JPH0256283B2 - - Google Patents
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- JPH0256283B2 JPH0256283B2 JP58164821A JP16482183A JPH0256283B2 JP H0256283 B2 JPH0256283 B2 JP H0256283B2 JP 58164821 A JP58164821 A JP 58164821A JP 16482183 A JP16482183 A JP 16482183A JP H0256283 B2 JPH0256283 B2 JP H0256283B2
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Description
本発明は多孔質アルミナ成形体の製造方法、さ
らに詳しくは、触媒担体として好適な細孔構造に
調節された多孔質アルミナ成形体の製造方法に関
するものである。 アルミナは、多孔質無機酸化物の中でも、その
安定でかつ活性な表面の性質のため、広く、触媒
担体、吸着剤、充填剤、などの基材として用いら
れている。例えば、γ−アルミナは、触媒担体と
して広く用いられているが、それは、比表面積が
大きく、かつ活性金属種の担持分散性が高く、機
械的強度が優れていることによるものである。一
般に、触媒担体としては、比表面積が大きいだけ
でなく、その表面へ反応分子が容易に接近でき、
かつ生成物が離脱できる大きさの細孔径を有する
ことが要求される。すなわち、通常、触媒作用
は、触媒の表面上で行われるが、反応分子や生成
分子のサイズが大きい場合には拡散の抵抗が生じ
たり、特定サイズ以上の分子だけしか表面に近づ
けなかつたりするので、触媒の比表面積だけでな
く、細孔径およびその分布が触媒の性能を支配す
る。一般的には、細孔径を大きくすると表面積が
少くなつてくる。これを補うには細孔容積を増大
させなければならない。しかし、細孔容積を大き
くしようとすると、機械的強度を無視することに
なり実用に耐えなくなる。 アルミナ成形体の細孔径、細孔容積および細孔
径分布などの細孔構造を制御するには一般的に、
構成する基本粒子の大きさおよび形状とその充填
状態を調節することにより、その粒子間に形成さ
れる細孔の大きさおよび量を調節することによつ
て実現しうる。例えば、大きな基本粒子からは大
きな細孔径をもつ成形体が、疎な充填状態からは
大きな細孔径をもち、かつ大きな細孔容積をもつ
成形体が、繊維状粒子からは、大きな細孔径をも
つ成形体が、そして粒子のそろつたものからは、
細孔容積が大きくかつ細孔径分布のシヤープな成
形体がそれぞれ得られる。したがつて、細孔構造
の制御された多孔質成形体を得るためには、基本
粒子が特定のサイズにそろつていて、かつ疎な充
填を容易にするような繊維状であることが必要で
ある。このようなアルミナヒドロゲルの製造方法
に関しては、本出願人はすでに特開昭56−120508
号公報において開示している。すなわち、ヒドロ
ゲル形成物質を原料とし、これから多孔質無機酸
化物を製造する方法において、(1)ヒドロゲル形成
物質からその種子ヒドロゲルを得る工程及び、(2)
該ヒドロゲルのPHをヒドロゲル溶解領域とヒドロ
ゲル沈殿領域との間を交互に変動させるると共
に、ヒドロゲル溶解領域及びヒドロゲル沈殿領域
の少なくとも1方の領域へのPH変動に際して、ヒ
ドロゲル形成物質を添加し最終的に結晶成長した
ヒドロゲルを得る工程からなる方法を明らかにし
ている。この方法によつて比較的基本粒子のそろ
つたゲルを得ることができる。また、本出願人
は、繊維状基本粒子をもつアルミナヒドロゾルに
関しては、特開昭55−27830号公報において、開
示すると共に、さらに、非常に粒子のそろつた繊
維状基本粒子であるベーマイト粒子からなるアル
ミナヒドロゾルに関しては、特開昭57−97316号
明細書において開示している。 以上の事実をまとめると、基本粒子が特定のサ
イズにそろつていて、かつ、疎な充填になるよう
な繊維状基本粒子からなるアルミナ成形体の原料
となるアルミナヒドロゲルは、(a)アルミナヒドロ
ゲル形成物質からアルミナヒドロゲルを得る工程
と、(b)該アルミナヒドロゲルのPHを、アルミナヒ
ドロゲル溶解領域とベーマイトゲル沈殿領域との
間を交互に変動させると共に、アルミナヒドロゲ
ル溶解領域及びベーマイトゲル沈殿領域の少なく
とも一方、好ましくは、ベーマイトゲル沈殿領域
へのPH変動に際して、アルミナヒドロゲル形成物
質を添加し、結晶成長させる工程により、ベーマ
イトゲルとして得られる。 しかしながら、このようなゲルを乾燥してキセ
ロゲルにした後、焼成してアルミナに変換した場
合には、本発明の目的とするような細孔構造が充
分制御されたアルミナ成形体を得ることはできな
い。単に乾燥し、焼成した場合には、機械的強度
が非常に弱いものとなる。これは疎凝集の構造が
非常に弱いためと考えられる。機械的強度を増す
方法としては、公知のように、バインダーを用い
ることも考えられるが、バインダーを添加する方
法によつては充分には機械的強度を向上させるこ
とはできない。バインダーは、通常、凝集構造が
強いものの結合には効果的であるが、凝集構造が
弱い場合には、凝集体同志の結合は補強されても
凝集体内部は補強され難い。一般に凝集体内部を
補強することを目的としてバインダーを混合する
場合、せん断力により基本粒子の凝集状態の組か
えを生じさせるために混練操作を行うが、しかし
ながら、この操作を上記キセロゲルに施した場合
には、細孔構造が非常に好ましくないものへ変化
してしまう。また、ヒドロゲルケーキへバインダ
ーを混合しても、補強効果は見い出されない。し
たがつて、機械的強度の強いアルミナ成形体を得
るには、原料とするアルミナヒドロゲルとして
は、疎凝集体での基本粒子同志が強固に結合した
ものが必要となる。 本発明者らは、前記工程(a)及び(b)によつて得ら
れる中間的に結晶成長したベーマイト粒子からな
るアルミナヒドロゲルをアルミナヒドロゲル沈殿
領域に保持しながら、これにアルミナヒドロゲル
形成物質を連続流にて添加して結晶成長させる時
には、補強された疎凝集体としてのアルミナヒド
ロゲルが得られ、このものをアルミナキセロゲル
にした後、焼成することによつて、細孔構造の充
分制御されたアルミナ成形体が得られることを見
出し、本発明を完成するに到つた。 即ち、本発明によれば、アルミナヒドロゲル形
成物質を原料とし、これから多孔質アルミナ成形
体を製造する方法において、 (a) アルミナヒドロゲル形成物質からアルミナヒ
ドロゲルを得る工程; (b) 該アルミナヒドロゲルのPHを、アルミナヒド
ロゲル溶解領域とベーマイトゲル沈殿領域との
間を交互に変動させると共に、アルミナヒドロ
ゲル溶解領域及びベーマイトゲル沈殿領域の少
なくとも一方の領域へのPH変動に際して、アル
ミナヒドロゲル形成物質を添加し、結晶成長し
たベーマイトゲルを得る工程; (c) 該ベーマイトゲルをアルミナヒドロゲル沈殿
領域に保持しながらアルミナヒドロゲル形成物
質を連続流にて添加し、最終的に結晶成長し、
疎凝集体を形成したアルミナヒドロゲルを得る
工程; (d) 該アルミナヒドロゲルを洗浄と乾燥の組合せ
操作によりアルミナヒドロゲルにした後、焼成
してアルミナに変換する工程; を含むことを特徴とする均一多孔質アルミナ成形
体の製造方法が提供される。 本発明で用いる工程(c)においては、ベーマイト
微結晶子は、単独で成長するだけでなく、ベーマ
イト微結晶子同志が既に疎凝集構造をとつている
ため、ベーマイト微結晶子同志の接触している部
分へもアルミナヒドロゲル形成物質が沈着し、結
果的にはそれらの微結晶子同志が接触点において
1体化する。従つて、全体的に見た疎凝集構造
は、基本粒子の接触点が補強された形で極めて強
くなる。この工程(c)の代りに、工程(b)によつてベ
ーマイト粒子の結晶成長を押しすすめると、PH変
動によつて、繰り返し微少なアルミナヒドロゲル
の基本粒子が溶解されることになると共に、さら
にベーマイト微結晶子同志の接触点に沈着し、補
強する作用をするアルミナヒドロゲルもまた消失
することとなり、その結果、弱い疎凝集体しか得
られない。また、工程(b)の代りに、工程(c)によつ
て結晶成長の全てを行うと、ベーマイト基本粒子
が不ぞろいとなり、ブロードな細孔構造のアルミ
ナ成形体しか得られなくなる。工程(c)によつて得
られる最終的に結晶成長し、かつ補強された疎凝
集体としてのアルミナヒドロゲルは洗浄と乾燥の
組合せ操作によりアルミナキセロゲルにした後、
焼成してアルミナに変換する工程を含む操作によ
り多孔質アルミナ成形体にすることができる。 以上の工程(a)、(b)、(c)、(d)によつて、機械的強
度が強く細孔構造が充分制御された多孔質アルミ
ナ成形体の製造が可能となるわけである。このよ
うに簡便でかつ迅速に機械的強度が強くかつ目的
とする細孔径部分に細孔容積を非常に多く集中さ
せたアルミナ成形体を得ることは、従来の方法で
は全く不可能である。 本発明の多孔質アルミナ成形体の製造におい
て、アルミナヒドロゲル形成のために用いる出発
原料は、元素としてアルミニウムを含有する化合
物である。例えば、金属アルミニウム(Al)、塩
化アルミニウム(AlCl3、AlCl3・6H2O)、硝酸
アルミニウム〔Al(NO3)3・9H2O〕、硫酸アルミ
ニウム〔Al2(SO4)3、Al2(SO4)3・18H2O〕、ポリ
塩化アルミニウム{〔Al2(OH)nCl6−n〕m(1
<n<5、m<10)}、アンモニウムみようばん
〔(NH4)2SO4・Al2(SO4)3・24H2O〕、アルミン酸
ソーダ(NaAlO2)、アルミン酸カリ(KAlO2)、
アルミニウムイソプロポキシド{Al〔OCH
(CH3)2〕3}、アルミニウムエトキシド〔Al
