JPH0260724B2 - - Google Patents
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- JPH0260724B2 JPH0260724B2 JP57090372A JP9037282A JPH0260724B2 JP H0260724 B2 JPH0260724 B2 JP H0260724B2 JP 57090372 A JP57090372 A JP 57090372A JP 9037282 A JP9037282 A JP 9037282A JP H0260724 B2 JPH0260724 B2 JP H0260724B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/0087—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for chains, for chain links
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
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Description
本発明は長尺で太径の高強度、高靭性チエーン
(ハイテンチエーン)の熱処理方法およびその装
置に関するものである。 近年、深海における石油掘削用リグおよび発電
装置等の海上浮遊構造物等の建設に伴ない、係留
用チエーンは長尺太径化する傾向にあり、さらに
軽量化のための高強度化が望まれている。 この用途に使用されるチエーンは、形状的には
使用する丸鋼の直径が70mmφ〜150mmφ、チエー
ンの全長が100m〜2000m、材質的には引張強度
が70Kg/mm2〜100Kg/mm2級であり、母材部の
シヤルピー試験による吸収エネルギーvEoは6Kg
−m以上、溶接部の吸収エネルギーvE−20は4
Kg−m以上が必要とされており、さらに氷海域
で使用されるチエーンには溶接部のシヤルピー衝
撃値としてvE−60で2.8Kg−m以上が求められ
ている。このような高強度高靭性を有するチエー
ンを製造するにはチエーン成形後焼入焼戻等の熱
処理が必須であるが、チエーン1本の長さが極め
て長く大重量であるため従来は次のような熱処理
方法が行なわれている。 ひとつはバツチ炉による熱処理方法である。こ
の場合には短尺チエーンを集束して加熱炉に入れ
数時間ないし+数時間の加熱を行ない炉から引出
して団塊状で水浴中に投入焼入するかまたは焼入
後さらに焼戻処理を行なう。このようにして熱処
理した多数の短尺チエーンを連結リンクで結合し
て長尺化し連結リンクのみをもう一度焼入焼戻処
理する方法である。 しかしこの方法では生産性および熱効率が著し
く悪い。また団塊状にして冷却を行なうため冷却
速度が不均一となり強度、剱性むらは避けられな
い。さらに連結リンクと他のリンクの間にも材質
特性の不均一を生じ易い等の材質上の欠点を有し
ていた。 このようなバツチ型加熱炉による熱処理の諸々
の欠点を少なくするため連続炉による熱処理方法
が提案されているが加熱時間が短かいため、大重
量で形状の複雑なチエーンを均一にしかも精度よ
く加熱することが困難なため、従来はチエーン温
度の均一性をさほど必要としない焼ならし処理や
これに準ずる温水冷却熱処理に実用されているだ
けで、焼入処理やそのあとの焼戻処理に用いられ
ている例はない。 ハイテンチエーンの製造においてさらに重要な
ことはチエーンリンクは曲げ加工後フラツシユバ
ツト溶接によつて円環に整形されるがこの溶接接
合部は母材に比較してシヤルピー衝撃値が大幅に
低下し規格値を満足出来ないチエーンが少なから
ず発生しハイテンチエーン製造上の障害となつて
いた。 本発明は長尺チエーンの前記の諸欠点を除去し
た極めて生産性および熱効率が高く、しかも材質
的に均質で溶接部の低温靭性のすぐれた高強度チ
エーンの製造方法および装置を提供するものであ
る。即ち本発明は、 (1) ハイテンチエーンを炉内を通過させながら
Ac3+100℃〜Ac3+250℃間に連続的に加熱し、
10分以内の保定時間をとつた後、冷却槽内を通
過させながら連続的に急冷することを特徴とす
るハイテンチエーンの熱処理方法。 (2) ハイテンチエーンを炉内を通過させながら
Ac3+100℃〜Ac3+250℃間に連続的に加熱し、
10分以内の保定時間をとつた後、冷却槽内を通
過させながら連続的に急冷する焼入処理を行
い、その後Ac1−150℃〜Ac1間の温度で焼戻処
理を行うことを特徴とするハイテンチエーンの
熱処理方法。 (3) 太径ハイテンチエーンの連続熱処理用堅型炉
において、ハイテンチエーンの通路を有する蓋
を頂部に設け、炉内に加熱帯及び均熱帯を設
け、加熱帯及び均熱帯にはそれぞれ炉内温度を
検出する検出端とバーナーを設け、炉の下方に
冷媒を収容した冷却槽を設け、炉下部と冷却槽
との間に漏斗状に形成しかつ下面が前記冷媒の
液面に達するスカートを設け、炉の上方にハイ
テンチエーンの装入を行うガイドローラーを設
けると共に冷却槽の上方にはハイテンチエーン
の排出を行うガイドローラーを設けたことを特
徴とするハイテンチエーンの熱処理装置、であ
る。 以下図面を参照しつつ本発明を説明する。 前述のように通常の焼入焼戻処理によつて製造
したハイテンチエーンの溶接部は衝撃値が劣化
し、しかもばらつきが大きいため規格を満足出来
ない場合が少なくなかつた。 本発明者等はこの原因について詳細な試験検討
を進めた結果、溶接接合部はフラツシユ時の高熱
によつて合金元素が蒸発、脱出し焼入性が低下す
るため焼入後の硬度が低くなることが判つた。こ
れと類以の軟質層を有する種々の試験片を別途作
成し衝撃試験を行なつたところ、軟質性の幅が狭
