JPH0357302B2 - - Google Patents
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- JPH0357302B2 JPH0357302B2 JP2663186A JP2663186A JPH0357302B2 JP H0357302 B2 JPH0357302 B2 JP H0357302B2 JP 2663186 A JP2663186 A JP 2663186A JP 2663186 A JP2663186 A JP 2663186A JP H0357302 B2 JPH0357302 B2 JP H0357302B2
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Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〓産業上の利用分野〓
本発明は内燃機関用ピストンに係り、特にピン
穴の部分を補強材によつて複合強化するようにし
た内燃機関用ピストンに関する。
穴の部分を補強材によつて複合強化するようにし
た内燃機関用ピストンに関する。
〓発明の概要〓
本発明は、ピン穴の部分を複合強化するための
強化材による複合部分がボス間面に露出しない構
造となし、ピストンピンと結合された場合に、無
負荷の状態でピン穴のボス間面側の非複合部およ
び非複合部と複合部との境界部がピストンピンと
接触しないようにしたものであつて、これによつ
て複合不良を防止するとともに、ピン穴の一部に
局部的に大きな応力が発生するのを防止するよう
にしたものである。
強化材による複合部分がボス間面に露出しない構
造となし、ピストンピンと結合された場合に、無
負荷の状態でピン穴のボス間面側の非複合部およ
び非複合部と複合部との境界部がピストンピンと
接触しないようにしたものであつて、これによつ
て複合不良を防止するとともに、ピン穴の一部に
局部的に大きな応力が発生するのを防止するよう
にしたものである。
〓従来の技術〓
内燃機関の高出力化および軽量化、ならびに排
気ガス対策等の様々な要因によつて、ピストンに
対する機械的あるいは熱的負荷が高くなり、特に
ピストンピン穴においては、機械的応力がきわめ
て高くなつている。この対策として、ピストンピ
ンの直径を大きくし、ボス間にテーパその他の剛
性を向上させる対策を講じるようにしている。一
方で高い強度と剛性を持つ複合材の利用が種々試
されている。しかしピストン全体を複合材料で製
作することは、大幅なコストの増加や技術的困難
のために、ピン穴の強化の場合には、この部分だ
けに限定して複合強化する、いわゆる部分複合が
一般に考えられている。ピン穴を複合強化する場
合には、性能および生産性のバランスが良いこと
から、溶湯鍛造による方法が有望である。
気ガス対策等の様々な要因によつて、ピストンに
対する機械的あるいは熱的負荷が高くなり、特に
ピストンピン穴においては、機械的応力がきわめ
て高くなつている。この対策として、ピストンピ
ンの直径を大きくし、ボス間にテーパその他の剛
性を向上させる対策を講じるようにしている。一
方で高い強度と剛性を持つ複合材の利用が種々試
されている。しかしピストン全体を複合材料で製
作することは、大幅なコストの増加や技術的困難
のために、ピン穴の強化の場合には、この部分だ
けに限定して複合強化する、いわゆる部分複合が
一般に考えられている。ピン穴を複合強化する場
合には、性能および生産性のバランスが良いこと
から、溶湯鍛造による方法が有望である。
〓発明が解決しようとする問題点〓
しかし溶湯鍛造による場合には、複合部が金型
等の鋳型に接する部分において接合不良が生じ易
く、さらに複合部と非複合部との境界の一部が鋳
型面に接する状態のときには、その境界部の接合
強度が低下してしまう現象があり、ピン穴部の複
合では双方の問題が同時に存在することになる。
この問題の対策のために、ボス間面に余肉を付け
てピストンを成形した後に複合の不完全な部分を
切削加工によつて削除する方法や、鋳型にガス抜
きの穴や細溝を設け、さらにはこれを吸引装置に
つないで複合を助ける方法がある。さらには鋳型
の断熱化を図り、鋳型面に接する複合部となる個
所の温度低下を防止して複合を助ける方法等が講
じられている。
等の鋳型に接する部分において接合不良が生じ易
く、さらに複合部と非複合部との境界の一部が鋳
型面に接する状態のときには、その境界部の接合
