JP7855518B2 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

パンツ型吸収性物品

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本発明は、パンツ型吸収性物品に関する。
従来、パンツ型使い捨ておむつ等の吸収性物品において、当該吸収性物品を構成するシート部材に親水性シートを用いることで吸水性を高める技術が知られている。例えば、特許文献1には、着用者の肌側に位置する肌側シート5、及び、非肌側に位置する外層シート4に親水性繊維を含んだ不織布等のシート部材を用いた使い捨ておむつが開示されている。
また、親水性油剤を含ませることによって親水性を高めた親水性不織布を用いたパンツ型おむつが知られている。例えば、特許文献1には、おむつ1の外装体3を構成する外装シート4として、疎水性合成繊維を親水化剤で処理する等の手段によって親水化された繊維を有する親水性不織布を用いた使い捨ておむつに関する技術が開示されている。
特開2017-113186号公報
本発明が解決しようとする課題は、以下の第1の課題及び第2課題のうち少なくとも1つである。
第1の課題は、このような親水性シート部材を用いたおむつでは、着用時において、着用者の肌から汗等の水分を吸収しやすくすることができる。しかしながら、親水性シートによって水分を吸収した場合、水分を含んで湿った親水性シートが着用者の肌と接触することによって、着用者の肌にかぶれ等のトラブルを生じさせたり、不快感を生じさせたりする場合があった。特に、吸収性物品の股下部においては、着用者が脚を動かす際に脚回り領域に湿ったシート部材が接触しやすく、股間部のべちゃつきによる不快感を生じさせやすくなるおそれがあった。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、親水性シートを備え吸水性を高めたパンツ型吸収性物品において、着用時に股下部に不快感を生じさせることを抑制することにある。
第2の課題は、このような親水性シート部材を用いたおむつでは、着用時において、着用者の肌から汗等の水分を吸収しやすくすることができる。しかしながら、製造工程でおむつをパンツ型に形成する際に、前身頃(前側胴回り部)と後身頃(後側胴回り部)とを接合するサイド接合部において、親水性油剤の影響により、該サイド接合部の接合強度が低下してしまう場合がある。例えば、熱溶着や超音波溶着等の接合手段によってサイド接合部が形成される場合、前側胴回り部と後側胴回り部との対向面同士に親水性油剤の被膜が介在していると、十分な接合強度が得られなくなるおそれがある。このような場合、着用者がおむつを着脱する際に、サイド接合部の下端部に負荷がかかる等によって、サイド接合部が剥がれやすくなり、パンツ型形状を維持できなくなるおそれがある。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、親水性油剤を含んだ親水性シートを有するパンツ型吸収性物品において、サイド接合部の下端部が剥がれてしまうことを抑制することにある。
上記第1の課題を解決するための主たる発明は、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向の両端部に設けられた一対のサイド接合部によって、前側胴回り部と後側胴回り部とが環状に接合された胴回り部材と、を有し、着用者の両脚を通すための一対の脚回り開口を備えたパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材のうち、前記上下方向において、前記一対のサイド接合部と重複する領域の少なくとも一部の最も非肌側には、親水領域が設けられており、前記脚回り開口に沿った領域のうちの、少なくとも、最下端に位置する部分の最も非肌側には、前記親水領域よりも親水性の低い疎水領域が設けられており、前記胴回り部材は、肌側シートと、前記肌側シートの非肌側に隣接するように積層された非肌側シートと、前記肌側シートと前記非肌側シートの間に設けられた胴回り弾性部材とを有し、前記肌側シートは、疎水性不織布であり、前記非肌側シートは、親水性不織布であり、前記親水領域は、前記親水性不織布によって構成されており、前側胴回り部の前記上下方向における上端部において、前記非肌側シートとしての前記親水性不織布が肌側に折り返された折り返し部が設けられており、前記折り返し部は、最も肌側に露出している、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品である。
上記第2の課題を達成するための主たる発明は、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向の両側部に設けられた一対のサイド接合部によって、前側胴回り部と後側胴回り部とが環状に接合された胴回り部材と、を有するパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、親水性油剤を含んだ親水性シート部と、前記親水性シート部よりも単位体積当たりに含まれる前記親水性油剤の量が少ない疎水性シート部とを有しており、前記サイド接合部の下端部において、前記前側胴回り部の最も肌側の面と前記後側胴回り部の最も肌側の面とが互いに対向した状態で接合されており、前記前側胴回り部の最も肌側の面及び前記後側胴回り部の最も肌側の面の少なくとも一方には、前記疎水性シート部が設けられている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
第1の課題に対する本発明の効果は、親水性シートを備え吸水性を高めたパンツ型吸収性物品において、着用時に股下部に不快感を生じさせることを抑制することができる。
第2の課題に対する本発明の効果は、親水性油剤を含んだ親水性シートを有するパンツ型吸収性物品において、サイド接合部の下端部が剥がれてしまうことを抑制することができる。
おむつ1の概略斜視図である。 展開且つ伸長状態のおむつ1の平面図である。 図2のA-A線での概略断面図である。 図4Aは、吸収性本体10の平面図であり、図4Bは、吸収性本体10の概略断面図である。 図5A~図5Cは、おむつ1において、水分を吸収・蒸散する際の基本原理について説明する図である。 図6Aは、蒸散率を測定するための実験方法について説明する図である。図6Bは、実験結果から得られた蒸散率のデータを表したグラフである。 図7A及び図7Bは、おむつ1の着用時において、着用者の股下部に吸収性本体10がフィットする様子について説明する図である。 溶着部60を用いて胴回り弾性部材35を前側胴回り部30に取り付ける方法について説明する図である。 展開且つ伸長状態のおむつ2の平面図である。 図9のB-B線での概略断面図である。 展開且つ伸長状態のおむつ3の平面図である。 図11のC-C線での概略断面図である。 展開且つ伸長状態のおむつ3の変形例の平面図である。 図13のD-D線での概略断面図である。 展開且つ伸長状態のおむつ4の平面図である。 前側胴回り部30と後側胴回り部40とを接合するサイド接合部50を上下方向に沿って見たときの断面模式図である。 前側胴回り部30の厚さ方向における断面形状を表す断面模式図である。 サイド接合部50において、前側胴回り部30の圧搾部31eの位置と、後側胴回り部40の圧搾部41eの位置との関係について表す断面模式図である。 図19Aは、展開且つ伸長状態のおむつ5の平面図である。図19Bは、図19AのB-B線での概略断面図である。 図20Aは、展開且つ伸長状態のおむつ6の平面図である。図20Bは、図20AのC-C線での概略断面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向の両端部に設けられた一対のサイド接合部によって、前側胴回り部と後側胴回り部とが環状に接合された胴回り部材と、有し、着用者の両脚を通すための一対の脚回り開口を備えたパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材のうち、前記上下方向において、前記一対のサイド接合部と重複する領域の少なくとも一部の最も非肌側には、親水領域が設けられており、前記脚回り開口に沿った領域のうちの、少なくとも、最下端に位置する部分の最も非肌側には、前記親水領域よりも親水性の低い疎水領域が設けられている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り部材の非肌側に設けられた親水領域によって、着用者の肌から水分を吸収し、吸収した水分を大気中に蒸散させることができる。また、吸収性物品の着用時に、着用者の股下部に当接する脚回り開口の最下端部が疎水領域となるため、着用者の股下部が濡れにくくなる。これにより、着用者の肌に水分が接触し難くなり、特に、股下部において不快感を生じさせることを抑制できる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記吸収性本体の展開状態における縦方向の一方側に前記前側胴回り部が接合され、前記縦方向の他方側に前記後側胴回り部が接合されており、前記前側胴回り部及び前記後側胴回り部の少なくとも一方の最も非肌側に親水性不織布が設けられ、前記吸収性本体の最も非肌側に、親水性不織布よりも親水性の低い疎水性不織布が設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、3ピース構造を有するパンツ型吸収性物品において、着用者の股下部と接触する吸収性本体の最外層のシート部材として疎水性不織布を用いることにより、着用時に股下部が濡れにくくなり、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、展開状態において、前記前側胴回り部と前記後側胴回り部とが縦方向に連続するように一体的に構成されており、前記胴回り部材は、前記吸収性本体の非肌側に接合されており、前記胴回り部材の最も非肌側に親水性不織布が設けられ、前記吸収性本体の最も非肌側に、親水性不織布よりも親水性の低い疎水性不織布が設けられ、前記左右方向において、前記胴回り部材の幅の最小値は、前記吸収性本体の幅の最小値よりも小さい、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、2ピース構造を有するパンツ型吸収性物品において、着用者の股下部と接触する吸収性本体の最外層のシート部材として疎水性不織布を用いることにより、着用時に股下部が濡れにくくなり、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記左右方向において、前記吸収性本体の最も外側の端と前記胴回り部材の最も内側の端との間の距離は、前記胴回り部材の最も外側の端と前記胴回り部材の最も内側の端との間の距離の1/2よりも小さい、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、吸収性本体の側縁部(股下脚回り領域)が左右方向の外側に過度に延出することが抑制される。これにより、吸収性物品の着用時において、着用者が脚を動かしやすくなり、また、脚回りにおける不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記脚回り開口は、前記サイド接合部の下端及び前記下端よりも下側において、前記胴回り部材によって構成される第1領域と、前記吸収性本体によって構成される第2領域とを有し、前記第1領域の最も非肌側は親水領域であり、前記第2領域の最も非肌側は疎水領域である、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、3ピース構造や2ピース構造を有するパンツ型吸収性物品の脚回り開口のうち、第1領域では水分を蒸散させやすくなり、着用者の股下部に当接する第2領域では水分が保持され難く、着用者の股下部が濡れにくくなる。これにより、股下部の広い範囲で着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも前側における前記第2領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも後側における前記第2領域に沿った部分の長さよりも長い、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、脚回り開口のうち股下部の前側において疎水領域が広くなるため、歩行時等、着用者が前側に脚を動かした場合であっても、脚回りが濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも後側における前記第1領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも前側における前記第1領域に沿った部分の長さよりも長い、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、脚回り開口のうち、着用者の臀部と広く接触しやすく、また、着用者が座ったときに体圧がかかりやすい後側脚回り領域において疎水領域が広くなるため、臀部が濡れにくくなり、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記前側胴回り部は、前肌側シートと前非肌側シートとを有し、前記後側胴回り部は、後肌側シートと後非肌側シートとを有し、前記前肌側シートと前記後肌側シートとは、展開状態において、縦方向に連続する一体的なシート部材であり、前記前非肌側シートと前記後非肌側シートとは、展開状態において、縦方向に非連続な異なるシート部材であり、前記胴回り部材は、前記吸収性本体の非肌側に接合されており、前記前非肌側シート及び前記後非肌側シートを構成する前記異なるシート部材は、親水性不織布であり、前記前肌側シート及び前記後肌側シートを構成する前記一体的なシート部材は、前記親水性不織布よりも親水性の低い疎水性不織布である、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、簡易3ピース構造を有するパンツ型吸収性物品において、着用者の股下部に当接する最外層のシート部材(一体的なシート部材)として疎水性不織布を用いることにより、着用時に股下部が濡れにくくなり、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記左右方向において、前記胴回り部材の幅の最小値は、前記吸収性本体の幅の最小値よりも大きく、前記脚回り開口は、前記サイド接合部の下端よりも下側において、前記胴回り部材によって構成されており、前記前非肌側シート及び前記後非肌側シートを含んで構成される第1領域と、前記前非肌側シート及び前記後非肌側シートを含まず、前記前肌側シート及び前記後肌側シートによって構成される第2領域と、を有し、前記第1領域の最も非肌側は親水領域であり、前記第2領域の最も非肌側は疎水領域である、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、簡易3ピース構造を有するパンツ型吸収性物品の脚回り開口のうち、第1領域では水分を蒸散させやすくなり、着用者の股下部に当接する第2領域では水分が保持され難く、着用者の股下部が濡れにくくなる。