JPH0124135B2 - - Google Patents
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- JPH0124135B2 JPH0124135B2 JP61243657A JP24365786A JPH0124135B2 JP H0124135 B2 JPH0124135 B2 JP H0124135B2 JP 61243657 A JP61243657 A JP 61243657A JP 24365786 A JP24365786 A JP 24365786A JP H0124135 B2 JPH0124135 B2 JP H0124135B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- surgery
- pain
- cells
- wound
- bleeding
- Prior art date
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
「発明の分野」
本発明は、外傷または外科手術によつて生じた
創傷部における痛みの除去、止血、感染症の防
止、および組織復元化促進をなし得る外傷治療用
および外科手術用等として用いられる治療水に関
するものである。 「従来技術およびその問題点」 創傷とは、外傷あるいは外科医の手による手術
それ自体によつて体組織に異常な状態が引き起こ
された現象を指し、組織の正常な生理的、形態学
的な連絡が断たれて生じた病的な状態である。こ
のような状態においては、痛み、出血があり、ま
た病原菌による感染症をおこす危険性のあること
から、適切な処置により、早期における組織の修
復が望まれるところである。 まず、創傷により患者の受ける痛みは、傷害を
うけた細胞組織の範囲および程度によつて様々な
ものである。このような疼痛をいたずらにがまん
させることは、治療上得策ではなく場合によつて
は悪循環を形成し痛みを益々増強させることとな
る。さて、疼痛を除去する方法としては、薬剤を
使用する方法が最も簡単な方法である。鎮痛剤と
しては、麻酔系鎮痛薬が一般的であり、今日では
麻酔技術の進歩によつてこれらの疼痛の除去には
かなりの成果を上げているが、麻酔の効果は一時
的なものであり、麻酔の醒めた場合には痛みから
解放されるわけではない。また疼痛を除去する他
の方法として、疼痛伝達経路を適当な部位におい
て遮断する方法も知られており、局所麻酔薬、神
経を破壊する薬剤、あるいは手術的遮断等によつ
て行なわれている。しかしながら、該方法は、患
者に対する負担が大きく、また危険性も高いもの
であつた。このような面から、患者の精神面への
影響からも事後回復を順調ならしめるために、薬
剤による一時的麻酔効果あるいは手術等による疼
痛伝達経路の遮断等の鎮痛法に代る、生体系にお
ける抑制機序の解析に基き痛みの発生源を除去す
る幣害のない高度の医療技術の開発が待たれてい
る。 外傷または外科的手術における問題として次
に、出血が挙げられている。これには、血管によ
る出血と自然治癒への機序として発動される血管
壁よりの滲出の2通りがある。このような出血に
対する止血法、特に手術における止血法は外科手
術の基本的操作として極めて大切なもので、止血
が確実でなければその手術の成功を期待し難く、
特に頭蓋内の手術の場合には、死にも直結する。
外傷または手術における太い血管の切断は、適当
な手当によつて血管を物理的に閉塞して止血する
ことができるが、細小菅の切断による出血は、手
術野を血液で満たし視野をせまくするなど手術の
阻害要因のひとつであり、電気メスで焼灼して止
血する方法もあるが熱による組織障害の虞れがあ
る。さらに、止血が不完全である場合には術後に
おいても血腫、血膿をつくり死腔化して感染症を
招くおそれがある。精徴な手術ほど細小菅からの
出血を止める手段が必要とされるが、未だ止血の
抜本的技術が開発されていない。 さらに、術後または治癒経過中における大きな
問題点のひとつに細菌、真菌、ウイルスあるいは
原虫などの病原体による感染症がある。現在にお
いては、化学療法薬、抗生物質、抗菌剤など良好
な薬剤が開発され膿瘍炎症性肉芽等の軽度の外傷
や手術においては、よほどのことがない限り感染
症を誘発することはないかにみえる。しかしなが
ら高度な手術あるいは重度の外傷においては感染
症予防のための広域抗生剤の大量投与によりかえ
つて耐性菌の組織定着を生み難治感染症、例えば
日和見感染症へと進展しかねないものであり、今
日ではその症例が増加の傾向にある。 また創傷の治癒は、該部位における組織が完全
に破壊された場合を除き自然の治癒に関する機序
を待つことが主流であり、副次的に病原菌の感染
を防止するために抗生物質等を使用して自然治癒
の阻害にならないように対処されている。自然治
癒の機序において、傷害をうけた細胞組織のなか
で本来維持してきた生活力を失わない死滅したも
のは、やがて血管壁から滲出してきた白血球や組
織球あるいは細胞自体のリソゾームの有するタン
パク質溶解作用により分解され、液化吸収の過程
をふんで清浄除去され、新しい細胞組織に再生さ
れるが、傷ついた細胞の中にはその受傷程度によ
つては細胞の修復再生機能によつて活性化するも
のもある。従つて、完全に死滅したもの、DNA
のみ残つたもの、あるいは形質膜のみに假がつい
たもの等が混在するために複元を再生の過程がか
なり複雑で、同時進行的に治癒が進行するとは限
らず、また白血球や組織球等がそれぞれの生理的
要求に従い滲出し創傷組織の清浄化に努めるが、
一方では、浮腫状態を形成し、部分的には治癒の
阻害要因ともなつている。このように修復時間が
延びることにより、酸素欠乏による腫瘍の壌死あ
るいは外圧により局所血管から漏出した液体成分
とともに膿を形成したりして、みにくい瘢痕を残
すことにもなりかねなかつた。 「発明の目的」 従つて本発明は、外傷または、外科手術によつ
て生じた創傷部における痛みの除去、止血、感染
症の防止および組織復元化促進をなし得る外傷治
療用および外科手術用等として用いられる治療水
を提供することを目的とする。本発明はまた、今
日、外科的治療分野において未だ確立されていな
い分子生化学の導入により、創傷部における痛み
の除去、止血、感染症の防止、さらに施術より治
療に至る積極加療によつてできるだけ瘢痕等をな
くし早期の完癒をはかり得る治療水を提供するこ
とを目的とする。 「発明の構成」 上記諸目的は、PH5以下、Agイオン濃度0.5〜
10ppm、電気伝導度250〜2000μ/cm3であるAg+
イオン水からなる本発明の治療水によつて達成さ
れるものである。 また本発明の好ましい実施態様においては、本
発明の治療水は、溶存酸素量12〜30ppmで活性化
