JPH0361681B2 - - Google Patents

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JPH0361681B2
JPH0361681B2 JP55020646A JP2064680A JPH0361681B2 JP H0361681 B2 JPH0361681 B2 JP H0361681B2 JP 55020646 A JP55020646 A JP 55020646A JP 2064680 A JP2064680 A JP 2064680A JP H0361681 B2 JPH0361681 B2 JP H0361681B2
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JP
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emulsan
oil
apo
acid
emulsans
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JP55020646A
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JPS55112201A (en
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Eru Gutonitsuku Deiuitsudo
Roozenbaagu Yuujin
Berusukii Aigaru
Zoshimu Jinaida
Shabutai Yosefu
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PETORORYUUMU FUAAMENTEISHONZU NV
Original Assignee
PETORORYUUMU FUAAMENTEISHONZU NV
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Publication date
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Publication of JPH0361681B2 publication Critical patent/JPH0361681B2/ja
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アシネトバクター種
(Acinetobacter Sp.)ATCC31012により製造さ
れる細胞外微生物多糖類(以下、一般的に「エマ
ルザン類」という。)に関し、特にこの微生物お
よびその変異体または組換体により製造される新
規なクラスの細胞外微生物蛋白質会合リポ多糖類
(以下、一括して「α−エマルザン類」という。)
および該α−エマルザン類の製造方法に関するも
のである。本発明は、さらにこのようなエマルザ
ン類から得られる除蛋白リポ多糖類(以下、一括
して「アポエマルザン類」という。)ならびにこ
のようなエマルザン類およびアポエマルザン類の
二価金属、アンモニウムおよび第四級アンモニウ
ム塩に関するものである。エマルザン類およびア
ポエマルザン類ならびにそれらの各塩をも含めて
これらの細胞外微生物多糖類は、今までに発見さ
れたものの中で最も有効な水中油型乳化剤であ
り、かつ脂肪族および芳香族または環状成分を含
めてこれらの炭化水素基質の乳化に新鮮な水また
は海水中で非常に高い特性を有しており、その性
質は油汚染容器、油付着物処理および化学的フラ
ツデイングによる増加油の回収において優れた生
体乳化剤として理想的な用途をなす。 本発明は、さらに残渣油または炭化水素質残渣
が燃料用としてあるいは精油用として回収される
ような方法でタンカー、はしけ、貯蔵タンク、タ
ンク車およびタンクローリーのような油汚染容
器、パイプラインおよび原油または石油留分を輸
送あるいは貯蔵するために使用される他の油汚染
容器の洗浄に関するものである。本発明は、アシ
ネトバクター種ATCC31012により製造される新
規なクラスの細胞外微生物リポ多糖類(α−エマ
ルザン類)またはその変異体または組換体を用い
て、油汚染容器から残渣石油または原油も含めて
炭化水素質残渣を洗浄し、油が回収され得る前記
炭化水素質残渣の水性水中油型エマルジヨンを生
成するための改良方法を提供するものである。重
量−重量基準でα−エマルザン類は、恐らく最も
有効な乳化剤であり、かつこのような油汚染容器
中に見出される炭化水素質残渣のタイプに対する
乳化において極めて高い特性を有している。 種々の石油分解微生物が発見され、炭化水素で
増殖して水中油型エマルジヨンを生成している。
これらのエマルジヨンは、元来微生物学的なもの
であり、また細胞自身または細胞外乳化剤の生成
のいずれかにより介在する。例えば、n−デカン
に対するマイコバクテリウム・ロドクラス
(Mycobacterium rhodochrous)NCIB9905の生
長は、R.S.Holdomら〔J.Appl.Bateriol.,32
448(1969)〕により非イオン系洗浄であるべきと
報告されている乳化要因を生じる。 J.Iguchiら〔Agric Biol.Chem.,33,1657
(1969)〕は、カンジダ・ペトロフイリウム
(Candida petrophilium)がペプチドおよび脂肪
酸分よりなる乳化剤を生成することを発見し、一
方、T.Suzukiら〔Agric.Biol.Chem.,33,1619
(1969)〕は、スルスロバクター
(Arthrobacter)、ブレヴイバクテリウム
(Brevibacterium)、コリネバクテリウム
(Corynebacterium)およびノルカルジア
(Norcardia)の種々の菌種の培養ブロスの油相
中でトレハローズ脂質を見出している。 トルロプシス・グロペンジーセリ
(Torulopsis gropengicssri)は、ソフオローズ
脂質を生ずることが見出され、一方、ラムノ脂質
はシユードモナス・アエルギノーザ
(Pseudomonas aeruginosa)菌種S7B1により生
成することがK.Hisatsukaら〔Agric.Bjol.
Chem.,35,686(1971)〕により、また他のシユ
ードモナス・アエルギノーザ菌種KY4025により
生成することがS.Itohら〔Agric.Biol.Chem.,
36,2233(1971)〕により報告されている。灯油に
対するコリネバクテリウム・ハイドロカーボラス
タス(Corynebacterium hydrocarbolastus)の
生成は、他の性質として灯油、バンカーC燃料油
および他の燃料油を乳化する細胞外ヘテロ多糖類
を生成することがJ.E.Zajicおよびその協力者
〔Dev.Ind.Microbiol.,12,87(1971);
Biotechnol.Bioeng.,14,331(1972);
Chemosphere,,51(1972);Crit.Rev.
Microbiol.,,39(1976);米国特許第3997398
号〕により報告されている。 米国特許第3941692号において、本発明者らは
アルスロバクター(Arthrobacter)種RAG−1
〔これはAmerican Type Culture Collectionに
寄託してアルスロバクター種(Arthrobacter
Sp.)ATCC31012として指定され、かつ現在アシ
ネトバクター種として知られ、アシネトバクター
種(Acinetobacter Sp.)ATCC31012として再
指定されている。さらに、これは、特許手続上の
微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条
約に基づく国際寄託である。〕の使用について記
載し、添加された栄養源を含有する海水を用いて
油汚染タンク内の油状廃液について好気的に前記
微生物を生長させることにより前記タンクの各室
を洗浄することを開示している。 さらに、この微生物による原油の微生物分解に
関する研究〔Appl.Microbiol.,24,363(1972);
Appl.Microbiol.,30,10(1975)〕は、RAG−1
が恐らく油滴を微小単位に解体するのに作用し、
これにより細胞集団の増加に必要な新たな表面種
をつくり出す細胞外乳化剤を製造することにより
指数増殖の間に油を乳化することを示している。
1973年9月2〜7日に開催され第1回国際細菌学
総会(1st International Congress for
Bacteriology)〔Int.Assoc.Microbiol.Soc.
Abstracts,第巻第201頁〕において、本発明
者らはこの細胞外乳化剤が海水中で0.4%のヘキ
サデカン、0.075Mの尿素および5.8mMの二塩基
性リン酸カリウムにより増殖するRAG−1の定
常期培養株から部分的に精製されることを報告し
た。この部分的に精製された細胞外乳化剤は極度
に透析し、ついで原油(crudeoil)の重量当り40
倍の安定な水中油型エマルジヨンを形成し得る乾
燥粉末の培養液のml当り0.25mgを生じる無細胞発
酵ブロスを親油化することにより得られる。 しかしながら、この課題に関して数多くの報文
があるにもかかわらず、油の微生物的に誘発され
る乳化は機械的ならびに目的論的な点からあまり
よく理解されていない。微生物は、付随する油の
乳化のあるなしにかかわらず増殖用基質として原
油を使用できる。細胞外乳化剤の生成のために乳
化が起るような個所では、一般に調合剤は活性成
分と同定できるに充分なだけは精製されない。要
するに、これらの細胞外生物的乳化剤のいずれも
がよく知られておらず、その化学的性質、作用の
モードまたは生物学的要因について極めて僅かに
知られているだけである。 本発明は、アシネトバクター種
(Acinetobacter Sp.)ATCC31012により製造さ
れる生物的乳化剤に関するさらに多くの研究を行
なつて得られた発見の一部に基づいており、最も
重要な発見はつぎのとおりである。 第1に、原油(crude oil)またはヘキサデカ
ンについてアシネトバクター種ATCC31012(菌種
RAG−1としても知られている。)の増殖により
予め製造されたアシネトバクター生物的乳化剤は
細胞外微生物蛋白質会合リポ多糖類(以下、本発
明者らは「β−エマルザン」といい、一般的「プ
ロトエマルザン類」を与える。)であり、このう
ちでリポ多糖類は多量のD−ガラクトースアミン
およびアミノウロン酸から構成されるN−および
O−リポアシル化ヘテロ多糖類であり、該リポヘ
テロ多糖類のO−リポアシル部分は2〜3重量%
の種々の脂肪酸エステルを含有し、(a)該脂肪酸は
約10〜約18個の炭素原子を有し、かつ(b)このよう
な脂肪酸の50重量%以下は2−ヒドロキシドデカ
ン酸および3−ヒドロキシドデカン酸より構成さ
れている。 第2に、主たる同化できる炭素源としてのエタ
ノールについてアシネトバクター種ATCC31012
の増殖は明らかに異なる細胞外微生物蛋白質会合
リポ多糖類(以下、本発明らは「α−エマルザン
類」という。)を生成し、このリポ多糖類は多量
のD−ガラクトースアミンおよびアミノウロン酸
から構成されるが、リポヘテロ多糖類のO−リポ
アシル部分は少なくとも5重量%、(またよりし
ばしば7〜14重量%、かつ時々19重量%程度)の
種々の脂肪酸エステルであり、(a)該脂肪酸は約10
〜約18個の炭素原子を有し、通常低級エステルプ
ロトエマルザン類とは異なる割合で分布してお
り、かつ(b)このような脂肪酸の50重量%以上は2
−ヒドロキシドデカン酸および3−ヒドロキシド
デカン酸より構成されている。 第3に、α−エマルザン類よりむしろα−エマ
ルザン類も同様に主たる同化できる炭素源として
の1種または数種の脂肪酸塩を含有する発酵媒体
についてアシネトバクター種ATCC31012を増殖
させることにより製造される。 第4に、α−エマルザンは種々の原油およびガ
ス油の乳化により効果的であり、ある場合には
(バンカーC燃料油の乳化のように)、β−エマル
ザン類が効果を持たないような安定なエマルザン
類を有効に生成する。 第5に、α−エマルザン類およびα−エマルザ
ン類の両者は種々の炭化水素の乳化に特性を示
す。 第6に、エマルザン類の除蛋白によりすべての
乳化活性はそれぞれのN−およびO−リポアシル
ヘテロ多糖類にある(以下、本発明者らは通常
「アポエマルザン類」といい、特にこのような除
蛋白誘導体を生成する特別なエマルザンにより
「アポ−α−エマルザン」または「アポ−β−エ
マルザン」という。)。 第7に、マイルドな条件下でα−エマルザンお
よびβ−エマルザンの塩基加水分解は、α−エマ
ルザン類の乳化活性の約50%を保持する一般の誘
導体(以下、本発明者らは「ψ−エマルザン類」
といい、一般的「シユードエマルザン類」を与え
る。)を生じ、ψ−エマルザン類の構造はN−ア
シル化ポリ〔D−ガラクトースアミン/アミノウ
ロン酸〕であり、(a)その脂肪酸エステルの量は多
糖類の0〜1重量%であり、また(b)N−アシル基
の部分は3−ヒドロキシドデカノイル基である。 第8に、強力な条件下でα−エマルザンおよび
β−エマルザンの塩基加水分解は乳化活性を有さ
ずかつ構造的には部分N−アシル化ポリ〔D−ガ
ラクトースアミン/アミノウロン酸〕である誘導
体を生じる。 第9に、α−エマルザン、アポ−α−エマルザ
ン、アポ−β−エマルザン、ψ−エマルザンおよ
びプロエマルザンと同様な型式でクロス反応して
β−エマルザンに対して調製される抗体は、エマ
ルザンおよびその除蛋白および部分脱アシル化誘
導体が、ポリ〔D−ガラクトースアミン/アミノ
ウロン酸〕重合体である重合体骨格とほぼ同じ骨
格を有することを示す。 第10に、エマルザン類およびその相当する除蛋
白誘導体は、塩化ナトリウムの高濃度には影響さ
れないが、少量(1〜100mM、好ましくは5〜
40mM)の少なくとも1種の二価のカチオン、例
えばマグネシウム、カルシウムまたはマンガンを
炭化水素基質に対する乳化剤として有効に機能す
るために必要とし、この二価カチオンは海水、同
性質の水および大抵の硬水に存在するが軟水に添
加しなければならない。 第11に、重量基準でエマルザンには極めて有効
な水中油型乳化剤であり、特にこれらの特異な細
胞外微生物多糖類を油汚染容器、油付着物処理お
よび化学的フラツデイングによる増加油の回収に
おいて広く使用できるようにするという確かな特
性を有しており、 最後に、このエマルザンおよびその除蛋白およ
び脱アシル化誘導体はアルミノケイ酸塩イオン交
換体に強固に吸着され、またカオリンおよびベン
トナイトのような種々のアルミノケイ酸クレーの
凝集を助けるのに使用される通常有効な生物凝集
剤である。 これらの知見に基づいて、本発明は、 (a) アシネトバクター種(Acinetobacter Sp.)
ATCC31012またはその変異体により製造され
る細胞外微生物蛋白質会合リポ多糖類(以下、
一括して「α−エマルザン類」という。)で、
該リポ多糖類成分(以下、一括して「アポ−α
−エマルザン類」という。)は多量のD−ガラ
クトースアミンおよびアミノウロン酸から構成
されるN−およびO−リポアシル化ヘテロ多糖
類であり、該アポ−α−エマルザン類は少なく
とも5重量%の脂肪酸エステルを含有し、(1)そ
の脂肪酸は約10〜約18個の炭素原子を有し、か
つ(2)このような脂肪酸の約50重量%以上は2−
ヒドロキシドデカン酸および3−ヒドロキシド
デカン酸であり、 (b) アシネトバクター種ATCC31012またはその
変異体により製造されるα−エマルザンから得
られる除蛋白細胞外微生物リポ多糖類(以下、
一括して「アポ−α−エマルザン類」という。)
で、該アポ−α−エマルザン類は多量のD−ガ
ラクトースアミンおよびアミノウロン酸から構
成され完全にN−アシル化されかつ部分的にO
−アシル化されたヘテロ多糖類であり、該アポ
−α−エマルザン類は少なくとも5重量%の脂
肪酸エステルを含有し、(1)はその脂肪酸は約10
〜約18個の炭素原子を有し、かつ(2)このような
脂肪酸の約50重量%以上は2−ヒドロキシドデ
カン酸および3−ヒドロキシドデカン酸であ
り、 (c) アシネトバクター種ATCC31012またはその
変異体により製造されるβ−エマルザン類から
得られる除蛋白細胞外微生物多糖類(以下、一
括して「アポ−β−エマルザン類」という。)
で、該アポ−β−エマルザン類は多量のD−ガ
ラクトースアミンおよびアミノウロン酸から構
成され完全にN−アシル化されかつ部分的にO
−アシル化されたヘテロ多糖類であり、該アポ
−β−エマルザン類は5重量%以下の脂肪酸エ
ステルを含有し、(1)その脂肪酸は約10〜約18個
の炭素原子を有し、かつ(2)このような脂肪酸の
50重量%未満は2−ヒドロキシドデカン酸およ
び3−ヒドロキシドデカン酸であり、 (d) アシネトバクター種ATCC31012またはその
変異体により製造されるエマルザン類から得ら
れるO−脱アシル化細胞外蛋白質会合微生物多
糖類(以下、一括して「ψ−エマルザン類」と
いう。)で該ψ−エマルザン類の無蛋白成分は
多量のD−ガラクトースアミンおよびアミノウ
ロン酸から構成されかつ0〜1重量%の脂肪酸
エステルを含有し、存在する場合にはその脂肪
酸は約10〜約18個の炭素原子を有する完全にN
−アシル化されたヘテロ多糖類であり、 (e) α−エマルザン類、β−エマルザン類、ψ−
エマルザン類、アポ−α−エマルザン類または
アポ−β−エマルザン類のいずれかから誘導さ
れる除蛋白O−脱アシル化細胞外微生物多糖類
(以下、一括して「アポ−ψ−エマルザン類」
という。)で、該アポ−ψ−エマルザン類は多
量のD−ガラクトースアミンおよびアミノウロ
ン酸より構成されかつ0〜1重量%の脂肪酸エ
ステルを含有し、存在する場合にはその脂肪酸
は約10〜約18個の炭素原子を有する完全にN−
アシル化されたヘテロ多糖類であり、 (f) α−エマルザン類、β−エマルザン類、ψ−
エマルザン類、アポ−α−エマルザン類、アポ
−β−エマルザン類またはアポ−ψ−エマルザ
ン類のいずれかから誘導される除蛋白O−脱ア
シル化細胞外微生物多糖類(以下、一括して
「プロエマルザン類」という。)で、該プロエマ
ルザン類は(1)ヒドロキシ基のいずれもアシル化
されておらずかつ(2)アミノ基が全くアシル化さ
れていないのから全てアシル化されているのま
であるポリ〔D−ガラクトースアミン/アミノ
ウロン酸〕生体重合体であり、および、 (g) 前記α−エマルザン類、アポ−α−エマルザ
ン類、アポ−β−エマルザン類、ψ−エマルザ
ン類、アポ−ψ−エマルザン類およびプロエマ
ルザン類の二価金属、アンモニウムおよび第四
級アンモニウム塩、よりなる群から選ばれた
種々の新規なクラスの細胞外微生物リポ多糖類
およびその誘導体を提供するものである。 本発明は、さらに約10mcg/ml〜約20mg/ml
の前α−エマルザン類および約1〜約100mMの
少なくとも1種の二価カチオンを含有する海水ま
たは淡水の水溶液よりなる乳化剤を提供するもの
である。ここに含まれているデータを用いて、本
発明の乳化剤は他の事柄のうちで、(1)タンカー、
はしけ、貯蔵タンク、タンク車およびタンクロー
リー、パイプラインおよび他の容器からの残渣石
油を含めて炭化水素質残渣の洗浄用、(2)海に浮遊
しまたは海岸を洗浄しまたは陸地に堆積している
油付着物の洗浄用および(3)化学的フラツデイング
法、特に砂または砂岩また石灰石累層に位置して
いる石油貯蔵所について油の強化回収用に利用で
きる。 本発明はまた、微生物学的に(使用する微生物
に関係なく)または半合成法(酵素活性によるご
とき)により製造されるポリアニオン性ヘテロ多
糖類生体重合体を企図するものであり、(a)庶糖部
分の実質的にすべてがN−アシル化アミノ庶糖で
あり、その一部はN−アシル化D−ガラクトース
アミンで他の部分はアミノウロン酸であり(D−
ガラクトースアミン−アロン酸、D−グルコース
アミンウロン酸のごとき)、該ヘテロ多糖類のN
−アシル基の一部はN−(3−ヒドロキシドデカ
ノイド)基であり、また(b)該ヘテロ多糖類のmg当
り少なくとも0.2ミクロモル、好ましくは約0.5〜
約0.75ミクロモルは脂肪酸エステルよりなり、(1)
その脂肪酸は約10〜約18個の炭素原子を有し、か
つ(2)約50重量%以上の脂肪酸は2−ヒドロキシド
デカン酸および3−ヒドロキシドデカン酸より構
成されている。 これらの発見に基き、本発明は、(A)増殖維持量
のエタノールまたは1種以上の脂肪酸を含有する
水性発酵培地にアシネトバクター種ATCC31012
またはその変異体を接続し、(B)追加量のエタノー
ルまたは脂肪酸塩を添加して増殖を維持しながら
