JPH0367524B2 - - Google Patents
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- JPH0367524B2 JPH0367524B2 JP61312582A JP31258286A JPH0367524B2 JP H0367524 B2 JPH0367524 B2 JP H0367524B2 JP 61312582 A JP61312582 A JP 61312582A JP 31258286 A JP31258286 A JP 31258286A JP H0367524 B2 JPH0367524 B2 JP H0367524B2
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Description
「産業上の利用分野」
本発明は乳化重合や懸濁重合で得られた高分子
ラテツクスから回収される粉体状又は粒状の高分
子から乳化剤や夾雑物を除去する方法に関する。 「従来技術と問題点」 従来より、単量体を重合して高分子を得る方法
としての乳化重合や懸濁重合は、重合系の制御の
しやすさ、高重合率の実現や高重合度高分子の取
得などの点から優れた重合法として工業的にも広
く用いられている。 しかし乍ら、かかる方法にあつては、重合体を
ラテツクス粒子の凝集体として回収し、更に熱融
着させて粉粒体化するため、重合に用いる乳化剤
(界面活性剤)や油溶性物質、また重合中に副生
する夾雑物は高分子集合体内部に包埋された状態
となり、これらの除去は極めて困難である。この
ように乳化剤をはじめとする夾雑物の混入は成型
加工品の着色化、耐熱性の低下や焼けの発生等品
質の劣化を誘起させ、このことが最大の弱点とな
つている。 上記の乳化剤をはじめとする夾雑物の除去に関
しては、一般的には回収した高分子を乾燥、微粉
化した後有機液体を用いて抽出を行つている。し
かし、この方法ではいかに微粉にしてもその表面
に存在する夾雑物しか除去の対象にならないし、
あまり微粉化すると抽出後の回収が困難になる等
除去が不完全なこと、加えて、一旦乾燥製品にし
た後抽出操作することで、乾燥工程以降は二重の
操作が必要となり、工程の複雑化やコストの増加
を惹き起こし、工業的に必ずしも有利な方法とは
云えない。 「問題点を解決するための手段」 本発明このような乳化重合の本質的な欠点であ
る重合体中に残留する乳化剤や夾雑物を効率良く
廉価に除去する方法に関するものである。 即ち、本発明の第1は、 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた高分
子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が互い
に融着合体していない含水状態の凝集体とな
し、 (B) 凝集体高分子を濡らすが溶解もしくは膨潤さ
せず且つ前記凝集体の夾雑物を溶解する有機液
体と前記凝集体とを、前記凝集体を構成するラ
テツクス粒子が融着合体する温度より低い温度
で接触させることにより、前記凝集体中の水分
を前記有機液体で置換させるとともに、前記有
機液体中に前記凝集体中の夾雑物を溶解・抽出
することを特徴とする高分子凝集体から夾雑物
を除去する方法を、 本発明の第2は、 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた高分
子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が互い
に融着合体していない含水状態の凝集体とな
し、 (B) 凝集体高分子を濡らすが溶解もしくは膨潤さ
せない第1の有機液体と前記凝集体とを、前記
凝集体を構成するラテツクス粒子が融着合体す
る温度より低い温度で接触させることにより、
前記凝集体中の水分を前記有機液体で置換させ
るか、又は該置換と同時に前記凝集体中の夾雑
物の一部を溶解・抽出した後、 (C) 前記高分子を溶解又は膨潤させず且つ前記凝
集体中の夾雑物を溶解する第2の有機液体と前
記凝集体とを接触させることにより、前記第2
の有機液体中に前凝集体中の夾雑物を溶解・抽
出することを特徴とする高分子凝集体から夾雑
物を除去する方法を、それぞれ内容とするもの
である。 先ず、乳化重合や懸濁重合によつて得られたラ
テツクスを塩や酸等の凝固力を有する物質(凝固
剤)と接触することによつて高分子凝集体とす
る。この凝集体はラテツクス粒子の集合体であ
り、粒子間には間隙があり、その部分に水を包蔵
したポーラスな構造をしている。このような構造
の凝集体を得るにはラテツクス粒子が互いに融着
して高分子の連続層を形成する温度(融着温度と
いう)よりも低い温度に保つておく必要がある。
ラテツクス粒子が融着していない凝集体は、ラテ
ツクス粒子が寄り集まつた集合体であるので軟弱
でばらけ易く、脱水、乾燥して粉体を得る際、脆
く崩れて微細化してしまい工業的に極めて取り扱
いが難しくなる。そこで従来は、この凝集体をラ
テツクス粒子の融着温度以上に一旦加熱して、一
個の融着体として取り扱いのしやすい固体粒子に
するのが一般的である。ここでは、この凝集体を
融着させずそのままの状態で、この高分子を溶解
又は膨潤させず且つ高分子と馴染む第1の有機液
体、望ましくは水に不溶又は難溶の有機液体の中
に浸すことにより、凝集体の内部に存在する水を
凝集体の外に排斥し、該有機液体と置き換えるこ
とができる。該有機液体が二種以上の混合液体で
ある時には、混合液体として高分子を濡らし且つ
高分子を溶解、膨潤させないものであれば良いの
で、例えば、高分子を濡らしにくい有機液体でも
高分子を溶解、膨潤させず且つ水に不溶又は難溶
であればこれを主成分として、高分子を溶解する
が濡らす力のある有機液体を少量混合して用いる
ことができる。 上記有機液体中に凝集体を浸漬すると、直ちに
凝集体粒子表面が濡れ、表面及び粒子内部にある
間隙に浸透していき、そこに存在していた水を追
出して置き換わる。その際、重合系に含まれる水
溶液性の夾雑物も同時に粒子外に持ち出される。
この置き換わりの速度は早く、凝集体粒子の直径
が10mmを越える巨大粒子であつても、約10分以内
で置換はほぼ完了してしまう。しかし、凝集体が
膨潤乃至溶解すると、凝集体粒子表面及び粒子内
部のラテツクス粒子が融着合体し、粒子間隙のな
い連続層を形成してしまうので、水の置き換えは
出来なくなる。そればかりでなく、その後の乾燥
の速度も極めて遅くなつてしまうので、工業的な
取り扱いができなくなる。 凝集体粒子を有機液体との浸漬方法は、単に有
機液体中に凝集体粒子を静置して浸漬するだけで
良いが、撹拌や通液による有機液体の流れ中に置
く方が更に効果的である。しかし、撹拌や激しい
乱流により、凝集体粒子がこわれて微細化するこ
とを避ける必要があるので、粒子の強さにより浸
漬条件を選定する。水との置き換えに必要な有機
液体の量は、凝集体粒子が有機液体に浸つた後凝
集体内部の水を有機液体に置換し、排斥された水
と凝集体粒子が浸つている有機液体とが2相をな
し、その有機液体相に凝集体粒子が浸かつている
液高が有機液体の必要量である。又、必要な浸漬
時間は凝集体の性質と有機液体の種類や凝集体粒
子の充填度等によつて決まるので一義的に定まら
ないが、含有水の排斥率80%以上を10分以内に行
えることを一応の指標として種類や条件を選ぶの
が良い。又、凝集体粒子を含む有機液体相と粒子
から排斥された水とが2相を形成するので、水相
の部分は容易に系外へ取り出すことができ、凝集
体粒子の回収は有機液体相だけを対象に行なえば
良い。 このようにして凝集体粒子の内部から水ならび
に水溶性夾雑物を除き、有機液体に馴染んだ凝集
体は引続き抽出に供するため、油溶性夾雑物を溶
解する第2の有機液体に浸漬させる。この時、水
との置き換えに用いられる第1の有機液体と抽出
に用いる第2の有機液体は同一である必要はな
い。水との置き換えに用いられる第1の液体は、
経済的な面から回収し、再利用するのが望まし
く、水相に溶解した溶剤は蒸煮や蒸留等により回
収される。この意味で、液体が水に不溶であれ
ば、簡単な油水分離の操作により容易に液体を回
収できるので、一層有利となる。抽出に際し除去
すべき乳化剤や油溶性物質は、抽出液体に溶解す
ることが必要であるため、最適な液体の選択が必
要となる。抽出液体は、もはや水に溶、不溶は問
題ではないが、連続的に又は同時に抽出操作をす
る際は、凝集体に含まれる水との置き換え用の液
体と抽出液体とを分離する必要を生じるので、同
一液体が用いられるように選択すると有利にな
る。そして、第1の有機液体が油溶性夾雑物を溶
解するものであれば、凝集体粒子内部の水と有機
液体とが置き換わる現象と同時に油溶性夾雑物の
抽出も開始される。従つて、この場合はあらため
て抽出は必要でないが、更に有機液体の種類を変
える等して引き続き抽出を行つてもよい。また、
乳化剤が液体に溶けにくい場合は、通常水と有機
液体の置き換え前に、溶けやすくしておくことも
できる。例えば、乳化剤が脂肪酸ソーダであり、
凝固剤として無機塩を用いた場合、乳化剤は脂肪
酸の金属塩の形で存在するので有機液体には金属
塩の種類によらず難溶である。この場合は、あら
