JPH025397B2 - - Google Patents
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- JPH025397B2 JPH025397B2 JP56168278A JP16827881A JPH025397B2 JP H025397 B2 JPH025397 B2 JP H025397B2 JP 56168278 A JP56168278 A JP 56168278A JP 16827881 A JP16827881 A JP 16827881A JP H025397 B2 JPH025397 B2 JP H025397B2
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- methionine
- acetyl
- reaction
- amide
- bacterial cells
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
本発明は、N−アセチル−L−メチオニンの製
造法に関し、更に詳しくは酵素を利用してN−ア
セチル−DL−メチオニンアミドよりN−アセチ
ル−L−メチオニンを製造する方法に関する。 本発明の目的化合物であるN−アセチル−L−
メチオニンは、輸液成分などの医薬化合物あるい
は食品添加物等として有用な化合物である。 従来、N−アセチル−L−メチオニンの製造法
としては、(1)N−アセチル−DL−メチオニンに
光学活性リジンを作用させて塩を形成させた後、
分別結晶法により所望のL−体を得る方法(特開
昭48−22418号)、(2)L−メチオニンを無水酢酸で
アセチル化する方法(特開昭55−42986号)が知
られているが、(1)の製造法では光学純度の高い化
合物を得るためには再結晶をくり返す必要がある
ため収率が悪く、一方、(2)の製造法は反応中にラ
セミ化が起きやすく、そのため反応条件を厳密に
調節しなければならないという難点を有する。ま
た近年、酵素の持つ鏡像体区別加水分解能を利用
し、N−アセチル−DL−メチオニンのエステル
にセリンプロテアーゼやスルフイドリルプロテア
ーゼを作用させ、N−アセチル−L−メチオニン
を製造する方法の報告がある(特開昭51−142595
号)。しかし、この方法は酵素反応の進行にとも
ないN−アセチル−L−メチオニンエステルが加
水分解されて生成する目的物N−アセチル−L−
メチオニンのため、反応液のPH値が低下する。従
つて酵素反応を維持継続するためには絶えず反応
液のPHを至適範囲に調整しなければならないとい
う難点がある。 かかる状況下、本発明者等は前記技術的、経済
的難点を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、全く
意外にも化学合成で得られる安価なN−アセチル
−DL−メチオニンアミドにエルウイニア
(Erwinia)属に属する微生物を培養して得られ
る培養液、該培養液から採取した菌体または該菌
体の処理物を作用させた場合には、これらに含ま
れる酵素が触媒する鏡像体区別加水分解反応によ
り、N−アセチル−L−メチオニンアミドの1位
のアミド結合のみが特異的に加水分解されてN−
アセチル−L−メチオニンが生成することを見出
した。 本発明は、エルウイニア属に属し、N−アセチ
ル−DL−メチオニンアミドからN−アセチル−
L−メチオニンを生成せしめる能力を有する微生
物の培養液、該培養液から採取した菌体または該
菌体の処理物をN−アセチル−DL−メチオニン
アミドに作用せしめ、生成したN−アセチル−L
−メチオニンを採取するN−アセチル−L−メチ
オニンの新規製造法である。 以下、本発明方法を詳細に説明する。 本発明において使用する微生物は、エルウイニ
ア属に属し、N−アセチル−DL−メチオニンア
ミドからN−アセチル−L−メチオニンを生成せ
しめる能力を有する微生物であり、その例として
は例えばエルウイニア・カロトボラ(Erwinia
carotovora)3057(微工研菌寄第6176号)などを
あげることができる。 本発明の鏡像体区別加水分解反応を触媒する酵
素含有培養液は、上記微生物を通常の方法で培養
