JPH0362820B2 - - Google Patents
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Description
<産業上の利用分野>
本発明は保温性と吸汗性にすぐれた編地および
その製法に関する。 <従来の技術> 従来、秋冬物用の肌着は主に木綿からなるもの
であり、一部にウール、アクリルあるいは塩化ビ
ニル系のものが用いられてきたが、風合、保温
性、伸縮性、伸長回復性、耐ピリング性、吸水
性、速乾性、洗濯時の形態安定性、白度及びその
保持性、静電気の発生などの必要特性を満足した
上に、なおコストが安いという商品はいまだ知ら
れていない。すなわち、天然繊維使いのものは吸
湿性などにはすぐれているが、形態安定性や白度
などの点で劣り、逆に合成繊維は形態安定性や速
乾性などにはすぐれているものの耐ピリング性や
吸湿性などが不充分であるという欠点を有する。 <発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは、ポリエステル繊維を用いて秋冬
物用の肌着用編地を開発すべく種々検討をした結
果、本発明に至つた。今までポリエステル繊維は
秋冬物用の肌着用途にはほとんど用いられたこと
がなかつた。この理由として着用時にぬめり感が
ある、硬い感じがし肌に合わない、汗をかいた時
に水を吸わないためむれる、数回の着用で激しく
ピリングが発生する、着脱時に静電気が発生し不
快感を与えるなど合成繊維特有の欠点がつきまと
つていたためであろうと思われる。そこで本発明
者等は、かかる欠点を克服し、従来の肌着にはな
いものを狙つて次の如き目標を満足すべく開発研
究を進めた。 (1) 接触時の温感がすぐれていること。 (2) 伸長率を大とし肌に沿いやすく、着やすくす
ること。 (3) 着用時の暖かさを継続させること。 (4) 着用時のむれでの防止のために吸水性を付与
すること。好ましくはこの吸水性は耐洗濯性を
有しており、かつ冷たい感じを与えないこと。 (5) ピリングが発生しにくいこと。 (6) 風合がソフトであり、肌にやさしいこと。 (7) 白度が保持され、長期間黄ばみや変色などが
少なく清潔な感じを与えること。 (8) 着脱時に不快な静電気の発生が少ないこと。 (9) 洗濯後乾燥しやすく、形くずれも少なく、イ
ージーケヤー性に富むこと。 本発明の目的は、肌着には不適とさえ考えられ
ていたポリエステル繊維を用いて、主に秋冬物用
のあたたかい肌着用の編地を提供するものである
が、この編地を用いて、例えばTシヤツ、スポー
ツ用のニツトシヤツ、トレーナー、タオル、ナイ
テイ、クツ下、ストツキングなどへの展開も可能
である。 <問題点を解決するための手段> 本発明は、少なくとも編成糸が、極限粘度が
0.36以下でかつ吸水加工されたポリエステルステ
ープル、好ましくはリン原子を全酸成分に対し
0.5〜1.5mol%含み、酸性末端基濃度が80μeq/g
以上である含リンポリエステルステープルを主体
とするスパン糸にて構成され、目付が120〜460
g/m2、横伸長率が100%以上でしかも接触冷感
が1.2×10-2(cal/cm2/sec)以下、厚さ当りの保
温力比が105以上、滴下法による吸水性が1秒未
満であることを特徴とする編地に関するもので、
さらにはリン原子を全酸成分に対し0.5〜1.5mol
%含み、極限粘度が0.38〜0.45、酸性末端基濃度
が80μeq/g以上であるポリエステルステープル
を主体とするスパン糸を用いて編地を形成し、つ
いでこれを水の存在下100℃以上の温度で熱処理
して該ポリエステルステーブルの極限粘度を0.36
dl/g以下に低下させると共に、その加工工程中
もしくはその前または後で耐洗濯性のある吸水加
工剤を該ポリエステル基布に対し0.1%以上付着
せしめたのち乾燥する編地の製法である。 本発明で用いうる編地はスパン100%の天竺、
スムース、フライス、エイトロツク、リバーシブ
ル、ウラ毛、ウエーブ、キルトなどの組織が使用
できるが、保温力を重視する意味でポリエステル
フイラメントの加工糸を地糸にし、ポリエステル
スパン糸をパイル部分に用いたものが最も適当で
ある。このさい編地表面はポリエステルフイラメ
ント加工糸、裏面すなわち肌に接する部分はスパ
ン糸100%で形成される。これにより、表面は比
較的プレーンな目面を有し、裏面はソフトかつバ
ルキーで保温力に富む編地になる。この裏面はさ
らに起毛することにより起毛状の面にすることも
好ましい。表面はフイラメントが中心となるが、
裏面のスパン糸の一部が毛羽となつて表面に出て
いるため、ソフトかつナチユラルな感覚を与え
る。特に本発明では裏面を起毛したものが有効で
ある。 本発明の編地において、スパン糸が耐ピリング
性にすぐれた繊維でない場合には表面に激しい毛
玉の発生がみられ、実際上肌着として商品価値が
ない。このため、本発明の編地の特に肌側を構成
するステープルとしては極限粘度が0.36dl/g以
下であるものが採用される。具体的には、パイプ
組織の場合には、後述するようなリン化合物を用
いて得られる比較的極限粘度の低い例えば0.38〜
0.45程度のポリエステルステープルよりなるスパ
ン糸をパイル糸として用いて編成し、これを水の
存在下において100℃以上の温度、好ましくは20
〜140℃の温度で10分〜90分間程度処理すること
によつて極限粘度を0.36以下に低下せしめること
によつて、編地の耐ピリング性を向上させること
ができる。かかる熱処理を繊維製造工程あるいは
編立工程で行なうのは適当ではない。なぜなら、
極限粘度の低下により繊維が弱められる結果、該
製造工程中でのトラブル、例えば原綿製造工程で
は単糸切れやトウの切断、カツト時の融着などが
起りやすく、また紡績工程では生産速度の大巾ダ
ウンや繊維損傷がさけがたく弱糸や糸斑の原因と
なり、さらに編立工程でも針きずや糸切れが多発
して充分な品質の編地にすることは出来ない。そ
れ故熱処理は染色工程においてあるいは製品にし
てから実施するのが最適である。実際上、染色工
