JPH041799B2 - - Google Patents
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- JPH041799B2 JPH041799B2 JP60202186A JP20218685A JPH041799B2 JP H041799 B2 JPH041799 B2 JP H041799B2 JP 60202186 A JP60202186 A JP 60202186A JP 20218685 A JP20218685 A JP 20218685A JP H041799 B2 JPH041799 B2 JP H041799B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lubricant
- copolymer
- glass transition
- film
- adhesion
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Lubricants (AREA)
- Extrusion Of Metal (AREA)
- Metal Extraction Processes (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は金属の引抜き加工用潤滑剤に関し、殊
に保存中及び使用時の安定性が良好で且つ優れた
潤滑性能を有しており、しかも加工後は簡単に除
去することのできる同潤滑剤に関するものであ
る。 [従来の技術] 各種金属例えば鋼管等の金属管に冷間加工(圧
延、押出し、抽伸等)を施こす場合には、加工製
品の品質向上及び工具の摩耗抑制(焼付防止)の
為種々の潤滑剤が使用される。しかしながら公知
の潤滑剤は、潤滑性能、加工後の除去容易性及び
廃液の低公害性等のすべての要求特性を満足して
いるとは言えない。例えば比較的軽度の加工にお
いては、金属石鹸や鉱物油、動・植物油、エステ
ル類、極圧油或はこれらの混合物等を塑性加工油
が使用されるが、加工度の高いものでは、上記塑
性加工油を使つても被加工管と工具との金属接触
領域が増加し、工具及び製品の損傷が著しくな
る。 この他一般に使用されつつある潤滑法として、
金属管材の表面に予め化成被膜を形成しておき、
化成金属石鹸被膜剤によつて潤滑性能を高めると
いう方法も知られている。かかる化成被膜として
は、燐酸塩被膜(普通鋼や低合金鋼等に適用)、
弗化アルミニウム被膜(Al又はAl基合金に適
用)、蓚酸塩被膜(ステンレス鋼等に適用)等が
知られており、この方法であれば、被加工管と化
成金属石鹸被膜との間に化成被膜が介装されこれ
らが夫々化学的に一体化されている為、潤滑被膜
は極めて強固は密着性を示し加工率を高めた場合
でも十分な潤滑機能を発揮する。 [発明が解決しようとする問題点] しかしこの化成被膜潤滑法には次の様な問題が
ある。 (a) 例えば蓚酸塩を使用する場合、化学反応によ
つて被加工材の表層部に蓚酸第一鉄が形成さ
れ、これを除去する為に脱脂だけでなく酸洗も
必須となる。 (b) 潤滑処理が複雑であると共に、処理効果の安
定性もやや低い。又長期間の管理が難しく、し
ばしば品質の不安定を招く。 (c) 化成処理や酸洗処理で多量の廃液が出る為、
これらの浄化処理に多大な設備と労力が必要に
なる。 (d) 耐食性の強い材料では化成処理自体が困難で
あり均一な化成被膜を形成することができない
為、高精度の加工を行なうことができない。 これら化成被膜潤滑法の欠点に対し、潤滑剤を
物理的に付着させる方法があるが、例えば30℃で
10000〜100000cstのもの高粘度油を使用する場合
には、作業性が悪い、加工後の除去が困難である
等といつた別の問題が生じる。又上記方法におい
ては粘度の増大に比例して潤滑性能が向上する
為、作業性と加工性能が互いに相反する関係を呈
し、実質的には前述の化成被膜潤滑法を超えるも
のとは言えない。 これを改善した方法として、更に高粘度性の潤
滑性樹脂成分を低沸点有機溶剤に溶解させた潤滑
剤がが提案されているが、使用中に溶剤な揮発す
る為濃度管理が困難であり、又溶剤の揮発が早い
為に液切りの過程で乾燥が進行し過ぎて膜厚の不
均一を招き、この不均一付着物がダイスと被加工
材の間に押込まれて上記膜厚不均一が一層助長さ
れるという重大な欠点がある。その他、殆どの有
機溶剤は毒性や火災の危険等の観点から法的な使
用規制がなされており、特別の設備や対策をとら
ない限りは使用できないという保健上の問題があ
る。即ち化成皮膜潤滑法では耐食性の強い材料に
は適用困難であることに加え公害対策が必要であ
り、油性系単味潤滑剤ではステンレス鋼、チタ
ン、ジルコニウム等の高度加工に耐えることがで
きず、粘性をあげると作業性や脱脂性が悪くな
り、一方溶剤系は保健上の問題に加え膜厚不均一
欠陥が生じ易いという様に夫々固有の欠点が存在
する。 本発明者らは上記事情に着目し、従来方式から
脱却した一液型潤滑方式であつて、潤滑性が良く
且つ加工後の除去が容易な潤滑剤を開発し、先に
特許出願した(特願昭59−196193)。 しかしながら当該技術においても若干の問題が
残されている。即ち浸漬塗布及び乾燥の各工程を
経て得られる潤滑皮膜については、乾燥時に回転
等の操作を加えない限りその膜厚不均一が解消さ
れないし、又この皮膜は、その不均一の故に抽伸