く母材との硬度差が大きい程衝撃値が低くなるこ
とをつきとめた。すなち衝撃値の低下はフラツシ
ユバツト溶接部の硬度の低下によることを明らか
にすることができた。 そこでこれを改善する方法を検討した結果、溶
接部をAc3変態温度よりも100℃以上高温に加熱
することによつて鋼材内部から溶接部へ合金元素
が著しく拡散することを見い出した。 従来の熱処理の前工程としてこのような拡散処
理を行なうとこも衝撃値改善法として極めて有効
な方法であるが、この拡散処理を焼入のための加
熱を一体化し熱処理回数を1回減らす検討を行な
つた。 一般に焼入のための加熱温度としては結晶粒の
粗大化等による材質の劣化を避けるため鋼材の
Ac3変態点より30℃〜50℃高い温度が用いられて
いる。本発明者等は鋼材の組成に若干の考慮をは
らうことにより上記温度よりもはるかに高いAc3
+100℃〜Ac3+250℃に加熱しても加熱時間が短
ければ母材の衝撃値がほとんど低下しないことを
見出した。 これと同時に溶接部衝撃値が著しく向上し従来
困難であつた高強度高剱性チエーンの製造の可能
性を見出した。この場合の加熱時間はリンク鋼材
の断面中心部が目標温度に到達してから10分以内
とし、その後急速冷却するのが好ましく、10分超
の長時間加熱を継続すると組織が粗大化し衝撃値
が低下する。したがつて加熱時間としては例えば
次式のように鋼材中心温度が所定温度に到達する
時間tに10分以下の保定時間を加えた時間とする
のが好ましい。 t=(0.013CT+0.032D−0.018T+10)2 但し、 t:鋼材の中心温度が所定温度に到達する時間
(min) CT:鋼材の中心温度(℃) D:鋼材の直径(mm) T:炉内雰囲気温度(℃) この計算式はチエーン温度と炉内雰囲気温度、
チエーン直径、炉内滞留時間との関係を各種の連
続炉について実測し、通常の連焼炉に適合するよ
うな関係式に整理したものである。 第1図にこれらの関係の1例として、炉内雰囲
気温度が1100℃におけるリンクの炉内滞留時間と
各種直径を有するチエーンリンク中心部の到達温
度との関係を示している。同図によれば直径が
100mmφのリンク中心部の温度を950℃に到達せし
めるに要する時間は約31分、また1050℃に到達せ
しめるには約48分の炉内滞留時間で十分である。 次にこれらの温度を得るために必要なチエーン
の送り速度Vは加熱帯+均熱帯の長さをLとすれ
ば、V=L/必要炉内滞留時間より容易に計算出来、 リンクの送り速度が制御範囲以外の場合には炉内
温度を変えるとよい。 このように保定時間をほとんど必要としない加
熱の場合は、炉温を鋼材の目標温度より著しく高
い温度に設定できることから、炉内の滞留時間を
短縮でき150mmφまでのチエーンの場合1時間程
度となるため、従来困難であつた連続熱処理によ
つて長尺チエーンを製造することができる。 焼入処理の場合の加熱温度をAc3点+100℃〜
250℃に限定したのは、Ac3点+100℃未満の温度
では、リンクに所定の強靭性を付与するためには
1時間以上の加熱時間が必要となり、炉長が極め
て長くなること、および焼入用冷媒への鋼材の進
入速度が遅くなる為、冷媒に入る前に変態温度以
下になり焼入硬化が不十分となるからである。ま
た溶接部への合金元素の拡散が十分に行われずハ
イテンチエーンに必要な低温靭性を確保できない
からである。 また上限温度をAc3+250℃としたのは、リン
クの温度がこの温度を起えると比較的短時間で結
晶粒が粗大化し、チエーン母材部の靭性が大巾に
低下するからである。さらに1時間以内の短時間
にてAc3+250℃超の温度にするためには炉内雰
囲気温度は太径チエーンの場合1300℃以上の高温
が必要になり、炉体レンガの損耗が大きくなるか
らである。 保定時間は前記加熱温度との関係で母材の靭性
を確保するため10分以下の短時間とする。更に保
定時間が長くなると設備費、生産能率の点からも
好ましくない。 次に本発明に係る焼戻処理について説明する。
通常行なわれているバツチ形式の焼戻処理では、
Ac1点以下の比較的低い500〜650℃の温度に長時
間保持して焼入材に靭性を付与している。 本発明法により高温焼入したチエーンは従来の
長時間焼戻処理を行うことによつても目標とする
高強度のチエーンが得られる。しかしハイテンチ
エーンの場合は従来の焼戻温度よりも50℃〜100
℃高温に迅速に加熱し、この温度からただちに冷
却するか、ごく短時間保定してから冷却すること
によつても十分な靭性が得られることがわかつ
た。この方法によれば強靭性に富んだ長尺チエー
ンを連続熱処理によつて製造することが可能とな
る。 焼戻温度をAc1−150℃以上Ac1以下としたのは
Ac1−150℃未満の温度では所定の強靭性、特に
靭性を得るためには、焼戻時間がきわめて長くな
り、連続熱処理が困難となるからである。この温
度範囲においても、強靭性の点からはAc1−100
℃以上が好ましい。このような高温度で望ましく
は10分以内の保定を行なうことによつて、低温短
時間焼戻材に比較して強靭性にすぐれたチエーン
を製造でききる。又Ac1超の場合は強度が劣化す
るので好ましくない。高温焼戻の場合はこれによ
つて十分な強度靭性が得られ、長時間保定すると
強度が著しく低下して目標の強度が得られない。
また焼入の場合と同様に長時間の保定は、炉長が
きわめて長大となるほか、生産能率の点からも好
ましくない。 実際の操業において加熱に要する時間tは焼入
の場合と同じ式を用いて計算できる。第2図に一
例として炉内雰囲気温度が900℃におけるリンク
の炉内滞留時間tとチエーンリンクの中心部の到
達温度との関係を示した。これによれば、例え
ば、100mmφの丸鋼を使用したチエーンの700℃の
焼戻処理は、ほゞ36分間で所定温度に到達でき
る。したがつて合計の焼戻時間は50分以内となり
通常の連続炉による高能率の連続焼戻が可能であ