程では、100〜140℃の湿熱工程を経るのが通常で
あり、このさいに適切な温度及び時間を設定して
極限粘度を0.36dl/g以下になるようにすればよ
いわけで、熱処理をすることはコストアツプ要因
とはならない。こうして得られるポリエステルス
テープルを用いることにより、始めて、肌着の如
き着用回数の激しく、それ故にピリングが発生し
やすいにもかかわらず耐ピリング性に優れた商品
を作ることが出来る。 このような特性を有するポリエステルは例えば
次の様な方法により作ることが出来る。 テレフタル酸を主とするジカルボン酸又はその
低級アルキルエステル誘導体と、エチレングリコ
ールを主とするグリコール又はエチレンオキサイ
ドを主とするアルキレンオキサイドを反応させて
テレフタル酸を主とするジカルボン酸のグリコー
ルエステル及び/又はその低重合体を得る第1段
階の反応と、該生成物を重縮合反応させて繰り返
し単位の85%以上がエチレンテレフタレート単位
よりなるポリエステルとする第2段階の反応及び
該ポリエステルを溶融紡糸してポリエステル繊維
を製造するに際し、第1段階の反応終了後から第
2段階の反応が完了するまでの段階で、純度96%
以上の(1)式で示されるリン化合物を添加してリン
原子が全酸成分に対し0.5〜1.5mol%含まれるポ
リエステルとした後該ポリエステルを溶融紡糸す
ることにより極限粘度0.38〜0.45dl/g、酸性末
端基濃度80μeq/g以上の含リンポリエステル繊
維を得ることが出来る。 (ただしn=3〜8の整数) このような方法に類似した方法として、特開昭
50−135331号には、特定のリン酸化合物を用いて
リン酸エステル結合を共重合したポリエステルを
繊維にしたのち熱水処理することにより加水分解
させて繊維の強度を下げ、抗ピル性能を発現させ
る抗ピル化方法が記載されているが、この方法で
は、リン化合物をポリエステルに共重合させる場
合、エーテル結合の副生が非常に大きくなつた
り、着色したり、リン化合物が原因となるポリエ
ステル中での異物が生成したり、または添加した
リン化合物の一部しかポリエステル中に残留せ
ず、大部分は重合中にエチレングリコールなどと
共に留出したり、あるいは、原料として用いられ
るリン化合物が非常に高価であつたりして価値あ
る商品が出来にくいのである。このように、ポリ
エステル繊維の抗ピル性改良のために特定のリン
化合物を添加して共重合したポリエステルを用い
る技術においても、改良効果はあるものの、繊維
としての一般的な品質、工程通過性、コスト等を
同時にすべて満足させるような方法はいまだ確立
されていない。従つて、当然のことながらかかる
ポリエステルを用いた本発明において得られるよ
うな種々の特徴ある物性を有する吸水性を有する
編地あるいはこれを用いた肌着等の商品は従来知
られなかつたのである。むろん、前述したような
公知の文献に記載された抗ピル性ポリエステル繊
維であつても、本発明で規定する要件を満足して
いるならば、本発明に用いることができるが、最
も好ましくは、前述した化合物(1)を使用して得ら
れる含リンポリエステル繊維である。 本発明で用いられるに適するリン化合物は(1)式
で示されるものであるが、これによりすぐれた改
質効果が得られる上、少ない着色、少ないエーテ
ル結合副生、ポリエステル重合中での少ない異物
の生成、少ない系外への流出、安価な原料による
安価な製造コストなどの特徴が得られる。かかる
リン化合物(1)はリン原子が全酸成分に対し、0.5
〜1.5mol%になる様に添加され重合される。リ
ン化合物(1)はリン酸の脂肪族あるいは芳香族エス
テル類であり、好ましくはジ−n−ブテルホスフ
エート、ジ−n−オクチルホスフエート類である
が、これらはポリエステル重合中に反応して主鎖
中にとり入れられ、この部分が水の存在下に熱処
理することにより加水分解され、ポリエステルの
重合度を低下させ抗ピル性改良効果を示すもので
あろう。このさい、カルボキシル基等の酸性末端
基がリン酸エステル結合の加水分解を促進するの
に効果がある。この点より、本発明のポリエステ
ル繊維は酸性末端基濃度80μeq/g以上であるの
が好ましい。リン化合物(1)のアルキル基の炭素数
は3〜8が適当である。炭素数1〜2のホスフエ
ートは安定性に乏しく、また9以上になると、ポ
リエステルが着色しやすい。また純度も96%以上
が好ましい。96%未満では着色、エーテル結合の
副生の増加等の好ましくない現象が生ずる。 なお本発明で言う全酸成分に対するリン原子の
モル%とは、ポリエステルの原料である酸成分
(ジカルボン酸およびその低級アルキルエステル
誘導体、リン酸エステル等)の合計モル数に対す
るポリエステルに含まれるリン原子のグラム原子
数を100倍した値である。 本発明において用いるに適したポリエステルス
テープルは前述の如きものであるが、それと組合
せて用いることの出来るフイラメントは、従来知
られているポリエステル加工糸が適当である。加
工糸のデニールとしては30〜200d、好ましくは
40〜100dが用いられる。 つぎに、本発明の編地を構成するステープルに
はさらに吸水性を付与するための加工剤が付与さ
れる。この加工剤は耐久性、すなわち耐洗濯性を
有しているのが好ましい。具体的には、滴下法あ
るいはバイレツク法(JISL−1018−1977)で測
定される吸水性が30回の洗濯後において、例えば
滴下法で1秒以下であるのが好ましい。かかる耐
洗濯性が得られる吸水性化合物としては、ポリエ
チレングリコールとテレフタル酸の重縮合物が適
当であり、例えば式(2)で示される様な構造を有し
ている。これらはSR1000(高松油脂)、パーマロ
ーズT(I.C.I.)などの名前で市販されている。 〔R=HまたはC1〜C12のアルキル基 R′=H、OH、C1〜C12のアルキル基またはC1〜
C12のアルコキシ基 R″=C3〜C5のアルキレン基 x=1〜20 y=5〜50〕 これらの加工剤は、製品として仕上げられた編
地を測定した場合、滴下法による吸水率が1秒未
満、好ましくはバイレツクス法による吸水性が99
