JPH0132336B2 - - Google Patents
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- JPH0132336B2 JPH0132336B2 JP58141183A JP14118383A JPH0132336B2 JP H0132336 B2 JPH0132336 B2 JP H0132336B2 JP 58141183 A JP58141183 A JP 58141183A JP 14118383 A JP14118383 A JP 14118383A JP H0132336 B2 JPH0132336 B2 JP H0132336B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pile
- covering member
- pile body
- piles
- active layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Classifications
-
- E—FIXED CONSTRUCTIONS
- E02—HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
- E02D—FOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
- E02D5/00—Bulkheads, piles, or other structural elements specially adapted to foundation engineering
- E02D5/22—Piles
- E02D5/60—Piles with protecting cases
-
- E—FIXED CONSTRUCTIONS
- E02—HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
- E02D—FOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
- E02D27/00—Foundations as substructures
- E02D27/32—Foundations for special purposes
- E02D27/35—Foundations formed in frozen ground, e.g. in permafrost soil
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Mining & Mineral Resources (AREA)
- Paleontology (AREA)
- Civil Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Piles And Underground Anchors (AREA)
- Revetment (AREA)
Description
本発明は、寒冷地帯における構造物基礎のう
ち、杭基礎に関し、さらに詳しくは凍害防止杭に
関するものである。 永久凍土地帯あるいは季節凍土地帯といつた寒
冷地にパイプラインの架台その他各種の構造物を
建造する場合、活動層及び季節凍土層の凍着凍
上、融解沈下といつた凍害から構造物を保護する
ことが必要不可決である。このため各種の対策工
法が用いられているが、最も一般的なものは杭基
礎である。 ここに、永久凍土地帯とは、例えばアラスカ、
カナダ、シベリヤ等の如く、季節に関係なく年間
を通じて凍結している地層(以下永久凍土層とい
う)が分布している地域をいい、その年平均気温
は0℃以下である。活動層とは、地表から永久凍
土層までの部分で、年間の温度変化の影響を大き
く受け、冬季は凍結凍上し、夏季は融解沈下する
地層をいう。また季節凍上層とは、永久凍土層が
存在しない平均気温0℃以下の地域で、冬季は凍
結し、夏季は融解する地層をいう。なお、以下の
説明では、季節凍土層を活動層に含めることがあ
る。 ところで、寒冷地における杭基礎は、永久凍土
内まで根入れし、永久凍土と杭表面の間の凍着強
度によつて、上部構造物の自重、凍着凍上力及び
ネガテイブフリクシヨンに対杭しようとするもの
であり、このためには、永久凍土と杭間の確実な
凍着強度及び永久凍土内への杭の充分な根入長が
必要である。しかしながら、永久凍土層は必ずし
も均一な性質を有しておらず、土質、温度によつ
て凍着強度に大きな相違があるため、設計上は充
分な凍着強度を持つように永久凍土内に長く根入
れしても、現実に構造物が凍害を受けることがし
ばしばあり、安全率を上乗せした設計に基づいて
根入れ長をとらなければならないので、施工性及
び経済性に大きな問題がある。このような前提条
件があるため、その対策として、杭基礎に作用す
る凍着凍上力を軽減化するための幾つかの方法
が、従来考えられている。 第1図乃至第3図は永久凍土地帯及び季節凍土
地帯において、従来行なわれている杭基礎の凍着
凍上力低減方法を示すもので、第1図がサーマル
パイル方式、第2図が凍上防止杭方式、第3図が
凍着強度増大杭方式である。 第1図はサーマルパイル方式の一例を示す縦断
面図で、1は鋼管杭、コンクリート杭等からなる
杭体、2は凍着強度増大のため杭体1の外周に設
けた波付け、3は杭体1内に装入したヒートパイ
プ、4はラジエータである。5は永久凍土層、6
は活動層で、杭体1は活動層6と永久凍土層5に
設けられた掘削孔7内に根入れされ、砂スラリー
8により埋戻されている。なお、Hは杭体1の根
入長をまたhは活動層6の厚さを示す。 このようなサーマルパイル方式においては、根
入部分の永久凍土5の温度をヒートパイプ3によ
り、冬季間に強制的に冷却して冷熱を蓄えること
によつて、凍結融解厚さ(活動層6の厚さh)を
減少させ、これにより、凍着凍上防止力を大きく
しようとするものである。さらに、このサーマル
パイルは、夏季に上部構造からの入熱により、杭
体1の周面の永久凍土が融解するのを防止するこ
とができる。すなわち、サーマルパイル方式によ
れば、杭周囲の永久凍土の融解沈下に伴なつてネ
ガテイブフリクシヨンが杭に働くことと、冬季に
