JPH0373328B2 - - Google Patents
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- JPH0373328B2 JPH0373328B2 JP13495285A JP13495285A JPH0373328B2 JP H0373328 B2 JPH0373328 B2 JP H0373328B2 JP 13495285 A JP13495285 A JP 13495285A JP 13495285 A JP13495285 A JP 13495285A JP H0373328 B2 JPH0373328 B2 JP H0373328B2
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は微孔質の中空繊維とその製造方法並び
に中空繊維を用いた精密瀘過フイルター(除菌フ
イルター)に関する。 [従来の技術] 近年、省エネルギー、工程の簡略化、品質向上
のために食品、発醗、製薬、バイオテクノロジ
ー、化学および電子工業の分野で微孔質を使用し
た瀘過技術が広く実用化され、また微孔質体とし
てポリプロピレン中空繊維の製造が盛んに提案さ
れている。例えば、特公昭和56−52123号公報に
は周壁部に微小な空孔を有するポリプロピレンか
らなる中空糸の製造方法が開示されている。前記
方法によればポリプロピレンを溶融紡糸し、次い
で熱処理を行なつた後、延伸し、しかる後再び熱
処理を行ない多孔質にしている。また特公昭57−
20970号公報には、部分的な相溶性を示す2種の
ポリマーを含有する均一な混合溶融体より、2種
のポリマーが部分的に相溶した状態で存在するフ
イルムを作り、溶媒でどちらか一方のポリマーを
除去し、乾燥した後、延伸して多孔質にしてい
る。更に特公昭57−49248号公報には三次元網目
状組織で構成された膜瀘過型の中空繊維が開示さ
れている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前記先行技術から得られる多孔
質ポリプロピレン中空繊維は次の如き実用上の欠
点や問題点を有していた。すなわち、前記特公昭
56−52123号公報に示される中空繊維は1気圧の
加圧下での透過水の流量が1.1〜2.5gfol(1.88〜
4.2/m2hr)と少なく、精密瀘過の目的には透
過流速が不十分であつた。特公昭57−20970号公
報における中空繊維も60気圧の加圧下で透水量が
582/m2dayと少なく、精密瀘過の目的には透
過流速が不十分であつた。更に特公昭57−49248
号公報の中空繊維は透水量が100mm/Mgで115
/m2hrと比較的多いが、セルロース系の重合体
からなり、耐薬品性が悪く、使用範囲が限られ欠
点があつた。 一方、特開昭55−131028号公報には、ポリオレ
フイ樹脂無機微粉末・有機液状体を混合した後、
溶融成形し、次いで成形物より有機液状体及び無
機微粉末を抽出する微孔性ポリオレフイン多孔物
の製造方法が開示されているが、製造方法は3成
分系の混合物を出発物質としており、ポリオレフ
イン以外の2成分を2工程で抽出除去しなければ
ならず、工程が繁雑となる欠点があつた。 さらに、特開昭59−64640号公報には、結晶性
で熱可塑性ポリマーとある化合物とを溶融ブレン
ドし、溶融ブレンド溶液から、シートを形成し、
冷却して相分離を起こさせた後、延伸し、前記化
合物を除去する微孔質シートの製造方法が開示さ
れている。この製造方法では相分離状態で延伸す
るため、目的の強度を得ようとすれば、前記化合
物の添加量が限られ、高い透過流速は期待できな
い。また中空繊維についての開示がない。 上記精密瀘過(除菌フイルター)用の瀘材とし
て、要求される特性は、 (1) 瀘過精度が高い。 (2) 機械的強度が大きい。 (3) 溶出物が少ない。 (4) 耐薬品性が高い。 (5) オートクレーブ滅菌ができる。 (6) 通過流速が大きい。 (8) 生物化学的に不活性である。 (9) 安定して供給できる。 等である。そこで、本発明は熱加塑性樹脂として
ポリプロピレンを選択することにより、上記特性
のうち(3)、(4)、(5)、(7)、(8)、を満足し、焼結体様
の膜構造であるため、(1)、(2)、を満足し、中空繊
維からフイルター素子を構成するため、素子の単
位体積あたりの通過流速が、従来の平膜型の素子
より遥かに大きいことを特徴とする精密瀘過用の
微孔質ポリプロピレン中空繊維及びその製造方法
を提供することを目的とするものである。また、
本発明は比較的濃度の微粒子を含んだ溶液を103
〜105/m2hrの処理速度で、瀘過精製するに適
する精密瀘過フイルター(除菌フイルター)を提
供することを目的とするものである。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明の第1は、メル
トインデツクス11〜39で結晶化度40%以上のポリ
プロピレンの微細な球晶の集合からなる中空繊維
であつて、該繊維の中空壁が球晶相互の間にでき
る空間で連通された微孔質の中空繊維に関する。
また第2の発明は、メルトインデツクス11〜39で
結晶化度40%以上のポリプロピレン(A)100重量部
に対し、(A)の成形温度以上で(A)に相溶し、かつ実
質的に発揮しない有機液状体(B)を50〜150重量部
を混合・混練して均一な溶融体とし、該溶融体を
二重管状の紡糸口金を有する溶融紡糸装置から冷
却槽内の一定温度に制御された有機液状体(B)の中
に押出し、ポリプロピレン(A)の球晶がブドウ球状
に連結された間隙に有機液状体(B)が存在する中間
構造体を作り、次いで(B)の良溶媒で(A)には不要の
溶媒中に連続的に導き、前記中間構造体より(B)を
除去したのち、定長緊張下で熱処理することによ
り、中空繊維を製造するものである。更に第3の
発明は上記ポリプロピレンの球晶の集合により多
孔質構造で、肉厚が30〜70μ、外径が500μ以下か
らなる中空繊維を瀘過体モジユールとしたことを
特徴とする精密瀘過フイルター(除菌フイルタ
ー)に関する。 本発明による微孔質ポリプロピレン中空繊維
は、下記の諸工程によつて製造される。 (1) メルトインデツクスMI11〜39の結晶化度は
40%以上ポリプロピレン(A)100重量部に対し、
(A)の成形温度以上で(A)に相溶し、実質的に揮発
しない有機液状体(B)を50〜150重量部を混合・
混練し、均一な溶融体を作る。 (2) この溶融体を二重管状の紡子口金を有する溶
融紡糸装置で中空繊維に成形する。紡糸口金か
らでた溶融体は紡糸口金から、冷却槽までの距
離と巻取速度を調節することにより、中空繊維
の外形および肉厚を決定する。この時溶融体を
