JPH02500802A - 哺乳動物宿主細胞における組込部位非依存性遺伝子発現のためのベクター - Google Patents
哺乳動物宿主細胞における組込部位非依存性遺伝子発現のためのベクターInfo
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
ベクター
発」坏と1賢
本発明は、組み換えDNA技術に関し、特に、イン・ビボおよびイン・ビトロで
哺乳動物細胞を形質転換して所望の構造遺伝子の発現が得られるようにするのに
有用であるベクターに関する。
21廊と1量
高レベルの発現を示す、改良されたベクターに対する要求が絶えない。特定の発
現においては、所要のポリペプチドの製造のためにも遺伝子障害治療の発展のた
めにも、哺乳動物の細胞系に用いる発現ベクターがますます重要になっている。
特徴的な構造遺伝子の例が多数知られており、これらは適切な調節配列と一緒に
適当なベクターに挿入され、宿主細胞の形質転換に使用することができる。この
ような構造遺伝子と調節領域を哺乳動物のゲノムに組み込む際に重要となってい
る問題は、発現が挿入された配列のゲノム中の位置に大きく依存することがわか
ったことである。この組込部位依存の問題が、本発明により解決される。本発明
は、本明細書において「優性アクティベーター配列(domionant ac
tivator 5equences ) J (または、「優性調節領域(d
ominant control regions) J (DCRs) )と
呼ばれる配列の発見に基づいており、これは連鎖した遺 伝子系に、細胞型(c
ell−type)により限定され、組込部位非依存性であり、およびコピー数
依存性の特徴を与える性質を持っている。
ヒトのβ一様グロビン遺伝子は、第11染色体の短腕(shortarm )に
約60kbのDNAからなる、5 ’ −εG r A r−δ−β−3′の順
序にある5遺伝子のクラスターである。それぞれの遺伝子が発展的にかつ組織特
異的に発現される。即ち、胎児ε−遺伝子は卵黄嚢で発現され、胎児Gr−およ
び^T−遺伝子は主に胎児の肝臓で発現され、成人T−およびβ−遺伝子は主に
骨髄で発現される(Maniatisほか、Ann、Rev、 Genet、。
(1984) 14.145−178参照)。この遺伝子群の変異体は遺伝子疾
患の最も広範な遺伝子群を構成し、その大多数が、点変異による単純なアミノ酸
変化から遺伝子座の完全な欠落に到るまで既に特徴付がわかっている([all
insほか、Frog、 Nucl、Ac1d。
Res、 Mol、 Biol、、(1984)、 31.315−462参照
)。これらは、深刻な治療上の問題や早死を引き起こすことが多い。こうした疾
患の通常の治療(輸血)は、費用が高くつき、リスクが伴い、しかも多くの場合
不十分である。本発明は、例えば遺伝子治療(lockほか、Nature、(
1986)、 320.275−277)による、このような障害の治療法を提
供するものである。
ヒトβ−グロビン遺伝子を調節するDNA配列は、翻訳部位の5′および3”の
両方に存在する(Wr ightほか、Ce11. (1984)、38. 2
65−273; Charnayほか、Ce11. (1984)、38゜25
1−263)。マ ウスの赤白血病細胞(MEL)とに562細胞を使用して、
ヒトβ−グロビン遺伝子の適切な発現に必要である少なくとも4つの別々の調節
要素(element )が確認されている:正に作用するグロビン特異的プロ
モータ、負と推定される調節プロモータ、および2つの下流にある調節配列(エ
ンハンサ−)であって、1つはその遺伝子内にあり、他の1つは該遺伝子から約
800bp下流にある(Antoniouほか、[EMBOJ、。
(1988)、 7(2)、377−384 ’)。同様のエンハンサ−が、培
養されたニワ) IJの赤芽球細胞を用いて、ニワトリβ−グロビンの下うした
下流エンハンサ−は、形質転換したマウスを用いて、発生段階特異的エンハンサ
−であることがわかっている(7060)。したがって、こうした結果のすべて
が、β−グロビンの多数の発生特異的調節領域がβ−グロビンの厘バー5°側内
側と3′側に位置していることを示している。
しかし、これらの調節遺伝子全部を含むβ−グロビン遺伝子を形質転換したマウ
スに導入すると、この遺伝子はマウスβ−グロビンと同レベルでは発現されず、
組込部位依存の影響が示される。これは、形質転換遺伝子の発現が大きく変化し
易いという特徴を示すが、このことはマウスのゲノムに注入された遺伝子のコピ
ー数とは相互関連性を有しない形質転換されたマウスで研究されたほとんどすべ
ての遺伝子において、同じ現象が認められている(Palmiterほか、An
n、 Rev、Geneto、<1986)。
遺伝子の発現レベルは、良くても、内生のマウス遺伝子の大きKolliasほ
か、Ce1l、(1986)、 46.89−94> 。同様の問題が、β−グ
ロビン遺伝子または他の遺伝子をトランスフェクションあるいはレトロウィルス
感染によって培養細胞に導入した時にも認められる。このことは、幹細胞に遺伝
子を追加することで行う遺伝子治療を考慮すると、大きな問題を提起するもので
ある。これはまた、組繊細胞から組み換えDNA産物を発現させるに当たっても
大きな問題である。高生産性クローンを得るだめの広範囲のスクリーニングはそ
のベクターが最適に発現される細胞系を同定するのに必要であり、ベクター増殖
のために選択を行うことは天然に存在する遺伝子、例えば赤白血痰細胞系のβ−
グロビン遺伝子の発現レベルに匹敵する発現レベルを達成するのに一般に必要で
ある。
β−グロビン系の研究は、地中海貧血(タラセミア)のようなヘモグロビン異常
症の解析により助けられてきた(νan derPloegほか、Nature
、(1980)、 283.637−642; Curtinほか、In: H
aemoglobin Switching: Fifth Conferen
ce on Haemoglo−bin Switching、 Washin
gton IJ、 G、 Stamatoyannopoulos、AlanR
9Liss Inc、、 New York 1987) oオランダ地中海貧
血(Dutch thalassaemia)は、β−グロビン遺伝子の上流1
00kbを除去する大規模な欠落によるヘテロ接合であるが、上記の調節領域を
含めβ−グロビン遺伝子は無傷のまま残している(Ce1l、(1984)、
38.265−273; Taramelliほか、NAR,(1986)。
14.7017−7029)。患者はへテロ接合の状態にあり、正常な遺伝子座
を同じ核内で転写するので、ある調節メカニズムが変異遺伝子座中の遺伝子を直
に囲んでいる調節配列の働きに対し優先して働いているのかもしれない。オラン
ダTβ−地中海貧血の場合には、観測された影響について2つの説胡が可能であ
る。
即ち、シス(cis )作用の正の要素(element )が除かれているか
、あるいは不活発なりロマチン配置内に負に作用する因子が挿入されていて古典
的な位置効果のごとく挙動する(Kioussisほか、Nature、(19
83)、306. 662−666)。
染色体では、遺伝物質はDNAの利用を一定の機能に限定する効果を有するクロ
マチンと称されるDNA/タンパク質複合体の中に包み込まれている。多くの遺
伝子系(β−グロビン系を含む)が所謂DNアーゼ過敏部位(hypersen
sitive 5ite)を持つことが、はっきりしている。このような部位は
、推定調節領域の一例であり、ここでは正常なりロマチン構造が、トランス作用
する調節領域との相互作用が可能であるように変えられている。
ε−グロビン遺伝子の上流、β−グロビン遺伝子の下流の領域(複数)であって
、多数の「超」過敏部位を含んでいる領域が確認されている。これらの部位は、
発現されるとき、個々の遺伝子中にまたはその周りに見出される部位に比べ、核
内でのDNアーゼに対してより感受件が高い(Tuanほか、PNAS USA
。
す、どのグロビン遺伝子が発現するときにも存在する。
テユアン(Tuan)ほかは、「β一様」グロビン遺伝子の5゜境界域にある4
つの主要なりNアーゼI過敏部位の広い地図作成(mapping)を記載して
いる。著者らは、これらの部位のある配列特徴が多くの転写エンハンサ−にも見
出されることを示し、これら部位もエンハンサ−機能を有し赤芽球細胞因子によ
ってWallされる可能性のあることを示唆している。
本発明は、無傷の5°および3゛境界域を伴うβ−グロビン遺伝子座は組込部位
依存性を示さないという発見に基づいている。この重要な特性を担う遺伝子座の
