JPH032217B2 - - Google Patents

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JPH032217B2
JPH032217B2 JP61000429A JP42986A JPH032217B2 JP H032217 B2 JPH032217 B2 JP H032217B2 JP 61000429 A JP61000429 A JP 61000429A JP 42986 A JP42986 A JP 42986A JP H032217 B2 JPH032217 B2 JP H032217B2
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boron
nickel
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Shunichi Yuzuhara
Takashi Abe
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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Publication of JPS62158843A publication Critical patent/JPS62158843A/ja
Publication of JPH032217B2 publication Critical patent/JPH032217B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、軽水炉,高温ガス炉,高速増殖
炉,核融合炉等の中性子照射環境下で使用される
原子炉材料であつて、ホウ素−11(11B)含有量
が自然界での存在比よりも高い割合で含むニツケ
ル基合金材料、鉄鋼材料等を主として製造する際
の溶解・精錬時に添加するための11B濃縮ニツケ
ルボロンに関するものである。
〈従来の技術〉 ニツケル基合金材料、鉄鋼材料等には、クリー
プ強度や引張り延性の向上等の目的でホウ素が添
加されている。また、これらの材料が、溶接及び
ろう付けに使用される場合にも、延性、靭性を向
上させると共に、施工時に自溶性を高めるため等
の目的でホウ素が添加されている。
これらの目的で従来から用いられているホウ素
は天然ホウ素であり、原子量10のホウ素(10B)
が約19.6%(重量%、以下同じ)、原子量11のホ
ウ素(11B)が約80.4%含有されている。天然の
ホウ素を含有する材料が中性子照射を受けると、
材料中のホウ素のうち10Bのみが中性子を吸収し
てヘリウムガスを生成する反応、すなわち10B
(n,α)7Liの核変換を生ずる。
生成されたヘリウムは、材料の高温延性の低
下、クリープ強度の低下、ワレ感受性の増大等の
材料の機拡的性質を劣化させる主な原因となり、
構造部材の炉内使用限界を低くしている。そのた
め、天然ホウ素に比較して11Bの割合が多いホウ
素成分を含有し、10Bによるヘリウムの生成を回
避せしめる原子炉構成材料およびこれらの材料の
接合材料等(これらを総称して以下“原子炉材
料”という)の開発が必要とされてきている。
ニツケル基合金材料、鉄鋼材料等に11Bを添加
する方法としては、天然ホウ素に比較して11Bの
割合が多い11B濃縮ホウ酸または金属ホウ素をこ
れらが添加される上記材料の溶解・精錬時に直接
添加する方法が採用できるが、ホウ酸を添加する
方法では溶湯との濡れ性が劣ることおよび比重が
小さく浮上しやすいことなどのために11Bの添加
歩留りが低く、かつ適性量を添加することは極め
て難しい。一方、金属ホウ素を合金溶湯に添加す
る方法においても比重が小さく浮上しやすいこと
および金属ホウ素の製造が複雑であるために製造
コストが高く、当該材料の経済性が損われるとい
う欠点がある。
上記の欠点を解消するために、特に鉄鋼材料に
添加する11B濃縮化合物として11B濃縮フエロボ
ロンが本願と同一出願人等により提案されている
(特願昭60−123106号)。このフエロボロンを鉄鋼
材料製造時の溶解・精錬工程で溶鋼に添加した場
合には、短時間に溶解し、また溶鋼の比重と実質
的に等しいため添加したフエロボロンが浮上する