mm以上になるように付与するのが好ましい。この
範囲をはずれた加工条件では、肌着などにした場
合実着用時にむれたり、あるいは着脱時の静電気
の発生が生じて不快となる。このような吸水性と
なるために必要な加工剤の付与量は加工剤の種類
により異なるが、RS1000(高松油脂)の場合0.1
〜2%程度、好ましくは0.2〜1%である。この
範囲以下では効果が少なく、多すぎると逆にぬめ
りや風合などの問題が生じ、実着用上必ずしも好
ましくない。編地は加工剤が付与されたのち、乾
燥熱処理される。これにより加工剤が充分繊維に
固着することとなる。処理条件は60°〜160℃の湿
及び乾式熱処理が好ましい。より低温では固着が
少なく、高温では変色する。 つぎに、本発明の編地があたたかい肌着として
有用であるためには、手や肌にふれたときの触感
があたたかいことが望ましい。かかる触感のこと
を接触温冷感としてとらえることが出来る。この
接触温冷感は素材の表面の特性により決まると推
定され、素材に固有であると共に、編地の形態及
び表面の改質により変化しうるものと考えられる
が、本発明者らはこれらの適切な組合せにより、
あたたかさを付与することが出来たのである。本
発明において、あたたかさを感じるためには、接
触温冷感が1.2×10-2(cal/cm2/sec)以下、好ま
しくは1.1×10-2以下になるようにするのが適当
であることが確認された。天然繊維では、ウール
がこれに匹敵しており、綿はこの値には含まれな
い。このような条件を満足させるためには、吸水
加工されたポリエステル繊維を主体とするスパン
糸を用いるのが必要である。 しかし単に接触温冷感が小さな値を示してて
も、保温率が不充分であればあたたかさを保持す
ることは出来ない。このようなあたたかさは、保
温力比(clo値比)として示すことが出来、その
値は105以上、好ましくは110以上が望ましい。こ
の値を得るためには、前述したごとく、編組織の
中に、いわゆる動きの少ない空気層を保持するこ
とが必要で、従つて、編構造を工夫しなければな
らない。例えば、本発明に例示したごとく、片面
をループ状、もしくは起毛されたスパン糸にする
ことによりそのループ状の中に空気層を保持させ
ることができ、適当である。 また、本発明編地は横伸長率が100%以上にな
るように度目を形成させるのが好ましい。商品で
100%以下の場合に着脱時、あるいは着用時のス
トレツチ性に限界があるため、特に肌に密着して
使用される肌着としてはハードできゆうくつな感
じを与えるので好ましくない。 <作用および効果> こうして得られた編地から得られた肌着やシヤ
ツの有する特性を整理してみると次の如くにな
る。 (1) 接触冷感が1.2×10-2(cal/cm2/sec)以下と
することにより肌に触れた場合あたたかい感覚
を与える。 (2) 厚さあたりの保温力比が105以上とすること
により着用時長時間にわたつてあたたかさを保
持する。 (3) 横伸長率が100%以上であるため肌沿い性が
よく、着やすく、活動しやすい。 (4) 吸水性にすぐれているため汗をかいてもむれ
が少なく、速乾性があり、例えば綿の肌着のご
とき汗をかいてぬれたときのべたべたした冷た
い感じが少ない。またこの特性は、洗濯をくり
かえしても持続する。 (5) 耐ピリング性がきわめてすぐれており、実着
用によるいやなピルの発生がほとんどない。 (6) 風合がとてもソフトであり、肌にやさしい。 (7) 天然繊維でないので、白色度の変化(黄変)
が少ない。 (8) 脱着時静電気が生じにくく、従つて不快感が
乏しい。 (9) 洗濯後、乾燥しやすく、形くずれも少なく、
イージーケヤー性に富む。 本発明の編地はこのようにすぐれた特性を有し
ているが、このような特性に関して本発明の編地
を現在の市場にある商品の代表的なものである
綿、ウールとくらべてみると、保温性は綿よりは
るかにすぐれウール並であり、しかもウールより
はるかに安価で取扱い性にすぐれている。したが
つて本発明の編地は近い将来、秋冬物用の肌着用
途には欠かせぬものとなると期待される。 本発明でいうポリエステル繊維は、テレフタル
酸またはその低級アルキルエステル誘導体と低級
アルキルのジオールからなるものであるが、その
一部をイソフタル酸、5−ナトリウム−スルホイ
ソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等のジカル
ボン酸あるいはその低級アルキルエステル誘導体
と置きかえたものでもよいし、また、グリコール
はエチレングリコールを主体とするが、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメ
チレングリコール、1,4−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール等と一部または全部を必
要により置換したものでもよい。またポリエステ
ル繊維には、二酸化チタンや二酸化ケイ素あるい
はアルミナ系化合物、酸化スズやカーボンなどの
添加物、酸化防止剤、安定剤、螢光増白剤、顔料
等を必要に応じ使用することが出来る。 本発明で使用される数値は次の方法で測定して
得られる。 (1) 極限粘度…フエノールとテトラクロルエタン
の等量混合溶媒中30℃で測定(単位dl/g) (2) 酸性末端基濃度…ベンジルアルコールに溶解
しクロロホルムで希釈、フエノールレツドを指
示薬として、水酸化ナトリウムで中和して測定
(単位μeq/g) (3) 接触冷温感…試料を20℃の板上に保持する。
コントロールとして30℃のヒーターを用意し、
この上で測定銅板を保温し、次に、試料上に移
動させて、瞬間に熱がサンプルにとられる熱量
を測定 qmax(単位cal/cm2・sec)で表示 (4) 保温率…試料を36℃の熱板上におき、室内の
20℃の空気を0.1m/secの速度で吹きつけて冷
却するときの加熱板を36℃に一定にするための
必要な熱量を測定。サンプルなしの場合の完全
放熱量を100%としてサンプルで保温される熱
