JPH032238B2 - - Google Patents
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- JPH032238B2 JPH032238B2 JP15468683A JP15468683A JPH032238B2 JP H032238 B2 JPH032238 B2 JP H032238B2 JP 15468683 A JP15468683 A JP 15468683A JP 15468683 A JP15468683 A JP 15468683A JP H032238 B2 JPH032238 B2 JP H032238B2
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Description
本発明は塩素酸アルカリの電解製造方法に関す
る。更に詳しくは、塩素酸アルカリ電解装置の運
転条件並びに発生ガス中塩素の処理方法の改良に
係わり、酸素ガスの発生を抑制して安全性を高め
ると同時に効率良く塩素酸アルカリを製造する方
法を提供するものである。 塩化アルカリ水溶液を電気分解して、塩素酸ア
ルカリを製造するには二つの主要な過程を経る。
すなわち、先ず電解反応によつて、陽極では塩素
イオンが放電して次亜塩素酸が生成し、陰極では
水素イオンが還元されて水素ガスが発生する。次
いで、次亜塩素酸の自己酸化反応が起つて塩素酸
塩が生成する過程である。 これに対して電流効率を低下させる好ましくな
い副反応としては、次亜塩素酸が陽極で再放電
し、塩素酸塩を生成すると同時に酸素の発生を伴
う反応及び次亜塩素酸塩が陰極で元の塩素イオン
に還元される反応がある。 このような好ましくない副反応を抑制するため
従来から種々の改良手段が講じられて来た。例え
ば、陽極材料の改良、クロム酸塩添加による陰極
還元の防止、あるいは次亜塩素酸の自己酸化反応
を促進する運転条件の改善等である。 次亜塩素酸は次式により自己酸化反応を起し塩
素酸塩に転化する。 2HClO+NaClO→ NaClO3+2HCl ……(1) (アルカリ金属をナトリウムとした場合) この反応は、本発明者等の測定によれば、次亜
塩素酸及び次亜塩素酸塩のモル比が2:1のとき
最も効果的であり、生成系の次亜塩素酸濃度を低
くできる。上記のモル比を維持するPHは温度によ
つても変化するが一般に6.2〜6.8の範囲であり、
従来から当該範囲に調整し運転する努力が払われ
てきた。(1)式の反応を促進させて次亜塩素酸の濃
度を低減させるには、その外に温度及び反応体積
の要因がある。温度の影響は大きく、高温程次亜
塩素酸の濃度を低くできるが、電極副反応の速度
も大きくなりかえつて電流効率は低下する。又反
応体積は大きい程次亜塩素酸濃度は低くできる
が、設備が相対的に大きくなり、設計上の制約が
ある。 このように従来から種々の改善を行なつてきた
にも拘わらず電解液中の次亜塩素酸濃度は1.5〜
3.5g/、発生水素ガス中の酸素含有量は2〜
4%が容認されている状態である。 本発明者等はこのような現状に鑑みて酸素の発
生を抑制して電流効率を向上させる方法につき
種々検討をねた結果、本発明を完成させるに至つ
たものである。 すなわち本発明による塩素酸アルカリの製造方
法は、塩化アルカリ水溶液からなる電解液を電気
分解して塩素酸アルカリを製造するに際し、電解
液中に塩酸を注入して電解液のPHを4.8〜6.0に維
持することによつて電解により発生する水素ガス
中の酸素含有量を低減させ、一方、電解により発
生する塩素および/または二酸化塩素ガスをカ性
アルカリ溶液で捕集し、得られた捕集液を塩酸で
中和して捕集液中に塩素酸アルカリを生成せし
め、次いでこの捕集液中の未反応の遊離塩素を還
元剤により除去し、かくして得られた塩素酸アル
カリを含む捕集液を塩化アルカリ水溶液の調製に
際して再利用することを特徴とするものである。 本発明においては、従来のPH条件よりも低いPH