酸素を含むものである。 本発明は、生物無機化学の理論を導入すること
により、外傷あるいは手術によつて傷害をうけた
組織を治療復元する過程において今日までとられ
てきた様々な治療方法とは、全く違つた治療方法
を確立したものである。受傷から完治するまでの
治療過程は、複雑にからみ合い関係して複合効果
を表わしたものであり、一概に本発明の治療水の
作用を挙げることは困難であるが、ほぼ以下のよ
うにまとめられる。すなわち、痛みという興奮
のインパルスの発信源と考えられる傷害を受けた
細胞膜内外の電位差を一定の化学ポテンシヤルを
強制流入させることにより平衡化させて活動電位
を低下させ、あわせて傷ついた細胞膜の機能を失
活させることによる痛みの発信源の除去、活性
酸素による破損血管内壁の脂質の過酸化によりプ
ロスタサイクリンとトロンボキサンチンのアンバ
ランスを生じせしめ血液凝固機構を作動させるこ
とによる止血、創傷部位における環境を酸性側
に傾けることにより炎症巣を死滅させる一方感染
菌体の形質膜機能をAg+イオンの触媒機能により
失活させることによる感染症の防止、および傷
ついた細胞の細胞膜の機能をAg+イオンの触媒機
能により失活させ、死滅した細胞と共に傷ついた
細胞も清浄除去し、健常な細胞群のみで再生を計
ることによる治療の促進化である。 一方、Ag+イオン水の人体に対する安全性につ
いて述べれば、例えば硝酸銀の場合、マウスの経
口投与におけるLD50は50mg/Kgであることが確
認されている。また、本願発明におけるAg+イオ
ン水と比べるとPHや濃度が異なるが、カタデイン
法と呼ばれる方法で製造された銀イオン水の場
合、アメリカの衛生研究所のテストにおいて人体
に無害であることが判明し、特定の州においては
銀が0.2〜0.3mg/litre入つている水を市民に供給
していること、スイスではすでに1930年ごろより
ソフト・ドリンク工業で使用されており、ドイツ
に導入されたときに多くの研究所や大学で約5年
間にわたりテストが行なわれ、衛生当局により製
造装置の使用が認可されたこと、濃縮果汁で500
〜1000γ/litre、清涼飲料で300〜500γ/litreの
銀イオンが添加されていることなどが既に知られ
ている(「食品工業」、1965年、11下、第84〜86
頁、「銀による殺菌について」、Dr.F.ゾブリスト
参照)。本発明におけるAg+イオン濃度は、上記
飲料に用いられた濃度より約10倍程度高いのであ
るが、本発明の治療水は、飲料のように多量に摂
取するものではないので適正な使用によつて人体
に対する安全性は充分に確保される。 本発明の治療水において、そのPH値は、5以下
であるが、さらに望ましくはPH4以下、もつとも
望ましくは、PH3以下である。このように治療水
のPH値を5以下とするのは、Ag+イオンのタンパ
ク質への吸着によるAg+イオン作用の低下を防止
すると共に、創傷部位を酸性側に傾けることによ
りリソゾームを融解し傷ついた細胞の吸収清浄化
を促進するものである。またAg+イオン濃度は、
0.5〜10ppmであるが、さらに望ましくは1〜
7ppm、もつとも望ましくは3〜6ppmである。こ
のように、0.5〜10ppmという低濃度において、
Ag+イオンは、創傷部位における傷ついた細胞お
よび感染菌体にのみ作用し、正常な細胞に傷害を
与えることなく創傷部を治癒するものである。さ
らに本発明の治療水においては、電気伝導度が
250〜2000μ/cm3であり、さらに望ましくは
1000μ/cm3以上、もつとも望ましくは1500μ
/cm3以上である。このように電気伝導度を250
〜2000μ/cm3とすることにより、Ag+イオンの
細胞透過性は、良好なものとなり、Ag+イオンの
作用を十分に発現させることが可能となり、痛み
の発信源である傷ついた細胞膜を失活解体して痛
みの除去効果を高める。加えて、本発明の治療水
において、溶存酸素量を12〜30ppmとして活性化
酸素を含むことは、本発明の治療水の止血および
治癒促進を高める上から有効である。 本発明の治療水を、銀コロイドを生じることな
く製造するには、例えば、本発明者らが、先に見
出したように(昭和61年特許願第123133号)、陽
極と陰極とを有し、陽極に銀が設けられた第1電
解質に、電圧を印加しつつ源水を通して銀イオン
を溶出させ、次に、陽極と陰極とを有し、両電極
の間に隔膜が形成され、陽極質と陰極質とに区画
された第2電解質の前記陽極質に、前記銀イオン
を溶出させた源水を通すことにより好適に行ない
得る。 以下、本発明をさらに、実施態様に基き詳細に
説明するが、説明の便宜上各部門別に切り離して
説明する。 外傷または外科手術による創傷は、当然に人体
に痛みを与えるものである。受傷による痛みは、
細胞膜の興奮であると考えられ、一般に休止状態
から活動状態に移行したものであり、細胞膜での
急激な電気的変化、すなわち活動電位の発生が実
体である。より具体的には、神経に衝撃が与えら
れると、前シナプス膜にあるアセチルコリンを含
む小胞からアセチルコリンが、シナプス間隙に放
出され後シナプス膜にある特異的な受容体に結合
する。すると後シナプス膜の透過性が大きく変わ
る。すなわち0.1msec.以内にNa+およびK+のイ
オン伝導度がともに著しく高まり、多量のNa+が
外から細胞内に入り、これに対して細胞内のK+
が少し外に流出する。これは、Na+流入による脱
分極と呼ばれるが、後シナプス膜の電位の変化
は、それに隣接する静止神経線組膜に活動電位を
誘導する。これがつぎつぎに隣接する静止膜に波
及しNa+の流入、K+の流出をくり返し、刺激と
伝達が起こる。一般的には刺激が持続しているあ
いだ受容器電位も持続しインパルスは反復して発
生するが、本発明者らは、逆に抑制性伝達物質の
作用により、後シナプス膜での興奮発生が抑えら
れる機序に注目した。これは、伝達物質の作用に
より、陰イオンのCl-に対する透過性の一過性上
昇によりCl-の平衡電位に近ずき、さらに透過性
の上昇による膜の電気低抗が下がる短絡効果とが
重なりあい、活動電位の低下が生じ結局興奮性伝
達物質の放出量が下がるというものである。更に
本発明者らは、興奮のインパルスの発信源が傷害
をうけた細胞膜にあることにも着目した。これら
の点から、外傷又は手術により傷害をうけた細胞
中に関与しているCl-、Na+に対し一定の電気化
学的ポテンシヤルを与え、強性流入させることに
より、電位差を平衡化し、活動電位を底下させ
て、痛みの発信を停止させることができると考
え、さらにまた傷ついた細胞の形質膜の機能を失
活さすことにより完全に痛みを除去できるものと
考えた。このような考慮に基き、鋭意研究の結
果、PH5以下、Ag+濃度1〜7ppm、電気伝導度
250〜2000μ/cm3のAg+イオン水を与えたところ
膜の活動電位が下がり、一次的に痛みを止めるこ
