なくなり、ウイスキーらしい甘い香りの強度が低下してしまう。
そこで、本発明者らは、アルコール度数が抑えられたウイスキーハイボール飲料において、ウイスキー香料を添加することにより、ウイスキーらしい甘い香りを補おうと考えた。しかしながら、ウイスキー香料を使用した場合には、甘い香りと呈味のバランスが崩れ、違和感が大きくなることが判った。
従って、本発明の目的は、アルコール度数が低く、ウイスキーの含有量が少ないウイスキーハイボール飲料において、香りと呈味のバランスを損なうことなく、甘い香りの強度を高めることができる技術を提供することにある。
本発明者らは、糖類を使用することにより、上記課題が解決できることを見出した。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
[1]エタノール濃度40vol%換算で、8.0vol%以下のウイスキーと、糖類と、を含有し、エタノール濃度が4.0vol%以下である、ウイスキーハイボール飲料。
[2]前記ウイスキーが、発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)、及び/又は、発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)である、[1]に記載のウイスキーハイボール飲料。
[3]更に、ウイスキー香料を含有する、[1]又は[2]に記載のウイスキーハイボール飲料。
[4]前記ウイスキー香料は、酢酸エチル及び/バニリンを含有する、[3]に記載のウイスキーハイボール飲料。
[5]酢酸エチル濃度が、1.0ppm以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のウイスキーハイボール飲料。
[6]前記糖類は、ショ糖、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖、ガラクトース、マンノース、果糖、乳糖、及び麦芽糖からなる群から選択される1以上の物質を含む、[1]~[5]のいずれかに記載のウイスキーハイボール飲料。
[7]前記糖類の含有量が、0.1~35g/Lである、[1]~[6]のいずれかに記載のウイスキーハイボール飲料。
[8]ウイスキーを希釈する工程と、前記ウイスキーと糖類とを混合する工程と、を含み、前記ウイスキーを希釈する工程は、前記ウイスキーの含有量が、エタノール濃度40vol%換算で8.0vol%以下となり、かつ、エタノール濃度が4.0vol%以下となるように、前記ウイスキーを希釈する工程を備える、ウイスキーハイボール飲料の製造方法。
本発明によれば、アルコール度数が低く、ウイスキーの含有量が少ないウイスキーハイボール飲料において、香りと呈味のバランスを損なうことなく、甘い香りの強度を高めることができる技術が提供される。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るウイスキーハイボール飲料は、エタノール濃度40vol%換算で8.0vol%以下のウイスキーと、糖類とを含有し、エタノール濃度が4.0vol%以下である。
なお、本明細書において、「ウイスキーハイボール飲料」とは、ウイスキーを含む炭酸飲料を指す。
また、「ウイスキー」とは、出願日時点で有効な日本国の酒税法の規定に従う。
好ましくは、ウイスキーは、発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)、及び/又は、発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)である。
本明細書において、「エタノール濃度40vol%換算」とは、換算元のアルコール含有液をエタノール濃度が40vol%になるように濃縮又は希釈して換算後のアルコール含有液とし、この換算後のアルコール含有液を使用した場合の値を意味する。
ウイスキーの含有量(エタノール濃度40vol%換算)は、8.0vol%以下であればよいが、好ましくは0.3~8.0vol%、より好ましくは0.5~7.5vol%である。一般的に、ウイスキーの含有量(エタノール濃度40vol%換算)が8.0vol%以下であると、ウイスキー由来の甘い香りと呈味のバランスが損なわれやすい。しかしながら、本実施形態によれば、糖類を使用することによって、甘い香りと呈味のバランスを改善することができる。
