JPH0124017B2 - - Google Patents

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JPH0124017B2
JPH0124017B2 JP57134737A JP13473782A JPH0124017B2 JP H0124017 B2 JPH0124017 B2 JP H0124017B2 JP 57134737 A JP57134737 A JP 57134737A JP 13473782 A JP13473782 A JP 13473782A JP H0124017 B2 JPH0124017 B2 JP H0124017B2
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differential current
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Keizo Inagaki
Yoshiaki Inui
Hiroshi Sasaki
Terunobu Myazaki
Ryoji Nakatake
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は変圧器保護継電装置に係り、特に、変
圧器の磁励突入電流による誤動作を防止すること
ができ、かつ高速動作を特徴とする変圧器保護継
電装置に関する。 従来、変圧器の巻線故障等の異常時における変
圧器保護は、保護対象変圧器の各端子を通過する
電流を、変圧比に相当する等価変換した電流信号
として、交流器によりとり出し、これに基づいて
電流差動又は電流比率差動を行なわせるものが多
い。 ところが、電流差動又は電流比率差動方式にお
いては、変圧器の内部故障時に差動電流が生ずる
外、変圧器を無負荷励磁した場合や外部故障除去
時に電圧が回復した場合等に生ずる、いわゆる励
磁突入電流によつても差動電流が生ずる。 そこで、従来は、励磁突入電流波形の特異性に
着目して励磁突入電流による誤動作を防止してい
る。 その一つの方法として、励磁突入電流中の第2
高調波成分の割合が、故障電流中のそれよりも多
いことを利用して、差動電流中の第2高調波成分
の割合が一定値以上のときは、励磁突入電流と判
定してしや断器の引き外し指令を出力しないよう
にする方法が用いられている。 しかし、良く知られているように、第2高調波
成分の割合が多いという励磁突入電流の特徴を検
出するには、少くとも1サイクルの時間が必要で
ある。それ故に、この方法では、内部故障時に
も、少くともこの時間(1サイクル)だけは、し
や断器引き外し指令の出力を遅延させなければな
らず、したがつて、高速動作が阻害されるという
問題がある。 又、最近では、ケーブル系統が多用されてお
り、対地静電容量の増大によつて、変圧器の内部
故障時の故障電流に、多くの高調波成分を含む傾
向がある。 系統の対地静電容量、リアクタンス及び変圧器
インピーダンス等によつては、故障電流中に第2
高調波付近の低次高調波を含むことがある。この
ような場合、上記従来方法では変圧器保護継電装
置の動作遅延となり、ひいては、誤不動作により
変圧器タンクが破壊するなど、重大災害を招く恐
れがある。 変圧器の励磁突入電流による、変圧器保護継電
装置の誤動作を防止する他の方法として、 (1) 変圧器の1次及び2次電圧、電流を同一時刻
にサンプリングして導出し、 (2) 変圧器の巻数から励磁電流Ip及び励磁電流Ip
の所定の関数から変圧器励磁磁束ΦMを求め、 (3) 上記各値及び巻線抵抗、漏れインダクタンス
を用いて、変圧器の内部故障がないときに成立
する所定の演算を行い、 (4) この演算値の変化に基づいて内部故障を検出
する、 デイジタル方式が提案されている。 しかし、周知のように、変圧器の励磁電流Ip
励磁磁束ΦMの関係にはヒステリシス特性がある
ので、励磁電流Ipから励磁磁束ΦMを一義的に求め
ることはできない。特に、変圧器励磁当初におい
ては残留磁束、投入電圧位相によつてIpとΦMの関
係は大きく異なる。 従つて、上記従来方法において、変圧器励磁時
の励磁突入電流による誤動作を防止するために
は、Ipの所定の関数から近似したΦMと実際のΦM