(OC2H5)3〕、アルミニウム・t−ブトキシド
{Al〔OC(CH3)3〕3}、水酸化アルミニウム〔Al
(OH)3〕等がある。好ましくは、アルミニウム
塩、例えば、塩化アルミニウム(AlCl3、
AlCl3・6H2O)、硝酸アルミニウム〔Al
(NO3)3・9H2O〕、硫酸アルミニウム〔Al2
(SO4)3、Al2(SO4)3・18H2O〕、アルミン酸塩、
例えば、アルミン酸ソーダ(NaAlO2)、及び水
酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕等である。 次に、本発明の製造方法について工程別に述べ
る。 工程(a):種子アルミナヒドロゲルスラリーの生成 本発明において、種子アルミナヒドロゲルスラ
リーは、前述したアルミナヒドロゲル形成物質を
用いて形成される。アルミナヒドロゲルスラリー
中に含まれる粒子(アルミナヒドロゲル粒子)
は、後続のベーマイトゲル成長工程〔工程(b)〕に
おいて、アルミナヒドロゲル形成物質を添加して
ベーマイトゲルへと粒子成長させる場合の種子と
して使用するもので、アルミナヒドロゲルスラリ
ー中には通常水酸化物の形で存在する。この種子
アルミナヒドロゲルスラリーは、一般に、従来公
知の方法に従つて製造される。すなわち、不均一
沈殿法、均一沈殿法、イオン交換法、加水分解法
及び金属溶解法などの慣用の方法を採用すること
ができる。 不均一沈殿法は、ヒドロゲル形成物質を、酸性
又はアルカリ性容液で中和にする方法である。例
えば、硝酸アルミニウムや硫酸アルミニウムの溶
液に中和剤としてアンモニア、水酸化ナトリウム
などを撹拌しながら添加するか、あるいはアルカ
リ金属塩やアンモニウム塩の溶液に中和剤として
塩酸や硫酸を加えて中和し、アルミニウム水酸化
物に変換する。具体的には、硝酸アルミとアルミ
ン酸ソーダ、硫酸アルミニウムとアルミン酸ソー
ダの組合せによる中和反応による方法を含む。 均一沈殿法は、原理的には前記不均一沈殿法と
同じであるが、中和時の中和剤濃度を均一に保
ち、沈殿を均一に行わせる点で異なる。例えば、
アルミナヒドロゲル形成物質を酸性塩の形で含む
溶液から均一沈殿を行う場合、中和剤として、尿
素、ヘキサメチレンテトラミン等のアンモニア放
出性物質を用いる。具体的には、硝酸アルミニウ
ムあるいは硫酸アルミニウムを含む溶液に、必要
量の尿素を溶解し、この混合溶液を撹拌しながら
徐々に加熱し、中和剤を徐々に分解してアンモニ
アを放出させ、この放出アンモニアによつてアル
ミニウム塩を徐々に中和してアルミナヒドロゲル
に変換させる方法を含む。 イオン交換法は、アルミナヒドロゲル形成物質
の溶液中に共存する陽イオン又は陰イオンをイオ
ン交換樹脂を用いることによつてイオン交換し、
コロイド状のゲルを生成させる方法である。市販
のコロイダルアルミナと呼ばれるものは、通常、
これらの方法によつて製造されたものである。 加水分解法は、加水分解状アルミナヒドロゲル
形成物質を水に添加することによつて加水分解反
応を起させアルミナヒドロゲルスラリーを生成さ
せる方法である。具体的には、アルミニウムイソ
プロポキシドのアルコール溶液の反応などが含ま
れる。 金属溶解法としては、アルミニウム、金属粉末
を沸騰状態の硝酸アルミニウムあるいは硫酸アル
ミニウム溶液へ投入することによつて塩基性の水
酸化アルミニウムを生成させるなどの方法があ
る。 以上のように、種子アルミナヒドロゲルは当業
者に熟知された種々の方法によつて製造すること
ができる。また、生成アルミナヒドロゲルの変性
方法にも種々の方法があるが、これらの種子ヒド
ロゲルスラリーの製造に関する事項は、当業者に
熟知されていることであつて、本発明の方法は、
これらの事項によつて限定されるものではない。
したがつて、この種子ヒドロゲルスラリーの製造
は、出発原料として用いるヒドロゲル形成物質の
種類及び目的とする製品の物性に応じて適当に行
えばよい。場合によつては、市販のアルミナヒド
ロゾルをそのまま用いることができる。また、工
程(b)におけるPH変動剤とアルミナヒドロゲル形成
物質の組合せにおいて、調製することも可能であ
る。この場合には、工程(a)と工程(b)が途中で分離
操作などのはん雑な作業なしに、連続する操作に
おいて遂行できるという利点を持つ。当然のこと
ではあるが、同一の試薬を用い同一の条件におい
ても遂行できる。この種子アルミナヒドロゲルス
ラリーの濃度は特に限定されず、全体が撹拌可能
な範囲であればよく、通常は10重量%以下、特に 0.1〜5重量%程度である。 工程(b):種子ヒドロゲルのベーマイトゲルへの均
一成長 本発明の方法は、このアルミナ種子ヒドロゲル
のベーマイトゲルへの均一成長過程と不均一な基
本粒子となる微小アルミナヒドロゲル粒子の選択
溶解過程を含む。この工程においては、ベーマイ
ト微粒子を非常に均一に成長させることができ
る。この工程においては、前記で得たアルミナ種
子ヒドロゲルのPHを、アルミナヒドロゲル溶解領
域とベーマイトゲル沈殿領域との間を交互に変動
させると共に、アルミナヒドロゲル溶解領域及
び/又は、ベーマイトゲル沈殿領域に変動させる
際に、好ましくはベーマイトゲル沈殿領域への変
動に際してのみに、前記したアルミナヒドロゲル
形成物質あるいは、PH調節剤を単独又は混合物の
形で添加し、ベーマイトゲルの沈殿を得る。な
お、本発明でいうアルミナヒドロゲルとは、ベー
マイトは勿論のこと、バイヤライト、無定形アル
ミナヒドロゲルなどアルミナヒドロゲル一般を意
味する。またベーマイトゲルは、アルミナヒドロ
ゲルの中でも繊維状を呈する微細なベーマイト結
晶子より成り、この結晶子が凝集した場合には、
他のアルミナヒドロゲルと比べて著しく疎な凝集
体を形成する。したがつて、工程(b)において得ら
れるゲルは、バイヤライトや無定形アルミナヒド
ロゲルなどの他種結晶子、粒子の混入が少い均一
なベーマイト微結晶子からだけ成ることを意味し
て製造される。本発明でいうベーマイトゲル沈殿
領域とは、ベーマイト微結晶子の成長を生起させ
得る条件下でのPH領域をいい、アルミナヒドロゲ
ル溶解領域とは、アルミなヒドロゲルの微細粒子
を可溶化し得る範囲のPH領域をいう。従つてベー
マイトゲル沈殿領域においては、溶解領域で溶解
した微細なアルミナヒドロゲル粒子、およびPH変
動に際して添加されたアルミナヒドロゲル形成物
質が、大きなヒドロゲル粒子、すなわちベーマイ
ト微晶子に迅速に吸蔵され、より大きなベーマイ
ト微結晶子へ結晶成長し、一方、アルミナヒドロ
ゲル溶解領域においては、混在する微細なアルミ
ナヒドロゲル粒子が溶解され、ある程度の大きさ
に成長したベーマイト微結晶子のみが存在するよ
うになる。本発明の工程(b)においては、アルミナ
ヒドロゲルスラリーに対して、アルミナヒドロゲ
ル形成物質の添加を行いながら、ヒドロゲルスラ
リーのPH変動を繰返し行うことによつて、粒子の
大きさが均一化されたアルミナヒドロゲル粒子の
沈殿を得る。要するに、アルミナヒドロゲルスラ
リー中に存在する粒子が不均一であつた場合に、
微粒子ほど溶解されやすく、成長しやすいという
性質を利用して、反応系内を溶解条件下と成長条
件下に交互にまた繰返し変動させることにより、
種子アルミナヒドロゲルの均一ベーマイト粒子へ
の成長を行なわせること、即ち、ベーマイト微結
晶への均一成長を実現する。 アルミナヒドロゲルPHのアルミナヒドロゲルの
溶解領域又はベーマイトゲルの沈殿領域への変動
は、PH調節剤を用いて行う。このPH調節剤として
は、アルミナヒドロゲル形成物質それ自体を用い
てもよいし、非アルミナヒドロゲル形成物質を用
いてもよい。しかし少なくとも一方の領域への変
動に際して使用するPH調節剤としては、アルミナ
ヒドロゲル形成物質自体であることが好ましい。
更に好ましくは、ベーマイトゲル沈殿領域へのPH
変動に際してだけPH調節剤としてアルミナヒドロ
ゲル形成物質を用いる。即ち、アルミナヒドロゲ
ル形成物質の多くは、水に溶解した状態で酸性あ
るいはアルカリ性を示すので、PH調節剤として用
いることができる。例えば酸性を示すものとして
は、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸
アルミニウムなど、アルカリ性を示すものとして
は、アルミン酸ソーダなどがある。しかし、これ
らの物質は、相当するアルミニウムを含有しない
酸あるいはアルカリに比べるとより中性すなわち
ベーマイトゲル沈殿領域へかたむく。例えば、硫
酸アルミニウム、硫酸を比較すると、硫酸アルミ
ニウムの方がより高いPHを示し、アルミン酸ソー
ダとカセイソーダを比較するとアルミン酸ソーダ
の方がより低いPHを示す。添加するPH調節剤は、
そのPH変動の方向すなわちアルミナヒドロゲル溶
解領域あるいはベーマイト沈殿領域のどちら領域
へPHを変動させるかによつて好ましい物質が異な
る。アルミナヒドロゲル溶解領域への変動は、そ
の目的が微小粒子の溶解であることから、PH調節
剤としては、非アルミナヒドロゲル形成物質を用
い、ベーマイトゲル生成領域への変動に際して
は、その目的が安定にベーマイト結晶子を結晶成
長させることにあるから、PH調節剤としては、ア
ルミナヒドロゲル形成物質を用いることによつ
て、非常に均一なベーマイト粒子の凝集体を得る
ことができる。即ち、アルミナヒドロゲル形成物
質が、例えば、アルミン酸ソーダなどのアルカリ
性物質である場合、この物質をベーマイトゲル生
成領域への変動に際するPH調節剤として用い、酸
性の非アルミナヒドロゲル形成物質、例えば、硝
酸、塩酸、硫酸などをアルミナヒドロゲル溶解領
域へのPH変動を行うPH調節剤として用いることが
できる。またアルミナヒドロゲル形成物質が、例
えば硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化
アルミニウムなど酸性物質である場合、この物質
