JPH02142701A - 哺乳動物の胚または卵子の包埋剤、包埋体およびその製造方法 - Google Patents

哺乳動物の胚または卵子の包埋剤、包埋体およびその製造方法

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JPH02142701A
JPH02142701A JP29659688A JP29659688A JPH02142701A JP H02142701 A JPH02142701 A JP H02142701A JP 29659688 A JP29659688 A JP 29659688A JP 29659688 A JP29659688 A JP 29659688A JP H02142701 A JPH02142701 A JP H02142701A
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敏之 小島
Norihiko Oguri
小栗 紀彦
Tsuneo Tomizuka
富塚 常夫
Kenichi Hashimoto
端本 謙一
Masaji Ito
伊藤 正次
Yahachiro Hori
堀 弥八郎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、哺乳動物の胚または卵子の凍結保存およびi
n vitroでのハンドリングなどに好適なカプセル
およびマイクロカプセル等の包埋体を形成するための包
埋剤、これにより形成された包埋体および包埋体の製造
方法に関するものである。
〔従来の技術〕
哺乳動物の生産性向上、形質保存等の目的によリ、遺伝
子を保存、利用しようとする動きが活発化している。特
に、畜産分野においては、1979年にS、M、Wil
ladsenによって開発された、マイクロマニピュレ
ーターを利用した胚の切断技術による一卵性多胎児の作
出と凍結保存技術とが相まって、貴重な遺伝資源の利用
が飛躍的に拡大されつつある。
一般に、牛の胚または卵子の凍結保存は耐凍剤を含む液
中へ浸漬することによって行われるが、切断胚のように
冷却前から透明帯が不完全なもの、あるいは冷却途上で
透明帯が破損した胚は、胚細胞質まで氷晶の影響が直接
到達するため、移植後の受胎率が低下するとされている
。事実。
H,Heymanは、切断胚の凍結融解後の生存率は一
般的に低く、未切断の胚を用いた場合に比べ30〜40
%も低くなると報告している(Theriogenol
ogy。
23 : 63.1985)。 また、Y、 Tsun
odaらは人為的に切断された透明帯に納められた切断
胚は、氷晶の影響を直接受けるため融解後の生存率が悪
いが、切断胚を寒天中に包埋すれば生存率が著しく改善
されることを確認している(Tberiogenolo
gy、 28 :317−322.1987)。
このように胚の凍結保存においては、冷却方法の工夫は
勿論のことであるが、さらに透明帯の破損をいかにして
防ぐかを工夫することも移植後の生存率を高めるために
は重要なことになる。透明帯は胚の切断時に破損するの
は勿論であるが、1nvitroでのハンドリング中あ
るいは凍結過程において、氷晶が成長して行くときにも
損傷を受けるし、また凍結胚を融解する際にも部位間の
膨張開始の時間が異なるために生しる氷晶の断層が胚あ
るいは透明帯の表面を通過するために損傷を受ける。こ
のような透明帯の損傷を防御する技術としては、前述し
たY、Tsunodaらの寒天を包埋剤として用いる方
法があるが、他に胚を包埋剤に包み込む技術として、T
、 S、 Holljngsworth らが報告して
いるポリリジン/アルギン酸塩を用いてマイクロカプセ
ルをつくる方法(Theriogenology、29
:262゜1988)、およびG、 Ac1aniya
らが報告しているアルギン酸ナトリウムをカルシウムイ