この融解部が凍結して杭に余分な凍着凍上力が働
くことを防止できる。 しかしなから、サーマルパイルは活動層6の層
厚hを多少薄くすることはできるが、凍着凍上力
とネガテイブフリクシヨンをそれほど低減するこ
とができず、依然として構造物の凍害を防ぐこと
はできない。例えば、使用開始1年目の冬には、
地盤深部温度の低下により、サーマルパイルを使
用しない場合よりもかえつて凍上量が増加し、大
きな凍着凍上力が発生することがある。また、2
年目以降も、活動層の温度低下が凍着凍上力を増
加させる傾向をもたらすことが考えられる。従来
の使用例では、サーマルパイルの永久凍土内への
根入長Hをかなり長くして凍害防止をはかつてお
り、施工性、経済性上からも問題がある。 凍止防止杭方式は、活動層と杭周面との間に、
杭と凍土間の付着を切るような材料を充填したも
ので、第2図aに示すものは、杭体1の外側にこ
れと同心的にケーシング9を配置して二重管方式
とし、杭体1とケーシング9との間を、濃度の高
いオイルとワツクスとの混合物10で満たし、ケ
ーシング9の外周を砂スラリー8で埋戻すことに
より、凍着凍上力を分離するようにしたものであ
る。なお、9aはケーシングの下端に設けたフラ
ンジである。また第2図bに示すものは、土、オ
イル及びワツクスを混合した材料10aを建込み
穴7の活動層6の部分の埋戻し材料として使用し
たものである。 このような凍上防止杭方式は、杭周面にオイル
とワツクス等の混合物を充填したり埋戻したりし
ているが、これは現地において施工しなければな
らず、そのための機械や装置を必要とするばかり
でなく、施工性の点でもあまり良好ではない。ま
た、オイルとワツクス等の混合物は、現場で埋戻
し可能な程度の流動性を有しているため、夏季に
埋戻し材料が周囲地盤へ浸透して分散し、このた
め再充填の必要が生じたり、凝固点降下のため永
久凍土を溶かすといつた環境破壊が生じる。加え
て、二重管方式では、活動層の凍結融解に伴なつ
てケーシングが持上りと沈下を起し、これが上部
構造に悪影響を及ぼすことがある。 第3図は、凍着強度増大杭方式を示すもので、
杭体1の永久凍土5内への根入部に、ノツチや波
付け2を設けることにより、永久凍土5と杭体1
との間の凍着強度を増加させ、活動層6の凍着凍
上力に対杭させるようにしたものである。 この方式では、杭体1の根入部の永久凍土の性
質が必ずしも均一でなく、凍着強度にばらつきが
生じること、ノツチや波付けの形状、間隔によつ
て凍着凍上力や変化するため、これによつて大き
な凍着強度を得るためには、端部の異形棒鋼状処
理等にかなりの精度の製作加工を必要とするなど
の問題がある。 また、凍害防止杭は、設置場所における活動層
6の厚さhに対応した長さのものを用いなければ
ならないが、活動層6の厚さhは、地域、場所等
によつて著しく相違するため、活動層6の厚さに
対応した各種長さの杭を準備しなければならな
い。 このようなことから、凍害防止杭を例えばパイ
プラインの架台として長距離に亘つて杭基礎を設
置する場合は、従来、各種長さの杭をあらかじめ
工場で作製し、現地へ輸送して活動層6の厚さに
対応した杭を選んで設置していた。このため梱包
が面倒であるばかりでなく、荷が大きくなつて輸
送が面倒であり、また大量生産に適さないためコ
ストが上昇し、工費の増大を来たす等の問題があ
つた。 本発明の目的は、上記のような従来の問題点を
解決すべくなされたもので、杭体の表面に固体被
膜を形成すると共に、活動層及び季節凍土層の凍
結によつて杭に作用する凍着凍上力を低減する部
材を杭体に付加することにより、上部構造が受け
る凍害を防止できる凍害防止杭を得るにある。 さらに本発明の他の目的は、活動層及び季節凍
土層の厚さに対応して杭の長さを調整でき、大量
生産が可能で梱包、輸送も容易であり、コストを
低減できる凍害防止杭を実現するにある。 本発明に係る凍害防止杭は、上記の目的を達成
するため、寒冷地において杭に作用する凍着凍上
力及びネガテイブフリクシヨンを低減する形式の
杭において、表面にあらかじめ固体被膜を形成し
てなる杭体に、少くとも一部に可伸縮部を有し活
動層又は季節凍土層の厚さ以上の長さの被覆部材
を嵌装してその下端部を前記活動層若しくは季節
凍土層の底部付近又はその下方において、また必
要に応じて上端部を地表面より上方において前記
杭体に固定し、前記固体被膜と被覆部材とで形成
する空間に気体、液体などの流動性物質を充填し
たことを特徴とし、また、通常の杭を複数本に切
断した長さを有し表面にあらかじめ固体被膜を形
成してなる杭体に、可伸縮部からなる被覆部材を
嵌装してその上下端部を前記杭体の上下端部より
内側に固定し、前記固体被膜と被覆部材とで形成
する空間に気体、流体などの流動性物質を充填し
て杭部材を構成し、該杭部材を活動層又は季節凍
土層の厚さに対応して適宜連結したことを特徴と
するものである。以下図面を参照して本発明を説
明する。 第4図は本発明実施例の縦断面図である。な
お、第1図乃至第3図と同じ部分には同じ符号を
付し、説明を省略する。図において、1は杭体
で、その表面、好ましくは活動層6の厚さよりや
や長い範囲には、あらかじめ一様の厚さの固体被
膜1aが吹付け塗装その他の手段により形成して
ある。11は中間に蛇腹状の可伸縮部12を有
し、その上下に円筒部13,14が設けられた被
覆部材で、上方の円筒部13は地表面よりできる
だけ上方において、また下方の円筒部14は活動
層6と永久凍土層5との境界付近又はその下方に
おいて、それぞれ固定部材15,16により杭体
1に水密に固定されている。17は杭体1の固体
被膜1aと被覆部材11とで形成する空間に充填
された流動性物質である。 第6図aは被覆部材11の可伸縮部12の要部
拡大図で、無負荷状態におけるXYZとXZとの比
は、活動層6の厚さhの年間を通じての最大値と
最小値との比より大きければよく、また可伸縮部
12の形状は、Sinカーブ、円弧等のほか、b図
に示すような直線状でもよい。なお、被覆部材1
1の最小径部(X・Z)は、流動性物質17の充
填量を少なくするため固体被覆1aと接触させる
ことが望ましいが、特に限定するものではなく、
離れていてもよい。 本発明に使用する固体被膜1aは、被覆部材
