JPH032220B2 - - Google Patents
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- JPH032220B2 JPH032220B2 JP22468284A JP22468284A JPH032220B2 JP H032220 B2 JPH032220 B2 JP H032220B2 JP 22468284 A JP22468284 A JP 22468284A JP 22468284 A JP22468284 A JP 22468284A JP H032220 B2 JPH032220 B2 JP H032220B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は工具材料等特に高強度、耐摩耗性が要
求される鉄基焼結材料の製造方法に関する。 従来技術 近年、高速度工具鋼、冷間・工具鋼等の焼結法
による製造が普及しつつある。これらは水アトマ
イズ法による予備合金粉末をプレス成形後焼結す
るものである。すなわち、比較的酸素量が多いが
成形性の優れた水アトマイズ粉末を出発原料と
し、この表面酸化物を、該粉末に黒鉛粉末を添加
して還元すること、及び粉末材中の共晶炭化物が
溶融する温度域の真空又は不活性ガス中で焼結す
ることにより真密度に近く高密度化することの二
条件の併合によるものである。 これらは高速度工具鋼では、エンドミル、ドリ
ル、タツプ、バイトチツプ等、自動車関係では、
ロツカーアーム、カムシヤフトリング等に応用さ
れている。 この焼結材料は、圧延材等の溶製材に比し、焼
結完了時点の形状を最終製品に近く設定すること
により、高材料歩留かつ省工数に製造できる特長
がある。 しかし、従来の焼結製品は、性能的に十分満足
できないものであつた。次に、実験例1により従
来法の性能上の問題点を具体例をもつて示す。 まず、JIS SKH9相当の重量比で、C0.91%、
Si0.23%、Mn0.20%、Cr4.10%、W5.95%、
Mo5.02%、V1.89%、Fe Bal、および不可避的
不純物からなる100メツシユの乾燥状態でO2含有
量3200PPmの水アトマイズ粉末を準備した。 この粉末にその酸素分をCOガスとして還元す
るための化学量論的炭素量として、黒鉛粉末を
0.24%添加し、真空中で1000℃×3hrの還元処理
を施した。還元後の酸素量は960ppm、炭素量は
0.83%であつた。以下に述べる実験にはこの還元
粉末を使用した。 実験例 1 この還元粉末に潤滑剤としてステアリン酸亜鉛
を0.7%添加し、乾式混合後、通常のプレスによ
り6tonf/cm2の圧力で成形し、10-2Torrの真空中
で昇温速度200℃/hrで1255℃まで昇温し、この
温度で1hr保持後炉冷することにより焼結した。
この時の半冷時間は2hrでこの処理は従来の製造
方法に従つたものである。半冷時間とは、焼入温
度をt℃とするとt/2℃まで冷却した時に要し
た時間を示す。 この焼結試料の密度は8.06g/cm3であり、400
倍で検鏡の結果、残存空孔は存在せず実質的に真
密度と判断され、またオーステナイト結晶粒度は
JIS法で9.0であつた。 次にこの焼結材を、比較材として溶製法による
ほゞ同成分のSKH9の30mmφ棒鋼から削出した試
験片とともに、完全焼なまし、焼入れ、焼もどし
処理した後、寸法5.0w×3.0t×40の試片による
抗折試験、硬さ測定、検鏡を行つた。処理条件は
溶製材の標準的条件である焼なましは860℃×3hr
加熱保持後20℃/hr冷却、焼入れは真空炉中で
1200℃×20min加熱保持後3barのN2ガス噴射冷
却(半冷時間3min)、焼もどしは大気中560℃×
1hr×2回である。焼結材及び溶製材の硬さ、抗
折力はそれぞれHRC63.1,270Kgf/mm2及び
HRC66.1,410Kgf/mm2であつた。 この結果から焼結材は溶製材に比し、硬さ、抗