強度が低下してしまう現象があり、ピン穴部の複
合では双方の問題が同時に存在することになる。
この問題の対策のために、ボス間面に余肉を付け
てピストンを成形した後に複合の不完全な部分を
切削加工によつて削除する方法や、鋳型にガス抜
きの穴や細溝を設け、さらにはこれを吸引装置に
つないで複合を助ける方法がある。さらには鋳型
の断熱化を図り、鋳型面に接する複合部となる個
所の温度低下を防止して複合を助ける方法等が講
じられている。
さらには上記の組合せやセラミツクを利用した
鋳型等も考えられているが、これらの方法はいず
れも材料の無駄につながり、鋳造設備費が増加
し、鋳型の保守点検の回数が増加し、あるいはそ
の他の生産技術的な困難さを伴なうことになる。
またあらかじめ製作しておいた複合材をピン穴部
に重力鋳造法や溶湯鍛造法で鋳込んだりあるいは
接合する場合においても、同様の問題が存在する
ことが容易に理解されるところである。さらに複
合材をアルミニウム合金製のピストン本体に電子
ビーム等を用いて溶接する場合においても、溶接
はピストンの外周側から入熱して行なわれるのが
一般的であり、この場合もボス間面側が溶接深さ
方向の終端となるため、ボス間面側に溶接欠陥が
残存し、ピンボス強度が低下するので、ボス間面
側に余肉を付ける必要があるという問題を生ずる
ことになる。
鋳型等も考えられているが、これらの方法はいず
れも材料の無駄につながり、鋳造設備費が増加
し、鋳型の保守点検の回数が増加し、あるいはそ
の他の生産技術的な困難さを伴なうことになる。
またあらかじめ製作しておいた複合材をピン穴部
に重力鋳造法や溶湯鍛造法で鋳込んだりあるいは
接合する場合においても、同様の問題が存在する
ことが容易に理解されるところである。さらに複
合材をアルミニウム合金製のピストン本体に電子
ビーム等を用いて溶接する場合においても、溶接
はピストンの外周側から入熱して行なわれるのが
一般的であり、この場合もボス間面側が溶接深さ
方向の終端となるため、ボス間面側に溶接欠陥が
残存し、ピンボス強度が低下するので、ボス間面
側に余肉を付ける必要があるという問題を生ずる
ことになる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたも
のであつて、ピン穴の部分を強化材によつて部分
的に複合強化する場合に生ずる接合不良や境界部
の接合強度の低下の問題を効果的に解消するよう
にした内燃機関用ピストンを提供することを目的
とするものである。
のであつて、ピン穴の部分を強化材によつて部分
的に複合強化する場合に生ずる接合不良や境界部
の接合強度の低下の問題を効果的に解消するよう
にした内燃機関用ピストンを提供することを目的
とするものである。
〓問題点を解決するための手段〓
本発明は、ピン穴の部分を強化材によつて複合
強化するようにしたピストンにおいて、複合部が
ボス間面に露出しない構造とし、ピストンピンと
結合された場合に、無負荷の状態でピン穴のボス
間面側の非複合部および非複合部と複合部との境
界部が前記ピストンピンと接触しないようにピン
穴の形状またはピストンピンの形状を構成したも
のである。
強化するようにしたピストンにおいて、複合部が
ボス間面に露出しない構造とし、ピストンピンと
結合された場合に、無負荷の状態でピン穴のボス
間面側の非複合部および非複合部と複合部との境
界部が前記ピストンピンと接触しないようにピン
穴の形状またはピストンピンの形状を構成したも
のである。
〓作用〓
従つて本発明によれば、複合部が金型等の鋳型
に接することがなくなるとともに、境界部の結合
強度の低下の問題を解消でき、もつとも高い応力
が発生する部分が複合部に位置することになり、
これによつてピン穴の強化をより効果的に行なう
ことが可能になる。
に接することがなくなるとともに、境界部の結合
強度の低下の問題を解消でき、もつとも高い応力
が発生する部分が複合部に位置することになり、
これによつてピン穴の強化をより効果的に行なう
ことが可能になる。
〓実施例〓
以下本発明を図示の一実施例につき説明する。
本実施例に係るピストン10は、第1図および第
2図に示すように、そのピン穴11およびピンボ
ス12の部分を、無機繊維、多孔質金属、各種ウ
イスカ、無機粉末体等で複合強化する場合に、従
来技術の欠点を解消するようにしたものであつ
て、材料強度面と構造設計面の双方から十分な検
討を加え、ピストンピン穴11およびピンボス部
分12を材料コスト、生産性、品質安定性を犠牲