11に対する摩擦係数が杭体1の被覆部材11に
対する摩擦係数より小さく、かつ杭体表面に塗
覆装できることを条件とし、これらの条件を満足
するものとして、その代表例を表1に示す。 また、本発明に使用する被覆部材11は、地域
により変動はあるが、一般に、常温から−50℃
程度の低温まで脆性破壊を生じないこと、回復
可能な変位が活動層6の凍結上凍上量(h1−h)
より大きいこと、及び流動性物質により劣化ま
たは腐食しないことを条件とし、これらの条件を
満足するものとして、その代表例を表2に示す。 さらに、流動性物質17は、地域により変動は
あるが、一般に、常温から−50℃程度の低温ま
で流動挙動を示し、杭体1及び被覆部材11を
劣化させたり腐食したりしない物質であることを
条件とし、これらの条件を満たすものとして、そ
の代表例を第3表に示す。
ち、杭基礎に関し、さらに詳しくは凍害防止杭に
関するものである。 永久凍土地帯あるいは季節凍土地帯といつた寒
冷地にパイプラインの架台その他各種の構造物を
建造する場合、活動層及び季節凍土層の凍着凍
上、融解沈下といつた凍害から構造物を保護する
ことが必要不可決である。このため各種の対策工
法が用いられているが、最も一般的なものは杭基
礎である。 ここに、永久凍土地帯とは、例えばアラスカ、
カナダ、シベリヤ等の如く、季節に関係なく年間
を通じて凍結している地層(以下永久凍土層とい
う)が分布している地域をいい、その年平均気温
は0℃以下である。活動層とは、地表から永久凍
土層までの部分で、年間の温度変化の影響を大き
く受け、冬季は凍結凍上し、夏季は融解沈下する
地層をいう。また季節凍上層とは、永久凍土層が
存在しない平均気温0℃以下の地域で、冬季は凍
結し、夏季は融解する地層をいう。なお、以下の
説明では、季節凍土層を活動層に含めることがあ
る。 ところで、寒冷地における杭基礎は、永久凍土
内まで根入れし、永久凍土と杭表面の間の凍着強
度によつて、上部構造物の自重、凍着凍上力及び
ネガテイブフリクシヨンに対杭しようとするもの
であり、このためには、永久凍土と杭間の確実な
凍着強度及び永久凍土内への杭の充分な根入長が
必要である。しかしながら、永久凍土層は必ずし
も均一な性質を有しておらず、土質、温度によつ
て凍着強度に大きな相違があるため、設計上は充
分な凍着強度を持つように永久凍土内に長く根入
れしても、現実に構造物が凍害を受けることがし
ばしばあり、安全率を上乗せした設計に基づいて
根入れ長をとらなければならないので、施工性及
び経済性に大きな問題がある。このような前提条
件があるため、その対策として、杭基礎に作用す
る凍着凍上力を軽減化するための幾つかの方法
が、従来考えられている。 第1図乃至第3図は永久凍土地帯及び季節凍土
地帯において、従来行なわれている杭基礎の凍着
凍上力低減方法を示すもので、第1図がサーマル
パイル方式、第2図が凍上防止杭方式、第3図が
凍着強度増大杭方式である。 第1図はサーマルパイル方式の一例を示す縦断
面図で、1は鋼管杭、コンクリート杭等からなる
杭体、2は凍着強度増大のため杭体1の外周に設
けた波付け、3は杭体1内に装入したヒートパイ
プ、4はラジエータである。5は永久凍土層、6
は活動層で、杭体1は活動層6と永久凍土層5に
設けられた掘削孔7内に根入れされ、砂スラリー
8により埋戻されている。なお、Hは杭体1の根
入長をまたhは活動層6の厚さを示す。 このようなサーマルパイル方式においては、根
入部分の永久凍土5の温度をヒートパイプ3によ
り、冬季間に強制的に冷却して冷熱を蓄えること
によつて、凍結融解厚さ(活動層6の厚さh)を
減少させ、これにより、凍着凍上防止力を大きく
しようとするものである。さらに、このサーマル
パイルは、夏季に上部構造からの入熱により、杭
体1の周面の永久凍土が融解するのを防止するこ
とができる。すなわち、サーマルパイル方式によ
れば、杭周囲の永久凍土の融解沈下に伴なつてネ
ガテイブフリクシヨンが杭に働くことと、冬季に
この融解部が凍結して杭に余分な凍着凍上力が働
くことを防止できる。 しかしなから、サーマルパイルは活動層6の層
厚hを多少薄くすることはできるが、凍着凍上力
とネガテイブフリクシヨンをそれほど低減するこ
とができず、依然として構造物の凍害を防ぐこと
はできない。例えば、使用開始1年目の冬には、
地盤深部温度の低下により、サーマルパイルを使
用しない場合よりもかえつて凍上量が増加し、大
きな凍着凍上力が発生することがある。また、2
年目以降も、活動層の温度低下が凍着凍上力を増
加させる傾向をもたらすことが考えられる。従来
の使用例では、サーマルパイルの永久凍土内への
根入長Hをかなり長くして凍害防止をはかつてお
り、施工性、経済性上からも問題がある。 凍止防止杭方式は、活動層と杭周面との間に、
杭と凍土間の付着を切るような材料を充填したも
ので、第2図aに示すものは、杭体1の外側にこ
れと同心的にケーシング9を配置して二重管方式
とし、杭体1とケーシング9との間を、濃度の高
いオイルとワツクスとの混合物10で満たし、ケ
ーシング9の外周を砂スラリー8で埋戻すことに
より、凍着凍上力を分離するようにしたものであ
る。なお、9aはケーシングの下端に設けたフラ
ンジである。また第2図bに示すものは、土、オ
イル及びワツクスを混合した材料10aを建込み
穴7の活動層6の部分の埋戻し材料として使用し
たものである。 このような凍上防止杭方式は、杭周面にオイル
とワツクス等の混合物を充填したり埋戻したりし
ているが、これは現地において施工しなければな
らず、そのための機械や装置を必要とするばかり
でなく、施工性の点でもあまり良好ではない。ま
た、オイルとワツクス等の混合物は、現場で埋戻
し可能な程度の流動性を有しているため、夏季に
埋戻し材料が周囲地盤へ浸透して分散し、このた
め再充填の必要が生じたり、凝固点降下のため永
久凍土を溶かすといつた環境破壊が生じる。加え
て、二重管方式では、活動層の凍結融解に伴なつ
てケーシングが持上りと沈下を起し、これが上部
構造に悪影響を及ぼすことがある。 第3図は、凍着強度増大杭方式を示すもので、
杭体1の永久凍土5内への根入部に、ノツチや波
付け2を設けることにより、永久凍土5と杭体1
との間の凍着強度を増加させ、活動層6の凍着凍