オンでゲル化してカプセル化する方法(Biology
 of Reproduction。
19th Annual Meeting of 5o
ciety of Biology ofReprod
uction、July 14−17.1986)があ
る。
しかし、上記のような従来技術では、包埋剤として寒天
を用いる場合には次のような問題点があった。
1)ゲル化する温度と胚の生存限界温度が近似しており
、温度管理を誤れば胚のへい死を招く。
2)ゲル強度が小さく実用性に乏しい。
3)透明度が低く、外側から胚あるいは切断胚の状態を
正確に把握できない。
4)顕微鏡を用いてのハンドリングにおいて、寒天ゲル
とその周囲に配座している処理液との屈折率が近似して
いるために、境界面が判断し難いので作業性が悪い。
また、従来のアルギン酸ナトリウムを用いた包埋方法で
は、次のような問題点があった。
5)アルギン酸塩のゲルが、反応液中に含まれる種々の
塩類の影響、あるいはpl+の変化によってゲル強度が
著しく低下する。
’s5)ゲル強度を向」ニさせるため反応液中にゲル化
剤であるカルシウムイオンを多量に添加することが行わ
れているが、この方法ではゲル強度の点は改善されても
、浸透圧の上昇などによって胚または切断胚の生存率が
低下する。
7)胚または卵子を含むゲルを修正Dulbeccoリ
ン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと略称する)のよう
なキレート効果を有するリン酸イオンなどを含む培養液
で処理すると、形成したゲルが溶解してしまう。
8)凍結、融解の工程を経るとカプセルの変形もしくは
崩壊する率が多い。
従来の技術には、それぞれこのような問題点が存在し、
これらの問題点をすべて解決できる方法は現在のところ
未だ開発されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、従来技術の諸問題を解決し、肝または
卵子をin vjtroでのハンドリングあるいは凍結
、融解などで生じる様々な物理的衝撃から確実に保護し
、しかも穏和な条件下でカプセル化またはマイクロカプ
セル化して包埋体を形成でき、かつ胚または卵子の生存
率を向上させることが可能な哺乳動物の胚または卵子の
包埋剤、包埋体およびその製造方法を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、工業上使用可能な包埋剤について鋭意検
討を重ねた結果、特定の組成比率を有するアルギン酸ア
ルカリ金属塩を原料としたカプセルまたはマイクロカプ
セルがハンドリンク特性と耐凍性に優れており、かつ胚
および卵子の生存に適していること、さらにカプセルま
たはマイクロカプセルを形成した後、リンゲル液のよう
なリン酸イオンあるいはカルシウムイオンを含んでいな
い培養液、もしくはそれらを含んでいてもごく少ない培
養液で洗浄すれば、透明度が長期間維持できることを見
いだし、本発明に到達した。
本発明は次の哺乳動物の胚または卵子の包埋剤、包埋体
およびその製造方法である。
(1)アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液で哺乳動物の
胚または卵子の周囲を覆い、この胚または卵子を覆う液
をカルシウムイオンを含む水溶液と接触させてゲル化し
、胚または卵子の包埋体を形成するための包埋剤であっ
て、アルギン酸部分のD−マンヌロン酸(M)と14−
グルロン酸(G)との成分比率(M/G比)が0.3〜
1.8であるアルギン酸アルカリ金属塩を含有すること
を特徴とする哺乳動物の胚または卵子の包埋剤。
(2)アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液で哺乳動物の
胚または卵子の周囲を覆い、この胚または卵子を覆う液
をカルシウムイオンを含む水溶液と接触させてゲル化し