をベーマイトゲル生成領域への変動に際するPH調
節剤として用い、アルカリ性の非アルミナヒドロ
ゲル形成物質、例えばカセイソーダなどをアルミ
ナヒドロゲル溶解領域へのPH変動を行うPH調節剤
として用いることができる。 本発明の工程(b)においては、アルミナ種子ヒド
ロゲルから均一に結晶成長したベーマイト粒子か
らなるゲルを得るために、アルミナヒドロゲルス
ラリーのPHをベーマイトゲル沈殿領域からアルミ
ナヒドロゲル溶解領域に変動させた後、再びベー
マイトゲル沈殿領域に変動させるというアルミナ
ヒドロゲルの周期的なPHの変動を繰り返し行う操
作を含み、この繰返し回数によつて工程(b)から得
られるベーマイト微結晶子のサイズが制御され
る。この繰返し回数は、1回以上、通常2〜20回
の範囲である。アルミナヒドロゲル形成物質は、
この繰返し回数に応じて分割し、アルミナヒドロ
ゲルスラリーのPHを変動させる際に添加される。
1回当りに添加されるアルミナヒドロゲル形成物
質の量は、全添加操作を通じて、反応槽内が均一
な撹拌状態に保たれ、均一なアルミナヒドロゲル
濃度が得られるような範囲である。アルミナヒド
ロゲル粒子濃度が高くなりすぎると、アルミナヒ
ドロゲルスラリーの均一撹拌が困難になり、アル
ミナヒドロゲル粒子の均一な成長が阻害されるよ
うになるので好ましくない。一般には1回当りに
添加されるアルミナヒドロゲル形成物質の量は、
酸化物として計算して、アルミナヒドロゲルスラ
リーに含まれる酸化物として計算されたヒドロゲ
ルに対して2〜200%である。 アルミナヒドロゲルスラリーをアルミナヒドロ
ゲル溶解領域に保持する時間は、添加されたアル
ミナヒドロゲル形成物質から生じた新しい微細な
アルミナヒドロゲルを溶解するのに十分で、かつ
均一に結晶成長したベーマイト結晶子を不必要に
溶解しない適切な長さをとる必要がある。この保
持時間は、溶解領域のPHの値と密接な関係にあ
り、これに見合つた適切な時間をとる必要があ
る。この保持時間は、通常、PH変動後、約1分〜
60分の範囲であり、アルミナヒドロゲル溶解領域
のPHが酸性の場合は、PHの値が小さい程、アルカ
リ性の場合は、PHの値が大きい程、保持時間は短
くする必要がある。例えば、PHが2〜5の範囲
で、保持時間は約1分〜30分の間である。アルミ
ナヒドロゲルスラリーをPH変動後ベーマイトゲル
沈殿領域に保持する時間は、添加したアルミナヒ
ドロゲル形成物質と溶解領域で溶解した微細なア
ルミナヒドロゲル粒子とが、均一な大きさなつた
ベーマイトゲル粒子に吸蔵され、新たなベーマイ
トゲル粒子の結晶成長が起るために充分なもの
で、かつ成長した結晶粒子が安定な形に落着くま
でのものである。通常、この時間は、溶解領域に
保持する時間より長く、約1分〜10時間である。
しかし、この場合にも長時間の保持は、むしろ逆
効果となる。長時間のベーマイトゲル沈殿領域で
の保持は、次のPH変動でアルミナヒドロゲル溶解
領域での溶解されるべき微細アルミナヒドロゲル
粒子のベーマイトゲル微結晶子への成長を引き起
すこととなり、ベーマイトゲル粒子は不均一なも
のとなつてしまう。アルミナヒドロゲルスラリー
のアルミナヒドロゲル溶解領域およびベーマイト
ゲル沈殿領域は、そのPHによつて制御するが、そ
のPHは、アルミナヒドロゲル形成物質の原料の種
類、PH調節剤の種類及び濃度、温度、共存塩の種
類あるいはその有無等によつて異なる。普通の場
合は、PH5以下およびPH12以上がアルミナヒドロ
ゲル溶解領域であり、PH6〜11がベーマイトゲル
沈殿領域である。特にベーマイトゲルが安定に結
晶成長するのはPH9〜10付近である。アルミナヒ
ドロゲルスラリーの温度は、アルミナヒドロゲル
粒子の溶解速度及びベーマイトゲルの生成速度に
影響を与えるとともに得られる粒子の結晶形も左
右する。アルミナヒドロゲルは、室温では無定形
の水酸化アルミニウムを与え、50℃以上ではベー
マイト微結晶を与える。したがつて、50℃以上で
操作するのが好ましい。 工程(c):連続流による疎凝集体の補強 本発明の方法は、前記工程(a)及び(b)で得られた
均一なベーマイトゲル粒子の凝集構造の補強過程
を含む。この工程においては、工程(b)で得たベー
マイトゲルのPHをアルミナヒドロゲル沈殿領域に
保持しながら、これにアルミナヒドロゲル形成物
質を連続流にて添加し、最終的に結晶成長し、か
つ補強された疎凝集体としてのアルミナヒドロゲ
ルを得る。この工程においては、前記で得たベー
マイトゲルにアルミナヒドロゲル形成物質とPH調
節剤をPHがアルミナヒドロゲル沈殿領域に保持さ
れるような添加方法、例えば、同時に連続的に添
加する操作により、ベーマイトゲルの均一な構成
粒子は成長し、疎凝集体を形成しながらその疎凝
集構造が補強されることとなる。アルミナヒドロ
ゲル形成物質とPH調節剤を添加すると反応に富ん
だ活性水酸化アルミニウムに転化する。この活性
な水酸化アルミニウムは、ベーマイト微結晶が共
存する系では、ベーマイト微結晶に吸蔵されそれ
を成長させるとともに、その疎凝集体を形成させ
ることができ、さらにベーマイト微結晶の疎凝集
体の存在する系では、疎凝集体の構造の微結晶同
志の接触点に吸蔵され、補強することができる。
しかし、ベーマイト微結晶に対してあまりにも多
くの活性水酸化アルミニウムが共存すると、その
活性水酸化アルミニウムの一部は、ベーマイト微
結晶自身あるいは微結晶同志の接触点に吸蔵され
ずに、活性水酸化アルミニウム同志の合体により
非常に微細なベーマイト粒子が不均一なものとな
る、いわゆる、結晶成長における2次核の発生に
類似した現象が生じ、結果として、疎凝集体を形
成するベーマイト粒子が不均一なものとなり、そ
のため得られるアルミナ成形体は機械的強度は強
くなるが、細孔構造の調節が難しくなる。また、
アルミナヒドロゲル形成物質の添加速度が小さす
ぎても不利な点が存在する。即ち、系内の活性水
酸化アルミニウムが疎凝集体を形成するのに不十
分な量のときには、部分的な疎凝集体の形成しか
行なわれず、疎凝集体としての成長、補強が不均
一となる。したがつて、アルミナヒドロゲル形成
物質を添加する速度は、ベーマイト微結晶成長お
よび疎凝集体の形成補強を実現するに適当な値で
あり、なおかつ新たなるベーマイト微結晶の生成
が少いような範囲に選ぶべきである。この値は、
工程(b)で得られるベーマイトに対して、アルミニ
ウムモル比で1時間当り、通常5〜500%(即ち、
ベーマイトゲル中のAl1モルに対し1時間当り
0.05〜5モルの割合)の範囲の中から選ばれる。 また工程(c)において添加するアルミナヒドロゲ
ル形成物質の総量は、工程(b)において得られたベ
ーマイトゲルの量によつて適当な値が決められ
る。添加する総量が多すぎると均一にそろつた粒
子からなるベーマイトゲルの成長、凝集、凝集体
の補強だけでなく、別個にアルミナヒドロゲル微
細粒子の形成をもたらし、得られるアルミナ成形
体の細孔構造を制御することが難しくなる。また
添加する総量が少すぎると、ベーマイトゲルの成
長や、凝集だけの働きにとどまり、凝集体の補強
の働きをしないため得られるアルミナ成形体の機
械的強度は極めて弱いものとなる。したがつて工
程(c)において添加するアルミナヒドロゲル形成物
質の総量は、ベーマイト微結晶の疎凝集体の形成
および補強を実現するために充分な値であり、な
おかつ新たなるベーマイト微結晶子の生成が少い
ような範囲に選ぶべきである。この値は、工程(b)
で得られるベーマイトゲルに対して、アルミニウ
ムモル比で通常20〜200%の範囲の中から選ばれ
る。なお当然のことではあるが、工程(a)、(b)およ
び(c)で系内へ導入されるアルミナヒドロゲル形成
物質の合計量は、全工程を通じて反応槽内が均一
な撹拌状態に保たれ、均一なアルミナヒドロゲル
濃度が得られるような範囲に選ぶべきであり、例
えば汎用の回転羽根によるゆるやかな撹拌によつ
て本発明の方法を行うときには、Al2O3として5
重量%以下に保つことが好ましい。 工程(c)において使用するアルミナヒドロゲル形
成物質およびPH調節剤は、工程(b)において使用し
たものと同じものでもよいし、異なつてもかまわ
ない。すなわち、PH調節剤としては、アルミナヒ
ドロゲル形成物質を用いてもよいし、非アルミナ
ヒドロゲル形成物質であつてもよい。しかしPH調
節剤として非アルミナヒドロゲル形成物質を用い
る場合には、系内が微視的に見ても本発明の目的
に合うように配慮が必要となる。例えば、弱い酸
あるいはアルカリを用いるようにするとか、強い
酸あるいはアルカリを用いるときには、充分な撹
拌を行うことが必要である。したがつて、PH調節
剤としてもアルミナヒドロゲル形成物質を用いる
ことが好ましい。一般に、アルミナヒドロゲル形
成物質を用いる時には、相当するアルミニウムを
含有しない酸あるいはアルカリを用いる場合に比
べてより中性すなわちアルミナヒドロゲル沈殿領
域へかたむく。したがつて、これを使用すること
は、系内を微視的に見てもアルミナヒドロゲル沈
殿領域に保つことができ、一担疎凝集したベーマ
イト微結晶が部分的に再分散する現象が生ぜず、
均一な疎凝集体として保持されるので本発明の目
的にとつて好ましい。例えば、硝酸アルミニウム
とアルミン酸ソーダ、あるいは硫酸アルミニウム
とアルミン酸ソーダの組合せによつて工程(c)を行
うことができる。 アルミナヒドロゲル沈殿領域としては、ベーマ
イトゲル沈殿領域だけでなく、無定形アルミナヒ
ドロゲル、バイヤライトなどの沈殿領域も合せた
ものを意味する。アルミナヒドロゲル沈殿領域は
そのPHによつて制御するが、そのPHは、アルミナ
ヒドロゲル形成物質の原料の種類、PH調節剤の種
類及び濃度、温度、共存イオンの種類あるいは有
無等によつて異なる。普通の場合には、PH5以上
PH12以下がアルミナヒドロゲル沈殿領域である。 なお、工程(c)は工業的には工程(b)で得られた擬