域すなわちPH4.8〜6.0の範囲で電解装置を運転す
ることによつて、発生水素ガス中の酸素含有量を
効果的に低減させることができる。PH4.8より低
い条件で電解した場合には発生ガス中の塩素ガス
濃度が増加し、Cl2−H2爆鳴気を生成する危険が
あるため避けるべきであり、一方PH6.0より高い
条件とした場合には酸素発生の抑制効果はあまり
期待できない。 一方、上述のような低PH域で運転すると発生ガ
ス中の酸素含有量を低減できるが、塩素および/
または二酸化塩素の発生は増加する。従つてこれ
らの塩素や二酸化塩素の発生を損失とみれば、見
掛上の電流効率は低下することになる。そこで本
発明においては、発生ガス中のこれら塩素や二酸
化塩素を捕集し塩素酸アルカリに転化して系内に
回収することによつて、実質的な電流効率の向上
が図れるのである。 電解液のPHを4.8〜6.0に維持するために本発明
においては電解液中へ塩酸を注入するのである
が、塩素酸アルカリ水溶液に濃厚な塩酸を加える
と注入口付近で局部的に強酸性となり、二酸化塩
素が発生し爆発を起す危険がある。このような危
険を避けるためには30〜70g/の稀薄塩酸を注
加すればよいが、この場合には電解液が稀釈され
るので多量に使用することができず、これによつ
て調整できるPHはせいぜい6.4〜6.7である。そこ
で、濃厚な塩酸を安全に電解液中に注入するため
に本発明においては、電解槽内において発生する
水素ガスの浮揚力によりもたらされる電解液の上
昇流の流路内に塩酸を注入することが望ましい。
これによつて、注入した塩酸は電解液上昇流に伴
つて電解槽内電解液全体に効果的に混合拡散さ
れ、局部的に強酸性となるのを防止することがで
きる。 また、従来の条件で運転される電解槽において
も、発生水素ガス中には0.1〜0.3vol%の塩素ガス
が含有されるので、アルカリ液で塩素を捕集し、
この捕集液を工場の排水処理に利用するか又は還
元剤で中和して排出する方法が採られてきた。し
かしながら本発明のごとき低PH域で電解する場合
には、塩素ガスの発生が10〜20倍に増加し電流効
率に少なからず影響を及ぼすので従前ような処理
方法を適用しえない。そこで本発明においては、
塩素ガスをアルカリ液で捕集した捕集液の過剰ア
ルカリを塩酸で連続的に中和することによつて、
捕集液中に生成した次亜塩素酸を塩素酸塩に転化
し、この塩素酸塩を電解系内に回収するのである
が、この際捕集用アルカリ液中に炭酸アルカリを
10〜60g/の範囲で含有させることが望まし
い。すなわち、次亜塩素酸の塩素酸塩への転化は
前記(1)式に従つて進行するが、過剰アルカリを中
和して除去すれば反応は右へ進んでHClが生成
し、PHが低くなつて反応は進まなくなる。そのた
めアルカリを添加してPHを戻してやることが必要
になる。このように、アルカリと塩酸の両者を用
いる複雑な制御を行なう必要がある。しかしなが
ら捕集用アルカリ液中に炭酸アルカリを含有させ
ておくことによつて、 NaHCO3+HCl→ NaCl+H2O+CO2 ……(2) の反応により炭酸アルカリが緩衝剤となつて、塩
酸による過剰アルカリの中和のみによつて塩素酸
塩転化反応に最適なPH6.0〜7.0に容易に調整する
ことができる。 以下に図面に示す好ましい実施態様を参照して
本発明をさらに説明する。 第1図は本発明方法を実施する際の好ましいフ
ローシートを示し、1は食塩溶解槽、2は塩水の
精製工程、3は精製塩水の貯槽である。溶解水又
は塩素酸アルカリ結晶工程の未砲和析出塩水を配
管32から食塩溶解槽1へ導入し食塩層中を通過
させて、食塩の飽和溶液として取出し、精製工程
2においてカ性ソーダ、炭酸ソーダ等を加えて不
純物を除去した後精製塩水貯槽3へ貯え、送液ポ
ンプ4により電解槽6へ送られる。電解槽6は複
数個直列にかつカスケードに配列され、順次下流
へ流れて塩素酸アルカリ濃度が高められ、最終電
解槽のオーバーフロー10から製品として取出さ