量を保温率(%)として表わす。 (5) 厚さあたりの保温率…保温力(clo値)比で
表わす。clo値は、21℃×50%、風速0.1m/
secの室温で、皮ふ温度を33℃に保つ保温性を
いう。保温力比とは、綿の3段スムースを100
とした場合の値である。 (6) ピリング性…JIS L−1076−1935による (7) 伸縮性…JIS L−1018−1977による (8) 吸水性…JIS L−1018−1977による (9) 乾燥速度…JIS L−1018−1977準用 (10) 洗濯性…JIS L−0217−1976による (11) 耐光竪牢度…JIS L−842−1971による 以下実施例により本発明を説明する。 実施例 1 ジメチルテレフタレート990部(重量部、以下
同)、エチレングリコール790部及び酢酸亜鉛0.2
部を精留塔付の反応槽に仕込み、撹拌しつつ3.5
時間加熱、溜出するメタノールを精留除去させな
がら160〜230℃まで昇温しエステル交換反応を終
了させた。次に、この反応生成物を重合槽に移送
し、純度97%のジ−n−ブチルホスフエート10.7
部及び三酸化アンチモン0.4部を添加した後、昇
温、減圧し、温度280℃、圧力0.5mmHgで2.5時間
重合させて極限粘度0.52、リン原子含有量1モル
%、ジエチレングリコール含有量3モル%のポリ
エステルチツプを得た。このチツプを溶融紡糸
し、延伸熱処理して、極限粘度0.42dl/g、酸性
末端基濃度100μeq/g、1.5d×38m/mのステー
プルを得た。次にこのステープルを紡績して、綿
番手40/1のスパン糸を得た。 別途通常の方法で得たポリエステル加工糸
75d/36fを地糸にし、上述のポリエステルスパン
糸40/1をパイル糸として、第1図に示したよう
な表面が加工糸、ウラ面がスパンのパイル糸にな
るように24G/30inの丸編機を用いて編立した。
この編地を染工場にて、130℃×30分間螢光増白
剤の存在下、および吸水加工剤SR1000を繊維重
量当り0.5%になるように付与せしめたのち、乾
燥し、ついで裏面を軽起毛した。得られた生地に
ついて、各種物性を測定した結果を第1表に示し
た。なおスパン糸部分を解舒して測定した極限粘
度は0.32dl/gであつた。また工程通過性は全く
問題がなかつた。 比較例 1 実施例1で用いたリン化合物を含むポリエステ
ルスパン糸の代りに、最初の極限粘度を0.52dl/
g、酸性末端基数35μeq/g、のステープル1.5d
×38m/mからなる綿番手c40/1なるスパン糸
を用いて同様のテストを実施した。得られた仕上
編地はピリング1級と不良で、実用性に耐えられ
なかつた。また編地を解舒して得た糸の極限粘度
は0.51dl/gであつた。 比較例 2〜4 比較例1と同様に純毛(メリノウール)w1/
64、純アクリル糸w1/64、純綿コーマ糸c40/1
を本発明のポリエステルスパン糸の代りに用い
て、同様の編地を試作した。このさい編立までは
ほゞ同様の条件で実施したが、染工場での加工は
それぞれの適当な条件とし、吸水加工剤など加工
剤は付与しなかつた。得られた生地について各種
物性を測定した結果を第1表に示した。本発明の
実施例1が総合的に他繊維にくらべ優位にあるこ
とがわかる。
その製法に関する。 <従来の技術> 従来、秋冬物用の肌着は主に木綿からなるもの
であり、一部にウール、アクリルあるいは塩化ビ
ニル系のものが用いられてきたが、風合、保温
性、伸縮性、伸長回復性、耐ピリング性、吸水
性、速乾性、洗濯時の形態安定性、白度及びその
保持性、静電気の発生などの必要特性を満足した
上に、なおコストが安いという商品はいまだ知ら
れていない。すなわち、天然繊維使いのものは吸
湿性などにはすぐれているが、形態安定性や白度
などの点で劣り、逆に合成繊維は形態安定性や速
乾性などにはすぐれているものの耐ピリング性や
吸湿性などが不充分であるという欠点を有する。 <発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは、ポリエステル繊維を用いて秋冬
物用の肌着用編地を開発すべく種々検討をした結
果、本発明に至つた。今までポリエステル繊維は
秋冬物用の肌着用途にはほとんど用いられたこと
がなかつた。この理由として着用時にぬめり感が
ある、硬い感じがし肌に合わない、汗をかいた時
に水を吸わないためむれる、数回の着用で激しく
ピリングが発生する、着脱時に静電気が発生し不
快感を与えるなど合成繊維特有の欠点がつきまと
つていたためであろうと思われる。そこで本発明
者等は、かかる欠点を克服し、従来の肌着にはな
いものを狙つて次の如き目標を満足すべく開発研
究を進めた。 (1) 接触時の温感がすぐれていること。 (2) 伸長率を大とし肌に沿いやすく、着やすくす
ること。 (3) 着用時の暖かさを継続させること。 (4) 着用時のむれでの防止のために吸水性を付与
すること。好ましくはこの吸水性は耐洗濯性を
有しており、かつ冷たい感じを与えないこと。 (5) ピリングが発生しにくいこと。 (6) 風合がソフトであり、肌にやさしいこと。 (7) 白度が保持され、長期間黄ばみや変色などが
少なく清潔な感じを与えること。 (8) 着脱時に不快な静電気の発生が少ないこと。 (9) 洗濯後乾燥しやすく、形くずれも少なく、イ
ージーケヤー性に富むこと。 本発明の目的は、肌着には不適とさえ考えられ
ていたポリエステル繊維を用いて、主に秋冬物用
のあたたかい肌着用の編地を提供するものである
が、この編地を用いて、例えばTシヤツ、スポー
ツ用のニツトシヤツ、トレーナー、タオル、ナイ
テイ、クツ下、ストツキングなどへの展開も可能
である。 <問題点を解決するための手段> 本発明は、少なくとも編成糸が、極限粘度が
0.36以下でかつ吸水加工されたポリエステルステ
ープル、好ましくはリン原子を全酸成分に対し
0.5〜1.5mol%含み、酸性末端基濃度が80μeq/g
以上である含リンポリエステルステープルを主体
とするスパン糸にて構成され、目付が120〜460
g/m2、横伸長率が100%以上でしかも接触冷感
