JPH0125166B2 - - Google Patents
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- JPH0125166B2 JPH0125166B2 JP55086049A JP8604980A JPH0125166B2 JP H0125166 B2 JPH0125166 B2 JP H0125166B2 JP 55086049 A JP55086049 A JP 55086049A JP 8604980 A JP8604980 A JP 8604980A JP H0125166 B2 JPH0125166 B2 JP H0125166B2
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Description
この発明は、各種電動機や磁界発生装置等の電
気機器の巻線や配線等に使用される耐熱性を有す
る絶縁電線に関するものである。 最近に至り、原子炉の炉心近傍で使用される絶
縁電線等、高温雰囲気で使用される絶縁電線とし
て、第1図に示すように銅もしくは銅合金、アル
ミニウムもしくはアルミニウム合金、コンスタン
タン、銀、金、白金、ステンレス等の良導電性の
金属導体1の上に、Na2O、PbO、B2O3、
Al2O3、MgO2、SiO2、TiO等のセラミツクを主
成分する無機絶縁物層2を塗布・焼成してなる無
機絶縁電線が使用されるようになつている。しか
しながら焼成されたセラミツクは通常は極めて硬
くて脆いから、セラミツクを主成分する無機絶縁
電線は可撓性が著しく乏しく、殆んど曲げ加工
(コイル巻加工)等の成形加工が困難である。 そこで最近に至り、フリツト等の無機物粉末と
1〜2%程度の少量の有機質バインダ物質とから
なる被覆層を導体上に形成し、その被覆層が未だ
セラミツク化していない未焼成の半製品の段階で
コイル巻加工等の成形加工を行ない、その後高温
で焼成して塗膜層をセラミツク化する方法が提
案・実用化されている。しかしながらセラミツク
を主成分とする無機絶縁層は未焼成の段階(すな
わち塗布しただけの状態)ではある程度の可撓性
を有するものの、その範囲は外径の数十倍径位に
限られており、絶縁物層の厚みが厚くなれば可撓
性が著しく低下してしまう。また上述のように無
機絶縁物層の厚みが厚くなれば未焼成の段階での
絶縁物層の導体に対する密着性が低下するのみな
らず、特に焼成後の密着性が著しく低下して、絶
縁物層が剥離したりするおそれがあり、これらの
可撓性、密着性の点から無機絶縁物層の厚みは通
常は20μm程度以下に抑えられている。 一方、通常ヒートシヨツクなどを考慮して製造
された無機絶縁物層は本質的にポーラスであつて
内部に無数の空隙を有しており、したがつてその
無機絶縁物層の絶縁破壊電圧(B.D.V)は空隙の
破壊電圧と等価となる。空隙の破壊電圧は30V/
μm程度であるから、無機絶縁物層の絶縁破壊電
圧V(ボルト)は、無機絶縁物層の厚みをt(μ
m)とすれば次式で表わせる。 V=30t ここで無機絶縁物層の厚みtは、前述のように
20μm以下に制限されるから、絶縁破壊電圧Vは
500ボルト以下の値に制約されることになる。 上述のように従来の無機絶縁電線においては、
可撓性および密着性の点から無機絶縁物層の厚み
が制約されて、高い絶縁破壊電圧が得られない問
題があり、また逆に高い絶縁破壊電圧を得るため
に無機絶縁物層の厚みを厚くすれば可撓性、密着
性が低下するという、相反する問題があつた。 ところで、このような耐熱絶縁電線が使用され
る電気機器やその使用条件によつては、平常時は
セラミツク絶縁被覆を必要とするほど高温とはな
らず、異常時等にはじめてセラミツク絶縁被覆を
要する程度の高温となるような場合があり、その
ような条件に適応できる耐熱絶縁電線の開発が要
望されていた。そこでこの発明の発明者等は既に
特願昭53−152647号(特開昭55−80209号)等に
おいて、導体上に無機質微粉末とシリコーン系樹
脂等の無機高分子との混合物からなる複合被覆層
を形成し、その複合被覆層の上に、可撓性や耐摩
耗特性等の機械的特性が良好な有機質樹脂を主成
分とするオーバーコート層を形成して、前記複合
被覆層を特に予め人工的な焼成熱処理によりセラ
ミツク化させておかず、使用中に高温に曝された
時にはじめて複合被覆層がセラミツク化するよう
にした耐熱絶縁電線を提案している。この提案の
電線はオーバーコート層の樹脂の耐熱温度以下の
通常の使用条件下では未焼成の複合被覆層の上に
オーバーコート層が設けられた状態となつている
ため従来の通常の有機質エナメル絶縁電線と同様
に取扱うことができ、使用中に樹脂の耐熱温度以
上の高温に曝された場合にはじめて複合被覆層が
セラミツク化されてセラミツク絶縁電線としての
高い耐熱特性を示す。しかしながらこの提案の耐
熱絶縁電線においても、高い絶縁破壊電圧を得よ
うとして複合被覆層を厚くすれば、巻付加工時な
どにおいて被覆層の外側部分の変形量が大きくな
つて可撓性が低下する問題が生じるばかりでな
く、巻付加工などの際における圧縮力によつて被
覆層が変形してその部分の被覆層が薄くなつてし
まい、また巻付加工後の使用中において高温で焼
成される際においても線材の熱膨張や樹脂の分解
過程で被覆層が軟質化することに起因して圧縮応
力等により被覆層が変形して薄くなり、そのため
充分な絶縁破壊電圧が得られなくなる問題があ
り、さらに可撓性を改善する目的で被覆層の樹脂
分を多くすれば被覆層が軟化して、述のような圧
縮応力等による変形が一層生じやすくなつて、結
局は高い絶縁破壊電圧が得られなくなつてしまう
問題があつた。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、前記提案と同様に使用時の高温によりはじめ
てセラミツク化するように構成するとともに、可
撓性および密着性が良好でしかも高い絶縁破壊電
圧が得られるようにした耐熱絶縁電線を提供する
ことを目的とするものである。 すなわちこの出願の第1発明の耐熱絶縁電線
は、導体上にガラス繊維等の無機物繊維が巻付け
られかつその無機物繊維の間に無機質微粉末とシ
リコーン系樹脂等の無機高分子とからなる混合物
が含浸されて複合被覆層が形成され、さらにその
複合被覆層の上に有機質樹脂を主成分とするオー
バーコート層が形成されて、高温時に前記複合被
覆層中の混合物がセラミツク化するようにしたも
のである。また第2発明は、導体上に前記同様の
混合物からなる内層が形成され、その内層の上に
前記同様のガラス樹脂等の無機物繊維および混合
物からなる複合被覆層が形成され、さらにその上
に前記同様のオーバーコート層が形成されて、高
温時に前記内層および複合被覆層中の混合物がセ
ラミツク化するようにしたものである。 以下この発明の耐熱絶縁電線につきより詳細に
説明すると、第2図および第3図は第1発明の耐
熱絶縁電線の一例を示すものであつて、導体1は
銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム
合金線、コンスタンタン線、銀線、金線、白金
線、ステンレス鋼線、さらにはニツケルや銀等の
耐熱性金属もしくは合金のメツキ銅線やクラツド
銅線等の良導電性金属線、望ましくは耐熱性を有
する良導電性金属線からなるものである。この導
体1の上には、複数本のガラス繊維等の無機物繊
維3が巻付けられている。この無機物繊維3とし
ては通常の各種のガラス繊維やシリコンカーバイ
ド繊維やアスベスト繊維等を使用できるが、電気
絶縁性および耐熱性が高いものを使用することが
望ましく、その意味からアルカリ合有量の低いガ
ラスの繊維あるいは石英ガラスの繊維等を使用す
ることが望ましい。またガラス繊維等の無機物繊
維3は、長繊維のものをそのまま単繊維の状態で
巻付けても良く、あるいは短繊維もしくは長繊維
のガラス繊維等の無機物繊維を糸状に紡糸して巻
付けても良い。前者の如く、長繊維のガラス繊維
等をそのまま巻付ける場合、そのガラス繊維等の
太さは2μm〜20μm程度が望ましい。2μm未満で
は作業性に問題があり、また20μmを越えれば可
撓性が悪くなる欠点がある。また後者の如く、糸
状に紡糸されたガラス繊維等を巻付ける場合、そ
のガラス糸等の集束本数は20〜200程度が望まし
く、20未満では巻付け作業を行う上での工程上の
問題があり、200を越えればスラリーの含浸が難
かしくなる問題がある。 上述のようにして導体1の上に巻付けられたガ
ラス繊維等の無機物繊維3の間には少くとも無機
質微粉末と無機高分子との混合物4が含浸され、
これにより導体1上にはガラス繊維等の無機物繊
維3および前記混合物4からなる複合被覆層5が
形成されている。前記無機高分子は、複合被覆層
中の混合物におけるバインダとして作用し、しか
も異常時等の高温により焼成された場合の分解後
の生成物質が無機質微粉末の結合剤として作用し
てより強固なセラミツクを生成させる作用を果た
すものである。その無機高分子としては、各種の
シリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂、例えばシ
ロキサンとメチルメタクリレート、アクリロニト
リル等の有機モノマーとの共重合物、あるいはシ
リコーン樹脂とアルキツド樹脂、フエノール樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂との共重合物等
が使用され、さらにはSiとTi、B、Al、N、P、
Ge、As、Sb等の元素を1種以上と酸素とを骨格