これにより、股下部の広い範囲で着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第2領域において、前記吸収性本体よりも非肌側に配置されているシート部材は、1枚の前記疎水性不織布のみである、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、吸収性物品の着用時において、脚回り開口の股間部における肌あたりが柔らかくなり、着用者に快適な付け心地を感じさせることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記左右方向において、前記胴回り部材の幅の最小値は、前記吸収性本体の幅の最小値よりも小さく、前記脚回り開口は、前記サイド接合部の下端及び前記下端よりも下側において、前記胴回り部材によって構成される第1領域と、前記吸収性本体によって構成される第2領域とを有し、前記第1領域の最も非肌側は親水領域であり、前記第2領域の最も非肌側は疎水領域である、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、簡易3ピース構造を有するパンツ型吸収性物品の脚回り開口のうち、第1領域では水分を蒸散させやすくなり、着用者の股下部に当接する第2領域では水分が保持され難く、着用者の股下部が濡れにくくなる。これにより、股下部の広い範囲で着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも前側における前記第2領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも後側における前記第2領域に沿った部分の長さよりも長い、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、脚回り開口のうち股下部の前側において疎水領域が広くなるため、歩行時等、着用者が前側に脚を動かした場合であっても、脚回りが濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも後側における前記第1領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも前側における前記第1領域に沿った部分の長さよりも長い、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、脚回り開口のうち、着用者の臀部と広く接触しやすく、また、着用者が座ったときに体圧がかかりやすい後側脚回り領域において疎水領域が広くなるため、臀部が濡れにくくなり、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記前側胴回り部及び前記後側胴回り部の最も非肌側の層は、それぞれ一枚の親水性不織布によって構成されている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、前側胴回り部及び後側胴回り部の非肌側面が、それぞれ1枚の親水性不織布によって構成されていることにより、前側胴回り部及び後側胴回り部の広範囲に親水領域が形成され、蒸散性をより向上させることができる。また、余計なシート部材が設けられていないことにより、水分の吸収及び蒸散が阻害され難くなり、より効率よく水分を放出することができるようになる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記後側胴回り部は、前記サイド接合部の下端よりも下側に、前記上下方向の上側から下側に向かって前記左右方向の幅が狭くなった臀部カバーを有し、前記臀部カバーの端縁部に沿って伸縮する弾性部材が設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、臀部カバーによって着用者の臀部において汗等の水分を蒸散させやすくすることができる。また、臀部カバーに設けられた弾性部材の伸縮性によって、吸収性物品の着用時に臀部カバーが着用者の臀部にピタッとフィットしやすく、脚回り開口の臀部側が捲れにくくなる。これにより、着用者に違和感や不快感を生じさせにくくすることができる。
また、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向の両側部に設けられた一対のサイド接合部によって、前側胴回り部と後側胴回り部とが環状に接合された胴回り部材と、を有するパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、親水性油剤を含んだ親水性シート部と、前記親水性シート部よりも単位体積当たりに含まれる前記親水性油剤の量が少ない疎水性シート部とを有しており、前記サイド接合部の下端部において、前記前側胴回り部の最も肌側の面と前記後側胴回り部の最も肌側の面とが互いに対向した状態で接合されており、前記前側胴回り部の最も肌側の面及び前記後側胴回り部の最も肌側の面の少なくとも一方には、前記疎水性シート部が設けられている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品が明らかとなる。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、サイド接合部の下端部において厚さ方向に対向するシート部材の少なくとも一方に、親水性油剤の含有量が少ない疎水性シート部が設けられているため、厚さ方向に対向するシート部材の両方が親水性シート部である場合と比較して、サイド接合部における親水性油剤の影響が小さくなる。すなわち、サイド接合部の下端部における接合強度が低下し難くなる。これにより、吸収性物品の着用動作時にサイド接合部の下端部が剥がれてしまうことが抑制され、パンツ型形状を維持しやすくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記サイド接合部の下端部において、前記前側胴回り部の最も肌側の面及び前記後側胴回り部の最も肌側の面の何れにも、前記疎水性シート部が設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、サイド接合部の下端部において、厚さ方向に対向するシート部材が何れも疎水性シート部であることにより、親水性シート部に含まれる親水性油剤の影響がより小さくなる。したがって、サイド接合部の接合強度の低下をより抑制し易くすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記前側胴回り部の最も非肌側の面及び前記後側胴回り部の最も非肌側の面の何れにも、前記親水性シート部が設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、肌側に設けられた疎水性シート部によって着用者の肌から吸収した水分を、非肌側に設けられた親水性シート部へ移行させ、該親水性シート部の非肌側表面から大気中に放出させやすくすることができる。これにより、着用者の肌に水分が接触し難くなり、肌トラブルを生じさせたり、着用者に不快感を生じさせたりすることを抑制することができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記疎水性シート部には、当該疎水性シート部を非肌側から肌側に圧搾する圧搾部が複数設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、圧搾部の底部が、非肌側の親水性シート部から厚さ方向に所定距離だけ離間した位置に配置されるため、疎水性シート部のうち圧搾部が設けられている部分において、親水性シート部に含まれる親水性油剤の影響を受け難くなる。これにより、サイド接合部の接合強度が低下することを抑制し易くすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記サイド接合部を厚さ方向に見たときに、前記前側胴回り部に設けられた前記圧搾部の位置と、前記後側胴回り部に設けられた前記圧搾部の位置とが重複していない部分を有する、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、剛性の高い圧搾部の底部同士が、互いにずれた位置に配置されるため、サイド接合部の剛性が高くなりすぎることが抑制され、吸収性物品の着用時において肌触りが悪化し難くなる。また、剛性の高い圧搾部の底部同士が重複することに起因してサイド接合部の形成時に溶着不良が生じてしまうことが抑制され、サイド接合部を剥がれ難くすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材の前記両側部において、前記上下方向の中央位置と下端位置との間の最も肌側に、前記疎水性シート部が2層以上設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り部材の肌側面に疎水性シート部が2層以上設けられていることにより、サイド接合部の下端部において、非肌側に配置されている親水性シート部に含まれる親水性油剤の影響がより小さくなり、接合強度の低下をより抑制し易くすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材の最も肌側の面には、疎水性の肌面シートが設けられており、前記肌面シートの下端は、前記胴回り部材の前記両側部において、前記上下方向の中央位置と下端位置との間に位置している、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、吸収性物品の着用動作時に、サイド接合部の下端部で剥がれが発生し、当該剥がれが上下方向の上側に伝播するような場合であっても、肌面シートの下端位置にて剥がれの伝播を停止させることができる。これにより、サイド接合部の全体が剥がれてしまうことが抑制され、吸収性物品のパンツ型形状を維持しやすくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記サイド接合部の前記上下方向における上端から下端の全領域において、前記前側胴回り部及び前記後側胴回り部の最も肌側の面に、前記疎水性シート部が設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、サイド接合部の全領域で接合強度が低下することを抑制しやすくなり、吸収性物品のパンツ型形状を安定して維持しやすくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記サイド接合部の上端部において単位体積当たりに含まれる前記親水性油剤の量は、前記サイド接合部の下端部において単位体積当たりに含まれる前記親水性油剤の量よりも多い、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、サイド接合部上端部では、下端部と比較して親水性油剤の含有量が多くなるため、接合強度が弱くなる。したがって、着用者の身体から吸収性物品を取り外す際に、サイド接合部を上端部側から破る動作を行いやすくなる。これにより、ユーザーは、吸収性物品の着脱動作をストレスなく行うことができる。
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記サイド接合部の上端部には、2層以上の前記親水性シート部が設けられている、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品によれば、サイド接合部の上端部において、胴回り部材の強度を高くすることができる。したがって、吸収性物品の取り外し動作時に、サイド接合部の上端部を掴んで前側胴回り部と後側胴回り部とを前後に引っ張ったとしても、前側胴回り部及び後側胴回り部を構成するシート部材が破れにくくなり、また、引っ張る力がサイド接合部を剥離させるために作用しやすくなる。これにより、サイド接合部を上端部側から下側に剥がす動作をより行いやすくすることができる。
===第1実施形態===
本発明に係るパンツ型吸収性物品として、パンツ型使い捨ておむつ(以下、「おむつ1」とも呼ぶ)を例に挙げて説明する。ただし、本発明に係るパンツ型吸収性物品には、パンツ型ナプキンやその他のパンツ型吸収性物品も含まれるものとする。
<おむつ1の構成>
図1は、おむつ1の概略斜視図である。図2は、展開且つ伸長状態のおむつ1の平面図である。図3は、図2のA-A線での概略断面図である。なお、おむつ1の「伸長状態」とは、おむつ1全体(製品全体)を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば、後述する吸収性本体10や,胴回り部材20等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態のことを言う。
