JPH031638B2 - - Google Patents

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JPH031638B2
JPH031638B2 JP11411384A JP11411384A JPH031638B2 JP H031638 B2 JPH031638 B2 JP H031638B2 JP 11411384 A JP11411384 A JP 11411384A JP 11411384 A JP11411384 A JP 11411384A JP H031638 B2 JPH031638 B2 JP H031638B2
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JP
Japan
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cement
temperature
concentrated
waste liquid
solidified
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Tatsuo Mazaki
Norimitsu Kurumada
Masao Hara
Mamoru Shibuya
Hiroshi Kuribayashi
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KYUSHU DENRYOKU KK
NITSUKI KK
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KYUSHU DENRYOKU KK
NITSUKI KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
発明の目的
【産業上の利分野】
本発明は、ホウ素を含有する放射性廃液を減容
固化処理する方法の改良に関する。 原子力設備、とくにPWR型軽水炉発電プラン
トから排出されるホウ素を含有する放射性廃液を
固化処理しようとする場合、近年はできるだけ高
度の減容を行なうことが要請されるので、廃液を
蒸発濃縮して、なるべく多くの固形分を混入さ
せ、かつ、所定の物性を有し耐久性に優れた固化
体としなければならない。
【従来の技術】
この目的を達成するために、各種の減容固化処
理方法が提案されている。その一例として、ホウ
素を含む放射性廃液のセメントあるいは無機材料
による減容固化法については、以下に挙げるよう
なさまざまな方法が検討され、その一部は実施さ
れているが、なお固化体の減容性あるいは耐水性
が十分満足できるものではなかつた。 ●ホウ酸含有廃液に石灰等を作用させて廃液中の
溶解物を不溶性とし、蒸発乾燥の後、乾燥粒子
をセメント固化する方法(特開昭57−4599号)。 ●ホウ酸含有廃液にカルシウム、マグネシウムま
たはバリウムの化合物を添加して反応させ、濾
過、蒸発等の手段でスラリーの水分を調整し、
そのスラリーを固化する方法(特開昭58−
186099号)。 これらの方法ではホウ酸を不溶化しており、確
実に不溶化できれば耐水性を有する固化体が得ら
れるが、セメントペーストまたは調整スラリーの
流動性を維持するために所定量の水分が必要であ
り、従つて著しい減容性の向上は望めない。 ●ホウ酸含有廃液にアルカリを添加してPHを調整
し、薄膜乾燥機で粉末にしてからペレツトにす
る方法(特公昭55−34397号)。 ●上記のペレツトを、ケイ酸アルカリで固化する
方法(特開昭57−197500号、特開昭58−155378
号)。 これらの方法では、容器に多量のペレツトを充
填できるので、減容性は高い。しかし、可溶性ホ
ウ酸塩をペレツトとするので、固化体の耐水性の
面で不安が残る。 ●ホウ酸廃液を固化容器内に装填し、ついで放射
性廃棄物の焼却灰微粉を容器内に徐々に装填混
合し、この混合物を加熱して灰粒子を相互融着
させ、冷却固形化する方法(特公昭57−52560
号)。 この方法は、焼却灰とホウ酸廃液との同時処理
なので、総合的に減容性の高い処理法であるが、
焼却灰とホウ酸廃液の発生比率が変動するので、