一旦冷却し、既知の方法にてペレツトとして、
別の溶融装置へ供給してもよい。 (3) 成形された中空繊維は、一定温度に制御され
た有機液状体(B)で満たされている冷却槽を通過
する過程で冷却されることにより、ポリプロピ
レン(A)が結晶化する。ポリプロピレン(A)の結晶
化の進行に伴い、有機液状体(B)は溶融体よりは
じきだされ、ポリプロピレン(A)は温度に対応し
た大きさの球晶を形成し、ポリプロピレン(A)球
晶がブドウ球状に連結された間隙に有機状体(B)
が存在する中間構造体を作る。 (4) 有機液状体を間隙に含むポリプロピレンの微
細な球晶のブドウ球状集合体は、冷却槽で冷却
槽1よりも低温度で冷却固化されることによ
り、構造が強固に固定される。 (5) この構造が固定された中空繊維は、有機液状
体(B)の良溶媒で満たされた抽出槽を通過する過
程、有機液状体を固定分離し、ポリプロピレン
球晶集合体で成る微孔質中空繊維となる (6) この微孔質中空繊維は、(2)で決定された外形
及び肉厚と、(5)で決定された微孔質としての構
造を保持するために定長緊張下にて熱処理され
る。本発明の微孔質中空繊維の製造に適するポ
リプロピレンは、MI:11〜MI:39、好ましく
はMI:15〜MI:30の溶融流動性を示し、少な
くとも約40%以上の結晶化度を有する実質的な
アイソタクチツクポリプロピレンである。MI
が11を下回ると、有機液状体を30重量部以上含
有した均一な溶融体が作れない。また、MIが
39を越えると、ポリプテンあるいは流動パラフ
インを30重量部含有した溶融体では中空繊維状
に溶融成形できない。結晶化度が40%を下回る
と球状結晶体が形成されない。 本発明の微孔質中繊維を製造するために、ポリ
プロピレンと混合するのに適する有機液状体は、
常温で流動性を示し溶融成形時に実質的に揮散し
ないことが必要であり、且つポリプロピレンの成
形温度以上においてポリプロピレンと相溶する物
である。ポリプロピレンと相溶性を有するには非
極性である液状炭化水素であることが望ましい。
具体的には沸点が180℃以上、混合物質の場合は
初留点が180℃以上である。好ましくは沸点又は
初留点が200℃以上である。上記の特性を示す液
状炭化水素としては炭素数が11〜40の範囲の単一
物質又は混合物質である。中でもポリブテンある
いは流動パラフインが最も適する。極性基を有す
る有機液状体では溶融紡糸装置の口金出口で、ポ
リプロピレンと完全に分離してしまい、有機液状
体がふき出す結果となり、中空繊維を引取ること
はできない。炭素数が40以上の場合、冷却初期で
流動性が失われ、ポリプロピレンの球晶の成長を
妨げ、均一な間隙が形成されない。また、炭素数
が11以下では冷却槽に入る前に、部分的に揮散し
てしまい、均一に微孔質とはならない。 溶融体は結晶化度50%以上のポリプロピレン
100重量部に対し、有機液状体を50〜150重量部混
合し、170℃以上に加熱することによつて製造さ
れる。この時、ポピプロピレンの球晶の大きさを
調節する目的で、ソルビトール誘導体からなる造
核剤を0〜1重量部加えてもよい。溶融体の混合
にあたつては既知の混練機、例えば単軸押出機、
2軸押出機、バンバリーミキサー、ルーターニー
ダー等で行なえる。前記溶融体は、混練機能を有
する押出機で混練された場合は、直接ギヤーポン
プ及び紡糸口金供給する。また、溶融体は既知の
方法及び装置を用いて一旦冷却し、ペレツト状に
してから、押出機及びギヤーポンプ及び紡糸口金
からなる溶融紡糸装置へ供給してもよい。ペレツ
ト状に加工するための冷却は水冷等の急冷で行な
うことが好ましい。 溶融紡糸装置の押出機及びダイの温度は、170
〜230℃の間で溶融粘度が2000〜7000Pになるよ
うに調節するのが良い。溶融体はギヤーポンプを
介して定量的におくられ、二重管状の紡糸口金よ
り吐出され、中空繊維状に賦形される。中空繊維
の形状は、二重管の直径()、溶融体の吐出量
()と、口金から冷却槽(第2図における第1
の冷却槽6)までの距離()と、巻取速度
()との関係で決定できる。本発明のように、
有機液状体を多量に含有する場合は、溶融粘度が
低いため、ポリプロピレン単位の場合に比べ、
()の口金から前記冷却槽までの距離を短めに
することが良い。 一般に、ポリプロピレン繊維の溶融紡糸におい
て、溶融粘度と結晶化の調節ができ上りの繊維・
物性を左右する。ポリプロピレンの場合、結晶化
速度が極めて速いため、冷却の条件が非常に重要
である。延伸効果を期待する従来のポリプロピレ
ン多孔質中空糸の製造の場合、一般に冷却段階で
なるべく結晶化と配向をおさえることが望まし
い。しかし、本発明の場合、延伸工程にて孔を形
成するのではなく、ポリプロピレンの球晶を形成
させ、その間隙、孔とするものであるから、冷却
段階で積極的に、かつ速やかに結晶化を行なうこ
とが重量である。したがつて、冷却槽は、結晶化
速度が重大となる温度に制御されるべきである。
ポリプロピレンは、110℃〜120℃ぐらいで最も結
晶化速度が速いといわれている。有機液状体を含
有する場合は、結晶化速度が最も速い温度が低温
側へ移行する。本発明に適する冷却温度は、有機
液状体の含有量及び造核剤の含有量及び目的とす
る瀘過精密等により異なるが、30℃〜90℃の間で
最も結晶化度が大きい温度を、中心にして±5℃
の温度範囲で制御することが良く、冷却温度が低
すぎたり、高すぎたりした場合、結晶化度は低く
なり、非晶部の海の中に有機液状体が島として存
在することとなり、均一な孔形分布が得られな
い。 また、冷却媒体としては、冷却工程で中空繊維
の形状を保持するために、ポリプロピレンに混合
した有機液状体と同じ、もしくは近いものが望ま
しい。 抽出槽ではポリプロピレンに混合した有機液状
体の良溶媒でポリプロピレンの球晶の間隙に存在
する有機液状体を抽出除去し、実質的ポリプロピ
レンでなる多孔質中空繊維を得る。有機液状体の
良溶媒としては、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化
水素系、ハロゲン化炭化水素溶媒及びエーテル、
二硫化炭素等が適当である。抽出に要する時間は
有機液状体の含有量、中空繊維の形状、巻取速度
等により異なるが、でき上つた中空繊維での残存
量が0.1wt%以下、好ましくは0.7%以下になうよ
うに決めるべきである。この際、該良溶媒を満た
した槽の中を中空繊維を走らせるのも良いが、逆
に中空繊維の上からシヤワーでふらしてもよい。 ここで出来た微孔質中空繊維には巻取られるま
での工程の影響により応力が残るため、熱的に不
安定であり、収縮する傾向があるので定長緊張化
で熱処理を行なう。熱処理の温度は50℃〜80℃に