することにより調製することができる。即ち、栄
養培地の炭素源としては、上記微生物の利用可能
なものならばいずれも使用することができ、例え
ばグルコース、フラクトース、シユクロース、マ
ルトース、デキストリンなどの糖類、グリセロー
ル、ソルビトールなどの糖アルコール、フマール
酸、クエン酸などの有機酸等を好適に使用するこ
とができる。培地中に添加する量は通常0.1〜10
%程度で十分である。また、窒素源としては、例
えば塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、フ
マール酸アンモニウムなどの各種無機酸、有機酸
のアンモニウム塩や肉エキス、酵母エキス、コー
ンステイープリカー、カゼイン加水分解物などの
天然有機窒素源等があげられ、特に天然有機窒素
源は多くの場合炭素源として兼用することもでき
る。さらに、無機塩類としては例えばリン酸カリ
ウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄などが
使用できる。前記微生物の培養条件としては、温
度約20〜40℃、PH5〜8の範囲を採りうるが、よ
り好ましくは約30〜35℃、PH約6〜7において約
16〜72時間好気的な条件下に培養を行うのが好都
合である。 かくして得られる培養液は、そのまま本発明方
法に使用してもよく、また、培養液中の成分が本
発明方法の障害となる場合や菌体量を多く使用し
たい場合には培養液から遠心分離等により一旦菌
体を分離し、その分離した菌体を用いてもよい。
さらに、該菌体の処理物、例えば凍結乾燥菌体、
アセトン乾燥菌体、菌体磨砕物、菌体抽出物や該
菌体もしくはその処理物を公知の方法で固定化し
たもの等も使用できる。 本発明の鏡像体区別加水分解反応は、通常基質
たるN−アセチル−DL−メチオニンアミドと上
記培養液、該培養液から採取した菌体またはその
処理物とを水性媒体中で混合することにより実施
するのが好ましい。反応溶液中での基質濃度は約
0.1乃至20%程度の高濃度まで用いることができ、
高濃度基質で反応させる場合反応液中に基質が不
溶のまま残つていても反応の進行につれて溶解し
てゆくので反応の進行には何ら支障とならない。
基質と培養液等との混合方法は回分式方法でも、
カラムを用いる連続方法でもいずれも可能であ
る。反応は、反応液のPHが約5〜9、より好まし
くは約5.5〜7.5で、反応温度が通常約20〜60℃、
より好ましくは約30〜40℃であるときスムースに
進行する。 上記の如くして得られる本発明の目的化合物N
−アセチル−L−メチオニンの確認、同定は、例
えば反応液より目的物をイオン交換樹脂処理によ
り取出し、イソプロパノールより再結晶後、得ら
れる結晶を元素分析すると共に、各種展開溶媒に
よる薄層クロマトグラフイーのR値、融点、旋
光度、NMRスペクトル、IRスペクトル等を標準
物質のそれらと比較することにより実施した。ま
た、目的物の定量は、例えば反応液の一部を採
り、一方はそのまま、他方には市販のかびのアシ
ラーゼ(N−アセチル−L−メチオニンのみに特
異的に作用する)を加えて37℃で反応させ、N−
アセチル−L−メチオニンを完全にL−メチオニ
ンに転換させ、両試料中のL−メチオニンをロイ
コノストツク・メゼンテロイデスP−60による微
生物定量法で定量し、アシラーゼ操作で増加した
L−メチオニンの量よりN−アセチル−L−メチ
オニンの生成量を換算した。 以上詳記した通り、本発明方法によれば、N−
アセチル−L−メチオニンアミドの1位のアミド
部の加水分解によりN−アセチル−L−メチオニ
ンが生成すると同時に当モルのアンモニアが副生
するため、本質的に反応溶液中でのPHの変動はな
く、全反応期間を通じて反応液のPHを調整する必
要がないので操作が極めて簡単であり、しかも反
応が酵素反応であるので光学異性体に対する特異
性が極めて高く、得られるN−アセチル−L−メ
チオニンの光学純度が非常に高いなど幾多の利点
がある。ちなみに、上記の新しい酵素反応を触媒
する酵素が、エルウイニア カロトボラの培養
液、培養液より採取した菌体および菌体処理物に
存在することは現在まで全く知られておらず、さ