時に管表面へ局部的に押込まれ被加工材の表面に
顕著な凹凸を生じ易い。従つてこれらの方法は表
面粗度の大きな製品に対しては有効であつて一般
的な管、棒、型材等ではそれほど重大な問題を生
じないが、精密加工を行ないたい対象には不適合
である。 そこで本発明者らは上記技術を更に改良すべく
研究を進め、その結果、特に引抜き加工用として
最適であると共に上記欠点を伴わない新規な潤滑
剤を開発し、本発明を完成するに至つた。 [問題点を解決する為の手段] 本発明に係る金属管の引抜き加工用潤滑剤と
は、樹脂酸価が10〜40であり且つガラス転移温度
が−10〜20℃であるアクリル酸ブチルエステル−
メタクリル酸メチルエステル共重合体を含む乳化
液及び金属石鹸の水分散液とからなる、或は樹脂
酸価が10〜40であり且つガラス転移温度が5〜30
℃であるアクリル酸ブチルエステル−メタクリル
酸メチルエステル共重合体を含む乳化液、マレイ
ン酸ブチルエステル及び金属石鹸の水分散液から
なる点に要旨を有するものである。 [作用] 本発明者らは潤滑性能を目標基準として前記化
成皮膜潤滑法を設定し、これと同程度の付着力と
滑り性を有し且つ先に指摘した様な欠点を生ずる
ことのない様な引抜き加工用潤滑剤を開発すべ
く、多数の化合物を対象として潤滑性能等を調べ
た。その結果アクリル酸ブチルエステル−メタク
リル酸メチルエステル共重合体は他の樹脂に比べ
て良好な潤滑剤になり得るという感触を得た。即
ちこの共重合体は金属に対する親和性が良好で優
れた付着性を示し、且つ滑り性も良好である他、
処理後はアルカリ液(例えばオルソ珪酸ナトリウ
ムイ水溶液等)によつて容易に除去することがで
きる。ところが上記共重合体は如何なるものであ
つても常に良好な性能を示すとは限らないことが
明らかになつてきた。そこでこうした性能を確実
に発揮し得るものを特性する必要があるとの観点
から、本発明に適した前記共重合体の諸元を明確
にすべく実験を行なつたところ、ガラス転移温度
が−10〜20℃の範囲のものは優れた性能を示すこ
とが確認された(特願昭59−196193参照)。しか
してガラス転移温度が−10℃未満の共重合体は潤
滑性能が乏しく、冷間加工々程で焼付きが起こつ
て加工面を損傷するきらいがあり、一方ガラス転
移温度20℃を超えると、潤滑性能自体は良好であ
るものの潤滑膜による押込みが起こり易くなり、
被加工面の表面精度が低下してくる。 更に本発明者らは特願昭59−196193に示す共重
合体乳化液と脂肪酸エステル乳化液の配合比率の
関係において(第1図参照)、共重合体乳化液50
%以下及び脂肪酸エステル50%以上では管の焼付
きは生じるが押込みが全く生じないことに注目
し、脂肪酸エステルに代えて、より潤滑性の良い
金属石鹸を用いることに想到した。金属石鹸とし
てはCa、Al、Zn、Li、Ba等の各種ステアリン酸
塩が知られるが、本発明に適用し得る金属石鹸の
種類は何ら限定されるものでなく、1種または2
種以上を選び水分散液として用いる。 この他上記共重合体の酸価も潤滑性能及び処理
後の除去容易性等に大きな影響を及ぼし、確認実
験の結果では10〜40の範囲のものを使用すべきで
あることが明らかとなつた。しかして酸価が10未
満の共重合体では親水性が不足する為、処理後の
アルカリ水(例えばオルソ珪酸ナトリウム水溶液
等)による除去が困難となり、一方酸価が40を超
えるものでは樹脂の乳化安定性が悪くなると共
に、乳化液がチキソトロピー性を呈してゲル状に
なり潤滑剤としての適正が失なわれる。 次に上記共重合体の形態について検討したとこ
ろ、水性の乳化液とするのが最適であることを確
認した。即ち水性乳化液であれば、有機溶剤タイ
プの様な揮発蒸気による健康障害や引火等の危険
を生じる恐れもなく、しかも処理後のアルカリ水
による洗浄除去も容易に行なうことができ、更に
金属石鹸を適宜混合することができる。尚乳化に
当たつては水と共に少量の低級アルコール(イソ
プロピルアルコール等)を併用することによつ
て、乳化液の安定性を更に高めることができる。
乳化液中の共重合体の濃度は特に限定されない
が、取扱い性及び潤滑性能等を考慮して最も好ま
しいのは20〜60重量%程度(より好ましくは30〜
50重量%)である。 本発明の目的は上記共重合体乳化液と各種の金
属石鹸の水分散液とを混合して潤滑剤として使用
することによつて達成されるが、後記実施例でも
明らかにする如く更にマレイン酸ブチルエステル
を適量併用すれば金属管等に対する潤滑剤の付着
力を向上させることができ、軽い衝撃では容易に
剥離しない様な潤滑剤が実現できる。 [実施例] 実施例 1 金属石鹸としてステアリン酸Caを用いる。但
し粉状のままでは混合し難いので40重量%濃度の
水分散液として準備した。又共重合体乳化液はア
クリル酸ブチルエステルとメタクリル酸メチルエ
ステルの共重合比率を種々変化させてガラス転移
温度(Tg)の異なる共重合体乳化液を各種調製
し、予め準備した金属石鹸の水分散液と種々の割
合で混合して作成し、潤滑剤の安定性、付着性、
引抜き時の潤滑性能を調査した。尚上記共重合体
は水及びイソプロピルアルコールを用いて乳化さ
せ、その不揮発分重量は30%であつた。但し付着
性は、SUS304シームレス管[22〓×2.2t×100l
(mm)]に潤滑剤を浸漬塗布後水平に保ち100℃×
30分、3m2/minの温風で強制乾燥させて試験片
(管)を作成し、軽度又は強度の衝撃を与えるか、
