JPH0316573A - 経皮投薬用素子 - Google Patents

経皮投薬用素子

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JPH0316573A
JPH0316573A JP15065489A JP15065489A JPH0316573A JP H0316573 A JPH0316573 A JP H0316573A JP 15065489 A JP15065489 A JP 15065489A JP 15065489 A JP15065489 A JP 15065489A JP H0316573 A JPH0316573 A JP H0316573A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,イオントフォレーゼの作用を利用した経皮投
薬用素子に関する。
〔従来の技術〕
生体の疾患治療に用いられる薬剤投与方法には、静脈血
流の運搬作用に頼る注射,直腸投与,経口投与法と薬剤
の局所的な拡散浸透作用に頼る経皮投与法とがある。前
者は主に全身症状や生体深奥部に原因する疾患の治療に
効果的であり、後者は主に局所疾患の治療に効果的であ
る。近年、経皮投与法の改善と共に活動中の生体に持続
的に一定濃度の薬剤を供給し,治療しつつ日常生活を送
ることが、一部の症例で可能となった。典型的なものに
,筋骨格系および結合組織の疾患治療,狭心症の発作予
防,風邪による気管支炎症の沈静化などがある。これら
経皮投薬は、通常有効或分を含む薬剤を皮接し、一定の
或分拡散速度を維持しつつ患部に一定濃度の有効戒分を
供給するものである。しかるに、疾患の治癒作用を示す
薬剤成分は一般に高分子化合物であり、かつ複雑な立体
構造をもつので、単純な濃度拡散現象にだけ頼っていて
は十分な治療効果が得られないことも多い.とくに,急
性疾や症状が重い場合には経皮投与法は不適であると指
摘されている. そこで、経皮投薬法による有効成分の生体内搬送効率を
飛躍的に高める手段として,近年イオントフォレーゼ,
すなわち電気泳動法を利用したイオン性薬剤の経皮吸収
法が脚光をあびてきた.イオントフオレーゼそのものは
既に20世紀初頭から知られており、一部で用いられて
きたが、近年顔面神経痛に効果的なイオン性薬剤や、固
定プラスター,電極材料(イオン性薬剤用マトリクスを
含む)および電気泳動可能な高性能小型可搬外部電源の
開発などによってその効用がクローズアップされてきた
イオントフォレーゼを行うには、有効成分を含むイオン
性薬剤を導電性ペーストまたは含水ガーゼなどに保持し
て患部に皮接し、その上に通電用電極(活性電極)を配
置する。この近傍に不関電極(又は接地電極)とよばれ
る対電極を皮接し,両電極間に電源を接続して通電する
。この場合、どちらの電極を正に偏倚するかは,生体に
浸透させる有効戒分の電荷に依存する。例えば,消炎鎮
痛効果をもつサリチル酸をナトリウム塩として用いるな
らば、有効或分サリチル酸は負に帯電しているので活性
電極は電源の陰極に接続し、電気的反撥力によって皮膚
内通電路にサリチル酸を泳動・浸透せしめるのである。
通電する電流密度は、有効或分供給濃度の必要性によっ
て大きく異なるが、通常数〜数100μA/cd程度と
いわれる(たとえば、特開昭58−130054号).