が1.2×10-2(cal/cm2/sec)以下、厚さ当りの保
温力比が105以上、滴下法による吸水性が1秒未
満であることを特徴とする編地に関するもので、
さらにはリン原子を全酸成分に対し0.5〜1.5mol
%含み、極限粘度が0.38〜0.45、酸性末端基濃度
が80μeq/g以上であるポリエステルステープル
を主体とするスパン糸を用いて編地を形成し、つ
いでこれを水の存在下100℃以上の温度で熱処理
して該ポリエステルステーブルの極限粘度を0.36
dl/g以下に低下させると共に、その加工工程中
もしくはその前または後で耐洗濯性のある吸水加
工剤を該ポリエステル基布に対し0.1%以上付着
せしめたのち乾燥する編地の製法である。 本発明で用いうる編地はスパン100%の天竺、
スムース、フライス、エイトロツク、リバーシブ
ル、ウラ毛、ウエーブ、キルトなどの組織が使用
できるが、保温力を重視する意味でポリエステル
フイラメントの加工糸を地糸にし、ポリエステル
スパン糸をパイル部分に用いたものが最も適当で
ある。このさい編地表面はポリエステルフイラメ
ント加工糸、裏面すなわち肌に接する部分はスパ
ン糸100%で形成される。これにより、表面は比
較的プレーンな目面を有し、裏面はソフトかつバ
ルキーで保温力に富む編地になる。この裏面はさ
らに起毛することにより起毛状の面にすることも
好ましい。表面はフイラメントが中心となるが、
裏面のスパン糸の一部が毛羽となつて表面に出て
いるため、ソフトかつナチユラルな感覚を与え
る。特に本発明では裏面を起毛したものが有効で
ある。 本発明の編地において、スパン糸が耐ピリング
性にすぐれた繊維でない場合には表面に激しい毛
玉の発生がみられ、実際上肌着として商品価値が
ない。このため、本発明の編地の特に肌側を構成
するステープルとしては極限粘度が0.36dl/g以
下であるものが採用される。具体的には、パイプ
組織の場合には、後述するようなリン化合物を用
いて得られる比較的極限粘度の低い例えば0.38〜
0.45程度のポリエステルステープルよりなるスパ
ン糸をパイル糸として用いて編成し、これを水の
存在下において100℃以上の温度、好ましくは20
〜140℃の温度で10分〜90分間程度処理すること
によつて極限粘度を0.36以下に低下せしめること
によつて、編地の耐ピリング性を向上させること
ができる。かかる熱処理を繊維製造工程あるいは
編立工程で行なうのは適当ではない。なぜなら、
極限粘度の低下により繊維が弱められる結果、該
製造工程中でのトラブル、例えば原綿製造工程で
は単糸切れやトウの切断、カツト時の融着などが
起りやすく、また紡績工程では生産速度の大巾ダ
ウンや繊維損傷がさけがたく弱糸や糸斑の原因と
なり、さらに編立工程でも針きずや糸切れが多発
して充分な品質の編地にすることは出来ない。そ
れ故熱処理は染色工程においてあるいは製品にし
てから実施するのが最適である。実際上、染色工
程では、100〜140℃の湿熱工程を経るのが通常で
あり、このさいに適切な温度及び時間を設定して
極限粘度を0.36dl/g以下になるようにすればよ
いわけで、熱処理をすることはコストアツプ要因
とはならない。こうして得られるポリエステルス
テープルを用いることにより、始めて、肌着の如
き着用回数の激しく、それ故にピリングが発生し
やすいにもかかわらず耐ピリング性に優れた商品
を作ることが出来る。 このような特性を有するポリエステルは例えば
次の様な方法により作ることが出来る。 テレフタル酸を主とするジカルボン酸又はその
低級アルキルエステル誘導体と、エチレングリコ
ールを主とするグリコール又はエチレンオキサイ
ドを主とするアルキレンオキサイドを反応させて
テレフタル酸を主とするジカルボン酸のグリコー
ルエステル及び/又はその低重合体を得る第1段
階の反応と、該生成物を重縮合反応させて繰り返
し単位の85%以上がエチレンテレフタレート単位
よりなるポリエステルとする第2段階の反応及び
該ポリエステルを溶融紡糸してポリエステル繊維
を製造するに際し、第1段階の反応終了後から第
2段階の反応が完了するまでの段階で、純度96%
以上の(1)式で示されるリン化合物を添加してリン
原子が全酸成分に対し0.5〜1.5mol%含まれるポ
リエステルとした後該ポリエステルを溶融紡糸す
ることにより極限粘度0.38〜0.45dl/g、酸性末
端基濃度80μeq/g以上の含リンポリエステル繊
維を得ることが出来る。 (ただしn=3〜8の整数) このような方法に類似した方法として、特開昭
50−135331号には、特定のリン酸化合物を用いて
リン酸エステル結合を共重合したポリエステルを
繊維にしたのち熱水処理することにより加水分解
させて繊維の強度を下げ、抗ピル性能を発現させ
る抗ピル化方法が記載されているが、この方法で
は、リン化合物をポリエステルに共重合させる場
合、エーテル結合の副生が非常に大きくなつた
り、着色したり、リン化合物が原因となるポリエ
ステル中での異物が生成したり、または添加した
リン化合物の一部しかポリエステル中に残留せ
ず、大部分は重合中にエチレングリコールなどと
共に留出したり、あるいは、原料として用いられ
るリン化合物が非常に高価であつたりして価値あ
る商品が出来にくいのである。このように、ポリ
エステル繊維の抗ピル性改良のために特定のリン
化合物を添加して共重合したポリエステルを用い
る技術においても、改良効果はあるものの、繊維
としての一般的な品質、工程通過性、コスト等を
同時にすべて満足させるような方法はいまだ確立
されていない。従つて、当然のことながらかかる
ポリエステルを用いた本発明において得られるよ
うな種々の特徴ある物性を有する吸水性を有する
編地あるいはこれを用いた肌着等の商品は従来知
られなかつたのである。むろん、前述したような
公知の文献に記載された抗ピル性ポリエステル繊
維であつても、本発明で規定する要件を満足して
いるならば、本発明に用いることができるが、最
も好ましくは、前述した化合物(1)を使用して得ら
れる含リンポリエステル繊維である。 本発明で用いられるに適するリン化合物は(1)式