領域が決定され、DNアーゼ超過敏部位に対応することがわかった。これらの優
性アクティベーター領域は、エンハンサ−とは全く異なり、公知のエンハンサ−
によって示されない組込部位非依存性等の性質を示す。公知のプロモーター/エ
ンハンサ−要素と結合して用いられる優性アクティベーター配列は、天然の遺伝
子の完全な発現を再構成する。DNアーゼ■「超」過敏部位と優性アクティベー
ター領域の間の本発明の一部として形成された結合は、β−グロビン遺伝子系以
外の遺伝子系にまで本発明を数行させる。
例えば、ヒトのβ−グロビン遺伝子を、組込部位非依存状態で形質転換マウスで
機能的に発現させることができる。ヒ)T−リンパ球(T−細胞)は骨髄で生産
され、体内で異物抗原に応答する免疫学的性質を発達させる胸腺内で成熟する。
T−細胞は高度に組織特異的に製造される。T−細胞は特異的細胞マーカーを有
することがみとめられた(Bernardほか、“LeukocyteTypi
ng”、Bd、Bernarclほか、p41. Springer Verl
ag、Berlinand New YOrk、 1984)このようなマーカ
ーのひとつが、CD2の記号で知られるE−ロセット (rosettte)
レセプターである。このCD2の構造およびCD2遺伝子は大きな研究テーマで
あった(Brownほか、Math、 in Bnzym、、(1987)、
150゜536−547 and Lang、 G、ほか、BMBOJ、(19
88)、 7(6)、 1675−1682 ’)。本発明の優先日ののちに公
表された論文において、CD2遺伝子を含む大きなフラグメントのコピー数依存
性の性質が述べられ、このようなフラグメントがβ−グロビンで見出される配列
と類似の配列を形成する遺伝子座を含むことが示唆されている。DNアーゼ「超
」過敏部位が該フラグメントのなかにすでに確認され、本発明の優性アクティベ
ーター配列であることがわかった。
本発明は形質転換動物の生産にも適用でき、そのような製造技術は今日広く知ら
れている。参考に、ジエーニッシュ、サイエンス(Jaenish、 5cie
nce)、 (1988)、240.1468〜1474頁参照。 本発明は、
発現の組込部位依存性の問題を解決し、機能的に活性な遺伝子系を、イン・ビト
ロおよびイン・ビボの両方において哺乳動物のゲノムのなかに挿入することを可
能にする。転写レベルを有利に増加させる特定の配列も確認された。
発明の要約
本発明によると、遺伝子を哺乳動物の宿主細胞の遺伝物質に、該遺伝子が宿主細
胞により発現されるように組込むためのベクターであって、プロモーター及び前
記の遺伝子を含有するものにおいて、該ベクターが、前記遺伝子の発現にあたり
、宿主細胞型(cell−type )により限定され、組込部位非依存性で、
コピー数依存性の発現を誘導することができる優性アクティベータ配列を含むこ
とを特徴とするベクターが提供される。
本明細書で用いられる、「優性アクティベーター配列」の用語は、この優性アク
ティベーター配列と調和する宿主細胞のゲノムに組み込まれたときに、宿主細胞
の型に限定され、組込部位に依存せず、コピー数に依存する発現をする性質を、
結合された遺伝子発現系に与えることができるDNA配列を意味する。
このような優性アクティベーター配列は、宿主細胞の染色体内に完全に再構成さ
れたときにはこの性質を維持する。宿主細胞の型に限定された発現を有効に指示
する能力は、相同の染色体(たとえば、β−グロビンの染色体11番)の異なる
部分または全く異なる染色体とともに異種のバックグラウンド中に完全に再構成
されたときでも保持される。
本発明の優性アクティベーター配列はDNAのクロマチン構造を開き、それをよ
り接近しゃすいものにして遺伝子座オルガナイザーとして作用するものと仮定さ
れる。優性アクティベーター配列は、天然に存在する遺伝子系に対応するもしく
はそれに由来する単一の隣接した配列によるかもしれないし、またはポリヌクレ
オチドが介在しあるいは介在しないで相互に結合された2以上のこのような配列
からなるかもしれない。
優性アクティベーター配列は組み換えDNA技術によって、天然に存在する遺伝
子系から誘導することができ、または天然に存在する遺伝子系に関係する配列デ
ータからポリヌクレオチド合成の公知技術を用いて製造できるという意味におい
て、天然に存在する遺伝子系に対応しているかもしれない。優性アクティベータ
ー配列の機能を変更しないで配列の変更をおこなうことはできる。
好ましくは、優性アクティベーター配列が誘導される、またはそれが対応する天
然に存在する遺伝子系は、高度に宿主細胞の種類によって限定された発現特性を
好ましくは高いレベルで示す系である。このような系の具体例は、β−グロビン
系のようなヘモグロビン系およびCD2にのようなリンパ球である。
優性アクティベーター配列は、誘導されたものでも、あるいは1または2以上の
DNアーゼI「超」過敏部位に対応するものでも、細胞特異的発現をおこなうこ
とができるいずれかの遺伝子系のみからなることがこのましい。しかし、その他
の配列が、優性アクティベーター配列の機能的な特徴を示す可能性はある。天然
に存在する優性アクティベーター配列が1または2以上のポリヌクレオチド配列
を介在させることによって分離された2以上のサブ配列を含む場合には、1また
は2以上の介在配列の全てまたは一部が存在しない状態で結合された2以上のサ
ブ配列を含んでいてもよい。すなわち、天然に存在する遺伝子座の優性アクティ
ベーター配列が、非機能的配列の介在によって分離された2以上の別々のサブ配
列を含む場合には、(たとえば、2以上の「超」過敏性部位)、本発明のベクタ
ーは、除去された介在配列の全てまたは一部と共に結合した、2以上のサブ配列
を含む優性アクティベーター配列を備えていてもよい。 本明細書で用いられる
「ベクター」の用語は、DNAを一つの細胞から別の細胞に移すことができる組
み換えD N’ A物質を、その最も広い意味において意味する。
ベクターは、線状または環状である単一のDNA片であってもよいし、本発明の
本質的に機能的な部分に加え、特定の利用に必要なようなその他の配列を含んで
いてもよい。例えば、ベクターは、一種または二種以上の選択可能なマーカー遺
伝子のような別の特徴、および/または翻訳もしくはクローン化産物の生産の側
面を助ける特徴を含んでいてもよい。組み込みに適したベクターは、優性アクテ
ィベーター配列と非依存性構造遺伝子発現系を含む孤立したDNA配列からのみ
なる。
このDNA配列はいずれの末端においても他の実質的なりNA配列には結合され
ない。しかし、この孤立したDNA配列には、複製のためのベクターに結合する
だめのリンカ−が備わっていてもよいし、またはその一端もしくは両端にゲノム
への組み込みを助ける配列が備わっていてもよい。
このベクターは哺乳動物の宿主細胞のなかに組み込むことができる「小遺伝子座
」 (“m1ni 1ocus”)を決定し、この宿主細胞において宿主細胞の
型に限定され、組込部位に依存せず、コピー数に依存した状態で自らを再構築す
ることができる。
本発明は、好ましくはプラスミドの形で、優性アクティベーター配列を含む伝達
ベクターをも提供する。このようなベクターは、組み込み用ベクターの構築に有
用である。
本明細書で用いる「遺伝子」の用語は、DNA配列、好ましくはポリペプチドを
コードする構造遺伝子を含む意味を有する。
このポリペプチドは例えば薬物として商業的に有用であるポリペプチドであって
もよいし、宿主細胞にとって全く異種ものもであってもよい。あるいは、この遺
伝子は宿主細胞内で欠落しているまたは変異するポリペプチドをコードするもの
でもよい。
哺乳動物の宿主細胞は、本発明のベクターを取り込みやすい如何なる哺乳動物の
宿主細胞でもよい。ベクターDNAは、トンスフェクション、感染、マイクロイ
ンジェション、細胞融合、またはプロトプラスト融合によって哺乳動物の宿主細
胞に伝達することができる。宿主細胞は生きているヒトまたは動物の細胞でもよ
い。特に、宿主細胞はマウスのような形質転換動物の細胞でもよい。宿主細胞は
骨髄細胞のようなヒトの幹細胞でもよい。宿主細胞は優性アクティベーター配列
が機能する組織、例えばβ−グロビン遺伝子座の場合の赤芽球細胞、から誘導さ
れてもよい。
プロモーターは、宿主細胞内で機能できる何れのプロモーターでもよく、例えば
哺乳動物もしくはウィルスのプロモーターでもよい。場合によっては、該プロモ
ーターは優性アクティベーター配列の遺伝子座と相同的であってもよいしく例え
ば、β−グロビン遺伝子 プロモーター)、また別のプロモーターと一列に並ん
で存在してもよい(例えば、β−グロビンプロモーターとウィルスのtkもしく
はSV40プロモーター)、1以上のエンハンサ一部分を含んでいてもよい。