イオントフォレーゼの採用によって有効或分の生体内供
給速度が、単なる拡散浸透の場合に比べて1桁以上高ま
っていることが報告されている(たとえば、特開昭61
−149168号,第lから第4表対比)。それ故、イ
オントフォレーゼを利用した経皮投与法は、ペニシリン
,セファゾ,リン等の抗生物質,サリチル酸,フルフェ
ナム酸などの消炎鎮痛剤,ベントバルビタール,セコバ
ルビタールなどの抗てんかん剤,その他ビタミン,ホル
モン剤,抗不整脈剤など多くの薬剤投与に活用される気
運にある。
〔発明が解決しようとする課題〕
イオントフォレーゼは外部電源による偏倚によってイオ
ン性薬剤の電気泳動を生せしめるため、活動中の生体に
適用するには携帯用小型電池が電源として用いられねば
ならない(たとえば特開昭60−188176号).シ
かし、乾電池は一定時間の使用によって起電力が消耗し
、目的を果たせなくなったり,或は皮接面の状況変化,
たとえば発汗などによって皮膚抵抗が大きく変化し、大
電流が流れて生体皮膚面にヤケドを生ずるなどの問題点
がある.これを防ぐ方策として、イオン化傾向の異なる
二種類の金属を導電接続し、皮接時に生ずる電気的閉回
路を利用して起電力を発生させ、陽極側金属と同じ神類
の金属を用いたイオン性薬剤金属塩を陽極の皮接面に塗
布して用いるイオントフォレーゼが提案されている(特
開昭60 − 203270号).この方法は生体皮膚
面を電解質として利用しようとするもので、外部電源(
電池)を用いた上記従来技術に比べて、いわば電池の内
部反応(電極間の酸化還元反応)を用いるものである。
したがって、皮膚抵抗の大幅な変化や電極間短絡が発生
しても電池起電能の停止が生ずるのみで、安全であると
いう利点がある。
しかし,この方法は大きな欠点がある。すなわち、陰陽
極を皮接して電気的閉回路を形成した時、イオン化傾向
の大きな陰極から電子が陽極へ流れ、陰極金属が酸化さ
れた状態になる.陰極から陽極に移った電子は陽極を負
に帯電させるから,その電気的反撥力によって陽極下に
配置された陰イオン性薬剤成分は生体内に泳動して吸収
される。ところが、電子のぬけた(酸化された)陰極は
化学的に不安定な「活性状態」にあるため、電気陰性度
の高い電子を引きよせ化合物を形成しやすい。
特開昭60 − 203270号では、(3)右上欄1
4〜16行目において「(この状態下にある陰極は)体
内の陰イオンを吸収し、これにより金属塩となって蓄積
されることになるJと記述されているが、この文献例の
如く陰極が水分子に取りかこまれた状態にあれば、体内
の陰イオンを吸収する前に速やかに下記反応式によって
酸化物が生或することは自明である。
Me”+20H−→Me(○H)z→M e O + 
H 2 0(ただし、Me”は陰極構或金属のイオン)
特に、この文献例で好適として推奨されているマグネシ
ウム合金を陰極に用いた場合には、強い酸化作用を呈す
るので、短かい時間のうちにMgO系酸化物が陰極表−
面を被覆する。MgO系酸化物は絶縁物であるため、酸
化物の形成開始と共に電池の内部抵抗が上昇するので、
その起電力は低下しはじめ、酸化物膜厚が厚くなるにし
たがって遂には全く導通がなくなる。すなわち、イオン
トフォレーゼは惹起しなくなる。
本発明は,上記した携帯用イオントフォレーゼ用電源の
もつ欠点を解消するために行われたものである.すなわ
ち、本発明の主要な目的は,生体皮膚電解質作用を利用
した内部反応型電池(バイオセル)の安全性を生かしな
がら、外部電源電池なみに安定した電極反応を継続的に
行なわせることによって、理想的なイオントフォレーゼ
用携帯電源を構成することにある。また、本発明の別の
目的は、陽極側からのイオン性薬剤の生体内浸透だけで
なく、症状の必要性に応じて、同時に陰極構成物質をも
電気泳動によって生体内に浸透せしめ、インターフェロ
ンを誘起するなどして生理活性作用を高めることができ
るようにすることである。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達或するために本発明では、イオン性被浸透
薬剤(有効或分)を含有する導電性マトリクス背面に導