らに酵素をN−アセチル−DL−メチオニンアミ
ドに作用してN−アセチル−L−メチオニンを生
成せしめる酵素反応についても全く報告されてい
ない。また、公知酵素であるアシルアミダーゼ或
はDL−アミノ酸アミドに作用してL−アミノ酸
を生成させる酵素、例えばロイシンアミノペプチ
ダーゼ、アミノアシルアミダーゼなどは全くN−
アセチル−DL−メチオニンアミドには作用しな
い。従つて、N−アセチル−DL−メチオニンア
ミドに作用してN−アセチル−L−メチオニンを
生成させる本発明の酵素反応を触媒する酵素は全
く新しい酵素である。 実施例 1 第二リン酸ナトリウム・12水塩0.875%、第一
リン酸カリウム0.34%、硫酸アンモニウム0.1%、
硫酸マグネシウム・7水塩0.058%、塩化カムシ
ウム・2水塩0.006%、硫酸第一鉄・7水塩0.002
%、硫酸マンガン・6水塩0.0002%、L−アスパ
ラギン0.2%およびイーストエキス1.0%からなる
培地(PH7.0)の100mlを500ml容坂口フラスコに
仕込み、120℃で10分間滅菌した後、予め栄養寒
天培地上で30℃、20時間培養したエルウイニア・
カロトボラ3057(微工研菌寄第6176号)を一白金
耳接種し、30℃で24時間振とう培養(回転数
140γpm、振幅8cm)して得た培養液を種培養液
とする。 グリセロール2%、塩化アンモニウム0.1%、
第一リン酸カリウム0.1%、硫酸マグネシウム・
7水塩0.05%、コーンステイープリカー1%、ミ
ースト0.5%の組成からなる栄養液体培地(PH
7.0)50mlを500ml容坂口フラスコに仕込み、120
℃で10分間滅菌した後、上記種培養液を1ml接種
し、30℃で2時間振とう培養する。 培養液50mlから遠心分離により集菌し、一度50
mlの生理的食塩水で洗浄後、0.2M酢酸緩衝液
(PH5.5)25ml中にけん濁し、別に同緩衝液で100
mg/mlになるように溶かしたN−アセチル−DL
−メチオニンアミド溶液25mlを加え30℃で酵素反
応を行なわせる。 適宜反応液から0.5mlサンプリングし、100℃、
5分間の加熱により反応を停止させた後、水4.5
mlを加えて遠心分離により菌を除去する。上澄の
一部を適当に希釈して、標品のN−アセチル−L
−メチオニンと同時に薄層クロマトグラフイー
(溶媒;クロロホルム:メタノール:酢酸=85:
15:3)を行い、ヨウ素発色によりN−アセチル
−L−メチオニンの生成を確認する。また上澄の
一部をPH7.5の50mMリン酸緩衝液で50倍に希釈
後、その1mlに市販のアスペルギルス・オリザエ
のアシラーゼを10mg加えて37℃で1時間反応さ
せ、N−アセチル−L−メチオニンをL−メチオ
ニンに加水分解する。この溶液を50〜100倍希釈
し、ロイコノストツク・メゼンテロイデスP−60
を用いる微生物定量法によりL−メチオニンを定
量し、N−アセチル−L−メチオニン量を求め
た。 反応時間に対するN−アセチル−L−メチオニ
ンの生成量は、100mg/mlのN−アセチル−DL−
メチオニンアミドより20時間後には50mg/mlのN
−アセチル−L−メチオニンが生成し、その時間
的経過は第1表に示す通りである。
造法に関し、更に詳しくは酵素を利用してN−ア
セチル−DL−メチオニンアミドよりN−アセチ
ル−L−メチオニンを製造する方法に関する。 本発明の目的化合物であるN−アセチル−L−
メチオニンは、輸液成分などの医薬化合物あるい
は食品添加物等として有用な化合物である。 従来、N−アセチル−L−メチオニンの製造法
としては、(1)N−アセチル−DL−メチオニンに
光学活性リジンを作用させて塩を形成させた後、
分別結晶法により所望のL−体を得る方法(特開
昭48−22418号)、(2)L−メチオニンを無水酢酸で
アセチル化する方法(特開昭55−42986号)が知
られているが、(1)の製造法では光学純度の高い化
合物を得るためには再結晶をくり返す必要がある
ため収率が悪く、一方、(2)の製造法は反応中にラ
セミ化が起きやすく、そのため反応条件を厳密に
調節しなければならないという難点を有する。ま
た近年、酵素の持つ鏡像体区別加水分解能を利用
し、N−アセチル−DL−メチオニンのエステル
にセリンプロテアーゼやスルフイドリルプロテア