ウイスキーハイボール飲料のエタノール濃度は、4.0vol%以下であればよいが、好ましくは0.1~4.0vol%、より好ましくは0.3~3.5vol%である。
一般的に、エタノール濃度が4.0vol%以下であると、ウイスキー由来の甘い香りと呈味のバランスが損なわれやすい。しかしながら、本実施形態によれば、糖類を使用することによって、甘い香りと呈味のバランスを改善することができる。
糖類は、呈味を増強するために使用されている。
糖類としては、単糖類及び二糖類が挙げられる。糖類の具体例として、ショ糖、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖、ガラクトース、マンノース、果糖、乳糖、及び麦芽糖からなる群から選択される1以上の物質が挙げられる。好ましくは、ショ糖及び果糖ぶどう糖液糖である。
糖類の含有量は、例えば0.1~35.0g/Lである。糖類の含有量が0.1g/L以上であれば、呈味を増強でき、甘い香りと呈味のバランスを改善できる。糖類の含有量が35.0g/L以下であれば、呈味が強くなりすぎることもない。糖類の含有量は、好ましくは、0.1~30.0g/L、より好ましくは0.1~25.0g/L、より好ましくは1.0~20.0g/L、更に好ましくは1.0~18.00g/Lである。
本実施形態に係るウイスキーハイボール飲料は、好ましくは、ウイスキー香料を含有する。ウイスキー香料を含有することにより、甘い香りの強度を高めることができる。
好ましい一態様において、ウイスキー香料は、酢酸エチル及び/又はバニリンを含む。
ウイスキーハイボール飲料中の酢酸エチルの含有量は、例えば、1.0ppm以上、好ましくは1.0~50.0ppm、より好ましくは1.0~30.0ppm、更に好ましくは2.0~20.0ppmである。
ウイスキーハイボール飲料中のバニリンの含有量は、例えば、0.01ppm以上、好ましくは0.01~0.5ppm、より好ましくは0.03~0.4ppm、更に好ましくは0.05~0.3ppmである。
ウイスキーハイボール飲料中の酢酸エチル及びバニリンの含有量は、例えば、GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により定量することができる。
ウイスキーハイボール飲料には、必要に応じて、上記以外の成分が含まれていてもよい。例えば、他の成分として、スピリッツ、酸味料、果汁、エキス、食物繊維、着色料、無機塩類、及び香料などが挙げられる。
本実施形態に係るウイスキーハイボール飲料の製造方法は、ウイスキーを希釈する工程と、ウイスキーと糖類とを混合する工程と、を含み、ウイスキーを希釈する工程は、前記ウイスキーの含有量が、エタノール濃度40vol%換算で8.0vol%以下となり、かつ、エタノール濃度が4.0vol%以下となるように、前記ウイスキーを希釈する工程を備える。
例えば、ウイスキーを、糖類及び必要に応じて他の成分と混合し、炭酸水によって濃度を調整する。原料用アルコール等のアルコール源を加えて、エタノール濃度を調整してもよい。これにより、本実施形態に係るウイスキーハイボール飲料を得ることができる。尚、炭酸水ではなく通常の水を使用し、後からカーボネーションを行って炭酸を付与してもよい。
以下に、本発明についてより詳細に説明するため、実施例について説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるべきものではない。
試験例1:ウイスキー含有量及びエタノール濃度の検討
表1に示される組成に従って、参考例1~7に係るウイスキーハイボール飲料を調製した。具体的には、ウイスキー原酒(エタノール濃度46vol%、酢酸エチル濃度228ppm、バニリン濃度1.5ppm)にウイスキー香料(エタノール濃度70vol%、酢酸エチル濃度13000ppm、バニリン濃度250ppm)を添加し、炭酸水(表2では省略)により希釈して、参考例1~7に係るウイスキーハイボール飲料を得た。
調製したウイスキーハイボール飲料について、参考例1を対照として、甘い香りの強度と、甘い香りと呈味とのバランスについて、官能評価を行った。官能評価は、以下の5段階の基準で行った。
(官能評点)
5:対照より強い/良い
4:対照よりやや強い/やや良い
3:対照と同等