運用上の問題が残る。また、融着材となつている
ガラス質のホウ酸分は可溶性なので、耐水性に不
安がある。 ●また、上記と同じような考え方によつてホウ酸
ナトリウム含有廃液を乾燥して粉末とし、これ
に二酸化ケイ素を添加して加熱溶融したのち急
冷し、ガラス固化体とする方法も容易に考える
ことができる。 これはNa2O−B2O3−SiO2系ガラスをつくるも
のであるが、分相を起さずに溶融でき、高い耐水
性のガラス固化体が得られる組成範囲は限定され
る。従つて、技術的な困難を伴う上に、減容性に
も限界がある。 本発明者らも、ホウ素を含有する放射性廃液の
セメント固化処理における減容性および耐水性の
向上を目的として研究し、すでにいくつかの方法
を提案した。 そのひとつは、ホウ素を含有する放射性廃液の
PHを中性ないしアルカリ性に調整した廃液に対し
て、可溶性のカルシウム化合物を廃液中のホウ素
に対するカルシウムのモル比Ca/Bが少なくと
も0.2となるように添加し、40〜70℃の温度で撹
拌してホウ素を含有する不溶性のカルシウム塩を
生成させ、ついでその液を生成温度以下の温度に
保つて生成物を熟成させたのち蒸発濃縮して固形
分濃度の高い濃縮液とし、この濃縮液にセメント
を混和し固化処理する方法(特開昭59−12399号)
である。 この処理方法の実施において、濃縮の進行につ
れて液がペースト状となるので、蒸発濃縮器の伝
熱係数が次第に小さくなり、能率が低下するとい
う問題が生じた。その打開策として、上記処理方
法における蒸発濃縮に先立つて熟成後の固液分離
を行ない、分離液だけを蒸発濃縮することによ
り、蒸発濃縮器内の固形分の存在量を著しく少な
くした改良方法を開示した(特願昭57−228090号
(特公昭63−52359号公報参照))。 いまひとつは、上記のホウ素を含有する不溶性
のカルシウム塩の生成を行なう方法と同じグルー
プに属する技術であつて、ホウ素を含有する廃液
にカセイソーダを加えてPH調整したのちに蒸発濃
縮を行ない、濃縮液に可溶性のカルシウム化合物
を加えて不活性のホウ酸カルシウムを析出させ、
熟成して液のPHを12以上に高めるとともに析出物
の粒子を成長させ、固液分離して析出物は濃縮固
形分スラリーとして固化処理し、一方PH12以上の
分離液は、酸性の廃液の中和に循環再利用するこ
とを特徴とする。(特願昭57−120792号(特開昭
59−12400号公報参照))。 原子力発電所では、廃液の蒸発濃縮装置だけは
すでに設備を有している場合が多いので、既存の
装置に大幅な改修を加えずに使用したい。このよ
うな要望にこたえて、本発明者らは、原子力発電
所の既設の設備をそのまま利用して、以後の処理
工程に必要な設備を追加することによつて、さき
の発明の利益を受けつつ実施できる処理方法を確
立して、これを別途提案した。その処理方法は、
ホウ素を含有する放射性の廃液をPH調節したのち
に蒸発濃縮を行ない、濃縮液にカセイソーダおよ
び可溶性のカルシウム化合物を加えて不溶性のホ
ウ酸カルシウムを析出させ、熟成した後、固液分
離して、析出物は濃縮スラリーとしてセメント固
化処理し、分離液は濃縮して不溶性ホウ酸カルシ
ウム析出工程に戻して循環再処理することを特徴
とする。 上記いずれの方法によるにしても、より高い減
容性を得ることは、不変の課題である。
【発明が解決しようとする問題点】
本発明の目的は、この課題に対する解決策とし
てここに提案するものであつて、上記したいくつ
かの発明に従う処理方法により得られたセメント
固化体を、さらに乾燥して焼成することにより、
固化体の減容性と耐水性をいつそう高める処理方
法を提供する。 発明の構成
【問題点を解決するための手段】
本発明の第一の放射性廃液の減容固化処理方法
は、ホウ素を含有する放射性廃液を減容固化処理
する方法において、第1図に示すように、まず廃
液の全部まは一部にカセイソーダを加えそのPHを
中性ないしアルカリ性に調整し、可溶性のカルシ
ウム化合物を廃液中のホウ素に対するカルシウム
のモル比Ca/Bが少なくとも0.2となるように添
加し、40〜70℃の温度で撹拌してホウ素を含有す
る不溶性のカルシウム塩を生成させ、ついでその