おむつ1は、図1に示されるパンツ型状態において、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、胴回り開口BHと一対の脚回り開口LH,LHとを有している。上下方向の上側が胴回り開口BH側に対応し、下側が股下側に対応する。また、前後方向の前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応する。また、図2の展開状態において、おむつ1は、互いに交差する縦方向と横方向とを有する。縦方向は、図1における上下方向に沿った方向であり、吸収性本体10の長手方向に相当する。横方向は、図1における左右方向に沿った方向である。また、図3に示すように、おむつ1を構成する資材が積層された方向を厚さ方向とする。厚さ方向において着用者の肌と接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
おむつ1は、液吸収性の吸収性本体10と、吸収性本体10の非肌側に配置された胴回り部材20とを有している。そして、胴回り部材20は、おむつ1の前身頃に相当する前側胴回り部30と、おむつ1の後身頃に相当する後側胴回り部40とを有している。すなわち、第1実施形態のおむつ1は、第1部品として、着用者の股間部にあてがわれ尿等の排泄物を吸収する吸収性本体10を有し、第2部品として、着用者の腹側部を覆う前側胴回り部30を有し、第3部品として、着用者の背側部を覆う後側胴回り部40を有する、所謂3ピースタイプのパンツ型おむつである。
図2の展開状態では、前側胴回り部30と後側胴回り部40とが互いに縦方向に間隔を空けて平行に並んだ状態で、これらの間に吸収性本体10が掛け渡されつつ、同吸収性本体10の長手方向(縦方向)の各端部10ea,10ebがそれぞれ最寄りの胴回り部30,40の肌側に接合固定されており、その外観形状は平面視略H形状をなしている。そして、この状態から、縦方向の中央位置CLを折り位置(二つ折り線)として吸収性本体10が二つ折りされる。この二つ折りの状態において互いに対向する前側胴回り部30と後側胴回り部40とが、左右方向両側の側部30sw及び側部40swにて互いに接合・連結され、一対のサイド接合部50,50が形成される。すなわち、一対のサイド接合部50,50によって前側胴回り部30と後側胴回り部40とが環状に成形される。なお、サイド接合部50は、溶着や接着等の公知の接合手段によって形成されている。これにより、図1に示すような胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHが形成されたパンツ型状態のおむつ1となる。また、このとき、おむつ1の二つ折り線たる中央位置CLが、脚回り開口LHの上下方向における最下端部となる。本明細書中では、おむつ1の「展開状態における縦方向の中央位置CL」と、おむつ1の「パンツ型状態における上下方向の最下端位置」とが同義であるものとして説明する。
おむつ1の脚回り開口LHは、サイド接合部50よりも上下方向の下側(サイド接合部50の下端を含む)において、胴回り部材20及び吸収性本体10の一部分によって形成されている。具体的には、前側胴回り部30の下端縁部と、後側胴回り部40の下端縁部と、吸収性本体10の左右方向の両側縁部とによって囲まれる領域が脚回り開口LHとなる。
以下では、図2の斜線部で示される脚回り開口LHに沿った領域のうち、前側胴回り部30の下端縁部によって形成される領域を前側脚回り領域71fとも呼び、後側胴回り部40の下端縁部によって形成される領域を後側脚回り領域71rとも呼ぶ。そして、前側脚回り領域71fと後側脚回り領域71rとを合わせて「第1領域71」とする。また、吸収性本体10の側縁部によって形成される領域を股下脚回り領域72とも呼ぶ。そして、この股下脚回り領域72を「第2領域72」とする。なお、「脚回り開口LHに沿った領域」とは、脚回り開口LHの周縁(エッジ)から内側に所定の幅(例えば、5mm程度の幅)を有する領域のことを言う。
(吸収性本体10)
図4Aは、吸収性本体10の平面図であり、図4Bは、吸収性本体10の概略断面図である。吸収性本体10は、排泄液を吸収する吸収性コア11と、吸収性コア11よりも厚さ方向の肌側に配置されたトップシート12と、吸収性コア11よりも非肌側に配置されたバックシート13とを有する。但し、吸収性本体10が、これ以外のシート部材を備えていても良い。例えば、トップシート12と吸収性コア11との厚さ方向の間に、セカンドシート(不図示)を備えていてもよい。
吸収性コア11は、尿等の排泄液を吸収して保持する部材であり、例えば高吸収性ポリマー(SAP)が混入したパルプ繊維等の液体吸収性繊維により形成される。なお、吸収性コア11は、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性のシート部材(コアラップシート11b)によって、外周面が覆われていても良い。本実施形態の吸収性コア11は、長手方向の前側端と後側端との間に、左右方向における幅が狭くなったくびれ部11cを有しており、図4Aに示されるような平面視略砂時計形状を有している。このくびれ部11cは、おむつ1の着用時において着用者の両脚の間に挟まれる部分であり、当該部分の左右方向における長さが短く(幅が狭く)なっていることにより、吸収性コア11が着用者の股間にフィットしやすくなる。また、本実施形態では、図4Bのように吸収性コア11が厚さ方向に2層重ねられた状態となっているが、吸収性コア11の形状はこの限りではない。
トップシート12は、液透過性のシートであり、例えば親水性のエアスルー不織布やスパンボンド不織布等が用いられる。本実施形態では、図4Bのように吸収性コア11を巻き込むように、左右方向の両側部が非肌側に折り返されている。
バックシート13は、液不透過性シート13aと、その非肌側に配された疎水性の外装シート13bと、の二層構造である。液不透過性シート13aとしては、例えば樹脂フィルム等が用いられ、外装シート13bとしては、例えば柔軟性を有する疎水性の不織布が用いられる。
吸収性本体10の左右方向の両側部には、縦方向(吸収性本体10の長手方向)に沿って一対の防漏壁部15が設けられている。本実施形態において、防漏壁部15は、上述した外装シート13bによって形成されている。具体的には、左右方向(横方向)において、外装シート13bの一部が吸収性コア11の両端よりも外側に延出しつつ、図4Bのように肌側に複数個所で折り曲げられることによって、一対の防漏壁部15が形成される。防漏壁部15の肌側端部(先端部)には、糸ゴム等の防漏壁弾性部材16が縦方向(吸収性本体10の長手方向)に沿って伸長した状態で取り付けられている。おむつ1の着用時には、該防漏壁弾性部材16が発現する伸縮性に基づいて、防漏壁部15が着用者の肌側に起立し、着用者の股間部にフィットする。
また、吸収性本体10の左右方向の両側部には、糸ゴム等の脚回り弾性部材17が縦方向(吸収性本体10の長手方向)に沿って伸長した状態で取り付けられている。おむつ1の着用時には、該脚回り弾性部材17が発現する伸縮性に基づいて、吸収性本体10の両側部が収縮し、着用者の脚回り沿ってフィットしやすくなる。
(前側胴回り部30)
前側胴回り部30は、図3に示されるように、厚さ方向の最も肌側に配置された肌側シート31と、肌側シート31の非肌側に隣接するように積層された非肌側シート32と、肌側シート31と非肌側シート32との厚さ方向の間に設けられた胴回り弾性部材35と、を有する。前側胴回り部30は、基本的に肌側シート31と非肌側シート32との2層構造であるが、例えば、後述する肌面シート36等、部分的に3層以上の構成を有していていも良い。
肌側シート31及び非肌側シート32は、図2に示されるような平面視長方形状のシート部材であり、例えばSMS不織布等によって形成されている。なお、おむつ1において、非肌側シート32を構成するシート部材(不織布)は、肌側シート31を構成するシート部材(不織布)よりも親水性が高くなっている。すなわち、肌側シート31は親水性の低い不織布(以下、「疎水性不織布」とも呼ぶ)によって構成され、非肌側シート32は肌側シート31よりも親水性の高い不織布(以下、「親水性不織布」とも呼ぶ)によって構成されている。各シート31,32の親水性、及び、親水性の違いに基づく機能の詳細については、後で説明する。
また、非肌側シート32の表面には、図2の部分拡大図に示されるような開孔部32hが複数設けられている。開孔部32hは、非肌側シート32を厚さ方向に貫通する貫通孔であり、該開孔部32hが設けられていることにより、前側胴回り部30の通気性を高めることができる。また、開孔部32hが前側胴回り部30の非肌面側に視認可能に配置されていることにより、前側胴回り部30が良好な通気性を有していることをユーザーに想起させやすくすることができる。各々の開孔部32hは、例えば直径1mm程度の円形状とすることができるが、開孔部32hの形状や配置(個数及びパターン)は適宜変更可能である。なお、おむつ1において、肌側シート31には開孔部32hに相当する貫通孔は設けられていない。
本実施形態の前側胴回り部30は、非肌側シート32の上端部(縦方向における前側端部)が非肌側から肌側、且つ、縦方向の前側から後側に折り返された折り返し部32fを有している。この折り返し部32fによって肌側シート31の一部(上端部)が覆われることにより、肌側シート31の上端エッジが着用者の肌に食い込んでしまうことが抑制される。但し、折り返し部32fは必ずしも設けられていなくても良い。
胴回り弾性部材35は、肌側シート31と非肌側シート32との間に、上下方向に並んで複数配置されるとともに、左右方向に伸長された状態で取り付けられている。この胴回り弾性部材35が発現する伸縮性によって、前側胴回り部30は、着用者の腹側胴回りにフィットする。
胴回り弾性部材35の取り付けは、ホットメルト接着剤等の接着剤を用いて行うことができる。例えば、胴回り弾性部材35にホットメルト接着剤を塗布して所定の伸長倍率で伸長させ、肌側シート31と非肌側シート32とで挟み込むことによって胴回り弾性部材35を取り付けることができる。すなわち、胴回り弾性部材35を介して肌側シート31と非肌側シート32とが接着剤によって接合される。また、肌側シート31及び非肌側シート32側に接着剤を塗布することによって胴回り弾性部材35を取り付けても良いし、後述する溶着部60を用いた溶着手段によって胴回り弾性部材35を取り付けるようにしても良い。
また、前側胴回り部30は、肌面シート36を有していても良い。肌面シート36は、図3に示されるように、吸収性本体10の上端部(縦方向における前側端部)を肌側から覆うように配置されたシート部材であり、カバーシートとしての機能を有している。これにより、おむつ1の着用時に吸収性本体10の上端エッジが着用者の肌に食い込んでしまうことが抑制される。肌面シート36は、例えばSMS不織布等によって形成されている。なお、肌面シート36は必ずしも設けられていなくても良い。
本実施形態の前側胴回り部30において、肌側シート31よりも肌側、若しくは非肌側シート32よりも非肌側にシート部材が設けられる場合、肌側シート31及び非肌側シート32の一部部分のみが覆われるように各シートが配置される。例えば、図3における肌面シート36は、肌側シート31の肌側の一部分のみを覆うように設けられており、肌側シート31の少なくとも一部は、着用者の肌側に露出した状態となっている。
(後側胴回り部40)
後側胴回り部40は、前側胴回り部30と略同様の構成を有する。すなわち、後側胴回り部40は、厚さ方向の最も肌側に配置された肌側シート41と、肌側シート41の非肌側に隣接するように積層された非肌側シート42と、肌側シート41と非肌側シート42との厚さ方向の間に設けられた胴回り弾性部材45と、を有する。また、前側胴回り部30と同様に、開孔部42hや折り返し部42f、肌面シート46等を有していても良い(図2,図3参照)。各部材の構成は、前側胴回り部30とほぼ同様であるため、説明は省略する。
一方、後側胴回り部40の外観形状は、前側胴回り部30とは異なっている。具体的に、後側胴回り部40は、図2のように、サイド接合部50(側部40sw)よりも上下方向の下側が略台形形状となった臀部カバー40bを有している。臀部カバー40bは、上下方向の上側から下側に向かって左右方向の幅が狭くなっており、その外縁(後側脚回り領域71rに相当)が湾曲した部位である。臀部カバー40bが設けられていることによって、おむつ1の着用時に後側胴回り部40が着用者の臀部を広く被覆することが可能となっている。
そして、臀部カバー40bには、図2に示されるような糸ゴム等の湾曲弾性部材47が設けられている。湾曲弾性部材47は、臀部カバー40bの端縁部に沿って伸長した状態で肌側シート41と非肌側シート42との間に取り付けられており、該湾曲弾性部材47が発現する伸縮性によって、おむつ1着用時に、後側胴回り部40の臀部カバー40bが着用者の臀部にフィットしやすくなり、また、臀部から捲れにくくなる。
<シート部材の親水性について>
ここで、シート部材の親水性について説明する。おむつ1では、胴回り部材20(前側胴回り部30、後側胴回り部40)を構成する肌側シート31,41として疎水性不織布を用い、非肌側シート32,42として疎水性不織布よりも親水性の高い親水性不織布を用いている。また、吸収性本体10を構成する外装シート13bとしても疎水性不織布を用いている。
本実施形態の親水性不織布は、疎水性不織布に対して、所定の油剤(親水性油剤)を付着させる処理(親水処理)を行うことによって親水性を高めたものである。親水処理に用いる油剤としては、例えば、アニオン系油剤や非イオン系油剤及びそれらの配合品等、繊維の帯電防止剤として効果を有する市販の油剤を使用することができる。これらの油剤を油槽に投入して、オイリングローラー等を用いてオイリングすることにより、疎水性不織布の親水性を高め、親水性不織布を得ることができる。但し、これ以外の方法によって親水性不織布が形成されるのであっても良い。例えば、親水性の高い繊維を用いて不織布を製造することによって、親水性不織布を得ても良い。
なお、本実施形態では、非肌側シート32を構成する不織布の全体について親水処理が行われ、非肌側シート32全体の親水性が高められているが、非肌側シート32の一部の領域のみ親水性が高められているのであってもよい。例えば、非肌側シート32の一部の領域にのみ親水処理が行われる等によって、局所的に親水性の高い部分と低い部分を有するシート部材としても良い。