とに成功した。さらに傷ついた細胞中に流入した
Ag+イオンが、Ag+イオンのみが有する
創傷部における痛みの除去、止血、感染症の防
止、および組織復元化促進をなし得る外傷治療用
および外科手術用等として用いられる治療水に関
するものである。 「従来技術およびその問題点」 創傷とは、外傷あるいは外科医の手による手術
それ自体によつて体組織に異常な状態が引き起こ
された現象を指し、組織の正常な生理的、形態学
的な連絡が断たれて生じた病的な状態である。こ
のような状態においては、痛み、出血があり、ま
た病原菌による感染症をおこす危険性のあること
から、適切な処置により、早期における組織の修
復が望まれるところである。 まず、創傷により患者の受ける痛みは、傷害を
うけた細胞組織の範囲および程度によつて様々な
ものである。このような疼痛をいたずらにがまん
させることは、治療上得策ではなく場合によつて
は悪循環を形成し痛みを益々増強させることとな
る。さて、疼痛を除去する方法としては、薬剤を
使用する方法が最も簡単な方法である。鎮痛剤と
しては、麻酔系鎮痛薬が一般的であり、今日では
麻酔技術の進歩によつてこれらの疼痛の除去には
かなりの成果を上げているが、麻酔の効果は一時
的なものであり、麻酔の醒めた場合には痛みから
解放されるわけではない。また疼痛を除去する他
の方法として、疼痛伝達経路を適当な部位におい
て遮断する方法も知られており、局所麻酔薬、神
経を破壊する薬剤、あるいは手術的遮断等によつ
て行なわれている。しかしながら、該方法は、患
者に対する負担が大きく、また危険性も高いもの
であつた。このような面から、患者の精神面への
影響からも事後回復を順調ならしめるために、薬
剤による一時的麻酔効果あるいは手術等による疼
痛伝達経路の遮断等の鎮痛法に代る、生体系にお
ける抑制機序の解析に基き痛みの発生源を除去す
る幣害のない高度の医療技術の開発が待たれてい
る。 外傷または外科的手術における問題として次
に、出血が挙げられている。これには、血管によ
る出血と自然治癒への機序として発動される血管
壁よりの滲出の2通りがある。このような出血に
対する止血法、特に手術における止血法は外科手
術の基本的操作として極めて大切なもので、止血
が確実でなければその手術の成功を期待し難く、
特に頭蓋内の手術の場合には、死にも直結する。
外傷または手術における太い血管の切断は、適当
な手当によつて血管を物理的に閉塞して止血する
ことができるが、細小菅の切断による出血は、手
術野を血液で満たし視野をせまくするなど手術の
阻害要因のひとつであり、電気メスで焼灼して止
血する方法もあるが熱による組織障害の虞れがあ
る。さらに、止血が不完全である場合には術後に
おいても血腫、血膿をつくり死腔化して感染症を
招くおそれがある。精徴な手術ほど細小菅からの
出血を止める手段が必要とされるが、未だ止血の
抜本的技術が開発されていない。 さらに、術後または治癒経過中における大きな
問題点のひとつに細菌、真菌、ウイルスあるいは
原虫などの病原体による感染症がある。現在にお
いては、化学療法薬、抗生物質、抗菌剤など良好
な薬剤が開発され膿瘍炎症性肉芽等の軽度の外傷
や手術においては、よほどのことがない限り感染
症を誘発することはないかにみえる。しかしなが
ら高度な手術あるいは重度の外傷においては感染
症予防のための広域抗生剤の大量投与によりかえ
つて耐性菌の組織定着を生み難治感染症、例えば
日和見感染症へと進展しかねないものであり、今
日ではその症例が増加の傾向にある。 また創傷の治癒は、該部位における組織が完全
に破壊された場合を除き自然の治癒に関する機序
を待つことが主流であり、副次的に病原菌の感染
を防止するために抗生物質等を使用して自然治癒
の阻害にならないように対処されている。自然治
癒の機序において、傷害をうけた細胞組織のなか
で本来維持してきた生活力を失わない死滅したも
のは、やがて血管壁から滲出してきた白血球や組
織球あるいは細胞自体のリソゾームの有するタン
パク質溶解作用により分解され、液化吸収の過程
をふんで清浄除去され、新しい細胞組織に再生さ
れるが、傷ついた細胞の中にはその受傷程度によ
つては細胞の修復再生機能によつて活性化するも
のもある。従つて、完全に死滅したもの、DNA
のみ残つたもの、あるいは形質膜のみに假がつい
たもの等が混在するために複元を再生の過程がか
なり複雑で、同時進行的に治癒が進行するとは限
らず、また白血球や組織球等がそれぞれの生理的
要求に従い滲出し創傷組織の清浄化に努めるが、
一方では、浮腫状態を形成し、部分的には治癒の
阻害要因ともなつている。このように修復時間が
延びることにより、酸素欠乏による腫瘍の壌死あ
るいは外圧により局所血管から漏出した液体成分
とともに膿を形成したりして、みにくい瘢痕を残
すことにもなりかねなかつた。 「発明の目的」 従つて本発明は、外傷または、外科手術によつ
て生じた創傷部における痛みの除去、止血、感染
症の防止および組織復元化促進をなし得る外傷治
療用および外科手術用等として用いられる治療水
を提供することを目的とする。本発明はまた、今
日、外科的治療分野において未だ確立されていな
い分子生化学の導入により、創傷部における痛み
の除去、止血、感染症の防止、さらに施術より治
療に至る積極加療によつてできるだけ瘢痕等をな
くし早期の完癒をはかり得る治療水を提供するこ
とを目的とする。 「発明の構成」 上記諸目的は、PH5以下、Agイオン濃度0.5〜
10ppm、電気伝導度250〜2000μ/cm3であるAg+
イオン水からなる本発明の治療水によつて達成さ
れるものである。 また本発明の好ましい実施態様においては、本
発明の治療水は、溶存酸素量12〜30ppmで活性化
酸素を含むものである。 本発明は、生物無機化学の理論を導入すること
により、外傷あるいは手術によつて傷害をうけた
組織を治療復元する過程において今日までとられ
てきた様々な治療方法とは、全く違つた治療方法
を確立したものである。受傷から完治するまでの
治療過程は、複雑にからみ合い関係して複合効果
を表わしたものであり、一概に本発明の治療水の
作用を挙げることは困難であるが、ほぼ以下のよ
うにまとめられる。すなわち、痛みという興奮
のインパルスの発信源と考えられる傷害を受けた
細胞膜内外の電位差を一定の化学ポテンシヤルを
強制流入させることにより平衡化させて活動電位
を低下させ、あわせて傷ついた細胞膜の機能を失
活させることによる痛みの発信源の除去、活性
酸素による破損血管内壁の脂質の過酸化によりプ
ロスタサイクリンとトロンボキサンチンのアンバ
ランスを生じせしめ血液凝固機構を作動させるこ
とによる止血、創傷部位における環境を酸性側
に傾けることにより炎症巣を死滅させる一方感染
菌体の形質膜機能をAg+イオンの触媒機能により
失活させることによる感染症の防止、および傷