ーゼを作用させ、N−アセチル−L−メチオニン
を製造する方法の報告がある(特開昭51−142595
号)。しかし、この方法は酵素反応の進行にとも
ないN−アセチル−L−メチオニンエステルが加
水分解されて生成する目的物N−アセチル−L−
メチオニンのため、反応液のPH値が低下する。従
つて酵素反応を維持継続するためには絶えず反応
液のPHを至適範囲に調整しなければならないとい
う難点がある。 かかる状況下、本発明者等は前記技術的、経済
的難点を克服すべく鋭意研究を重ねた結果、全く
意外にも化学合成で得られる安価なN−アセチル
−DL−メチオニンアミドにエルウイニア
(Erwinia)属に属する微生物を培養して得られ
る培養液、該培養液から採取した菌体または該菌
体の処理物を作用させた場合には、これらに含ま
れる酵素が触媒する鏡像体区別加水分解反応によ
り、N−アセチル−L−メチオニンアミドの1位
のアミド結合のみが特異的に加水分解されてN−
アセチル−L−メチオニンが生成することを見出
した。 本発明は、エルウイニア属に属し、N−アセチ
ル−DL−メチオニンアミドからN−アセチル−
L−メチオニンを生成せしめる能力を有する微生
物の培養液、該培養液から採取した菌体または該
菌体の処理物をN−アセチル−DL−メチオニン
アミドに作用せしめ、生成したN−アセチル−L
−メチオニンを採取するN−アセチル−L−メチ
オニンの新規製造法である。 以下、本発明方法を詳細に説明する。 本発明において使用する微生物は、エルウイニ
ア属に属し、N−アセチル−DL−メチオニンア
ミドからN−アセチル−L−メチオニンを生成せ
しめる能力を有する微生物であり、その例として
は例えばエルウイニア・カロトボラ(Erwinia
carotovora)3057(微工研菌寄第6176号)などを
あげることができる。 本発明の鏡像体区別加水分解反応を触媒する酵
素含有培養液は、上記微生物を通常の方法で培養
することにより調製することができる。即ち、栄
養培地の炭素源としては、上記微生物の利用可能
なものならばいずれも使用することができ、例え
ばグルコース、フラクトース、シユクロース、マ
ルトース、デキストリンなどの糖類、グリセロー
ル、ソルビトールなどの糖アルコール、フマール
酸、クエン酸などの有機酸等を好適に使用するこ
とができる。培地中に添加する量は通常0.1〜10
%程度で十分である。また、窒素源としては、例
えば塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、フ
マール酸アンモニウムなどの各種無機酸、有機酸
のアンモニウム塩や肉エキス、酵母エキス、コー
ンステイープリカー、カゼイン加水分解物などの
天然有機窒素源等があげられ、特に天然有機窒素
源は多くの場合炭素源として兼用することもでき
る。さらに、無機塩類としては例えばリン酸カリ
ウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄などが
使用できる。前記微生物の培養条件としては、温
度約20〜40℃、PH5〜8の範囲を採りうるが、よ
り好ましくは約30〜35℃、PH約6〜7において約
16〜72時間好気的な条件下に培養を行うのが好都
合である。 かくして得られる培養液は、そのまま本発明方
法に使用してもよく、また、培養液中の成分が本
発明方法の障害となる場合や菌体量を多く使用し
たい場合には培養液から遠心分離等により一旦菌
体を分離し、その分離した菌体を用いてもよい。
さらに、該菌体の処理物、例えば凍結乾燥菌体、
アセトン乾燥菌体、菌体磨砕物、菌体抽出物や該
菌体もしくはその処理物を公知の方法で固定化し
たもの等も使用できる。 本発明の鏡像体区別加水分解反応は、通常基質
たるN−アセチル−DL−メチオニンアミドと上
記培養液、該培養液から採取した菌体またはその
処理物とを水性媒体中で混合することにより実施
するのが好ましい。反応溶液中での基質濃度は約
0.1乃至20%程度の高濃度まで用いることができ、
高濃度基質で反応させる場合反応液中に基質が不
溶のまま残つていても反応の進行につれて溶解し
てゆくので反応の進行には何ら支障とならない。