ことなく均一にかつ歩留りよく溶融混合させるこ
とができる。また、得られた鉄鋼材料は全ホウ素
量(10B+11B)に対する11Bの割合が高いため
に、中性子照射環境下においても材料中の10Bと
中性子との反応によるヘリウムの生成を低減で
き、良好なクリープ強度や高温延性を維持するこ
とができる。
しかしながら、上記先願発明による11B濃縮フ
エロボロンは、鉄鋼材料への添加原料として開発
された鉄成分を主成分とするものであるため、鉄
成分が不要の材料あるいは鉄成分を精密に調整す
る必要がある材料に対しては、添加原料として使
用することができない。加えて、添加原料として
有効な約10%以上のホウ素成分を含むフエロボロ
ンは、約1430℃以上の比較的高い融点を有してい
るため、低融点であることを必要とする原料とし
ての使用等には適さない。また、濃縮11Bを含有
し、比較的低融点で用いられる、ニツケル成
分を主成分とする、鉄成分を多量に含まない、
添加原料として有害なアルミニウム等の不純物
を影響を及ぼすほどには含まないこと、等を特徴
とする所要の添加原料は製造されていなかつた。
〈発明が解決しようとする問題点〉 そこでこの発明の主目的は、中性子照射環境下
においても材料中の10Bの中性子との(n,α)
反応によるヘリウム生成量の少ない、あるいは全
くないニツケル基合金材料、鉄鋼材料等を製造す
るに際して、さらには11Bを添加することによつ
て改善された非放射線下の空気中でのクリープ強
度、高温引張り特性、靭性等を中性子照射下でも
保持しうるニツケル基合金材料、鉄鋼材料等を製
造するに際して、当該材料への最適量の11Bの添
加を迅速、効果的かつ経済的に行なうことがで
き、しかも比較的低融点で使用できる、ニツケル
成分を主成分とする11B濃縮添加原料を提供する
ことにある。
〈問題点を解決するための手段〉 この発明によれば、ホウ素Bを2〜15%、不純
物としてのアルミニウムを0.1%以下および炭素
を0.5%以下含有し、残りがニツケル成分からな
り、全ホウ素含有量に対してホウ素−11(11B)
が90%以上でかつ融点が1200℃以下であることを
特徴とするニツケル基合金材料、鉄鋼材料等の原
子炉材料に添加するためのニツケルボロンが提供
される。
かようなこの発明の11B濃縮ニツケルボロンを
ニツケル基合金材料、鉄鋼材料等の原子炉材料製
造時の溶解・精錬工程で溶湯に添加することによ
つて、11B含有量の高い原子炉材料を効率よくか
つ経済的に得ることができる。かくして得られた
材料は全ホウ素含有量(10B+11B)に対する11B
の割合が高いために、中性子照射環境下において
も材料中の10Bと中性子との反応によるヘリウム
の生成を低減でき、良好なクリープ強度や高温延
性を維持することができる。
また、この発明のニツケルボロンを合金溶湯中
に添加するに際しても、添加後短時間に溶解し、
また溶湯の比重と実質的に等しいために添加した
ニツケルボロンが浮上することなく均一に溶湯中
に溶融混合させることができる。
ニツケルボロンは、添付図面に示したニツケル
−ホウ素平衡状態図〔Portnoi,K.I.および
Romashov,V.M.著“Binary constitution
diagrams of system composed of vari−ous
elements and boron−A review”,Soviet
Powder Metallurgy & MetalCeramics,11
(1972),p378−384より引用〕からわかるよう
に、ホウ素成分約4%で融点1095℃、7%で1100
℃、10%で1018℃、13%で1015℃となり、従つて
1000〜1100℃の融点範囲では4〜13%のホウ素含
有量を選択することができる。これらの融点とホ
ウ素含有量との関係は、不純物の影響により若干
の変動が与えられるが、先願発明に係るフエロボ
ロンの場合には約4〜13%のホウ素含有量範囲に
おける融点は通常約1150℃から1500℃の間にあ
り、かつホウ素成分が多くコスト的にはより有効
となる7%以上のホウ素含有量では融点は約1300
℃以上となる。後述する実施例で比較のために併
記したフエロボロンの例では、11.5%(11B濃縮
度98%)のホウ素含有量で1550℃の融点を示し