た胚または卵子の包埋体であって、前記アルギン酸アル
カリ金属塩はアルギン酸部分のD−マンヌロン酸(阿)
とL−グルロン酸(G)との成分比率(M/G比)が0
.3〜1.8であることを特徴とする哺乳動物の胚また
は卵子の包埋体。
(3)アルギン酸部分のD−マンヌロン酸(M)とLグ
ルロン酸(G)との成分比率(M/G比)が0.3〜1
.8であるアルギン酸アルカリ金属塩の水溶液で哺乳動
物の胚または卵子の周囲を覆い、この胚または卵子を覆
う液をカルシウムイオンを含む水溶液と接触させてゲル
化し、形成された胚または卵子の包埋体をリン酸イオン
の少ない洗浄液で洗浄することを特徴とする哺乳動物の
胚または卵子の包埋体の製造方法。
本発明において胚は切断胚を含み、卵子は胚となる前の
受精卵および未受精卵を含む。また包埋体としてはカプ
セル、マイクロカプセルなど、胚または卵子を包埋して
保護するすべてのものを含む。
本発明の包埋剤は、アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液
で哺乳動物の胚または卵子の周囲を覆い、この胚または
卵子を覆う液をカルシウムイオンを含む水溶液と接触さ
せてゲル化し、胚または卵子の包埋体を形成するための
包埋剤であって、アルギン酸部分のD−マンヌロン酸(
M)とL−グルロン酸(G)との成分比率(M/G比)
が0.3〜1.8であるアルギン酸アルカリ金属塩を含
有するものである。
本発明の包埋体を形成するアルギン酸カルシウムのゲル
の強度には、アルギン酸を構成しているD−マンヌロン
酸(M)と1.−グルロン酸(G)の成分比(M/G比
)が密接に関与している。そしてこのM/G比が胚およ
び卵子の生存に深く関わっており、また凍結、融解の際
に生じる物理的衝撃に対する耐性にも関与している。す
なわち、M/G比が高いほど(Mが多いほど)形成され
るゲルは弾力性に富んだものとなり、またM/G比が低
くなるほど(Gが多いほど)ゲル強度が高くなって、硬
いゲルが得られる。
本発明の包埋剤に用いるアルギン酸アルカリ金属塩はそ
の構成アルギン酸のM/G比が0.3〜1.8の範囲の
ものであり、その中でも特に0.6〜1.6の範囲にあ
るものが耐凍性に優れ、凍結、融解工程を経てもひび割
れ、収縮等によるしわの形成がなく、胚または卵子の細
胞質に損傷を与えることが少ない。M/G比が1.8を
超えるものはゲル強度が低く、ハンドリングする際に破
損する割合が多く、またM/G比が0.3未満のものは
ゲル強度は高いが、かえって脆く、凍結、融解工程を経
るとひび割れを生じるので、これらのようなM/G比を
持つアルギン酸から成るアルギン酸アルカリ金属塩は本
発明の目的には適さない。また、M/G比を特定しない
でアルギン酸アルカリ金属塩を使用するときには、カプ
セル、マイクロカプセル等の包埋体の強度、耐凍性など
にバラツキが見られ、さらに包埋されている胚あるいは
卵子の生存十に再現性かなくなってしまうので、工業的
使用に際しては4−分留7σする必要がある。
本発明の包埋剤に用いるアルギン酸アルカリ金属塩は、
上記のようなM/G比のアルギン酸のナトリウム塩、カ
リウム塩などがあげられる。これらのアルギン酸アルカ
リ金属塩は、水溶液で使用され、その濃度は0.5〜5
重斌%、好ましくは1〜3重量%程度である。
これらのアルギン酸アルカリ金属塩をゲル化するゲル化
剤はカルシウムイオンを含む水溶液であって、塩化カル
シウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウ
ム塩が用いられるが、このうち特に塩化カルシウムが安
価で使い易い。
アルギン酸アルカリ金属塩の他に、ゲル化能を有し、カ
プセル状保護体を形成し得る天然の水溶カニ高分子で、
工業的に生産されているものには、はぼ次のようなもの
がある。穀類、イモ類ではデンプン、コンニャク;海藻
