JPH0351785B2 - - Google Patents

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JPH0351785B2
JPH0351785B2 JP57145407A JP14540782A JPH0351785B2 JP H0351785 B2 JPH0351785 B2 JP H0351785B2 JP 57145407 A JP57145407 A JP 57145407A JP 14540782 A JP14540782 A JP 14540782A JP H0351785 B2 JPH0351785 B2 JP H0351785B2
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JP
Japan
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metallic glass
low
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iron
atom
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JP57145407A
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JPS5842759A (ja
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Hasegawa Ryusuke
Edowaado Fuitsushu Goodon
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Honeywell International Inc
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AlliedSignal Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、高い透磁率、低い磁気歪、低い保磁
力、低い交流コア損(ac core loss)、低い励磁
電力および高い熱安定性をもつ少くとも90%ガラ
ス質の金属ガラスに関する。 周知のとおり、金属ガラスは広範囲にわたる秩
序をもたない準安定性物質である。ガラス様合金
のX線回折走査は、無機酸化物ガラスに関して観
察されるものと類似の散乱ハロを示すにすぎな
い。 金属ガラス(非晶質合金)は米国特許第
3856513号(1974年12月24日にH.S.チエンらに付
与)明細書に示されている。これらの合金には、
式MaYbZcをもつ組成物が含まれる。式中Mは
鉄、ニツケル、コバルト、バナジウムおよびクロ
ムよりなる群から選ばれる金属であり、Yはリ
ン、ホウ素および炭素よりなる群から選ばれる元
素であり、Zはアルミニウム、ケイ素、スズ、ゲ
ルマニウム、インジウム、アンチモンおよびベリ
リウムよりなる群から選ばれる元素であり、“a”
は約60〜90原子%の範囲にあり、“b”は約10〜
30原子%の範囲にあり、“c”は約0.1〜15原子%
の範囲にある。また式TiXjをもつ金属ガラス線
も示されている。式中Tは少なくとも1種の遷移
金属であり、Xはリン、ホウ素、炭素、アルミニ
ウム、ケイ素、スズ、ゲルマニウム、インジウ
ム、ベリリウムおよびアンチモンよりなる群から
選ばれ、“i”は約70〜87原子%の範囲にあり、
“j”は約13〜30原子%の範囲にある。これらの
材料は今日では当技術分野で周知の加工技術を用
いてメルトから急冷することにより好都合に製造
される。 金属ガラスは米国特許第4067732号(1978年1
月10日付与)明細書にも示されている。これらの
ガラス様合金には式MaM′bCrcM″dBeをもつ組成
物が含まれる。式中Mは鉄族元素(鉄、コバルト
およびニツケル)のうちの1種であり、M′は残
りの鉄族元素2種のうち少なくとも1種であり、
M″はバナジウム、マンガン、モリブデン、タン
グステン、ニオブおよびタンタルのうち少なくと
も1種の元素であり、Bはホウ素であり、“a”
は約40〜85原子%、“b”は0〜約45原子%、
“c”および“d”は双方とも0〜約20原子%、
“e”は約15〜25原子%の範囲にあり、ただし
“b”、“c”および“d”は同時に0ではない。
このようなガラス様合金は改良された極限引張り
強さ、改善された硬度、および改善された熱安定
性という予想外の組合わせをもつと記載されてい
る。 これらの記載は、広範な特許請求の範囲に包含
される多くの金属ガラスに関する格別なまたは独