に持つた無機高分子、またはSiとTi、B、Al、
N、P、Ge、As、Sb等の元素の1種以上の元素
と酸素と炭素とを骨格に持つた無機高分子、さら
にはTi、B、Al、N、P、Ge、As、Sb等の元素
の1種以上と酸素とを骨格に持つた無機高分子、
またはこれらと前記有機モノマーや樹脂との共重
合物や混合物を使用することができるが、これら
の各種の無機高分子の内でも可撓性に優れかつ耐
熱温度以上では炭化水素基等が徐々に分解するタ
イプの無機高分子、例ばメチル−フエニルシリコ
ーン、ジフエニルシリコーン等の如く、耐熱性の
優れたシリコーン樹脂が最も適当である。なおガ
ラス繊維等の無機物繊維の間に含浸される混合物
中のバインダとしては上述のようなシリコーン樹
脂等の無機高分子を単独で用いても良いが、特に
機械的強度等を配慮して前記無機高分子の他に有
機高分子、例えばエポキシ樹脂、ポリカーボネー
ト、フエノール樹脂等を混合して用いることもで
きる。 また前記無機高分子と混合される無機質微粉末
としては、バインダ物質の分解温度附近で半融ま
たは溶融しないものであつて、電気的特性特に絶
縁特性が優れたものを用いるここが望ましい。例
えば結晶質粉末、ガラス質粉末、またはこれらの
混合粉末が使用され、より具体的には、アルミナ
(Al2O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン
酸カルシウム(CaTiO3)、チタン酸鉛
(PbTiO3)、ジルコン(ZrSiO4)、ジルコン酸バ
リウム(BaZrO3)、ステアタイト(MgSiO3)、
シリカ(SiO2)、ベリリア(BeO)、ジルコニア
(ZrO2)、マグネシア(MgO)、クレー、モンモ
リロナイト、ベントナイト、カオリン、あるいは
通常のガラスフリツト、マイカ等の酸化物、ボロ
ンナイトライト(BN)、窒化ケイ素等の窒化物、
またはこれらの混合物等が使用される。これらの
無機質微粉末の粒径は、ガラス繊維の径や導体の
径に応じて適宜の径のものが使用されるが、通常
は10μm以下のものが好ましい。なお前記ガラス
繊維等の無機物繊維間に含浸される無機質微粉末
と無機高分子との混合物、または無機質微粉末と
無機高分子とその他の樹脂とからなる混合物は、
無機質微粉末に対し無機高分子やその他の樹脂か
らなるバインダが少な過ぎれば複合被覆層の可撓
性が低下してコイル巻加工が困難となり、逆にバ
インダが多過ぎれば使用時において高温に急速加
熱された場合にバインダ樹脂の分解に伴つて発生
するガス量が多くなるため混合物が部分的に飛ば
され、その結果電気的特性(絶縁特性)が低下す
るおそれがある。これらの理由から、混合物の配
合比は無機質微粉末100重量部に対し無機高分子
が10〜200重量部、好ましくは20〜60重量部とな
るように決定する。 上述のような混合物をガラス繊維等の無機物繊
維の間に含浸させるための具体的方法としては、
前記混合物もしくはその混合物にさらに希釈剤を
加えて溶液状になした混合物を用い、その混合物
を塗布もしくは吹付けしながら無機物繊維を巻付
けたり、あるいは混合物中において無機物繊維を
導体上に巻付けたり、あるいはまた導体上に無機
物繊維を巻付けた後にそれを混合物中に浸漬させ
るか、もしくは無機物繊維巻付工程の中途におい
て何回か混合物中に浸漬する方法等を採用するこ
とができる。なお前述のように無機質微粉末と無
機高分子と必要に応じて加えられる他の樹脂から
なる混合物を溶液状にするための希釈剤は、無機
高分子100重量部に対し20〜300重量部程度加えれ
ば良く、またその希釈剤としては前記無機高分子
よりも低重合度のポリシロキサン、低重合度の各
種変性シロキサン、その他の低重合度の無機高分
子、低重合度の有機ポリマー、あるいはキシレ
ン、トルエン等の有機溶剤などが用いられる。こ
の希釈剤が多過ぎれば、混合物中において無機質
微粉末は沈降し易くなり、その逆に希釈剤が少な
過ぎれば混合物の粘度が高くなり、いずれの場合
も混合物を均一に含漬させることが困難となるか
ら、希釈剤の配合比を前述のように定めるのが適
当である。 上述のようにして導体上のガラス繊維等の無機
物繊維の間に含浸された混合物は、希釈剤を揮発
させるか、さらに加熱により硬化もしくは半硬化
させる。加熱により硬化もしくは半硬化させる場
合、その加熱温度は使用する無機高分子の種類に
よつて異なるが、通常は150〜500℃程度、好まし
くは200〜400℃程度で良い。 なお、ガラス繊維等の無機物繊維と前述の混合
物とからなる複合被覆層の全厚みは、15μm未満
では高温使用時の絶縁性能が不足するから15μm
以上とすることが望ましい。またその全厚みは、
この発明の電線では後述する如く密着性および可
撓性を低下させるとなく従来のセラミツク絶縁電
線よりも相当に厚くすることが可能であるが、通
常はスペースフアクタ等と考慮してその上限を1
mm以下とすることが望ましい。また複合被覆層中
のガラス繊維等の無機物繊維の占積率(無機物繊
維の体積/無機物繊維の体積+前記混合物の体
積)は、無機物繊維の巻付時の張力等によつて変
動するが、通常は30%〜70%とすることが望まし
い。 上述のようにして形成された複合被覆層5の上
に第2図、第3図に示すように有機質の樹脂から
なるオーバーコート層6を形成することにより第
1発明の耐熱絶縁電線が得られる。このオーバー
コート層は、主としてコイル巻加工等の成形加工
時において複合被覆層を保護するためのもので、
具体的には、コイル巻加工等の成形加工時におけ
る線同士の摩擦や対物摩擦から複合被覆層を保護
して加工特性を良好にするためのものである。し
たがつてオーバーコート層に使用される樹脂とし
ては、成形加工に充分耐え得る程度の可撓性と耐
摩耗性を有し、かつ通常の使用温度における長時
間の使用に耐え得る程度の耐熱性を有することが
必要である。そして使用中の異常時等に特に急速
に温度上昇するような使用条件下では、オーバー
コート層の樹脂として熱分解し易い樹脂を用いた
場合、急速な温度上昇に伴つて一時的に絶縁抵抗
が低下するおそれがあるから、そのような使用条
件下では温度上昇に伴つて急激に分解しないよう
な樹脂、例えば芳香族ポリアミド、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリヒ
ダントイン、ポリエステル、ポリパラバン酸、ポ
リスルフオン、フエノキシ樹脂等を使用すること
が望ましい。これに対し温度が急速に上昇しない
ような使用条件下、すなわちゆるやかに温度上昇
する場合や間歇的に温度上昇するような場合に
は、ウレタン樹脂、フツ素樹脂、ポリオレフイ
ン、脂肪族ポリアミド、ホルマール樹脂等を使用
できる。 そして上記オーバーコート層は、樹脂を溶液状
にして前述の複合被覆層の上に塗布したり、ある
いは樹脂を複合被覆層上に押出被覆したり、さら
には薄いテープ状のものを複合被覆層上に巻付け
たり縦添えしたりすることによつて形成される。
このようにテープ状のものを巻付ける場合、その
テープにテンシヨンを加えながら巻付けることが
望ましく、またテープ巻付けもしくはテープ縦添
え後にはテープの重なり合い部分を結合するため
適当な接着剤をコーテイングすることが望まし
い。そしてオーバーコート層の厚みは、1〜
100μm程度とすることが望ましい。1μm未満で
はコイル巻加工時等の摩擦に対して弱く、100μ
mを越えれば分解性が良くない樹脂を用いた場合
に分解時に複合被覆層の剥離を招くことがあり、
またスペースフアクタが低下する問題も生じる。 さらに前記オーバーコート層は、1種類の樹脂
を使用する場合に限らず、複数の樹脂を混合して
用いても良い。またそのオーバーコート層は、単
層構成とする場合に限らず、電線の使用目的に応
じて異なる樹脂層を多層に形成した構成としても
良く、例えば高い耐熱特性と耐摩耗性とを得るた
め、複合被覆層上に先ず耐熱軟特性の優れたポリ
イミド等の樹脂を被覆し、その上にポリアミドイ
ミド、ホルマール樹脂、ポリアミド等の機械的特
性に優れた樹脂を被覆しても良い。 以上詳述した第1発明の耐熱絶縁電線を電気機
器に使用する際には、通常はコイル巻加工等の成
形加工が行なわれる。この際、導体上に形成され
ている複合被覆層中のガラス繊維等の無機物繊維
間の混合物は未だセラミツク化されておらずしか
もその複合被覆層の上に可撓性を有する樹脂がオ
ーバーコートされているから、コイル巻加工にお
いては導体の湾曲に伴つて無機物繊維が湾曲方向
にずれてその湾曲方向に隣り合う無機物繊維の相
互間の間隔が容易に変化し、かつその無機物繊維
間を埋めているセラミツク化されていない前記混
合物が容易に変形し、さらに複合被覆層上のオー
バーコート層も容易に変形し、したがつて従来の
通常の有機質エナメル絶縁電線に近い可撓性を示
すから、小径のコイル巻加工も容易に行うことが
できる。そしてまた複合被覆層はその中の無機物
繊維が導体上に巻付けられて導体上に拘束されて
いるためコイル巻加工時における導体の湾曲によ
り複合被覆層が導体から剥離されてしまうことが
防止され、しかもオーバーコート層により複合被
覆層が保護されているためコイル巻加工時の線同
士の摩擦や対物摩擦により複合被覆層が剥離して
しまうこともない。そして導体上の複合被覆層の
可撓性、密着性(耐剥離能)はその厚みが増して
もさほど低下しないため、複合被覆層を相当に厚
くして、後述するような高温時の絶縁破壊電圧を
相当程度まで高めることができる。さらに、コイ
ル巻加工等の成形後も特に人工的な焼成を行なわ