以下に説明する本発明の一実施態様においては、優性アクティベーター配列はβ
−グロビン遺伝子座から誘導される。上述したように、β−グロビン遺伝子座は
、優性アクティベーター領域を構成する、多数のDNAアーゼ■「超」過敏部位
を含んでいる(’l”uan他、上掲)参照。優性アクティベーター配列はβ−
グロビン遺伝子内にig忍されているDNアーゼI「超」過敏部位を1または2
以上含んでいる。好ましくは、これらは該遺伝子座の5′境界に由来し、場合に
よっては3゛境界配列を伴ってもよい。優性アクティベーター配列は、β−グロ
ビン遺伝子座内のε−グロビン遺伝子の直ぐ上流側にある一1kb C1alな
いし一22kb Bg]Itの21kbのフラグメント内にあるこの領域は四つ
のDNアーゼ■「超」過敏部位を介在したポリヌクレオチドとともに含む(五つ
の異なる部位のうち二つは互いに非常に接近している)。好ましくは、介在する
ヌクレオチドの一部または全てが公知の技術例えばエキソヌクレアーゼによる消
化を用いて除去される。
β−グロビン遺伝子座の優性アクティベーター配列のきりつめた形(reduc
ed form)のものを製造した。これは遺伝子発現連鎖系をかなり高いレベ
ルで発現する。これは次の四つのフラグメントを結合して製造された。
この優性アクティベーター配列(ここでは「小遺伝子座」という)は、特定の遺
伝子発現系を活性化するために「カセット」として用いられる6、5kbのフラ
グメントである。
以下に説明する本発明の第二の実施態様においては、優性アクティベーター配列
はCD2遺伝子座から誘導される。CD2遺伝子座は三つの「超」過敏部位を含
む。一つは該遺伝子座の5′境界にあり、他の二つは該遺伝子座の3°境界にあ
る。好ましくは、この優性アクティベーターはCD2遺伝子座内に、1または2
以上のDNNアーゼ「超」過敏部位を含む。最も好ましくは、優性アクティベー
ター配列は遺伝子座の3′境界に由来する両方の「超」過敏部位を含み、介在配
列の全体またはその一部は場合によっては除去されていてもよい。この優性アク
ティベーター配列は、CD2遺伝子に対して3′の位置にある5、5kbのBa
mHIないしXbaIのフラグメント内に含まれている。本発明の別の様相にお
いては、本発明のベクターを用いて形質転換された宿主細胞を培養することを含
むポリペプチドの製造方法が提供される。
この方法は、イン・ビトロで所要のポリペプチドを製造するのに適用できる。さ
らに、この方法はイン・ビボで動物にとってなんら治療的価値のないポリペプチ
ドを製造するのにも適用できる。このようなポリペプチドの製造方法はヒトまた
は動物の体を治療する方法として考えられるものではない。
本発明の別の様相においては、欠陥のある哺乳動物の遺伝子を置き換えまたは補
充することによってヒトまたは動物の体を治療する方法にベクターを使用できる
。
ヒトまたは動物の体の多くの疾患が一定の遺伝子産物の生産不全によっている。
本発明のベクターの特徴により、このベクターはイン・ビボにおける遺伝子治療
により欠陥を治療するのに広汎に適したものとなっている。
本発明により遺伝子治療の方法が提供され、これはヒトもしくは動物の体から幹
細胞を除去し、体内に残っている幹細胞を殺し、除去した幹細胞をヒトもしくは
動物の体内に不足または、欠けている遺伝子を含む本発明のベクターで形質転換
し、その形質転換した幹細胞をヒトまたは動物の体内に戻す工程を含んでいる。
この方法は、ヒトまたは動物内に欠けている遺伝子を置き換えたり補充するのに
使用することができる。例えば、β−地中海貧血のようなヘモグロビン異常症を
患うヒトは、活性で高発現性β−グロビン遺伝子座を挿入して不十分なβ−ヘモ
グロビンを完全にすることで治療可能であろう。あるいは、免疫系の不全は、C
D2遺伝子座ベクターで治療可能であろう。
この方法はアデノシン・デアミナーゼ欠乏症(ADA症候群)または重度の免疫
不全合併症候群(SCID症候群)を治療するのに使用できよう。
骨髄は幹細胞の適切な供給源であり、リンパ球と赤芽球細胞の両者の前駆体を含
有しているという利点がある。あるいは、その他の組織を体から取り除きき、ト
ランスフェションするかあるいは他の方法で本発明のベクターを供給し次いで体
内に戻し入れることができよう。
さて本発明を、添付の図面に関して実施例により説明する。
図面の簡単な説明
図1は、ε−グロビン遺伝子に対して5°のDNアーゼ■超過敏部位の地図付け
を示す。パネルA−Cは地図付は実験を図解するニトロセルロースフィルターを
表し、パネルDはこれらの実験で用いられた3種の制限酵素についてのε−グロ
ビン遺伝子のβ−グロビン遺伝子座上流部の制限地図を示す。プローブの位置と
超過敏部位をマークしである。
図2は、β−グロビン遺伝子の超過敏部位3゛を地図づけるのに行われた図1の
実験に対応する実験を示す。
図3は、ヒトβ−グロビン「小」遺伝子座 の構成を示す。
図4は、ヒトβ−グロビン・形質転換遺伝子(transgene)の構造分析
を示す(図4には、4A、4B、4Cが含まれる)。
図5は、マウス内におけるヒトβ−グロビン・形質転換遺伝子の発現分析を示す
(図5には、5A、5B、5C,5Dが含まれる)。
図6は、種々のマウス組織内におけるヒトβ−グロビンDNAの生産を示す(y
s=卵黄嚢、1v=胎児肝臓、br=脳)。
図7は、形質転換された小β−グロビン遺伝子座上のDNアーゼエ過敏部位の再
構成を示す。
図8は、プラスミドG5B1364.1365.1366の構築を示す。
図9は、プラスミドG5B1359.1400.1401.1357の構築を示
す。
図10は、ヒトβ−グロビンの発現を示す。
図11は、CD2過敏部位の地図付けを示す。
図12は、Thy −I CD2構築体(construct )を示す。
図13は、形質転換マウスの胸腺と脳におけるThy −1の分布を示す。
図14は、β−グロビンCD2構築体の構築を示す。
図15は、図14の構築体を有する形質転換マウスのゲノムDNAを示す。
実施例1
優性調節領域がβ−グロビン遺伝子座のフランキング領域に存在するか否を決定
するために、β−グロビン構築体にこのような領域を含ませることにより、実験
を行った。このような配列が組込部位位置効果に感応するようであるならば、(
1)該構築体の発現レベルは形質転換マウス中のそのコピー数に直接関係してい
る、(2)1つの遺伝子コピー当たりの発現レベルが各マウスにおいて同じであ
る、(3)多分、導入された遺伝子はマウス遺伝子の発現レベルに匹敵するレベ
ルで発現される、ことが予想される。5゛および3”配列を試験する前に、過敏
部位の位置を注意深く地図付けすることが重要であった、というのはこれらの正
確な位置、特に3°側において、は詳しく公表されていないからである(テユア
ンはか、1985)。
赤芽球細胞の核の非常に限定されたDNアーゼ■消化が、ε−グロビン遺伝子座
の上流とβ−グロビン遺伝子の下流において、DNアーゼに非常に高い感受性を
示す部位の存在を示した(テユアンほか、1985)。私達は、私らのコスミド
(Taramelliほか、1986) 。図1は、種々の制限酵素で再切断し
、サザーンブロッティングをし、ε−グロビン遺伝子の上流で多数のプローブと
ハイブリッド形成させたHEL細胞(MartinおよびPapayannop
oulou、 1982 )とPUTKO細胞(Kleinほか、1980)の
核のDNアーゼエ消化の時間経過を示す(図1d)。
4つの過敏部位が、ε−グロビン遺伝子の上流の18kb(N[l1) 、15
kb (NCL2) 、12. Okbおよび11. 5kb (No、3 a
。
3b)、並びに5.4kbに存在する。N(L 1.3a14の部位が、消化の
時間経過の早い段階で現れることから判断されるように、強い過敏部位である。
NcL2と3bの部位は、より弱い部位で消化の過程で遅く現れる。図1におい
て、実験の詳細は下記のとおりであった:
パネルA
HEL細胞の核をDNアーゼ(60μg/−)と37℃でインキュベートシ、ア
リコート(一定分量)を各トラック(通路)の上に示した時刻(分)に反応物か
ら除いた。約10’のHBLの核のアリコートを、DNアーゼの不存在下(Oe
nz、)、^1u)30単位もしくは旧nf160単位の存在下、37℃で15
分間インキュベートした。DNAをプロテアーゼにで消化後精製し、Asp 7
18で再切断し、0.6%アガロースゲルで分画し、ニトロセルロースに移し、
ε−グロビン遺伝子プローブ(Bam−Bc。
1.4kb)で探査した。
パネルB
DNNアーゼで消化したパネルAの試料をBglI[で再切断し、3.3 kb
BcoRIフラグメントで探査した。該フラグメントは、12゜0および5.