特の磁性についても述べている。しかし、テープ
レコーダーヘツド、リレーコア、変成器など特殊
な用途のためには先行技術による金属ガラスより
も高い透磁率、低い磁気歪、低い保磁力、低いコ
ア損、低い励磁電力、および高い熱安定性を合わ
せもつ金属ガラスが必要とされる。 本発明によれば、高い透磁率、低い磁気歪、低
い保磁力、低い交流コア損、低い励磁電力および
高い熱安定性を合わせもつ少くとも90%ガラス質
の金属ガラスが提供される。これらの金属ガラス
は本質的に鉄66〜82原子%(この金属の1〜8原
子はニツケル及びコバルトのうち少くとも1種に
より置換されている。)、クロム、モリブデン、タ
ングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チ
タン、ジルコニウムおよびハフニウムよりなる群
から選ばれる少なくとも1種の元素1〜6原子
%、ホウ素17〜28原子%(このホウ素の0.5〜6
原子%はケイ素により置換されているか、又は
0.5〜6原子%はケイ素により、さらに2原子%
までは炭素により置換されている。)ならびに付
随する不純物よりなる。本発明の金属ガラスはテ
ープレコーダーヘツド、リレーコア、変成器など
に使用するのに適している。 本発明の金属ガラスは、高い透磁率、低い飽和
磁気歪、低い保磁力、低い交流コア損、低い励磁
電力、および高い熱安定性の組合わせにより特色
づけられる。本発明のガラス質合金は、少くとも
90%ガラス質のものであり、本質的に鉄66〜82原
子%(この金属の1〜8原子%はニツケルおよび
コバルトのうち少なくとも1種により置換されて
いる)、クロム、モリブデン、タングステン、バ
ナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニ
ウムおよびハフニウムよりなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素1〜6原子%、ホウ素17〜28
原子%(このホウ素の0.5〜6原子%はケイ素に
より置換されていてもよく、このメタロイドの2
原子%までは炭素により置換されている)ならび
に付随する不純物よりなる。Cr、Mo、W、V、
Nb、Ta、Ti、Zrおよび/またはHfの濃度が1
原子%よりも低いと、透磁率、飽和磁気歪、保磁
力、交流コア損および熱安定性が十分に改善され
ない。またこれらの元素のうち少なくとも1種の
濃度が6原子%よりも大きいと、キユリー温度が
許容できないほど低くなる。 鉄は室温で高い飽和磁化をもたらす。従つて金
属含量は好ましくは鉄が実質的であり、クロム、
モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、チタン、ジルコニウムおよび/ま
たはハフニウムの存在による室温飽和磁化の低下
を補償するために8原子%までがニツケルおよ
び/またはコバルトである。ニツケルを添加する
と透磁率が高まる。 本発明の金属ガラスの例には下記のものが含ま
れる。 Fe80Ni1Mo1B16Si2、Fe76Ni4Mo2B17.5Si0.5、
Fe75Ni2Co2Mo3B16Si2、Fe75Co4Mo3B16Si2、
Fe75Ni4Mo3B16Si2、Fe77Ni2Mo3B16Si2、
Fe75Ni4Mo3B14Si4、Fe71Ni4Mo3B17Si5、
Fe74Ni4Mo4B16Si2、Fe70Ni6Mo6B15Si3、
Fe75Ni4V3B14Si2C2、Fe71Ni4Mo3B16Si4C2、
Fe78Ni2Mo2B12Si4C2、Fe78Ni2Cr2B16Si2、
Fe75Ni4Nb3B16Si2、Fe75Ni4W3B16Si2、
Fe75Ni4V3B16Si2、Fe79Ni4Ta1B16Si2、
Fe75Ni4Ti3B16Si2、Fe75Ni4Zr3B16Si2、
Fe79Ni4Hf1B16Si2、Fe72Ni2Mo2B22Si2、
Fe70Ni2Mo2B22Si2、およびFe70Ni2Mo2B24Si2
(下方に書かれた数値は原子%である)。すべての
合金の純度は商業的に普通に認められるものであ
る。 クロム、モリブデン、タングステン、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウムお
よび/またはハフニウムの存在により結晶化温度
が上昇し、一方では同時にガラス様合金をキユリ
ー温度が低下する。これらの温度の間隔が大きく
なることにより磁気アニーリング、すなわちキユ
リー温度付近での熱アニーリングが容易になる。
周知のように磁性材料をそのキユリー温度付近で
アニーリングすると一般に改善された特性が得ら
