JPH0325487B2 - - Google Patents
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- JPH0325487B2 JPH0325487B2 JP61171358A JP17135886A JPH0325487B2 JP H0325487 B2 JPH0325487 B2 JP H0325487B2 JP 61171358 A JP61171358 A JP 61171358A JP 17135886 A JP17135886 A JP 17135886A JP H0325487 B2 JPH0325487 B2 JP H0325487B2
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- stainless steel
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、重量%でCrを5〜18%、Cを0.2%
以下含有するマルテンサイト系或はフエライト系
ステンレス鋼薄板の新しい製造方法に関する。 (従来の技術) 従来、13%Cr、0.08Cに代表されるマルテンサ
イト系ステンレス鋼或は11%Cr系で含Ti鋼のよ
うなフエライト系ステンレス鋼薄板の製造におい
ては、連続鋳造鋳片(CC鋳片)を熱間圧延し、
巻き取り後、熱間圧延組織やマルテンサイト組織
を焼鈍によつて軟化再結晶させた後、酸洗、デス
ケーリングし、次いで研削によつて鋼帯の表面欠
陥を除去し、然る後冷間圧延、最終焼鈍、酸洗を
行うプロセスによつて製造されて来た。就中、マ
ルテンサイト系ステンレス鋼は、熱間圧延後の冷
却時にマルテンサイト化して硬く、従つて熱延板
焼鈍においては、特開昭59−153830号公報、特開
昭59−153832号公報に開示されているように、バ
ツチ焼鈍と呼ばれる、ステンレス鋼帯をコイル状
のままで800℃以上の温度域に数時間以上保持し
冷却するという、非能率な製造方法を余儀無くさ
れて来た。このように長時間熱処理すると、酸化
スケールが厚く生成しデスケーリング性も劣化
し、デスケーリング後の鋼帯表面は、粗度が大き
く従つてコイル研削工程(鋼帯表面を研削する工
程)で表面の欠陥を除去した後に冷間圧延するこ
とが必要であつた。 このように、従来技術においては、低Cr領域
のフエライト系或はマルテンサイト系ステンレス
鋼薄板の製造にあつて、熱延板焼鈍工程やコイル
研削工程は不可欠であつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、ステンレス鋼薄板の新しい製造方法
として普通鋼薄板と同様に、熱間圧延後の焼鈍工
程を省略し、さらに、酸洗、デスケーリングを行
つた後に遂行される、コイル研削工程を省略し、
大径のロールを用いるタンデム冷間圧延法による
高能率なステンレス鋼薄板製造方法を提供するこ
とを目的としてなされた。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とする処は、重量%で、Cr:5
〜18%を主要合金元素として含有するマルテンサ
イト系或はフエライト系ステンレス鋼薄板の製造
方法であつて、熱間圧延鋼帯の長さ方向および幅
方向中央部分の巻き取り温度を、800〜600℃とす
るとともに熱間圧延におけるランアウトテーブル
での鋼帯冷却水量を、鋼帯の長さ方向および幅方
向部位に応じて個別に制御し、鋼帯巻き取り中お
よび巻き取り後の復熱によつてコイル全体の軟化
或は焼戻しの進行を均一化することによつて、熱
延板焼鈍工程を省略し、次いで鋼帯のデスケーリ
ングにおいて、硫酸或は塩酸を主成分とする酸洗
液で、鋼帯表面層を片面当り10マイクロメートル
以上溶削し、コイル研削工程を省略若しくは簡略
化し、然る後、冷間圧延することを特徴とする
Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法にある。 以下に、本発明を説明する。 発明者等は、重量%で、Crを5〜18%含有す
るマルテンサイト系或はフエライト系ステンレス
鋼薄板の製造プロセスにおいて、熱延板焼鈍工程
やコイル研削工程を省略するとともに、高能率下
に冷間圧延が可能なプロセスについて研究を進め