ないから巻枠等の巻付基材が焼成時の熱により変
形したり酸化したりするおそれがない。 そしてまたこの耐熱絶縁電線を無機高分子もし
くはオーバーコート樹脂の耐熱温度以下に常温に
近い温度で使用している場合には、複合被覆層中
の前記混合物はセラミツク化されておらずかつそ
の上にオーバーコート層がそのまま存在している
から、その機械的特性は従来の通常の有機質エナ
メル絶縁電線と同様であり、したがつて機械的な
振動が加わる状態で使用しても絶縁被覆が剥離し
たりすることがなく、またその電気的特性も従来
の通常の有機質エナメル絶縁電線と同程度とな
る。したがつて通常の使用温度が無機高分子もし
くはオーバーコート層の樹脂の耐熱温度以下とな
るような電気機器に対しては従来の有機質エナメ
ル絶縁電線とほぼ同様に使用することができる。 一方、電気機器の異常の発生等により急速に温
度上昇した場合、オーバーコート層の樹脂が分解
消失するとともに複合被覆層のガラス繊維等の無
機物繊維間の混合物中の無機高分子がシリカやシ
リカと他の酸化物との複合酸化物その他の無機物
等が生成され、これらの無機物等が無機質微粉末
の結合剤として作用して無機物繊維間に強固なセ
ラミツク層が形成される。このようにして生成さ
れたセラミツク層は高温での電気的特性(絶縁特
性)がきわめて良好であり、したがつて急速に温
度上昇した場合でもそのまま連続使用することが
可能となり、またオーバーコート層に使用される
樹脂を適切に選ぶことにより、通常の使用温度か
ら樹脂の耐熱温度以上の高温まで電気的特性が急
激に低下することなく使用することができる。な
お、前述のように複合被覆層の混合物中の無機高
分子は高温に温度上昇した場合の無機質分解生成
物質が無機質微粉末の結合剤として作用するか
ら、特に樹脂の分解温度附近で半溶融もしくは軟
化溶融するフリツトなどの結合剤を必要とせず、
高温に加熱された場合に著しく強固に結合された
セラミツク層を生成させることができる。また、
無機高分子は有機質の樹脂と比較し熱分解時のガ
ス発生が少ないため、熱分解性が悪い樹脂、特に
ポリイミド、ポリパラバン酸、芳香族ポリアミ
ド、ポリアミドイミド等をオーバーコートしても
複合被覆層の剥離等の問題を生じることがなく、
したがつて電気的特性を低下させることがないの
である。 次に第1発明の実施例および比較例を記す。 実施例 1 外径2mmφのニツケルメツキ銅線を導体として
用い、その導体上に平均外径7μmのSiO2−Al2O3
−B2O3−MgO−Na2O系のガラス繊維を巻付け、
かつ平均粒径5μmのアルミナ72重量部とメチル
フエニルシリコーンワニス28重量部(樹脂分)と
キシレン32重量部とからなる混合物を前記ガラス
繊維間に含浸させ、350〜450℃にて4分間加熱し
て厚さ71μmの複合被覆層を形成した。さらにこ
の複合被覆層の上に第1層としてポリイミド樹脂
を18μm、第2層としてホルマール樹脂を6μmの
厚みでオーバーコートして最終的に外径2.19mmφ
の絶縁電線を得た。なお複合被覆層中のガラス繊
維の占積率(vol%)は62%であつた。 比較例 1 実施例1と同様のシリコーンワニスとアルミナ
の混合物を2.0mmφのニツケルメツキ線に26μmの
厚さで被覆し、さらにその上に実施例1と同様に
してポリイミドとホルマール樹脂をそれぞれ13μ
mと7μmの厚さに形成した耐熱絶縁電線を得た。 実施例1および比較例1の耐熱絶縁電線をそれ
ぞれ2本直角に重ねて平板上に置き、交差した部
分に垂錘を載せて、室温および500℃×5時間保
持してセラミツク化させたときのそれぞれの状態
における圧縮応力による影響を調べた結果を第1
表に示す。
気機器の巻線や配線等に使用される耐熱性を有す
る絶縁電線に関するものである。 最近に至り、原子炉の炉心近傍で使用される絶
縁電線等、高温雰囲気で使用される絶縁電線とし
て、第1図に示すように銅もしくは銅合金、アル
ミニウムもしくはアルミニウム合金、コンスタン
タン、銀、金、白金、ステンレス等の良導電性の
金属導体1の上に、Na2O、PbO、B2O3、
Al2O3、MgO2、SiO2、TiO等のセラミツクを主
成分する無機絶縁物層2を塗布・焼成してなる無
機絶縁電線が使用されるようになつている。しか
しながら焼成されたセラミツクは通常は極めて硬
くて脆いから、セラミツクを主成分する無機絶縁
電線は可撓性が著しく乏しく、殆んど曲げ加工
(コイル巻加工)等の成形加工が困難である。 そこで最近に至り、フリツト等の無機物粉末と
1〜2%程度の少量の有機質バインダ物質とから
なる被覆層を導体上に形成し、その被覆層が未だ
セラミツク化していない未焼成の半製品の段階で
コイル巻加工等の成形加工を行ない、その後高温
で焼成して塗膜層をセラミツク化する方法が提
案・実用化されている。しかしながらセラミツク
を主成分とする無機絶縁層は未焼成の段階(すな
わち塗布しただけの状態)ではある程度の可撓性
を有するものの、その範囲は外径の数十倍径位に
限られており、絶縁物層の厚みが厚くなれば可撓
性が著しく低下してしまう。また上述のように無
機絶縁物層の厚みが厚くなれば未焼成の段階での
絶縁物層の導体に対する密着性が低下するのみな
らず、特に焼成後の密着性が著しく低下して、絶
縁物層が剥離したりするおそれがあり、これらの
可撓性、密着性の点から無機絶縁物層の厚みは通
常は20μm程度以下に抑えられている。 一方、通常ヒートシヨツクなどを考慮して製造
された無機絶縁物層は本質的にポーラスであつて
内部に無数の空隙を有しており、したがつてその
無機絶縁物層の絶縁破壊電圧(B.D.V)は空隙の
破壊電圧と等価となる。空隙の破壊電圧は30V/
μm程度であるから、無機絶縁物層の絶縁破壊電
圧V(ボルト)は、無機絶縁物層の厚みをt(μ
m)とすれば次式で表わせる。 V=30t ここで無機絶縁物層の厚みtは、前述のように
20μm以下に制限されるから、絶縁破壊電圧Vは
500ボルト以下の値に制約されることになる。 上述のように従来の無機絶縁電線においては、
可撓性および密着性の点から無機絶縁物層の厚み
が制約されて、高い絶縁破壊電圧が得られない問
題があり、また逆に高い絶縁破壊電圧を得るため
に無機絶縁物層の厚みを厚くすれば可撓性、密着
性が低下するという、相反する問題があつた。 ところで、このような耐熱絶縁電線が使用され
る電気機器やその使用条件によつては、平常時は
セラミツク絶縁被覆を必要とするほど高温とはな
らず、異常時等にはじめてセラミツク絶縁被覆を
要する程度の高温となるような場合があり、その
ような条件に適応できる耐熱絶縁電線の開発が要
望されていた。そこでこの発明の発明者等は既に
特願昭53−152647号(特開昭55−80209号)等に
おいて、導体上に無機質微粉末とシリコーン系樹
脂等の無機高分子との混合物からなる複合被覆層
を形成し、その複合被覆層の上に、可撓性や耐摩
耗特性等の機械的特性が良好な有機質樹脂を主成
分とするオーバーコート層を形成して、前記複合
被覆層を特に予め人工的な焼成熱処理によりセラ
ミツク化させておかず、使用中に高温に曝された
時にはじめて複合被覆層がセラミツク化するよう
にした耐熱絶縁電線を提案している。この提案の
電線はオーバーコート層の樹脂の耐熱温度以下の
通常の使用条件下では未焼成の複合被覆層の上に
オーバーコート層が設けられた状態となつている
ため従来の通常の有機質エナメル絶縁電線と同様
に取扱うことができ、使用中に樹脂の耐熱温度以
上の高温に曝された場合にはじめて複合被覆層が
セラミツク化されてセラミツク絶縁電線としての
高い耐熱特性を示す。しかしながらこの提案の耐
熱絶縁電線においても、高い絶縁破壊電圧を得よ
うとして複合被覆層を厚くすれば、巻付加工時な
どにおいて被覆層の外側部分の変形量が大きくな
つて可撓性が低下する問題が生じるばかりでな
く、巻付加工などの際における圧縮力によつて被
覆層が変形してその部分の被覆層が薄くなつてし
まい、また巻付加工後の使用中において高温で焼
成される際においても線材の熱膨張や樹脂の分解
過程で被覆層が軟質化することに起因して圧縮応
力等により被覆層が変形して薄くなり、そのため
充分な絶縁破壊電圧が得られなくなる問題があ
り、さらに可撓性を改善する目的で被覆層の樹脂
分を多くすれば被覆層が軟化して、述のような圧
縮応力等による変形が一層生じやすくなつて、結
局は高い絶縁破壊電圧が得られなくなつてしまう
問題があつた。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、前記提案と同様に使用時の高温によりはじめ
てセラミツク化するように構成するとともに、可
撓性および密着性が良好でしかも高い絶縁破壊電
圧が得られるようにした耐熱絶縁電線を提供する
ことを目的とするものである。 すなわちこの出願の第1発明の耐熱絶縁電線
は、導体上にガラス繊維等の無機物繊維が巻付け
られかつその無機物繊維の間に無機質微粉末とシ
リコーン系樹脂等の無機高分子とからなる混合物
が含浸されて複合被覆層が形成され、さらにその
複合被覆層の上に有機質樹脂を主成分とするオー
バーコート層が形成されて、高温時に前記複合被
覆層中の混合物がセラミツク化するようにしたも
のである。また第2発明は、導体上に前記同様の
混合物からなる内層が形成され、その内層の上に
前記同様のガラス樹脂等の無機物繊維および混合
物からなる複合被覆層が形成され、さらにその上
に前記同様のオーバーコート層が形成されて、高
温時に前記内層および複合被覆層中の混合物がセ
ラミツク化するようにしたものである。 以下この発明の耐熱絶縁電線につきより詳細に