細胞外微生物蛋白会合リポ多糖類(以下、一括し
て「α−エマルザン類」という。)を生成するに
充分な時間前記発酵培地内で前記微生物を好気増
殖させ、該α−エマルザン類のリポ多糖類成分
(以下、一括して「アポ−α−エマルザン類」と
いう。)は多量のD−ガラクトースアミンおよび
アミノウロン酸より構成される完全にN−アシル
化されかつ部分的にO−アシル化されたヘテロ多
糖類であり、該アポ−α−エマルザン類は少なく
とも5%のO−置換脂肪酸エステルを含有し、(1)
該脂肪酸は約10〜約18個の炭素原子を有し、また
(2)約50重量%以上の前記脂肪酸は2−ヒドロキシ
ドデカン酸および3−ヒドロキシドデカン酸より
構成されているものである細胞外微生物リポ多糖
類の製造方法を提供するものである。 本発明は、さらに約10mcg/ml〜約20mg/ml
の前記α−エマルザン類および約1〜約100mM
の少なくとも1種の二価カチオンを含有する海水
または淡水の水溶液よりなる無細胞乳化剤を提供
するものである。ここに含まれているデータを用
いて、本発明方法により製造されるこれらの乳化
剤は他の事柄のうちで、(1)タンカー、はしけ、貯
蔵タンク、タンク車およびタンクローリー、パイ
プラインおよび他の容器からの残渣石油を含めて
炭化水素質残渣の洗浄用、(2)海に浮遊しまたは海
岸を洗浄しまたは陸地に堆積している油付着物の
洗浄用および(3)化学的フラツデイング法、特に砂
または砂岩または石灰石累層に位置している石油
貯蔵所について油の強化回収(enhaned
recovery)に利用できる。 本発明は、また(a)(1)約10mcg/ml〜約20mg/
mlのアシネトバクター種ATCC31012またはその
変異体により製造される細胞外微生物蛋白質会合
リポ多糖類(以下、一括して「α−エマルザン
類」という。)を含有し、該リポ多糖類成分(以
下、一括して「アポ−α−エマルザン類」とい
う。)は多量のD−ガラクトースアミンおよびア
ミノウロン酸より構成されるN−およびO−リポ
アシル化ヘテロ多糖類であり、該アポ−α−エマ
ルザン類は少なくとも5重量%の脂肪酸エステル
を含有し、(i)該脂肪酸は約10〜約18個の炭素原子
を有し、かつ(ii)50重量%以上の脂肪酸は2−ヒド
ロキシドデカン酸および3−ヒドロキシドデカン
酸であり、また(2)約5mM以上の少なくとも二価
のカチオンを含有し、これにより炭化水素質残渣
の水中油型エマルジヨンを生成する海水または淡
水の水溶液よりなる乳化剤で容器の油汚染表面を
洗浄し、(b)洗浄した容器から該水中油型エマルジ
ヨンを除去することを特徴とする原油または種々
の石油留分を輸送または貯蔵するのに使用される
油で汚染したタンカー、はしけ、貯蔵タンク、タ
ンク車、タンクローリー、パイプラインおよびそ
の他の容器からの残渣油を含めて炭化水素質残渣
を洗浄する方法を提供するものである。本発明の
このような見地は、油−水分離器のような種々の
回収システムに関する改良された洗浄方法の使用
を企図するもので、これによりこのような水中油
型乳化剤から炭化水素質残渣が回収できる。 1 命名法 新規な用語が、アシネトバクター種
(Acinetobacter Sp.)ATCC31012またはその変
異体から誘導される種々のタイプの細胞外微生物
多糖類およびその半合成誘導体を同定しかつ参照
するために本明細書において使用されている。こ
れらの用語は、つぎに定義されているように「エ
マルザン類」、「α−エマルザン類」、「β−エマル
ザン類」、「ψ−エマルザン類」、「アポエマルザン
類」、「アポ−α−エマルザン類」、「アポ−β−エ
マルザン類」、「アポ−ψ−エマルザン類」および
「プロエマルザン類」である。 これらの化合物の多糖類の構造および生物学的
に製造される物質の例外的な乳化活性を表わす名
称「エマルザン類」は、アシネトバクター種
ATCC31012またはその変異体により製造される
細胞外微生物蛋白質結合リポ多糖類を総括的に同
定するために創造されたもので、これはさらにα
−エマルザン類とβ−エマルザン類とに分類でき
る。名称「アポエマルザン類」(その接頭語は
「から(from)」を意味するギリシヤ語のαποから
導かれている。)は、該エマルザン類から得られ
る除蛋白リポ多糖類を総括的に同定するために創
造されたものである。 名称「α−エマルザン類」は、アシネトバクタ
ー種ATCC31012またはその変異体により製造さ
れる細胞外微生物蛋白質会合リポ多糖類を定義
し、該リポ多糖類成分(すなわち、結合蛋白質の
ないもの)は、多量のD−ガラクトースアミンお
よびアミノウロン酸より構成される完全にN−ア
シル化されかつ部分的にO−アシル化されたヘテ
ロ多糖類であり、該リポ多糖類成分は少なくとも
5重量%の脂肪酸エステルを含有し、(1)その脂肪
酸は約10〜約18個の炭素原子を有し、かつ(2)約50
重量%以上の脂肪酸は2−ヒドロキシドデカン酸
および3−ヒドロキシドデカン酸より構成されて
いる。したがつて、以下、除蛋白α−エマルザン
類を「アポ−α−エマルザン類」と命名する。 名称「β−エマルザン類」は、アシネトバクタ
ー種TACC31012またはその変異体により製造さ
れる細胞外微生物蛋白質会合リポ多糖類を定義す
るもので、該リポ多糖類成分(すなわち、結合蛋
白質のないもの)は多量のD−ガラクトースアミ
ンおよびアミノウロン酸より構成され完全にN−
アシル化されかつ部分的にO−アシル化されたヘ
テロ多糖類であり、該リポ多糖類成分は少なくと
も5重量%の脂肪酸エステルを含有し、(1)その脂
肪酸は約10〜約18個の炭素原子を有し、かつ(2)約
50重量%未満の脂肪酸は2−ヒドロキシドデカン
酸および3−ヒドロキシドデカン酸より構成され
ている。除蛋白β−エマルザン類は「アポ−β−
エマルザン類」と命名する。 名称「ψ−エマルザン類」はエマルザン類から
得られるO−脱アシル化された細胞外蛋白結合微
生物多糖類を定義するもので、該ψ−エマルザン
類の無蛋白成分は多量のD−ガラクトースアミン
およびアミノウロン酸より構成される完全にN−
アシル化されたヘテロ多糖類であり、0〜1%の
脂肪酸エステルを含有し、存在する場合には該脂
肪酸は約10〜約18個の炭素原子を有している。こ
れらの無蛋白成分はその製法に関係なく「アポ−
ψ−エマルザン類」と命名する。 名称「プロエマルザン類」は、除蛋白O−脱ア
シル化細胞外微生物多糖類を定義するもので、こ
のポリ〔D−ガラクトースアミン/アミノウロン
酸〕生体重合体は、(1)ヒドロキシ基のいずれもが
アシル化され、また(2)アミノ基が全くアシル化さ
れていないものから全てアシル化されることによ
り特徴づけられる。このプロエマルザンは、下記
の標準検定法で乳化活性を有していない。 ここに記載したデータから、原油またはヘキサ
デカンに対してRAG−1の増殖に関して以前に
発表した実験において本質的に生成する生体乳化
剤がβ−エマルザン類であり、そのリポ多糖類が
2〜3重量%の脂肪酸エステルを含有しているこ
とは知られている。したがつて、β−エマルザン
類は一般名「プロトエマルザン類」(その接頭語
は「第一(first)」を意味するギリシヤ語の
προτοからきている。)と命名される。 このα−エマルザン類は一般名「ネオエマルザ
ン類」を与えられ、その接頭語は「新(new)」
を意味するギリシヤ語のηεοτから来ている。 ここに使用するように、「アシネトバクター種
(Acinetobacter Sp.)ATCC31012またはその変
異体は、後述する微生物(すなわち、菌株RAG
−1)およびエマルザン類を生成するその任意か
つ化学的ならびに物理的に誘発される変異体およ
び組換体だけでなく、菌種RAG−1から遺伝情
報を挿入する組換体DNA技術および、最初の同
化性炭素源および微生物の増殖に使用される条件
によりα−エマルザン類またはβ−エマルザン類
(またはアポエマルザン類)を生合成し得るよう
な「再結合」微生物のDNA−基準遺伝コードに
生体乳化剤の生産をなし得る菌種を参照するもの
である。 2 α−エマルザン類およびアポ−α−エマルザ
ン類の製造 α−エマルザン類は、(a)エタノールまたは、微
生物が増殖するだけでなく低エステルβ−エマル
ザンよりも所望の高エステルα−エマルザンを生
成する1種以上の脂肪酸塩から選ばれた増殖維持
量の使用できる炭素源、(b)微生物に対してこれら
の必須栄養分を供給するための増殖維持量以上の
少なくとも1種の同化性窒素含有化合物および増
殖維持量以上の少なくとも1種の同化したリン含
有化合物、および(c)存在しない場合には発酵培地
に添加しなければならないマグネシウム、カルシ
ウムまたはマンガンのごとき約1〜約100mMの
二価カチオンを含有する水性発酵培地に関してア
シネトバクター種ATCC31012またはその変異体
を好気的に増殖することにより製造できる。一
方、アポ−α−エマルザン類は、リポヘテロ多糖
類が分解しないような方法でα−エマルザン類の
除蛋白化により製造される。 この発酵方法は淡水または海水培地のいずれか
を用いて回分式または連続式発酵装置内で自動ま
たは手動制御で行なわれる。適当な発酵装置は、
最も低い運転コストでバイオマスに最も有効な酸
素を与えるように設計して作られる。撹拌タンク
発酵装置の他に、他のタイプの発酵装置、例えば
薄いチヤンネル発酵器、管状ループ発酵器、フイ
ルム発酵器、再循環塔発酵器、デイープシヤフト
発酵器およびジエツト発酵器が使用でき、最も重
要な基準は発酵法における効率、特に酸素移動お
よび動力消費の点である。 α−エマルザン類およびアポ−α−エマルザン
類の生産および精製の最も重要な工程パラメータ
は、以下に詳述する。 2.1. アシネトバクター種ATCC31012 利用できる炭素源からのネオエマルザン類およ
びプロトエマルザン類の両者を製造するのに使用
される微生物はアシネトバクター種TACC31012
(菌種RAG−1としても知られている。)であり、
これはメリーランド州ロツクヴイル(Rockville)
のアメリカン、タイプ、カルチヤー、コレクシヨ
ン(American、Type Culture Collection)に
以前に寄託されている。A.Reisfeldら(Appl.
Microbiol.,24,363(1972)ならびに米国特許第
3941692号)により記載されているこの微生物は、
つぎの特性を有している。 指数増殖用の間細胞は、主として0.9〜1.2×1.5
〜3.0mcm(mcm=10-6m)の不規則な短いロツ
ドを思われる。この細胞はスナツピングデイビジ
ヨンを示すV−形ペアとしてしばしば起る。時た
まこのロツドは僅かに湾曲または膨潤している。
直経約1.2mcmのココイド細胞(coccoidcell)は
定常期培養の特性である。このコクシはグラム陽
性であり、ロツドはグラム陰性である。 寒天コロニー:直径5.0mm以下の円形、光沢性
で平滑である。ゼラチンは液化される。殿粉は加
水分解しない。インドールおよび過酸化水素は発
生しない。硝酸カリウムを含有するクエン酸塩培
地内で細胞が増殖する場合のみ硝酸塩から亜硝酸
塩が生成する。ウレアーゼは生成しない。カタラ
ーゼ陽性。好気性。うさぎ血栓の溶血現象。クエ
ン酸塩は唯一の炭素およびエネルギー源として作
用。グルコース、セルロース、マルトース、ラク
トース、ラムノース、シユークロースまたはマニ
トールからの酸なし。最適温度30〜35℃。 発酵を指示するのに用いられる接種物の量は使
用される発酵装置のタイプによる。回分式の撹拌
発酵における最適結果のためには、増殖は同様な
発酵条件下に、好ましくは約1〜約5容量%の発
酵培地で遅い指数培養で開始されるべきである。 2.2 発酵培地 2.2.1 利用可能な炭素源 菌種RAG−1が炭素源を補充した海水寒天培
地で多くの異なる炭素化合物について増殖するこ
とがさきにA.Horowitzら〔Appl.Microbiol.,
30,10(1975)〕により報告されているとはいえ、
このような増殖が、高エステルα−エマルザン類
よりもはるかに少なくいかなるアシネトバクター
生体乳化剤(製造される場合には、通常指数増殖
相の間に生成する。)を前記微生物が生成するか
否かは無関係である。さらに、微生物が細胞外リ
ポ多糖類を生成する場合には、利用できる炭素源
の構造と細胞外リポ多糖類がこのような炭素源か
ら生合成されるタイプとの間には、それが高エス
テルα−エマルザン類または低エステルβ−エマ
ルザン類であろうが相互関係はないものと思われ
る。例えばエタノール、パルミチン酸ナトリウム
またはドデカンでのアシネトバクター種
ATCC31012の増殖は、エタノール培地でリポヘ
テロ多糖類のリポアシル部分において高いエステ
ル含量を有するα−エマルザン類を生じ、また各
炭素源でα−エマルザン類を生成し、一方ペンタ
デカン、ヘキサデカンまたはヘプタデカンを用い
た実質的に同一な条件下の微生物の増殖ではβ−
エマルザン類を生成するだけである。一般に、利
用できる炭素源が微生物によりα−エマルザン類
に転換されうる場合、培地の1当りの細胞リポ
多糖類の全収量は、異なる炭素源からβ−エマル
ザン類を微生物が生成する場合より大きくなる。 本発明においては、エタノールまたは1種以上
の脂肪酸塩が主として同化し得る炭素源である水
性発酵培地についてアシネトバクター種
ATCC31012またはその変異体の増殖によりα−
エマルザン類が製造される。このような脂肪酸塩
としては、デカン酸(カプリン酸)、ドデカン酸
(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、
ヘキサデカン酸(パルミチン酸)およびオクタデ
カン酸(ステアリン酸のような同化性飽和脂肪
酸、モノエタノイドおよびジエタノイド脂肪酸を
含む不飽和のC10〜C18脂肪酸、2−ヒドロキシド
デカン酸、3−ヒドロキシドデカン酸および12−
ヒドロキシオレイン酸(リシノレイン酸)のよう
なヒドロキシ置換脂肪酸がある。さらに、ラード
のキン化からから誘導される混合脂肪酸、水豆
油、ピーナツ油、綿実油、サワフラワー油、ココ
ナツツ油、ひまし油、カシ油および種々の魚油ま
たは海洋哺乳動物油が使用できる。 エタノールまたは脂肪酸塩を含有する培地での
アシネトバクター種ATCC31012の好気性増殖に
より製造されるα−エマルザン類は、通常脂肪族
およ芳香族ないし環式成分の両者を含めて(原
油、ガス油およびバンカーC燃料油のような)炭
化水素基質の乳化に高い特性を示す有効な生体乳
化剤である。回分式撹拌発酵装置において最良の
結果を得るには、最初の培地は、微生物によるα
−エマルザン類の生産が増殖相に間に起ることが
見出されたので、最大増殖およびα−エマルザン
類生産を維持するに充分な割合で発酵を行なう間
に添加される脂肪酸塩を補ないながら、約1〜約
5重量%の1種以上の脂肪酸塩を含有すべきであ
る。 2.2.2 追加栄養源 α−エマルザン類を製造するための利用可能な
炭素源についてのアシネトバクター種
ATCC31012の最大増殖は、増殖維持量の1種以
上の同化性窒素含有化合物を必要とし、微生物が
多量のアミノ糖を含有する生体重合体を増殖させ
かつ生産し得るようにこの必須栄養源を与える。
また、リン含有化合物も同様な必須栄養源であ
る。 利用可能な窒素の好適源としては、硫酸アンモ
ニウムまたは塩化アンモニウムのようなアンモニ
ウム塩、硝酸アンモニウムまたは硝酸ナトリウム
のような硝酸塩、または尿素または大豆粉のよう
な利用可能な窒素の有機源がある。利用可能なリ
ンの好適源としては、二塩基性リン酸カリウム、
一塩基性リン酸カリウム等がある。さらに、12−
6−6または8−8−8のような液状肥料もアシ
ネトバクター種ATCC31012の増殖用窒素および
リン栄養源として使用できる。 2.2.3 二価カチオン 後述する第4.2頁のデータに示すように、アシ
ネトバクター生体乳化剤の両タイプの乳化活性は
PH6以上のマグネシウムイオン、カルシウムイオ
ン、マンガンイオン等のような二価カチオンに基
づく。これらの二価カチオンは、発酵培地が海水
または硬水から調製される場合には、これらに存
在する。淡水または蒸留水が発酵培地の調製に使
用される場合には、この発酵培地に少量の1種ま
たはそれ以上の二価カチオンを添加すべきであ
り、その濃度は得られる培地が少なくとも1種の
二価カチオンに対して約1〜約100mM(好ましく
は約5〜約40mM)含有するようにすべきであ
る。 2.3 発酵処理条件 α−エマルザン類を製造するための利用可能な
エタノールまたは脂肪酸塩炭素源によるアシネト
バクター種ATCC31012の最大増殖は、最も高度
に可能な酸素移動が微生物の生理に応じて得られ
るようなエアレーシヨン、撹拌、温度およびPHの
最良条件の選定を要求する。下記の議論は、従来
の60の撹拌式発酵装置内でエタノールまたはパ
ルミチン酸ナトリウム培地からエマルザン類を高
収率で常に得るために本発明者らが見出した最良
の条件である。これらの条件は、最も低い動力消
費量でより効果的な酸素移動を与えるように特別
に設計されかつ製作された発酵装置内での大規模
生産によりより高い収率が得られるように僅かな
変更または大幅な変更を加えることができる。も
ちろん、この方法を最適化するためのこれからの
作業は、(a)アシネトバクター種ATCC31012およ
びその変異体の生理の機能である基質の消費、(b)
(i)拡散が起る表面積をできるだけ大きくすること
により(すなわち、大きなガスのホールドアツプ
をつくり出すために液相中にできるだけこまかく
ガス相を分散させるために)、(ii)拡散の駆動力を
増大させることにより(例えば、発酵装置内の圧
力を増大させるかまたは酸素富化空気を使用する
ことにより、)また(iii)拡散定数をできるだけ大き
くすることにより(すなわち、化学的消泡剤を使
用して拡散定数の減少を少なくすることにより)
影響される細胞への酸素拡散の機能である酸素の
消費、および(C)スケールアツプした場合に適切に
設計された冷却系である発熱量に集中している。 2.3.1 エアレーシヨン 発酵培地を満した60の撹拌式発酵装置および
後述する第9.1項に記載した条理条件を用いて、
189.6ミリモル/・hrの酸素流通量に相当する
15/分の空気を40の発酵培地に通過させたと
きにα−エマルザン類の最大生産が起つた。この
酸素流通速度は制限されるものではないが、必要
により、さらに効果的に設計された発酵装置では
700ミリモル/・hrまたはそれ以上に高くする
こともできる。 2.3.2 撹 拌 細胞集団に対する酸素の拡散を最大にするため
には、使用する発酵装置の形式に応じて培地を該
発酵装置内で撹拌するかあるいは循環させる必要
がある。発酵培地を満した60の撹拌式発酵装置
および後述する第9.1項に記載した処理条件を用
いて、250rpmの回転数で培地を撹拌してα−エ
マルザン類の最大生産を生じた。この値は制限さ
れるものではないが、最も低い動力消費割合で最
大酸素移動を達成するようにより効果的に設計さ
れた発酵装置内で変えることができる。 2.3.3 温度およびPH この発酵方法は広い温度範囲内で実なうことが
できるとはいえ、最良結果は、発酵が30℃で行な
われる場合のエマルザン類の製造において得られ
る。発酵培地のPHは、充分な塩基(好ましくはア
ンモニア)の添加を必要とする指数増殖相の間に
6〜7、好ましくは6.2〜6.7に保つべきである。 2.3.4 胞泡 脂肪酸を炭素源として使用してα−エマルザン
類を製造するアシネトバクター種ATCC31012の
撹拌式槽発酵は、常に発泡問題を伴ない、これは
リポ多糖類の収率を低下させる。数多くのタイプ
の化学消泡剤が発酵培地中で使用できるとはい
え、化学消泡剤を添加する場合には拡散定数をで
きるだけ高く保つことを非常に注意しなければな
らない。発酵培地を満した60の撹拌装置および
後述の第9.1項に記載する他の処理処件を用いて、
α−エマルザン類の最大生産は1:8に希釈され
たシリコーン消泡剤、好ましくはダウコーニング
(Dow−Corning)525(消毒できる)のパルス添
加(常に泡水準は所定の高さに達する。)を行な
つたときに生ずる。この発酵法をスケールアツプ
すると、化学的方法と機械的方法との結合が、α
−エマルザン類がアシネトバクター種
ATCC31012およびその変異体から製造される栄
養源溶液の消泡に最適結果を与えることが期待さ
れる。 2.4 エマルザン類の細胞外製造 アシネトバクター種ATCC31012により製造さ
れる両タイプの細胞外リポ多糖類(α−エマルザ
ン類およびβ−エマルザン類)についてのデータ
は下記のとおりであり、これら生体重合体の類似
点と相違点とが理解されるであろう。微生物によ
り製造される細胞外リポ多糖類の特定のタイプが
名称により同定されない限り、「アシネトバクタ
ー生体乳化剤」の用語は一括してα−エマルザン