れる。5は整流器であり、電解電流はブスバー3
3を介して各電解槽の陽極7及び陰極8の夫々を
直列に流れ電解を行なつて、整流器5に戻る。 電解槽6は、槽内に注入される塩酸を効果的に
混合拡散できるように、電解液の上昇流の流路と
なるドラフトチユーブ9を内部に備えた塔式電解
槽を図示の実施例においては使用しているが、ガ
スリフトまたはポンプにより外部循環式電解槽も
好ましく使用できる。 第2図および第3図に示したように、ドラフト
チユーブ9内には略半円形状の複数枚のバツフル
板34がドラフトチユーブの長手方向に互いに間
隔をおいてかつ向きを交互にして取付けられてお
り、最下段のバツフル板上方のチユーブ中心部に
ノズル11より濃厚塩酸が注入される。バツフル
板34の先端位置はドラフトチユーブ9の直径の
40〜70%まで伸長させることが好ましく、取付け
間隔(ピツチ)はドラフトチユーブの直径の1〜
3倍とすることが好ましい。 ノズル11から注入された塩酸の混合拡散効果
をより一層向上させるために、バツフル板34の
先端稜線の中央部に切欠35を設けることが望ま
しい。第3図の例では半円状の切欠35とした
が、切欠の形状は三角形でも四角形でもよい。切
欠35の巾はドラフトチユーブ9の直径の20〜50
%、深さは10〜30%とすることが好ましい。 上述したごとき塩酸混合拡散装置を電解槽6内
に配設して塩酸を注入することによつて、槽内電
解液PHを4.8〜6.0、好ましくは4.9〜6.0の範囲に
維持して運転することができ、局部的に強酸性と
なる危険もない。かくして電解槽6からの発生ガ
スの組成中の塩素および二酸化塩素の割合は増え
るが酸素の割合は減少する。すなわち、発生水素
ガス中の酸素および塩素の爆発範囲はそれぞれ5
〜6%以上および12〜14%以上、二酸化塩素につ
いては自己分解濃度が7〜8%以上となり、より
安全な条件を確保できる。 各電解槽6からに発生ガスは第1図の発生ガス
配管12を通つて塩素の捕集工程および除害工程
に導かれる。13は捕集塔、17は除害塔及び2
1は水洗塔である。捕集液は受槽14から循環ポ
ンプ15により冷却器36を通つて捕集塔13へ
循環し、塩素及び二酸化塩素を吸収して受槽14
へ戻る。捕集液の組成は、カ性アルカリ5〜40
g/、炭酸アルカリ10〜60g/及び次亜塩素
酸アルカリ50〜100g/が適当である。循環液
のアルカリ濃度を維持するために、濃度の高いカ
性アルカリがノズル16から注入される。 捕集塔13を通つたガスは、塩素5〜30ppm、
二酸化塩素100〜500ppmを含むので除害塔17に
導かれ除害される。ノズル18から例えば亜硫酸
ソーダ水溶液を補給し、受器19、循環ポンプ2
0を経て除害塔17へ循環し、ここで捕集塔13
からのガスと接触させることによつて塩素および
二酸化塩素が実質的に検出されなくなるまで除去
される。除害塔17を出るガスはミストを同伴す
るため、水洗塔21へ導きノズル22からの洗浄
水によつて水洗したのち、放出ノズル23からブ
ローするか、または他に有効利用される。 捕集液は受槽14で増量した分取出され中和槽
24に送られる。中和槽へはノズル25により塩
素を注加してPH6.0〜7.0に維持し、又ノズル26
により蒸気を吹込んで温度を40〜80℃に管理す
る。中和された捕集液は反応槽27を流下しなが
ら前記(1)式に従つて塩素酸アルカリへの転化反応
を完結し次工程へ流れる。この反応で生成する塩
酸は捕集液中の重炭酸アルカリの分解に消費され
るので、溶液のPHは一定に保持され反応はスムー
ズに進行する。反応槽27を出る捕集液中には未
反応遊離塩素が1000〜2000ppm存在するのでこれ
を遊離塩素消去槽28に送り、注入ノズル29よ
り例えば尿素、ギ酸、アンモニア、亜硫酸ソーダ
などの水溶液又は活性炭などの還元剤を注入して
完全に遊離塩素を消去する。30は上記還元反応
槽兼捕集液貯槽であり、塩素酸アルカリを含む捕
集液は送液ポンプ31により食塩溶解槽1に送ら