説明すると、第2図および第3図は第1発明の耐
熱絶縁電線の一例を示すものであつて、導体1は
銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム
合金線、コンスタンタン線、銀線、金線、白金
線、ステンレス鋼線、さらにはニツケルや銀等の
耐熱性金属もしくは合金のメツキ銅線やクラツド
銅線等の良導電性金属線、望ましくは耐熱性を有
する良導電性金属線からなるものである。この導
体1の上には、複数本のガラス繊維等の無機物繊
維3が巻付けられている。この無機物繊維3とし
ては通常の各種のガラス繊維やシリコンカーバイ
ド繊維やアスベスト繊維等を使用できるが、電気
絶縁性および耐熱性が高いものを使用することが
望ましく、その意味からアルカリ合有量の低いガ
ラスの繊維あるいは石英ガラスの繊維等を使用す
ることが望ましい。またガラス繊維等の無機物繊
維3は、長繊維のものをそのまま単繊維の状態で
巻付けても良く、あるいは短繊維もしくは長繊維
のガラス繊維等の無機物繊維を糸状に紡糸して巻
付けても良い。前者の如く、長繊維のガラス繊維
等をそのまま巻付ける場合、そのガラス繊維等の
太さは2μm〜20μm程度が望ましい。2μm未満で
は作業性に問題があり、また20μmを越えれば可
撓性が悪くなる欠点がある。また後者の如く、糸
状に紡糸されたガラス繊維等を巻付ける場合、そ
のガラス糸等の集束本数は20〜200程度が望まし
く、20未満では巻付け作業を行う上での工程上の
問題があり、200を越えればスラリーの含浸が難
かしくなる問題がある。 上述のようにして導体1の上に巻付けられたガ
ラス繊維等の無機物繊維3の間には少くとも無機
質微粉末と無機高分子との混合物4が含浸され、
これにより導体1上にはガラス繊維等の無機物繊
維3および前記混合物4からなる複合被覆層5が
形成されている。前記無機高分子は、複合被覆層
中の混合物におけるバインダとして作用し、しか
も異常時等の高温により焼成された場合の分解後
の生成物質が無機質微粉末の結合剤として作用し
てより強固なセラミツクを生成させる作用を果た
すものである。その無機高分子としては、各種の
シリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂、例えばシ
ロキサンとメチルメタクリレート、アクリロニト
リル等の有機モノマーとの共重合物、あるいはシ
リコーン樹脂とアルキツド樹脂、フエノール樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂との共重合物等
が使用され、さらにはSiとTi、B、Al、N、P、
Ge、As、Sb等の元素を1種以上と酸素とを骨格
に持つた無機高分子、またはSiとTi、B、Al、
N、P、Ge、As、Sb等の元素の1種以上の元素
と酸素と炭素とを骨格に持つた無機高分子、さら
にはTi、B、Al、N、P、Ge、As、Sb等の元素
の1種以上と酸素とを骨格に持つた無機高分子、
またはこれらと前記有機モノマーや樹脂との共重
合物や混合物を使用することができるが、これら
の各種の無機高分子の内でも可撓性に優れかつ耐
熱温度以上では炭化水素基等が徐々に分解するタ
イプの無機高分子、例ばメチル−フエニルシリコ
ーン、ジフエニルシリコーン等の如く、耐熱性の
優れたシリコーン樹脂が最も適当である。なおガ
ラス繊維等の無機物繊維の間に含浸される混合物
中のバインダとしては上述のようなシリコーン樹
脂等の無機高分子を単独で用いても良いが、特に
機械的強度等を配慮して前記無機高分子の他に有
機高分子、例えばエポキシ樹脂、ポリカーボネー
ト、フエノール樹脂等を混合して用いることもで
きる。 また前記無機高分子と混合される無機質微粉末
としては、バインダ物質の分解温度附近で半融ま
たは溶融しないものであつて、電気的特性特に絶
縁特性が優れたものを用いるここが望ましい。例
えば結晶質粉末、ガラス質粉末、またはこれらの
混合粉末が使用され、より具体的には、アルミナ
(Al2O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン
酸カルシウム(CaTiO3)、チタン酸鉛
(PbTiO3)、ジルコン(ZrSiO4)、ジルコン酸バ
リウム(BaZrO3)、ステアタイト(MgSiO3)、
シリカ(SiO2)、ベリリア(BeO)、ジルコニア
(ZrO2)、マグネシア(MgO)、クレー、モンモ
リロナイト、ベントナイト、カオリン、あるいは
通常のガラスフリツト、マイカ等の酸化物、ボロ
ンナイトライト(BN)、窒化ケイ素等の窒化物、
またはこれらの混合物等が使用される。これらの
無機質微粉末の粒径は、ガラス繊維の径や導体の
径に応じて適宜の径のものが使用されるが、通常
は10μm以下のものが好ましい。なお前記ガラス
繊維等の無機物繊維間に含浸される無機質微粉末
と無機高分子との混合物、または無機質微粉末と
無機高分子とその他の樹脂とからなる混合物は、
無機質微粉末に対し無機高分子やその他の樹脂か
らなるバインダが少な過ぎれば複合被覆層の可撓
性が低下してコイル巻加工が困難となり、逆にバ
インダが多過ぎれば使用時において高温に急速加
熱された場合にバインダ樹脂の分解に伴つて発生
するガス量が多くなるため混合物が部分的に飛ば
され、その結果電気的特性(絶縁特性)が低下す
るおそれがある。これらの理由から、混合物の配
合比は無機質微粉末100重量部に対し無機高分子
が10〜200重量部、好ましくは20〜60重量部とな
るように決定する。 上述のような混合物をガラス繊維等の無機物繊
維の間に含浸させるための具体的方法としては、
前記混合物もしくはその混合物にさらに希釈剤を
加えて溶液状になした混合物を用い、その混合物
を塗布もしくは吹付けしながら無機物繊維を巻付
けたり、あるいは混合物中において無機物繊維を
導体上に巻付けたり、あるいはまた導体上に無機
物繊維を巻付けた後にそれを混合物中に浸漬させ
るか、もしくは無機物繊維巻付工程の中途におい
て何回か混合物中に浸漬する方法等を採用するこ
とができる。なお前述のように無機質微粉末と無
機高分子と必要に応じて加えられる他の樹脂から
なる混合物を溶液状にするための希釈剤は、無機
高分子100重量部に対し20〜300重量部程度加えれ
ば良く、またその希釈剤としては前記無機高分子
よりも低重合度のポリシロキサン、低重合度の各
種変性シロキサン、その他の低重合度の無機高分
子、低重合度の有機ポリマー、あるいはキシレ
ン、トルエン等の有機溶剤などが用いられる。こ
の希釈剤が多過ぎれば、混合物中において無機質
微粉末は沈降し易くなり、その逆に希釈剤が少な
過ぎれば混合物の粘度が高くなり、いずれの場合
も混合物を均一に含漬させることが困難となるか
ら、希釈剤の配合比を前述のように定めるのが適
当である。 上述のようにして導体上のガラス繊維等の無機
物繊維の間に含浸された混合物は、希釈剤を揮発
させるか、さらに加熱により硬化もしくは半硬化
させる。加熱により硬化もしくは半硬化させる場
合、その加熱温度は使用する無機高分子の種類に
よつて異なるが、通常は150〜500℃程度、好まし
くは200〜400℃程度で良い。 なお、ガラス繊維等の無機物繊維と前述の混合
物とからなる複合被覆層の全厚みは、15μm未満
では高温使用時の絶縁性能が不足するから15μm
以上とすることが望ましい。またその全厚みは、
この発明の電線では後述する如く密着性および可
撓性を低下させるとなく従来のセラミツク絶縁電
線よりも相当に厚くすることが可能であるが、通
常はスペースフアクタ等と考慮してその上限を1
mm以下とすることが望ましい。また複合被覆層中
のガラス繊維等の無機物繊維の占積率(無機物繊
維の体積/無機物繊維の体積+前記混合物の体
積)は、無機物繊維の巻付時の張力等によつて変
動するが、通常は30%〜70%とすることが望まし
い。 上述のようにして形成された複合被覆層5の上
に第2図、第3図に示すように有機質の樹脂から
なるオーバーコート層6を形成することにより第
1発明の耐熱絶縁電線が得られる。このオーバー
コート層は、主としてコイル巻加工等の成形加工
時において複合被覆層を保護するためのもので、
具体的には、コイル巻加工等の成形加工時におけ
る線同士の摩擦や対物摩擦から複合被覆層を保護
して加工特性を良好にするためのものである。し
たがつてオーバーコート層に使用される樹脂とし
ては、成形加工に充分耐え得る程度の可撓性と耐
摩耗性を有し、かつ通常の使用温度における長時
間の使用に耐え得る程度の耐熱性を有することが
必要である。そして使用中の異常時等に特に急速
に温度上昇するような使用条件下では、オーバー
コート層の樹脂として熱分解し易い樹脂を用いた
場合、急速な温度上昇に伴つて一時的に絶縁抵抗
が低下するおそれがあるから、そのような使用条
件下では温度上昇に伴つて急激に分解しないよう
な樹脂、例えば芳香族ポリアミド、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリヒ
ダントイン、ポリエステル、ポリパラバン酸、ポ
リスルフオン、フエノキシ樹脂等を使用すること
が望ましい。これに対し温度が急速に上昇しない
ような使用条件下、すなわちゆるやかに温度上昇
する場合や間歇的に温度上昇するような場合に
は、ウレタン樹脂、フツ素樹脂、ポリオレフイ
ン、脂肪族ポリアミド、ホルマール樹脂等を使用
できる。 そして上記オーバーコート層は、樹脂を溶液状
にして前述の複合被覆層の上に塗布したり、ある