ついた細胞の細胞膜の機能をAg+イオンの触媒機
能により失活させ、死滅した細胞と共に傷ついた
細胞も清浄除去し、健常な細胞群のみで再生を計
ることによる治療の促進化である。 一方、Ag+イオン水の人体に対する安全性につ
いて述べれば、例えば硝酸銀の場合、マウスの経
口投与におけるLD50は50mg/Kgであることが確
認されている。また、本願発明におけるAg+イオ
ン水と比べるとPHや濃度が異なるが、カタデイン
法と呼ばれる方法で製造された銀イオン水の場
合、アメリカの衛生研究所のテストにおいて人体
に無害であることが判明し、特定の州においては
銀が0.2〜0.3mg/litre入つている水を市民に供給
していること、スイスではすでに1930年ごろより
ソフト・ドリンク工業で使用されており、ドイツ
に導入されたときに多くの研究所や大学で約5年
間にわたりテストが行なわれ、衛生当局により製
造装置の使用が認可されたこと、濃縮果汁で500
〜1000γ/litre、清涼飲料で300〜500γ/litreの
銀イオンが添加されていることなどが既に知られ
ている(「食品工業」、1965年、11下、第84〜86
頁、「銀による殺菌について」、Dr.F.ゾブリスト
参照)。本発明におけるAg+イオン濃度は、上記
飲料に用いられた濃度より約10倍程度高いのであ
るが、本発明の治療水は、飲料のように多量に摂
取するものではないので適正な使用によつて人体
に対する安全性は充分に確保される。 本発明の治療水において、そのPH値は、5以下
であるが、さらに望ましくはPH4以下、もつとも
望ましくは、PH3以下である。このように治療水
のPH値を5以下とするのは、Ag+イオンのタンパ
ク質への吸着によるAg+イオン作用の低下を防止
すると共に、創傷部位を酸性側に傾けることによ
りリソゾームを融解し傷ついた細胞の吸収清浄化
を促進するものである。またAg+イオン濃度は、
0.5〜10ppmであるが、さらに望ましくは1〜
7ppm、もつとも望ましくは3〜6ppmである。こ
のように、0.5〜10ppmという低濃度において、
Ag+イオンは、創傷部位における傷ついた細胞お
よび感染菌体にのみ作用し、正常な細胞に傷害を
与えることなく創傷部を治癒するものである。さ
らに本発明の治療水においては、電気伝導度が
250〜2000μ/cm3であり、さらに望ましくは
1000μ/cm3以上、もつとも望ましくは1500μ
/cm3以上である。このように電気伝導度を250
〜2000μ/cm3とすることにより、Ag+イオンの
細胞透過性は、良好なものとなり、Ag+イオンの
作用を十分に発現させることが可能となり、痛み
の発信源である傷ついた細胞膜を失活解体して痛
みの除去効果を高める。加えて、本発明の治療水
において、溶存酸素量を12〜30ppmとして活性化
酸素を含むことは、本発明の治療水の止血および
治癒促進を高める上から有効である。 本発明の治療水を、銀コロイドを生じることな
く製造するには、例えば、本発明者らが、先に見
出したように(昭和61年特許願第123133号)、陽
極と陰極とを有し、陽極に銀が設けられた第1電
解質に、電圧を印加しつつ源水を通して銀イオン
を溶出させ、次に、陽極と陰極とを有し、両電極
の間に隔膜が形成され、陽極質と陰極質とに区画
された第2電解質の前記陽極質に、前記銀イオン
を溶出させた源水を通すことにより好適に行ない
得る。 以下、本発明をさらに、実施態様に基き詳細に
説明するが、説明の便宜上各部門別に切り離して
説明する。 外傷または外科手術による創傷は、当然に人体
に痛みを与えるものである。受傷による痛みは、
細胞膜の興奮であると考えられ、一般に休止状態
から活動状態に移行したものであり、細胞膜での
急激な電気的変化、すなわち活動電位の発生が実
体である。より具体的には、神経に衝撃が与えら
れると、前シナプス膜にあるアセチルコリンを含
む小胞からアセチルコリンが、シナプス間隙に放
出され後シナプス膜にある特異的な受容体に結合
する。すると後シナプス膜の透過性が大きく変わ
る。すなわち0.1msec.以内にNa+およびK+のイ
オン伝導度がともに著しく高まり、多量のNa+が
外から細胞内に入り、これに対して細胞内のK+
が少し外に流出する。これは、Na+流入による脱
分極と呼ばれるが、後シナプス膜の電位の変化
は、それに隣接する静止神経線組膜に活動電位を
誘導する。これがつぎつぎに隣接する静止膜に波
及しNa+の流入、K+の流出をくり返し、刺激と
伝達が起こる。一般的には刺激が持続しているあ
いだ受容器電位も持続しインパルスは反復して発
生するが、本発明者らは、逆に抑制性伝達物質の
作用により、後シナプス膜での興奮発生が抑えら
れる機序に注目した。これは、伝達物質の作用に
より、陰イオンのCl-に対する透過性の一過性上
昇によりCl-の平衡電位に近ずき、さらに透過性
の上昇による膜の電気低抗が下がる短絡効果とが
重なりあい、活動電位の低下が生じ結局興奮性伝
達物質の放出量が下がるというものである。更に
本発明者らは、興奮のインパルスの発信源が傷害
をうけた細胞膜にあることにも着目した。これら
の点から、外傷又は手術により傷害をうけた細胞
中に関与しているCl-、Na+に対し一定の電気化
学的ポテンシヤルを与え、強性流入させることに
より、電位差を平衡化し、活動電位を底下させ
て、痛みの発信を停止させることができると考
え、さらにまた傷ついた細胞の形質膜の機能を失
活さすことにより完全に痛みを除去できるものと
考えた。このような考慮に基き、鋭意研究の結
果、PH5以下、Ag+濃度1〜7ppm、電気伝導度
250〜2000μ/cm3のAg+イオン水を与えたところ
膜の活動電位が下がり、一次的に痛みを止めるこ
とに成功した。さらに傷ついた細胞中に流入した
Ag+イオンが、Ag+イオンのみが有する
【式】の触媒機能により細胞膜を構成する
リン不飽和脂肪酸をエチレン化することにより膜
機能を失活せしめ痛みのインパルスの発信源を解
体して完全なる鎮痛に成功した。 次に外傷または外科手術により血管が破壊され
出血が起こるのは当然である。毛細血管からの出
血はいずれ時間経過と共に血管切断により露出し
たコラーゲンに血小板が粘着し、集魂を形成して
一次的に出血は止るが、手術中には止らず施術の
阻害要因となつている。また術後、創傷部の止血
が完全におこなわれず血腫形成が起き死腔を創部
に残して回復がおくれることもある。止血の生理
的機序は、血管壁から絶えず放出されている凝固
阻止物質であるプロスタサイクリンは血管内皮細
胞が損傷するとその放出が止り、血小板が損傷部
に付着してトロンボキサンチンの合成を盛んにし
血栓形成を促すというものである。これを人為的
に迅速に表わすために本発明者らは、鋭意研究の
結果、未熟児網膜症における血管閉塞において、
プロスタサイクリンとトロンボキサンチンとのア