基質と培養液等との混合方法は回分式方法でも、
カラムを用いる連続方法でもいずれも可能であ
る。反応は、反応液のPHが約5〜9、より好まし
くは約5.5〜7.5で、反応温度が通常約20〜60℃、
より好ましくは約30〜40℃であるときスムースに
進行する。 上記の如くして得られる本発明の目的化合物N
−アセチル−L−メチオニンの確認、同定は、例
えば反応液より目的物をイオン交換樹脂処理によ
り取出し、イソプロパノールより再結晶後、得ら
れる結晶を元素分析すると共に、各種展開溶媒に
よる薄層クロマトグラフイーのR値、融点、旋
光度、NMRスペクトル、IRスペクトル等を標準
物質のそれらと比較することにより実施した。ま
た、目的物の定量は、例えば反応液の一部を採
り、一方はそのまま、他方には市販のかびのアシ
ラーゼ(N−アセチル−L−メチオニンのみに特
異的に作用する)を加えて37℃で反応させ、N−
アセチル−L−メチオニンを完全にL−メチオニ
ンに転換させ、両試料中のL−メチオニンをロイ
コノストツク・メゼンテロイデスP−60による微
生物定量法で定量し、アシラーゼ操作で増加した
L−メチオニンの量よりN−アセチル−L−メチ
オニンの生成量を換算した。 以上詳記した通り、本発明方法によれば、N−
アセチル−L−メチオニンアミドの1位のアミド
部の加水分解によりN−アセチル−L−メチオニ
ンが生成すると同時に当モルのアンモニアが副生
するため、本質的に反応溶液中でのPHの変動はな
く、全反応期間を通じて反応液のPHを調整する必
要がないので操作が極めて簡単であり、しかも反
応が酵素反応であるので光学異性体に対する特異
性が極めて高く、得られるN−アセチル−L−メ
チオニンの光学純度が非常に高いなど幾多の利点
がある。ちなみに、上記の新しい酵素反応を触媒
する酵素が、エルウイニア カロトボラの培養
液、培養液より採取した菌体および菌体処理物に
存在することは現在まで全く知られておらず、さ
らに酵素をN−アセチル−DL−メチオニンアミ
ドに作用してN−アセチル−L−メチオニンを生
成せしめる酵素反応についても全く報告されてい
ない。また、公知酵素であるアシルアミダーゼ或
はDL−アミノ酸アミドに作用してL−アミノ酸
を生成させる酵素、例えばロイシンアミノペプチ
ダーゼ、アミノアシルアミダーゼなどは全くN−
アセチル−DL−メチオニンアミドには作用しな
い。従つて、N−アセチル−DL−メチオニンア
ミドに作用してN−アセチル−L−メチオニンを
生成させる本発明の酵素反応を触媒する酵素は全
く新しい酵素である。 実施例 1 第二リン酸ナトリウム・12水塩0.875%、第一
リン酸カリウム0.34%、硫酸アンモニウム0.1%、
硫酸マグネシウム・7水塩0.058%、塩化カムシ
ウム・2水塩0.006%、硫酸第一鉄・7水塩0.002
%、硫酸マンガン・6水塩0.0002%、L−アスパ
ラギン0.2%およびイーストエキス1.0%からなる
培地(PH7.0)の100mlを500ml容坂口フラスコに
仕込み、120℃で10分間滅菌した後、予め栄養寒
天培地上で30℃、20時間培養したエルウイニア・
カロトボラ3057(微工研菌寄第6176号)を一白金
耳接種し、30℃で24時間振とう培養(回転数
140γpm、振幅8cm)して得た培養液を種培養液
とする。 グリセロール2%、塩化アンモニウム0.1%、
第一リン酸カリウム0.1%、硫酸マグネシウム・
7水塩0.05%、コーンステイープリカー1%、ミ
ースト0.5%の組成からなる栄養液体培地(PH
7.0)50mlを500ml容坂口フラスコに仕込み、120
℃で10分間滅菌した後、上記種培養液を1ml接種
し、30℃で2時間振とう培養する。 培養液50mlから遠心分離により集菌し、一度50
mlの生理的食塩水で洗浄後、0.2M酢酸緩衝液
(PH5.5)25ml中にけん濁し、別に同緩衝液で100
mg/mlになるように溶かしたN−アセチル−DL
−メチオニンアミド溶液25mlを加え30℃で酵素反
応を行なわせる。 適宜反応液から0.5mlサンプリングし、100℃、
5分間の加熱により反応を停止させた後、水4.5
mlを加えて遠心分離により菌を除去する。上澄の
一部を適当に希釈して、標品のN−アセチル−L