シート部材の親水性は、当該シート部材の表面にイオン交換水を接触させた際の接触角を測定することによって評価することができる。具体的には、親水性不織布とイオン交換水との接触角が、疎水性不織布とイオン交換水との接触角よりも小さければ、親水性不織布の親水性の方が、疎水性不織布の親水性よりも高くなる。本実施形態で用いられる親水性不織布(非肌側シート32)としては、イオン交換水との接触角が、90度未満以下であることが望ましく、50度以下であることが更に望ましい。一方、疎水性不織布(肌側シート31)としては、イオン交換水との接触角が、90度以上であることが望ましく、120度以上であることが更に望ましい。また、後述するように、不織布に含まれる親水性油剤の単位体積当たりの量を比較することによって親水性の大小を比較することも可能である。
接触角の測定は、例えば、協和界面科学株式会社製の接触角計MCA-Jを用いて、以下の方法で行うことができる。先ず、測定対象となるシート部材(被測定シート)を構成する繊維の表面に、イオン交換水を滴下(約20ピコリットル)した後、直ちに前記接触角計を用いて接触角度の測定を行う。測定は、被測定シートの表面の複数個所(例えば5箇所以上)で行い、それらの平均値を接触角とする。なお、測定環境温度は22℃とする。
また、イオン交換水を滴下した被測定シートを、当該被測定シートの断面方向から撮像し、撮像した画像を解析して、イオン交換水の液滴と被測定シートとがなす角度を測定することによって、接触角を測定するようにしても良い。
<水分の吸収及び蒸散について>
親水性不織布を備えたおむつ1において、着用者の肌から汗等の水分を吸収し、吸収した水分を大気に蒸散させるメカニズムについて説明する。図5A~図5Cは、おむつ1において、水分を吸収・蒸散する際の基本原理について説明する図である。同図5では、おむつ1を構成する部材のうち、前側胴回り部30の断面について模式的に表している、
初めに、着用者がおむつ1を着用すると、図5Aのように、前側胴回り部30の厚さ方向の肌側に配置されている肌側シート31(疎水性不織布)が着用者の肌に当接する。上述したように、本実施形態の肌側シート31はSMS不織布によって構成されており、スパンボンド繊維と比較して繊維径が細いメルトブローン繊維を含んでいる。そのため、細いメルトブローン繊維が密に絡まり合って繊維間距離が狭くなっている部分を有している。このような構成によって、肌側シート31において毛細管現象が生じ、着用者の肌に付着している汗等の水分を吸収しやすくなっている。
次いで、肌側シート31によって吸収された水分は、図5Bのように、該肌側シート31の非肌側に隣接して積層されている非肌側シート32(親水性不織布)に移行する。肌側シート31が疎水性不織布であるのに対して、非肌側シート32は親水性不織布であることから、両シート間には親水性の大きさの差(親水勾配)が生じ、親水性の低い肌側シート31側から、親水性の高い非肌側シート32側に水分が移動しやすくなるためである。したがって、着用者の肌と接している肌側シート31側には水分が保持され難くなり、着用者の肌と接していない非肌側シート32側に水分が保持されやすくなる。
非肌側シート32中に保持された水分は、非肌側シート32の非肌側面から大気中に蒸散する。図5Cに示されるように、非肌側シート32の非肌側面に他の部材(シート部材)が配置されていない場合、該非肌側シート32の非肌側の表面全体が、大気に面している状態となる。すなわち。非肌側シート32と大気との界面の面積が大きくなり、水分の蒸散が生じやすくなる。
このようにして、おむつ1の胴回り部材20では、疎水性不織布によって着用者の肌から吸収し水分を、非肌側の親水性不織布へ移行させ、該親水性不織布の非肌側表面から大気中に放出する。つまり、水分を吸収して効率的に大気に蒸散させることができる。これにより、着用者の肌に水分が接触し難くなり、着用者の肌がビチャついてかぶれ等の肌トラブルを生じさせたり、着用者に不快感を生じさせたりすることを抑制することができる。
このような水分の蒸散について、検証実験を行った結果を図6に示す。図6Aは、蒸散率を測定するための実験方法について説明する図である。図6Bは、実験結果から得られた蒸散率のデータを表したグラフである。
実験は、ISO 17617 Method Bに規定される蒸散性(II)試験に準じて行った。先ず、2種類のシート部材を積層させて、所定の大きさに切り出した3種類の試料(試験片)1~3を準備する。試料1は、疎水性のスパンボンド不織布A(坪量15gsm)を2層重ねたものである。試料2は、スパンボンド不織布Aの上側に親水性のスパンボンド不織布B(坪量20gsm)を積層させたものである。試料3は、疎水性のメルトブローン不織布C(坪量13gsm)の上側に親水性のスパンボンド不織布B(坪量20gsm)を積層させたものである。
次いで、図6Aのようにシャーレに1ccの生理食塩水を滴下して水滴を形成させ、水滴の上から試料を被せるようにして配置する。そして、試料を配置した直後の試料とシャーレの合計重量を測定して記録する。その後、所定時間経過毎に試料とシャーレの合計重量を測定し、最初に測定した重量からの減少率を、水分(生理食塩水)の蒸散率として算出する。この実験を、3種類の試料の各々について実施した。
その結果、図6Bに示されるように、疎水性不織布を2層重ねた試料1が最も蒸散率が低くなることが明らかとなった。そして、試料1と試料2とを比較すると、疎水性不織布に親水性不織布を重ねた試料2の方が、試料1よりも蒸散率が高くなることが確認できた。これは、上述のように、大気と接触する側(非肌側)に親水性不織布が配置されることによって、疎水性不織布から親水性不織布へ水分が移行して、親水性不織布から大気への水分の蒸散が促進されることを示している。
さらに、試料2と試料3とを比較すると、疎水性不織布として、繊維径の細いメルトブローン不織布を用いた試料3の方が、繊維径の太いスパンボンド不織布を用いた試料2よりも蒸散率が高くなることが確認できた。これは、上述のように、疎水性不織布を構成する繊維の密度が高いほど、毛細管現象が作用しやすく、疎水性不織布が水分を吸収しやすくなることを示している。
第1実施形態のおむつ1では、胴回り部材20のうち、少なくとも、上下方向において一対のサイド接合部50と重複する領域では、疎水性不織布の非肌側に隣接して親水性不織布を積層されている。すなわち、最も肌側の表面に疎水領域が設けられ、最も非肌側の表面に親水領域が設けられている。したがって、図6の実験結果に示されるように、肌側から水分を吸収して、非肌側に蒸散させやすい構造となっている。
なお、おむつ1では、肌側シート31と非肌側シート32との間に胴回り弾性部材35が設けられている(図3参照)。そして、おむつ1を着用した状態で着用者が身体を動かすと、胴回り弾性部材35が左右方向に伸縮し、該胴回り弾性部材35の伸縮に伴って、肌側シート31及び非肌側シート32も左右方向に伸縮する。これにより、水分を吸収して蒸散させる効果をより高めることが可能となる。
例えば、胴回り弾性部材35が収縮すると、肌側シート31が収縮して繊維の密度が高まり、繊維間距離が小さくなる。この場合、毛細管現象がより生じやすくなり、水分を吸収しやすくなる。一方、胴回り弾性部材35が伸長すると、肌側シート31及び非肌側シート32が伸長してシート表面の皺等が伸びるため、肌側シート31と非肌側シート32とがより密着することにより、親水勾配に基づいた水分の移行が生じやすくなる。また、非肌側シート32が伸長することにより、該非肌側シート32の平面方向に水分が拡散しやすくなり、大気への蒸散が促進される。
<脚回り開口について>
おむつ1の胴回り部材20では、水分を効率よく吸収して蒸散させることにより、着用者の胴回りに不快感を生じさせにくいことを説明した。しかしながら、おむつ1の着用時において、脚回り開口LHが湿っていると、着用者の股間部に不快感を生じさせてしまうおそれがある。
おむつ1の脚回り開口LHは、胴回り部材20(30,40)によって形成される前側脚回り領域71f及び後側脚回り領域71r(第1領域71)と、吸収性本体10によって形成される股下脚回り領域72(第2領域72)とを有している(図2参照)。このうち、第1領域71では、おむつ1の着用時において、疎水性の肌側シート31,41が着用者の肌と当接し、親水性の非肌側シート32,42は着用者の肌と当接しない(図5参照)。そのため、着用者の肌は濡れにくく、不快感を生じさせ難い。
これに対して、第2領域72では、吸収性本体10を構成する外装シート13bの非肌側面が着用者の身体に当接する。図7A及び図7Bは、おむつ1の着用時において、着用者の股下部に吸収性本体10がフィットする様子について説明する図である。おむつ1を着用する際には、図7Aのように、着用者の両脚に沿って上下方向の下側(つま先側)から上側(股下側)に吸収性本体10(おむつ1)が引き上げられる。同図7Aにおいて、吸収性本体10の左右方向の両側に突出している部分(脚回り弾性部材17が配置されている部分)が、股下脚回り領域72(第2領域72)に相当する部分である。
股下部に引き上げられた吸収性本体10では、図7Bのように、防漏壁部15の先端が、防漏壁弾性部材16が発現する伸縮性によって肌側に起立して着用者の股間部(鼠径部)に当接する。また、第2領域72が、脚回り弾性部材17が発現する伸縮性によって着用者の両脚にそれぞれ押し当てられるようにして当接する。すなわち、おむつ1の脚回り開口LHのうち股下部においては、吸収性本体10の最も非肌側に配置されているシート部材である外装シート13bが、着用者の肌と当接する。
したがって、仮に、吸収性本体10の外装シート13bが、胴回り部材20の非肌側シート32,42と同様に親水性不織布によって構成されていた場合、第2領域72が水分を保持して湿りやすくなる、この場合、股下部において、着用者の脚回りが濡れやすくなり、着用者に不快感を生じさせるおそれがある。
これに対して、第1実施形態のおむつ1では、外装シート13bが疎水性不織布によって構成されている。つまり、脚回り開口LHにおいて、第2領域72の最も非肌側には疎水性不織布が配置されている。したがって、少なくとも、着用者の股下部に当接する脚回り開口LHの最下端(縦方向における中央位置CL)に位置する部分の非肌側が疎水領域となり、水分を保持し難い構造となっている。これにより、おむつ1の着用時において、着用者の股下部では着用者の肌が濡れにくくなる。
すなわち、おむつ1のように所謂3ピース構造を有するパンツ型おむつ(図2参照)において、着用時に、着用者の股下部と接触する吸収性本体10の最外層のシート部材(外装シート13b)として疎水性不織布を用いることにより、着用者に脚回りにおける不快感を生じ難くさせることができる。
より具体的には、3ピースタイプのおむつ1の脚回り開口LHにおいて、胴回り部材20によって構成される第1領域71では非肌側を親水領域とし、吸収性本体10によって構成される第2領域72では非肌側を疎水領域とする。このようにすれば、脚回り開口LHのうち、第1領域71では水分を蒸散させやすくなり、また、着用者の股下部に当接する第2領域72では水分が保持され難く、着用者の股下部が濡れにくくなる。これにより、股下部の広い範囲で着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
このとき、図2に示されるように、縦方向(吸収性本体10の長手方向)において、中央位置CLよりも前側における第2領域72の長さL72a(72に沿った部分の長さ)が、中央位置CLよりも後側における第2領域72の長さL72b(72に沿った部分の長さ)よりも長いことが好ましい(L72a>L72b)。おむつ1の着用時には、着用者が歩行を行う等、両脚が前側に動かされる機会が多くなる。そのため、中央位置CLよりも前側における第2領域72の長さL72aを長くしておくことにより、脚回り開口LHの前側において疎水領域が広くなり、着用者が前側に脚を動かした場合であっても、脚がより濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
また、脚回り開口LHを形成している第1領域71のうち、縦方向の中央位置CLよりも前側における前側脚回り領域71fの長さ(71fに沿った部分の長さ)L71fよりも、中央位置CLよりも後側における後側脚回り領域71rの長さ(71rに沿った部分の長さ)L71rの方が長いことが好ましい(L71r>L71f)。後側脚回り領域71rは着用者の臀部と広く接触しやすく、また、着用者がおむつ1を着用した状態で座った場合等に体圧がかかって、身体に押し付けられやすい領域である。そのため、後側脚回り領域71rの長さL71rを長くしておくことにより、脚回り開口LHの後側(臀部側)において疎水領域が広くなり、着用者が着座姿勢を取った場合であっても、臀部が濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
また、おむつ1の胴回り部材20(30,40)については、疎水性不織布からなる1枚の肌側シート31(41)と、親水性不織布からなる1枚の非肌側シート32(42)との2枚のシート部材が厚さ方向に積層された2層構造であることが好ましい。胴回り部材20において、余計なシート部材を設けないことにより、上述した水分の吸収及び蒸散が阻害され難くなり、より効率よく水分を放出することができるようになる。本実施形態の胴回り部材20は、図3に示される折り返し部32f等、一部で3層の構造を有しているが、胴回り部材20の大部分の領域において肌側シート31,41及び非肌側シート32,42の2枚のシート部材が積層された2層構造となっており、効率的に水分を蒸散させることができる。そして、胴回り部材20の非肌側面に設けられる親水領域が、1枚の親水性不織布によって構成されていることにより、胴回り部材20の広範囲に親水領域が形成され、蒸散性をより向上させることができる。
但し、これらのことは、胴回り部材20において、親水性不織布(非肌側シート32,42)よりも非肌側に他のシート部材が設けられること等を排除するものではない。例えば、肌側シート31(疎水性不織布)が非肌側に折り返されて、非肌側シート32の非肌側面の一部を覆うように積層されていても良い。このような場合であっても、非肌側面が覆われていない部分では水分の蒸散効果が維持されるため、着用者に不快感を生じさせ難くすることができる。
