JPH0343364B2 - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
(1) 産業上の利用分野
本発明は溶融紡糸可能な熱可塑性高分子物を溶
融紡糸する口金に関する。 更に詳しくは、本発明は伸度差を有する混繊糸
を安価に製造し得る単一の口金、低紡速で低伸度
紡出糸を製造し得る単一の口金及び高染着性の糸
条を製造し得る単一の口金に関する。 (2) 従来技術 従来から伸度差を有する紡出糸を空気交絡処理
後、延伸熱処理するか、又は延伸熱処理後交絡処
理を行ない、糸足差を有する糸条となし、表面タ
ツチの良い織編物とする方法、及びこの伸度差を
有する紡出糸を加撚加工[同時延伸仮撚加工
(DTY)を含む]することにより、低伸度糸条芯
部に高伸度糸条を鞘部となし、風合の改善された
織編物とすることは良く知られた技術である。 従来、伸度差を有する糸条の製造方法としては
次のような方法が挙げられる。 紡糸速度の異なる糸条を別々に紡糸し、その
後、これらを合糸して使用する方法;(例えば
紡速1500m/分位の未延伸糸(UDY)と紡速
3500m/分位の部分配向糸(POY)との合糸、
延伸糸(FOY)とPOYの合糸、紡速5000m分
位のUSYとFOYの合糸、USYとPOYと合板
等) 紡糸時に伸度差を付与する方法としては (a) 紡糸時に一方は直延伸(SDY)を行ない、
他方は行なわないものを合糸して、同時に巻
取る方法 (b) 紡糸時に一方は紡糸口金を出てからある距
離の所に設けた非接触加熱ヒーターに通し、
簡易延伸熱処理を行ない延伸度化させ、他方
は通常の紡糸を行ない合糸後同時に巻取る方
法 (c) 紡糸時に一方は口金直下で非接触加熱を行
ない高伸度化させ、他方は口金直下を冷却さ
せ低伸度下させ合糸後同時に取る方法 (d) 一方は偏平糸等の異形断面化して冷却効果
をあげ、他方は通常の丸断面となし合糸後巻
き取る方法 (e) 単糸繊度の大小で伸度差を付与する方法 (f) 特開昭58−149309号公報に記載されている
如く、口金吐出面に凹凸を設け、冷却効果を
付けて紡糸する方法 等が知られている。更に、これら(a)〜(f)の外に (g) 同一ポリマーでなく同じ紡速で伸度の異な
るポリマーを別々の紡機で紡糸し、同時に巻
取る方法 等がある。 しかるに、上述した従来技術は種々の問題を有
している。異紡速糸の混繊はほぼ任意のものが得
られるが、同時に巻取られない為に紡糸生産性が
悪く、又、別に一工程必要となるか或いは延伸又
はDTY加工時、クリールスタンドを別に設ける
必要がある。 又、SDY方法で製造するときには、単なる紡
糸工程以外に直延工程が必要となり、しかも任意
の伸度差は得られにくい。例えば伸度80%以上の
SDYは延伸斑が大であり、従つて染斑、デニー
ル斑が大である。 又、紡糸工程中に加熱ヒーターを用いて低伸度
化する方法も、工程の複雑化、錘内間の斑等に問
題があり、又、口金直下の加熱・冷却等を用いる
場合にも、伸度差、自然延伸倍率(NDR)を任
意に、広範囲で制御することは出来にくいし、こ
れらは同一口金内で行なうには不向きである。 一方、より冷却効果を上げうる高異形断面によ
る低伸度化も、伸度差を大きく出来ないし、異形
という制限がある。又、口金面を凹凸にする方法
においても伸度差は自由に付けられない。特に低
伸度化する凸部の冷却が進み過ぎると弱糸化し連
続紡糸が出来ない。 (3) 発明の目的 従つて、本発明の目的は以上述べた種々の問題
点、欠点を解消し従来より低紡速領域においても
紡出糸を低伸度化でき、その結果、ほぼ任意の伸
度差又はNDR差を紡出糸条間に付与すると共に
従来技術のもう一つの欠点である低伸度側糸条の
淡染化をも防止し得るという、工程の簡略化、合
理化を可能にして安定紡糸が出来る紡糸口金を提
供することにある。 3 発明の構成 本発明によれば通常の吐出孔3の終端4に引続
くポリマー溶融液路が該吐出孔3の径(D)より大な
る径の円筒又は末広がり状の通路6として構成さ
れ、その際該吐出孔3及び通路6を通して挿入さ
れた針状物7の先端が該通路6の下方端よりも3
mm以上突出してなる紡糸孔を有することを特徴と
する溶融紡糸口金。 が提供される。 本発明で云う溶融紡糸の対象となるポリマーと
してはポリエステル、ポリアミド、及びポリプロ
ピレン等が挙げられるが、この中でもポリエステ
ルが最も好ましく用いられる。 次に、本発明の紡糸口金を図により説明する。 第1図は通常の紡糸孔より成る紡糸口金の要部
縦断面図、第2図は本発明の紡糸孔より成る紡糸
口金の一実施態様を示す要部縦断面図をそれぞれ
示す。第1図に示されるように、通常の紡糸孔は
いわゆる紡糸口金板1内にポリマー導入部2及び
吐出孔3が内含(蔵)された形をとつているのに
対し、本発明の紡糸孔(口金)は第2図に示され
るように2つの大きな特徴を有する。即ち、第1
には、通常口金で云う所の吐出孔3の終端4(吐
出孔端)に引き続いて、吐出孔径(D)より大なる径
の円筒又は末広がり状のポリマー通路6を有して
おり、更に第2には吐出孔3及び上記面路6の中
心軸と一致するように針状物7が挿入されてお
り、しかも、この針状物先端8と該通路路の下方