8kbのバンドのほかに、フィルターを0.3 X5SC65℃のストリンジエ
ンシー(stringency)で洗浄後に6,8kbの交差反応バンドも検知
するが、0.1 x SSC65℃での洗浄では認められない(図示せず)。
パネルC
PUTKO細胞の核をDNアーゼ■(20μg/−)で37℃において消化し、
1.2.4および8分後に反応物から試料を除いた。
約107の核のアリコートを37℃で8分間DN了−ゼ■の不存在下で(レーン
0enz、)インキュベートした。BamHIによる再切断、ゲル電気泳動、お
よびニトロセルロースへの移行の後、フルターを0.46kb BcoRI−B
gl IIプローブとハイブリッド形成させ、洗浄して最終ストリンジエンシー
0.3 xSSC/65℃とした。
パネルD
該パネルは、これらの実験で使用された3種の制限酵素についての、ε−グロビ
ン遺伝子の上流にあるβ−グロビン遺伝子座の制限地図を示す。プローブの位置
、およびHELおよびPUTKOのクロマチン中のDNアーゼ過敏部位の推論さ
れた位置がマークされている。
成人β−グロビン遺伝子のDNNアーゼ過敏部位3°の正確な位置を、2種類の
シングルコピーDNAプローブと、DN了−ゼ■で消化されたHEL核の数種類
の制限酵素による消化物を用いて決定した。図2(A−D)に要約したデータは
2.3kb BglHのフラグメントと2.4kb HindlIIのフラグメ
ントの間で、ヒトβ−グロビン遺伝子の20kb 3’ の位置に唯一のDNア
ーゼ■過敏部位が存在することを示す(図2E)。(@似の結果がDNNアーゼ
で消化したPUTKOの核についても得られたくデータを示さず))。
図2において、実験の詳細は次のとおりであった。
パネルA−Dは、HEL細胞のDNアーゼ1で消化した核由来のDNAで、表示
した制限酵素で再切断し1.15 kbのEcoRIまたは1.lkbのHin
dIII−Bam7ラグメントのいずれかでプローブしたものを示す。両方のD
NAプローブはいくつかのヒトの繰り返しDNAを含み、該DNAは余備ハイブ
リッド形成およびハイブリッド形成の緩衝液1iあたり剪断したヒ)DNAIO
μgの使用を必要とするものであった。フィルターを洗浄し、65℃における最
終ストリンジエンシーを0.3xSSCとした。
パネルEはβ−グロビン遺伝子のβ−グロビン遺伝子座3゛の制限地図を示す。
用いられた2種のプローブと、3’ H3S部位の位置がマークされている。H
3S5の位置はHindIIIおよびBglIIで再切断したDNA試料を1.
15 EcoRIプローブで探査することによって確認したくデータを図示せず
)。
β−グロビン「小」遺伝子座の構成
グロビン「小」遺伝子座の(図3)は、次の三つの領域から構築された(詳しい
説明は、後述の「材料および方法」参照):ε−グロビン遺伝子(−1kb C
]aI 〜−22kbBglI[I)の直ぐ上流にあり、四つの過敏部位すべて
(図1)を含む21kb領域、β−グロビン遺伝子とこの遺伝子の直ぐ内側およ
び周囲にあるすべての公知の調節配列を含む4.7kb(BglIIl、)フラ
グメント、並びにβ−グロビン遺伝子(+12kb KpnI〜+24kb B
amHI)の下流にあり、下流の過敏部位(図2)を含む12kb領域である。
これらの領域は独特のリンカ−を含みまたは備えていて、独特の制限部位(Sa
ll、 Xhol、 C1al、 KmnI、 Pvul)を創成しており、コ
スミドp T CF (Grosvelclほか、1982)の中にクローニン
グされた。38kbの全挿入体が該コスミドから5allフラグメントとして切
り出され、低融点アガロースから精製され、受精マウス卵(Koll iasほ
か、1986)内に注入された。
図3には、ヒトβ−グロビン遺伝子座が最上に示され、サイズはキロベース(k
b)で示されている。第2のラインはβ−グロビン「小」遺伝子座を示し、いく
つかの独特の制限部位もともに示しである。連結した直線は、フラグメントのβ
−グロビン遺伝子座内における元々の位置を示す。EcoRl、BamHIおよ
びHindIIIについての、「小」遺伝子座内の制限酵素フラグメントはkb
単位で示されている。5′ フランキング領域(E c o B g I O,
46)、β−グロビン遺伝子(BamEcoO,7IVSII)および3° フ
ランキング領域(Ec。
1、15)についてのハイブソッド形成プローブは一番下に示されマウス卵の最
初の注入は、DNA濃度2μg/mp!で行い、該卵をマウスへ移植により戻し
たが、全く成果(offspring)は得られなかった(理由は不明)。一連
の注入をDNA6度0.5〜1μg / mlで数回行い、懐胎の12.5日後
または13.5日後に胎児を集めた。DNAを各胎盤から調製し、サザーンブロ
ッティングを行い、ヒトβ−グロビンプローブでハイブリッド形成させて形質転
換されたマウスの数を測定した(Kolliasほか、1986、により説明さ
れているように)。形質転換DNAを次にEcoRIで消化させ、サザーンブロ
ッティングを行い、ヒトβ−グロビンプローブとマウス’rhy−1プローブ(
単一コピー)とハイブリッド形成させて各マウスに組み込まれた遺伝子数を測定
した(図4Aおよび表■、頁参照)。これらの数値は1回の挿入(マウス33と
38)から細胞当たり100コピー(マウス21)まで変化した。次いで、挿入
されたDNAがそのまま組み込まれたか、あるいは欠落および/または再配置が
注入後に起こったかどうかを測定した。全DNAをBamHIまたはHindI
IIで消化し、サザーンブロッティングを行い、完全な構築体(constru
ct)の存在を探査した。特に、0.46kbBglIIプローブ(図3)を構
築体の5′末端における15kb BamHIフラグメントを検出するのに用い
(図4B)、また1、15kb EcoRIプローブ(図3)を構築体の3゛末
端における14,6k b B a mHIまたは18kb HindIIIフ
ラグメントを検出するのに使用した(図4C)。形質転換マウスの一つの除いて
全てが、正確に大きさが定められたフラグメントの存在により判断されるように
、−列に並んで組み込まれた(図示せず)無傷の「小」β−グロビン遺伝子座を
有するようであった。しかし、コントロールの混合DNAが完全に消化されたに
もかかわらず(方法参照)、遺伝子座の3°末端における13amHIおよびH
indI[部位(図4,6)は、切断に対し大きな抵抗性を有することは注目す
べきである。これにより、完全に消化されるBamHIフラグメント(14,6
kb)およびHindIIIフラグメント(18kb)よりも大きい部分的切断
バンドを生じる。形質転換マウス38が、β−グロビン「小」遺伝子座の完全な
コピーを保持しなかった唯一のマウスである。このマウスに存在する唯一のコピ
ーは、β−グロビン遺伝子の上流においてBamHIとHindIIIの部位を
喪失していた、E CORI Bは残存されているのに。このことは、このマウ
スでは、過敏部位領域全体を含む3゛フランキングDNA全てが欠落してしまっ
たことを示す。
図4において、実験の詳細は次のとおりである。
パネルA
約5μgの胎盤または卵黄嚢のDNAをEcoRIで消化し、ゲル電気泳動の後
サザーンブロッティングし、ヒトβ−グロビン Bam−Eco IVSIIプ
ローブまたはマウスThy −1プローブとハイブリッド形成させた。ゲルは、
種々の照射量でデンシトメータ走査して定量した。マウス17のDNAは部分的
に劣下していたので、低M、W、交差反応バンド(crosshybridiz
ing band)を用いて、該試料の定量を行った。挿入物(inset)
(グロビン・ハイブリッド形成の高照射)は低いコピ胎盤または卵黄嚢のDNA
をBamHTで消化し、サザーンブロッティングし、5゛ フランキングプロー
ブ(Eco−Bgl 0.46.図3)とハイブリッド形成させた。
パネルC
胎盤または卵黄嚢のDNAをBamHIまたはHindI[Iで消化し、サザー
ンブロッティングし、3° フランキングプローブ(ECO1,15,図3)。
全パネルにおいて、Bs tEIIまたはHindIIで消化されたDNA由来
のマーカーDNA混合物を用いた。形質転換マウスは最上に示され、空白のレー
ンは非形質転換マウス由来のDNA試料を含む。サイズはキロベース(kb)単
位である。
コントロールの混合DNAは完全に消化された(図示せず)にもかかわらず、D
NA試料のいくつかが部分的に消化される。
これにより、−列の並びにおける次のBamHIまたはHindIII部位での
切断によって、14.6kb BamHI (14,6kb十3.2 k b+
3.3 k b)または18kb HindInのフラグメント (18k b
+2.4 k b+3.4 k b)より大きいバンドヒトβ−グロビン遺伝子
の活性を測定するために、RNAをすべての形質転換したおよび非形質転換のマ
ウス(肝臓、血液および脳)から調製し、S1ヌクレア一ゼ保護分析法により分
析した。図5Aは肝臓RNAの5“ ヒトβ−グロビンによる分析を示し、図5
Bは内部コントロールとして3°マウスβ−グロビン・プローブとマウスα−グ
ロビン・プローブの存在下におけるヒトβ−グロビンRNAの3′末端の分析を
示す。これらの結果は、ヒトβ−グロビン遺伝子が正しく開始されポリアデニル
化されていること、およびRNAの濃度が各マウスの「小」遺伝子座のコピー数