る。 次に本発明の連続熱処理装置について第3図に
基づいて説明する。 従来の堅型連続熱処理炉は例えば特公昭58−
3777に記載されているがこの熱処理炉は明細書に
も記載されている通り焼準またはこれに準ずる温
水冷却熱処理に使用されている。焼準処理は引張
強さが70Kg/mm2級のチエーンを製造する場合に
用いられる方法でオーステナイト域に加熱後空冷
される。また温水冷却熱処理はこれより高強度の
チエーンを製造する熱処理方法でオーステナイト
域に加熱後適度の速度で冷却しベーナイト組織を
得ることをねらいとしている。 これらは比較的単純な熱処理でチエーンリンク
はオーステナイト域に加熱されることが重要条件
であり炉内温度は厳密な精度を必要としない。こ
のため特公昭58−3777においては加熱炉の温度精
度向上について何の考慮もはらわらていない。 しかし本発明のように溶接部への合金元素の拡
散と焼入のための加熱を同時に行なう高温短時間
加熱の場合はチエーンリンクの温度を精度よくコ
ントロールしなければならない。また焼戻処理は
マルテンサイトに過飽和に固溶した炭化物が析出
する現象で焼戻温度の若干の違いによつても強靭
性が大きく変化するため炉内温度は厳密に一定温
度にコントロール出来るものでなければならな
い。 従来の連続熱処理炉は特公昭58−3777の明細書
にも明記されているように一定温度にコントロー
ルすることは困難でありこのような焼入や焼入焼
戻処理には適用出来なかつた。 本発明の連続熱処理装置は炉内温度の均一化を
はじめ高い熱効率などを特徴として本発明の高温
短時間加熱焼入および焼入焼戻処理にも適用出来
るものである。 第3図イは本発明を例示する縦方向断面図であ
り、第3図ロはその平面図である。 被熱処理物体であるチエーンリンク1は目的の
加熱温度が得られるような速度に制御された装入
側ガイドローラー2および3により炉頂部に巻上
げられ、堅型炉4の頂部入口から炉体中心部を降
下するように導かれる。 堅型炉は上部に加熱帯、下部に均熱帯を設け、
それぞれの帯域に熱電対5,6を設けて炉内温度
が測温され、加熱バーナー7および8の燃焼ガス
量が調節され、炉内雰囲気は所定の温度に制御さ
れる。 炉頂部入口から導入されたチエーンリンクは自
重により円形断面の炉中心を維持している。 炉の下方には冷媒を収容した冷却槽11が設け
られており、さらに炉下部と冷却槽との間に漏斗
状に形成しかつ下面が前記冷媒の液面に達するス
カート10が設けられ、炉頂部から鉛直に導入さ
れたチエーンリンク1はスカート10の漏斗状の
中央孔に導入されて、その揺れを防止するように
している。ここで重要なことは、スカート10の
下面が水面直上が、好ましくは水封状態に設計さ
れており、炉下部からの侵入空気量を制限し、ま
たチエーンの通路を有する炉頂部蓋9は燃焼ガス
の放散を抑制し熱損失を防止し、炉内雰囲気温度
変化を少なくし、所定の温度に保持する機能を有
していることである。 このスカートは炉体の一部であつてもよいし、
別途製作した付属品でもかまわない。 炉内に導入されたチエーンリンクは燃焼ガスに
よる熱輻射と雰囲気ガスの上昇気流による熱対流
を均等に受けながら下部均熱帯に比較してやゝ高
目の温度に設定された上部加熱帯を通過する。 次に下部均熱帯に進んだチエーンリンクは、上
部加熱帯の大容量バーナーに比較して燃焼ガス量
の制御を比較的精密に行なえる小容量バーナーで
熱焼されたガスの熱容量と上部加熱帯でチエーン
が吸収した放出熱量の合計熱容量によりリンクの
断面温度がほゞ均一に目的の温度となる。下部均
熱帯を通過したチエーンリンクは炉体下部に設置
された冷却槽11に導かれる。 冷却槽11は水温を所定の温度に保つために連
続的に高圧噴流水12等により冷水を供給し、水
温の上がつた水は排水され、必要に応じて槽内で
撹拌する。また鋼材の化学成分との関係で熱湯水
中にチエーンリンクを投入し焼入れしてもよい。 所定の冷媒で冷却されたチエーンリンクは抽出
ガイドローラー13により冷却槽から炉外へと搬
出され焼入れまたは焼入れ焼戻しのための熱処理
を完了する。 以上のように構成されるため、本発明装置は熱
効率が高く、しかも加熱装置と冷却装置が極めて
コンパクトに配置され被熱処理材の材質上のバラ
ツキも少ない。また横型炉に比較してチエーンの
移送のための駆動力も少ない等の大きな長所を有
している。図中Aは導入部、Bは本体を示してい
る。 通常の熱処理においては化学成分との関係にお
いて焼入処理のみによつて使用される場合もある
が靭性回復のために、焼戻処理が実施されること
が多い。この場合本発明の熱処理装置を2基配列
して第1炉で焼入終了後引き続いて第2炉で焼戻
処理を実施する方法と、1基の炉で焼入終了後同
炉を用いて焼戻処理を行う方法とがある。この場
合前者の方法では焼入後の長尺チエーンは次に焼
戻処理するまでの間仮置きする必要がなく後者の
方法に比較して作業性がよい。しかし材質的には
両方法による違いは殆んどどなく良好な特性のチ
エーンが得られる。 次に実施例を以下に示す。 表1に使用した鋼棒の化学組成を示す。 供試鋼(イ)は本発明の第1の発明によつてチエー
ンを製造する場合の成分系、供試鋼(ロ)は本発明の
第2の発明によつてチエーンを製造する場合の成
分系であり、それぞれアルミキルドされた76mmφ
鋼棒である。 これらの素材をおよそ900℃に加熱してからリ
ンクの形状に成形し両端部を突合せてフラツシユ
バツト溶接して、長さ700mおよび28mのチエー
ンを製造した。 この素材チエーンを用いて、本発明の方法およ
び装置による熱処理としてA竪型熱処理炉(炉長
約10m)を用いて焼入のみによつて製造した場合
および従来行なわれているBバツチ炉による焼入
によつてそれぞれチエーンを製造した。 竪型炉による熱処理はリンクの加熱温度および