れ、塩水精製工程2、貯槽3を経て再び電解槽に
循環される。 次の本発明を実施例より説明する。 実施例 1〜8 電解槽諸元:塔式;0.5mφ×3.8m高 ドラフトチユーブ; 0.08mφ×2.2m高 バツフル板;長さ0.04m、ドラフト上端よ
り0.3m位置から下へピツチ0.12mで4
枚 切欠き穴45mmφ半円形 電解条件:温度;89〜94℃ 注入塩酸濃度;24% 電解液組成; NaCl 159〜167g/ NaClO3 404〜422g/ NaCrO7 6.5〜76g/ 捕集塔条件:注入カ性アルカリ濃度;25% 温度;50〜55℃ 捕集液組成; NaOH 13〜21g/ Na2CO3 25〜34g/ NaClO 73〜81g/ NaClO3 5〜16g/ NaCl 59〜65g/ 中和槽条件:注入塩酸濃度;12% 温度;65〜70℃ PH;6.3〜6.6 還元槽条件:注加尿素濃度;5% 温度;45〜52℃ 入口遊離塩素;1.4〜2.5g/ 以上の各条件により、電解液PHを4.8〜6.0の範
囲で種々に変えて、電解電流10KA(陽極15.5A/
dm2)および6KA(陽極9.3A/dm2)で運転した
結果をそれぞれ実施例1〜5および実施例6〜8
として次表に示す。 また比較のために、電解電流10KAについては
電解液PH6.6、電解電流6KAについては電解液PH
6.7で運転した結果をそれぞれ比較例1および比
較例2として次表に示す。
る。更に詳しくは、塩素酸アルカリ電解装置の運
転条件並びに発生ガス中塩素の処理方法の改良に
係わり、酸素ガスの発生を抑制して安全性を高め
ると同時に効率良く塩素酸アルカリを製造する方
法を提供するものである。 塩化アルカリ水溶液を電気分解して、塩素酸ア
ルカリを製造するには二つの主要な過程を経る。
すなわち、先ず電解反応によつて、陽極では塩素
イオンが放電して次亜塩素酸が生成し、陰極では
水素イオンが還元されて水素ガスが発生する。次
いで、次亜塩素酸の自己酸化反応が起つて塩素酸
塩が生成する過程である。 これに対して電流効率を低下させる好ましくな
い副反応としては、次亜塩素酸が陽極で再放電
し、塩素酸塩を生成すると同時に酸素の発生を伴
う反応及び次亜塩素酸塩が陰極で元の塩素イオン
に還元される反応がある。 このような好ましくない副反応を抑制するため
従来から種々の改良手段が講じられて来た。例え
ば、陽極材料の改良、クロム酸塩添加による陰極
還元の防止、あるいは次亜塩素酸の自己酸化反応
を促進する運転条件の改善等である。 次亜塩素酸は次式により自己酸化反応を起し塩
素酸塩に転化する。 2HClO+NaClO→ NaClO3+2HCl ……(1) (アルカリ金属をナトリウムとした場合) この反応は、本発明者等の測定によれば、次亜
塩素酸及び次亜塩素酸塩のモル比が2:1のとき
最も効果的であり、生成系の次亜塩素酸濃度を低
くできる。上記のモル比を維持するPHは温度によ
つても変化するが一般に6.2〜6.8の範囲であり、
従来から当該範囲に調整し運転する努力が払われ
てきた。(1)式の反応を促進させて次亜塩素酸の濃
度を低減させるには、その外に温度及び反応体積
の要因がある。温度の影響は大きく、高温程次亜
塩素酸の濃度を低くできるが、電極副反応の速度
も大きくなりかえつて電流効率は低下する。又反
応体積は大きい程次亜塩素酸濃度は低くできる
が、設備が相対的に大きくなり、設計上の制約が
ある。 このように従来から種々の改善を行なつてきた
にも拘わらず電解液中の次亜塩素酸濃度は1.5〜
3.5g/、発生水素ガス中の酸素含有量は2〜
4%が容認されている状態である。 本発明者等はこのような現状に鑑みて酸素の発
生を抑制して電流効率を向上させる方法につき
種々検討をねた結果、本発明を完成させるに至つ
たものである。 すなわち本発明による塩素酸アルカリの製造方
法は、塩化アルカリ水溶液からなる電解液を電気
分解して塩素酸アルカリを製造するに際し、電解
液中に塩酸を注入して電解液のPHを4.8〜6.0に維