液を生成温度以下の温度に保つて生成物を熟成さ
せたのち固液分離して濃縮固形分と分離液とに分
け、廃液の全部を上記のように処理した場合は分
離液を蒸発濃縮し、廃液の一部を上記のように処
理した場合は分離液と残りの廃液とを蒸発濃縮
し、濃縮液を濃縮固形分とともにセメントに混和
し固化処理し、得られたセメント固化体を乾燥
後、700℃以上の温度で焼成することにより体積
の減少した焼結固体を得、冷却してこれをとり出
すことを特徴とする。 上記した分離液の蒸発濃縮液に廃液の一部を加
える態様は、とくに高度の減容を意図して前記発
明を実施する場合に有用である。 本発明の第二の放射性廃液の減容固化処理方法
は、ホウ素を含有する放射性廃液を減容固化処理
する方法において、第2図に示すように、廃液に
カセイソーダを加えてそのPHを中性ないしアルカ
リ性に調整し蒸発濃縮を行ない、濃縮液に可溶性
のカルシウム化合物を加えて不溶性のホウ酸カル
シウムを析出させ、その液を生成温度以下の温度
に保つて生成物を熟成させたのち固液分離して濃
縮固形分と分離液とに分け、分離液は廃液のPH調
整に循環再利用し、濃縮固形分はセメントを混練
して固化処理し、得られたセメント固化体を乾燥
後、800℃以上温度で焼成することにより体積の
減少した焼結固体を得、冷却してこれをとり出す
ことを特徴とする。 本発明の第三の放射性廃液の減容固化処理方法
は、ホウ素を含有する放射性廃液を減容固化処理
する方法において、第3図に示すように、廃液に
アルカリを加えてそのPHを中性ないしアルカリ性
に調整し、蒸発濃縮を行ない、濃縮液に可溶性の
カルシウム化合物を加えて不溶性のホウ酸カルシ
ウムを析出させ、その液を生成温度以下の温度に
保つて生成物を熟成させたのち固液分離して凝縮
固形分と分離液とに分け、分離液はさらに蒸発濃
縮して不溶性のホウ酸カルシウム析出工程に戻し
て循環再処理し、濃縮固形分はセメントを混練し
て固化処理し、得られたセメント固化体を乾燥
後、800℃以上の温度で焼成することにより体積
の減少した焼結固化体を得、冷却してこれをとり
出すことを特徴とする。 本発明で、廃液のPH調整からセメント固化体を
得るまでの過程は、第一ないし第三の発明のいず
れにおいても、さきに開示したところに従つて実
施すればよいが、以下に要点を説明する。 不溶性のホウ酸カルシウム塩は、系のPHが酸性
領域にあると、生成速度はきわめて遅く実用的で
ないから、その場合はカルシウム化合物の添加に
先立つて、液のPHを7以上の中性ないしアルカリ
性にすべきである。この目的には、適量の水酸化
ナトリウムを加えるとよい。 PH調整後の廃液に加えるカルシウム化合物は、
ホウ酸イオンと反応して不溶性の塩をつくるに足
りぬ溶解度をもつものなら何でもよく、水酸化カ
ルシウム、酸化カルシウム、硝酸カルシウム、ポ
ルトランドセメントクリンカーなどがその代表的
なものであるが、添加による廃液中の固形分の増
加をできるだけ少なくしたいから、水酸化物や酸
化物の使用が好ましい。これらカルシウム化合物
は1種だけでなく、2種以上併用できることはい
うまでもない。 カルシウム化合物の添加量は、廃液中に含有さ
れているホウ素成分に対して、Ca/Bのモル比
にして、少なくとも0.2となるようにえらぶ。 これを下回るカルシウム量では、ホウ酸の不溶
化が十分に行なわれない。また、Ca/Bの比が
高いほど、不溶性塩の生成速度は高まる。上限は
とくにないが、効果はCa/B=0.6〜0.7あたりで
飽和し、多量の添加は意味がないし、処理すべき
廃液中の固形分含有量を増加させることは好まし
くないから、Ca/B=0.5ないし0.7までに止める
のが得策である。不溶性塩の生成反応は、おおよ
そ70℃までは温度が高い方が速やかに進み、40℃
またはそれ以上が実用的である。70℃以上の温度
では、かえつて反応が次第に遅くなる。一方、反
応の結果生じるペースト状物は、温度が高いと硬
くなつて、操作上不利になる。通常の装置で許容
できる限度は70℃程度であり、好ましいのは60℃
以下である。この工程は、撹拌下でおこなう必要
がある。 熟成は、上記のようにして得たペースト状物
を、冷却して数時間保持することにより実施す