加熱時間を変動させて水準〜の試験を行なつ
た。バツチ炉による熱処理は水準の試験のみを
行なつた。 表2に熱処理方法および材質試験結果を示す。 まず本発明の竪型炉による焼入方法について詳
述する。 竪型炉による熱処理には700mのチエーンを使
用し、バツチ炉による熱処理には28mの短尺チエ
ーンを使用した。水準では目標加熱温度をAc3
点により184℃高い1000℃とし、この温度での保
持時間はゼロとし装入側ガイドローラー速度を
0.35m/minとした。この場合計算による炉内温
度は約1120℃、炉内滞留時間は導入部を除き加熱
帯と均熱帯で占められる本体の炉長から計算して
28.5分となる。従つて上部加熱帯および下部均熱
帯の温度はそれぞれ1130℃、1110℃とした。この
場合チエーンリンクは下部均熱帯の出側より若干
内部の位置で、リンクの表面部および中心部共均
一になり目的の温度である1000℃(Ac3+184℃)
に達した。 次にこの状態から順次、炉体下部に設置した冷
却槽で連続焼入処理を実施した。冷却槽への給水
量は80m2/Hr、チエーンリンクの冷却槽での滞
留時間は10分である。 水準,は加熱温度が1050℃(Ac3+234℃)
および950℃(Ac3+134℃)、保持時間がそれぞ
れ5分、0分になるように炉内雰囲気温度とガイ
ドローラーの速度を変えた他は水準の製造方法
と同様である。 水準,は竪型炉によつて熱処理した場合の
比較例で、水準は本発明に比較して加熱温度が
高く(Ac3+284℃)、保持時間が長い(15分)も
のであり水準では加熱温度が低く保持時間が短
かい熱処理を行なつたものである。 水準はバツチ炉による従来方法での熱処理を
行なつたもので880℃(Ac3+64℃)に加熱され
たバツチ炉に4時間保持した。その後炉から抽出
し撹拌されている水槽にリンクを投入し冷却し
た。チエーンの組織は内部までマルテンサイト組
織となつており焼入途中の自熱によつて自動的に
焼戻されている。 これらの熱処理材の材質特性は表2に示す。試
験はチエーンリンクの横断面2/3R(リンクの半
径)部から引張試験片(JIS4号)および衝撃試験
片(JIS4号)を採取して試験を行なつた。本発明
による熱処理材は従来のバツチ炉による熱処理材
に比較して特に溶接部靭性が優れているのが特徴
である。また竪型炉による熱処理材の場合でも本
発明の熱処理条件を満足しない場合には靭性が低
下する。 次に供試鋼(ロ)を用い本発明の第2の発明によつ
てハイテンチエーンを製造した場合の実施例を示
す。供試材として使用したチエーンの長さは前記
実施例と同様である。 この素材チエーンを用いて本発明の方法および
装置による熱処理として、C堅型熱処理炉(炉長
約10m)2基を用い焼入と焼戻を連続して行なう
方法と、D堅型炉1基を用い焼入処理のあと、同
じ炉を用いて焼戻処理を行なう方法およびE従来
のバツチ炉による熱処理を行なつた。 焼入は供試鋼のAc3点が800℃であるのでこれ
に対して加熱温度および保持時間を種々変えて焼
入した。即ち本発明法では目標加熱温度をAc3
点より200℃高い1000℃としたのでガイドローラ
ー速度、上部加熱帯、下部均熱帯、の加熱温度お
よび冷却方法は前記実施例と同様である。 次に焼戻処理について説明する。当該チエーン
リンクのAc1点は720℃であるのでリンクの加熱
温度は700℃(Ac1点−20℃)とした。焼入処理
の場合と同様、リンク寸法が76mmφおよび加熱時
間28.5分の関係から炉内雰囲気温度は900℃に設
定した。この場合のリンク表面部および中心部の
昇温パターンは焼入処理の場合とほゞ同様であり
下部均熱帯出側付近でリンク表面部および中心部
の温度は等しくなりほゞ目標通りの700℃が得ら
れた。冷却槽での冷却方法は焼入時の場合と同様
に行なつた。以下水準〜の熱処理はほゞ同様
の要領で実施した。 次にバツチ炉による従来の熱処理方法を以下
に示す。 ただし水準はチエーンの移送速度を遅くして
保持時間を長くした場合の例である。 リンクは860℃(Ac3+60℃)に保定されてい
るバツチ炉で4Hr加熱し、その後バツチ炉から抽
出して撹拌されている水槽に投入し冷却した。そ
の後560℃(Ac1−160℃)に加熱されているバツ
チ炉に入れ6.0Hr加熱し、その後抽出し水冷し
た。 熱処理後のチエーンリンクの横断面2/3R(リ
ンクの半径)部から引張試験片(JIS4号)および
衝撃試験片(JIS4号)を採取し、試験を行なつた
のは前記実施例と同様である。本試験法および
従来法についてはチエーン長手方向3ケ所のリ
ンクについて試験を行ない材質のばらつきを調査
し、他の水準の熱処理チエーンは長手方向のほゞ
中央のリンクについて試験した。結果はまとめて
表3に示す。 表3の試験結果から明らかなように本発明鋼
〜および,は、焼入れの加熱温度の高すぎ
るや低すぎる、焼入れの加熱時間の過大な
に比較して低温衝撃値がすぐれており、ハイテン
チエーンに要求される値を十分満足している。 また従来法に比較すると本発明法は低温衝撃
値が著しく優れておりチエーン長手方向のばらつ
きも非常に小さく均質な材質特性を有している。
(ハイテンチエーン)の熱処理方法およびその装
置に関するものである。 近年、深海における石油掘削用リグおよび発電
装置等の海上浮遊構造物等の建設に伴ない、係留
用チエーンは長尺太径化する傾向にあり、さらに
軽量化のための高強度化が望まれている。 この用途に使用されるチエーンは、形状的には
使用する丸鋼の直径が70mmφ〜150mmφ、チエー
ンの全長が100m〜2000m、材質的には引張強度
が70Kg/mm2〜100Kg/mm2級であり、母材部の
シヤルピー試験による吸収エネルギーvEoは6Kg
−m以上、溶接部の吸収エネルギーvE−20は4
Kg−m以上が必要とされており、さらに氷海域
で使用されるチエーンには溶接部のシヤルピー衝