かじめ、凝集体に酸を加えて遊離脂肪酸に変えて
置くことで乳化剤を容易に抽出除去することがで
きる。 この抽出には、一般的な固液抽出の操作が適用
できる。つまり、凝集体中の抽質を液体で抽出
し、その抽出液体中の抽質を蒸留や吸着等の精製
処理により取り除き、液体を回収、再利用する方
法が採られる。抽出は凝集体粒子表面や内部のラ
テツクス粒子間隙を通して迅速に進行する。 抽出が終了した凝集体は、脱液、洗浄、乾燥を
経て粉粒体とされるが、その際凝集体がばらけて
壊れ、微粉化してしまうことを避ける必要があれ
ば、その高分子の融着温度以上に加温してやれば
よい。 このように、本発明で対象とする高分子は、乳
化重合や懸濁重合で得られるラテツクスの凝集体
であり、この凝集体は構成粒子であるラテツクス
粒子の充填集合体であるが、互いに融着しておら
ず、従つて粒子間に空隙を有するポーラスな凝集
体である。通常、このような凝集体は大量の水を
内包しており、この凝集体を乾燥するには多大の
乾燥エネルギーを必要とするが、有機液体と置き
換えることで蒸発潜熱が激減し、エネルギーの大
幅な削減が実現できる。また、水との置き換え液
体が水に不溶ないし難溶であるので、液体の回
収、再利用が容易になされ、しかも廉価にでき
る。凝集体がポーラスであるが故に、水と液体と
の置き換えと抽質の抽出除去、そして抽出後に残
留する液体の乾燥が迅速且つ容易に可能となる。
以上のことから、乳化重合や懸濁重合で得られる
ラテツクスから乳化剤や夾雑物を取除いた高純度
の高分子を工業的に生産することが可能となる。 本発明の対象となり得る高分子ラテツクスは乳
化重合又は懸濁重合で得られた樹脂状で回収し得
るほとんど全ての高分子ラテツクスを対象とし得
る。 次のモノマー群から選ばれた1種又は2種以上
のモノマーを主とする単量体組成物を重合又は共
重合又はグラフト重合させた重合体ラテツクスの
単独又は混合ラテツクスが対象となり得る。但
し、重合し得ないものを除くのは当然である。ス
チレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシ
アン化物;メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等のアクリルエステ
ル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート等のメタクリルエステ
ル;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニリデン;アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニ
ル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン;アリルメタクリ
レート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌ
レート、モノエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、グリシジルメタクリレー
ト等の架橋モノマー。 更に、本発明に於いて以下に示す高分子ラテツ
クスは特に好適に使用され得る。 (1) アクリロニトリルモノマー20〜80部と、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビ
ニリデンの1種又は2種以上の混合物20〜80部
と易染性モノマー0〜10部とから成る単量体を
重合して得られる高分子ラテツクス。 (2) スチレン0〜50wt%(重量%、以下他種%
と記さない限り%はwt%とする)、ブタジエン
50〜100%より成るブタジエン系重合体ラテツ
クス。 (2′) (2)のブタジエン系重合体ラテツクス20
〜80部の存在下にアクリルエステル0〜50
%、メタクリルエステル0〜100%、ビニル
芳香族0〜90%、ビニルシアン化物0〜90%
及び他の共重合可能な単量体0〜20%よりな
る単量体20〜80部を重合して得られる高分子
ラテツクス。 (3) スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%、
アクリルエステル0〜30%より成るゴム状重合
体ラテツクス0〜20部の存在下に、メチルメタ
クリレート0〜100%、メチルメタクリレート
を除く他のメタクリルエステル又はアクリルエ
ステル0〜60%、ビニル芳香族0〜90%、ビニ
ルシアン化物0〜90%より成る単量体80〜100
部を重合して得られる高分子ラテツクス。 (4) スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%よ
り成るブタジエン系重合体10〜90部の存在下
に、ビニル芳香族、メタクリルエステル、アク
リルエステル、ビニルシアン化物の中から選ば
れた1種又は2種以上の単量体を10〜90部重合
させたグラフト共重合物(A)0〜50部と、α−メ
チルスチレン0〜70モル%を含み、ビニル芳香
族、メタクリルエステル、アクリルエステル、
アクリル酸、ビニルシアン化物の中から選ばれ
た1種又は2種以上の単量体を30〜100モル%
含む単量体を重合させた重合物(B)50〜100部と
の混合ラテツクス。 (5) アクリルエステル40〜100%と、ビニル芳香
族、ビニルシアン化物、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、酢酸ビニル、又は共役ジオレフインの
中から選ばれた1種又は2種以上の単量体を0
〜60%と、架橋剤0〜10%とを重合して得られ
るゴム重合体5〜85部の存在下に、メタクリル
エステル、ビニルシアン化物、アクリルエステ
ル、ビニル芳香族及びこれらと共重合可能な単
量体より選ばれた単量体の1種又は2種以上を
15〜95部重合して得られる高分子ラテツクス。 (6) 塩化ビニリデン40〜100部と、ビニル芳香族、
ビニルシアン化物、アクリルエステル、メタク
リルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、架橋モノマーの中から
選ばれる1種又は2種以上の単量体0〜60部を
重合して得られる高分子ラテツクス。 (7) 塩化ビニル40〜100部、ビニルシアン化物0
〜20部と、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化
ビニリデン、アクリルエステル、メタクリルエ
ステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、架橋モノマーの中から選ばれ
る1種又は2種以上の単量体の0〜60部を重合
して得られる高分子ラテツクス。 高分子ラテツクスを凝固して凝集体をつくるの
に用いられる凝固剤は、その高分子ラテツクスを
凝固しうるものであれば何でも良い。一般的に
は、高分子の使用目的、操作性、コスト等から選
ばれる。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化リチウム、沃化カリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ア
ンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩
化カルシウム、硫酸第1鉄、硫酸マグネシウム、
硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化バリウム、塩化第1鉄、
塩化マグネシウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、硫
酸アルミニウム、カリウムミヨウバン、鉄ミヨウ
バン等の無機塩類、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等の
無機酸類、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム等の無機アルカリ類、
酢酸、蟻酸等の有機酸類、酢酸ナトリウム、酢酸
カルシウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カルシウム等
の有機酸の塩類であつて、単独又は混合物の固
体、液体、水溶液もしくは水溶性有機溶媒の溶液
がある。 凝集体内部の水との置き換えに用いられる第1
の有機液体は、(1)凝集体高分子を濡らし(馴染
み)且つ、(2)溶解や膨潤させないことが必須であ
り、(3)水との置換を十分に実現するために、水に
難溶もしくは不溶であることが必要で、更に凝集
体から排斥された水から分離・回収して再利用す
るには水に不溶のものが最も有利である。上記
(1)、(2)に関しては、高分子に対する表面張力と溶
解パラメーターの差が指標になるものと考えられ
る。 高分子を濡らすためには、液体の表面張力は高
分子の臨界表面張力よりも小さければ良いとされ
ているが、ここで言う濡れは凝集体粒子内に浸透
していく浸漬濡れに相当し、この濡れは界面張力
で定まり、固一液間の界面張力の低下によつて濡
れると考えられる。つまり、具体的には、凝集体
粒子と水の界面の自由エネルギーよりも凝集体粒