持することによつて電解により発生する水素ガス
中の酸素含有量を低減させ、一方、電解により発
生する塩素および/または二酸化塩素ガスをカ性
アルカリ溶液で捕集し、得られた捕集液を塩酸で
中和して捕集液中に塩素酸アルカリを生成せし
め、次いでこの捕集液中の未反応の遊離塩素を還
元剤により除去し、かくして得られた塩素酸アル
カリを含む捕集液を塩化アルカリ水溶液の調製に
際して再利用することを特徴とするものである。 本発明においては、従来のPH条件よりも低いPH
域すなわちPH4.8〜6.0の範囲で電解装置を運転す
ることによつて、発生水素ガス中の酸素含有量を
効果的に低減させることができる。PH4.8より低
い条件で電解した場合には発生ガス中の塩素ガス
濃度が増加し、Cl2−H2爆鳴気を生成する危険が
あるため避けるべきであり、一方PH6.0より高い
条件とした場合には酸素発生の抑制効果はあまり
期待できない。 一方、上述のような低PH域で運転すると発生ガ
ス中の酸素含有量を低減できるが、塩素および/
または二酸化塩素の発生は増加する。従つてこれ
らの塩素や二酸化塩素の発生を損失とみれば、見
掛上の電流効率は低下することになる。そこで本
発明においては、発生ガス中のこれら塩素や二酸
化塩素を捕集し塩素酸アルカリに転化して系内に
回収することによつて、実質的な電流効率の向上
が図れるのである。 電解液のPHを4.8〜6.0に維持するために本発明
においては電解液中へ塩酸を注入するのである
が、塩素酸アルカリ水溶液に濃厚な塩酸を加える
と注入口付近で局部的に強酸性となり、二酸化塩
素が発生し爆発を起す危険がある。このような危
険を避けるためには30〜70g/の稀薄塩酸を注
加すればよいが、この場合には電解液が稀釈され
るので多量に使用することができず、これによつ
て調整できるPHはせいぜい6.4〜6.7である。そこ
で、濃厚な塩酸を安全に電解液中に注入するため
に本発明においては、電解槽内において発生する
水素ガスの浮揚力によりもたらされる電解液の上
昇流の流路内に塩酸を注入することが望ましい。
これによつて、注入した塩酸は電解液上昇流に伴
つて電解槽内電解液全体に効果的に混合拡散さ
れ、局部的に強酸性となるのを防止することがで
きる。 また、従来の条件で運転される電解槽において
も、発生水素ガス中には0.1〜0.3vol%の塩素ガス
が含有されるので、アルカリ液で塩素を捕集し、
この捕集液を工場の排水処理に利用するか又は還
元剤で中和して排出する方法が採られてきた。し
かしながら本発明のごとき低PH域で電解する場合
には、塩素ガスの発生が10〜20倍に増加し電流効
率に少なからず影響を及ぼすので従前ような処理
方法を適用しえない。そこで本発明においては、
塩素ガスをアルカリ液で捕集した捕集液の過剰ア
ルカリを塩酸で連続的に中和することによつて、
捕集液中に生成した次亜塩素酸を塩素酸塩に転化
し、この塩素酸塩を電解系内に回収するのである
が、この際捕集用アルカリ液中に炭酸アルカリを
10〜60g/の範囲で含有させることが望まし
い。すなわち、次亜塩素酸の塩素酸塩への転化は
前記(1)式に従つて進行するが、過剰アルカリを中
和して除去すれば反応は右へ進んでHClが生成
し、PHが低くなつて反応は進まなくなる。そのた
めアルカリを添加してPHを戻してやることが必要
になる。このように、アルカリと塩酸の両者を用
いる複雑な制御を行なう必要がある。しかしなが
ら捕集用アルカリ液中に炭酸アルカリを含有させ
ておくことによつて、 NaHCO3+HCl→ NaCl+H2O+CO2 ……(2) の反応により炭酸アルカリが緩衝剤となつて、塩
酸による過剰アルカリの中和のみによつて塩素酸
塩転化反応に最適なPH6.0〜7.0に容易に調整する
ことができる。 以下に図面に示す好ましい実施態様を参照して
本発明をさらに説明する。 第1図は本発明方法を実施する際の好ましいフ
ローシートを示し、1は食塩溶解槽、2は塩水の