折力ともに格段に低いことが伴る。この原因は第
1図に焼結材のミクロ組織を示すように、溶製材
の標準的組織に比し、共晶炭化物が粗大化し、形
状的に不安定で応力集中し易いこと及びオーステ
ナイト結晶粒が粗いことに起因すると推定され
る。 高速度工具鋼の共晶炭化物の共晶開始温度は実
験式として次式で示されることが報告されてい
る。 Te(〓)=2310−200(%C)+40(%V)+8(%
W)+5(%Mo) 本式に実験例の成分を代入すると、Te=2292
(〓)=1256(℃)となる。一方前記の原料粉末を
示差熱分析計で200℃/hrの昇温速度で1300℃ま
で加熱し、共晶開始温度を測定した結果は1256℃
で、ほゞ上式の結果と一致し、上式は焼結温度の
選択に利用できることが判つた。前記実験例の焼
結温度もこの温度にゞ近く、高速度工具鋼の焼結
による高密度化が、共晶による部分液相の生成で
進行していると考えられる。材料のち密化が、液
相が共存する状態で進行することは、共晶炭化物
が粗大化し、炭化物形状が不定形化することにつ
ながる。また、共晶炭化物の粗大化は当然オース
テナイト結晶粒度を粗大化するとともに、粗大化
過程で基質中のC、W、Mo、V等の合金元素が
炭化物に吸収されて、基地中のCと合金量が減少
し、焼もどし硬さを低下させることになる。 したがつて、結論的には炭化物の粗大化が焼結
材料の強度低下と硬さ低下の原因となる。換言す
ると、従来技術の範ちゆうでの焼結高速度鋼は、
溶製材に対比して性能的には満足すべきものは得
られないことを示している。 発明が解決しようとする問題点 本発明は、従来の製造方法を改良することによ
り、性能を改善した鉄基焼結材料を提供すること
を目的とする。 問題点を解決するための手段 本発明は、昇温過程における共晶炭化物の共晶
開始温度以上で焼結し、この温度から6℃/min
以上64℃/min以下の冷却速度で事実上降温過程
の共晶炭化物凝固終了温度以下まで冷却後その
まゝ不活性ガス噴射により半冷時間10min以上の
冷却速度で焼入れすることを特徴とする鉄基焼結
材料の製造方法である。 作用及び実施例 以下、実験例により、本発明の作用、効果を述
べる。 実験例 2 前記実験例1と同条件で成形後これと同様に、
真空炉中で1255℃で1hr保持することにより焼結
を完了した試料を、この温度で上部から3barの
N2ガスを吹きつけて強制冷却した。半冷時間は
約3minであつた。室温まで冷却後、焼なまし及
び焼入れの処理をすることなく、560℃×1hr×2
回の焼もどし処理を行つた。この試料のミクロ組
織を第2図に示す。実験例1での組織と比較し
て、共晶炭化物の粒径がやや微細化しており、オ
ーステナイト結晶粒度もJIS9.5でやはり微細化の
傾向が認められた。また密度測定結果は8.08g/
cm3で残留空孔は認められず、実質的に真密度であ
つた。実験例1と同様の試片による抗折力は370
Kgf/mm2、硬さはHRC65.5であり、実験例1に
比し、焼結温度から直ちに急冷焼入れすることに
より、組織が微細化し、これにより機械的強度及
び硬さが大幅に改善されることが判明した。しか
し、試料には大きな歪が発生しており、実用化上
重大な障害となることが予想された。恐らく共晶
反応による部分液相が存在している状態から、焼
入を行うことは、大きな歪発生を伴うものと推定
される。 実験例 3 実験例1と同条件で成形後これと同様に、真空
炉中で1255℃×1hr保持後それぞれ約8℃/min
の冷却速度で1245℃,1235℃,1225℃及び1215℃
まで降温し、それぞれの温度から実験例2と同様
N2ガス冷却した。このときの半冷時間は約3min
であつた。この焼入れ試料と実験例1と同条件で
焼もどし処理した後、歪測定、オーステナイト結
晶粒度測定、抗折試験及び硬さ測定を行つた。第
1表のその結果を実験例1で行つた焼結材及び溶