子と有機液体との界面自由エネルギーの方が小さ
いことが条件となる。しかし、高分子の種類によ
つて当然異なるが、殆どの場合、30dyne/cm以
下であれば水との置換は可能と考えて良い。ま
た、高分子を溶解や膨潤させないためには、溶解
パラメーター(SP値)の差を目安にし、1.5〜2.0
程度であればよいとされるが、実際は、操作温度
によつて異なつたり、高分子の重合度や共重合の
構造によつて異なるし、特に溶液や高分子が二種
以上の混合物の場合はSP値による選定が実際上
無理になる。何れにしても、溶解や膨潤の有無は
互いに混合してみることで簡単に且つ迅速に調べ
ることができるのでSP値による選定は予備的選
定の意味をもつ。 このような液体としては、例えば炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、アセ
タール、ケトン、エステル、多価アルコール、多
価アルコール誘導体、フエノール、窒素化合物、
イオウ化合物、リン化合物の有機液体がある。液
体の選定に当たつては、先ず高分子を操作温度に
おいて、溶解、膨潤させないものから、選定範囲
が大幅に絞られることになる。この点から、炭化
水素類やアルコール類が適していることが多い。
上記(1)、(2)、(3)の必要条件を満たす為、2種類以
上の混合液体が用いられることもある。 一般的には、パラフイン類、脂環族炭化水素及
びそのアルキル置換体は水に不溶であるが分子量
が大きくなれば、高分子を膨潤させてしまう。ま
た、アルコール類は分子量が大きくなれば、水に
難溶になるが同時に高分子を膨潤させてしまう。
従つて、単独の液体としてはCが4〜7の炭化水
素類、Cが4から5のアルコール類が選ばれるこ
とが多い。又、混合溶剤を用いる場合は、Cが4
〜7の炭化水素を主成分としてCが1〜5のアル
コール類が選ばれることが多い。 夾雑物を抽出するための第2の有機液体は、操
作性の面から、水との置き換え用の第1の有機液
体と同一である方が便利である。この時は、液体
の選定条件に抽質を溶解できることが加わるが、
一般的には大抵の有機液体は乳化剤や油性物質の
有機物を溶解するので、この条件は余り考慮の必
要がない。但し、有機液体がかなりの水を溶解す
る場合は、有機物の溶解力も低下するので注意を
要する。一方、水との置換用の液体とは別の液体
を抽出液体として用いる時は、一旦、前の液体の
液切りをした後、抽出液体と接触させれば良い。
この時は、すでに凝集体は水を含まないので水へ
の溶、不溶は関係なくなり、単に抽質を溶解し且
つ、凝集体高分子を溶解や膨潤させないものであ
れば良いので、選定が容易になる。更に、抽出
後、凝集体を乾燥して高分子の粉粒体として得る
ことになるので、溶剤の乾燥性(沸点、蒸発潜
熱)や作業時の安全性等の面から、更にコストか
らも最適な有機液体を選ぶべきである。 本発明において除去の対象となる乳化剤は、乳
化重合や懸濁重合で用いられるものであり、一般
的には二種以上の乳化剤を組合わせて使用される
が、代表的なものには次のものが挙げられる。即
ち、陰イオン界面活性剤としては脂肪酸のナトリ
ウム、カリウム塩が代表的で、殆どの重合系に利
用される。これには、パルミチン酸、ステアリン
酸のような飽和脂肪酸、オレイン酸、ラウリル酸
のような不飽和脂肪酸や、またはロジン、ヒマシ
油、ヤシ油や牛脂のような天然物の塩等がある。
脂肪酸の他に、高級アルコール硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルジ
フエニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルサルフエート等がある。
また一方、非イオン界面活性剤が用いられること
があり、これには、ポリエチレングリコールエー
テルやポリオキシエチレンソルビタンエステル等
がある。 陰イオン界面活性剤は、カルボン酸やスルホン
酸の塩は、そのままでは有機液体に溶けにくいの
で、夫々の酸の形にして置く方が効率良く抽出除
去できる。つまり、高分子ラテツクスを酸を用い
て凝固すれば酸の状態になるが、塩を用いて凝固
する時は凝固後に酸を加えればよい。通常、脂肪
酸ソーダでは誘離脂肪酸に比べて、抽出速度が1/
5〜1/10位になる。非イオン界面活性剤はそのま
まの状態で問題はない。 また、油溶性夾雑物としては、各種単量体や重
合開始剤、連鎖移動剤や架橋剤、重合禁止剤等の
重合調整剤、界面活性剤や分散安定向上用の助剤
等の重合に用いられる主副原料中に含まれる不純
物や、夾雑物、未反応残留物、重合反応系で副生
する分解物、ダイマーやトリマー等の低分子量反
応物等極めて多種多様の物質が考えられる。従つ
て、これら除去の対象とする物により、抽出液体
を選定することになる。 融着温度は、ラテツクス粒子が融着合体する温
度を意味し、一般には物質の融点と考えて良い。
しかし高分子に関しては明確な融点が見られない
ことから定義は難しく、同一重合体であつても重
合度やその分布のみでは決まらず、その結晶度や
可塑効果を与える夾残物によつても大きく影響を
受ける。しかし、実際的にはガラス転移点をTg
(℃)とすると、 Tg+273/0.8−273〜Tg+273/0.6−273(℃) の範囲になると考えて良い。具体的な本発明の実
施に当たつては、その高分子のTgの概略値が判
れば軟化的の概略値も掴めるので、2〜3の温度
を試すことで容易に最適温度範囲を知ることがで
きる。 上式の妥当性は、各種異なる軟化温度の高分子
ラテツクスを用いて、種々の温度にて操作して得
た粒子内部を走査型電子顕微鏡によりラテツクス
粒子の融着合一の有無を観察した結果によつて確
認される。 「作用・効果」 本発明は、ラテツクス粒子が互いに融着合体し
ていないポーラスな凝集体粒子とし、第1の有機
液体中に浸漬することで凝集体粒子に含有される
水分を該有機液体に置換させ、排斥した水と該凝
集体粒子が浸つている該有機液体との2相を形成
させた後、該凝集体中の夾雑物を溶解する第1あ
るいは第2の有機液体中にて溶解抽出することに
より、重合系の夾雑物は水溶性、油溶性を問わ
ず、効率的に除去し、高純度の高分子を安価且つ
有利に得ることができる。 「実施例」 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明
するが、本発明はこれらにより何ら制限を受ける
ものではない。 実施例 1 ロジン酸カリウムを用いて乳化重合したブタジ
エン重合体上にスチレン、アクリロニトリル及び
メチルメタアクリレートの混合物をグラフト共重
合させた高分子ラテツクスであつて、ブタジエン
60%、メチルメタアクリレート10%、アクリロニ
トリル10%及びスチレン20%より成る高分子ラテ
ツクス(A)33%と、α−メチルスチレン20%、アク
リロニトリル25%及びスチレン55%より成るパル
ミチン酸ソーダを乳化剤とするホモ共重合高分子
ラテツクス(B)67%を混合した高分子ラテツクスで
あつて、そのラテツクスの中の固形分濃度が30
%、ロジン酸カリウムとパルミチン酸ソーダより
成るカルボキシル基を高分子固形分1gに対し
0.097ミリモル含有し、同じく固形分に対しα−
メチルスチレンモノマー2.8%、スチレンモノマ
ー1.7%の残留モノマーを有する、温度30℃の高
分子ラテツクスを1リツトルビーカーにとり、
d/D=0.5の掻き上げ3枚プロペラ羽根を用い、
300rpmにて室温で撹拌した。凝固剤として(1)10
%塩酸水溶液、(2)30%塩化カルシウム水溶液をこ
れに添加して分散させ、約10秒後、回転数を
100rpmとし、緩やかに撹拌しながら10分間処理
した。次いで、該高分子ラテツクスから32メツシ
ユ篩を通して凝固粒子を分離した。この凝固粒子
は4〜10メツシユに90%以上ある粒度分布のシヤ
ープな球形粒子で、凝固粒子の固形分濃度は35〜
38%であつた。この凝固粒子を更に水に分散し、
温度を85℃に上げて15分間保持した後、32メツシ
ユの篩で脱水し抽出用サンプル(1)、(2)とした。ま
た、(1)と同様の操作により得た凝固粒子を85℃に
加温し保持する間、水酸化カリウム水溶液にてPH
10.5に調整し、脱水した粒子をサンプル(3)に、そ
して、(2)と同様の操作により凝固粒子を水に分散
する際、塩酸水溶液にてPH2.0に調整した後、加
温、脱水した粒子をサンプル(4)として抽出に用い
た。 サンプル(1)〜(4)ともに85℃の加温処理によつ
て、粒子は収縮し固形分濃度が50〜55%に増加し
た。 上記の含水粒子50gをとり、10メツシユの金網
容器に入れ、第1表の有機液体150mlで温度を一
定にした中に浸した後、30分後に取り出し、粒子
に含まれるカルボキシル基の量及びモノマー量を
測定した。また、用いた有機液体のSP値と表面
張力(20℃における)を第2表に示した。 尚、上記高分子の融着温度は92℃、推定SP値
は9.3±2、推定臨界界面張力は33±2dyne/cmで
あつた。
ラテツクスから回収される粉体状又は粒状の高分
子から乳化剤や夾雑物を除去する方法に関する。 「従来技術と問題点」 従来より、単量体を重合して高分子を得る方法
としての乳化重合や懸濁重合は、重合系の制御の
しやすさ、高重合率の実現や高重合度高分子の取
