JPH0419253B2 - - Google Patents
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- JPH0419253B2 JPH0419253B2 JP60291813A JP29181385A JPH0419253B2 JP H0419253 B2 JPH0419253 B2 JP H0419253B2 JP 60291813 A JP60291813 A JP 60291813A JP 29181385 A JP29181385 A JP 29181385A JP H0419253 B2 JPH0419253 B2 JP H0419253B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- pyrrole
- oxidizing agent
- compounds
- electrically conductive
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Description
本発明の領域
本発明は電気伝導性高分子混和物の製法に関す
るものである。特に本発明は非多孔性高分子を母
体とする電気伝導性高分子混和物の製法に関する
ものである。 在来技術 電気伝導性高分子類は電池、光電池、静電気の
散逸、および電磁遮蔽のような各種の応用におけ
る金属導体や半導体の代替物として使用可能なた
めに多大の興味と関心の的となつている。在来慣
用の金属導体よりも電導性高分子の方がなお一層
有利な点は目方が軽いこと、価格が安いことおよ
び合成法や加工法により色々変つたものが得られ
ることにある。しかしながら現在生産されている
電気伝導性高分子系の大部分のものはこのような
応用分野において使用するには未だ十分な安定性
がなくまた加工性に乏しい。 電導性高分子混和物なるもの(すなわち1種以
上の従来からの高分子と緊密に混合されている電
導性の高分子類)がすでにいく人かの研究者によ
り与えられた電導性高分子に対して環境下の安定
性およびまたは機械的諸性質を改良しうる一つの
手段としてつくられている。この種の高分子混和
物に見られるさらにまだある有利な面は、適当に
加工された高分子の母体、たとえば薄いフイルム
または繊維の内部に電導性高分子成分が合成され
うるならばそのような成分の加工が不必要になる
ということである。 電導性高分子混和物を得るには大体次の三通り
の方法がある。 (1) 電導性高分子と母体となる高分子とを相溶性
の溶媒中に一しよに溶解してから後で溶媒を除
去する。 (2) 電導性高分子の生成に必要な化学反応が高分
子母体内で生起するように、触媒、単量体およ
びドープ剤をこの順序で母体となる高分子に含
浸させる。 (3) 電極表面上に母体となる高分子フイルムを被
覆し、ついでこの高分子被覆電極を陽極として
用いて適当な単量体と電解質から電気化学的陽
極での電導性高分子合成を行う。 上に第1番目に挙げた方法はドープされたフタ
ロシアニン高分子を電導性高分子として、アラミ
ド高分子を母体用高分子として、そして強酸(硫
酸、トリフリユオロメタンスルホン酸)を溶媒と
してそれぞれ使用し実際に行われている。ジヤー
ナルオブ、ケミカル、ソサイアテイ、化学通信、
1983年、1084−1085ページ、「紡糸繊維および電
気伝導性高分子の繊維混和物」、T.イナベ、J.W.
ライデングおよびT.J.マークスおよびマクロモレ
キユールズ1984年、17、260−262、編輯者への通
信、「加工しうる、配向された電気伝導性混成分
子/巨大分子よりなる物質」、T.イナベ、J.F.ロ
マツクス、T.J.マークス、J.W.ライデイング、C.
R.カンネウルフおよびK.J.ワイン参照。一般に、
この方法は他の周知の電導性高分子には使用でき
ない。というのはこのような電導性高分子はすべ
ての通常の溶媒に溶けないからである。 上に挙げた2番目の方法は、ポリアセチレン/
高分子混和物をつくるに用いられている。その方
法では母体となる高分子はまずチーグラー・ナツ
タ触媒溶液で含浸され、ついでアセチレンガス
(単量体)そして最後にヨー素ドープ剤で含浸さ
れる。ポリマー、1982年、第23巻、6月号、795
−797ペーシ「電気伝導性高分子組成物:ポリエ
チレン中でのアセチレンの重合」、M.B.ガルビン
およびG.E.ネク;マクロモレキユールズ1983年、
16、870−875「ポリアセチレン/ポリブタジエン
混和物の構造−特性関係、M.F.ルブナー、S.K.