た。このように、この発明のニツケルボロンは、
同程度のホウ素含有量のフエロボロンに比較して
かなり低い温度での融点を選択することができ
る。その結果、ニツケル基合金材料、鉄鋼材料等
の溶湯中にこの発明のニツケルボロンを添加した
場合、フエロボロンと比較してより短時間で均一
に混合溶解させることができるのである。
この発明のニツケルボロン中のホウ素含有量
は、前述した融点との関係だけでなく、後述する
比重、不純物含有量、コスト等の観点も考慮し
て、2〜15%の範囲とする。ホウ素含有量が2%
より少ない場合には、合金溶湯中に所望量の11B
を含有させるために添加するニツケルボロンが多
量に必要となり経済性が損われる。一方、ニツケ
ルボロン中のホウ素含有量が15%以上の場合、例
えば20%より多い場合には、ニツケルボロンの融
点が1650℃より高くなると同時に比重が小さくな
り、さらには高純度のものが得られにくくなる傾
向がある。従つて、ニツケルボロン中のホウ素含
有量は15%以下とする。ニツケルボロンの融点が
1650℃より高くなると、合金溶湯へ添加したニツ
ケルボロンが短時間に均一に溶解、混合しにくく
なり、またニツケルボロンの比重が小さくなると
溶湯へ添加したニツケルボロンが浮上してしま
い、溶湯表層部の不純物にホウ素が吸収されてし
まつたり、表層部のホウ素の密度が高くなるとい
つた問題が生じる。これらのことは、添加したニ
ツケル基合金材料、鉄鋼材料等への11Bの添加歩
留りを低下せしめ、さらには均一溶解を妨げるこ
とから好ましくない。
この発明のニツケルボロンにおいて全ホウ素含
有量に対して11Bを90%以上とする理由は以下の
通りである。すなわち、ホウ素を含有する材料の
10B(n,α)反応による単位体積〔cm3〕当りの
ヘリウム生成量(生成ヘリウム原子数)NHeは、
中性子照射条件が一定である場合には一般に次式
で表わされる。
NHe=NB-10(1−e-〓〓t) ここでNB-10は材料の単位体積〔cm3〕当り含有
される10Bの原子数、φは熱中性子束〔n/cm2
sec〕、σは10Bの熱中性子吸収断面積〔cm2〕、tは
照射時間〔sec〕である。この式から理解される
ように熱中性子照射量φtが同じであれば、10Bの
熱中性子吸収断面積は変化しないから、10Bから
のヘリウム生成量は材料の初期の10B成分量に比
例することになる。すなわち天然ホウ素では、
10Bは全ホウ素成分に対して19.6%含まれている
が、これが約2%に減少すればヘリウム生成量は
同一照射量の場合には約1/10に低下することにな
る。一方、中性子照射による材料特性変化の代表
例として材料の高温引張り破断伸びへの影響を検
討すると、材料中のヘリウム生成量がほぼ10-8
ら10-6のレベルの原子分率(伸びに対するヘリウ
ム生成量依存性が顕著に表われる原子分率範囲)
での伸び値の変化は、ニツケル基合金ハステロイ
Xの場合(渡辺他,鉄と鋼,68,682(1982))、ヘ
リウムの原子分率が10倍増加すると約16〜6%伸
び値が減少し、304ステンレス鋼の場合(Report
ORNL−TM−2019,Jan,1968)約6%減少の
例がある。同様な原子分率範囲でヘリウムの原子
分率が2倍増加すると上記のハステロイXでは5
〜2%、304ステンレス鋼では約2%伸び値が減
少する。ニツケル基合金および鉄鋼材料への代表
的なホウ素添加の例として総量で50wppmとした
場合、天然ホウ素にあつては10Bは10wppm含ま
れる。この10wppmの10Bは熱中性子照射量が5
×1016(n/cm2)で約10- 8のヘリウム原子分率、
5×1018(n/cm2)で約10-6のヘリウム原子分率
となる。これらのヘリウムの原子分率は初期の材
料中の10Bの含有量に比例するのであるから、
10wppmの初期含有量を1/2に低減することによ
つて、上記のような約2〜5%の伸び値の低下を
を防止できることになる。
なお、上述した5×1016〜5×1018〔n/cm2
の熱中性子照射量は、ニツケル基合金材料および
鉄鋼材料を例えば原子炉構造物の代表的機器であ
る原子炉容器等に用いた場合、通常の供用期間中
に受ける照射量に対応する値である。
以上の理由から、この発明においては全ホウ素
含有量に対する10Bの割合を天然ホウ素の場合の