すべきで、好ましくは70℃〜80℃である。時間は
1分間前後で十分である。 以下、図面に基づいて本発明をさらに詳しく説
明する。 本発明の中空繊維は、第1図にモデルで示した
ように、中空壁がポリプロピレン自体の球晶gの
集合体で隔壁が構成されており、あたかも超微粒
子からなる焼結体のような構造を呈している。そ
れ故、空孔率が特別に高い訳ではないが、曲路率
が高いため目ずまりしにくく、透過流速が大きい
瀘材となりうる。さらに、球晶の大きさは同一製
造条件で作られた場合、実質的に均一であり、し
たがつて孔径分布がシヤープな瀘材となりうる。 第2図は中空繊維の製造装置の1例を示す。ポ
リプロピレンと有機液状体との均一な混合溶融体
で出来たペレツトを第2図に示すごとく押出機2
のホツパー1で供給し、押出機を通過する過程で
ペレツトを溶融させ、粘度を2000〜7000Pに調節
して、ギヤーポンプ3を介入して定量的に紡糸口
金4に供給する。溶融体は紡糸口金で中空繊維5
に賦形され、第1の冷却槽6へ押出す。冷却槽6
に満たされた有機液状体は温調機7で、一定温度
を保つように制御されている。次いで第2の冷却
槽8に連続的に送り込み冷却する。冷却の終つた
中空繊維は抽出槽9で有機液状体を抽出除去し、
乾燥機10で定長緊張下で熱固定され、巻取機1
1で巻取られる。 本発明の製造方法によつて、作られた数種の中
空繊維(多径300μ、内径200μ)の表面をさらに
コロナ処理、プラズマ処理、酸化剤処理、界面活
性剤処理などのより表面を親水化し、第3図に示
す繊維束のモジユール15に組立て、精密瀘過フ
イルター除去とする。モジユール15の上下はポ
ツテイング剤18,18が取付けられてハウジン
グ16内にセツトされる。上部のポツテイング剤
ゴムパツキン14を介してハウジング16の上縁
に固定されている。試料液は下部の入口17から
入り、モジユール15を透過し、中空繊維束開口
端13から試料液出口12に送られる。上記精密
瀘過フイルター(除菌フイルター)の瀘過性能を
評価したところ、有機液状体の含有量及び冷却温
度の調節により大腸菌の透過を完全に阻止する精
密フイルター及び縁膿菌の通過を完全に阻止する
精密フイルターが得られることがわかつた。ま
た、これらのモジユールの透過流速は、103〜105
/m2hrの範囲にあつた。 本発明の微孔質ポリプロピレン中空繊維からな
る精密瀘過フイルター(除菌フイルター)は水溶
液中微量の異物及び微生物の完全に除去する目的
で食品、発酵、製薬、バイオテクノロジー、化
学、電子工業の分野での水処理用の精密フイルタ
ー(除菌フイルター)として有用である。また、
親水化処理をしない場合、素材の発水性を利用し
て油分中の水分の除去用のフイルターとして有用
である。 [発明の効果] 本発明の中空繊維はポリプロピレンの微細な球
晶の集合体からなり、球晶相互の間に空間が連通
した多孔質構造の中空壁を有しているので、瀘過
精度が高く、透過流速も大きく精密瀘過フイルタ
ー阻止として好適なものである。また本発明は二
重管状の紡糸口金から冷却槽内の一定温度に制御
された有機液状体(B)の中に押出したのち、脱溶
媒、熱処理して中空繊維としたものであるから、
中空壁を多孔質構造の中空繊維を容易に製造する
ことができる。さらに、本発明の中空繊維でなる
精密瀘過フイルターは、従来のプリーツ型の精密
瀘過フイルターに比べ、単位体積当り瀘過面積が
約3倍にすることができ、高い処理能力を有する
フイルター素材が得られる。さらにポリプロピレ
ン素材の特徴から耐薬品性、オートクレープ性、
化学的及び生物学的活性であるフイルター素子が
得らる。また、前記特性に優れるテフロン性のフ
イルター素子に比べ安価であり、供給が安定して
いる。 以下に例を上げ、本発明をさらに詳しく説明す
る。 比較例 1 密度:0.965g/cm3、MI:13の高密度ポリエチ
レン[三井石油化学工業株式会社製ハイゼツクス
1300J]を100重量部に初留点:286℃、比重
(15/4℃):0.9589、動粘度37.8℃):8.30cStの
流動パラフイン[出光興産株式会社製ダフニーオ
イルCP−15N]を80重量部を、混練用2軸押出
機にて混合混練し、水冷し、ペレツトとしたこの
ペレツトを押出機に投入し、170℃で溶融し、ギ
ヤーポンプで3.0cm3/minを定量的に紡糸口金に
送り込み、外形6mm、スリツト幅1mmの環状スリ
ツトより押し出したが、中空な形状が得られなか
つた。 比較例 2 比較例1で用いた高密度ポリエチレン50重量部
と密度0.91g/cm3、MI:19、結晶化度52%のポ
リプロピレン[出光石油化学株式会社製J−
2000G]を50重量部と、比較例1で用いた流動パ
ラフイン80重量部を比較例1と同様に、混練し溶
融紡糸装置で押出したが、中空な形状は得られな
かつた。 比較例 3 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部に、
アタクチツクポリプロピレンを80重量部を比較例
1と同様に混練し、溶融紡糸装置から60℃±5℃
に調整された流動パラフインの冷却槽1に、押し
出し80m/minで巻取つた。冷却槽2には、同じ
く流動パラフインを、押出槽にはフレオン113[旭
硝子製ルレオンソルブR113J]を満たしておい
て、また乾燥機は、外径300μ、肉厚50μであつた
が、透過水量が、150/m2hrと小さかつた。ア
タクチツクポリプロピレンは、ポリプロピレンの
球晶の成長を妨げ、孔径を小さく不規則にしたも
のと考えられる。 比較例 4 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部と、
比較例1で用いた流動パラフイン40重量部を比較
例3と同様に混練及び溶融紡糸し、外径280μ、
肉厚56μの中空繊維を得たが、透過水量が200
/m2hrと小さかつた。 比較例 5 密度0.91g/cm2、MI:25、結晶化度44gのポ
リプロピレン[三井石油化学株式会社製ポリプ
ロ、J740]を100重量部と比較例1で用いた流動
パラフイン80重量部を比較例3と同様に混練及び
溶融紡糸し、外径290μ、肉厚53μの中空繊維を得
たが、透過水量が300/m2hrと小さかつた。 比較例 6 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部と
固型パラフイン[日本油脂製パラフインワツク
ス]を80重量部を、比較例3と同様に混練及び溶
融紡糸し、外径300μ、肉厚50μの中空繊維を得た
が、透過水量が180/m2と小さかつた。 比較例 7 密度0.91g/cm3、MI:10のポリプロピレン
[三井石油化学株式会社製ポリプロJ640]と比較
例1で用いた流動パラフイン40重量部とを比較例