トリパシー、J.シヨージヤーJr.およびP.コレワ、
ならびに米国特許第4394304号参照。この方法は
厳重な不活性雰囲気と真空配管技術が必要である
ので実施が困難である。おまけに、得られるポリ
アセチレン/高分子混和物は概してポリアセチレ
ン自体と同程度に環境下の安定性がよくない。 上に挙げた第3番目の方法は高分子を被覆した
電極表面上でピロール単量体の電気化学的酸化を
行うことによつてポリピロール/高分子の薄いフ
イル状混和物をつくるのに用いられた。このよう
にして得られた薄いフイル状混和物は安定性がよ
く(ポリピロール自体と同様)また機械的諸性質
も良好である(母体となる高分子成分による)。
ジヤーナル、オブ、ケミカル、ソサイエテイ化学
通信、1984年、1015−1016ページ、「ポリ(ビニ
ルクロライド)とポリピロールから成る電導性組
成物」M.A.デパオリ、R.J.ウオルトマン、A.F.
ダイアズ、およびJ.バーゴンならびにジヤーナ
ル、オブ、ケミカル、ソサイエテイ、化学通信、
1984年、817−818ページ「ピロールおよび高分子
被覆電極の重合」O.ニワおよびT.タマムラ参照。
この方法の主なる欠点は非常に薄いフイルムに限
られてしまうこと、および何段階にも及ぶ回分操
作が必要なために大規模には行ない難いことであ
る。 最近発見された、電気化学的につくられる電導
性ポリピロールの薄いフイルムとよく似て、ピロ
ールから得られる重合物質で化学的に得られるも
のがよく知られている。このような物質は一般に
“ピロールブラツク”と呼ばれておりピロールの
化学酸化により製造される。G.P.ガーデイニ「単
環ピロール類の酸化」、アドバンス・オブ・ヘテ
ロサイクリツク・ケミストリー15、67−98(1973)
およびその中の引用文献参照。これと同様に“ア
ニリンブラツク”や“エメラルデイン”という用
語はアニリンの化学的酸化で得られる、古くから
よく知られた重合物質に関するものであり、これ
らが最近では電気化学的につくられる電導性の高
分子、ポリアニリンの薄いフイルムと対比されて
いる。アメリカン・ケミカル・ソサイエテイの国
際大会、高分子前刷り、8月、1984、248−249ペ
ージ、「ポリアセチレンおよび“ポリアニリン”
の水系化学および電気化学:再充電可能な電池へ
の応用」、A.J.マクデイアミツド、J.C.シヤン、
M.ハルペルン、W.S.フアン、J.R.カルウチク、
R.J.マンモン、S.L.ムー、N.L.D.ソマシリおよび
W.ウー参照。ピロールやアニリンから得られる
このような化学的に製出される物質は一般に脆く
て処理しにくい不溶性の粉末である。とはいえ多
孔性の固体の間隙内にピロールブラツクを生成さ
せる方法が最近記載されており、化学的酸化剤と
ピロールで順次紙を処理すると紙が電気伝導性に
なるようになつた。ジヤーナル・オブ・エレクト
ロニツク・マテイーリアルズ、第13巻、第1号、
1984、211〜230ページ、「ポリピロール・紙組成
物のいくつかの性質」、R.B.ビヨルクルンドおよ
びI.ルンドシユトレーム、ならびに1983年12月22
日公告のドイツ出願P33 21 281.3号参照。この方
法は織布、フオーム、軽石、磁器および紙のよう
な多孔性物質上の電導性被覆としてピロールブラ
ツクを使用しうることを示すものである。しかし
母体高分子が非多孔質のものよりなる高分子混和
物にこれらが用いられることは示していない。 電導性の高分子類ならびに高分子混和物に関す
る上記先行技術はどれもみな、価格が安く、電導
性が高く、環境下の安定性が良好で、どのように
も加工することができ、しかも機械的諸性質がよ
いというそういう性質を併せもつた単一な電導性
の高分子系を提供するということにまではならな
い。したがつて電導性高分子類が金属導体の代替
物になりうるという可能性がなおいまだ実現され
てはいないのである。 本発明の目的 本発明の一つの目的は価格が安く、電導性が高
く、環境下の安定性が良好で、どのようにも加工
することができ、しも機械的性質がよいというそ
ういう性質を併せもつ電気伝導性高分子物質を提
供することにある。本発明のもう一つの目的は電
気伝導性高分子混和物を提供することにある。本
発明のさらに目的とする所は通常絶縁性の高分子
物質の電気伝導度を、一種の後処理法のように行
われる単純な化学的手段により増加させる方法を
供与することにある。本発明のさらにまだある目
的は高分子物質の電気伝導度を、電導性の表面被
覆あるいは電導性の充填物の粒子に依存すること
なく、そしてまた母体となる高分子の機械的諸性
質をほとんど変えることなしに増加させる方法を