端9(通路端)の距離lが3mm以上であることで
ある。 本発明の上記2つの特徴のうち、後者の針状物
7が吐出孔3を通過して口金板下流迄突出するよ
うに配置した紡糸口金が特に重要であり、ポリマ
ー流液がこの針状物7に沿つて流下する為、通常
口金で起こる吐出孔端4直後のポリマー流液の急
激な応力変形を緩和する作用が発生し、その結果
低口金温度で紡糸可能であり通常よりも低紡
速で低伸度紡出糸を得ることができ、又、通常
よりも高染着性の糸条を得ることができるという
効果を提供してくれる。 次に前者の特徴である、吐出孔端4に引き続く
通(流)路6は、針状物7に沿つて流れるポリマ
ー流の温度勾配、粘度勾配及び速度勾配をスムー
スにかつ均一に進行せしめ、かつ、口金下の冷却
雰囲気や糸条随伴流の影響を緩和・防止すると共
に、通常口金面で見られるポリマーやポリマー中
の異物のにじみ出し、蓄積による口金面5の汚れ
や、この口金汚れに依るベンデイング、ニーイン
グを防止する作用を有し、その結果、ポリマー等
の付着に伴なう口金(面)清掃を皆無とし、加え
て、均質な紡出糸条を極めて安定に紡糸できると
いう効果を提供してくれる。 ここで、針状物7部分の一例を示す斜視図が第
3図である。 第3図において針状物7はその上部で且つ周方
向に複数の(本例では4個の)羽根10を等間隔
に設けられた羽根体に組み込まれ組体を成す。こ
の針状物組体は第2図に示される如く、紡糸孔に
挿入され、羽根10を含む上部が紡糸液導入孔2
の上部に固着される。ここで、第3図に示す針状
物組体の上部形状は4枚羽根型で示してあるが、
この部分の働きは針状物7を紡糸孔にしつかりと
固着させること、ポリマー流液を吐出孔3へ導く
通路を形成し、保持することにある。従つて上部
形状は何ら限定されるものではなく、周方向に複
数の小円形のポリマー液流入孔を等間隔に設けた
形状でも差しつかえない。又、第3図に示す針状
物組体の針状物7の形状は本例では円柱状である
が、特に限定されるものではなく、先端が尖鋭な
錐状を成した円錐状でもよく、又、楕円柱(錐)、
三角柱(錐)や五角柱(錐)等の多角柱(錐)、
その他各種の異形断面柱(錐)であつても差しつ
かえない。 更には、円管、多角管、その他各種の異形断面
の中空管の形状を用いることによつて、中空糸条
の紡出も可能であり、又、サイド・バイ・サイド
型やシース・コア型の複合紡糸口金に針状物を適
用することも可能である。 この針状物7の外径は、曲がり等による変形を
少なくくし、取扱い性、保守性の面を考慮すれば
約0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上が望ましい
が、ポリマー液の粘度、紡出糸の繊度(De)等
によつて、吐出孔3の径(D)との関係がおのずとあ
るので、針状物7の外径の上限は吐出孔径(D)より
縦0.1mm以上小さい値が好ましく、この寸法関係
の範囲で、針状物7の外径と吐出孔(D)の組合せは
任意に調整可能である。 上述の針状物7の軸は少なくとも導入孔2及び
吐出孔3の軸と一致しており、しかも吐出孔3、
通路6経て通路端9より下方に突出せしめられ
る。 本発明の紡糸口金において、吐出孔3の形状
は、概ね通常口金のそれと相似しているが、寸法
的には通常口金の寸法より一般に大きい値(直径
0.8〜5mm程度)が採用される。 次に本発明のもう1つの特徴である吐出孔端4
に引続く通路6について更に詳細に説明する。 第2図の実施例に示す如く、通路6は基本的に
は上流側の内径(A)、下流側通路端9の内径(B)、吐
出孔端4と通路端9の距離(L)で構成されている。 通常、粘弾性を有するポリマー流体では吐出孔
を出たあとでその直径が増し、ふくらみが生じ、
いわゆるバラス効果が見られる。このバラス効果
はポリマー流の吐出孔端での吐出速度分布が吐出
後緩和されて速度分布が均一化される為に起こる
現象と云われている。このバラス効果による吐出
孔径とポリマー流の最大径の比(バラス比)はポ
リマー流の粘性、吐出速度等によつて変化する
が、一般にはバラス比は1〜2.5(極端な場合1〜
8)の範囲にあると云われる。又、ポリマー流の
最大径は口金(吐出孔端)より1〜10mm程度にあ
る。従つて本発明の口金の通路6はこのバラス効
果を充分考慮して、寸法等の設計が必要であり、
この通路6をポリマーが流下する過程で口金直下
の雰囲気の影響を受けることなくポリマー流の速
度分布が均一化するようにすべきであつて、最大
ふくらみ径より極端に大きくすることは無意味で
あり、又、極端に小さくすることはポリマー流の
流れをさまたげ、速度分布の均一化を乱すことに
なり好ましくない。 従つて、第2図に示す通路6において上流側径
Aと吐出孔径Dとの比A/Dは1〜3、上流側径
A下流側径Bとの比B/Aは1〜3、吐出孔端4
と通路端9の距離Lは1〜10mm、このましくは3
〜7mmが採用されるが、特に限定されるものでは
ない。 本発明の特徴である針状物7と通路6との位置
関係は第2図に示す通路端9と針状物先端8との
距離lで決められ、その距離lは、吐出孔径D、
針状物の径、ポリマー流の粘度、吐出量、紡糸口
金温度等に依存するが、3〜30mm、好ましくは5