1と同様に混練したが、ペレツト状に加工できな
かつた。 比較例 8 密度0.91g/cm3、MI:40のポリプロピレン
[三井石油化学株式会社製ポリプロJ900]100重部
と、比較例1で用いた流動パラフイン40重量部と
を比較例1と同様に混練し、溶融紡糸装置で押出
したが、中空な形状は得られなかつた。 比較例 9 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部と、
比較例1で用いた流動パラフイン160重量部、比
較例1と同様に混練したが、ペレツト状に加工で
きなかつた。 実施例 1 MI:19以上のポリプロピレン[出光石油化学
株式会社J−2000G]100重量部と初留点286℃ポ
リブテン[出光ポリブテンOH]50重量部とを、
混練2軸押出機にて混練し、水冷しペレツトし
た。このペレツトを押出機に投入し、170℃で溶
融し、ギヤーポンプで3.0cm3/minを定量的に紡
糸口金に送り込み、外径6mm、スリツト幅1mmの
環状スリツトより押出した。これを60℃±5℃に
調節されたボリブテンあるいは冷却槽1に押出
し、80m/minで巻取つた。冷却槽2には冷却槽
6と同じ流動パラフインを、押出槽にはフレオン
113[旭硝子フレオンソルブ113]を満たしておい
た。また、乾燥機は75℃に調節しておいた。ここ
で出来た中空繊維は外径300μ、肉厚50μであり、
透過水量が2000/m2hrであり、空孔率が38%
で、曲路率が111%であつた。 実施例 2〜9 ポリプロピレンと有機液状体及び造核剤の配合
量を表1に組合せて混練し、実施例1と同様に溶
融紡糸を行なつた。得られた中空繊維の性能を表
2に示す。 実施例 10〜11 実施2と同様の配合で混練して出来たペレツト
について、冷却槽1の温度条件と表3のように変
動させ、溶融紡糸を行なつた。得られた中空繊維
の性能を表4に示す。 実施例 12〜13 実施例2と同様の配合で混練してできたペレツ
トについて、熱処理の温度を表5のように変動さ
せ、溶融紡糸を行なつた。得られた中空繊維の性
能を表6に示す。 実施例 16 実施例2で得られた中空繊維を16000本束ね、
外径が幅70mm、長さが250mmの円筒形状のフイル
ター素子を作つた。これをエイエムエフ・インコ
ーポレーデイドのカートリツジ用ハウジング
(IZMP)に組込み、20℃の水を中空繊維の外側
から0.3Kg/cm2の圧力で流したところ、透水量は
30/minであつた。この透水量は、上記ハウジ
ング(IZMP)に装着可能な従来のフイルター素
子の単位体積当り瀘過面積が約3倍になつたため
と考えられる。 実施例 14 実施例2で得られた中空繊維は、瀘過面積が
0.10m2になるようにモジユールを作り、これに
102個/mlの濃度の大腸菌(Eschinia coli)が含
む水を1Kg/cm2に加圧して5瀘過した。ハウフ
イングに残留した2次側瀘過をTSB培地で37℃、
24hr倍養したが、Eschinia coliは存在しなかつ
た。 実施例 15 実施例7で得られた中空繊維で瀘過面積が0.10
m2になるようにモジユールを作り、これに102
個/mlの濃度のPseudomonasを含む水を1Kg/
cm2に加圧して5瀘過した。ハウジングに残留し
た2次側瀘過をTSB倍地で37℃、24hr培養した
が、Paeudomonasは存在しなかつた。
に中空繊維を用いた精密瀘過フイルター(除菌フ
イルター)に関する。 [従来の技術] 近年、省エネルギー、工程の簡略化、品質向上
のために食品、発醗、製薬、バイオテクノロジ
ー、化学および電子工業の分野で微孔質を使用し
た瀘過技術が広く実用化され、また微孔質体とし
てポリプロピレン中空繊維の製造が盛んに提案さ
れている。例えば、特公昭和56−52123号公報に
は周壁部に微小な空孔を有するポリプロピレンか
らなる中空糸の製造方法が開示されている。前記
方法によればポリプロピレンを溶融紡糸し、次い
で熱処理を行なつた後、延伸し、しかる後再び熱
処理を行ない多孔質にしている。また特公昭57−
20970号公報には、部分的な相溶性を示す2種の
ポリマーを含有する均一な混合溶融体より、2種
のポリマーが部分的に相溶した状態で存在するフ
イルムを作り、溶媒でどちらか一方のポリマーを
除去し、乾燥した後、延伸して多孔質にしてい
る。更に特公昭57−49248号公報には三次元網目
状組織で構成された膜瀘過型の中空繊維が開示さ
れている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前記先行技術から得られる多孔
質ポリプロピレン中空繊維は次の如き実用上の欠
点や問題点を有していた。すなわち、前記特公昭
56−52123号公報に示される中空繊維は1気圧の
加圧下での透過水の流量が1.1〜2.5gfol(1.88〜
4.2/m2hr)と少なく、精密瀘過の目的には透
過流速が不十分であつた。特公昭57−20970号公
報における中空繊維も60気圧の加圧下で透水量が
582/m2dayと少なく、精密瀘過の目的には透
過流速が不十分であつた。更に特公昭57−49248
号公報の中空繊維は透水量が100mm/Mgで115
/m2hrと比較的多いが、セルロース系の重合体
からなり、耐薬品性が悪く、使用範囲が限られ欠
点があつた。 一方、特開昭55−131028号公報には、ポリオレ
フイ樹脂無機微粉末・有機液状体を混合した後、
溶融成形し、次いで成形物より有機液状体及び無
機微粉末を抽出する微孔性ポリオレフイン多孔物
の製造方法が開示されているが、製造方法は3成
分系の混合物を出発物質としており、ポリオレフ
イン以外の2成分を2工程で抽出除去しなければ
ならず、工程が繁雑となる欠点があつた。 さらに、特開昭59−64640号公報には、結晶性
で熱可塑性ポリマーとある化合物とを溶融ブレン
ドし、溶融ブレンド溶液から、シートを形成し、
冷却して相分離を起こさせた後、延伸し、前記化
合物を除去する微孔質シートの製造方法が開示さ
れている。この製造方法では相分離状態で延伸す
るため、目的の強度を得ようとすれば、前記化合
物の添加量が限られ、高い透過流速は期待できな
い。また中空繊維についての開示がない。 上記精密瀘過(除菌フイルター)用の瀘材とし
て、要求される特性は、 (1) 瀘過精度が高い。 (2) 機械的強度が大きい。 (3) 溶出物が少ない。 (4) 耐薬品性が高い。 (5) オートクレーブ滅菌ができる。 (6) 通過流速が大きい。 (8) 生物化学的に不活性である。 (9) 安定して供給できる。 等である。そこで、本発明は熱加塑性樹脂として
ポリプロピレンを選択することにより、上記特性
のうち(3)、(4)、(5)、(7)、(8)、を満足し、焼結体様