製材並びに実験例2で行つた焼結材の結果と併せ
て示す。
求される鉄基焼結材料の製造方法に関する。 従来技術 近年、高速度工具鋼、冷間・工具鋼等の焼結法
による製造が普及しつつある。これらは水アトマ
イズ法による予備合金粉末をプレス成形後焼結す
るものである。すなわち、比較的酸素量が多いが
成形性の優れた水アトマイズ粉末を出発原料と
し、この表面酸化物を、該粉末に黒鉛粉末を添加
して還元すること、及び粉末材中の共晶炭化物が
溶融する温度域の真空又は不活性ガス中で焼結す
ることにより真密度に近く高密度化することの二
条件の併合によるものである。 これらは高速度工具鋼では、エンドミル、ドリ
ル、タツプ、バイトチツプ等、自動車関係では、
ロツカーアーム、カムシヤフトリング等に応用さ
れている。 この焼結材料は、圧延材等の溶製材に比し、焼
結完了時点の形状を最終製品に近く設定すること
により、高材料歩留かつ省工数に製造できる特長
がある。 しかし、従来の焼結製品は、性能的に十分満足
できないものであつた。次に、実験例1により従
来法の性能上の問題点を具体例をもつて示す。 まず、JIS SKH9相当の重量比で、C0.91%、
Si0.23%、Mn0.20%、Cr4.10%、W5.95%、
Mo5.02%、V1.89%、Fe Bal、および不可避的
不純物からなる100メツシユの乾燥状態でO2含有
量3200PPmの水アトマイズ粉末を準備した。 この粉末にその酸素分をCOガスとして還元す
るための化学量論的炭素量として、黒鉛粉末を
0.24%添加し、真空中で1000℃×3hrの還元処理
を施した。還元後の酸素量は960ppm、炭素量は
0.83%であつた。以下に述べる実験にはこの還元
粉末を使用した。 実験例 1 この還元粉末に潤滑剤としてステアリン酸亜鉛
を0.7%添加し、乾式混合後、通常のプレスによ
り6tonf/cm2の圧力で成形し、10-2Torrの真空中
で昇温速度200℃/hrで1255℃まで昇温し、この
温度で1hr保持後炉冷することにより焼結した。
この時の半冷時間は2hrでこの処理は従来の製造
方法に従つたものである。半冷時間とは、焼入温
度をt℃とするとt/2℃まで冷却した時に要し
た時間を示す。 この焼結試料の密度は8.06g/cm3であり、400
倍で検鏡の結果、残存空孔は存在せず実質的に真
密度と判断され、またオーステナイト結晶粒度は
JIS法で9.0であつた。 次にこの焼結材を、比較材として溶製法による
ほゞ同成分のSKH9の30mmφ棒鋼から削出した試
験片とともに、完全焼なまし、焼入れ、焼もどし
処理した後、寸法5.0w×3.0t×40の試片による
抗折試験、硬さ測定、検鏡を行つた。処理条件は
溶製材の標準的条件である焼なましは860℃×3hr
加熱保持後20℃/hr冷却、焼入れは真空炉中で
1200℃×20min加熱保持後3barのN2ガス噴射冷
却(半冷時間3min)、焼もどしは大気中560℃×
1hr×2回である。焼結材及び溶製材の硬さ、抗
折力はそれぞれHRC63.1,270Kgf/mm2及び
HRC66.1,410Kgf/mm2であつた。 この結果から焼結材は溶製材に比し、硬さ、抗
折力ともに格段に低いことが伴る。この原因は第
1図に焼結材のミクロ組織を示すように、溶製材
の標準的組織に比し、共晶炭化物が粗大化し、形
状的に不安定で応力集中し易いこと及びオーステ
ナイト結晶粒が粗いことに起因すると推定され
る。 高速度工具鋼の共晶炭化物の共晶開始温度は実
験式として次式で示されることが報告されてい
る。 Te(〓)=2310−200(%C)+40(%V)+8(%
W)+5(%Mo) 本式に実験例の成分を代入すると、Te=2292
(〓)=1256(℃)となる。一方前記の原料粉末を
示差熱分析計で200℃/hrの昇温速度で1300℃ま
で加熱し、共晶開始温度を測定した結果は1256℃
で、ほゞ上式の結果と一致し、上式は焼結温度の