或は爪で引掻く等して付着性を判定したものであ
る。又引抜試験は、SUS304シームレス管[22〓×
2.2t(mm)]のフローテイングプラグを使用し、17〓
×1.4t(mm)サイズにまで引抜いたときのプラグ
の状態及び管体表面傷並びに押込みの状態を比較
したものである。 結果は第1表(1)〜(5)に示す通りであり、ステア
リン酸Ca(金属石鹸)の水分散液が70%以上であ
つて且つ共重合体乳化液が30%以下においては、
押込みが全くなく又焼付けもないという好結果が
得られた。但しガラス転移温度(Tg)の影響と
して、低いもの程潤滑性が悪くなり、逆に高くな
るにつれて付着性が悪くなる。従つて実用可能な
ガラス転移温度(Tg)の範囲は、−10〜20℃程度
である。しかしながら本実施例では全般に付着力
が弱い傾向が見られて軽い衝撃でも剥離し、特に
管内面下部の留り部においてこの傾向が著しい、
という問題が残つた。 尚安定性、付着性乃び引抜試験の評価基準は下
記の通りである。 (安定性) ××……乳化物の合一によるクリーム化 ×……粘度の激しい変化(上昇) △……沈澱物のケーキング ○……軽度の沈澱(再分散可) ◎……変化なし (付着性) ××……軽度の衝撃で全面剥離又は垂直放置で
留り部脱落 ×……軽度の衝撃で留り部全面剥離又は手の擦
りで塗膜切れ △……強度の衝撃で留り部全面剥離又は爪で塗
膜切れ ○……強度の衝撃で留り部一部剥離 ◎……強度の衝撃で留り部剥離なし (プラグの状態) ××……焼付き大 ×……僅かに焼付き発生 △……曇りが見られる ○……異常なし (管体表面傷の状態) ××……焼付き大 ×……僅かに焼付き発生 △……油膜切れによる金属光沢あり ○……一部に金属光沢あり ◎……均一な潤滑膜が認められる (押込みの状態) ××……潤滑膜による押込み大 ×……局部的に強い押込みあり △……局部的に軽い押込みあり ○……一部に僅かな押込みあり ◎……押込み全く認められず
に保存中及び使用時の安定性が良好で且つ優れた
潤滑性能を有しており、しかも加工後は簡単に除
去することのできる同潤滑剤に関するものであ
る。 [従来の技術] 各種金属例えば鋼管等の金属管に冷間加工(圧
延、押出し、抽伸等)を施こす場合には、加工製
品の品質向上及び工具の摩耗抑制(焼付防止)の
為種々の潤滑剤が使用される。しかしながら公知
の潤滑剤は、潤滑性能、加工後の除去容易性及び
廃液の低公害性等のすべての要求特性を満足して
いるとは言えない。例えば比較的軽度の加工にお
いては、金属石鹸や鉱物油、動・植物油、エステ
ル類、極圧油或はこれらの混合物等を塑性加工油
が使用されるが、加工度の高いものでは、上記塑
性加工油を使つても被加工管と工具との金属接触
領域が増加し、工具及び製品の損傷が著しくな
る。 この他一般に使用されつつある潤滑法として、
金属管材の表面に予め化成被膜を形成しておき、
化成金属石鹸被膜剤によつて潤滑性能を高めると
いう方法も知られている。かかる化成被膜として
は、燐酸塩被膜(普通鋼や低合金鋼等に適用)、
弗化アルミニウム被膜(Al又はAl基合金に適
用)、蓚酸塩被膜(ステンレス鋼等に適用)等が
知られており、この方法であれば、被加工管と化
成金属石鹸被膜との間に化成被膜が介装されこれ
らが夫々化学的に一体化されている為、潤滑被膜
は極めて強固は密着性を示し加工率を高めた場合
でも十分な潤滑機能を発揮する。 [発明が解決しようとする問題点] しかしこの化成被膜潤滑法には次の様な問題が
ある。 (a) 例えば蓚酸塩を使用する場合、化学反応によ
つて被加工材の表層部に蓚酸第一鉄が形成さ
れ、これを除去する為に脱脂だけでなく酸洗も
必須となる。 (b) 潤滑処理が複雑であると共に、処理効果の安
定性もやや低い。又長期間の管理が難しく、し
ばしば品質の不安定を招く。 (c) 化成処理や酸洗処理で多量の廃液が出る為、
これらの浄化処理に多大な設備と労力が必要に
なる。 (d) 耐食性の強い材料では化成処理自体が困難で
あり均一な化成被膜を形成することができない
為、高精度の加工を行なうことができない。 これら化成被膜潤滑法の欠点に対し、潤滑剤を
物理的に付着させる方法があるが、例えば30℃で
10000〜100000cstのもの高粘度油を使用する場合
には、作業性が悪い、加工後の除去が困難である
等といつた別の問題が生じる。又上記方法におい
ては粘度の増大に比例して潤滑性能が向上する
為、作業性と加工性能が互いに相反する関係を呈
し、実質的には前述の化成被膜潤滑法を超えるも
のとは言えない。 これを改善した方法として、更に高粘度性の潤
滑性樹脂成分を低沸点有機溶剤に溶解させた潤滑
剤がが提案されているが、使用中に溶剤な揮発す
る為濃度管理が困難であり、又溶剤の揮発が早い
為に液切りの過程で乾燥が進行し過ぎて膜厚の不
均一を招き、この不均一付着物がダイスと被加工
材の間に押込まれて上記膜厚不均一が一層助長さ
れるという重大な欠点がある。その他、殆どの有
機溶剤は毒性や火災の危険等の観点から法的な使
用規制がなされており、特別の設備や対策をとら
ない限りは使用できないという保健上の問題があ
る。即ち化成皮膜潤滑法では耐食性の強い材料に
は適用困難であることに加え公害対策が必要であ
り、油性系単味潤滑剤ではステンレス鋼、チタ
ン、ジルコニウム等の高度加工に耐えることがで
きず、粘性をあげると作業性や脱脂性が悪くな
り、一方溶剤系は保健上の問題に加え膜厚不均一
