JPH0155646B2 - - Google Patents
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- JPH0155646B2 JPH0155646B2 JP18162385A JP18162385A JPH0155646B2 JP H0155646 B2 JPH0155646 B2 JP H0155646B2 JP 18162385 A JP18162385 A JP 18162385A JP 18162385 A JP18162385 A JP 18162385A JP H0155646 B2 JPH0155646 B2 JP H0155646B2
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、不飽和単量体のラジカル重合または
共重合に使用できるペルオキシアリールカーボネ
ートの、重合調整能を有する重合開始剤としての
用途に関する。 (従来の技術) 不飽和単量体のラジカル重合または共重合にお
いては、重合速度、ポリマーの重合度および分子
量分布などの重合調整に絡む諸因子は、重合熱な
らびにポリマーの流動性、加工性および機械的性
質と密接な関係にある。このため、重合の調整は
高分子化学分野、特にその工業における最も重要
な課題となつている。 ラジカル重合の初期に生成する不飽和単量体の
ポリマーの数平均重合度(Pn)の逆数および重
合速度は、日本化学会編「新実験化学講座19、高
分子化学〔〕」(丸善)第387頁ないし第388頁
(1975年)に記載されているように、一般には次
の(1)および(2)式によつて表わされる。 (ただし、ktrMktrIおよびktrAはそれぞれ不飽和
単量体、重合開始剤および重合調整剤へのポリマ
ーラジカルの連鎖移動の速度定数であり、tお
よびkpはそれぞれ停止および成長反応の速度定数
である。また、kdおよびfはそれぞれ重合開始剤
の分解速度定数および開始剤効率である。さらに
また、〔I〕,〔M〕および〔A〕はそれぞれ重合
開始剤、不飽和単量体および重合調整剤の濃度、
Rpは重合速度、Xは不均化停止反応の割合を示
す。) (1)式において、右辺第1項、第2項および第3
項は、それぞれ不飽和単量体、重合開始剤および
重合調整剤へのポリマーラジカルの連鎖移動反応
による項であり、第4項はポリマーラジカル同士
による停止反応の項である。 (1)式に従えば、ポリマーの重合度は、重合速度
が大になると低下するが、重合調整剤の濃度が増
加しても低下することになる。従つて、通常は重
合速度を変えるか、KtrA/Kpで表わされる連鎖
移動定数の既知の重合調整剤を加えることによて
生成ポリマーの重合度の調整が行なわれている。 例えば、前記文献には、アゾイソブチロニトリ
ルおよびジベンゾイルペルオキシドを用いるスチ
レンの重合において(1)式の成立することが示され
ているし、また特公昭34−10046号公報には、ジ
ベンゾイルペルオキシドの濃度を変え、重合速度
を大にすることによつて各種重合度のポリマーの
得られることが示されている。 また例えば、特開昭48−52886号公報には、ア
ルキルメルカプタンおよび四臭化炭素を用いる
と、ポリマーの重合度の低下に基づき、ポリマー
溶液の相対粘度の著しく低下することが開示され
ている。 またペルオキシカーボネートに関しては、ベル
ギー国特許第660383号公報には次の一般式() (ただし、Rは第三級アルキル基および第三級
アラルキル基を、R′はアルキル基、アラルキル
基、アリール基およびアルコキシアルキル基を示
す。)で示されるものが、不飽和単量体の重合開
始剤として利用できることが開示され、またテト
ラヘドロン レター(Tetrahedron Letters)、
36巻、3355頁(1987年)には、一般式()にお
いて、Rが第三級ブチル基で、R′がフエニル基
であるt−ブチルペルオキシフエニルカーボネー
トの合成方法について記載されている。 さらにまた、ブルチン・オブ・アカデミー・オ
ブ・サイエンス・ユー・エス・エス・アール
(Bulletin of Academy of Science USSR)、3
巻、400頁(1963年)には、一般式()におい
て、Rがベンゾイル基でR′がフエニル基である
ベンゾイルペルオキシフエニルカーホネートと、
R′がシクロヘキシル基であるベンゾイルペルオ
キシシクロヘキシルカーボネートとの重合特性の
相違について記載されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の重合開始剤および重合調整剤を用いる重
合調整技術には限界があり、次に述べるいくつか
の欠点が指摘されている。 すなわち、重合速度が大になると、重合熱の増
大や重合系の粘度の急激な上昇により重合反応の
制御が著しく困難となる。例えば、メチルメタク
リレート系樹脂板の製造においては、重合による
発熱や重合体の収縮を小さくする目的でシロツプ
が使用されているが、これは適当な粘度を有し、
かつポリマー含有量の大きなものが望まれてい
る。ところが、通常用いられている重合開始剤で
は重合反応の制御が困難でシロツプの粘度がはな
はだしく大きくなる場合がある。 また、近年のスチレン系樹脂の製造において
は、射出成形機の高速・精密化により成形加工性
の優れた樹脂が求められている。しかし、通常は
重合後期のゲル効果による非常に高分子量なポリ
マーの生成により、成形加工性の優れたポリマー
を得ることは困難となつているし、分子量を低下
させるために重合開始剤の量を増加させると、低
分子量ポリマーの生成により機械的性質が悪化す
る。このようにポリマー分子量の均一性の問題は
重要な課題である。 また、四臭化炭素を用いる方法ではポリマーの
熱安定性が悪化し、そのため加工温度での着色分
解が激しくなり、その成形品の実用的価値は低下
する。さらにまた、アルキルメルカプタンの場合
には、不快な臭気のため使用上大きな障害となる
だけでなく、ポリマー中に残存する未反応メルカ
プタンも悪影響を及ぼすことが知られている。さ
らに、前記一般式()で表されるペルオキシカ
ーボネートの場合には、R′としてイソプロピル
基やベンジル基、シクロヘキシル基などを使用し
ているが、これらは重合調整能の効果が極めて小
さい。また、Rがベンゾイル基であるベンゾイル
ペルオキシカーボネートの場合には、R′によつ
て著しく異なる重合特性を有し、R′がシクロヘ
キシル基の場合には塩化ビニルの重合を開始する
が、R′がフエニル基になると塩化ビニルの重合
を全く開始しないため、重合開始剤として利用で
きないことが示されている。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述の欠点を解決するめに、次式 (ただし、R1およびR2は、水素原子、炭素数
1ないし10のアルキル基、炭素数7ないし12のア
ラルキル基、炭素数5ないし8のシクロアルキル
基、ハロゲン、炭素数1ないし4のアルコキシ基
および炭素数1ないし6のアシル基からなる群よ
り選ばれた1種または2種の置換基ならびにR3
およびR4は、炭素数1ないし4の低級アルキル
基を示す。R5はlが1のとき炭素数1ないし12
のアルキル基または炭素数3ないし12のシクロア
ルキル基を、lが2のとき−C≡C−基またはm
が2ないし4の整数である−(CH2−)n基を示す。)
で表されるペルオキシアリールカーボネートを有
効成分とする重合開始剤を提供する。 このペルオキシアリールカーボネートは従来法
で製造でき、かつ不飽和単量体を重合する際の重
合開始剤として用いる場合、従来の重合開始剤を
用いたときと、同一の重合速度にしたとき、著し
く低下した重合度のポリマーが得られ、このこと
が重合の調整に有効に作用することを見い出し
た。 本発明に使用するペルオキシアリールカーボネ
ートを具体的に示すと、第三級ブチルヒドロペル
オキシド、第三級アルミヒドロペルオキシド、第
三級ヘキシルヒドロペルオキシドおよび1,1,
3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド
と、フエノール、2−メチルフエノール、3−メ
チルフエノール、2,4−ジメチルフエノール、
2,6−ジメチルフエノール、2−イソプロピル
フエノール、2−第二級ブチルフエノール、4−
第三級ブチルフエノール、4−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)フエノール、4−クミル
フエノール、2−シクロヘキシルフエノール、2
−クロルフエノール、3−クロルフエノール、4
−クロルフエノール、2,4−ジクロルフエノー
ル、2−ブロムフエノール、3−ブロムフエノー
ル、2,6−ジブロムフエノール、3−メトキシ
フエノール、4−メトキシフエノール、4−エト
キシフエノール、4−アセチルフエノール、2−
クロル−4−メチルフエノール、2−ブロム−4
−メチルフエノール、3−メチル−4−ブロムフ
エノール、2−メチル−4−アセチルフエノール
とのカーボネートならびに2,5−ジメチル−
2,5−ジ(フエノキシカルボニルペルオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(4−
メチルフエノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(4−クロル
フエノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(フエノキシカル
ボニルペルオキシ)ヘキシンなどがある。これら
のペルオキシアリールカーボネートは、通常は無
色の液体または白色の結晶で、かつ無臭であり、
具体的には実施例に示す。これらのカーボネート
は、重合調整能および原料の入手容易性から選ば
れる。ペルオキシアリールカーボネートは、従来
の方法、すなわち、アルカリまたは第三級アミン
の存在下に、一般式() (式中、R1およびR2は前記一般式()の場
合と同じである。) で示されるアリールクロロホルメートと一般式
() (式中、R3,R4,R5およびlは前記一般式
()の場合と同じである。) で示される第三級アルキルヒドロペルオキシドと
を−30℃ないし40℃で反応させることによつて得
られる。しかし、前記ベルギー国特許第660383号
公報において一般式()に含まれている第三級
アラルキルペルオキシアリールカーボネート(式
中のRは第三級アラルキル基、R′はアリール基
を示す。)は特異な反応性を示すため前記方法に
よつては製造できない。 本発明に使用するペルオキシアリールカーボネ
ートは、赤外線吸収スペクトルおよび核磁気共鳴
スペクトルにより化学構造が決定され、その純度
はガスリキドクロマトグラフイー(GLC)およ
び活性酸素量によつて求められ、また熱分解挙動
は分解速度定数および半減期によつて求められ
る。ペルオキシアリールカーボネートの半減期
は、1ないし20時間の範囲内にあり、従来の重合
開始剤であるt−ブチルペルオキシイソプロピル
カーボネートとほぼ同程度の分解活性を示す中高