で示されるものであるが、これによりすぐれた改
質効果が得られる上、少ない着色、少ないエーテ
ル結合副生、ポリエステル重合中での少ない異物
の生成、少ない系外への流出、安価な原料による
安価な製造コストなどの特徴が得られる。かかる
リン化合物(1)はリン原子が全酸成分に対し、0.5
〜1.5mol%になる様に添加され重合される。リ
ン化合物(1)はリン酸の脂肪族あるいは芳香族エス
テル類であり、好ましくはジ−n−ブテルホスフ
エート、ジ−n−オクチルホスフエート類である
が、これらはポリエステル重合中に反応して主鎖
中にとり入れられ、この部分が水の存在下に熱処
理することにより加水分解され、ポリエステルの
重合度を低下させ抗ピル性改良効果を示すもので
あろう。このさい、カルボキシル基等の酸性末端
基がリン酸エステル結合の加水分解を促進するの
に効果がある。この点より、本発明のポリエステ
ル繊維は酸性末端基濃度80μeq/g以上であるの
が好ましい。リン化合物(1)のアルキル基の炭素数
は3〜8が適当である。炭素数1〜2のホスフエ
ートは安定性に乏しく、また9以上になると、ポ
リエステルが着色しやすい。また純度も96%以上
が好ましい。96%未満では着色、エーテル結合の
副生の増加等の好ましくない現象が生ずる。 なお本発明で言う全酸成分に対するリン原子の
モル%とは、ポリエステルの原料である酸成分
(ジカルボン酸およびその低級アルキルエステル
誘導体、リン酸エステル等)の合計モル数に対す
るポリエステルに含まれるリン原子のグラム原子
数を100倍した値である。 本発明において用いるに適したポリエステルス
テープルは前述の如きものであるが、それと組合
せて用いることの出来るフイラメントは、従来知
られているポリエステル加工糸が適当である。加
工糸のデニールとしては30〜200d、好ましくは
40〜100dが用いられる。 つぎに、本発明の編地を構成するステープルに
はさらに吸水性を付与するための加工剤が付与さ
れる。この加工剤は耐久性、すなわち耐洗濯性を
有しているのが好ましい。具体的には、滴下法あ
るいはバイレツク法(JISL−1018−1977)で測
定される吸水性が30回の洗濯後において、例えば
滴下法で1秒以下であるのが好ましい。かかる耐
洗濯性が得られる吸水性化合物としては、ポリエ
チレングリコールとテレフタル酸の重縮合物が適
当であり、例えば式(2)で示される様な構造を有し
ている。これらはSR1000(高松油脂)、パーマロ
ーズT(I.C.I.)などの名前で市販されている。 〔R=HまたはC1〜C12のアルキル基 R′=H、OH、C1〜C12のアルキル基またはC1〜
C12のアルコキシ基 R″=C3〜C5のアルキレン基 x=1〜20 y=5〜50〕 これらの加工剤は、製品として仕上げられた編
地を測定した場合、滴下法による吸水率が1秒未
満、好ましくはバイレツクス法による吸水性が99
mm以上になるように付与するのが好ましい。この
範囲をはずれた加工条件では、肌着などにした場
合実着用時にむれたり、あるいは着脱時の静電気
の発生が生じて不快となる。このような吸水性と
なるために必要な加工剤の付与量は加工剤の種類
により異なるが、RS1000(高松油脂)の場合0.1
〜2%程度、好ましくは0.2〜1%である。この
範囲以下では効果が少なく、多すぎると逆にぬめ
りや風合などの問題が生じ、実着用上必ずしも好
ましくない。編地は加工剤が付与されたのち、乾
燥熱処理される。これにより加工剤が充分繊維に
固着することとなる。処理条件は60°〜160℃の湿
及び乾式熱処理が好ましい。より低温では固着が
少なく、高温では変色する。 つぎに、本発明の編地があたたかい肌着として
有用であるためには、手や肌にふれたときの触感
があたたかいことが望ましい。かかる触感のこと
を接触温冷感としてとらえることが出来る。この
接触温冷感は素材の表面の特性により決まると推
定され、素材に固有であると共に、編地の形態及
び表面の改質により変化しうるものと考えられる
が、本発明者らはこれらの適切な組合せにより、
あたたかさを付与することが出来たのである。本
発明において、あたたかさを感じるためには、接
触温冷感が1.2×10-2(cal/cm2/sec)以下、好ま
しくは1.1×10-2以下になるようにするのが適当
であることが確認された。天然繊維では、ウール
がこれに匹敵しており、綿はこの値には含まれな
い。このような条件を満足させるためには、吸水
加工されたポリエステル繊維を主体とするスパン
糸を用いるのが必要である。 しかし単に接触温冷感が小さな値を示してて
も、保温率が不充分であればあたたかさを保持す
ることは出来ない。このようなあたたかさは、保
温力比(clo値比)として示すことが出来、その
値は105以上、好ましくは110以上が望ましい。こ
の値を得るためには、前述したごとく、編組織の
中に、いわゆる動きの少ない空気層を保持するこ
とが必要で、従つて、編構造を工夫しなければな
らない。例えば、本発明に例示したごとく、片面
をループ状、もしくは起毛されたスパン糸にする
ことによりそのループ状の中に空気層を保持させ
ることができ、適当である。 また、本発明編地は横伸長率が100%以上にな
るように度目を形成させるのが好ましい。商品で
100%以下の場合に着脱時、あるいは着用時のス
トレツチ性に限界があるため、特に肌に密着して
使用される肌着としてはハードできゆうくつな感
じを与えるので好ましくない。 <作用および効果> こうして得られた編地から得られた肌着やシヤ
ツの有する特性を整理してみると次の如くにな
る。 (1) 接触冷感が1.2×10-2(cal/cm2/sec)以下と
することにより肌に触れた場合あたたかい感覚
を与える。 (2) 厚さあたりの保温力比が105以上とすること
により着用時長時間にわたつてあたたかさを保
持する。 (3) 横伸長率が100%以上であるため肌沿い性が
よく、着やすく、活動しやすい。 (4) 吸水性にすぐれているため汗をかいてもむれ
が少なく、速乾性があり、例えば綿の肌着のご