上力に対杭させるようにしたものである。 この方式では、杭体1の根入部の永久凍土の性
質が必ずしも均一でなく、凍着強度にばらつきが
生じること、ノツチや波付けの形状、間隔によつ
て凍着凍上力や変化するため、これによつて大き
な凍着強度を得るためには、端部の異形棒鋼状処
理等にかなりの精度の製作加工を必要とするなど
の問題がある。 また、凍害防止杭は、設置場所における活動層
6の厚さhに対応した長さのものを用いなければ
ならないが、活動層6の厚さhは、地域、場所等
によつて著しく相違するため、活動層6の厚さに
対応した各種長さの杭を準備しなければならな
い。 このようなことから、凍害防止杭を例えばパイ
プラインの架台として長距離に亘つて杭基礎を設
置する場合は、従来、各種長さの杭をあらかじめ
工場で作製し、現地へ輸送して活動層6の厚さに
対応した杭を選んで設置していた。このため梱包
が面倒であるばかりでなく、荷が大きくなつて輸
送が面倒であり、また大量生産に適さないためコ
ストが上昇し、工費の増大を来たす等の問題があ
つた。 本発明の目的は、上記のような従来の問題点を
解決すべくなされたもので、杭体の表面に固体被
膜を形成すると共に、活動層及び季節凍土層の凍
結によつて杭に作用する凍着凍上力を低減する部
材を杭体に付加することにより、上部構造が受け
る凍害を防止できる凍害防止杭を得るにある。 さらに本発明の他の目的は、活動層及び季節凍
土層の厚さに対応して杭の長さを調整でき、大量
生産が可能で梱包、輸送も容易であり、コストを
低減できる凍害防止杭を実現するにある。 本発明に係る凍害防止杭は、上記の目的を達成
するため、寒冷地において杭に作用する凍着凍上
力及びネガテイブフリクシヨンを低減する形式の
杭において、表面にあらかじめ固体被膜を形成し
てなる杭体に、少くとも一部に可伸縮部を有し活
動層又は季節凍土層の厚さ以上の長さの被覆部材
を嵌装してその下端部を前記活動層若しくは季節
凍土層の底部付近又はその下方において、また必
要に応じて上端部を地表面より上方において前記
杭体に固定し、前記固体被膜と被覆部材とで形成
する空間に気体、液体などの流動性物質を充填し
たことを特徴とし、また、通常の杭を複数本に切
断した長さを有し表面にあらかじめ固体被膜を形
成してなる杭体に、可伸縮部からなる被覆部材を
嵌装してその上下端部を前記杭体の上下端部より
内側に固定し、前記固体被膜と被覆部材とで形成
する空間に気体、流体などの流動性物質を充填し
て杭部材を構成し、該杭部材を活動層又は季節凍
土層の厚さに対応して適宜連結したことを特徴と
するものである。以下図面を参照して本発明を説
明する。 第4図は本発明実施例の縦断面図である。な
お、第1図乃至第3図と同じ部分には同じ符号を
付し、説明を省略する。図において、1は杭体
で、その表面、好ましくは活動層6の厚さよりや
や長い範囲には、あらかじめ一様の厚さの固体被
膜1aが吹付け塗装その他の手段により形成して
ある。11は中間に蛇腹状の可伸縮部12を有
し、その上下に円筒部13,14が設けられた被
覆部材で、上方の円筒部13は地表面よりできる
だけ上方において、また下方の円筒部14は活動
層6と永久凍土層5との境界付近又はその下方に
おいて、それぞれ固定部材15,16により杭体
1に水密に固定されている。17は杭体1の固体
被膜1aと被覆部材11とで形成する空間に充填
された流動性物質である。 第6図aは被覆部材11の可伸縮部12の要部
拡大図で、無負荷状態におけるXYZとXZとの比
は、活動層6の厚さhの年間を通じての最大値と
最小値との比より大きければよく、また可伸縮部
12の形状は、Sinカーブ、円弧等のほか、b図
に示すような直線状でもよい。なお、被覆部材1
1の最小径部(X・Z)は、流動性物質17の充
填量を少なくするため固体被覆1aと接触させる
ことが望ましいが、特に限定するものではなく、
離れていてもよい。 本発明に使用する固体被膜1aは、被覆部材
11に対する摩擦係数が杭体1の被覆部材11に
対する摩擦係数より小さく、かつ杭体表面に塗
覆装できることを条件とし、これらの条件を満足
するものとして、その代表例を表1に示す。 また、本発明に使用する被覆部材11は、地域
により変動はあるが、一般に、常温から−50℃
程度の低温まで脆性破壊を生じないこと、回復
可能な変位が活動層6の凍結上凍上量(h1−h)
より大きいこと、及び流動性物質により劣化ま
たは腐食しないことを条件とし、これらの条件を
満足するものとして、その代表例を表2に示す。 さらに、流動性物質17は、地域により変動は
あるが、一般に、常温から−50℃程度の低温ま
で流動挙動を示し、杭体1及び被覆部材11を
劣化させたり腐食したりしない物質であることを
条件とし、これらの条件を満たすものとして、そ
の代表例を第3表に示す。
【表】
【表】
【表】
上記のように構成した凍害防止杭は、通常次の
ような工法により設置される。 (1) 活動層6及び永久凍土層5を杭10の埋設深
さ(h+H)だけ掘削し、その掘削孔7に杭1
0を建込んで杭10の周囲に砂スラリー8を埋
戻す。ここにhは活動層6の厚さ、Hは永久凍
土層への杭根入れ長さを示す。 (2) 永久凍土層5の強度が比較的小さい場合又は
未凍土に根入れする場合は、活動層6のみを掘
削し、掘削孔7に杭10を建込んだのち杭打機
により永久凍土内又は未凍土内への打込み、最
後に活動層6の杭10の周囲に砂スラリー8を
埋戻す。 次に上記のようにして設置した本発明に係る凍
害防止杭の作用を、第4図及び第5図を参照して
説明する。第4図は、本発明に係る凍害防止杭1
0を活動層6と永久凍土層5に掘削した掘削孔7
に設置した状態及び夏季の状態を示すものであ
る。冬季になり、活動層6が凍結すると、砂スラ
リー8も凍結して杭10の被覆部材11の表面に
凍着する。一方、杭体1の固体被覆1aと被覆部
材11との間には流動性物質17が充填されてお
り、かつ杭体1に形成した固体被膜1aと被覆部
材11との間の摩擦係数は、杭体1区被覆部材1
1との間の摩擦係数より小さいので、固体被膜1
aと被覆部材11間のすべり抵抗は小さい。この
ため、活動層6が凍上すると、第5図に示すよう
に被覆部材11もこれに追従し、杭体1に沿つて