類およびβ−エマルザン類の両者をいう。 2.4.1 乳化活性用標準検定法 アシネトバクター種ATCC31012により製造さ
れる生体乳化剤の動力学を研究し、またα−エマ
ルザン類およびβ−エマルザン類の乳化活性を比
較するために、これらの生体乳化剤の一連の簡単
な成性検定を行なつた。これらの検定は水相で炭
化水素のエマルジヨンから生じる油および水の混
合物の濁度の大幅な増加に基づくものである。 最初の検定法としては、標準化条件下で海水中
のガス−油の乳化およびつづいて行なう濁度の測
定がある。海水がマグネシウム塩(第4.2項参照)
の希釈溶液で検定方法を換え得ることが見出され
た場合には、第2の検定法はPH7.2で10mMの硫
酸マグネシウム中でガス−油の乳化を含めて開発
された。最後に、生体乳化剤が異なるクラスの炭
化水素基質(第5項参照)に対して特性値を示す
ことが見出された場合には、全体として定義され
た条件は、ガス−油の代りにヘキサデカンと2−
メチルナフタリンの混合物を用い海水の代りに硫
酸マグネシウム(または塩化マグネシウム)で緩
衝して開発された。 各検定方法は、炭化水素(0.05mlのガス−油ま
たは0.1mlの1:1(v/v)ヘキサデカン/2−
メチルナフタリン)を125mlのフラスコにml当り
1〜25単位の生体乳化剤(約3〜75mcg/mlの
生体乳化剤)を含有する0.5mlの過海水または
トリス−Mg緩衝剤〔10mMの硫酸マグネシウム
で補充されたPH7.2の20mMのトリス−(ヒドロキ
シメチル)アミノメタンハイドロクロライド〕に
添加することよりなる。26℃1時間にわたつて往
復振動(150ストローク/分)したのち、フラス
コの内容物はグリーンフイルターを備えたクレツ
ト−サマーソン(Klett Summerson)比色計内
で濁度を測定するためのクレツト(Klett)管に
移した。水中で適当な希釈を行ない、最終の続み
は30〜150クレツト単位であり、最終読み時間と
して報告されているクレツト単位値は希釈に合わ
せる。生体乳化剤を含有しないコントロールの値
(5〜20クレツト単位)は減少する。ml当りの生
体乳化剤の1単位は、0.1mlの1:1(v/v)ヘ
キサデカン/2−メチルナフタリンおよび7.5ml
のトリス−Mg緩衝剤を使用する100クレツト単
位を生じる活性の量として定義される。特定の乳
化活性(または特定活性)は、乾燥基準で生体乳
化剤のmg当りの単位である。 第1図は、三つの全検定法が往復振動している
フラスコ内で1.0%(v/v)、0.125%の尿素、
0.125%の硫酸マグネシウム〔MgSO4・7H2O〕、
0.0002%の硫酸鉄〔FeSO4・7H2O〕、0.001%の塩
化カルシウム(無水)、0.025%の二塩基性リン酸
カリウムおよび0.2MのトリスHCl緩衝剤を含有
する培地で30℃でPH7.4でアシネトバクター種
ATCC31012を増殖により製造されるα−エマル
ザンに適用される場合に得られる標準曲線を図示
するものである。このような曲線の作成に使用さ
れるα−エマルザンの調製品はmg当り330単位の
特定乳化活性を有している。曲線1−Aは0.05ml
のガツチ−サラン(Gach−Saran)ガス−油と
7.5mlの過海水の間の乳化の量の関係を表わし、
曲線1−Bは0.05mlのガツチ−サランガス−油と
7.5mlのトリス−Mg緩衝剤の間の乳化の量の関係
を表わし、また曲線1−Cは0.1ml1:1(v/
v)ヘキサデカン/2−メチルナフタリンと7.5
mlのトリス−Mg緩衝剤の間の乳化の量の関係を
表わし、すべてはα−エマルザン濃度の関数とし
てである。第1図における各点は3〜4回の測定
値の平均を表わしている。これらの標準曲線は粗
製または精製エマルザン類(α−エマルザン、β
−エマルザンおよび半合成ψ−エマルザン)およ
びアポエマルザン類(アポ−α−エマルザン、ア
ポ−β−エマルザンおよびアポ−ψ−エマルザ
ン)の調製品の乳化活性の測定に使用された。α
−エマルザンまたはβ−エマルザンとしての特定
のアシノバクター生体乳化剤の特性は、蛋白質抽
出リポ多糖類のリポアシル部分に含まれている脂
肪酸エステルの化学分折に基づいている。 2.4.2 α−エマルザン類の細胞外製造 細胞外乳化活性の測定は、エタノール培地にお
けるアシネトバクター種ATCC31012の増殖の異
なる段階で行なわれ、発酵条件は標準検定試験用
に用いられたα−エマルザンを製造するのに用い
たものと同じである。増殖はグリーンフイルター
を備えたクレツト−サーマソン比色計またはジル
フオード(Gilford)分光光度計を用いて濁度に
より測定された。指数的に増殖したアシネトバク
ター種ATCC31012の100クレツト単位は、620nm
(1−cmライトパス)における0.816の吸収および
1当り0.37gのバイオマス(90℃で16時間乾
燥)に相当した。 第2図は、増殖の間に生体乳化剤(α−エマル
ザン)を製造するエタノール培地でのアシネトバ
クター種ATCC31012の増殖と増殖中のPH変化と
の関係を示し、すべて時間の関数としてである。
これらのデータは特定のエタノール培地で振動フ
ラスコ発酵においてα−エマルザンの製造に限ら
れるとはいえ、第2図はα−エマルザンの製造が
増殖期間中に行なわれるという一般則を示すもの
である。同様なデータがパルミチン酸ナトリウム
培地でアシネトバクター種ATCC31012の増殖に
ついても得られた。 2.4.3 β−エマルザン類の細胞外製造 細胞外乳化活性の測定はヘキサデカン培地にお
けるアシネトバクター種ATCC31012の増殖の異
なる段階で行なわれ、培地および発酵条件は炭素
源としてエタノールの代りに0.2%(v/v)の
ヘキサンデカン培地を用いた以外は標準検定試験
に用いられたβ−エマルザンを製造するのに用い
たものと同じである。生存細胞数は、0.5%の酢
酸ナトリウム、0.1%のイースト抽出油(Difco)、
0.125%の尿素、0.025%の二塩基性リン酸カリウ
ムおよび1.5%の寒天(Difco)を含有するACYE
寒天を適当に希釈することにより測定される。プ
レートは32℃で3日間培養した。 第3図は、ヘキサデカン培地でのアシネトバク
ター種ATCC31012の増殖と該増殖中の生体乳化
剤(β−エマルザン)の製造との関係を示す。第
3図に含まれているデータは、特定のヘキサデカ
ン培地で振とうフラスコ発酵におけるβ−エマル
ザンの製造に同様に限られており、また増殖中に
生じるβ−エマルザンの製造を示す。 2.4.4 増殖培着のフラクシヨンにおける乳化活
性の分布 第4.3.2項および第4.3.3項においてそれぞれ前
述のごとくエタノール培地およびヘキサデカン培
地におけるアシネトバクター種ATCC31012の40
時間培養後、各培養株を10000×gで15分間遠心
分離し、またそのプレツトを一度トリス−Mg緩
衝で洗浄した。ヘキサデカン培養株の遠心分離中
に生成する菌膜は除去され、活性検定前に増殖培
地で2回洗浄した。エタノールおよびヘキサデカ
ン増殖培養株の各フラクシヨンにおける乳化活性
は、第2.4.1項において前述し、第1図に図示し
た標準検定法により検定した。この検定結果を第
1表に示す。 【表】 第1図に含まれているデータは、75%以上の活
性がエタノールが基質の場合に細胞外であり、一
方、すべての測定可能な活性がアシネトバクター
種ATCC31012がヘキサデカン培地で増殖する場
合に細胞外であることを示している。ペレツトフ
ラクシヨンと結合した少量の活性は変り得る。す
なわち、ある場合には測定し得る細胞結合活性は
測定できないことが見出された。音波発振による
ペレツトフラクシヨンの破壊はさらに乳化活性を
与えない。 2.5 除蛋白 アポエマルザン類は、特定のエマルザン類の除
蛋白により製造される。その技術は、下記の両ア
シネトバクター生体乳化剤の化学的特性化用試料
を分離しかつ精製することを用いる。会合した蛋
白質は、R.L.Whistler編のモノグラフである
「Carbohydrate Chemistry」(Academic Press,
Inc.,New York)第83〜91頁にO.Westphalら
により記載されている熱フエノール抽出法により
両生体乳化剤から分離できる。別法としては、蛋
白質は蛋白質消化により酵素的に除去できる。 2.6 分離および精製 アシネトバクター種ATCC31012により製造さ
れる細胞外蛋白質会合リポ多糖類およびそれらに
相当する除蛋白誘導体は、選択的沈殿法、選択的
溶媒抽出法または分離法または固体吸着剤への選
択的吸着法およびその後の溶出または抽出を含め
て種々の方法により分離および精製できる。多く
の工業的用途には、細胞を含まない増殖培地が直
接使用できるので、アシネトバクター生体乳化剤
の分離および精製は不要である。これらの構造な
らびに化学的および物理的性質、特に乳化活性に
ついて測定する場合には、アシネトバクター種
ATCC31012により製造されたα−エマルザン類
およびβ−エマルザン類は分離されかつ精製され
た。つぎの三つの異なる方法が行なわれた。すな
わち、(a)発酵培地から粗製細胞外リポ多糖類のヘ
プタン分離、ついで行なわれるヘプタン分離生体
重合体およびその後の処理物からの不純物の抽
出、(b)硫酸アンモニウムによる細胞外リポ多糖類
の沈殿、ついで行なわれる該沈殿の処理、および
(c)第四級アンモニウムカチオン洗剤による細胞外
リポ多糖類の沈殿、ついで行なわれる沈殿の処理
がある。これらの方法は、アポ−α−エマルザン
類およびアポ−β−エマルザン類の分離および精
製に等しく利用できる。 2.6.1 ヘプタン分離 アシネトバクター生体乳化剤は乳化され得る
(第5項参照)構造的に異なるタイプの炭化水素
基質について特異性を示すので、ある水不混和性
炭化水素は安定なエマルジヨンを生成することな
く発酵培地から細胞外リポ多糖類の選択的抽出に
使用できる。説明として、エーテル抽出できる無
細胞培養培地のヘプタン抽出は、ヘプタン/水界
面で90%以上の細胞外リポ多糖類を懸濁してい
た。ヘプタンの蒸発後、好ましくはさらにエーテ
ルで溶媒抽出した後、得られる生成物は50%水性
メタノールに可溶な粘性シロツプであり、その不
純物は透析により除去されまた残りの物質は新油
化により回収された。ヘプタン分別法を使用する
代表例では、得られる精製されたβ−エマルザン
類はmg当り205単位の比活性により特徴づけられ
るものであつた。 2.6.2 硫酸アンモニウム沈殿 発酵プロスに対する硫酸アンモニウムの添加
は、濃縮物が回収され、またさらに不純物を除去
する培養培地から細胞外リポ多糖類を分別沈殿す
るのに使用される。説明として、無細胞の表面液
体に硫酸アンモニウムを添加すると、硫酸アンモ
ニウムの濃度が30%飽和から40%飽和の最初濃度
に増大する場合に実質的にすべての細胞外リポ多
糖類の沈殿を生じる。遠心分離により集められる
生成沈殿はエーテルで抽出して不純物を除去し、
水に対して透析し、新油化して精製した細胞外リ
ポ多糖類を生じる。この硫酸アンモニウム沈殿法
を使用する代表例において、精製したα−エマル
ザンはmg当り330単位の比活性により特徴づけら
れるものである。 2.6.3 第四級アンモニウム沈殿 アシネトバクター種ATCC31012で製造された
細胞外リポ多糖類はアニオン性生体重合体である
ことが見出されたので、セチルトリメチルアンモ
ニウムプロマイトのようなカチオン性洗剤でこの
アニオン性生体重合体を沈殿することを開発し、
沈殿した洗剤カチオンは精製した細胞外リポ多糖
類を残す間に分離される。例えば、α−エマルザ
ンの水溶液にセチルトリメチルアンモニウムブロ
マイドを添加すると、遠心分離または過により
回収できる沈殿を生成する。この沈殿は0.1Mの
硫酸ナトリウムに可溶であり、この溶液から沃化
カリウムの添加により表面液体中にα−エマルザ
ンを残してセチルトリメチルアンモニウムアイオ
ダイドを沈殿する。蒸留水でこの表面液体を透析
したのち親油化すると、mg当り350単位の比活性
を有するα−エマルザンの高純度試料が白色固体
として生成した。 3 エマルザン類およびアポエマルザン類の化学
的ならびに物理的性質 エマルザン類およびアポエマルザン類の化学的
ならびに物理的特性は、見かけ上均質に精製した
試料について測定され、これから特性の結論とし
てこれらの特異な細胞外リポ多糖類の構造に到達
した。このような情報は、このクラスの生体乳化
剤の分子構造と種々の炭化水素基質の特異性との
間の関係をよく理解することにより得られる。 3.1 分析的特性化用試料の調製 3.1.1 エマルザン試料の調製 化学的ならびに物理的特性化に使用されるエマ
ルザン試料は、エタノール培地(α−エマルザ
ン)またはヘキサデカン培地(β−エマルザン)
についてアシネトバクター種ATCC31012を好気
的に増殖することにより調製され、また第9.8項
の例で詳述したように30〜40%の硫酸アンモニウ
ム飽和で沈殿させ、ついでエーテルで抽出し、蒸
留水に対して透析することにより精製された。α
−エマルザンの若干の試料は、第9.11項の例で詳
述したようにセチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド沈殿法を用いてさらに精製された。 3.1.2 アポエマルザン試料の調製 化学的ならびに物理的特性化に使用されるアポ
エマルザン試料は、エマルザン試料から会合蛋白
質部分を熱フエノールで抽出することにより調製
された。第8.4項および第8.5項の例で詳述した除
蛋白法は、65〜68℃に予熱したエマルザンの希薄
溶液(5mg/)を、65℃の温度に保ちながら15
分間にわたつて混合物を撹拌しながら65℃で等容
量の90%フエノールに加え、ついで水浴中で該混
合物を10℃に冷却することよりなる。得られたエ
マルジヨンは、ついで水相中のアポエマルザンか
らフエノール相中の変性蛋白質を遠心分離する。
粘性水性相をフラスコに移したのち、フエノール
層およびフエノール/水界面を水で3回以上抽出
し、ついで合わせた水抽出物を蒸留水の数回の変
更に対して非常に透析し、さらに凍結乾燥し、エ
マルザンの重量基準で85重量%のアポエマルザン
を得た。すべての乳化活性は回収エマルザンにお
けるものであつた。変性蛋白質フラクシヨン中で
は乳化活性はなかつた。 3.1.3 アポ−α−エマルザンの硫酸アンモニウ
ムフラクシヨン アポ−α−エマルザンの均質性を確実にするた
めに、除蛋白法を、アシネトバクター種
ATCC31012をエタノール培地について好気的に
増殖することにより調製され、かつ30〜40%の硫
酸アンモニウム分別により沈殿させ、ついでエー
テルで抽出し、蒸留水で透析し、親油化すること
により精製されたα−エマルザンに他の試料につ
いて繰返した。フエノール抽出を3回行なつたの
ち、合わせた水抽出物を等容量のエーテルで4回
抽出して残りのフエノールを除去した。保有され
ているいかなるエーテルも蒸発させ、粘性水相を
5℃に冷却して32.5%の硫酸アンモニウム飽和に
した。5℃で1時間放置したのち、クリヤーな透
明沈殿を集めて5000×gで5℃で30分間遠心分離
した。この方法を繰返して32.5〜35%の硫酸アン
モニウム飽和の僅かに濁つた第二の沈殿および35
〜40%硫酸アンモニウム飽和の少量の沈殿を得
た。40〜60%飽和の沈殿は生成しなかつた。 各沈殿は水に溶解し、ついで2〜5℃で蒸留
水、0.05N塩酸で24時間、2倍の蒸留水で連続的
に透析し、それぞれ得られた溶液を凍結乾燥し
た。99%以上の乳化活性のアポ−α−エマルザン
が30〜35%硫酸アンモニウム飽和で沈殿した二つ
のフラクシヨン中で見出された。これらの二つの
フラクシヨンは同様な比活性を有し、また実質的
に同一の化学組成を示した。さらに、両フラクシ
ヨンは、アウチタロニー(Ouchterlony)二次元
拡散について単一の同一バンドをそれぞれ与える
β−エマルザンに対して調製された抗体に対する
免疫拡散法により検定された。したがつて、二つ
のフラクシヨンは化学的ならびに物理的特性確認
のために合体され、合体されたフラクシヨンは使
用される場合には「アポ−α−エマルザン−
WA」として同定された。 3.1.4 アポ−α−エマルザンの第四級アンモニ
ウム塩沈殿 アポ−α−エマルザン−WAに関する分析デー
タをクロスチエツクするために、アポ−α−エマ
ルザンの他の高純度試料を、(1)エタノール培地に
ついてアシネトバクター種ATCC31012を好気的
に増殖させて調製されたα−エマルザンの他の試
料の同様な熱フエノール抽出を用い、(2)ついで生
成するアポ−α−エマルザンをセチルトリメチル
アンモニウムブロマイドで沈殿させ、0.1Mの硫
酸ナトリウム中で沈殿を溶解させ、この溶液に沃
化カリウムを添加してセチルトリメチルアンモニ
ウムアイオダイドを沈殿させることにより調製し
た。表面に乳ぶ液体の蒸留水に対する広範な透析
を行なつたのち、親油化を行なつて「アポ−α−
エマルザン−CTAB」と命名される高純度アポ
−α−エマルザンを得た。 3.2 化学的特性 3.2.1 エマルザン類およびアポエマルザン類の
化学的組成 減圧下に55℃で恒量になるまで乾燥されたα−
エマルザンおよびアポ−α−エマルザン−WA
(後者は乾燥により12.7%の水分を放出した。)の
試料についてなされたα−エマルザンおよびアポ
−α−エマルザンの元素分析を第2表に示す。 【表】 除蛋白試料(アポ−α−エマルザン−WA)は
エマルザンより明らかにN.Sおよび灰分含量が小
さい。アポ−α−エマルザン−WAのC:N:H
比は9.0:1.0:16.1と計算された。リンおよびハ
ロゲン化物の重大な量(<0.5%)はいずれの試
料にも見出せなかつた。官能基試験はカルボキシ
ル基およびエステル基に対して陽性であり、メト
キシ基およびエトキシ基に対して陰性であつた。
この重合体は、感性試験に用いられた。0.02ミク
ロモルの還元糖をmg当りに含有していた。非還元
重合体は中性またはアルカリ性条件で高温に対し
耐久性があつた。蒸留水中で100℃で2時間たつ
ても乳化活性は失われず、100℃で1時間にわた
つて1Nの水酸ナトリウムで処理しても50%に活
性が残つた。アポ−α−エマルザン−WAは酸に
対して著しく感性であり、1Nの塩酸中で100℃で
2分間でその乳化活性を50%失なつた。 PH2.5〜10.5でのアポ−α−エマルザン−WA
(40ml/4ml)の滴定は、pK′=3.05(グルクロン
酸の標準試料と同一)に相当する単一の屈曲点を
示した。アポ−α−エマルザン−WAはmg当り
0.24ミクロモルの過沃素酸塩(重合体中に少量の
グルコースの存在を示唆)を消費し、これはつづ
いて乳化活性を有しない共沈殿した細胞外多糖類
であると、硫酸アンモニウム中に存在する少量の
グルコースのために測定された。過沃素酸の吸収
は30℃でPH4.5で2時間後に止つた。この過沃素
酸塩処理材料は、アポ−α−エマルザン中にグル
コースが存在しないことをさらに示していかなる
乳化活性も失わなかつた。 3.2.2 アポエマルザンのアルカリ性加水分解 200mlのアポ−α−エマルザンを40mlの1N水酸
化ナトリウム中で4時間還流し、冷却し、40mlの
エーテルで3回抽出し、濃塩酸でPH1〜2に酸性
化し、40mlのエーテルで再び3回抽出した。酸−
エーテル抽出物は合体し、秤量フラスコ内で乾燥
し、30mg(15%)の脂肪酸を生じ、酸性化の前に
エーテルで抽出して2mg未満の乾燥物質を得た。
重合体(150mcg/mg)からの脂肪酸の回収重合
とO−エステル含量(0.65ミクロモル/mg)を合
わせて、脂肪酸に対して231の平均平衡重量を得
た。 3.2.3 アポエマルザンの酸加水分解 予備加水分解の研究を、0.01〜6.0Mに変えた
塩酸濃度で密封管内で80℃および100℃でアポ−
α−エマルザンについて行なつた。減圧下に塩化
水素を除去したのち、生成物をアミノ糖またはn
−ブタノール/ピリジン/水(6:4:3v/v)
〔溶媒A〕およびn−プロパノール/酢酸エチ
ル/水(7:1:2v/v)〔溶媒B〕中のペーパ
ークロストグラフイにより還元力を測定した。 第4図は、アポ−α−エマルザンの酸加水分解
で起る変化のグラフである。還元力の重量%は、
0.05MのHCl(下部曲線で示す。)および5Mの
HCl(上部曲線で示す。)での加水分解の持続時間
に対してプロツトしてある。加水分解は、アポ−
α−エマルザンの試料1mg/mlについて窒素雰囲
気下の封管中で行なわれた。第4図に示すよう
に、100℃における0.05Mの塩酸で最初の1時間
で約6%の還元糖を放出し、つぎの20時間では1
時間当り1%の還元糖をゆるやかな放出があつ
た。 100℃で0.05MのHCl中での27時間の加水分解
で、クロマトグラフイは二つの多量の還元スポツ
ト(後でガラクトースアミンとアミノウロン酸と
して同定した。)と一つの少量の成分(後でグル
コースとして同定した。)の存在を示した。〔N.