る。温度は、上記不溶性塩の析出のための反応温
度より低くなければならない。この工程において
は、ゆるやかな撹拌を行なうことが好ましいが、
不可欠ではない。熟成により、ペースト状物はス
ラリー状に変化し、不溶性塩は沈降性となつて、
水を分離しやすくなる。熟成過程をへて得たスラ
リーは、ペースト状物とちがつて易送性であり、
固液分離が容易である。 固液分離は、種々の濾過機、遠心分離機など、
任意の装置を用いて実施できる。固形分の水分含
量を低くする必要はない、また分離水中に多少の
固形分が入つていても差支えないから、デカンタ
ーのような装置で濃厚スラリーと上澄み液とに分
ける程度でよい。 ほぼ全部の固形分を除いた分離液は、蒸発濃縮
により減容するか、またははじめのPH調整に循環
再使用する。蒸発濃縮は任意の装置を用いて実施
でき、連続式、回分式のいずれによつてもよい
が、分離液の供給は連続的、濃縮液の排出は回分
式の、半回分方式で外部加熱による強制循環蒸発
濃縮方式が好都合である。濃縮度のコントロール
は、蒸発水を凝縮して得られる凝縮水量を検知し
て行なうとよい。 濃縮の度合は、所望する減容度と、濃縮ペース
トの取扱いやすさ、後続のセメント固化処理過程
における混練性や硬化体の物性などとの調和にも
とづいて決定することになる。処理すべき廃液の
体積に対する固化体の体積を1/2以下とし、混練
性を確保して良好な固化体を得るためには、濃縮
固形分と蒸発濃縮した分離液濃縮ペーストとを合
体したスラリーの中の固形分濃度を、30〜80重量
%の範囲内とするのが適当である。 セメント固化処理の工程、すなわち上記のスラ
リーとセメント(および必要ならば補充の水)と
の混練および貯蔵容器への充填は、既知の技術に
従つて実施することができる。セメントとして
は、ポルトランドセメント、混合ポルトランドセ
メントをはじめとする無機質水硬性セメントが一
般に使用できるが、ポルトランドセメントなどケ
イ酸石灰質セメントが好ましい。 さきの発明の減容型セメント固化法によるとき
は、セメント固化体のの強度は水/セメント比に
依存するので、通常30wt%程度のセメントを混
練する必要があるが、本発明の方法によるときは
焼成により強度が高まるので、15wt%程度のセ
メント添加量で足りる。このことは、材料の節減
ばかりでなく、処理方法全体を通しての減容性の
向上にも、さらに寄与する。 このようにして、得たセメント固化体を、本発
明では、まず加熱乾燥する。セメント固化体中に
は、混練のさいに加えられた水のうち、セメント
と結合していない遊離水が含まれており、これは
加熱により容易に蒸発する。ただし、急激に加熱
するとこの分が急激に蒸発して、固化体が破壊す
ることがあり、乾燥工程は、このような破壊を防
ぐための焼成予備工程である。加熱温度は、水の
沸点かまたはそれ以上、100〜約120℃程度の加熱
で充分である。この乾燥工程は、加熱速度を調整
することにより次の焼成工程と連続して実施する
ことができる。 焼成は、第一の発明では700℃以上、第二およ
び第三の発明では800℃以上の加熱を行ない、セ
メント固化体を焼結させる。焼成温度700℃以上
または800℃以上は、ホウ酸二石灰の生成のため
必要であり、良好な固化体を得るためには、第一
の発明では900℃以上、第二および第三の発明で
は950℃以上に加熱することが好ましい。第一の
発明と第二および第三の発明との間で、焼成に適
する温度に若干の差があるのは、セメント固化体
のアルカリ分の含有量の差によるものであつて、
NaOHなどの含有量の少ない後者の固化体の方
が、より高い温度を必要とするものと解される。
いずれの場合も、焼成収縮は1000℃を超えるとそ
れほど大きくならず、1100℃付近で飽和する。従
つて、あまり高い温度での焼成は消費エネルギー
の観点から得策ではなく、900ないし950〜1000℃
の範囲が有利である。1000℃以下の比較的低温で
の焼成なので、溶融、ガラス固化法等にくらべ装
置材料の選択が容易であり、焼成中のB2O3、
Na2O等の揮発の問題もない。焼成時間は、通常
は焼成温度に達した後、3時間以上あれば充分で
ある。ただし、被焼成物が大型のときは、内部ま