れる。クロム、モリブデン、タングステン、バナ
ジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウ
ムおよび/またはハフニウムの濃度の上昇に伴つ
て結晶化温度が上昇し、その結果キユリー温度付
近であつて結晶化温度よりも低い、高められた温
度において容易にアニーリングを行なうことがで
きる。このようなアニーリングは、本発明の合金
に類似するがこれらの元素を含有しない多くの合
金については行なうことができない。他方、クロ
ム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニ
オブ、タンタル、チタン、ジルコニウムおよび/
またはハフニウムの濃度が高すぎると、ある種の
用途には望ましくないと思われる水準にまでキユ
リー温度が低下する。ホウ素およびケイ素がそれ
ぞれ主メタロイド成分および副メタロイド成分で
ある金属ガラスについて好ましいクロム、モリブ
デン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タン
タル、チタン、ジルコニウムおよび/またはハフ
ニウムの濃度は2〜4原子%である。 メタロイド含量は本質的に(1)少量のケイ素を含
む実質量のホウ素、(2)ホウ素プラスケイ素、およ
び(3)ホウ素およびケイ素プラス少量の炭素よりな
ることが好ましい。メタロイ含量は17〜28原子%
の範囲にあることが最大の熱安定性を得るために
好ましい。 好ましい金属ガラス系は下記のものである。 1 Fe−M−Mo−B−Si:Fe100-a-b-c-dM
aMobBcSid。 式中MHはニツケルおよびコバルトのうち少な
くとも1種である、(c+d)が18である場合、
a、b、cおよびdの好ましい範囲はそれぞれ2
〜8、1〜4、14〜17.5および0.5〜4である。
(c+d)が22である場合、a、b、cおよびd
の好ましい範囲はそれぞれ2〜8、1〜6、15〜
20.5および0.5〜6である。(c+d)が25の場
合、a、b、cおよびdの好ましい範囲はそれぞ
れ2〜8、1〜6、21〜25および1〜6である。
これらの金属ガラスは飽和誘導(BS)1.0〜1.4テ
スラ(Tesla)、飽和磁気歪(λS)12〜24ppm、
キユリー温度(θf約475〜705Kおよび第1結晶化
温度750〜880Kを合わせもつ。適切に熱処理した
場合、これらの合金は特に高周波数(f>103Hz)
において優れた交番磁性をもつ。たとえば熱処理
されたFe75Ni4Mo3B16Si2合金ガラスのf=50kHz
および誘導水準Bn=0.1テラスにおいて求められ
た交流コア損(L)励磁電力(Pe)はそれぞれ
6.5W/Kgおよび13.4VA/Kgである。これらの数
値を、Fe79B16Si5の組成をもつ同一厚さの先行技
術による熱処理された金属ガラスに関するL=
7W/KgおよびPe=20VA/Kgと比較すべきであ
る。Bn=0.01テスラにおける透磁率は熱処理さ
れたFe75Ni3Mo4B16Si2およびFe79B16Si5につき
それぞれ10500および8000である。前記の先行技
術による合金についての飽和磁気歪(λS)=
30ppmに比して本発明合金の飽和磁気歪は20ppm
とより小さいため、本発明の合金は高周波数変成
器の心など磁気装置に用いるために特に適してい
る。f=50kHzを越えると、本発明の合金はほぼ
0.8テスラのBSをもつ結晶性スーパーマロイに関
する透磁率に匹敵するかまたはこれより高い透磁
率をもつ。本発明の合金に関するBSの値はより
高いため、これらの合金はf=50kHzの磁場を加
えることにつきスーパーマロイよりも適切とな
る。 Fe−M−M′−B−Si:Fe100-a-b-c-dMaM
′bBcSid。 式中Mはニツケルおよび/またはコバルトであ
り、M′はCr、W、V、Nb、Ta、Ti、Zrまたは
Hfから選ばれる。(c+d)が18である場合、
a、b、cおよびdの好ましい範囲はそれぞれ2
〜8、1〜4、14〜17.5および0.5〜4である。
(c+d)が22である場合、a、b、cおよびd
の好ましい範囲はそれぞれ2〜8、1〜6、16〜
21.5および0.5〜6である。(c+d)が25に近い
場合、a、b、cおよびdの好ましい範囲はそれ
ぞれ2〜8、1〜6、21〜25および1〜6であ
る。 Fe−M−M′−B−Si−C:Fe100-a-b-c-d
MaM′bBcSidCe。 式中Mはニツケルおよび/またはコバルトであ
り、M′はCr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zrま
たはHfよりなる群から選ばれる。(c+d)が18