た。その結果、次の問題を解決しなければならな
いことが判明した。 即ち、現状のバツチ方式の熱延板焼鈍工程を省
略するためには、熱間圧延後の鋼帯巻き取り過程
で、後の工程の冷間圧延に支障のない程度に鋼帯
を軟化させることが必要である。 さらに、熱延板焼鈍工程を省略したとしても、
鋼帯は、熱間圧延工程での巻き取り後、メカニカ
ルデスケーリングを施しさらに酸洗してデスケー
リングを行なうが、酸洗液によつては、鋼帯表面
に粒界腐食を発生させる。かくして、粒界腐食を
生じた部分は、冷間圧延工程において、たおれ込
み鋼帯表面にかぶさりを生じて、製品表面におけ
る欠陥(ゴールドダスト)となり、光沢を劣化さ
せる。 従つて、コイル研削工程の省略を可能ならしめ
るためには、粒界腐食の防止が不可欠となる。 一方、熱間圧延後の鋼帯表面には、平均値で、
10μm程度の脱炭層が生成することがある。この
脱炭層を残したまま鋼帯を冷間圧延し、焼鈍、酸
洗すると、最終酸洗工程で、粒界腐食状の光沢不
良が発生する。 従つて、鋼帯表面における脱炭層の生成を防止
するか或はこれを溶削することが必要となる。 このように、Cr:5〜18%を含有するステン
レス鋼、就中、マルテンサイト系ステンレス鋼の
熱延板焼鈍工程を省略しかつ、コイル研削工程を
省略若しくは簡略化して、十分な冷延性ならび
に、材質および表面性状を確保するには、 熱延板焼鈍工程省略のための、熱間圧延鋼帯
の巻取り条件 鋼帯における粒界腐食を防止するための酸洗
条件や熱間圧延鋼帯の巻取り条件 熱間圧延鋼帯表面の脱炭層の生成防止および
溶削条件 が明らかにされねばならない。 発明者等は、実験を伴なう研究を重ねた結果、
先ず熱延板焼鈍工程の省略のための熱間圧延鋼帯
の巻取り条件としては、鋼帯の長さ方向、幅方向
における中央部が800〜600℃の温度域で、鋼帯を
巻取ると、巻取られたコイルの内部は復熱して、
軟化や焼戻しは十分に進行するけれども、鋼帯の
頭端部や尾端部或は幅方向側縁部は、鋼帯が巻取
られコイルとなつた後も復熱が不十分で硬化して
おり、この硬化部分は、後の冷間圧延工程で問題
となる。 従つて、本発明のプロセスにあつては、鋼帯の
頭部および尾部ならびに両側縁部を相対的に高温
の状態にして鋼帯を巻取る。 このため、本発明のプロセスにあつては、鋼帯
を熱間圧延後、ランアウトテーブル上で水冷する
に際して、鋼帯の頭部、尾部ならびに両側縁部の
冷却強度を中央部のそれよりも低くする如く、つ
まり鋼帯の頭部および尾部が中央部よりも100℃
程度高温となるように、また両側縁部が中央部よ
りも50℃程度高くなるように冷却を制御して巻取
り、その後、コイル状で冷却するようにすること
で、熱延板焼鈍工程を省略しても、後の冷間圧延
に支障のないストリツプコイルを得ることができ
る。 さらに、C含有量やN量によつて、特にマルテ
ンサイトの硬度が高い鋼帯にあつては、上記条件
で巻取つた後に、保温徐冷炉或は内部に熱源を組
込んだ保温炉に、直ちに装入し、コイルの復熱を
より均一化して徐冷することが有効である。 前記、保温炉によつてコイルの復熱をより均一
に進行せしめる場合でも、鋼帯のランアウトテー
ブル上での冷却に際して、鋼帯の頭部および尾部
ならびに両側縁部を、中央部よりも相対的に高温
となる如く冷却制御して巻取るようにすることが
有効であり、保温炉での所要時間を大幅に短縮し
得る。 このようにして得られた熱間圧延ストリツプコ
イルは、メカニカルデスケーリングを経て、酸洗
される。 フエライト系ステンレス鋼やマルテンサイト系
ステンレス鋼は、熱延板焼鈍工程を省略した場
合、粒界にCr炭化物を析出し、粒界にCrの欠乏
属を生じている。 従つて、粒界腐食を生ぜしめ易い酸の使用は避
けねばならない。この観点から、HNO3/HF酸
洗は、危険である。H2SO4やHClを主とする酸を
用いる酸洗でなければならない。 また、酸洗に伴なつて生じるスマツトの除去に
際しても、HNO3/HFやHNO3の使用は有害で
あり、ブラツシング等のメカニカル作用と水中で
のスマツト処理が望ましい。 酸洗後の鋼帯の表面性状は、極力表面粗さが小
さいことが望ましく、この点からメカニカルデス
ケーリングにおける研掃剤として、細粒の砂鉄を
使用した高圧水デスケーリングが有効であり、他