得などの点から優れた重合法として工業的にも広
く用いられている。 しかし乍ら、かかる方法にあつては、重合体を
ラテツクス粒子の凝集体として回収し、更に熱融
着させて粉粒体化するため、重合に用いる乳化剤
(界面活性剤)や油溶性物質、また重合中に副生
する夾雑物は高分子集合体内部に包埋された状態
となり、これらの除去は極めて困難である。この
ように乳化剤をはじめとする夾雑物の混入は成型
加工品の着色化、耐熱性の低下や焼けの発生等品
質の劣化を誘起させ、このことが最大の弱点とな
つている。 上記の乳化剤をはじめとする夾雑物の除去に関
しては、一般的には回収した高分子を乾燥、微粉
化した後有機液体を用いて抽出を行つている。し
かし、この方法ではいかに微粉にしてもその表面
に存在する夾雑物しか除去の対象にならないし、
あまり微粉化すると抽出後の回収が困難になる等
除去が不完全なこと、加えて、一旦乾燥製品にし
た後抽出操作することで、乾燥工程以降は二重の
操作が必要となり、工程の複雑化やコストの増加
を惹き起こし、工業的に必ずしも有利な方法とは
云えない。 「問題点を解決するための手段」 本発明このような乳化重合の本質的な欠点であ
る重合体中に残留する乳化剤や夾雑物を効率良く
廉価に除去する方法に関するものである。 即ち、本発明の第1は、 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた高分
子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が互い
に融着合体していない含水状態の凝集体とな
し、 (B) 凝集体高分子を濡らすが溶解もしくは膨潤さ
せず且つ前記凝集体の夾雑物を溶解する有機液
体と前記凝集体とを、前記凝集体を構成するラ
テツクス粒子が融着合体する温度より低い温度
で接触させることにより、前記凝集体中の水分
を前記有機液体で置換させるとともに、前記有
機液体中に前記凝集体中の夾雑物を溶解・抽出
することを特徴とする高分子凝集体から夾雑物
を除去する方法を、 本発明の第2は、 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた高分
子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が互い
に融着合体していない含水状態の凝集体とな
し、 (B) 凝集体高分子を濡らすが溶解もしくは膨潤さ
せない第1の有機液体と前記凝集体とを、前記
凝集体を構成するラテツクス粒子が融着合体す
る温度より低い温度で接触させることにより、
前記凝集体中の水分を前記有機液体で置換させ
るか、又は該置換と同時に前記凝集体中の夾雑
物の一部を溶解・抽出した後、 (C) 前記高分子を溶解又は膨潤させず且つ前記凝
集体中の夾雑物を溶解する第2の有機液体と前
記凝集体とを接触させることにより、前記第2
の有機液体中に前凝集体中の夾雑物を溶解・抽
出することを特徴とする高分子凝集体から夾雑
物を除去する方法を、それぞれ内容とするもの
である。 先ず、乳化重合や懸濁重合によつて得られたラ
テツクスを塩や酸等の凝固力を有する物質(凝固
剤)と接触することによつて高分子凝集体とす
る。この凝集体はラテツクス粒子の集合体であ
り、粒子間には間隙があり、その部分に水を包蔵
したポーラスな構造をしている。このような構造
の凝集体を得るにはラテツクス粒子が互いに融着
して高分子の連続層を形成する温度(融着温度と
いう)よりも低い温度に保つておく必要がある。
ラテツクス粒子が融着していない凝集体は、ラテ
ツクス粒子が寄り集まつた集合体であるので軟弱
でばらけ易く、脱水、乾燥して粉体を得る際、脆
く崩れて微細化してしまい工業的に極めて取り扱
いが難しくなる。そこで従来は、この凝集体をラ
テツクス粒子の融着温度以上に一旦加熱して、一
個の融着体として取り扱いのしやすい固体粒子に
するのが一般的である。ここでは、この凝集体を
融着させずそのままの状態で、この高分子を溶解
又は膨潤させず且つ高分子と馴染む第1の有機液
体、望ましくは水に不溶又は難溶の有機液体の中
に浸すことにより、凝集体の内部に存在する水を
凝集体の外に排斥し、該有機液体と置き換えるこ
とができる。該有機液体が二種以上の混合液体で
ある時には、混合液体として高分子を濡らし且つ
高分子を溶解、膨潤させないものであれば良いの
で、例えば、高分子を濡らしにくい有機液体でも
高分子を溶解、膨潤させず且つ水に不溶又は難溶
であればこれを主成分として、高分子を溶解する
が濡らす力のある有機液体を少量混合して用いる
ことができる。 上記有機液体中に凝集体を浸漬すると、直ちに
凝集体粒子表面が濡れ、表面及び粒子内部にある
間隙に浸透していき、そこに存在していた水を追
出して置き換わる。その際、重合系に含まれる水
溶液性の夾雑物も同時に粒子外に持ち出される。
この置き換わりの速度は早く、凝集体粒子の直径
が10mmを越える巨大粒子であつても、約10分以内
で置換はほぼ完了してしまう。しかし、凝集体が
膨潤乃至溶解すると、凝集体粒子表面及び粒子内
部のラテツクス粒子が融着合体し、粒子間隙のな
い連続層を形成してしまうので、水の置き換えは
出来なくなる。そればかりでなく、その後の乾燥
の速度も極めて遅くなつてしまうので、工業的な
取り扱いができなくなる。 凝集体粒子を有機液体との浸漬方法は、単に有
機液体中に凝集体粒子を静置して浸漬するだけで
良いが、撹拌や通液による有機液体の流れ中に置
く方が更に効果的である。しかし、撹拌や激しい
乱流により、凝集体粒子がこわれて微細化するこ
とを避ける必要があるので、粒子の強さにより浸
漬条件を選定する。水との置き換えに必要な有機
液体の量は、凝集体粒子が有機液体に浸つた後凝
集体内部の水を有機液体に置換し、排斥された水
と凝集体粒子が浸つている有機液体とが2相をな
し、その有機液体相に凝集体粒子が浸かつている
液高が有機液体の必要量である。又、必要な浸漬
時間は凝集体の性質と有機液体の種類や凝集体粒
子の充填度等によつて決まるので一義的に定まら
ないが、含有水の排斥率80%以上を10分以内に行
えることを一応の指標として種類や条件を選ぶの
が良い。又、凝集体粒子を含む有機液体相と粒子
から排斥された水とが2相を形成するので、水相
の部分は容易に系外へ取り出すことができ、凝集
体粒子の回収は有機液体相だけを対象に行なえば
良い。 このようにして凝集体粒子の内部から水ならび
に水溶性夾雑物を除き、有機液体に馴染んだ凝集
体は引続き抽出に供するため、油溶性夾雑物を溶
解する第2の有機液体に浸漬させる。この時、水
との置き換えに用いられる第1の有機液体と抽出
に用いる第2の有機液体は同一である必要はな
い。水との置き換えに用いられる第1の液体は、
経済的な面から回収し、再利用するのが望まし
く、水相に溶解した溶剤は蒸煮や蒸留等により回
収される。この意味で、液体が水に不溶であれ
ば、簡単な油水分離の操作により容易に液体を回
収できるので、一層有利となる。抽出に際し除去
すべき乳化剤や油溶性物質は、抽出液体に溶解す
ることが必要であるため、最適な液体の選択が必
要となる。抽出液体は、もはや水に溶、不溶は問
題ではないが、連続的に又は同時に抽出操作をす
る際は、凝集体に含まれる水との置き換え用の液
体と抽出液体とを分離する必要を生じるので、同
一液体が用いられるように選択すると有利にな
る。そして、第1の有機液体が油溶性夾雑物を溶
解するものであれば、凝集体粒子内部の水と有機
液体とが置き換わる現象と同時に油溶性夾雑物の
抽出も開始される。従つて、この場合はあらため
て抽出は必要でないが、更に有機液体の種類を変
える等して引き続き抽出を行つてもよい。また、
乳化剤が液体に溶けにくい場合は、通常水と有機
液体の置き換え前に、溶けやすくしておくことも
できる。例えば、乳化剤が脂肪酸ソーダであり、
凝固剤として無機塩を用いた場合、乳化剤は脂肪
酸の金属塩の形で存在するので有機液体には金属
塩の種類によらず難溶である。この場合は、あら
かじめ、凝集体に酸を加えて遊離脂肪酸に変えて
置くことで乳化剤を容易に抽出除去することがで
きる。 この抽出には、一般的な固液抽出の操作が適用
できる。つまり、凝集体中の抽質を液体で抽出
し、その抽出液体中の抽質を蒸留や吸着等の精製
処理により取り除き、液体を回収、再利用する方
法が採られる。抽出は凝集体粒子表面や内部のラ
テツクス粒子間隙を通して迅速に進行する。 抽出が終了した凝集体は、脱液、洗浄、乾燥を
経て粉粒体とされるが、その際凝集体がばらけて
壊れ、微粉化してしまうことを避ける必要があれ
ば、その高分子の融着温度以上に加温してやれば
よい。 このように、本発明で対象とする高分子は、乳
化重合や懸濁重合で得られるラテツクスの凝集体
であり、この凝集体は構成粒子であるラテツクス
粒子の充填集合体であるが、互いに融着しておら
ず、従つて粒子間に空隙を有するポーラスな凝集
体である。通常、このような凝集体は大量の水を
内包しており、この凝集体を乾燥するには多大の
乾燥エネルギーを必要とするが、有機液体と置き
換えることで蒸発潜熱が激減し、エネルギーの大
幅な削減が実現できる。また、水との置き換え液
体が水に不溶ないし難溶であるので、液体の回