とき汗をかいてぬれたときのべたべたした冷た
い感じが少ない。またこの特性は、洗濯をくり
かえしても持続する。 (5) 耐ピリング性がきわめてすぐれており、実着
用によるいやなピルの発生がほとんどない。 (6) 風合がとてもソフトであり、肌にやさしい。 (7) 天然繊維でないので、白色度の変化(黄変)
が少ない。 (8) 脱着時静電気が生じにくく、従つて不快感が
乏しい。 (9) 洗濯後、乾燥しやすく、形くずれも少なく、
イージーケヤー性に富む。 本発明の編地はこのようにすぐれた特性を有し
ているが、このような特性に関して本発明の編地
を現在の市場にある商品の代表的なものである
綿、ウールとくらべてみると、保温性は綿よりは
るかにすぐれウール並であり、しかもウールより
はるかに安価で取扱い性にすぐれている。したが
つて本発明の編地は近い将来、秋冬物用の肌着用
途には欠かせぬものとなると期待される。 本発明でいうポリエステル繊維は、テレフタル
酸またはその低級アルキルエステル誘導体と低級
アルキルのジオールからなるものであるが、その
一部をイソフタル酸、5−ナトリウム−スルホイ
ソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等のジカル
ボン酸あるいはその低級アルキルエステル誘導体
と置きかえたものでもよいし、また、グリコール
はエチレングリコールを主体とするが、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメ
チレングリコール、1,4−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール等と一部または全部を必
要により置換したものでもよい。またポリエステ
ル繊維には、二酸化チタンや二酸化ケイ素あるい
はアルミナ系化合物、酸化スズやカーボンなどの
添加物、酸化防止剤、安定剤、螢光増白剤、顔料
等を必要に応じ使用することが出来る。 本発明で使用される数値は次の方法で測定して
得られる。 (1) 極限粘度…フエノールとテトラクロルエタン
の等量混合溶媒中30℃で測定(単位dl/g) (2) 酸性末端基濃度…ベンジルアルコールに溶解
しクロロホルムで希釈、フエノールレツドを指
示薬として、水酸化ナトリウムで中和して測定
(単位μeq/g) (3) 接触冷温感…試料を20℃の板上に保持する。
コントロールとして30℃のヒーターを用意し、
この上で測定銅板を保温し、次に、試料上に移
動させて、瞬間に熱がサンプルにとられる熱量
を測定 qmax(単位cal/cm2・sec)で表示 (4) 保温率…試料を36℃の熱板上におき、室内の
20℃の空気を0.1m/secの速度で吹きつけて冷
却するときの加熱板を36℃に一定にするための
必要な熱量を測定。サンプルなしの場合の完全
放熱量を100%としてサンプルで保温される熱
量を保温率(%)として表わす。 (5) 厚さあたりの保温率…保温力(clo値)比で
表わす。clo値は、21℃×50%、風速0.1m/
secの室温で、皮ふ温度を33℃に保つ保温性を
いう。保温力比とは、綿の3段スムースを100
とした場合の値である。 (6) ピリング性…JIS L−1076−1935による (7) 伸縮性…JIS L−1018−1977による (8) 吸水性…JIS L−1018−1977による (9) 乾燥速度…JIS L−1018−1977準用 (10) 洗濯性…JIS L−0217−1976による (11) 耐光竪牢度…JIS L−842−1971による 以下実施例により本発明を説明する。 実施例 1 ジメチルテレフタレート990部(重量部、以下
同)、エチレングリコール790部及び酢酸亜鉛0.2
部を精留塔付の反応槽に仕込み、撹拌しつつ3.5
時間加熱、溜出するメタノールを精留除去させな
がら160〜230℃まで昇温しエステル交換反応を終
了させた。次に、この反応生成物を重合槽に移送
し、純度97%のジ−n−ブチルホスフエート10.7
部及び三酸化アンチモン0.4部を添加した後、昇
温、減圧し、温度280℃、圧力0.5mmHgで2.5時間
重合させて極限粘度0.52、リン原子含有量1モル
%、ジエチレングリコール含有量3モル%のポリ
エステルチツプを得た。このチツプを溶融紡糸
し、延伸熱処理して、極限粘度0.42dl/g、酸性
末端基濃度100μeq/g、1.5d×38m/mのステー
プルを得た。次にこのステープルを紡績して、綿
番手40/1のスパン糸を得た。 別途通常の方法で得たポリエステル加工糸
75d/36fを地糸にし、上述のポリエステルスパン
糸40/1をパイル糸として、第1図に示したよう
な表面が加工糸、ウラ面がスパンのパイル糸にな
るように24G/30inの丸編機を用いて編立した。
この編地を染工場にて、130℃×30分間螢光増白
剤の存在下、および吸水加工剤SR1000を繊維重
量当り0.5%になるように付与せしめたのち、乾
燥し、ついで裏面を軽起毛した。得られた生地に
ついて、各種物性を測定した結果を第1表に示し
た。なおスパン糸部分を解舒して測定した極限粘
度は0.32dl/gであつた。また工程通過性は全く
問題がなかつた。 比較例 1 実施例1で用いたリン化合物を含むポリエステ
ルスパン糸の代りに、最初の極限粘度を0.52dl/
g、酸性末端基数35μeq/g、のステープル1.5d
×38m/mからなる綿番手c40/1なるスパン糸
を用いて同様のテストを実施した。得られた仕上
編地はピリング1級と不良で、実用性に耐えられ
なかつた。また編地を解舒して得た糸の極限粘度
は0.51dl/gであつた。 比較例 2〜4 比較例1と同様に純毛(メリノウール)w1/
64、純アクリル糸w1/64、純綿コーマ糸c40/1
を本発明のポリエステルスパン糸の代りに用い
て、同様の編地を試作した。このさい編立までは
ほゞ同様の条件で実施したが、染工場での加工は
それぞれの適当な条件とし、吸水加工剤など加工
剤は付与しなかつた。得られた生地について各種
物性を測定した結果を第1表に示した。本発明の