温活性なペルオキシドである。安全性について
は、他のペルオキシドと同様に、爆発的に分解す
るものが多いため、有機溶媒に希釈した状態、水
を含んだ含水物にした状態、水エマルジヨンの状
態または水サスペンシヨンの状態にし安全な形に
して使用することができる。 本発明に使用するペルオキシアリールカーボネ
ートは、重合調整能を有する不飽和単量体のラジ
カル重合開始剤として有用である。具体的な不飽
和単量体としては、エチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フマ
ル酸エステル、スチレンなどのラジカル重合また
は共重合可能なビニル型不飽和単量体およびエチ
レン型不飽和単量体を挙げることができる。 ペルオキシアリールカーボネートの使用量は、
不飽和単量体1モルに対して0.00005モルないし
0.2モルであり、オリゴマーといわれる低分子量
ポリマーからプラスチツクといわれる高分子量ポ
リマーに至る広範囲なポリマーの製造に利用でき
る。使用量は、前記範囲より少ないと使用上の効
果が小さく、また多すぎても効果があまり変わら
ず経済的でない。 本発明の重合開始剤を用いる重合および共重合
は、現在知られているラジカル活性種によるビニ
ル重合法、すなわち塊状重合、溶液重合または水
性媒体重合法のいずれによつても行なうことがで
き、その際、他の重合開始剤、重合調整剤およ
び/または他の重合添加剤を併用することもでき
る。 〔作用〕 本発明の重合開始剤は、前述の重合速度式(2)を
満足するような従来の重合開始剤とはかなり異な
る挙動を示す。 すなわち、従来の重合開始剤を用いたときと同
一の重合速度において、著しく重合度の低下した
ポリマーが得られ、この作用機構は次の通りであ
ると考えられる。すなわち、ペルオキシアリール
カーボネートを熱分解すると、まず(3)式に従つ
て、−0−0−結合の開裂が起こり、不飽和単量
体の重合を開始する2種類の活性なラジカル種が
まず生成する。 (式中、R1,R2,R3,R4,R5およびlは前記
の一般式()の場合と同じである。) 引き続いて、(4)式に従う脱炭酸反応が起こり、
重合を開始できないほど安定な不活性ラジカル種
が生成する。従来の重合開始剤では、このような
不活性なラジカル種は生成しないため、ポリマー
ラジカル同士の停止反応による連鎖反応の停止が
起こる。しかし、重合系内に前述のような不活性
なラジカル種が存在すると、これは(5)式に示され
るようにポリマーラジカルと反応し、連鎖反応の
停止を行なう。このため、従来のポリマーラジカ
ル同士の反応とは異なり、重合調整能が発現して
くるものと考えられる。 (発明の効果) 本発明の重合開始剤は、前述の特殊な作用機構
に基づく重合調整能を有するため、次に示すいく
つかの利点がある。 第1は、従来の重合開始剤と同一の重合速度に
したとき、より分子量の低下したポリマーが得ら
れることである。第2は、重合系が高粘度になつ
ても急激な重合速度の上昇は起こらず、ゲル効果
が防止できることである。第3は、第2の効果の
結果として、最終ポリマーの分子量分布は均一な
ものとなり、分散指数が小さくなることである。
第4は、重合開始能を有しているため、従来の重
合調整剤に比較した場合には重合完結時間を短縮
できることである。第5としては無臭で取り扱い
が容易であることが挙げられる。 これらについて、さらに具体的に例示すれば、
スチレン系樹脂の製造においては、重合後期での
ゲル効果が起きないので重合の温度制御が容易で
あり、かつ分子量分布が均一であるため成形加工
性が良好となること、さらに他の重合開始剤との
併用によつて重合完結時間を短縮できることなど
が挙げられる。 また、メチルメタクリレート・シロツプの製造
においては、適度な粘度を有し、かつポリマー含
有量の大きなシロツプを安定して製造でき、しか
も後工程におけるゲル化の原因となる開始剤残存
量を少なくできることなどが挙げられる。本発明
の重合開始剤は、前述のような優れた性質を有し
ているため、高分子化学工業における重要な重合
改質剤となる。 (実施例) 次に本発明の実施例、参考例および比較例を示
すが本発明はこれによつて限定されるものではな
い。 (ペルオキシアリールカーボネートの製造) 実施例 1 〔t−ブチルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 t−ブチルヒドロペルオキシド28.4g(0.22モ
ル)に石油エーテル200gを加え、分離した水を
除き、有機層を少量の硫酸マグネシウムで乾燥し
た。前記溶液を温度計とかくはん装置を備えた
500mlの四ツ口フラスコに入れ、5℃においてか
くはん下にピリジン15.8g(0.20モル)を加え、
次いでフエニルクロロホルメート31.7g〜(0.2モ
ル)を30分間を要して滴下した。滴下後、反応を
2時間継続し完結させた。 反応液を5%塩酸水溶液150mlで1回(5℃,
5分)、10%水酸化ナトリウム水溶液100mlで1回
(5℃,5分)および水150mlで2回(10℃,5
分)洗浄し、少量の硫酸ナトリウムで乾燥した。
それから減圧下に溶媒を除去し、収量30.5g(収
率70%)でGLC(ガスリキドクロマトグラフイ)
純度94%の粗製物を得た。この粗成物を石油エー
テルを用いて再結晶すると融点が30℃の白色結晶
が得られ、このものの活性酸素量は7.51%(理論
値7.61%)およびGLC純度は99%であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1808cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νC=0)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロト
ンの化学シフトをδ値で表すと、−C(CH3)3基の
プロトンは1.4ppm(9H)、ベンゼン核プロトンは
7.3ppm(5H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−ブチルペルオキシフエニルカー
ボネートであることが確認された。 実施例 2 〔t−ブチルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 フエニルクロロホルメート48.0g(0.30モル)、
t−ブチルヒドロペルオキシド38.7g(0.30モ
ル)、塩化ナトリウム5.0gおよび水106.0gから
なる混合物を、温度計とかくはん装置を備えた
500mlの四ツ口フラスコに入れ、2℃の温度にお
いてかくはん下に50%水酸化ナトリウム水溶液を
25分間を要して少量づつ滴下した。滴下後、反応
液を10℃に保ち、さらに1時間反応を継続し完結
させた。 反応生成液より水を分離して得られた有機層
を、20℃において10%水酸化ナトリウム水溶液30
gで1回、次いで10%硫酸ナトリウム水溶液30g
で2回洗浄し、それから少量の硫酸マグネシウム
で乾燥して、収量40.3g(収率58%)でGLC純度
79%のt−ブチルペルオキシフエニルカーボネー
トを得た。 実施例 3 〔t−アミルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 実施例1において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドの代わりにt−アミルヒドロペルオキシドを
使用して、実施例1に準じて反応を行なつた結
果、収量47.5g(収率54%)で粗製物を得た。こ
の粗製物をメタノールを用いて再結晶により精製
し、活性酸素量6.79%(理論7.13%)およびGLC
純度95%のもの得たが、このものは室温において
無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(液膜)は1800cm-1(νc=0)、1775cm-1
(νc=0)、1595cm-1(ベンゼン核)および1495cm
-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共鳴スペク
トル(重水素化クロロホルム溶液)におけるプロ
トンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH2CH3
基のプロトンは1.1ppm(3H)、−C(CH3)2−基の
プロトンは1.3ppm(6H)、−CH2CH3基のプロト
ンは1.7ppm(2H)およびベンゼン核プロトンは
7.3ppm(5H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−アミルペルオキシフエニルカー
ボネートであることが確認された。 実施例 4 〔t−ヘキシルペルオキシフエニルカーボネー
トの製造〕 温度計およびかくはん装置を備えた500mlの四
ツ口フラスコにt−ヘキシルヒドロペルオキシド
24.3g(0.20モル)、ピリジン15.8g(0.20モル)
および石油エーテル200gを入れ、かくはん下18
℃においてフエニルクロロホルメート27.0g
(0.17モル)および石油エーテル30gの混合物を
30分間を要して滴下した。さらに5時間反応を継
続し、析出したピリジン塩酸塩をろ別した。 反応生成液にさらにピリジン1.0g(0.013モ
ル)およびフエニルクロロホルメート7.0g〜
(0.058モル)を追加し、反応を1時間継続して完
結させた。20℃において、反応生成液を水300ml
で1回、2%水酸化ナトリウム水溶液300mlで1
回、次いで水300mlで3回洗浄し少量の硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧除去して収量32.0
g(収率55%)で、GLC純度94%の室温におい
て無色の液体である化合物を得た。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1802cm-1(νc=0、
1760cm-1(νc=0)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(重水素化クロロホルム溶液)にお
けるプロトンの化学シフテをδ値で表わすと、−
CH2 CH3 基のプロトンは0.9ppm(5H)、−C(C
H3)2−基のプロトンは1.4ppm(6H)、−C
(CH3)2CH2 −基のプロトンは1.7ppm(2H)およ
びベンゼン核プロトン7.3ppm(5H)にシグナル
が現れることから、この化合物はt−ヘキシルペ
ルオキシフエニルカーボネートであることが確認
された。 実施例 5 〔t−ブチルペルオキシ2−イソプロピルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに2−イソプロピルフエニルクロロホル
メートを使用して、実施例1に準じて反応を行な
つた結果、収量30.9g(収率54%)で、GLC純度
88%の粗成物を得た。この粗成物をメタノールを
用いて再結晶し、GLC純度95%の化合物を得た