である場合、a、b、c、dおよびeの好ましい
範囲はそれぞれ2〜8、1〜4、12〜17.5、0.5
〜4および0〜2である。(c+d)が22である
場合、a、b、c、dおよびeの好ましい範囲は
それぞれ2〜8、1〜6、14〜21.5、0.5〜6お
よび0〜2である。(c+d)が25に近い場合、
a、b、c、dおよびeの好ましい範囲はそれぞ
れ2〜8、1〜6、20〜27、1〜6および0〜2
である。 透磁率は加えられた磁場に対する磁気誘導の比
である。透磁率が高いほどある物質は応答が増大
するためテープレコーダーヘツドなど特定の用途
にいつそう有用になる。本発明のガラス様合金の
透磁率の周波数依存性は、中−高周波数領域(1
〜50kHz)では4−79パーロマイのものに類似し
ており、より高周波領域(約50kHz〜1MHz)で
は透磁率は超パーマロイのものに匹敵する。特に
注目すべき点は1kHzおよび誘導水準0.01テスラに
おいては、熱処理さたFe75Ni4Mo3B16Si2金属ガ
ラスは24000の透磁率をもち、一方最良の条件下
で熱処理された先行技術によるFe40Ni36Mo4B20
金属ガラスは14000の透磁率をもつ。 飽和磁気歪は、飽和磁場の作用下における長さ
の変化である。飽和磁気歪が小さいほどその物質
はテープレコーダーヘツドなど特定の用途にいつ
そう有利になる。磁気歪は通常はもとの長さに対
する長さの変化の比という表現で論じられ、ppm
で示される。先行技術による鉄含有金属ガラス
は、周期表のB、BおよびB族に属するい
ずれかの元素(たとえばモリブデン)が存在しな
い金属ガラスと同様にほぼ30ppmの飽和磁気歪を
示す。たとえば高周波用に考案され、Fe47B16Si5
の組成をもつ先行技術の鉄に富む金属ガラスは、
ほぼ30ppmの飽和磁気歪をもつ。これに対し、
Fe75Ni4Mo3B16Si2の組成をもつ本発明の金属ガ
ラスはほぼ20ppmの磁気歪をもつ。飽和磁気歪が
小さいほど、励磁場と得られる誘導との間の位相
角は小さくなる。その結果、のちに論じるように
励磁電力がより小さくなる。 交流コア損は熱として消失するエネルギー損失
である。これは交番磁場におけるヒステリシスで
あり、低周波数(約1kHz以下)に関してはB−
Hループの面積により測定され、高周波数(約
1kHz−1MHz)に関しては励磁コイルにおける複
素入力から測定される。高周波領域における交流
コア損の主な部分は、磁束の変化に際して発生す
る渦流により生じる。しかし、より小さいヒステ
リシス損失、従つて小さい保磁力の方が望まし
い。コア損が小さいほどある物質はテープレコー
ダーヘツドおよび変成器など特定の用途にいつそ
う有用になる。コア損はW/Kgの単位で論じられ
る。先行技術による熱処理された金属ガラスは、
0.1テスラの誘導および1kHzの周波数領域におい
て一般に約0.05〜0.1ワツト/Kgの交流コア損を
示す。たとえばFe40Ni36Mo4B20の組成をもつ先
行技術による熱処理された金属ガラスは、0.1テ
スラの誘導および1kHzの周波数において0.07W/
Kgの交流コア損を示し、一方Fe76Mo4B20の組成
をもつ金属ガラスは、0.1テスラの誘電および同
一周波数において0.08W/Kgの交流コア損を示
す。これに対しFe75Ni4Mo3B16Si2の組成をもつ
本発明の金属ガラス性合金は、0.1テスラの誘電
および同一周波数において、0.02W/Kgの交流コ
ア損を示す。 励磁電力はある磁性材料において特性の磁束密
度を維持するために必要な電力の尺度である。従
つて磁気装置に用いられる磁性材料の励磁電力は
できる限り低いことが望ましい。励磁電力(Pe)
は、L=Pecosδ(式中δは励磁場とその結果生じ
る誘導との間の位相差である)という関係によ
り、上記のコア損(L)と関連性がある。この位
相差もまた、磁気歪の値が小さいほど位相差が小
さくなるという形で磁気歪と関連性がある。従つ
て、磁気歪の値ができるだけ小さい方が有利であ
る。先に述べたように、Fe79B16Si5のように鉄に
富む先行技術の金属ガラスは、本発明の金属ガラ
スの磁気歪の値約20ppmに比して、ほぼ30ppmの
磁気歪の値をもつ。この差のため、位相差がかな
り異なる。たとえば最適な条件下でアニーリング
された先行技術による金属ガラスFe79B16Si5はほ
ぼ70°のδをもつのに対し、本発明の金属ガラス
はほぼ50°のδをもつ。その結果、一定のコア損
については、本発明の金属ガラスよりも先行技術
による金属ガラスの方がフアクター2だけ高い励
磁電力を示す。 結晶化温度は、金属ガラスが結晶化し始める温
度である。結晶化温度が高いほどある物質は高温