選択に利用できることが判つた。前記実験例の焼
結温度もこの温度にゞ近く、高速度工具鋼の焼結
による高密度化が、共晶による部分液相の生成で
進行していると考えられる。材料のち密化が、液
相が共存する状態で進行することは、共晶炭化物
が粗大化し、炭化物形状が不定形化することにつ
ながる。また、共晶炭化物の粗大化は当然オース
テナイト結晶粒度を粗大化するとともに、粗大化
過程で基質中のC、W、Mo、V等の合金元素が
炭化物に吸収されて、基地中のCと合金量が減少
し、焼もどし硬さを低下させることになる。 したがつて、結論的には炭化物の粗大化が焼結
材料の強度低下と硬さ低下の原因となる。換言す
ると、従来技術の範ちゆうでの焼結高速度鋼は、
溶製材に対比して性能的には満足すべきものは得
られないことを示している。 発明が解決しようとする問題点 本発明は、従来の製造方法を改良することによ
り、性能を改善した鉄基焼結材料を提供すること
を目的とする。 問題点を解決するための手段 本発明は、昇温過程における共晶炭化物の共晶
開始温度以上で焼結し、この温度から6℃/min
以上64℃/min以下の冷却速度で事実上降温過程
の共晶炭化物凝固終了温度以下まで冷却後その
まゝ不活性ガス噴射により半冷時間10min以上の
冷却速度で焼入れすることを特徴とする鉄基焼結
材料の製造方法である。 作用及び実施例 以下、実験例により、本発明の作用、効果を述
べる。 実験例 2 前記実験例1と同条件で成形後これと同様に、
真空炉中で1255℃で1hr保持することにより焼結
を完了した試料を、この温度で上部から3barの
N2ガスを吹きつけて強制冷却した。半冷時間は
約3minであつた。室温まで冷却後、焼なまし及
び焼入れの処理をすることなく、560℃×1hr×2
回の焼もどし処理を行つた。この試料のミクロ組
織を第2図に示す。実験例1での組織と比較し
て、共晶炭化物の粒径がやや微細化しており、オ
ーステナイト結晶粒度もJIS9.5でやはり微細化の
傾向が認められた。また密度測定結果は8.08g/
cm3で残留空孔は認められず、実質的に真密度であ
つた。実験例1と同様の試片による抗折力は370
Kgf/mm2、硬さはHRC65.5であり、実験例1に
比し、焼結温度から直ちに急冷焼入れすることに
より、組織が微細化し、これにより機械的強度及
び硬さが大幅に改善されることが判明した。しか
し、試料には大きな歪が発生しており、実用化上
重大な障害となることが予想された。恐らく共晶
反応による部分液相が存在している状態から、焼
入を行うことは、大きな歪発生を伴うものと推定
される。 実験例 3 実験例1と同条件で成形後これと同様に、真空
炉中で1255℃×1hr保持後それぞれ約8℃/min
の冷却速度で1245℃,1235℃,1225℃及び1215℃
まで降温し、それぞれの温度から実験例2と同様
N2ガス冷却した。このときの半冷時間は約3min
であつた。この焼入れ試料と実験例1と同条件で
焼もどし処理した後、歪測定、オーステナイト結
晶粒度測定、抗折試験及び硬さ測定を行つた。第
1表のその結果を実験例1で行つた焼結材及び溶
製材並びに実験例2で行つた焼結材の結果と併せ
て示す。
【表】
本表から、歪は焼入れ冷却開始温度を焼結温度
より20〜30℃低温とすることにより、急激に低下
することが判る。昇温過程の共晶開始温度に対
し、降温過程の共晶凝固終了温度は低温であるか
ら、実験例2並びに実験例3のD及びEでは、相
液が存在する状態から急冷したため大きい焼入れ
歪が発生したものと思われる。 実験例 4 次に、焼結温度から共晶消出温度までの冷却速
度の影響を調べる実験を行つた。実験例1と同条
件で成形後これと同様に、1255℃×1hr保持後
1225℃まで、それぞれ2,4,16,32及び64℃/
minの冷却速度で降温後、3barのN2ガスを噴射
して焼入れし、実験例1と同条件の焼もどし処理
