JPH0329862B2 - - Google Patents

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JPH0329862B2
JPH0329862B2 JP1019894A JP1989489A JPH0329862B2 JP H0329862 B2 JPH0329862 B2 JP H0329862B2 JP 1019894 A JP1019894 A JP 1019894A JP 1989489 A JP1989489 A JP 1989489A JP H0329862 B2 JPH0329862 B2 JP H0329862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、製紙工程においてパルプ繊維の叩解
を司る部材いわゆるリフアイナー用部材に関する
ものである。 本発明のリフアイナー用部材は、バージンパル
プ繊維の叩解はいうまでもなく、古紙繊維、合成
繊維および毛糸の如き動物繊維などの離解および
叩解に用いて好適なものである。また、本発明の
部材は、穀物や種子などを粉砕する際に用いる装
置にも適用されるものである。 〔従来の技術〕 パルプ化工程で製造されたパルプは、水に分散
した状態で抄紙工程へ送られるが、このままで抄
いた紙は、いわゆるケバ立ちが多く、また強度も
弱いため、通常抄紙工程に先立つてリフアイナー
と呼ばれる装置で叩解(パルプを叩いてもみほぐ
すこと)処理が施される。この処理によつてパル
プは繊維の外層が裂け、内層が水に露出し、内部
にまで水が完全に浸透して大きく膨潤する。この
結果、繊維は著しく可塑化され、柔軟性を帯びる
ことから、抄紙の脱水過程で容易に変形するよう
になり、しかも繊維間結合力も向上する。そして
さらに叩解を進めると、繊維の表面に毛状物質が
生じて繊維相互の絡み合い性能が増し、繊維間の
結合が強化されて強度が向上する。 このようにパルプの叩解処理は、紙の性質に大
きな影響を与えるものであり、製紙工程において
重要な役割を果たしている。 現在、かような目的に使用されているリフアイ
ナーとしては、デイスク(円盤)型リフアイナー
と円錐型リフアイナーとがある。円錐型リフアイ
ナーは、回転プラグ(回転子)とそのハウジング
(固定子)が長手方向に配列された金属バーをそ
なえていて、繊維はこのバーに平行に流れる間に
叩解が施される。 また、円盤型リフアイナーには、固定円盤と
これに対向する回転円盤をそなえるもの、2つ
の対向回転円盤をそなえるもの、2つの固定円
盤間とその間に配置した回転両面円盤とからなる
ものなどがある。 いずれにしても、円盤型および円錐型とも、実
際には繊維を叩解する摩砕面には歯型や条溝が設
けられ、高速(600〜1200rpm)で回転するよう
になつており、パルプ繊維はかような凹凸摩砕面
が相互に接近する間隙を通ることによつて叩解作
用を受けるしくみになつている。 このため摩砕面の表面は、水に対する化学的抵
抗性(耐食性)に優れていることのほか、叩解効
果が高く、また耐摩耗性にも優れていることが要
求される。 ところで、リフアイナー用部材としては、現
在、17Cr−4NiPH銅のような析出硬化型のステ
ンレス鋼が採用されているが、その耐摩耗性は十
分とはいえず、1〜3カ月間の連続使用で摩砕面
の歯型が摩耗、損傷して叩解性能が著しく劣化
し、その取り替えを余儀なくされていた。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、上記の問題を有利に解決するもの
で、耐食性はいうまでもなく耐摩耗性が格段に優
れたリフアイナー用部材を提供することを目的と
する。 〔課題を解決するための手段〕 さて本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭
意研究を重ねたところ、リフアイナー用部材の摩