の膜構造であるため、(1)、(2)、を満足し、中空繊
維からフイルター素子を構成するため、素子の単
位体積あたりの通過流速が、従来の平膜型の素子
より遥かに大きいことを特徴とする精密瀘過用の
微孔質ポリプロピレン中空繊維及びその製造方法
を提供することを目的とするものである。また、
本発明は比較的濃度の微粒子を含んだ溶液を103
〜105/m2hrの処理速度で、瀘過精製するに適
する精密瀘過フイルター(除菌フイルター)を提
供することを目的とするものである。 [問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するため本発明の第1は、メル
トインデツクス11〜39で結晶化度40%以上のポリ
プロピレンの微細な球晶の集合からなる中空繊維
であつて、該繊維の中空壁が球晶相互の間にでき
る空間で連通された微孔質の中空繊維に関する。
また第2の発明は、メルトインデツクス11〜39で
結晶化度40%以上のポリプロピレン(A)100重量部
に対し、(A)の成形温度以上で(A)に相溶し、かつ実
質的に発揮しない有機液状体(B)を50〜150重量部
を混合・混練して均一な溶融体とし、該溶融体を
二重管状の紡糸口金を有する溶融紡糸装置から冷
却槽内の一定温度に制御された有機液状体(B)の中
に押出し、ポリプロピレン(A)の球晶がブドウ球状
に連結された間隙に有機液状体(B)が存在する中間
構造体を作り、次いで(B)の良溶媒で(A)には不要の
溶媒中に連続的に導き、前記中間構造体より(B)を
除去したのち、定長緊張下で熱処理することによ
り、中空繊維を製造するものである。更に第3の
発明は上記ポリプロピレンの球晶の集合により多
孔質構造で、肉厚が30〜70μ、外径が500μ以下か
らなる中空繊維を瀘過体モジユールとしたことを
特徴とする精密瀘過フイルター(除菌フイルタ
ー)に関する。 本発明による微孔質ポリプロピレン中空繊維
は、下記の諸工程によつて製造される。 (1) メルトインデツクスMI11〜39の結晶化度は
40%以上ポリプロピレン(A)100重量部に対し、
(A)の成形温度以上で(A)に相溶し、実質的に揮発
しない有機液状体(B)を50〜150重量部を混合・
混練し、均一な溶融体を作る。 (2) この溶融体を二重管状の紡子口金を有する溶
融紡糸装置で中空繊維に成形する。紡糸口金か
らでた溶融体は紡糸口金から、冷却槽までの距
離と巻取速度を調節することにより、中空繊維
の外形および肉厚を決定する。この時溶融体を
一旦冷却し、既知の方法にてペレツトとして、
別の溶融装置へ供給してもよい。 (3) 成形された中空繊維は、一定温度に制御され
た有機液状体(B)で満たされている冷却槽を通過
する過程で冷却されることにより、ポリプロピ
レン(A)が結晶化する。ポリプロピレン(A)の結晶
化の進行に伴い、有機液状体(B)は溶融体よりは
じきだされ、ポリプロピレン(A)は温度に対応し
た大きさの球晶を形成し、ポリプロピレン(A)球
晶がブドウ球状に連結された間隙に有機状体(B)
が存在する中間構造体を作る。 (4) 有機液状体を間隙に含むポリプロピレンの微
細な球晶のブドウ球状集合体は、冷却槽で冷却
槽1よりも低温度で冷却固化されることによ
り、構造が強固に固定される。 (5) この構造が固定された中空繊維は、有機液状
体(B)の良溶媒で満たされた抽出槽を通過する過
程、有機液状体を固定分離し、ポリプロピレン
球晶集合体で成る微孔質中空繊維となる (6) この微孔質中空繊維は、(2)で決定された外形
及び肉厚と、(5)で決定された微孔質としての構
造を保持するために定長緊張下にて熱処理され
る。本発明の微孔質中空繊維の製造に適するポ
リプロピレンは、MI:11〜MI:39、好ましく
はMI:15〜MI:30の溶融流動性を示し、少な
くとも約40%以上の結晶化度を有する実質的な
アイソタクチツクポリプロピレンである。MI
が11を下回ると、有機液状体を30重量部以上含
有した均一な溶融体が作れない。また、MIが
39を越えると、ポリプテンあるいは流動パラフ
インを30重量部含有した溶融体では中空繊維状
に溶融成形できない。結晶化度が40%を下回る
と球状結晶体が形成されない。 本発明の微孔質中繊維を製造するために、ポリ
プロピレンと混合するのに適する有機液状体は、
常温で流動性を示し溶融成形時に実質的に揮散し
ないことが必要であり、且つポリプロピレンの成
形温度以上においてポリプロピレンと相溶する物
である。ポリプロピレンと相溶性を有するには非
極性である液状炭化水素であることが望ましい。
具体的には沸点が180℃以上、混合物質の場合は
初留点が180℃以上である。好ましくは沸点又は
初留点が200℃以上である。上記の特性を示す液
状炭化水素としては炭素数が11〜40の範囲の単一
物質又は混合物質である。中でもポリブテンある
いは流動パラフインが最も適する。極性基を有す
る有機液状体では溶融紡糸装置の口金出口で、ポ
リプロピレンと完全に分離してしまい、有機液状
体がふき出す結果となり、中空繊維を引取ること
はできない。炭素数が40以上の場合、冷却初期で
流動性が失われ、ポリプロピレンの球晶の成長を
妨げ、均一な間隙が形成されない。また、炭素数
が11以下では冷却槽に入る前に、部分的に揮散し
てしまい、均一に微孔質とはならない。 溶融体は結晶化度50%以上のポリプロピレン
100重量部に対し、有機液状体を50〜150重量部混
合し、170℃以上に加熱することによつて製造さ
れる。この時、ポピプロピレンの球晶の大きさを
調節する目的で、ソルビトール誘導体からなる造
核剤を0〜1重量部加えてもよい。溶融体の混合
にあたつては既知の混練機、例えば単軸押出機、
2軸押出機、バンバリーミキサー、ルーターニー
ダー等で行なえる。前記溶融体は、混練機能を有
する押出機で混練された場合は、直接ギヤーポン
プ及び紡糸口金供給する。また、溶融体は既知の
方法及び装置を用いて一旦冷却し、ペレツト状に
してから、押出機及びギヤーポンプ及び紡糸口金
からなる溶融紡糸装置へ供給してもよい。ペレツ
ト状に加工するための冷却は水冷等の急冷で行な
うことが好ましい。 溶融紡糸装置の押出機及びダイの温度は、170
〜230℃の間で溶融粘度が2000〜7000Pになるよ
うに調節するのが良い。溶融体はギヤーポンプを
介して定量的におくられ、二重管状の紡糸口金よ
り吐出され、中空繊維状に賦形される。中空繊維
の形状は、二重管の直径()、溶融体の吐出量
()と、口金から冷却槽(第2図における第1
の冷却槽6)までの距離()と、巻取速度
()との関係で決定できる。本発明のように、
有機液状体を多量に含有する場合は、溶融粘度が
低いため、ポリプロピレン単位の場合に比べ、