撃値としてvE−60で2.8Kg−m以上が求められ
ている。このような高強度高靭性を有するチエー
ンを製造するにはチエーン成形後焼入焼戻等の熱
処理が必須であるが、チエーン1本の長さが極め
て長く大重量であるため従来は次のような熱処理
方法が行なわれている。 ひとつはバツチ炉による熱処理方法である。こ
の場合には短尺チエーンを集束して加熱炉に入れ
数時間ないし+数時間の加熱を行ない炉から引出
して団塊状で水浴中に投入焼入するかまたは焼入
後さらに焼戻処理を行なう。このようにして熱処
理した多数の短尺チエーンを連結リンクで結合し
て長尺化し連結リンクのみをもう一度焼入焼戻処
理する方法である。 しかしこの方法では生産性および熱効率が著し
く悪い。また団塊状にして冷却を行なうため冷却
速度が不均一となり強度、剱性むらは避けられな
い。さらに連結リンクと他のリンクの間にも材質
特性の不均一を生じ易い等の材質上の欠点を有し
ていた。 このようなバツチ型加熱炉による熱処理の諸々
の欠点を少なくするため連続炉による熱処理方法
が提案されているが加熱時間が短かいため、大重
量で形状の複雑なチエーンを均一にしかも精度よ
く加熱することが困難なため、従来はチエーン温
度の均一性をさほど必要としない焼ならし処理や
これに準ずる温水冷却熱処理に実用されているだ
けで、焼入処理やそのあとの焼戻処理に用いられ
ている例はない。 ハイテンチエーンの製造においてさらに重要な
ことはチエーンリンクは曲げ加工後フラツシユバ
ツト溶接によつて円環に整形されるがこの溶接接
合部は母材に比較してシヤルピー衝撃値が大幅に
低下し規格値を満足出来ないチエーンが少なから
ず発生しハイテンチエーン製造上の障害となつて
いた。 本発明は長尺チエーンの前記の諸欠点を除去し
た極めて生産性および熱効率が高く、しかも材質
的に均質で溶接部の低温靭性のすぐれた高強度チ
エーンの製造方法および装置を提供するものであ
る。即ち本発明は、 (1) ハイテンチエーンを炉内を通過させながら
Ac3+100℃〜Ac3+250℃間に連続的に加熱し、
10分以内の保定時間をとつた後、冷却槽内を通
過させながら連続的に急冷することを特徴とす
るハイテンチエーンの熱処理方法。 (2) ハイテンチエーンを炉内を通過させながら
Ac3+100℃〜Ac3+250℃間に連続的に加熱し、
10分以内の保定時間をとつた後、冷却槽内を通
過させながら連続的に急冷する焼入処理を行
い、その後Ac1−150℃〜Ac1間の温度で焼戻処
理を行うことを特徴とするハイテンチエーンの
熱処理方法。 (3) 太径ハイテンチエーンの連続熱処理用堅型炉
において、ハイテンチエーンの通路を有する蓋
を頂部に設け、炉内に加熱帯及び均熱帯を設
け、加熱帯及び均熱帯にはそれぞれ炉内温度を
検出する検出端とバーナーを設け、炉の下方に
冷媒を収容した冷却槽を設け、炉下部と冷却槽
との間に漏斗状に形成しかつ下面が前記冷媒の
液面に達するスカートを設け、炉の上方にハイ
テンチエーンの装入を行うガイドローラーを設
けると共に冷却槽の上方にはハイテンチエーン
の排出を行うガイドローラーを設けたことを特
徴とするハイテンチエーンの熱処理装置、であ
る。 以下図面を参照しつつ本発明を説明する。 前述のように通常の焼入焼戻処理によつて製造
したハイテンチエーンの溶接部は衝撃値が劣化
し、しかもばらつきが大きいため規格を満足出来
ない場合が少なくなかつた。 本発明者等はこの原因について詳細な試験検討
を進めた結果、溶接接合部はフラツシユ時の高熱
によつて合金元素が蒸発、脱出し焼入性が低下す
るため焼入後の硬度が低くなることが判つた。こ
れと類以の軟質層を有する種々の試験片を別途作
成し衝撃試験を行なつたところ、軟質性の幅が狭
く母材との硬度差が大きい程衝撃値が低くなるこ
とをつきとめた。すなち衝撃値の低下はフラツシ
ユバツト溶接部の硬度の低下によることを明らか
にすることができた。 そこでこれを改善する方法を検討した結果、溶
接部をAc3変態温度よりも100℃以上高温に加熱
することによつて鋼材内部から溶接部へ合金元素
が著しく拡散することを見い出した。 従来の熱処理の前工程としてこのような拡散処
理を行なうとこも衝撃値改善法として極めて有効
な方法であるが、この拡散処理を焼入のための加
熱を一体化し熱処理回数を1回減らす検討を行な
つた。 一般に焼入のための加熱温度としては結晶粒の
粗大化等による材質の劣化を避けるため鋼材の
Ac3変態点より30℃〜50℃高い温度が用いられて
いる。本発明者等は鋼材の組成に若干の考慮をは
らうことにより上記温度よりもはるかに高いAc3
+100℃〜Ac3+250℃に加熱しても加熱時間が短
ければ母材の衝撃値がほとんど低下しないことを
見出した。 これと同時に溶接部衝撃値が著しく向上し従来
困難であつた高強度高剱性チエーンの製造の可能
性を見出した。この場合の加熱時間はリンク鋼材
の断面中心部が目標温度に到達してから10分以内
とし、その後急速冷却するのが好ましく、10分超
の長時間加熱を継続すると組織が粗大化し衝撃値
が低下する。したがつて加熱時間としては例えば
次式のように鋼材中心温度が所定温度に到達する
時間tに10分以下の保定時間を加えた時間とする
のが好ましい。 t=(0.013CT+0.032D−0.018T+10)2 但し、 t:鋼材の中心温度が所定温度に到達する時間
(min) CT:鋼材の中心温度(℃) D:鋼材の直径(mm) T:炉内雰囲気温度(℃) この計算式はチエーン温度と炉内雰囲気温度、
チエーン直径、炉内滞留時間との関係を各種の連
続炉について実測し、通常の連焼炉に適合するよ
うな関係式に整理したものである。 第1図にこれらの関係の1例として、炉内雰囲
気温度が1100℃におけるリンクの炉内滞留時間と
各種直径を有するチエーンリンク中心部の到達温