1/2以下、すなわち約10%以下とし、従つて全ホ
ウ素含有量に対する11Bの割合〔11B/(10B+
11B)〕を90%以上とするのが有効である。全ホ
ウ素含有量に対する11Bの割合が90%より小さい
と、ニツケルボロンを添加して得られたニツケル
基合金材料、鉄鋼材料等の10Bを低減させて中性
子照射環境下で生成されるヘリウム量を抑制する
効果が小さくなり、かような11B濃縮物を製作す
る経済的メリツト、すなわち設計の合理化や構造
物の長寿命化などのメリツトが少なくなる。
この発明のニツケルボロンの工業的な製造法と
しては酸化ホウ素の還元方法の違いから、2種に
分けられる。第一の方法はアルミニウムを還元剤
として使用する所謂テルミツト法であり、第二の
方法は炭素を還元剤として使用する電気炉法であ
る。テルミツト法を採用した場合には不純物とし
てのアルミニウム含有量が約3〜5%となり、電
気炉法では炭素成分が、やや高めの〜1%程度に
なるという欠点がある。その他に原子炉用の合金
添加原料として好ましくない不純物成分として
は、中性子放射化断面積が大きくかつ半減期が長
く、強いγ放射線源となるため、炉内で移行した
場合に機器保守上問題となるコバルト,タンタル
等があるが、これらについては、精製したニツケ
ルボロン用の原料を使用することにより、不純物
としての混入は避けることができることがわかつ
た。
アルミニウムは不純物としてニツケル基合金材
料に添加された場合に、高温では内部酸化により
結晶粒界が侵食される。内部酸化の観点からはア
ルミニウム含有量が0.1%以下であることが望ま
しい(渡辺他、鉄と鋼68,682(1982))。また、オ
ーステナイトステンレス鋼では、微量のアルミニ
ウム成分(0.1〜0.03%)により長時間のクリー
プ破断強度が低下する(新谷他、鉄と鋼71,144
(1985))。このようにアルミニウムは、ニツケル
基合金材料および鉄鋼材料への添加が好ましくな
い点があるため、3〜5%のアルミニウムの混入
が避けられないテルミツト法はこの発明のニツケ
ルボロンの製法としては不適である。
炭素は良く知られているように、ニツケル基合
金材料、鉄鋼材料等にあつては適量添加すること
により、これらの材料の機械的性質を良好ならし
めるための支配的因子であるが、多量に添加され
ると延性および靭性を低下させると共に、溶接
性、耐食性の観点からも好ましくない影響をもた
らす。これらの原子炉材料の炭素成分量調整は、
ニツケルボロンの添加とは別途になされるのがよ
り効率的と考えられるので、むしろニツケルボロ
ン中の不純物としての炭素はできるだけ少なく
し、添加・稀釈された場合に殆んど影響のない範
囲の値とすることが望ましい。電気炉法で炭素を
還元剤として使用した場合、不純物としての炭素
を低目に抑えるためには、一つには再溶解により
炭素濃度を低減させる方法、さらには還元剤とし
ての炭素の原料を還元当量よりも少な目にする方
法があるが、後者の方法では濃縮11B原料である
ホウ酸のニツケルボロン製品化に対する歩留りを
悪くする。これらの点を種々検討した結果、この
発明では不純物としての炭素成分量を0.5%以下
とした。
従つて、この発明の11B濃縮ニツケルボロン中
の不純物としてのアルミニウムおよび炭素の量
は、添加した場合の稀釈効果も考慮した上で、そ
れぞれ0.1%および0.5%以下に抑えている。
フエロボロンでは、鉄の同位体元素54Fe(自然
の存在比5.84%)が中性子を吸収して54Fe(n,
p)反応により放射性54Mnを生成する。この
54Mnは半減期が長く、強いγ放射線源となるた
め、炉内で54Mnが移行した場合、機器への近接、
保守上問題となる核種である。かような、放射線
源の核種生成という観点からはニツケルボロンで
は問題が生じない。
さらにこの発明によれば、上記したニツケルボ
ロンに対してシリコンSiを3〜10%の範囲で添加
したシリコン添加ニツケルボロンが提供される。
すなわちこのシリコン添加ニツケルボロンはホウ
素Bを2〜15%、シリコンSiを3〜10%、不純物
としてのアルミニウムを0.1%以下および炭素を
0.5%以下含有し、残りがニツケル成分からなる
ものである。このシリコン添加ニツケルボロン
は、ニツケルボロンと同様に比較的低融点を有す
