JPH0119999B2 - - Google Patents

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JPH0119999B2
JPH0119999B2 JP59041095A JP4109584A JPH0119999B2 JP H0119999 B2 JPH0119999 B2 JP H0119999B2 JP 59041095 A JP59041095 A JP 59041095A JP 4109584 A JP4109584 A JP 4109584A JP H0119999 B2 JPH0119999 B2 JP H0119999B2
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metal
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Hitachi Shipbuilding and Engineering Co Ltd
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    • B23K15/0046Welding
    • B23K15/0086Welding welding for purposes other than joining, e.g. build-up welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、ハイドロクラツキングリアクタのよ
うに高温高圧水素が介在する圧力容器において、
その内面に施されたオーステナイト系ステンレス
鋼肉盛金属と母材との境界部に沿つて発生するは
く離割れの防止方法に関するものである。 従来の構成とその問題点 通常、これらの高温高圧容器の母材には水素侵
食防止の観点からクロム・モリブデン鋼が使用さ
れ、また、その内面には、硫化水素等に対する防
食をはかる目的でオーステナイト系ステンレス鋼
の肉盛溶接が行われている。高温高圧容器が操業
状態にある時点では、容器内部の水素が肉盛金属
および母材中を拡散して外部に放出されており、
肉声金属中ならびに母材中にはそれぞれの水素溶
解度に応じて原子状の水素が固浴している。とこ
ろが、圧力容器の操業停止(冷却)後において
は、冷却過程で放出されずに肉盛金属および母材
中に残留した水素原子が、水素溶解度の低下のた
めかなり過飽和な状態で存在する。このときの水
素濃度分布を計算により求めると、境界部から肉
盛金属側に10〜20μm寄つた位置に水素濃度のピ
ークが形成されており、冷却後には肉盛金属中で
も特にこの境界部において著しく過飽和な状態で
水素原子が集積しているものと考えられる。実際
に発生したはく離割れの位置も境界部近傍の肉盛
金属中粗大粒粒界に沿つており、ほぼ上記の水素
濃度ピークの形成位置に一致している。このよう
なことからはく離割れは、溶接後熱処理に伴う母
材中炭素の肉盛金属側への移動により炭化物が析
出した肉盛金属中の結晶粒界において、冷却過程
で集積してきた極めて多量の水素原子が炭化物周
辺のミクロボイド内で分子内(ガス化)し、しだ
いに巨視的な空〓を形成していくことによつて引
起こされるものと考えられる。 本発明者は、オートクレーブを用いて小型肉盛
試験片によるはく離割れ再現試験を行つた。冷却
後の肉盛金属側境界部近傍における水素濃度ピー
ク値(Crmax値)を種々変えるように試験条件
を変化させて行つたはく離割れ再現試験の結果、
はく離割れの発生には限界の水素濃度ピーク値
({Crmax}CR値)が存在し、Crmax≧{Crmax}
CRとなる条件の下でのみはく離割れが発生する
ことが明らかとなつた。はく離割れの発生を防止
するためには、肉盛金属のはく離割れ発生限界水
素濃度{Crmax}CR値を高くするような処置を
講じるか、あるいは冷却後におけるピーク水素濃
度Crmax値が低くなるような処置を講じなけれ
ばならない。 はく離割れ発生限界水素濃度{Crmax}CR値
は、溶接後熱処理時に肉盛金属粒界へ析出する炭
化物の量と深く関係しており、肉盛金属および母
材の化学組成、溶接後熱処理条件などの影響を受
ける。溶接後熱処理条件は圧力容器の母材厚さと