に比例することを示す(ただし、24および38を除く。下記参照)。さらに、
非赤芽球組織では全く発現がみられなっかった(図示せず)。ヒトβ−/マウス
β−グロビンRNAのレベルの比(頁、表1参照)をHull細胞コントロール
(Zavodnyほか、1983)に比較すると、発現レベルは、明らかに非常
に高い。後者の細胞系は、ヒトx−11イ1イブリッド染色体上のヒトβ−グロ
ビン遺伝子座を含有する、マウスの赤白血痰(MEL)細胞系である。これらマ
ウスでの発現レベルを注意深く定量するために、β−グロビン遺伝子座の無傷の
コピーをそれぞれ一つおよび二つもっているマウス33と12におけるRNAレ
ベルを分析した。二つの例外であるマウス24と38は、同一の特異的活性を有
するマウスおよびヒトのβ−グロビン・プローブで分析した。図50は、ヒトβ
−グロビン遺伝子のシグナルが、マウス33でのマウスα−グロビンニ倍体のシ
グナルの約半分であり、マウス12におけるものと同じであることを示す。この
ことは、マウス12の赤血球と時間経過を合わせたコントロールとを溶菌し、タ
ンパク質をトリトン(Triton)酸尿素ゲル(Alterほか、1980)
を通した際に、タンパク質濃度において確認される。
形質転換マウス12が等しいレベルでマウスおよびヒトのβ−グロビン・タンパ
クを発現することは明らかである(図5D)。
これらの全データから、マウス24と38では発現が減退するが、前記マウスに
おける各ヒトβ−グロビン遺伝子は完全に活性であると、即ちマウスβ−グロビ
ン遺伝子と同等のレベルで活性であると結論された。マウス21と17では、−
風変わった状況が見出される。これらのマウスではマウスβ−グロビンRNAの
レベルが非常に低く、これは多分ヒトβ−グロビン遺伝子のコピー数が非常に多
く、その結果、mRNA (およびタンパク)のレベルが非常に高いためである
と考えられる。この大きなコピー数は、多分、転写因子に対する競合をもたらし
くマウスβ−グロビンRNAがマウスα−グロビンRNAより少なくなる。図5
B)、他方高レベルのβ−グロビン・タンパクは明らかに貧血(α−地中海貧血
)をもたらす。マウス21と17は、成熟赤血球の破壊およびそれに伴うmRN
Aの喪失とをもっていた。
二つのマウス(38と24)は比較的低量のヒトβ−グロビンを発現するので、
例外である(図5A、 B、 C,表1゜頁参照)。マウス38の状況は、これ
が遺伝子座の5“末端に欠落があるただ一つの形質転換マウスであるという事実
により説明される。結果として、ヒトβ−グロビン遺伝子はなお発現されるが、
小さいβ−グロビン・フラグメントをマウスに導入した時にちょうど見出される
ように、位置依存的にかつ低レベルで発現される(Koll iasほか、19
86 ; Magramほか、1985 ; Townesほか、1985)。
マウス24は遺伝子座に一見してわかる欠陥はもたない。このマウスが真に例外
である可能性、即ちこのマウスがキメラマウスであるのか、または不活発なX−
染色体上に組み込まれた形でβ−グロビン遺伝子座をもっているのかを調べた。
DNAを卵黄嚢、脳および胎児肝臓(“赤芽球”組織)から分離し、サザーンプ
ロット上のEcoRIで消化したDNAをヒトβ−グロビンプローブおよびマウ
スThy−1プローブとハイブリッド形成させて、内生単一コピー遺伝子に対す
るβ−グロビン・トランス遺伝子を検出した。図6は、胎児の肝mDNA10μ
gは卵黄嚢DNA5μgがもつ半分よりも少ないグロビンシグナルを含み、即ち
25%の肝臓細胞よりもはるかに少ないβ−グロビン遺伝子を含むことを示す。
従って、これはキメラマウスであり、これにおいてはβ−グロビン小遺伝子座は
赤芽球組織(胎児肝臓)で体現が劣るのであり、これによりこれら細胞における
ヒトβ−グロビンmRNAの低レベルが説明される。このことから、遺伝子座が
影響されない場合には発現レベルとDNAコピー数との間には完全な相互関係が
あること、各遺伝子はすべての形質転換マウスで完全に発現されることが、結論
される。図5において、実験の詳細は下記のとおりであった。
パネルA
種々のマウス(番号を最上に付す)由来の12.5日または13.5日経過の肝
臓からのRNA5μgを、先に説明されているようにして(Koll iasほ
か、1986)Slヌクレアーゼ保護法により分析した。5° ヒトβ−グロビ
ンプローブの保護されたフラグメント(β−グロビン遺伝子を欠<IVS I由
来の525 bp Acc I)は160nt (5’ βglo )である。
入力(input)プローブは、ipと示す。マーカー(m)は旧nf Iで消
化されたpBR322DNAであり、サイズはヌクレオチド単位で示されている
。
パネルB
パネルAと同様にして、ただし2種のプロニブを用いてRNA5μgを分析した
。一つは、ヒトβ−グロビン遺伝子の3゛プローブ(760bp EcoRI−
MspI)であり、210nt保護フラグメント (Hベータ)を生じる。もう
一つは、マウスα−グロビンプローブ(260bp BamHI第2エフソン・
プローブ)であり、170ntの保護フラグメント(Mアルファー)を生じる。
正のコントロールはハイブリッドMEL細胞系Hull由来のRNAである。マ
ーカー(m)はpBR322x Hinfである。
パネルC
パネルBと同様にしてRNA5μgを分析した。ただし、さらに、マウスβ−m
aj−グロビンプローブ(730bp第2エクソン・プローブ)を加え、100
nt保護フラグメント(Mベータ)を生じた。これらプローブは同等の特異的活
性であった。プローブの活性は、S1ヌクレア一ゼ分析のために混合する前後に
おいて、各プローブについて定量的アガロース、ゲル電気泳動およびオートラジ
オグラフィーを施すことにより評価しtこ(図示せず)。正のコントロールは、
Hull RNA (hu)である。各プローブは、個別に、Hull由来のR
NA (hu)または非形質転換マウス胎児肝臓のRNA (ml)を用いて試
験する。
パネルD
胎児肝臓の試料(約20μg)またはヒト赤血球を8.040μβ中で溶解(溶
血)し、説明されているようにして(Alterほか、1980)グロビンタン
パクを分離した。ゲルを染色してグロビンタンパク鎖を可視化した。マウス9は
、マウス12の時間経過を合わせた非形質転換の(同−腹から生まれた)対応体
である。マウスα−グロビン、マウスβ−グロビンおよびヒトβ−グロビンの位
置を示す。
β−グロビン遺伝子座に隣接するDNアーゼ■過敏部位は、そのβ一様グロビン
が発現されるかどうかに関係なく、検討した全ての赤芽球組織に見出される。高
レベルでヒトβ−グロビンmRNAを発現する形質転換マウスの小β−遺伝子座
においてDNアーゼl過敏部位が再構成されるかどうかを決めるために、マウス
21 (β−遺伝子小遺伝子座のコピー数が最大のもの)の肝臓および脳の試料
少量について、DNアーゼを次第に消失させるようにした。限定的なりNアーゼ
■消化をキャリアである胎児肝臓または脳の核の存在下で行い、精製した核のD
NAをBamHIで再切断し、分画し、サザーンブロッティングを行い、次いで
全構築体(construct)にわたるフラグメントをハイブリッド形成プロ
ーブとして使用した。HELおよびPUTKOの細胞内の3゛過敏位を検出する
のに用いられた1、15E c o RIプローブは、17.8kb BamH
Iフラグメントを検出するが、これは注入されたフラグメントの3”末端にある
BamHI部位の部分的消化によるものである。17.8kbBamHIフラグ
メントは、マウス21の肝臓の核における限定的なりNアーゼ1消化に対しては
完全に不感受性である(図7E)、600bp AccI 5’ ヒトβ−グロ
ビンプローブで同じフィルターを再探査したところ、高度に転写されたヒトβ−
グロビン遺伝子の5°末端(−1460bpまで)を含む2.Okb BamH
IフラグメントがDNアーゼ1消化に対し少々感受性があり、約1kbのDNア
ーゼ1サブバンドを示しく図7D)、β−グロビン遺伝子プロモーター内の過敏
部位(Grovdineほか、1983)と合致することがわかった。
同じフィルターを0.46EcoRI GblIIプローブで再探査したところ
(図IC)、過敏部位2.3aおよび4を含む15kb BamHIフラグメン
トが胎児肝臓の核でのDNNアーゼ消化に非常に感受性が高いこと、部位3およ
び4での切断に対応するサブバンドが明確に肉眼で認めることができる。トラン
ス遺伝千手β遺伝子座の同じ15kb BamHIフラグメントは、同じ動物の
脳の核でDNアーゼ消化に対し不感受性である(図示せず)。形質転換遺伝子座
の3.kb BamHIフラグメン)(過敏部位N[l 1を含む)も、肝臓で
DNNアーゼ消化に対し非常に感受性が高いガ、マウス21の脳の核ではそうで
はない(図7A、B)。
要するに、5°フランキング領域はDNアーゼ消化に対し非常に感受性が高く、
組織特異的に過敏部位を保持している。驚くべきことに、3゛ フランキング領
域はDNアーゼ消化に対し不感受性であり、超過敏憧部位は保持されていない。
プロモーターにおける通常の過敏1生は存在する(Groudineほか、19
83)。
図7において、実験の詳細は下記のとおりである。
マウス21組織の核を、1−当たり5μgのDNアーゼとともに、37℃で0.