ンバランスが生じるという事実により、血栓形成
の機構は、過酸化反応を伴なうプロスタグランデ
インの代謝に原因していることに注目した。そこ
でAg+イオン水の溶存酸素濃度を通常水の倍近く
である12〜30ppm近くに増やすと共に活性化せし
め、酸化力を約1500倍に増大したAg+イオン水を
創部に散布したとこと、破損血管内の脂質の過酸
化が進みプロスタサイクリンが人為的に抑制され
トロンボキサンチンを遊離させ、血小板から遊離
したリン脂質タンパクにプロトロンビン -Ca錨
体が付着し、さらにフアクター活性型因子Xaに
より加水分解されたプロトロンビンはトロンビン
に変わり、リン脂質から離れるといつた血液凝固
機構が生起したと想定され、止血された。これに
よつて外傷の場合にはたちどころに止血され、手
術時には全く血液の滲出が起こらず手術環境が大
きく変わつた。 生体の健常な皮膚は病原体に対して機械的バリ
アーの役目をはたすだけでなく、皮膚分泌物中に
含まれるスペルミン、リソチーム等によつて化学
的バリアーの役目を果たしている。しかしなが
ら、外傷あるいは手術それ自体によつて傷害をう
けた細胞は、組織のなかで本来維持してきた生活
力を失い、感染抵抗力が弱まり、細菌、真菌、ウ
イルスまたは原虫などによる炎症をひきおこすこ
とが多くなる。化学療法薬、抗生物質、抗菌剤が
開発される以前は、急性炎症に対する治療は、局
所静冷、湿布、切開などの減圧排膿が、さらに慢
性炎症に対しては、切開排膿、炎症性内芽の掻破
あるいは膿病壁の切除などが治療の主体となつて
いたが、今日では、広域抗生物質の大量投与によ
り感染予防に効果を上げている。しかしながらこ
れがかえつて耐性菌の臓器定着を生み難治感染
症、例えばいわゆる日和見感染症に進展すること
が増えつつある。これは化学薬剤がそれぞれの菌
に対応した効果を求め、さらにLD50/ED50の安
全度の範囲内で作られ投与されるためにすべての
菌の数菌滅菌効果を期待することが不可能なため
に生じた難病である。そこで本発明者らは、一連
の研究において、創傷部位における環境をPH5以
下、すなわち酸性側に傾けることによりPH低下に
敏感な顆粒、白血球または傷害を受けた細胞のラ
イソゾームを融解しそのなかにあるコラーゲナー
ゼ等を遊離して炎症巣を死滅させる一方で、ウイ
ルスから原虫に至るすべての感染源の菌体の共通
点が形質膜を有していることであり、この形質膜
の機能を失活させることで菌体を殺菌することが
可能であると考え、PH5以下、Ag+イオン濃度
0.5〜10ppm、電気伝導度250〜2000μ/cm3の
Ag+イオン水を創面に散布したところ、主体のコ
ラーゲナーゼの融解効果と共に、すべての菌体に
おいてAg+イオンの電気化学的ポテンシヤルの差
に従つて菌体内に流入したAg+イオンの融媒機能
により、形質膜を構成しているリン脂質の疎水部
分である脂肪酸基の−CH2−のシス構造に
機能を失活せしめ痛みのインパルスの発信源を解
体して完全なる鎮痛に成功した。 次に外傷または外科手術により血管が破壊され
出血が起こるのは当然である。毛細血管からの出
血はいずれ時間経過と共に血管切断により露出し
たコラーゲンに血小板が粘着し、集魂を形成して
一次的に出血は止るが、手術中には止らず施術の
阻害要因となつている。また術後、創傷部の止血
が完全におこなわれず血腫形成が起き死腔を創部
に残して回復がおくれることもある。止血の生理
的機序は、血管壁から絶えず放出されている凝固
阻止物質であるプロスタサイクリンは血管内皮細
胞が損傷するとその放出が止り、血小板が損傷部
に付着してトロンボキサンチンの合成を盛んにし
血栓形成を促すというものである。これを人為的
に迅速に表わすために本発明者らは、鋭意研究の
結果、未熟児網膜症における血管閉塞において、
プロスタサイクリンとトロンボキサンチンとのア
ンバランスが生じるという事実により、血栓形成
の機構は、過酸化反応を伴なうプロスタグランデ
インの代謝に原因していることに注目した。そこ
でAg+イオン水の溶存酸素濃度を通常水の倍近く
である12〜30ppm近くに増やすと共に活性化せし
め、酸化力を約1500倍に増大したAg+イオン水を
創部に散布したとこと、破損血管内の脂質の過酸
化が進みプロスタサイクリンが人為的に抑制され
トロンボキサンチンを遊離させ、血小板から遊離
したリン脂質タンパクにプロトロンビン -Ca錨
体が付着し、さらにフアクター活性型因子Xaに
より加水分解されたプロトロンビンはトロンビン
に変わり、リン脂質から離れるといつた血液凝固
機構が生起したと想定され、止血された。これに
よつて外傷の場合にはたちどころに止血され、手
術時には全く血液の滲出が起こらず手術環境が大
きく変わつた。 生体の健常な皮膚は病原体に対して機械的バリ
アーの役目をはたすだけでなく、皮膚分泌物中に
含まれるスペルミン、リソチーム等によつて化学
的バリアーの役目を果たしている。しかしなが
ら、外傷あるいは手術それ自体によつて傷害をう
けた細胞は、組織のなかで本来維持してきた生活
力を失い、感染抵抗力が弱まり、細菌、真菌、ウ
イルスまたは原虫などによる炎症をひきおこすこ
とが多くなる。化学療法薬、抗生物質、抗菌剤が
開発される以前は、急性炎症に対する治療は、局
所静冷、湿布、切開などの減圧排膿が、さらに慢
性炎症に対しては、切開排膿、炎症性内芽の掻破
あるいは膿病壁の切除などが治療の主体となつて
いたが、今日では、広域抗生物質の大量投与によ
り感染予防に効果を上げている。しかしながらこ
れがかえつて耐性菌の臓器定着を生み難治感染
症、例えばいわゆる日和見感染症に進展すること
が増えつつある。これは化学薬剤がそれぞれの菌
に対応した効果を求め、さらにLD50/ED50の安
全度の範囲内で作られ投与されるためにすべての
菌の数菌滅菌効果を期待することが不可能なため
に生じた難病である。そこで本発明者らは、一連
の研究において、創傷部位における環境をPH5以
下、すなわち酸性側に傾けることによりPH低下に
敏感な顆粒、白血球または傷害を受けた細胞のラ
イソゾームを融解しそのなかにあるコラーゲナー
ゼ等を遊離して炎症巣を死滅させる一方で、ウイ
ルスから原虫に至るすべての感染源の菌体の共通
点が形質膜を有していることであり、この形質膜
の機能を失活させることで菌体を殺菌することが
可能であると考え、PH5以下、Ag+イオン濃度
0.5〜10ppm、電気伝導度250〜2000μ/cm3の
Ag+イオン水を創面に散布したところ、主体のコ
ラーゲナーゼの融解効果と共に、すべての菌体に
おいてAg+イオンの電気化学的ポテンシヤルの差
に従つて菌体内に流入したAg+イオンの融媒機能
により、形質膜を構成しているリン脂質の疎水部
分である脂肪酸基の−CH2−のシス構造に
【式】のエチレン化が起こり、細胞膜の失