2:対照よりやや弱い/やや悪い
1:対照より弱い/悪い
結果を表1に示す。参考例1及び2を比べると、参考例2の方が甘い香りの強度が低かった。すなわち、エタノール濃度を減らし、ウイスキーを希釈すると、甘い香りの強度が低下することが判る。
また、参考例2と参考例3とを比べると、参考例3では甘い香りの強度が高まっていたが、バランスは損なわれていた。すなわち、ウイスキー香料を添加することにより、甘い香りの強度を補うことが可能であるものの、香りと呈味のバランスが損なわれてしまうことが判る。
参考例3~7を比較すると、ウイスキーの含有量及びエタノール濃度が低くなるほど、甘い香りと呈味のバランスが損なわれる傾向にあった。
試験例2:エタノール濃度の検討
表2に示される組成に従って、参考例6~12に係るウイスキーハイボール飲料を調製した。具体的には、ウイスキー原酒(エタノール濃度46vol%、酢酸エチル濃度228ppm、バニリン濃度1.5ppm)にウイスキー香料(エタノール濃度70vol%、酢酸エチル濃度13000ppm、バニリン濃度250ppm)を添加し、炭酸水および原料用アルコールにより、ウイスキー含有量及びエタノール濃度を調整し、参考例6~12に係るウイスキーハイボール飲料を得た。
調製したウイスキーハイボール飲料について、試験例1と同様に、参考例1を対照として、甘い香りの強度と、甘い香りと呈味とのバランスについて、官能評価を行った。
結果を表2に示す。参考例6~12は、ウイスキー含有量が同じであり、エタノール濃度が異なっている。参考例6~12を比較すると、エタノール濃度が低くなると、甘い香りと呈味のバランスが損なわれることが判る。これは、エタノールが甘味(呈味)を呈することから、エタノール濃度が少なくなると呈味が不足し、香りと呈味とのバランスが損なわれたものと考えられる。
試験例3:ショ糖及び果糖ぶどう糖液糖の検討
(ウイスキー含有量2.3vol%、エタノール濃度0.94vol%、酢酸エチル濃度8.46ppm、バニリン濃度0.11ppm)
表3及び表4に示される組成に従って、比較例1及び実施例1~14に係るウイスキーハイボール飲料を調製した。具体的には、ウイスキー原酒(エタノール濃度46vol%、酢酸エチル濃度228ppm、バニリン濃度1.5ppm)にウイスキー香料(エタノール濃度70vol%、酢酸エチル濃度13000ppm、バニリン濃度250ppm)、ショ糖及び/又は果糖ぶどう糖液糖を添加し、炭酸水により希釈し、ウイスキーハイボール飲料を得た。
調製したウイスキーハイボール飲料について、既述の試験例と同様に、甘い香りの強度と、甘い香りと呈味とのバランスについて、官能評価を行った。但し、対照としては、比較例1(参考例6である)を使用した。
結果を表3及び4に示す。実施例1~14は、比較例1(参考例6)よりも、バランスに優れていた。一方で、甘い香りの強度は変わらなかった。このことから、糖類であるショ糖又は果糖ぶどう糖液糖を使用することによって、甘い香りと呈味のバランスが改善することが判った。
試験例4:ショ糖及び果糖ぶどう糖液糖の検討
(ウイスキー含有量6.9vol%、エタノール濃度2.78vol%、酢酸エチル濃度17.58ppm、バニリン濃度0.17ppm)
表5及び表6に示される組成に従って、比較例2及び実施例15~27に係るウイスキーハイボール飲料を調製した。具体的には、ウイスキー原酒(エタノール濃度46vol%、酢酸エチル濃度228ppm、バニリン濃度1.5ppm)にウイスキー香料(エタノール濃度70vol%、酢酸エチル濃度13000ppm、バニリン濃度250ppm)、ショ糖及び/又は果糖ぶどう糖液糖を添加し、炭酸水により希釈し、ウイスキーハイボール飲料を得た。
調製したウイスキーハイボール飲料について、既述の試験例と同様に、甘い香りの強度と、甘い香りと呈味とのバランスについて、官能評価を行った。但し、対照としては、比較例2(参考例4である)を使用した。
結果を表5及び表6に示す。実施例15~27は、比較例2(参考例4)よりも、バランスに優れていた。一方で、甘い香りの強度は変わらなかった。このことから、糖類であるショ糖又は果糖ぶどう糖液糖を使用することによって、甘い香りと呈味のバランスが改善することが判った。
試験例5:ショ糖及び果糖ぶどう糖液糖の検討
(ウイスキー含有量1.15vol%、エタノール濃度0.50vol%、酢酸エチル濃度2.28ppm、バニリン濃度0.14ppm)