砕面に、炭化物−金属サーメツトの溶射被膜また
は金属下地層および炭化物表面層からなる2層溶
射被膜を被成することが、所期した目的の達成に
関し極めて有効であることの知見を得た。 すなわち、かくして得られた被膜は、現行の材
料に比較するとはるかに硬く(Hv 1100〜1300)、
耐食性も優れているうえ、被膜表面は微細な凹凸
を有しているため、これがパルプ繊維を効果的に
引つ掛けることから叩解機能が格段に向上するこ
との知見を得たのである。 本発明は、上記の知見に立脚するものである。 すなわち、本発明は、水分を含むパルプ繊維の
離解および叩解を司る部材であつて、その摩砕面
表面に、 炭化物−金属サーメツトの溶射被膜、または 金属溶射第1層と炭化物溶射第2層とからな
る2層溶射被膜 をそなえてなるリフアイナー用部材である。 この発明において、溶射被膜中の炭化物として
は、WC、TiC、WC−TiC、Cr3C2、ZrC、TaC、
NbC、VC、B4CおよびMo2Cのうちから選んだ
少なくとも1種が、また金属としては、Co、Ni、
Ni−CrおよびNi−Alのうちから選んだ少なくと
も1種が、それぞれ有利に適合する。 ここに第1発明の炭化物−金属サーメツト溶射
被膜においては、被膜中の金属含有量は5〜
40wt%(以下単に%で示す)とすることが好ま
しい。というのは、金属含有量が5wt%に満たな
いと、溶射被膜と被処理体との密着力低下や、皮
膜形成粒子の相互結合力の低下を招くからであ
る。一方、40%を超えると、炭化物本来の高い硬
度および繊維を叩解する表面機能が低下するから
である。 また、この炭化物−金属サーメツト溶射被膜の
膜厚は30〜300μm程度とするがのが好ましい。
というのは、膜厚が30μm未満では溶射被膜に気
孔が多く、このため被処理体が腐食されやすい。
一方、300μmを超えると、溶射皮膜の残留応力
が大きくなつて被処理体との密着性が低下すると
ともに、高価な溶射材料を使用するためにコスト
的不利が生じるからである。 次に第2発明の2層溶射被膜においては、金属
被膜厚および炭化物被膜厚をそれぞれ、10〜
200μm、10〜200μm程度とするのが望ましい。
というのは、金属被膜厚が10μmに満たないと、
本来的なアンダーコートとしての作用が不足す
る。一方、200μmを超えるとアンダーコートと
しての機能が飽和状態に達し、増膜の価値がなく
なるからである。また、炭化物被膜厚が10μmに
満たないと、アンダーコートの表面を完全に被覆
できない。一方、200μmを超えると、コストア
ツプを招くだけでリフアイナー皮膜としての増膜
効果は少ないからである。 さらに、第1発明および第2発明の溶射皮膜の
最外層表面の粗さは、Ra0.01〜Ra5μmの範囲に
あることが望ましい。この理由は、Ra0.01μm以
下ではその研磨仕上げに多大の労力と経費を要
し、一方、Ra5以上の表面粗さでは、繊維の付着
が過大となつて、水の抵抗の増加に伴う動力費が
大きくなる。 なお、溶射法としては、大気圧プラズマ溶射
法、減圧プラズマ溶射法および炭化水素ガスの燃
焼炎を熱源とする溶射法など、従来公知のいずれ
もが利用できる。 第1図aに、本発明に従うリフアイナー用部材
を装着したデイスク型リフアイナーの主要部を模
式で示す。図中番号1は回転軸、2は回転円盤で
あり、3,4がそれぞれ回転円盤2およびハウジ
ング(図示せず)に取付けられたリフアイナー用
部材である。これらのリフアイナー用部材3,4
の表面には、同図bに示すように、この例で歯型
凹凸模様を付して摩砕面が形成されている。そし
て5が摩砕面の表面に被成された溶射被膜であ
る。なお6は、パルプ繊維を含む水の流れを示し
たもで、歯型円盤からなるリフアイナー用部材
3,4間の間隙(通常0.1〜1.0mm程度)を通る間
に繊維は叩解されることになる。 〔作用〕 従来の円盤型や円錐型のリフアイナー用部材と
して採用されている析出硬化型のステンレス鋼の