実施例1が総合的に他繊維にくらべ優位にあるこ
とがわかる。
【表】
【表】
なお前述したように、本発明で規定する厚さあ
たりの保温力はclo地の比から求められるが、具
体的には、本発明ではまず前述したような保温性
を保つために必要な熱量(放熱量)を電気的に測
定して布帛100cm2当りのワツト数で求める。この
値が1302ワツトである綿の3段スムースの保温力
を100とし、この1302ワツトを、対象とする測定
布帛の放熱量(ワツト/100cm2)で割り、その値
に100を掛けることにより、対象とする測定布帛
の厚さあたりの保温力比が求められる。
たりの保温力はclo地の比から求められるが、具
体的には、本発明ではまず前述したような保温性
を保つために必要な熱量(放熱量)を電気的に測
定して布帛100cm2当りのワツト数で求める。この
値が1302ワツトである綿の3段スムースの保温力
を100とし、この1302ワツトを、対象とする測定
布帛の放熱量(ワツト/100cm2)で割り、その値
に100を掛けることにより、対象とする測定布帛
の厚さあたりの保温力比が求められる。
第1図は、本発明の一例を示した編組織のモデ
ル図である。地糸1はポリエステルフイラメント
加工糸であり、パイル糸2は、リン含有ポリエス
テルステープルスパン糸である。この図は、パイ
ル面からみた図である。
ル図である。地糸1はポリエステルフイラメント
加工糸であり、パイル糸2は、リン含有ポリエス
テルステープルスパン糸である。この図は、パイ
ル面からみた図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくとも編成糸が、極限粘度が0.36以下で
かつ吸水加工されたポリエステルテープルを主体
とするスパン糸にて構成され、目付が120〜460
g/m2、横伸長率が100%以上でしかも接触冷感
が1.2×10-2(cal/cm2/sec)以下、厚さ当りの保
温力比が105以上、滴下法による吸水性が1秒未
満であることを特徴とする編地。 2 ポリエステルステープルが、リン原子を全酸
性成分に対し0.5〜1.5mol%含み、極限粘度が
0.36dl/g以下、酸性末端基濃度が80μeq/g以
上である含リンポリエステルステープルである特
許請求の範囲第1項に記載の編地。 3 編成面の片面もしくは両面がパイル構造を有
する特許請求の範囲第1項もしくは第2項記載の
編地。 4 編成面が起毛されている特許請求の範囲第1
項、第2項もしくは第3項に記載の編地。 5 リン原子を全酸成分に対し0.5〜1.5mol%含
み、極限粘度が0.38〜0.45dl/g、酸性末端基濃
度が80μeq/g以上である含リンポリエステルス
テープルを主体とするスパン糸を用いて編地を形
成し、ついでこれを水の存在下100℃以上の温度
で熱処理して該ポリエステルの極限粘度を0.36
dl/g以下に低下させると共に、その加工工程中
もしくはその前または後で耐洗濯性のある吸水加
工剤をポリエステル基布に対し0.1%以上付着せ
しめたのち乾燥することを特徴とする編地の製
法。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61106238A JPS62263357A (ja) | 1986-05-08 | 1986-05-08 | 編地およびその製法 |
| EP87105957A EP0248194B1 (en) | 1986-05-08 | 1987-04-23 | Knitted fabrics and process for manufacturing the same |
| DE87105957T DE3786704T2 (de) | 1986-05-08 | 1987-04-23 | Gestrickte stoffbahn und verfahren zu ihrer herstellung. |
| US07/044,211 US4749603A (en) | 1986-05-08 | 1987-04-30 | Knitted fabrics and process for manufacturing the same |
| NO871844A NO871844L (no) | 1986-05-08 | 1987-05-04 | Strikkede stoffer og fremgangsmaate for fremstilling av disse. |
| CA000536491A CA1287228C (en) | 1986-05-08 | 1987-05-06 | Knitted fabrics and process for manufacturing the same |
| FI872016A FI872016A7 (fi) | 1986-05-08 | 1987-05-06 | Neuleet ja menetelmä niiden valmistamiseksi. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61106238A JPS62263357A (ja) | 1986-05-08 | 1986-05-08 | 編地およびその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62263357A JPS62263357A (ja) | 1987-11-16 |
| JPH0362820B2 true JPH0362820B2 (ja) | 1991-09-27 |
Family
ID=14428537
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61106238A Granted JPS62263357A (ja) | 1986-05-08 | 1986-05-08 | 編地およびその製法 |
Country Status (7)
| Country | Link |
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