精製工程、3は精製塩水の貯槽である。溶解水又
は塩素酸アルカリ結晶工程の未砲和析出塩水を配
管32から食塩溶解槽1へ導入し食塩層中を通過
させて、食塩の飽和溶液として取出し、精製工程
2においてカ性ソーダ、炭酸ソーダ等を加えて不
純物を除去した後精製塩水貯槽3へ貯え、送液ポ
ンプ4により電解槽6へ送られる。電解槽6は複
数個直列にかつカスケードに配列され、順次下流
へ流れて塩素酸アルカリ濃度が高められ、最終電
解槽のオーバーフロー10から製品として取出さ
れる。5は整流器であり、電解電流はブスバー3
3を介して各電解槽の陽極7及び陰極8の夫々を
直列に流れ電解を行なつて、整流器5に戻る。 電解槽6は、槽内に注入される塩酸を効果的に
混合拡散できるように、電解液の上昇流の流路と
なるドラフトチユーブ9を内部に備えた塔式電解
槽を図示の実施例においては使用しているが、ガ
スリフトまたはポンプにより外部循環式電解槽も
好ましく使用できる。 第2図および第3図に示したように、ドラフト
チユーブ9内には略半円形状の複数枚のバツフル
板34がドラフトチユーブの長手方向に互いに間
隔をおいてかつ向きを交互にして取付けられてお
り、最下段のバツフル板上方のチユーブ中心部に
ノズル11より濃厚塩酸が注入される。バツフル
板34の先端位置はドラフトチユーブ9の直径の
40〜70%まで伸長させることが好ましく、取付け
間隔(ピツチ)はドラフトチユーブの直径の1〜
3倍とすることが好ましい。 ノズル11から注入された塩酸の混合拡散効果
をより一層向上させるために、バツフル板34の
先端稜線の中央部に切欠35を設けることが望ま
しい。第3図の例では半円状の切欠35とした
が、切欠の形状は三角形でも四角形でもよい。切
欠35の巾はドラフトチユーブ9の直径の20〜50
%、深さは10〜30%とすることが好ましい。 上述したごとき塩酸混合拡散装置を電解槽6内
に配設して塩酸を注入することによつて、槽内電
解液PHを4.8〜6.0、好ましくは4.9〜6.0の範囲に
維持して運転することができ、局部的に強酸性と
なる危険もない。かくして電解槽6からの発生ガ
スの組成中の塩素および二酸化塩素の割合は増え
るが酸素の割合は減少する。すなわち、発生水素
ガス中の酸素および塩素の爆発範囲はそれぞれ5
〜6%以上および12〜14%以上、二酸化塩素につ
いては自己分解濃度が7〜8%以上となり、より
安全な条件を確保できる。 各電解槽6からに発生ガスは第1図の発生ガス
配管12を通つて塩素の捕集工程および除害工程
に導かれる。13は捕集塔、17は除害塔及び2
1は水洗塔である。捕集液は受槽14から循環ポ
ンプ15により冷却器36を通つて捕集塔13へ
循環し、塩素及び二酸化塩素を吸収して受槽14
へ戻る。捕集液の組成は、カ性アルカリ5〜40
g/、炭酸アルカリ10〜60g/及び次亜塩素
酸アルカリ50〜100g/が適当である。循環液
のアルカリ濃度を維持するために、濃度の高いカ
性アルカリがノズル16から注入される。 捕集塔13を通つたガスは、塩素5〜30ppm、
二酸化塩素100〜500ppmを含むので除害塔17に
導かれ除害される。ノズル18から例えば亜硫酸
ソーダ水溶液を補給し、受器19、循環ポンプ2
0を経て除害塔17へ循環し、ここで捕集塔13
からのガスと接触させることによつて塩素および
二酸化塩素が実質的に検出されなくなるまで除去
される。除害塔17を出るガスはミストを同伴す
るため、水洗塔21へ導きノズル22からの洗浄
水によつて水洗したのち、放出ノズル23からブ
ローするか、または他に有効利用される。 捕集液は受槽14で増量した分取出され中和槽
24に送られる。中和槽へはノズル25により塩
素を注加してPH6.0〜7.0に維持し、又ノズル26
により蒸気を吹込んで温度を40〜80℃に管理す
る。中和された捕集液は反応槽27を流下しなが
ら前記(1)式に従つて塩素酸アルカリへの転化反応
を完結し次工程へ流れる。この反応で生成する塩