が、これは室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は、1810cm-1(νc=
0)、1780cm-1(νc=0)、1580cm-1(ベンゼン核)
および1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁
気共鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプ
ロトンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH(C
H3)2基のプロトンは1.2ppm(6H)、−C(CH3 )3基
のプロトンは1.4ppm(9H)、−CH(CH3)2基のプ
ロトンは3.2ppm(1H)およびベンゼン核プロト
ンは7.3ppm(4H)にシグナルが現われることか
ら、この化合物はt−ブチルペルオキシ2−イソ
プロピルフエニルカーボネートであることが確認
された。 実施例 6 〔t−ブチルペルオキシ2−第2級ブチルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに2−第2級ブチルフエニルクロロホル
メートを使用して、実施例1に準じて反応を行な
つた結果、収量43.9g(収率72%)で、GLC純度
88%の化合物を得、このものは室温で無色の液体
であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1807cm-1(νc=0)、
1772cm-1(νc=0)、1580cm-1(ベンゼン核)およ
び1495cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル((四塩化炭素溶液)におけるプロ
トンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH2CH3 3
基のプロトンは0.9ppm(3H)、【式】基 のプロトンは1.2ppm(3H)、−C(CH 3)3基のプロ
トンは1.4ppm(9H)、−CH2 CH3基のプロトンは
1.7ppm(2H)、−CH(CH3)(CH2CH3)基のプ
ロトン2.9ppm(1H)およびベンゼン核プロトン
は7.2ppm(4H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−ブチルペルオキシ2−第2級ブ
チルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 7 〔t−ブチルペルオキシ3−メチルフエニルカ
ーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに3−メチルクロロホルメートを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、収量
35.2g(収率73%)でGLC純度93%の化合物を得
た。このものは室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収((四塩化炭素溶液)は、1808cm-1(νc=
0)、1780cm-1(νc=0)、1600cm-1(ベンゼン核)
および1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁
気共鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプ
ロトンの化学シフトをδ値で表わすと、−C(C
H3)3基のプロトンは1.4ppm(9H)、−CH3 基のプ
ロトンは2.2ppm(3H)およびベンゼン核プロト
ンは7.2ppm(4H)にシグナルが現われることか
ら、この化合物はt−ブチルペルオキシ3−メチ
ルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 8 〔t−アミルペルオキシ2,4−ジメチルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドおよびフエニルクロロホルメートの代わり
に、t−アミルヒドロペルオキシドおよび2,4
−ジメチルフエニルクロロホルメートを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、収量
35.7g(収率65%)でGLC純度92%の化合物を得
た。このものは、室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1808cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νc=0)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(重水素化クロロホルム溶液)にお
けるプロトンの化学シフトをδ値を表わすと、−
CH2CH3 基のプロトンは1.1ppm(3H)、−C(CH3
2−基のプロトンは1.3ppm(6H)、−CH2 CH3基の
プロトンは1.7ppm(2H)、−CH3 基のプロトンは
2.2ppm(6H)およびベンゼン核プロトンは
7.2ppm(3H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−アミルペルオキシ2,4−ジメ
チルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 9 〔t−ブチルペルオキシ4−クロルフエニルカ
ーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに、4−クロルフエニルクロロホルメー
トを使用して、実施例1に準じて反応を行なつた
結果、収量30.9g(収率58%)で活性酸素量5.99
%(理論値6.54%)の化合物を得た。この化合物
は白色の結晶で融点は39〜41℃であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1805cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νc=0)、1595cm-1(ベンゼン核)およ
び1490cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロト
ンの化学シフトをδ値で表わすと、−C(CH3 )3
基のプロトンは1.4ppm(9H)およびベンゼン核
のプロトンは7.2ppm(4H,4−位置換クロル基
による対称的に四重線)にシグナルが現われるこ
とから、この化合物はt−ブチルペルオキシ4−
クロルフエニルカーボネートであることが確認さ
れた。 実施例 10 〔2,5−ジメチル−2,5−ジ(フエノキシ
カルボニルペルオキシ)ヘキサンの製造〕 温度計とかくはん装置を備えた1の四ツ口フ
ラスコに2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ヒドロペルオキシド44.6g(0.25モル)、ピリジ
ン39.6g(0.50モル)および石油エーテル500g
を入れ、かくはん下5℃において、フエニルクロ
ロホルメート60.6g(0.38モル)および石油エー
テル20gの混合物を30分間を要して滴下した。滴
下後、2時間反応を継続して完結させ、反応生成
液を5%塩酸水溶液500mlで1回(5℃,3分)、
10%水酸化ナトリウム水溶液300mlで1回(5℃,
5分)水500mlで2回(5℃,10分)洗浄し少量
の硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した粗
成物45.0gをメタノールを用いて再結晶すると、
融点が53℃の白色結晶として10.0gの化合物が得
られた。活性酸素量は7.57%(理論値7.65%)で
あつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1800cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νc=0)、1595cm-1(ベンゼン核)およ
び1495cm-1(ベンゼン核)であり、核磁気共鳴ス
ペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロトンの
化学シフトをδ値で表わすと、−CH3 基のプロト
ンは1.3ppm(6H)、−CH2 CH2 −基のプロトンは
1.7ppm(4H)およびベンゼン核プロトンは
5.2ppm(10H)にシグナルが現われることから、
この化合物は2,5−ジメチル−2,5−ジ(フ
エノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサンである
ことが確認された。 比較例1および2 〔クミルペルオキシフエニルカーボネートの製
造〕 実施例1において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドの代わりに、クミルヒドロオキシドを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、急激
な発熱はみられるが反応生成物としてクミルペル
オキシフエニルカーボネートを単離確認すること
はできなかつた(比較例1)。 実施例2において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドの代わりに、クミルヒドロペルオキシドを使
用して、実施例2に準じて反応を行なつた結果、
急激な発熱は見られるが反応生成物としてクミル
ペルオキシフエニルカーボネートを単離確認する
ことはできなかつた(比較例2)。 比較例1および2によつて、アルカリまたは第
三級アミンを用いる公知の方法では、前記ベルギ
ー国特許第660383号公報に前記一般式()とし
て含まれているRが第三級アラルキル基で、
R′がアリール基である第三級アラルキル基ペル
オキシアリールカーボネートは容易に合成できな
いことがわかる。 実施例11ないし19、参考例1および2 〔ペルオキシアリールカーボネートの分解速度
定数および半減期〕 実施例1ないし10で得られたペルオキシアリー
ルカーボネートのクメン中0.02モル/での100
℃における熱分解を追跡し、分解速度定数および
半減期を求めた。そして、得られた結果を、通常
の重合開始剤であるt−ブチルペルオキシイソプ
ロピルカーボネートおよびt−ブチルペルオキシ
ベンゾエートと共に第1表に示し、それぞれを実
施例11ないし19、ならびに参考例1および2とし
た。第1表から、ペルオキシアリールカーボネー
トは、通常の重合剤であるペルオキシイソプロピ
ルカーボネートと同程度の分解特性を示すことが
わかる。 【表】 (ペルオキシカーボネートによる重合) 実施例20ないし24、比較例3ないし5 〔スチレンの重合特性におけるt−ブチルペル
オキシフエニルカーボネートとt−ブチルペル
オキシイソプロピルカーボネートの比較〕 第2表に示した濃度になるように、実施例1で
得られたt−ブチルペルオキシフエニルカーボネ