ベーマイト連続流へのヒドロゲル形成物質の連続
的な添加によるような、流通式反応器で実施する
のが好ましい。 工程(d):アルミナヒドロゲルのアルミナへの変換 結晶成長し、かつ補強された疎凝集体としての
アルミナヒドロゲルは、洗浄と乾燥の組合せ操作
によりアルミナキセロゲルにした後、焼成して、
目的の形状、特性をもつ機械的強度の強い多孔質
アルミナ成形体とされる。共存する不要のイオン
又は不純物を除去するためにアルミナヒドロゲル
の状態あるいはおよびアルミナキセロゲルの状態
にて必要に応じて洗浄操作を行う。アルミナヒド
ロゲルからアルミナキセロゲルへの変換は、乾燥
によつて行うことができ、この乾燥の方法は一般
に室温以上200℃以下の温度にてアルミナヒドロ
ゲル中の水分が充分蒸発するような条件にて行わ
れる。焼成は、一般的には、300〜1200℃の温度
で目的の結晶形のアルミナに応じて行なわれる。
例えば、γ−アルミナが必要である場合には、
400〜800℃の温度にて焼成する。 工程(d)において使用目的に応じた形状のアルミ
ナ成形体を行うためには、アルミナヒドロゲルの
状態あるいはキセロゲルの状態、まれに焼成物の
状態にて成形が行なわれる。その方法はアルミナ
ヒドロゲルを調湿することによるゲル成形法でも
よく、アルミナキセロゲル粉末とバインダーによ
る成形法でもよい。また工程(d)における操作とし
ての洗浄、乾燥および焼成は目的に応じて省略し
てもよい。すなわち、工程(d)は、アルミナヒドロ
ゲルのアルミナへの変換方法であり、従来公知の
方法を採用することができる。 本発明による多孔質アルミナ成形体の工業的製
造は、前記した方法により有利に行われるもので
あり、特に本発明の方法においては、工程(b)と(c)
の組合せによる特別なアルミナヒドロゲルの形成
工程を採用したことにより、多孔質アルミナ成形
体の機械的強度を強くするとともに細孔構造を容
易に制御できるという大きな利点が得られる。 次に、本発明をさらに詳細に説明するために以
下に具体例を挙げて説明する。この具体例は本発
明の原理を具体的に説明するためのものであつ
て、これらの具体例に本発明が限定されるべきも
のではない。 なお、機械的強度としては、円柱状成形体の側
面圧壊強度をもつて説明するが、本発明でいう機
械的強度とは、側面圧壊強度だけでなく、摩耗粉
化度なども含む多孔質アルミナ自体の構造上に起
因する機械的強度を意味する。本発明の具体的説
明を明解にするため側面圧壊強度をもつて代表さ
せる。また、アルミナ成形体の細孔分布の測定
は、マーキユリー・プレツシヤー・ポロシメータ
ーモデル70(イタリア国ミラノ市所在のカルセ・
エルバ社製)を用い、いわゆる水銀圧入法で求め
た。水銀の表面張力は25℃で474dyne/cmとし、
接触角は140゜とし、絶対水銀圧力を1〜2000Kg/
cm2まで変化させて測定した。 比較例 1 Al2O3濃度40g/の硝酸アルミニウム水溶液
0.10と脱イオン水10をホーローびき容器にと
り、90℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液
0.35を瞬時に投入したところ、白濁し、PH9.5
のアルミナヒドロゲル水溶液が得られた。このア
ルミナヒドロゲル水溶液に撹拌しながら、10分後
に第1段操作として、上記硝酸アルミニウム水溶
液を0.10加えたところPHは3.5を示した。この
液を90℃に保ちつつ撹拌をつづけ、5分後に上記
アルミン酸ソーダ水溶液を0.35加えたところPH
は10となつた。この硝酸アルミニウムとアルミン
酸ソーダを交互に一定時間おいて加える操作を5
回繰り返しアルミナヒドロゲルスラリーを調製
し、濾過し、脱イオン水10に再分散し、濾過洗
浄を3回繰り返してアルミナヒドロゲルのケーキ
を得た。このケーキを押し出し成形機で1.6mmφ
に成形し、押し出し成形物を120℃で6時間乾燥
後、500℃で3時間焼成して、アルミナR1を得
た。 上記操作において、他の操作を同一としPHをス
イングさせる繰り返しを11回としてアルミナR2
を得た。得られた各アルミナの性状を表−1に示
す。 比較例 2 Al2O3濃度40g/の硝酸アルミニウム水溶液
0.10と脱イオン水10をホーローびき容器にと
り、90℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液
0.35を瞬時に投入したところ、白濁し、PH9.5
のスラリー状水酸化アルミニウム水溶液が得られ
た。これを種子水酸化アルミニウムとして、これ
にAl2O3濃度8g/の硝酸アルミニウム水溶液
を0.29/hr、Al2O3濃度69g/のアルミン酸
ソーダ水溶液を0.20/hrの速度にて定速注入器
を用いて異なる注入口より連続的に添加した。添
加操作を続けた6時間の間は温度90℃、PH9〜10
であつた。注入開始より3時間、6時間の時点で
0.3ずつサンプリング液を採取し、濾過し、脱
イオンで洗浄しケーキを1.6mmφの押し出し成形
し、120℃で6時間乾燥し、その後500℃で3時間
焼成し、アルミナ担体R3(注入開始後3時間後)、
R4(注入開始後6時間後)を得た。その性状を表
−1に示す。R3、R4は、細孔容積は大きいが、
分布がブロードで、時に表面積が小さくなる400
Å以上の細孔径部分に容積をもつている。しかも
機械的強度が小さい。 実施例 1 Al2O3濃度40g/の硝酸アルミニウム水溶液
0.10と脱イオン水10をホーローびき容器にと
り、90℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液
0.35を瞬時に投入したところ、白濁し、PH9.5
のアルミナヒドロゲル水溶液が得られた。こアル
ミナヒドロゲル水溶液に撹拌しながら、10分後に
第1段操作として、上記硝酸アルミニウム水溶液
を0.10加えたところPHは3.5を示した。この液
を90℃に保ちつつ撹拌をつづけ、5分後に上記ア
ルミン酸ソーダ水溶液を0.35加えたところPHは
10となつた。この硝酸アルミニウムとアルミン酸
ソーダとを交互に一定時間おいて加える操作を5
回繰り返し種子アルミナヒドロゲル水溶液を得
た。これにAl2O3濃度8g/の硝酸アルミニウ
ム水溶液を0.29/hr、Al2O3濃度69g/のア
ルミン酸ソーダ水溶液を0.20/hrの速度にて定
速注入器を用いて異なる注入口より連続的に3時
間添加した。添加操作を続けた3時間の間は温度
90℃、PH9〜10であつた。この液を濾過し、脱イ
オン水10に再分散し濾過する操作による洗浄を
3回繰り返してケーキを得た。このケーキを、固
形分濃度約25%の状態で1.6mmφの孔のダイスを
有する押し出し成形機で円柱状に成形し、温度
120℃で6時間乾燥した。その後電気炉に入れて
空気を吹きこみながら500℃で3時間焼成して、
アルミナ成形体Aを得た。このものは、表−1に
示されるように、比較例のアルミナの性状とは異
なり、大細孔径でありながらシヤープな細孔分布
をもつとともに、機械的強度にも優れている。 実施例 2 市販特級の濃硝酸1652gを5の脱イオン水に
溶解し硝酸水溶液を調製した。この硝酸水溶液
0.165と脱イオン水10をホーローびき容器に
とり、95℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液0.4
を瞬時に投入したところ、PH10水溶液が得られ
た。これを種子水酸化アルミニウムとして用い、
撹拌をつづけ、15分後に第1操作として上記硝酸
水溶液を0.165加えたところ、PH2.5を示した。
この液を95℃に保ちつつ撹拌をつづけ、5分後に
上記アルミン酸ソーダ水溶液を0.4を加えたと
ころPHは11を示した。この硝酸とアルミン酸ソー
ダとを交互に一定時間おいて加える操作を繰り返
し、8段終了後、15分保持した後、これにAl2O3
濃度8g/の硫酸アルミニウム水溶液を0.29
/hr、Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ
水溶液を0.20/hrの速度にて定速注入器を用い
て異なる注入口より連続的に添加した。添加操作
を続けた3時間の間は温度は90℃、PH9〜10であ
つた。この溶液を用いて、実施例1と同様の操作
でアルミナBを得た。このアルミナBの性状を表
−1に示す。このアルミナBは極めてシヤープな
細孔分布をもち、かつ優れた機械的強度をもつ。
らに詳しくは、触媒担体として好適な細孔構造に
調節された多孔質アルミナ成形体の製造方法に関
するものである。 アルミナは、多孔質無機酸化物の中でも、その
安定でかつ活性な表面の性質のため、広く、触媒
担体、吸着剤、充填剤、などの基材として用いら
れている。例えば、γ−アルミナは、触媒担体と
して広く用いられているが、それは、比表面積が
大きく、かつ活性金属種の担持分散性が高く、機
械的強度が優れていることによるものである。一
般に、触媒担体としては、比表面積が大きいだけ
でなく、その表面へ反応分子が容易に接近でき、
かつ生成物が離脱できる大きさの細孔径を有する
ことが要求される。すなわち、通常、触媒作用
は、触媒の表面上で行われるが、反応分子や生成
分子のサイズが大きい場合には拡散の抵抗が生じ
たり、特定サイズ以上の分子だけしか表面に近づ
けなかつたりするので、触媒の比表面積だけでな
く、細孔径およびその分布が触媒の性能を支配す
る。一般的には、細孔径を大きくすると表面積が
少くなつてくる。これを補うには細孔容積を増大
させなければならない。しかし、細孔容積を大き
くしようとすると、機械的強度を無視することに
なり実用に耐えなくなる。 アルミナ成形体の細孔径、細孔容積および細孔
径分布などの細孔構造を制御するには一般的に、
構成する基本粒子の大きさおよび形状とその充填
状態を調節することにより、その粒子間に形成さ
れる細孔の大きさおよび量を調節することによつ