表面に形成された凹凸模様、例えば歯型は、ミク
ロ的に見ると平滑な金属表面である。いま、パル
プ繊維を含んだ水が両歯型によつて構成された間
隙を通過する際、両歯型の圧力によつて繊維が裂
かれるとすると、平滑な金属面では繊維が滑り易
く、しかも共存する多量の水が潤滑剤として作用
するため、叩解効果は極めて低い状態にある。こ
の問題の解決策としては、両歯型の間隔を狭くす
ることが考えられるが、間隙を小さくすると歯型
同士が相互に接触する機会が増えるため、歯型は
機械的損傷を受けることとなる。 この点、本発明に従う炭化物−金属サーメツト
溶射被膜の表面は、ミクロ的には林立した微細な
炭化物粒子が金属によつて固着された状態になつ
ているため、パルプ繊維の付着効率が高く、両歯
の圧力から逃げることがほとんどないので、繊維
は効果的に叩解されることになる。しかも、リフ
アイナーの両歯はとくに狭くする必要はなく、適
当な間隔が保持されるので、現有の歯型で見られ
るような機械的損傷を受けるおそれもない。 また、溶射被膜表面に付着した繊維は、リフア
イナーの回転速度を上げることによつて水との接
触抵抗が大きくなり、この抵抗力だけでも繊維の
ケバ立ち現象が促進できるので、全体としての叩
解効果は一層向上する。 さらに、本発明の炭化物−金属サーメツトの溶
射被膜は、基体との密着性がよく、また耐食性、
硬さとも現行の析出硬化型ステンレス鋼よりはる
かにすぐれているので、水中での高速回転におい
ても剥離することはなく、長期間にわたり安定し
て使用することができる。 以上、炭化物−金属サーメツト溶射被膜を被成
した場合について主に説明したが、金属溶射第1
層および炭化物溶射第2層からなる2層溶射被膜
構造においても、その表面は炭化物の微細粒子が
林立した状態となつているので、上記と同様な効
果が得られる。 〔実施例〕 実施例 1 第1図に示したリフアイナーを用い、以下の条
件で実験を行つた。 ● 実験条件 (1) 歯型円盤材料:17Cr−4Ni析出硬化型ステン
レス鋼(JIS G4303 SUS 630)を使用し、
Hv330〜350の硬さに仕上げた。 (2) 使用したパルプ繊維とその濃度:バージンパ
ルプ繊維5%を含む水 (3) 円盤の回転速度:800rpm (4) 溶射被膜の種類:WC、TiC、WC−TiC、
Cr3C2、ZrC、TaC、NbC、VC、B4C、Mo2C
の炭化物と、Co、Ni、Ni−Crの金属を第1表
のように組合せた炭化物−金属サーメツト (5) 溶射被膜厚:100μm (6) 溶射被膜の表面粗さ:Ra:0.3〜5μm (7) 比較例 SUS630を無処理の状態で使用した。 Al2O3、ZrSiO4を100μm厚に溶射した被膜 Ni−Cr(80/20)合金を100μm厚に溶射した
被膜 上記の条件下でリフアイナーを5カ月間運転し
たときの歯型形状の変化について調べた結果を第
1表に示す。なお、運転期間中、1カ月後、3カ
月後については、円盤の歯型形状を外観観察する
ことによつて溶射被膜の効果を評価した。また、
装置を通過した繊維含有水を採取し、拡大鏡を用
いてその中に含まれている繊維の“もみほぐし”
状態を観察することによつて、繊維の叩解効果に
ついても評価した。 同表より明らかなように、本発明に従う炭化物
−金属サーメツト溶射被膜を被成したリフアイナ
ー用部材(No.1〜10)はいずれも、5カ月間の運
転においても溶射被膜は健全な状態を示し、歯の
形状にも変化は認められなかつた。また、本発明
のリフアイナー用部材で処理したパルプ繊維は、
よくもみほぐされて水中における分散状態も良好
であつた。
【表】 この理由は、本発明に従うリフアイナー用部材
は、高い硬度を有するので、パルプ繊維との接触
によつても摩耗されず、しかも被膜表面の微細な
凹凸に繊維がよく付着し、叩解効果が上昇した結
果と考えられる。 これに対し、従来の無処理のリフアイナー用部
材(No.14)は、1カ月間の運転で歯型に変形が見