収、再利用が容易になされ、しかも廉価にでき
る。凝集体がポーラスであるが故に、水と液体と
の置き換えと抽質の抽出除去、そして抽出後に残
留する液体の乾燥が迅速且つ容易に可能となる。
以上のことから、乳化重合や懸濁重合で得られる
ラテツクスから乳化剤や夾雑物を取除いた高純度
の高分子を工業的に生産することが可能となる。 本発明の対象となり得る高分子ラテツクスは乳
化重合又は懸濁重合で得られた樹脂状で回収し得
るほとんど全ての高分子ラテツクスを対象とし得
る。 次のモノマー群から選ばれた1種又は2種以上
のモノマーを主とする単量体組成物を重合又は共
重合又はグラフト重合させた重合体ラテツクスの
単独又は混合ラテツクスが対象となり得る。但
し、重合し得ないものを除くのは当然である。ス
チレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシ
アン化物;メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等のアクリルエステ
ル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート等のメタクリルエステ
ル;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニリデン;アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニ
ル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン;アリルメタクリ
レート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌ
レート、モノエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、グリシジルメタクリレー
ト等の架橋モノマー。 更に、本発明に於いて以下に示す高分子ラテツ
クスは特に好適に使用され得る。 (1) アクリロニトリルモノマー20〜80部と、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビ
ニリデンの1種又は2種以上の混合物20〜80部
と易染性モノマー0〜10部とから成る単量体を
重合して得られる高分子ラテツクス。 (2) スチレン0〜50wt%(重量%、以下他種%
と記さない限り%はwt%とする)、ブタジエン
50〜100%より成るブタジエン系重合体ラテツ
クス。 (2′) (2)のブタジエン系重合体ラテツクス20
〜80部の存在下にアクリルエステル0〜50
%、メタクリルエステル0〜100%、ビニル
芳香族0〜90%、ビニルシアン化物0〜90%
及び他の共重合可能な単量体0〜20%よりな
る単量体20〜80部を重合して得られる高分子
ラテツクス。 (3) スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%、
アクリルエステル0〜30%より成るゴム状重合
体ラテツクス0〜20部の存在下に、メチルメタ
クリレート0〜100%、メチルメタクリレート
を除く他のメタクリルエステル又はアクリルエ
ステル0〜60%、ビニル芳香族0〜90%、ビニ
ルシアン化物0〜90%より成る単量体80〜100
部を重合して得られる高分子ラテツクス。 (4) スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%よ
り成るブタジエン系重合体10〜90部の存在下
に、ビニル芳香族、メタクリルエステル、アク
リルエステル、ビニルシアン化物の中から選ば
れた1種又は2種以上の単量体を10〜90部重合
させたグラフト共重合物(A)0〜50部と、α−メ
チルスチレン0〜70モル%を含み、ビニル芳香
族、メタクリルエステル、アクリルエステル、
アクリル酸、ビニルシアン化物の中から選ばれ
た1種又は2種以上の単量体を30〜100モル%
含む単量体を重合させた重合物(B)50〜100部と
の混合ラテツクス。 (5) アクリルエステル40〜100%と、ビニル芳香
族、ビニルシアン化物、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、酢酸ビニル、又は共役ジオレフインの
中から選ばれた1種又は2種以上の単量体を0
〜60%と、架橋剤0〜10%とを重合して得られ
るゴム重合体5〜85部の存在下に、メタクリル
エステル、ビニルシアン化物、アクリルエステ
ル、ビニル芳香族及びこれらと共重合可能な単
量体より選ばれた単量体の1種又は2種以上を
15〜95部重合して得られる高分子ラテツクス。 (6) 塩化ビニリデン40〜100部と、ビニル芳香族、
ビニルシアン化物、アクリルエステル、メタク
リルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、架橋モノマーの中から
選ばれる1種又は2種以上の単量体0〜60部を
重合して得られる高分子ラテツクス。 (7) 塩化ビニル40〜100部、ビニルシアン化物0
〜20部と、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化
ビニリデン、アクリルエステル、メタクリルエ
ステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、架橋モノマーの中から選ばれ
る1種又は2種以上の単量体の0〜60部を重合
して得られる高分子ラテツクス。 高分子ラテツクスを凝固して凝集体をつくるの
に用いられる凝固剤は、その高分子ラテツクスを
凝固しうるものであれば何でも良い。一般的に
は、高分子の使用目的、操作性、コスト等から選
ばれる。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化リチウム、沃化カリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ア
ンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩
化カルシウム、硫酸第1鉄、硫酸マグネシウム、
硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化バリウム、塩化第1鉄、
塩化マグネシウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、硫
酸アルミニウム、カリウムミヨウバン、鉄ミヨウ
バン等の無機塩類、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等の
無機酸類、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム等の無機アルカリ類、
酢酸、蟻酸等の有機酸類、酢酸ナトリウム、酢酸
カルシウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カルシウム等
の有機酸の塩類であつて、単独又は混合物の固
体、液体、水溶液もしくは水溶性有機溶媒の溶液
がある。 凝集体内部の水との置き換えに用いられる第1
の有機液体は、(1)凝集体高分子を濡らし(馴染
み)且つ、(2)溶解や膨潤させないことが必須であ
り、(3)水との置換を十分に実現するために、水に
難溶もしくは不溶であることが必要で、更に凝集
体から排斥された水から分離・回収して再利用す
るには水に不溶のものが最も有利である。上記
(1)、(2)に関しては、高分子に対する表面張力と溶
解パラメーターの差が指標になるものと考えられ
る。 高分子を濡らすためには、液体の表面張力は高
分子の臨界表面張力よりも小さければ良いとされ
ているが、ここで言う濡れは凝集体粒子内に浸透
していく浸漬濡れに相当し、この濡れは界面張力
で定まり、固一液間の界面張力の低下によつて濡
れると考えられる。つまり、具体的には、凝集体
粒子と水の界面の自由エネルギーよりも凝集体粒
子と有機液体との界面自由エネルギーの方が小さ
いことが条件となる。しかし、高分子の種類によ
つて当然異なるが、殆どの場合、30dyne/cm以
下であれば水との置換は可能と考えて良い。ま
た、高分子を溶解や膨潤させないためには、溶解
パラメーター(SP値)の差を目安にし、1.5〜2.0
程度であればよいとされるが、実際は、操作温度
によつて異なつたり、高分子の重合度や共重合の
構造によつて異なるし、特に溶液や高分子が二種
以上の混合物の場合はSP値による選定が実際上
無理になる。何れにしても、溶解や膨潤の有無は
互いに混合してみることで簡単に且つ迅速に調べ
ることができるのでSP値による選定は予備的選
定の意味をもつ。 このような液体としては、例えば炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、アセ
タール、ケトン、エステル、多価アルコール、多
価アルコール誘導体、フエノール、窒素化合物、
イオウ化合物、リン化合物の有機液体がある。液
体の選定に当たつては、先ず高分子を操作温度に
おいて、溶解、膨潤させないものから、選定範囲
が大幅に絞られることになる。この点から、炭化