抽出物では寒天、カラギーナン、ファーセルラン;果実
抽出物ではペクチン;豆類てはグアーガム、タマリンド
、ローカストヒーンカ11;樹液由来のものではアラビ
アガム、1ヘラカン1−力11;微生物由来ではデキス
トラン、プルラン、カードラン、キサンタンガム;また
動物由来てはゼラチンなどがある。
しかし、デンプンはゲル化して一時的にカプセル状態を
作り出せるものの、その状態は長続きせず、また凍結に
より極端に劣化して脆くなるため、本発明の目的には適
さない。コンニャクは60℃前後で水酸化カルシウム等
のアルカリを添加しなければゲル化しないし、また胚ま
たは卵子の生存限界温度を越えているので使用できない
。寒天、ファーセルランおよびカートランは、ゲル化温
度が肝または卵子の生存限界温度に近似していて、取扱
には熟練を要する上にいづれもゲル強度が低く、操作中
に破損し易いという欠点がある。カラギーナンには、カ
ッパー、ラムダ−およびイオタ−カラギーナンの3種類
があるが、カッパーカラギーナンとイオタ−カラギーナ
ンのゲルは強度が低く実用に耐えないし、またラムダー
カラキーナンはゲル化しない。ペクチンは高メトキシル
ペクチンおよび低メトキシペクチンともに、一定斌以−
にの糖分がなければゲル化しないし、同様にタマリンド
もゲル化させるためには単糖類や黒糖類を加える必要が
あるので、本発明の目的には適さない。
グアーガムとローカストビーンガムは、いづれもpi依
存性があるため、ゲル化させる時には系を酸性領域ある
いはアルカリ性領域へ移行させなければならないため、
胚や卵子の生存率が低上する。
アラビアガムとトラガントガムはゲル化能が低いため、
一定の形態を保持できない。デキストランとプルランは
、エピクロルヒドリンのような低分子架橋剤を用いてゲ
ル化することは知られているが、このような刺激性のあ
る架橋剤を用いるのは適当ではない。キサンタンガムは
単独ではゲル化しないが、ローカストビーンガムと併用
すれば、弾力性があり保水性の強いゲルを作ることがで
き乞が、このゲルを形成させるためには胚や卵子の生存
限界温度任越える温度である80℃で両方のガム質水溶
液を加熱する必要がある。ゼラチンカプセルは医薬品の
保持体として使用されているが、本発明の用途で使用し
た場合、融解の工程でカプセル被膜が水中へ溶は始め肝
もしくは卵子が湯中へ飛び出すことがある。できるだけ
損傷を受けずにIfまたは卵子を保存しようとする場合
にはゼラチンは適さない。
以上のように、アルギン酸アルカリ金属塩と同様にカプ
セルを形成する物質は多く存在するが、胚または卵子の
保護体となり得るものは現時点では、工業的に生産され
ている水溶性高分子物質の中ではアルギン酸アルカリ金
属塩が最適である。
本発明の包埋体は、前記のようなM/G比のアルギン酸
アルカリ金属塩の水溶液で哺乳動物の胚または卵子の周
囲を覆い、この胚または卵子を覆う液をカルシウムイオ
ンを含む水溶液と接触させてゲル化したものである。包
埋体としてはカプセル状またはマイクロカプセル状のも
の力様了ましい。
包埋体を形成するアルギン酸カルシウムのゲルをカプセ
ル状あるいはマイクロカプセル状にすると、一つのカプ
セルまたはマイクロカプセル中に任意に定めた数の胚ま
たは卵子を挿入して単位として扱えるという利点がある
だけでなく、挿入した胚の透明帯を保護するのに適した
形であり、また切断された透明帯に格納された胚または
卵子を用いるときには、胚または卵子が透明帯の外側に
飛び出さないよう位置を固定するのに適している。
本発明の包埋体の製造方法は、前記M/G比のアルギン
酸アルカリ金属塩の水溶液で胚または卵子の周囲を覆い
、胚または卵子を覆う液をカルシウムイオンを含む水溶
液と接触させてゲル化し、形成された包埋体をリン酸イ
オンの少ない洗浄液で洗浄する。
包埋体としてカプセルまたはマイクロカプセル状のもの
を形成するときは、胚または卵子を覆ったアルギン酸ア