〜20mm程度が用いられる。この距離l(突出長)
が小さい場合は通常口金と同様、吐出孔端直後の
ポリマー液の応力変形が急激となり、紡糸口金温
度が通常よりさほど低くない条件下でも弱糸や断
糸発生が起こり安定紡糸が難かしく、本発明の基
本的特徴である低温紡糸の効果が充分得られなく
なる。一方、突出長lが極端に大であるとポリマ
ー液が針状物7に沿つて流下する過程で、冷却が
進み、極端な場合、ポリマーが固化してしまい曳
糸不可能になることがあるので好ましくない。 尚、本発明の紡糸口金は針状物と吐出孔に続く
通路を特徴としており、上述の寸法関係以外につ
いては特に限定されるものではない。第2図は、
吐出孔端4が通常口金で云う口金面5と一致し、
通路6が口金面5より突出した一態様であり、第
4図は通路端9が口金面5と一致した別の実施態
様である。更に第2図の中間的位置関係にある第
5図も本発明の別の一態様として挙げられる。 又、吐出孔端4と通路6の上部をつなぐ形の末
広がり状通路11を持つ、第6図も本発明の別の
一態様として挙げられる。 更には、吐出孔径と通路上流側径(A)が一致し、
それから下流に向かつて末広がり状である通路を
示す、第7図も本発明の別の一態様として挙げら
れる。 以上説明してきた本発明の紡糸口金(第2図、
法4図〜第7図のいづれか)を用いて溶融紡糸す
るわけだが、本発明の効果をより有効に発現させ
る為には、紡糸口金温度を(ポリマーの融点+
5)℃以上、通常口金における可紡下限紡糸口金
温度以下の範囲で溶融紡糸することが好ましい。 本発明の紡糸口金の態様としては、吐出孔に続
く通路と針状物より成る紡出孔を少くとも1個有
するものであり、孔数1個のモノフイラメント用
から、複数個のマルチフイラメント用まで特に限
定されるものではない。又、通常紡糸孔(円形、
異形断面孔を含む)と共に口金に設けたものでも
よい。 (5) 作用、効果 本発明の紡糸口金を用いて溶融紡糸して得られ
る紡出糸条の特徴と紡糸性の特徴について以下説
明する。 第1に通常口金より低い紡糸口金温度で紡糸可
能てある、云いかえれば低温紡糸が可能である。
これは針状物の効果の1つであり、ホリマーが針
状物に沿つて冷却されながら、錐状又はつらら状
体で紡出する為、低温紡糸しても断糸することな
く紡糸出来るのである。 従来の口金では口金温度を下げて来ると断糸す
る口金温度、即ち弱糸化口金温度又は紡糸下限温
度と云われる温度があるが、本発明の紡糸口金で
はこの紡糸下限温度を通常口金よりも低下するこ
とが可能で、ポリマーの(融点+5)℃以上の口
金温度であれば紡糸することができる。 第2に同一口金温度、同一紡速においても従来
の紡出糸より低伸度の紡出糸ができ、従つて、本
発明の紡出孔と通常紡出を同一口金内に併設する
ことによつて、伸度差を有する紡糸混繊糸を容易
に得ることができる。 一般に通常紡糸においては、紡速増加と共に紡
出糸の伸度は減少し、又、紡出糸の単糸デニール
が大になると同一紡速でも、その伸度、NDRは
大となる。 ポリエステルの場合、その伸度の値はおおよ
そ、紡速500〜2000m/分位のUDYを云われる範
囲では200〜250%位、紡速2800〜3500m/分の
POY範囲では200〜130%位、紡速4000〜6000
m/分の高速紡糸(USY)範囲では100〜50%位
である。 これらに対し、本発明のように、紡糸孔中心部
に針状物を有し、それが、口金板より下方に突出
しているものから紡出することによる糸条の伸度
はUDY紡速範囲で500〜100%位迄変化させうる
し、又、POY紡速範囲では200〜50%位迄変化出
来、USY紡速範囲では100〜50%位迄変化させる
ことができる。これは、針状物にポリマーを沿わ
せながら冷却することにより溶融ポリマーの粘度
を上げ紡糸することになるので低伸度化しうるの
である。 従つて、その針状物の突出長を短かくすると高
伸度化し、長くすると低伸度となる。 本発明の効果を発揮する用途の1つとして伸度
差紡糸混繊糸があるが、勿論、本発明の紡糸口金
及び通常口金とから別々に紡糸して巻取時に合糸
してもよいが、同一口金内に通常紡糸孔と本発明
の紡糸孔を持つ口金を使う方が最も合理的であ
る。混繊糸の場合、巻取時あるいはオイリング前
後又は引取りローラー間等で空気交絡処理してお
けば、後工程での取扱性向上及び混繊状態より来
る風合向上が期待できる。尚、本発明の紡糸口金
を用いて混繊糸条を得るに当つては、それぞれ好
みの伸度及び伸度差にするべく、紡速、口金温
度、針状物の突出長等を変化させ設定すればよ
い。 又、針状物突出長が一定のものと通常紡糸孔よ
りの混繊糸条に限定されるものでもなく、針状物
突出長を種々変化させ伸度差を2種以上に変化さ
せた混繊糸、あるいはこれらと通常紡糸孔との組
合せによる混繊糸製造も含まれるものであり、そ
れらの口金への配列配置を規定するものではな
い。 以上のようにして紡出された糸条は紡糸直延伸
(SDY)しても、一旦巻取つてから次工程の延伸
あるいはDTY加工に供してもよい。 第3に針状物を有する紡糸孔からの紡出糸は、
通常紡糸孔から紡出した糸条の同一伸度のものよ
りも濃染化する傾向にあり、それは同一条件の延
伸熱処理又はDTY加工した糸においてもその傾
向があり、従つて通常紡糸孔よりの高伸度糸条と
針状物を有する紡糸孔よりの糸条の混繊糸はその
染着差が近づき、染による斑、イラツキ感が少な
くなる特徴を有している。この濃染化する原因は
通常紡糸においてもUDY、POY、USYと紡速が
上げるに従つて、それらの延伸糸、DTY糸は濃
染化する傾向はよく知られているが、この傾向が
より極端に現われるものと考えられる。 第4の特徴は吐出孔に続く通路によるものであ
る。この通路は上述した主に針状物による効果で
ある第1〜第3の特徴を損うことなく、むしろ助
長し、極めて均質な糸条を、安定に紡糸可能とす
るものがある。即ち、この通路は、針状物に沿つ
て流れるポリマー流の温度勾配、粘度勾配及び速
度勾配をスムースにかつ均一に進行せしめ、か
つ、口金下の冷却雰囲気や糸条随伴流の影響を緩
和・防止すると共に、通常口金面で見られるポリ
マーや、ポリマー中の異物のにじみ出し、蓄積に
よる口金面の汚れや、この口金面の汚れに依るベ
ンデイング、ニーイングを防止する作用を有し、
その結果、ポリマー等の付着に伴なう口金(面)
の清掃を皆無とし、加えて均質な(μ%に代表さ
れる)紡出糸条を極めて安定して紡糸できる効果
を提供してくれる。 (6) 実施例 固有粘度[η]が0.64のポリエチレンテレフタ
レートを295℃で溶融し通常の紡糸装置を用い、
口金に通常孔(高伸度側)として孔径(D)0.3mmφ、
長さ0.6mm、孔数24H、本発明に成る針状物を通
路を有する紡糸孔(低伸度側)として第2図の構
造のもの孔数12Hを同一口金内に設けたものを用
いて紡糸した。ここで針状物と通路を有する紡糸
孔としては、第2図において孔径(D)=φ1.0mm、長
さ=2.0mm、針状物の直径=φ0.7mm、通路の上流
側径(A)=φ2.0mm、下流側径(B)=φ4.0mm、吐出
孔端4と通路端9の距離L=5mmであり、針状物
の突出長(通路端9と針状物先端8との距離l)
を種々変え、更に口金温度、紡糸巻取速度も変化
させて25℃空気中で冷却し、油剤付与後巻き取つ
た。 これら混繊糸の紡糸条件、破断伸度、及びその
伸度差を表−1に示す。尚、高伸度側の単糸De
対低伸度側の単糸Deは約1:1.6である。 表1より明らかな如く、低紡速のUDY域では
針状物よりの糸条の伸度は通常のPOY程度の低
伸度比が可能であり、又POY域の紡速にすれば
USY程度の低伸度化が可能であることが明確で
ある。又、通常紡糸孔よりの伸度に対して、
UDY域では140%〜50%程度の伸度差、POY域
では70%〜30%程度の伸度差が得られることが示
されている。表1には示されていないが、針状物
の形状、長さ、通路の形状、及び口金温度更には
これらに従来技術を組み合せればより高度な物性
差の混繊糸が得られることは明確である。 特に表1に示された実験No.7、10について7日
間の連続紡糸を実施した結果、紡出糸のU%、毛
羽は各々No.7で0.6%、0ケ/2000m、No.10で0.5
%、1ケ/2000mと極めて均質な糸条が得られて
おり、しかも、本発明の紡糸孔にはポリマー付着
はなく、ポリマーの流れは真直で、糸揺れもな
く、紡糸断糸等のトラブルは全くなく、安定紡糸
が出来た。 【表】
融紡糸する口金に関する。 更に詳しくは、本発明は伸度差を有する混繊糸
を安価に製造し得る単一の口金、低紡速で低伸度
紡出糸を製造し得る単一の口金及び高染着性の糸
条を製造し得る単一の口金に関する。 (2) 従来技術 従来から伸度差を有する紡出糸を空気交絡処理
後、延伸熱処理するか、又は延伸熱処理後交絡処
理を行ない、糸足差を有する糸条となし、表面タ
ツチの良い織編物とする方法、及びこの伸度差を
有する紡出糸を加撚加工[同時延伸仮撚加工
(DTY)を含む]することにより、低伸度糸条芯
部に高伸度糸条を鞘部となし、風合の改善された
織編物とすることは良く知られた技術である。 従来、伸度差を有する糸条の製造方法としては
次のような方法が挙げられる。 紡糸速度の異なる糸条を別々に紡糸し、その
後、これらを合糸して使用する方法;(例えば
紡速1500m/分位の未延伸糸(UDY)と紡速
3500m/分位の部分配向糸(POY)との合糸、
延伸糸(FOY)とPOYの合糸、紡速5000m分
位のUSYとFOYの合糸、USYとPOYと合板
等) 紡糸時に伸度差を付与する方法としては (a) 紡糸時に一方は直延伸(SDY)を行ない、
他方は行なわないものを合糸して、同時に巻
取る方法 (b) 紡糸時に一方は紡糸口金を出てからある距
離の所に設けた非接触加熱ヒーターに通し、
簡易延伸熱処理を行ない延伸度化させ、他方
は通常の紡糸を行ない合糸後同時に巻取る方
法 (c) 紡糸時に一方は口金直下で非接触加熱を行
ない高伸度化させ、他方は口金直下を冷却さ
せ低伸度下させ合糸後同時に取る方法 (d) 一方は偏平糸等の異形断面化して冷却効果
をあげ、他方は通常の丸断面となし合糸後巻
き取る方法 (e) 単糸繊度の大小で伸度差を付与する方法 (f) 特開昭58−149309号公報に記載されている
如く、口金吐出面に凹凸を設け、冷却効果を