酸は捕集液中の重炭酸アルカリの分解に消費され
るので、溶液のPHは一定に保持され反応はスムー
ズに進行する。反応槽27を出る捕集液中には未
反応遊離塩素が1000〜2000ppm存在するのでこれ
を遊離塩素消去槽28に送り、注入ノズル29よ
り例えば尿素、ギ酸、アンモニア、亜硫酸ソーダ
などの水溶液又は活性炭などの還元剤を注入して
完全に遊離塩素を消去する。30は上記還元反応
槽兼捕集液貯槽であり、塩素酸アルカリを含む捕
集液は送液ポンプ31により食塩溶解槽1に送ら
れ、塩水精製工程2、貯槽3を経て再び電解槽に
循環される。 次の本発明を実施例より説明する。 実施例 1〜8 電解槽諸元:塔式;0.5mφ×3.8m高 ドラフトチユーブ; 0.08mφ×2.2m高 バツフル板;長さ0.04m、ドラフト上端よ
り0.3m位置から下へピツチ0.12mで4
枚 切欠き穴45mmφ半円形 電解条件:温度;89〜94℃ 注入塩酸濃度;24% 電解液組成; NaCl 159〜167g/ NaClO3 404〜422g/ NaCrO7 6.5〜76g/ 捕集塔条件:注入カ性アルカリ濃度;25% 温度;50〜55℃ 捕集液組成; NaOH 13〜21g/ Na2CO3 25〜34g/ NaClO 73〜81g/ NaClO3 5〜16g/ NaCl 59〜65g/ 中和槽条件:注入塩酸濃度;12% 温度;65〜70℃ PH;6.3〜6.6 還元槽条件:注加尿素濃度;5% 温度;45〜52℃ 入口遊離塩素;1.4〜2.5g/ 以上の各条件により、電解液PHを4.8〜6.0の範
囲で種々に変えて、電解電流10KA(陽極15.5A/
dm2)および6KA(陽極9.3A/dm2)で運転した
結果をそれぞれ実施例1〜5および実施例6〜8
として次表に示す。 また比較のために、電解電流10KAについては
電解液PH6.6、電解電流6KAについては電解液PH
6.7で運転した結果をそれぞれ比較例1および比
較例2として次表に示す。
【表】
【表】
上表からわかるように、本発明による実施例は
いずれも比較例よりも実質電流効率で3〜7%向
上し、発生水素ガス中酸素濃度も極めて低くでき
る。塩素および二酸化塩素の混入量も本発明のPH
範囲では実質的に低く、安全性は充分確保され
る。 以上説明したように、本発明方法は、エネルギ
ー効率を高めるだけに留まらず、発生水素ガス中
の酸素含有量を下げて安全性を向上させると同時
に水素ガスの有効利用を可能ならしめる工業的に
極めて有利な方法である。
いずれも比較例よりも実質電流効率で3〜7%向
上し、発生水素ガス中酸素濃度も極めて低くでき
る。塩素および二酸化塩素の混入量も本発明のPH
範囲では実質的に低く、安全性は充分確保され
る。 以上説明したように、本発明方法は、エネルギ
ー効率を高めるだけに留まらず、発生水素ガス中
の酸素含有量を下げて安全性を向上させると同時
に水素ガスの有効利用を可能ならしめる工業的に
極めて有利な方法である。
第1図は本発明を実施する際の好ましいフロー
シートを示し、第2図は本発明の好ましい実施例
において用いる電解液への塩酸の注入混合装置の
縦断面図であり、第3図は第2図の−線に沿
う横断面図である。 1……食塩溶解槽、2……塩水精製工程、3…
…精製塩水貯槽、6……電解槽、9……ドラフト
チユーブ、12……発生ガス配管、13……捕集
塔、17……除害塔、21……水洗塔、24……
中和槽、27……反応槽、28……遊離塩素消去
槽、30……還元反応槽兼捕集液貯槽。
シートを示し、第2図は本発明の好ましい実施例
において用いる電解液への塩酸の注入混合装置の
縦断面図であり、第3図は第2図の−線に沿
う横断面図である。 1……食塩溶解槽、2……塩水精製工程、3…
…精製塩水貯槽、6……電解槽、9……ドラフト
チユーブ、12……発生ガス配管、13……捕集
塔、17……除害塔、21……水洗塔、24……
中和槽、27……反応槽、28……遊離塩素消去