ルカリ金属塩水溶液の液滴をカルシウムイオンを包む水
溶液中に滴下してゲル化させることかできる。またシリ
ンダー状の包埋体を形成するときは、胚または卵子を覆
ったアルギン酸アルカリ金属塩水溶液をひも状に押出し
て、カルシウムイオンを含む水溶液中でゲル化させる。
以下、本発明の製造方法を図面の実施例により説明する
。第1図は胚または卵子をアルギン酸ゲルのカプセルま
たはマイクロカプセル中に包埋する包埋体の製造方法を
示す模式図、第2図は得られた包埋体の断面IMIであ
る。図において、1は包埋体であって、アルギン酸ゲル
2中に胚または卵子3が包埋されている。胚または卵子
3は細胞質4を囲卵腔5および透明帯6が取囲んだ構造
になっている。7はアルギン酸アルカリ金属塩水溶液、
8はカルシウムイオンを含む水溶液、9は反応容器であ
る。
包埋体1の製造方法は、胚または卵子3を、例えば2重
量%アルギン酸ナトリウム・リンゲル溶液等のアルギン
酸アルカリ金属塩水溶液7中に移し、注射筒に吸引した
後、尖端を落とした20ゲージの注射針10から、液滴
11 として−滴ずつ、100mM塩化カルシウム水溶
液等のカルシウムイオンを含む水溶液8の液面約]Oc
mの高さから同水溶液8中に滴下する。アルギン酸アル
カリ金属塩水溶液7は、カルシウムイオンを含む水溶液
8と接触すると、室温下で瞬時にしてアルギン酸カルシ
ウムから成るアルギン酸ゲル2に変化する。アルギン酸
ゲル2に包まれた状態で、胚または卵子3は約30分間
カルシウムイオンを含む水溶液8中に置かれる。
第3図および第4図は胚または卵子をアルギン酸ゲルの
シリンダー中に包埋する包埋体の製造方法を示す模式図
、第5図は得られた包埋体の断面図である。包埋体1の
製造方法は、胚または卵子3を2重量%アルギン酸ナト
リウム・リンゲル溶液等のアルギン酸アルカル金属塩水
溶液7中に移した後、先端が胚または卵子3の径の約2
〜3倍の内径を持つパスツールピペット12に上記の溶
液7と共に吸引する。この際、胚または卵子3を連珠状
に吸引する。そのピペット12を、ガラス製ペトリ皿(
90mm X 15mm)等の容器9中に入れた濾過滅
菌1.済みの100mMの塩化カルシウム蒸留水溶液等
のカルシウムイオンを含む水溶液8中に移し、ペトリ皿
を緩やかに回転(右手がピペットの場合は左回転)させ
ながら、静かに胚または卵子3を含むアルギン酸アルカ
リ金属塩水溶液7をピペット12からシリンダー状に押
し出す。アルギン酸アルカリ金属塩水溶液7は、カルシ
ウムイオンを含む水溶液8と接触すると、室温下で瞬時
にしてアルギン酸ゲル2に変化する。紐状のアルギン酸
ゲル2を胚または卵子3を中心にして、外科用メス13
の刃を用いて実体顕微鏡下で約1mm長の短冊状に切断
して包埋体1を形成する。アルギン酸ゲル2に包まれた
状態で、胚または卵子3は約30分間カルシウムイオン
を含む水溶液8中に置かれる。
上記のようにして形成された包埋体1をカルシウムイオ
ンを含む水溶液8がら取り出し、洗浄液で洗浄する。
洗浄液としてはリン酸イオンが100mg/ Q以下、
好ましくは50mg/Q以下のものが好適である。カル
シウムイオンも少ないものが好ましく、カルシウムイオ
ン0.8重量%以下、好ましくは0.4重量%以下のも
のが好適である。このような洗浄液としては、リンゲル
液、あるいはリン酸イオンやカルシウムイオンの含量の
少ない培養液を用いることができる。このようなリンゲ
ル液、あるいはリン酸イオンやカルシウムイオンの含量
の少ない培養液で、前記アルギン酸アルカリ金属塩、も
しくはアルギン酸アルカリ金属塩と反応させるためのカ
ルシウムイオンを含む水溶液を調製することも可能であ
る。
従来は胚または卵子を挿入したアルギン酸カルシウムの
カプセルまたはマイクロカプセルは、PBSなどの培養
液中で処理されることが多かった。
リン酸イオンの影響でゲルが溶解し始めるのと、表面に