で所定の温度になるには時間がかかるので、被焼
成物の大きさに合わせて焼成時間をえらぶ必要が
ある。 また、焼成を荷重を加えながら行なうこと(載
荷焼成)が、焼結体をち密化するのに効果的であ
る。さらにこの場合、載荷方向にのみ収縮が起る
ので、載荷装置を適当に選ぶことにより、任意の
形状の固化体を得ることができ、好都合である。 所定時間焼成後、冷却して固化体をとり出す。 冷却の速度は任意であり、強制冷却でも自然放
冷でもよい。ガラス固化法のように急冷する必要
はない。徐冷すると、ホウ酸二石灰の結晶転移が
起るが、比重変化ないので固化体が崩壊したりす
ることはない。
【作用】
本発明の特徴をなすセメント固化体の乾燥およ
び焼成の意義を次に説明する。 焼成温度までの昇温加熱過程で、セメント固化
体中の結合水(ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カルシ
ウムの結合水および水和セメントの結合水)は、
徐々に分解脱水され、同様に、セメントの水和に
よつて生成た水酸化カルシウムも分解され、セメ
ント固化体はより多孔質となる。 これにより、乾燥、昇温加熱で発生したセメン
ト固化体内の空隙が小さくなり収縮するので、よ
り高い減容性が得られるわけである。好ましい温
度で焼成すると、セメント固化体の体積を1/2以
下に減容できる。 この固化体は、極めて、ち密な組織を有する強
固なセラミツク固化体である。 焼成過程で起る焼結現象について、本発明者ら
は未だ充分に解明してはいないが、次のように推
測している。すなわち、セメント固化体中に含ま
れるホウ酸化合物(ホウ酸カルシウムおよびホウ
酸ナトリウム)とカルシウム化合物(ケイ酸石
灰、アルミン酸石灰、鉄アルミン酸石灰等のポル
トランドセメントクリンカー鉱物およびこれらの
水和生成物の脱水化合物)とが反応し、カルシウ
ム成分の多いホウ酸カルシウム塩であるホウ酸二
石灰(2CaO・B2O3)が生成し焼結する。 同時に、Na2O−SiO2−B2O3−CaO系の不定形
化合物が生成する。この不定形成分はFe2O3、
Al2O3も含み、焼成過程で一部融液を生成するの
で、ホウ酸二石灰の生成を容易にするだけでな
く、焼結を助ける。セメント固化体中のアルカリ
含有量が多い場合は、この不定形化合物の生成量
が多くなる。 焼成によつて生成したホウ酸二石灰および不定
形化合物は、水と接触しても水和することがない
ので、焼結固化体は耐水性が良好で、きわめて安
定である。一方、Co、Sr、Cs等の核種も不定形
化合物の成分としてとり込まれ、これらの水中へ
の侵出も防ぐことができる。 焼成における反応は、ゆつくり進行するので焼
成収縮は一様に起り、焼成後固化体は焼成前のそ
れと相似の形状を有している。 第二の発明が第一の発明に対してもつ有利さ
は、廃液のPH調整に加えたアルカリが、第2図に
示すようにPH調整工程から固液分離工程の間で循
環再使用されるので、セメントと混練するものの
中にアルカリがわずかしか入らず、処理の対象物
の量を減らすことができセメント固化の段階でよ
り高い減容ができることである。セメント固化体
中にアルカリが実質上混入しないということはセ
メント固化体の耐水性、ひいては焼結体の耐水性
も向上させる。 上記の利益は、第三の発明においても享受でき
る。 次に本発明の効果を、実施例を示して説明す
る。 実施例 1 ホウ酸(H3BO3)の水溶液に、水酸化ナトリ
ウムを加え、ホウ素濃度2.1重量%、ナトリウム
濃度1.2重量%で20℃でのPHを7.5としたホウ素含
有模擬廃液(以下「廃液」とする。)を用意した。 この廃液に水酸化カルシウム粉末をCa/B=
0.5(モル比)となるように加え、不溶性のホウ酸
カルシウムを析出させ、熟成し、スラリーを得
た。このスラリーを遠心分離機で脱水し、固液分
離した。 分離液100重量部に廃液10重量部を加えて、常
圧、100℃で水分を蒸発させ、固形分60%まで濃
縮した。この濃縮液に、先に固液分離された濃縮
固形分を加え、さらにポルトランドセメントを固
形分/セメント/水分=50/30/20(重量部)の
割合で配合し、混練した後、直径40mm×高さ40mm