るため、ニツケル基合金材料、鉄鋼材料等の原子
炉材料への添加原料として有効であるだけでな
く、原子炉材料の接合用ろう材としても好ましく
使用することができる。すなわち、シリコンはホ
ウ素との関係において、溶融時の自溶性を高める
作用をするため、シリコン添加ニツケルボロンを
接合用ろう材として用いた場合には、接合対象物
の熱歪みをより少なくし、熱損傷を与えることな
く自溶性等を高めたより効果的な接合施工が実施
できることになる。シリコン添加ニツケルボロン
の効果的な融点範囲として約1000℃から1200℃を
選択すると、シリコン添加量は約7%に限定され
るが、この場合のホウ素量としては約4%までの
範囲である。後述する実施例におけるシリコン添
加ニツケルボロンでは、シリコン6%、ホウ素
11B濃縮度98%)4.8%としたとき、1040℃の融
点を示した。このように融点等を考慮したニツケ
ルボロンへのシリコン添加量としては3〜10%の
範囲が適切であり、また、Si/Bの重量比として
は約1.5とすることが望ましい。
なお、1000℃から1200℃の融点を有するこの発
明のシリコン添加ニツケルボロンからなる接合用
ろう材の原子炉への適用として、例えば高速増殖
炉を考えると、この炉の中性子照射下で使用され
る構造物の高温側の代表的な使用温度はほぼ550
℃とみなせるから、ろう材としての耐熱性は炉内
使用時に十分維持されることになる。
〈実施例〉 以下に実施例を挙げてこの発明をさらに詳述す
る。
実施例 1 11B/(10B+11B)の値が98%である11B濃縮
ホウ酸(H3BO3)の粉末、高純度電解ニツケル
粒および精錬上必要な還元用の炭素粉末を第1表
に示す割合で混合し、高純度アルゴン雰囲気で満
たした高周波加熱炉内でこの混合物を還元溶解し
た。
溶製後のニツケルボロン中のホウ素の同位体分
析を行なつた結果、全ホウ素中の11Bの比率は98
%のままであつた。
得られたニツケルボロンの融点は1027℃、比重
は7.5〔g/cm3〕であつた。これらの特性値はニツ
ケル基合金材料等の原料として溶融合金に添加し
た際に短時間に溶解し、均一混合させるのに十分
な値である。第1表にこれらの特性値を併記す
る。
なお、11B濃縮ホウ酸を製造する方法としては、
ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カルシウム、または粗
製ホウ素等からのホウ酸を沈澱させて再結晶によ
り精製したのち、10Bと11Bの重量差を利用する方
法か、あるいはホウ酸からホウ素のハロゲン化物
を作りその化学的特性差を利用する方法、その他
の方法がある。
第1表 ニツケルボロンの製造原料割合 ホウ酸粉末 40% (H3BO311B濃縮度 98%) 電解ニツケル粒 55% 炭素粉末 5% ニツケルボロンの特性値 全ホウ素含有量(%) 10.6(11.5)* 11B/(10B+11B)(%) 98(98)* 炭素含有量(%) 0.5 アルミニウム含有量(%) 0.1 融点(℃) 1027(1550)* 比重(g/cm3) 7.5 註:*( )内の数値は、比較のために調製し
たフエロボロンについてのものである。
上記で得られたニツケルボロンを、ニツケル基
合金材料ハステロイXの精錬末期の脱ガス後に、
溶湯100Kg当り45g添加した。ニツケルボロンは
合金溶湯に添加されたのち直ちに溶け始めた。ニ
ツケルボロンが溶解した後、分析試料を採取し
た。ホウ素を分析した結果、全ホウ素含有量は
52ppmであり、11Bの全ホウ素中に占める割合は
94%であつた。
実施例 2 実施例1で得られたニツケルボロンを破砕して
細粒としたものと、金属シリコン粒および電解ニ
ツケル粒とを第2表に示す割合で混合し、高純度
アルゴン雰囲気で満たした電気炉内でこの混合物
を還元溶解し、合金塊を製造した。
溶製後のシリコン添加ニツケルボロン中のホウ
素の同位体分析を行なつた結果、全ホウ素中の
11Bの比率は98%のままであつた。
得られたシリコン添加ニツケルボロンの融点は
1014℃、比重は7.85、ホウ素およびシリコンの含
有量はそれぞれ4.1%および6.0%であつた。不純
物としてのアルミニウムおよび炭素の量は、それ
ぞれ0.04%および0.01%であつた。これらの特性
値はニツケル基合金材料等の添加原料として用い