いは樹脂を複合被覆層上に押出被覆したり、さら
には薄いテープ状のものを複合被覆層上に巻付け
たり縦添えしたりすることによつて形成される。
このようにテープ状のものを巻付ける場合、その
テープにテンシヨンを加えながら巻付けることが
望ましく、またテープ巻付けもしくはテープ縦添
え後にはテープの重なり合い部分を結合するため
適当な接着剤をコーテイングすることが望まし
い。そしてオーバーコート層の厚みは、1〜
100μm程度とすることが望ましい。1μm未満で
はコイル巻加工時等の摩擦に対して弱く、100μ
mを越えれば分解性が良くない樹脂を用いた場合
に分解時に複合被覆層の剥離を招くことがあり、
またスペースフアクタが低下する問題も生じる。 さらに前記オーバーコート層は、1種類の樹脂
を使用する場合に限らず、複数の樹脂を混合して
用いても良い。またそのオーバーコート層は、単
層構成とする場合に限らず、電線の使用目的に応
じて異なる樹脂層を多層に形成した構成としても
良く、例えば高い耐熱特性と耐摩耗性とを得るた
め、複合被覆層上に先ず耐熱軟特性の優れたポリ
イミド等の樹脂を被覆し、その上にポリアミドイ
ミド、ホルマール樹脂、ポリアミド等の機械的特
性に優れた樹脂を被覆しても良い。 以上詳述した第1発明の耐熱絶縁電線を電気機
器に使用する際には、通常はコイル巻加工等の成
形加工が行なわれる。この際、導体上に形成され
ている複合被覆層中のガラス繊維等の無機物繊維
間の混合物は未だセラミツク化されておらずしか
もその複合被覆層の上に可撓性を有する樹脂がオ
ーバーコートされているから、コイル巻加工にお
いては導体の湾曲に伴つて無機物繊維が湾曲方向
にずれてその湾曲方向に隣り合う無機物繊維の相
互間の間隔が容易に変化し、かつその無機物繊維
間を埋めているセラミツク化されていない前記混
合物が容易に変形し、さらに複合被覆層上のオー
バーコート層も容易に変形し、したがつて従来の
通常の有機質エナメル絶縁電線に近い可撓性を示
すから、小径のコイル巻加工も容易に行うことが
できる。そしてまた複合被覆層はその中の無機物
繊維が導体上に巻付けられて導体上に拘束されて
いるためコイル巻加工時における導体の湾曲によ
り複合被覆層が導体から剥離されてしまうことが
防止され、しかもオーバーコート層により複合被
覆層が保護されているためコイル巻加工時の線同
士の摩擦や対物摩擦により複合被覆層が剥離して
しまうこともない。そして導体上の複合被覆層の
可撓性、密着性(耐剥離能)はその厚みが増して
もさほど低下しないため、複合被覆層を相当に厚
くして、後述するような高温時の絶縁破壊電圧を
相当程度まで高めることができる。さらに、コイ
ル巻加工等の成形後も特に人工的な焼成を行なわ
ないから巻枠等の巻付基材が焼成時の熱により変
形したり酸化したりするおそれがない。 そしてまたこの耐熱絶縁電線を無機高分子もし
くはオーバーコート樹脂の耐熱温度以下に常温に
近い温度で使用している場合には、複合被覆層中
の前記混合物はセラミツク化されておらずかつそ
の上にオーバーコート層がそのまま存在している
から、その機械的特性は従来の通常の有機質エナ
メル絶縁電線と同様であり、したがつて機械的な
振動が加わる状態で使用しても絶縁被覆が剥離し
たりすることがなく、またその電気的特性も従来
の通常の有機質エナメル絶縁電線と同程度とな
る。したがつて通常の使用温度が無機高分子もし
くはオーバーコート層の樹脂の耐熱温度以下とな
るような電気機器に対しては従来の有機質エナメ
ル絶縁電線とほぼ同様に使用することができる。 一方、電気機器の異常の発生等により急速に温
度上昇した場合、オーバーコート層の樹脂が分解
消失するとともに複合被覆層のガラス繊維等の無
機物繊維間の混合物中の無機高分子がシリカやシ
リカと他の酸化物との複合酸化物その他の無機物
等が生成され、これらの無機物等が無機質微粉末
の結合剤として作用して無機物繊維間に強固なセ
ラミツク層が形成される。このようにして生成さ
れたセラミツク層は高温での電気的特性(絶縁特
性)がきわめて良好であり、したがつて急速に温
度上昇した場合でもそのまま連続使用することが
可能となり、またオーバーコート層に使用される
樹脂を適切に選ぶことにより、通常の使用温度か
ら樹脂の耐熱温度以上の高温まで電気的特性が急
激に低下することなく使用することができる。な
お、前述のように複合被覆層の混合物中の無機高
分子は高温に温度上昇した場合の無機質分解生成
物質が無機質微粉末の結合剤として作用するか
ら、特に樹脂の分解温度附近で半溶融もしくは軟
化溶融するフリツトなどの結合剤を必要とせず、
高温に加熱された場合に著しく強固に結合された
セラミツク層を生成させることができる。また、
無機高分子は有機質の樹脂と比較し熱分解時のガ
ス発生が少ないため、熱分解性が悪い樹脂、特に
ポリイミド、ポリパラバン酸、芳香族ポリアミ
ド、ポリアミドイミド等をオーバーコートしても
複合被覆層の剥離等の問題を生じることがなく、
したがつて電気的特性を低下させることがないの
である。 次に第1発明の実施例および比較例を記す。 実施例 1 外径2mmφのニツケルメツキ銅線を導体として
用い、その導体上に平均外径7μmのSiO2−Al2O3
−B2O3−MgO−Na2O系のガラス繊維を巻付け、
かつ平均粒径5μmのアルミナ72重量部とメチル
フエニルシリコーンワニス28重量部(樹脂分)と
キシレン32重量部とからなる混合物を前記ガラス
繊維間に含浸させ、350〜450℃にて4分間加熱し
て厚さ71μmの複合被覆層を形成した。さらにこ
の複合被覆層の上に第1層としてポリイミド樹脂
を18μm、第2層としてホルマール樹脂を6μmの
厚みでオーバーコートして最終的に外径2.19mmφ
の絶縁電線を得た。なお複合被覆層中のガラス繊
維の占積率(vol%)は62%であつた。 比較例 1 実施例1と同様のシリコーンワニスとアルミナ
の混合物を2.0mmφのニツケルメツキ線に26μmの
厚さで被覆し、さらにその上に実施例1と同様に
してポリイミドとホルマール樹脂をそれぞれ13μ
mと7μmの厚さに形成した耐熱絶縁電線を得た。 実施例1および比較例1の耐熱絶縁電線をそれ
ぞれ2本直角に重ねて平板上に置き、交差した部
分に垂錘を載せて、室温および500℃×5時間保
持してセラミツク化させたときのそれぞれの状態
における圧縮応力による影響を調べた結果を第1
表に示す。
【表】
第4図および第5図はこの出願の第2発明の耐
熱絶縁電線の一例を示すものであり、この場合に
は導体1の直上に、無機質微粉末100重量部と無
機高分子10〜200重量部からなる混合物が被覆さ
れて内層7が形成され、この内層7の上に前記第
1発明と同様にガラス繊維等の無機物繊維3が巻
付けられるとともにその無機物繊維3の間に前記
同様の混合物4が含浸されて無機物繊維3および
混合物4からなる複合被覆層5が形成され、さら
にこの複合被覆層5の上に第1発明と同様に有機
質の樹脂を主成分とするオーバーコート層6が形
成されている。この第2発明の場合も、無機高分
子や無機質微粉末、無機物繊維、オーバーコート
層の樹脂等としては第1発明の場合と同様なもの
が使用され、また複合被覆層5およびオーバーコ
ート層6の厚みも第1発明と同様であれば良い。
また内層7の厚みは5μm〜50μm程度が好まし
く、5μm未満では充分な接着が得られない場合
があり、また50μmを越えれば軟質化して圧縮変
形を受け易くなる。 上述の第2発明の耐熱絶縁電線を製造するため
には、先ず無機質微粉末100重量と無機高分子10
〜200重量部と必要に応じて加えられる希釈剤20
〜300重量部からなる混合物を導体上に塗布し、
希釈剤を揮発させるかまたはさらに加熱して硬化
もしくは半硬化させ、しかる後にガラス繊維等の
無機物繊維を巻付けるとともに第1発明と同様な
手段で前記同様な混合物を無機物繊維間に含浸さ
せ、以下第1発明の場合と同様になせば良い。 この第2発明の耐熱絶縁電線においても内層を
構成する前記混合物および複合被覆層中の前記混
合物は特に人工的な焼成によりセラミツク化され
ていないものであるが、使用中の異常時等の高温
により両者の混合物がセラミツク化する際には、
両者は一体結合化される。そしてこの第2発明の
耐熱絶縁電線においても前記第1発明のものと同
様な作用効果が得られる。 次に第2発明の実施例および比較例を記す。 実施例 2 外径2.0mmφのニツケルメツキ銅線を導体とし
て用い、その導体上にアルミナ68重量部とメチル
フエニルシリコーンワニス32重量部(樹脂分)、
キシレン30重量部とを主成分とした混合物を塗布
し、その後350〜450℃の温度で熱処理して厚さ
8μmの無機物粒子とシリコーン樹脂とからなる
内層を形成した。次いでこの上に平均粒径7μm
のガラス繊維を巻付けた後、前記の混合物を含浸
させ、350〜450℃の温度で熱処理して62μm厚の
複合被覆層を形成した。さらにこの上に芯線に張
力を加えながらオーバーコート層の第1層として
ポリイミド15μm、第2層としてアミドイミド7μ
mをそれぞれ形成し、最終的に2.182mmφの耐熱
電線を得た。 比較例 2 実施例2と同様のシリコーンワニスとアルミナ
からなる組成物を2.0mmφのニツケルメツキ銅線
に23μmの厚さに被覆し、さらにその上にオーバ
ーコート層としてポリイミド樹脂(第1層)とア
ミドイミド樹脂(第2層)をそれぞれ13μmと7μ
mの厚さに形成した耐熱電線を得た。 実施例2および比較例2の耐熱電線を用いて、
第1発明の実施例1および比較例1に対して行つ
たと同様な特性試験を行つた。その結果を第2表