方、H2SO4やHClを主とする酸液で鋼帯表面を溶
削することも有効である。 酸洗後の熱延鋼帯の表面直下には、熱間圧延時
に生じた脱炭粒が存在することがある。熱延板に
おける脱炭層は、厚さ約10μm程度であり、酸洗
後、この脱炭粒を残したまま冷間圧延し、最終焼
鈍し、酸洗を行なうと、脱炭部は前記最終焼鈍過
程で炭化物の析出が顕著に生じ、これによつて脱
Cr部を生じ、最終のHNO3による酸洗時に;粒
界腐食状に模様が生じ、鋼帯の光沢を劣化させ
る。 従つて、熱延板の酸洗においては、鋼帯の表面
に生じた、10μm内外の脱炭粒を溶解除去するこ
とが必要であり、このため、たとえばH2SO4や
HClを主とする酸洗液によつて溶削する。 勿論、熱間圧延に先立つ鋼片の加熱の温度を低
目にすることのほか、加熱雰囲気の制御や在炉時
間の制御によつて、鋼帯表面の脱炭層を極力浅く
することも有効であり、連続鋳造プロセスからの
直送圧延や、ホツトチヤージ(高温鋳片を直接、
加熱炉へ装入)によつて在炉時間を短縮すること
が有効な手段となる。 次に、本発明における成分、プロセス条件の限
定理由について述べる。 本発明は、Cr量が、重量%で5〜18%の、フ
エライト系或はマルテンサイト系ステンレス鋼を
対象としている。 Crが、5%未満では耐食性が不十分であり、
Cr:5〜18%のフエライト系或はマルテンサイ
ト系ステンレス鋼では、γ相が現われ、本発明に
なる熱間圧延後のランアウトテーブルにおける冷
却制御と、鋼帯巻取中の分解が有効に機能するか
らである。Cr含有量が18%を超えると、γ相は
殆んど現われず、この発明のプロセスは有効に機
能しない。 熱間圧延後の鋼帯の巻取温度は、鋼帯の長さ方
向、幅方向中央部で800〜600℃とする。 800℃を超えると、スケール生成量が多くなつ
て有害であり、600℃未満では、製品の伸びが低
下するからである。 熱間圧延後の鋼帯は、ランアウトテーブルで、
頭部および尾部或は両側縁を中央部よりも、頭部
および尾部は約100℃、両側縁部は約50℃高温と
なるように、適用する冷却水量を制御して冷却す
る。然る後、コイルに巻取る。 これは、コイル状での復熱で、焼戻しや軟化を
コイル全体で均一化するものである。 マルテンサイトの多い鋼種では、鋼帯をコイル
に巻取つた後、直ちに保温炉に装入し、より均一
な焼戻し、軟化を進行せしめる。 このようにして、熱延板焼鈍工程を省略した鋼
帯の酸洗を行なうに際しては、粒界腐食を防止す
るため、H2SO4やHClを主とする酸洗液で酸洗す
る。 粒界腐食を生ぜしめるHNO3/HFやHNO3は、
使用しない。 さらに、熱間圧延後の鋼帯表面に散在する脱炭
組織を除去すべく、少なくとも表面層片面10μm
の溶削が必要である。 溶削厚さが10μm未満と不足すると、脱炭組織
が残留し、製品表面の光沢を阻害する。 (実施例) 以下に、この発明になるCr系ステンレス鋼薄
板の製造方法の実施例について述べる。 第1表に、通常通り溶製した、6%Cr〜18Cr
までの合金組成を示す。 何れも、低C系のフエライト系およびマルテン
サイト系ステンレス鋼である。これらのステンレ
ス溶鋼を、それ自体公知の連続鋳造プロセスで鋳
造して鋳片とし、これを冷却した後、部分手入れ
し、再加熱したもの或は、熱間圧延工程における
加熱炉へホツトチヤージし、ホツトストリツプミ
ルによつて3〜4mm厚さのホツトストリツプへ熱
間圧延した。 熱間圧延された鋼帯は、仕上圧延機列後段のラ
ンアウトテーブルにおける冷却に際し、鋼帯の頭
部約30m、尾部約100mについて、冷却水量の適
用を、長さ方向中央部よりも少なくし、鋼帯頭部
および尾部の温度を中央部よりも約100℃高くし
て巻取つた(第2表にAパターンとして示す)。
この第2表のAパターンの鋼帯の冷却制御に加え
て、鋼帯の両側縁部への適用冷却水量を制御し
て、この部分の温度を幅方向中央部の温度よりも
約50℃高くして鋼帯を巻取つた(第2表に、Bパ
ターンとして示す)。 さらに、第2表のBパターンの冷却制御を行な
つた鋼帯を、巻取後、750℃に予熱してある保温
炉に装入し、30分間保持した後、取出し、コイル
状のまま冷却した(第2表にパターンCとして示
す)。 比較のために、従来技術における如くランアウ
トテーブルで鋼帯を冷却し、巻取るものも実施し