にすることなく効果的に補強するようにしたもの
である。
本実施例に係るピストン10は、第1図および第
2図に示すように、そのピン穴11およびピンボ
ス12の部分を、無機繊維、多孔質金属、各種ウ
イスカ、無機粉末体等で複合強化する場合に、従
来技術の欠点を解消するようにしたものであつ
て、材料強度面と構造設計面の双方から十分な検
討を加え、ピストンピン穴11およびピンボス部
分12を材料コスト、生産性、品質安定性を犠牲
にすることなく効果的に補強するようにしたもの
である。
さらに詳細に説明すると、第1図に示すよう
に、ピン穴11およびピンボス12の部分を、強
化材14を用いて複合強化する際に、ボス間面1
3から一定の距離を置いて複合部14を設けるよ
うにしている。このときに溶湯鍛造によつてピス
トン10の成形と同時に部分複合を行なうときに
は、強化材14を鋳型面から1mm以上、好ましく
は2〜5mm以上ピストン10の外周側に入つた位
置にセツトすることによつて十分な複合を得るこ
とができる。またあらかじめ複合しておいた補強
材14を鋳包む場合には、溶湯鍛造で2mm以上、
重力鋳造で4mm以上それぞれボス間面13から距離
を置くことが好ましい。鋳包まれる材料は、その
表面粗度を10μ以上、好ましくは35μ以上とし、
さらにSn、Sb、As等の低融点金属およびこれら
を含む易融合金を溶射、浸漬等の方法でコーテイ
ングしたり、Ni−P等のメツキを施して鋳包み
時の結合力を向上させる手段が好結果を生むこと
になる。
に、ピン穴11およびピンボス12の部分を、強
化材14を用いて複合強化する際に、ボス間面1
3から一定の距離を置いて複合部14を設けるよ
うにしている。このときに溶湯鍛造によつてピス
トン10の成形と同時に部分複合を行なうときに
は、強化材14を鋳型面から1mm以上、好ましく
は2〜5mm以上ピストン10の外周側に入つた位
置にセツトすることによつて十分な複合を得るこ
とができる。またあらかじめ複合しておいた補強
材14を鋳包む場合には、溶湯鍛造で2mm以上、
重力鋳造で4mm以上それぞれボス間面13から距離
を置くことが好ましい。鋳包まれる材料は、その
表面粗度を10μ以上、好ましくは35μ以上とし、
さらにSn、Sb、As等の低融点金属およびこれら
を含む易融合金を溶射、浸漬等の方法でコーテイ
ングしたり、Ni−P等のメツキを施して鋳包み
時の結合力を向上させる手段が好結果を生むこと
になる。
一般にピストンピン穴11の回りの応力は、第
3図において矢印で示すような分布になり、ボス
間面13とピン穴11とのエツジ部分Aの応力が
最大となる。従つてこのようなピストン10は、
ピン穴11の最も奥の部分から破壊を生ずること
になる。そこで本実施例に係るピストン10にお
いては、第1図に示すように、ピン穴面11とボ
ス間面13との交わる部分に傾斜面あるいはテー
パ穴15を形成し、これらの傾斜面あるいはテー
パ穴15とピン穴11の面との交点が複合部分に
位置するようにしている。これによつて複合部と
非複合部との境界部分の接合強度の低下の問題を
回避し、最大応力が発生する位置が第1図におい
てBの点となるようにし、十分な安全が確保でき
るようにしている。
3図において矢印で示すような分布になり、ボス
間面13とピン穴11とのエツジ部分Aの応力が
最大となる。従つてこのようなピストン10は、
ピン穴11の最も奥の部分から破壊を生ずること
になる。そこで本実施例に係るピストン10にお
いては、第1図に示すように、ピン穴面11とボ
ス間面13との交わる部分に傾斜面あるいはテー
パ穴15を形成し、これらの傾斜面あるいはテー
パ穴15とピン穴11の面との交点が複合部分に
位置するようにしている。これによつて複合部と
非複合部との境界部分の接合強度の低下の問題を
回避し、最大応力が発生する位置が第1図におい
てBの点となるようにし、十分な安全が確保でき
るようにしている。
このような構成によつて、ピン穴11の複合強
化は十分に達成可能であるが、より以上の効果を
上げるために、ピン穴11のボス間面13側の部
分をテーパ部とし、このテーパ部15のピン穴1
1の直線部分の交わる部分を複合部に位置するよ
うにし、ピストン10が軽負荷の状態で運転され
ているときには、ピン穴11のテーパ部15とピ
ストンピンとは接触せず、最大負荷運転時におい
てピストンピンがピン穴11のテーパ部15とわ
ずかに接触し、ピン穴11およびピストンピンに