製作工程(設備)により決まるため同じとして、
従来より多用されている帯状電極使用のエレクト
ロスラグ肉盛溶接法およびサブマージアーク肉盛
溶接法について{Crmax}CR値に及ぼす肉盛金
属組成の影響を調査したところ、みずから炭化物
を形成して炭素を固定するニオブ、モリブデンな
どのいく種類かの元素は{Crmax}CR値の向上
に効果があつたが、飛躍的に向上させるにはいた
らなかつた。 他方、冷却後における肉盛金属中のピーク水素
濃度Crmax値を低く抑えるには、圧力容器の操
業停止時において脱水素処理(高温保持)の採用
や徐冷化などの処置をとることが1つの手法では
あるが、容器内の触媒の物性や操業停止工程の繁
雑化・長時間化の点から現実的でない場合が多
い。また、圧力容器の設計・製作時において肉盛
金属の厚肉化をはかることによつてもCrmax値
を低下させることができるが、肉厚10mm以上とな
るとその効果は小さく、製造コストも高くなる。
Crmax値を低下させるための最良の方法は母材
の転位密度を上げるような処置をとることであ
る。 冷却後における肉盛金属中の水素濃度ピーク
は、母材と肉盛金属との間で水素拡散係数および
水素溶解度定数の差異が現因となつて形成され
る。冷却過程の温度降下に伴い過飽和となつた水
素原子は、勿論外部にも放出されるが、肉盛金属
と母材との境界部を介してより過飽和度の高い側
から低い側へと移動する。すなわち、冷却過程の
比較的高い温度域では母材側から肉盛金属側へ、
また、比較的低い温度域では肉盛金属側から母材
側へと水素原子が移動し、肉盛金属側の境界部近
傍に水素濃度ピークが形成される。同一成分系で
転位密度の高い鋼では水素原子が転位に捕捉(ト
ラツプ)され、転位密度の低い鋼に比べて低温域
における水素拡散係数が小さく、溶解度定数が大
きくなる(水素トラツプ効果)。このため母材の
転位密度の高いほど母材側における水素原子の収
容力が大きく、肉盛金属側から母材側へ水素原子
が移動方向を変える温度が高くなり、その結果ピ
ーク水素濃度Crmax値が低くなる。 発明の目的 本発明の目的とするところは、操業停止後肉盛
金属中の母材との境界部近傍に生じる水素原子の
著しい集積を避け、はく離割れの発生を未然に防
止し得るオーステナイト系ステンレス鋼肉盛金属
のはく離割れ防止方法を提供する点にある。 発明の構成 上記目的を達成するために本発明におけるオー
ステナイト系ステンレス鋼肉盛金属のはく離割れ
防止方法は、高温高圧水素が介在する圧力容器の
母材の表層部に、転位密度の高い硬化部を作り、
その上にオーステナイト系ステンレス鋼を1層以
上肉盛溶接している。 なお、ここでいう母材とは鋼板、鍛造品、継手
溶接部のほか、圧力容器内部構造部材(インター
ナルスカート)の支持部等に用いられる低合金鋼
肉盛溶接部をも含めて、ステンレス鋼肉盛溶接の
対象となるフエライト系低合金鋼全体を指す。 硬化部の形成は、電子ビームやレーザービーム
などの高エネルギー密度ビームによる照射、或い
は打撃などによつて行なわれる。ここで電子ビー
ム照射法は、ビーム電流の調整だけで比較的容易
に深い硬化部を形成させることができ、後述する
ように硬化部の深さが深いほどCrmax値も低く
なるため、はく離割れ発生防止に必要な深い硬化
部を得るには非常に有効な方法である。またレー
ザービーム照射法は、装置の出力から形成される
硬化部には限度(出力12KWの炭酸ガスレーザー
装置で得られる直径10mmφとなる硬化部の最大深
さは約4mm程度)があるが、大気中において対象
材の硬化処理を行うことができる。いずれの方法
も処理速度が速く、溶加材が不要であり、設備費
を別にして施工に伴い発生するコストは非常に安
価なものとなる。また、ビームを下向きに照射す
るかぎり、母材の溶融凝固を伴う硬化部であつて
もその表面は滑らかで、かつきれいであるため表
面研削などの後処理を全く必要とせず、新たな内
部欠陥発生に対する懸念も全くない。 実施例と作用 以下に本発明の実施例を図面を参考にして説明
する。すなわち本発明では、高温高圧水素が介在
する圧力容器の母材(鋼板、鍛造品あるいは溶接
部など)の表層部に、電子ビームやレーザービー
ムなどの高エネルギー密度ビームによる照射によ
つて、或いは打撃によつて、格子状、らせん状な
どの軌跡を描き且つ適度な断面形状を有する硬化