られ、3カ月後には大きな変形が認められた。ま
た溶射被膜でもAl2O3(No.11)やZrSiO4(No.12)な
どの酸化物系のセラミツクスを使用したものは、
母材との密着力が弱く、1カ月間の運転で剥離が
認められ、3カ月後には大部分の被膜が剥離し
た。 Ni−Cr合金を溶射したNo.13においてもこの傾
向が認められ、またパルプ繊維のもみほぐし効果
も低いものでしかなかつた。この理由は、酸化物
系セラミツクスやNi−Cr合金溶射被膜の表面は、
ミクロ的には溶融粒子の集合体であるため、パル
プ繊維の付着作用が弱く、従つて、叩解効果が低
いためと考えられる。 実施例 2 同じく前掲第1図に示したリフアイナーを用い
て、次の条件下に実験をおこない、歯型形状の変
化および叩解効果について調査した結果を第2表
に示す。 ● 実験条件 (1) 溶射被膜の種類 第1層:Co、Ni、Ni−Cr、Ni−Al 第2層:WC、TiC、WC−TiC、Cr3C2、ZrC、
TaC、NbC、VC、B4C、Mo2C (2) 溶射被膜厚 第1層:80〜100μm 第2層:50〜70μm (3) 溶射被膜の表面粗さ:Ra0.3〜5μm (4) 比較例 SUS630を無処理の状態で使用した。 Ni−Al合金を150μm厚に溶射した被膜 (5) 評価項目とその方法:実施例1と同じ
〔発明の効果〕
以上述べた通り、本発明に従うリフアイナー用
部材は、パルプ繊維の叩解作用に優れ、しかも長
期間にわたつてその性能を維持できるので、パル
プ繊維の叩解効率の向上ひいては製品の品質の向
上が実現される。また、リフアイナー用部材の寿
命延長に伴つてプラントの連続運転が可能とな
り、リフアイナー用部材の修理や新品部材との取
り替えなど煩雑な業務が大幅に軽減されることか
ら、製品の製造コストの低減にも大きな効率が期
待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図aは、本発明に従うリフアイナー用部材
を装着したデイスク型リフアイナー主要部の模式
図、同図bは、摩砕面の断面図である。 1……回転軸、2……回転円板、3,4……リ
フアイナー用部材、5……溶射被膜、6……パル
プ繊維を含む水の流れ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水分を含むパルプ繊維の離解および叩解を司
    る部材であつて、その磨砕面表面に、表面粗さ
    Raが0.01〜5μmの範囲内である粗面とした炭化
    物−金属のサーメツト溶射被膜を形成したことを
    特徴とするリフアイナー用部材。 2 溶射被膜中の炭化物が、WC、TiC、WC−
    TiC、Cr3C2、ZrC、TaC、NbC、VC、B4Cおよ
    びMo2Cのうちから選んだ少なくとも1種である
    請求項1記載のリフアイナー用部材。 3 溶射被膜中の金属が、Co、Ni、Ni−Crおよ
    びNi−Alのうちから選んだ少なくとも1種であ
    る請求項1記載のリフアイナー用部材。 4 水分を含むパルプ繊維の離解および叩解を司
    る部材であつて、その磨砕面表面に、下層の金属
    溶射第1層と上層の炭化物溶射第2層とからなる
    2層溶射皮膜を形成し、かつ前記第2層の表面粗
    さRaを0.01〜5μmの範囲内の粗面としたことを
    特徴とするリフアイナー用部材。 5 溶射被膜中の炭化物が、WC、TiC、WC−
    TiC、Cr3C2、ZrC、TaC、NbC、VC、B4Cおよ
    びMo2Cのうちから選んだ少なくとも1種である
    請求項4記載のリフアイナー用部材。 6 溶射被膜中の金属が、Co、Ni、Ni−Crおよ
    びNi−Alのうちから選んだ少なくとも1種であ
    る請求項4記載のリフアイナー用部材。
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