かかる応力を分担するようにしている。なおテー
パ部15に生ずる応力は、非複合部の許容限度を
下回るような形状にすることが望ましい。このよ
うにピン穴11と一部をテーパ部15とする場合
には、このテーパ部15のピストンピンの軸線方
向の長さを、ピン穴11の全長の2分の1〜10分
の1とするとともに、テーパの角度を5〜30分の
範囲とするものが好ましい。
化は十分に達成可能であるが、より以上の効果を
上げるために、ピン穴11のボス間面13側の部
分をテーパ部とし、このテーパ部15のピン穴1
1の直線部分の交わる部分を複合部に位置するよ
うにし、ピストン10が軽負荷の状態で運転され
ているときには、ピン穴11のテーパ部15とピ
ストンピンとは接触せず、最大負荷運転時におい
てピストンピンがピン穴11のテーパ部15とわ
ずかに接触し、ピン穴11およびピストンピンに
かかる応力を分担するようにしている。なおテー
パ部15に生ずる応力は、非複合部の許容限度を
下回るような形状にすることが望ましい。このよ
うにピン穴11と一部をテーパ部15とする場合
には、このテーパ部15のピストンピンの軸線方
向の長さを、ピン穴11の全長の2分の1〜10分
の1とするとともに、テーパの角度を5〜30分の
範囲とするものが好ましい。
そしてこのようにピン穴11の一部分がボス間
面13側でピストンピンと接触しない構造とする
と、ピストン10の頂部側の応力が変化し、特に
直接噴射式デイーゼルエンジンにおける凹部18
から成る燃焼室のエツジの部分は、ピン穴11の
方向で引張り応力が、またこれに対して直角方向
で圧縮応力が増加することが確認されている。従
つてこのような応力による破壊を防止するため
に、ピストンの頂部の部分を強化材19によつて
複合強化するようにしている。なおこの複合強化
は、強化材19が上側の2つのリング溝19,2
0の補強をも兼ねるように行なわれている。
面13側でピストンピンと接触しない構造とする
と、ピストン10の頂部側の応力が変化し、特に
直接噴射式デイーゼルエンジンにおける凹部18
から成る燃焼室のエツジの部分は、ピン穴11の
方向で引張り応力が、またこれに対して直角方向
で圧縮応力が増加することが確認されている。従
つてこのような応力による破壊を防止するため
に、ピストンの頂部の部分を強化材19によつて
複合強化するようにしている。なおこの複合強化
は、強化材19が上側の2つのリング溝19,2
0の補強をも兼ねるように行なわれている。
つぎに上記実施例の変形例を第4図につき説明
する。ピン穴11の複合部の非複合部との境界が
ボス間面13より大きく離れた場合には、第4図
に示すように、ボス間面13側の穴径を大きくし
て大径部24を形成するようにすればよい。この
大径部24と正規の穴径の交点25を強化材14
による複合部に位置するようにする。この場合に
ピストン10が静止状態、あるいは無負荷状態で
は非複合部および非複合部と複合部との境界にピ
ストンピンが接触しない構造となる。そして運転
中においても、ピントンピンとピン穴11の非複
合部が接触しないだけの隙間を保つように大径部
24の直径を設定するのが好ましい。またこの変
形例においては、ピストン10の頂部の燃焼室1
8のエツジの部分にのみ強化材19を配するよう
にしており、リング溝21,22については特に
複合強化を行なつていない。
する。ピン穴11の複合部の非複合部との境界が
ボス間面13より大きく離れた場合には、第4図
に示すように、ボス間面13側の穴径を大きくし
て大径部24を形成するようにすればよい。この
大径部24と正規の穴径の交点25を強化材14
による複合部に位置するようにする。この場合に
ピストン10が静止状態、あるいは無負荷状態で
は非複合部および非複合部と複合部との境界にピ
ストンピンが接触しない構造となる。そして運転
中においても、ピントンピンとピン穴11の非複
合部が接触しないだけの隙間を保つように大径部
24の直径を設定するのが好ましい。またこの変
形例においては、ピストン10の頂部の燃焼室1
8のエツジの部分にのみ強化材19を配するよう
にしており、リング溝21,22については特に
複合強化を行なつていない。
つぎに複合材を溶接によつて固定するようにし
た変形例について述べると、例えば第5図に示す
ように、アルミニウム合金製のピストン10のピ
ンボス部12およびピン穴11に溶接によつて複
合材14を固定する場合には、ボス間面13から
2〜5mmピストン10の外周側に入つた位置に複