欠陥が生じ易いという様に夫々固有の欠点が存在
する。 本発明者らは上記事情に着目し、従来方式から
脱却した一液型潤滑方式であつて、潤滑性が良く
且つ加工後の除去が容易な潤滑剤を開発し、先に
特許出願した(特願昭59−196193)。 しかしながら当該技術においても若干の問題が
残されている。即ち浸漬塗布及び乾燥の各工程を
経て得られる潤滑皮膜については、乾燥時に回転
等の操作を加えない限りその膜厚不均一が解消さ
れないし、又この皮膜は、その不均一の故に抽伸
時に管表面へ局部的に押込まれ被加工材の表面に
顕著な凹凸を生じ易い。従つてこれらの方法は表
面粗度の大きな製品に対しては有効であつて一般
的な管、棒、型材等ではそれほど重大な問題を生
じないが、精密加工を行ないたい対象には不適合
である。 そこで本発明者らは上記技術を更に改良すべく
研究を進め、その結果、特に引抜き加工用として
最適であると共に上記欠点を伴わない新規な潤滑
剤を開発し、本発明を完成するに至つた。 [問題点を解決する為の手段] 本発明に係る金属管の引抜き加工用潤滑剤と
は、樹脂酸価が10〜40であり且つガラス転移温度
が−10〜20℃であるアクリル酸ブチルエステル−
メタクリル酸メチルエステル共重合体を含む乳化
液及び金属石鹸の水分散液とからなる、或は樹脂
酸価が10〜40であり且つガラス転移温度が5〜30
℃であるアクリル酸ブチルエステル−メタクリル
酸メチルエステル共重合体を含む乳化液、マレイ
ン酸ブチルエステル及び金属石鹸の水分散液から
なる点に要旨を有するものである。 [作用] 本発明者らは潤滑性能を目標基準として前記化
成皮膜潤滑法を設定し、これと同程度の付着力と
滑り性を有し且つ先に指摘した様な欠点を生ずる
ことのない様な引抜き加工用潤滑剤を開発すべ
く、多数の化合物を対象として潤滑性能等を調べ
た。その結果アクリル酸ブチルエステル−メタク
リル酸メチルエステル共重合体は他の樹脂に比べ
て良好な潤滑剤になり得るという感触を得た。即
ちこの共重合体は金属に対する親和性が良好で優
れた付着性を示し、且つ滑り性も良好である他、
処理後はアルカリ液(例えばオルソ珪酸ナトリウ
ムイ水溶液等)によつて容易に除去することがで
きる。ところが上記共重合体は如何なるものであ
つても常に良好な性能を示すとは限らないことが
明らかになつてきた。そこでこうした性能を確実
に発揮し得るものを特性する必要があるとの観点
から、本発明に適した前記共重合体の諸元を明確
にすべく実験を行なつたところ、ガラス転移温度
が−10〜20℃の範囲のものは優れた性能を示すこ
とが確認された(特願昭59−196193参照)。しか
してガラス転移温度が−10℃未満の共重合体は潤
滑性能が乏しく、冷間加工々程で焼付きが起こつ
て加工面を損傷するきらいがあり、一方ガラス転
移温度20℃を超えると、潤滑性能自体は良好であ
るものの潤滑膜による押込みが起こり易くなり、
被加工面の表面精度が低下してくる。 更に本発明者らは特願昭59−196193に示す共重
合体乳化液と脂肪酸エステル乳化液の配合比率の
関係において(第1図参照)、共重合体乳化液50
%以下及び脂肪酸エステル50%以上では管の焼付
きは生じるが押込みが全く生じないことに注目
し、脂肪酸エステルに代えて、より潤滑性の良い
金属石鹸を用いることに想到した。金属石鹸とし
てはCa、Al、Zn、Li、Ba等の各種ステアリン酸
塩が知られるが、本発明に適用し得る金属石鹸の
種類は何ら限定されるものでなく、1種または2
種以上を選び水分散液として用いる。 この他上記共重合体の酸価も潤滑性能及び処理
後の除去容易性等に大きな影響を及ぼし、確認実
験の結果では10〜40の範囲のものを使用すべきで
あることが明らかとなつた。しかして酸価が10未
満の共重合体では親水性が不足する為、処理後の
アルカリ水(例えばオルソ珪酸ナトリウム水溶液
等)による除去が困難となり、一方酸価が40を超
えるものでは樹脂の乳化安定性が悪くなると共
に、乳化液がチキソトロピー性を呈してゲル状に
なり潤滑剤としての適正が失なわれる。 次に上記共重合体の形態について検討したとこ
ろ、水性の乳化液とするのが最適であることを確
認した。即ち水性乳化液であれば、有機溶剤タイ
プの様な揮発蒸気による健康障害や引火等の危険
を生じる恐れもなく、しかも処理後のアルカリ水
による洗浄除去も容易に行なうことができ、更に
金属石鹸を適宜混合することができる。尚乳化に
当たつては水と共に少量の低級アルコール(イソ
プロピルアルコール等)を併用することによつ
て、乳化液の安定性を更に高めることができる。
乳化液中の共重合体の濃度は特に限定されない
が、取扱い性及び潤滑性能等を考慮して最も好ま
しいのは20〜60重量%程度(より好ましくは30〜
50重量%)である。 本発明の目的は上記共重合体乳化液と各種の金
属石鹸の水分散液とを混合して潤滑剤として使用
することによつて達成されるが、後記実施例でも
明らかにする如く更にマレイン酸ブチルエステル
を適量併用すれば金属管等に対する潤滑剤の付着
力を向上させることができ、軽い衝撃では容易に
剥離しない様な潤滑剤が実現できる。 [実施例] 実施例 1 金属石鹸としてステアリン酸Caを用いる。但
し粉状のままでは混合し難いので40重量%濃度の
水分散液として準備した。又共重合体乳化液はア
クリル酸ブチルエステルとメタクリル酸メチルエ
ステルの共重合比率を種々変化させてガラス転移