て実現しうる。例えば、大きな基本粒子からは大
きな細孔径をもつ成形体が、疎な充填状態からは
大きな細孔径をもち、かつ大きな細孔容積をもつ
成形体が、繊維状粒子からは、大きな細孔径をも
つ成形体が、そして粒子のそろつたものからは、
細孔容積が大きくかつ細孔径分布のシヤープな成
形体がそれぞれ得られる。したがつて、細孔構造
の制御された多孔質成形体を得るためには、基本
粒子が特定のサイズにそろつていて、かつ疎な充
填を容易にするような繊維状であることが必要で
ある。このようなアルミナヒドロゲルの製造方法
に関しては、本出願人はすでに特開昭56−120508
号公報において開示している。すなわち、ヒドロ
ゲル形成物質を原料とし、これから多孔質無機酸
化物を製造する方法において、(1)ヒドロゲル形成
物質からその種子ヒドロゲルを得る工程及び、(2)
該ヒドロゲルのPHをヒドロゲル溶解領域とヒドロ
ゲル沈殿領域との間を交互に変動させるると共
に、ヒドロゲル溶解領域及びヒドロゲル沈殿領域
の少なくとも1方の領域へのPH変動に際して、ヒ
ドロゲル形成物質を添加し最終的に結晶成長した
ヒドロゲルを得る工程からなる方法を明らかにし
ている。この方法によつて比較的基本粒子のそろ
つたゲルを得ることができる。また、本出願人
は、繊維状基本粒子をもつアルミナヒドロゾルに
関しては、特開昭55−27830号公報において、開
示すると共に、さらに、非常に粒子のそろつた繊
維状基本粒子であるベーマイト粒子からなるアル
ミナヒドロゾルに関しては、特開昭57−97316号
明細書において開示している。 以上の事実をまとめると、基本粒子が特定のサ
イズにそろつていて、かつ、疎な充填になるよう
な繊維状基本粒子からなるアルミナ成形体の原料
となるアルミナヒドロゲルは、(a)アルミナヒドロ
ゲル形成物質からアルミナヒドロゲルを得る工程
と、(b)該アルミナヒドロゲルのPHを、アルミナヒ
ドロゲル溶解領域とベーマイトゲル沈殿領域との
間を交互に変動させると共に、アルミナヒドロゲ
ル溶解領域及びベーマイトゲル沈殿領域の少なく
とも一方、好ましくは、ベーマイトゲル沈殿領域
へのPH変動に際して、アルミナヒドロゲル形成物
質を添加し、結晶成長させる工程により、ベーマ
イトゲルとして得られる。 しかしながら、このようなゲルを乾燥してキセ
ロゲルにした後、焼成してアルミナに変換した場
合には、本発明の目的とするような細孔構造が充
分制御されたアルミナ成形体を得ることはできな
い。単に乾燥し、焼成した場合には、機械的強度
が非常に弱いものとなる。これは疎凝集の構造が
非常に弱いためと考えられる。機械的強度を増す
方法としては、公知のように、バインダーを用い
ることも考えられるが、バインダーを添加する方
法によつては充分には機械的強度を向上させるこ
とはできない。バインダーは、通常、凝集構造が
強いものの結合には効果的であるが、凝集構造が
弱い場合には、凝集体同志の結合は補強されても
凝集体内部は補強され難い。一般に凝集体内部を
補強することを目的としてバインダーを混合する
場合、せん断力により基本粒子の凝集状態の組か
えを生じさせるために混練操作を行うが、しかし
ながら、この操作を上記キセロゲルに施した場合
には、細孔構造が非常に好ましくないものへ変化
してしまう。また、ヒドロゲルケーキへバインダ
ーを混合しても、補強効果は見い出されない。し
たがつて、機械的強度の強いアルミナ成形体を得
るには、原料とするアルミナヒドロゲルとして
は、疎凝集体での基本粒子同志が強固に結合した
ものが必要となる。 本発明者らは、前記工程(a)及び(b)によつて得ら
れる中間的に結晶成長したベーマイト粒子からな
るアルミナヒドロゲルをアルミナヒドロゲル沈殿
領域に保持しながら、これにアルミナヒドロゲル
形成物質を連続流にて添加して結晶成長させる時
には、補強された疎凝集体としてのアルミナヒド
ロゲルが得られ、このものをアルミナキセロゲル
にした後、焼成することによつて、細孔構造の充
分制御されたアルミナ成形体が得られることを見
出し、本発明を完成するに到つた。 即ち、本発明によれば、アルミナヒドロゲル形
成物質を原料とし、これから多孔質アルミナ成形
体を製造する方法において、 (a) アルミナヒドロゲル形成物質からアルミナヒ
ドロゲルを得る工程; (b) 該アルミナヒドロゲルのPHを、アルミナヒド
ロゲル溶解領域とベーマイトゲル沈殿領域との
間を交互に変動させると共に、アルミナヒドロ
ゲル溶解領域及びベーマイトゲル沈殿領域の少
なくとも一方の領域へのPH変動に際して、アル
ミナヒドロゲル形成物質を添加し、結晶成長し
たベーマイトゲルを得る工程; (c) 該ベーマイトゲルをアルミナヒドロゲル沈殿
領域に保持しながらアルミナヒドロゲル形成物
質を連続流にて添加し、最終的に結晶成長し、
疎凝集体を形成したアルミナヒドロゲルを得る
工程; (d) 該アルミナヒドロゲルを洗浄と乾燥の組合せ
操作によりアルミナヒドロゲルにした後、焼成
してアルミナに変換する工程; を含むことを特徴とする均一多孔質アルミナ成形
体の製造方法が提供される。 本発明で用いる工程(c)においては、ベーマイト
微結晶子は、単独で成長するだけでなく、ベーマ
イト微結晶子同志が既に疎凝集構造をとつている
ため、ベーマイト微結晶子同志の接触している部
分へもアルミナヒドロゲル形成物質が沈着し、結
果的にはそれらの微結晶子同志が接触点において
1体化する。従つて、全体的に見た疎凝集構造
は、基本粒子の接触点が補強された形で極めて強
くなる。この工程(c)の代りに、工程(b)によつてベ
ーマイト粒子の結晶成長を押しすすめると、PH変
動によつて、繰り返し微少なアルミナヒドロゲル
の基本粒子が溶解されることになると共に、さら
にベーマイト微結晶子同志の接触点に沈着し、補
強する作用をするアルミナヒドロゲルもまた消失
することとなり、その結果、弱い疎凝集体しか得
られない。また、工程(b)の代りに、工程(c)によつ
て結晶成長の全てを行うと、ベーマイト基本粒子
が不ぞろいとなり、ブロードな細孔構造のアルミ
ナ成形体しか得られなくなる。工程(c)によつて得
られる最終的に結晶成長し、かつ補強された疎凝
集体としてのアルミナヒドロゲルは洗浄と乾燥の
組合せ操作によりアルミナキセロゲルにした後、
焼成してアルミナに変換する工程を含む操作によ
り多孔質アルミナ成形体にすることができる。 以上の工程(a)、(b)、(c)、(d)によつて、機械的強
度が強く細孔構造が充分制御された多孔質アルミ
ナ成形体の製造が可能となるわけである。このよ
うに簡便でかつ迅速に機械的強度が強くかつ目的
とする細孔径部分に細孔容積を非常に多く集中さ
せたアルミナ成形体を得ることは、従来の方法で
は全く不可能である。 本発明の多孔質アルミナ成形体の製造におい
て、アルミナヒドロゲル形成のために用いる出発
原料は、元素としてアルミニウムを含有する化合
物である。例えば、金属アルミニウム(Al)、塩
化アルミニウム(AlCl3、AlCl3・6H2O)、硝酸
アルミニウム〔Al(NO3)3・9H2O〕、硫酸アルミ
ニウム〔Al2(SO4)3、Al2(SO4)3・18H2O〕、ポリ
塩化アルミニウム{〔Al2(OH)nCl6−n〕m(1
<n<5、m<10)}、アンモニウムみようばん
〔(NH4)2SO4・Al2(SO4)3・24H2O〕、アルミン酸
ソーダ(NaAlO2)、アルミン酸カリ(KAlO2)、
アルミニウムイソプロポキシド{Al〔OCH
(CH3)2〕3}、アルミニウムエトキシド〔Al
(OC2H5)3〕、アルミニウム・t−ブトキシド
{Al〔OC(CH3)3〕3}、水酸化アルミニウム〔Al
(OH)3〕等がある。好ましくは、アルミニウム
塩、例えば、塩化アルミニウム(AlCl3、
AlCl3・6H2O)、硝酸アルミニウム〔Al
(NO3)3・9H2O〕、硫酸アルミニウム〔Al2
(SO4)3、Al2(SO4)3・18H2O〕、アルミン酸塩、
例えば、アルミン酸ソーダ(NaAlO2)、及び水
酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕等である。 次に、本発明の製造方法について工程別に述べ
る。 工程(a):種子アルミナヒドロゲルスラリーの生成 本発明において、種子アルミナヒドロゲルスラ
リーは、前述したアルミナヒドロゲル形成物質を
用いて形成される。アルミナヒドロゲルスラリー
中に含まれる粒子(アルミナヒドロゲル粒子)
は、後続のベーマイトゲル成長工程〔工程(b)〕に
おいて、アルミナヒドロゲル形成物質を添加して
ベーマイトゲルへと粒子成長させる場合の種子と
して使用するもので、アルミナヒドロゲルスラリ
ー中には通常水酸化物の形で存在する。この種子
アルミナヒドロゲルスラリーは、一般に、従来公
知の方法に従つて製造される。すなわち、不均一
沈殿法、均一沈殿法、イオン交換法、加水分解法
及び金属溶解法などの慣用の方法を採用すること
ができる。 不均一沈殿法は、ヒドロゲル形成物質を、酸性
又はアルカリ性容液で中和にする方法である。例
えば、硝酸アルミニウムや硫酸アルミニウムの溶
液に中和剤としてアンモニア、水酸化ナトリウム
などを撹拌しながら添加するか、あるいはアルカ
リ金属塩やアンモニウム塩の溶液に中和剤として
塩酸や硫酸を加えて中和し、アルミニウム水酸化
物に変換する。具体的には、硝酸アルミとアルミ
ン酸ソーダ、硫酸アルミニウムとアルミン酸ソー
ダの組合せによる中和反応による方法を含む。 均一沈殿法は、原理的には前記不均一沈殿法と
同じであるが、中和時の中和剤濃度を均一に保
ち、沈殿を均一に行わせる点で異なる。例えば、
アルミナヒドロゲル形成物質を酸性塩の形で含む
溶液から均一沈殿を行う場合、中和剤として、尿
素、ヘキサメチレンテトラミン等のアンモニア放
出性物質を用いる。具体的には、硝酸アルミニウ
ムあるいは硫酸アルミニウムを含む溶液に、必要
量の尿素を溶解し、この混合溶液を撹拌しながら