水素類やアルコール類が適していることが多い。
上記(1)、(2)、(3)の必要条件を満たす為、2種類以
上の混合液体が用いられることもある。 一般的には、パラフイン類、脂環族炭化水素及
びそのアルキル置換体は水に不溶であるが分子量
が大きくなれば、高分子を膨潤させてしまう。ま
た、アルコール類は分子量が大きくなれば、水に
難溶になるが同時に高分子を膨潤させてしまう。
従つて、単独の液体としてはCが4〜7の炭化水
素類、Cが4から5のアルコール類が選ばれるこ
とが多い。又、混合溶剤を用いる場合は、Cが4
〜7の炭化水素を主成分としてCが1〜5のアル
コール類が選ばれることが多い。 夾雑物を抽出するための第2の有機液体は、操
作性の面から、水との置き換え用の第1の有機液
体と同一である方が便利である。この時は、液体
の選定条件に抽質を溶解できることが加わるが、
一般的には大抵の有機液体は乳化剤や油性物質の
有機物を溶解するので、この条件は余り考慮の必
要がない。但し、有機液体がかなりの水を溶解す
る場合は、有機物の溶解力も低下するので注意を
要する。一方、水との置換用の液体とは別の液体
を抽出液体として用いる時は、一旦、前の液体の
液切りをした後、抽出液体と接触させれば良い。
この時は、すでに凝集体は水を含まないので水へ
の溶、不溶は関係なくなり、単に抽質を溶解し且
つ、凝集体高分子を溶解や膨潤させないものであ
れば良いので、選定が容易になる。更に、抽出
後、凝集体を乾燥して高分子の粉粒体として得る
ことになるので、溶剤の乾燥性(沸点、蒸発潜
熱)や作業時の安全性等の面から、更にコストか
らも最適な有機液体を選ぶべきである。 本発明において除去の対象となる乳化剤は、乳
化重合や懸濁重合で用いられるものであり、一般
的には二種以上の乳化剤を組合わせて使用される
が、代表的なものには次のものが挙げられる。即
ち、陰イオン界面活性剤としては脂肪酸のナトリ
ウム、カリウム塩が代表的で、殆どの重合系に利
用される。これには、パルミチン酸、ステアリン
酸のような飽和脂肪酸、オレイン酸、ラウリル酸
のような不飽和脂肪酸や、またはロジン、ヒマシ
油、ヤシ油や牛脂のような天然物の塩等がある。
脂肪酸の他に、高級アルコール硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルジ
フエニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルサルフエート等がある。
また一方、非イオン界面活性剤が用いられること
があり、これには、ポリエチレングリコールエー
テルやポリオキシエチレンソルビタンエステル等
がある。 陰イオン界面活性剤は、カルボン酸やスルホン
酸の塩は、そのままでは有機液体に溶けにくいの
で、夫々の酸の形にして置く方が効率良く抽出除
去できる。つまり、高分子ラテツクスを酸を用い
て凝固すれば酸の状態になるが、塩を用いて凝固
する時は凝固後に酸を加えればよい。通常、脂肪
酸ソーダでは誘離脂肪酸に比べて、抽出速度が1/
5〜1/10位になる。非イオン界面活性剤はそのま
まの状態で問題はない。 また、油溶性夾雑物としては、各種単量体や重
合開始剤、連鎖移動剤や架橋剤、重合禁止剤等の
重合調整剤、界面活性剤や分散安定向上用の助剤
等の重合に用いられる主副原料中に含まれる不純
物や、夾雑物、未反応残留物、重合反応系で副生
する分解物、ダイマーやトリマー等の低分子量反
応物等極めて多種多様の物質が考えられる。従つ
て、これら除去の対象とする物により、抽出液体
を選定することになる。 融着温度は、ラテツクス粒子が融着合体する温
度を意味し、一般には物質の融点と考えて良い。
しかし高分子に関しては明確な融点が見られない
ことから定義は難しく、同一重合体であつても重
合度やその分布のみでは決まらず、その結晶度や
可塑効果を与える夾残物によつても大きく影響を
受ける。しかし、実際的にはガラス転移点をTg
(℃)とすると、 Tg+273/0.8−273〜Tg+273/0.6−273(℃) の範囲になると考えて良い。具体的な本発明の実
施に当たつては、その高分子のTgの概略値が判
れば軟化的の概略値も掴めるので、2〜3の温度
を試すことで容易に最適温度範囲を知ることがで
きる。 上式の妥当性は、各種異なる軟化温度の高分子
ラテツクスを用いて、種々の温度にて操作して得
た粒子内部を走査型電子顕微鏡によりラテツクス
粒子の融着合一の有無を観察した結果によつて確
認される。 「作用・効果」 本発明は、ラテツクス粒子が互いに融着合体し
ていないポーラスな凝集体粒子とし、第1の有機
液体中に浸漬することで凝集体粒子に含有される
水分を該有機液体に置換させ、排斥した水と該凝
集体粒子が浸つている該有機液体との2相を形成
させた後、該凝集体中の夾雑物を溶解する第1あ
るいは第2の有機液体中にて溶解抽出することに
より、重合系の夾雑物は水溶性、油溶性を問わ
ず、効率的に除去し、高純度の高分子を安価且つ
有利に得ることができる。 「実施例」 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明
するが、本発明はこれらにより何ら制限を受ける
ものではない。 実施例 1 ロジン酸カリウムを用いて乳化重合したブタジ
エン重合体上にスチレン、アクリロニトリル及び
メチルメタアクリレートの混合物をグラフト共重
合させた高分子ラテツクスであつて、ブタジエン
60%、メチルメタアクリレート10%、アクリロニ
トリル10%及びスチレン20%より成る高分子ラテ
ツクス(A)33%と、α−メチルスチレン20%、アク
リロニトリル25%及びスチレン55%より成るパル
ミチン酸ソーダを乳化剤とするホモ共重合高分子
ラテツクス(B)67%を混合した高分子ラテツクスで
あつて、そのラテツクスの中の固形分濃度が30
%、ロジン酸カリウムとパルミチン酸ソーダより
成るカルボキシル基を高分子固形分1gに対し
0.097ミリモル含有し、同じく固形分に対しα−
メチルスチレンモノマー2.8%、スチレンモノマ
ー1.7%の残留モノマーを有する、温度30℃の高
分子ラテツクスを1リツトルビーカーにとり、
d/D=0.5の掻き上げ3枚プロペラ羽根を用い、
300rpmにて室温で撹拌した。凝固剤として(1)10
%塩酸水溶液、(2)30%塩化カルシウム水溶液をこ
れに添加して分散させ、約10秒後、回転数を
100rpmとし、緩やかに撹拌しながら10分間処理
した。次いで、該高分子ラテツクスから32メツシ
ユ篩を通して凝固粒子を分離した。この凝固粒子
は4〜10メツシユに90%以上ある粒度分布のシヤ
ープな球形粒子で、凝固粒子の固形分濃度は35〜
38%であつた。この凝固粒子を更に水に分散し、
温度を85℃に上げて15分間保持した後、32メツシ
ユの篩で脱水し抽出用サンプル(1)、(2)とした。ま
た、(1)と同様の操作により得た凝固粒子を85℃に
加温し保持する間、水酸化カリウム水溶液にてPH
10.5に調整し、脱水した粒子をサンプル(3)に、そ
して、(2)と同様の操作により凝固粒子を水に分散
する際、塩酸水溶液にてPH2.0に調整した後、加
温、脱水した粒子をサンプル(4)として抽出に用い
た。 サンプル(1)〜(4)ともに85℃の加温処理によつ
て、粒子は収縮し固形分濃度が50〜55%に増加し
た。 上記の含水粒子50gをとり、10メツシユの金網
容器に入れ、第1表の有機液体150mlで温度を一
定にした中に浸した後、30分後に取り出し、粒子
に含まれるカルボキシル基の量及びモノマー量を
測定した。また、用いた有機液体のSP値と表面
張力(20℃における)を第2表に示した。 尚、上記高分子の融着温度は92℃、推定SP値
は9.3±2、推定臨界界面張力は33±2dyne/cmで
あつた。
【表】
トグラフに依つた。
カルボキシル基の抽出に於ける平衡濃度は約
0.027ミリモル/gであるので除去率はいづれも
大きく特にイ、チに於いては、ほぼ完全に除去さ
れていると見られる。また、モノマーの平衡濃度
はα−メチルスチレン約0.79%、スチレン約0.48
%であるのでいづれのテストも高い抽出率を示し
ている。 上記いづれのテストも粒子を第1の有機液体に
浸漬後、数分以内に粒子内の水が排斥され、抽出
容器の底部に溜つた。 上記イ、ホ、チに於いて粒子を浸漬後10分後に
取り出して液を切り、150mlのエタノール、メタ
ノール、プロパノールの40℃液にそれぞれ浸し、
20分後に取り出してカルボキシル基含量、残留モ
ノマー量を測定した。その結果、抽出率はいづれ
もイに於けるのと同等であつた。 この操作に於いて粒子は破壊や合一を伴うこと
なく球形を保つことができた。
カルボキシル基の抽出に於ける平衡濃度は約
0.027ミリモル/gであるので除去率はいづれも
大きく特にイ、チに於いては、ほぼ完全に除去さ
れていると見られる。また、モノマーの平衡濃度
はα−メチルスチレン約0.79%、スチレン約0.48
%であるのでいづれのテストも高い抽出率を示し
ている。 上記いづれのテストも粒子を第1の有機液体に
浸漬後、数分以内に粒子内の水が排斥され、抽出
容器の底部に溜つた。 上記イ、ホ、チに於いて粒子を浸漬後10分後に
取り出して液を切り、150mlのエタノール、メタ
ノール、プロパノールの40℃液にそれぞれ浸し、