また、図2に示されるように、後側胴回り部40の上下方向における長さL40の方が、前側胴回り部30の上下方向における長さL30よりも長くなっていることが好ましい。後側胴回り部40は、おむつ1の着用時において着用者の臀部を覆う部位であるため、なるべく面積を広くして、臀部がしっかりと覆われるようにすることが望ましい。一方、前側胴回り部30は、着用者が歩行時等に脚を前側に動かしたときに、脚の動きに干渉しないよう、面積が過度に広くならないことが望ましい。また、一般的に、着用者は、腹側に比べて背側において汗をかきやすく、背側の発汗量が多くなりやすい。そのため、後側胴回り部40の面積を広くして、背側において汗を蒸散させやすくすることが望ましい。
そして、おむつ1の後側胴回り部40は、サイド接合部50よりも上下方向の下側に臀部カバー40bを有していることにより、該臀部カバー40bによって着用者の臀部において汗等の水分を蒸散させやすくなっている。さらに、臀部カバー40bには、その端縁部(後側脚回り領域71r)に沿って湾曲弾性部材47が設けられている。この湾曲弾性部材47の伸縮性によって、おむつ1の着用時に臀部カバー40bが着用者の臀部にピタッとフィットしやすくなる。また、後側脚回り領域71rに沿って伸縮性が作用するため、該後側脚回り領域71rが捲れにくくなり、着用者に違和感や不快感を生じさせ難くすると共に、後側胴回り部40による水分の蒸散機能を発揮しやすくすることができる。
<胴回り弾性部材35,45の取り付け方法の変形例>
上述の実施形態では、ホットメルト接着剤等を用いた接着手段によって胴回り弾性部材35,45が胴回り部材20に取り付けられていたが、胴回り弾性部材35,45の取り付け方法はこの限りでなはい。例えば、超音波溶着等の溶着手段を用いて胴回り弾性部材35,45が胴回り部材20に取り付けられていても良い。なお、超音波溶着は公知技術であることから、本明細書中では超音波溶着についての説明は省略する。
図8A及び図8Bは、溶着部60を用いて胴回り弾性部材35を前側胴回り部30に取り付ける方法について説明する図である。本変形例では、左右方向及び上下方向に離散的に配された複数の溶着部60,60…によって胴回り弾性部材35が前側胴回り部30に取り付けられる。各々の溶着部60は、超音波溶着により、略矩形状に形成され、前側胴回り部30の肌側シート31及び非肌側シート32を厚さ方向に接合する。そして、上下方向に隣り合う2つの溶着部60,60からなる1対の溶着部対60sによって、上下方向の両側から胴回り弾性部材35を挟み込むことによって、前側胴回り部30に対して胴回り弾性部材35を取り付けている。
図8Aに示すように、溶着部対60sをなす一対の溶着部60,60は、上下方向に間隔GH60を空けて並んでいる。そして、間隔GH60の大きさは、所定の伸長倍率まで伸長した状態の胴回り弾性部材35の直径d35tと同寸又はそれよりも若干大きい寸法に設定されている(GH60≧d35t)。つまり、伸長状態の胴回り弾性部材35は、溶着部対60sの上下方向の間に配置される。
次いで、胴回り弾性部材35が伸長状態から緩和されると、図8Bに示すように、胴回り弾性部材35は左右方向に収縮しつつ上下方向に拡大し、自然状態における直径d35は溶着部対60sの上下方向の間隔GH60よりも大きくなる(d35>GH60)。これにより、溶着部60,60同士によって、胴回り弾性部材35が上下方向に挟圧された状態となる。その結果、胴回り弾性部材35が前側胴回り部30に取り付けられる。
なお、図1のパンツ型状態のおむつ1においては、胴回り弾性部材35(45)は、上記の伸長状態から緩和された自然状態である。また、パンツ型状態のおむつ1では、左右方向両側部のサイド接合部50,50によって胴回り弾性部材35(45)が前側胴回り部30(後側胴回り部40)に接合されている。そのため、おむつ1の着用時において前側胴回り部30(後側胴回り部40)が左右方向に伸長されたとしても、胴回り弾性部材35(45)が胴回り部材20から外れてしまうことは無い。
===第2実施形態===
第2実施形態では、第1実施形態とは構成の一部が異なるパンツ型おむつ2(以下、「おむつ2」とも呼ぶ)について説明する。図9は、展開且つ伸長状態のおむつ2の平面図である。図10は、図9のB-B線での概略断面図である。なお、図9及び図10における各方向(例えば縦方向や横方向等)は、第1実施形態で定義した各方向と同様である。
第2実施形態のおむつ2は、液吸収性の吸収性本体10と、吸収性本体10の非肌側に接合された胴回り部材20とを有している。但し、おむつ2では、前側胴回り部30と後側胴回り部40とが図9及び図10の縦方向に(前後に)連続するように一体的に構成されている。すなわち、おむつ2は、内装体たる吸収性本体10と、外装体たる胴回り部材20と、によって構成される、所謂2ピースタイプの使い捨ておむつである。
図9の展開状態のおむつ2をパンツ型に形成する際には、吸収性本体10及び胴回り部材20を、縦方向における中央位置CLを折り位置として二つ折りにする。この二つ折りの状態において互いに対向する前側胴回り部30と後側胴回り部40とを、左右方向両側の側部30sw及び側部40swにて互いに接合・連結し、一対のサイド接合部50,50を形成する。これにより、図1と同様に、胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHを有するパンツ型状態のおむつ2となる。
おむつ2において、吸収性本体10の基本的な構成や機能は、第1実施形態のおむつ1と略同様であるため、説明は省略する。但し、おむつ2では、縦方向(吸収性本体10の長手方向)における中央位置CLを含む股下部において、吸収性本体10の左右方向の幅が、胴回り部材20の左右方向の幅よりも広くなっている部分を有している。言い換えると、左右方向において、胴回り部材20の長さ(幅)の最小値が、吸収性本体10の長さ(幅)の最小値よりも小さくなっている。したがって、おむつ1の着用時において、着用者の股下部付近の領域では、吸収性本体10の左右方向の両側縁部が着用者の両脚と接触することとなる。
つまり、おむつ2では、図9の斜線部で示される脚回り開口LHに沿った領域のうち、吸収性本体10の側縁部によって形成される領域が股下脚回り領域72(第2領域72)となる。一方、前側胴回り部30の下端縁部によって形成される領域が前側脚回り領域71f(第1領域71)となり、後側胴回り部40の下端縁部によって形成される領域が後側脚回り領域71r(第1領域71)となる。なお、吸収性本体10の側縁部に縦方向に伸縮する弾性部材が設けられ、当該側縁部が横方向に幅広の所謂レッグギャザーを構成していていも良い。この場合、当該レッグギャザーの両端部が、吸収性本体10の側縁部となる。
また、おむつ2では、胴回り部材20のうち、縦方向(吸収性本体10の長手方向)における中央位置CLよりも前側の部分が前側胴回り部30となり、中央位置CLよりも後側の部分を後側胴回り部40となる。胴回り部材20は、肌側シート21と、肌側シート21の非肌側に隣接して積層された非肌側シート22と、肌側シート21と非肌側シート22との厚さ方向の間に配置された胴回り弾性部材35,45とを有する(図10参照)。
肌側シート21は、おむつ1の肌側シート31,41と同様の疎水性不織布である。非肌側シート22は、おむつ1の非肌側シート32,42と同様の親水性不織布である。すなわち、おむつ2において、非肌側シート22は、肌側シート21よりも親水性の高い不織布である。そして、胴回り弾性部材35,45は、おむつ1と同様に糸ゴム等によって構成され、左右方向に伸長された状態で、肌側シート21と非肌側シート22との間に取り付けられている。
第2実施形態のおむつ2も、おむつ1と同様に、胴回り部材20のうち、少なくとも、上下方向において一対のサイド接合部50と重複する領域では、最も肌側の表面に疎水性不織布(肌側シート21)からなる疎水領域が設けられ、最も非肌側の表面に親水性不織布(非肌側シート22)からなる親水領域が設けられている。したがって、おむつ1で説明したのと同様に、着用者の肌側から水分を吸収して、非肌側の大気中に水分を蒸散させやすい構造となっている。
そして、おむつ2では、吸収性本体10の外装シート13bが疎水性不織布によって構成されている。つまり、脚回り開口LHにおいて、第2領域72の最も非肌側には疎水性不織布が配置されている。したがって、少なくとも、着用者の股下部に当接する脚回り開口LHの最下端(縦方向における中央位置CL)に位置する部分の非肌側が疎水領域となり、水分を保持し難い構造となっている。これにより、おむつ2の着用時において、着用者の脚回りの股下部が濡れにくくなる。
すなわち、おむつ2のような所謂2ピース構造を有するパンツ型おむつにおいて、着用者の股下部と接触する吸収性本体10の最外層のシート部材(外装シート13b)として疎水性不織布を用いることにより、着用者に脚回りにおける不快感を生じ難くさせることができる。
そして、2ピースタイプのおむつ2の脚回り開口LHにおいて、胴回り部材20によって構成される第1領域71では非肌側を親水領域とし、吸収性本体10によって構成される第2領域72では非肌側を疎水領域とする。このようにすれば、脚回り開口LHのうち、第1領域71では水分を蒸散させやすくなり、また、着用者の股下部に当接する第2領域72では水分が保持され難く、着用者の股下部が濡れにくくなる。これにより、股下部の広い範囲で着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
また、図9に示されるように、縦方向(吸収性本体10の長手方向)において、中央位置CLよりも前側における第2領域72の長さL72a(72に沿った部分の長さ)が、中央位置CLよりも後側における第2領域72の長さL72b(72に沿った部分の長さ)よりも長いことが好ましい(L72a>L72b)。おむつ2の着用時には、着用者が歩行を行う等、両脚が前側に動かされる機会が多くなる。そのため、中央位置CLよりも前側における第2領域72の長さL72aを長くしておくことにより、脚回り開口LHの前側において疎水領域が広くなり、着用者が前側に脚を動かした場合であっても、脚がより濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
また、脚回り開口LHを形成している第1領域71のうち、縦方向の中央位置CLよりも前側における前側脚回り領域71fの長さ(71fに沿った部分の長さ)L71fよりも、中央位置CLよりも後側における後側脚回り領域71rの長さ(71rに沿った部分の長さ)L71rの方が長いことが好ましい(L71r>L71f)。後側脚回り領域71rは着用者の臀部と広く接触しやすく、また、着用者がおむつ1を着用した状態で座った場合等に体圧がかかって、身体に押し付けられやすい領域である。そのため、後側脚回り領域71rの長さL71rを長くしておくことにより、脚回り開口LHの後側(臀部側)において疎水領域が広くなり、着用者が着座姿勢を取った場合であっても、臀部が濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
また、おむつ2の左右方向において、胴回り部材20の最も外側の端と、胴回り部材20の最も内側の端との間の距離をW71とし、吸収性本体10の最も外側の端と胴回り部材20の最も内側の端との間の距離をW72とする(図9参照)。このW72は、胴回り部材20の左右方向の幅が最も狭くなっている部分から、吸収性本体10が左右方向の外側に延出している部分の長さ(幅)を表している。そして、このとき、幅W72は、幅W71の1/2よりも小さいことが望ましい(W71×1/2>W72)。
仮に、吸収性本体10の側縁部がW71の1/2よりも大きく外側に延出している場合、脚回り開口LHの開口面積が小さくなり、おむつ2の着用時に、着用者が脚を動かしにくくなったり、着用者の鼠径部に股下脚回り領域72が押し付けられることによって着用者に不快感を生じさせたりするおそれがある。これに対して、上述のような関係(W71×1/2>W72)であれば、吸収性本体10の側縁部(股下脚回り領域72)が左右方向の外側に過度に延出することが抑制される。これにより、おむつ2の着用時において、着用者が脚を動かしやすくなり、また、脚回りにおける不快感を生じさせ難くすることができる。
また、おむつ2の胴回り部材20(30,40)については、疎水性不織布からなる1枚の肌側シート21と、親水性不織布からなる1枚の非肌側シート22との2枚のシート部材が厚さ方向に積層された2層構造であることが好ましい。胴回り部材20において、余計なシート部材を設けないことにより、水分の吸収及び蒸散が阻害され難くなり、より効率よく水分を放出することができるようになる。そして、胴回り部材20の非肌側面に設けられる親水領域が、1枚の親水性不織布によって構成されていることにより、胴回り部材20の広範囲に親水領域が形成され、蒸散性をより向上させることができる。
また、おむつ2の後側胴回り部40は、サイド接合部50よりも上下方向の下側に臀部カバー40bを有している(図9参照)。該臀部カバー40bによって着用者の臀部において汗等の水分を蒸散させやすくすることが可能となる。また、臀部カバー40bには、その端縁部(後側脚回り領域71r)に沿って湾曲弾性部材47が設けられている。この湾曲弾性部材47の伸縮性によって、おむつ2の着用時に臀部カバー40bが着用者の臀部にピタッとフィットしやすくなる。そして、後側脚回り領域71rに沿って伸縮性が作用することにより、該後側脚回り領域71rが捲れにくくなり、着用者に違和感や不快感を生じさせ難くすることができ、後側胴回り部40による水分の蒸散機能を発揮しやすくすることができる。
===第3実施形態===
第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と構成の一部が異なるパンツ型おむつ3(以下、「おむつ3」とも呼ぶ)について説明する。図11は、展開且つ伸長状態のおむつ3の平面図である。図12は、図11のC-C線での概略断面図である。なお、図11A及び図12における各方向(例えば縦方向や横方向等)は、第1実施形態で定義した各方向と同様である。