温度(Tg)の異なる共重合体乳化液を各種調製
し、予め準備した金属石鹸の水分散液と種々の割
合で混合して作成し、潤滑剤の安定性、付着性、
引抜き時の潤滑性能を調査した。尚上記共重合体
は水及びイソプロピルアルコールを用いて乳化さ
せ、その不揮発分重量は30%であつた。但し付着
性は、SUS304シームレス管[22〓×2.2t×100l
(mm)]に潤滑剤を浸漬塗布後水平に保ち100℃×
30分、3m2/minの温風で強制乾燥させて試験片
(管)を作成し、軽度又は強度の衝撃を与えるか、
或は爪で引掻く等して付着性を判定したものであ
る。又引抜試験は、SUS304シームレス管[22〓×
2.2t(mm)]のフローテイングプラグを使用し、17〓
×1.4t(mm)サイズにまで引抜いたときのプラグ
の状態及び管体表面傷並びに押込みの状態を比較
したものである。 結果は第1表(1)〜(5)に示す通りであり、ステア
リン酸Ca(金属石鹸)の水分散液が70%以上であ
つて且つ共重合体乳化液が30%以下においては、
押込みが全くなく又焼付けもないという好結果が
得られた。但しガラス転移温度(Tg)の影響と
して、低いもの程潤滑性が悪くなり、逆に高くな
るにつれて付着性が悪くなる。従つて実用可能な
ガラス転移温度(Tg)の範囲は、−10〜20℃程度
である。しかしながら本実施例では全般に付着力
が弱い傾向が見られて軽い衝撃でも剥離し、特に
管内面下部の留り部においてこの傾向が著しい、
という問題が残つた。 尚安定性、付着性乃び引抜試験の評価基準は下
記の通りである。 (安定性) ××……乳化物の合一によるクリーム化 ×……粘度の激しい変化(上昇) △……沈澱物のケーキング ○……軽度の沈澱(再分散可) ◎……変化なし (付着性) ××……軽度の衝撃で全面剥離又は垂直放置で
留り部脱落 ×……軽度の衝撃で留り部全面剥離又は手の擦
りで塗膜切れ △……強度の衝撃で留り部全面剥離又は爪で塗
膜切れ ○……強度の衝撃で留り部一部剥離 ◎……強度の衝撃で留り部剥離なし (プラグの状態) ××……焼付き大 ×……僅かに焼付き発生 △……曇りが見られる ○……異常なし (管体表面傷の状態) ××……焼付き大 ×……僅かに焼付き発生 △……油膜切れによる金属光沢あり ○……一部に金属光沢あり ◎……均一な潤滑膜が認められる (押込みの状態) ××……潤滑膜による押込み大 ×……局部的に強い押込みあり △……局部的に軽い押込みあり ○……一部に僅かな押込みあり ◎……押込み全く認められず
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
尚第1表(1)中、潤滑剤No.7、8は先の出願(特
願昭59−196193)に係る代表的な潤滑剤を同時に
比較例として示したものであり、下記組成の直鎖
型飽和脂肪酸エステル乳化液とガラス転移温度
(Tg)が13℃の共重合体乳化液を下記を割合で混
合したものである。 直鎖型飽和脂肪酸エステル乳化液 炭素数……16 融 点……63℃(エステル化前) 界面活性剤……ポリオキシアルキルエチレンエ
ーテル、4.5重量% 脂肪酸エステル濃度……9重量% 潤滑剤No.7 Tg13℃共重合体乳化液……70重量% 上記脂肪酸エステル乳化液……30重量% 潤滑剤No.8 Tg13℃の共重合体乳化液……60重量% 上記脂肪酸エステル乳化液……40重量% 実施例 2 上述した様に実施例1では全般的に付着力が弱
いという問題があり、これを改善する為めアクリ
ル酸ブチルエステルとメタクリル酸メチルエステ
ルの共重合比率を操作する以外の方法で付着力を
高めることを考え、この方法として可塑剤を共重
合体乳化液に混合するという工夫をした。可塑剤
としてはマレイン酸ジブチルエステル、マレイン
酸メチルエステル及びアルコール系溶剤等がある
が、引火性や毒性及び臭気を考慮するとマレイン
酸ジブチルエステルが最良である。実施例1と同
様にガラス転移温度(Tg)の異なる共重合体乳
化液を容量(Tg、−10℃、5℃、13℃、30℃、37
℃)調製し、これによりマレイン酸ジブチルエス
テル及びステアリン酸Ca40重量%水分散液を第
2表(1)〜(5)に示す割合で配合し、得られた潤滑剤
の安定性、付着性を調べた。尚安定性、付着性の
評価基準は実施例1と同様である。
願昭59−196193)に係る代表的な潤滑剤を同時に
比較例として示したものであり、下記組成の直鎖
型飽和脂肪酸エステル乳化液とガラス転移温度
(Tg)が13℃の共重合体乳化液を下記を割合で混
合したものである。 直鎖型飽和脂肪酸エステル乳化液 炭素数……16 融 点……63℃(エステル化前) 界面活性剤……ポリオキシアルキルエチレンエ
ーテル、4.5重量% 脂肪酸エステル濃度……9重量% 潤滑剤No.7 Tg13℃共重合体乳化液……70重量% 上記脂肪酸エステル乳化液……30重量% 潤滑剤No.8 Tg13℃の共重合体乳化液……60重量% 上記脂肪酸エステル乳化液……40重量% 実施例 2 上述した様に実施例1では全般的に付着力が弱
いという問題があり、これを改善する為めアクリ
ル酸ブチルエステルとメタクリル酸メチルエステ
ルの共重合比率を操作する以外の方法で付着力を
高めることを考え、この方法として可塑剤を共重
合体乳化液に混合するという工夫をした。可塑剤
としてはマレイン酸ジブチルエステル、マレイン
酸メチルエステル及びアルコール系溶剤等がある