合材14をセツトする。そして外周側から溶接部
分28を電子ビーム溶接によつて固定するととも
に、ピン穴11の部分から溶接部29を電子ビー
ム溶接によつて固定する。またこの変形例におい
ては、ピン穴11のボス間面13側に面取り30
を施すようにしており、これによつて非複合部と
複合部との境界部がピストンピンと接触しないよ
うにしている。
た変形例について述べると、例えば第5図に示す
ように、アルミニウム合金製のピストン10のピ
ンボス部12およびピン穴11に溶接によつて複
合材14を固定する場合には、ボス間面13から
2〜5mmピストン10の外周側に入つた位置に複
合材14をセツトする。そして外周側から溶接部
分28を電子ビーム溶接によつて固定するととも
に、ピン穴11の部分から溶接部29を電子ビー
ム溶接によつて固定する。またこの変形例におい
ては、ピン穴11のボス間面13側に面取り30
を施すようにしており、これによつて非複合部と
複合部との境界部がピストンピンと接触しないよ
うにしている。
溶接の方法をより単純化するためには、第6図
に示すような構造とすればよい。この場合には、
断面が直角三角形となるような強化材14を用い
てピン穴11の部分を複合強化するようにしてい
る。そしてピストン10の外周側から、斜めに溶
接部31の部分を溶接することによつてこの強化
材14の固定を行なうようにしている。従つてこ
の場合には、ピン穴11の部分からの溶接が不要
になり、溶接の工程が単純化される。さらにこの
変形例においては、ピン穴11の内周面であつて
ボス間面13側の部分に曲面加工32を施すよう
にしており、これによつて複合部と非複合部との
境界部がピストンピンと接触しない構造にしてい
る。このような構造または摩擦溶接法にも好適と
なる。
に示すような構造とすればよい。この場合には、
断面が直角三角形となるような強化材14を用い
てピン穴11の部分を複合強化するようにしてい
る。そしてピストン10の外周側から、斜めに溶
接部31の部分を溶接することによつてこの強化
材14の固定を行なうようにしている。従つてこ
の場合には、ピン穴11の部分からの溶接が不要
になり、溶接の工程が単純化される。さらにこの
変形例においては、ピン穴11の内周面であつて
ボス間面13側の部分に曲面加工32を施すよう
にしており、これによつて複合部と非複合部との
境界部がピストンピンと接触しない構造にしてい
る。このような構造または摩擦溶接法にも好適と
なる。
ピン穴11の複合部の非複合部との境界部がピ
ストンピンと接触しないような構造を採用するた
めに、ピン穴11の内周面のボス間面13側の形
状を工夫する代わりに、第7図に示すように、ピ
ストンピン35の形状を工夫してもよい。すなわ
ちこの変形例においては、ピストンピン35の外
周面に局部的にテーパ部36を形成するようにし
ており、このテーパ部36がピン穴11のボス間
面13側のエツジおよび強化材14の複合部と非
複合部との境界部に対応するようにしている。従
つてこのような構成によれば、ピン穴11をスト
レートな形状としても、非複合部と複合部との境
界部がピストンピンと接触することがなくなる。
ストンピンと接触しないような構造を採用するた
めに、ピン穴11の内周面のボス間面13側の形
状を工夫する代わりに、第7図に示すように、ピ
ストンピン35の形状を工夫してもよい。すなわ
ちこの変形例においては、ピストンピン35の外
周面に局部的にテーパ部36を形成するようにし
ており、このテーパ部36がピン穴11のボス間
面13側のエツジおよび強化材14の複合部と非
複合部との境界部に対応するようにしている。従
つてこのような構成によれば、ピン穴11をスト
レートな形状としても、非複合部と複合部との境
界部がピストンピンと接触することがなくなる。
つぎに上記実施例に係るピストン10について
複合強化の効果を調べる実験を行なつた結果につ
いて説明する。直径が100mmの直接噴射型デイー
ゼルエンジン用ピストンを溶湯鍛造の方法を用い
て製造した。そして第1図に示すように、ピン穴
11の回りおよび燃焼室18のエツジの部分から
リング溝21の部分までを容積比が15%の炭化珪
素ウイスカ(Si CW)成形体でそれぞれ複合強
化した。このようなピストン10のピン穴11の
複合部分は、ボス間面13からピストン10の外
周側に2.5mm入つた位置を内側の非複合部分との
境界とし、外周側については、リテーナリング溝
16の中心を境界部分としている。そしてピン穴