との差に相当する演算値の変化では、変圧器保護
継電装置が動作しないようにしておく必要があ
る。すなわち、この分だけ内部故障の検出感度が
低下するという問題がある。 その他に、励磁磁束ΦMの近似誤差は、励磁電
流Ipが小さいときほど大きいという事象に着目
し、上記演算値にIpを乗じた値に基づいて、内部
故障を判定し、励磁突入電流による誤動作を抑制
する方法も提案されている。 しかし、上記演算式の演算値に重要な影響を及
ぼす励磁磁束ΦMを決定するための、最も重要な
因子である残留磁束が不明である以上、IpからΦM
を近似する従来方法では、誤差を生ずるのは避け
られず、内部故障検出の高感度化を達成するのは
困難である。 又、三相三脚鉄心、三相五脚鉄心等、三相構造
の変圧器の場合には、三相間に磁気結合があるた
め、励磁電流Ipと励磁磁束ΦMの関係は1相のみで
は定まらず、他相の励磁状態にも影響される。 変圧器励磁当初の各鉄心脚の残留磁束は、それ
ぞれ不確定であり、仮に三相間の関係式を用いた
としても、励磁電流Ipから励磁磁束ΦMを近似する
上記従方法では、内部故障検出感度を低下させる
ことなく、励磁突入電流による誤動作を防止する
のは極めて困難である。 本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、変圧器の内部故障を高感度で検出して高速
保護動作ができると共に、励磁突入電流を確実に
高速度検出して、しや断器の引き外し指令を阻止
することにより誤動作を防止し、且つ変圧器の鉄
心構造及び巻線構造にかゝわらず適用できる変圧
器保護継電装置を提供するこにある。 前記目的を達成するために、本発明において
は、励磁突入電流が発生しているときにのみ成立
する関係式を見出だし、所定の演算によつてこの
関係式がほぼ成立すると判定したときには、差動
電流検出継電要素によるしや断器の引き外し指令
を抑制(または無効化)するように構成すると共
に、前記所定の演算を、励磁突入電流の発生が生
じている可能性のある場合(すなわち、差動電流
がある予定値以上になつたとき)にのみ実行する
ようにしている。 本発明の要点は、次のとおりである。 (1) 変圧器の内部故障の検出する方法は、変圧器
の各端子電流より得られる差動電流を用いた電
流差動又は電流比率差動方式とし、所定値以上
の差動量を検出したときに、しや断器引き外し
指令を出力する。 (2) 電気式内部故障検出法としては、差動電流を
用いる方法が最も直接的で、しかも高速高感度
であるが、差動電流は励磁突入電流によつても
生ずるので、次の(3)の手段で、励磁突入電流の
みを別途高速度検出して誤動作を防止する。 (3) 励磁突入電流のみを高速度検出する手段とし
ては、励磁突入電流が発生しているとき、変圧
器鉄心は磁気飽和していることに着目し、変圧
器各端子の電圧及び電流を同一時刻にサンプリ
ングしてとり出し、これらの値を用いて鉄心が
磁気飽和し、且つ内部故障がないときにのみ成
立する関係式に基づく所定の演算を行ない、こ
の演算結果によつて励磁突入電流発生の有無を
判定する。 なお、前記所定の演算は、励磁突入電流の発
生が生じている可能性のある場合、換言すれ
ば、保護対象変圧器の端子電流から求められる
差動電流がある予定値以上になつた場合にのみ
実行する。 (4) 演算結果によつて励磁突入電流発生を判定し
たときは、しや断器引き外し指令を阻止する信
号を出力する。後述のように、本発明の方法に
よるしや断器引き外し指令阻止信号の出力は、
極めて高速度で発生させることができる。 本発明では、励磁突入電流のみを高速度検出す
る手段が最も重要であるため、まず変圧器鉄心が
磁気飽和し、且つ変圧器巻線に部分短絡等の内部
故障がないときにのみ成立する関係式を、簡単の
ため単相2巻線変圧器を例にとつて、第1図によ
り説明する。 第1図は2巻線変圧器の略線図で、1は鉄心、
21,22はそれぞれ1次及び2次巻線である。
また、V1,V2,I1,I2,R1,R2,T1,T2等図中
の記号は、それぞれ1次側及び2次側の端子電
圧、端子電流、巻線抵抗、巻数を示す。 鉄心1が磁気飽和しているときの、1次及び2
次巻線の自己インダクタンスをそれぞれL11,L22
とし、1次巻線と2次巻線間の相互インダクタン
スをL12=L21とする。 鉄心が磁気飽和しているときの鉄心の微分透磁