()の口金から前記冷却槽までの距離を短めに
することが良い。 一般に、ポリプロピレン繊維の溶融紡糸におい
て、溶融粘度と結晶化の調節ができ上りの繊維・
物性を左右する。ポリプロピレンの場合、結晶化
速度が極めて速いため、冷却の条件が非常に重要
である。延伸効果を期待する従来のポリプロピレ
ン多孔質中空糸の製造の場合、一般に冷却段階で
なるべく結晶化と配向をおさえることが望まし
い。しかし、本発明の場合、延伸工程にて孔を形
成するのではなく、ポリプロピレンの球晶を形成
させ、その間隙、孔とするものであるから、冷却
段階で積極的に、かつ速やかに結晶化を行なうこ
とが重量である。したがつて、冷却槽は、結晶化
速度が重大となる温度に制御されるべきである。
ポリプロピレンは、110℃〜120℃ぐらいで最も結
晶化速度が速いといわれている。有機液状体を含
有する場合は、結晶化速度が最も速い温度が低温
側へ移行する。本発明に適する冷却温度は、有機
液状体の含有量及び造核剤の含有量及び目的とす
る瀘過精密等により異なるが、30℃〜90℃の間で
最も結晶化度が大きい温度を、中心にして±5℃
の温度範囲で制御することが良く、冷却温度が低
すぎたり、高すぎたりした場合、結晶化度は低く
なり、非晶部の海の中に有機液状体が島として存
在することとなり、均一な孔形分布が得られな
い。 また、冷却媒体としては、冷却工程で中空繊維
の形状を保持するために、ポリプロピレンに混合
した有機液状体と同じ、もしくは近いものが望ま
しい。 抽出槽ではポリプロピレンに混合した有機液状
体の良溶媒でポリプロピレンの球晶の間隙に存在
する有機液状体を抽出除去し、実質的ポリプロピ
レンでなる多孔質中空繊維を得る。有機液状体の
良溶媒としては、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化
水素系、ハロゲン化炭化水素溶媒及びエーテル、
二硫化炭素等が適当である。抽出に要する時間は
有機液状体の含有量、中空繊維の形状、巻取速度
等により異なるが、でき上つた中空繊維での残存
量が0.1wt%以下、好ましくは0.7%以下になうよ
うに決めるべきである。この際、該良溶媒を満た
した槽の中を中空繊維を走らせるのも良いが、逆
に中空繊維の上からシヤワーでふらしてもよい。 ここで出来た微孔質中空繊維には巻取られるま
での工程の影響により応力が残るため、熱的に不
安定であり、収縮する傾向があるので定長緊張化
で熱処理を行なう。熱処理の温度は50℃〜80℃に
すべきで、好ましくは70℃〜80℃である。時間は
1分間前後で十分である。 以下、図面に基づいて本発明をさらに詳しく説
明する。 本発明の中空繊維は、第1図にモデルで示した
ように、中空壁がポリプロピレン自体の球晶gの
集合体で隔壁が構成されており、あたかも超微粒
子からなる焼結体のような構造を呈している。そ
れ故、空孔率が特別に高い訳ではないが、曲路率
が高いため目ずまりしにくく、透過流速が大きい
瀘材となりうる。さらに、球晶の大きさは同一製
造条件で作られた場合、実質的に均一であり、し
たがつて孔径分布がシヤープな瀘材となりうる。 第2図は中空繊維の製造装置の1例を示す。ポ
リプロピレンと有機液状体との均一な混合溶融体
で出来たペレツトを第2図に示すごとく押出機2
のホツパー1で供給し、押出機を通過する過程で
ペレツトを溶融させ、粘度を2000〜7000Pに調節
して、ギヤーポンプ3を介入して定量的に紡糸口
金4に供給する。溶融体は紡糸口金で中空繊維5
に賦形され、第1の冷却槽6へ押出す。冷却槽6
に満たされた有機液状体は温調機7で、一定温度
を保つように制御されている。次いで第2の冷却
槽8に連続的に送り込み冷却する。冷却の終つた
中空繊維は抽出槽9で有機液状体を抽出除去し、
乾燥機10で定長緊張下で熱固定され、巻取機1
1で巻取られる。 本発明の製造方法によつて、作られた数種の中
空繊維(多径300μ、内径200μ)の表面をさらに
コロナ処理、プラズマ処理、酸化剤処理、界面活
性剤処理などのより表面を親水化し、第3図に示
す繊維束のモジユール15に組立て、精密瀘過フ
イルター除去とする。モジユール15の上下はポ
ツテイング剤18,18が取付けられてハウジン
グ16内にセツトされる。上部のポツテイング剤
ゴムパツキン14を介してハウジング16の上縁
に固定されている。試料液は下部の入口17から
入り、モジユール15を透過し、中空繊維束開口
端13から試料液出口12に送られる。上記精密
瀘過フイルター(除菌フイルター)の瀘過性能を
評価したところ、有機液状体の含有量及び冷却温
度の調節により大腸菌の透過を完全に阻止する精
密フイルター及び縁膿菌の通過を完全に阻止する
精密フイルターが得られることがわかつた。ま
た、これらのモジユールの透過流速は、103〜105
/m2hrの範囲にあつた。 本発明の微孔質ポリプロピレン中空繊維からな
る精密瀘過フイルター(除菌フイルター)は水溶
液中微量の異物及び微生物の完全に除去する目的
で食品、発酵、製薬、バイオテクノロジー、化
学、電子工業の分野での水処理用の精密フイルタ
ー(除菌フイルター)として有用である。また、
親水化処理をしない場合、素材の発水性を利用し
て油分中の水分の除去用のフイルターとして有用
である。 [発明の効果] 本発明の中空繊維はポリプロピレンの微細な球
晶の集合体からなり、球晶相互の間に空間が連通
した多孔質構造の中空壁を有しているので、瀘過
精度が高く、透過流速も大きく精密瀘過フイルタ
ー阻止として好適なものである。また本発明は二
重管状の紡糸口金から冷却槽内の一定温度に制御
された有機液状体(B)の中に押出したのち、脱溶
媒、熱処理して中空繊維としたものであるから、
中空壁を多孔質構造の中空繊維を容易に製造する
ことができる。さらに、本発明の中空繊維でなる
精密瀘過フイルターは、従来のプリーツ型の精密
瀘過フイルターに比べ、単位体積当り瀘過面積が
約3倍にすることができ、高い処理能力を有する
フイルター素材が得られる。さらにポリプロピレ
ン素材の特徴から耐薬品性、オートクレープ性、
化学的及び生物学的活性であるフイルター素子が
得らる。また、前記特性に優れるテフロン性のフ
イルター素子に比べ安価であり、供給が安定して
いる。 以下に例を上げ、本発明をさらに詳しく説明す
る。 比較例 1 密度:0.965g/cm3、MI:13の高密度ポリエチ
レン[三井石油化学工業株式会社製ハイゼツクス
1300J]を100重量部に初留点:286℃、比重
(15/4℃):0.9589、動粘度37.8℃):8.30cStの
流動パラフイン[出光興産株式会社製ダフニーオ
イルCP−15N]を80重量部を、混練用2軸押出
機にて混合混練し、水冷し、ペレツトとしたこの