リン酸カルシウムの白い結晶が生じてくるのがほぼ同時
に進行するため、カプセルまたはマイクロカプセルの強
度が低下し、また内部の$1’!が難しくなってくる。
このように、リン酸イオンやカルシウムイオンを多量に
含むPBSのような種類の培養液を用いるのは適当では
ない。
以上によって得られた包埋体は、in vjtroでの
ハンドリングに供され、また凍結により保存される。
上記により形成されるアルギン酸カルシウムゲルをカプ
セル状あるいはマイクロカプセル状にして哺乳動物の胚
または卵子の包埋体髪形酸すると、in vitroで
のハンドリングおよび凍結保存において取扱が容易とな
る他に、胚または卵子を包埋する場合には透明帯を保護
し、また切断胚を包埋する場合には肝細胞質が直接水晶
で損傷を受けないよう保護されるために、胚、卵子、切
断胚等の生存率、および移植後の受胎率が大幅に向上す
る。
また、カプセル化またはマイクロカプセル化後に[”B
Sのようなリン酸イオンやカルシウムイオンを多く含む
培養液中で処理する代わりに、これらのイオンを含まな
いか、もしくは極少址を含む培養液、例えばリンゲル液
あるいは細胞培養用培地GIT液中で処理することによ
り、カプセルまたはマイクロカプセルの透明度が維持で
き、内部の観察が容易になり、作業性が著しく向上する
〔発明の効果〕
本発明によれば、特定のM/G比に有ずろアルヘン酸ア
ルカリ金属塩を包埋剤として包埋体を形成するようにし
たので、穏和な条件て包埋体を形成して、強度、弾性に
優れ、かつp++変化や塩類の影響に対して安定な包埋
体を形成することができ、これにより、胚または卵rを
in vN、roてのハン)へリングや凍結、融解など
における物理的衝撃等から保護し、胚または卵子の生存
率を向上させることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 第1図に示す方法により、第2図に示すカプセルからな
る包埋体を形成した。試験は表1に示す各アルギン酸ナ
トリウムの2重量%水溶液を調製し、この水溶液を注射
器で吸い上げ、100mMの塩化カルシウム水溶液中へ
滴下してコ30分間反応させ、直径1.0〜1.5mm
のカプセルを形成させた。このカプセル30個を40重
址%グリセリン液3mΩを入れた共、栓付き試験管中に
移し、液体窒素中に正確に73分間浸漬した後、37°
Cの恒温水槽中へ入れて融解し、破損した数と外観の変
化を観察した。
表1に、H7G比の異なるアルキン酸す1ヘリウムを用
いたカプセルの耐凍試験の結果を示す。
表1 アルギン酸ケルの凍結耐性 実施例   比較例 M/に比   1.2 0.6 1.6 0.1 0.
2 1.9凍村l数  30  10  30  30
   :只):30回収数  ;(0旧  110  
3(1:10  30破損数  3   ’+   4
  7  5  9備 考   −−−シわ しね (注)しわコカプセル表面にしわ状のひだか認められた
実施例2 アルギン酸カルシウムゲルの処理にリンケル液を使用し
た場合とli II Sを使用した場合との比較を行っ
た。すなオ〕も、2gのアルキン酸すトリウム(M/6
比1,2)をリンケル液またはllB S中に入れて、
l−分に溶解後注射器を用いて100mM塩化カルシウ
ム水溶液中に滴下し、30分間反応させてカプセルを形
成させた。このカプセルをリンゲル液あるいはPBSを
入れたガラス製ぺ!へり皿に入れ、実体顕微鏡で観察し
た。結果を表2に示す。
表2処理液の比較 処理液    観察結果     作業性実施例33 第3図および第4図の方法により、第5図の包埋体を製
造した。
(1)胚の包埋 2gのアルギン酸ナトリウム(M/G比1.2、ダック
アルギン+50−M、紀文フードケミファ(株)製、商
標)を含む100mQのリンゲル液を、121 ℃、2
0分間の条件でオートクレーブ滅菌を行い、供試アルギ