での用途にいつそう有用となり、結晶化温度より
も実質的に低いキユリー温度と関連して、キユリ
ー温度よりもわずかに高い温度で磁気アニーリン
グを行うことができる。ある種の金属ガラスは多
段階で結晶化する。このような場合、第1の結晶
化温度(最低の結晶化温度)はその物質の熱安定
性に関する限り重要である。ここで論じる結晶化
温度は差動走査熱量測定法により測定される。先
行技術によるガラス様合金は約660〜750Kの結晶
化温度を示す。たとえばFe78Mo2B20の組成をも
つ金属ガラスは680Kの結晶化温度をもち、一方
Fe74Mo6B20の組成をもつ金属ガラスは750Kの結
晶化温度をもつ。これに対して本発明の金属ガラ
スは750Kを越える水準にまで結晶化温度の上昇
を示す。 本発明の金属ガラスの磁性は、アニーリング温
度(Ta)の選択、保持時間(ta)、加えられた磁
場(リボンの方向およびリボンの面に平行かまた
は直角)および処理後の冷却速度により特色づけ
られる熱処理によつて改善されている。本発明の
合金について、最適の特性は、ガラス様マトリツ
クスから一定数の結晶粒子を制御された状態で沈
殿させるアニーリングののちに得られる。これら
の条件下では、17〜20原子%の範囲のホウ素含量
をもつ組成物に関して個別の粒子は体心立方構造
をもつ。これらの粒子は本質的に鉄よりなり、鉄
の22原子%まではニツケル、コバルト、クロム、
モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、ケィ素および炭素のうち少なくとも1種によ
り置換されるよう合わせられている。21〜25原子
%の範囲のホウ素含量および69〜78原子%の範囲
の鉄含量をもつ組成物に関しては、各個別の粒子
は本質的には粒子の混合物よりなり、この混合物
の主要な部分はFe3B構造の結晶をもつ粒子を含
有する。このような部分の粒子は鉄およびホウ素
よりなり、鉄の14原子%まではニツケル、コバル
ト、クロム、モリブデン、タングステン、バナジ
ウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム
およびハフニウムのうち少なくとも1種により置
換されるように合わせられており、ホウ素の2原
子%までは炭素により置換されるよう合わせられ
ている。この種の粒子が少数である場合平均磁壁
間隔が一定の程度減少し、同時にコア損が減少す
る。粒子の数が多すぎると保磁力が増大し、従つ
てヒステリシス損失が増大する。 Fe75Ni4Mo3B16Si2の組成をもつ本発明の金属
ガラスは最適条件下でアニーリングされた場合、
わずか2A/mの保磁力と共に低い損失および高
い透磁率を合わせもつ。これに対し最適条件下で
アニーリングされた先行技術による金属ガラス
Fe79B16Si5は約8A/mの保磁力をもつ。最適条
件下で熱処理された本発明材料の結晶粒子寸法は
100〜300nmの範囲にあり、それらの体積分率は
1%以下である。粒子間間隙は約1〜10μmであ
る。 要約すると、本発明の金属ガラスは高い透磁
率、低い飽和磁気歪、低い保持力、低い交流コア
損、低い励磁電力、および高い結晶化温度を合わ
せもち、テープヘツド、リレーコア、変成器など
として用いられる。 本発明の金属ガラスは初期の組成のメルトを金
属ガラス技術の分野で周知の急冷法により少なく
とも約105℃/秒の速度で冷却することによつて
(たとえば米国特許第3856513号明細書参照)製造
される。これらの金属ガラスは実質的に完全にガ
ラス状であり(すなわち少なくとも90%はガラス
状であり)、その結果これよりもガラス性の少な
い合金に比して保持力が低く、かつ延性がより大
きい。 連続したリボン、線材、シートなどに加工する
ためには多様な方法がある。一般に、特定の組成
を選び、所期の割合の必須元素の粉末またはグラ
ニユールを溶融し、均質化し、溶融した合金を急
速に回転しているシリンダーなどの冷却面上で急
冷する。 実施例 1 Fe−Ni−Mo−B−Si系 特定の組成のメルトを急速に回転している銅製
チルホイール(表面速度3000〜6000ft/分)上に
アルゴンの過圧により噴出させることによつて、
Fe100-a-b-c-dNiaMobBcSidにより表わされる組成
をもち、幅1〜2.5cmおよび厚さ25〜50μmの寸法
をもつリボンを製造した。 モリブデン含量を1原子%から6原子%まで変
化させ、実質的にガラス状のリボンを得た。6原
子%よりも高いモリブデン含量の場合、キユリー
温度が許容できないほど低い値にまで低下した。 透磁率、磁気歪、コア損、磁化力および保磁力
を、B−Hループ、金属ストレンゲージおよび振
動試料磁力計を使用する普通の方法で測定した。