が、引火性や毒性及び臭気を考慮するとマレイン
酸ジブチルエステルが最良である。実施例1と同
様にガラス転移温度(Tg)の異なる共重合体乳
化液を容量(Tg、−10℃、5℃、13℃、30℃、37
℃)調製し、これによりマレイン酸ジブチルエス
テル及びステアリン酸Ca40重量%水分散液を第
2表(1)〜(5)に示す割合で配合し、得られた潤滑剤
の安定性、付着性を調べた。尚安定性、付着性の
評価基準は実施例1と同様である。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
その結果、第2表(1)に示したガラス転移温度の
低い(Tg−10℃)共重合体乳化液にマレイン酸
ジブチルエステルを配合したもの(潤滑剤No.1〜
4、6〜9、11〜14)は軟らかすぎてブロツキン
グが見られた。該ブロツキングは素管を複数本結
束して乾燥する場合に問題となる。一方ガラス転
移温度が高い(Tg5℃以上)共重合体乳化液を用
いたものは安定性及び付着性の相方とも概して良
好であるが、ガラス転移温度が高すぎると
(Tg37℃以上)付着性が悪くなる傾向が見られた
[第2表(5)参照]。しかしながら全般的に見ると付
着性が相当向上することが判断され、ガラス転移
温度(Tg)が5〜30℃の範囲では実用上問題は
ない。これは可塑剤としてのマレイン酸ジブチル
エステルの作用によつて、共重合体のガラス転移
温度(Tg)が実質的に−10〜20℃程度にまで下
げられ、配合する共重合体のガラス転移温度が比
較的高くても良好な付着性を示す様になるものと
思われる。又マレイン酸ジブチルエステルの配合
量としては、共重合体乳化液100重量部に対し50
〜20重量部が良好である。 実施例 3 次に本発明者らは、実施例2で付着性が良好と
判断できる配合組成を選び引抜試験により潤滑性
能を調べた。その結果を第3表(1)〜(3)に示す。但
し第3表(1)は第2表(2)に、第3表(2)は第2表(3)
に、第3表(3)は第2表(4)に夫々対応させて記載し
たものである。例えば第2表(2)の潤滑剤No.3のも
のを用いた場合には第3表(1)では潤滑剤No.2−(2)
−3として示している。第3表(2)、(3)においても
同様である。尚引抜試験方法及びその評価基準は
実施例1の場合と同様である。
低い(Tg−10℃)共重合体乳化液にマレイン酸
ジブチルエステルを配合したもの(潤滑剤No.1〜
4、6〜9、11〜14)は軟らかすぎてブロツキン
グが見られた。該ブロツキングは素管を複数本結
束して乾燥する場合に問題となる。一方ガラス転
移温度が高い(Tg5℃以上)共重合体乳化液を用
いたものは安定性及び付着性の相方とも概して良
好であるが、ガラス転移温度が高すぎると
(Tg37℃以上)付着性が悪くなる傾向が見られた
[第2表(5)参照]。しかしながら全般的に見ると付
着性が相当向上することが判断され、ガラス転移
温度(Tg)が5〜30℃の範囲では実用上問題は
ない。これは可塑剤としてのマレイン酸ジブチル
エステルの作用によつて、共重合体のガラス転移
温度(Tg)が実質的に−10〜20℃程度にまで下
げられ、配合する共重合体のガラス転移温度が比
較的高くても良好な付着性を示す様になるものと
思われる。又マレイン酸ジブチルエステルの配合
量としては、共重合体乳化液100重量部に対し50
〜20重量部が良好である。 実施例 3 次に本発明者らは、実施例2で付着性が良好と
判断できる配合組成を選び引抜試験により潤滑性
能を調べた。その結果を第3表(1)〜(3)に示す。但
し第3表(1)は第2表(2)に、第3表(2)は第2表(3)
に、第3表(3)は第2表(4)に夫々対応させて記載し
たものである。例えば第2表(2)の潤滑剤No.3のも
のを用いた場合には第3表(1)では潤滑剤No.2−(2)
−3として示している。第3表(2)、(3)においても
同様である。尚引抜試験方法及びその評価基準は
実施例1の場合と同様である。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第3表(1)〜(3)から明らかな様に、すべての場合
に押込み、焼付けともなく、実施例1と場合と比
較してマレイン酸ジブチルエステルを配合したも
のの方がより効果が得られた。 実施例 4 更に本発明者らはステアリン酸Ca以外の金属
石鹸の潤滑性能を前述の引抜試験と同様の方法で
調査した。配合比率は第2表(3)に示した潤滑剤No.
8を基準とした。潤滑材No.8のものはガラス転移
温度(Tg)13℃、全酸価(KOHmg/g)20、重
量平均分子量37600のアクリル酸ブチルエステ
ル/メタクリル酸メチルエステル共重合体を水及
び少量のイソプロピルアルコール混合溶媒に乳
化・分散させ、不揮発化濃度39重量%の潤滑剤で
ある。尚管の状態の評価基準は実施例1と同様で
あり、膜の残存性(残存塗膜)の評価基準は下記
の通りである。 (膜の残存性) △……均一に薄い残存膜 ○……均一な残存膜 ◎……膜は完全に残存 又調製した潤滑剤はすべて強い衝撃にも安定で
全く剥離せず、付着性は良好であつた。
に押込み、焼付けともなく、実施例1と場合と比
較してマレイン酸ジブチルエステルを配合したも
のの方がより効果が得られた。 実施例 4 更に本発明者らはステアリン酸Ca以外の金属
石鹸の潤滑性能を前述の引抜試験と同様の方法で
調査した。配合比率は第2表(3)に示した潤滑剤No.