引上げられて伸張する。しかし、上下の円筒部1
3,14が杭体1に固定されているため、伸張し
た可伸縮部12により固定部の下に膨張部12a
が形成される。 被覆部材11の伸張に伴なつて、杭体1と被覆
部材11との間に充填された流動性物質17は上
方に移動し、上部に形成された膨張部12aに集
まる。このように、活動層6が杭体1に及ぼす凍
着凍上力は、被覆部材11と流動性物質17に吸
収され、杭体1には伝わらない。なお、地域によ
り活動層6の変動が大きく、膨張部12aに多量
の流動性物質が集つたため膨張部12aが破損
し、流動性物質17が漏洩するおそれのある場合
は、タンク18を設けて膨張部12aと連通させ
ておき、膨張部12aに集つた流動性物質17を
逃がすようにすればよい。 夏季になつて活動層6が融解沈下すると、これ
に追従して被覆部材11も下降し、再び第4図の
状態に戻る。なお、活動層6の融解沈下に伴つて
生ずるネガテイブフリクシヨンは、流動性物質1
7に吸収され、杭体1にはほとんど作用しない。 ところで、上記のように構成した凍害防止杭
は、冬季は活動層の凍結凍上により、また夏季は
融解沈下によつて被覆部材11は杭体1に沿つて
上下に伸縮し、特にその小径部内壁は常に杭体表
面に摺接している。このため、被覆部材11の杭
体1との摺接部は摩耗が激しく損傷し易い。特に
流動性物質17として気体を使用した場合は、減
摩作用がないため損傷が著しく、長期の使用に耐
えることができない。しかし、本発明において
は、杭体1の表面に、被覆部材11との摩擦係数
が、杭体1のそれよりも小さい固体被膜1aを形
成してあるので、被覆部材11の損傷がほとんど
なく、したがつて長期の使用に耐えることができ
る。 第7図は本発明の別の実施例の縦断面図で、第
4図と同じ部分には同じ符号を付し、説明を省略
する。本実施例は別個に構成した筒状部22と、
上部可伸縮部23及び下部可伸縮部24とを一体
に結合して被覆部材21を構成し、上部可伸縮部
23を地表面上において、また下部可伸縮部24
を活動層6と永久凍土層5との境界付近又はその
下方において、それぞれ固定部材15,16によ
り杭体1に固定し、杭体1に形成した固体被膜1
aと被覆部材21との間に流動性物質17を充填
したものである。なお、被覆部材21及び流動性
物質17を構成する材料(物質)、両者の組合せ
ならびに設置工法は、第4図の実施例で説明した
場合と同様である。 第7図は、掘削孔7内に上記凍害防止杭10a
を設置した状態及び夏季の状態を示すものであ
る。冬季、活動層6が凍結凍上すると、第8図に
示すようにこれに追従して筒状部22及び下部可
伸縮部24が上昇し、下部可伸縮部24を伸張さ
せる。この結果、上部可伸縮部23が変形して膨
張部23aが形成され、下部可伸縮部24の伸張
によつて上昇した流動性物質17が収容される。
その他の作用は、第4図及び第5図の実施例の場
合とほぼ同様である。 第9図は第2の発明の実施例を示す縦断面図で
ある。本発明は、表面に固体被膜1aを形成した
適宜長さの杭体1′に、蛇腹状の被覆部材12a
を設けてなる杭部材30,30aを連結したもの
で、杭部材30の構成の一例を第11図に示す。
1′は杭体で、その長さlへ通常の杭を複数個に
切断した長さ(例えば0.5m)に選ばれている。
この杭体1′の表面には表1に示す固体被膜1a
形成されており、蛇腹状の被覆部材11aは、そ
の上下端が杭体1aの端部からそれぞれl1、l2だ
け内側にあるように、固定部材15,16により
杭体1′に水密に固定され、固体被膜1aと被覆
部材11aとの間には流動性物質17が充填され
ている。 上記のように構成した杭部材30は、工場で生
産され、荷造りして現地まで輸送され、現場にお
いて第9図に示すように杭部材30,30a,…
の杭体1aの端部を当接し、溶接等31により活
動層6の厚さhに対応した長さに連結する。 上記のように構成した凍害防止杭10は、冬季
活動層6が凍結凍上すると、各杭部材30,30
a,…の被覆部材11aは、第10図に示すよう
に変形するので、活動層6の凍上力は杭体1aに
伝わらない。活動層6が夏季融解沈下した場合の
作用は前記第4図、第5図の実施例の場合とほぼ
同様である。 第12図aは、本発明のさらに別の実施例の要
部を示す縦断面である。本実施例は、被覆部材1
1の蛇腹状可伸縮部12の各大径部と杭体1の固
定被覆1aとの間にそれぞれリング25を介装し
たもので、これにより砂スラリー8を介した活動
層6の圧力による可伸縮部12の変形や破損を防
止することができる。b図は、活動層6が凍結凍
上したときの、杭体1と被覆部材11及びリング
25との関係を示すものである。なお、このリン
グ25は、可伸縮部12の小径部の外周に介装し
てもよく、あるいは可伸縮部12に埋込んでもよ
い。 さらに、本発明は被覆部材11の可伸縮部12
を螺旋状に形成し、その大径部内壁と固体被膜1
aとの間、小径部外壁若しくは両者に沿つてコイ
ルばねを介装し、又はコイルばねを可伸縮部12
に埋込んでもよい。これにより可伸縮部12の変
形や破損を防止し、また夏季に活動層6の沈下に
際して、可伸縮部12の復帰を確実に行なうこと
ができる。 被覆部材の可伸縮部の形状は、前記各実施例に
それぞれ示したが、本発明はこれらに限定するも
のではなく、例えば第13図a〜dに示すように
各種の形状のものを使用することができる。 次に、寒冷地において、在来の鋼管杭をそのま
ま使用した場合と、本発明に係る凍害防止杭を使
用した場合との実験結果について説明する。実験
にあたつては、第14図に示すような装置を使用
した。この装置はし基盤31上に立設したフレー
ム32,32間に反力フレーム33を橋絡すると
共に、基盤31上に厚さ100mmの断熱材34で囲
まれ、内部に土36を充填した土槽35を設置
し、この土36の中に模型杭37を建込んだ模型
杭37と反力フレーム33との間にロートセル3
8を介装し、土槽35内の土36の表面の変位を
測定する変位計39を設けたものである。 実験例 (1) 鋼管杭(在来のもの) 外径:34mm、長さ:400mm、埋込長:250mm (2) 凍害防止杭(第4図の実施例に相当するも