率は、空気又は変圧器油と同じである。このた
め、これらのインダクタンス値は、鉄心がない場
合のそれとほゞ等しく、変圧器の巻線構造により
一義的に定まる。 鉄心が磁気飽和しているときは、通常の相互磁
気結合を有する2個のコイルの場合と同様に、(1)
式で示す2個の関係式が成立する。 こゝで、(1)式の自己及び相互インダクタンスか
ら成るインダクタンス行列の逆行列をとり、 とおいて、これを(1)式の左から乗ずると、(2)式が
得られる。 こゝで、各電圧、電流、抵抗を任意の基準巻数
Tpに換算したものをvk,ik,rk(k=1,2)と
すると、 Vk=Tk/Tpvk Ik=Tp/Tkik Rk=(Tk/Tp2rk の関係から、(2)式は(3)式のように変形される。 たゞし、 yjk=TjTk/Tp 2Yik j,k=1〜2 (3)式であらわされる2個の式を加えて整理する
と、(4)式が得られる。 A1(v1−r1i1)+A2(v2−r2i2) −d/dt(i1+i2)=0 ……(4) たゞし、 A1=y11+y21 A2=y12+y22 上記説明から明らかなように、(1)ないし(4)式
は、変圧器鉄心が磁気飽和しており、且つ巻線短
絡等の内部故障がないときにのみ成立し、変圧器
鉄心が磁気飽和していない健全時及び内部故障時
には不成立となる。 又、(1)ないし(4)式における各係数又は係数行列
は、変圧器各巻線の巻線抵抗、巻数及び鉄心が磁
気飽和しているときの自己、相互インダクタンス
又は、自己、相互インダクタンス行列の逆行列に
より定まる定数である。 すなわち、これらの定数は、予め設定しておく
ことが可能であるから(1)ないし(4)式には、励磁磁
束のように不確定要素は全く含んでおらず、鉄心
磁気飽和、即ち励磁突入電流発生有無判定のため
の完全な関係式として用いることができる。 以上において、2巻線変圧器を例にとつて説明
した関係式は、3巻線以上の変圧器にも容易に拡
張することができるので、次にこれを説明する。 任意のN巻線変圧器について、各端子の電圧、
電流等を次のように行列表現する。大文字は実回
路における値、小文字は任意の基準巻数Tpに換
算した値を示す。 〔V〕,〔v〕;端子電圧の列ベクトル 〔I〕,〔i〕;端子電流 〃 〔R〕,〔r〕;巻線抵抗行列 〔L〕 ;自己、相互インダクタンスから
成るインダクタンス行列 〔I〕T,〔r〕T;〔I〕又は〔i〕の転置行列 以上の表現法により、2巻線変圧器の場合の(1)
ないし(3)式に対応するN巻線変圧器の関係式を導
びくと(5)ないし(7)式となる。 〔V〕−〔R〕〔I〕T−〔L〕d/dt〔I〕=〔0
〕 ……(5) 〔Y〕{〔V〕−〔R〕〔I〕T} −d/dt〔I〕=
〔0〕 ……(6) たゞし、 〔Y〕=〔L〕-1 〔y〕{〔v〕−〔r〕〔i〕T} −d/dt〔i〕=
〔0〕 ……(7) こゝで、各電圧、電流、係数を添字付で表わす
と、(4)式に対応する関係式は(8)式となる。 Nk=1 {Ak(vkrkik)}−d/dt(Nk=1 ik)=0 ……(8) たゞし、 AkNj=1 yjk (k=1〜N) 以上のような関係式の演算処理のためには、良
く知られているように、微分形式より積分形式の
方が便利なことが多い。そこで前記(5)ないし(8)式
を積分形式に変換すると(9)ないし(12)式が得られ
る。 ∫〔V〕dt−〔R〕∫〔I〕Tdt −〔L〕∫d〔I〕=
〔0〕 ……(9) 〔Y〕{∫〔V〕dt−〔R〕∫〔I〕Tdt} −∫d〔I〕=
〔0〕 ……(10) 〔y〕{∫〔v〕dt−〔r〕∫〔i〕Tdt} −∫d〔i〕=
〔0〕 ……(11) Nk=1 {Ak(∫vkdt−rk∫ikdt)}−∫d(Nk=1 ik)=0
……(12) 以上に示した、任意のN巻線変圧器に関する関
係式を、デイジタル演算する場合、(5)ないし(8)式
における微分演算、(9)ないし(12)式における積分演
算は、後述するように各電圧及び電流の適当なサ
ンプリング間隔で、離散化して行なわれる。 たゞし、前記(9)ないし(12)式の積分形式の関係式
を、鉄心が磁気飽和しているときに成立させるた
めには、鉄心が磁気飽和した瞬間から積分を開始
しなければならない。 このための第1の方法は、差動電流が変流器の
変流比誤差等による所定の誤差電流の値を越えた