活が起こり、外部より水分が流入して破裂死滅す
る効果があつた。 本発明の治療水におけるAgイオン濃度は0.5〜
10ppmという低濃度なので、正常な組織細胞に対
しては何ら損傷を与えることはない。 さらに、創傷治癒に関する機序をみてみると、
自然環境の中においては、一般的には組織が、破
壊または損傷をうけると毛細血管の透過性が亢進
され、奨液性浸潤がおこり、白血球や好中球が遊
出し、そして創局部のPHが酸性側に移動すること
により融解されたリソゾームなかのコラーゲナー
ゼなどが、死滅した細胞および創部に侵入した細
菌を攻撃し融解消化貧食作用をなしそれを吸収清
浄化する一方で、傷ついた細胞を修復することが
行なわれる。受傷後3日後ぐらいには、基質量が
増加し、肉芽組織を形成しながら毛細血管が侵出
をはじめ、さらに6〜9日後ぐらいにはコラーゲ
ン(膠原)が増加しはじめ、膠原繊維の生成がみ
られ、2〜3週間後ぐらいには、基質と膠原が減
少し、7週目後ぐらいには創緑から5mm程度の周
辺部の基質、膠原が減少し、この周辺部が関与し
て生化学反応が活発に営まれる。やがて上皮が再
生され創面の収縮、瘢痕組織の形成、剥離、平滑
化等を経て治癒するとみられる。 このような治癒過程を促進するために重要なこ
とは治癒の阻害要因を積極的に取り除き、治癒の
行程を早めることである。このような阻害要因の
1つである止血と感染症については前記したよう
にして除去できる。本発明者らはさらに、このよ
うな阻害要因として損傷細胞の関与という点に着
目した。 細胞の生体膜の構造をいろいろな程度に破壊し
たところ、破壊の条件によつては、その本来の構
造や機能を再現できることが明らかとされてい
る。すなわちタンパク質の場合は、ペプチド結合
(一次構造)さえ残つていれば再びもとの高次構
造(二次、三次、四次構造)が復元されること、
またDNAの二重ラセン構造やRNAの高次構造
も、それをつくり上げているグアニンとシトシン
とアデニンとウリジンもしくはチミンのあいだの
水素結合を切断しても条件によつてはもとの複雑
な構造が再び形成されることが明らかとされてい
る。これらの面から考慮して、創傷の治癒過程
は、傷害の程度によつてより複雑となるばかりか
感染抵抗力の弱つた細胞をかかえながらの修復作
業となり、途中で壊死したり、それを分離排除す
る等、種々の過程が複雑に入りこみ治癒を遅らす
ことになつていることが推定される。さらに血管
壁から遊出する白血球や組織球が創傷組織の死滅
組織を融解消化し、侵食作用によつて清浄化する
機能は重要であるが反面浮腫状態をつくり治癒を
おくらせている面もある。そこで本発明者らは死
滅した細胞はもちろんのことであるが、傷ついて
抵抗力の弱まつた細胞のすべて細胞膜の機能を失
活せしめることにより排除し、健常な細胞群のみ
で再生をはかるという今までにない治癒方法を試
みた。また創傷組織のように増殖新生の行なわれ
ている部位では酸素も亢進しており正常の4倍も
の酸素が必要となると考えられているが、実際に
は臨界値に近い濃度の酸素しか供給されていない
のでわずかな障害でも局所分圧の低下を招く。す
なわち毛細血管の数が少なく血管網の密度もまば
らで他方酸素消費率が高まつている創部において
は局所の酸素分圧が低下して治癒の障害となつて
いる。本発明者らはこの点をも合せて考慮に入れ
た。 すなわち、創傷にPH5以下、Ag+イオン濃度
0.5〜10ppm、電気伝導度250〜2000μ/cm3、酸
素溶存量12〜30ppmのAg+イオン水を霧吹でスプ
レーしながら手術を進めた。この結果、傷ついた
細胞は抵抗力が弱いため細胞膜はAg+イオンの触
媒機能により失活し、細胞膜の物質流入制御機構
がなくなり、細胞外より水分が流入して破裂し、
さらにPH5以下の酸性状態中でライソゾームが破
裂してコラーゲナーゼが遊離し、タンパク質を融
解した。また合せて、前記したごとく、侵入した
病原体類も同様にAg+イオンの作用により形質膜
の機能が失活され破裂して死滅した。これらのタ
ンパク質高分子素は組織内に融解吸収され、創面
は健常細胞のみで縫合後直ちに再活性化の機序が
始まり治癒期間が大幅に短縮されたばかりでな
く、治癒後の瘢痕も最少限にとどめられ時間経過
とともにほとんど目立たなくなつた。 「発明の実施例」 以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明
する。 実施例 1 (症状) 左手親指根元より手首にかけ剃刀状の刃物で裂
傷を負う。創部は深さ5mm、長さ3.5cmで出血が
多く手首を布で締め緊急止血の状態にあつた。 (処置) PH3、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度800μ
/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水により
創面を洗浄し創口をテーピングした。 (治療効果) 痛みは3分程度で止り、出血は少しおくれて完
全に止る。テーピングは2日後にはずし、創部は
完全に癒着した。 実施例 2 (症状) 右人差指第2関節部先端圧裂傷、整形外科にて
手術縫合1週間後も疼通が止らず不眠症となる。 (処置) PH3、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度1500μ
/cm3、溶存酸素量20ppmであるAg+イオン水に
5分間浸漬。 (治療効果) 疼痛は施術後5分で和らぎ、10分で痛みを感じ
なくなつた。 実施例 3 (症状) 頭部血腫があり、前頭蓋骨をはづし血腫摘出の
ための手術を行なう。 (処置) PH3.5、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度
1500μ/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水
を手術時間、1時間30分の間15分毎にスプレーで
散布した。 (効果) 細小血管からの出血はスプレー後1分以内に止
血され、15分毎のスプレーによつて手術完了まで
出血は全くみられず、術後の経過は極めて良好で
あつた。 実施例 4 (症状) 右大腿部骨折のため開刃手術を行なう。金央挿
添後縫合。 (処置) PH3、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度1500μ
/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水を手術
前に患部に散布ふきとり、また医師、介添者を同
Ag+イオン水にて3分間浸漬により消毒した。手
術時間45分間中約10分間隔で同Ag+イオン水をス
プレーした。また手術完了後同Ag+イオン水によ
る湿布を12時間行なう。 (効果) 麻酔効果の切れた後も患者からの痛みに対する