ン酸ナトリウム溶液とした。家兎桑実胚をこのアルギン
酸ナトリウム・リンゲル溶液中に移した後、先端が胚の
径の約2〜3倍の内径を持つパスツールピペットにこの
溶液と共に吸引した。この際、胚を連珠状に吸引した。
そのピペットを、ガラス製ぺ1〜り皿(90X l 5
 +Iu )中に入れた濾過滅菌済みの100mMの4
+、・、化カルシラ11蒸留水溶液中に移し、ぺ1〜り
皿をEaやかに回転(右手かピペットの場合は左回転)
させなから、第3図に示すように静かに肝を含むアルギ
ン酸す1−リウム溶液をピペットから押し出した。そし
て第4図に示すように、紐状のアルギン酸ゲルを胚を中
心にして、外科用メスの刃を用いて実体顕微鏡下で約1
mm長の短冊状に切断した。アルギン酸ゲルに包まれた
状態で、胚は約;30分間塩化カルシウム水溶液中に浸
漬した。
(2)アルギン酸ゲル中に包埋された家兎桑実胚の凍結
保存試験 前述した方d、によりアルギン酸ゲル中に包埋した家児
桑失胚を、塩化カルシウム水溶液中から取り出し、細胞
培養用培地GIT液(和光純薬(株)製、商標)で洗浄
し、凍結媒液(11%ジメチルスルホオキサイド−〇I
T溶液)との平衡を開始するまで同液中に保存した。室
温下で30分間、アルギン酸ケル中に包埋した家兎桑実
胚を凍結媒液と平衡している間に、凍結容器である0、
25m12容)1tのプラスチックスドローにゲルに包
埋された胚を吸引した。冷却には、大阪酸素工業(株)
製のプロクラ11フリザーを用いて、室温から一30°
Cまで分速1℃で冷却した後、液体窒素中へ急冷した。
途中−7℃で試料温度を10分間保持したが、外部から
の強制的な氷晶形成誘起処w(植木)は行わなかった。
その代わりに、特開昭61−255655号および特願
昭62−265125号に示されているようにアルギン
酸ゲル中に固定化したヨウ化銀を凍結媒液中に胚と共に
浸漬することによって、氷晶形成誘起を自動的に行った
。融解に際し、液体窒素中に保存されているストロ−を
37℃の温水中に浸漬し、氷晶が完全に消失するのを待
って素早く室温中に戻した。融解後、胚を含むゲルをス
トロ−から回収し、GITI中に直接移して数回洗浄し
、耐凍剤(ジメチルスルホオキサイド)を胚から除去し
た。その後、胚細胞質の正常性および透明帯とムチン層
の破損程度をm1ll察し、ガラス製ペトリ皿に入れて
27ゲージの滅菌注射側で周囲のゲルを除去した。ゲル
を外した胚は、偽妊娠家兎への移植試験と培養試験に供
された。移植には、細胞質、透明帯およびムチン層の全
てが正常な胚だけを供した。借り腹として胚を移植され
る家兎には移植前60時間にhCG (ヒト胎盤性ゴナ
ドトロピン、三共臓器(株)製) 50IUを耳静脈内
に注射して偽妊娠を誘起した。全身麻酔下で側腹部を切
器して卵巣と卵管を体外に出し、移植胚を極少量のGT
Tと共に卵管采を経由して卵管に移植した。移植後14
日目上下腹部を正中線切開して着床数および生存胎児数
を数えた。その後開腹して正常子の娩出を観察した。体
外培養は、流動パラフィンオイル下のGIT液中で、3
7℃、5容量%CO2,95容量%空気の気相下で実施
した。
一方、アルギン酸ゲルに包埋せずに上記と同様の方法で
凍結、融解、移植あるいは培養を行った胚を対照とした
(3)結果 結果を表3に示すが、融解後の正當肝数、すなわち細胞
質だけてはなく透明帯および13チン層に破損が認めら
れない胚の割合か、アルギン酸ゲルに包埋した試験区に
おいて包埋無処置の試験区よりも高い割合を示した(P
<0.025)。家兎肝かj′宮に着床するためには透
明帯の存在か必須であり、また破損していないムチン層
を有することも受胎率を向上させるために必要であると
されているので、この結果は凍結、融解後の家兎肝の移
植利用率が改善されたことを意味する(P<0.0O5
) 、。
アルギン酸ゲルて包埋し凍結、融解した胚を偽妊娠家児