付けて紡糸する方法 等が知られている。更に、これら(a)〜(f)の外に (g) 同一ポリマーでなく同じ紡速で伸度の異な
るポリマーを別々の紡機で紡糸し、同時に巻
取る方法 等がある。 しかるに、上述した従来技術は種々の問題を有
している。異紡速糸の混繊はほぼ任意のものが得
られるが、同時に巻取られない為に紡糸生産性が
悪く、又、別に一工程必要となるか或いは延伸又
はDTY加工時、クリールスタンドを別に設ける
必要がある。 又、SDY方法で製造するときには、単なる紡
糸工程以外に直延工程が必要となり、しかも任意
の伸度差は得られにくい。例えば伸度80%以上の
SDYは延伸斑が大であり、従つて染斑、デニー
ル斑が大である。 又、紡糸工程中に加熱ヒーターを用いて低伸度
化する方法も、工程の複雑化、錘内間の斑等に問
題があり、又、口金直下の加熱・冷却等を用いる
場合にも、伸度差、自然延伸倍率(NDR)を任
意に、広範囲で制御することは出来にくいし、こ
れらは同一口金内で行なうには不向きである。 一方、より冷却効果を上げうる高異形断面によ
る低伸度化も、伸度差を大きく出来ないし、異形
という制限がある。又、口金面を凹凸にする方法
においても伸度差は自由に付けられない。特に低
伸度化する凸部の冷却が進み過ぎると弱糸化し連
続紡糸が出来ない。 (3) 発明の目的 従つて、本発明の目的は以上述べた種々の問題
点、欠点を解消し従来より低紡速領域においても
紡出糸を低伸度化でき、その結果、ほぼ任意の伸
度差又はNDR差を紡出糸条間に付与すると共に
従来技術のもう一つの欠点である低伸度側糸条の
淡染化をも防止し得るという、工程の簡略化、合
理化を可能にして安定紡糸が出来る紡糸口金を提
供することにある。 3 発明の構成 本発明によれば通常の吐出孔3の終端4に引続
くポリマー溶融液路が該吐出孔3の径(D)より大な
る径の円筒又は末広がり状の通路6として構成さ
れ、その際該吐出孔3及び通路6を通して挿入さ
れた針状物7の先端が該通路6の下方端よりも3
mm以上突出してなる紡糸孔を有することを特徴と
する溶融紡糸口金。 が提供される。 本発明で云う溶融紡糸の対象となるポリマーと
してはポリエステル、ポリアミド、及びポリプロ
ピレン等が挙げられるが、この中でもポリエステ
ルが最も好ましく用いられる。 次に、本発明の紡糸口金を図により説明する。 第1図は通常の紡糸孔より成る紡糸口金の要部
縦断面図、第2図は本発明の紡糸孔より成る紡糸
口金の一実施態様を示す要部縦断面図をそれぞれ
示す。第1図に示されるように、通常の紡糸孔は
いわゆる紡糸口金板1内にポリマー導入部2及び
吐出孔3が内含(蔵)された形をとつているのに
対し、本発明の紡糸孔(口金)は第2図に示され
るように2つの大きな特徴を有する。即ち、第1
には、通常口金で云う所の吐出孔3の終端4(吐
出孔端)に引き続いて、吐出孔径(D)より大なる径
の円筒又は末広がり状のポリマー通路6を有して
おり、更に第2には吐出孔3及び上記面路6の中
心軸と一致するように針状物7が挿入されてお
り、しかも、この針状物先端8と該通路路の下方
端9(通路端)の距離lが3mm以上であることで
ある。 本発明の上記2つの特徴のうち、後者の針状物
7が吐出孔3を通過して口金板下流迄突出するよ
うに配置した紡糸口金が特に重要であり、ポリマ
ー流液がこの針状物7に沿つて流下する為、通常
口金で起こる吐出孔端4直後のポリマー流液の急
激な応力変形を緩和する作用が発生し、その結果
低口金温度で紡糸可能であり通常よりも低紡
速で低伸度紡出糸を得ることができ、又、通常
よりも高染着性の糸条を得ることができるという
効果を提供してくれる。 次に前者の特徴である、吐出孔端4に引き続く
通(流)路6は、針状物7に沿つて流れるポリマ
ー流の温度勾配、粘度勾配及び速度勾配をスムー
スにかつ均一に進行せしめ、かつ、口金下の冷却
雰囲気や糸条随伴流の影響を緩和・防止すると共
に、通常口金面で見られるポリマーやポリマー中
の異物のにじみ出し、蓄積による口金面5の汚れ
や、この口金汚れに依るベンデイング、ニーイン
グを防止する作用を有し、その結果、ポリマー等
の付着に伴なう口金(面)清掃を皆無とし、加え
て、均質な紡出糸条を極めて安定に紡糸できると
いう効果を提供してくれる。 ここで、針状物7部分の一例を示す斜視図が第
3図である。 第3図において針状物7はその上部で且つ周方
向に複数の(本例では4個の)羽根10を等間隔
に設けられた羽根体に組み込まれ組体を成す。こ
の針状物組体は第2図に示される如く、紡糸孔に
挿入され、羽根10を含む上部が紡糸液導入孔2
の上部に固着される。ここで、第3図に示す針状
物組体の上部形状は4枚羽根型で示してあるが、
この部分の働きは針状物7を紡糸孔にしつかりと
固着させること、ポリマー流液を吐出孔3へ導く
通路を形成し、保持することにある。従つて上部
形状は何ら限定されるものではなく、周方向に複
数の小円形のポリマー液流入孔を等間隔に設けた
形状でも差しつかえない。又、第3図に示す針状
物組体の針状物7の形状は本例では円柱状である
が、特に限定されるものではなく、先端が尖鋭な
錐状を成した円錐状でもよく、又、楕円柱(錐)、
三角柱(錐)や五角柱(錐)等の多角柱(錐)、