1.2.4および8分間インキュベートしく肝臓の核)、または0,1,2.5
および10分間インキュベートした(脳の核)。核のアリコートを、DNアーゼ
の不存在下で8または10分間インキュベートした(レーンOenz、 )。
精製DNAをBamHIで再切断し、0.6%アガロースゲル上テ分画し、ニト
ロセルロースへ移し、形質転換ヒトβ−グロビン小遺伝子座の範囲にわたるDN
Aフラグメントで探査(プローブ)した(パネルA−E)。
パネルEにおいてプローブDによって検出された14.0kbBamHIフラグ
メントは、小β−グロビン遺伝子座の一列の並びの接合フラグメントである。1
7.5kbバンドは不完全なりamHI消化の結果である。
パネルFは、マウス21における小遺伝子座の一列の並びの繰り返し単位を概略
的に表したものであり、DNアーゼ過敏部位がマークされている。部位5は胎児
肝臓の核内で再編成されない(パネルF)。H3SIおよび2に対応するDNN
アーゼサブバンドは、DNNアーゼ消失(fadeout)実験では見られない
が、それらが中に存在しているBamHIフラグメントは肝臓でDNT下ゼ■消
化に対し感受性がある(パネルAおよびC)、しかし脳ではそうではない(パネ
ルB1データ示さず)。
表 1
ヒトβ−グロビンのRNA及びDNAのレベル17 42、 04 47. 2
’ 0.921 N、D、” >100 N、D。
24 0.3 キメラ’ N、D。
27 10.2 11.8 0.85
33 0.5 0.5 1.0
36 10.1 8.7 1.15
38 < 0.1 0.4 < 0.251全数値が、いくつかの実験の、種々
の時間感光させたオートラジオグラフィーのデンシトメータ走査の後、マウス1
2を1.0として標準化された(例、図4D、5C参照)。
2これらの比は、ヒトβ−グロビンRNAおよびDNAのシグナルを、それぞれ
、マウスα−グロビンRNAおよびThy −DNAについて得られたシグナル
で除して得られた。マウス34RNAはただ1つの実験で測定され、含まれてい
ない。
3マウス17のDNAは部分的に劣化させられた(図4参照)。
そこで、コピー数を定量するために、(劣化した8kb EcoRIThy−1
バンドよりもむしろ) Thy −1プロツト上の低M、 W、交差反応バンド
を用いた。
4ヒトβ−グロビン/マウスグロビンRNAの比はこのマウスでは正確に測定さ
れなかった(N、 D、 )。マウスRNAシブナルに対してヒトのシグナルが
余りに強かったからである(本明細書本文参照)。
5マウス424はヒトβ−グロビン遺伝子についてキメラであり、(図6)、そ
のため定量できなかった。
38kbの5alIフラグメントをゲル電気泳動によってコスミドベクターから
精製し、説明されているように注入用に調製した(Koll iasほか、19
86 ; Br1nsterほか、1985)。
形質転換胎児を胎盤DNAのサザーンプロット分析(Southern。
1975)lこよって確言忍した。
RNA分析
種々の組織のRNA抽出およびS1ヌクレア一ゼ保護分析を、先に記載のように
して実施した(Kolliasほか、198 B)。
DNアーゼエ感受性
DNアーゼ■感受性分析をEnverほか(1984)によって説明されている
ようにして、分離した核について行った、ただし緩衝液Aに1mM CaC1,
を加えたもののなかでDNアTAを加えた。形質転換肝臓および脳の場合には、
時間経過を合わせた正常な胎児由来の4種の肝臓と脳をキャリアとして加えて、
十分な材料を供給して分析を行った。
(1) 12 k b B g DIフラグメント (β−グロビンの10〜2
2kb 5°)をClaI部位のないコスミドpTCF (Grosveldほ
か、1982)のBamHI部位にクローニングした一+cosHg B12゜
(2)cosHG B12をAsp718で切断しくε−グロビンの13.5k
b 5°)、独特のXholリンカ−を挿入した→cos HG B12X0
(3)ε−グロビン上流域全体を含むc o s HG 14.2 (Tara
mel liほか、1986)もDpnIで切断し、XhoIリンカ−を挿入し
、パッケージングした→c o s HG 14.2X。
(4)pUc18のXbaI部位にC1aIリンカ−を挿入した→pUc18c
0
(5)β−グロビン遺伝子を含む4.7kb BgI[Iフラグメントを、pU
c18cのBamHI部位に挿入した一pUc18cmB(6)Cla部位を欠
くコスミドp’rcFのHp a I−BamHIの中に12kb HpaI−
BamHIフラグメント(β−グロビンの12〜24kb 3’)をクローニン
グした→C05HG HE11゜
(7)最後のコスミド構築体を4種のフラグメントの結合およびパッケージング
として組み立てた。当該コスミドと上流側配列の一部を含むcos HG b1
2X由来の16.5kb PvuI−XhoI フラグメント;上流側配列の残
りの部分を含むCos HG 14.2X由来の1lkb Xhol−C1al
フラグメント;β−グロビン遺伝子を含むpUc18cmBG由来の4.7kb
ClaI−Kpnlフラグメント;および3” フランキング領域を含むco
s HG HB由来の19kb KpnI−HpaIフラグメント、並びにパッ
ケージングのための第2のコスミド→cosHGr小」遺伝子座(図3)。
上流領域および下流領域によって隣接されたヒトβ−グロビン遺伝子を遺伝子転
換マウスに導入すると、位置非依存性でコピー数に直接関係した発現パターンが
得られ、そのヒトβ−グロビンmRNAの発現レベルはマウスβ−グロビンmR
NAの高い発現レベルと同等である。これは、β−グロビン遺伝子のみ(Mag
ramほか、1985 : Chadaほか、1985 ; Townaesほ
か、1985 ; Kolliasほか、1986.1987)、またはイムノ
グロブリン遺伝子のような他の遺伝子(Grosschetlほか、198’4
)、アルブミン遺伝子(Pinkertほか、1987)、Thy−1遺伝子(
Kolliasほか、1987)、ΔFP遺伝子(Hammerほか、1987
)並びに多くのその他のものを用いた従来の形質転換マウスでみられた発現パタ
ーンとは異なっている。今日までの全ての形質転換マウス実験における位置効果
の結果として、形質転換による発現のレベルは最高のレベルには到らず、種々の
マウス間でも異なっていた。即ち、形質転換遺伝子のコピー数と発現レベルの間
にははきつりした相互関係が存在しなかった。従って、全ての実験が正確に定量
測定することが非常に困難であったし、その結果、例えばある遺伝子における複
数の調節要素間の協力関係を調べることは不可能であった。本実施例で述べられ
た結果は、この問題がβ−グロビン遺伝子について克服できることを示す。無傷
の小遺伝子座を含有するマウスにおいて見られる発現レベルは、組み込まれた遺
伝子数に正比例することは明らかである(表1)。さらに、そうしたマウスの全
てにおいてヒトβ−グロビン遺伝子一つあたりの発現レベルは、内生のマウスβ
−グロビン遺伝子についてみられるそれと全く同等である(図5)。従って、β
−グロビン遺伝子座フランキング配列は、それ自体は赤芽球特異的であるβ−グ
ロビン遺伝子に位置非依存性発現を付与する、と結論される。さらに、β−グロ
ビン遺伝子発現に関与する調節配列の全てがこの構築体の中に含まれている、と
結論される。
遺伝子治療
優性調節領域の諸性質にとって最も興味深い応用は、し)。
ウィルスベクターまたはトランスフェクション系においてβ−グロビン(および
おそらくその他の遺伝子)の発現を完全に調節できそうであるということである
。このような系における遺伝子発現は現在のところ位置依存性であり非効率的で
ある。特に、現在遺伝子を造血の(またはその他の)幹細胞に移入するただ一つ
の効率的な方法であるレトロウィルスベクター系は、そのレトロウィルスベクタ
ーの組み込み位置に対し非常に感受性が高い([:oneほか、1987)。し
かし、グロビン優性調節領域を含めるとこの問題を解決することができ、十分に
活性で単一コピーのヒトグロビン遺伝子を造血幹細胞に効率よく伝達追加するこ
とによる遺伝子治療の基礎を形成することになろう。
実施例2
五つの5’ DNNアーゼ「超」過敏部位(H3S)のうち四つを含むβ−グロ
ビン「小遺伝子座」を構築した。下に説明した方法は一般的であり、得られた小
遺伝子座は発現レベルの有利な向上を示す。従って、下記に説明する方法は、他
の遺伝子の優性アクティベーター領域から他の小遺伝子座を構築するのにも適用
できる。
β−グロビン小遺伝子座の構築方法
tkneo遺伝子を含有するベクターに、四つの5° DNNアーゼ過敏部位と
ヒトβ−グロビン遺伝子を入れるのに必要なりNA!作を容易にするために、プ
ラスミドベクターpUC18のAat 2およびBvu 2の部位の間にオリゴ
ヌクレオチドを挿入することによって一連のポリリンカーベクターを構築し、プ
ラスミドGSE 1364、GSE 1365、およびGSE 1366を発生
させた(図8参照)。種々のポIJ IJンカーベクター内につくられた独特の
制限部位に、必要なり N Aフラグメントをクローニングした。特に:1、D
Nアーゼ H3Iを含む2.1kb XbaI −XbaIフラグメントを、G