−メチオニンと同時に薄層クロマトグラフイー
(溶媒;クロロホルム:メタノール:酢酸=85:
15:3)を行い、ヨウ素発色によりN−アセチル
−L−メチオニンの生成を確認する。また上澄の
一部をPH7.5の50mMリン酸緩衝液で50倍に希釈
後、その1mlに市販のアスペルギルス・オリザエ
のアシラーゼを10mg加えて37℃で1時間反応さ
せ、N−アセチル−L−メチオニンをL−メチオ
ニンに加水分解する。この溶液を50〜100倍希釈
し、ロイコノストツク・メゼンテロイデスP−60
を用いる微生物定量法によりL−メチオニンを定
量し、N−アセチル−L−メチオニン量を求め
た。 反応時間に対するN−アセチル−L−メチオニ
ンの生成量は、100mg/mlのN−アセチル−DL−
メチオニンアミドより20時間後には50mg/mlのN
−アセチル−L−メチオニンが生成し、その時間
的経過は第1表に示す通りである。
【表】
実施例 2
実施例1と同様に種培養したエルウイニア・カ
ロトボラ3057(微工研菌寄第6176号)をグリセロ
ール2%、塩化アンモニウム0.1%、ポリペプト
ン2%、第一リン酸カリウム0.1%、硫酸マグネ
シウム・7水塩0.05%の組成からなる栄養液体培
地(PH7.0)に1%接種し、30℃で28時間振とう
培養した。 培養液200mlから遠心分離で集菌し、一度生理
食塩水で洗浄後、純水にけん濁して100mlとした。
そこへ、N−アセチル−DL−メチオニンアミド
15gを含む水溶液100mlを加え、酢酸にてPHを6.0
に調製した。30℃で24時間反応させた後、遠心分
離で菌体を除いた上澄区分に含まれるN−アセチ
ル−L−メチオニン量は実施例1と同様の方法で
定量すると7.2g(転換率98%)であつた。 この上澄を塩酸でPH2とした後、弱塩基性イオ
ン交換樹脂WA−10(OH-型、三菱化成製の商品
名)カラムに通し、N−アセチル−L−メチオニ
ンを吸着させる。カラムを充分水洗後、3%アン
モニア水でN−アセチル−L−メチオニンを溶出
させる。減圧下に過剰のアンモニアを除いた溶出
液を強酸性イオン交換樹脂IR−120(H+型、ロー
ムアンドハース社製の商品名)カラムに通し、通
過液を濃縮してN−アセチル−L−メチオニンの
粗結晶を得る。これを少量のイソプロパノールよ
り再結晶することによりN−アセチル−L−メチ
オニン5.8gを得る。本品の融点は104℃で、比旋
光度は〔α〕D−20.2゜(C=4、水)である。 実施例 3 実施例2と同様に調製したエルウイニア・カロ
トボラ3057(微工研菌寄第6176号)の生菌体2g
に生理食塩水2mlを加えてけんだくし、そこへ予
め調製した5%カラギーナンゾル8.5mlを加える。
氷冷してゲル化させ、2%塩化カリウム水溶液に
30分間浸漬後、3×3×3mmの立方体に成型す
る。この成型ゲル6mlを30℃の水が循環している
外とう管付カラムに充填し、50mg/mlのN−アセ
チル−DL−メチオニンアミド水溶液(2%酢酸
アンモニウム共存、PH6.0に酢酸で調製)をSV=
0.2で流下させる。流下液中のN−アセチル−L
−メチオニンを実施例1と同様の方法で定量する
と24.9mg/ml(転換率99%)含まれている。
ロトボラ3057(微工研菌寄第6176号)をグリセロ
ール2%、塩化アンモニウム0.1%、ポリペプト
ン2%、第一リン酸カリウム0.1%、硫酸マグネ
シウム・7水塩0.05%の組成からなる栄養液体培
地(PH7.0)に1%接種し、30℃で28時間振とう
培養した。 培養液200mlから遠心分離で集菌し、一度生理
食塩水で洗浄後、純水にけん濁して100mlとした。
そこへ、N−アセチル−DL−メチオニンアミド
15gを含む水溶液100mlを加え、酢酸にてPHを6.0
に調製した。30℃で24時間反応させた後、遠心分
離で菌体を除いた上澄区分に含まれるN−アセチ
ル−L−メチオニン量は実施例1と同様の方法で
定量すると7.2g(転換率98%)であつた。 この上澄を塩酸でPH2とした後、弱塩基性イオ
ン交換樹脂WA−10(OH-型、三菱化成製の商品
名)カラムに通し、N−アセチル−L−メチオニ
ンを吸着させる。カラムを充分水洗後、3%アン
モニア水でN−アセチル−L−メチオニンを溶出