徐々に加熱し、中和剤を徐々に分解してアンモニ
アを放出させ、この放出アンモニアによつてアル
ミニウム塩を徐々に中和してアルミナヒドロゲル
に変換させる方法を含む。 イオン交換法は、アルミナヒドロゲル形成物質
の溶液中に共存する陽イオン又は陰イオンをイオ
ン交換樹脂を用いることによつてイオン交換し、
コロイド状のゲルを生成させる方法である。市販
のコロイダルアルミナと呼ばれるものは、通常、
これらの方法によつて製造されたものである。 加水分解法は、加水分解状アルミナヒドロゲル
形成物質を水に添加することによつて加水分解反
応を起させアルミナヒドロゲルスラリーを生成さ
せる方法である。具体的には、アルミニウムイソ
プロポキシドのアルコール溶液の反応などが含ま
れる。 金属溶解法としては、アルミニウム、金属粉末
を沸騰状態の硝酸アルミニウムあるいは硫酸アル
ミニウム溶液へ投入することによつて塩基性の水
酸化アルミニウムを生成させるなどの方法があ
る。 以上のように、種子アルミナヒドロゲルは当業
者に熟知された種々の方法によつて製造すること
ができる。また、生成アルミナヒドロゲルの変性
方法にも種々の方法があるが、これらの種子ヒド
ロゲルスラリーの製造に関する事項は、当業者に
熟知されていることであつて、本発明の方法は、
これらの事項によつて限定されるものではない。
したがつて、この種子ヒドロゲルスラリーの製造
は、出発原料として用いるヒドロゲル形成物質の
種類及び目的とする製品の物性に応じて適当に行
えばよい。場合によつては、市販のアルミナヒド
ロゾルをそのまま用いることができる。また、工
程(b)におけるPH変動剤とアルミナヒドロゲル形成
物質の組合せにおいて、調製することも可能であ
る。この場合には、工程(a)と工程(b)が途中で分離
操作などのはん雑な作業なしに、連続する操作に
おいて遂行できるという利点を持つ。当然のこと
ではあるが、同一の試薬を用い同一の条件におい
ても遂行できる。この種子アルミナヒドロゲルス
ラリーの濃度は特に限定されず、全体が撹拌可能
な範囲であればよく、通常は10重量%以下、特に 0.1〜5重量%程度である。 工程(b):種子ヒドロゲルのベーマイトゲルへの均
一成長 本発明の方法は、このアルミナ種子ヒドロゲル
のベーマイトゲルへの均一成長過程と不均一な基
本粒子となる微小アルミナヒドロゲル粒子の選択
溶解過程を含む。この工程においては、ベーマイ
ト微粒子を非常に均一に成長させることができ
る。この工程においては、前記で得たアルミナ種
子ヒドロゲルのPHを、アルミナヒドロゲル溶解領
域とベーマイトゲル沈殿領域との間を交互に変動
させると共に、アルミナヒドロゲル溶解領域及
び/又は、ベーマイトゲル沈殿領域に変動させる
際に、好ましくはベーマイトゲル沈殿領域への変
動に際してのみに、前記したアルミナヒドロゲル
形成物質あるいは、PH調節剤を単独又は混合物の
形で添加し、ベーマイトゲルの沈殿を得る。な
お、本発明でいうアルミナヒドロゲルとは、ベー
マイトは勿論のこと、バイヤライト、無定形アル
ミナヒドロゲルなどアルミナヒドロゲル一般を意
味する。またベーマイトゲルは、アルミナヒドロ
ゲルの中でも繊維状を呈する微細なベーマイト結
晶子より成り、この結晶子が凝集した場合には、
他のアルミナヒドロゲルと比べて著しく疎な凝集
体を形成する。したがつて、工程(b)において得ら
れるゲルは、バイヤライトや無定形アルミナヒド
ロゲルなどの他種結晶子、粒子の混入が少い均一
なベーマイト微結晶子からだけ成ることを意味し
て製造される。本発明でいうベーマイトゲル沈殿
領域とは、ベーマイト微結晶子の成長を生起させ
得る条件下でのPH領域をいい、アルミナヒドロゲ
ル溶解領域とは、アルミなヒドロゲルの微細粒子
を可溶化し得る範囲のPH領域をいう。従つてベー
マイトゲル沈殿領域においては、溶解領域で溶解
した微細なアルミナヒドロゲル粒子、およびPH変
動に際して添加されたアルミナヒドロゲル形成物
質が、大きなヒドロゲル粒子、すなわちベーマイ
ト微晶子に迅速に吸蔵され、より大きなベーマイ
ト微結晶子へ結晶成長し、一方、アルミナヒドロ
ゲル溶解領域においては、混在する微細なアルミ
ナヒドロゲル粒子が溶解され、ある程度の大きさ
に成長したベーマイト微結晶子のみが存在するよ
うになる。本発明の工程(b)においては、アルミナ
ヒドロゲルスラリーに対して、アルミナヒドロゲ
ル形成物質の添加を行いながら、ヒドロゲルスラ
リーのPH変動を繰返し行うことによつて、粒子の
大きさが均一化されたアルミナヒドロゲル粒子の
沈殿を得る。要するに、アルミナヒドロゲルスラ
リー中に存在する粒子が不均一であつた場合に、
微粒子ほど溶解されやすく、成長しやすいという
性質を利用して、反応系内を溶解条件下と成長条
件下に交互にまた繰返し変動させることにより、
種子アルミナヒドロゲルの均一ベーマイト粒子へ
の成長を行なわせること、即ち、ベーマイト微結
晶への均一成長を実現する。 アルミナヒドロゲルPHのアルミナヒドロゲルの
溶解領域又はベーマイトゲルの沈殿領域への変動
は、PH調節剤を用いて行う。このPH調節剤として
は、アルミナヒドロゲル形成物質それ自体を用い
てもよいし、非アルミナヒドロゲル形成物質を用
いてもよい。しかし少なくとも一方の領域への変
動に際して使用するPH調節剤としては、アルミナ
ヒドロゲル形成物質自体であることが好ましい。
更に好ましくは、ベーマイトゲル沈殿領域へのPH
変動に際してだけPH調節剤としてアルミナヒドロ
ゲル形成物質を用いる。即ち、アルミナヒドロゲ
ル形成物質の多くは、水に溶解した状態で酸性あ
るいはアルカリ性を示すので、PH調節剤として用
いることができる。例えば酸性を示すものとして
は、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸
アルミニウムなど、アルカリ性を示すものとして
は、アルミン酸ソーダなどがある。しかし、これ
らの物質は、相当するアルミニウムを含有しない
酸あるいはアルカリに比べるとより中性すなわち
ベーマイトゲル沈殿領域へかたむく。例えば、硫
酸アルミニウム、硫酸を比較すると、硫酸アルミ
ニウムの方がより高いPHを示し、アルミン酸ソー
ダとカセイソーダを比較するとアルミン酸ソーダ
の方がより低いPHを示す。添加するPH調節剤は、
そのPH変動の方向すなわちアルミナヒドロゲル溶
解領域あるいはベーマイト沈殿領域のどちら領域
へPHを変動させるかによつて好ましい物質が異な
る。アルミナヒドロゲル溶解領域への変動は、そ
の目的が微小粒子の溶解であることから、PH調節
剤としては、非アルミナヒドロゲル形成物質を用
い、ベーマイトゲル生成領域への変動に際して
は、その目的が安定にベーマイト結晶子を結晶成
長させることにあるから、PH調節剤としては、ア
ルミナヒドロゲル形成物質を用いることによつ
て、非常に均一なベーマイト粒子の凝集体を得る
ことができる。即ち、アルミナヒドロゲル形成物
質が、例えば、アルミン酸ソーダなどのアルカリ
性物質である場合、この物質をベーマイトゲル生
成領域への変動に際するPH調節剤として用い、酸
性の非アルミナヒドロゲル形成物質、例えば、硝
酸、塩酸、硫酸などをアルミナヒドロゲル溶解領
域へのPH変動を行うPH調節剤として用いることが
できる。またアルミナヒドロゲル形成物質が、例
えば硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化
アルミニウムなど酸性物質である場合、この物質
をベーマイトゲル生成領域への変動に際するPH調
節剤として用い、アルカリ性の非アルミナヒドロ
ゲル形成物質、例えばカセイソーダなどをアルミ
ナヒドロゲル溶解領域へのPH変動を行うPH調節剤
として用いることができる。 本発明の工程(b)においては、アルミナ種子ヒド
ロゲルから均一に結晶成長したベーマイト粒子か
らなるゲルを得るために、アルミナヒドロゲルス
ラリーのPHをベーマイトゲル沈殿領域からアルミ
ナヒドロゲル溶解領域に変動させた後、再びベー
マイトゲル沈殿領域に変動させるというアルミナ
ヒドロゲルの周期的なPHの変動を繰り返し行う操
作を含み、この繰返し回数によつて工程(b)から得
られるベーマイト微結晶子のサイズが制御され
る。この繰返し回数は、1回以上、通常2〜20回
の範囲である。アルミナヒドロゲル形成物質は、
この繰返し回数に応じて分割し、アルミナヒドロ
ゲルスラリーのPHを変動させる際に添加される。
1回当りに添加されるアルミナヒドロゲル形成物
質の量は、全添加操作を通じて、反応槽内が均一
な撹拌状態に保たれ、均一なアルミナヒドロゲル
濃度が得られるような範囲である。アルミナヒド
ロゲル粒子濃度が高くなりすぎると、アルミナヒ
ドロゲルスラリーの均一撹拌が困難になり、アル
ミナヒドロゲル粒子の均一な成長が阻害されるよ
うになるので好ましくない。一般には1回当りに
添加されるアルミナヒドロゲル形成物質の量は、
酸化物として計算して、アルミナヒドロゲルスラ
リーに含まれる酸化物として計算されたヒドロゲ
ルに対して2〜200%である。 アルミナヒドロゲルスラリーをアルミナヒドロ
ゲル溶解領域に保持する時間は、添加されたアル
ミナヒドロゲル形成物質から生じた新しい微細な
アルミナヒドロゲルを溶解するのに十分で、かつ
均一に結晶成長したベーマイト結晶子を不必要に
溶解しない適切な長さをとる必要がある。この保
持時間は、溶解領域のPHの値と密接な関係にあ
り、これに見合つた適切な時間をとる必要があ
る。この保持時間は、通常、PH変動後、約1分〜
60分の範囲であり、アルミナヒドロゲル溶解領域
のPHが酸性の場合は、PHの値が小さい程、アルカ
リ性の場合は、PHの値が大きい程、保持時間は短
くする必要がある。例えば、PHが2〜5の範囲
で、保持時間は約1分〜30分の間である。アルミ
ナヒドロゲルスラリーをPH変動後ベーマイトゲル
沈殿領域に保持する時間は、添加したアルミナヒ