SE1364のXbaI8位へクローニングした。
2、 1.9kbのHind lll−Hlnd In7ラグメントをH3Iを
有するプラスミドのHind IIIR位にクローニングし、正常なヒトβ−グ
ロビン遺伝子座においてみられるのと同じ方向性でH3S 1および2を有する
プラスミドを得た。3゜DN了−ゼI H8S 3を含む1.5kb Asp7
18−3alIフラグメントを、DNAポリメラーゼ・デオキシヌクレオチド・
ポリフォスフェートのクレノーフラグメントで処理して平滑末端とし、GSE1
365のHind II部位へクローニングした。
4、DNアーゼI H3S4を含む1.lkbの部分的な5acIフラグメント
を同様にして平滑末端とし、H3S3を有するプラスミドのSma I部位にク
ローニングしてH3S3およびH3S4を正常なヒトβ−グロビン遺伝子座で見
出されるのと同じ方向性で備えたプラスミドを得た。
5、 1.56kbの5′ フランキング配列と1.84kbの3“ フランキ
ング配列を備えたヒトβ−グロビン遺伝子の正常なコピーを含有する4、9kb
のBgllIフラグメントを、GSE 1366のBamHI部位にクローニン
グした。
6、 ヘルペス・シンプレックス・ウィルス(H3V)チミジン・キナーゼ(t
k)プロモーターであって、Tn5ネオマイシン耐性遺伝子の発現を誘導するも
のと、H3V tk遺伝子の3°ポリアデニル化配列とを含む、2.Okbの部
分的Nar■フラグメントを、ヒトβ−グロビン遺伝子を有するプラスミドのN
arI部位にクローニングした。
7、四つのH3S、ヒトβ−グロビン遺伝子およびtkneo遺伝子を三つのフ
ラグメント結合反応で結合した。該結合反応で、H8S 1および2のPvuI
−BstE]I7ラグメントを、H3S3および4のBstEII C1aI7
ラグメント、並びにβ−グロビン遺伝子とtkneo遺伝子を含有するプラスミ
ドのC1aI−PvuIフラグメントと用いた。
最終構築体は、マウスの赤白血病細胞(MEL>内でヒトβ−グロビン遺伝子の
宿主細胞染色体内における組み込み位置に依存しないで該DNAの高レベルでの
発現を指令することがわかった。β−グロビン発現のレベルは遺伝子のコピー数
に関係β−グロビン遺伝子に対するDNアーゼI H3Sの位置の変化の影響を
試験するために、上記の実施例2に記載したDNアーゼI H3Sフラグメント
を、6,5kbのNotl制限フラグメントが得られるようにクローニングした
。このDNAフラグメントをtkneo遺伝子を2.7kb部分的EcoRIフ
ラグメントを、そしてヒトβ−グロビン遺伝子を4.9kb Bgl■フラグメ
ントとして含む2種類の異なるプラスミドの中の独特のNot1部位に、上述の
ようにして、両方の方向性でクローニングした。
二ツ(7)tkneo β−グロビンプラスミドはβ−グロビン遺伝子の方向性
が異なり、両方の方向性を持つ6.5kb N5TIフラグメントのクローニン
グによって4種のプラスミドGSE1359、GSE1400、GSE1401
およびGSE 1357が図9に示す様に生成した。
図9に示した4種のプラスミドのDNAは制限酵素Pvu Iで消化することに
よって直線化された。DNAはエタノール沈澱法によって回収され、10%子牛
脂児の血清および抗生物質が添加されたαMEM培地で指数関数的に増殖するM
EL細胞中に導入された。
MEL細胞(約107)は遠心分離(1000g、10分間)で集められ、ES
V緩衝液(20mM HEPES pH7,0,140mM NaC1,5mM
KCI)で一度洗浄し、直線状にされたプラスミドDNA 100Mgを含む
ESV1ml中に再浮遊された。氷上で10分間インキュベーションを行った後
、24ウ工ル組織培養プレー) (Nunc)のウェル内に細胞を入れ、フエツ
ハー()Iaeffer)の“プロ・ジェニタ−(Pro genitor)”
電気シB’/り装置を用い250 V/Cmの電圧勾配で10msのショックを
与えた(Antoniousほか、EMBOJ、(1988)、?、3’??−
384)。
細胞を、37℃のαMEMおよび10%の子牛血清40rn1の中に24時間に
わたり回収した。そして、組織培地を10%の子牛血清と1m1.当り800■
のG418 (Gibco BRL)を含むαMEMに変えることによって、0
418選択を適用した。11日間の選択の後、0418耐性細胞集団を遠心分離
で回収した。10%の子牛血清と2%のジメチルスルホキシド(DMSO−BD
H)を含むαMEMにおいて増殖させることにより、RNAとDNAを生産させ
、培養の一部を赤芽球の分化がおこるように誘導した。4日間の後、集団を回収
し、RNAを細胞を3M LiC16M尿素中でホモジナイズすることによって
調製した。
4℃で一夜音波処理とインキュベーションを行った後、RNAを沈澱させノーザ
ンプロット分析で分析した。非誘発(−)または誘発(+)のMEL細胞集団(
10mg)由来のRNAを、60%に加熱された、1xMOPS緩衝液に50%
のホルムアミド、15%のホルムアルデヒドを加えたものの中で10分間変性処
理し、氷上で冷し、1%アガロースゲルにかけた。ゲルには、1 x MOPS
緩衝液(20mM MOPS pH?、5M 酢酸ナトリウム 20mM ED
TA)の中で、70V/ cmにおいて8時間流した。そのゲルを20 x S
SC(3M NaC10,15M クエン酸トリナ゛トリウム)の中に30分間
浸した後、ニトロセルロースフィルター(Schleicherおよび5chu
ller−0,1MM)に−夜かけて直接プロットした。そのフィルターを80
℃で2時間ベータした後、ニック(N ick )翻訳によって高い特異的活性
にラベルされたDNAプローブにハイブリッド形成させた(Rigbyほか、J
、 Mol Biol、 (1977)113 237−251)。
ハイブリッド形成は、50%のホルムアミド、6 x SSC,10x デンハ
ルト 1% SDSおよび1−当り200Mgのサケの精子DNAを含有する緩
衝液内で行った。Langほか、BMBOJ(1988)、7 (6)、167
5〜1682)。
42℃における一夜のハイブリット形成の後、フィルターを洗浄して55℃にお
ける最終ストリンゼンシイーを0.1 x 5SC0,1% SDSとした。フ
ィルターを、70℃で補強スクリンーン(intensifying 5cre
ens)を用いてX線フィルムに当てた。図10の実験に用いられた具体的なり
NAプローブは、次のとおりである。
ヒトβ−グロビン
ヒトβ−グロビン遺伝子の三番目のエクソンを含む、800bp EcoRI−
MspIフラグメント。
マウスα−グロビン
二番目のエクソン由来の配列を含むマウスα−グロビン遺伝子の、300bp
BamHIフラグメント。
tkne。
tkプロモーターおよびNeo耐性遺伝子を含む、2.Okbの部分的Nar
Iフラグメント。
マウス・ヒストンH4遺伝子
マウス・ヒストンH4遺伝子の、300bp HinfIフラグメント。
上記の実験は次のことを示している:
1、 誘発されたMEL細胞におけるヒトβ−グロビンRNA発現は、内生のマ
ウスα−グロビン遺伝子の発現と同等またはそれ以上である。
2、β小遺伝子座構築体を用いるβ−グロビン発現は、MEL細胞におけるβ小
遺伝子座について得られるものよりも高い。
3、 優性アクティベーター配列は、tkneo遺伝子からの転写を優性アクテ
ィベーター配列を含んでいないプラスミドに比較して約100倍高める。
4、 優性アクティベーター配列は、ヒトβ−グロビン遺伝子において、β遺伝
子の上流または下流の両方の方向性においてヒ)CD2遺伝子内にある優性アク
ティベーター配列を確認するために、およびそれらの組み込み部位非依存性発現
を命令する能力を試験するために、実験を行った。形質転換マウスの胸腺で高い
レベルで発現するヒ)CD2遺伝子の3゛に、二つのDNアーゼI過敏部位が見
出された。DNアーゼI H3Sを含むCD2 3゛配列の5.5kb Bam
HI−Xba17ラグメントを、次に、4.8kb BglIIヒトβ−グロビ
ン遺伝子フラグメント(後述の実施例5)または9.5kb マウス/ヒトハイ
ブリッドThy−1遺伝子フラグメントにクローニングした。βCD2およびT
hy−I CD2の構築体から調製されたDNAフラグメントを、マウスの受精
卵に導入した。
一定範囲のコピー数を有する形質転換マウスが得られ、分析したところ、ヒトβ
−グロビン遺伝子(実施例5)および胸腺のマウス/ヒトハイブリッドThy−
1遺伝子MRNA (本実施例)の高レベルの発現が示され、これはコピー数に
関係するが、マウスのゲノムへの組み込み部位には依存しなかった。
本実施例および実施例5に記載の実験は、ヒ)CD2遺伝子の5.5kb Ba
mHI−XbaI7ラグメント3“の中に優性アクティベーター配列が存在する
ことを明瞭に実証している。
CD2遺伝子内のDNアーゼH3Sの地図付はヒ)CD2遺伝子の2.8kb
KpNIフラグメントを有する形質転換マウスを層殺し、マウス系統CD2−4
およびCD2−1の胸腺および肝臓から核を調製した(Langほか、EλIB
OJ。
(1988)、7 (6)、1675−1682)。DNアーゼ■消化は、本明
細書に記載したように行った(Grosve]dほか、Ce1l、(1988)