8を基準とした。潤滑材No.8のものはガラス転移
温度(Tg)13℃、全酸価(KOHmg/g)20、重
量平均分子量37600のアクリル酸ブチルエステ
ル/メタクリル酸メチルエステル共重合体を水及
び少量のイソプロピルアルコール混合溶媒に乳
化・分散させ、不揮発化濃度39重量%の潤滑剤で
ある。尚管の状態の評価基準は実施例1と同様で
あり、膜の残存性(残存塗膜)の評価基準は下記
の通りである。 (膜の残存性) △……均一に薄い残存膜 ○……均一な残存膜 ◎……膜は完全に残存 又調製した潤滑剤はすべて強い衝撃にも安定で
全く剥離せず、付着性は良好であつた。
【表】
【表】
その結果、ステアリン酸Caの金属石鹸を用い
た場合が最適であつた。即ちステアリン酸Li、
Baは実化温度が高い為引抜後の残存被膜は多い
が最大引抜荷重が高く、逆に軟化温度の低いステ
アリン酸Al、Znは最大引抜荷重は低いが残存膜
が少ない。又ステアリン酸Znは比重が大きい為
沈澱が多くなる。しかしながらずれの金属石鹸も
実用的には何ら問題はなく、2種以上を混合して
用いてもよい。 実施例 5 本発明者らは潤滑処理性改善の一評価手段とし
て、浸漬塗布後の乾燥時間と引抜による潤滑性の
関係を調査した。用いた潤滑剤は第1表(1)の潤滑
剤No.8(従来品)のものと第2表(3)の潤滑剤No.8
のものである。但し引抜試験は、SUS304シーム
レス管[22〓×2.2t(mm)]のフローテイングプラグ
で使用し。下記3種類の引抜きモードの各サイド
まで引抜いたものである。 (引抜モード) 17〓×2.0t(mm)(断面減少率31.1%) 17〓×1.7t(mm)(断面減少率40.3%) 17〓×1.4t(mm)(断面減少率49.8%) 又乾燥条件は下記の通りである。 (乾燥条件) 金属管を潤滑剤に浸漬塗布後、管を水平に保ち
100℃、3m2/分の温風で強制乾燥させたもので
ある。尚乾燥時間0分は乾燥せずにそのまま引抜
いたものである。 その結果を第5表(1)、(2)に示す。第5表(1)は第
1表(1)の潤滑剤No.8(従来品)のもの用いた場合
であり、第5表(2)は第2表(3)の潤滑剤No.8(本発
明品)のものを用いた場合である。
た場合が最適であつた。即ちステアリン酸Li、
Baは実化温度が高い為引抜後の残存被膜は多い
が最大引抜荷重が高く、逆に軟化温度の低いステ
アリン酸Al、Znは最大引抜荷重は低いが残存膜
が少ない。又ステアリン酸Znは比重が大きい為
沈澱が多くなる。しかしながらずれの金属石鹸も
実用的には何ら問題はなく、2種以上を混合して
用いてもよい。 実施例 5 本発明者らは潤滑処理性改善の一評価手段とし
て、浸漬塗布後の乾燥時間と引抜による潤滑性の
関係を調査した。用いた潤滑剤は第1表(1)の潤滑
剤No.8(従来品)のものと第2表(3)の潤滑剤No.8
のものである。但し引抜試験は、SUS304シーム
レス管[22〓×2.2t(mm)]のフローテイングプラグ
で使用し。下記3種類の引抜きモードの各サイド
まで引抜いたものである。 (引抜モード) 17〓×2.0t(mm)(断面減少率31.1%) 17〓×1.7t(mm)(断面減少率40.3%) 17〓×1.4t(mm)(断面減少率49.8%) 又乾燥条件は下記の通りである。 (乾燥条件) 金属管を潤滑剤に浸漬塗布後、管を水平に保ち
100℃、3m2/分の温風で強制乾燥させたもので
ある。尚乾燥時間0分は乾燥せずにそのまま引抜
いたものである。 その結果を第5表(1)、(2)に示す。第5表(1)は第
1表(1)の潤滑剤No.8(従来品)のもの用いた場合
であり、第5表(2)は第2表(3)の潤滑剤No.8(本発
明品)のものを用いた場合である。
【表】
【表】
【表】
【表】
第5表(1)、(2)から明らかな様に、本発明品は従
来品に比べて短時間の乾燥でも押込みがなく潤滑
性が良好なことが理解される。特に断面減少率の
低い加工に対しては無乾燥で適用できることを示
唆している。 実施例 6 加工後の残存被膜の除去容易性に関して、共重
合体の酸価が大きな影響を及ぼすのは前述した通
りである。本発明者らは第1表(1)の潤滑剤No.8の
もの(以下Aとする)と第2表(2)の潤滑剤No.8の
もの(以下Bとする)を用い、付着性試験と同様
にして作成した試験片(引抜前)と引抜後の試験
片をオルソ珪酸ナトリウム3重量%溶液に浸漬
し、潤滑剤の除去容易性を調査した。又上述した
様に潤滑剤A、Bはいずれもガラス転移温度
(Tg)13℃全酸価(KOHmg/g)20、重量平均
分子量37600の共重合体を用いたものである。 除去容易性の評価基準は下記の通りである。 (除去容易性) ××…全く落ちず ×……留り部全く落ちず △……留り部中程度の残り ○……留り部少々残り ◎……完全脱脂 その結果を第6表を第6表に示すが、本発明品
は従来品と比べて除去容易性においても遜色がな
いのが理解される。
来品に比べて短時間の乾燥でも押込みがなく潤滑
性が良好なことが理解される。特に断面減少率の
低い加工に対しては無乾燥で適用できることを示
唆している。 実施例 6 加工後の残存被膜の除去容易性に関して、共重
合体の酸価が大きな影響を及ぼすのは前述した通
りである。本発明者らは第1表(1)の潤滑剤No.8の
もの(以下Aとする)と第2表(2)の潤滑剤No.8の
もの(以下Bとする)を用い、付着性試験と同様
にして作成した試験片(引抜前)と引抜後の試験
片をオルソ珪酸ナトリウム3重量%溶液に浸漬
し、潤滑剤の除去容易性を調査した。又上述した
様に潤滑剤A、Bはいずれもガラス転移温度
(Tg)13℃全酸価(KOHmg/g)20、重量平均
分子量37600の共重合体を用いたものである。 除去容易性の評価基準は下記の通りである。 (除去容易性) ××…全く落ちず ×……留り部全く落ちず △……留り部中程度の残り ○……留り部少々残り ◎……完全脱脂 その結果を第6表を第6表に示すが、本発明品
は従来品と比べて除去容易性においても遜色がな
いのが理解される。
【表】
[発明の効果]
本発明は以上の様に構成されるが、要は樹脂酸
価及びガラス転移温度の特定されたアクリル酸ブ
チルエステル−メタクリル酸メチルエステル共重
合体乳化液、或は該共重合体乳化液とマレイン酸
ジブチルの配合比率を特定された乳化液を主剤と
し、これにステアリン酸塩の各種金属石鹸のうち
1種又は2種以上の水分散液を混合した混合液を
潤滑剤として使用することにより、下記に例記す
るような利益を享受することができる。 (1) 化成処理の様な化学反応を利用するタイプで
はないので、加工後の除去が容易である。しか
も酸洗浴やソルトバス等が不要であるので設備
費も軽減される。 (2) 先の出願(特願昭59−196193)に示すものと