その他各種の異形断面柱(錐)であつても差しつ
かえない。 更には、円管、多角管、その他各種の異形断面
の中空管の形状を用いることによつて、中空糸条
の紡出も可能であり、又、サイド・バイ・サイド
型やシース・コア型の複合紡糸口金に針状物を適
用することも可能である。 この針状物7の外径は、曲がり等による変形を
少なくくし、取扱い性、保守性の面を考慮すれば
約0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上が望ましい
が、ポリマー液の粘度、紡出糸の繊度(De)等
によつて、吐出孔3の径(D)との関係がおのずとあ
るので、針状物7の外径の上限は吐出孔径(D)より
縦0.1mm以上小さい値が好ましく、この寸法関係
の範囲で、針状物7の外径と吐出孔(D)の組合せは
任意に調整可能である。 上述の針状物7の軸は少なくとも導入孔2及び
吐出孔3の軸と一致しており、しかも吐出孔3、
通路6経て通路端9より下方に突出せしめられ
る。 本発明の紡糸口金において、吐出孔3の形状
は、概ね通常口金のそれと相似しているが、寸法
的には通常口金の寸法より一般に大きい値(直径
0.8〜5mm程度)が採用される。 次に本発明のもう1つの特徴である吐出孔端4
に引続く通路6について更に詳細に説明する。 第2図の実施例に示す如く、通路6は基本的に
は上流側の内径(A)、下流側通路端9の内径(B)、吐
出孔端4と通路端9の距離(L)で構成されている。 通常、粘弾性を有するポリマー流体では吐出孔
を出たあとでその直径が増し、ふくらみが生じ、
いわゆるバラス効果が見られる。このバラス効果
はポリマー流の吐出孔端での吐出速度分布が吐出
後緩和されて速度分布が均一化される為に起こる
現象と云われている。このバラス効果による吐出
孔径とポリマー流の最大径の比(バラス比)はポ
リマー流の粘性、吐出速度等によつて変化する
が、一般にはバラス比は1〜2.5(極端な場合1〜
8)の範囲にあると云われる。又、ポリマー流の
最大径は口金(吐出孔端)より1〜10mm程度にあ
る。従つて本発明の口金の通路6はこのバラス効
果を充分考慮して、寸法等の設計が必要であり、
この通路6をポリマーが流下する過程で口金直下
の雰囲気の影響を受けることなくポリマー流の速
度分布が均一化するようにすべきであつて、最大
ふくらみ径より極端に大きくすることは無意味で
あり、又、極端に小さくすることはポリマー流の
流れをさまたげ、速度分布の均一化を乱すことに
なり好ましくない。 従つて、第2図に示す通路6において上流側径
Aと吐出孔径Dとの比A/Dは1〜3、上流側径
A下流側径Bとの比B/Aは1〜3、吐出孔端4
と通路端9の距離Lは1〜10mm、このましくは3
〜7mmが採用されるが、特に限定されるものでは
ない。 本発明の特徴である針状物7と通路6との位置
関係は第2図に示す通路端9と針状物先端8との
距離lで決められ、その距離lは、吐出孔径D、
針状物の径、ポリマー流の粘度、吐出量、紡糸口
金温度等に依存するが、3〜30mm、好ましくは5
〜20mm程度が用いられる。この距離l(突出長)
が小さい場合は通常口金と同様、吐出孔端直後の
ポリマー液の応力変形が急激となり、紡糸口金温
度が通常よりさほど低くない条件下でも弱糸や断
糸発生が起こり安定紡糸が難かしく、本発明の基
本的特徴である低温紡糸の効果が充分得られなく
なる。一方、突出長lが極端に大であるとポリマ
ー液が針状物7に沿つて流下する過程で、冷却が
進み、極端な場合、ポリマーが固化してしまい曳
糸不可能になることがあるので好ましくない。 尚、本発明の紡糸口金は針状物と吐出孔に続く
通路を特徴としており、上述の寸法関係以外につ
いては特に限定されるものではない。第2図は、
吐出孔端4が通常口金で云う口金面5と一致し、
通路6が口金面5より突出した一態様であり、第
4図は通路端9が口金面5と一致した別の実施態
様である。更に第2図の中間的位置関係にある第
5図も本発明の別の一態様として挙げられる。 又、吐出孔端4と通路6の上部をつなぐ形の末
広がり状通路11を持つ、第6図も本発明の別の
一態様として挙げられる。 更には、吐出孔径と通路上流側径(A)が一致し、
それから下流に向かつて末広がり状である通路を
示す、第7図も本発明の別の一態様として挙げら
れる。 以上説明してきた本発明の紡糸口金(第2図、
法4図〜第7図のいづれか)を用いて溶融紡糸す
るわけだが、本発明の効果をより有効に発現させ
る為には、紡糸口金温度を(ポリマーの融点+
5)℃以上、通常口金における可紡下限紡糸口金
温度以下の範囲で溶融紡糸することが好ましい。 本発明の紡糸口金の態様としては、吐出孔に続
く通路と針状物より成る紡出孔を少くとも1個有
するものであり、孔数1個のモノフイラメント用
から、複数個のマルチフイラメント用まで特に限
定されるものではない。又、通常紡糸孔(円形、
異形断面孔を含む)と共に口金に設けたものでも
よい。 (5) 作用、効果 本発明の紡糸口金を用いて溶融紡糸して得られ
る紡出糸条の特徴と紡糸性の特徴について以下説
明する。 第1に通常口金より低い紡糸口金温度で紡糸可
能てある、云いかえれば低温紡糸が可能である。