し、実験例3と同条件で特性を調査した。なお焼
入れの半冷時間はそれぞれ3minであつた。この
結果を第2表に、冷却速度8℃/minのものは第
1表のFと併せて示す。
より20〜30℃低温とすることにより、急激に低下
することが判る。昇温過程の共晶開始温度に対
し、降温過程の共晶凝固終了温度は低温であるか
ら、実験例2並びに実験例3のD及びEでは、相
液が存在する状態から急冷したため大きい焼入れ
歪が発生したものと思われる。 実験例 4 次に、焼結温度から共晶消出温度までの冷却速
度の影響を調べる実験を行つた。実験例1と同条
件で成形後これと同様に、1255℃×1hr保持後
1225℃まで、それぞれ2,4,16,32及び64℃/
minの冷却速度で降温後、3barのN2ガスを噴射
して焼入れし、実験例1と同条件の焼もどし処理
し、実験例3と同条件で特性を調査した。なお焼
入れの半冷時間はそれぞれ3minであつた。この
結果を第2表に、冷却速度8℃/minのものは第
1表のFと併せて示す。
【表】
【表】
本表から、1225℃つまり、共晶消失温度までの
降温速度が低くなるに従つてオーステナイト結晶
粒度がやや粗く、硬さ、抗折力もやや低下し、ま
た焼入歪が増加することが判る。ミクロ組織の観
察結果では、この冷却速度の低下とともに共晶炭
化物がやや粗大化し、不定形化することが確認さ
れた。第3図に試料Jのミクロ組織を示す。1225
℃までの冷却速度を16℃/minと比較的速くする
ことで、共晶炭化物のミクロ組織がきわめて微細
化できる。 実験例3の結果を併せて考察すると、液相の存
在下で極めて速い速度で冷却すると焼入れ歪が発
生し、逆に冷却速度を極度に低下すると組織の粗
大化及び歪の増加が起り、その中間の4〜64℃/
min程度に適正な冷却速度が存在することが判
る。したがつて本発明ではこの冷却速度の下限を
6℃/minとする。 実験例 5 重量比で、C1.6%、Si0.6%、Mn0.5%、Cr12.6
%、Mo1.0%、V0.4%、Fe BaからなるJIS
SKD11相当の−100メツシユの水アトマイズ粉末
に黒鉛粉末を添加し、1000℃×3hrの真空中で還
元処理した。残存O2量は820ppm、C量は1.5%で
あつた。本粉末の示差熱分析による昇温過程の共
晶炭化物の共晶開始温度は、1235℃、降温中の液
相消失温度は1202℃であつた。同粉末を6tonf/
cm2で冷間成形後昇温速度200℃/hrで1235℃まで
昇温し、1hr温度保持した後、それぞれ下記の条
件で焼入れ処理し、550℃×1hr×2回の焼もどし
を行つて、オーステナイト結晶粒度、抗折試験、
硬さの測定及び検鏡を行つた。 (M) 温度保持後常温まで半冷時間約2hrの炉
冷、850℃×3hrの焼なまし及び1050℃×1hr保
持後3barのN2ガス噴射による半冷時間約3min
の焼入れ処理 (N) 温度保持直後3barのN2ガス噴射により
半冷時間約3minで常温まで強制冷却 (O) 温度保持後1200℃まで8℃/minで降温
し、この温度から(N)と同様N2ガス噴射に
より、半冷時間約3minで常温まで強制冷却 (P) 温度保持後1050℃まで8℃/minで降温
し、この温度から(N)と同様N2ガス噴射に
より、半冷時間約3minで常温まで強制冷却 第3表にこの結果を示す。なお本表には併せて
作製した、ほゞ同成分の溶製材を1050℃×1hr保
持後3barのN2ガス噴射により半冷時間約3minの
焼入れを行い前記と同条件の焼もどし処理を行つ
たものの測定結果(Q)も併記した。
降温速度が低くなるに従つてオーステナイト結晶
粒度がやや粗く、硬さ、抗折力もやや低下し、ま
た焼入歪が増加することが判る。ミクロ組織の観
察結果では、この冷却速度の低下とともに共晶炭
化物がやや粗大化し、不定形化することが確認さ
れた。第3図に試料Jのミクロ組織を示す。1225
℃までの冷却速度を16℃/minと比較的速くする