電接触した標準端極電位のより高い金I7X電極と、該
金属電極に導電接続した標準端極電位のより低い半導体
電極とから成り、該半導体電極と前記イオン性被浸透薬
剤を含有する導電性マトリクスとを同時に皮接すること
を特徴とする経皮投薬用素子を開示する。
皮接によって電気的閉回路が形成されると直ちに電子が
流出する(還元される)ので、きわめて酸化されやすい
状態にある陰極に半導体を用いることは、この内部反応
型電池の電極反応を安定して継続する,すなわち、イオ
ントフォレーゼを長時間継続して行なわせる上できわめ
て効果的である。
電池の内部抵抗を減らし、有効電流密度を高める上では
比抵抗が工Ω(1)以下の低抵抗半導体,なかんずく電
子供給型の導電性半導体を陰極に用いることが有用であ
る。このような低抵抗導電性酸化物には酸化亜鉛(Zn
○),酸化ビスマス(Bl203)e酸化アンチモン(
 s b203),酸化スズ(Sn○2)などがあるが
、これら化合物は一種の不定比酸化物であり、酸素欠陥
を含むほうが導電率が高い(低抵抗である)。したがっ
て、最初から酸化物半導体の形で陰極に用いることもで
きるが、最初はこれらを金属(Zn,Bi,Sb,Sn
など)のままで陰極として皮接することもできる。特に
濡水状態で使用した場合はより速やかであるが、陰陽極
同時皮接によって電気的閉回路が形成されると,該金属
から電子が流出しその結果直ちに皮接面で薄い酸化被膜
が発生する。酸化被膜は通電時間の経過と共に数〜数十
μmの厚さまで或長するが、該酸化被膜が良好な低抵抗
電子供給型半導体として作用するので,このような用い
方をすることもできるのである。
また、半導体陰極としてゲルマニウムや同化合物,混合
物,シリコンや同化合物,混合物,希土類化合物や同混
合物などの物質を用いると、これらは皮接通電によって
陽イオン化し、生体内に浸透していく。この結果,生体
内で浸透濃度に比例した単位のインターフェロンなどを
誘起することが知られており、生戊したインターフェロ
ン等サイト力インが生体の生理活性作用を強化するため
、治療により好ましい影響を与える。
〔作用〕
本発明の半導体陰極がイオントフォレーゼ用内部反応型
電池に用いられた場合,安定して一定の起電力を発生す
るのは次の理由による。すなわち,第1図(a)の如く
半導体陰極3を陽極金属1と導線4で連結して導電接続
し、陽極金属1に導電接触させたイオン性被浸透薬剤(
M−)を含む導電性マトリクス2(ここでマトリクスと
は、碁盤目状とのことではなく、基材との意)と共に生
体皮膚面に皮接した時、図示したように陰陽極の標準端
極電位差に起因して半導体陰極3から陽極金属1に向け
て自由電子(e−)が流出し、半導体陰極3の伝導帯は
電子不足となって第1図(b)に示す如く,半導体陰極
3のエネルギーバンドは傾斜する。この時、半導体陰極
3の皮接面にはショットキー電位障へきβが形成され空
乏層ができる。しかし,低抵抗酸化物半導体を陰極に用
いると、図示したような酸素欠陥が形成する連続的な欠
陥準位から電子が熱的励起されて伝導帯に供給されるの
で,たえず安定して実効起電力が保たれるのである。こ
の時欠陥準位を介して熱的励起される電子の源は酸化物
半導体の充満帯なので,充満帯には電子のぬけから、す
なわち正孔(h+)が発生する.正孔は半導体内で順方
向に自己偏倚されるので、図示したように皮接面側へ流
れる。その結果、皮接面では酸化物半導体分子は陽イオ
ン化するが、電気陰性度の高い酸素原子と金属原子のイ
オン結合が強いため、隣接原子間の結合力が斥力に打勝
って通常は結晶から陽イオンが解離して生体皮膚内に浸
透することはない。正孔はそのまま生体皮膚内に流入し
、この領域に存在する生体内イオン(たとえば鉄イオン
)を酸化する(Fe”+h+→Fe3+). 一方,半導体陰極としてゲルマニウムなどの非酸化物結
晶を用いると、第1図(b)で示したプロセスにより発
生した正孔によって皮接面で陽イオン化した半導体原子
(又は分子)は、原子間引力が酸化物よりはるかに弱い
ため(共有結合性が強いため)不安定な状態にあり、隣
接する同種陽イオン間の斥力と皮膚面の電解質作用を受
けて結晶から解離し,半導体陽イオンとして生体内に浸