ときに、前記(9)ないし(12)式における各積分演算を
クリアすることである。 前述したように、差動電流が所定の値を越える
のは、励磁突入電流が生じている場合、或いは内
部故障が発生している場合である。 励磁突入電流が生じている場合、本発明では、
前記(9)ないし(12)式が成立することを検知し、これ
によつて鉄心が磁気飽和している間、後述のよう
に、しや断器の引き外し指令を阻止する信号が出
力される。 内部故障の場合は、前記(9)ないし(12)式の積分演
算がクリアされるが、再び積分演算を開始した
後、ごく短時間で前記(9)ないし(12)式が不成立とな
る。それ故に、後述のように、しや断器の引き外
し指令を阻止する信号は出力されないか、或い
は、出力されても直ちに解除される。 従つて、電流差動或いは電流比率差動等の方式
によるしや断器の引き外し指令が、出力される。 第2の方法は、差動電流が所定の誤差電流を越
えたときに積分即ち演算を開始し、差動電流が所
定の誤差電流以下となつたときこれを終了するこ
とである。演算を行つていない間はしや断器の引
き外し指令を阻止する信号を出力しておく。 これによつて、第1の方法と同様に、不具合な
く励磁突入電流を判定することができる。なお、
この場合は、積分演算終了時に積分用メモリーを
クリアしておくことにより、次回の積分を遅延す
ることなく実行することができる。 以上のいずれかの方法により、積分演算の場合
でも、励磁磁束のような不確定要素を排除した高
精度の演算を行うことができる。 (5)ないし(8)式の微分形式の関係式を用いる場合
でも、差動電流が所定の誤差電流以上となつたと
きにのみ、これらの演算を実行するようにするこ
とは、健全(正常)時の不要な演算及びノイズ等
による誤動作防止の点からみて有効である。 また、外部故障時等における通過電流の影響を
受けることが少なくなるのみならず、演算も簡単
になる。したがつて総合的に、励磁突入電流と内
部事故電流との判別性能を向上することができ
る。さらに、前記演算コンピユータを用いる場合
には、その負荷を低減することができる。 又、以上の関係式において、(8)又は(12)式はΣik
即ち差動電流を用いるので、外部故障時等におけ
る通過電流の影響を受け難いという特徴がある。 さらに、これらの式中のrkik又はrk∫ikdtの項は、
通常は、vk又は∫vkdtの項より非常に小さいため、
(8)又は(12)式の成立に寄与する割合は小さい。 すなわち、一般に、変圧器の巻線抵抗は非常に
小さく、これを無視しても、変圧器の電圧、電流
の関係式には実質的な影響を及ぼさない場合が多
い。 演算時間短縮のためにも、不要な演算は行なわ
ないようにするのが望ましい。前記(5)ないし(12)式
において、巻線抵抗を無視した場合の関係式を
(13)ないし(20)式に示す。 〔V〕−〔L〕d/dt〔I〕≒
〔0〕 ……(13) 〔Y〕〔V〕−d/dt〔I〕≒
〔0〕……(14) 〔y〕〔v〕−d/dt〔i〕≒
〔0〕……(15) Nk=1 {Akvk}−d/dt(Nk=1 ik)≒0 ……(16) ∫〔V〕dt−〔L〕∫d〔I〕≒
〔0〕 ……(17) 〔Y〕∫〔V〕dt−∫d〔I〕≒
〔0〕 ……(18) 〔y〕∫〔v〕dt−∫d〔i〕≒
〔0〕 ……(19) Nk=1 {Ak∫vkdt}−∫d(Nk=1 ik)≒0 ……(20) これらの各式のうち、特に(16)又は(20)式
の関係式は、電流として差動電流しか使わないの
で、通過電流の影響を受けず、しかも簡単な演算
で励磁突入電流を判定できるという特徴を有す
る。 次に、以上の関係式が成立したか否かを判定す
るための、具体的な演算方法について説明する。 本発明の一実施例として、デイジタル方式を採
用する場合は、前記(5)ないし(20)式の微分演算
又は積分演算は、各電圧及び電流の適当なサンプ
リング間隔で離散化して行なわれる。 一例として、(12)式の関係式を用いて、励磁突入
電流の発生を判定する場合の、演算方法の例を次
に示す。 (12)式において、時刻tにおける各電圧、電流の
サンプリング値をvk(t),ik(t)とし、また、
サンプリング間隔を、Δt、積分区間をmΔtとし
て、例えば、台形公式を適用した場合の、時刻t
における演算結果をδ1(t)とすると、(21)式が