これは針状物の効果の1つであり、ホリマーが針
状物に沿つて冷却されながら、錐状又はつらら状
体で紡出する為、低温紡糸しても断糸することな
く紡糸出来るのである。 従来の口金では口金温度を下げて来ると断糸す
る口金温度、即ち弱糸化口金温度又は紡糸下限温
度と云われる温度があるが、本発明の紡糸口金で
はこの紡糸下限温度を通常口金よりも低下するこ
とが可能で、ポリマーの(融点+5)℃以上の口
金温度であれば紡糸することができる。 第2に同一口金温度、同一紡速においても従来
の紡出糸より低伸度の紡出糸ができ、従つて、本
発明の紡出孔と通常紡出を同一口金内に併設する
ことによつて、伸度差を有する紡糸混繊糸を容易
に得ることができる。 一般に通常紡糸においては、紡速増加と共に紡
出糸の伸度は減少し、又、紡出糸の単糸デニール
が大になると同一紡速でも、その伸度、NDRは
大となる。 ポリエステルの場合、その伸度の値はおおよ
そ、紡速500〜2000m/分位のUDYを云われる範
囲では200〜250%位、紡速2800〜3500m/分の
POY範囲では200〜130%位、紡速4000〜6000
m/分の高速紡糸(USY)範囲では100〜50%位
である。 これらに対し、本発明のように、紡糸孔中心部
に針状物を有し、それが、口金板より下方に突出
しているものから紡出することによる糸条の伸度
はUDY紡速範囲で500〜100%位迄変化させうる
し、又、POY紡速範囲では200〜50%位迄変化出
来、USY紡速範囲では100〜50%位迄変化させる
ことができる。これは、針状物にポリマーを沿わ
せながら冷却することにより溶融ポリマーの粘度
を上げ紡糸することになるので低伸度化しうるの
である。 従つて、その針状物の突出長を短かくすると高
伸度化し、長くすると低伸度となる。 本発明の効果を発揮する用途の1つとして伸度
差紡糸混繊糸があるが、勿論、本発明の紡糸口金
及び通常口金とから別々に紡糸して巻取時に合糸
してもよいが、同一口金内に通常紡糸孔と本発明
の紡糸孔を持つ口金を使う方が最も合理的であ
る。混繊糸の場合、巻取時あるいはオイリング前
後又は引取りローラー間等で空気交絡処理してお
けば、後工程での取扱性向上及び混繊状態より来
る風合向上が期待できる。尚、本発明の紡糸口金
を用いて混繊糸条を得るに当つては、それぞれ好
みの伸度及び伸度差にするべく、紡速、口金温
度、針状物の突出長等を変化させ設定すればよ
い。 又、針状物突出長が一定のものと通常紡糸孔よ
りの混繊糸条に限定されるものでもなく、針状物
突出長を種々変化させ伸度差を2種以上に変化さ
せた混繊糸、あるいはこれらと通常紡糸孔との組
合せによる混繊糸製造も含まれるものであり、そ
れらの口金への配列配置を規定するものではな
い。 以上のようにして紡出された糸条は紡糸直延伸
(SDY)しても、一旦巻取つてから次工程の延伸
あるいはDTY加工に供してもよい。 第3に針状物を有する紡糸孔からの紡出糸は、
通常紡糸孔から紡出した糸条の同一伸度のものよ
りも濃染化する傾向にあり、それは同一条件の延
伸熱処理又はDTY加工した糸においてもその傾
向があり、従つて通常紡糸孔よりの高伸度糸条と
針状物を有する紡糸孔よりの糸条の混繊糸はその
染着差が近づき、染による斑、イラツキ感が少な
くなる特徴を有している。この濃染化する原因は
通常紡糸においてもUDY、POY、USYと紡速が
上げるに従つて、それらの延伸糸、DTY糸は濃
染化する傾向はよく知られているが、この傾向が
より極端に現われるものと考えられる。 第4の特徴は吐出孔に続く通路によるものであ
る。この通路は上述した主に針状物による効果で
ある第1〜第3の特徴を損うことなく、むしろ助
長し、極めて均質な糸条を、安定に紡糸可能とす
るものがある。即ち、この通路は、針状物に沿つ
て流れるポリマー流の温度勾配、粘度勾配及び速
度勾配をスムースにかつ均一に進行せしめ、か
つ、口金下の冷却雰囲気や糸条随伴流の影響を緩
和・防止すると共に、通常口金面で見られるポリ
マーや、ポリマー中の異物のにじみ出し、蓄積に
よる口金面の汚れや、この口金面の汚れに依るベ
ンデイング、ニーイングを防止する作用を有し、
その結果、ポリマー等の付着に伴なう口金(面)
の清掃を皆無とし、加えて均質な(μ%に代表さ
れる)紡出糸条を極めて安定して紡糸できる効果
を提供してくれる。 (6) 実施例 固有粘度[η]が0.64のポリエチレンテレフタ
レートを295℃で溶融し通常の紡糸装置を用い、
口金に通常孔(高伸度側)として孔径(D)0.3mmφ、
長さ0.6mm、孔数24H、本発明に成る針状物を通
路を有する紡糸孔(低伸度側)として第2図の構
造のもの孔数12Hを同一口金内に設けたものを用
いて紡糸した。ここで針状物と通路を有する紡糸
孔としては、第2図において孔径(D)=φ1.0mm、長
さ=2.0mm、針状物の直径=φ0.7mm、通路の上流
側径(A)=φ2.0mm、下流側径(B)=φ4.0mm、吐出
孔端4と通路端9の距離L=5mmであり、針状物
の突出長(通路端9と針状物先端8との距離l)
を種々変え、更に口金温度、紡糸巻取速度も変化
させて25℃空気中で冷却し、油剤付与後巻き取つ
た。 これら混繊糸の紡糸条件、破断伸度、及びその