た。 これらの各パターンによつて得られた鋼帯の各
部位の硬度を測定した結果を第2表に示す。第2
表から明らかなように、本発明になるプロセスに
よる場合は、鋼帯の何れの部位においても、硬度
は、HVで185未満でありかつ各部位間における硬
度の差は小さく、冷間圧延用素材として十分な硬
化程度を確保している。 これに対し従来技術に依つたものは、硬度が高
く、各部位間における硬度差も大きく、そのまま
冷間圧延素材とすることは不可能で、熱延板焼鈍
を必要とした。 上記、本発明になるプロセスによつて得られた
ホツトストリツプコイルは、熱延板焼鈍すること
なく、砂鉄材を研掃材とする高圧水によるメカニ
カルデスケーリングを施し、300g/のH2SO4
を85℃とした酸洗液中で酸洗した。この酸洗過程
で、鋼帯表面の厚さ10μmの脱炭層を溶削すると
ともに、鋼帯表面の凹凸を小さくするよう、酸洗
時間を変化させた。 酸洗処理後、鋼帯を水中でブラツシングし、得
られたホツトストリツプコイルを、コイル研削す
ることなく、400mm直径のロールをもつ冷間タン
デムミルで、累積圧下率50%の冷間圧延を行なつ
た。 こうして得られた冷間圧延ストリツプコイルの
一部は、直径60mmのロールをもつゼンジミアミル
で3回の冷間リバース圧延を行なつた。然る後、
最終焼鈍、酸洗、調質圧延を行なつて2B製品と
した。2B製品の表面特性として、光沢の評価を
第3表に示す。 ホツトストリツプの酸洗時に、10μm未満の溶
削量であつたものは、表面に部分的に脱炭層が残
留し、最終製品においても光沢が不良であつた
が、10μm以上溶削したものは、光沢が良好であ
つた。
以下含有するマルテンサイト系或はフエライト系
ステンレス鋼薄板の新しい製造方法に関する。 (従来の技術) 従来、13%Cr、0.08Cに代表されるマルテンサ
イト系ステンレス鋼或は11%Cr系で含Ti鋼のよ
うなフエライト系ステンレス鋼薄板の製造におい
ては、連続鋳造鋳片(CC鋳片)を熱間圧延し、
巻き取り後、熱間圧延組織やマルテンサイト組織
を焼鈍によつて軟化再結晶させた後、酸洗、デス
ケーリングし、次いで研削によつて鋼帯の表面欠
陥を除去し、然る後冷間圧延、最終焼鈍、酸洗を
行うプロセスによつて製造されて来た。就中、マ
ルテンサイト系ステンレス鋼は、熱間圧延後の冷
却時にマルテンサイト化して硬く、従つて熱延板
焼鈍においては、特開昭59−153830号公報、特開
昭59−153832号公報に開示されているように、バ
ツチ焼鈍と呼ばれる、ステンレス鋼帯をコイル状
のままで800℃以上の温度域に数時間以上保持し
冷却するという、非能率な製造方法を余儀無くさ
れて来た。このように長時間熱処理すると、酸化
スケールが厚く生成しデスケーリング性も劣化
し、デスケーリング後の鋼帯表面は、粗度が大き
く従つてコイル研削工程(鋼帯表面を研削する工
程)で表面の欠陥を除去した後に冷間圧延するこ
とが必要であつた。 このように、従来技術においては、低Cr領域
のフエライト系或はマルテンサイト系ステンレス
鋼薄板の製造にあつて、熱延板焼鈍工程やコイル
研削工程は不可欠であつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、ステンレス鋼薄板の新しい製造方法
として普通鋼薄板と同様に、熱間圧延後の焼鈍工
程を省略し、さらに、酸洗、デスケーリングを行
つた後に遂行される、コイル研削工程を省略し、
大径のロールを用いるタンデム冷間圧延法による
高能率なステンレス鋼薄板製造方法を提供するこ
とを目的としてなされた。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とする処は、重量%で、Cr:5
〜18%を主要合金元素として含有するマルテンサ
イト系或はフエライト系ステンレス鋼薄板の製造
方法であつて、熱間圧延鋼帯の長さ方向および幅
方向中央部分の巻き取り温度を、800〜600℃とす
るとともに熱間圧延におけるランアウトテーブル
での鋼帯冷却水量を、鋼帯の長さ方向および幅方
向部位に応じて個別に制御し、鋼帯巻き取り中お
よび巻き取り後の復熱によつてコイル全体の軟化
或は焼戻しの進行を均一化することによつて、熱
延板焼鈍工程を省略し、次いで鋼帯のデスケーリ