キユリー温度および結晶化温度はそれぞれ誘導法
および差動走査熱量計により測定された。室温飽
和誘導、キユリー温度、室温飽和磁気歪および第
1結晶化温度の測定値を後記の表にまとめる。
アニーリング後のこれらガラス様合金の磁性を表
に示す。金属ガラスFe75Ni4Mo3B16Si2の最適
アニーリング条件および得られた結果を表にま
とめる。この最適条件下でアニーリングされた合
金の透磁率およびコア損の周波数依存性を表に
列記する。 モリブデンの存在により透磁率および結晶化温
度は高まり、交流コア損、励磁電力および磁気歪
は低下するように思われる。特に注目すべき点
は、最適条件下で熱処理された本発明の金属ガラ
スFe75Ni4Mo3B16Si2が2.5A/m程度の低い保磁
力をもち、さらに50kHzおよび誘導水準0.1テスラ
において6.5W/Kgという低いコア損および12500
の透磁率をもつという点である。これらの特性を
合わせもつことにより、これらの組成物が高周波
数変成器およびテープヘツドに用いるために適し
たものとなる。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 2 Fe−Ni−M−B−Si系 実施例1と同様にしてFe100-a-b-c-dM−M′−
B−Si(式中Mがニツケルおよび/またはコバル
トである場合、M′はクロム、モリブデン、タン
グステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チタ
ン、ジルコニウムおよびハフニウムのうち1種の
元素である)で表わされる組成をもち、幅1cmお
よび厚さ25〜50μmの寸法をもつリボンを製造し
た。 金属“M′”の含量を1原子%から6原子%ま
で変化させ、実質的にガラス状のリボンを得た。
“M′”含量がこれよりも高いとキユリー温度が許
容できないほど低い値にまで低下した。 磁気的および熱的データを後記の表にまとめ
る。アニーリング後のこれらの合金の磁性は表
に示されている。 低磁場におけるこれらの金属ガラスの磁性は、
モリブデンを含有する金属ガラスに関する磁性に
相当するものであつた(実施例1)。 本発明の金属ガラスにおいては、高周波数にお
ける低い交流コア損および高い透磁率という組合
わせが達成される。高い結晶化温度によつて表わ
されるように、熱安定性が優れていることも示さ
れる。本発明の金属ガラスがもつこれらの改善さ
れた特性の組合わせにより、これらの組成物は変
成器の磁気コア、テープレコーデイングヘツドな
どに適している。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 3 Fe−Ni−M−B−Si−C系 実施例1と同様にしてFe100-a-b-c-d-eNiaM′bBc
SidCe(式中M′はCr、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti
またはZrである)で表わされる組成をもち、幅
1cmおよび厚さ25〜50μmの寸法をもつリボンを
製造した。金属“M′”含量を1原子%から6原
子%まで変化させた。実質的にガラス状のリボン
が得られる炭素含量は2原子%までであつた。金
属“M′”の含量が6原子%よりも大きいと、キ
ユリー温度が許容できないほど低い値にまで低下
した。 磁気的およびに熱的データを後記の表にまと
める。これらの金属のアニーリング後の磁性を表
に示す。本発明の金属ガラスがもつ低い交流コ
ア損、高い透磁率、および高い熱安定性の組合わ
せにより、これの組成物は変成器の磁気コア、レ
コーデイングヘツドなどに適したものとなる。
【表】
【表】 以上に本発明をきわめて詳細に記載したが、こ
の詳論に厳密に固執する必要はなく、当業者には
各種の変更および修正をなしうることは明らかで
あり、これらはすべて特許請求の範囲に定められ
た本発明の範囲内に含まれる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 本質的に鉄66〜82原子%(この鉄の1〜8原
    子%はニツケル、コバルトおよびそれらの混合物
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素に
    より置換されている)、クロム、モリブデン、タ
    ングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チ
    タン、ジルコニウムおよびハフニウムよりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の元素1〜6原子