の) (a) 杭体の材料及び寸法 材料:鋼管杭 外径:27.5mm、長さ:400mm、 埋込長:250mm (b) 固体被膜の材料及び寸法 材料:低密度ポリエチレン 厚さ:1mm (c) 被覆部材の材料及び寸法 材料:低密度ポリエチレン 厚さ:1.0mm、山のピツチ:9.0mm、 山と谷の差:6.0mm、被覆長:300mm (d) 流動性物質 空気 上記のような在来の鋼管杭と本発明に係る凍害
防止杭とを、それぞれ第14図に示す実験装置に
建込んだのち実験装置を冷凍室内に設置し、常温
から開始して−20℃まで冷却し、約24時間経過後
−40℃に変更し、その状態を約48時間継続したの
ち冷却を中止した。この間の土槽35内の土36
の凍上量の経時変化を変位計39で測定した結果
を第15図に、また、凍着凍上力の経時変化をロ
ードセル38で測定した結果を第16図に示す
(図中Aは在来の鋼管杭、Bは本発明の凍害防止
杭の実験結果である)。図から明らかなように、
凍上量は両者ほとんど変らないのにかかわらず、
凍着凍上力は、−40℃において鋼管杭Aは3.5Kg/
cm2前後であるのに対し、本発明に係る凍害防止杭
Bは約0.5Kg/cm2であり、格段に低減されたこと
が確認された。 上記の実施例では、本発明を鋼管杭に実施した
場合を示したが、本発明はコンクリート杭、プラ
スチツク杭にも実施することができ、さらに、従
来の凍害防止杭(例えば第3図に示した凍着強度
増大杭)にも併用することができる。その他各部
の材質、形状、寸法等も上記実施例に限定するも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適
宜変更することができる。 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば以下のような顕著な効果を挙げることができ
る。 (1) 杭体に対する活動層の凍着凍上力を大巾に低
減することができるので、寒冷地における構造
物を凍害から充分保護することができる。 (2) 杭体に作用する凍着凍上力を低減できるの
で、杭の根入れ長を大幅に短縮できる。さらに
施工性メンテナンスを考慮すると大幅にコスト
を低減できる。 (3) 杭体の表面に摩擦係数の小さい材料で固定被
膜を形成したので、被覆部材の損傷がほとんど
なく、長期の使用に耐えることができる。 (4) 第2の発明による場合は、上記(1)〜(3)の効果
に加えて、活動層の厚さに対応して杭の長さを
調整でき、大量生産が可能梱包、輸送が容易で
あるためコストを更に低減できる。
ような工法により設置される。 (1) 活動層6及び永久凍土層5を杭10の埋設深
さ(h+H)だけ掘削し、その掘削孔7に杭1
0を建込んで杭10の周囲に砂スラリー8を埋
戻す。ここにhは活動層6の厚さ、Hは永久凍
土層への杭根入れ長さを示す。 (2) 永久凍土層5の強度が比較的小さい場合又は
未凍土に根入れする場合は、活動層6のみを掘
削し、掘削孔7に杭10を建込んだのち杭打機
により永久凍土内又は未凍土内への打込み、最
後に活動層6の杭10の周囲に砂スラリー8を
埋戻す。 次に上記のようにして設置した本発明に係る凍
害防止杭の作用を、第4図及び第5図を参照して
説明する。第4図は、本発明に係る凍害防止杭1
0を活動層6と永久凍土層5に掘削した掘削孔7
に設置した状態及び夏季の状態を示すものであ
る。冬季になり、活動層6が凍結すると、砂スラ
リー8も凍結して杭10の被覆部材11の表面に
凍着する。一方、杭体1の固体被覆1aと被覆部
材11との間には流動性物質17が充填されてお
り、かつ杭体1に形成した固体被膜1aと被覆部
材11との間の摩擦係数は、杭体1区被覆部材1
1との間の摩擦係数より小さいので、固体被膜1
aと被覆部材11間のすべり抵抗は小さい。この
ため、活動層6が凍上すると、第5図に示すよう
に被覆部材11もこれに追従し、杭体1に沿つて
引上げられて伸張する。しかし、上下の円筒部1
3,14が杭体1に固定されているため、伸張し
た可伸縮部12により固定部の下に膨張部12a
が形成される。 被覆部材11の伸張に伴なつて、杭体1と被覆
部材11との間に充填された流動性物質17は上
方に移動し、上部に形成された膨張部12aに集
まる。このように、活動層6が杭体1に及ぼす凍
着凍上力は、被覆部材11と流動性物質17に吸
収され、杭体1には伝わらない。なお、地域によ
り活動層6の変動が大きく、膨張部12aに多量
の流動性物質が集つたため膨張部12aが破損
し、流動性物質17が漏洩するおそれのある場合
は、タンク18を設けて膨張部12aと連通させ
ておき、膨張部12aに集つた流動性物質17を
逃がすようにすればよい。 夏季になつて活動層6が融解沈下すると、これ
に追従して被覆部材11も下降し、再び第4図の
状態に戻る。なお、活動層6の融解沈下に伴つて
生ずるネガテイブフリクシヨンは、流動性物質1
7に吸収され、杭体1にはほとんど作用しない。 ところで、上記のように構成した凍害防止杭
は、冬季は活動層の凍結凍上により、また夏季は
融解沈下によつて被覆部材11は杭体1に沿つて
上下に伸縮し、特にその小径部内壁は常に杭体表
面に摺接している。このため、被覆部材11の杭
体1との摺接部は摩耗が激しく損傷し易い。特に
流動性物質17として気体を使用した場合は、減
摩作用がないため損傷が著しく、長期の使用に耐
えることができない。しかし、本発明において
は、杭体1の表面に、被覆部材11との摩擦係数
が、杭体1のそれよりも小さい固体被膜1aを形
成してあるので、被覆部材11の損傷がほとんど
なく、したがつて長期の使用に耐えることができ
る。 第7図は本発明の別の実施例の縦断面図で、第
4図と同じ部分には同じ符号を付し、説明を省略
する。本実施例は別個に構成した筒状部22と、
上部可伸縮部23及び下部可伸縮部24とを一体
に結合して被覆部材21を構成し、上部可伸縮部
23を地表面上において、また下部可伸縮部24
を活動層6と永久凍土層5との境界付近又はその
下方において、それぞれ固定部材15,16によ
り杭体1に固定し、杭体1に形成した固体被膜1
aと被覆部材21との間に流動性物質17を充填
したものである。なお、被覆部材21及び流動性
物質17を構成する材料(物質)、両者の組合せ
ならびに設置工法は、第4図の実施例で説明した
場合と同様である。 第7図は、掘削孔7内に上記凍害防止杭10a