B.後 同CTAB−分別物質で行なつた分析研究
ではグルコースの存在はアポ−α−エマルザンの
硫酸アンモニウムフラクシヨン中に共沈殿する不
純物によるものであることを示している。〕。さら
に、極めて多量の不完全加水分解物質(残りは元
のものに近い)があつた。0.05MのHClで5時間
加水分解したのちに、クロマトグラフイにグルコ
ースのみを検出した。アミノ糖のN−アセチル化
誘導体は全く検出されなかつた。 還元糖の最大量は、5MのHCl中で100℃で30分
間アポ−α−エマルザンを加水分解することによ
り得られる。これらの条件下でも、重大量の乳化
剤が不完全に加水分解された。加水分解時間が長
いと、糖の分解がさらに起つた。グルコースに対
するアミノ糖の相対量は、重合体からのアミノ糖
の除放および遊離のグルコースの急速な分解の両
方のために、加水分解の時間に伴なつて増大し
た。硫酸アンモニウム分別されたアポ−α−エマ
ルザンの試料の加水分解は、アポ−α−エマルザ
ンのそれと同一のクロマトグラフイパターンを示
した。しかしながら、この分析が同一時間で
0.05Nおよび5NのHCl中で100℃でアポ−α−エ
マルザン−CTABの加水分解により製造された
糖について繰返される場合には、グルコースは検
出されなかつた。つい5MのHCl中で100℃で30分
間加水分解を行なうと、アポ−α−エマルザンは
37.6%の還元糖および24.4%の合計ヘキサアミン
を放出した。(両者の場合、標準としてガラクト
ースアミンを使用。)。 3.2.4. 第3表は硫酸アンモニウム分別アポ−α−エマ
ルザンの加水分解により製造された糖がD−グル
コース(多量)、D−ガラクトースアミン(多量)
およびアミノウロン酸(少量)であるという結論
を導いたデータを示すものである。未知化合物A
は溶媒AまたはB中でD−グルコースからは分離
せず、ペーパー上に直接陽性D−グルコース反応
を生じた。溶媒B中でガラクトースアミンに全く
同様に転移する未知化合物Bは陽性D−ガラクト
ースオキシダーゼ反応を与え、ニンヒドリン劣化
によりリキソース(溶媒B中でRGLC=1.49)に変
化した。未知化合物Cは還元糖、アミノ糖および
カルボキシレートイオンに対して陽性反応を与え
た。さらに、クロマトグラフイ挙動およびその2
−アミノ−2−デオキシヘキスウロン酸に対する
亜硝酸−インドール試験の両者において同様であ
つた。 【表】 ゼ
【表】 したがつて、全証拠に基づき、重合体はポリ
〔D−ガラクトースアミン/アミノウロン酸〕で
あることは確かである。存在するいかなるグルコ
ースも恐らく不純物である。 3.2.5 脂肪酸の同定 一般に、エタノール培地でアシネトバクター種
ATCC31012を好気的に増殖して調製されるα−
エマルザン類の除蛋白から誘導されるアポ−α−
エマルザン類のエステル化された脂肪酸含量は、
約7〜約15%であり、これは脂肪酸や平均当量約
200〜約230を有するO−置換脂肪酸エステルのmg
当り約0.3〜約0.7ミクロモルに相当する。α−エ
マルザンのアルカリ加水分解、酸性化およびエー
テル抽出は、脂肪酸の混合を生じ、その赤外線吸
収スペクトルは、3610cm-1(非結合O−H)、3500
cm-1(結合O−H)、1705cm-1(C=O)および
1050cm-1(C−OH)で吸収のピークを示した。
CDCl3中でのNMRスペクトルは、該混合物が主
として飽和およびヒドロキシ置換脂肪酸であるこ
とを示した。 1gのα−エマルザンの塩基加水分解は、還流
下に4時間にわたつて90%メタノール中の400ml
の2.5%水酸化カリウムの中で行なわれた。減圧
下にメタノールを除去したのち、500mlの水を加
えた。クリヤーなアルカリ性溶液を150mlのエー
テルで3回洗浄し、エーテル除去し、水溶液を塩
酸でPH2に酸性化した。ついで、この酸性溶液を
100mlのエーテルで5回抽出し、各抽出物の界面
をとつておいた。合流させた界面フラクシヨンを
アセトンで処理して蛋白質および多糖類を沈殿さ
せた。過により沈殿を、また減圧蒸留によりア
セトンを除去したのち、水性相をエーテルで再び
抽出した。合流させたエーテル抽出物を硫酸マグ
ネシウム上で乾燥した。エーテルを除去したとこ
ろ、130mg(収率13%)の脂肪酸混合物が残つた。
脂肪酸混合物のメチルエステルは、標準法により
ジアゾメタンで調製した。 この脂肪酸混合物のメチルエステルのガス液ク
ロマトグラフイは、11のピークを分離し、そのう
ちの9は既知構造の純試料の保持容量を比較する
ことにより同定できた。第4表は、エマルザンか
ら得られた脂肪酸のメチルエステルの相対保持容
量を示すものである。 【表】 【表】 中塩基加水分解によるα−エマルザンのO−脱
アシル化後に残るアセトン沈殿多糖類は、水に再
溶解し、水に対して広く透析し、親油化し、つい
で5MのHClで98℃で6時間にわたつて酸加水分
解した。水性の加水分解物はエーテルで抽出し、
そのエーテル抽出物は、脂肪酸が強酸加水分解に
よりいかに残ろうともジアゾメタンで処理してメ
チルエステルに転換させた。この物質のガスクロ
マトグラフ分析により、唯一の脂肪酸として3−
ヒドロキシドデカン酸メチルの存在が確認され
た。これは、N−(3−ヒドロキシドデカノイル)
基がψ−エマルザン中に存在することを示してい
る。 3.3 物理的特性化 予備実験は、精製α−エマルザンがセフアデツ
クス(Sephadex)G−100およびG−200で排除
されるがアミコン(Amicon)XM−30フイルタ
ーを通過しないことを示した。アポ−α−エマル
ザンがmg当り1.5ミクロモルを含有しているとい
う事実と併せると、このデータはリポ多糖類がア
ニオン性重合体であることを示唆している。物理
的特性化に関する追加データは、下記のとおりで
ある。 3.3.1 固有および換算粘度 PH7.4で0.15Mのトリス緩衝液におけるα−エ
マルザン、アポ−α−エマルザンおよびアポ−α
−エマルザンWAの分析試料の固有粘度は、それ
ぞれ470c.c./g、505c.c./gおよび750c.c./gであ
つた。三つの試料については全て、換賛粘度は
0.05〜1.0mg/mlの濃度で別個であつた。0.5mg/
mlのアポ−α−エマルザンを音波発振機
(Branson B12音波発生機)にかけて、換算粘度
420c.c./gに換算した。さらに20分かけても粘度
は減少しなかつた。イオン強度の関数としてのア
ポ−α−エマルザンの粘度を第5図に示す。0.03
〜0.15MのNaClで、換算粘度は515c.c./gから
480c.c./gに僅かに減少した。低イオン強度で換
算粘度を大幅に増大させると、高分子電解質の特
性となり対イオンの希釈に起因した。比粘度も同
様に0.05Mのクエン酸塩−リン酸塩緩衝液(PH3
〜7)と0.05MのトリスHCl緩衝液(PH6.8〜8.5)
とを用いてPHの関数として測定した。全範囲(PH
3〜8.5)にわたつて、α−エマルザンの比粘度
は480±50c.c./gであつた。 3.3.2 沈降速度分析 0.15MのNaCl中での2mg/mlのアポ−α−エ
マルザン−WAの沈降速度分析は、S20=6.06×
10-13secまたは6.06Sに相当する単一の広いバン
ドを示した。分析遠心分離で決定される拡散係数
Dは5.25×10-8cmsec-1であつた。この物質の部分
的比容積は0.712cm3-1であつた。 3.3.3 分子量の評価 式M=RTs/D(1−Vρ)(ただし、Rはガス
定数、Tは絶対温度、ρは溶液の密度である。)
からのアポ−α−エマルザンの分子量の評価は、
9.75×105の重量平均分子量であつた。別法とし
ては、分子量は固有粘度η、沈降定数Sおよび部
分モル容積用に測定された値を用いてシエラガお
よびマルデルカーン(Scheraga and
Mandelkern)の式により評価できる〔J.Am.
Chem.Soc.,75、179(1953)〕。アポ−α−エマル
ザンについて計算された粘度平均分子量は9.88×
105であつた。 3.3.4 スペクトル特性 アポ−α−エマルザン−WA(220〜350nm)の
紫外線吸収スペクトルは最大値を示さなかつた。
KBrペレツトまたはヌゴール(nugol)に併用さ
れたアポ−α−エマルザンの赤外線吸収スペクト
ルは、つぎのとおりであつた。3340cm-1(O−
H)、2900cm-1(C−H)、1720cm-1弱い(C=
O)、1640cm-1(アミド)および1545cm-1(アミ
ド)。アポ−α−エマルザンの水溶液の蒸発に
よりフイルム上で行なわれるアポ−α−エマルザ
ンのX−線回折分析は、結晶性を示した。第6表
は、Niで光したCuka照射で記録されたX−線
回折パターンで測定された2θ角およびd間隔を示
すものである。 第6表 アポ−α−エマルザンのX−線回折分析 2θ゜ d(Å) I(rel) 21.00 4.23 S 16.70 5.31 W 14.80 5.99 VW 13.04 6.79 W 10.66 8.30 W 7.18 12.30 S 3.4 構造に関する結論 前述のデータは、アポ−α−エマルザンが平均
約100万の分子量を有する高度に酸性のリポ多糖
類であることを示している。沈降および拡散のデ
ータから決定される分子量は、沈降の考擦および
粘度測定から得られる値とほぼ一致する。両者の
場合、0.712cm3gm-1の部分的モル容積用に測定さ
れた値が用いられた。比較的高い固有粘度、低い
拡散定数および乳化剤の低い沈降係数は、アポ−
α−エマルザンの形状が極度に非対称であること
を示している。ロツド状の楕円の粘度増加のため
のシムハ係数(Simha′ s factor)〔C.
Tanford,“Physical Chemistry of
Macromolecules”,John Wiley and Sons,
Inc.,New York,1963第390〜411頁〕を用いる
と、アポ−α−エマルザンが100に近い軸比を有
していることを示している。電子顕微鏡による精
製アポ−α−エマルザンの予備実験では、1000Å
以上の長さを有する細い繊維であることが判つ
た。 アポ−α−エマルザンは、多量の二つのアミノ
糖(D−ガラクトースアミンとアミノウロン酸)
および(a)約10〜約18の炭素原子を有し、かつ(b)約
200〜約230の平均当量を有する脂肪酸エステルの
混合物よりなり、該脂肪酸は約50%以上が2−ヒ
ドロキシドデカン酸および3−ヒドロキシドデカ
ン酸よりなりまた後者の脂肪酸の方が多い。 アポ−α−エマルザンの試料の滴定曲線および
赤外線スペクトルは、生体重合体のアミノ糖がN
−アシル化されていることを示している。アポ−
α−エマルザン試料のアミノウロン酸含量は生体
重合体の酸−塩基滴定により1.5ミクロモル/mg
であると評価された。アミノウロン酸がN−アセ
チルヘキソースアミンウロン酸(分子量=222)
であるとすると、33重量%の生体重合体よりな
る。アポエマルザンからの放出に必要な加水分解
条件がアミノ糖の著しい分解を起すので、現在ア
ポ−α−エマルザン試料のD−ガラクトース含量
を直接測定することは不可能である。(クロマト
グラム上での還元の強烈さおよびニンヒドリン陽
性物質からの)粗い計算は、D−ガラクトースの
量がアミノウロン酸の量に類似していることを示
している。アポ−α−エマルザン試料の全脂肪酸
エステル含量は、約231の平均当量を有するもの
が15重量%である。第7表は全データに基づくア
ポ−α−エマルザンの化学組成を示すものであ
る。 【表】 3.5 構造の変異 第7表は、蛋白質および核酸を含まない高純度
の試料であり、かつ種々の基準、すなわち単一バ
ンドのみがオウチタロニー二次元拡散により見出
され、(b)単一成分のみが種々の濃度の物質を用い
た沈降速度研究により観察され、かつ(c)有機溶媒
で抽出または沈殿によりさらに物質を精製する試
みかその比活性を改善せず、あるいはその化学組
成を変えないことにより均質であるようにみえる
アポ−α−エマルザン−WAの化学組成を示す。 α−エマルザンとして特徴づけられるこれらの
生体乳化剤を製造するのに利用できる炭素源(例
えばエタノール、パルミチン酸ナトリウムまたは
ドデカン)についてのアシネトバクター種
ATCC31012の増殖は、O−リポアシル化ヘテロ
多糖類が第7表に示されるアポ−α−エマルザン
−WAの特定の化学組成から逸脱し得る生成物を
生じ、この試料はエタノール培地についてアシネ
トバクター種ATCC31012を増殖させることによ
り製造されるエマルザンから誘導された。第8表
はそれぞれエタノールおよびパルミチン酸ナトリ
ウム上で微生物を増殖させて調製されるエマルザ
ンの差異を示す。 【表】 一般に、本発明方法により製造されるα−エマ
ルザン中のN−アシルおよび部分O−アシルヘテ
ロ多糖類またはアポ−α−エマルザンの構成は、
乾燥基準で約20〜約35重量%のD−ガラクトース
アミン、約30〜約35重量%のヘキソースアミンウ
ロン酸、および約7〜約19重量%の脂肪酸エステ
ルよりなり、該脂肪酸は約10〜約18個の炭素原子
を有し、また約200〜約230の平均当量で特徴づけ
られ、該脂肪酸の約50〜約70%は2−ヒドロキシ
ドデカン酸および3−ヒドロキシドデカン酸より
構成されている。アポ−α−エマルザン(または
生成物がα−エマルザンの場合にはアポ−α−エ
マルザン成分)のO−リポアシル部分の2−ヒド
ロキシドデカン酸と3−ヒドロキシドデカン酸の
比率は約1:4〜約1:1で変え得るとはいえ、
3−ヒドロキシドデカン酸は高い比乳化活性を有
する生体重合体内で多い。 3.6 免疫学特性 アシネトバクター種ATCC31012により製造さ
れるアシネトバクター生体乳化剤を免疫学的に特
徴づけるために、1mlの完全フロイントアジユバ
ント中の1mgのβ−エマルザンをうさぎに注射し
た。このうさぎは11〜14目後に死亡した。血清で
ある粗製免疫グロブリンは硫酸アンモニウム分別
により得られた。 β−エマルザンに対して調製された抗体は、同
様な方法でα−エマルザン、アポ−α−エマルザ
ン、アポ−α−β−エマルザン、ψ−エマルザン
(α−またはβ−エマルザンの中塩基加水分解で
製造)とクロス反応し、アシネトバクター生体乳
化剤(α−エマルザンおよびβ−エマルザン)お
よびその種々の除蛋白ならびに脱アシル化誘導体
の両者が、たとえこれらのクラスの生体重合体が
脂肪酸エステル含量ならびに脂肪酸の分布におけ
る差異によつて区別されるとはいえ、ほぼ同一の
重合体骨格を有しており、このα−エマルザン類
は多量かつ大きな割合の3−ヒドロキシドデカン
酸をβ−エマルザン類よりも含んでいる。 4 乳化性 データは、アシネトバクター種ATCC31012に
より製造される細胞外リポ多糖類の両タイプの乳
化性に関し以下に示すとおりであり、これらの生
体重合体の間の同一性および差異は理解できよ
う。前記のように、乳化物により製造される特殊
タイプの細胞外リポ多糖類が名称により同定され
なければ「アシネトバクター生体乳化剤」は一括
して両クラスのエマルザン類という。特にことわ
らない限り、乳化活性は第1図に示す標準曲線を
用いて第2.4.1項に記載した方法により評価され
る。 4.1 エマルザン−誘導エマルジヨン生成の動力
学 精製したアシネトバクター生体乳化剤によるガ
ス−油の乳化速度は第6図に示され、各曲線を同
定する数はガス/生体乳化剤の重量比で表わされ
る。ガス−油の量を4.5〜582mgで変えかつ標準評
価法の条件(すなわち、25℃で1時間にわたつて
150ストローク/分で往復動)を用いて生体乳化
剤の固定濃度で、エマルジヨン生成速度ならびに
最終濁度はml当りの5〜100mgのガス−油のガス
−油濃度に比例する。33ないし100mcg/mlの生
体乳化剤およ45mg/ml未満のガス−油の濃度で、
半分の最大濁度およびガス−油が25℃で2時間に
わたつて振とうすることなく反応させ、半分の濁
度が2分間の振とうで2分以下で得られた。60分
間振とうしたのち、濁度は1時間当り約10%で4
時間にわたつて増加を続けた。 ガス−油の関数としてのエマルジヨン生成は第
7図に示され、下部曲線は33mcg/mlの生体乳
化剤を用いて得られたデータであり、上部曲線は
100mcg/mlの生体乳化剤を用いて得られたデー
タであつて、両者は海水を別し、ついで乳化生
成を測定した。エマルジヨン類は0.5〜100mg/ml
の間の全ガス−油濃度について生成した。1.5
mg/ガス−油/ml以下で、濁度は直接ガス−油濃
度に比例した。8〜30mgガス−油/mlで、濁度は
ガス−油mg当り約5クレツト単位増加した。 4.2 エマルザン生成のPHおよび塩濃度の影響 アシネトバクター生体乳化剤−PHの関数として
のガス−油の誘発乳化を第8図に示す。第8図に
示すデータは、33mcg/mlの生体乳化剤および
6mg/mlのAgha−Jariガス−油を7.5mlの(a)海水
(黒円)、(b)10mM NaCl(白円)、(c)100mMクエ
ン酸塩−リン酸塩緩衝剤(三角)、または(d)
50mMのトリス−NaOH緩衝液(四角)に含まれ
るフラスコを往復振とう(60分にわたつて25℃で
150ストローク/分)として行なつたものである。
海水のPHおよび10mMのNaOHはHClまたは
NaOHの添加によつて調節される。 海水中で最大に近いエマルジヨンがPH5から少
なくともPH9で得られた。PH9以上で塩の沈殿は
エマルジヨンの正確な測定を阻んだ。トリス緩衝
液、クエン酸−リン酸塩緩衝液または希釈塩水を
含有する水溶液では、鋭い最大値がPH5〜6で得
られた。PH7以上で活性は完全に失われた。 海水および淡水中で行なわれる異なる結果をよ
く理解するために、生体乳化剤−誘発乳化におけ
る塩の影響はPH7.0で測定され、そのデータは第
9図に示されている。第9図に示すデータは、塩
化マグネシウム(黒円)または塩化ナトリウム
(白円)の濃度を変えて添加した蒸留水中のアシ
ネトバクター生体乳化剤でガス−油の乳化に基づ
いている。乳化は、往復振とう(150ストロー
ク/分)後に25℃で60分でフラスコを測定したも
のである。 最大活性は5〜40mMの硫酸マグネシウムまた
は塩化マグネシウムで得られた。半分の最大活性
は1.5mMマグネシウムイオン(Mg++)で達成さ
れた。塩化カルシウム(10mM)および塩化マグ
ネシウム(10mM)で硫酸マグネシウムを換える
ことができる。一方、塩化ナトリウム(10〜
500mM)は、マグネシウムイオンの存在下また
は不存在下のいずれでもあまり影響がない。結果
として、PH6以上でアシネトバクター生体乳化剤
の炭素水素を乳化する能力は、二価カチオンによ
り、塩化ナトリウム濃度とは無関係である。この
性質のために、これらの生体乳化剤は海水または
生得の水中で見出された塩化ナトリウムの高濃度
の存在下に機能し得る。 4.3 エマルザン−誘発エマルザンの安定性 アシネトバクター生体乳化剤の存在下に生成す
るガス−油エマルジヨンは、静置された場合に二
つの相、すなわち下部のクリヤーな水性相および
生体乳化剤と水と結合した濃縮油適を含有する混
濁上相にゆつくり分離した。相顕微鏡で観察した
ように、エマルジヨンの破壊(脱エマルジヨン)
は、二つの相の密度差のために「クリーム状」に
なり、液滴の合体または集合は伴なわなかつた。
相分離の速度は、ガス−油/生体乳化剤比の関係
としてエマルザンの安定性を決定するクレツト管
内で濁度測定が行なわれ、結果は第10図に示さ
れている。エマルジヨンは33mcg/ml(第10
A図)または100mcg/ml(第10B図)のいず
れかのアシネトバクター生体乳化剤でガス−油の
濃度を往復振とうして変えて25℃で120分後に生
成し、ついで振とうすることなく0分(エマルジ
ヨンの生成直後)ないし120分間静置した。第1
0A図および第10B図において、パーセントク
レツト単位(t=oにおけるクレツト単位をt=
xにおけるクレツト単位で除したものでパーセン
トで表わされる。)が放置時間に対してプロツト
されている。各曲線の数はガス−油/生体乳化剤
の重量比を表わす。 第10Aおよび10B図に示すように、乳化安
定性はエマルジヨンを形成するために使用され
る。生体重合体またはガス−油の絶体濃度による
よりもガス−油/生体乳化剤の比による。25未満
のガス−油/生体乳化剤比では、濁度を50%減少
させるのに24時間以上の放置を要した。25〜200
および200〜1000の比で、半分の最大濁度はそれ
ぞれ1〜24時間および10〜60分で達した。すべて
の場合、上の「クリーム」は水性媒体に直ちに分
散した。エマルジヨン破壊は二価カチオンで強め
られた。 油滴の浮遊割合はガス−油/生体乳化剤比の関
数として第11図に示されており、上の曲線は
100mcg/mlの生体乳化剤を使用して得られたデ
ータを、また下の曲線は33mcg/mlの生体乳化
剤を使用して得られたデータを示し、両者は異な
るガス−油濃度を有している。油滴の平均半径r
はストークスの式V=21800r2(ただし、Vは油滴
が上昇する速度をcm/secでrは半径をcmで示し
たものである。)からガス−油の密度として0.90
gcm-3を用いて計算した。計算された油滴寸法は
相顕微鏡(目盛調整接眼レンズマイクロメーター
使用)により油滴寸法を測定したものとよく合致
した。50のガス−油/生体乳化剤の比で油滴は光
学顕微鏡で肉眼で見えた。 4.4 油/水界面張力の低下 n−アルカンと海水との間の界面張力を低下さ