第3実施形態のおむつ3は、液吸収性の吸収性本体10と、吸収性本体10の非肌側に接合された胴回り部材20とを有している。但し、おむつ3では、図12Bに示されるように、前側胴回り部30を構成する肌側シート21(前肌側シート)と、後側胴回り部40を構成する肌側シート21(後肌側シート)とが縦方向に連続する一体的なシート部材として構成されている。一方、前側胴回り部30を構成する非肌側シート32(前非肌側シート)と、後側胴回り部40を構成する非肌側シート42(後非肌側シート)とは、縦方向に非連続な異なるシート部材として構成されている。以下では、このような構造のおむつを簡易3ピースタイプの使い捨ておむつとも呼ぶ。
図12Aの展開状態のおむつ3をパンツ型に形成する際には、吸収性本体10及び胴回り部材20を、縦方向における中央位置CLを折り位置として二つ折りにする。この二つ折りの状態において互いに対向する前側胴回り部30と後側胴回り部40とを、左右方向両側の側部30sw及び側部40swにて互いに接合・連結し、一対のサイド接合部50,50を形成する。これにより、図1と同様に、胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHを有するパンツ型状態のおむつ3となる。
おむつ3において、吸収性本体10の基本的な構成や機能は、第1実施形態のおむつ1と略同様であるため、説明は省略する。
また、おむつ3では、胴回り部材20のうち、縦方向(吸収性本体10の長手方向)における中央位置CLよりも前側の部分が前側胴回り部30となり、中央位置CLよりも後側の部分が後側胴回り部40となる。前側胴回り部30は、厚さ方向の肌側において縦方向の一端側(腹側)から他端側(背側)に延びる一枚の肌側シート21と、縦方向の前側(腹側)において、肌側シート21の非肌側に隣接して積層された非肌側シート32と、肌側シート21と非肌側シート32との厚さ方向の間に配置された胴回り弾性部材35とを有する。後側胴回り部40は、前側胴回り部30と共通の肌側シート21と、縦方向の後側(背側)において、肌側シート21の非肌側に隣接して積層された非肌側シート42と、肌側シート21と非肌側シート42との厚さ方向の間に配置された胴回り弾性部材45とを有する。
肌側シート21は、おむつ1の肌側シート31,41と同様の疎水性不織布である。非肌側シート32,42は、おむつ1の非肌側シート32,42と同様の親水性不織布である。すなわち、おむつ3において、非肌側シート32,42は、肌側シート21よりも親水性の高い不織布である。そして、胴回り弾性部材35,45は、おむつ1と同様に糸ゴム等によって構成され、左右方向に伸長された状態で、肌側シート21と非肌側シート32,42との間に取り付けられている。
第3実施形態のおむつ3では、胴回り部材20によって脚回り開口LHが形成されている。そして、図11の斜線部で示される脚回り開口LHに沿った領域のうち、胴回り部材20の肌側シート21のみによって形成される領域を股下脚回り領域72(第2領域72)とし、肌側シート21と非肌側シート32,42との積層部によって形成される領域を前側脚回り領域71f及び後側脚回り領域71r(第1領域71)とする。
図11及び図12に示されるように、おむつ3では、胴回り部材20のうち、少なくとも、上下方向において一対のサイド接合部50と重複する領域では、最も肌側の表面に疎水性不織布(肌側シート21)からなる疎水領域が設けられ、最も非肌側の表面に親水性不織布(非肌側シート32,42)からなる親水領域が設けられている。したがって、着用者の肌側から水分を吸収して、非肌側の大気中に水分を蒸散させやすい構造となっている。
そして、おむつ3では、股下脚回り領域72(第2領域72)が1枚の疎水性不織布(肌側シート21)によって構成されている。つまり、脚回り開口LHにおいて、第2領域72の最も非肌側には疎水性不織布が配置されている。したがって、少なくとも、着用者の股下部に当接する脚回り開口LHの最下端(縦方向における中央位置CL)に位置する部分の非肌側が疎水領域となり、水分を保持し難い構造となっている。これにより、おむつ3の着用時において、着用者の脚回りの股下部が濡れにくくなる。
すなわち、おむつ3のような所謂簡易3ピース構造を有するパンツ型おむつにおいて、着用者の股下部と接触する部分に疎水性不織布を用いることにより、着用者に脚回りにおける不快感を生じ難くさせることができる。
また、簡易3ピースタイプのおむつ3の脚回り開口LHにおいて、非肌側シート32,42が配置されている第1領域71では非肌側が親水領域となり、肌側シート21によって構成される第2領域72では非肌側が疎水領域となる。このようにすれば、脚回り開口LHのうち、第1領域71では水分を蒸散させやすくなり、また、着用者の股下部に当接する第2領域72では水分が保持され難く、着用者の股下部が濡れにくくなる。これにより、股下部の広い範囲で着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
そして、おむつ3の脚回り開口LHにおいて、吸収性本体10の液不透過性シート13aよりも非肌側に配置されているシート部材は、肌側シート21のみである。すなわち、おむつ3の第2領域72において、吸収性本体10よりも非肌側には、1枚の疎水性不織布のみが配置されている。第2領域72に配置されるシート部材の数を極力少なくして、当該領域の剛性を低くすることにより、おむつ3の着用時において、脚回り開口LHの股間部における肌あたりが柔らかくなり、着用者に快適な付け心地を感じさせることができる。
また、図11に示されるように、縦方向(吸収性本体10の長手方向)において、中央位置CLよりも前側における第2領域72の長さL72a(72に沿った部分の長さ)が、中央位置CLよりも後側における第2領域72の長さL72b(72に沿った部分の長さ)よりも長いことが好ましい(L72a>L72b)。おむつ2の着用時には、着用者が歩行を行う等、両脚が前側に動かされる機会が多くなる。そのため、中央位置CLよりも前側における第2領域72の長さL72aを長くしておくことにより、脚回り開口LHの前側において疎水領域が広くなり、着用者が前側に脚を動かした場合であっても、脚がより濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
また、脚回り開口LHを形成している第1領域71のうち、縦方向の中央位置CLよりも前側における前側脚回り領域71fの長さL71f(71fに沿った部分の長さ1よりも、中央位置CLよりも後側における後側脚回り領域71rの長さL71r(71rに沿った部分の長さ)の方が長いことが好ましい(L71r>L71f)。後側脚回り領域71rは着用者の臀部と広く接触しやすく、また、着用者がおむつ1を着用した状態で座った場合等に体圧がかかって、身体に押し付けられやすい領域である。そのため、後側脚回り領域71rの長さL71rを長くしておくことにより、脚回り開口LHの後側(臀部側)において疎水領域が広くなり、着用者が着座姿勢を取った場合であっても、臀部が濡れにくくなる。したがって、着用者に不快感を生じさせにくくすることができる。
また、おむつ3の胴回り部材20(30,40)については、疎水性不織布からなる1枚の肌側シート21と、親水性不織布からなる1枚の非肌側シート32(42)との2枚のシート部材が厚さ方向に積層された2層構造であることが好ましい。胴回り部材20において、余計なシート部材を設けないことにより、水分の吸収及び蒸散が阻害され難くなり、より効率よく水分を放出することができるようになる。そして、胴回り部材20の非肌側面に設けられる親水領域が、1枚の親水性不織布によって構成されていることにより、胴回り部材20の広範囲に親水領域が形成され、蒸散性をより向上させることができる。
また、おむつ3の後側胴回り部40は、サイド接合部50よりも上下方向の下側に臀部カバー40bを有している(図11参照)。該臀部カバー40bによって着用者の臀部において汗等の水分を蒸散させやすくすることが可能となる。また、臀部カバー40bには、その端縁部(後側脚回り領域71r)に沿って湾曲弾性部材47が設けられている。この湾曲弾性部材47の伸縮性によって、おむつ3の着用時に臀部カバー40bが着用者の臀部にピタッとフィットしやすくなる。そして、後側脚回り領域71rに沿って伸縮性が作用することにより、該後側脚回り領域71rが捲れにくくなり、着用者に違和感や不快感を生じさせ難くすることができ、後側胴回り部40による水分の蒸散機能を発揮しやすくすることができる。
(変形例)
おむつ3において、第2実施形態のおむつ2と同様に、吸収性本体10の左右方向における長さ(幅)が、胴回り部材20の左右方向における長さ(幅)の最小値よりも狭くなるように、吸収性本体10の形状を変形しても良い。図13は、展開且つ伸長状態のおむつ3の変形例の平面図である。図14は、図13のD-D線での概略断面図である。
おむつ3の変形例では、図13の斜線部で示される脚回り開口LHに沿った領域のうち、吸収性本体10の側縁部によって形成される領域が股下脚回り領域72(第2領域72)となる。一方、前側胴回り部30の下端縁部によって形成される領域が前側脚回り領域71f(第1領域71)となり、後側胴回り部40の下端縁部によって形成される領域が後側脚回り領域71r(第1領域71)となる。その他の構成については、図11で説明したおむつ3とほぼ同様である。
変形例のおむつ3では、吸収性本体10の外装シート13bが疎水性不織布によって構成されている。つまり、脚回り開口LHにおいて、第2領域72の最も非肌側には疎水性不織布が配置されている。したがって、少なくとも、着用者の股下部に当接する脚回り開口LHの最下端(縦方向における中央位置CL)に位置する部分の非肌側が疎水領域となり、水分を保持し難い構造となっている。これにより、着用者の股下部では着用者の肌が濡れにくくなる。
すなわち、おむつ3が図13のような構成を有する場合(変形例の場合)であっても、着用者の股下部と接触する吸収性本体10の最外層のシート部材(外装シート13b)として疎水性不織布を用いることにより、着用者に脚回りにおける不快感を生じ難くさせることができる。
また、上述のおむつ2について説明したのと同様に、変形例のおむつ3の左右方向において、吸収性本体10の最も外側の端と胴回り部材20の最も内側の端との間の距離W72は、胴回り部材20の最も外側の端と、胴回り部材20の最も内側の端との間の距離W71の1/2よりも小さいことが望ましい。これにより、吸収性本体10の側縁部(股下脚回り領域72)が左右方向の外側に過度に延出することが抑制され、おむつ3の着用時において、着用者が脚を動かしやすくなり、また、脚回りにおける不快感を生じさせ難くすることができる。
===第4実施形態===
第4実施形態に係るパンツ型吸収性物品として、パンツ型使い捨ておむつ(以下、「おむつ4」とも呼ぶ)を例に挙げて説明する。図15は、展開且つ伸長状態のおむつ4の平面図である。同図15に示されるように、おむつ4の基本的な構成は、第1実施形態のおむつ1と略同様である(図2、及び、図1、図3、図4参照)。そのため、おむつ4の全体構成についての詳細な説明は省略する。
<サイド接合部50について>
おむつ4では、胴回り部材20(30,40)の一部に、親水性油剤を含んだ親水性不織布を用いることにより、吸水性を高めている。一方、不織布に含まれる親水性油剤の影響により、サイド接合部50において、以下のような問題が生じるおそれがある。
図16は、前側胴回り部30と後側胴回り部40とを接合するサイド接合部50を上下方向に沿って見たときの断面模式図である。同図16に示されるように、胴回り部材20の左右方向における外側端部では、前側胴回り部30と後側胴回り部40とが厚さ方向に重ねられた状態で接合され、サイド接合部50が形成されている。そして、サイド接合部50では、前側胴回り部30の肌側シート31と、後側胴回り部40の肌側シート41とが厚さ方向において互いに対向するように配置され、接合されている。
本実施形態において、おむつ4のサイド接合部50は、超音波溶着等の溶着手段を用いて接合されることから、仮に、サイド接合部50において厚さ方向に対向する面同士が親水性不織布であった場合、問題が生じるおそれがある。具体的に、前側胴回り部30の肌側シート31と後側胴回り部40の肌側シート41とが、共に親水性油剤を含む親水性シート部であった場合、該親水性油剤が形成する皮膜によって超音波溶着の溶着強度が不十分になるおそれがある。
このような場合、おむつ4の着用時にサイド接合部50の接合箇所が剥がれて、おむつ4が図1のようなパンツ型形状を維持できなくなる場合がある。例えば、着用者がパンツ型のおむつ4を着用する際には、おむつ4の脚回り開口LHに脚を通して、つま先側から股下側におむつ4を引き上げる動作が行われる。この時、サイド接合部50の下端部(脚回り開口LHの上端部)に応力が集中しやすくなるため、サイド接合部50の接合強度が不十分であると、その下端部が剥がれの起点となってサイド接合部50全体が剥離してしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態では、サイド接合部50において厚さ方向に対向する肌側シート31と肌側シート41とが、共に親水性油剤を含んでいない疎水性不織布によって形成されている。すなわち、前側胴回り部30及び後側胴回り部40の最も肌側の面に、親水性油剤の単位体積当たりの含有量が少ない疎水性シート部を有している。したがって、親水性油剤の含有量が多い親水性シート部が対向して配置されている場合と比較してサイド接合部50の接合強度が低下し難くなる。これにより、おむつ4の着用動作時にサイド接合部50の下端部が剥がれてしまうことが抑制され、パンツ型形状を維持しやすくすることができる。
なお、厚さ方向に対向する肌側シート31と肌側シート41のうち、少なくとも一方に疎水性シート部があれば、サイド接合部50の対向面に形成される親水性油剤の油膜の影響が小さくなるため、接合強度の低下を抑制し易くすることが可能である。本実施形態では、図16に示されるように、最も肌側に配置されている肌側シート31及び肌側シート41の両方が疎水性不織布である。言い換えると、サイド接合部50の下端部において、前側胴回り部30の最も肌側の面、及び、後側胴回り部40の最も肌側の面の何れにも、疎水性シート部が設けられている。したがって、サイド接合部50の下端部における親水性油剤の影響がより小さくなり、接合強度の低下をより抑制し易くすることができる。