させる。減圧下に過剰のアンモニアを除いた溶出
液を強酸性イオン交換樹脂IR−120(H+型、ロー
ムアンドハース社製の商品名)カラムに通し、通
過液を濃縮してN−アセチル−L−メチオニンの
粗結晶を得る。これを少量のイソプロパノールよ
り再結晶することによりN−アセチル−L−メチ
オニン5.8gを得る。本品の融点は104℃で、比旋
光度は〔α〕D−20.2゜(C=4、水)である。 実施例 3 実施例2と同様に調製したエルウイニア・カロ
トボラ3057(微工研菌寄第6176号)の生菌体2g
に生理食塩水2mlを加えてけんだくし、そこへ予
め調製した5%カラギーナンゾル8.5mlを加える。
氷冷してゲル化させ、2%塩化カリウム水溶液に
30分間浸漬後、3×3×3mmの立方体に成型す
る。この成型ゲル6mlを30℃の水が循環している
外とう管付カラムに充填し、50mg/mlのN−アセ
チル−DL−メチオニンアミド水溶液(2%酢酸
アンモニウム共存、PH6.0に酢酸で調製)をSV=
0.2で流下させる。流下液中のN−アセチル−L
−メチオニンを実施例1と同様の方法で定量する
と24.9mg/ml(転換率99%)含まれている。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 エルウイニア(Erwinia)属に属し、N−ア
セチル−DL−メチオニンアミドからN−アセチ
ル−L−メチオニンを生成せしめる能力を有する
微生物の培養液、該培養液から採取した菌体また
は該菌体の処理物をN−アセチル−DL−メチオ
ニンアミドに作用せしめ、生成したN−アセチル
−L−メチオニンを採取することを特徴とするN
−アセチル−L−メチオニンの製造法。 2 微生物がN−アセチル−DL−メチオニンア
ミドからN−アセチル−L−メチオニンを生成せ
しめる能力を有するエルウイニア・カロトボラ
(Erwinia carotovora)3057である特許請求の範
囲第1項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56168278A JPS5871892A (ja) | 1981-10-20 | 1981-10-20 | N−アセチル−l−メチオニンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56168278A JPS5871892A (ja) | 1981-10-20 | 1981-10-20 | N−アセチル−l−メチオニンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5871892A JPS5871892A (ja) | 1983-04-28 |
| JPH025397B2 true JPH025397B2 (ja) | 1990-02-01 |
Family
ID=15865047
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56168278A Granted JPS5871892A (ja) | 1981-10-20 | 1981-10-20 | N−アセチル−l−メチオニンの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5871892A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2572567B2 (ja) * | 1985-06-07 | 1997-01-16 | 理化学研究所 | 酵素の製造方法 |
| KR101821050B1 (ko) * | 2015-10-14 | 2018-03-09 | 씨제이제일제당 (주) | 바이오-기반 n-아세틸-l-메티오닌 및 이의 용도 |
-
1981
- 1981-10-20 JP JP56168278A patent/JPS5871892A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5871892A (ja) | 1983-04-28 |
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