せるアシネトバクター生体乳化剤の能力は第12
図に示され、これは0.1%の生体乳化剤を含有す
る海水中の6〜16炭素原子数のn−アルカンの界
面張力を示している。界面張力の値は、スピンニ
ングドロツプ界面張力計を用いて27℃で測定され
た。同様な方法を用いて、Prudhoe Bay原油と
海水との間の界面張力をml当り1mgおよび10mgの
上記重合体を用いて測定したところ、それぞれ
8.3および6.9dyne/cmであつた。 5 炭化水素基質の特定化 アニオン性、カチオン性または非イオン性の分
類を離れて、たいていの乳化剤は該乳化剤の親水
性−親油性バランスの測定であるHLB数で表わ
される。非常にしばしば同様なHLB数を有する
乳化剤は炭化水素基質に違つて相互反応する。生
物学的に製造された重合体はしばしば化学的に合
成された物質にはみられない特性を示すので、ア
シネトバクター生体乳化剤−誘発エマルジヨン生
成のために炭化水素基質の特性は広く変えて純炭
化水素、炭化水素の二成分混合物、原油、原油の
フラクシヨン、原油フラクシヨンの混合物および
純炭化水素を用いて検討した。 5.1 石油フラクシヨンの乳化 原油およびび原油のフラクシヨンを乳化するた
めのα−エマルザン類およびβ−エマルザン類の
能力は下記の第14表に示す。試験したすべての原
油は両タイプのアシネトバクター生体乳化剤によ
り乳化した。第14表に示す原油の他に、アラス
カ、ルイジアナおよびテキサスの種々の原油を両
アシネトバクター生体乳化剤により乳化した。ガ
ス−油は、幾分不安定なエマルジヨンを生成する
灯油やガソリンよりもアシネトバクター生体乳化
剤−誘発乳化用に良好な基質であつた。一般に、
良好なエマルジヨンはβ−エマルザンでよりもα
−エマルザンで形成され、ある場合にはα−エマ
ルザンでのみ形成される。 5.2 純炭化水素の乳化 ヘプタンからオクタデカンまでの直鎖および分
岐鎖脂肪族炭化水素は、種々の直鎖および分岐鎖
アルカンに対する乳化剤の量の関係を炭素数の関
数として示すグラフである第13図のデータとし
て図示したように、アシネトバクター生体乳化剤
により僅かな程度だけ乳化される。第13図に示
すデータは、100mcg/mlのアシネトバクター生
体乳化剤および0.05mlの炭化水素を用いて得られ
たもので、白円は直鎖アルカンであり、黒円は
2,2,5−トリメチルヘキサン、2−メチルデ
カン、2,6−ジメチルデカンおよび2,6−ジ
メチルウンデカンである。五つのフアクターによ
る炭化水素濃度の増加または減少は乳化を改善し
ない。 ペンタンおよびヘキサンも効果的に乳化されな
かつた。しかしながら、これらの二つのパラフイ
ンに対する定量的なデータは培養中の大きな蒸発
のために得られなかつた。固体炭化水素であるノ
ンデカン、n−オクタコサンおよびヘキサトリア
コンタンはアシネトバクター生体乳化剤により分
散しなかつた。 アシネトバクター生体乳化剤によるプロピルシ
クロヘキサンからトリデシルシクロヘキサンまで
のn−アルキルシクロヘキサン誘導体の乳化は、
種々のアルキルシクロヘキサンの乳化を炭素数の
関数としてグラフで図示する第14図に示す。第
14図のデータは0.2mlの炭化水素および25mc
g/ml(黒円)または100mcg/ml(白円)のい
ずれかのアシネトバクター生体乳化剤を用いて得
られた。 第14図に示すように、活性の二つのピークは
オクチルシクロヘキサンおよびデシルシクロヘキ
サンに相当して観察された。オクチル、ノニルお
よびデシルシクロヘキサンは、紫外線吸収不純物
を含有していない再蒸留物質から得られた。ml当
り5mg程度の低いオクチルおよびデシルシクロヘ
キサンの濃度は、50mcg/mlの生体乳化剤によ
り急速にかつ完全に乳化される。オクチルおよび
ノニルシクロヘキサンの混合物はオクチルシクロ
ヘキサン単独とほぼ同じ程度に乳化されるので、
ノニルシクロヘキサンは乳化のいかなる明らかな
禁止剤を含んでいなかつた。ビシクロヘキサンお
よびデカリンは明確には乳化されなかつた。 アシネトバクター生体乳化剤によるn−アルキ
ルベンゼン誘導体の乳化は、0.01mlの炭化水素お
よび50mcg/mlの生体乳化剤を用いて得られた
データである第15図に示されている。最大活性
はヘキシルおよヘプチルベンゼンで得られた。側
鎖における合計数の炭素原子は、p−ジイソプロ
ピルベンゼンがヘキシルベンゼンと同様に挙動す
るので鎖長より厳しい。低分子量ベンゼン誘導体
であるトルエン、p−キシレン、m−キシレン、
エチルベンゼンおよび1,2,3,4−テトラメ
チルベンゼンは明らかには乳化しなかつた。2個
以上の環を有する芳香族化合物であるナフタリ
ン、ビフエニル、フエナントレン、アントラセ
ン、3−フエニルトルエン、1−メチルナフタリ
ンおよび2−メチルナフタリンもアシネトバクタ
ー生体乳化剤により明らかには乳化されなかつ
た。 5.3 純炭化水素の混合物の乳化 第9表は、脂肪族、芳香族および環式炭化水素
のアシネトバクター生体乳化剤−誘発乳化がヘキ
サデカンまたは1−メチルナフタリンの存在下に
測定された数多くの実験を示す。脂肪族化合物ま
たは1−メチルナフタリンのいずれもがそれら自
身乳化されないとはいえ、芳香族化合物を含有す
る全混合物および脂肪族炭化水素の一つは生体乳
化剤による乳化に優れた基質である。脂肪族化合
物乳化を刺激する芳香族化合物の能力は、1−メ
チルナフタリンに制限されるものではないが、ト
ルエン、p−キシレン、3−フエニルトルエンお
よび2−メチルナフタリンで起る。芳香族炭化水
素に対するヘキサデカンの添加は、乳化を刺激し
ない。すなわち添加効果のみが観察された。この
発見に対する僅かな例外は、ヘキサデカンと混合
した場合に液体となるノンデカンであつた。 前記のようにアシネトバクター生体乳化剤によ
り乳化される基質として作用する唯一の芳香族化
合物は、側鎖に6〜7個の炭素原子を有するアル
キルベンゼン誘導体である。側鎖に6個未満の炭
素原子を有する芳香族化合物は、ヘキサデカンの
添加により乳化に良好な基質に変つた。ヘキシル
ベンゼンおよびジイソプロピルベンゼンは、ヘキ
サデカンの添加により乳化に同等に良好な基質に
変つた。一方、ヘプチル、デシルおよびペンタデ
シルベンゼンは、それ自身よりヘキサデカンの存
在下ではより乳化が弱かつた。5個以上の炭素原
子を有するアルキルベンゼン誘導体のみが1−メ
チルナフタリンにより活性化された。1,2,
3,4−テトラメチルベンゼンは、ヘキサデカン
または1−メチルナフタリンの存在下でさえ生体
乳化剤により弱く乳化された。僅かな例外で、シ
クロパラフイン誘導体は、ヘキサデカンまたは1
−メチルナフタリンのいずれかの添加によるアシ
ネトバクター生体乳化剤−誘発乳化剤に良好な基
質に変つた。一般に、短い側鎖のシクロヘキサン
誘導体(例えばエチルシクロヘキサン)は、芳香
族化合物より脂肪族化合物でより効果的に活性さ
れたが、一方、長い側鎖を有する誘導体(例えば
デユオデシルシクロヘキサン)はヘキサデカンよ
り1−メチルナフタリンの存在下に良好なエマル
ジヨンを生成した。ジシクロヘキサンは、ヘキサ
デカンの存在下で1−メチルナフタリンの不存在
下に生体乳化剤により乳化される芳香族化合物の
ように挙動する。溶融二環式化合物デカリンは、
ヘキサデカンまたは1−メチルナフタリンの添加
によつても生体乳化剤により乳化され得なかつ
た。 脂肪族(ヘキサデカン)および芳香族(メチル
ナフタリン)化合物の相対濃度の関数としてのア
シネトバクター生体乳化剤−誘発エマルジヨン生
成は第16図に示すとおりであり、そのデータは
50mcg/mlの生体乳化剤および0.05mlのヘキサ
デカンと1−メチルナフタリン(黒円)またはヘ
キサデカンと2−メチルナフタリン(白円)の
種々の混合物を用いて得られる。1−メチルナフ
タリンまたは2−メチルナフタリンのいずれかを
用いて最大のエマルジヨンは25容量%のヘキサデ
カンで得られた。50%以上の最大エマルジヨン
は、4:1〜1:6のヘキサデカン/メチルナフ
タリンの比で得られた。ヘキサデカンの代りにデ
カンを用いて行なつた同一実験は、エマルジヨン
活性のピークが33容量%のデカンで得られた以外
は同様な曲線を与えた。 【表】 チルベンゼン
【表】 5.4 石油フラクシヨンの乳化に関する脂肪族お
よび芳香族化合物の影響 第9表および第16図に示された結果は、アシネ
トバクター生体乳化剤が炭化水素基質中で脂肪
族、環式および芳香族化合物の相対濃度により炭
化水素を乳化する能力をあるという結論を導く。
この結論を立証するために、ヘキサデカンまたは
メチルナフタリンの添加が、芳香族リツチの二つ
のフラクシヨン(フラクシヨン2および3)から
脂肪族リツチのフラクシヨン(フラクシヨン1)
を分離するために分別された石油フラクシヨンの
アシネトバクター生体乳化剤−誘発乳化を強める
か否かを測定する実験を行なつた。下記第9,13
項にさらに詳細に完全に記載されているこれらの
実験は、灯油およびガソリンの両者を乳化するα
−エマルザンの能力が5−メチルナフタリンでは
大幅に強められるが、ヘキサデカンでは強められ
ないことを示している。10部のガソリンまたは灯
油に対する1部の芳香族化合物の添加は、乳化用
基質をよく改善する。脂肪族および芳香族成分の
両者に対する要求は、塔分別原油の乳化研究によ
りさらに支持された。原油自身はアシネトバクタ
ー生体乳化剤により乳化されるとはいえ、フラク
シヨンはいずれもそれ自身では良好な基質ではな
かつた。しかしながら、脂肪族リツチのフラクシ
ヨン(フラクシヨン1)と芳香族リツチの他のフ
ラクシヨン(フラクシヨン2または3)は有効に
乳化された。 6 α−エマルザン類とβ−エマルザン類との間
の差の総括 アシネトバクター種ATCC31012により製造さ
れる2クラスの生体乳化剤であるα−エマルザン
類とβ−エマルザン類の間の主な差異は、(a)収率
の差、(b)構造の差および(c)乳化活性の差に分けら
れる。第10表は、α−エマルザン類、β−エマル
ザン類およびこれらの相当する除蛋白誘導体の間
のいくつかの差異を示すものである。第10表にお
いていう特定のα−エマルザン類はエタノール培
地でアシネトバクター種ATCC31012を増殖させ
て製造され、一方、β−エマルザン類はエタノー
ルの代りにヘキサデカンを用いて同一増殖条件下
に同一発酵培地から製造したとはいえ、α−エマ
ルザン類がエタノールの代りにパルミチン酸ナト
リウムで微生物を増殖させて製造される場合には
実質的に同一の結果が得られた。両生体乳化剤
(α−エマルザンおよびβ−エマルザン)は、硫
酸アンモニウムフラクシヨンにより精製され、ま
た各生体乳化剤の除蛋白誘導体は熱フエノール抽
出により調製され、さらに分析前に精製される。
合計脂肪酸含有は、ヒドロキサミン酸試験を用い
て脂肪酸エステルの平均当量が230であると測定
された。 【表】 6.1 収率の差異 第10表に表示しかつ第2〜3図のデータに図示
されているように、α−エマルザンの収率は、ア
シネトバクター種ATCC31012の同一培養株を接
種株としてそれぞれエタノールおよびヘキサデカ
ン培地に用いた場合でも、β−エマルザンのそれ
より常に大きい。さらに、微生物がパルミチン酸
がドデカンのようにα−エマルザン類を製造する
他の炭素源で増殖する場合には、高エステルα−
エマルザン類の収率は、微生物がペンダカンヤヘ
キサデカンのような炭素源で増殖する場合に得ら
れるβ−エマルザン類よりも大きい。 6.2 構造の差異 精製されたα−エマルザン類は、精製されたβ
−エマルザン類よりも高い比活性を有している。
これらは恐らくα−エマルザン類のより高い脂肪
酸含量に基づき、また同様にβ−エマルザン類と
比較してα−エマルザン類における一般的により
高い3−ヒドロキシドデカン酸の量に基づくもの
と思われる。第10表に示すように、α−エマルザ
ンのアポ−α−エマルザン成分は8〜14重量%の
合計エステルを含有していたが、β−エマルザン
のアポ−β−エマルザン成分は幾分(2〜3%)
低い脂肪酸エステルを含有していた。さらに、α
−エマルザン類のアポ−α−エマルザン含量は、
β−エマルザン類のアポ−β−エマルザン含量に
おけるより2−ヒドロキシドデカン酸の3−ヒド
ロキシドデカン酸に対する比率が低い(通常約
1:4〜約1:2)。 第11表は、アシネトバクター種ATCC31012が
エタノール培地で増殖する場合に生成するα−エ
マルザンの除蛋白化から誘導されるアポ−α−エ
マルザンの異なるエステル組成を、前記微生物が
ヘキサデカンで増殖する場合に生成するβ−エマ
ルザンから誘導されるアポ−β−エマルザンと比
較して示すものである。各除蛋白アシネトバクタ
ー生体乳化剤は、KOH/メタノールで4日間に
わたつて加水分解し、メチルエステルの相当する
混合物はジアゾメタンで生成し、また各混合物の
メチルエステルはついでクロマトグラフイにより
分別した。 【表】 ン酸
【表】 第11表に示すデータは、α−エマルザン類のア
ポ−α−エマルザン含量における2−ヒドロキシ
ドデカン酸と3−ヒドロキシドデカン酸との合計
量が合計脂肪酸エステルに対して通常約50%であ
り、またリポ多糖類において脂肪酸エステルに対
して70%以上でもよいという一般法則を確認する
ものである。同一の一般法則が、第一次同化性炭
素源としての1種またはそれ以上の脂肪酸塩での
アシネトバクター種ATCC31012の増殖により調
製されるα−エマルザン類にも適用される。 6.3 乳化活性における差異 下記第14表に含まれているデータは、α−エマ
ルザンおよびβ−エマルザンが原油に対して優れ
た乳化剤でありかつ灯油に対して中程度の乳化剤
であるとはいえ、α−エマルザンはガス−油の乳
化にはβ−エマルザンより効果的である。さらに
バンカーC燃料油はα−エマルザンでは乳化され
るがβ−エマルザンでは乳化されない。一般に、
経験はα−エマルザンが脂肪族および芳香族(ま
たは環式)の両成分を含有する炭化水素基質でβ
−エマルザンよりも良好なエマルジヨンを与える
ことを示している。 7 固体基質に関するエマルザン類およびその誘
導体の収着性 砂、石灰石または粘土鉱物のような種々のタイ
プの固体基質に関するエマルザン類およびアポエ
マルザン類の吸着性および非吸着性は、これらの
アニオン性リポ多糖類がこのような基質の存在下
に乳化剤として機能し得るかを決定するための測
定された。 7.1 砂および石灰石に対する非吸着性 エマルザン類もアポエマルザン類も、これらの
生体乳化剤が水中油型エマルジヨン形で使用され
るPH範囲以上で砂または石灰石にいかなる程度で
も吸着される。油が砂または砂岩生成累層または
石灰石石灰累層のような砂または石灰石上に存在
する場合には、ベンチスケールの実験が、油飽和
砂または油飽和石灰石がα−エマルザン含有マグ
ネシウムイオン(10mM)の希釈溶液(すなわ
ち、0.1〜0.5mg/ml)で処理されるので、この油
は希薄濃度のエマルザンで化学的フラツデイング
を用いて強化油回収により回収でき、90%以上の
油が油飽和砂から除去され、また98%以上の油が
油飽和石灰石から除去できる。海水または同性質
の水中で見出される濃度の塩化ナトリウムの存在
が、二次回収技術(例えば水蒸気ストリツピン
グ)が用いられたのちに砂(または砂岩)水槽ま
たは石灰石生成中に見出されるかまたはこのよう
な生成中に残る全く粘性またはタール状の原油を
含めて、原油を乳化するエマルザン類の能力に影
響を与える。 7.2 アミルノケイ酸塩粘土の吸着 エマルザン類およびその除蛋白誘導体であるア
ポルザン類で両者とも強アニオン性であるもの
は、カオリン、ベントナイトおよび他の粘土物質
のようなイオン交換能を有するアルミノケイ酸塩
イオン交換体に吸着される。 ベントナイト上のα−エマルザンの吸着の動力
学は第17図に示され、これは100mcg/mlのエ
マルザンを含有する20mMのトリス−Mg緩衝液
〔20mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タンハイドロクロライドおよび10mMの硫酸マグ
ネシウム〕の20ml溶液中の0.5gのベントナイト
にα−エマルザンの吸着速度を示す。この混合物
は、100mlのフラスコ内で110ストローク/分で20
℃で振とうし、試料はベントナイトに対して結合
されていないα−エマルザンの評価に10分毎に除
去される。これらの条件下で、95%以上のα−エ
マルザンが吸着され、40分で平衡に達した。アル
ミノケイ酸塩粘土により吸着されたα−エマルザ
ンの量は粘土の量の関数であり、約70%のα−エ
マルザンは100:1のベントナイト/エマルザン
比で吸着され、また95%以上のα−エマルザンが
400:1の比で吸着された。 7.3 粘土の凝集 カオリンおよびベントナイトのようなアミノケ
イ酸塩粘土の駆濁粒子に対するエマルザン類(な
らびにアポエマルザン類、ψ−エマルザン類およ
びプロエマルザン類)は、このような粒子の急速
な凝集を生じた。説明として、1gのベントナイ
トを100mcg/mlのα−エマルザンのみを含有す
る20mlの水と混合すると、エマルザンの不存在下
より5〜10倍速いベントナイトの沈降を生じた。
さらに、エマルザンを仲介とする凝集を用いて得
られる表面に浮ぶ液体はクリヤーであり、エマル
ザンなしにベントナイト沈降が長い放置後でも乳
白色を呈する上層を生じた。同様な結果は、イオ
ン交換能を有する他の粘土鉱物でも得られる。 エマルザン類(アポエマルザン類ならびにその
脱アシル化誘導体、ψ−エマルザン類およびプロ
エマルザン類、これらはすべてアニオン性であ
る。)の凝集性は、凝集した粘土により占められ
ている容積がリポ多糖類の不存在下より数倍(ベ
ントナイトの場合3倍)大きいような方法で緻密
な沈殿にアルミノケイ酸粘土の充填を阻む。凝集
したアルミノケイ酸塩粘土は確かに液体であり、
また(a)穴明きマツト中の粘土粒子線状物としての
エマルザン類およびアポエマルザン類の使用、(b)
下水処理システムにおける凝集の防止、(c)農業用
の貧土壌に対する粘土固体の気孔率増大、(d)この
ような粘土を含有するコーテイングおよびエアゾ
ルスプレーにおけるエマルザン類の包含、および
(e)回収および沈殿法用の一般凝集剤としてのエマ
ルザン類およびアポエマルザン類を含めてエマル
ザン類およびアポエマルザン類およびそれらの誘
導体の数多くの用途を示唆する流れ特性を有す
る。 7.4 油/水エマルジヨン破壊に対する凝集の関
係 エマルザン類のアルミノケイ酸塩粘土への吸着
はそれぞれ生体乳化剤で生成する安定な油/水エ
マルジヨンを破壊し得る親油性粘土を生じる。説
明のために、約0.1mg/mlのα−エマルザンを含
有する10mlの海水中の1mlのAgha Jari原油の乳
化は、2日間放置後も安定な水中油型エマルジヨ
ンを生成する。この安定なエマルジヨンに対して
1gの予め膨潤したベントナイトを添加し、つい
で約20秒間激しく振とうすると、15分でエマルジ
ヨンの破壊を生じる。20時間二つの分離層、すな
わち上部のクリヤーな液体およびエマルジヨンの
元の容積の約半分を占める下部のゲル状沈降物を
生じた。 アルミノケイ酸粘土イオン交換体に関するエマ
ルザン類およびアポエマルザン類のこれらの吸着
性は、エマルザンまたはアポエマルザンが吸着さ
れるアルミノケイ酸塩粘土(例えばカオリンまた
はベントナイト)を通して油状水を過するか、
あるいはこの油状水にエマルザンまたはアポエマ
ルザンを添加しついでその混合物をアルミノケイ
酸塩粘土を通して過することにより油状バラス
ト水またはその他の油状水から油および炭化水素
スラツジを除去するのにも利用できる。両者の場
合、過液はクリヤーであり、油状残渣は粘土フ
イルター中に残る。 8 環境上ならびにエネルギー関連の用途 エマルザン類およびアポエマルザン類およびそ
の相当する塩を含めて、アシネトバクター種
ATCC31012から製造または誘導される細胞外微
生物多糖類は、かつて発見されたもののうちで最
も有効な水中油型乳化剤であり、脂肪族および芳
香族または環式成分の両者を含有する淡水および
海水の両者において高い特異性を有し、その性質
は油汚染容器の洗浄、油付着管理および化学的フ
ラツデイングによる強化油の回収を含めて多くの
環境上ならびにエネルギー関連の用途にこれらの
特別な生体乳化剤(特にα−エマルザン類)を理
想的にする。 8.1 油汚染容器の洗浄 8.1.1 問題の範囲 今世紀中、エネルギー源としてまた石油化学工
業用一次原料として石油の需要は、世界の生産量
が年産29百万トンから2400百万トン以上に増加し
ている。生産量のこのような劇的な増加は、原油
の精油ならびに配給に環境汚染問題をもたらし、
これは高い生産量の地域から高い消費者の地域に
わたつて油タンカーによる問題の大きな動きを重
大化している。0.5%(12百万トン/年)の輸送
原油が、主として事故によるこぼれおよび油タン
カーからのバラストおよび洗浄水の故意の排出に
より海水中に見出される。 海洋生態学に対し、またさらに直接人間に対す
る原油および精製油の毒性はよく報告されており
〔D.F.Boefschら「Oil Spills and the Marine
Environment」Ballinger Publ.,Cambridge,
1974,114pp;A.Nelson−Smithの報文でP.