た場合に、フエロボロンと比較して低温で短時間
に溶解、均一に混合させるのに十分な値となつて
いる。また原子炉材料接合用のニツケルろう材と
して使用に適した融点を有し、Si/B比(重量
比)で約1.5であり、良好な自溶性を有する値と
なつている。
第2表シリコン添加ニツケルボロンの製造原料割合 ニツケルボロン(実施例1)の破砕粒 40% 金属シリコン粒 6% 電解ニツケル粒 54%シリコン添加ニツケルボロン特性値 全ホウ素含有量(%) 4.1 11B/(10B+11B)(%) 98 シリコン含有量(%) 6.0 炭素含有量(%) 0.04 アルミニウム含有量(%) 0.01 融点(℃) 1014 比重(g/cm3) 7.85 〈発明の効果〉 以上の説明からわかるように、この発明の11B
濃縮ニツケルボロンあるいはシリコン添加ニツケ
ルボロンをニツケル基合金材料、鉄鋼材料等の中
性子照射環境で使用される原子炉材料に添加する
こと、あるいは接合材料として用いることによつ
て、材料中の10Bを増加させることなく11Bを有
効に含有せしめることができる。
また、耐自己融着性、耐摩耗性が必要とされる
部位に用いられる表面硬化合金、例えばニツケル
基のコルモノイ合金等に、従来の天然ボロンの添
加に代えて、この発明の11B濃縮ニツケルボロン
あるいはシリコン添加ニツケルボロンを原料とし
て加えることによつて、表面硬化合金の耐中性子
照射性を改善させることもできる。
また、先願発明の11B濃縮フエロボロンは鉄を
主成分とするため、鉄成分の添加が好ましくない
ニツケル基合金、鉄鋼材料等の中性子照射環境用
の合金材料には使用できなかつたのに対し、この
発明のニツケルボロンおよびシリコン添加ニツケ
ルボロンを用いれば上記ごとき合金材料に対して
も適性量の11Bを効果的かつ経済的に添加するこ
とが可能となる。特に、この発明のニツケルボロ
ンおよびシリコン添加ニツケルボロンは、フエロ
ボロンに比較して低融点であることから、より短
時間で合金材料に混合溶解させやすく、さらに
は、中性子照射環境での部材接合用ろう材もしく
はその原料として用いた場合には、熱歪みのより
少ない条件で接合施工を行なうことができる。
このようにして、この発明の11B濃縮ニツケル
ボロンおよびシリコン添加11B濃縮ニツケルボロ
ンを添加して得られたニツケル基合金材料等にお
いては、10B(n,α)反応による核変換を生じな
いために、添加された11Bと他の成分元素との好
ましい相互作用が中性子照射環境でも保持される
ことになる。そのため中性子照射環境下でニツケ
ル基合金材料等への11Bの添加が広く実施される
ようになり、それに伴い、耐中性子照射性に優れ
た材料の開発並びに構造物の開発が促進されるこ
とになる。このような材料を使用することによ
り、キーテクノロジーとしての中性子照射環境下
で用いられる原子炉内構造物の安全性の向上並び
に長寿命化を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、ニツケル−ホウ素平衡状態図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ホウ素Bを2〜15重量%、不純物としてのア
    ルミニウムを0.1重量%以下および炭素を0.5重量
    %以下含有し、残りがニツケル成分からなり、全
    ホウ素含有量に対してホウ素−11(11B)が90重
    量%以上でかつ融点が1200℃以下であることを特
    徴とするニツケル基合金材料、鉄鋼材料等の原子
    炉材料に添加するためのニツケルボロン。 2 ホウ素Bを2〜15重量%、シリコンSiを3〜
    10重量%、不純物としてのアルミニウムを0.1重
    量%以下および炭素を0.5重量%以下含有し、残
    りがニツケル成分からなり、全ホウ素含有量に対
    してホウ素−11(11B)が90重量%以上でかつ融
    点が1200℃以下であることを特徴とするニツケル
    基合金材料、鉄鋼材料等の原子炉材料に添加する
    ための、あるいは該原子炉材料の接合用ろう材と
    して用いるためのニツケルボロン。
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