に示す。
熱絶縁電線の一例を示すものであり、この場合に
は導体1の直上に、無機質微粉末100重量部と無
機高分子10〜200重量部からなる混合物が被覆さ
れて内層7が形成され、この内層7の上に前記第
1発明と同様にガラス繊維等の無機物繊維3が巻
付けられるとともにその無機物繊維3の間に前記
同様の混合物4が含浸されて無機物繊維3および
混合物4からなる複合被覆層5が形成され、さら
にこの複合被覆層5の上に第1発明と同様に有機
質の樹脂を主成分とするオーバーコート層6が形
成されている。この第2発明の場合も、無機高分
子や無機質微粉末、無機物繊維、オーバーコート
層の樹脂等としては第1発明の場合と同様なもの
が使用され、また複合被覆層5およびオーバーコ
ート層6の厚みも第1発明と同様であれば良い。
また内層7の厚みは5μm〜50μm程度が好まし
く、5μm未満では充分な接着が得られない場合
があり、また50μmを越えれば軟質化して圧縮変
形を受け易くなる。 上述の第2発明の耐熱絶縁電線を製造するため
には、先ず無機質微粉末100重量と無機高分子10
〜200重量部と必要に応じて加えられる希釈剤20
〜300重量部からなる混合物を導体上に塗布し、
希釈剤を揮発させるかまたはさらに加熱して硬化
もしくは半硬化させ、しかる後にガラス繊維等の
無機物繊維を巻付けるとともに第1発明と同様な
手段で前記同様な混合物を無機物繊維間に含浸さ
せ、以下第1発明の場合と同様になせば良い。 この第2発明の耐熱絶縁電線においても内層を
構成する前記混合物および複合被覆層中の前記混
合物は特に人工的な焼成によりセラミツク化され
ていないものであるが、使用中の異常時等の高温
により両者の混合物がセラミツク化する際には、
両者は一体結合化される。そしてこの第2発明の
耐熱絶縁電線においても前記第1発明のものと同
様な作用効果が得られる。 次に第2発明の実施例および比較例を記す。 実施例 2 外径2.0mmφのニツケルメツキ銅線を導体とし
て用い、その導体上にアルミナ68重量部とメチル
フエニルシリコーンワニス32重量部(樹脂分)、
キシレン30重量部とを主成分とした混合物を塗布
し、その後350〜450℃の温度で熱処理して厚さ
8μmの無機物粒子とシリコーン樹脂とからなる
内層を形成した。次いでこの上に平均粒径7μm
のガラス繊維を巻付けた後、前記の混合物を含浸
させ、350〜450℃の温度で熱処理して62μm厚の
複合被覆層を形成した。さらにこの上に芯線に張
力を加えながらオーバーコート層の第1層として
ポリイミド15μm、第2層としてアミドイミド7μ
mをそれぞれ形成し、最終的に2.182mmφの耐熱
電線を得た。 比較例 2 実施例2と同様のシリコーンワニスとアルミナ
からなる組成物を2.0mmφのニツケルメツキ銅線
に23μmの厚さに被覆し、さらにその上にオーバ
ーコート層としてポリイミド樹脂(第1層)とア
ミドイミド樹脂(第2層)をそれぞれ13μmと7μ
mの厚さに形成した耐熱電線を得た。 実施例2および比較例2の耐熱電線を用いて、
第1発明の実施例1および比較例1に対して行つ
たと同様な特性試験を行つた。その結果を第2表
に示す。
【表】
以上の各発明において、オーバーコート層は複
合被覆層に対し強固に接着されていないこと、換
言すれば耐熱絶縁電線に伸長、巻付けなどの力を
加えた場合に複合被覆層とオーバーコート層とが
それぞれ独立した形で変形され得るような状態
(以下この状態を“非接着状態”と記す)となつ
ていることが望ましい。このような非接着状態の
具体的な例としては、オーバーコート層が複合被
覆層に対しサヤ状に設けられている状態、あるい
はオーバーコート層が局部的に複合被覆層に接着
されて他の大部分が複合被覆層に接着されていな
い状態、あるいはオーバーコート層が非常に弱い
接着力で複合被覆層に接着されている状態などが
ある。このようにオーバーコート層を非接着状態
で形成するためには、オーバーコート層の樹脂と
して複合被覆層に対し接着性が悪いもの、例えば
複合被覆層中の無機高分子がシリコーン樹脂であ
る場合これと接着性が悪いポリイミド、テフロ
ン、アミドイミド樹脂等を使用し、これらの樹脂
を複合被覆層上に塗覆すれば良く、またこの場合
線心に伸長力を加えながら塗覆することが望まし
い。あるいはまた、複合被覆層上に潤滑性を有す
る微粉末例えばBN、MoS2、MoS3、WS2、
PbO、フツ化黒鉛、黒鉛、雲母等の無機物やフツ
素樹脂等の有機物を塗布しておき、その上からオ
ーバーコート層をコーテイングあるいは押出被覆
しても良い。さらにはオーバーコート層をその樹
脂のテープ状のものを複合被覆層上に巻付けるこ
とにより形成しても良く、この場合にはテープ巻
時のテンシヨンを調節することにより複合被覆層
上に強く締め付けられないようにして非接着状態
とすることができる。またイボ付テープのような
ものを用いても良い。これらのテープ巻の場合に
は必要に応じてテープの重なり部分を種々の方法
で接着することも行なわれる。さらに、オーバー
コート層として中空なチユーブ状のものを使用し
て、このチユーブを複合被覆層の外側に外挿して
も良く、この場合は短尺の耐熱絶縁電線に有効で
ある。また場合によつては、複合被覆層とオーバ
ーコート層との間にこれら両層の内少なくとも一
方の層に対し非接着性となる別の層を介在させ
て、オーバーコート層を非接着状態になしても良
い。 上述のようにオーバーコート層を非接着状態で
形成しておけば、コイル巻加工時に電線の湾曲半
径外側の複合被覆層が伸ばされた際にも、オーバ
ーコート層は複合被覆層に対し独立に伸ばされ、
したがつて複合被覆層に亀裂が生じてもオーバー
コート層はその全体の変形量がその樹脂自体の変
形限度内であれば亀裂が生じることがない。した
がつて耐熱絶縁電線全体としての加工性が極めて
良好となる。また、オーバーコート層が複合被覆
層に強固に接着されている場合と比較してそれほ
ど伸び特性や靭性が高くない樹脂をオーバーコー
ト層に用いても前述のように良好な加工特性が得
られることから、オーバーコート層に使用するこ
とができる樹脂の選択の幅が広く、したがつて使
用目的に応じた最適な樹脂を容易に選択すること
ができる。また異常時等の高温により複合被覆層
の混合物中の無機高分子などのバインダが分解し
て上記混合物がセラミツク化する際にオーバーコ
ート層が未だ分解消失していなくても、複合被覆
層からの分解ガスが複合被覆層とオーバーコート
層との間にトラツプされるから、急激な温度上昇
により分解が急速に進行した場合でもその分解ガ
スの発生によりオーバーコート層と複合被覆層が
吹き飛ばされてしまうような事態の発生を防止で
き、したがつてオーバーコート層に使用される樹
脂として、耐熱性に優れていて比較的分解消失し
にくい樹脂等、使用目的に応じた種々の樹脂を用
いることができる。 なお、上述のようにオーバーコート層を複合被
覆層に対し非接着状態で設ける場合のオーバーコ
ート層としては有機質樹脂(もしくはその混合
物)のみで構成しても良いが、異常時等に急速に
温度上昇した際の特性の点からは、有機質樹脂を
主成分とし、これに無機質微粉末を添加混合して
おくことが望ましい。 すなわち、オーバーコート層が高温で軟化溶融
し易い樹脂や収縮し易い樹脂で構成されている場
合、複合被覆層に対し非接着状態となるように形
成されたオーバーコート層が高温で軟化流動した
り収縮したりすることによつて、複合被覆層に接
着された状態に近い状態となつていまい、その結
果、複合被覆層中の混合物がセラミツク化して行
く過程で無機高分子からなるバインダ樹脂が分解
して発生するガスの放出が妨げられ、そのため急
激に高温状態に曝されれば複合被覆層が導体から
剥離したり飛んだりすることもある。そこで複合
被覆層に対し非接着状態で設けられるオーバーコ
ート層として、有機質の樹脂を主成分としこれに
無機質微粉末を添加した混合物を用いれば、急激
に高温状態に曝されて複合被覆層中の混合物のバ
インダの分解が急速に進行した場合でもオーバー
コート層の樹脂の軟化流動や収縮が抑制され、こ
れによりオーバーコート層が複合被覆層に対し接
着状態に近い状態となつてしまうことが防止さ
れ、したがつて前述の分解ガスが複合被覆層とオ
ーバーコート層との間にトラツプされ、複合被覆
層の飛びや剥離が防止されるのである。 このようにオーバーコート層に混合される無機
質微粉末としてはアルミナ(Al2O3)、チタン酸
バリウム(BaTiO3)、チタン酸カルシウム
(CaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン
(ZrSiO4)、ジルコン酸バリウム(BaZrO3)、ス
テアタイト(MgSiO3)、シリカ(SiO2)、ベリリ
ア(BeO)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア
(MgO)、クレー、ベントナイト、モンモリロナ
イト、カオリン、あるいは通常のガラスフリツ
ト、マイカ等の酸化物、ボロンナイトライド
(BN)、窒化ケイ素等の窒化物、さらにMoS2、
MoS3、WS2、PbO、フツ化黒鉛等も使用するこ
とができ、さらにはこれらの混合物を使用するこ
ともできる。これらの無機質微粉末の粒径は導体
の径に応じて適宜の大きさのものが使用される
が、通常は10μm以下のものが好ましい。また有
機質樹脂と無機質微粉末との配合比は、巻付加工
性などの機械的特性と耐熱特性とを考慮し、通常
は有機質樹脂100重量部に対し無機質微粉末0.1〜