ートおよびスチレンを秤量し、スチレン溶液また
はスチレン・ベンゼン混合溶液を作成した。この
溶液5mlを各ガラスアンプルに入れ、凍結−溶解
法により脱気して真空下に溶封した。各ガラスア
ンプルを100℃の恒温槽中に入れて重合を行ない、
所定時間ごとにサンプリングし、東洋曹達工業株
式会社製高速液体クロマトグラフHLC−802A型
を用いて重合率および数平均重合度を求めた。重
合率および数平均重合度は、予め標品を用いた検
量線により求め、重合速度および数平均重合度は
重合率10%以下で求めた。得られた結果を第2表
に示し、これらを実施例20ないし24とした。 同様にして、通常の重合開始剤であるt−ブチ
ルペルオキシイソプロピルカーボネートおよびス
チレンを第3表に示した濃度になるように秤量
し、スチレン溶液またはスチレン・ベンゼン混合
溶液を作成した。それから、実施例20に準じてガ
ラスアンプルを作成し重合を行ない、重合速度お
よび数平均重合度を求めた。得られた結果を第3
表に示し、これらを比較例3ないし5とした。 【表】 度をそれぞれ示す。
2) ベンゼン溶液重合である。
【表】 ト濃度をそれぞれ示す。
2) ベンゼン溶液重合である。
実施例21および22と比較例3および4との比較
により明らかなように、t−ブチルペルオキシフ
エニルカーボネートを用いると、同一重合速度で
比較すれば、約20%程度ポリマーの重合度が低下
していることがわかる。 また、t−ブチルペルオキシイソプロピルカー
ボネートの場合には、Rp2/〔C〕〔M〕2の値は
約2×10-7となりほぼ一定の値であり、前記重合
速度式(2)を満足するが、t−ブチルペルオキシフ
エニルカーボネートは前記(2)式を満足せず、
Rp2/〔C〕〔M〕2の値は〔C〕/〔M〕の値の
増加と共に低下することがわかる。このことは、
ペルキシアリールカーボネートは、従来の重合開
始剤とは異なつた特異な重合挙動をとり、前述の
反応式(3)ないし(5)に従つて重合反応に関与するこ
とを示している。 実施例25ないし33、比較例6および7 〔スチレンの重合(重合速度および重合度)〕 実施例20において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートの代わり
に、第4表に示した0.05モル/濃度の各ペルオ
キシドを用い、実施例20に準じて100℃でのスチ
レンの塊状重合を120分間行なつた。その結果得
られた重合率、数平均重合度および重合速度を第
4表に示し、それぞれを実施例25ないし33とし
た。 通常の重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ
イソプロピルカーボネートおよびt−ブチルペル
オキシベンゾエートを用いて、実施例25に準じて
重合を行ない、その結果を同様に第4表に示し、
それぞれを比較例6および7とした。 第4表の結果から、ペルオキシアリールカーボ
ネートが、通常の重合開始剤に比較して、同一重
合速度では著しく数平均重合度の低下したポリマ
ーを与えることが明らかである。 【表】 実施例34、比較例8および9 〔スチレン樹脂の製造(他のペルオキシドとの
比較)〕 実施例20において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートの代わり
に、t−ブチルペルオキシフエニルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネ
ートおよびt−ブチルペルオキシベンゾエートを
それぞれ0.05モル/を用い、実施例20に準じて
重合を行ない、それぞれを実施例34ならびに比較
例8および9とした。その結果得られた重合率曲
線を第1図に、また最終ポリマーのGPC(ゲルパ
ーミエーシヨンクロマトグラフイ)曲線を第2図
に示した。 第1図の重合率曲線より、比較例8および9で
示される通常の重合開始剤を用いた場合には、重
合後期にゲル効果に基づく急激な速度の上昇が見
られるが、実施例34で示したペルオキシアリール
カーボネートではゲル効果が見られず、重合の制
御がより容易になつていることがわかる。 また第2図のGPC曲線より得られる数平均分
子量および分散指数(数平均分子量と重量平均分
子量の比で表わされる。)は、実施例34では90000
および2.4、比較例8では120000および2.8、なら
びに比較例9では140000および3.0となつた。こ
れらの結果は、t−ブチルペルオキシフエニルカ
ーボネートを使用した場合には、非常に高分子量
であるポリマーを含まないで分子量分布が均一で
あるため、成形加工性の優れたポリマーが得られ
ることを示している。 実施例35、比較例10および11 〔スチレン樹脂の製造(他の重合調整剤との比
較)〕 比較例9において、0.05モル/濃度のt−ブ
チルペルオキシフエニルカーボネート、n−ドデ
シルメルカプタンまたはα−メチルスチレンダイ
マーを追加添加して、比較例9に準じて重合を行
ない、それぞれを実施例35ならびに比較例10およ
び11とした。その結果得られた重合率曲線を第3
図に、また最終ポリマーのGPC曲線を第4図に
示した。 第3図の重合率曲線から、通常用いられている
重合調整剤であるn−ドデシルメルカプタンまた
はα−メチルスチレンダイマーを用いた比較例10
および11に比較して、t−ブチルペルオキシフエ
ニルカーボネートを用いた実施例35のほうが重合
完結時間が短く、かつ直線性が良好であることか
ら、効率的でかつ重合制御が容易であることがわ
かる。 また第4図のGPC曲線から得られる数平均分
子量および分散指数は、実施例35では74000およ
び2.4、比較例10では60000および4.8、ならびに
比較例11では44000および2.5である。t−ブチル
ペルオキシフエニルカーボネートを用いて得られ
たポリマーの分子量分布の均一性は、従来の重合
調整剤と同等かまたはそれ以上であることがわか
る。連鎖移動定数が13と大きなn−ドデシルメル
カプタンの場合には、分子量分布の不均一性が著
しく、0.3と小さなα−メチルスチレンダイマー
の場合には、ポリマー中への残存量の多いことが
問題となる。 実施例36ないし39、比較例12ないし14 〔メチルメタクリレート・シロツプの製造〕 実施例20において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートおよびス
チレンの代わりに、0.01モル/濃度のt−ブチ
ルペルオキシフエニルカーボネートおよびメチル
メタクリレートを用いて、実施例20に準じて、
90,120,140および160分間重合を行ない、重合
率、数平均重合度、分散指数および開始剤残存率
を求め、得られた結果を第5表に示し、それぞれ
を実施例36ないし39とした。 また同様に、実施例20において、0.013モル/
濃度のt−ブチルペルオキシフエニルカーボネ
ートおよびスチレンの代わりに、0.01モル/濃
度のt−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネ
ートおよびメチルメタクリレートを用いて、実施
例20に準じて、30,45および60分間重合を行な
い、重合率、数平均重合度、分散指数および開始
剤残存率を求め、得られた結果を第6表に示し、
それぞれを比較例12ないし14とした。 【表】 【表】 第5表および第6表において、初期重合速度を
求めると、それぞれ0.32%/分および0.87%/分
となる。このことから、ペルオキシアリールカー
ボネートを用いれば、同一重合連度のとき、通常
の重合開始剤よりも重合度の低下したポリマーの
得られることは明らかである。また第6表におい
て、通常の重合開始剤でメチルメタクリレートの
塊状重合を行なうと、たつた15分で重合率が39か
ら96%に、数平均重合度が2900から6700へと急激
に変化することがわかる。これに反して、第5表
に示されるように、ペルオキシアリールカーボネ
ートを用いると、40分を経過しても重合率は38か
ら61%しか、また数平均重合度も2500から3500し
か変化せず、かつ開始剤残存率もより少なくなる
ことから、微妙な重合の制御を必要とするメチル
メタクリレート・シロツプの製造に適しているこ
とがわかる。
共重合に使用できるペルオキシアリールカーボネ
ートの、重合調整能を有する重合開始剤としての
用途に関する。 (従来の技術) 不飽和単量体のラジカル重合または共重合にお
いては、重合速度、ポリマーの重合度および分子
量分布などの重合調整に絡む諸因子は、重合熱な
らびにポリマーの流動性、加工性および機械的性
質と密接な関係にある。このため、重合の調整は
高分子化学分野、特にその工業における最も重要
な課題となつている。 ラジカル重合の初期に生成する不飽和単量体の
ポリマーの数平均重合度(Pn)の逆数および重
合速度は、日本化学会編「新実験化学講座19、高
分子化学〔〕」(丸善)第387頁ないし第388頁
(1975年)に記載されているように、一般には次
の(1)および(2)式によつて表わされる。 (ただし、ktrMktrIおよびktrAはそれぞれ不飽和
単量体、重合開始剤および重合調整剤へのポリマ
ーラジカルの連鎖移動の速度定数であり、tお
よびkpはそれぞれ停止および成長反応の速度定数
である。また、kdおよびfはそれぞれ重合開始剤
の分解速度定数および開始剤効率である。さらに
また、〔I〕,〔M〕および〔A〕はそれぞれ重合
開始剤、不飽和単量体および重合調整剤の濃度、
Rpは重合速度、Xは不均化停止反応の割合を示
す。) (1)式において、右辺第1項、第2項および第3
項は、それぞれ不飽和単量体、重合開始剤および
重合調整剤へのポリマーラジカルの連鎖移動反応
による項であり、第4項はポリマーラジカル同士
による停止反応の項である。 (1)式に従えば、ポリマーの重合度は、重合速度
が大になると低下するが、重合調整剤の濃度が増
加しても低下することになる。従つて、通常は重
合速度を変えるか、KtrA/Kpで表わされる連鎖
移動定数の既知の重合調整剤を加えることによて
生成ポリマーの重合度の調整が行なわれている。 例えば、前記文献には、アゾイソブチロニトリ
ルおよびジベンゾイルペルオキシドを用いるスチ
レンの重合において(1)式の成立することが示され
ているし、また特公昭34−10046号公報には、ジ
ベンゾイルペルオキシドの濃度を変え、重合速度
を大にすることによつて各種重合度のポリマーの
得られることが示されている。 また例えば、特開昭48−52886号公報には、ア
ルキルメルカプタンおよび四臭化炭素を用いる
と、ポリマーの重合度の低下に基づき、ポリマー
溶液の相対粘度の著しく低下することが開示され
ている。 またペルオキシカーボネートに関しては、ベル
ギー国特許第660383号公報には次の一般式() (ただし、Rは第三級アルキル基および第三級
アラルキル基を、R′はアルキル基、アラルキル
基、アリール基およびアルコキシアルキル基を示
す。)で示されるものが、不飽和単量体の重合開
始剤として利用できることが開示され、またテト