11の直径方向の複合部分の厚さを5mmとし、ピ
ン穴11の周囲全体を取巻くようにした。またピ
ン穴11のプロフイルは、テーパ部15の長さを
7mm、角度を12分に仕上げた。また頂面側の強化
材19の厚さは10mmとしている。
複合強化の効果を調べる実験を行なつた結果につ
いて説明する。直径が100mmの直接噴射型デイー
ゼルエンジン用ピストンを溶湯鍛造の方法を用い
て製造した。そして第1図に示すように、ピン穴
11の回りおよび燃焼室18のエツジの部分から
リング溝21の部分までを容積比が15%の炭化珪
素ウイスカ(Si CW)成形体でそれぞれ複合強
化した。このようなピストン10のピン穴11の
複合部分は、ボス間面13からピストン10の外
周側に2.5mm入つた位置を内側の非複合部分との
境界とし、外周側については、リテーナリング溝
16の中心を境界部分としている。そしてピン穴
11の直径方向の複合部分の厚さを5mmとし、ピ
ン穴11の周囲全体を取巻くようにした。またピ
ン穴11のプロフイルは、テーパ部15の長さを
7mm、角度を12分に仕上げた。また頂面側の強化
材19の厚さは10mmとしている。
このようなピストン10を第8図に示す疲れ試
験装置を用いて評価を行なつた。この疲れ試験装
置はベース40のケーシング41とからなり、ケ
ーシング41内にピストン10を配するようにし
ている。そしてピストン10の外周側をシールす
るために、ケーシング41とピストン10との間
にはシールリング42が装着されるようになつて
いる。またベース40の突部43に形成された横
孔44にピストンピン45が嵌合されており、こ
のピストンピン45がピストン10のピン穴11
に嵌合されてピストン10とベース40とを結合
している。
験装置を用いて評価を行なつた。この疲れ試験装
置はベース40のケーシング41とからなり、ケ
ーシング41内にピストン10を配するようにし
ている。そしてピストン10の外周側をシールす
るために、ケーシング41とピストン10との間
にはシールリング42が装着されるようになつて
いる。またベース40の突部43に形成された横
孔44にピストンピン45が嵌合されており、こ
のピストンピン45がピストン10のピン穴11
に嵌合されてピストン10とベース40とを結合
している。
このような装置にサーボバルブ46,47を介
して、オイルポンプ48で加圧されたオイルを供
給することによつて、ピストン10の上側と下側
とにそれぞれ第9図において実線および点線で示
す圧力を加えるようにした。まず複合強化を行な
わないピストンの場合には、+210Kg/cm2と−20
Kg/cm2の圧力を所定のサイクルで加えた場合が限
界であつた。また従来の方法でピン穴の部分の複
合強化を施こしたピストンにおいては、ボス間面
に染色深傷でわずかに認められる複合不良部分を
有している。これを240Kg/cm2で試験した結果、
ピン穴やボスの亀裂は認められないが、複合不良
部分の一部が欠落寸前であり、試験装置の油圧系
統が破損する危険があるために、試験を中止し
た。実際にエンジンに組込んだ場合にはトラブル
が予想されることになる。
して、オイルポンプ48で加圧されたオイルを供
給することによつて、ピストン10の上側と下側
とにそれぞれ第9図において実線および点線で示
す圧力を加えるようにした。まず複合強化を行な
わないピストンの場合には、+210Kg/cm2と−20
Kg/cm2の圧力を所定のサイクルで加えた場合が限
界であつた。また従来の方法でピン穴の部分の複
合強化を施こしたピストンにおいては、ボス間面
に染色深傷でわずかに認められる複合不良部分を
有している。これを240Kg/cm2で試験した結果、
ピン穴やボスの亀裂は認められないが、複合不良
部分の一部が欠落寸前であり、試験装置の油圧系
統が破損する危険があるために、試験を中止し
た。実際にエンジンに組込んだ場合にはトラブル
が予想されることになる。
これに対して上記実施例による試作のピストン
10では、260Kg/cm2で所定サイクルの試験後ま
つたく異常が認められなかつた。またこの試作ピ
ストン10では、ピン穴11のテーパ加工の影響
で、燃焼室18のエツジのピン穴11の直角方向
の最大圧縮応力が標準品の−2.5Kgf/mm2から−
3.8Kgf/mm2増加している。しかし炭化珪素ウイ
スカを用いた強化材19による複合強化によつ
て、このような応力は十分にカバーすることがで
き、全く問題がないことが確認されている。