伸度差を表−1に示す。尚、高伸度側の単糸De
対低伸度側の単糸Deは約1:1.6である。 表1より明らかな如く、低紡速のUDY域では
針状物よりの糸条の伸度は通常のPOY程度の低
伸度比が可能であり、又POY域の紡速にすれば
USY程度の低伸度化が可能であることが明確で
ある。又、通常紡糸孔よりの伸度に対して、
UDY域では140%〜50%程度の伸度差、POY域
では70%〜30%程度の伸度差が得られることが示
されている。表1には示されていないが、針状物
の形状、長さ、通路の形状、及び口金温度更には
これらに従来技術を組み合せればより高度な物性
差の混繊糸が得られることは明確である。 特に表1に示された実験No.7、10について7日
間の連続紡糸を実施した結果、紡出糸のU%、毛
羽は各々No.7で0.6%、0ケ/2000m、No.10で0.5
%、1ケ/2000mと極めて均質な糸条が得られて
おり、しかも、本発明の紡糸孔にはポリマー付着
はなく、ポリマーの流れは真直で、糸揺れもな
く、紡糸断糸等のトラブルは全くなく、安定紡糸
が出来た。 【表】
第1図は通常の紡糸口金の要部縦断面図、第2
図は本発明の一実施態様を示す紡糸口金の要部縦
断面図、第3図は第2図における針状物部分の一
実施態様を示す斜視図、第4〜7図は本発明の紡
糸口金の他の実施態様を示す要部縦断面図であ
る。 1……口金板、2……導入孔、3……吐出孔、
4……吐出孔端、5……口金面、6……通路、7
……針状物、8……針状物端、9……通路端、1
0……羽根。
図は本発明の一実施態様を示す紡糸口金の要部縦
断面図、第3図は第2図における針状物部分の一
実施態様を示す斜視図、第4〜7図は本発明の紡
糸口金の他の実施態様を示す要部縦断面図であ
る。 1……口金板、2……導入孔、3……吐出孔、
4……吐出孔端、5……口金面、6……通路、7
……針状物、8……針状物端、9……通路端、1
0……羽根。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 通常の吐出孔3の終端4に引続くポリマー融
液流路が該吐出孔3の径(D)より大なる径の円筒又
は末広がり状の通路6として構成され、その際該
吐出孔3及び通路6を通して挿入された針状物7
の先端8が該通路6の下方端よりも3mm以上突出
してなる紡出孔を有することを特徴とする溶融紡
糸口金。 2 通常の吐出孔3の終端4に引続くポリマー溶
融流路が該吐出孔3の径(D)より大なる径の円筒又
は末広がり状の通路6として構成され、その際該
吐出孔3及び通路6を通して挿入された針状物7
の先端8が該通路6の下方端よりも3mm以上突出
してなる紡出孔を有することを特徴とする溶融紡
糸口金と、前記針状物を挿入していない通常の紡
出孔とを併有することを特徴とする溶融紡糸口
金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24171585A JPS62104907A (ja) | 1985-10-30 | 1985-10-30 | 溶融紡糸口金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24171585A JPS62104907A (ja) | 1985-10-30 | 1985-10-30 | 溶融紡糸口金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62104907A JPS62104907A (ja) | 1987-05-15 |
| JPH0343364B2 true JPH0343364B2 (ja) | 1991-07-02 |
Family
ID=17078456
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24171585A Granted JPS62104907A (ja) | 1985-10-30 | 1985-10-30 | 溶融紡糸口金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62104907A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103668484A (zh) * | 2013-12-19 | 2014-03-26 | 吴江明敏制衣有限公司松陵分公司 | 散射纤维喷丝板 |
| CN106381529B (zh) * | 2016-11-30 | 2019-02-05 | 杭州永星塑料化纤有限公司 | 一种纺丝喷丝板 |
-
1985
- 1985-10-30 JP JP24171585A patent/JPS62104907A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62104907A (ja) | 1987-05-15 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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