ラヘドロン レター(Tetrahedron Letters)、
36巻、3355頁(1987年)には、一般式()にお
いて、Rが第三級ブチル基で、R′がフエニル基
であるt−ブチルペルオキシフエニルカーボネー
トの合成方法について記載されている。 さらにまた、ブルチン・オブ・アカデミー・オ
ブ・サイエンス・ユー・エス・エス・アール
(Bulletin of Academy of Science USSR)、3
巻、400頁(1963年)には、一般式()におい
て、Rがベンゾイル基でR′がフエニル基である
ベンゾイルペルオキシフエニルカーホネートと、
R′がシクロヘキシル基であるベンゾイルペルオ
キシシクロヘキシルカーボネートとの重合特性の
相違について記載されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の重合開始剤および重合調整剤を用いる重
合調整技術には限界があり、次に述べるいくつか
の欠点が指摘されている。 すなわち、重合速度が大になると、重合熱の増
大や重合系の粘度の急激な上昇により重合反応の
制御が著しく困難となる。例えば、メチルメタク
リレート系樹脂板の製造においては、重合による
発熱や重合体の収縮を小さくする目的でシロツプ
が使用されているが、これは適当な粘度を有し、
かつポリマー含有量の大きなものが望まれてい
る。ところが、通常用いられている重合開始剤で
は重合反応の制御が困難でシロツプの粘度がはな
はだしく大きくなる場合がある。 また、近年のスチレン系樹脂の製造において
は、射出成形機の高速・精密化により成形加工性
の優れた樹脂が求められている。しかし、通常は
重合後期のゲル効果による非常に高分子量なポリ
マーの生成により、成形加工性の優れたポリマー
を得ることは困難となつているし、分子量を低下
させるために重合開始剤の量を増加させると、低
分子量ポリマーの生成により機械的性質が悪化す
る。このようにポリマー分子量の均一性の問題は
重要な課題である。 また、四臭化炭素を用いる方法ではポリマーの
熱安定性が悪化し、そのため加工温度での着色分
解が激しくなり、その成形品の実用的価値は低下
する。さらにまた、アルキルメルカプタンの場合
には、不快な臭気のため使用上大きな障害となる
だけでなく、ポリマー中に残存する未反応メルカ
プタンも悪影響を及ぼすことが知られている。さ
らに、前記一般式()で表されるペルオキシカ
ーボネートの場合には、R′としてイソプロピル
基やベンジル基、シクロヘキシル基などを使用し
ているが、これらは重合調整能の効果が極めて小
さい。また、Rがベンゾイル基であるベンゾイル
ペルオキシカーボネートの場合には、R′によつ
て著しく異なる重合特性を有し、R′がシクロヘ
キシル基の場合には塩化ビニルの重合を開始する
が、R′がフエニル基になると塩化ビニルの重合
を全く開始しないため、重合開始剤として利用で
きないことが示されている。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述の欠点を解決するめに、次式 (ただし、R1およびR2は、水素原子、炭素数
1ないし10のアルキル基、炭素数7ないし12のア
ラルキル基、炭素数5ないし8のシクロアルキル
基、ハロゲン、炭素数1ないし4のアルコキシ基
および炭素数1ないし6のアシル基からなる群よ
り選ばれた1種または2種の置換基ならびにR3
およびR4は、炭素数1ないし4の低級アルキル
基を示す。R5はlが1のとき炭素数1ないし12
のアルキル基または炭素数3ないし12のシクロア
ルキル基を、lが2のとき−C≡C−基またはm
が2ないし4の整数である−(CH2−)n基を示す。)
で表されるペルオキシアリールカーボネートを有
効成分とする重合開始剤を提供する。 このペルオキシアリールカーボネートは従来法
で製造でき、かつ不飽和単量体を重合する際の重
合開始剤として用いる場合、従来の重合開始剤を
用いたときと、同一の重合速度にしたとき、著し
く低下した重合度のポリマーが得られ、このこと
が重合の調整に有効に作用することを見い出し
た。 本発明に使用するペルオキシアリールカーボネ
ートを具体的に示すと、第三級ブチルヒドロペル
オキシド、第三級アルミヒドロペルオキシド、第
三級ヘキシルヒドロペルオキシドおよび1,1,
3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド
と、フエノール、2−メチルフエノール、3−メ
チルフエノール、2,4−ジメチルフエノール、
2,6−ジメチルフエノール、2−イソプロピル
フエノール、2−第二級ブチルフエノール、4−
第三級ブチルフエノール、4−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)フエノール、4−クミル
フエノール、2−シクロヘキシルフエノール、2
−クロルフエノール、3−クロルフエノール、4
−クロルフエノール、2,4−ジクロルフエノー
ル、2−ブロムフエノール、3−ブロムフエノー
ル、2,6−ジブロムフエノール、3−メトキシ
フエノール、4−メトキシフエノール、4−エト
キシフエノール、4−アセチルフエノール、2−
クロル−4−メチルフエノール、2−ブロム−4
−メチルフエノール、3−メチル−4−ブロムフ
エノール、2−メチル−4−アセチルフエノール
とのカーボネートならびに2,5−ジメチル−
2,5−ジ(フエノキシカルボニルペルオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(4−
メチルフエノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(4−クロル
フエノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(フエノキシカル
ボニルペルオキシ)ヘキシンなどがある。これら
のペルオキシアリールカーボネートは、通常は無
色の液体または白色の結晶で、かつ無臭であり、
具体的には実施例に示す。これらのカーボネート
は、重合調整能および原料の入手容易性から選ば
れる。ペルオキシアリールカーボネートは、従来
の方法、すなわち、アルカリまたは第三級アミン
の存在下に、一般式() (式中、R1およびR2は前記一般式()の場
合と同じである。) で示されるアリールクロロホルメートと一般式
() (式中、R3,R4,R5およびlは前記一般式
()の場合と同じである。) で示される第三級アルキルヒドロペルオキシドと
を−30℃ないし40℃で反応させることによつて得
られる。しかし、前記ベルギー国特許第660383号
公報において一般式()に含まれている第三級
アラルキルペルオキシアリールカーボネート(式
中のRは第三級アラルキル基、R′はアリール基
を示す。)は特異な反応性を示すため前記方法に
よつては製造できない。 本発明に使用するペルオキシアリールカーボネ
ートは、赤外線吸収スペクトルおよび核磁気共鳴
スペクトルにより化学構造が決定され、その純度
はガスリキドクロマトグラフイー(GLC)およ
び活性酸素量によつて求められ、また熱分解挙動
は分解速度定数および半減期によつて求められ
る。ペルオキシアリールカーボネートの半減期
は、1ないし20時間の範囲内にあり、従来の重合
開始剤であるt−ブチルペルオキシイソプロピル
カーボネートとほぼ同程度の分解活性を示す中高
温活性なペルオキシドである。安全性について
は、他のペルオキシドと同様に、爆発的に分解す
るものが多いため、有機溶媒に希釈した状態、水
を含んだ含水物にした状態、水エマルジヨンの状
態または水サスペンシヨンの状態にし安全な形に
して使用することができる。 本発明に使用するペルオキシアリールカーボネ
ートは、重合調整能を有する不飽和単量体のラジ
カル重合開始剤として有用である。具体的な不飽
和単量体としては、エチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フマ
ル酸エステル、スチレンなどのラジカル重合また
は共重合可能なビニル型不飽和単量体およびエチ
レン型不飽和単量体を挙げることができる。 ペルオキシアリールカーボネートの使用量は、
不飽和単量体1モルに対して0.00005モルないし
0.2モルであり、オリゴマーといわれる低分子量
ポリマーからプラスチツクといわれる高分子量ポ
リマーに至る広範囲なポリマーの製造に利用でき
る。使用量は、前記範囲より少ないと使用上の効
果が小さく、また多すぎても効果があまり変わら
ず経済的でない。 本発明の重合開始剤を用いる重合および共重合
は、現在知られているラジカル活性種によるビニ
ル重合法、すなわち塊状重合、溶液重合または水
性媒体重合法のいずれによつても行なうことがで
き、その際、他の重合開始剤、重合調整剤およ
び/または他の重合添加剤を併用することもでき
る。 〔作用〕 本発明の重合開始剤は、前述の重合速度式(2)を
満足するような従来の重合開始剤とはかなり異な
る挙動を示す。 すなわち、従来の重合開始剤を用いたときと同
一の重合速度において、著しく重合度の低下した
ポリマーが得られ、この作用機構は次の通りであ
ると考えられる。すなわち、ペルオキシアリール
カーボネートを熱分解すると、まず(3)式に従つ
て、−0−0−結合の開裂が起こり、不飽和単量
体の重合を開始する2種類の活性なラジカル種が
まず生成する。 (式中、R1,R2,R3,R4,R5およびlは前記
の一般式()の場合と同じである。) 引き続いて、(4)式に従う脱炭酸反応が起こり、
重合を開始できないほど安定な不活性ラジカル種
が生成する。従来の重合開始剤では、このような
不活性なラジカル種は生成しないため、ポリマー
ラジカル同士の停止反応による連鎖反応の停止が
起こる。しかし、重合系内に前述のような不活性
なラジカル種が存在すると、これは(5)式に示され
るようにポリマーラジカルと反応し、連鎖反応の
停止を行なう。このため、従来のポリマーラジカ
ル同士の反応とは異なり、重合調整能が発現して
くるものと考えられる。 (発明の効果) 本発明の重合開始剤は、前述の特殊な作用機構
に基づく重合調整能を有するため、次に示すいく
つかの利点がある。 第1は、従来の重合開始剤と同一の重合速度に
したとき、より分子量の低下したポリマーが得ら
れることである。第2は、重合系が高粘度になつ
ても急激な重合速度の上昇は起こらず、ゲル効果
が防止できることである。第3は、第2の効果の
結果として、最終ポリマーの分子量分布は均一な
ものとなり、分散指数が小さくなることである。
第4は、重合開始能を有しているため、従来の重
合調整剤に比較した場合には重合完結時間を短縮
できることである。第5としては無臭で取り扱い
が容易であることが挙げられる。 これらについて、さらに具体的に例示すれば、
スチレン系樹脂の製造においては、重合後期での
ゲル効果が起きないので重合の温度制御が容易で
あり、かつ分子量分布が均一であるため成形加工
性が良好となること、さらに他の重合開始剤との
併用によつて重合完結時間を短縮できることなど
が挙げられる。 また、メチルメタクリレート・シロツプの製造