部を形成し、その上にオーステナイト系ステンレ
ス鋼を1層以上肉盛溶接している。この場合に硬
化部の断面形状で重要な要素は、その幅(例えば
ビームの主移動方向に対して直角な方向の寸法)
と深さ(板厚方向の寸法)である。 硬化部が単位面積当りに占める表面上での面積
比率(硬化処理面積率)は、対象となる部分での
はく離割れ発生によつてもたらされる危険性に応
じて変わる。たとえば、最も重要なインターナ
ル・スカート支持部においては硬化処理面積率も
高くなるが、その値はインターナル・スカートの
重量によつて左右されるため強度計算をもとに決
められる。各部分について必要な硬化処理面積率
から硬化部の幅、相互間距離などのビーム照射に
よる硬化処理要領が求められる。必要とする硬化
処理面積率が高い部分に対しては、硬化部相互の
間陥を狭くするか、硬化部の幅を広くするかのい
ずれかの処置をとらなければならない。電子ビー
ム照射の場合、硬化部の幅は、通常のストレート
照射(電子銃の直進移動のみ)でも電子ビームの
集束状態を変えその径を大きくすることにより、
最大20mm程度にまで広げることができ、オシレー
シヨン照射(電子銃を主移動方向に対して直角に
振幅させる)を適用するならば自在に変えること
ができる。またレーザービーム照射の場合には照
射部の直径が最大12.7mm程度となるが、オシレー
シヨンの採用により同様に硬化部の幅を任意に変
えることができる。 硬化部の深さおよび硬化部と母材原質部との硬
さの差は、冷却後における肉盛金属中のピーク水
素濃度Crmax値の低下に大きな影響を及ぼす。
クロム・モリブデン鋼の圧延鋼板や鍛造品の場
合、標準的な溶接後熱処理を受けたのちのビーム
照射による硬化処理部と母材原質部との間のビツ
カース硬さの差は約20であり、それぞれの硬さを
引張強さに換算したときの引張強さの差は約5Kg
/mm2〔49MPa〕である。これらの値は電子ビ
ーム照射法とレーザービーム照射法のいずれの施
工法でもさほど違いはない。なお、この程度の硬
さ上昇であれば、耐水素侵食性に対する配慮から
母材および溶接部に加えられる硬さ制限(ブリネ
ル硬さで225以下)を超すような硬化部となる懸
念は全くない。圧力容器操業停止時のCrmax値
に及ぼす硬化部深さの影響について、母材原質部
の引張強さを60Kg/mm2〔588MPa〕、母材硬化
処理部および低合金鋼肉盛金属硬化処理部の引張
強さをそれぞれ65Kg/mm2〔637MPa〕、68.5Kg
/mm2〔672MPa〕としたときの水素拡散係数、
水素溶解度定数を用いて解析した結果を第1図に
示す。Crmax値は硬化部の深さが増すとともに
低下し、硬化部の深さが0.2mm程度でもCrmax値
低下に対する効果が現われる。このCrmax値の
低下は硬化部の深さが10mmを超えると鈍下する
が、鋼板あるいは鍛造品に直接硬化処理を施した
場合、深さ20mmの硬化部を母材側に有する肉盛金
属のCrmax値は硬化部をもたない肉盛金属での
値の約2/3にまで低下する。この低下率は肉盛金
属の厚さを5mm(1層盛)から8mm(2層盛)に
したときのCrmax値の低下率が約7/8であるのに
対して非常に大きな値である。はく離割れは
Crmax<{Crmax}CRとなる条件の下では発生
しないことから、圧力容器の操業条件に応じてこ
の条件が成立つ程度に硬化部の深さを確保すれば
よい。硬化部の深さは、電子ビーム照射の場合に
はビーム電流の調整によつて、またレーザービー
ム照射の場合にはビーム出力の調整によつて変え
ることができる。硬化部の深さが浅い場合には、
硬化部は母材の溶融を伴わない焼入硬化部だけと
なるが、その硬さは溶融凝固部における硬さと変
わらない、したがつて、溶融凝固部も焼入硬化部
も深さの因子を無視するとCrmax値低減効果に
おいては同等である。 Crmax値の低下率をさらに上げるには、硬化
部の硬さを一層高いものとするのが効果的であ
り、母材とほぼ同材質で焼入硬化性の高い低合金
鋼肉盛金属を前もつて溶融しておき、これに高エ
ネルギー密度ビーム照射による硬化処理を施す方
法が最も有効である。この場合のCrmax値低下
率は、第1図に示すように硬化部の深さが5mmの
ときにすでに約4/7にまで達している。 本発明の特徴である電子ビーム溶接により形成