20分後に取り出してカルボキシル基含量、残留モ
ノマー量を測定した。その結果、抽出率はいづれ
もイに於けるのと同等であつた。 この操作に於いて粒子は破壊や合一を伴うこと
なく球形を保つことができた。
【表】
【表】
比較例 1
実施例1と同様の操作で得た粒子を85℃の加温
するのに代えて95℃に加温した粒子を同様にして
得、実施例1と同じ有機液体でテストを行つた。 粒子を有機液体に浸漬しても、粒子表面に付着
していたと思われる水がごく少量容器の底に見ら
れるだけで、粒子内部の水は明らかに排出できて
いない。このことは、抽出後の粒子の乾燥性が著
しく悪いことからも95℃に上げることにより粒子
表面及び内部が融着した融着粒子になつていると
推定される。いづれのテストもカルボキシル基含
量で10〜15%、残留モノマーで10〜20%初期の含
量から減少するに止まり抽出時間を更に1時間、
2時間と延長しても殆ど減少は見られなかつた。 比較例 2 実施例1と同様の操作で得た粒子を第3表の液
体、温度で実施例1と同様に抽出操作を行つた。
するのに代えて95℃に加温した粒子を同様にして
得、実施例1と同じ有機液体でテストを行つた。 粒子を有機液体に浸漬しても、粒子表面に付着
していたと思われる水がごく少量容器の底に見ら
れるだけで、粒子内部の水は明らかに排出できて
いない。このことは、抽出後の粒子の乾燥性が著
しく悪いことからも95℃に上げることにより粒子
表面及び内部が融着した融着粒子になつていると
推定される。いづれのテストもカルボキシル基含
量で10〜15%、残留モノマーで10〜20%初期の含
量から減少するに止まり抽出時間を更に1時間、
2時間と延長しても殆ど減少は見られなかつた。 比較例 2 実施例1と同様の操作で得た粒子を第3表の液
体、温度で実施例1と同様に抽出操作を行つた。
【表】
テスト、イ、ヘは抽出後の粒子には融着は見ら
れなかつたが、その他のテスト粒子は膨潤して粒
子が融着状態になつていた。ロ、ハ、ニ、ホは粒
子中の水のうち、20〜25%が排出されており容器
の底に溜つた。イとヘでは水の相が分離しなかつ
た。 上記の抽出除去は抽出時間を1時間に延長して
も、それ以上進まなかつた。このように抽出は極
めて効率が低く、また、ロ、ハ、ニ、ホでは脱液
後は乾燥が非常に難しく、乾燥温度を70℃以上に
すると、粒子が膨らんでしまう現象が見られた。 実施例 2 スチレンとブタジエンをロジン酸カリウムと半
硬化牛脂肪酸ソーダを共重合したものに、スチレ
ンとメチルメタクリレートの混合物をグラフト重
合させた高分子ラテツクスであつて、スチレン35
%、メチルメタクリレート20%、ブタジエン45%
より成り、融着温度67℃で固形分濃度30%、温度
30℃の高分子ラテツクスを、加圧ノズルの1種で
ある空円錐ノズルで円筒状凝固室中に噴霧した。
この噴霧したラテツクス液滴は、平均液滴径220
ミクロンであつた。 一方、この凝固室は内壁上部に取り付けたサイ
ドスプレーノズルから45℃の温水を回収液として
内壁面を流下させており、その内部に10%、15℃
の塩酸水溶液を孔径が2.0mmの内部混合形2流体
ノズルで0.6Kg/cm2の水蒸気で100ミクロン以下の
微細液滴に分散し、温度42〜45℃、圧力が大気圧
の凝固性雰囲気をその内部に形成させた。 分散させたラテツクス液滴は凝固室内を落下中
に凝固剤と接触して凝固され、回収液に捕集され
て、スラリーとして凝固室から取り出された。凝
固室から取り出されたスラリー中のラテツクスの
凝固粒子は、破壊や合一の殆どないほぼ完全な球
形の独立粒子であつた。このスラリーを撹拌下で
60℃に加温し、10分間保持した後、濾布を用いた
遠心脱水機により凝固粒子を取り出した。この凝
固粒子は平均粒径200ミクロンでほぼ完全な球形
をしており、固形分濃度53%であつた。また、こ
の凝固粒子は固形分当たり、乳化剤であるロジン
酸カリウムと半硬化牛脂脂肪酸から持ち込まれる
カルボキシル基として0.058ミリモル/gカルボ
ン酸化合物を含有し、また8900ppmの残留スチレ
ンモノマーを含んでいた。 この水を含有する凝固粒子を50gとりビーカー
中に下記の有機液体150mlで温度を一定に保つた
液中に入れ緩い撹拌で30分間保持した後、ヌツチ
エで液切りして取り出し、カルボキシル基の量を
電導度滴定で、スチレン量をガスクロマトグラフ
イーで定量測定した。尚、この高分子の推定SP
値は8.8±2、推定臨界界面張力は34±2dyne/cm
である。
れなかつたが、その他のテスト粒子は膨潤して粒
子が融着状態になつていた。ロ、ハ、ニ、ホは粒
子中の水のうち、20〜25%が排出されており容器
の底に溜つた。イとヘでは水の相が分離しなかつ
た。 上記の抽出除去は抽出時間を1時間に延長して
も、それ以上進まなかつた。このように抽出は極
めて効率が低く、また、ロ、ハ、ニ、ホでは脱液
後は乾燥が非常に難しく、乾燥温度を70℃以上に
すると、粒子が膨らんでしまう現象が見られた。 実施例 2 スチレンとブタジエンをロジン酸カリウムと半
硬化牛脂肪酸ソーダを共重合したものに、スチレ
ンとメチルメタクリレートの混合物をグラフト重
合させた高分子ラテツクスであつて、スチレン35
%、メチルメタクリレート20%、ブタジエン45%
より成り、融着温度67℃で固形分濃度30%、温度
30℃の高分子ラテツクスを、加圧ノズルの1種で
ある空円錐ノズルで円筒状凝固室中に噴霧した。
この噴霧したラテツクス液滴は、平均液滴径220
ミクロンであつた。 一方、この凝固室は内壁上部に取り付けたサイ
ドスプレーノズルから45℃の温水を回収液として
内壁面を流下させており、その内部に10%、15℃
の塩酸水溶液を孔径が2.0mmの内部混合形2流体
ノズルで0.6Kg/cm2の水蒸気で100ミクロン以下の
微細液滴に分散し、温度42〜45℃、圧力が大気圧
の凝固性雰囲気をその内部に形成させた。 分散させたラテツクス液滴は凝固室内を落下中
に凝固剤と接触して凝固され、回収液に捕集され
て、スラリーとして凝固室から取り出された。凝
固室から取り出されたスラリー中のラテツクスの
凝固粒子は、破壊や合一の殆どないほぼ完全な球
形の独立粒子であつた。このスラリーを撹拌下で
60℃に加温し、10分間保持した後、濾布を用いた
遠心脱水機により凝固粒子を取り出した。この凝
固粒子は平均粒径200ミクロンでほぼ完全な球形
をしており、固形分濃度53%であつた。また、こ
の凝固粒子は固形分当たり、乳化剤であるロジン
酸カリウムと半硬化牛脂脂肪酸から持ち込まれる
カルボキシル基として0.058ミリモル/gカルボ
ン酸化合物を含有し、また8900ppmの残留スチレ
ンモノマーを含んでいた。 この水を含有する凝固粒子を50gとりビーカー
中に下記の有機液体150mlで温度を一定に保つた
液中に入れ緩い撹拌で30分間保持した後、ヌツチ
エで液切りして取り出し、カルボキシル基の量を
電導度滴定で、スチレン量をガスクロマトグラフ
イーで定量測定した。尚、この高分子の推定SP
値は8.8±2、推定臨界界面張力は34±2dyne/cm
である。
【表】
第4表の結果から、カルボキシル基及びスチレ
ンの抽出に於ける平衡濃度は各々0.0164ミリモ
ル/g、2520ppmであるので上記いづれのテスト
も大きな除去率を示している。 上記いづれのテストも、有機液体に浸漬後、数
分以内に粒子から水が排斥され、ビーカーの底に
溜り2相となつた。粒子は上相の有機液体の下部
に存在していた。尚、撹拌は底部に溜つた水が液
体中に分散しない程度の緩い撹拌にした。この抽
出操作により粒子は壊れや合一することなく、球
形を保つていた。 また、テスト、ワについて粒子内の残留物を、
螢光X線分析により、K、Cl、S、P、Si、Mg、
Naの各元素濃度として調べたところ、第5表と
なり、夾雑物がほぼ完全に除去されていることが
わかつた。
ンの抽出に於ける平衡濃度は各々0.0164ミリモ
ル/g、2520ppmであるので上記いづれのテスト
も大きな除去率を示している。 上記いづれのテストも、有機液体に浸漬後、数
分以内に粒子から水が排斥され、ビーカーの底に
溜り2相となつた。粒子は上相の有機液体の下部
に存在していた。尚、撹拌は底部に溜つた水が液
体中に分散しない程度の緩い撹拌にした。この抽
出操作により粒子は壊れや合一することなく、球
形を保つていた。 また、テスト、ワについて粒子内の残留物を、
螢光X線分析により、K、Cl、S、P、Si、Mg、
Naの各元素濃度として調べたところ、第5表と
なり、夾雑物がほぼ完全に除去されていることが
わかつた。
【表】
【表】
比較例 3
実施例2と同様の操作で得たスラリーを60℃に
加温する代わりに82℃に加温して粒子を得、実施
例2と同じく有機液体で同様のテストを実施し
た。 いづれのテストもカルボキシル基で15〜20%、
残留スチレンモノマーで20〜25%初期の含量から
減少したに止まり、抽出時間を更に1時間、2時
間と延長しても、殆ど減少しなかつた。また粒子
を液体に浸漬しても、粒子表面に付着していたと
思われる水がごく少量ビーカーの底に見られるだ
けで、粒子内部の水は明らかに排斥できていな
い。この現象と、抽出後の粒子の乾燥性が極めて
悪いことから、82℃に上げることにより粒子表面