、51.975−985も参照)。
DNA試料は、図11に示した制限酵素で再切断し、5“または3′ ヒ)CD
2プローブを用いて探査した。形質転換胸腺にのみ、強いDNAのH3Sが遺伝
子の5° に存在し、またCD2遺伝子の3′に二つの3“部位がみられたが、
肝臓の核にはみられなかった。
図12は、Thy−1,1CD2構築体を示す。点線はヒト’rhy−1配列を
示し、二本の矢印はCD2フラグメント内のDNアーゼI H3Sの位置を示す
。
二つの3° DNアーゼI H3Sを含むことが示されたヒトCD2遺伝子の3
°にある、5.5kb BamHI −XbaIフラグメント3゛を、ブルース
クリプトベクターKS+(Promega)のBamHIの部位とXbalの部
位の間にクローニングした。マウス−ヒトハイブリッド遺伝子を含む、9.5k
b EcoRIフラグメント (Koll iasほか、Ce1l、(1987
)、51.2l−23)を、5.5kb BamHI −XbaIフラグメント
の隣にあるEcoRI部位にクローニングし、図12に示すプラスミドThy−
I CD2 Aを得た。
プラスミドの配列を制限エンドヌクレアーゼ5alIおよびNot Iで消化し
て除去し、15kb Thy−I CD2挿入体は、ゲル電気泳動およびバッセ
イジオーバー(passageover)およびエルウチップD (81uti
p D)カラム(Schleicherと5chuel 1)によって生成した
。
精製したDNAをマイクロインジェクションによって、受精したCBA x C
57BL−10マウスの卵の核に導入した(Langほか、[EMBOJ、(1
988) 、7.1675−1682)注入された卵を擬妊娠した仮の母親の輸
卵管に標準的な方法によって移植した(Hoganほか、“マウス胎児の操作”
、コールド・スプリング・ハーバ−・パブIJ ケーションズ(1986))。
形質転換マウスは、先に説明されているようにしてテイル(tail) D N
Aのサザーンプロット分析によって確認しくLangほか 止揚)、動物が三
〜四週間年老いたときに組織をRNAの調製のために切開した。
図13において、形質転換マウス1.2.3.5.6.7および8(5μg)の
胸腺または肺由来のRNAを、5゛末端標識Tth m −Sac 17ウスT
hy−1第■エクソンプローブおよび3′末端標識BglIINeoI ヒトT
hソー1プローブと、52℃で12時間ハイブリッド形成させた。
これらのプローブまたはRNAは85℃で15分間溶融させた後に用いた。
RNA DNAハイブリッドを、ヌクレアーゼSl(Boehringer M
annheim)を用いて先に説明されているように(Kolliasほか、C
e1l、(1988) 、51.2l−31)fA化させ、保護されたフラグメ
ントを5%ポリアクリルアミド 8M 尿素配列決定ゲルを流通させた。内生マ
ウスと形質転換マウスのヒトThy−I RNAの保護されたフラグメントの位
置を示す。
遺伝子転換胸腺内のハイブリッド・マウス ヒ)’rhy−1遺伝子の1遺伝子
コピー当りの発現レベルは、内生のTh、y−1遺伝子のそれと同程度に高く、
遺伝子のコピー数に関係している(マウス1は約20コピーの形質転換遺伝子を
有し、マウス2は10コピーの形質転換遺伝子を有する)。
実施例5
この実施例はβ−グロビンCD2プラスミドの構成を示す図14に関する。
形質転換マウスにおけるβ−グロビンCD2の発現は、本発明の優件アクティベ
ーター配列を用いて引き起こされた。
プラスミドβCD2−Aおよびβ−CD2−βの挿入体を、制限酵素Nat I
とSal Iで消化した後アガロースゲル電気泳動で分離した。DNAを前述の
ようにしてマウスの受精卵の核に注入した(Grosveldほか、Ce1l(
1987)、51975−985も参照されたい)。形質転換マウスは、ヒトβ
−グロビン・インディケータ−・プローブ(900bp BamHI−EcoR
Iフラグメント)を用いる、ティルDNAのサザーンプロット分析によって確認
した。
図15は、βCD2−AまたはβCD2−βのいずれかの構築体を有する、形質
転換マウス由来のゲノムDNA5gがスロット・プロット・マニホールドを用い
てニトロセルロースフィルターに適用したものを示す。(Schleicher
と5cheul 1)。このフィルターをニックトランスレーションされたβ−
グロビン第2イントロン・プローブとハイブリッド形成させ、次いで最終ストリ
ンジエンシーが25℃において0.1xSSCO,1%SDSになるまで洗浄さ
れた。ハイブリッド形成のシグナルの強度は、各マウス上の遺伝子コピー数の直
接の尺度である。
図15Bは、形質転換マウスから調製された胸腺RNAの81ヌクレア一ゼ分析
を示す。RNA(1mg)を、β−グロビンCDNA構築体の5°末端標識52
.5 bp AccI7ラグメント (Grosvelclほか、Ce1l、
(1987)、51.975−985)および内部コントロールとしてのマウス
・ヒストンH4遺伝子の300bp Hinf Iフラグメントと、ハイブリッ
ド形成させた。
52℃における12時間のハイブリッド形成ののち、試料をヌクレアーゼS1で
消化し、保護されたフラグメントを5%ポリアクリルアミド 8M尿素ゲルの上
で分析した。前記の位置は内生ヒストンH4についてフラグメントを保護した。
ヒトβ−グロビンのmRNAが示されている。ヒトβ−グロビンで保護されたフ
ラグメントの強度は胸腺で転写されたヒトβ−グロビンmRNAの量の直接的な
尺度である。比較のために、形質転換マウス由来の、β−小遺伝子座の4コピー
を有する胎児肝iiRN Ao、 1 mgを、33FLと標識した通路(トラ
ック)で用いた。
図14において、ヒトCD2遺伝子の5.5kb BamHI−XbaIフラグ
メントを、ブルー・スクリプト・ベクターKS十(promega)のBamH
IとXba Iの部位の間にクローニングした。ヒトβ−グロビン遺伝子の4.
9kbBg12フラグメントをこのプラスミドのBamHI部位に、両方の方向
性で(βCD2AおよびβCD2−β)クローニングした。垂直の矢印はCD2
DNアーゼI H3Sの位置を示す。
黒い棒はヒ、トβ−グロビン遺伝子のエクソンを示し、水平の矢印は用いられた
遺伝子フラグメントの方向を示す。
本発明は実施例によって説明しただけであり、本発明の範囲内において改変が可
能であることは理解できよう。
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FIG 、 1
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.遺伝子を哺乳動物の宿主細胞の遺伝物質に、該遺伝子が宿主細胞により発現 されるように組込むためのベクターであって、プロモーター及び前記の遺伝子を 含有するものにおいて、該ベクターが、前記遺伝子の発現にあたり、宿主細胞型 により限定され、組込部位非依存性で、コピー数依存性の発現を誘導することが できる優性アクテイベータ配列を含むことを特徴とするベクター。 2.請求項1記載のベクターであって、優性アクテイベータ配列が、哺乳動物の 遺伝子系のDNアーゼ超過敏部位を含むベクター。 3.請求項2記載のベクターであって、優性アクテイベータ配列がβ−グロビン DNアーゼI超過敏部位を含むベクター。 4.請求項3記載のベクターであって、優性アクテイベータ配列が、β−グロビ ン遺伝子座内のε−グロビン遺伝子の直ぐ上流の−1kbClaIから−22k bBgIIIまでの21kbフラグメント内にあるベクター。 5.請求項3記載のベクターであって、優性アクテイベータ配列が、ここで定義 のとおり、次のフラグメントの1又は2以上を含むベクター: 2.1kb XbaI−XbaI 1.9kb HindIII HindIII1.5kb KpnI−BglI I、及び1.1kb 部分SacIフラグメント6.請求項2記載のベクターで あって、優性アクテイベータ配列が、CD2 DNアーゼI超過敏部位を含むベ クター。 7.請求項6記載のベクターであって、優性アクテイベータ配列が、CD2遺伝 子に対し5.5kb BamHI〜XbaI フラグメント3′内にあるベクタ ー。 8.前の請求項のいずれか1項によるベクターで形質転換された哺乳動物宿主細 胞。 9.請求項1〜7のいずれか1項によるベクターで形質転換された哺乳動物。 10.請求項1〜7のいずれか1項によるベクターで形質転換された哺乳動物宿 主細胞を培養することを含むポリペプチドの製造方法。 11.次の工程を備える遺伝子治療方法:i)哺乳動物の体から幹細胞を除去す る、ii)その体内に残る幹細胞を殺す、 iii)除去した幹細胞を、前記の体内に不足又は欠落している遺伝子を含む請 求項1〜7のいずれか1項で定義されたベクターで形質転換する、及び iv)該形質転換された幹細胞を前記体内に戻す。 12.次の工程を有する遺伝子治療の方法:i)哺乳動物の体から細胞を除去す る、ii)除去した細胞を、前記の体内に不足又は欠落している遺伝子を含む請 求項1〜7のいずれか1項で定義されたベクターで形質転換する、及び iii)該形質転換された細胞を前記体内に戻す。
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