された母材表層の硬化部の存在が、高温高圧容器
の操業停止後にステンレス鋼肉盛金属側の母材と
の境界部近傍に集積する水素原子を減らし、はく
離割れが発生するのを防ぐ。これは転位密度の高
い硬化部における水素トラツプ効果により冷却過
程(低温域)において肉盛金属側から母材側に移
動する水素原子が増えるためである。 本発明の適用によつて、冷却後における肉盛金
属中のピーク水素濃度Crmax値は前述のとおり
従来からの施工技術による場合に比較して飛躍的
に低下する。圧力容器の母材厚さ(溶接後熱処理
条件)、肉盛金属厚さ、操業温度、操業停止時の
冷却条件が同じで、また、肉盛金属のはく離割れ
発生限界水素濃度{Crmax}CR値もほぼ同程度
であるならば、本発明を適用した圧力容器のはく
離割れを引起こさずに操業できる限界の水素圧
は、このCrmax値低下率の2乗に反比例して上
昇する。すなわち、従来の施工技術によつて溶接
された肉盛金属に比べて、母材表層に深さ5mmの
硬化部をもつ肉盛金属の場合には、第1図に示し
ているようにCrmax値は約0.74倍に低下し、この
ため同様の前提条件の下ではく離割れを引起こさ
ずに操業できる限界の水素圧は約1.85倍に上昇す
る。同様に下層の低合金鋼肉盛金属表層に深さ5
mmの硬化部をもつ肉盛金属の場合にはCrmax値
は約0.64倍に低下し、操業限界水素圧は約2.45倍
にも上昇する。 本発明の適用による肉盛金属のはく離割れ発生
防止効果について、小型試験片を用いて行つた実
証試験の結果を以下に示す。 試験に供した肉盛溶接材の施工要領および肉盛
金属の種類とその化学組成を第1表に示す。
【表】 盛金属の表層に硬化部を設けた。**印を付し
た実施例4の場合のみレーザービーム照射により形成さ
れた硬化部である。なお、いずれの硬
化部も溶融凝固部とその熱影響部とから成つて
いる。
注2) SAW:サブマージアーク肉盛溶接法
ESW:エレクトロスラグ肉盛溶接法
両施工法とも(SAW***を除く)、0.4t×75wmm
の帯状電極を使用、なお、***印を付したサブ
マージアーク肉盛溶接法の場合には4.0mmφの溶
接ワイヤを使用した。予熱層間温度は150℃とし、
溶接条件は次のとおりとした。
【表】 本発明の適用例が実施例1、2、3および4で
あり、従来法により作成したものが比較例の1お
よび2である。実施例3では低合金鋼肉盛金属を
初層に置きその表層に硬化部を設ける方法を採つ
た。また、実施例4の場合のみレーザービーム照
射により得た硬化部であり、その他の実施例にお
ける硬化部は電子ビーム照射法によつた。 小型試験片は直径50mmφ、母材(硬化部を含
む)厚さ25mmの円柱状とし、最もはく離割れを起
こしやすいステンレス鋼肉盛金属第1層目のビー
ド重ね部が試験片のほぼ中央を通るように供試材
から採取は、試験片には690℃で16時間の溶接後
熱処理を施し、その後オートクレーブ内の高温高
圧水素雰囲気(温度:427℃、水素圧:23〜189Kg
/cm2〔2.3〜18.5MPa〕)中に48時間放置して試
験片中に水素暴露処理ののち試験片をオートクレ
ーブ内より取出し強制冷却したが、そのときの室
温までへの平均冷却速度は約400℃/hであつた。
はく離割れの検出には超音波探傷試験(UT)の
適用が有効であり、超音波探傷試験により肉盛金
属と母材との境界部近傍から反射して戻つてくる
エコー高さを測定した。かく離割えは冷却後数時
間を経てから発生し、その後数日間にわたつて進
展し続ける。このため超音波探傷試験は試験片冷
却直後ならびに冷却後5日間経過したのち(放置
温度:25℃)に実施し、5日間の時間経過に伴う
エコー高さの変化量をもつてはく離割れの発生程
度を評価した。 はく離割れ試験条件および試験結果を第2表に
示す。
【表】
【表】 第2表中に示したCrmax値は差分法を用いた
計算によつて求めた値であり、割れ発生開始時期
にあたる冷却後6時間経過したのちにおける値を
採つた。硬化部が存在する実施例1〜4の供試材
に対する計算では、硬化部の水素拡散係数、水素
溶解度定数として硬さ(引張強さ)をもとに補正
した値を用い、硬化部の深さについても計算上の
因子に含めた。したがつて、実施例1〜4の場合
にはCrmax値の低下により程度の差こそあれ、