を設置した状態及び夏季の状態を示すものであ
る。冬季、活動層6が凍結凍上すると、第8図に
示すようにこれに追従して筒状部22及び下部可
伸縮部24が上昇し、下部可伸縮部24を伸張さ
せる。この結果、上部可伸縮部23が変形して膨
張部23aが形成され、下部可伸縮部24の伸張
によつて上昇した流動性物質17が収容される。
その他の作用は、第4図及び第5図の実施例の場
合とほぼ同様である。 第9図は第2の発明の実施例を示す縦断面図で
ある。本発明は、表面に固体被膜1aを形成した
適宜長さの杭体1′に、蛇腹状の被覆部材12a
を設けてなる杭部材30,30aを連結したもの
で、杭部材30の構成の一例を第11図に示す。
1′は杭体で、その長さlへ通常の杭を複数個に
切断した長さ(例えば0.5m)に選ばれている。
この杭体1′の表面には表1に示す固体被膜1a
形成されており、蛇腹状の被覆部材11aは、そ
の上下端が杭体1aの端部からそれぞれl1、l2だ
け内側にあるように、固定部材15,16により
杭体1′に水密に固定され、固体被膜1aと被覆
部材11aとの間には流動性物質17が充填され
ている。 上記のように構成した杭部材30は、工場で生
産され、荷造りして現地まで輸送され、現場にお
いて第9図に示すように杭部材30,30a,…
の杭体1aの端部を当接し、溶接等31により活
動層6の厚さhに対応した長さに連結する。 上記のように構成した凍害防止杭10は、冬季
活動層6が凍結凍上すると、各杭部材30,30
a,…の被覆部材11aは、第10図に示すよう
に変形するので、活動層6の凍上力は杭体1aに
伝わらない。活動層6が夏季融解沈下した場合の
作用は前記第4図、第5図の実施例の場合とほぼ
同様である。 第12図aは、本発明のさらに別の実施例の要
部を示す縦断面である。本実施例は、被覆部材1
1の蛇腹状可伸縮部12の各大径部と杭体1の固
定被覆1aとの間にそれぞれリング25を介装し
たもので、これにより砂スラリー8を介した活動
層6の圧力による可伸縮部12の変形や破損を防
止することができる。b図は、活動層6が凍結凍
上したときの、杭体1と被覆部材11及びリング
25との関係を示すものである。なお、このリン
グ25は、可伸縮部12の小径部の外周に介装し
てもよく、あるいは可伸縮部12に埋込んでもよ
い。 さらに、本発明は被覆部材11の可伸縮部12
を螺旋状に形成し、その大径部内壁と固体被膜1
aとの間、小径部外壁若しくは両者に沿つてコイ
ルばねを介装し、又はコイルばねを可伸縮部12
に埋込んでもよい。これにより可伸縮部12の変
形や破損を防止し、また夏季に活動層6の沈下に
際して、可伸縮部12の復帰を確実に行なうこと
ができる。 被覆部材の可伸縮部の形状は、前記各実施例に
それぞれ示したが、本発明はこれらに限定するも
のではなく、例えば第13図a〜dに示すように
各種の形状のものを使用することができる。 次に、寒冷地において、在来の鋼管杭をそのま
ま使用した場合と、本発明に係る凍害防止杭を使
用した場合との実験結果について説明する。実験
にあたつては、第14図に示すような装置を使用
した。この装置はし基盤31上に立設したフレー
ム32,32間に反力フレーム33を橋絡すると
共に、基盤31上に厚さ100mmの断熱材34で囲
まれ、内部に土36を充填した土槽35を設置
し、この土36の中に模型杭37を建込んだ模型
杭37と反力フレーム33との間にロートセル3
8を介装し、土槽35内の土36の表面の変位を
測定する変位計39を設けたものである。 実験例 (1) 鋼管杭(在来のもの) 外径:34mm、長さ:400mm、埋込長:250mm (2) 凍害防止杭(第4図の実施例に相当するも
の) (a) 杭体の材料及び寸法 材料:鋼管杭 外径:27.5mm、長さ:400mm、 埋込長:250mm (b) 固体被膜の材料及び寸法 材料:低密度ポリエチレン 厚さ:1mm (c) 被覆部材の材料及び寸法 材料:低密度ポリエチレン 厚さ:1.0mm、山のピツチ:9.0mm、 山と谷の差:6.0mm、被覆長:300mm (d) 流動性物質 空気 上記のような在来の鋼管杭と本発明に係る凍害
防止杭とを、それぞれ第14図に示す実験装置に
建込んだのち実験装置を冷凍室内に設置し、常温
から開始して−20℃まで冷却し、約24時間経過後
−40℃に変更し、その状態を約48時間継続したの
ち冷却を中止した。この間の土槽35内の土36
の凍上量の経時変化を変位計39で測定した結果
を第15図に、また、凍着凍上力の経時変化をロ
ードセル38で測定した結果を第16図に示す
(図中Aは在来の鋼管杭、Bは本発明の凍害防止
杭の実験結果である)。図から明らかなように、
凍上量は両者ほとんど変らないのにかかわらず、
凍着凍上力は、−40℃において鋼管杭Aは3.5Kg/
cm2前後であるのに対し、本発明に係る凍害防止杭
Bは約0.5Kg/cm2であり、格段に低減されたこと
が確認された。 上記の実施例では、本発明を鋼管杭に実施した
場合を示したが、本発明はコンクリート杭、プラ
スチツク杭にも実施することができ、さらに、従
来の凍害防止杭(例えば第3図に示した凍着強度
増大杭)にも併用することができる。その他各部
の材質、形状、寸法等も上記実施例に限定するも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適
宜変更することができる。 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば以下のような顕著な効果を挙げることができ
る。 (1) 杭体に対する活動層の凍着凍上力を大巾に低
減することができるので、寒冷地における構造
物を凍害から充分保護することができる。 (2) 杭体に作用する凍着凍上力を低減できるの
で、杭の根入れ長を大幅に短縮できる。さらに
施工性メンテナンスを考慮すると大幅にコスト
を低減できる。 (3) 杭体の表面に摩擦係数の小さい材料で固定被
膜を形成したので、被覆部材の損傷がほとんど
なく、長期の使用に耐えることができる。 (4) 第2の発明による場合は、上記(1)〜(3)の効果
に加えて、活動層の厚さに対応して杭の長さを
調整でき、大量生産が可能梱包、輸送が容易で