槽、30……還元反応槽兼捕集液貯槽。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 塩化アルカリ水溶液からなる電解液を電気分
解して塩素酸アルカリを製造するに際し、電解液
中に塩酸を注入して電解液のPHを4.8〜6.0に維持
することによつて電解により発生する水素ガス中
の酸素含有量を低減させ、一方、電解により発生
する塩素および/または二酸化塩素酸ガスをカ性
アルカリ溶液で捕集し、得られた捕集液を塩酸で
中和して捕集液中に塩素酸アルカリを生成せし
め、次いでこの捕集液中の未反応遊離塩素を還元
剤により除去し、かくして得られた塩素酸アルカ
リを含む捕集液を塩化アルカリ水溶液の調製に際
して再利用することを特徴とする塩素酸アルカリ
の製造方法。 2 電解液中への塩酸の注入は、電解により発生
する水素ガスの浮揚力によつて生ずる電解液の上
昇流の流路内に塩酸を注入して行なう特許請求の
範囲第1項記載の方法。 3 電解液の上昇流の流路となるドラフトチユー
ブを電解槽内に配設し、該ドラフトチユーブ内に
は略半円形状の複数のバツフル板が該チユーブの
長手方向に互いに間隔をおいてかつ向きを交互に
して取付けられており、最下段のバツフル板上方
にノズルから塩酸を注入する特許請求の範囲第2
項記載の方法。 4 前記バツフル板として、先端稜線の中央部に
切欠を有するバツフル板を用いる特許請求の範囲
第3項記載の方法。 5 前記捕集液中に10〜60g/の炭酸アルカリ
を含有させる特許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15468683A JPS6046384A (ja) | 1983-08-24 | 1983-08-24 | 塩素酸アルカリの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15468683A JPS6046384A (ja) | 1983-08-24 | 1983-08-24 | 塩素酸アルカリの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6046384A JPS6046384A (ja) | 1985-03-13 |
| JPH032238B2 true JPH032238B2 (ja) | 1991-01-14 |
Family
ID=15589701
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15468683A Granted JPS6046384A (ja) | 1983-08-24 | 1983-08-24 | 塩素酸アルカリの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6046384A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2619756B2 (ja) * | 1991-11-07 | 1997-06-11 | 株式会社オムコ | 殺菌水製造方法 |
| FR2963338B1 (fr) * | 2010-08-02 | 2014-10-24 | Solvay | Procede d'electrolyse |
| GB2552526A (en) * | 2016-07-28 | 2018-01-31 | Siemens Ag | Electrochemical method of ammonia generation |
-
1983
- 1983-08-24 JP JP15468683A patent/JPS6046384A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6046384A (ja) | 1985-03-13 |
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