においては、適度な粘度を有し、かつポリマー含
有量の大きなシロツプを安定して製造でき、しか
も後工程におけるゲル化の原因となる開始剤残存
量を少なくできることなどが挙げられる。本発明
の重合開始剤は、前述のような優れた性質を有し
ているため、高分子化学工業における重要な重合
改質剤となる。 (実施例) 次に本発明の実施例、参考例および比較例を示
すが本発明はこれによつて限定されるものではな
い。 (ペルオキシアリールカーボネートの製造) 実施例 1 〔t−ブチルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 t−ブチルヒドロペルオキシド28.4g(0.22モ
ル)に石油エーテル200gを加え、分離した水を
除き、有機層を少量の硫酸マグネシウムで乾燥し
た。前記溶液を温度計とかくはん装置を備えた
500mlの四ツ口フラスコに入れ、5℃においてか
くはん下にピリジン15.8g(0.20モル)を加え、
次いでフエニルクロロホルメート31.7g〜(0.2モ
ル)を30分間を要して滴下した。滴下後、反応を
2時間継続し完結させた。 反応液を5%塩酸水溶液150mlで1回(5℃,
5分)、10%水酸化ナトリウム水溶液100mlで1回
(5℃,5分)および水150mlで2回(10℃,5
分)洗浄し、少量の硫酸ナトリウムで乾燥した。
それから減圧下に溶媒を除去し、収量30.5g(収
率70%)でGLC(ガスリキドクロマトグラフイ)
純度94%の粗製物を得た。この粗成物を石油エー
テルを用いて再結晶すると融点が30℃の白色結晶
が得られ、このものの活性酸素量は7.51%(理論
値7.61%)およびGLC純度は99%であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1808cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νC=0)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロト
ンの化学シフトをδ値で表すと、−C(CH3)3基の
プロトンは1.4ppm(9H)、ベンゼン核プロトンは
7.3ppm(5H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−ブチルペルオキシフエニルカー
ボネートであることが確認された。 実施例 2 〔t−ブチルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 フエニルクロロホルメート48.0g(0.30モル)、
t−ブチルヒドロペルオキシド38.7g(0.30モ
ル)、塩化ナトリウム5.0gおよび水106.0gから
なる混合物を、温度計とかくはん装置を備えた
500mlの四ツ口フラスコに入れ、2℃の温度にお
いてかくはん下に50%水酸化ナトリウム水溶液を
25分間を要して少量づつ滴下した。滴下後、反応
液を10℃に保ち、さらに1時間反応を継続し完結
させた。 反応生成液より水を分離して得られた有機層
を、20℃において10%水酸化ナトリウム水溶液30
gで1回、次いで10%硫酸ナトリウム水溶液30g
で2回洗浄し、それから少量の硫酸マグネシウム
で乾燥して、収量40.3g(収率58%)でGLC純度
79%のt−ブチルペルオキシフエニルカーボネー
トを得た。 実施例 3 〔t−アミルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 実施例1において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドの代わりにt−アミルヒドロペルオキシドを
使用して、実施例1に準じて反応を行なつた結
果、収量47.5g(収率54%)で粗製物を得た。こ
の粗製物をメタノールを用いて再結晶により精製
し、活性酸素量6.79%(理論7.13%)およびGLC
純度95%のもの得たが、このものは室温において
無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(液膜)は1800cm-1(νc=0)、1775cm-1
(νc=0)、1595cm-1(ベンゼン核)および1495cm
-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共鳴スペク
トル(重水素化クロロホルム溶液)におけるプロ
トンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH2CH3
基のプロトンは1.1ppm(3H)、−C(CH3)2−基の
プロトンは1.3ppm(6H)、−CH2CH3基のプロト
ンは1.7ppm(2H)およびベンゼン核プロトンは
7.3ppm(5H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−アミルペルオキシフエニルカー
ボネートであることが確認された。 実施例 4 〔t−ヘキシルペルオキシフエニルカーボネー
トの製造〕 温度計およびかくはん装置を備えた500mlの四
ツ口フラスコにt−ヘキシルヒドロペルオキシド
24.3g(0.20モル)、ピリジン15.8g(0.20モル)
および石油エーテル200gを入れ、かくはん下18
℃においてフエニルクロロホルメート27.0g
(0.17モル)および石油エーテル30gの混合物を
30分間を要して滴下した。さらに5時間反応を継
続し、析出したピリジン塩酸塩をろ別した。 反応生成液にさらにピリジン1.0g(0.013モ
ル)およびフエニルクロロホルメート7.0g〜
(0.058モル)を追加し、反応を1時間継続して完
結させた。20℃において、反応生成液を水300ml
で1回、2%水酸化ナトリウム水溶液300mlで1
回、次いで水300mlで3回洗浄し少量の硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧除去して収量32.0
g(収率55%)で、GLC純度94%の室温におい
て無色の液体である化合物を得た。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1802cm-1(νc=0、
1760cm-1(νc=0)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(重水素化クロロホルム溶液)にお
けるプロトンの化学シフテをδ値で表わすと、−
CH2 CH3 基のプロトンは0.9ppm(5H)、−C(C
H3)2−基のプロトンは1.4ppm(6H)、−C
(CH3)2CH2 −基のプロトンは1.7ppm(2H)およ
びベンゼン核プロトン7.3ppm(5H)にシグナル
が現れることから、この化合物はt−ヘキシルペ
ルオキシフエニルカーボネートであることが確認
された。 実施例 5 〔t−ブチルペルオキシ2−イソプロピルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに2−イソプロピルフエニルクロロホル
メートを使用して、実施例1に準じて反応を行な
つた結果、収量30.9g(収率54%)で、GLC純度
88%の粗成物を得た。この粗成物をメタノールを
用いて再結晶し、GLC純度95%の化合物を得た
が、これは室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は、1810cm-1(νc=
0)、1780cm-1(νc=0)、1580cm-1(ベンゼン核)
および1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁
気共鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプ
ロトンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH(C
H3)2基のプロトンは1.2ppm(6H)、−C(CH3 )3基
のプロトンは1.4ppm(9H)、−CH(CH3)2基のプ
ロトンは3.2ppm(1H)およびベンゼン核プロト
ンは7.3ppm(4H)にシグナルが現われることか
ら、この化合物はt−ブチルペルオキシ2−イソ
プロピルフエニルカーボネートであることが確認
された。 実施例 6 〔t−ブチルペルオキシ2−第2級ブチルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに2−第2級ブチルフエニルクロロホル
メートを使用して、実施例1に準じて反応を行な
つた結果、収量43.9g(収率72%)で、GLC純度
88%の化合物を得、このものは室温で無色の液体
であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1807cm-1(νc=0)、
1772cm-1(νc=0)、1580cm-1(ベンゼン核)およ
び1495cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル((四塩化炭素溶液)におけるプロ
トンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH2CH3 3
基のプロトンは0.9ppm(3H)、【式】基 のプロトンは1.2ppm(3H)、−C(CH 3)3基のプロ
トンは1.4ppm(9H)、−CH2 CH3基のプロトンは
1.7ppm(2H)、−CH(CH3)(CH2CH3)基のプ
ロトン2.9ppm(1H)およびベンゼン核プロトン
は7.2ppm(4H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−ブチルペルオキシ2−第2級ブ
チルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 7 〔t−ブチルペルオキシ3−メチルフエニルカ
ーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに3−メチルクロロホルメートを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、収量
35.2g(収率73%)でGLC純度93%の化合物を得
た。このものは室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収((四塩化炭素溶液)は、1808cm-1(νc=
0)、1780cm-1(νc=0)、1600cm-1(ベンゼン核)
および1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁
気共鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプ
ロトンの化学シフトをδ値で表わすと、−C(C
H3)3基のプロトンは1.4ppm(9H)、−CH3 基のプ
ロトンは2.2ppm(3H)およびベンゼン核プロト
ンは7.2ppm(4H)にシグナルが現われることか