ングにおいて、硫酸或は塩酸を主成分とする酸洗
液で、鋼帯表面層を片面当り10マイクロメートル
以上溶削し、コイル研削工程を省略若しくは簡略
化し、然る後、冷間圧延することを特徴とする
Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法にある。 以下に、本発明を説明する。 発明者等は、重量%で、Crを5〜18%含有す
るマルテンサイト系或はフエライト系ステンレス
鋼薄板の製造プロセスにおいて、熱延板焼鈍工程
やコイル研削工程を省略するとともに、高能率下
に冷間圧延が可能なプロセスについて研究を進め
た。その結果、次の問題を解決しなければならな
いことが判明した。 即ち、現状のバツチ方式の熱延板焼鈍工程を省
略するためには、熱間圧延後の鋼帯巻き取り過程
で、後の工程の冷間圧延に支障のない程度に鋼帯
を軟化させることが必要である。 さらに、熱延板焼鈍工程を省略したとしても、
鋼帯は、熱間圧延工程での巻き取り後、メカニカ
ルデスケーリングを施しさらに酸洗してデスケー
リングを行なうが、酸洗液によつては、鋼帯表面
に粒界腐食を発生させる。かくして、粒界腐食を
生じた部分は、冷間圧延工程において、たおれ込
み鋼帯表面にかぶさりを生じて、製品表面におけ
る欠陥(ゴールドダスト)となり、光沢を劣化さ
せる。 従つて、コイル研削工程の省略を可能ならしめ
るためには、粒界腐食の防止が不可欠となる。 一方、熱間圧延後の鋼帯表面には、平均値で、
10μm程度の脱炭層が生成することがある。この
脱炭層を残したまま鋼帯を冷間圧延し、焼鈍、酸
洗すると、最終酸洗工程で、粒界腐食状の光沢不
良が発生する。 従つて、鋼帯表面における脱炭層の生成を防止
するか或はこれを溶削することが必要となる。 このように、Cr:5〜18%を含有するステン
レス鋼、就中、マルテンサイト系ステンレス鋼の
熱延板焼鈍工程を省略しかつ、コイル研削工程を
省略若しくは簡略化して、十分な冷延性ならび
に、材質および表面性状を確保するには、 熱延板焼鈍工程省略のための、熱間圧延鋼帯
の巻取り条件 鋼帯における粒界腐食を防止するための酸洗
条件や熱間圧延鋼帯の巻取り条件 熱間圧延鋼帯表面の脱炭層の生成防止および
溶削条件 が明らかにされねばならない。 発明者等は、実験を伴なう研究を重ねた結果、
先ず熱延板焼鈍工程の省略のための熱間圧延鋼帯
の巻取り条件としては、鋼帯の長さ方向、幅方向
における中央部が800〜600℃の温度域で、鋼帯を
巻取ると、巻取られたコイルの内部は復熱して、
軟化や焼戻しは十分に進行するけれども、鋼帯の
頭端部や尾端部或は幅方向側縁部は、鋼帯が巻取
られコイルとなつた後も復熱が不十分で硬化して
おり、この硬化部分は、後の冷間圧延工程で問題
となる。 従つて、本発明のプロセスにあつては、鋼帯の
頭部および尾部ならびに両側縁部を相対的に高温
の状態にして鋼帯を巻取る。 このため、本発明のプロセスにあつては、鋼帯
を熱間圧延後、ランアウトテーブル上で水冷する
に際して、鋼帯の頭部、尾部ならびに両側縁部の
冷却強度を中央部のそれよりも低くする如く、つ
まり鋼帯の頭部および尾部が中央部よりも100℃
程度高温となるように、また両側縁部が中央部よ
りも50℃程度高くなるように冷却を制御して巻取
り、その後、コイル状で冷却するようにすること
で、熱延板焼鈍工程を省略しても、後の冷間圧延
に支障のないストリツプコイルを得ることができ
る。 さらに、C含有量やN量によつて、特にマルテ
ンサイトの硬度が高い鋼帯にあつては、上記条件
で巻取つた後に、保温徐冷炉或は内部に熱源を組
込んだ保温炉に、直ちに装入し、コイルの復熱を
より均一化して徐冷することが有効である。 前記、保温炉によつてコイルの復熱をより均一
に進行せしめる場合でも、鋼帯のランアウトテー
ブル上での冷却に際して、鋼帯の頭部および尾部
ならびに両側縁部を、中央部よりも相対的に高温
となる如く冷却制御して巻取るようにすることが
有効であり、保温炉での所要時間を大幅に短縮し
得る。 このようにして得られた熱間圧延ストリツプコ
イルは、メカニカルデスケーリングを経て、酸洗
される。 フエライト系ステンレス鋼やマルテンサイト系
ステンレス鋼は、熱延板焼鈍工程を省略した場
合、粒界にCr炭化物を析出し、粒界にCrの欠乏