50重量部となるようにすることが望ましい。無機
質微粉末がれより多過ぎれば可撓性が悪くなり、
逆に少な過ぎれば高温時におけるオーバーコート
層の軟化流動や収縮の抑制効果が充分ではなくな
るからである。 以上の通りこの発明の耐熱絶縁電線は、複合被
覆層のガラス繊維間の無機質微粉末および無機高
分子からなる混合物が人工的なある定められた条
件での焼成熱処理によりセラミツク化されておら
ず、使用中の高温時にはじめてセラミツク化され
るようにしたものであるから、人工的な焼成熱処
理による巻枠等の巻付基材の変形や酸化の問題が
生じるおそれがなく、しかも複合被覆層上に可撓
性を有する有機質樹脂を主体とするオーバーコー
ト層が設けられているから、通常の有機質エナメ
ル絶縁電線と同様にコイル巻加工等の成形加工を
容易に行うことができ、また樹脂の耐熱温度以下
であれば機械的な振動が加わる状態でも通常の有
機質エナメル絶縁電線と同様に長時間連続使用す
ることができ、しかも使用時の異常発生等により
高温に曝された場合には複合被覆層中の混合物が
セラミツク化するから電気的特性が急激に低下す
るおそれがなく、そのまま高温で連続使用するこ
とが可能である。 さらにまた特にこの出願の各発明では導体上に
直接もしくは間接に無機物繊維を巻付けてその無
機物繊維間に無機高分子および無機質微粉末から
なるセラミツク化し得る混合物を含浸させて複合
被覆層を形成しているから、複合被覆層の密着
性、可撓性が優れているとともに、巻付加工時や
使用中に大きな圧縮応力が加わる場合においても
複合被覆層が延ばされて薄くなるようなことがな
いから、複合被覆層の厚みを増して特に高温時の
絶縁破壊電圧を高めることができる効果が得られ
る。 また特に第2発明の耐熱絶縁電線においては、
無機質微粉末と無機高分子との混合物からなる薄
い内層を介して、第1発明と同様の無機物繊維と
前記混合物からなる複合被覆層が形成されてお
り、したがつて無機物繊維と導体との間に無機物
繊維の凹凸等に起因する隙間が生じることなく、
無機物繊維と導体との間が前記混合物の内層によ
り完全に充填された状態となるため、無機物繊維
の導体に対する密着性が第1発明の場合よりも一
層改善される。そのため第2発明の耐熱絶縁電線
では、巻線加工工程で線が極端に伸ばされて複合
被覆層の繊維が仮に破断してしまうような事態が
生じても、切断部分で複合被覆層全体が剥離して
導体が露出してしまうことを有効に防止し、絶縁
性を充分に確保することができる。また鉄芯など
の鋭角部分に巻付けられた場合でも、前述の混合
物からなる薄い内層が導体上に介在しているため
鋭角部分による応力集中を緩和し、複合被覆層繊
維の破断のおそれを少なくすることができる。そ
してまたこの第2発明の耐熱絶縁電線では、導体
上の混合物内層は使用中の異常時等の高温によつ
て外側の複合被覆層中の混合物と同時にセラミツ
ク化して、両者は一体結合されるから、セラミツ
ク化した状態でも無機物繊維の導体に対する密着
性は著しく高くなる。このように、第2発明の耐
熱絶縁電線においては、セラミツク化の前後を問
わず絶縁層の密着性がより一層良好となる効果が
得られる。
合被覆層に対し強固に接着されていないこと、換
言すれば耐熱絶縁電線に伸長、巻付けなどの力を
加えた場合に複合被覆層とオーバーコート層とが
それぞれ独立した形で変形され得るような状態
(以下この状態を“非接着状態”と記す)となつ
ていることが望ましい。このような非接着状態の
具体的な例としては、オーバーコート層が複合被
覆層に対しサヤ状に設けられている状態、あるい
はオーバーコート層が局部的に複合被覆層に接着
されて他の大部分が複合被覆層に接着されていな
い状態、あるいはオーバーコート層が非常に弱い
接着力で複合被覆層に接着されている状態などが
ある。このようにオーバーコート層を非接着状態
で形成するためには、オーバーコート層の樹脂と
して複合被覆層に対し接着性が悪いもの、例えば
複合被覆層中の無機高分子がシリコーン樹脂であ
る場合これと接着性が悪いポリイミド、テフロ
ン、アミドイミド樹脂等を使用し、これらの樹脂
を複合被覆層上に塗覆すれば良く、またこの場合
線心に伸長力を加えながら塗覆することが望まし
い。あるいはまた、複合被覆層上に潤滑性を有す
る微粉末例えばBN、MoS2、MoS3、WS2、
PbO、フツ化黒鉛、黒鉛、雲母等の無機物やフツ
素樹脂等の有機物を塗布しておき、その上からオ
ーバーコート層をコーテイングあるいは押出被覆
しても良い。さらにはオーバーコート層をその樹
脂のテープ状のものを複合被覆層上に巻付けるこ
とにより形成しても良く、この場合にはテープ巻
時のテンシヨンを調節することにより複合被覆層
上に強く締め付けられないようにして非接着状態
とすることができる。またイボ付テープのような
ものを用いても良い。これらのテープ巻の場合に
は必要に応じてテープの重なり部分を種々の方法
で接着することも行なわれる。さらに、オーバー
コート層として中空なチユーブ状のものを使用し
て、このチユーブを複合被覆層の外側に外挿して
も良く、この場合は短尺の耐熱絶縁電線に有効で
ある。また場合によつては、複合被覆層とオーバ
ーコート層との間にこれら両層の内少なくとも一
方の層に対し非接着性となる別の層を介在させ
て、オーバーコート層を非接着状態になしても良
い。 上述のようにオーバーコート層を非接着状態で
形成しておけば、コイル巻加工時に電線の湾曲半
径外側の複合被覆層が伸ばされた際にも、オーバ
ーコート層は複合被覆層に対し独立に伸ばされ、
したがつて複合被覆層に亀裂が生じてもオーバー
コート層はその全体の変形量がその樹脂自体の変
形限度内であれば亀裂が生じることがない。した
がつて耐熱絶縁電線全体としての加工性が極めて
良好となる。また、オーバーコート層が複合被覆
層に強固に接着されている場合と比較してそれほ
ど伸び特性や靭性が高くない樹脂をオーバーコー
ト層に用いても前述のように良好な加工特性が得
られることから、オーバーコート層に使用するこ
とができる樹脂の選択の幅が広く、したがつて使
用目的に応じた最適な樹脂を容易に選択すること
ができる。また異常時等の高温により複合被覆層
の混合物中の無機高分子などのバインダが分解し
て上記混合物がセラミツク化する際にオーバーコ
ート層が未だ分解消失していなくても、複合被覆
層からの分解ガスが複合被覆層とオーバーコート
層との間にトラツプされるから、急激な温度上昇
により分解が急速に進行した場合でもその分解ガ
スの発生によりオーバーコート層と複合被覆層が
吹き飛ばされてしまうような事態の発生を防止で
き、したがつてオーバーコート層に使用される樹
脂として、耐熱性に優れていて比較的分解消失し
にくい樹脂等、使用目的に応じた種々の樹脂を用
いることができる。 なお、上述のようにオーバーコート層を複合被
覆層に対し非接着状態で設ける場合のオーバーコ
ート層としては有機質樹脂(もしくはその混合
物)のみで構成しても良いが、異常時等に急速に
温度上昇した際の特性の点からは、有機質樹脂を
主成分とし、これに無機質微粉末を添加混合して
おくことが望ましい。 すなわち、オーバーコート層が高温で軟化溶融
し易い樹脂や収縮し易い樹脂で構成されている場
合、複合被覆層に対し非接着状態となるように形
成されたオーバーコート層が高温で軟化流動した
り収縮したりすることによつて、複合被覆層に接
着された状態に近い状態となつていまい、その結
果、複合被覆層中の混合物がセラミツク化して行
く過程で無機高分子からなるバインダ樹脂が分解
して発生するガスの放出が妨げられ、そのため急
激に高温状態に曝されれば複合被覆層が導体から
剥離したり飛んだりすることもある。そこで複合
被覆層に対し非接着状態で設けられるオーバーコ
ート層として、有機質の樹脂を主成分としこれに
無機質微粉末を添加した混合物を用いれば、急激
に高温状態に曝されて複合被覆層中の混合物のバ
インダの分解が急速に進行した場合でもオーバー
コート層の樹脂の軟化流動や収縮が抑制され、こ
れによりオーバーコート層が複合被覆層に対し接
着状態に近い状態となつてしまうことが防止さ
れ、したがつて前述の分解ガスが複合被覆層とオ
ーバーコート層との間にトラツプされ、複合被覆
層の飛びや剥離が防止されるのである。 このようにオーバーコート層に混合される無機
質微粉末としてはアルミナ(Al2O3)、チタン酸
バリウム(BaTiO3)、チタン酸カルシウム
(CaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン
(ZrSiO4)、ジルコン酸バリウム(BaZrO3)、ス
テアタイト(MgSiO3)、シリカ(SiO2)、ベリリ
ア(BeO)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア
(MgO)、クレー、ベントナイト、モンモリロナ
イト、カオリン、あるいは通常のガラスフリツ
ト、マイカ等の酸化物、ボロンナイトライド
(BN)、窒化ケイ素等の窒化物、さらにMoS2、
MoS3、WS2、PbO、フツ化黒鉛等も使用するこ
とができ、さらにはこれらの混合物を使用するこ
ともできる。これらの無機質微粉末の粒径は導体
の径に応じて適宜の大きさのものが使用される
が、通常は10μm以下のものが好ましい。また有
機質樹脂と無機質微粉末との配合比は、巻付加工
性などの機械的特性と耐熱特性とを考慮し、通常
は有機質樹脂100重量部に対し無機質微粉末0.1〜
50重量部となるようにすることが望ましい。無機
質微粉末がれより多過ぎれば可撓性が悪くなり、