得られる。 δ1(t)=A(t)−B(t)−C(t) ……(21) たゞし、 A(t)=Nk=1 〔Ak×Δt/2×nj=1 {vk(t−jΔt)+vk(t−(j−1)Δt)}〕 B(t)=Nk=1 〔Ak×Δt/2×nj=1 {ik(t−jΔt)+ik(t−(j−1)Δt)}〕 C(t)=ip(t)ip(t−mΔt) ip(t)=Nk=1 ik(t) 前記したように、差動電流を検出した瞬間に積
分演算を開始したとすると、 (1) 励磁突入電流の場合であつて、鉄心が磁気飽
和している間は、(21)式の演算結果δ1(t)は
ほゞ零であり、また (2) 内部故障の場合は、積分演算を開始した直後
に、演算結果のδ1(t)が大きな値となる。 そこで、電圧、電流変成器による変成誤差を許
容する設定誤差をεとすると、(222)式 |δ1(t)|<ε ……(22) が成立するときは、励磁突入電流と判定すること
ができる。又通常の比率差動継電要素と同様に、
比率整定値をKとして δ2(t)=|A(t)−B(t)−C(t)|−K
{|A(t)−B(t)|+|C(t)|}……(23) の演算を行い、 |δ2(t)|<ε ……(24) のとき励磁突入電流と判定することもできる。 健全時は、差動電流が検出されないので、演算
そのものを行う必要がない。仮に、ノイズ等によ
つて差動電流が一時的に検出され、演算を開始し
てしや断器引き外し指令を阻止する信号が誤出力
されたとしても、実害は全くない。 上記した具体的な演算例において、B(t)=0
とおけば、巻線抵抗を無視した(20)式の関係式
を用いる場合の具体例となることは明らかであろ
う。 次に、本発明の一実施例について説明する。第
2図は2巻線変圧器を対象とした本発明の適用例
を示す略線図である。 この図において、21,22は保護対象変圧器
の1次及び2次巻線、31,32は1次及び2次
側変流器、41,42は1次及び2次側電圧変成
器、51,52は1次及び2次側しや断器であ
る。 また、6は変流器31,32の出力をとり込ん
で差動電流を検出し、しや断器引き外し指令を出
力する差動電流検出継電要素である。7は変流器
31及び32、電圧変成器41及び42の出力
を、同一時刻にサンプリングしてとり込み、前記
した各式の少なくとも1つの演算を行なつて変圧
器鉄心の磁気飽和状態を検出し、磁気飽和の場合
には、しや断器の引き外し指令を阻止する信号を
出力する磁気飽和検出継電要素である。 8は、前記差動電流検出継電要素6の出力およ
び磁気飽和検出継電要素7の反転出力を2入力と
するインヒビツト回路、9はインヒビツト回路8
からの出力信号を引きのばすタイマである。 なお、この実施例において、磁気飽和検出継電
要素7における演算開始のタイミングは、それ自
体の内部において、1次及び2次側変流器31及
び32の出力を用いて演算し、決定することがで
きる。 あるいは、その代りに、第2図に点線で示した
ような制御信号線10を設け、差動電流検出継電
要素6において差動電流が検出されたとき、磁気
飽和検出継電要素7における演算を開始させるた
めの信号を差動電流継電要素6から磁気飽和検出
継電要素7へ伝送するようにしてもよい。 本発明の特徴である磁気飽和検出継電要素7に
おける鉄心磁気飽和を判定する演算法について
は、既に詳述したので、こゝではその説明は省略
する。 なお、これらの演算をデイジタルで行う場合に
は、磁気飽和検出継電要素7はサンプルホールド
回路、アナログデイジタル変換回路、および演算
装置等から構成されなければならない。もつと
も、変流器31,32、電圧変成器41,42等
の出力がデイジタル量である場合は、もちろん、
アナログデイジタル変換回路は不要になる。 次に、第2図で示した本発明の一実施例の動作
を、第3図及び第4図を参照して説明する。 第3図は、励磁突入電流が発生した場合の動作
タイムチヤートを示す。励磁突入電流は、そのま
ま差動電流として検出されるから、図中の波形3
に示すように、差動電流検出継電要素6からは、
波形6で示すしや断器引き外し信号が出力され
る。 一方、磁気飽和検出継電要素7からも、前記演
算内容の説明で明らかであり、かつ同図の波形7
で示すように、差動電流が検出されても、しや断
器の引き外し指令を阻止する信号が出力され続け