Hepple編「Water Pollution by Oil」
Blservier,New York,1971,pp273〜80〕、ま
た詳しく論する必要はない。原油は突然変異生起
性、発がん性ならびに生長阻害薬品を含んでお
り、少量の(5〜100mcg/)のある種の石油
フラクシヨンでも微生物のミクロアルジーおよび
微生物のジユベニル形を破壊する。さらに、石油
は走化性で妨げられて海水中の微生物の微生物分
解を阻むことが報告されている〔I.Chettら
Nature,261,308〜9(1976)〕。簡単にするため
に一般に海洋また特に沿岸における油汚染問題
は、漁民、保養源および公衆衛生に対して重大な
問題を提供している。 8.1.2 油タンカーおよび汚染 実質的に全ての原油は、それぞれ約20000トン
容量の12個またはそれ以上に積荷コンパートメン
トに通常分割されている船である非常に巨大なタ
ンカー(VLT)により輸送される。これらのコ
ンパートメントは大きなパイプでそれぞれ約2000
トンの二つのより小さなコンパートメント(以
下、スロツプタンクという。)に相互に連結され
ている。これらのスロツプタンクは、油−水分離
器として作用するように設計されている。 積荷コンパートメントに原油を満したのち、
VLTは航海を始める。到着すると、その積荷は
巨大な陸上の油貯蔵タンクに排出し、この操作中
に約99.5%の原油は約24時間でポンプアウトされ
る。残油が側部、プラツトフオーム、リブ、コン
パートメントのパイプに固着して残る。油が排出
されるので、船は水から上昇する。出港前に
VLTは多量のバラスト水を積込む必要がある。
産油国への航海の間、このバラスト水は残油
(250000トンのVLTで約1000トンと混合する。こ
の非常に汚染した油性バラスト水は、長期にわた
る海洋汚染の主要原因となつている。また油タン
カーの積荷コンパートメントは、そうしなければ
船の積荷能力を減少させかつ原油の排出を阻害す
るロツキングやスラツジ蓄積を避けるために定期
的に清浄しなければならない。さらに、油タンカ
ーがその油積荷排出直後に穀物または鉱物を積込
む多目的容器である場合には、積荷コンパートメ
ントは各航海後に洗浄しなければならない。 現在、油タンカーの積荷コンパートメントは、
通常海水の高圧ジエツトで洗浄される。すなわ
ち、バラストと海水の混合物は、ついで(a)海上で
排出、(b)港湾設備が許す場合には海岸で分離器タ
ンクに移動、または(c)バルク水相が底部で排出さ
れるスロツプタンクに移動され、追加の油性バラ
スト海水が加えられ、かつその目的は残油のトツ
プに積込まれる(ロード−オン−トツプ法)淡水
を船に積込むまで繰返えされる。これらの方法
は、環境または運転上から全体として満足すべき
ものである。 海洋への直接排出は、なお油性水の排出の主な
手段である。汚染法がより厳格に作られかつ実施
されるまでは残るか、あるいは他の技術がより経
済的であることがわかる。海洋への直接排出は特
別な装置を必要とせず、最も重要なことに、バラ
スト航海中に行なわれるので、時間の損失は招か
ない。1962年および1967年に改正されたが1954年
のInternational Agreement for the
Prevention of Pollution at Seaは、現在有効な
船による汚染に関する唯一の国際協定である。こ
の協定は特別禁止区域外での油の排出を無制限に
許している。禁止区域内では排出は総量に関係な
く10000トンの水において1トン以下の割合の油
に制限されている。しかしながら、これらの規制
は、タンカーの積荷コンパートメントが洗浄さ
れ、かつつづいて排出されたバラスト水が水面上
に油の可視痕跡を生じない場合には適用されな
い。 1973年のMarine Pollution Convention
Agreementは、これが批准され実施されると、
ロード−オン−トツプ法を用いてVLTを行なう
ことにより約10のフアクターにより油汚染が減少
する。この油−水分離器システムの無制限の使用
による最も重大な欠点は、石油の最も有毒な成分
がしばしば海岸近くの海に排出されるということ
である。したがつて、船から海洋への油の国際排
出を全く禁止する国際協定ができる前は時間の問
題である。 8.1.3 経済的考察 油状バラスト排出を減少させるために、数多く
のタンカーは改造する必要があり、新造タンカー
は充分なバラスト清浄スペースを設けるので、水
は油状積荷コンパートメントに積込まれるべきで
はなく、これはタンカーの積載能力を20〜30%ま
で有効に減少させる。最終港で処理用バラストの
排出はある国では要求されているが、これは解決
されているものより大きな問題を提示している。
研究結果は、燃料用油の回収でバラスト航海中に
タンカーを洗浄すること、あるいは燃料価用また
は精製用油の回収で特別な洗浄ステーシヨン船を
洗浄することは、この洗浄法が充分で、急速でか
つ労働集約的でないか危険でない場合には経済的
に成立つ。 残念ながら、現存する洗浄法はいずれもこのよ
うな基準を満さない。油タンカーが修理用の乾式
ドツクに入る前に使用される積荷コンパートメン
ト洗浄用の現在方法は、全積荷コンパートメント
が洗浄され無ガスにしなければならないので、時
間消費、危険であり、かつ重大な健康障害に作業
者をさらす。爆発性のガス混合物を含むタンクの
側部の高圧ジエツト水による打撃は油タンカーの
爆発の主要原因となる。水ジエツトに対する直接
曝露からの障害により保護されたタンクのこれら
の部分は手で洗浄しなければならない。さらに、
スラツジの重質ビルドアツプが起る場合には、こ
れはより高い割合のいわゆる「残存」油が含まれ
ている原油をさらに多く輸送する場合にしばしば
起るが機械的洗浄はよく有効でないことがある。 油タンク洗浄への他のアプローチは、炭化水素
分解微生物の使用である。このようなアプローチ
の可能性は、そのバラスト航海中の油タンカーに
関する制御された実験において本発明者らにより
報告されている〔E.Rosenbergらの報文A.W.
Bourquinら編「Impact on the Use of
Microorganisms on the Aquatic
Environment」,EPA Report660−3−75−001,
1975pp.157−68〕。この実験において、積荷コン
パートメントからのスラツジの除去は、最大の細
胞増殖よりもむしろ好ましい生体乳化剤を与える
条件で可能となつた。本発明の基礎となるその後
の研究は、タンカーならびに原油または石油留分
を輸送または貯蔵するために使用されるその他の
油汚染容器からの炭化水素質残渣の洗浄が、油性
残渣を効果的に、急速にかつ安全に乳化し、その
結果該容器から除去でき、また必要により燃料価
または精製用に回収できる生体乳化剤の使用を必
要としている。 8.1.4 油汚染容器洗浄におけるα−エマルザン
類の利用 本発明方法による油汚染容器からの炭化水素質
残渣(残留原油も含めて)の洗浄は、(a)約10mc
g/ml〜約20mg/mlのα−エマルザン類および約
5mMまたはそれ以上の二価カチオン(例えばマ
グネシウム、カルシウムまたはマンガン)を含有
する海水または淡水の水溶液で前記容器の油汚染
表面を洗浄して該炭化水素残渣の水中油型エマル
ジヨンを形成し、かつ(b)該洗浄容器からこの水中
油型エマルジヨンを除去することを必要とする。
洗浄水中のα−エマルザンの量は、除去されるべ
き特定の炭化水素残渣の組成に基づいて予め決定
できる。 一般に、完全洗浄は、重量比で約1000:1〜
10000:1の炭化水素/エマルザンで達成でき、
比率が高ければ高いほどエマルジヨンの安定性は
低くなる。この洗浄溶液は、発酵ブロスから直接
調製できるが、別法としてはα−エマルザン類が
生体乳化剤として無効になることなく約5mMあ
るいはそれ以上の二価カチオンを最終溶液が含有
するような海水またはタツプ水で適当な希釈を行
なつたα−エマルザン類の比較的濃厚な溶液(10
mg/mlまたはそれ以上)から調製できる。これら
の二価カチオンは、通常海水または硬水中に存在
する。洗浄溶液は、PH7以下でクラウデイである
が、このクラウデイネスは、α−エマルザン溶液
に少量のアンモニアを添加することにより減少で
きる。 洗浄操作はゆるやかな撹拌のみによつて行なわ
れるとはいえ、最良の結果は洗浄溶液を激しく撹
拌しかつ水中油型エマルジヨンをより急速に生成
するジエツトノズルのような装置を用いて得られ
る。いかなる適当なジエツトノズルも使用できる
が、最も効果的なものはバターワースシステム社
(Butterworth Systems,Inc.,Florham Park,
New Jersey)で製作されている貯蔵タンク、タ
ンク車およびタンクローリー洗浄用のポータブル
式ジエツトスプレーノズルである。このタイプの
装置は、積荷コンパートメントに取付けられたバ
ターワースまたは同様なジエツトスプレーシステ
ムがないタンカーにも使用できる。 容器から洗浄溶液を除去したのち、得られる水
中油型エマルジヨンは物理的または化学的方法に
より破壊できまた油は燃料価または精製用に回収
できる。この目的のために好適な油−水分離器の
選定は、石油業界で広く使用されている標準機材
から行なうことができ、このような装置の選定は
特定用途に対してコストの有効性からなされる。 8.2 油スピル管理 油スピル(oil spill)管理は、本発明の乳化剤
に対する環境上の他の重要な用途である。油スピ
ル洗浄用のたいていの方法は、洗剤または界面活
性剤の水溶液を、海上に浮遊しているかあるいは
海岸で洗浄されまたは陸上に堆積している油スリ
ツク(oil slick)と接触させて油を乳化させて分
散しかつ除去するかあるいは生物的に分解するこ
とにより行なわれる。通常使用されているたいて
いの洗剤または界面活性剤は海洋生物に対して毒
性がありかつ微生物分解しない。本発明方法によ
り製造された乳化剤、すなわち、約10mcg/ml
〜約20mg/mlのα−エマルザン類および有効濃度
の少なくとも1種の二価カチオンを含有する海水
または淡水の水溶液は、それ自身微生物分解がで
きる弱い乳化剤で油を乳化できるだけでなく、エ
マルザン類が生体乳化剤として使用される濃度で
非毒性であるので毒性問題を避けることができ
る。 8.3 強化油回収 石学的フラツデイングによる強化油
(enhanced oil)の回収は、エマルザンに対する
特に重要なエネルギー関連用途を現わす。化学的
スラツデイングによる油の強化回収におけるすべ
ての方法は水および1種またはそれ以上の添加薬
品よりなる化学的に増大させた「スラグ」の石油
受器への注入およびその後「スラグ」の該受器を
通しての排除よりなり、注入した受器から原油が
回収される。エマルザンの諸性質の特異な組合わ
せおよび特にα−エマルザン類、すなわち、(a)重
量基準でエマルザン類が恐らく最も有効な水中油
型乳化剤であること、(b)エマルザン類が脂肪族お
よび芳香族または環式フラクシヨンを含有し、一
次および二次回収後に受器中に残留する粘性かつ
タール状原油を含めてすべての原油中に存在する
炭化水素質基質の乳化に高い特異性を示すこと、
(c)エマルザン類が、ブラインのような高濃度の塩
の存在下にも有効に機能すること、およびび(d)エ
マルザン類が砂または砂炭または石灰石によりい
かなる程度にも吸収されないということのため
に、有効濃度のエマルザン類および必要な二価カ
チオンを含有する化学的に増大させたスラグの使
用は砂、砂岩または石灰石累層からの油の回収を
増大させる。さらに、これらのアニオン性リポ多
糖類は、唯一の乳化剤としてまたは他の乳化剤
(例えば三次油回収用に使用される非イオン性界
面活性剤)に関連して、同様にこのような方法に
使用される流動性制御重合体に関連して使用でき
る。 9 実施例 つぎに実施例は、アシネトバクター種
ATCC31012から誘導されるα−エマルザン類お
よびアポ−α−エマルザン類の製造、精製および
若干の用途を、異なる基質で同一微生物を増殖さ
せて誘導されるβ−エマルザン類およびアポ−β
−エマルザン類と比較して説明するものである。 9.1 淡水培地中のエタノールからのα−エマル
ザンの製造 4個のバツフルおよび可変速撹拌機を備えた60
の発酵装置に、733.6gの二塩基性リン酸カリ
ウム〔K2HPO4・3H2O〕、240gの一塩基性リン
酸カリウム、8gの硫酸マグネシウム
〔MgSO4・7H2O〕160gの硫酸アンモニウムおよ
び充分な量の脱イオン水を供給して40とした。
この培地を121℃で40分間殺菌し、ついで800mlの
無水エタノール(2容量%)を添加した。培地の
最終PHは6.9であつた。 増殖は、同様な発酵条件下で増殖したアシネト
バクター種(Acinetobacter Sp.)ATCC31012
の未期指数培養株(late exponential culture)
の2(5%)で開始させた。発酵は、15/分
の空気を保つてエアレーシヨンし、250rpmで撹
拌しながら30℃で行なつた。発酵ブロスのPHは濃
厚水酸化アンモニウムを滴下してPH6.2〜6.7に保
ち、最初の30時間で約185mlの濃厚水酸化アンモ
ニウムを要した。 発酵の間、泡は最初の30分間50mlの凝集物が加
えられ、自動パルスによりシリコーン消泡剤
(Dow corning523,殺菌性、希釈1:8)を添
加することにより制御した。発酵を11時間行なつ
て、エタノールを40ml/hrの割合で発酵ブロスに
連続的に加えた。最初の30時間、硫酸アンモニウ
ムを2g/hrの割合で発酵培地に定期的に添加し
た。 最大増殖は、接種後24〜30時間で得られた。α
−エマルザンの収量は4g/で、細胞塊は約8
g(乾燥重量基準)/であつた。粗製の細胞外
液体で達成され、水に対して透析した粗製エマル
ザンの分析は、ヒドロキサミン酸試験を用いて合
計エステル含量が10%で、脂肪酸エステルの平均
当量は230であつた。実質的に同一条件を用いて
5.3g/のα−エマルザンが約9g(乾燥重量
基準)/の細胞塊とともに得られた。 9.2 海水中のエタノールからのα−エマルザン
の製造 アシネトバクター種ATCC31012を、40ml過
の海水、0.73gの二塩基性リン酸カリウム
〔K2HPO4・3H2O〕、0.24gの一塩基性リン酸カ
リウム、0.8gの尿素および0.8mlの無水エタノー
ル(2容量%)を含む250mlのフラスコ中で増殖
させた。この培地に、同様な条件下に増殖させた
アシネトバクター種ATCC31012の末期指数培養
株の2mlを接種した。培養は250rpmで回転振と
うしながら30℃で96時間行なつた。10000×gで
15分間にわたつて遠心法により細胞を除去し、水
に対して透析したのち、分析値は270単位/mgの
比活性を有する粗製α−エマルザンが120単位/
mlであつた。この粗製α−エマルザンは、ヒドロ
キサミン酸試験で測定したとき合計エステル含量
が13%であり、脂肪酸エステルの平均当量230で
あつた。 9.3 脂肪酸塩からのα−エマルザンの製造 つぎの方法は、60の発酵装置でパルミチン酸
ナトリウムのような脂肪酸塩基質からα−エマル
ザンを製造するのに有利であることが見出され
た。この方法は、一次炭素源として使用される特
定の脂肪酸塩混合物により変る。 4個のバツフルおよび可変速撹拌機を備えた発
酵装置に733.6gの二塩基性リン酸カリウム
〔K2HPO4・3H2O〕、240gの一塩基性リン酸カリ
ウム、8gの硫酸マグネシウム〔MgSO4
7H2O〕、160gの硫酸アンモニウムおよび充分な
量の脱イオン水を加えて40とした。この培地を
121℃で40分間殺菌し、ついで1〜5重量%の脂
肪酸または脂肪酸混合物(その塩の形で)添加し
た。培地の最終PHは6.9であつた。 増殖は、同様な発酵条件下で増殖したアシネト
バクター種ATCC31012の末期指数培養株の2
(5%)で開始させた。発酵は15/分の空気を
保つてエアレーシヨンし、250rpmで撹拌しなが
ら30℃で行なつた。発酵ブロスのPHは濃厚水酸化
アンモニウムを滴下してPH6.2〜6.7に保ち、最初
の30時間で約185mlの濃厚水酸化アンモニウムを
要した。 発酵の間、泡は最初の30分間50mlの凝集物が加
えられ、自動パルスによりシリコーン消泡剤
(Dowcorning525、殺菌性、希釈1:8)を添加
することにより制御した。発酵を11時間行なつ
て、増殖を維持するに好適な量の割合で脂肪酸を
発酵ブロスに連続的に加えた。最初の30時間、硫
酸アンモニウムを2g/hrの割合で発酵培地に定
期的に添加した。 最大増殖は、接種後24〜30時間で得られた。α
−エマルザンの収量は、脂肪酸基質によつても変
るが、エマルザン収量に対し当り約2倍(乾燥
重量基準)の細胞塊であつた。粗製の細胞外液体
で達成され、水に対して透析した精製α−エマル
ザンの分析は、ヒドロキサミン酸試験を用いて合
計エステル含量が約9%で、脂肪酸エステルの平
均当量は230であつた。 9.4 パルミチン酸ナトリウムからのα−エマル
ザンの製造 アシネトバクター種ATCC31012を、18.34mg/
mlの二塩基性リン酸カリウム、〔K2HPO4
3H2O〕、6mg/mlの一塩基性リン酸カリウム、
0.2mg/mlの硫酸マグネシウム〔MgSO4
7H2O〕、4mg/mlの硫酸アンモニウムおよび1.2
mg/mlのパルミチン酸ナトリウムを含有する水性
媒中で増させた。増殖は、250mlのフラスコ中の
40mlの培地に0.1mlの洗浄細胞懸濁物を接種して
開始させた。培養は250rpmで回転振とうしなが
ら30℃で72時間行なつた。細胞を分離し、水に対
して透析したのち、分析値は、α−エマルザンの
収量が標準評価法により116単位/mgの比活性と
測定された111単位/mlであつた。この粗製α−
エマルザンは、ヒドロキサミン酸試験で測定した
とき合計エステル含量が9%であり、脂肪酸エス
テルの平均当量230であつた。 9.5 ヘキサデカンからのβ−エマルザンの製造 パルミチン酸ナトリウムの代りに一次同化性炭
素源として0.2mg/mlのヘキサデカンを用いた第
9.2項に記載した培地を用いて30℃で72時間にわ
たつて250rpmの回転振とうしてアシネトバクタ
ー種ATCC31012を増殖させた。前記のように、
増殖は、250mlのフラスコ中の40mlの培地に0.1ml
の洗浄細胞懸濁液を接種して開始させた。 細胞を除去し、水に対して粗製細胞外液体の透
析を行なつたのち、分析はβ−エマルザンの収量
が、標準評価法で測定した50単位/mgの比活性を
有する16単位/mlであることを示した。この粗製
β−エマルザンは、ヒドロキサミン酸試験で測定
したとき合計エステル含量がほとんど5%であ
り、脂肪酸エステルの平均当量230であつた。 9.6 アポ−α−エマルザンの製造 種々のエマルザンは、生体乳化剤の純度を反映
する蛋白質が5〜15重量%含まれていた。蛋白質
部分が乳化活性に対して必須であるか否かを確認
するために、エタノール培地でアシネトバクター
種ATCC31012を増殖させることにより製造され
たα−エマルザンを、R.L.Whistler編のモノグラ
フである「Carbohydrate Chemistry」,
Academic Press,Inc.,New York,1965,
pp83−91にO.Westphalらにより記載されている
熱フエノール法により除蛋白を行なつた。 濃厚水酸化アンモニウムの数滴を用いて200ml
の水に溶解させた1gの前記α−エマルザンを、
65〜68℃にし、ついで65℃に予熱した等量の90%
フエノールを添加した。この混合物を65℃で激し
く撹拌し、ついで泳浴中で10℃は冷却した。得ら
れるエマルジヨンを5000×gで30分間遠心分離し
た。粘性の水性相をフラスコに移したのち、残り
のフエノール層および界面を200mlの水で3回抽