及び内部が融着したと思われる。 比較例 4 実施例2と同様の操作で得た粒子を第6表の有
機液体、温度で実施例2と同様に抽出操作を行つ
た。結果を第6表に示す。
加温する代わりに82℃に加温して粒子を得、実施
例2と同じく有機液体で同様のテストを実施し
た。 いづれのテストもカルボキシル基で15〜20%、
残留スチレンモノマーで20〜25%初期の含量から
減少したに止まり、抽出時間を更に1時間、2時
間と延長しても、殆ど減少しなかつた。また粒子
を液体に浸漬しても、粒子表面に付着していたと
思われる水がごく少量ビーカーの底に見られるだ
けで、粒子内部の水は明らかに排斥できていな
い。この現象と、抽出後の粒子の乾燥性が極めて
悪いことから、82℃に上げることにより粒子表面
及び内部が融着したと思われる。 比較例 4 実施例2と同様の操作で得た粒子を第6表の有
機液体、温度で実施例2と同様に抽出操作を行つ
た。結果を第6表に示す。
【表】
テスト、ト、チは抽出後の粒子には融着は見ら
れなかつた。またビーカーの底部に水の分離相は
出なかつた。またテスト、リ、ヌ、ル、ヲは膨潤
して粒子が軟化融着状態になつていた。特に、リ
とヌはビーカー内で互いに粒子が合一して塊化し
てしまつた。リ、ヌ、ル、ヲはごく少量の水が排
斥されたと思われ、僅かの水がビーカーの底に溜
つた。 上記の抽出除去の結果は抽出時間を1時間に延
長しても殆ど変わらないことが確められた。 このように抽出は極めて効率が悪く、リ、ヌ、
ル、ヲは脱液後は乾燥が非常に難しく、温度を上
げると粒子の内部が膨らむ現象が現れた。 実施例 3 実施例1と同様の操作で得た含水粒子を50gと
り、10メツシユの金網容器に入れ、n−ヘキサン
50mlを添加して60℃で5分間浸漬したところ、粒
子内の水が排斥されて容器の底部に溜まつた。 次にこの粒子を脱液してエタノール150mlに60
℃で30分間浸漬した。粒子を脱液して取り出し、
粒子に含まれるカルボキシル基の量を測定したと
ころ、高分子固形分1g当たり0.097ミリモルあ
つたものが、0.030ミリモル/gに減少していた。 カルボキシル基の抽出に於ける平衡濃度は約
0.027ミリモル/gであるので、ほぼ完全に除去
されたと言える。
れなかつた。またビーカーの底部に水の分離相は
出なかつた。またテスト、リ、ヌ、ル、ヲは膨潤
して粒子が軟化融着状態になつていた。特に、リ
とヌはビーカー内で互いに粒子が合一して塊化し
てしまつた。リ、ヌ、ル、ヲはごく少量の水が排
斥されたと思われ、僅かの水がビーカーの底に溜
つた。 上記の抽出除去の結果は抽出時間を1時間に延
長しても殆ど変わらないことが確められた。 このように抽出は極めて効率が悪く、リ、ヌ、
ル、ヲは脱液後は乾燥が非常に難しく、温度を上
げると粒子の内部が膨らむ現象が現れた。 実施例 3 実施例1と同様の操作で得た含水粒子を50gと
り、10メツシユの金網容器に入れ、n−ヘキサン
50mlを添加して60℃で5分間浸漬したところ、粒
子内の水が排斥されて容器の底部に溜まつた。 次にこの粒子を脱液してエタノール150mlに60
℃で30分間浸漬した。粒子を脱液して取り出し、
粒子に含まれるカルボキシル基の量を測定したと
ころ、高分子固形分1g当たり0.097ミリモルあ
つたものが、0.030ミリモル/gに減少していた。 カルボキシル基の抽出に於ける平衡濃度は約
0.027ミリモル/gであるので、ほぼ完全に除去
されたと言える。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた
高分子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が
互いに融着合体していない含水状態の凝集体と
なし、 (B) 前記凝集体を凝集体高分子を濡らすが溶解も
しくは膨潤させない、水に不溶或いは難溶の有
機液体中に前記凝集体を構成するラテツクス粒
子が融着合体する温度より低い温度で浸漬させ
ることにより、前記凝集体中の水分を前記有機
液体で置換し、 (C) 排斥した水と前記凝集体が浸つている前記有
機液体との2相を形成させ、前記有機液体中に
前記凝集体の夾雑物を溶解・抽出することを特
徴とする、高分子凝集体から夾雑物を除去する
方法。 2 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた
高分子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が
互いに融着合体していない含水状態の凝集体と
なし、 (B) 前記凝集体を凝集体高分子を濡らすが溶解も
しくは膨潤させない、水に不溶或いは難溶の有
機液体中に前記凝集体を構成するラテツクス粒
子が融着合体する温度より低い温度で浸漬させ
ることにより、前記凝集体中の水分を前記有機
液体で置換し、 (C) 排斥した水と前記凝集体が浸つている前記有
機液体との2相を形成させた後、 (D) 前記高分子を溶解又は膨潤させず且つ前記凝
集体中の夾雑物を溶解する第2の有機液体に前
記凝集体を浸漬することにより、前記第2の有
機液体中に前記凝集体中の夾雑物を溶解抽出す
ることを特徴とする、高分子凝集体から夾雑物
を除去する方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31258286A JPS63165407A (ja) | 1986-12-27 | 1986-12-27 | 高分子凝集体から夾雑物を除去する方法 |
| EP87119223A EP0274741B1 (en) | 1986-12-27 | 1987-12-24 | Method of recovering polymer agglomerates as dry powders or granules |
| DE3789220T DE3789220T2 (de) | 1986-12-27 | 1987-12-24 | Verfahren zur Gewinnung von Polymeragglomeraten als trockene Pulver oder Granulate. |
| CA000555535A CA1325862C (en) | 1986-12-27 | 1987-12-29 | Method of recovering polymer agglomerates as dry powders or granules |
| US07/241,178 US4997911A (en) | 1986-12-27 | 1988-09-07 | Method of recovering polymer agglomerates as dry powders or granules |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31258286A JPS63165407A (ja) | 1986-12-27 | 1986-12-27 | 高分子凝集体から夾雑物を除去する方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63165407A JPS63165407A (ja) | 1988-07-08 |
| JPH0367524B2 true JPH0367524B2 (ja) | 1991-10-23 |
Family
ID=18030937
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31258286A Granted JPS63165407A (ja) | 1986-12-27 | 1986-12-27 | 高分子凝集体から夾雑物を除去する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63165407A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007123123A1 (ja) * | 2006-04-18 | 2007-11-01 | Daikin Industries, Ltd. | フッ素ゴムの製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5351289A (en) * | 1976-10-20 | 1978-05-10 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | Treatment method of hydrous acrylamide polymers |
| JPS61188402A (ja) * | 1985-02-18 | 1986-08-22 | Nippon Zeon Co Ltd | 粒状ペ−スト用塩化ビニル樹脂の製造法 |
-
1986
- 1986-12-27 JP JP31258286A patent/JPS63165407A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63165407A (ja) | 1988-07-08 |
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