10では、260Kg/cm2で所定サイクルの試験後ま
つたく異常が認められなかつた。またこの試作ピ
ストン10では、ピン穴11のテーパ加工の影響
で、燃焼室18のエツジのピン穴11の直角方向
の最大圧縮応力が標準品の−2.5Kgf/mm2から−
3.8Kgf/mm2増加している。しかし炭化珪素ウイ
スカを用いた強化材19による複合強化によつ
て、このような応力は十分にカバーすることがで
き、全く問題がないことが確認されている。
以上本発明を図示の一実施例およびその変形例
につき述べたが、本発明はこれらの実施例や変形
例によつて限定されることなく、本発明の技術的
思想に基いて各種の変更が可能である。例えば本
発明を実施するにあたつて、その複合部分を特に
応力の高いピン穴上部のみに設けたり、応力の変
化に大じて変化させたりすることが可能である。
またピストンピンと非接触部をピン穴上面のみと
したり、それぞれの組合せを行なうことが容易に
考えられる。また本発明の形状において、ピスト
ンピンとヒン穴の非接触部を潤滑油の補給経路の
一部または全部として利用することや、ピストン
ピンとピン穴の非接触部と接触部との境界部分の
みを複合強化することも本発明の変形として考え
られることになる。またピストンピン穴の潤滑や
ピンの変形に対応する手段、例えばサイドカツ
ト、油孔、油溝等を組合せるのを妨げることがな
い。
につき述べたが、本発明はこれらの実施例や変形
例によつて限定されることなく、本発明の技術的
思想に基いて各種の変更が可能である。例えば本
発明を実施するにあたつて、その複合部分を特に
応力の高いピン穴上部のみに設けたり、応力の変
化に大じて変化させたりすることが可能である。
またピストンピンと非接触部をピン穴上面のみと
したり、それぞれの組合せを行なうことが容易に
考えられる。また本発明の形状において、ピスト
ンピンとヒン穴の非接触部を潤滑油の補給経路の
一部または全部として利用することや、ピストン
ピンとピン穴の非接触部と接触部との境界部分の
みを複合強化することも本発明の変形として考え
られることになる。またピストンピン穴の潤滑や
ピンの変形に対応する手段、例えばサイドカツ
ト、油孔、油溝等を組合せるのを妨げることがな
い。
〓発明の効果〓
以上のように本発明は、複合部分がボス間面に
露出しない構造とし、ピストンピンと結合された
場合に、無負荷の状態でピン穴のボス間面側の非
複合部および非複合部と複合部との境界部がピス
トンピンと接触しないようにピン穴の形状または
ピストンピンの形状を構成したものである。従つ
てこのような構造によれば、強化材の接合不良を
防止し、あるいは複合部と非複合部との境界部の
接合強度の低下に伴う問題を解消して複合強化の
効果を最大限に発揮し得る。また、ピン穴の一部
に局部的に大きた応力が発生するのを防止するこ
とが可能になる。
露出しない構造とし、ピストンピンと結合された
場合に、無負荷の状態でピン穴のボス間面側の非
複合部および非複合部と複合部との境界部がピス
トンピンと接触しないようにピン穴の形状または
ピストンピンの形状を構成したものである。従つ
てこのような構造によれば、強化材の接合不良を
防止し、あるいは複合部と非複合部との境界部の
接合強度の低下に伴う問題を解消して複合強化の
効果を最大限に発揮し得る。また、ピン穴の一部
に局部的に大きた応力が発生するのを防止するこ
とが可能になる。
第1図は本発明の一実施例に係る内燃機関用ピ
ストンの一部を拡大して示す要部縦断面図、第2
図は同ピンボス部の正面図、第3図〜第7図は変
形例に係るピストンの要部拡大縦断面図、第8図
はピストンの疲れ試験装置を示す縦断面図、第9
図はこの疲れ試験装置に加えられる圧力の変化を
示すグラフである。 なお図面に用いた符号において、10……ピス
トン、11……ピン穴、12……ピンボス、13
……ボス間面、14……強化材、15……テーパ
部、18……凹部(燃焼室)、19……強化材、
20,21……リング溝である。
ストンの一部を拡大して示す要部縦断面図、第2
図は同ピンボス部の正面図、第3図〜第7図は変
形例に係るピストンの要部拡大縦断面図、第8図
はピストンの疲れ試験装置を示す縦断面図、第9
図はこの疲れ試験装置に加えられる圧力の変化を
示すグラフである。 なお図面に用いた符号において、10……ピス
トン、11……ピン穴、12……ピンボス、13
……ボス間面、14……強化材、15……テーパ
部、18……凹部(燃焼室)、19……強化材、