比較例の場合に比べて水素暴露時の水素圧が高い
にもかかわらず冷却後のCrmax値は概ね同程度
と低くなつている。このCrmax値とはく離割れ
の発生程度を示すUTエコー高さ変化量との間の
相関性から求められた各供試肉盛金属のはく離割
れ発生限界水素濃度{Crmax}CR値を第3図に
示す。
【表】 各供試材によつて水素暴露時の水素圧が同じで
あつてもはく離割れの発生程度には大きな差が生
じるが、Crmax値を用いて再整理することによ
つて求められた{Crmax}CR値はさほど変わら
ない。これは、試験に供したステンレス鋼肉盛金
属中に特にはく離割れの発生防止の上で効果のあ
る合金元素を含んでいないこと、試験材に施した
溶接後熱処理条件が同じであることなどによつて
いる。 各供試材における施工法をそのまま圧力容器に
適用した場合(溶接後熱処理条件:690℃×16h)
のはく離割れを引起こさずに操業可能な限界の条
件について、実験で求められた{Crmax}CR値
を用いて評価した結果の一例を第2図に示す。図
中の各限界線は、圧力容器操業停止後のCrmax
値がそれぞれの肉盛金属の{Crmax}CR値に一
致する操業条件を示しており、各限界線より左下
の条件域ではCrmax<{Crmax}CRとなりはく
離割れは発生しない。本発明を適用した実施例の
場合、従来からの施工法を適用した比較例の場合
に比べて、はく離割れを引起こすことのない限界
の操業条件が飛躍的に高水素圧側に移り、安全操
業条件域が広くなつている。この安全操業条件域
は硬化部の硬さ(引張強さ)が高いほど(比較例
2→実施例2→実施例3)広く、硬化部の深さが
深いほど(比較例1→実施例4→実施例1)広く
なる。また、硬化部の存在とは直接関係ないが、
ステンレス鋼肉盛金属の厚さが厚いほど(実施例
1→実施例2、比較例1→比較例2)、安全操業
条件域は広くなる。なお、第2図は溶接後熱処理
条件が690℃×16h、操業温度が454℃の圧力容器
においてはく離割れを引起こさない限界の操業条
件を示しているが、溶接後熱処理時間のもう少し
短い実際の圧力容器に対してはかなり安全側の評
価となつている。また、操業温度の低い圧力容器
の場合には各施工法のはく離割れ発生限界操業条
件が高水素圧側に移行する。 発明の効果 以上のように本発明によると、転位密度の高い
硬化部をステンレス鋼肉盛溶接を行う前の母材表
層あるいは低合金鋼肉盛金属表層に設けることに
よつて、Crmax値を下げることができ、はく離
割れを引起こさない限界の圧力容器操業条件を飛
躍的に向上させてはく離割れの発生を防止するこ
とができる。さらに、硬化部の深さならびに硬さ
を適度に調整することによつて、実際の圧力容器
がはく離割れを起こさずに操業できる程度にまで
Crmax値の低下率を変えることができることも
本施工法の特長の一つである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は冷却後
における肉盛金属中のピーク水素濃度Crmax値
に及ぼす硬化部の深さの影響を示すグラフ説明
図、第2図ははく離割れが発生しない限界の圧力
容器操業条件〔溶接後熱処理条件690℃×16hの
場合、母材厚さには硬化部の深さ(厚さ)を含ま
ない〕を示すグラフ説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 高温高圧水素が介在する圧力容器の母材の表
    層部に、転位密度の高い硬化部を作り、その上に
    オーステナイト系ステンレス鋼を1層以上肉盛溶
    接することを特徴としたオーステナイト系ステン
    レス鋼肉盛金属のはく離割れ防止方法。
JP59041095A 1984-03-02 1984-03-02 オ−ステナイト系ステンレス鋼肉盛金属のはく離割れ防止方法 Granted JPS60184469A (ja)

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JP59041095A JPS60184469A (ja) 1984-03-02 1984-03-02 オ−ステナイト系ステンレス鋼肉盛金属のはく離割れ防止方法

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