あるためコストを更に低減できる。
第1図乃至第3図は従来の凍着凍上力低減方法
を示すもので、第1図はサーマルパイル方式、第
2図a,bは凍上防止杭方式、第3図は凍着強度
増大杭方式の説明図である。第4図は本発明実施
例の縦断面図、第5図はその作用説明図、第6図
a,bは本発明に使用する被覆部材の可伸縮部の
構成例を示す要部拡大断面図、第7図は本発明の
別の実施例の縦断面図、第8図はその作用説明
図、第9図は本発明のさらに別の実施例の縦断面
図、第10図は作用説明図、第11図は要部の縦
断面図、第12図aは本発明の別の実施例の要部
拡大断面図、bはその作用説明図、第13図a〜
dはそれぞれ被覆部材の可伸縮部の形状例を示す
模式図、第14図は本発明に係る凍害防止杭を実
験する装置の概念図、第15図は在来の鋼管杭と
本発明に係る凍害防止杭との凍着凍上量の経時変
化を示す線図、第16図は同じく凍着凍上力の経
時変化を示す線図である。 1:杭体、1a:固体被膜、5:永久凍土層、
6:活動層、8:砂スラリー、10,10a:凍
害防止杭、11,11a,21:被覆部材、1
2,23,24:可伸縮部、17:流動性物質、
30,30a:抗部材。
を示すもので、第1図はサーマルパイル方式、第
2図a,bは凍上防止杭方式、第3図は凍着強度
増大杭方式の説明図である。第4図は本発明実施
例の縦断面図、第5図はその作用説明図、第6図
a,bは本発明に使用する被覆部材の可伸縮部の
構成例を示す要部拡大断面図、第7図は本発明の
別の実施例の縦断面図、第8図はその作用説明
図、第9図は本発明のさらに別の実施例の縦断面
図、第10図は作用説明図、第11図は要部の縦
断面図、第12図aは本発明の別の実施例の要部
拡大断面図、bはその作用説明図、第13図a〜
dはそれぞれ被覆部材の可伸縮部の形状例を示す
模式図、第14図は本発明に係る凍害防止杭を実
験する装置の概念図、第15図は在来の鋼管杭と
本発明に係る凍害防止杭との凍着凍上量の経時変
化を示す線図、第16図は同じく凍着凍上力の経
時変化を示す線図である。 1:杭体、1a:固体被膜、5:永久凍土層、
6:活動層、8:砂スラリー、10,10a:凍
害防止杭、11,11a,21:被覆部材、1
2,23,24:可伸縮部、17:流動性物質、
30,30a:抗部材。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 寒冷地において杭に作用する凍着凍上力及び
ネガテイブフリクシヨンを低減する形式の杭にお
いて、表面にあらかじめ後記被覆部材に対する摩
擦係数が杭体の該被覆部材に対する摩擦係数より
小さい固体被膜を形成してなる杭体に、少くとも
一部に可伸縮部を有し活動層又は季節凍土層の厚
さ以上の長さの被覆部材を嵌装してその下端部を
前記活動層若しくは季節凍土層の底部付近又はそ
の下方において、また上端部を地表面より上方に
おいて前記杭体にそれぞれ固定し、前記固体被膜
と被覆部材とで形成する空間に流動性物質を充填
したことを特徴とする凍害防止杭。 2 寒冷地において杭に作用する凍着凍上力及び
ネガテイブフリクシヨンを低減する形式の杭にお
いて、通常の杭を複数本に切断した長さを有し表
面にあらかじめ後記被覆部材に対する摩擦係数が
杭体の該被覆部材に対する摩擦係数より小さい固
体被膜を形成してなる杭体に、可伸縮部からなる
被覆部材をそれぞれ嵌装してその上下端部を前記
各杭体の上下端部より内側に固定し、前記各杭体
の固定被膜と被覆部材とで形成する空間にそれぞ
れ流動性物質を充填して杭部材を構成し、該杭部
材を活動層又は季節凍土層の厚さに対応して適宜
連結したことを特徴とする凍害防止杭。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58141183A JPS6033935A (ja) | 1983-08-03 | 1983-08-03 | 凍害防止杭 |
| US06/624,750 US4585681A (en) | 1983-06-03 | 1984-06-26 | Frost damage proofed pile |
| CA000457859A CA1210599A (en) | 1983-06-03 | 1984-06-29 | Frost damage proofed pile |
| KR1019840004263A KR900001101B1 (ko) | 1983-08-03 | 1984-07-19 | 동해 방지 말뚝 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58141183A JPS6033935A (ja) | 1983-08-03 | 1983-08-03 | 凍害防止杭 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6033935A JPS6033935A (ja) | 1985-02-21 |
| JPH0132336B2 true JPH0132336B2 (ja) | 1989-06-30 |
Family
ID=15286079
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58141183A Granted JPS6033935A (ja) | 1983-06-03 | 1983-08-03 | 凍害防止杭 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6033935A (ja) |
| KR (1) | KR900001101B1 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100719136B1 (ko) * | 2005-12-13 | 2007-05-17 | 한국건설기술연구원 | 구조물 기초의 동착력 감소를 위한 폐비닐골재, 그의제조방법 및 시공방법 |
| KR101324308B1 (ko) * | 2011-11-15 | 2013-11-01 | 한혜영 | 연약지반가열 압밀공법 |
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