うつたえはなく、手術中小細血管からの出血また
血管壁からの滲出も見られず、治癒速度が早く、
24時間後コラーゲンによると思われる白い新生層
が幅5mmくらいに生成された。2日後に抜糸し、
その後も引続き同Ag+イオン水による湿布をする
ことにより収縮瘢痕は全くみられなかつた。 実施例 5 (症状) 左肘部上腕に至る擦傷、角層から一部基底層に
至るものもあり。創部は副4cm、長さ20cmぐらい
であつた。 (処置) PH2.5、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度
1600μ/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水
で洗浄し、その後同Ag+イオン水による湿布を行
なつた。 (効果) 痛みは3分間程度で停まり、24時間後膜状表層
が出現し、引続き湿布を実施し、更に24時間後に
薄い皮状の瘢皮が形成され、硬化せず3日後に剥
離瘢痕はなく腕の伸縮にも支障はなかつた。 「発明の効果」 以上述べたように本発明は、PH5以下、Ag+イ
オン濃度0.5〜10ppm、電気伝導度250〜2000μ
/cm3であるAg+イオン水からなる治療水である
から、外傷または外科手術によつて生じた創部に
おける痛みの除去、止血、感染症の防止および組
織復元化促進をなし得、外傷治療用および外科手
術用として好適に用いられることができる。
る効果があつた。 本発明の治療水におけるAgイオン濃度は0.5〜
10ppmという低濃度なので、正常な組織細胞に対
しては何ら損傷を与えることはない。 さらに、創傷治癒に関する機序をみてみると、
自然環境の中においては、一般的には組織が、破
壊または損傷をうけると毛細血管の透過性が亢進
され、奨液性浸潤がおこり、白血球や好中球が遊
出し、そして創局部のPHが酸性側に移動すること
により融解されたリソゾームなかのコラーゲナー
ゼなどが、死滅した細胞および創部に侵入した細
菌を攻撃し融解消化貧食作用をなしそれを吸収清
浄化する一方で、傷ついた細胞を修復することが
行なわれる。受傷後3日後ぐらいには、基質量が
増加し、肉芽組織を形成しながら毛細血管が侵出
をはじめ、さらに6〜9日後ぐらいにはコラーゲ
ン(膠原)が増加しはじめ、膠原繊維の生成がみ
られ、2〜3週間後ぐらいには、基質と膠原が減
少し、7週目後ぐらいには創緑から5mm程度の周
辺部の基質、膠原が減少し、この周辺部が関与し
て生化学反応が活発に営まれる。やがて上皮が再
生され創面の収縮、瘢痕組織の形成、剥離、平滑
化等を経て治癒するとみられる。 このような治癒過程を促進するために重要なこ
とは治癒の阻害要因を積極的に取り除き、治癒の
行程を早めることである。このような阻害要因の
1つである止血と感染症については前記したよう
にして除去できる。本発明者らはさらに、このよ
うな阻害要因として損傷細胞の関与という点に着
目した。 細胞の生体膜の構造をいろいろな程度に破壊し
たところ、破壊の条件によつては、その本来の構
造や機能を再現できることが明らかとされてい
る。すなわちタンパク質の場合は、ペプチド結合
(一次構造)さえ残つていれば再びもとの高次構
造(二次、三次、四次構造)が復元されること、
またDNAの二重ラセン構造やRNAの高次構造
も、それをつくり上げているグアニンとシトシン
とアデニンとウリジンもしくはチミンのあいだの
水素結合を切断しても条件によつてはもとの複雑
な構造が再び形成されることが明らかとされてい
る。これらの面から考慮して、創傷の治癒過程
は、傷害の程度によつてより複雑となるばかりか
感染抵抗力の弱つた細胞をかかえながらの修復作
業となり、途中で壊死したり、それを分離排除す
る等、種々の過程が複雑に入りこみ治癒を遅らす
ことになつていることが推定される。さらに血管
壁から遊出する白血球や組織球が創傷組織の死滅
組織を融解消化し、侵食作用によつて清浄化する
機能は重要であるが反面浮腫状態をつくり治癒を
おくらせている面もある。そこで本発明者らは死
滅した細胞はもちろんのことであるが、傷ついて
抵抗力の弱まつた細胞のすべて細胞膜の機能を失
活せしめることにより排除し、健常な細胞群のみ
で再生をはかるという今までにない治癒方法を試
みた。また創傷組織のように増殖新生の行なわれ
ている部位では酸素も亢進しており正常の4倍も
の酸素が必要となると考えられているが、実際に
は臨界値に近い濃度の酸素しか供給されていない
のでわずかな障害でも局所分圧の低下を招く。す
なわち毛細血管の数が少なく血管網の密度もまば
らで他方酸素消費率が高まつている創部において
は局所の酸素分圧が低下して治癒の障害となつて
いる。本発明者らはこの点をも合せて考慮に入れ
た。 すなわち、創傷にPH5以下、Ag+イオン濃度
0.5〜10ppm、電気伝導度250〜2000μ/cm3、酸
素溶存量12〜30ppmのAg+イオン水を霧吹でスプ
レーしながら手術を進めた。この結果、傷ついた
細胞は抵抗力が弱いため細胞膜はAg+イオンの触
媒機能により失活し、細胞膜の物質流入制御機構
がなくなり、細胞外より水分が流入して破裂し、
さらにPH5以下の酸性状態中でライソゾームが破
裂してコラーゲナーゼが遊離し、タンパク質を融
解した。また合せて、前記したごとく、侵入した
病原体類も同様にAg+イオンの作用により形質膜
の機能が失活され破裂して死滅した。これらのタ
ンパク質高分子素は組織内に融解吸収され、創面
は健常細胞のみで縫合後直ちに再活性化の機序が
始まり治癒期間が大幅に短縮されたばかりでな
く、治癒後の瘢痕も最少限にとどめられ時間経過
とともにほとんど目立たなくなつた。 「発明の実施例」 以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明
する。 実施例 1 (症状) 左手親指根元より手首にかけ剃刀状の刃物で裂
傷を負う。創部は深さ5mm、長さ3.5cmで出血が
多く手首を布で締め緊急止血の状態にあつた。 (処置) PH3、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度800μ
/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水により
創面を洗浄し創口をテーピングした。 (治療効果) 痛みは3分程度で止り、出血は少しおくれて完
全に止る。テーピングは2日後にはずし、創部は
完全に癒着した。 実施例 2 (症状) 右人差指第2関節部先端圧裂傷、整形外科にて
手術縫合1週間後も疼通が止らず不眠症となる。 (処置) PH3、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度1500μ
/cm3、溶存酸素量20ppmであるAg+イオン水に