ら、この化合物はt−ブチルペルオキシ3−メチ
ルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 8 〔t−アミルペルオキシ2,4−ジメチルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドおよびフエニルクロロホルメートの代わり
に、t−アミルヒドロペルオキシドおよび2,4
−ジメチルフエニルクロロホルメートを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、収量
35.7g(収率65%)でGLC純度92%の化合物を得
た。このものは、室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1808cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νc=0)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(重水素化クロロホルム溶液)にお
けるプロトンの化学シフトをδ値を表わすと、−
CH2CH3 基のプロトンは1.1ppm(3H)、−C(CH3
2−基のプロトンは1.3ppm(6H)、−CH2 CH3基の
プロトンは1.7ppm(2H)、−CH3 基のプロトンは
2.2ppm(6H)およびベンゼン核プロトンは
7.2ppm(3H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−アミルペルオキシ2,4−ジメ
チルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 9 〔t−ブチルペルオキシ4−クロルフエニルカ
ーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに、4−クロルフエニルクロロホルメー
トを使用して、実施例1に準じて反応を行なつた
結果、収量30.9g(収率58%)で活性酸素量5.99
%(理論値6.54%)の化合物を得た。この化合物
は白色の結晶で融点は39〜41℃であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1805cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νc=0)、1595cm-1(ベンゼン核)およ
び1490cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロト
ンの化学シフトをδ値で表わすと、−C(CH3 )3
基のプロトンは1.4ppm(9H)およびベンゼン核
のプロトンは7.2ppm(4H,4−位置換クロル基
による対称的に四重線)にシグナルが現われるこ
とから、この化合物はt−ブチルペルオキシ4−
クロルフエニルカーボネートであることが確認さ
れた。 実施例 10 〔2,5−ジメチル−2,5−ジ(フエノキシ
カルボニルペルオキシ)ヘキサンの製造〕 温度計とかくはん装置を備えた1の四ツ口フ
ラスコに2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ヒドロペルオキシド44.6g(0.25モル)、ピリジ
ン39.6g(0.50モル)および石油エーテル500g
を入れ、かくはん下5℃において、フエニルクロ
ロホルメート60.6g(0.38モル)および石油エー
テル20gの混合物を30分間を要して滴下した。滴
下後、2時間反応を継続して完結させ、反応生成
液を5%塩酸水溶液500mlで1回(5℃,3分)、
10%水酸化ナトリウム水溶液300mlで1回(5℃,
5分)水500mlで2回(5℃,10分)洗浄し少量
の硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した粗
成物45.0gをメタノールを用いて再結晶すると、
融点が53℃の白色結晶として10.0gの化合物が得
られた。活性酸素量は7.57%(理論値7.65%)で
あつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1800cm-1(νc=0)、
1780cm-1(νc=0)、1595cm-1(ベンゼン核)およ
び1495cm-1(ベンゼン核)であり、核磁気共鳴ス
ペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロトンの
化学シフトをδ値で表わすと、−CH3 基のプロト
ンは1.3ppm(6H)、−CH2 CH2 −基のプロトンは
1.7ppm(4H)およびベンゼン核プロトンは
5.2ppm(10H)にシグナルが現われることから、
この化合物は2,5−ジメチル−2,5−ジ(フ
エノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサンである
ことが確認された。 比較例1および2 〔クミルペルオキシフエニルカーボネートの製
造〕 実施例1において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドの代わりに、クミルヒドロオキシドを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、急激
な発熱はみられるが反応生成物としてクミルペル
オキシフエニルカーボネートを単離確認すること
はできなかつた(比較例1)。 実施例2において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドの代わりに、クミルヒドロペルオキシドを使
用して、実施例2に準じて反応を行なつた結果、
急激な発熱は見られるが反応生成物としてクミル
ペルオキシフエニルカーボネートを単離確認する
ことはできなかつた(比較例2)。 比較例1および2によつて、アルカリまたは第
三級アミンを用いる公知の方法では、前記ベルギ
ー国特許第660383号公報に前記一般式()とし
て含まれているRが第三級アラルキル基で、
R′がアリール基である第三級アラルキル基ペル
オキシアリールカーボネートは容易に合成できな
いことがわかる。 実施例11ないし19、参考例1および2 〔ペルオキシアリールカーボネートの分解速度
定数および半減期〕 実施例1ないし10で得られたペルオキシアリー
ルカーボネートのクメン中0.02モル/での100
℃における熱分解を追跡し、分解速度定数および
半減期を求めた。そして、得られた結果を、通常
の重合開始剤であるt−ブチルペルオキシイソプ
ロピルカーボネートおよびt−ブチルペルオキシ
ベンゾエートと共に第1表に示し、それぞれを実
施例11ないし19、ならびに参考例1および2とし
た。第1表から、ペルオキシアリールカーボネー
トは、通常の重合剤であるペルオキシイソプロピ
ルカーボネートと同程度の分解特性を示すことが
わかる。 【表】 (ペルオキシカーボネートによる重合) 実施例20ないし24、比較例3ないし5 〔スチレンの重合特性におけるt−ブチルペル
オキシフエニルカーボネートとt−ブチルペル
オキシイソプロピルカーボネートの比較〕 第2表に示した濃度になるように、実施例1で
得られたt−ブチルペルオキシフエニルカーボネ
ートおよびスチレンを秤量し、スチレン溶液また
はスチレン・ベンゼン混合溶液を作成した。この
溶液5mlを各ガラスアンプルに入れ、凍結−溶解
法により脱気して真空下に溶封した。各ガラスア
ンプルを100℃の恒温槽中に入れて重合を行ない、
所定時間ごとにサンプリングし、東洋曹達工業株
式会社製高速液体クロマトグラフHLC−802A型
を用いて重合率および数平均重合度を求めた。重
合率および数平均重合度は、予め標品を用いた検
量線により求め、重合速度および数平均重合度は
重合率10%以下で求めた。得られた結果を第2表
に示し、これらを実施例20ないし24とした。 同様にして、通常の重合開始剤であるt−ブチ
ルペルオキシイソプロピルカーボネートおよびス
チレンを第3表に示した濃度になるように秤量
し、スチレン溶液またはスチレン・ベンゼン混合
溶液を作成した。それから、実施例20に準じてガ
ラスアンプルを作成し重合を行ない、重合速度お
よび数平均重合度を求めた。得られた結果を第3
表に示し、これらを比較例3ないし5とした。 【表】 度をそれぞれ示す。
2) ベンゼン溶液重合である。
【表】 ト濃度をそれぞれ示す。
2) ベンゼン溶液重合である。
実施例21および22と比較例3および4との比較
により明らかなように、t−ブチルペルオキシフ
エニルカーボネートを用いると、同一重合速度で
比較すれば、約20%程度ポリマーの重合度が低下
していることがわかる。 また、t−ブチルペルオキシイソプロピルカー
ボネートの場合には、Rp2/〔C〕〔M〕2の値は
約2×10-7となりほぼ一定の値であり、前記重合
速度式(2)を満足するが、t−ブチルペルオキシフ
エニルカーボネートは前記(2)式を満足せず、
Rp2/〔C〕〔M〕2の値は〔C〕/〔M〕の値の
増加と共に低下することがわかる。このことは、
ペルキシアリールカーボネートは、従来の重合開
始剤とは異なつた特異な重合挙動をとり、前述の
反応式(3)ないし(5)に従つて重合反応に関与するこ
とを示している。 実施例25ないし33、比較例6および7 〔スチレンの重合(重合速度および重合度)〕 実施例20において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートの代わり
に、第4表に示した0.05モル/濃度の各ペルオ
キシドを用い、実施例20に準じて100℃でのスチ
レンの塊状重合を120分間行なつた。その結果得
られた重合率、数平均重合度および重合速度を第
4表に示し、それぞれを実施例25ないし33とし
た。 通常の重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ
イソプロピルカーボネートおよびt−ブチルペル
オキシベンゾエートを用いて、実施例25に準じて
重合を行ない、その結果を同様に第4表に示し、
それぞれを比較例6および7とした。 第4表の結果から、ペルオキシアリールカーボ
ネートが、通常の重合開始剤に比較して、同一重
合速度では著しく数平均重合度の低下したポリマ
ーを与えることが明らかである。 【表】 実施例34、比較例8および9 〔スチレン樹脂の製造(他のペルオキシドとの
比較)〕 実施例20において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートの代わり
に、t−ブチルペルオキシフエニルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネ
ートおよびt−ブチルペルオキシベンゾエートを
それぞれ0.05モル/を用い、実施例20に準じて
重合を行ない、それぞれを実施例34ならびに比較
例8および9とした。その結果得られた重合率曲
線を第1図に、また最終ポリマーのGPC(ゲルパ