度との関係を示している。同図によれば直径が
100mmφのリンク中心部の温度を950℃に到達せし
めるに要する時間は約31分、また1050℃に到達せ
しめるには約48分の炉内滞留時間で十分である。 次にこれらの温度を得るために必要なチエーン
の送り速度Vは加熱帯+均熱帯の長さをLとすれ
ば、V=L/必要炉内滞留時間より容易に計算出来、 リンクの送り速度が制御範囲以外の場合には炉内
温度を変えるとよい。 このように保定時間をほとんど必要としない加
熱の場合は、炉温を鋼材の目標温度より著しく高
い温度に設定できることから、炉内の滞留時間を
短縮でき150mmφまでのチエーンの場合1時間程
度となるため、従来困難であつた連続熱処理によ
つて長尺チエーンを製造することができる。 焼入処理の場合の加熱温度をAc3点+100℃〜
250℃に限定したのは、Ac3点+100℃未満の温度
では、リンクに所定の強靭性を付与するためには
1時間以上の加熱時間が必要となり、炉長が極め
て長くなること、および焼入用冷媒への鋼材の進
入速度が遅くなる為、冷媒に入る前に変態温度以
下になり焼入硬化が不十分となるからである。ま
た溶接部への合金元素の拡散が十分に行われずハ
イテンチエーンに必要な低温靭性を確保できない
からである。 また上限温度をAc3+250℃としたのは、リン
クの温度がこの温度を起えると比較的短時間で結
晶粒が粗大化し、チエーン母材部の靭性が大巾に
低下するからである。さらに1時間以内の短時間
にてAc3+250℃超の温度にするためには炉内雰
囲気温度は太径チエーンの場合1300℃以上の高温
が必要になり、炉体レンガの損耗が大きくなるか
らである。 保定時間は前記加熱温度との関係で母材の靭性
を確保するため10分以下の短時間とする。更に保
定時間が長くなると設備費、生産能率の点からも
好ましくない。 次に本発明に係る焼戻処理について説明する。
通常行なわれているバツチ形式の焼戻処理では、
Ac1点以下の比較的低い500〜650℃の温度に長時
間保持して焼入材に靭性を付与している。 本発明法により高温焼入したチエーンは従来の
長時間焼戻処理を行うことによつても目標とする
高強度のチエーンが得られる。しかしハイテンチ
エーンの場合は従来の焼戻温度よりも50℃〜100
℃高温に迅速に加熱し、この温度からただちに冷
却するか、ごく短時間保定してから冷却すること
によつても十分な靭性が得られることがわかつ
た。この方法によれば強靭性に富んだ長尺チエー
ンを連続熱処理によつて製造することが可能とな
る。 焼戻温度をAc1−150℃以上Ac1以下としたのは
Ac1−150℃未満の温度では所定の強靭性、特に
靭性を得るためには、焼戻時間がきわめて長くな
り、連続熱処理が困難となるからである。この温
度範囲においても、強靭性の点からはAc1−100
℃以上が好ましい。このような高温度で望ましく
は10分以内の保定を行なうことによつて、低温短
時間焼戻材に比較して強靭性にすぐれたチエーン
を製造でききる。又Ac1超の場合は強度が劣化す
るので好ましくない。高温焼戻の場合はこれによ
つて十分な強度靭性が得られ、長時間保定すると
強度が著しく低下して目標の強度が得られない。
また焼入の場合と同様に長時間の保定は、炉長が
きわめて長大となるほか、生産能率の点からも好
ましくない。 実際の操業において加熱に要する時間tは焼入
の場合と同じ式を用いて計算できる。第2図に一
例として炉内雰囲気温度が900℃におけるリンク
の炉内滞留時間tとチエーンリンクの中心部の到
達温度との関係を示した。これによれば、例え
ば、100mmφの丸鋼を使用したチエーンの700℃の
焼戻処理は、ほゞ36分間で所定温度に到達でき
る。したがつて合計の焼戻時間は50分以内となり
通常の連続炉による高能率の連続焼戻が可能であ
る。 次に本発明の連続熱処理装置について第3図に
基づいて説明する。 従来の堅型連続熱処理炉は例えば特公昭58−
3777に記載されているがこの熱処理炉は明細書に
も記載されている通り焼準またはこれに準ずる温
水冷却熱処理に使用されている。焼準処理は引張
強さが70Kg/mm2級のチエーンを製造する場合に
用いられる方法でオーステナイト域に加熱後空冷
される。また温水冷却熱処理はこれより高強度の
チエーンを製造する熱処理方法でオーステナイト
域に加熱後適度の速度で冷却しベーナイト組織を
得ることをねらいとしている。 これらは比較的単純な熱処理でチエーンリンク
はオーステナイト域に加熱されることが重要条件
であり炉内温度は厳密な精度を必要としない。こ
のため特公昭58−3777においては加熱炉の温度精
度向上について何の考慮もはらわらていない。 しかし本発明のように溶接部への合金元素の拡
散と焼入のための加熱を同時に行なう高温短時間
加熱の場合はチエーンリンクの温度を精度よくコ
ントロールしなければならない。また焼戻処理は
マルテンサイトに過飽和に固溶した炭化物が析出
する現象で焼戻温度の若干の違いによつても強靭
性が大きく変化するため炉内温度は厳密に一定温
度にコントロール出来るものでなければならな
い。 従来の連続熱処理炉は特公昭58−3777の明細書
にも明記されているように一定温度にコントロー
ルすることは困難でありこのような焼入や焼入焼
戻処理には適用出来なかつた。 本発明の連続熱処理装置は炉内温度の均一化を
はじめ高い熱効率などを特徴として本発明の高温
短時間加熱焼入および焼入焼戻処理にも適用出来
るものである。 第3図イは本発明を例示する縦方向断面図であ
り、第3図ロはその平面図である。 被熱処理物体であるチエーンリンク1は目的の
加熱温度が得られるような速度に制御された装入
側ガイドローラー2および3により炉頂部に巻上
げられ、堅型炉4の頂部入口から炉体中心部を降
下するように導かれる。 堅型炉は上部に加熱帯、下部に均熱帯を設け、