出した。合流させた水抽出物が数回変えた蒸留水
に対して透析し、ついで凍結乾燥して850mg(85
%収率)のアポ−α−エマルザンを白色の綿状固
体を得た。 残りのフエノールフラクシヨンおよび界面は水
に懸濁させ、蒸留水から透析し、ついで凍結乾燥
し、該α−エマルザンから誘導された変性蛋白質
を表わす黄色の蛋白質性物質100mg(10%収率)
を得た。 これらの各フラクシヨンのガス−油乳化に対す
る能力は、ついで標準評価技術を用いて決定され
た。エマルジヨン生成は、7.5mlのトリス−Mg緩
衝剤〔200mMのトリス−(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタンハイドロクロライド、PH7.4;10mM
硫酸マグネシウム〕、0.05mlのガツチ−サランガ
ス−油および75mcgのα−エマルザンまたは該
α−エマルザンのフエノール抽出により得られる
15mcgの変性蛋白質を含む125mlのフラスコ中で
測定した。フラスコは26℃で1時間にわたつて往
復振とう(150ストローク/分)することにより
撹拌した。フラスコの内容物を、ついでグリーン
フイルターを備えたクレツト−サマーソン比色計
において濁度を測定するためにクレツト管に移し
た。これらの試験の結果を第12表に示すが、比活
性(単位/mg乾燥重量)は第1図に示す標準曲線
(曲線1−B)から決定した。 【表】 第12表に含まれているデータは、全ての乳化活
性がO−リポアシルヘテロ多糖類においてであ
り、また変性蛋白質フラクシヨンと会合している
ものの活性はなく、これはα−エマルザンがエタ
ノールよりむしろ脂肪酸塩(パルミチン酸ナトリ
ウム)から調製される場合に得られる結果であ
る。 アポ−α−エマルザンに関してさらに行なつた
実験から、10mcg/mlのアポ−α−エマルザン
に0.2および2.0mcg/mlのこの変性蛋白質を加え
ると、それぞれ25%および66%の「同時
(simultation)」乳化活性が得られ、これは実際
に、乳化活性に関係しているものと信じられてい
る標準乳化剤評価法により得られる濁度の測定で
ある。異なる蛋白質、例えばボビンサラムアルブ
ミン、リゾチーム、ヘキソキナーゼおよび変性ア
ルコールデヒドロゲナーゼも、同様にこのような
蛋白質がアポ−α−エマルザンに添加される場合
にガス−油の乳化において濁度の増大をきす。 9.7 アポ−α−エマルザンの製造 O.Westphalら以下の熱フエノール法は、β−
エマルザンに含有されている会合蛋白質を抽出す
ることを使用し、これにより相当するアポ−β−
エマルザンを生成する。上記第9.4項に記載され
ている実験方法を用いて、ヘキサデカン培地でア
シネトバクター種ATCC31012を増殖させて製造
されるβ−エマルザンは、相当するアポ−β−エ
マルザンに除蛋白される。全ての乳化活性は、O
−リポ多糖類中で見出され、また変性蛋白質フラ
クシヨンで会合したものには、このような活性は
見出されなかつた。 8.8 ψ−エマルザンの製造 エマルザン類を中塩基加水分解すると、N−ア
シル基には影響を及ぼすことなくリポ多糖類をO
−脱アシル化され、この方法はψ−エマルザンの
製造に使用できる。2.5mg/mlのα−エマルザン
を含有する10mlの水溶液を、等量の0.2Mの
NaOHにより98℃で処理した。ついで、この溶
液を氷浴中で冷却し、注意深くPH7.0に中和した。
この中和溶液を水に対して透析し、親油化してmg
当り76単位の比乳化活性を有する20mg(80%)の
ψ−エマルザンを得た。ψ−エマルザンの合計エ
ステル含量はヒドロキサミン酸試験により1%で
あつた。このψ−エマルザンの換算粘度は317
c.c./gであつた。 9.9 プロエマルザンの製造 α−エマルザン類、β−エマルザン類またはそ
のアポエマルザン類の中塩基は生体重合体を完全
にO−脱アシル化しかつ部分的にN−脱アシル化
し、同時にいずれの会合蛋白質も加水分解する。
得られる生成物はプロエマルザン類である。2%
のKOHを含む30mlのメタノール溶液中に5mgの
アポ−α−エマルザンが、室温で96時間で残つ
た。低圧でメタノールを除去したのち、15mlの水
を加え、かつPHを2.0に調節した。遊離の脂肪酸
をエーテル抽出によつて除去し、水溶液を透析
し、37mg(74%)のプロエマルザンを得た。ヒド
ロキサミン酸試験により評価したところ、プロエ
マルザンのエステル含量はゼロであつた。また、
この生成物は、標準乳化試験で評価したところ乳
化活性を有していなかつた。元素分析値:C36.5
%、H7.0%、N6.5%。 9.10 硫酸アンモニウムでの沈殿によるα−エマ
ルザンの精製 アシネトバクター種ATCC31012の末期指数培
養株を、14g/の二塩基性リン酸カリウム
〔K2HPO4・3H2O〕、6g/の一塩基性リン酸
カリウム、0.2g/の硫酸マグネシウム
〔MgSO4・7H2O〕、4g/の硫酸アンモニウム
および20ml/の無水アルコールを含有する水性
培地を用いたニユーブルンスウイツク(New
Brunswick)の14の発酵装置内で30℃で増殖
させた。発酵は約15/分でエアレーシヨンを行
ないかつ必要によりエタノールを追加してバツフ
ルなしに100rpmで撹拌して行なつた。 発酵を約3日間行なつた場合、培地を冷却し、
撹拌しながら細胞を予め分離することなく(30%
の硫酸アンモニウム飽和)10の冷却された発酵
ブロスに直接1760gの硫酸アンモニウムをゆつく
り加えた。一夜放置後、表面に浮かぶ液体をデカ
ンテーシヨンにより集めた。沈殿は30%の飽和硫
酸アンモニウムに懸濁させ、10000×gで15分間
にわたつて遠心分離した。合流させた表面に浮か
ぶ流体をケイソウ土の薄層に通過させることによ
りさらに清澄化した。無細胞の表面液体に追加量
(62g/)の硫酸アンモニウムを加えて40%飽
和の最終濃度にした。 10000×gで15分間にわたつて遠心分離して集
めて得られた沈殿を、200mlの水に溶解し、エー
テルで抽出し、蒸留水に対して透析し、親油化し
た。α−エマルザンの収量は、330単位/mgの比
乳化活性を有する発酵ブロス10から2.1gであ
つた。 同一精製法を、脂肪酸塩基質で増殖したα−エ
マルザンの精製に使用した。 9.11 第四級アンモニウム塩での沈殿によるα−
エマルザンの精製 1gの粗製α−エマルザンを100mlの水に溶解
し、クリヤーな粘稠な溶液を生成した。20mlのセ
チルトリメチルアンモニウムブロマイドの5%
(w/v)水溶液を室温で撹拌しながら添加した。
沈殿を数分間集めたのち、混合物を5000×gで10
分間にわたつて遠心分離した。全ての乳化活性を
含むペレツトフラクシヨンを蒸留水で1回洗浄し
た。洗浄したセチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド沈殿を100mlの0.1Mの硫酸ナトリウムに溶
解した。残つている少量の沈殿を10000×gで30
分間にわたつて遠心分離した。1gの沃化カリウ
ムを、ついで撹拌しながらクリヤーな溶液に添加
した。セチルトリメチルアンモニウムアイオダイ
ドは、10000×gで15分間にわたつて遠心過し
て生成した沈殿を生じた。残りの表面液体は蒸留
水に対して透析、親油化して白色固体を生成し
た。この物質は350単位/mgの比乳化活性を有し
ていた。 CTABで精製したα−エマルザンの試料は6
時間にわたつて5MのHCl中で98℃で酸加水分解
して生体重合体中に存在するグルコースを生ず
る。加水分解された物質はセルロース−Fプレー
ト上で薄層クロマトグラフイにより分析し、硝酸
銀のステイニングは不純物として痕跡量のグルコ
ースを示した。 9.12 ヘプタン分別によるβ−エマルザンの精製 エタノールの代りに一次同化性炭素源として
0.2%(v/v)のヘキサンを用いた上記第9.8項
に記載されている培地を用いてアシネトバクター
種ATCC31012をニユーブルンスウイツク14の
発酵装置内で4日間にわたつて30℃で増殖させ
た。 27のヘキサデカン増殖培養株を冷却し、細胞
をソルヴアル(Sorvall)KSB連続流遠心分離器
内で遠心分離した。ついで表面液体を1/3容量の
エーテルで2回抽出した。水相中の残留エーテル
を過窒素ガスを泡出させて除去した。エーテル
相は測定し得ないほどの乳化活性を含有してお
り、廃棄した。 水性相を3、1.2、0.8および0.45ミクロンのミ
リポア(Millipore)フイルターを通して連続的
に過し、ついでクリヤーな液を0.15容量のヘ
プタンで4回抽出した。水性相に残留している約
10%の乳化活性は廃棄した。 ヘプタンフラクシヨンは合流させ、減圧下に蒸
発させて黄色シロツプを得た。エーテルで抽出し
たのち、シロツプを100mlの50%メタノール水溶
液に溶解した。得られた粘稠な溶液は数回変えて
蒸留水に対して透析し、親油化した。親油化β−
エマルザンの収量は1.5gで202単位/mgの特別に
高い比活性であつた。 この物質の試料は2.5%のKOHを含有する90%
メタノール水溶液を用いて室温で72時間にわたつ
て塩基加水分解を行なつた。減圧下にメタノール
を除去したのち、水を添加し、PH1に酸性化し、
脂肪酸をエーテルで抽出し、ジアゾメタンでメチ
ル化し、ついでガスクロマトグラフイにより分析
した。クロマトグラフイは、A/B=0.83の割合
で2−ヒドロキシドデカン酸(A)と3−ヒドロキシ
ドデカン酸の存在を明らかにした。 過剰の脂肪酸基質が適当な溶媒(すなわちヘプ
タン)分別法により抽出できるように媒地を最初
酸性化した以外は同一精製法で脂肪酸塩でアシネ
トバクター種ATCC31012を増殖させて製造した
α−エマルザンを精製した。 9.13 アポ−α−エマルザンの硫酸アンモニウム
フラクシヨン 上記第9.4項に記載したフエノール抽出を820mg
のα−エマルザンについて繰返した。フエノール
抽出を3回行なつたのち、合流させた水抽出物を
等量のエーテルで4回抽出して残留フエノールを
除去した。エーテルを蒸発させたのち、粘稠な水
性相を5℃に冷却し、32.5%の硫酸アンモニウム
飽和にし、30%飽和で沈殿を生成しなくなつた。
5℃で1時間放置後、クリヤーな光沢ある沈殿を
5℃で30分間にわたつて5000×gで遠心法で集め
た。 この方法を繰返して32.5〜35%飽和で僅かに濁
つた二次沈殿および35〜40%飽和で他の少量の沈
殿を得た。40〜60%飽和ではもはや沈殿を生じな
かつた。各沈殿を溶解させ、蒸留水に対して2〜
5℃で、0.05Nの塩酸(24時間)で、および2回
蒸留した水で連続的に透析した。同一方法を残り
の60%飽和溶液についても行なつた。このような
精製を行なつたのちに残留する各生成溶液は凍結
乾燥して分析した。この分析結果は、第13表に示
すとおりである。 第13表に含まれている分析データは、アポ−α
−エマルザンの乳化活性の99%以上が30〜35%硫
酸アンモニウム飽和の二つのフラクシヨンに沈殿
していることを示している。これらの二つのアポ
−α−エマルザンフラクシヨンは同様な比乳化活
性で特徴づけられ、かつ同一割合のO−エステ
ル、カルボン酸およびヘキソースを有していた。
また、該活性フラクシヨンの両者は、高い比粘度
を有していた。実質量の蛋白質を含有しているフ
ラクシヨンはなかつた。 【表】 9.14 α−エマルザン類およびβ−エマルザン類
による石油フラクシヨンの乳化 β−エマルザン類に比較してのα−エマルザン
類の高いO−リポエステル含量の存在は、これら
アシネトバクター生体乳化剤の乳化活性において
明らかな差異を生じる。この結論は、広く使用さ
れかつ石油工業により販売されている種々の石油
フラクシヨンに関する両生体乳化剤の影響を測定
するために行なわれる一連の試験により説明され
た。 これらの各試験において、乳化生成は、5mlの
過海水、8mg/mlの炭化水素および50mcg/
mlの特定のアシネトバクター生体乳化剤を含む
125mlのゴム栓付きフラスコ中で測定し、α−エ
マルザン類はエタノール培地でアシネトバクター
種ATCC31012を増殖させて製造し、β−エマル
ザン類はヘキサデカン培地で該微生物を増殖させ
て製造される。α−エマルザン類は上記第9.8項
に記載した硫酸アンモニウム分別法により精製さ
れ、またβ−エマルザン類は上記第9.13項に記載
したヘプタン分別法により精製された。 フラスコを25℃で2時間にわたつて回転振とう
(280rpm)するかあるいは往復振とう(150スト
ローク/分)して撹拌した。ついで、フラスコの
内容物を、グリーンフイルターを備えたクレツト
−サマーソン比色計で濁度を測定するためにクレ
ツト管に移した。10分間放置後読み取りを行なつ
た。特定のアシネトバクター乳化剤または炭化水
素を欠いている比較例の読みは5クレツト単位以
下であつた。これらの試験結果は第14表のとおり
である。 【表】 【表】 第14表に含まれているデータの分析は、α−エ
マルザンおよびβ−エマルザンが原油に対して共
に優れた乳化剤であり、かつ灯油に対してもかな
り良好な乳化剤であり、α−エマルザンはガス−
油の乳化においてβ−エマルザンより効果的であ
る。事実、ガス−油のエマルジヨンは原油エマル
ジヨンと同様に安定である。バンカーC燃料油は
α−エマルザンにより乳化されるがβ−エマルザ
ンによつては乳化されない。原油の暗色が両生体
乳化剤の相対乳化活性が妨げられることを考慮す
ると、データは一般にエマルジヨンがα−エマル
ザンよりβ−エマルザンにより良好に得られ、ま
た回転式より往復式振とうにより良好に得られる
ことを示している。 9.15 α−エマルザンによる石油フラクシヨンと
純炭化水素の混合物の乳化。 エマルザン類が異なるタイプの炭化水素の乳化
において特異性を示すか否かを測定するために、
一連の試験を行なつて種々の石油フラクシヨンお
よび純炭化水素の乳化におけるα−エマルザンの
効果を測定した。 これらの各試験において、乳化生成は、5mlの
過海水、8mg/mlの合計基質(石油フラスコ+
添加物)および5mcgのα−エマルザンを含む
125mlのゴム栓付きフラスコ中で測定した。炭化
水素の混合物はすべて1:1(v/v)であつた。
ある試験においてはアグハジヤリ原油のフラクシ
ヨンが使用され、このフラクシヨンはA.Jobson
App.Microbiol.,23,1082−1089(1972)の方法
で調製され、この方法でフラクシヨン1,2およ
び3はそれぞれ脂肪族、芳香族および極性芳香族
フラクシヨンに相当する。前記のように、α−エ
マルザン類はエタノールでアシネトバクター種
ATCC31012を増殖させて製造し、硫酸アンモニ
ウムフラクシヨン法により精製された。しかしな
がら、同様な結果が一次同化性炭素源としての脂
肪酸について該微生物を増殖させて製造されたα
−エマルザン類を用いても得られた。 フラスコを25℃で2時間にわたつて往復振とう
(150ストローク/分)して撹拌した。ついで、フ
ラスコの内容物を、グリーンフイルターを備えた
クレツトサマーソン比色計中で濁度を測定するた
めにクレツト管に移した。10分間放置後に読み取
つた。これらの試験の結果は、第15表のとおりで
ある。 【表】 【表】 第15表に含まれているデータは、炭化水素の乳
化におけるα−エマルザンの効果が炭化水素基質
における脂肪族および芳香族(または環式)化合
物の相対濃度によることを示している。例えば、
灯油およびガソリンのを乳化するα−エマルザン
の能力は、2−メチルナフタリンにより大いに高
められるが、ヘキサデカンによつては高められな
い。炭化水素基質が脂肪族および芳香族(または
環式)化合物の両者を含有するのに必要なこと
は、さらに塔分別された原油の混合物の乳化にお
いて得られる結果により支持された。原油自体は
α−エマルザンで乳化されるとはいえ、それ自身
で良好な基質であるフラクシヨンはなかつた。脂
肪族リツチのフラクシヨン(フラクシヨン1)と
芳香族リツチのフラクシヨン(フラクシヨン2)
を含む混合物は有効に乳化された。 9.16 油汚染容器の洗浄 α−エマルザン類の海水または淡水の水溶液
(後者はマグネシウムのような適当な二価カチオ
ンを含有している。)は、油汚染タンカー、はし
け、貯蔵タンク、タンク車およびタンクローリ
ー、パイプラインおよび原油または石油フラクシ
ヨンを輸送または貯蔵するために使用されるその
他の容器からの残留原油を含めて炭化水素質残渣
を洗浄し回収するための優れた乳化剤である。こ
のような容器の油汚染表面を、約10mcg/ml〜
約20mg/mlのα−エマルザンを含有する水溶液で
洗浄すると、通常海水およ硬水中に存在している
が溶液が約1〜約100mM、好ましくは約5〜約
40mMの少なくとも1種の適当な二価カチオンを
含んでいる場合には、前記炭化水素質残渣の水中
油エマルジヨンを直ちに生成する。さらに、適当
な培地でアシネトバクター種ATCC31012を増殖
して得られるα−エマルザン類を含有する無細胞
発酵ブロスが直接または適当な希釈後に使用でき
るので、α−エマルザンは精製する必要はない。 前記第4−5項に記載のデータを用いて物理的
または化学的にエマルジヨンを破壊することによ
り油汚染容器を洗浄しかつ得られる水中油型エマ
ルジヨンから炭化水素質残渣を回収する方法が設
計できる。洗浄されるべき油または炭化水素質残
渣の量および組成によりα−エマルザンの合計量
は1000〜10000重量部の炭化水素当り1重量部
(乾燥重量基準)程度に低くでき、α−エマルザ
ンの濃度が高ければ高いほどエマルジヨンの安定
性は高くなる。 該洗浄用乳化剤として無細胞発酵ブロスの用途
を示すために、アシネトバクター種ATCC31012
を、122gの二塩基性リン酸カリウム
〔K2HPO4・3H2O〕、40gの一塩基性リン酸カリ
ウム、1.33gの硫酸マグネシウム〔MgSO4
7H2O〕、13.3gの地下水および脱イオン水を含有
した最終容量10を含んだ15のガラス製発酵装
置で接種した。培地を121℃で30分間にわたつて
殺菌し、ついで200mlの無水エタノール(2容量
%)を添加した。エタノール塩培地の最終PHは
7.0であつた。培地を30℃に冷却したのち、同一
培地において増殖したアシネトバクター種
ATCC31012の未期指数培養株500mlをガラス製発
酵装置に添加したのち、200rpmの速度(バツフ
ルなし)で撹拌しながら3.5/分で空気を流通
して30℃に保つた。発酵中にPHは6.0に低下した。
発酵の間中、泡はシリコーン消泡剤を(スプレー
状で)定期的に添加して制御された。 これらの条件下で発酵ブロスは72時間後に260
単位/mlのα−エマルザンおよび7.4g/のバ
イオマス190℃で16時間乾燥)を含んでいた。遠
心法または過法により細胞を分離したのち、得
られた無細胞発酵ブロスは、原油が空のときにタ
ンクの内壁に蓄積している鋼製容器の油汚染表面
から原油を洗浄するのに使用できる。 9.17 エマルザンによるエマルジヨン生成につい
ての多糖類の流動性制御の影響 強化油回収用流動性制御重合体として推奨され
た、メルク社(Merck & Co.,Inc.)のKelco
Divisionで製造された微生物細胞外ヘテロ多糖類
(XANFLD SFL14630)を、ガス−油の乳化に
ついて該物質の影響を測定するために20mcg/
mlのα−エマルザンに関して濃度を変えて試験し
た。これらの各試験において、0.1mlのガツチサ
ランガス油を、7.5mlのトリス−Mg緩衝液
〔50mMのトリス−(ヒドロキシメチル)アミノメ
タンハイドロクロライド、PH7.2、10mMの塩化
マグネシウム〕、20mcg/mlのα−エマルザンお
よび変えた濃度の流動性制御多糖類を含有する
125mlのエーレンマイヤーフラスコに加えた。同
様に数回の試験を、流動性制御重合体が炭化水素
を乳化するか否かを決定するためにα−エマルザ