ーミエーシヨンクロマトグラフイ)曲線を第2図
に示した。 第1図の重合率曲線より、比較例8および9で
示される通常の重合開始剤を用いた場合には、重
合後期にゲル効果に基づく急激な速度の上昇が見
られるが、実施例34で示したペルオキシアリール
カーボネートではゲル効果が見られず、重合の制
御がより容易になつていることがわかる。 また第2図のGPC曲線より得られる数平均分
子量および分散指数(数平均分子量と重量平均分
子量の比で表わされる。)は、実施例34では90000
および2.4、比較例8では120000および2.8、なら
びに比較例9では140000および3.0となつた。こ
れらの結果は、t−ブチルペルオキシフエニルカ
ーボネートを使用した場合には、非常に高分子量
であるポリマーを含まないで分子量分布が均一で
あるため、成形加工性の優れたポリマーが得られ
ることを示している。 実施例35、比較例10および11 〔スチレン樹脂の製造(他の重合調整剤との比
較)〕 比較例9において、0.05モル/濃度のt−ブ
チルペルオキシフエニルカーボネート、n−ドデ
シルメルカプタンまたはα−メチルスチレンダイ
マーを追加添加して、比較例9に準じて重合を行
ない、それぞれを実施例35ならびに比較例10およ
び11とした。その結果得られた重合率曲線を第3
図に、また最終ポリマーのGPC曲線を第4図に
示した。 第3図の重合率曲線から、通常用いられている
重合調整剤であるn−ドデシルメルカプタンまた
はα−メチルスチレンダイマーを用いた比較例10
および11に比較して、t−ブチルペルオキシフエ
ニルカーボネートを用いた実施例35のほうが重合
完結時間が短く、かつ直線性が良好であることか
ら、効率的でかつ重合制御が容易であることがわ
かる。 また第4図のGPC曲線から得られる数平均分
子量および分散指数は、実施例35では74000およ
び2.4、比較例10では60000および4.8、ならびに
比較例11では44000および2.5である。t−ブチル
ペルオキシフエニルカーボネートを用いて得られ
たポリマーの分子量分布の均一性は、従来の重合
調整剤と同等かまたはそれ以上であることがわか
る。連鎖移動定数が13と大きなn−ドデシルメル
カプタンの場合には、分子量分布の不均一性が著
しく、0.3と小さなα−メチルスチレンダイマー
の場合には、ポリマー中への残存量の多いことが
問題となる。 実施例36ないし39、比較例12ないし14 〔メチルメタクリレート・シロツプの製造〕 実施例20において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートおよびス
チレンの代わりに、0.01モル/濃度のt−ブチ
ルペルオキシフエニルカーボネートおよびメチル
メタクリレートを用いて、実施例20に準じて、
90,120,140および160分間重合を行ない、重合
率、数平均重合度、分散指数および開始剤残存率
を求め、得られた結果を第5表に示し、それぞれ
を実施例36ないし39とした。 また同様に、実施例20において、0.013モル/
濃度のt−ブチルペルオキシフエニルカーボネ
ートおよびスチレンの代わりに、0.01モル/濃
度のt−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネ
ートおよびメチルメタクリレートを用いて、実施
例20に準じて、30,45および60分間重合を行な
い、重合率、数平均重合度、分散指数および開始
剤残存率を求め、得られた結果を第6表に示し、
それぞれを比較例12ないし14とした。 【表】 【表】 第5表および第6表において、初期重合速度を
求めると、それぞれ0.32%/分および0.87%/分
となる。このことから、ペルオキシアリールカー
ボネートを用いれば、同一重合連度のとき、通常
の重合開始剤よりも重合度の低下したポリマーの
得られることは明らかである。また第6表におい
て、通常の重合開始剤でメチルメタクリレートの
塊状重合を行なうと、たつた15分で重合率が39か
ら96%に、数平均重合度が2900から6700へと急激
に変化することがわかる。これに反して、第5表
に示されるように、ペルオキシアリールカーボネ
ートを用いると、40分を経過しても重合率は38か
ら61%しか、また数平均重合度も2500から3500し
か変化せず、かつ開始剤残存率もより少なくなる
ことから、微妙な重合の制御を必要とするメチル
メタクリレート・シロツプの製造に適しているこ
とがわかる。
第1図および第3図は、本発明の実施例および
比較例による重合率と重合時間の関係を示すグラ
フであり、第2図および第4図は、本発明の実施
例および比較例により得られたポリマーのGPC
曲線である。いずれの図においても実線は実施
例、破線は比較例である。
比較例による重合率と重合時間の関係を示すグラ
フであり、第2図および第4図は、本発明の実施
例および比較例により得られたポリマーのGPC
曲線である。いずれの図においても実線は実施
例、破線は比較例である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 (ただし、式中のR1およびR2は、水素原子、
炭素数1ないし10のアルキル基、炭素数7ないし
12のアラルキル基、炭素数5ないし8のシクロア
ルキル基、ハロゲン、炭素数1ないし4のアルコ
キシ基および炭素数1ないし6のアシル基からな
る群より選ばれた1種または2種の置換基ならび
にR3およびR4は炭素数1ないし4の低級アルキ
ル基を示す。R5はlが1のとき炭素数1ないし
12のアルキル基または炭素数3ないし12のシクロ
アルキル基を、lが2のとき−C≡C−基または
mが2ないし4の整数である−(CH2−)n基を示
す。)で表されるペルオキシアリールカーボネー
トを有効成分とする、不飽和単量体の重合調整能
を有する重合開始剤。 2 R1およびR2は、水素原子、炭素数1ないし
10のアルキル基、塩素原子および臭素原子からな
る群より選ばれた1種または2種の置換基で示さ
れる特許請求の範囲第1項記載の重合開始剤。 3 lが1,R1およびR2が水素原子、さらにR3,
R4およびR5がメチル基で示される特許請求の範
囲第1項または第2項記載の重合開始剤。 4 lが1,R1およびR2が水素原子、R3および
R4がメチル基、そしてR5がエチル基で示される
特許請求の範囲第1項または第2項記載の重合開
始剤。 5 lが1,R1およびR2が水素原子、R3および
R4がメチル基、そしてR5がプロピル基で示され
る特許請求の範囲第1項または第2項記載の重合
開始剤。 6 lが1,R1が水素原子、R2が2−位置換イ
ソプロピル基、そしてR3,R4およびR5がメチル
基で示される特許請求の範囲第1項または第2項
記載の重合開始剤。 7 lが1,R1が水素原子、R2が2−位置換第
2級ブチル基、そしてR3,R4およびR5がメチル
基で示される特許請求の範囲第1項または第2項
記載の重合開始剤。 8 lが1,R1が水素原子、R2が3−位置換メ
チル基、そしてR3,R4およびR5がメチル基で示
される特許請求の範囲第1項または第2項記載の
重合開始剤。 9 lが1,R1およびR2がそれぞれ2−および
3−位置換メチル基、R3およびR4がメチル基、
そしてR5がエチル基で示される特許請求の範囲
第1項または第2項記載の重合開始剤。 10 lが1,R1が水素原子、R2が4−位置換
クロル基、そしてR3,R4およびR5がメチル基で
示される特許請求の範囲第1項または第2項記載
の重合開始剤。 11 lが2、R1およびR2が水素原子、R3およ
びR4がメチル基、そしてR5がエチレン基で示さ
れる特許請求の範囲第1項または第2項記載の重
合開始剤。 12 不飽和単量体がスチレンである特許請求の
範囲第1項または第2項記載の重合開始剤。 13 不飽和単量体がメチルメタクリレートであ
る特許請求の範囲第1項または第2項記載の重合
開始剤。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18162385A JPS6243404A (ja) | 1985-08-21 | 1985-08-21 | 重合調整能を有する重合開始剤 |
| US06/895,995 US4929747A (en) | 1985-08-21 | 1986-08-13 | Organic peroxide having a polymerization-regulating ability |
| EP86306322A EP0214778B2 (en) | 1985-08-21 | 1986-08-15 | Organic peroxide having a polymerization-regulating ability |
| DE8686306322T DE3671015D1 (de) | 1985-08-21 | 1986-08-15 | Organische peroxyde, tauglich zur polymerisationsregulierung. |
| US07/270,214 US5008353A (en) | 1985-08-21 | 1988-11-14 | Organic peroxide having a polymerization-regulating ability |
| US07/401,244 US5210164A (en) | 1985-08-21 | 1989-09-27 | Organic peroxide having a polymerization-regulating ability |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18162385A JPS6243404A (ja) | 1985-08-21 | 1985-08-21 | 重合調整能を有する重合開始剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6243404A JPS6243404A (ja) | 1987-02-25 |
| JPH0155646B2 true JPH0155646B2 (ja) | 1989-11-27 |
Family
ID=16104023
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18162385A Granted JPS6243404A (ja) | 1985-08-21 | 1985-08-21 | 重合調整能を有する重合開始剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6243404A (ja) |
-
1985
- 1985-08-21 JP JP18162385A patent/JPS6243404A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6243404A (ja) | 1987-02-25 |
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