ペレツトを押出機に投入し、170℃で溶融し、ギ
ヤーポンプで3.0cm3/minを定量的に紡糸口金に
送り込み、外形6mm、スリツト幅1mmの環状スリ
ツトより押し出したが、中空な形状が得られなか
つた。 比較例 2 比較例1で用いた高密度ポリエチレン50重量部
と密度0.91g/cm3、MI:19、結晶化度52%のポ
リプロピレン[出光石油化学株式会社製J−
2000G]を50重量部と、比較例1で用いた流動パ
ラフイン80重量部を比較例1と同様に、混練し溶
融紡糸装置で押出したが、中空な形状は得られな
かつた。 比較例 3 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部に、
アタクチツクポリプロピレンを80重量部を比較例
1と同様に混練し、溶融紡糸装置から60℃±5℃
に調整された流動パラフインの冷却槽1に、押し
出し80m/minで巻取つた。冷却槽2には、同じ
く流動パラフインを、押出槽にはフレオン113[旭
硝子製ルレオンソルブR113J]を満たしておい
て、また乾燥機は、外径300μ、肉厚50μであつた
が、透過水量が、150/m2hrと小さかつた。ア
タクチツクポリプロピレンは、ポリプロピレンの
球晶の成長を妨げ、孔径を小さく不規則にしたも
のと考えられる。 比較例 4 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部と、
比較例1で用いた流動パラフイン40重量部を比較
例3と同様に混練及び溶融紡糸し、外径280μ、
肉厚56μの中空繊維を得たが、透過水量が200
/m2hrと小さかつた。 比較例 5 密度0.91g/cm2、MI:25、結晶化度44gのポ
リプロピレン[三井石油化学株式会社製ポリプ
ロ、J740]を100重量部と比較例1で用いた流動
パラフイン80重量部を比較例3と同様に混練及び
溶融紡糸し、外径290μ、肉厚53μの中空繊維を得
たが、透過水量が300/m2hrと小さかつた。 比較例 6 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部と
固型パラフイン[日本油脂製パラフインワツク
ス]を80重量部を、比較例3と同様に混練及び溶
融紡糸し、外径300μ、肉厚50μの中空繊維を得た
が、透過水量が180/m2と小さかつた。 比較例 7 密度0.91g/cm3、MI:10のポリプロピレン
[三井石油化学株式会社製ポリプロJ640]と比較
例1で用いた流動パラフイン40重量部とを比較例
1と同様に混練したが、ペレツト状に加工できな
かつた。 比較例 8 密度0.91g/cm3、MI:40のポリプロピレン
[三井石油化学株式会社製ポリプロJ900]100重部
と、比較例1で用いた流動パラフイン40重量部と
を比較例1と同様に混練し、溶融紡糸装置で押出
したが、中空な形状は得られなかつた。 比較例 9 比較例2で用いたポリプロピレン100重量部と、
比較例1で用いた流動パラフイン160重量部、比
較例1と同様に混練したが、ペレツト状に加工で
きなかつた。 実施例 1 MI:19以上のポリプロピレン[出光石油化学
株式会社J−2000G]100重量部と初留点286℃ポ
リブテン[出光ポリブテンOH]50重量部とを、
混練2軸押出機にて混練し、水冷しペレツトし
た。このペレツトを押出機に投入し、170℃で溶
融し、ギヤーポンプで3.0cm3/minを定量的に紡
糸口金に送り込み、外径6mm、スリツト幅1mmの
環状スリツトより押出した。これを60℃±5℃に
調節されたボリブテンあるいは冷却槽1に押出
し、80m/minで巻取つた。冷却槽2には冷却槽
6と同じ流動パラフインを、押出槽にはフレオン
113[旭硝子フレオンソルブ113]を満たしておい
た。また、乾燥機は75℃に調節しておいた。ここ
で出来た中空繊維は外径300μ、肉厚50μであり、
透過水量が2000/m2hrであり、空孔率が38%
で、曲路率が111%であつた。 実施例 2〜9 ポリプロピレンと有機液状体及び造核剤の配合
量を表1に組合せて混練し、実施例1と同様に溶
融紡糸を行なつた。得られた中空繊維の性能を表
2に示す。 実施例 10〜11 実施2と同様の配合で混練して出来たペレツト
について、冷却槽1の温度条件と表3のように変
動させ、溶融紡糸を行なつた。得られた中空繊維
の性能を表4に示す。 実施例 12〜13 実施例2と同様の配合で混練してできたペレツ
トについて、熱処理の温度を表5のように変動さ
せ、溶融紡糸を行なつた。得られた中空繊維の性
能を表6に示す。 実施例 16 実施例2で得られた中空繊維を16000本束ね、
外径が幅70mm、長さが250mmの円筒形状のフイル
ター素子を作つた。これをエイエムエフ・インコ
ーポレーデイドのカートリツジ用ハウジング
(IZMP)に組込み、20℃の水を中空繊維の外側
から0.3Kg/cm2の圧力で流したところ、透水量は
30/minであつた。この透水量は、上記ハウジ
ング(IZMP)に装着可能な従来のフイルター素
子の単位体積当り瀘過面積が約3倍になつたため
と考えられる。 実施例 14 実施例2で得られた中空繊維は、瀘過面積が
0.10m2になるようにモジユールを作り、これに
102個/mlの濃度の大腸菌(Eschinia coli)が含
む水を1Kg/cm2に加圧して5瀘過した。ハウフ
イングに残留した2次側瀘過をTSB培地で37℃、
24hr倍養したが、Eschinia coliは存在しなかつ
た。 実施例 15 実施例7で得られた中空繊維で瀘過面積が0.10
m2になるようにモジユールを作り、これに102
個/mlの濃度のPseudomonasを含む水を1Kg/
cm2に加圧して5瀘過した。ハウジングに残留し
た2次側瀘過をTSB倍地で37℃、24hr培養した
が、Paeudomonasは存在しなかつた。
【表】
【表】
第1図本発明中空繊維における中空壁のモデル
を示す図、第2図は中空繊維を製造する装置の概
略側面図、第3図は本発明精密瀘過フイルターの
断面図である。 2……押出機、3……ギヤーポンプ、4……紡
糸口金、5……中空繊維、6,8……冷却槽、9
……押出機、10……乾燥機、11……巻取機、
15……モジユール。
を示す図、第2図は中空繊維を製造する装置の概
略側面図、第3図は本発明精密瀘過フイルターの
断面図である。 2……押出機、3……ギヤーポンプ、4……紡
糸口金、5……中空繊維、6,8……冷却槽、9
……押出機、10……乾燥機、11……巻取機、
15……モジユール。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 メルトインデツクス11〜39で、結晶化度40%
以上のポリプロピレン微細な球晶の集合からなる