各シート部材における親水性油剤の単位体積当たりの含有量は、以下のようにして測定することができる。先ず、シート部材から親水性油剤を抽出する。測定対象となるシート部材を約5g切り出して試料を取得し、絶乾質量を求め、JIS R 3503に規定したソックスレー抽出器に円筒ろ紙を用いずに軽く入れた後、附属フラスコに100mL~150mLのJIS K 8102の特級のエタノール及びJIS K 8858の特級のベンゼンの混合液(容量比1:2)(以下、エタノール・ベンゼン混合液という。)を入れる。ただし、回収したエタノール・ベンゼン混合液を使用するときには、水分が(1.7±0.5)%となるように調製して用いる。そして、水浴上に載せて、抽出液が弱く沸騰を保つ程度に3時間加熱した後、試料部にたまった溶液をフラスコに戻し,フラスコ内容物を5mLに濃縮した後(必要があれば1G1又は3G1のガラスろ過器でろ過する)、あらかじめ105±2℃で恒量を求めたはかり瓶に移す。抽出フラスコは約40℃のエタノール・ベンゼン混合液で洗浄し、洗液を(ガラスろ過器を用いた場合は前記ガラスろ過器でろ過後)はかり瓶に合わせ,水浴上で溶剤を揮散した後、105±2℃の恒温乾燥器中に1.5時間放置し、デシケータ中で冷却し、質量を量る。抽出分は、エタノール・ベンゼン混合液抽出量の絶乾試料質量に対する百分率で表し2回の平均値を、JIS Z 8401の規則B(四捨五入法)によって小数点以下2けたに丸める。このようにして抽出された油剤の質量を試料の体積で割った値を、シート部材における親水性油剤の単位体積当たりの含有量とする。
また、おむつ4のサイド接合部50の下端部における肌側には、それぞれ疎水性の肌面シート36,46が設けられている。図15及び図3では、前側胴回り部30の側部30sw(50)の上下方向における中央位置と下端位置との間の最も肌側に肌面シート36が設けられており、当該領域の少なくとも一部では、疎水シート部が2層重ねて設けられている。同様に、後側胴回り部40の側部40sw(50)の上下方向における中央位置と下端位置との間の最も肌側には、疎水シート部が2層重ねて設けられている。なお、図3は、左右方向における中央の断面(A-A断面)を示しているため、肌面シート36(46)と肌側シート31(41)との間に吸収性本体10が配置された図となっている。
胴回り部材20の肌側面に疎水性シート部が厚さ方向に2層重ねて設けられていることにより、サイド接合部50では、非肌側に設けられている親水性シート部に含まれる親水性油剤の影響がより小さくなり、接合強度の低下がより抑制されやすくなる。なお、胴回り部材20の肌側面に疎水性シート部が3層以上重ねて設けられていても良い。このようにすれば、非肌側の親水性シート部の影響をより小さくすることができる。
また、図15に示されるように、肌面シート36(46)の下端36b(46b)は、前側胴回り部30(40)の上下方向における中央位置と下端位置との間に位置している。上述したように、肌面シート36が設けられている領域では、親水性油剤の影響がより小さくなるため、サイド接合部50の接合強度を他の領域よりも強くすることができる。したがって、おむつ4の着用動作時に、サイド接合部50の下端部で剥がれが発生し、当該剥がれが、サイド接合部50に沿って上下方向の上側に伝播するような場合であっても、肌面シート36(46)の下端位置36b(46b)にて剥がれの伝播を止めることができる。すなわち、肌面シート36がサイド接合部50の裂け止めとして機能することにより、サイド接合部50の全体が剥がれてしまうことを抑制することができる。これにより、おむつ4がパンツ型形状を維持しやすくなる。
また、おむつ4の胴回り部材20(30,40)において、サイド接合部50の上下方向の上端から下端の全領域について、最も肌側に疎水性シート部(肌側シート31,41)が設けられているのであっても良い。このような構成であれば、サイド接合部50の全体として接合強度が低下することを抑制しやすくなり、おむつ4のパンツ型形状を安定して維持しやすくすることができる。
一方、おむつ4では、図3に示されるように、前側胴回り部30(40)の上下方向における上端部において、非肌側シート32(42)が肌側に折り返された折り返し部32f(42f)が設けられる場合がある。この場合、サイド接合部50の上下方向の上端部では、最も肌側に親水性シート部が設けられることとなる。すなわち、サイド接合部50の上下方向における上端部では、下端部と比較して単位体積当たりに含まれる親水性油剤の量が多くなる。したがって、おむつ4のサイド接合部50の上端部は、下端部と比較して接合強度が低くなる。
サイド接合部50の上端部は、おむつ4を着用する動作時に負荷がかかりやすいために、接合部を剥がれにくくすることが重要であることを説明した。一方、おむつ4の使用後に、着用者の身体から当該おむつ4を取り外す際には、サイド接合部50の上端部付近を掴んで前後に引っ張り、サイド接合部50にて連結されていた前側胴回り部30と後側胴回り部40とを分離させる動作が行われる。すなわち、サイド接合部50を上端部側から下側に破る動作が行われる。そのため、サイド接合部50の上端部では、接合強度をある程度弱くしておくことが望ましい。
特に、図3では、サイド接合部50の上端部の最も肌側に親水性の折り返し部32f(42f)が配置されている。つまり、サイド接合部50の上端部の最も肌側に親水性シート部を有している。したがって、当該上端部では親水性シート部同士が対向することにより、サイド接合部50の接合強度をより弱めることができる。
但し、サイド接合部50の上端部において、折り返し部32f(42f)が厚さ方向の最も肌側に露出している必要はない。すなわち、折り返し部32f(42f)が肌側シート31(41)よりも非肌側に折り返されているのであっても良い。この場合でも、サイド接合部50の上端部における単位体積当たりの親水性油剤の量が多くなるため、上述のような効果を得ることができる。また、サイド接合部50の上端部において、折り返し部32f(42f)とは異なる親水性のシート部材(親水性シート部)が別途設けられるのであっても良い。
このように、本実施形態のおむつ4では、サイド接合部50の上端部における親水性油剤の含有量が高くなっているため、サイド接合部50を上端部側から破る動作を行いやすくすることができる。つまり、おむつ4のサイド接合部50は、下端部側からは剥がれにくく、上端部側からは剥がれやすい構造となっている。これにより、ユーザーは、おむつ4の着脱動作をストレスなく行うことができる。
また、サイド接合部50の上端部において、厚さ方向に2層以上の親水性シート部が設けられていることにより、当該領域における胴回り部材20自体の強度を高くすることができる。したがって、おむつ4の取り外し動作時に、サイド接合部50の上端部を掴んで前側胴回り部30と後側胴回り部40とを前後に引っ張ったとしても、前側胴回り部30及び後側胴回り部40を構成するシート部材は破れにくくなる。すなわち、胴回り部材20を前後に引っ張る力が、該胴回り部材20の生地を破くために作用するのではなく、サイド接合部50を剥離させるために作用しやすくなる。そして、親水性シート部が2層以上積層されている部分では、単位体積当たりの親水性油剤の量が多くなるため、上述のようにサイド接合部50の接合強度を弱くすることができる。これにより、サイド接合部50を上端部側から下側に剥がす動作をより行いやすくすることができる。
また、胴回り部材20(30,40)を構成する肌側シート31,41に圧搾部を設けるようにしても良い。図17は、前側胴回り部30の厚さ方向における断面形状を表す断面模式図である。
図17において、肌側シート31(疎水性シート部)には、該肌側シート31を厚さ方向の非肌側から肌側に圧搾する複数の圧搾部31eが設けられている。肌側シート31の表面に複数の圧搾部31e,31e…が設けられていることにより、肌側シート31の強度を高め、破れにくくすることができる。そして、圧搾部31eでは、圧搾された底部(図17斜線部で示される)が、非肌側シート32(親水性シート部)から厚さ方向に所定距離だけ離間した位置に配置されている。したがって、圧搾部31eでは、非肌側シート32(親水性シート部)に含まれる親水性油剤の影響を受けにくくなり、サイド接合部50の接合強度が低下することをより抑制し易くすることができる。これにより、サイド接合部50が下端部から剥がれてしまうことを抑制することができる。
さらに、サイド接合部50において、厚さ方向に見たときに、前側胴回り部30に設けられる圧搾部31eの位置と、後側胴回り部40に設けられる圧搾部41eの位置とが重複していない部分を有していることが望ましい。図18は、サイド接合部50において、前側胴回り部30の圧搾部31eの位置と、後側胴回り部40の圧搾部41eの位置との関係について表す断面模式図である。
同図18では、厚さ方向に見たときに、圧搾部31eの位置と圧搾部41eの位置とが互いにずれて配置されている。すなわち、剛性の高い圧搾部31e,41eの底部(図18の斜線部で示される部分)同士が、互いにずれた位置に配置されている。したがって、サイド接合部50における剛性が高くなりすぎることが抑制され、おむつ4着用時における肌触りが悪化し難くなる。また、剛性の高い圧搾部31e,41eの底部同士が重複すると、サイド接合部50を形成する際に溶着不良が生じてしまう場合がある。これに対して、圧搾部31e,41eの底部同士の位置がずれていることにより、溶着不良等を生じ難くすることができる。したがって、サイド接合部50の下端部が剥がれてしまうことを抑制し易くすることができる。
===第5実施形態===
第5実施形態では、第4実施形態とは構成の一部が異なるパンツ型おむつ5(以下、「おむつ5」とも呼ぶ)について説明する。図19Aは、展開且つ伸長状態のおむつ5の平面図である。図19Bは、図19AのB-B線での概略断面図である。なお、図19A及び図19Bにおける各方向(例えば縦方向や横方向等)は、第4実施形態で定義した各方向と同様である。
第5実施形態のおむつ5は、液吸収性の吸収性本体10と、吸収性本体10の非肌側に配置された胴回り部材20とを有している。但し、おむつ5では、前側胴回り部30と後側胴回り部40とが一体的に構成されている。すなわち、おむつ5は、内装体たる吸収性本体10と、外装体たる胴回り部材20と、によって構成される、所謂2ピースタイプの使い捨ておむつである。
図19Aの展開状態のおむつ5をパンツ型に形成する際には、吸収性本体10及び胴回り部材20を、縦方向における中央位置CLを折り位置として二つ折りにする。この二つ折りの状態において互いに対向する前側胴回り部30と後側胴回り部40とを、左右方向両側の側部30sw及び側部40swにて互いに接合・連結し、一対のサイド接合部50,50を形成する。これにより、図1と同様に、胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHを有するパンツ型状態のおむつ5となる。
おむつ5において、吸収性本体10の基本的な構成や機能は、第4実施形態のおむつ4と略同様であるため、説明は省略する。なお、図19Aでは、縦方向(吸収性本体10の長手方向)における中央位置CLを含む股下部において、吸収性本体10の左右方向の幅が、胴回り部材20の左右方向の幅よりも広くなっている部分を有している。したがって、おむつ5の着用時において、着用者の股下部付近の領域では、吸収性本体10の左右方向の両端縁部(エッジ)が着用者の両脚と接触することとなる。
また、おむつ5では、胴回り部材20のうち、縦方向(吸収性本体10の長手方向)における中央位置CLよりも前側の部分が前側胴回り部30となり、中央位置CLよりも後側の部分を後側胴回り部40となる。胴回り部材20は、肌側シート21と、肌側シート21の非肌側に隣接して積層された非肌側シート22と、肌側シート21と非肌側シート22との厚さ方向の間に配置された胴回り弾性部材35,45とを有する(図19B参照)。
肌側シート21は、おむつ4の肌側シート31と同様の疎水性不織布である。非肌側シート22は、おむつ4の非肌側シート32と同様の親水性不織布である。すなわち、非肌側シート22は、肌側シート21よりも親水性の高い不織布によって構成されている。そして、胴回り弾性部材35,45は、おむつ4と同様に糸ゴム等によって構成され、左右方向に伸長された状態で、肌側シート21と非肌側シート22との間に取り付けられている。
第5実施形態のおむつ5でも、第4実施形態のおむつ4と同様に、サイド接合部50の下端部が剥がれてしまうことを抑制し易くすることができる。すなわち、サイド接合部50の下端部において、前側胴回り部30及び後側胴回り部40の最も肌側の面に、親水性油剤の単位体積当たりの含有量が少ない疎水性シート部を有していることにより、親水性シート部が対向して配置されている場合と比較してサイド接合部50の接合強度が低下し難くなる。これにより、おむつ5の着用動作時にサイド接合部50の下端部が剥がれてしまうことが抑制され、パンツ型形状を維持しやすくすることができる。
===第6実施形態===
第6実施形態では、第4実施形態及び第5実施形態と構成の一部が異なるパンツ型おむつ6(以下、「おむつ6」とも呼ぶ)について説明する。図20Aは、展開且つ伸長状態のおむつ6の平面図である。図20Bは、図20AのC-C線での概略断面図である。なお、図20A及び図20Bにおける各方向(例えば縦方向や横方向等)は、第4実施形態で定義した各方向と同様である。
第6実施形態のおむつ6は、液吸収性の吸収性本体10と、吸収性本体10の非肌側に配置された胴回り部材20とを有している。但し、おむつ6では、図20Bに示されるように、前側胴回り部30を構成する部材の一部(肌側シート21)と、後側胴回り部40を構成する部材の一部(肌側シート21)とが一体的に構成されている。以下では、このような構造のおむつを簡易3ピースタイプの使い捨ておむつとも呼ぶ。