る。 従つて、インヒビツト回路8及びタイマ9から
は、しや断器引き外し信号は出力されない。 第4図は、変圧器の内部故障が発生した場合の
本発明の動作タイムチヤートを示す。 波形3で示す差動電流が、一定の値以上になつ
たとき、差動電流検出継電要素6からは波形6で
示すしや断器引き外し信号が出力される。 一方、差動電流が所定の誤差電流を超えて、演
算を開始した直後、演算結果は所定の値以上とな
るので、この間は波形7で示すように磁気飽和検
出継電要素7からの信号の出力が中止される。従
つて、インヒビツト回路8からは、図に波形8で
示すように断続的な信号が出力される。タイマ9
は、インヒビツト回路8の信号を引きのばし、同
図の波形9のように、、安定したしや断器引き外
し指令を出力する。 以上により内部故障発生後のしや断器の引き外
しを高速度で行うことができる。 なお、第2図に例示した変圧器回路において、
内部故障電流と励磁突入電流とが同時発生した場
合でも、前記各関係式は不成立となるので、第4
図で示したのと同様に、しや断器を高速動作させ
ることができる。 又、励磁突入電流による誤動作を確実に防止で
きるので、本発明によれば、差動電流検出継電要
素6による内部故障検出感度を、従来方式と比べ
て極めて高感度にすることができる。 本発明をデイジタル演算によつて実施する場合
には、演算回路の簡単化のため、上記第2図の実
施例で説明した差動電流検出継電要素6、磁気飽
和検出継電要素7、インヒビツト回路8、および
タイマ9等の演算、判定又は制御回路等をまとめ
て、一個の演算装置で実行するようにしても良い
ことは当然である。 又、本発明は、実施例で説明した分離巻線構造
の変圧器のみでなく、単巻変圧器のように共通巻
線部分を有する変圧器にも適用されるのは言うま
でもない。 なお、タツプ巻線を有する変圧器の場合、タツ
プ巻線の切り換え毎に、前記各演算式における電
圧、電流の係数又は係数行列を補正することは、
本発明の効果を更に高めるために有効である。 以上詳述したように、本発明によれば、変圧器
の内部故障を極めて高感度、高速度で検出できる
と共に、励磁突入電流による誤動作を確実に防止
することができるので、変圧器保護継電装置の高
信頼度化、及び変圧器内部故障に際しての重大災
害への拡大を未然に防止るのに、多大の貢献をな
すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理を説明するための2巻線
変圧器の略線図、第2図は本発明の一実施例を示
す略線図、第3図及び第4図は第2図の実施例の
動作を説明するためのタイムチヤートである。 1…鉄心、21,22…巻線、31,32…変
流器、41,42…電圧変成器、51,52…し
や断器、6…差動電流検出継電要素、7…磁気飽
和検出継電要素、8…インヒビツト回路、9…タ
イマ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 保護対象変圧器の各巻線の端子電流の差動電
    流を検出してしや断器の引き外し指令を出力する
    差動電流検出継電要素と、 上記変圧器の各巻線の端子電圧および端子電流
    を検出する手段と、 前記端子電流より得られる差動電流が予定値を
    越えていないときに出力を生ずると共に、前記差
    動電流が前記予定値を越えたときには、各巻線の
    端子電圧および端子電流または前記差動電流を変
    数とし、且つ該変圧器鉄心磁気飽和時の巻線イン
    ダクタンスまたはインダクタンスの逆数を係数と
    する予定の関係式が成立するか否かを判定し、該
    関係式がほぼ成立したときに出力を生ずる磁気飽
    和検出継電要素と、 前記磁気飽和検出継電要素の出力によつて前記
    しや断器の引き外し指令の出力を禁止する手段と
    を具備したことを特徴とする変圧器保護継電装
    置。 2 前記関係式に含まれる係数の値は、保護対象
    変圧器のタツプ切換情報に応答して変更されるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の変圧
    器保護継電装置。
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