    %、ホウ素17〜28原子%(このホウ素の0.5〜6
    原子%はケイ素により置換されている)、ならび
    に付随する不純物よりなる、高い透磁率、低い磁
    気歪、低い保磁力、低い交流コア損、低い励磁電
    力および高い熱安定性を合わせ有する少なくとも
    90%ガラス質の金属ガラス。 2 本質的に鉄66〜79原子%、ニツケル、コバル
    トおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれる
    少なくとも1種の元素2〜8原子%、ならびにク
    ロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、
    ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウムおよび
    ハフニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1
    種の元素2〜4原子%を含む特許請求の範囲第1
    項に記載の金属ガラス。 3 金属ガラスが実質的にホウ素と0.5〜4原子
    %のケイ素との組合せであるメタロイド元素を有
    するものである特許請求の範囲第1項又は第2項
    に記載の金属ガラス。 4 メタロイド元素が17〜26原子%の範囲にある
    特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の金
    属ガラス。 5 本質的に鉄70〜79原子%、ニツケル、コバル
    トおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれる
    少なくとも1種の元素2〜4原子%、モリブデン
    およびクロムよりなる群から選ばれる少なくとも
    1種の元素2〜4原子%ならびに17〜22原子%の
    範囲のメタロイドよりなる、特許請求の範囲第
    1,3,4項のいずれかに記載の金属ガラス。 6 本質的に鉄66〜82原子%(この鉄の1〜8原
    子%はニツケル、コバルトおよびそれらの混合物
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素に
    より置換されている)、クロム、モリブデン、タ
    ングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チ
    タン、ジルコニウムおよびハフニウムよりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の元素1〜6原子
    %、ホウ素17〜28原子%(このホウ素の0.5〜6
    原子%はケイ素により、又2原子%までがさらに
    炭素により置換されている)、ならびに付随する
    不純物よりなり、高い透磁率、低い磁気歪、低い
    保磁力、低い交流コア損、低い励磁電力および高
    い熱安定性を合わせもつ少なくとも90%ガラス質
    の金属ガラス。 7 本質的に鉄66〜79原子%、ニツケル、コバル
    トおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれる
    少なくとも1種の元素2〜8原子%、ならびにク
    ロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、
    ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウムおよび
    ハフニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1
    種の元素2〜4原子%を含む、特許請求の範囲第
    6項に記載の金属ガラス。 8 金属ガラスが実質的にホウ素と0.5〜4原子
    %のケイ素と2原子%以下の炭素の組合せよりな
    るメタロイド元素を有するものである特許請求の
    範囲第6項または第7項のいずれかに記載の金属
    ガラス。 9 メタロイド元素が17〜26原子%の範囲にある
    特許請求の範囲第6〜8項のいずれかに記載の金
    属ガラス。
JP57145407A 1981-08-21 1982-08-21 高い透磁率、低い磁気歪、低い保磁力、低い交流コア損、低い励磁電力および高い熱安定性を合わせもつ金属ガラス Granted JPS5842759A (ja)

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