逆に少な過ぎれば高温時におけるオーバーコート
層の軟化流動や収縮の抑制効果が充分ではなくな
るからである。 以上の通りこの発明の耐熱絶縁電線は、複合被
覆層のガラス繊維間の無機質微粉末および無機高
分子からなる混合物が人工的なある定められた条
件での焼成熱処理によりセラミツク化されておら
ず、使用中の高温時にはじめてセラミツク化され
るようにしたものであるから、人工的な焼成熱処
理による巻枠等の巻付基材の変形や酸化の問題が
生じるおそれがなく、しかも複合被覆層上に可撓
性を有する有機質樹脂を主体とするオーバーコー
ト層が設けられているから、通常の有機質エナメ
ル絶縁電線と同様にコイル巻加工等の成形加工を
容易に行うことができ、また樹脂の耐熱温度以下
であれば機械的な振動が加わる状態でも通常の有
機質エナメル絶縁電線と同様に長時間連続使用す
ることができ、しかも使用時の異常発生等により
高温に曝された場合には複合被覆層中の混合物が
セラミツク化するから電気的特性が急激に低下す
るおそれがなく、そのまま高温で連続使用するこ
とが可能である。 さらにまた特にこの出願の各発明では導体上に
直接もしくは間接に無機物繊維を巻付けてその無
機物繊維間に無機高分子および無機質微粉末から
なるセラミツク化し得る混合物を含浸させて複合
被覆層を形成しているから、複合被覆層の密着
性、可撓性が優れているとともに、巻付加工時や
使用中に大きな圧縮応力が加わる場合においても
複合被覆層が延ばされて薄くなるようなことがな
いから、複合被覆層の厚みを増して特に高温時の
絶縁破壊電圧を高めることができる効果が得られ
る。 また特に第2発明の耐熱絶縁電線においては、
無機質微粉末と無機高分子との混合物からなる薄
い内層を介して、第1発明と同様の無機物繊維と
前記混合物からなる複合被覆層が形成されてお
り、したがつて無機物繊維と導体との間に無機物
繊維の凹凸等に起因する隙間が生じることなく、
無機物繊維と導体との間が前記混合物の内層によ
り完全に充填された状態となるため、無機物繊維
の導体に対する密着性が第1発明の場合よりも一
層改善される。そのため第2発明の耐熱絶縁電線
では、巻線加工工程で線が極端に伸ばされて複合
被覆層の繊維が仮に破断してしまうような事態が
生じても、切断部分で複合被覆層全体が剥離して
導体が露出してしまうことを有効に防止し、絶縁
性を充分に確保することができる。また鉄芯など
の鋭角部分に巻付けられた場合でも、前述の混合
物からなる薄い内層が導体上に介在しているため
鋭角部分による応力集中を緩和し、複合被覆層繊
維の破断のおそれを少なくすることができる。そ
してまたこの第2発明の耐熱絶縁電線では、導体
上の混合物内層は使用中の異常時等の高温によつ
て外側の複合被覆層中の混合物と同時にセラミツ
ク化して、両者は一体結合されるから、セラミツ
ク化した状態でも無機物繊維の導体に対する密着
性は著しく高くなる。このように、第2発明の耐
熱絶縁電線においては、セラミツク化の前後を問
わず絶縁層の密着性がより一層良好となる効果が
得られる。
第1図は従来のセラミツク系耐熱絶縁電線の一
例を示す断面図、第2図は第1発明の耐熱絶縁電
線の一例を示す切欠側面図、第3図は第2図の耐
熱絶縁電線の斜視図、第4図は第2発明の耐熱絶
縁電線の一例を示す切欠側面図、第5図は第4図
の耐熱絶縁電線の斜視図である。 1……導体、3……無機物繊維、4……混合
物、5……複合被覆層、6……オーバーコート
層、7……内層。
例を示す断面図、第2図は第1発明の耐熱絶縁電
線の一例を示す切欠側面図、第3図は第2図の耐
熱絶縁電線の斜視図、第4図は第2発明の耐熱絶
縁電線の一例を示す切欠側面図、第5図は第4図
の耐熱絶縁電線の斜視図である。 1……導体、3……無機物繊維、4……混合
物、5……複合被覆層、6……オーバーコート
層、7……内層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 導体上に無機物繊維が巻付けられるととも
に、その無機物繊維の間に無機質微粉末100重量
部および無機高分子10〜200部からなる混合物が
充填されて複合被覆層が形成され、さらにその複
合被覆層の上に有機質樹脂を主成分とするオーバ
ーコート層が形成されており、高温時には前記混
合物がセラミツク化されるようにしたことを特徴
とする耐熱絶縁電線。 2 導体上に無機質微粉末100重量部および無機
高分子10〜200重量部からなる混合物が被覆され
て内層が形成され、その内層の上に無機物繊維が
巻付けられるとともに、その無機物繊維の間に前
記同様の混合物が充填されて複合被覆層が形成さ
れ、さらにその複合被覆層の上に有機質樹脂を主
成分とするオーバーコート層が形成されており、
高温時には前記混合物がセラミツク化されるよう
にしたことを特徴とする耐熱絶縁電線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8604980A JPS5711413A (en) | 1980-06-25 | 1980-06-25 | Refractory insulated wire |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8604980A JPS5711413A (en) | 1980-06-25 | 1980-06-25 | Refractory insulated wire |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5711413A JPS5711413A (en) | 1982-01-21 |
| JPH0125166B2 true JPH0125166B2 (ja) | 1989-05-16 |
Family
ID=13875820
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8604980A Granted JPS5711413A (en) | 1980-06-25 | 1980-06-25 | Refractory insulated wire |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5711413A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS598215A (ja) * | 1982-07-05 | 1984-01-17 | 昭和電線電纜株式会社 | ガラス巻線 |
| JPH076568Y2 (ja) * | 1985-12-19 | 1995-02-15 | 古河電気工業株式会社 | 絶縁電線 |
| JPS63155509A (ja) * | 1986-12-17 | 1988-06-28 | タツタ電線株式会社 | 不燃電線の製造方法 |
| JPS63155510A (ja) * | 1986-12-17 | 1988-06-28 | タツタ電線株式会社 | 不燃電線の製造装置 |
| JPH03116514U (ja) * | 1990-03-08 | 1991-12-03 | ||
| US7077567B1 (en) * | 2005-04-11 | 2006-07-18 | Gendex Corporation | X-ray tubehead housing with slant-angle partition |
| WO2014102921A1 (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-03 | 株式会社 日立製作所 | 耐熱配線部品とその製造方法 |
| JP7482763B2 (ja) * | 2020-11-30 | 2024-05-14 | 日本特殊陶業株式会社 | コイル |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5268986A (en) * | 1975-12-05 | 1977-06-08 | Hitachi Ltd | Manufacturing method of heat-resistive and burning-resistive power cor d |
| JPS5278082A (en) * | 1975-12-23 | 1977-07-01 | Nitto Electric Ind Co | Insulated wire |
| JPS5580209A (en) * | 1978-12-12 | 1980-06-17 | Fujikura Ltd | Heattproof insulated wire |
-
1980
- 1980-06-25 JP JP8604980A patent/JPS5711413A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5711413A (en) | 1982-01-21 |
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| JPH0125166B2 (ja) | ||
| JPS6161526B2 (ja) | ||
| JPS6336086B2 (ja) | ||
| JPS6362041B2 (ja) | ||
| JPS6336084B2 (ja) | ||
| JPH0125167B2 (ja) | ||
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