ことで、共晶炭化物のミクロ組織がきわめて微細
化できる。 実験例3の結果を併せて考察すると、液相の存
在下で極めて速い速度で冷却すると焼入れ歪が発
生し、逆に冷却速度を極度に低下すると組織の粗
大化及び歪の増加が起り、その中間の4〜64℃/
min程度に適正な冷却速度が存在することが判
る。したがつて本発明ではこの冷却速度の下限を
6℃/minとする。 実験例 5 重量比で、C1.6%、Si0.6%、Mn0.5%、Cr12.6
%、Mo1.0%、V0.4%、Fe BaからなるJIS
SKD11相当の−100メツシユの水アトマイズ粉末
に黒鉛粉末を添加し、1000℃×3hrの真空中で還
元処理した。残存O2量は820ppm、C量は1.5%で
あつた。本粉末の示差熱分析による昇温過程の共
晶炭化物の共晶開始温度は、1235℃、降温中の液
相消失温度は1202℃であつた。同粉末を6tonf/
cm2で冷間成形後昇温速度200℃/hrで1235℃まで
昇温し、1hr温度保持した後、それぞれ下記の条
件で焼入れ処理し、550℃×1hr×2回の焼もどし
を行つて、オーステナイト結晶粒度、抗折試験、
硬さの測定及び検鏡を行つた。 (M) 温度保持後常温まで半冷時間約2hrの炉
冷、850℃×3hrの焼なまし及び1050℃×1hr保
持後3barのN2ガス噴射による半冷時間約3min
の焼入れ処理 (N) 温度保持直後3barのN2ガス噴射により
半冷時間約3minで常温まで強制冷却 (O) 温度保持後1200℃まで8℃/minで降温
し、この温度から(N)と同様N2ガス噴射に
より、半冷時間約3minで常温まで強制冷却 (P) 温度保持後1050℃まで8℃/minで降温
し、この温度から(N)と同様N2ガス噴射に
より、半冷時間約3minで常温まで強制冷却 第3表にこの結果を示す。なお本表には併せて
作製した、ほゞ同成分の溶製材を1050℃×1hr保
持後3barのN2ガス噴射により半冷時間約3minの
焼入れを行い前記と同条件の焼もどし処理を行つ
たものの測定結果(Q)も併記した。
【表】
本表及び検鏡結果によると、前記実験例1〜4
で得られたSKH9の場合と全く同様の現象が見ら
れることが判る。すなわち、従来法である焼結後
炉冷し再焼入れする方法では、真密度化は達成で
きるが、共晶炭化物の粗大化、オーステナイト結
晶粒の粗大化、抗折力及び熱処理硬が低下する
(M)、これに対し焼結温度から直接焼入れするも
のでは、硬さ、抗折力は増加するが、歪が大きい
(N)、焼結温度から適度の降温速度で共晶炭化物
凝固完了温度(この成分では1202℃)以下まで冷
却し、この状態から焼入れすることにより、溶製
材に匹敵する硬さ及び抗折力が得られる(O,
P)ことが判る。 発明の効果 以上に述べたように本発明は、最終製品形状に
近い形状に焼でき、歩留り、仕上加工能率等で有
利な面を有するが、従来、性能面では溶製材に比
して劣つていた鉄基の焼結材を、焼結後適当な降
温速度で共晶凝固完了温度以下に降温後焼入れす
ることにより、過大な歪の発生を防止してその性
能を溶製材に匹敵するまで高めるものであり、特
に工具用途に対し大きな効果を有するものであ
る。また本発明は、焼結の降温過程を焼入れ冷却
に利用するものであり、省エネルギ、工程短縮の
効果の効果も有する。
で得られたSKH9の場合と全く同様の現象が見ら
れることが判る。すなわち、従来法である焼結後
炉冷し再焼入れする方法では、真密度化は達成で
きるが、共晶炭化物の粗大化、オーステナイト結
晶粒の粗大化、抗折力及び熱処理硬が低下する
(M)、これに対し焼結温度から直接焼入れするも
のでは、硬さ、抗折力は増加するが、歪が大きい
(N)、焼結温度から適度の降温速度で共晶炭化物
凝固完了温度(この成分では1202℃)以下まで冷
却し、この状態から焼入れすることにより、溶製
材に匹敵する硬さ及び抗折力が得られる(O,