ドロゲル形成物質と溶解領域で溶解した微細なア
ルミナヒドロゲル粒子とが、均一な大きさなつた
ベーマイトゲル粒子に吸蔵され、新たなベーマイ
トゲル粒子の結晶成長が起るために充分なもの
で、かつ成長した結晶粒子が安定な形に落着くま
でのものである。通常、この時間は、溶解領域に
保持する時間より長く、約1分〜10時間である。
しかし、この場合にも長時間の保持は、むしろ逆
効果となる。長時間のベーマイトゲル沈殿領域で
の保持は、次のPH変動でアルミナヒドロゲル溶解
領域での溶解されるべき微細アルミナヒドロゲル
粒子のベーマイトゲル微結晶子への成長を引き起
すこととなり、ベーマイトゲル粒子は不均一なも
のとなつてしまう。アルミナヒドロゲルスラリー
のアルミナヒドロゲル溶解領域およびベーマイト
ゲル沈殿領域は、そのPHによつて制御するが、そ
のPHは、アルミナヒドロゲル形成物質の原料の種
類、PH調節剤の種類及び濃度、温度、共存塩の種
類あるいはその有無等によつて異なる。普通の場
合は、PH5以下およびPH12以上がアルミナヒドロ
ゲル溶解領域であり、PH6〜11がベーマイトゲル
沈殿領域である。特にベーマイトゲルが安定に結
晶成長するのはPH9〜10付近である。アルミナヒ
ドロゲルスラリーの温度は、アルミナヒドロゲル
粒子の溶解速度及びベーマイトゲルの生成速度に
影響を与えるとともに得られる粒子の結晶形も左
右する。アルミナヒドロゲルは、室温では無定形
の水酸化アルミニウムを与え、50℃以上ではベー
マイト微結晶を与える。したがつて、50℃以上で
操作するのが好ましい。 工程(c):連続流による疎凝集体の補強 本発明の方法は、前記工程(a)及び(b)で得られた
均一なベーマイトゲル粒子の凝集構造の補強過程
を含む。この工程においては、工程(b)で得たベー
マイトゲルのPHをアルミナヒドロゲル沈殿領域に
保持しながら、これにアルミナヒドロゲル形成物
質を連続流にて添加し、最終的に結晶成長し、か
つ補強された疎凝集体としてのアルミナヒドロゲ
ルを得る。この工程においては、前記で得たベー
マイトゲルにアルミナヒドロゲル形成物質とPH調
節剤をPHがアルミナヒドロゲル沈殿領域に保持さ
れるような添加方法、例えば、同時に連続的に添
加する操作により、ベーマイトゲルの均一な構成
粒子は成長し、疎凝集体を形成しながらその疎凝
集構造が補強されることとなる。アルミナヒドロ
ゲル形成物質とPH調節剤を添加すると反応に富ん
だ活性水酸化アルミニウムに転化する。この活性
な水酸化アルミニウムは、ベーマイト微結晶が共
存する系では、ベーマイト微結晶に吸蔵されそれ
を成長させるとともに、その疎凝集体を形成させ
ることができ、さらにベーマイト微結晶の疎凝集
体の存在する系では、疎凝集体の構造の微結晶同
志の接触点に吸蔵され、補強することができる。
しかし、ベーマイト微結晶に対してあまりにも多
くの活性水酸化アルミニウムが共存すると、その
活性水酸化アルミニウムの一部は、ベーマイト微
結晶自身あるいは微結晶同志の接触点に吸蔵され
ずに、活性水酸化アルミニウム同志の合体により
非常に微細なベーマイト粒子が不均一なものとな
る、いわゆる、結晶成長における2次核の発生に
類似した現象が生じ、結果として、疎凝集体を形
成するベーマイト粒子が不均一なものとなり、そ
のため得られるアルミナ成形体は機械的強度は強
くなるが、細孔構造の調節が難しくなる。また、
アルミナヒドロゲル形成物質の添加速度が小さす
ぎても不利な点が存在する。即ち、系内の活性水
酸化アルミニウムが疎凝集体を形成するのに不十
分な量のときには、部分的な疎凝集体の形成しか
行なわれず、疎凝集体としての成長、補強が不均
一となる。したがつて、アルミナヒドロゲル形成
物質を添加する速度は、ベーマイト微結晶成長お
よび疎凝集体の形成補強を実現するに適当な値で
あり、なおかつ新たなるベーマイト微結晶の生成
が少いような範囲に選ぶべきである。この値は、
工程(b)で得られるベーマイトに対して、アルミニ
ウムモル比で1時間当り、通常5〜500%(即ち、
ベーマイトゲル中のAl1モルに対し1時間当り
0.05〜5モルの割合)の範囲の中から選ばれる。 また工程(c)において添加するアルミナヒドロゲ
ル形成物質の総量は、工程(b)において得られたベ
ーマイトゲルの量によつて適当な値が決められ
る。添加する総量が多すぎると均一にそろつた粒
子からなるベーマイトゲルの成長、凝集、凝集体
の補強だけでなく、別個にアルミナヒドロゲル微
細粒子の形成をもたらし、得られるアルミナ成形
体の細孔構造を制御することが難しくなる。また
添加する総量が少すぎると、ベーマイトゲルの成
長や、凝集だけの働きにとどまり、凝集体の補強
の働きをしないため得られるアルミナ成形体の機
械的強度は極めて弱いものとなる。したがつて工
程(c)において添加するアルミナヒドロゲル形成物
質の総量は、ベーマイト微結晶の疎凝集体の形成
および補強を実現するために充分な値であり、な
おかつ新たなるベーマイト微結晶子の生成が少い
ような範囲に選ぶべきである。この値は、工程(b)
で得られるベーマイトゲルに対して、アルミニウ
ムモル比で通常20〜200%の範囲の中から選ばれ
る。なお当然のことではあるが、工程(a)、(b)およ
び(c)で系内へ導入されるアルミナヒドロゲル形成
物質の合計量は、全工程を通じて反応槽内が均一
な撹拌状態に保たれ、均一なアルミナヒドロゲル
濃度が得られるような範囲に選ぶべきであり、例
えば汎用の回転羽根によるゆるやかな撹拌によつ
て本発明の方法を行うときには、Al2O3として5
重量%以下に保つことが好ましい。 工程(c)において使用するアルミナヒドロゲル形
成物質およびPH調節剤は、工程(b)において使用し
たものと同じものでもよいし、異なつてもかまわ
ない。すなわち、PH調節剤としては、アルミナヒ
ドロゲル形成物質を用いてもよいし、非アルミナ
ヒドロゲル形成物質であつてもよい。しかしPH調
節剤として非アルミナヒドロゲル形成物質を用い
る場合には、系内が微視的に見ても本発明の目的
に合うように配慮が必要となる。例えば、弱い酸
あるいはアルカリを用いるようにするとか、強い
酸あるいはアルカリを用いるときには、充分な撹
拌を行うことが必要である。したがつて、PH調節
剤としてもアルミナヒドロゲル形成物質を用いる
ことが好ましい。一般に、アルミナヒドロゲル形
成物質を用いる時には、相当するアルミニウムを
含有しない酸あるいはアルカリを用いる場合に比
べてより中性すなわちアルミナヒドロゲル沈殿領
域へかたむく。したがつて、これを使用すること
は、系内を微視的に見てもアルミナヒドロゲル沈
殿領域に保つことができ、一担疎凝集したベーマ
イト微結晶が部分的に再分散する現象が生ぜず、
均一な疎凝集体として保持されるので本発明の目
的にとつて好ましい。例えば、硝酸アルミニウム
とアルミン酸ソーダ、あるいは硫酸アルミニウム
とアルミン酸ソーダの組合せによつて工程(c)を行
うことができる。 アルミナヒドロゲル沈殿領域としては、ベーマ
イトゲル沈殿領域だけでなく、無定形アルミナヒ
ドロゲル、バイヤライトなどの沈殿領域も合せた
ものを意味する。アルミナヒドロゲル沈殿領域は
そのPHによつて制御するが、そのPHは、アルミナ
ヒドロゲル形成物質の原料の種類、PH調節剤の種
類及び濃度、温度、共存イオンの種類あるいは有
無等によつて異なる。普通の場合には、PH5以上
PH12以下がアルミナヒドロゲル沈殿領域である。 なお、工程(c)は工業的には工程(b)で得られた擬
ベーマイト連続流へのヒドロゲル形成物質の連続
的な添加によるような、流通式反応器で実施する
のが好ましい。 工程(d):アルミナヒドロゲルのアルミナへの変換 結晶成長し、かつ補強された疎凝集体としての
アルミナヒドロゲルは、洗浄と乾燥の組合せ操作
によりアルミナキセロゲルにした後、焼成して、
目的の形状、特性をもつ機械的強度の強い多孔質
アルミナ成形体とされる。共存する不要のイオン
又は不純物を除去するためにアルミナヒドロゲル
の状態あるいはおよびアルミナキセロゲルの状態
にて必要に応じて洗浄操作を行う。アルミナヒド
ロゲルからアルミナキセロゲルへの変換は、乾燥
によつて行うことができ、この乾燥の方法は一般
に室温以上200℃以下の温度にてアルミナヒドロ
ゲル中の水分が充分蒸発するような条件にて行わ
れる。焼成は、一般的には、300〜1200℃の温度
で目的の結晶形のアルミナに応じて行なわれる。
例えば、γ−アルミナが必要である場合には、
400〜800℃の温度にて焼成する。 工程(d)において使用目的に応じた形状のアルミ
ナ成形体を行うためには、アルミナヒドロゲルの
状態あるいはキセロゲルの状態、まれに焼成物の
状態にて成形が行なわれる。その方法はアルミナ
ヒドロゲルを調湿することによるゲル成形法でも
よく、アルミナキセロゲル粉末とバインダーによ
る成形法でもよい。また工程(d)における操作とし
ての洗浄、乾燥および焼成は目的に応じて省略し
てもよい。すなわち、工程(d)は、アルミナヒドロ
ゲルのアルミナへの変換方法であり、従来公知の
方法を採用することができる。 本発明による多孔質アルミナ成形体の工業的製
造は、前記した方法により有利に行われるもので
あり、特に本発明の方法においては、工程(b)と(c)
の組合せによる特別なアルミナヒドロゲルの形成
工程を採用したことにより、多孔質アルミナ成形
体の機械的強度を強くするとともに細孔構造を容
易に制御できるという大きな利点が得られる。 次に、本発明をさらに詳細に説明するために以
下に具体例を挙げて説明する。この具体例は本発
明の原理を具体的に説明するためのものであつ
て、これらの具体例に本発明が限定されるべきも
のではない。 なお、機械的強度としては、円柱状成形体の側
面圧壊強度をもつて説明するが、本発明でいう機
械的強度とは、側面圧壊強度だけでなく、摩耗粉
化度なども含む多孔質アルミナ自体の構造上に起