の型に注入し、3カ月間養生した。このセメント
固化体を、種々の温度で5時間焼成し、焼結固体
の焼結性および耐水性をしらべた。 焼結性は、固化体の収縮、硬さ、ち密さから判
定した。焼成温度と体積収率との関係は、第4図
に示すとおりである。体積収縮率は、次式で定義
される。 体積収縮率 =(1−焼成後体積/乾燥前体積)×100 耐水性は、固化体を3ケ月間水中に浸漬したと
きの浸漬水のPH、固化体の外観形状を浸漬1日後
のものと比較し、次の基準で判定した。 ◎…固化体の形状、浸漬水のPHにほとんど変化が
認められない 〇…固化体形状に変化はないが浸漬水のPHがやや
増加した ×…固化体形状に変化が認められた 以上の結果は、つぎのとおりである。 温度(℃) 焼結性 耐水性 600 × × 700 〇 ○ 800 ◎ 〇 900 ◎ ◎ 1000 ◎ ◎ 1100 ◎ ◎ 第4図にみる600℃以下での収縮は脱水乾燥に
よるもので、700℃〜1000℃の温度範囲で直線的
に増加する収縮率は、焼結の進行によるものと思
われる。第一の方法で高減容を目的とするなら
ば、900℃〜1000℃の温度範囲が適当なことがわ
かる。 実施例 2 実施例1で得た(分離濃縮液+濃縮固形分)の
100重量部にポルトランドセメント43重量分を加
え、ミキサーで10分間混練した。混練モルタルを
直径40mm×高さ40mmの容器に注入し、20℃で養生
した。養生1日で硬化し、硬化体の比重は1.8で
あつた。養生90日で、圧縮強度250Kg/cm2となつ
た。これを離型し、110℃で乾燥後、電気炉で900
℃、5時間の加熱焼成を行なつた。 焼成後、固化体をとり出して放冷し、硬く焼き
しまつた焼結固化体を得た。この固化体の比重
は、2.00であつた。乾燥前の固化体と比較し、46
%の体積収縮を示した。重量は、40%減少した。 この焼結固化体を水中に3ケ月間浸漬後、外観
を目視したが、形状変化は全く認められなかつ
た。 また浸漬水の3ケ月後のPHは1日後の値とほと
んど変らなかつた。従つて、セメント固化体をさ
らに約1/2に減容した、耐水性を有する固化体が
得られることが確認できた。 実施例 3 実施例1の方法に従つて、セメント固化体をつ
くり、1000℃、5時間の焼成を行なつた結果、体
積収縮率57.4%、重量減少率40.0%で比重2.60の
堅牢な焼結固化体を得た。焼結固化体の一軸圧縮
を測定したところ、1800Kg/cm2を示した。この固
化体を同様に3ケ月間水中に放置したが、形状お
よび浸漬水のPHの変化はなく、良好な耐水性を示
した。 実施例 4 実施例1と同様の方法で、濃縮固形物と濃縮液
を得た。この100重量分にポルトランドセメント
18重量部を加え、ミキサーで10分間混練後、混練
モルタルを前記と同じ容器に注入して20℃で養生
した。固化体の比重は1.75であつた。養生90日後
の圧縮強度は、60Kg/cm2であつた。以後、実施例
2に従つて、1000℃、5時間の焼成を行なつて、
固化体の比重2.45、体積収縮率63.0%、重量減少
率49.0%の硬い焼結固化体を得た。 この例は、セメント添加量が少なくとも良好な
固化体が得られ、減容性向上の上で、さらに効果
的であることを示す。 実施例2〜4で実現した減容比を、さきの発明
の減容型セメント固化法、および従来型セメント
固化化法と比較した結果を次に示す。
【表】 従来型セメント固化法は廃液にセメントを混練
する方法[天沼、阪田、「放射性廃棄物処理処分
に関する研究開発」、67〜68頁、産業技術出版、
テクノ・プロジエクト刊]によるものである。 相対減容比は、実施例に示した廃液組成体積に
対する固化体体積を基準として求めた従来型セメ
ント固化法の減容比を1としたときの各、固化法
の減容比を示している。。混合比は廃液固形分/
結合材(重量比)で示し、結合材にはセメント固
化法ではセメントおよび混練水を含む。 減容型セメント固化は実施例1においてつくつ
た固化体どまりであつて、焼成を行なつていない
ものである。 実施例 5 ホウ酸(H3BO3)をホウ酸濃度にして0.21重量
%含有する模擬廃液(以下「廃液」とする)にカ
セイソーダを加えながら容積が1/10になるまで蒸