中空繊維であつて、該繊維の中空壁が球晶相互の
間にできる空間で連通された焼結体様の微孔質と
されていることを特長とする中空繊維。 2 肉圧が30〜70μで外径が500μ以下である特許
請求の範囲第1項記載の中空繊維。 3 メルトインデツクス11〜39で結晶化度40%以
上のポリプロピレン(A)100重量部に対し、(A)の成
形温度以上で(A)に相溶し、かつ実質的に発揮しな
い有機液状体(B)を50〜150重量部を混合・混練し
て均一な溶融体とし、該溶融体二重管状の紡糸口
金を有する溶融紡糸装置から冷却槽内の一定温度
に制御された有機液状体(B)の中に押出し、ポリプ
ロピレン(A)の球晶がブドウ球状に連結された間隙
に有機液状体(B)が存在する中間構造体をつくり、
次いで(B)の良溶媒で、(A)には不溶の溶媒中に連続
的に導き、前記中間構造体より(B)を除去したの
ち、定長緊張下で、熱処理することを特徴とする
中空繊維の製造方法。 4 有機液状体は、炭素数12〜40の液状炭化水素
である特許請求の範囲第3項記載の中空繊維の製
造方法。 5 球状結晶体の大きさは有機液状体の温度を制
御することにより、該結晶体相互の間にできる空
間の大きさを制御することを特徴とする特許請求
の範囲第3項の中空繊維製造方法。 6 溶融体を作る時に、ポリプロピレンの球晶の
大きさを調節する目的で、ソルビトール誘導体か
らなる造核剤を0〜1重量部添加することを特徴
とする特許請求の範囲第3項記載の中空繊維の製
造方法。 7 冷却槽中の有機液状体は、30℃〜90℃(それ
ぞれ±5℃)の温度範囲に制御されている特許請
求の範囲第1項または第5項の何れかの項に記載
の中空繊維の製造方法。 8 熱処理の前後で実質的に長さの変化がないよ
うに、定長緊張下で熱処理することを特徴とする
特許請求の範囲第3項記載の中空繊維の製造方
法。 9 定長緊張下で、50℃〜80℃の温度範囲で熱固
定を行なう特許請求の範囲第8項記載の中空繊維
の製造方法。 10 メルトインデツクス11〜39で、結晶化度40
%以上のポリプロピレンの微細な球晶の集合から
なり、かつ肉厚が30〜70μで外径が500μ以下で微
孔質中空壁構造をなす中空繊維を瀘過体モジユー
ルとしたことを特徴とする精密瀘過フイルター。 11 瀘過体モジユールは、102個/mlの濃度の
大腸菌を透過流速103〜105/m2hrで流したとき
に大腸菌を通過させないために、瀘過面積が0.10
m2とされている特許請求の範囲第10項の記載の
精密瀘過フイルター。 12 瀘過体モジユールは、102個/mlの濃度の
縁膿菌(Pseudomonas)を含む水を1Kg/cm2に
加圧して、5瀘過する時、二次側に縁膿菌が通
過しないで、かつ透過流速が103〜105/m2hrで
あるように瀘過面積が0.10m2とされている特許請
求の範囲第10項記載の精密瀘過フイルター。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13495285A JPS61296113A (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | 中空繊維とその製造方法並びに中空繊維を用いた精密濾過フィルタ− |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13495285A JPS61296113A (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | 中空繊維とその製造方法並びに中空繊維を用いた精密濾過フィルタ− |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61296113A JPS61296113A (ja) | 1986-12-26 |
| JPH0373328B2 true JPH0373328B2 (ja) | 1991-11-21 |
Family
ID=15140403
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13495285A Granted JPS61296113A (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | 中空繊維とその製造方法並びに中空繊維を用いた精密濾過フィルタ− |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61296113A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100443148C (zh) * | 2001-10-04 | 2008-12-17 | 东丽株式会社 | 中空纤维膜及其制造方法 |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0341309B1 (en) * | 1987-01-20 | 1996-12-27 | Terumo Kabushiki Kaisha | Porous polypropylene membrane and process for its production |
| JP5883229B2 (ja) * | 2011-03-11 | 2016-03-09 | 宇部エクシモ株式会社 | 極細多孔チューブの製造方法 |
| JP2012187550A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | 細径脱気チューブ及びその製造方法 |
| CA3229751A1 (en) * | 2021-08-23 | 2023-03-02 | Toray Industries, Inc. | Microporous hollow fiber membrane and gas-separation membrane module including the same |
-
1985
- 1985-06-20 JP JP13495285A patent/JPS61296113A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100443148C (zh) * | 2001-10-04 | 2008-12-17 | 东丽株式会社 | 中空纤维膜及其制造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61296113A (ja) | 1986-12-26 |
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