それぞれの帯域に熱電対5,6を設けて炉内温度
が測温され、加熱バーナー7および8の燃焼ガス
量が調節され、炉内雰囲気は所定の温度に制御さ
れる。 炉頂部入口から導入されたチエーンリンクは自
重により円形断面の炉中心を維持している。 炉の下方には冷媒を収容した冷却槽11が設け
られており、さらに炉下部と冷却槽との間に漏斗
状に形成しかつ下面が前記冷媒の液面に達するス
カート10が設けられ、炉頂部から鉛直に導入さ
れたチエーンリンク1はスカート10の漏斗状の
中央孔に導入されて、その揺れを防止するように
している。ここで重要なことは、スカート10の
下面が水面直上が、好ましくは水封状態に設計さ
れており、炉下部からの侵入空気量を制限し、ま
たチエーンの通路を有する炉頂部蓋9は燃焼ガス
の放散を抑制し熱損失を防止し、炉内雰囲気温度
変化を少なくし、所定の温度に保持する機能を有
していることである。 このスカートは炉体の一部であつてもよいし、
別途製作した付属品でもかまわない。 炉内に導入されたチエーンリンクは燃焼ガスに
よる熱輻射と雰囲気ガスの上昇気流による熱対流
を均等に受けながら下部均熱帯に比較してやゝ高
目の温度に設定された上部加熱帯を通過する。 次に下部均熱帯に進んだチエーンリンクは、上
部加熱帯の大容量バーナーに比較して燃焼ガス量
の制御を比較的精密に行なえる小容量バーナーで
熱焼されたガスの熱容量と上部加熱帯でチエーン
が吸収した放出熱量の合計熱容量によりリンクの
断面温度がほゞ均一に目的の温度となる。下部均
熱帯を通過したチエーンリンクは炉体下部に設置
された冷却槽11に導かれる。 冷却槽11は水温を所定の温度に保つために連
続的に高圧噴流水12等により冷水を供給し、水
温の上がつた水は排水され、必要に応じて槽内で
撹拌する。また鋼材の化学成分との関係で熱湯水
中にチエーンリンクを投入し焼入れしてもよい。 所定の冷媒で冷却されたチエーンリンクは抽出
ガイドローラー13により冷却槽から炉外へと搬
出され焼入れまたは焼入れ焼戻しのための熱処理
を完了する。 以上のように構成されるため、本発明装置は熱
効率が高く、しかも加熱装置と冷却装置が極めて
コンパクトに配置され被熱処理材の材質上のバラ
ツキも少ない。また横型炉に比較してチエーンの
移送のための駆動力も少ない等の大きな長所を有
している。図中Aは導入部、Bは本体を示してい
る。 通常の熱処理においては化学成分との関係にお
いて焼入処理のみによつて使用される場合もある
が靭性回復のために、焼戻処理が実施されること
が多い。この場合本発明の熱処理装置を2基配列
して第1炉で焼入終了後引き続いて第2炉で焼戻
処理を実施する方法と、1基の炉で焼入終了後同
炉を用いて焼戻処理を行う方法とがある。この場
合前者の方法では焼入後の長尺チエーンは次に焼
戻処理するまでの間仮置きする必要がなく後者の
方法に比較して作業性がよい。しかし材質的には
両方法による違いは殆んどどなく良好な特性のチ
エーンが得られる。 次に実施例を以下に示す。 表1に使用した鋼棒の化学組成を示す。 供試鋼(イ)は本発明の第1の発明によつてチエー
ンを製造する場合の成分系、供試鋼(ロ)は本発明の
第2の発明によつてチエーンを製造する場合の成
分系であり、それぞれアルミキルドされた76mmφ
鋼棒である。 これらの素材をおよそ900℃に加熱してからリ
ンクの形状に成形し両端部を突合せてフラツシユ
バツト溶接して、長さ700mおよび28mのチエー
ンを製造した。 この素材チエーンを用いて、本発明の方法およ
び装置による熱処理としてA竪型熱処理炉(炉長
約10m)を用いて焼入のみによつて製造した場合
および従来行なわれているBバツチ炉による焼入
によつてそれぞれチエーンを製造した。 竪型炉による熱処理はリンクの加熱温度および
加熱時間を変動させて水準〜の試験を行なつ
た。バツチ炉による熱処理は水準の試験のみを
行なつた。 表2に熱処理方法および材質試験結果を示す。 まず本発明の竪型炉による焼入方法について詳
述する。 竪型炉による熱処理には700mのチエーンを使
用し、バツチ炉による熱処理には28mの短尺チエ
ーンを使用した。水準では目標加熱温度をAc3
点により184℃高い1000℃とし、この温度での保
持時間はゼロとし装入側ガイドローラー速度を
0.35m/minとした。この場合計算による炉内温
度は約1120℃、炉内滞留時間は導入部を除き加熱
帯と均熱帯で占められる本体の炉長から計算して
28.5分となる。従つて上部加熱帯および下部均熱
帯の温度はそれぞれ1130℃、1110℃とした。この
場合チエーンリンクは下部均熱帯の出側より若干
内部の位置で、リンクの表面部および中心部共均
一になり目的の温度である1000℃(Ac3+184℃)
に達した。 次にこの状態から順次、炉体下部に設置した冷
却槽で連続焼入処理を実施した。冷却槽への給水
量は80m2/Hr、チエーンリンクの冷却槽での滞
留時間は10分である。 水準,は加熱温度が1050℃(Ac3+234℃)
および950℃(Ac3+134℃)、保持時間がそれぞ
れ5分、0分になるように炉内雰囲気温度とガイ
ドローラーの速度を変えた他は水準の製造方法
と同様である。 水準,は竪型炉によつて熱処理した場合の
比較例で、水準は本発明に比較して加熱温度が
高く(Ac3+284℃)、保持時間が長い(15分)も
のであり水準では加熱温度が低く保持時間が短
かい熱処理を行なつたものである。 水準はバツチ炉による従来方法での熱処理を
行なつたもので880℃(Ac3+64℃)に加熱され
たバツチ炉に4時間保持した。その後炉から抽出
し撹拌されている水槽にリンクを投入し冷却し
た。チエーンの組織は内部までマルテンサイト組
織となつており焼入途中の自熱によつて自動的に
焼戻されている。 これらの熱処理材の材質特性は表2に示す。試
験はチエーンリンクの横断面2/3R(リンクの半