図20Aの展開状態のおむつ6をパンツ型に形成する際には、吸収性本体10及び胴回り部材20を、縦方向における中央位置CLを折り位置として二つ折りにする。この二つ折りの状態において互いに対向する前側胴回り部30と後側胴回り部40とを、左右方向両側の側部30sw及び側部40swにて互いに接合・連結し、一対のサイド接合部50,50を形成する。これにより、図1と同様に、胴回り開口BH及び一対の脚回り開口LH,LHを有するパンツ型状態のおむつ6となる。
おむつ6において、吸収性本体10の基本的な構成や機能は、第4実施形態のおむつ4と略同様であるため、説明は省略する。
また、おむつ6では、胴回り部材20のうち、縦方向(吸収性本体10の長手方向)における中央位置CLよりも前側の部分を前側胴回り部30となり、中央位置CLよりも後側の部分を後側胴回り部40となる。前側胴回り部30は、厚さ方向の肌側において縦方向の一端側(腹側)から他端側(背側)に延びる一枚の肌側シート21と、縦方向の前側(腹側)において、肌側シート21の非肌側に隣接して積層された非肌側シート32と、肌側シート21と非肌側シート32との厚さ方向の間に配置された胴回り弾性部材35とを有する。後側胴回り部40は、前側胴回り部30と共通の肌側シート21と、縦方向の後側(背側)において、肌側シート21の非肌側に隣接して積層された非肌側シート42と、肌側シート21と非肌側シート42との厚さ方向の間に配置された胴回り弾性部材45とを有する。
肌側シート21は、おむつ4の肌側シート31と同様の疎水性不織布である。非肌側シート32,42は、おむつ4の非肌側シート32,42と同様の親水性不織布である。すなわち、非肌側シート32,42は、肌側シート21よりも親水性の高い不織布によって構成されている。そして、胴回り弾性部材35,45は、おむつ4と同様に糸ゴム等によって構成され、左右方向に伸長された状態で、肌側シート21と非肌側シート32,42との間に取り付けられている。
第6実施形態のおむつ6でも、第4実施形態のおむつ4と同様に、サイド接合部50の下端部が剥がれてしまうことを抑制し易くすることができる。すなわち、サイド接合部50の下端部において、前側胴回り部30及び後側胴回り部40の最も肌側の面に、親水性油剤の単位体積当たりの含有量が少ない疎水性シート部を有していることにより、親水性シート部が対向して配置されている場合と比較してサイド接合部50の接合強度が低下し難くなる。これにより、おむつ5の着用動作時にサイド接合部50の下端部が剥がれてしまうことが抑制され、パンツ型形状を維持しやすくすることができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでもない。
1 おむつ(パンツ型吸収性物品)(第1実施形態)、
2 おむつ(パンツ型吸収性物品)(第2実施形態)、
3 おむつ(パンツ型吸収性物品)(第3実施形態)、
4 おむつ(パンツ型吸収性物品)(第4実施形態)、
5 おむつ(パンツ型吸収性物品)(第5実施形態)、
6 おむつ(パンツ型吸収性物品)(第6実施形態)、
10 吸収性本体、
11 吸収性コア、11b コアラップシート、11c くびれ部、
12 トップシート、
13 バックシート、13a 液不透過性シート、13b 外装シート、
15 防漏壁部、16 防漏壁弾性部材、17 脚回り弾性部材、
20 胴回り部材、
21 肌側シート(疎水性不織布)、
22 非肌側シート(親水性不織布)、
30 前側胴回り部、
30sw 側部、
31 肌側シート(疎水性不織布)、31e 圧搾部、
32 非肌側シート(親水性不織布)、32f 折り返し部、32h 開孔部、
35 胴回り弾性部材、
36 肌面シート、36b 下端、
40 後側胴回り部、40b 臀部カバー、
40sw 側部、
41 肌側シート(疎水性不織布)、41e 圧搾部、
42 非肌側シート(親水性不織布)、42f 折り返し部、42h 開孔部、
45 胴回り弾性部材、
46 肌面シート、46b 下端、
47 湾曲弾性部材、
50 サイド接合部、
60 溶着部、
60s 溶着部対、
71 第1領域、71f 前側脚回り領域、71r 後側脚回り領域、
72 第2領域(股下脚回り領域)
BH 胴回り開口、LH 脚回り開口、
CL 中央位置(縦方向、長手方向)

Claims (15)

  1. 互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、
    液吸収性の吸収性本体と、
    前記左右方向の両端部に設けられた一対のサイド接合部によって、前側胴回り部と後側胴回り部とが環状に接合された胴回り部材と、
    を有し、
    着用者の両脚を通すための一対の脚回り開口を備えたパンツ型吸収性物品であって、
    前記胴回り部材のうち、前記上下方向において、前記一対のサイド接合部と重複する領域の少なくとも一部の最も非肌側には、親水領域が設けられており、
    前記脚回り開口に沿った領域のうちの、少なくとも、最下端に位置する部分の最も非肌側には、前記親水領域よりも親水性の低い疎水領域が設けられており、
    前記胴回り部材は、肌側シートと、前記肌側シートの非肌側に隣接するように積層された非肌側シートと、前記肌側シートと前記非肌側シートの間に設けられた胴回り弾性部材とを有し、
    前記肌側シートは、疎水性不織布であり、
    前記非肌側シートは、親水性不織布であり、
    前記親水領域は、前記親水性不織布によって構成されており、
    前側胴回り部の前記上下方向における上端部において、前記非肌側シートとしての前記親水性不織布が肌側に折り返された折り返し部が設けられており、
    前記折り返し部は、最も肌側に露出している、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  2. 請求項1に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記吸収性本体の展開状態における縦方向の一方側に前記前側胴回り部が接合され、前記縦方向の他方側に前記後側胴回り部が接合されており、
    前記前側胴回り部及び前記後側胴回り部の少なくとも一方の最も非肌側に親水性不織布が設けられ、
    前記吸収性本体の最も非肌側に、親水性不織布よりも親水性の低い疎水性不織布が設けられている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  3. 請求項1に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記胴回り部材は、展開状態において、前記前側胴回り部と前記後側胴回り部とが縦方向に連続するように一体的に構成されており、
    前記胴回り部材は、前記吸収性本体の非肌側に接合されており、
    前記胴回り部材の最も非肌側に親水性不織布が設けられ、
    前記吸収性本体の最も非肌側に、親水性不織布よりも親水性の低い疎水性不織布が設けられ、
    前記左右方向において、前記胴回り部材の幅の最小値は、前記吸収性本体の幅の最小値よりも小さい、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  4. 請求項3に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記左右方向において、前記吸収性本体の最も外側の端と前記胴回り部材の最も内側の端との間の距離は、前記胴回り部材の最も外側の端と前記胴回り部材の最も内側の端との間の距離の1/2よりも小さい、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  5. 請求項2~4のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記脚回り開口は、前記サイド接合部の下端及び前記下端よりも下側において、前記胴回り部材によって構成される第1領域と、前記吸収性本体によって構成される第2領域とを有し、
    前記第1領域の最も非肌側は親水領域であり、前記第2領域の最も非肌側は疎水領域である、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  6. 請求項5に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも前側における前記第2領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも後側における前記第2領域に沿った部分の長さよりも長い、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  7. 請求項5または6に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも後側における前記第1領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも前側における前記第1領域に沿った部分の長さよりも長い、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  8. 請求項1に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記肌側シートは、前肌側シートと後肌側シートを有し、
    前記非肌側シートは、前非肌側シートと後非肌側シートを有し、
    前記前側胴回り部は、前記前肌側シートと前記前非肌側シートとを有し、
    前記後側胴回り部は、前記後肌側シートと前記後非肌側シートとを有し、
    前記前肌側シートと前記後肌側シートとは、展開状態において、縦方向に連続する一体的なシート部材であり、
    前記前非肌側シートと前記後非肌側シートとは、展開状態において、縦方向に非連続な異なるシート部材であり、
    前記胴回り部材は、前記吸収性本体の非肌側に接合されており、
    前記前非肌側シート及び前記後非肌側シートを構成する前記異なるシート部材は、前記親水性不織布であり、
    前記前肌側シート及び前記後肌側シートを構成する前記一体的なシート部材は、前記親水性不織布よりも親水性の低い前記疎水性不織布である、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  9. 請求項8に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記左右方向において、前記胴回り部材の幅の最小値は、前記吸収性本体の幅の最小値よりも大きく、
    前記脚回り開口は、前記サイド接合部の下端よりも下側において、前記胴回り部材によって構成されており、前記前非肌側シート及び前記後非肌側シートを含んで構成される第1領域と、前記前非肌側シート及び前記後非肌側シートを含まず、前記前肌側シート及び前記後肌側シートによって構成される第2領域と、を有し、
    前記第1領域の最も非肌側は親水領域であり、前記第2領域の最も非肌側は疎水領域である、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  10. 請求項9に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記第2領域において、前記吸収性本体よりも非肌側に配置されているシート部材は、1枚の前記疎水性不織布のみである、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  11. 請求項8に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記左右方向において、前記胴回り部材の幅の最小値は、前記吸収性本体の幅の最小値よりも小さく、
    前記脚回り開口は、前記サイド接合部の下端及び前記下端よりも下側において、前記胴回り部材によって構成される第1領域と、前記吸収性本体によって構成される第2領域とを有し、
    前記第1領域の最も非肌側は親水領域であり、前記第2領域の最も非肌側は疎水領域である、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  12. 請求項9~11の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも前側における前記第2領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも後側における前記第2領域に沿った部分の長さよりも長い、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  13. 請求項9~12の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    展開状態の前記パンツ型吸収性物品の前記縦方向の中央位置よりも後側における前記第1領域に沿った部分の長さは、前記中央位置よりも前側における前記第1領域に沿った部分の長さよりも長い、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  14. 請求項1~13の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記前側胴回り部及び前記後側胴回り部の最も非肌側の層は、それぞれ一枚の親水性不織布によって構成されている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
  15. 請求項1~14の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
    前記後側胴回り部は、前記サイド接合部の下端よりも下側に、前記上下方向の上側から下側に向かって前記左右方向の幅が狭くなった臀部カバーを有し、
    前記臀部カバーの端縁部に沿って伸縮する弾性部材が設けられている、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
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