透する.前記したように、ゲルマニウムイオン等は、生
体内でインターフェロンやインターロイチン等サイトカ
インを作り出す働きがあり.生理作用が活性化されるの
で,陽極側から生体内に浸透する治療用イオン性薬剤の
作用と連けいして治癒効果が高まる場合が多い。この場
合は、陽極側と同時に陰極側でもイオントフオレーゼが
生じていることになる。またこの場合、陰極半導体の皮
接面においては、次々と陽イオンが解離するので、新鮮
な原子面が皮接している状態となる. 金属陽極ではなく半導体陰極を用いると、皮接した時第
1図(b)に示す如く皮接面でショットキー障へきβが
形威され,生体皮膚伝導帯の底と半導体伝導帯の底がこ
の部位で不連続になるため,半導体原子が皮接面で陽イ
オン化しても皮膚面から電子が流入して電気的に中和さ
せることはない.したがって、半導体陽イオンの電離と
生体内浸透が可能なわけである.一方、特開昭60− 
203270号の如く,陰極に金属を用いた場合には、
皮膚面と金属は皮接面で電子伝導帯の底が連続するので
,生体から金属側に電子が補給される。すなわち,マグ
ネシウム合金などの酸化されやすい卑金属を陽極に用い
ず,仮りに貴金属を陰極に用いた場合覧;は,皮接面で
長期使用レこよっても酸化膜が形成されることもなく電
子が生体側から補給され続けるので、金属の陽イオン化
,電離は生じない。ただし、この場合は、陽極として陰
極側より更に標準端極電位の高い貴金属を用いなければ
ならないことは自明である。
なお、本発明の陽極金属1は通常ゲル状マトリクス2に
導電接触しており、マトリクス2に含有されたイオン性
薬剤塩が電離して生ずる被浸透イオンM−の生体浸透に
ともなってマトリクス2のpHが変化するため、腐蝕に
強い金属,たとえば貴金属を用いることが望ましい。ま
た、経皮投薬用素子を長時間皮接する場合は、PH変化
(アルカリ化)によって生体皮膚面がかぶれるなどの問
題が生ずるので、周知の技法によるpH変化の緩和,た
とえば尿酸などの酸性基材配合による不溶性塩生或反応
の利用や、アルコール配合によるエステル化の利用など
、中和反応生起を考慮に入れたマトリクス組成決定を行
なうべきである。
〔実施例〕
(その1) 第2図に示すように直径2oのメッシュ状金電極工の外
側に10の間隔をあけて@ 3 tmの金属陰極3を配
置し,両電極1,3を導線4で短絡した.メッシュ状金
電極1は陽極であり、その下面にイオン性被浸透薬剤を
含む導電性マトリクス2が密着配置されている。この経
皮投薬用素子を剪毛後脱毛した白色ウサギの背面に皮接
して粘着テープでとめ、投薬効果を経時的に調べた。な
お、浸透効果を比較するために,メッシュ状金電極■に
サリチル酸ナトリウムを0.4モル含む導電性マトリク
ス2を組合せただけのものを用意し、同様に白色ウサギ
背面に皮接した。導電性マトリクス基材はポリビニルピ
ロリドンゲルとし、イオン性被浸透薬剤をサリチル酸ナ
トリウム,アスコルビン酸ナトリウム,トレチノインカ
ルシウムに選んで各0.4モルを前記ゲル基材に分散さ
せ、シート状に戒形したものが導電性マトリクス2とな
っている。
また,金属陽極3の材料は、マグネシウム合金または亜
鉛とした。
皮接時に陰陽極の密着度を高めるため、各皮接面に純水
を霧状に吹きつけ、皮接後は試験時間中一貫して皮接部
位を同じ位置とした。皮接後6,12, 18. 24
時間を経過して各ウサギから採血し、血中のイオン性薬
剤濃度を時間の関数として測定した。なお、各ウサギは
特定薬剤,特定陰極金属の一回だけに用い、濃度測定は
被験ウサギの耳静脈に挿入したカーテルから上大静脈血
を採取することにより行なった。この結果を第3図に示
す。
第3図は、サリチル酸,アスコルビン酸,トレチノイン
の各イオン性薬剤共第2図に示した素子を用いることに
よってイオントフオレーゼを惹起し、ウサギ生体内に浸
透していることを示している。すなわち,比較のために
ウサギに皮接した濃度拡散のみを生ずる素子によるサリ
チル酸イオンの経皮吸収濃度(・・×・・・X・・・)
より、明らかにイオントフオレーゼによる血中濃度が高
いことが示されている。しかし,金属陰極としてマグネ