発濃縮した。この濃縮液のホウ素濃度は2.1重量
%、ナトリウム濃度は1.2重量%で、25℃におけ
るPHは7.5であつた。 この濃縮液に水酸化カルシウム粉末をCa/B
=0.5(モル比)となるように加え、撹拌しながら
不溶性のホウ酸カルシウムを析出させ、熟成して
スラリー状の液を得た。 このスラリーを遠心分離機で脱水し、固液分離
して分離液と固形分濃度75%の濃縮固形分とを得
た。 分離液のナトリウム濃度は1.3重量%であつた。
この分離液を廃液に加えながら廃液を蒸発濃縮
し、ホウ素濃度2.1重量%ナトリウム濃度1.2重量
%、25℃におけるPHが7.5の濃縮液を得た。 この濃縮液を前述の方法で処理して固液分離
し、得た濃縮固形分と前述の濃縮固形分とを合わ
せて100重量部にポルトランドセメント50重量部、
水17重量部を加え、ミキサーで10分間混練した。
得られたモルタルを直径40mm×高さ40mmの容器に
注入し、20℃で養生した。 モルタルは一日で硬化し、硬化体の比重は1.75
であつた。モルタルの一部から試験片を作成し、
強度試験を行なつたところ、養生90日後で圧縮強
度は270Kg/cm2であつた。 90日間養生させたセメント固化体を110℃で乾
燥し、種々の温度で12時間焼成して、焼結固化体
の焼結性および耐水性をしらべた。 焼成温度と体積収縮率との関係は、第5図に示
すとおりである。 実施例1と同様の判定基準で焼結性および耐水
性を判定するとつぎのとおりであつた。 温度(℃) 焼結性 耐水性 600 × × 700 × × 800 〇 〇 900 ◎ ◎ 1000 ◎ ◎ 1100 ◎ ◎ 900℃で12時間焼成した焼結固化体の比重は
1.45、圧縮強度1000Kg/cm2で、焼結性、耐水性は
良好であつた。 したがつて900℃〜1100℃での焼成が適当であ
るが、第二および第三の方法で高減容を目的とす
るならば、焼成を1000〜1100℃の温度範囲で行な
うのが適当なことがわかる。 実施例 6 ホウ酸(H3BO3)をホウ酸濃度にして2.5重量
%含有する60℃の水に25重量%のカセイソーダ水
溶液を加え中和し、ホウ素2.1重量%、ナトリウ
ム1.2重量%、20℃におけるPHが7.5である模擬濃
縮廃液(以下「濃縮液」とする)を調製した。こ
の濃縮液に水酸化カルシウム粉末をCa/B=0.5
(モル比)となるように加え、撹拌しながら反応
させ、不溶性のホウ酸カルシウムを析出させ、熟
成し、スラリー状の液を得た。 このスラリーを遠心分離機で脱水し、固液分離
して分離液と固形分濃度75%の濃縮固形分とを得
た。分離液を11倍濃縮してナトリウム濃度14.4重
量%の濃縮液とし、この濃縮液を前述の模擬濃縮
液に加え、中和してホウ素濃度2.1重量%とし、
前述の方法に従つて水酸化カルシウム粉末を加え
て不溶性ホウ酸カルシウムを析出させ、この不溶
性塩を含むスラリーを熟成し、固液分離して、同
様に濃縮固形分を得た。 前記の濃縮固形分と合わせ、その100重量部に、
ポルトランドセメント50重量部、水17重量部を加
え、ミキサーで10分間混練した。得られたモルタ
ルを直径40mm×高さ40mmの容器に注入し、20℃で
養生した。90日後、硬化したセメント固化体を離
型し、110℃で乾燥してから電気炉に入れて昇温
し、1000℃で12時間焼成した後、室温まで冷却し
て焼結固化体を得た。 この焼結固化体の比重は2.2、圧縮強度は1500
Kg/cm2で水中に3ケ月間浸漬しても変化は認めら
れなかつた。 乾燥前のセメント固化体と比較すると、焼結固
化体の体積は53%減少した。 発明の効果 本発明によるときは、ホウ素を含有する放射性
廃液の処理にあたつて、セメント固化体を焼成す
ることによるいつそうの減容性と耐水性とが得ら
れ、長期にわたつて安定な貯蔵ができる。 第二および第三の発明は、上記した第一の発明
の利益に加えて、アルカリの投入量を節減でき、
かつセメント固化体自体の体積を小さくできるこ
とである。 また、焼成温度は高くなるが、得られた焼結体
の耐水性はより高い。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は、本発明の放射