属を生じている。 従つて、粒界腐食を生ぜしめ易い酸の使用は避
けねばならない。この観点から、HNO3/HF酸
洗は、危険である。H2SO4やHClを主とする酸を
用いる酸洗でなければならない。 また、酸洗に伴なつて生じるスマツトの除去に
際しても、HNO3/HFやHNO3の使用は有害で
あり、ブラツシング等のメカニカル作用と水中で
のスマツト処理が望ましい。 酸洗後の鋼帯の表面性状は、極力表面粗さが小
さいことが望ましく、この点からメカニカルデス
ケーリングにおける研掃剤として、細粒の砂鉄を
使用した高圧水デスケーリングが有効であり、他
方、H2SO4やHClを主とする酸液で鋼帯表面を溶
削することも有効である。 酸洗後の熱延鋼帯の表面直下には、熱間圧延時
に生じた脱炭粒が存在することがある。熱延板に
おける脱炭層は、厚さ約10μm程度であり、酸洗
後、この脱炭粒を残したまま冷間圧延し、最終焼
鈍し、酸洗を行なうと、脱炭部は前記最終焼鈍過
程で炭化物の析出が顕著に生じ、これによつて脱
Cr部を生じ、最終のHNO3による酸洗時に;粒
界腐食状に模様が生じ、鋼帯の光沢を劣化させ
る。 従つて、熱延板の酸洗においては、鋼帯の表面
に生じた、10μm内外の脱炭粒を溶解除去するこ
とが必要であり、このため、たとえばH2SO4や
HClを主とする酸洗液によつて溶削する。 勿論、熱間圧延に先立つ鋼片の加熱の温度を低
目にすることのほか、加熱雰囲気の制御や在炉時
間の制御によつて、鋼帯表面の脱炭層を極力浅く
することも有効であり、連続鋳造プロセスからの
直送圧延や、ホツトチヤージ(高温鋳片を直接、
加熱炉へ装入)によつて在炉時間を短縮すること
が有効な手段となる。 次に、本発明における成分、プロセス条件の限
定理由について述べる。 本発明は、Cr量が、重量%で5〜18%の、フ
エライト系或はマルテンサイト系ステンレス鋼を
対象としている。 Crが、5%未満では耐食性が不十分であり、
Cr:5〜18%のフエライト系或はマルテンサイ
ト系ステンレス鋼では、γ相が現われ、本発明に
なる熱間圧延後のランアウトテーブルにおける冷
却制御と、鋼帯巻取中の分解が有効に機能するか
らである。Cr含有量が18%を超えると、γ相は
殆んど現われず、この発明のプロセスは有効に機
能しない。 熱間圧延後の鋼帯の巻取温度は、鋼帯の長さ方
向、幅方向中央部で800〜600℃とする。 800℃を超えると、スケール生成量が多くなつ
て有害であり、600℃未満では、製品の伸びが低
下するからである。 熱間圧延後の鋼帯は、ランアウトテーブルで、
頭部および尾部或は両側縁を中央部よりも、頭部
および尾部は約100℃、両側縁部は約50℃高温と
なるように、適用する冷却水量を制御して冷却す
る。然る後、コイルに巻取る。 これは、コイル状での復熱で、焼戻しや軟化を
コイル全体で均一化するものである。 マルテンサイトの多い鋼種では、鋼帯をコイル
に巻取つた後、直ちに保温炉に装入し、より均一
な焼戻し、軟化を進行せしめる。 このようにして、熱延板焼鈍工程を省略した鋼
帯の酸洗を行なうに際しては、粒界腐食を防止す
るため、H2SO4やHClを主とする酸洗液で酸洗す
る。 粒界腐食を生ぜしめるHNO3/HFやHNO3は、
使用しない。 さらに、熱間圧延後の鋼帯表面に散在する脱炭
組織を除去すべく、少なくとも表面層片面10μm
の溶削が必要である。 溶削厚さが10μm未満と不足すると、脱炭組織
が残留し、製品表面の光沢を阻害する。 (実施例) 以下に、この発明になるCr系ステンレス鋼薄
板の製造方法の実施例について述べる。 第1表に、通常通り溶製した、6%Cr〜18Cr
までの合金組成を示す。 何れも、低C系のフエライト系およびマルテン
サイト系ステンレス鋼である。これらのステンレ
ス溶鋼を、それ自体公知の連続鋳造プロセスで鋳
造して鋳片とし、これを冷却した後、部分手入れ
し、再加熱したもの或は、熱間圧延工程における
加熱炉へホツトチヤージし、ホツトストリツプミ
ルによつて3〜4mm厚さのホツトストリツプへ熱
間圧延した。 熱間圧延された鋼帯は、仕上圧延機列後段のラ
ンアウトテーブルにおける冷却に際し、鋼帯の頭
部約30m、尾部約100mについて、冷却水量の適
用を、長さ方向中央部よりも少なくし、鋼帯頭部
および尾部の温度を中央部よりも約100℃高くし