因する機械的強度を意味する。本発明の具体的説
明を明解にするため側面圧壊強度をもつて代表さ
せる。また、アルミナ成形体の細孔分布の測定
は、マーキユリー・プレツシヤー・ポロシメータ
ーモデル70(イタリア国ミラノ市所在のカルセ・
エルバ社製)を用い、いわゆる水銀圧入法で求め
た。水銀の表面張力は25℃で474dyne/cmとし、
接触角は140゜とし、絶対水銀圧力を1〜2000Kg/
cm2まで変化させて測定した。 比較例 1 Al2O3濃度40g/の硝酸アルミニウム水溶液
0.10と脱イオン水10をホーローびき容器にと
り、90℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液
0.35を瞬時に投入したところ、白濁し、PH9.5
のアルミナヒドロゲル水溶液が得られた。このア
ルミナヒドロゲル水溶液に撹拌しながら、10分後
に第1段操作として、上記硝酸アルミニウム水溶
液を0.10加えたところPHは3.5を示した。この
液を90℃に保ちつつ撹拌をつづけ、5分後に上記
アルミン酸ソーダ水溶液を0.35加えたところPH
は10となつた。この硝酸アルミニウムとアルミン
酸ソーダを交互に一定時間おいて加える操作を5
回繰り返しアルミナヒドロゲルスラリーを調製
し、濾過し、脱イオン水10に再分散し、濾過洗
浄を3回繰り返してアルミナヒドロゲルのケーキ
を得た。このケーキを押し出し成形機で1.6mmφ
に成形し、押し出し成形物を120℃で6時間乾燥
後、500℃で3時間焼成して、アルミナR1を得
た。 上記操作において、他の操作を同一としPHをス
イングさせる繰り返しを11回としてアルミナR2
を得た。得られた各アルミナの性状を表−1に示
す。 比較例 2 Al2O3濃度40g/の硝酸アルミニウム水溶液
0.10と脱イオン水10をホーローびき容器にと
り、90℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液
0.35を瞬時に投入したところ、白濁し、PH9.5
のスラリー状水酸化アルミニウム水溶液が得られ
た。これを種子水酸化アルミニウムとして、これ
にAl2O3濃度8g/の硝酸アルミニウム水溶液
を0.29/hr、Al2O3濃度69g/のアルミン酸
ソーダ水溶液を0.20/hrの速度にて定速注入器
を用いて異なる注入口より連続的に添加した。添
加操作を続けた6時間の間は温度90℃、PH9〜10
であつた。注入開始より3時間、6時間の時点で
0.3ずつサンプリング液を採取し、濾過し、脱
イオンで洗浄しケーキを1.6mmφの押し出し成形
し、120℃で6時間乾燥し、その後500℃で3時間
焼成し、アルミナ担体R3(注入開始後3時間後)、
R4(注入開始後6時間後)を得た。その性状を表
−1に示す。R3、R4は、細孔容積は大きいが、
分布がブロードで、時に表面積が小さくなる400
Å以上の細孔径部分に容積をもつている。しかも
機械的強度が小さい。 実施例 1 Al2O3濃度40g/の硝酸アルミニウム水溶液
0.10と脱イオン水10をホーローびき容器にと
り、90℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液
0.35を瞬時に投入したところ、白濁し、PH9.5
のアルミナヒドロゲル水溶液が得られた。こアル
ミナヒドロゲル水溶液に撹拌しながら、10分後に
第1段操作として、上記硝酸アルミニウム水溶液
を0.10加えたところPHは3.5を示した。この液
を90℃に保ちつつ撹拌をつづけ、5分後に上記ア
ルミン酸ソーダ水溶液を0.35加えたところPHは
10となつた。この硝酸アルミニウムとアルミン酸
ソーダとを交互に一定時間おいて加える操作を5
回繰り返し種子アルミナヒドロゲル水溶液を得
た。これにAl2O3濃度8g/の硝酸アルミニウ
ム水溶液を0.29/hr、Al2O3濃度69g/のア
ルミン酸ソーダ水溶液を0.20/hrの速度にて定
速注入器を用いて異なる注入口より連続的に3時
間添加した。添加操作を続けた3時間の間は温度
90℃、PH9〜10であつた。この液を濾過し、脱イ
オン水10に再分散し濾過する操作による洗浄を
3回繰り返してケーキを得た。このケーキを、固
形分濃度約25%の状態で1.6mmφの孔のダイスを
有する押し出し成形機で円柱状に成形し、温度
120℃で6時間乾燥した。その後電気炉に入れて
空気を吹きこみながら500℃で3時間焼成して、
アルミナ成形体Aを得た。このものは、表−1に
示されるように、比較例のアルミナの性状とは異
なり、大細孔径でありながらシヤープな細孔分布
をもつとともに、機械的強度にも優れている。 実施例 2 市販特級の濃硝酸1652gを5の脱イオン水に
溶解し硝酸水溶液を調製した。この硝酸水溶液
0.165と脱イオン水10をホーローびき容器に
とり、95℃に加熱した後、激しく撹拌しながら、
Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ水溶液0.4
を瞬時に投入したところ、PH10水溶液が得られ
た。これを種子水酸化アルミニウムとして用い、
撹拌をつづけ、15分後に第1操作として上記硝酸
水溶液を0.165加えたところ、PH2.5を示した。
この液を95℃に保ちつつ撹拌をつづけ、5分後に
上記アルミン酸ソーダ水溶液を0.4を加えたと
ころPHは11を示した。この硝酸とアルミン酸ソー
ダとを交互に一定時間おいて加える操作を繰り返
し、8段終了後、15分保持した後、これにAl2O3
濃度8g/の硫酸アルミニウム水溶液を0.29
/hr、Al2O3濃度69g/のアルミン酸ソーダ
水溶液を0.20/hrの速度にて定速注入器を用い
て異なる注入口より連続的に添加した。添加操作
を続けた3時間の間は温度は90℃、PH9〜10であ
つた。この溶液を用いて、実施例1と同様の操作
でアルミナBを得た。このアルミナBの性状を表
−1に示す。このアルミナBは極めてシヤープな
細孔分布をもち、かつ優れた機械的強度をもつ。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルミナヒドロゲル成形物質を原料とし、こ
れから多孔質アルミナ成形体を製造する方法にお
いて、 (a) アルミナヒドロゲル形成物質からアルミナヒ
ドロゲルを得る工程; (b) 該アルミナヒドロゲルのPHを、アルミナヒド
ロゲル溶解領域とベーマイトゲル沈殿領域との
間を交互に変動させると共に、アルミナヒドロ
ゲル溶解領域及びベーマイトゲル沈殿領域の少
なくとも一方の領域へのPH変動に際して、アル
ミナヒドロゲル形成物質を添加し、結晶成長し
たベーマイトゲルを得る工程; (c) 該ベーマイトゲルをアルミナヒドロゲル沈殿
領域に保持しながらアルミナヒドロゲル形成物
質を連続流にて添加し、最終的に結晶成長し、
疎凝集体を形成したアルミナヒドロゲルを得る
工程; (d) 該アルミナヒドロゲルを洗浄と乾燥の組合せ
操作によりアルミナキセロゲルにした後、焼成
してアルミナに変換する工程; を含むことを特徴とする均一多孔質アルミナ成形
体の製造方法。 2 工程(b)におけるPH変動に際してのアルミナヒ
ドロゲル形成物質の添加を、ベーマイトゲル沈殿
領域へのPH変動に際してのみに行う特許請求の範
囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58164821A JPS6054917A (ja) | 1983-09-07 | 1983-09-07 | 均一多孔質アルミナ成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58164821A JPS6054917A (ja) | 1983-09-07 | 1983-09-07 | 均一多孔質アルミナ成形体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6054917A JPS6054917A (ja) | 1985-03-29 |
| JPH0256283B2 true JPH0256283B2 (ja) | 1990-11-29 |
Family
ID=15800552
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58164821A Granted JPS6054917A (ja) | 1983-09-07 | 1983-09-07 | 均一多孔質アルミナ成形体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6054917A (ja) |
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| WO2023042898A1 (ja) | 2021-09-17 | 2023-03-23 | 花王株式会社 | 内部オレフィンの製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| WO2019053956A1 (ja) | 2017-09-12 | 2019-03-21 | 花王株式会社 | オレフィンの製造方法 |
| WO2023042898A1 (ja) | 2021-09-17 | 2023-03-23 | 花王株式会社 | 内部オレフィンの製造方法 |
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| Publication number | Publication date |
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| JPS6054917A (ja) | 1985-03-29 |
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