シウム合金を用いた場合の浸透効果は、亜鉛を用いた場
合に比べて著しく低い。マグネシウム合金を用いた場合
,皮接後も時間経過のデータをピークに血濃度が低下し
、遂には濃度拡散による血中濃度と大差ない値に収れん
している。
この原因は、イオントフオレーゼの過程で陰極金属3の
表面で形成される酸化被膜の性質にある。
イオントフォレーゼの実験に用いた各ウサギの素子を皮
接後24時間を経てとりはずし、陰極金属3の皮接面を
調べると、例外なく灰白色を呈していた。灰白色は膜厚
5〜30μmの酸化被膜によるもので,陰極金属3のみ
を素子から切離して導通を調べると、亜鉛の場合は良好
な導通特性(比抵抗0.6Ωの)を示したが、マグネシ
ウム合金の場合は絶縁膜が形成されており、全く導通が
なかった.酸化被膜の形成経過を調べるために、第2図
の素子から陽極の導電性マトリクス2のみをはずし、陰
極金属に純水を噴霧して剪毛後脱毛処理した白色ウサギ
の背面に皮接した。この場合、一匹の白色ウサギ背面の
2ケ所に陰極金gt3が亜鉛の素子とマグネシウム合金
の素子をそれぞれ皮接し、一定時間経過毎に陰極をとり
はずし、その皮接の様子を調べた。この結果,亜鉛陰極
,マグネシウム合金陰極とも皮接後約2時間を経過した
だけで皮接面に酸化被膜が形成されはじめているのが、
肉眼で認められた。酸化膜厚は時間経過にともなって厚
くなるが.マグネシウム合金陰極の場合、皮接後2時間
経過した時点から抵抗上昇が認められ(比抵抗数+Ωa
n).4時間経過した時は比抵抗は数KΩ備に急増して
いた、しかし、亜鉛陰極の場合は4時間経過後も比抵抗
は0.1Ω個以下にとどまった。すなわち、マグネシウ
ム合金陰極を用いた場合は、酸化被膜形成による比抵抗
急増のため、第2図の素子とウサギから戊る電気的閉回
路の回路抵抗が急増し、回路電源である第2図の内部反
応型電池の性能が急激に低下してイオントフォレーゼが
比較的短時間(皮接後約10時間程度)で停止してしま
うのである。これに対して、亜鉛陰極の場合は、皮接面
に形成された酸化亜鉛半導体被膜が電子供給源としての
役割を充分はたすため、長時間にわたってイオントフォ
レーゼが持続するのである。亜鉛陰極の場合は、皮接後
72時間を経過しても比抵抗は1Ω国程度にとどまるの
で、電池としての内部抵抗は充分小さく、イオントフォ
レーゼ用電源として有効である.したがって、第3図の
亜鉛陰極(実効的には酸化亜鉛陰極)における薬剤血中
濃度の緩やかな飽和特性は、陰極特性の劣化によるもの
ではなく各イオン性薬剤の生体への供給と排出のバラン
スによるものと考えられる。
(その2) 第2図に示した素子形状を有し、陽極金属1がニッケル
板面上に白金薄膜(厚さ約2μl)をメッキした素材で
あり、導電性マトリクス2がゼラチンゲルに0.8モル
のクエン酸ソーダを分散させたイオン性薬剤源であり、
陰極3は出発材料をそれぞれ亜鉛,ビスマス,釦,アン
チモン,スズ金属とするような5種類の内部反応型起電
力利用経皮投薬用素子を形成した。また、比較のために
直径2aaのニッケル板上に0.8モルのクエン酸ソー
ダ分散ゼラチンゲルマトリクスを導電接着したもの(陰
極は用いず)を別に用意した。各素子および比較用パッ
ド(濃度拡散のみ利用)をそれぞれ剪毛後脱毛処理した
別の白色ウサギの背面に粘着テープで貼りつけ,24時
間経過後に各被験ウサギの血液を採取してクエン酸の血
中濃度のを調べた.この結果、第l表が得られた。
第1表は,第2図に示した素子を用いたイオントフォレ
ーゼが、l昼夜皮接後も有効に作用していることを示し
ている.イオントフォレーゼにょる経皮吸収は,単純拡
散による吸収に比べて6〜10倍高いことがわかる。な
お,24時間経過時における第2図の素子電流は8μA
であった。この値は,皮接開始時における約9μAと殆
ど変わらない。
また、24時間経過後素子をとりはずし、陰極金属の皮
接面を調べると、表面はいずれも酸化膜半導体で被われ
ていた。
次に、第2図の素子の陰極3を、ニッケル板に厚さ5〜
lOμmの酸化亜鉛膜をスパッタリング法で形威した環
状板とした。すなわち、皮接開始前から低抵抗の酸化物
半導体を陰極3の用いた素子を作った。陽極金属1およ
び導電性マトリクス2は試料A−Fと同じである.この
素子を白色ウサギの背面剪毛部に皮接し、24時間経過
後に血液を採取して血中のクエン酸濃度を測定すると、
80μg/mQであり、第1表の試料Aとほぼ同じ結果
が得られた.この事実は、本発明の内部反応型起電力を
利用した経皮投薬用素子においては,陰極として予め導
電性酸化物半導体を採用することも、また皮接通電時に
導電性酸化物半導体が速やかに形威される第1表記載の
如き金属を採用することも可能であることを示している
(その3) 10角,厚さ0.2+mの銀板を陽極金属1とし、lc
m角,厚さ0.5mmのn型ゲルマニウム単結晶板(キ
ャリア濃度I X 10”cm−’)を半導体陰極3と
し、第4図に示す如く両者を5rLn間隔で並べて銅線
4のハンダ付けにより導電接続した。次に、陽極金属l
の裏面に、デキサメタゾン0.3モル含有のポリビニー
ルピロリドンとグリセリンおよび10%食塩水とから成
るゲルマ状マトリクス2を塗布して経皮投薬用素子(素
子G)を形成した。また、この素子の半導体陰極3を,
1cII1角のスズ板表面にリンドープn型SiC(キ
ャリア濃度I X 10”an−3)をl5μmの厚さ
に化学蒸着したものに取替えた素子(素子H),および
半導体陰極3を、10角の鉄板表面に厚さ0.5μmの
ランタン硼化物( L a B 6 )を蒸着したもの
に取替えた素子(素子■)も別に用意した。
これら素子をそれぞれ別のCaH型マウス(雄)の背毛
を剪毛して該部位に粘性テープで貼着し、時間経過によ
るデキサメタゾンとインターフェロンの血中濃度変化を
調べた.実験はCaH型マウスを4匹ずつ一群として三
群準備し、各群にそれぞれ素子G,Hおよび工を貼着し
て、6時間毎に各群より一匹ずつを取り出し血液を採取
して調べた。また、比較のために、第4図の半導体陰極
をlcm角の亜鉛板表面に厚い酸化亜鉛被膜を形成した
素子(素子J)を用意し、二匹のC3H型マウス(雄)
の背皮に貼着して、それぞれ12時間後および24時間
後のデキサメタゾンおよびインターフェロンの血中濃度
を調べた。この結果を第5図に示す。いずれの素子を用
いた場合でもイオントフォレーゼの効果によって、皮接
後時間経過にしたがって体内のデキサメタゾン濃度は上
昇し,24時間後飽和点にむかう。同時に、特徴的であ
るのは、素子G,H,Iにおいては酸化物陰極を用いた
素子Jに比へて、血中のインターフェロン′a度が経時
的に増大していることである。これに対して,素子Jの
場合は、インターフェロン濃度の素子皮接による増加は
わずかにとどまる。この理由を明らかにするために、素
子工を貼着したマウス血液中のランタン濃度を調べた。
その結果、ランタン濃度は素子貼着前のゼロの水準から
時間経過にしたがって増大していくことがわかった。ま
た、素子GおよびHを貼着した24時間経過後のマウス
血液からもそれぞれ相当量のゲルマニウムおよびシリコ
ンが検出された。これに対して素子Jを貼着後24時間
経過したマウスの血液中からは、素子貼着前と変らない
水準の亜鉛濃度が検出されたのみである。したがって、
素子G,Hおよび工を貼着したラットにおける血液中の
インターフェロン濃度の増加は、陰極の半導体材料がイ
オントフォレーゼの結果マウス体内に浸透して誘起され
たものと結論ずけることができる。これら素子(G,H
,■)の陰極皮接面は24時間経過後もほとんど酸化し
ていなかった。
(その4) 第2図に示した経皮投薬用素子において、陽極金pA1
は、金,その下面に配置した導電性71・リク入2はナ
リジクス酸カリウムを0.1モル含有する寒天ゲルとし
、陰極半導体3を銅板上に被着させたリンドープn型硫
化亜鉛(キャリア濃度8X101ff , −3 )の
薄膜(厚さ約0.5μm)の場合(素子K)、および陰
極半導体3を銅板上に被着させた硼化鉄FeB膜(厚さ
約1μm)の場合(素子L)につき、素子の生体皮接実
験を行なった。前実施例同様CaH型マウス(雄)の背
毛を剪毛し、素子KおよびLをそれぞれ別のマウスに貼
着して48時間後、マウスの血液を採取して薬剤の血中
濃度を調べた。
この結果、陽極下だけでなく陰極側においてもイオント
フォレーゼが惹起していることが確認された。すなわち
、両マウスの血液中には、ナリジクス酸が50〜60I
Lg/n+Q検出されたほか、素子Kを貼着したマウス
においては亜鉛の血中濃度が素子Lを貼着したマウスの
場合より3倍強検出され、逆に素子Lを貼着したマウス
では素子Kを貼着したマウスの場合より約20%高い鉄
分が検出された。
これは、前記〔作用〕欄で述べたように陰極半導体3が
皮接部で陽イオン化し、相隣る陽イオン間の電気的反撥
力と皮膚の表面触媒作用によって結晶から分子単位で解
離し,生体内に浸透したものである。亜鉛や鉄は生体の
希少構戊元素であり、過剰摂取とならなければ生体にと
って好ましい元素である。
〔発明の効果〕
以上、実施例で詳細に述べたように、本発明の半導体陰
極を用いたバイオセル型経皮投薬素子の場合、乾電池や
蓄電池のような携帯用外部電源を用いた場合に懸念され
る皮膚抵抗変化による過剰大電流通電の心配や起電力の
経時的な低下という心配がなく、きわめて安全でかつ長
時間安定した経皮電流を日常活動中の生体に供給するこ
とができる。また、その酸化膜が絶縁性抵抗を有する金
属を陰極に用いた従前のバイオセル型皮接投薬素子に比
べて、はるかに長時間継続して陽極に配置されたイオン
性薬剤有効成分を経皮吸収せしめることが出来、生体患
部の治療に大変効果的であることが示された。更に,陰
極半導体として、非酸化物でありかつ被浸透イオンが生
体にとって生理活性上好ましい元素を含む低抵抗材料を
用いるならば、陽極下だけでなく陰極下においてもイオ
ントフォレーゼが惹起して、本来のイオン性薬剤による
治療効果を一層高めることができ好都合である。
本発明によって,経皮投薬は従来以上に有効な生体治療
方法となった.
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理を説明するための図,第2図およ
び第4図は、それぞれ別の本発明の経皮投薬用素子構造
を示す図,第3図および第5図は、それぞれ別の本発明
の実施例データである。図において、1は陽極金属,2
はイオン性被浸透薬剤を含む導電性マトリクス,3は半
導体陰極,4は導線である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)イオン性被浸透薬剤を含有する導電性マトリクス
    背面に導電接触した標準単極電位のより高い金属電極と
    、該金属電極に導電接続した標準端極電位のより低い半
    導体電極とから成り、該半導体電極と前記イオン性被浸
    透薬剤を含有する導電性マトリクスとを同時に皮接する
    ことを特徴とする経皮投薬用素子。
  2. (2)上記半導体電極が、電子供給型の導電性酸化物半
    導体または該素子の皮接使用により、皮接面で表面酸化
    により該半導体を形成する亜鉛、ビスマス、鉛、アンチ
    モンおよびスズから成る金属の少なくとも1種から形成
    されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の経
    皮投薬用素子。
  3. (3)上記半導体電極が、生体にイオン浸透した時、イ
    ンターフェロン誘起等で生理活性作用を呈する元素また
    はその化合物から成る半導体で形成されることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の経皮投薬用素子。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0880354A (ja) * 1994-09-14 1996-03-26 Poritoronikusu:Kk 経皮投薬素子
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RU2690104C1 (ru) * 2018-04-06 2019-05-30 Александр Николаевич Разумов Способ грязелечения

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