5分間浸漬。 (治療効果) 疼痛は施術後5分で和らぎ、10分で痛みを感じ
なくなつた。 実施例 3 (症状) 頭部血腫があり、前頭蓋骨をはづし血腫摘出の
ための手術を行なう。 (処置) PH3.5、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度
1500μ/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水
を手術時間、1時間30分の間15分毎にスプレーで
散布した。 (効果) 細小血管からの出血はスプレー後1分以内に止
血され、15分毎のスプレーによつて手術完了まで
出血は全くみられず、術後の経過は極めて良好で
あつた。 実施例 4 (症状) 右大腿部骨折のため開刃手術を行なう。金央挿
添後縫合。 (処置) PH3、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度1500μ
/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水を手術
前に患部に散布ふきとり、また医師、介添者を同
Ag+イオン水にて3分間浸漬により消毒した。手
術時間45分間中約10分間隔で同Ag+イオン水をス
プレーした。また手術完了後同Ag+イオン水によ
る湿布を12時間行なう。 (効果) 麻酔効果の切れた後も患者からの痛みに対する
うつたえはなく、手術中小細血管からの出血また
血管壁からの滲出も見られず、治癒速度が早く、
24時間後コラーゲンによると思われる白い新生層
が幅5mmくらいに生成された。2日後に抜糸し、
その後も引続き同Ag+イオン水による湿布をする
ことにより収縮瘢痕は全くみられなかつた。 実施例 5 (症状) 左肘部上腕に至る擦傷、角層から一部基底層に
至るものもあり。創部は副4cm、長さ20cmぐらい
であつた。 (処置) PH2.5、Ag+イオン濃度4ppm、電気伝導度
1600μ/cm3、溶存酸素量20ppmのAg+イオン水
で洗浄し、その後同Ag+イオン水による湿布を行
なつた。 (効果) 痛みは3分間程度で停まり、24時間後膜状表層
が出現し、引続き湿布を実施し、更に24時間後に
薄い皮状の瘢皮が形成され、硬化せず3日後に剥
離瘢痕はなく腕の伸縮にも支障はなかつた。 「発明の効果」 以上述べたように本発明は、PH5以下、Ag+イ
オン濃度0.5〜10ppm、電気伝導度250〜2000μ
/cm3であるAg+イオン水からなる治療水である
から、外傷または外科手術によつて生じた創部に
おける痛みの除去、止血、感染症の防止および組
織復元化促進をなし得、外傷治療用および外科手
術用として好適に用いられることができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 外傷または外科手術によつて生じた創傷用治
療水において、PH5以下、Agイオン濃度0.5〜
10ppm、電気伝導度250〜2000μ/cm3であるAg+
イオン水からなる創傷用治療水。 2 溶存酸素量が12〜30ppmで活性化酸素を含有
するものである特許請求の範囲第1項に記載の創
傷用治療水。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61243657A JPS6396129A (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 創傷用治療水 |
| EP87305270A EP0254413A3 (en) | 1986-06-13 | 1987-06-12 | Silver-ionic water and its uses |
| KR870009489A KR880002754A (ko) | 1986-08-29 | 1987-08-29 | 온이온수 및 그의 용도 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61243657A JPS6396129A (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 創傷用治療水 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6396129A JPS6396129A (ja) | 1988-04-27 |
| JPH0124135B2 true JPH0124135B2 (ja) | 1989-05-10 |
Family
ID=17107071
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61243657A Granted JPS6396129A (ja) | 1986-06-13 | 1986-10-14 | 創傷用治療水 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6396129A (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE59006242D1 (de) * | 1989-03-17 | 1994-07-28 | Klaus L Buchholz | Verwendung eines reaktionsproduktes aus einem gas und einer flüssigkeit, sowie verfahren und vorrichtung zu seiner herstellung. |
| JP2001139477A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-05-22 | Coherent Technology:Kk | 創傷部位の組織細胞増殖促進液 |
| KR200200599Y1 (ko) * | 2000-03-31 | 2000-10-16 | 전인수 | 살균 및 항균용 은코팅 섬유종이 |
| KR100821231B1 (ko) * | 2001-08-09 | 2008-04-10 | 박시영 | 은(銀) 이온수 순간제조장치 |
| KR100492843B1 (ko) * | 2002-11-20 | 2005-06-02 | (주)나눅스 | 은 콜로이드 및 그 제조방법 |
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-
1986
- 1986-10-14 JP JP61243657A patent/JPS6396129A/ja active Granted
Also Published As
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