20,21……リング溝である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ピン穴の部分を強化材によつて複合強化する
ようにしたピストンにおいて、複合部がボス間面
に露出しない構造とし、ピストンピンと結合され
た場合に、無負荷の状態でピン穴のボス間面側の
非複合部および非複合部と複合部との境界部が前
記ピストンピンと接触しないようにピン穴の形状
またはピストンピンの形状を構成したことを特徴
とする内燃機関用ピストン。 2 前記ピン穴のボス間面側をテーパ状に構成
し、前記テーパ状の部分と前記ピン穴の直線部分
の交わる部分が強化材による複合部に位置するよ
うにしたことを特徴とする特許請求の範囲第1項
に記載の内燃機関用ピストン。 3 ボス間面側のピン穴の直径をピストンピンの
直径よりも大きく構成し、ピストンピンと嵌合さ
れるピン穴の直径の部分と交わる部分が強化材に
よる複合部に位置するようにしたことを特徴とす
る特許請求の範囲第1項に記載の内燃機関用ピス
トン。 4 ピン穴とともにピストン頂部が複合強化され
るようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第
1項〜第3項の何れかに記載の内燃機関用ピスト
ン。 5 このピストンが溶湯鍛造、鋳包み、溶接の何
れかの方法で製造されることを特徴とする特許請
求の範囲第1項〜第3項の何れかに記載の内燃機
関用ピストン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2663186A JPS62184274A (ja) | 1986-02-07 | 1986-02-07 | 内燃機関用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2663186A JPS62184274A (ja) | 1986-02-07 | 1986-02-07 | 内燃機関用ピストン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62184274A JPS62184274A (ja) | 1987-08-12 |
| JPH0357302B2 true JPH0357302B2 (ja) | 1991-08-30 |
Family
ID=12198795
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2663186A Granted JPS62184274A (ja) | 1986-02-07 | 1986-02-07 | 内燃機関用ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62184274A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102006015586A1 (de) | 2006-04-04 | 2007-10-11 | Mahle International Gmbh | Bolzennaben eines Kolbens für einen Verbrennungsmotor |
| DE102007027329A1 (de) * | 2007-06-14 | 2008-12-24 | Ks Kolbenschmidt Gmbh | Kolbenbolzenbuchse |
| DE102007060473A1 (de) * | 2007-12-14 | 2009-06-18 | Mahle International Gmbh | Bolzennabe sowie damit versehener Kolben für einen Verbrennungsmotor |
| DE102012022913A1 (de) | 2012-11-23 | 2014-05-28 | Mahle International Gmbh | Kolben für einen Verbrennungsmotor |
-
1986
- 1986-02-07 JP JP2663186A patent/JPS62184274A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62184274A (ja) | 1987-08-12 |
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