P)ことが判る。 発明の効果 以上に述べたように本発明は、最終製品形状に
近い形状に焼でき、歩留り、仕上加工能率等で有
利な面を有するが、従来、性能面では溶製材に比
して劣つていた鉄基の焼結材を、焼結後適当な降
温速度で共晶凝固完了温度以下に降温後焼入れす
ることにより、過大な歪の発生を防止してその性
能を溶製材に匹敵するまで高めるものであり、特
に工具用途に対し大きな効果を有するものであ
る。また本発明は、焼結の降温過程を焼入れ冷却
に利用するものであり、省エネルギ、工程短縮の
効果の効果も有する。
第1図及び第2図は、それぞれ従来の製造方法
によつて作製し、焼入れ焼もどし処理した試験片
及び焼結温度から直接焼入れした後焼もどし処理
した試験片のそれぞれミクロ金属組織写真であ
る。第3図は本願発明手法によるもので、共晶炭
化物の凝固終了温度まで16℃/minの冷却速度で
冷却後、半冷時間10minで焼入し、焼もどした試
料のミクロ金属組織写真である。
によつて作製し、焼入れ焼もどし処理した試験片
及び焼結温度から直接焼入れした後焼もどし処理
した試験片のそれぞれミクロ金属組織写真であ
る。第3図は本願発明手法によるもので、共晶炭
化物の凝固終了温度まで16℃/minの冷却速度で
冷却後、半冷時間10minで焼入し、焼もどした試
料のミクロ金属組織写真である。
Claims (1)
- 1 共晶炭化物を含有し、マルテンサイト硬化に
より強度と耐摩耗性を与える鉄基焼結材料の製造
方法において、昇温過程における共晶炭化物の共
晶開始温度以上で焼結し、この焼結温度から6
℃/min以上64℃/min以下の冷却速度で事実上
降温過程の共晶炭化物凝固完了温度以下まで冷却
後、そのまゝ不活性ガスを噴射し、半冷時間10mm
以上の速度で冷却し、焼入れすることを特徴とす
る鉄基焼結材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22468284A JPS61104046A (ja) | 1984-10-25 | 1984-10-25 | 鉄基焼結材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22468284A JPS61104046A (ja) | 1984-10-25 | 1984-10-25 | 鉄基焼結材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61104046A JPS61104046A (ja) | 1986-05-22 |
| JPH032220B2 true JPH032220B2 (ja) | 1991-01-14 |
Family
ID=16817570
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22468284A Granted JPS61104046A (ja) | 1984-10-25 | 1984-10-25 | 鉄基焼結材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61104046A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4783032B2 (ja) * | 2004-02-18 | 2011-09-28 | 住友電工焼結合金株式会社 | 焼結高速度鋼とその製造方法とその焼結高速度鋼で作られた摺動部品 |
-
1984
- 1984-10-25 JP JP22468284A patent/JPS61104046A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61104046A (ja) | 1986-05-22 |
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