径)部から引張試験片(JIS4号)および衝撃試験
片(JIS4号)を採取して試験を行なつた。本発明
による熱処理材は従来のバツチ炉による熱処理材
に比較して特に溶接部靭性が優れているのが特徴
である。また竪型炉による熱処理材の場合でも本
発明の熱処理条件を満足しない場合には靭性が低
下する。 次に供試鋼(ロ)を用い本発明の第2の発明によつ
てハイテンチエーンを製造した場合の実施例を示
す。供試材として使用したチエーンの長さは前記
実施例と同様である。 この素材チエーンを用いて本発明の方法および
装置による熱処理として、C堅型熱処理炉(炉長
約10m)2基を用い焼入と焼戻を連続して行なう
方法と、D堅型炉1基を用い焼入処理のあと、同
じ炉を用いて焼戻処理を行なう方法およびE従来
のバツチ炉による熱処理を行なつた。 焼入は供試鋼のAc3点が800℃であるのでこれ
に対して加熱温度および保持時間を種々変えて焼
入した。即ち本発明法では目標加熱温度をAc3
点より200℃高い1000℃としたのでガイドローラ
ー速度、上部加熱帯、下部均熱帯、の加熱温度お
よび冷却方法は前記実施例と同様である。 次に焼戻処理について説明する。当該チエーン
リンクのAc1点は720℃であるのでリンクの加熱
温度は700℃(Ac1点−20℃)とした。焼入処理
の場合と同様、リンク寸法が76mmφおよび加熱時
間28.5分の関係から炉内雰囲気温度は900℃に設
定した。この場合のリンク表面部および中心部の
昇温パターンは焼入処理の場合とほゞ同様であり
下部均熱帯出側付近でリンク表面部および中心部
の温度は等しくなりほゞ目標通りの700℃が得ら
れた。冷却槽での冷却方法は焼入時の場合と同様
に行なつた。以下水準〜の熱処理はほゞ同様
の要領で実施した。 次にバツチ炉による従来の熱処理方法を以下
に示す。 ただし水準はチエーンの移送速度を遅くして
保持時間を長くした場合の例である。 リンクは860℃(Ac3+60℃)に保定されてい
るバツチ炉で4Hr加熱し、その後バツチ炉から抽
出して撹拌されている水槽に投入し冷却した。そ
の後560℃(Ac1−160℃)に加熱されているバツ
チ炉に入れ6.0Hr加熱し、その後抽出し水冷し
た。 熱処理後のチエーンリンクの横断面2/3R(リ
ンクの半径)部から引張試験片(JIS4号)および
衝撃試験片(JIS4号)を採取し、試験を行なつた
のは前記実施例と同様である。本試験法および
従来法についてはチエーン長手方向3ケ所のリ
ンクについて試験を行ない材質のばらつきを調査
し、他の水準の熱処理チエーンは長手方向のほゞ
中央のリンクについて試験した。結果はまとめて
表3に示す。 表3の試験結果から明らかなように本発明鋼
〜および,は、焼入れの加熱温度の高すぎ
るや低すぎる、焼入れの加熱時間の過大な
に比較して低温衝撃値がすぐれており、ハイテン
チエーンに要求される値を十分満足している。 また従来法に比較すると本発明法は低温衝撃
値が著しく優れておりチエーン長手方向のばらつ
きも非常に小さく均質な材質特性を有している。
【表】
【表】
【表】
【表】
第1図及び第2図は本発明に係るチエーンリン
クの直径とチエーンリンク中心部の温度との関係
を示す図、第3図イは本発明の実施例を示す縦方
向断面図であり第3図ロはその平面図である。 1……チエーンリンク、2,3……ガイドロー
ラー、4……竪型炉、5,6……熱電対、7,8
……加熱バーナー、9……炉頂部蓋、10……ス
カート、11……冷却槽、12……高圧噴流水、
13……抽出ガイドローラー。
クの直径とチエーンリンク中心部の温度との関係
を示す図、第3図イは本発明の実施例を示す縦方
向断面図であり第3図ロはその平面図である。 1……チエーンリンク、2,3……ガイドロー
ラー、4……竪型炉、5,6……熱電対、7,8
……加熱バーナー、9……炉頂部蓋、10……ス
カート、11……冷却槽、12……高圧噴流水、
13……抽出ガイドローラー。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ハイテンチエーンを炉内を通過させながら
Ac3+100℃〜Ac3+250℃間に連続的に加熱し、
10分以内の保定時間をとつた後、冷却槽内を通過
させながら連続的に急冷することを特徴とするハ
イテンチエーンの熱処理方法。 2 ハイテンチエーンを炉内を通過させながら
Ac3+100℃〜Ac3+250℃間に連続的に加熱し、
10分以内の保定時間をとつた後、冷却槽内を通過
させながら連続的に急冷する焼入処理を行い、そ
の後Ac1−150℃〜Ac1間の温度で焼戻処理を行う
ことを特徴とするハイテンチエーンの熱処理方
法。 3 太径ハイテンチエーンの連続熱処理用竪型炉
において、ハイテンチエーンの通路を有する蓋を
頂部に設け、炉内に加熱帯及び均熱帯を設け、加
熱帯及び均熱帯にはそれぞれ炉内温度を検出する
検出端とバーナーを設け、炉の下方に冷媒を収容
した冷却槽を設け、炉下部と冷却槽との間に漏斗
状に形成しかつ下面が前記冷媒の液面に達するス
カートを設け、炉の上方にハイテンチエーンの装
入を行うガイドローラーを設けると共に冷却槽の
上方にはハイテンチエーンの排出を行うガイドロ
ーラーを設けたことを特徴とするハイテンチエー
ンの熱処理装置。
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|---|---|---|---|
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP57090372A JPS58207326A (ja) | 1982-05-27 | 1982-05-27 | ハイテンチエ−ンの熱処理方法および装置 |
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