ンなしに行なつた。 フラスコをニユーブルンスウイツクG24培養器
シエーカー内で30℃で1時間にわたつて回転振と
う(280rpm)しながら撹拌した。ついでフラス
コの内容物を、グリーンフイルターを備えたクレ
ツト−サマーソン比色計内で濁度を測定するため
にクレツト管に移した。10分間放置後に読み取り
を行なつた。第16表に示すこれらの試験の結果
は、流動性制御重合体の濃度を変えて添加して得
られるエマルジヨンの濁度のパーセンテージの増
大(+)または減少(−)として表現されてい
る。 【表】 第16表に示すように、エマルザンに関して流動
性制御多糖類の使用が10mcg/mlの濃度で40%
までの乳化活性を刺激し得ることが判り、これは
両添加剤が強化油回収用石油容器に注入されるべ
き化学的に増大させたスラグ中で使用して潜在的
利点を有することを示している。しかしながら、
これ自身ではこの流動性制御重合体は炭化水素を
乳化する能力はない。 8.18 粘土でのエマルザンの吸着 数多くの工業的および石油生産および精製方法
におけるカオリンおよびベントナイトのようなア
ルミノケイ酸塩粘土の重要性のために、一連の試
験を、このようなアルミノケイ酸粘土の表面にエ
マルザンが吸着されるか否かを決定するために行
なつた。ベントナイトは、これが90重量%以下の
モンモリロナイトを含有しているので、これらの
試験を選んだ。その構造は(OH)4Si8Al4O20
xH2Oの理論式に相当し、その高い吸着力および
イオン交換能を与えている。 混合溶液からの吸着の理論的処理は、それが固
体表面に対して溶質と溶媒との間い競合があるの
で、幾分複雑である。これらの試験において溶液
からの吸着はフロイントリツリ式 x/m=a・C1/n (ただし、式中、xは固体の塊mにより吸着さ
れる溶質の量を表わし、Cは溶質濃度を表わし、
aおよびnは実験的に求められる定数である。)
で分析された。実験的にはx=(C0−C)V(C0
およびCはそれぞれ最初および平衡溶質濃度、ま
たVは吸着剤に接触する溶液の量である。)であ
る。この場合、見掛け吸着等温は、x/mが平衡
溶質濃度に対してプロツトされる場合には表現で
きる。 これらの両試験において、使用されたエマルザ
ンは、前記第9.8項の硫酸アンモニウム分別法に
よりα−エマルザンを精製した。乾燥前にはα−
エマルザンは約7重量%の蛋白質、約16重量%の
灰分および約38重量%の水分を含有していた。α
−エマルザンの水溶液は0.02Mのトリス−Mg緩
衝溶液〔10mMの硫酸マグネシウムを含有する
20mMのトリス−(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン〕中に乾燥エマルザンを溶解することにより
調製される。非活性化のテクニカルグレードのベ
ントナイトは吸着剤として使用された。 所定塊のベントナイトについての所定容量の溶
液からα−エマルザンの吸着を、100mlまたは50
mlのエーレンマイヤーフラスコ中で100ストロー
クス/分で1時間にわたつて振とうして行なつ
た。平衡溶液は遠心法または過法によりベント
ナイトから分離した。試験結果を第17表に示す。 【表】 第17図に含まれているデータは、ベントナイ
トに対するα−エマルザンの吸着はベントナイト
濃度の関数である。エマルザンの約70%は、ベン
トナイトとエマルザンの比が100:1で吸着され、
一方、95%以上のエマルザンは400:1またはそ
れ以上の比で吸着される。 9.19 エマルザンによる粘土の凝集 ベントナイトに対するエマルザンの吸着は、エ
マルザンの不存在下よりも約5〜10倍速く起る沈
降を伴なつて粘土(クレー)の懸濁粒子の凝集を
起す。100mcg/mlのα−エマルザンを含有する
50mlのトリス緩衝液と50mlの海水の溶液に1.6g
の非活性化のテクニカルグレードのベントナイト
を添加した混合し、得られた分散液を目盛を付し
たガラスシリンダーに注入し、室温においた。比
較例として、α−エマルザンを用いることなく平
行実験を行なつた。 第18図にグラフで図示されているこれらの試
験結果は、α−エマルザンの希薄溶液(100ppm)
が比較例で得られたものより5倍以上の要因で沈
降速度を速めたことを示している。さらに重要な
ことに、エマルザンで生成した凝集後に得られる
表面液体はクリヤーであつたが、比較例で得られ
た表面液は長期間放置後も乳白色であつた。 9.20 プロエマルザンによる粘土の凝集 プロエマルザン類は、ベントナイトの懸濁粒子
の凝集にエマルザンより効果的である。第18表
は、14mlのトリス緩衝液(PH7.26)またはリン酸
緩衝液(PH6.5)中の0.4gのベントナイトの凝集
をα−エマルザン添加、プロエマルザン添加およ
び無添加で測定した実験結果を示すものである。
α−エマルザンの最終濃度は0.05mg/mlで、プロ
エマルザンの最終濃度は0.045mg/mlであつた。
2時間激しく撹拌したのち、懸濁液を2500rpmで
60分間遠心分離した。第18表に記載されているデ
ータは、遠心管中で透明な上層を測定することに
より行なつた。プロエマルザンと同様な結果がψ
−エマルザンで得られた。 【表】 9.21 エマルザンで誘発したエマルジヨンの破壊 エマルザンが水中油型エマルジヨンを生成し、
またエマルザンがベントナイトに吸着されるの
で、ベントナイトの存在下にこのようなエマルザ
ンで誘発したエマルジヨンの挙動を測定するため
に一連の試験を行なつた。1回の試験で0.1mg/
のα−エマルザンを含有するアグハジヤリ原油
(10mlの海水中に1mg)のエマルジヨンを、油を
フラスコに入れ室温で1時間回転振とうして撹拌
するという標準法により調製した。2日後、1g
の予め膨潤したベントナイトを安定なエマルジヨ
ンに加え、懸濁液を約20秒間振とうし、ついで管
に移して放置した。15分後、エマルジヨンの破壊
が観察された。20時間後二層に分れ、上層はクリ
ヤーであつたが下層はエマルジヨンの前の容量の
約半分を占めるゲル状沈殿であつた。 他の試験では、0.08mg/mlのα−エマルザンを
含有する7.5mlのトリス−Mg緩衝液〔50mMのト
リス−(ヒドロキシメチル)アミノメタンハイド
ロクロライド、PH7.2、10mMの塩化マグネシウ
ム〕中のアグハジヤリ原油(0.1ml)のエマルジ
ヨンを前記のごとき標準法により調製した。比較
例として、7.5mlの緩衝液の0.1mlの原油を同一条
件下で振とうした。両試料を0.5gのベントナイ
トを含有する管に移し、30秒間振とうし、ついで
放置した。15時間後、エマルジヨンで誘発したエ
マルジヨンの破壊がみられた。さらに、α−エマ
ルザンの存在下に生成した凝集沈殿は、比較試験
から得られた沈殿よりも2倍大きい容積であつ
た。 9.22 エマルザンによる砂からの油の除去 1gの白砂に0.1ml、0.2mlまたは0.3mlの(飽
和)ダリウス原油(軽質ペルシア原油)を2個ず
つ予め吸着させた。砂の試料を、10mlのトリス−
Mg緩衝液〔50mMのトリス−(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタンハイドロクロライド、PH7.2、
10mMの硫酸マグネシウム〕を含有する100mlの
三角フラスコに移した。0.1ml、0.2mlまたは0.3ml
の原油を含有する試料の各1個にα−エマルザン
を加え、最終濃度0.1mg/mlであつた。残りの三
つの試料(エマルザンなし)を比較例とした。試
料を振とうしている水浴中で30℃で30分間140ス
トローク/分で振とうした。 振とう後、試料を1時間放置し、水性相をデカ
ンテーシヨンにより砂から分離した。各砂試料を
10mlのトリス−Mg緩衝液で2回洗浄し、デカン
トした洗浄液を合流させた。砂試料および水性相
(洗浄液とともに)をジエチルエーテルで別々に
抽出し、エーテル抽出物を秤量されたフラスコ内
で窒素気流下に乾燥した。第19表は、α−エマル
ザンにより除去された油の量が水相でエーテル抽
出物質の量として測定される場合る試験結果を示
し、砂に残留した油の量は洗浄砂から抽出された
エーテル可溶物質の量として測定されている。 【表】 砂からの油除去におけるα−エマルザンの影響
は第19表に明確に示されている。0.1mg/mlの存
在下に、90%以上の原油が除去された。これは、
相の最初の分離前に放置しなかつた砂粒子のエー
テル抽出は比較例における水性相から抽出された
物質の全量に寄与するので、恐らく低く評価され
る。振とうせずに極めて僅か(<10%)の油が除
去された。これらの試験中に、溶解した油がα−
エマルザンが添加される試料において乳化される
ことが観察された。また、油の予備吸着前に砂お
よび緩衝液を含有するフラスコにα−エマルザン
を添加すると、振とう中に砂に油が吸着されるの
が妨げられる。 第19図に含まれているデータからエマルザン
類は、砂または砂岩累層に含まれている油を回収
するための強化回収法に使用できることは明白で
あり、この方法においては水またはブラインおよ
び1種またはそれ以上の薬品よりなる化学的に増
大させたスラグが砂または砂岩累層に配置された
石油受器に注入されかつ原油回収のための受器を
通して置換される。さらに、エマルザン(生物分
解できる)の希薄溶液は油漏洩管理に使用されて
海岸砂に堆積した油を乳化し、その結果油は分散
され、ついで微生物学的に分解される。 9.23 石油受器の化学的フラツデイングに基づく強化
油回収法(この方法では、水またはブラインおよ
び1種またはそれ以上の薬品よりなる化学的に増
大させたスラグが石灰石累層に配置された石油受
器に注入されかつ原油回収のための受器を通して
置換される。)が、化学的に炭酸カルシウムであ
る石灰石から油を除去し得るに充分な乳化剤を必
要とするので、石灰石から油を除去するためのエ
マルザンの能力を測定するために一連の試験を行
なつた。 4個の4gの炭酸カルシウム(破砕石灰)に
0.8gのアグハジヤリ原油を予め吸着させた。油
を含浸させた石灰石試料を20mlのトリス−Mg緩
衝液〔50mMのトリス−(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタンハイドロクロライド、PH7.2、10mM
の硫酸マグネシウム〕を含有する100mlの三角フ
ラスコに移した。三つの試料にそれぞれ異なる量
(2、5および10mg)のα−エマルザンを添加し、
一方、残りの試料(エマルザンなし)は比較のた
めに保存した。これらの試料をタツテナウサ
(Tuttenaucer)振とう水浴中で30℃で140ストロ
ーク/分で30分間振とうした。 振とう後、試料を1時間放置し、水相をデカン
テーシヨンにより石灰石から分離した。石灰石試
料を10mlのトリス−Mg緩衝液で2回洗浄し、デ
カントした洗浄液を合流させた。石灰石試料およ
び水相は(洗浄液とともに)ジエチルエーテルで
別々に抽出し、エーテル抽出物は秤量したフラス
コ中で窒素気流下に乾燥した。第20表はこれらの
試験結果を示すものであり、エマルザンにより分
離された油の量は水相におけるエーテル抽出物質
の量として測定され、石灰石に残留した油の量は
差から計算された。 【表】 石灰石からの油分離におけるα−エマルザンの
効果は、第20表に明確に示されている。0.1mg/
mlの存在で89%以上の原油が除去され、0.5mg/
mlのα−エマルザン濃度で98%以上の原油が除去
される。第9.20項の試験に示すように、これは相
の最初の分離前に放置しなかつた石灰石粒子のエ
ーテル抽出は比較例における水性相から抽出され
た物質の全量に寄与するので、恐らく低く評価さ
れる。 エマルザン類、特に重量基準でα−エマルザン
類が極めて充分な水中油型乳化剤であり、またこ
れらの細胞外リポ多糖類が比較的高い塩化ナトリ
ウム濃度にその乳化活性を失なうことなく耐える
ので、エマルザン類が石灰石累層からの油の強化
油回収法で広く使用することが期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図はガス−油および1:1(v/v)のヘ
キサデカン/2−メチルナフタリンの混合物で得
られる乳化の量の関係をエマルザン濃度の関類と
して示す前記第2.4.1項に記載の標準乳化剤評価
を表わすグラフ、第2図はメタノール培地におけ
る微生物の増殖、増殖中の生体乳化剤の生産およ
び増殖中のPHの変化の関係を時間の関数として示
すエタノール培地でのアシネトバクター種
ATCC31012の増殖中のα−エマルザンの細胞外
生産を表わすグラフ、第3図はヘキサデカン培地
における微生物の増殖および増殖中の生体乳化剤
の生産の関係を時間の関数として示すヘキサデカ
ン培地でのアシネトバクター種ATCC31012の増
殖中のβ−エマルザンの細胞外生産を示すグラ
フ、第4図は酸加水分解除蛋白質O−リポアシル
化ヘテロ多糖類の還元力の重量%と加水分解時間
との関係を示すアポ−α−エマルザンの酸加水分
解で起る変化を表わすグラフ、第5図はアポ−α
−エマルザンとイオン性強度との関係を表わすグ
ラフ、第6図はAおよびBに分けられるが種々の
濃度のガス−油と所定濃度の生体乳化剤の時間と
の関係を示すガス−油のエマルザン−誘発乳化の
動力学を表わすグラフ、第7図はガス−油のエマ
ルザン誘発乳化における60分間撹拌後に得られる
乳化の量と所定の濃度の生体乳化剤との関係をガ
ス−油濃度の関数として表わすグラフ、第8図は
ガス−油のエマルザン−誘発乳化で得られる乳化
の量とマグネシウムイオンの存在下または不存在
下に淡水または海水中のPHとの関係を表わすグラ
フ、第9図はガス−油のエマルザン−誘発乳化で
得られる乳化の量と塩濃度との関係を表わすグラ
フ、第10図はAおよびBに分けられるが乳化の
百分率と所定濃度の生体乳化剤の放置時間との関
係をガス−油/生体乳化剤の重量比を変えて示す
エマルザン−誘発エマルジヨンの相対安定性を表
わすグラフ、第11図は乳化された油滴上昇とガ
ス−油に対する所定濃度の生体重合体の重量比と
の関係を表わすグラフ、第12図は所定温度のエ
マルザンを含有する海水中のn−アルカンの界面
表力とn−アルカンの鎖長との関係を表わすグラ
フ、第13図は種々の直鎖および分岐鎖アルカン
におけるエマルザン−誘発乳化で得られる乳化の
量とアルカンの炭素数との関係を表わすグラフ、
第14図は種々のアルキルシクロヘキサンのエマ
ルザン−誘発乳化で得られる乳化の量とアルキル
シクロアルカンの炭素数との関係を表わすグラ
フ、第15図は種々のアルキル置換ベンゼンにお
けるエマルザン−誘発乳化で得られる乳化の量と
該ベンゼンの炭素数との関係を表わすグラフ、第
16図はヘキサデカンと特定のメチルナフタリン
との混合物のエマルザン−誘発乳化で得られる乳
化の量と該混合物中のヘキサデカンの容量パーセ
ントとの関係を表わすグラフ、第17図は溶液中
に残留するエマルザンの量と所定量のベントナイ
トとともに振とうした後の時間との関係を示すベ
ントナイト上のエマルザンの吸着の動力学を表わ
すグラフであり、また第18図は沈降中に見られ
る透明な上層の量と生体乳化剤を添加していない
標準の比較用溶液中および所定濃度のエマルザン
を含有する同一溶液中にベントナイトを分散させ
たときの時間との関係を示すエマルザンによるベ
ントナイト凝集の動力学を表わすグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 リポ多糖類成分(以下、一括して「アポ−α
    −エマルザン成分」という。)が多量のD−ガラ
    クトースアミンおよびアミノウロン酸から構成さ
    れるN−およびO−リポアシル化ヘテロ多糖類で
    あり、該アポ−α−エマルザン類は少なくとも5
    重量%の脂肪酸エステルを含有し、(1)その脂肪酸
    は約10〜約18個の炭素原子を有し、かつ(2)このよ
    うな脂肪酸の約50重量%以上が2−ヒドロキシド
    デカン酸および3−ヒドロキシドデカン酸である
    アシネトバクター種(Acinetobactor Sp.)
    ATCC31012またはその変異体により製造される
    細胞外微生物蛋白質会合リポ多糖類(以下、一括
    して「α−エマルザン類」という。)、及び(b)α−
    エマルザン類の二価金属、アンモニウム及び第四
    級アンモニウム塩よりなる群から選ばれた細胞外
    微生物リポ多糖類およびその誘導体。 2 アポ−α−エマルザン成分のO−リボアシル
    部分に含まれる集団の脂肪酸は約200〜約230の平
    均当量を有してなる特許請求の範囲第1項に記載
    のα−エマルザン類。 3 アポ−α−エマルザン成分は5〜約7重量%
    の脂肪酸エステルを含有し、集団の脂肪酸は約
    200〜約230の平均当量を有してなる特許請求の範
    囲第1項に記載のα−エマルザン類。 4 アポ−α−エマルザン成分は約7〜約14重量
    %の脂肪酸エステルを含有し、集団の脂肪酸は約
    200〜約230の平均当量を有してなる特許請求の範
    囲第1項に記載のα−エマルザン類。 5 アポ−α−エマルザン成分は約14〜約19重量
    %の脂肪酸エステルを含有し、集団の脂肪酸は約
    200〜約230の平均当量を有してなる特許請求の範
    囲第1項に記載のα−エマルザン類。 6 アポ−α−エマルザン成分は脂肪酸エステル
    のmg当り約0.5〜約0.7ミクロモル含まれ、該脂肪
    酸の約50〜約70重量%は2−ヒドロキシドデカン
    酸および3−ヒドロキシドデカン酸より構成され
    ている特許請求の範囲第1項に記載のα−エマル
    ザン類。 7 アポ−α−エマルザン成分は約20〜約35重量
    %のD−ガラクトースアミン、約30〜約35重量%
    のヘキソースアミンウロン酸および約7〜約19重
    量%の脂肪酸エステルより構成され、該脂肪酸は
    約10〜約18個の炭素原子を有し、かつ約200〜約
    230の平均当量で特徴づけられ、該アポ−α−エ
    マルザン成分のO−リポアシル化部分における該
    脂肪酸の約50〜約70重量%は2−ヒドロキシドデ
    カン酸および3−ヒドロキシドデカン酸より構成
    されてなる特許請求の範囲第1項に記載のα−エ
    マルザン類。 8 α−エマルザン類の換算粘度はPH3〜8.5に
    おいて480±50c.c./gである特許請求の範囲第1
    項に記載のα−エマルザン類。 9 アポ−α−エマルザン成分の平均分子量は約
    100万である特許請求の範囲第1項に記載のα−
    エマルザン類。 10 α−エマルザン類はmg当り約200単位以上
    の比乳化活性により特徴づけられ、mg当り1単位
    の比乳化活性は0.1mlの1:1(v/v)のヘキサ
    デカン/2−メチルナフタリンおよび7.5mlのト
    リス−Mg緩衝液よりなる標準炭化水素混合物を
    用いて100クレツト吸収を生じる生体乳化剤のmg
    当りの乳化活性として定義されるものである特許
    請求の範囲第1項ないし第9項のいずれか一つに
    記載のα−エマルザン類。 11 アポ−α−エマルザン成分のO−リポアシ
    ル化部分における2−ヒドロキシドデカン酸と3
    −ヒドロキシドデカン酸との比率は約1:4〜約
    1:1である特許請求の範囲第1項ないし第9項
    のいずれか一つに記載のα−エマルザン類。 12 アポ−α−エマルザン成分のO−リポアシ
    ル化部分における2−ヒドロキシドデカン酸と3
    −ヒドロキシドデカン酸との比率は約1:4〜約
    1:2である特許請求の範囲第1項ないし第9項
    のいずれか一つに記載のα−エマルザン類。
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