の卵管へ移植した場合の生存性とその体外培養系での牛
?f−・l’lを:+V+へた1、その結果アルギン酸
ゲルで包埋しなかったIl、fのそれぞれの生存性と右
、1で、差は認め1)れす、アルギン酸ゲルへの包埋処
理か胚発r目二苅して悪影%I7tを有していないこと
が確認さ扛た4゜ アルギン酸ゲルによる包用)の工程か凍島Il、融解2
(歴任の受胎性に及ぼす影響を表4に示すが、アルギン
酸ゲルに′ボ児歴任包埋することによって融解後に移植
i+J能肝を高率に桶保することか可能となるので(P
<0.025)、凍結に供した胚に対する受胎する肝の
割合は向トする。
有   97/+06(92%)  4/+06(4%
)  5/106(5%)無   29/ 51(57
%)  10151(20%)  12/ 5](24
%)アルギン酸ゲルによる包埋処理が胚の発育に対して
、どのような影響があるかを桶認するため、有    
   !12*         、5041圧 :35 * P(0,025 これらの結果から、本発明の方θζによって得られたア
ルギン酸ゲルに包埋された胚または切断層の生存率、凍
結、融解後の生存率および作業性は従来の方法に比へ著
しく向1−シていることかわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図および第4図は製造方法を示す模式図、
第2図および第5図は製造された包埋体の断面図である
。 各図中、同一符号は同一または相当部分を小し、]は包
埋体、2はアルギン酸ゲル、;3は肝または卵子、7は
アルギン酸アルカリ金属塩水溶液、8はカルシウムイオ
ンを含む水溶液である。 代理人 弁理上 柳 原   成 !−一 手 続 補 正 書 7゜ 補正の内容 平成1年3月24日 明細書第17頁第15行 「アルカル」 を 「アル カリ」 に訂正する。 同第27頁表3を次の通り訂正する。 昭和63年特許願第296596号 2、発明の名称 哺乳動物の胚または卵子の包埋剤、包埋体およびその製
造方法 有 97/106(92%) 4/106(4%) 5/106(5%) 3、補正をする者 事件との関係

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液で哺乳動物の
    胚または卵子の周囲を覆い、この胚または卵子を覆う液
    をカルシウムイオンを含む水溶液と接触させてゲル化し
    、胚または卵子の包埋体を形成するための包埋剤であっ
    て、アルギン酸部分のD−マンヌロン酸(M)とL−グ
    ルロン酸(G)との成分比率(M/G比)が0.3〜1
    .8であるアルギン酸アルカリ金属塩を含有することを
    特徴とする哺乳動物の胚または卵子の包埋剤。
  2. (2)アルギン酸アルカリ金属塩の水溶液で哺乳動物の
    胚または卵子の周囲を覆い、この胚または卵子を覆う液
    をカルシウムイオンを含む水溶液と接触させてゲル化し
    た胚または卵子の包埋体であって、前記アルギン酸アル
    カリ金属塩はアルギン酸部分のD−マンヌロン酸(M)
    とL−グルロン酸(G)との成分比率(M/G比)が0
    .3〜1.8であることを特徴とする哺乳動物の胚また
    は卵子の包埋体。
  3. (3)アルギン酸部分のD−マンヌロン酸(M)とL−
    グルロン酸(G)との成分比率(M/G比)が0.3〜
    1.8であるアルギン酸アルカリ金属塩の水溶液で哺乳
    動物の胚または卵子の周囲を覆い、この胚または卵子を
    覆う液をカルシウムイオンを含む水溶液と接触させてゲ
    ル化し、形成された胚または卵子の包埋体をリン酸イオ
    ンの少ない洗浄液で洗浄することを特徴とする哺乳動物
    の胚または卵子の包埋体の製造方法。
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