性廃液の減容固化のための第一、第二および第三
の処理方法をそれぞれ示す、ブロツクダイアグラ
ムである。第4図および第5図は本発明の効果を
示すものであつて、セメント固化体の焼成温度と
体積収縮率との関係をあらわしたグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ホウ素を含有する放射性廃液を減容固化処理
    する方法において、廃液の全部または一部にアル
    カリを加えてそのPHを中性ないしアルカリ性に調
    整し、可溶性のカルシウム化合物を廃液中のホウ
    素に対するカルシウムのモル比Ca/Bが少なく
    とも0.2となるように添加し、40〜70℃の温度で
    撹拌してホウ素を含有する不溶性のカルシウム塩
    を生成させ、ついでその液を生成温度以下の温度
    に保つて生成物を熟成させたのち固液分離して濃
    縮固形物と分離液とに分け、廃液の全部を上記の
    ように処理した場合は分離液を蒸発濃縮し、廃液
    の一部を上記のように処理した場合は分離液と残
    りの廃液とを蒸発濃縮し、濃縮液を濃縮固形分と
    ともにセメントに混和して固化処理し、得られた
    セメント固化体を乾燥後、700℃以上の温度で焼
    成することにより体積の減少した焼結固化体を得
    ることを特徴とする処理方法。 2 セメントとしてポルトランドセメントを使用
    する特許請求の範囲第1項に記載の処理方法。 3 焼成を900℃以上の温度で行なう特許請求の
    範囲第1項に記載の処理方法。 4 固化体の焼成を荷重を加えながら行なう特許
    請求の範囲第1項に記載の処理方法。 5 ホウ素を含有する放射性廃液を減容固化処理
    する方法において、廃液にアルカリを加えてその
    PHを中性ないしアルカリ性に調整し蒸発濃縮を行
    ない、濃縮液に可溶性のカルシウム化合物を加え
    て不溶性のホウ酸カルシウムを析出させ、その液
    を生成温度以下の温度に保つて生成物を熟成させ
    たのち固液分離して濃縮固形分と分離液とに分
    け、分離液は廃液のPH調整に循環再利用し、濃縮
    固形分はセメントを混練して固化処理し、得られ
    たセメント固化体を乾燥後、800℃以上の温度で
    焼成することにより体積の減少した焼結固化体を
    得ることを特徴とする処理方法。 6 セメントとしてケイ酸石灰系セメント(ポル
    トランドセメント、フライアツシユセメントおよ
    び高炉セメント等)を使用する特許請求の範囲第
    5項に記載の処理方法。 7 焼成を900℃以上の温度で行なう特許請求の
    範囲第5項に記載の処理方法。 8 固化体の焼成を荷重を加えながら行なう特許
    請求の範囲第5項に記載の処理方法。 9 ホウ素を含有する放射性廃液を減容固化処理
    する方法において、廃液にアルカリを加えてその
    PHを中性ないしアルカリ性に調整し、蒸発濃縮を
    行ない、濃縮液に可溶性のカルシウム化合物を加
    えて不溶性のホウ酸カルシウムを析出させ、その
    液を生成温度以下の温度に保つて生成物を熟成さ
    せたのち固液分離して濃縮固形分と分離液とに分
    け、分離液はさらに蒸発濃縮して不溶性ホウ酸カ
    ルシウムの析出工程に戻して循環再使用し、濃縮
    固形分はセメントを混練して固化処理し、得られ
    たセメント固化体を乾燥後、800℃以上の温度で
    焼成することにより体積の減少した焼結固化体を
    得ることを特徴とする処理方法。 10 セメントとしてケイ酸石灰系セメント(ポ
    ルトランドセメント、フライアツシユセメントお
    よび高炉セメント等)を使用する特許請求の範囲
    第9項に記載の処理方法。 11 焼成を900℃以上の温度で行なう特許請求
    の範囲第9項に記載の処理方法。 12 固化体の焼成を荷重を加えながら行なう特
    許請求の範囲第9項に記載の処理方法。
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