て巻取つた(第2表にAパターンとして示す)。
この第2表のAパターンの鋼帯の冷却制御に加え
て、鋼帯の両側縁部への適用冷却水量を制御し
て、この部分の温度を幅方向中央部の温度よりも
約50℃高くして鋼帯を巻取つた(第2表に、Bパ
ターンとして示す)。 さらに、第2表のBパターンの冷却制御を行な
つた鋼帯を、巻取後、750℃に予熱してある保温
炉に装入し、30分間保持した後、取出し、コイル
状のまま冷却した(第2表にパターンCとして示
す)。 比較のために、従来技術における如くランアウ
トテーブルで鋼帯を冷却し、巻取るものも実施し
た。 これらの各パターンによつて得られた鋼帯の各
部位の硬度を測定した結果を第2表に示す。第2
表から明らかなように、本発明になるプロセスに
よる場合は、鋼帯の何れの部位においても、硬度
は、HVで185未満でありかつ各部位間における硬
度の差は小さく、冷間圧延用素材として十分な硬
化程度を確保している。 これに対し従来技術に依つたものは、硬度が高
く、各部位間における硬度差も大きく、そのまま
冷間圧延素材とすることは不可能で、熱延板焼鈍
を必要とした。 上記、本発明になるプロセスによつて得られた
ホツトストリツプコイルは、熱延板焼鈍すること
なく、砂鉄材を研掃材とする高圧水によるメカニ
カルデスケーリングを施し、300g/のH2SO4
を85℃とした酸洗液中で酸洗した。この酸洗過程
で、鋼帯表面の厚さ10μmの脱炭層を溶削すると
ともに、鋼帯表面の凹凸を小さくするよう、酸洗
時間を変化させた。 酸洗処理後、鋼帯を水中でブラツシングし、得
られたホツトストリツプコイルを、コイル研削す
ることなく、400mm直径のロールをもつ冷間タン
デムミルで、累積圧下率50%の冷間圧延を行なつ
た。 こうして得られた冷間圧延ストリツプコイルの
一部は、直径60mmのロールをもつゼンジミアミル
で3回の冷間リバース圧延を行なつた。然る後、
最終焼鈍、酸洗、調質圧延を行なつて2B製品と
した。2B製品の表面特性として、光沢の評価を
第3表に示す。 ホツトストリツプの酸洗時に、10μm未満の溶
削量であつたものは、表面に部分的に脱炭層が残
留し、最終製品においても光沢が不良であつた
が、10μm以上溶削したものは、光沢が良好であ
つた。
【表】
【表】
【表】
(発明の効果)
本発明によれば、フエライト系或はマルテンサ
イト系ステンレス鋼薄板の製造にあたり、熱延板
焼鈍工程を省略しかつコイル研削工程を省略ない
し簡略化することができるとともに、高能率なタ
ンデム冷延ミルによる冷間圧延プロセスを採るこ
とができるので、本発明は産業上〓益するところ
が極めて大である。
イト系ステンレス鋼薄板の製造にあたり、熱延板
焼鈍工程を省略しかつコイル研削工程を省略ない
し簡略化することができるとともに、高能率なタ
ンデム冷延ミルによる冷間圧延プロセスを採るこ
とができるので、本発明は産業上〓益するところ
が極めて大である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、Cr:5〜18%を主要合金元素と
して含有するマルテンサイト系或はフエライト系
ステンレス鋼薄板の製造方法であつて、熱間圧延
鋼帯の長さ方向および幅方向中央部分の巻き取り
温度を、800〜600℃とするとともに熱間圧延にお
けるランアウトテーブルでの鋼帯冷却水量を、鋼
帯の長さ方向および幅方向部位に応じて個別に制
御し、鋼帯巻き取り中および巻き取り後の復熱に
よつてコイル全体の軟化或は焼戻しの進行を均一
化することによつて、熱延板焼鈍工程を省略し、
次いで鋼帯のデスケーリングにおいて、硫酸或は
塩酸を主成分とする酸洗液で、鋼帯表面層を片面
当り10マイクロメートル以上溶削し、コイル研削
工程を省略若しくは簡略化し、然る後、冷間圧延
することを特徴とするCr系ステンレス鋼薄板の
製造方法。 2 熱間圧延鋼帯を巻き取つた後、コイルを保熱
炉に装入し、コイルの復熱を、より均一にする特
許請求の範囲第1項記載のCr系ステンレス鋼薄
板の製造方法。 3 硫酸或は塩酸を主成分とする酸洗液で、鋼帯
表面層を片面当たり10マイクロメートル以上溶削
したステンレス鋼帯を、ロール直径が150mm以上
の大径ロールを有するタンデム圧延機で冷間圧延
する特許請求の範囲第1項または第2項記載の
Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法。 4 ロール直径が150mm以上の大径ロールを有す
るタンデム圧延機で冷間圧延したステンレス鋼帯
を、さらに、直径が100mm以下のロールを有する
冷間圧延機で仕上冷間圧延する特許請求の範囲第
1項乃至第3項の何れか一つに記載のCr系ステ
ンレス鋼薄板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61171358A JPS6328829A (ja) | 1986-07-21 | 1986-07-21 | Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61171358A JPS6328829A (ja) | 1986-07-21 | 1986-07-21 | Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6328829A JPS6328829A (ja) | 1988-02-06 |
| JPH0325487B2 true JPH0325487B2 (ja) | 1991-04-08 |
Family
ID=15921705
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61171358A Granted JPS6328829A (ja) | 1986-07-21 | 1986-07-21 | Cr系ステンレス鋼薄板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6328829A (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997003216A1 (en) * | 1995-07-07 | 1997-01-30 | Highveld Steel & Vanadium Corporation Limited | A steel |
| KR20020051269A (ko) * | 2000-12-22 | 2002-06-28 | 이구택 | 표면 색상이 균일한 고크롬 스테인레스 강판의 소둔산세방법 |
| JP2008190009A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Nippon Steel Corp | 硫酸酸洗性の良好なフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法 |
| CN103014303A (zh) * | 2012-12-13 | 2013-04-03 | 内蒙古北方重工业集团有限公司 | 细长薄板类零件的生产方法 |
| CN103215422A (zh) * | 2013-04-06 | 2013-07-24 | 山东泰山钢铁集团有限公司 | 一种利用热轧钢带塑性生产薄规格不锈钢冷轧板的方法 |
| CN105934288B (zh) * | 2014-12-09 | 2019-12-24 | Posco公司 | Ahss热轧卷板的热处理方法、利用其的冷轧方法及热处理装置 |
| JP6128291B2 (ja) * | 2015-04-21 | 2017-05-17 | Jfeスチール株式会社 | マルテンサイト系ステンレス鋼 |
| KR102523533B1 (ko) * | 2020-12-03 | 2023-04-19 | 주식회사 포스코 | 입계침식이 개선된 페라이트계 스테인리스강 및 그 제조방법 |
| KR102959091B1 (ko) * | 2021-10-26 | 2026-04-30 | 주식회사 포스코 | 페라이트계 스테인리스강 및 그 제조방법 |
-
1986
- 1986-07-21 JP JP61171358A patent/JPS6328829A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6328829A (ja) | 1988-02-06 |
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