表7及び表8に示される組成に従って、比較例3及び実施例28~41に係るウイスキーハイボール飲料を調製した。具体的には、ウイスキー原酒(エタノール濃度46vol%、酢酸エチル濃度228ppm、バニリン濃度1.5ppm)にウイスキー香料(酢酸エチル濃度500ppm、バニリン濃度250ppm)、ショ糖及び/又は果糖ぶどう糖液糖を添加し、炭酸水により希釈し、ウイスキーハイボール飲料を得た。
調製したウイスキーハイボール飲料について、既述の試験例と同様に、甘い香りの強度と、甘い香りと呈味とのバランスについて、官能評価を行った。但し、対照としては、比較例3を使用した。
結果を表7及び表8に示す。実施例28~32、34~41は、比較例3よりも、バランスに優れていた。一方で、甘い香りの強度はほとんど変わらなかった。このことから、糖類であるショ糖又は果糖ぶどう糖液糖を使用することによって、甘い香りと呈味のバランスが改善することが判った。
但し、糖類の含有量が40.0g/Lである実施例33では、甘さが強くなりすぎ、バランスが悪化した。
試験例6:高甘味度甘味料の検討
表9に示される組成に従って、比較例4及び5に係るウイスキーハイボール飲料を調製した。具体的には、比較例4及び比較例5は、それぞれ、実施例4において、ショ糖の代わりに、それぞれアセスルファムカリウム及びステビアを使用したものである。尚、アセスルファムカリウム及びステビアの使用量は、実施例4におけるショ糖10.00g/Lと同様の甘味度になるような使用量とした。すなわち、比較例4においては、アセスルファムカリウムを0.05g/L使用した。比較例5においては、ステビアを0.10g/L使用した。
調製したウイスキーハイボール飲料について、既述の試験例と同様に、甘い香りの強度と、甘い香りと呈味とのバランスについて、官能評価を行った。但し、対照としては、比較例1を使用した。
結果を表9に示す。表9に示されるように、比較例4及び比較例5よりも、実施例4の方がバランスに優れていた。このことから、高甘味度甘味料(アセスルファムカリウム及びステビア等)ではなく、糖類を使用することにより、甘い香りと呈味のバランスをより改善することができることが理解できる。

Claims (4)

  1. エタノール濃度40vol%換算で、8.0vol%以下のウイスキーと、
    1.0~20.0g/Lの糖類と、
    2.0~20.0ppmの酢酸エチルと、
    0.05~0.3ppmのバニリンと、
    を含有し、
    エタノール濃度が4.0vol%以下である、
    容器詰ウイスキーハイボール飲料
  2. 前記ウイスキーが、発芽させた穀類及び水を原料として糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)、及び/又は、発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させて、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの(当該アルコール含有物の蒸留の際の留出時のアルコール分が九十五度未満のものに限る。)である、
    請求項1に記載のウイスキーハイボール飲料。
  3. 前記糖類は、ショ糖、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖、ガラクトース、マンノース、果糖、乳糖、及び麦芽糖からなる群から選択される1以上の物質を含む、請求項1又は2に記載のウイスキーハイボール飲料。
  4. ウイスキーを希釈する工程と、
    前記ウイスキーと糖類とを混合する工程と、
    を含み、
    前記ウイスキーを希釈する工程は、前記ウイスキーの含有量が、エタノール濃度40vol%換算で8.0vol%以下となり、かつ、エタノール濃度が4.0vol%以下となるように、前記ウイスキーを希釈する工程を備える、
    容器詰ウイスキーハイボール飲料の製造方法であって、
    前記飲料が、1.0~20.0g/Lの糖類と、2.0~20.0ppmの酢酸エチルと、0.05~0.3ppmのバニリンと、を含有する、方法
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