比較して塗布及び乾燥時の被膜の不均一による
押込みが解消され、又潤滑性もそれに比べて遜
色なく、安定した性能を有する。 (3) 一液型として提供できる為潤滑処理が簡単で
ある(被加工材を本潤滑剤に浸漬し乾燥するだ
けでよい)。しかも従来の樹脂被膜型に比べ乾
燥時間が短縮でき且つ低加工の場合ほとんど乾
燥しないで利用できる。 (4) 人体や環境に対する有害物を含まず廃液も生
じないので、公害防止の見地から見て有用であ
る。 (5) 物理的に付着させて潤滑作用を与えるもので
あるから、あらゆる金属に適用することができ
る。 (6) 被加工金属の焼鈍時に生じた酸化被膜を除去
することなくそのままで潤滑処理、抽伸又は圧
延を行なつても何ら問題を生じない。 (7) 管の加工はもとより、線の加工又は板の絞り
加工にも利用できる。
価及びガラス転移温度の特定されたアクリル酸ブ
チルエステル−メタクリル酸メチルエステル共重
合体乳化液、或は該共重合体乳化液とマレイン酸
ジブチルの配合比率を特定された乳化液を主剤と
し、これにステアリン酸塩の各種金属石鹸のうち
1種又は2種以上の水分散液を混合した混合液を
潤滑剤として使用することにより、下記に例記す
るような利益を享受することができる。 (1) 化成処理の様な化学反応を利用するタイプで
はないので、加工後の除去が容易である。しか
も酸洗浴やソルトバス等が不要であるので設備
費も軽減される。 (2) 先の出願(特願昭59−196193)に示すものと
比較して塗布及び乾燥時の被膜の不均一による
押込みが解消され、又潤滑性もそれに比べて遜
色なく、安定した性能を有する。 (3) 一液型として提供できる為潤滑処理が簡単で
ある(被加工材を本潤滑剤に浸漬し乾燥するだ
けでよい)。しかも従来の樹脂被膜型に比べ乾
燥時間が短縮でき且つ低加工の場合ほとんど乾
燥しないで利用できる。 (4) 人体や環境に対する有害物を含まず廃液も生
じないので、公害防止の見地から見て有用であ
る。 (5) 物理的に付着させて潤滑作用を与えるもので
あるから、あらゆる金属に適用することができ
る。 (6) 被加工金属の焼鈍時に生じた酸化被膜を除去
することなくそのままで潤滑処理、抽伸又は圧
延を行なつても何ら問題を生じない。 (7) 管の加工はもとより、線の加工又は板の絞り
加工にも利用できる。
第1図は、アクリル酸ブチルエステルとメタク
リリル酸メチルエステルの共重合比とガラス転移
温度の関係を示すグラフである。
リリル酸メチルエステルの共重合比とガラス転移
温度の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 樹脂酸価が10〜40であり且つガラス転移温度
が−10〜20℃であるアクリル酸ブチルエステル−
メタクリル酸メチルエステル共重合体を含む乳化
液及び金属石鹸の水分散液とからなることを特徴
とする金属の引抜き加工用潤滑剤。 2 樹脂酸価が10〜40であり且つガラス転移温度
が5〜30℃であるアクリル酸ブチルエステル−メ
タクリル酸メチルエステル共重合体を含む乳化
液、マレイン酸ブチルエステル及び金属石鹸の水
分散液からなることを特徴とする金属の引抜き加
工用潤滑剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60202186A JPS6284193A (ja) | 1985-09-11 | 1985-09-11 | 金属の引抜き加工用潤滑剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60202186A JPS6284193A (ja) | 1985-09-11 | 1985-09-11 | 金属の引抜き加工用潤滑剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6284193A JPS6284193A (ja) | 1987-04-17 |
| JPH041799B2 true JPH041799B2 (ja) | 1992-01-14 |
Family
ID=16453387
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60202186A Granted JPS6284193A (ja) | 1985-09-11 | 1985-09-11 | 金属の引抜き加工用潤滑剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6284193A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4597897B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2010-12-15 | 住友金属工業株式会社 | 冷間引抜き加工方法、及び引抜き材製造方法 |
| JP4597896B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2010-12-15 | 住友金属工業株式会社 | 冷間引抜き加工方法及び引抜き管の製造方法 |
| EP4559986A4 (en) * | 2022-08-25 | 2025-10-22 | Jfe Steel Corp | CHEMICAL COATING AGENT FOR FORMING SOLID LUBRICATING FILM AND METHOD FOR PRODUCING SAME, METHOD FOR REPAIRING OIL WELL PIPE, METHOD FOR IMPROVING LUBRICATION OF OIL WELL PIPE, AND OIL WELL PIPE |
| CN119731279A (zh) * | 2022-08-25 | 2025-03-28 | 杰富意钢铁株式会社 | 固体润滑被膜形成用试剂、试剂的制造方法、试剂的涂布方法、油井管和油井管螺纹接头 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5234704B2 (ja) * | 1972-09-01 | 1977-09-05 |
-
1985
- 1985-09-11 JP JP60202186A patent/JPS6284193A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6284193A (ja) | 1987-04-17 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |