JPH021259B2 - - Google Patents
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- JPH021259B2 JPH021259B2 JP2315882A JP2315882A JPH021259B2 JP H021259 B2 JPH021259 B2 JP H021259B2 JP 2315882 A JP2315882 A JP 2315882A JP 2315882 A JP2315882 A JP 2315882A JP H021259 B2 JPH021259 B2 JP H021259B2
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- chamber
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- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N17/00—Investigating resistance of materials to the weather, to corrosion, or to light
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- Pathology (AREA)
- Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
Description
本発明は、金属板および塗装板を含む各種被覆
金属板およびプラスチツク板の浸漬試験装置、よ
り詳しくは劣化および腐食速度に及ぼす浸漬液の
流れと、浸漬液中の劣化および腐食促進ガスの溶
在濃度に着目し、再現性が良好な腐食や劣化現象
を簡便に得ることができる浸漬試験装置に関す
る。 一般に金属は酸化され、酸化物(サビ)を形成
する腐食現象を呈し、この防止のために各種技術
が存在する。この防食技術の検定、腐食現象の解
析のために所定条件の腐食試験が実施される。こ
のために塩水噴霧試験、発露試験、紫外線照射試
験等各種の腐食試験装置が考案され市販されてい
る。こうした装置は大型で、複雑、高価であり、
かつその運転管理の費用と手間も大きい。そこ
で、最も簡単な腐食試験方法としては所定の腐食
液に被検体としての試験片を浸漬する、浸漬試験
が巾広く実施されている。 この浸漬試験は、容易に実施できる一方、この
条件の規格化はなされておらず、そのため各人各
様に実施され、そのため再現性がなく、その場限
りの比較データしか得られないのが現状である。
たとえば、この浸漬試験における腐食速度は第1
図に示すように溶存酸素濃度がある所定値までは
浸漬液中の酸素濃度に比例して増加し、試験体と
しての金属の酸化還元電位が卑になるほど、増加
程度は大きい。そして、溶存酸素濃度が一定値を
超えると、第1図に示すごとく、溶存酸素濃度が
高いにもかかわらず、腐食速度が著しく小さくな
る、いわゆる不働態化現象が各金属それぞれの材
料について千差万別の態様で起こる。また浸漬液
の流れによつても、腐食の進行速度は大きく異な
る。したがつて、浸漬試験は、実際に厳密に設定
した所定環境(たとえば一定の溶存酸素濃度)で
の腐食挙動を比較観察してみなければ意味がな
い。しかるに、従来は、浸漬液中の溶存酸素濃度
と浸漬液の流れが腐食の進行に対する大きな要因
であると認識されてはいるものの、それらに対す
る適当な装置が見当たらないため、再現性がない
にも拘らず、単純に大気環境下、静止した浸漬液
に被検体を浸漬して、その変化を評価するのが一
般的であつた。また、多くの被検体を同一条件に
管理するという試験装置としての基本機能におい
て満足できものはなかつた。 そこで、この発明の目的は、腐食現象や劣化現
象等を再現性良く進行させて評価することができ
る上に、簡単、安価に多数の被検体を同時に同条
件において試験することができる装置を提供する
ことにある。 この発明の浸漬試験装置は、浸漬液を収納する
ばつ気室と浸漬室を備え、上記ばつ気室内の下部
に、気体を連続的にばつ気して浸漬液内の溶存気
体を飽和させるばつ気手段を設ける一方、上記浸
漬室に、上記ばつ気室から流入してくる浸漬液を
均一な流れに整流する整流手段を設けて、上記浸
漬室の一定位置に設けた被検体の回りに浸漬液が
均一に流れるようにし、さらに上記浸漬室内の浸
漬液をばつ気室に戻す通路手段を設けて、浸漬液
を循環させるようにし、一定環境下における上記
被検体の変化を評価するようにしたことを特徴と
している。 以下、この発明を図示の実施例により詳細に説
明する。 第2,3図においては、1は槽、2は槽1内を
ばつ(曝)気室3と浸漬室4とに仕切る仕切り
板、5はばつ気3内の下部に設けたばつ気手段の
一例としての気泡発生器、6は浸漬室4内の上部
に設けた整流手段の一例としての多孔を有する整
流板、7は浸漬室4内で整流板6よりも下方の一
定位置にハンガー8で吊り下げた被検体としての
試験片、9は槽1に着脱自在に取り付けたふた、
11はたとえば窒素ガスと腐食促進ガスとしての
酸素とを所定割合で混合するガス混合装置であつ
て、ガス混合装置11からの混合ガスは気泡発生
器5から気泡となつて連続的に上方に流れ、この
気泡はポンプ作用を行つてたとえば水や塩水等の
浸漬液の上方への噴流を生じさせ、ばつ気室3内
の浸漬液はオーバーフローして浸漬室4へ流入す
るようになつている。また、上記ばつ気室3内に
おいて、浸漬液は上記ばつ気により混合ガスで飽
和され、浸漬液中の余分な気泡は上記上方への噴
流によりばつ気室3の上方空間へ排出され、この
排出された気泡からなる所定組成の混合ガスは、
浸漬室4の上方でふた9より下方の空間を覆い、
さらに排出孔15から外部へ排出されるようにな
つている。 一方、上記浸漬室4に流入した混合ガスで飽和
された浸漬液は、整流板6で整流されて試験片7
の回りを均一な状態で下方へ流れるようになつて
いる。つまり、試験片7の周囲環境を一定に設定
して、その腐食の進行が一定となるようになつて
いる。なお、試験片7は第2,3図では1個しか
示していないが、紙面直交方向に多数配列してい
る。浸漬室4の下部とばつ気室3の下部とは、仕
切り板2下方の間隙からなる通路手段16で連通
させて、浸漬室4からばつ気室3へ浸漬液が循環
するようにしている。 こうして循環系では、わずかな噴流圧でもつて
浸漬液全体を動かすことができるので運転効率が
高く、費用が少ない大きな特徴を有する。この気
泡発生器5には多孔質の無機材を、曝気ガスの導
入はビニールパイプを使用し極めて安価にして耐
久性の良い装置が形成される。このことは従来の
腐食液の撹拌における装置自体の耐久性の問題を
解決したことになり、従来技術にない本発明の大
きな特徴である。 第2,3図に示すように、被検体7の設置は全
没の状態になり、被検体の支持においては格別の
注意を要することは言うまでもない。被検体7の
出し入れにおいては仕切り板2ないし整流板6を
取り外す必要があり、少々の不便はあるものの既
製の水槽に簡単に装備できる点で勝れている。 第4,5図は今一つの実施例の装置を示す。こ
の装置は、被検体7の出し入れを仕切板2または
整流板6を外さなくてもできるようにしたもので
ある。第4,5図において、1は透明なポリカー
ボネートからなる槽、3はばつ気室、4は浸漬
室、21は脱泡室、16は通路手段で、これらの
室は槽1内を透明な仕切り板2,2,2,2で仕
切つて形成しており、浸漬液たる腐食液は第4図
中矢印A→B→C→D→E→F→Aと循環するよ
うになつている。 上記ばつ気室3には浸漬液の温度を定温にする
ためのヒーターないしはクーラーとその制御装
置、即ち定温維持装置31を設ける。さらに所定
組成のガスをばつ気する発泡器5を設ける。この
発泡器5にはベローズ形ポンプまたはダイヤフラ
ム形ポンプ(図示せず)から油分の含まれない気
体を圧送する。発泡器からの噴流でばつ気室の腐
食液は上方に押しあげられ、ばつ気室3と脱泡室
21との仕切り板2をオーバーフローして脱泡室
21へ入り下方へ押し下げられる。ここで気泡は
上部に残るので脱泡される。腐食液中の浮遊物を
除去するため、脱泡室21には濾材35を設け
る。脱泡室21の腐食液は脱泡の他精製手段36
で所定の精製をへて脱泡室21と浸漬室4との仕
切り板2を越えて浸漬室4へ入る。浸漬室4へ入
る際、この室の下部全体の低部に設けられた均一
に小孔の分布した整流板6を経て浸漬室4では上
方向きの均一な流れとなる。このための条件とし
て浸漬室4の液面は脱泡室21の液面より若干低
目になることが必要であり、この値を一定値に保
つことが必要である。整流板6の上方には上方向
の均一な流れを防げないように複数の被検体7を
平行に並べる。このように、整流板6の上方に被
検体7を配置しているので、被検体7の脱着は整
流板6に邪魔されず容易に行うことができる。板
状以外の試験体は相互に干渉しないよう工夫して
設置せねばならない。この場合、その影響が残る
ことは認めておかねばならない。浸漬室4のすべ
ての被検体7の表面には、溶存酸素の所定値の腐
食液が一定流速で均一に供給される。腐食生成
物、劣化物、分解物を含んだ腐食液は仕切り板2
をオーバーフローして還流通路16を経てばつ気
室3に還流される。この間に液温が変化したばつ
気室4で修正され定温にもどされ、再び循環して
いく。 なお、第4,5図において、41はモータ42
で駆動して、ばつ気室3内に強い上昇流を生じさ
せると共に、撹拌を行なうプロペラ式撹拌装置、
43は浸漬液の水分蒸発損失を防ぐために排気孔
15に設けたコンデンサー、46は参照電極、4
9は比重計、50は電圧記録計、51は被検体7
と記録計50を継ぐ導線52を通すために槽1に
設けた導線孔、53,53は上下2段に槽1の壁
面に固定したハンガー掛けである。 第6図はさらに他の実施例を示し、61は被検
体7に近接して設けた参照電極、62は浸漬室4
に設けた作用電極、63はポテンシオメーター、
64は被検体7と参照電極61との間の電位を計
る電圧計、65は電流計であつて、この電圧計6
4と電流計65との計測値より、第7図に示す如
き分極曲線X1,X2を画き、アノード分極曲線お
よびカソード分極曲線それぞれについてのその直
線部分を外挿して得られる交点Y(この電位を
Ecor、電流をicorとする)を求めて、被検体たる
金属の表面特性を測定できるようにしたものであ
る。 第8図は他の実施例を示す。この実施例は浸漬
室4内の腐食試験液に金属からなる被検体7を浸
漬して、この被検体7の腐食に伴つて発生する水
素を定量とすることによつて、被検体7の変化を
評価するようにしたものである。 すなわち、金属の水が存在する環境下での腐食
は、金属のイオン化というアノード過程と、次式
で示す酸素消費または水素発生というカソード過
程とが化学量論的に等しい量づつ同時に進行す
る。 カソード過程 1/2O2+H2O+2e→2OH- …(1) 2H2O+2e→2OH-+H2 …(2) この原則は成立するものの、種々の要因が多く
複雑な現象が起こり、化学量論的解析は容易でな
い。しかし、所定の条件を満たせば、消費された
酸素量または発生した水素量を求めることで腐食
速度が求まる。 発生した水素量の定量に際し、第9図に示す装
置が従来より用いられており、この装置では大気
からの酸素侵入や、温度を一定に保ち難いことな
どの誤差要因があるという欠点があつた。 第8図に示す実施例は、これらの欠点を除去す
るもので、この装置は、外液と内液との出入り
を、実質上内部から外部だけに制限し、内部の圧
力を一定に保つ特徴を有する。101は被検体7
を収容する閉鎖容器、102は閉鎖容器101の
端部に連結され、閉鎖容器101の内液と外液と
を連通させる細管、103は細管102に介設さ
れ、内液が外液の方へ流出する場合のみに開放す
るチエツク弁である。 また、105,105はビユレツト付ロート状
容器、106,106は上記ロート状容器10
5,105に夫々十分な重ね合せ部107,10
7を有するようにして、内外から嵌合したビーカ
であつて、上記ビーカ106,106内の被検体
7,7の回りに内液(浸漬液)の圧力は上記重ね
合せ部107,107によつて略一定になつて、
外部の変動要因が被検体7,7に伝わらないよう
になつている。なお、第8図に示す構成部分のう
ち、第4,5図に示す構成部分と同一機能を果た
す部分は同一符号を付して説明を省略する。 実験例 1 第4,5図に示す槽1を透明塩化ビニル材で、
横400mm、高さ250mm、奥行300mmに作成した。こ
こに5%食塩水25を満たし腐食液とした。1室
に定温維持装置として、温度コントローラ付
200Wヒーター31を設置した。エアーポンプよ
り発泡器5を通じて2/分の大気、即ち腐食促
進ガスとしての酸素が20%含有の窒素ガスを通じ
噴流を発生せしめた。脱泡室21の水面が浸漬室
4のそれより3mm上昇し、通路16において100
cm/minの流速があり、6/分の循環があつ
た。温度設定を35℃とし実際に液温を測定した結
果、撹拌が良好であるので場所による差は認めら
れなかつた。大気組成に飽和した35℃、5%
NaCl水中の溶存酸素濃度はJIS KO102−1971に
よると4.8mg/とされている。なお、35℃純水
では7.04ppmである。この値に東亜電波工業製溶
存酸素計DO−1Aの目盛を設定した。この溶存酸
素計で槽1内の各部について測定した結果、全く
差異は検出されなかつた。さらに後述の各浸漬試
験を実施の前後、その途中においても溶存酸素濃
度を実測した結果、いずれも全く差異を認めなか
つた。 これに対して、従来の装置を比較例として次に
掲げる。この従来のものは、浸漬液の蒸発防止、
液モレ防止のため密閉して実施されることが多
い。試験温度と室温差が少なく蒸発力の少ない夏
季は開放して実施されたりして、浸漬液の溶存酸
素についてほとんど配慮されていない。具体的に
は、70×150×0.8mmの冷延鋼板を5枚溶剤脱脂
し、1のふたつきガラスビーカの中の5%
NaCl水溶液に浸漬し、これを35%恒温水槽に10
日間浸漬した。10日後の浸漬液の溶存酸素はふた
を開けて直後に1.5ppmの値を示し急速に増加し
た。大気に接した液上部が早く、底の方はかなり
遅くいわゆる酸素濃淡の局在する様子が確かめら
れた。試験板の浸漬前後の重量変化の測定からこ
の冷延鋼板の腐食速度を求めた結果、95、83、
72、65、53mg/dm2・dayとかなりのバラツキが
あり、判断に苦しんだ。一方、このビーカのふた
を開けた場合は79、78、75、70、70と変動巾はか
なり小さくなつたものの、浸漬に際してのきつ水
面における腐食挙動が特異的で5枚それぞれに異
なり判断に苦しんだ。 更には試験液に気体を飽和させるための公知で
あるばつ気する手段を取つた方法では、気泡が被
検体に付着したり不均一な流れのため、腐食結果
は更に多様に変化し判断に苦しんだ。 実験例 2 実施例1と同様に第4,5図に示す装置を用
い、空気を0.5/分、窒素ガスを2.0/分で混
合し、この混合ガスをばつ気手段から曝気した。
この酸素濃度は大気のそれを20%とすると、(20
×0.5/2.5=)4%に相当する。この混合ガスを曝気 した5%NaCl水溶液の溶存酸素濃度は、ヘンリ
ーの方則を適用して計算すると、大気組成での飽
和値4.97ppmの1/5≒1.0ppmとなる。実際に測定
した結果とよく一致した。これは槽1のふた9に
も十分注意し、曝気流のガス組成に全体が維持さ
れるようにできる本発明の特徴の一つでもある。 次にこの状態で浸漬室4に被検体7を浸漬して
その変化を測定した実例を示す。鋼板の防錆対策
として亜鉛のメツキが行なわれるが、このメツキ
方法、メツキ組成およびその表面調整でその防食
性は変異する。今、ここに市販の亜鉛メツキ鋼で
Aメーカ品とBメーカ品の2種類入手し、この優
劣を評価した。なお、腐食現象の研究のため冷延
鋼板および亜鉛板そのものと比較してそれぞれの
腐食速度を求めた。測定は5日間における試験板
の増減を求め、減少を−、増加を+で示した。測
定は各5枚実施し平均値を求めたがバラツキはほ
とんどなく、各5枚とも外観においても同一の腐
食景観を示した。このように再現性のよいのは浸
漬液に流れがあり、各試験板に同一条件を与える
ことのできる本発明装置の構造的特徴に基づく。 次に、腐食速度の測定結果の一例を表−1に示
す。
金属板およびプラスチツク板の浸漬試験装置、よ
り詳しくは劣化および腐食速度に及ぼす浸漬液の
流れと、浸漬液中の劣化および腐食促進ガスの溶
在濃度に着目し、再現性が良好な腐食や劣化現象
を簡便に得ることができる浸漬試験装置に関す
る。 一般に金属は酸化され、酸化物(サビ)を形成
する腐食現象を呈し、この防止のために各種技術
が存在する。この防食技術の検定、腐食現象の解
析のために所定条件の腐食試験が実施される。こ
のために塩水噴霧試験、発露試験、紫外線照射試
験等各種の腐食試験装置が考案され市販されてい
る。こうした装置は大型で、複雑、高価であり、
かつその運転管理の費用と手間も大きい。そこ
で、最も簡単な腐食試験方法としては所定の腐食
液に被検体としての試験片を浸漬する、浸漬試験
が巾広く実施されている。 この浸漬試験は、容易に実施できる一方、この
条件の規格化はなされておらず、そのため各人各
様に実施され、そのため再現性がなく、その場限
りの比較データしか得られないのが現状である。
たとえば、この浸漬試験における腐食速度は第1
図に示すように溶存酸素濃度がある所定値までは
浸漬液中の酸素濃度に比例して増加し、試験体と
しての金属の酸化還元電位が卑になるほど、増加
程度は大きい。そして、溶存酸素濃度が一定値を
超えると、第1図に示すごとく、溶存酸素濃度が
高いにもかかわらず、腐食速度が著しく小さくな
る、いわゆる不働態化現象が各金属それぞれの材
料について千差万別の態様で起こる。また浸漬液
の流れによつても、腐食の進行速度は大きく異な
る。したがつて、浸漬試験は、実際に厳密に設定
した所定環境(たとえば一定の溶存酸素濃度)で
の腐食挙動を比較観察してみなければ意味がな
い。しかるに、従来は、浸漬液中の溶存酸素濃度
と浸漬液の流れが腐食の進行に対する大きな要因
であると認識されてはいるものの、それらに対す
る適当な装置が見当たらないため、再現性がない
にも拘らず、単純に大気環境下、静止した浸漬液
に被検体を浸漬して、その変化を評価するのが一
般的であつた。また、多くの被検体を同一条件に
管理するという試験装置としての基本機能におい
て満足できものはなかつた。 そこで、この発明の目的は、腐食現象や劣化現
象等を再現性良く進行させて評価することができ
る上に、簡単、安価に多数の被検体を同時に同条
件において試験することができる装置を提供する
ことにある。 この発明の浸漬試験装置は、浸漬液を収納する
ばつ気室と浸漬室を備え、上記ばつ気室内の下部
に、気体を連続的にばつ気して浸漬液内の溶存気
体を飽和させるばつ気手段を設ける一方、上記浸
漬室に、上記ばつ気室から流入してくる浸漬液を
均一な流れに整流する整流手段を設けて、上記浸
漬室の一定位置に設けた被検体の回りに浸漬液が
均一に流れるようにし、さらに上記浸漬室内の浸
漬液をばつ気室に戻す通路手段を設けて、浸漬液
を循環させるようにし、一定環境下における上記
被検体の変化を評価するようにしたことを特徴と
している。 以下、この発明を図示の実施例により詳細に説
明する。 第2,3図においては、1は槽、2は槽1内を
ばつ(曝)気室3と浸漬室4とに仕切る仕切り
板、5はばつ気3内の下部に設けたばつ気手段の
一例としての気泡発生器、6は浸漬室4内の上部
に設けた整流手段の一例としての多孔を有する整
流板、7は浸漬室4内で整流板6よりも下方の一
定位置にハンガー8で吊り下げた被検体としての
試験片、9は槽1に着脱自在に取り付けたふた、
11はたとえば窒素ガスと腐食促進ガスとしての
酸素とを所定割合で混合するガス混合装置であつ
て、ガス混合装置11からの混合ガスは気泡発生
器5から気泡となつて連続的に上方に流れ、この
気泡はポンプ作用を行つてたとえば水や塩水等の
浸漬液の上方への噴流を生じさせ、ばつ気室3内
の浸漬液はオーバーフローして浸漬室4へ流入す
るようになつている。また、上記ばつ気室3内に
おいて、浸漬液は上記ばつ気により混合ガスで飽
和され、浸漬液中の余分な気泡は上記上方への噴
流によりばつ気室3の上方空間へ排出され、この
排出された気泡からなる所定組成の混合ガスは、
浸漬室4の上方でふた9より下方の空間を覆い、
さらに排出孔15から外部へ排出されるようにな
つている。 一方、上記浸漬室4に流入した混合ガスで飽和
された浸漬液は、整流板6で整流されて試験片7
の回りを均一な状態で下方へ流れるようになつて
いる。つまり、試験片7の周囲環境を一定に設定
して、その腐食の進行が一定となるようになつて
いる。なお、試験片7は第2,3図では1個しか
示していないが、紙面直交方向に多数配列してい
る。浸漬室4の下部とばつ気室3の下部とは、仕
切り板2下方の間隙からなる通路手段16で連通
させて、浸漬室4からばつ気室3へ浸漬液が循環
するようにしている。 こうして循環系では、わずかな噴流圧でもつて
浸漬液全体を動かすことができるので運転効率が
高く、費用が少ない大きな特徴を有する。この気
泡発生器5には多孔質の無機材を、曝気ガスの導
入はビニールパイプを使用し極めて安価にして耐
久性の良い装置が形成される。このことは従来の
腐食液の撹拌における装置自体の耐久性の問題を
解決したことになり、従来技術にない本発明の大
きな特徴である。 第2,3図に示すように、被検体7の設置は全
没の状態になり、被検体の支持においては格別の
注意を要することは言うまでもない。被検体7の
出し入れにおいては仕切り板2ないし整流板6を
取り外す必要があり、少々の不便はあるものの既
製の水槽に簡単に装備できる点で勝れている。 第4,5図は今一つの実施例の装置を示す。こ
の装置は、被検体7の出し入れを仕切板2または
整流板6を外さなくてもできるようにしたもので
ある。第4,5図において、1は透明なポリカー
ボネートからなる槽、3はばつ気室、4は浸漬
室、21は脱泡室、16は通路手段で、これらの
室は槽1内を透明な仕切り板2,2,2,2で仕
切つて形成しており、浸漬液たる腐食液は第4図
中矢印A→B→C→D→E→F→Aと循環するよ
うになつている。 上記ばつ気室3には浸漬液の温度を定温にする
ためのヒーターないしはクーラーとその制御装
置、即ち定温維持装置31を設ける。さらに所定
組成のガスをばつ気する発泡器5を設ける。この
発泡器5にはベローズ形ポンプまたはダイヤフラ
ム形ポンプ(図示せず)から油分の含まれない気
体を圧送する。発泡器からの噴流でばつ気室の腐
食液は上方に押しあげられ、ばつ気室3と脱泡室
21との仕切り板2をオーバーフローして脱泡室
21へ入り下方へ押し下げられる。ここで気泡は
上部に残るので脱泡される。腐食液中の浮遊物を
除去するため、脱泡室21には濾材35を設け
る。脱泡室21の腐食液は脱泡の他精製手段36
で所定の精製をへて脱泡室21と浸漬室4との仕
切り板2を越えて浸漬室4へ入る。浸漬室4へ入
る際、この室の下部全体の低部に設けられた均一
に小孔の分布した整流板6を経て浸漬室4では上
方向きの均一な流れとなる。このための条件とし
て浸漬室4の液面は脱泡室21の液面より若干低
目になることが必要であり、この値を一定値に保
つことが必要である。整流板6の上方には上方向
の均一な流れを防げないように複数の被検体7を
平行に並べる。このように、整流板6の上方に被
検体7を配置しているので、被検体7の脱着は整
流板6に邪魔されず容易に行うことができる。板
状以外の試験体は相互に干渉しないよう工夫して
設置せねばならない。この場合、その影響が残る
ことは認めておかねばならない。浸漬室4のすべ
ての被検体7の表面には、溶存酸素の所定値の腐
食液が一定流速で均一に供給される。腐食生成
物、劣化物、分解物を含んだ腐食液は仕切り板2
をオーバーフローして還流通路16を経てばつ気
室3に還流される。この間に液温が変化したばつ
気室4で修正され定温にもどされ、再び循環して
いく。 なお、第4,5図において、41はモータ42
で駆動して、ばつ気室3内に強い上昇流を生じさ
せると共に、撹拌を行なうプロペラ式撹拌装置、
43は浸漬液の水分蒸発損失を防ぐために排気孔
15に設けたコンデンサー、46は参照電極、4
9は比重計、50は電圧記録計、51は被検体7
と記録計50を継ぐ導線52を通すために槽1に
設けた導線孔、53,53は上下2段に槽1の壁
面に固定したハンガー掛けである。 第6図はさらに他の実施例を示し、61は被検
体7に近接して設けた参照電極、62は浸漬室4
に設けた作用電極、63はポテンシオメーター、
64は被検体7と参照電極61との間の電位を計
る電圧計、65は電流計であつて、この電圧計6
4と電流計65との計測値より、第7図に示す如
き分極曲線X1,X2を画き、アノード分極曲線お
よびカソード分極曲線それぞれについてのその直
線部分を外挿して得られる交点Y(この電位を
Ecor、電流をicorとする)を求めて、被検体たる
金属の表面特性を測定できるようにしたものであ
る。 第8図は他の実施例を示す。この実施例は浸漬
室4内の腐食試験液に金属からなる被検体7を浸
漬して、この被検体7の腐食に伴つて発生する水
素を定量とすることによつて、被検体7の変化を
評価するようにしたものである。 すなわち、金属の水が存在する環境下での腐食
は、金属のイオン化というアノード過程と、次式
で示す酸素消費または水素発生というカソード過
程とが化学量論的に等しい量づつ同時に進行す
る。 カソード過程 1/2O2+H2O+2e→2OH- …(1) 2H2O+2e→2OH-+H2 …(2) この原則は成立するものの、種々の要因が多く
複雑な現象が起こり、化学量論的解析は容易でな
い。しかし、所定の条件を満たせば、消費された
酸素量または発生した水素量を求めることで腐食
速度が求まる。 発生した水素量の定量に際し、第9図に示す装
置が従来より用いられており、この装置では大気
からの酸素侵入や、温度を一定に保ち難いことな
どの誤差要因があるという欠点があつた。 第8図に示す実施例は、これらの欠点を除去す
るもので、この装置は、外液と内液との出入り
を、実質上内部から外部だけに制限し、内部の圧
力を一定に保つ特徴を有する。101は被検体7
を収容する閉鎖容器、102は閉鎖容器101の
端部に連結され、閉鎖容器101の内液と外液と
を連通させる細管、103は細管102に介設さ
れ、内液が外液の方へ流出する場合のみに開放す
るチエツク弁である。 また、105,105はビユレツト付ロート状
容器、106,106は上記ロート状容器10
5,105に夫々十分な重ね合せ部107,10
7を有するようにして、内外から嵌合したビーカ
であつて、上記ビーカ106,106内の被検体
7,7の回りに内液(浸漬液)の圧力は上記重ね
合せ部107,107によつて略一定になつて、
外部の変動要因が被検体7,7に伝わらないよう
になつている。なお、第8図に示す構成部分のう
ち、第4,5図に示す構成部分と同一機能を果た
す部分は同一符号を付して説明を省略する。 実験例 1 第4,5図に示す槽1を透明塩化ビニル材で、
横400mm、高さ250mm、奥行300mmに作成した。こ
こに5%食塩水25を満たし腐食液とした。1室
に定温維持装置として、温度コントローラ付
200Wヒーター31を設置した。エアーポンプよ
り発泡器5を通じて2/分の大気、即ち腐食促
進ガスとしての酸素が20%含有の窒素ガスを通じ
噴流を発生せしめた。脱泡室21の水面が浸漬室
4のそれより3mm上昇し、通路16において100
cm/minの流速があり、6/分の循環があつ
た。温度設定を35℃とし実際に液温を測定した結
果、撹拌が良好であるので場所による差は認めら
れなかつた。大気組成に飽和した35℃、5%
NaCl水中の溶存酸素濃度はJIS KO102−1971に
よると4.8mg/とされている。なお、35℃純水
では7.04ppmである。この値に東亜電波工業製溶
存酸素計DO−1Aの目盛を設定した。この溶存酸
素計で槽1内の各部について測定した結果、全く
差異は検出されなかつた。さらに後述の各浸漬試
験を実施の前後、その途中においても溶存酸素濃
度を実測した結果、いずれも全く差異を認めなか
つた。 これに対して、従来の装置を比較例として次に
掲げる。この従来のものは、浸漬液の蒸発防止、
液モレ防止のため密閉して実施されることが多
い。試験温度と室温差が少なく蒸発力の少ない夏
季は開放して実施されたりして、浸漬液の溶存酸
素についてほとんど配慮されていない。具体的に
は、70×150×0.8mmの冷延鋼板を5枚溶剤脱脂
し、1のふたつきガラスビーカの中の5%
NaCl水溶液に浸漬し、これを35%恒温水槽に10
日間浸漬した。10日後の浸漬液の溶存酸素はふた
を開けて直後に1.5ppmの値を示し急速に増加し
た。大気に接した液上部が早く、底の方はかなり
遅くいわゆる酸素濃淡の局在する様子が確かめら
れた。試験板の浸漬前後の重量変化の測定からこ
の冷延鋼板の腐食速度を求めた結果、95、83、
72、65、53mg/dm2・dayとかなりのバラツキが
あり、判断に苦しんだ。一方、このビーカのふた
を開けた場合は79、78、75、70、70と変動巾はか
なり小さくなつたものの、浸漬に際してのきつ水
面における腐食挙動が特異的で5枚それぞれに異
なり判断に苦しんだ。 更には試験液に気体を飽和させるための公知で
あるばつ気する手段を取つた方法では、気泡が被
検体に付着したり不均一な流れのため、腐食結果
は更に多様に変化し判断に苦しんだ。 実験例 2 実施例1と同様に第4,5図に示す装置を用
い、空気を0.5/分、窒素ガスを2.0/分で混
合し、この混合ガスをばつ気手段から曝気した。
この酸素濃度は大気のそれを20%とすると、(20
×0.5/2.5=)4%に相当する。この混合ガスを曝気 した5%NaCl水溶液の溶存酸素濃度は、ヘンリ
ーの方則を適用して計算すると、大気組成での飽
和値4.97ppmの1/5≒1.0ppmとなる。実際に測定
した結果とよく一致した。これは槽1のふた9に
も十分注意し、曝気流のガス組成に全体が維持さ
れるようにできる本発明の特徴の一つでもある。 次にこの状態で浸漬室4に被検体7を浸漬して
その変化を測定した実例を示す。鋼板の防錆対策
として亜鉛のメツキが行なわれるが、このメツキ
方法、メツキ組成およびその表面調整でその防食
性は変異する。今、ここに市販の亜鉛メツキ鋼で
Aメーカ品とBメーカ品の2種類入手し、この優
劣を評価した。なお、腐食現象の研究のため冷延
鋼板および亜鉛板そのものと比較してそれぞれの
腐食速度を求めた。測定は5日間における試験板
の増減を求め、減少を−、増加を+で示した。測
定は各5枚実施し平均値を求めたがバラツキはほ
とんどなく、各5枚とも外観においても同一の腐
食景観を示した。このように再現性のよいのは浸
漬液に流れがあり、各試験板に同一条件を与える
ことのできる本発明装置の構造的特徴に基づく。 次に、腐食速度の測定結果の一例を表−1に示
す。
【表】
亜鉛メツキ鋼は鉄のサビ、赤サビはなく、防食
効果は歴然としており、亜鉛メツキが鋼の防食手
段として勝れていることが確認できた。浸漬を継
続するメツキ鋼Aは30日後赤サビが発生しはじめ
たのに対し、メツキ鋼Bは全く赤サビの発生はな
かつた。表−1に示すように、メツキ鋼Aは腐食
減量するのに対し、メツキ鋼Bは安定な防食効果
のあるサビ層を形成し腐食はなかつた。メツキ鋼
Bの方がよいのは明白で、このものを採用し好結
果を得た。このように、材料の特性評価において
信頼できるデータを簡潔に得られたことは、本発
明装置の特徴である再現性良好なデータによるこ
とは明白である。 亜鉛メツキ鋼Bを用いた場合に、時たまに白サ
ビ発生の減少が起こり、市場苦情の原因となつ
た。その市場環境は酸欠環境であることがわか
り、この着目において実験例2のごとく酸欠環境
の腐食速度を測定した。結果は表−1に示すごと
く、大気組成の環境では安定なサビを形成したメ
ツキ鋼Bが、酸素1/5組成の環境では−7mddの腐
食減量を示すことがわかつた。メツキ鋼Bが酸欠
環境では弱いことが証明されたので、しかるべく
処置をして苦情を完全に解決できた。こうした対
策をとれたのは溶存酸素濃度について正確な評価
ができる本発明装置の特徴であることが明白であ
る。 一方、亜硫酸ガスが腐食を著しく促進すること
はよく知られている。工業地帯における防錆対策
はこの亜硫酸ガスに対する耐食性評価が重要であ
る。市販の腐食試験機の中には雰囲気に亜硫酸を
加えることができるものもあるが、装置は大型で
管理維持も大変である。特に希薄な条件設定が困
難なため、市場環境とはほど遠い激しいテストに
なりがちであつた。本発明装置では、第1図に示
すガス混合装置11に必要な精度の混合機能を与
えればいかような条件をも可能であるSO2、
CO2、H2Sといつた腐食促進ガスの挙動を研究す
る上で有効な装置である。 実験例 3 次に、第6図に示すごとき装置を用い、浸漬液
として5%NaClといつた電解質水溶液を用い参
照電極61を挿入しておけば極めて容易に被検体
7としての試験金属板の電気化学的諸特数を浸漬
したまま測定できる特徴があることを紹介する。
ここで電気化学的諸特数とは、電極電位、電解電
流に基礎をおき、第6図に示す如き分極曲線で求
める腐食電位Ecor、腐食電流icor系の抵抗値等の
一般的なものである。その一例としてAg−AgCl
標準電極と亜鉛メツキ鋼Bとの間の電位を円部抵
抗2MΩのペン書記録計で測定した結果、当初亜
鉛の電位−990mVを示し、29日後には鉄の電位
に近い−550mVに変わつた。この後、しばらく
して赤サビの発生が観察された。即ち、メツキの
亜鉛層が犠牲陽極として働いているときは亜鉛の
電位を示し、鉄はサビないがその作用がなくなつ
たとき鉄の電位を示し、鉄の腐食赤サビの発生が
始まる。こうして、メツキ層の寿命を省力かつ正
確に29日と同定することができた。この値は繰返
し再現され、信頼できる値である。ときに変異し
たこともあつたが、それは試験板の脱脂不足であ
つたり、保存が悪かつたりして板そのものが変異
していた事と対応した。こうした信頼性は腐食液
の溶存酸素濃度と液の流れを一定化した本発明装
置の特徴である。 従来の浸漬テストは液の流れが管理されていな
くてその溶存酸素が管理されていないので、カソ
ード反応(H2O+1/2O2+2e→2OH-)が変異し、
そのため、被検体の表面状態に影響してその電位
のバラツキをもたらす。本発明装置では酸素の供
給が一定になるのでカソード反応が一定条件に管
理され、測定値の信頼性が飛躍的に向上したの
で、こうした実用性が発揮できるようになつた。
本発明の浸漬試験装置はこうした電気化学反応の
研究に用いる電解セルとしても極めて有用なもの
であることは言うまでもない。 実験例 4 JIS規格Z2371で定められた塩水噴霧テストは、
防食処理たとえば一例として亜鉛メツキを施した
ビス・ナツトの類の複雑な構造物におけるメツキ
層のピンホールの有無の判定、ピンホール発生に
至る時間等でメツキ機能の検定を行う例が多い。
塩水噴霧では上方からの噴霧に対してのみしか検
定されず、被検体の設置方向が重要な課題となり
試験個数を多く要し、観察評価に極めて多くの労
を要した。第2図から第6図に示す本発明装置で
は1個の試験体で全面を評価でき、かつ、その電
位を記録測定できることから測定・評価が自動化
でき、省力化とともに信頼性向上の効果は絶大で
あつた。試験装置のコストにおいて塩水噴霧試験
装置が100万円以上かかるのに比べ、本発明装置
は1/10で可能であり、運転コストにおいても1/10
以下でコスト低減の効果が絶大であることも重要
である。 実験例 5 第4,5図に示す装置の脱泡室21に濾材35
としてグラスウールを設置した。浸漬で発生した
サビはこのグラスウールに循環中に析出し、液は
常に清浄に保たれた。大気組成の曝気条件では、
鉄、亜鉛板の浸漬でいくら継続しようとも液中の
鉄、亜鉛は10ppmを越えることはなく、腐食生成
物は液中に蓄積しないことがわかつた。浸漬試験
中赤濁する通常の浸漬テストに比べて極めて有利
な特徴である。 実験例 6 第4,5図に示す装置の脱泡室21に精製手段
36としてイオン交換樹脂を設置した。190μS/
cmの水道水を満たして数時間後0.5μS/cmになり、
浸漬室4に被検体7としての塗装板を浸漬し、塗
膜のフクレ状況を観察した。従来、塗装板のこう
した耐水テストでは水の純度についてさほど注意
されておらず、このような高純度の水に浸漬する
と、従来異常のなかつた塗装板がフクレを生じる
例が見られた。浸透圧がフクレ原因となるケース
はこうして分別することができ、フクレ発生防止
対策が適確にとれるようになつた。 実験例 7 曝気室3に上向きに水流が生じる羽根をもつた
撹拌機41を設置した第4,5図に示す装置で
は、水の循環は著しく増加した。この結果、金属
板の腐食速度はこの循環量と深い関係があること
がわかつた。腐食速度に浸漬液の流れが影響する
ことは知られているが、この発明の装置はこれら
を具体的に評価し、またそれらをパラメータとし
て腐食速度を測定できるようになり、腐食の研究
の進歩に大きく寄与した。 実験例 8 第8図に示すビーカ106,106に被検体7
(亜鉛メツキ鋼A、亜鉛メツキ鋼B、亜鉛板、冷
延鋼板)を配置して、発生した水素量を測定した
結果を次の表−2に示す。
効果は歴然としており、亜鉛メツキが鋼の防食手
段として勝れていることが確認できた。浸漬を継
続するメツキ鋼Aは30日後赤サビが発生しはじめ
たのに対し、メツキ鋼Bは全く赤サビの発生はな
かつた。表−1に示すように、メツキ鋼Aは腐食
減量するのに対し、メツキ鋼Bは安定な防食効果
のあるサビ層を形成し腐食はなかつた。メツキ鋼
Bの方がよいのは明白で、このものを採用し好結
果を得た。このように、材料の特性評価において
信頼できるデータを簡潔に得られたことは、本発
明装置の特徴である再現性良好なデータによるこ
とは明白である。 亜鉛メツキ鋼Bを用いた場合に、時たまに白サ
ビ発生の減少が起こり、市場苦情の原因となつ
た。その市場環境は酸欠環境であることがわか
り、この着目において実験例2のごとく酸欠環境
の腐食速度を測定した。結果は表−1に示すごと
く、大気組成の環境では安定なサビを形成したメ
ツキ鋼Bが、酸素1/5組成の環境では−7mddの腐
食減量を示すことがわかつた。メツキ鋼Bが酸欠
環境では弱いことが証明されたので、しかるべく
処置をして苦情を完全に解決できた。こうした対
策をとれたのは溶存酸素濃度について正確な評価
ができる本発明装置の特徴であることが明白であ
る。 一方、亜硫酸ガスが腐食を著しく促進すること
はよく知られている。工業地帯における防錆対策
はこの亜硫酸ガスに対する耐食性評価が重要であ
る。市販の腐食試験機の中には雰囲気に亜硫酸を
加えることができるものもあるが、装置は大型で
管理維持も大変である。特に希薄な条件設定が困
難なため、市場環境とはほど遠い激しいテストに
なりがちであつた。本発明装置では、第1図に示
すガス混合装置11に必要な精度の混合機能を与
えればいかような条件をも可能であるSO2、
CO2、H2Sといつた腐食促進ガスの挙動を研究す
る上で有効な装置である。 実験例 3 次に、第6図に示すごとき装置を用い、浸漬液
として5%NaClといつた電解質水溶液を用い参
照電極61を挿入しておけば極めて容易に被検体
7としての試験金属板の電気化学的諸特数を浸漬
したまま測定できる特徴があることを紹介する。
ここで電気化学的諸特数とは、電極電位、電解電
流に基礎をおき、第6図に示す如き分極曲線で求
める腐食電位Ecor、腐食電流icor系の抵抗値等の
一般的なものである。その一例としてAg−AgCl
標準電極と亜鉛メツキ鋼Bとの間の電位を円部抵
抗2MΩのペン書記録計で測定した結果、当初亜
鉛の電位−990mVを示し、29日後には鉄の電位
に近い−550mVに変わつた。この後、しばらく
して赤サビの発生が観察された。即ち、メツキの
亜鉛層が犠牲陽極として働いているときは亜鉛の
電位を示し、鉄はサビないがその作用がなくなつ
たとき鉄の電位を示し、鉄の腐食赤サビの発生が
始まる。こうして、メツキ層の寿命を省力かつ正
確に29日と同定することができた。この値は繰返
し再現され、信頼できる値である。ときに変異し
たこともあつたが、それは試験板の脱脂不足であ
つたり、保存が悪かつたりして板そのものが変異
していた事と対応した。こうした信頼性は腐食液
の溶存酸素濃度と液の流れを一定化した本発明装
置の特徴である。 従来の浸漬テストは液の流れが管理されていな
くてその溶存酸素が管理されていないので、カソ
ード反応(H2O+1/2O2+2e→2OH-)が変異し、
そのため、被検体の表面状態に影響してその電位
のバラツキをもたらす。本発明装置では酸素の供
給が一定になるのでカソード反応が一定条件に管
理され、測定値の信頼性が飛躍的に向上したの
で、こうした実用性が発揮できるようになつた。
本発明の浸漬試験装置はこうした電気化学反応の
研究に用いる電解セルとしても極めて有用なもの
であることは言うまでもない。 実験例 4 JIS規格Z2371で定められた塩水噴霧テストは、
防食処理たとえば一例として亜鉛メツキを施した
ビス・ナツトの類の複雑な構造物におけるメツキ
層のピンホールの有無の判定、ピンホール発生に
至る時間等でメツキ機能の検定を行う例が多い。
塩水噴霧では上方からの噴霧に対してのみしか検
定されず、被検体の設置方向が重要な課題となり
試験個数を多く要し、観察評価に極めて多くの労
を要した。第2図から第6図に示す本発明装置で
は1個の試験体で全面を評価でき、かつ、その電
位を記録測定できることから測定・評価が自動化
でき、省力化とともに信頼性向上の効果は絶大で
あつた。試験装置のコストにおいて塩水噴霧試験
装置が100万円以上かかるのに比べ、本発明装置
は1/10で可能であり、運転コストにおいても1/10
以下でコスト低減の効果が絶大であることも重要
である。 実験例 5 第4,5図に示す装置の脱泡室21に濾材35
としてグラスウールを設置した。浸漬で発生した
サビはこのグラスウールに循環中に析出し、液は
常に清浄に保たれた。大気組成の曝気条件では、
鉄、亜鉛板の浸漬でいくら継続しようとも液中の
鉄、亜鉛は10ppmを越えることはなく、腐食生成
物は液中に蓄積しないことがわかつた。浸漬試験
中赤濁する通常の浸漬テストに比べて極めて有利
な特徴である。 実験例 6 第4,5図に示す装置の脱泡室21に精製手段
36としてイオン交換樹脂を設置した。190μS/
cmの水道水を満たして数時間後0.5μS/cmになり、
浸漬室4に被検体7としての塗装板を浸漬し、塗
膜のフクレ状況を観察した。従来、塗装板のこう
した耐水テストでは水の純度についてさほど注意
されておらず、このような高純度の水に浸漬する
と、従来異常のなかつた塗装板がフクレを生じる
例が見られた。浸透圧がフクレ原因となるケース
はこうして分別することができ、フクレ発生防止
対策が適確にとれるようになつた。 実験例 7 曝気室3に上向きに水流が生じる羽根をもつた
撹拌機41を設置した第4,5図に示す装置で
は、水の循環は著しく増加した。この結果、金属
板の腐食速度はこの循環量と深い関係があること
がわかつた。腐食速度に浸漬液の流れが影響する
ことは知られているが、この発明の装置はこれら
を具体的に評価し、またそれらをパラメータとし
て腐食速度を測定できるようになり、腐食の研究
の進歩に大きく寄与した。 実験例 8 第8図に示すビーカ106,106に被検体7
(亜鉛メツキ鋼A、亜鉛メツキ鋼B、亜鉛板、冷
延鋼板)を配置して、発生した水素量を測定した
結果を次の表−2に示す。
【表】
ここで、亜鉛メツキ鋼Aは単純に亜鉛をメツキ
しただけのもので、亜鉛メツキ鋼Bは市販の電気
亜鉛メツキ鋼で表面にクロメート処理をしたもの
であり、表面処理の違いにより、腐食速度は1オ
ーダーも違うことがわかる。また、鉄、亜鉛等の
単一素材と比較して、亜鉛メツキ鋼の腐食速度は
1オーダー以上も大きく、このように複合素材も
その使用を誤まれば、かえつて耐食性が小さくな
ることがわかる。 水素ガス発生量(mol/dm2・d)をアレニウ
スプロツトすれば、直線となり、本装置の再現性
が良いことが証明された。この理由の一つには、
大気からの酸素の浸入が防止され、かつ温度が一
定に保たれているからだと考えられる。 以上の説明で明らかな如く、この発明の浸漬試
験装置は、浸漬液を収納するばつ気室と浸漬室を
備え、上記ばつ気室内の下部に、気体を連続的に
ばつ気して浸漬液内の溶存気体を飽和させるばつ
気手段を設ける一方、上記浸漬室に、上記ばつ気
室から流入してくる浸漬液を均一な流れに整流す
る整流手段を設けて、上記浸漬室の一定位置に設
けた被検体の回りに浸漬液が均一に流れるように
し、さらに上記浸漬室内の浸漬液をばつ気室に戻
す通路手段を設けて、浸漬液を循環させるように
し、一定環境下における上記被検体の変化を測定
するようにしているので腐食および劣化の条件を
安定にして厳密に管理できるので、腐食現象や劣
化現象等を再現性良く進行させて測定することが
できる上に、簡単、安価に多数の被検体を同時に
同条件において試験することができるという試験
装置としての基本機能を極めて満たしたものであ
る。
しただけのもので、亜鉛メツキ鋼Bは市販の電気
亜鉛メツキ鋼で表面にクロメート処理をしたもの
であり、表面処理の違いにより、腐食速度は1オ
ーダーも違うことがわかる。また、鉄、亜鉛等の
単一素材と比較して、亜鉛メツキ鋼の腐食速度は
1オーダー以上も大きく、このように複合素材も
その使用を誤まれば、かえつて耐食性が小さくな
ることがわかる。 水素ガス発生量(mol/dm2・d)をアレニウ
スプロツトすれば、直線となり、本装置の再現性
が良いことが証明された。この理由の一つには、
大気からの酸素の浸入が防止され、かつ温度が一
定に保たれているからだと考えられる。 以上の説明で明らかな如く、この発明の浸漬試
験装置は、浸漬液を収納するばつ気室と浸漬室を
備え、上記ばつ気室内の下部に、気体を連続的に
ばつ気して浸漬液内の溶存気体を飽和させるばつ
気手段を設ける一方、上記浸漬室に、上記ばつ気
室から流入してくる浸漬液を均一な流れに整流す
る整流手段を設けて、上記浸漬室の一定位置に設
けた被検体の回りに浸漬液が均一に流れるように
し、さらに上記浸漬室内の浸漬液をばつ気室に戻
す通路手段を設けて、浸漬液を循環させるように
し、一定環境下における上記被検体の変化を測定
するようにしているので腐食および劣化の条件を
安定にして厳密に管理できるので、腐食現象や劣
化現象等を再現性良く進行させて測定することが
できる上に、簡単、安価に多数の被検体を同時に
同条件において試験することができるという試験
装置としての基本機能を極めて満たしたものであ
る。
第1図は溶存酸素濃度−腐食速度特性図、第
2,3図はこの発明の一実施例を示す断面図と斜
視図、第4,5図はこの発明のいま一つの実施例
の断面図と斜視図、第6図はこの発明のいま一つ
の実施例の断面図、第7図は電流−電圧分極曲線
図、第8図はこの発明のいま一つの実施例の断面
図、第9図は従来の水素発生量測定装置図であ
る。 1……槽、2……仕切り板、3……ばつ気室、
4……浸漬室、5……ばつ気手段、6……整流
板、7……被検体、16……通路手段、21……
脱泡室。
2,3図はこの発明の一実施例を示す断面図と斜
視図、第4,5図はこの発明のいま一つの実施例
の断面図と斜視図、第6図はこの発明のいま一つ
の実施例の断面図、第7図は電流−電圧分極曲線
図、第8図はこの発明のいま一つの実施例の断面
図、第9図は従来の水素発生量測定装置図であ
る。 1……槽、2……仕切り板、3……ばつ気室、
4……浸漬室、5……ばつ気手段、6……整流
板、7……被検体、16……通路手段、21……
脱泡室。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 浸漬液が流動するばつ気室と浸漬室を備え、
上記ばつ気室内の下部に、気体を連続的にばつ気
して浸漬液内の溶存気体を飽和させるばつ気手段
を設ける一方、上記浸漬室に、上記ばつ気室から
流入してくる浸漬液を均一な流れに整流する整流
手段を設けて、上記浸漬室の一定位置に設けた被
検体の回りに浸漬液が均一に流れるようにし、さ
らに、上記浸漬室内の浸漬液をばつ気室に戻す通
路手段を設けて、浸漬液を循環させるようにした
ことを特徴とする浸漬試験装置。 2 排気孔を有する密閉構造に形成され、連続し
てばつ気した後の気体を脱泡室及び浸漬室の上部
を通過した後に排気孔より排出し、外部空気の影
響を除くことを特徴とする上記特許請求の範囲第
1項に記載の浸漬試験装置。 3 浸漬室の壁を透明な材料で作成して、内部を
透視できるようにして、被検体を浸漬液から取り
出すことなく評価できるようにしたことを特徴と
する上記特許請求の範囲第1項または第2項のい
ずれかに記載の浸漬試験装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2315882A JPS58139049A (ja) | 1982-02-15 | 1982-02-15 | 浸漬試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2315882A JPS58139049A (ja) | 1982-02-15 | 1982-02-15 | 浸漬試験装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58139049A JPS58139049A (ja) | 1983-08-18 |
| JPH021259B2 true JPH021259B2 (ja) | 1990-01-10 |
Family
ID=12102787
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2315882A Granted JPS58139049A (ja) | 1982-02-15 | 1982-02-15 | 浸漬試験装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58139049A (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4707174B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-06-22 | 大和ハウス工業株式会社 | 外壁材の汚染促進試験装置 |
| KR100768094B1 (ko) | 2006-10-31 | 2007-10-17 | 한국지질자원연구원 | 황화광물 산화속도 분석장치 |
| JP5331075B2 (ja) * | 2010-09-21 | 2013-10-30 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 浸せき試験用自動測定システム |
| JP5331076B2 (ja) * | 2010-09-21 | 2013-10-30 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 浸せき試験用自動測定装置 |
| JP5510358B2 (ja) * | 2011-02-18 | 2014-06-04 | Jfeスチール株式会社 | 防食被覆鋼材の防食性判定方法および防食被覆鋼材の製造方法 |
| JP7180705B2 (ja) * | 2020-02-28 | 2022-11-30 | Jfeスチール株式会社 | 材料評価装置、及び材料観察方法 |
-
1982
- 1982-02-15 JP JP2315882A patent/JPS58139049A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58139049A (ja) | 1983-08-18 |
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