供与することにある。これら以外の目的はさらに
下記の記載により明瞭になるであろう。 本発明の説明 本発明は非多孔性の膨潤可能または可溶性の母
体高分子を下記の(a)および(b)をもつて、順序はど
ちらを先にしてもよいものとして含浸させること
よりなる電気伝導性高分子混和物を製造するため
の化学的酸化法に関するものである。 (a) ピロール、アニリンおよびそれらの置換され
た類似体より成る組から選ばれた1種以上の環
式化合物および (b) 3価の鉄化合物、4価のセリウム化合物、6
価のモリブデン−、タングステン−またはクロ
ム−化合物、2価の銅化合物、1価の銀化合
物、亜硝酸塩、キノン類、過酸化物類および過
酸類より成る組から選ばれた少くとも1種の化
学的酸化剤であつて前記母体高分子を膨潤させ
るかまたは可溶化させうる溶媒中に溶解されう
るもの。 ここに用いた術語「非多孔性の膨潤可能または
可溶性の母体高分子」とはその中にエラストマー
類も含まれ、熱可塑性高分子類も含まれるものと
する。したがつてここに用いられるエラストマー
類は、次のものに限定されるものではないがアク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、
ブタジエン−スチレン共重合体、クロロプレン−
アクリロニトリル共重合体、クロロスルホン酸化
ポリエチレン、エチルアクリレート−クロロエチ
レンビニルエーテル共重合体、イソブチレン−イ
ソプレン共重合体、イソブチレン−スチレン共重
合体、ポリクロロプレン共重合体、ポリイソブチ
レン、ポリサルフアイド、シリコーン類などを含
む。母体高分子としてここに用いられる熱可塑性
高分子類は、次のものに限定されるものではない
が、ポリビニルクロライドと高級ビニルクロライ
ドの共重合体、ポリビニルアセテート、ビニリデ
ンクロライド共重合体、ポリビニルブチラール、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタルデヒ
ドアセタール、ポリビニルホルマール、ポリカー
ボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、テト
ラフリユオロエチレン、クロロトリフリユオロエ
チレン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リルやスチレン−ブタジエンのようなスチレン共
重合体、エチルセルローズ、セルローズアセテー
ト、セルローズアセテートブチレート、セルロー
ズプロピオネート、セルローズアセテートプロピ
オネート、セルローズナイトレート、アクリロニ
トリル、ポリアミド、ポリメタクリレート、ポリ
アクリレート、エチレンテレフタレート重合体な
どを含む。上記のエラストマー類および熱可塑性
高分子類は電気伝導性高分子混和物を形成するた
めに母体高分子と関連して用いられる環式化合物
および化学的酸化剤に対して不活性でなければな
らない。さらにまた、該エラストマー類および熱
可塑性高分子類は高分子内で反応が生起しうるた
めに環式単量体が化学的酸化剤の溶媒かの内の少
くともどちらか一方中に膨潤可能かあるいは可溶
性でなければならない。 前記した如く、環式単量体および化学的酸化剤
による母体高分子の含浸は順序の後先はどちらに
してもよい。つまり、母体となる高分子が環式単
量体によつて膨潤可能かまたは溶解される場合に
はその環式単量体をまず先に用いて母体高分子を
含浸させ、ついで溶媒に溶けている化学的酸化剤
を用いて含浸させる。これとはちがつて、母体高
分子を最初溶媒に溶けている化学的酸化剤を用い
て含浸させ、その後で環式単量体で含浸させると
いうやり方で行うこともできる。本発明の好まし
い実施の態様では溶媒中に溶けている化学的酸化
剤でまず母体高分子を含浸させ、後から環式単量
体で含浸させる。 母体となる高分子は、フイルム、薄板状、粉
状、繊維、または予め形成されたその他色々の形
状のものでよい。したがつてたとえば母体高分子
のゴム板のようなものをつくつてもよい。それを
後から本発明の方法で行えば電気伝導性にするこ
とができる。 母体となる高分子に電気伝導性を付与するため
にここに用いられる環式単量体はピロール、アニ
リンおよびこれら単量体の置換された類似体より
なる組から選ばれる。このような類似体は次のも
のに限定するものではないが、N−メチルピロー
ル、3−メチルピロール、3,5−ジメチルピロ
ール、2,2′−ビピロール、N−メチルアニリ
ン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリンお
よびN−フエニル−1,4−ジアミノベンゼンを
含む。 本発明を実施する際には母体高分子を膨潤させ
るかあるいは可溶化する溶媒と環式単量体とを併
用することもできる。この併用が行われる場合に
は単量体は通常25重量%にまで達する範囲内の量
で存在する。単量体は通常液状で加えられるが蒸
気として加えてもよい。 ここに用いられる化学的酸化剤はその原子価が
変化しうる金属イオンを含有する化合物である。
このような物質にはたとえばFeCl3Fe2(SO4)3、
K3〔Fe(CN)6〕、H3PO4・12M0O3、H3PO4・
12WO3、CrC3(NH4)2Ce(NO3)6、Ce(SO4)2、
CuCl2、AgNO3がある。上記の組の中で特に好
ましい化学的酸化剤は3塩化鉄である。 本発明では亜硝酸塩、キノン類、過酸化物類、
および過酸類のような金属を含有しない化合物も
また化学的酸化剤として用いることができる。こ
のような金属を含有しない化合物は次のものに限
定するわけではないが、HNO2、1,4−ベンゾ
キノン、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4
−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジ
シアノ−1,4−ベンゾキソン、過酸化水素、ペ
ルオキシ酢酸、ペルオキシ案息香酸、3−クロロ
−ペルオキシ案息香酸および過硫酸アンモニウム
を含む。上記の組の中で特に好ましい化学的酸化
剤は過硫酸アンモニウムである。 本発明の実施に当り、鉱酸類、有機カルボン酸
類およびスルホン酸類には限らないがこれらを含
む補助の酸を、上記た無機または有機の酸化剤と
併用することができる。したがつて硫酸、塩酸、
酢酸、トリフリユオロ酢酸、メタンスルホン酸あ
るいはトリフリユオロメタンスルホン酸を用いる
ことができる。このような酸は適当な溶媒中に酸
化剤と一しよに溶解してもよいし、またそれ自身
を酸化剤に対する溶媒として使用してもよい。補
助の酸の第一の役目は酸化重合過程のための触媒
の役をつとめることである。このような酸を添加
することは好ましいが、好ましい酸化剤と必ずし
もつねに一しよに用いる必要はない。補助の酸が
系に添加される場合には、酸化剤1モル当り0.01
〜100モルの酸になる範囲の量で添加される。 母体高分子中での環式単量体の重合は通常室温
下の普段と特別変らない条件の下で行われる。酸
化剤、単量体、溶媒、ならばに操作時間や温度の
ような処理条件を適当に選択することにより、電
導度、物理的外見、母体高分子表面への電導性高
分子の侵透の深さおよび電導性高分子成分に帰因
する母体高分子の重量増加のような高分子混和物
の最終的諸性質を制御することができる。 実際に得られる性質について典型的な範囲は次
のようである。 電導度(S/cm):10-10〜1 外見:黒色、灰色、緑色、半透明ないし不透明。 電導性高分子の侵透の深さ(ミクロン):1〜
1000 電導性高分子に帰因する重量増加:0.1%〜20% 母体高分子中の環式単量体対酸化剤のモル比は
0.01〜100の範囲内である。酸化されたポリピロ
ールを生成するために1−電子酸化剤とピロール
の間で行われる反応の化学量論からは酸化剤対ピ
ロールのモル比として2:1ないし3:1が必要
となる。 本発明の方法によつて形成される電導性高分子
は静電気の散逸や電磁遮蔽のような応用における
金属導体または半導体として使用することができ
る。 下記の実施例は本発明を説明することに役立つ
であろう。しかしそれを限定するものではない。
特に断らない限り、部および100分率はすべて重
量によるものである。 実施例 1 ポリビニルアセテート(0.2g)を5容積%の
ピロールを含有する酢酸エチル(2ml)に溶解す
る。得られる溶液をガラススライド上に拡げて薄
いフイルム(20ミクロン厚さ)にする、溶媒は蒸
散させる。この被覆されたガラススライドを次に
3塩化鉄を塩酸(0.01M)中に溶かした溶液中
(0.1M)に浸漬する。1時間以内に、酸化剤に曝
らされた部分でフイルムは灰色、半透明となるが
曝らされない部分は透明のまゝである。ガラスス
ライドを水で洗浄し室温下30分間乾燥させる。フ
イルムの灰色部分は0.5cm離れた2つの接触点間
で約10-4オームの表面抵抗をもつているが曝らさ
れなかつた部分は1010オーム以上の表面抵抗をも
つている。 実施例 2 ポリビニルクロライド(0.25g)の粗粉を5容
積%のピロールを含有するアセトニトリル(2
ml)中に懸濁させ、室温下に1時間撹拌する。得
られる粉末を過して集め、実施例1の3塩化鉄
溶液中に懸濁させ、ついで室温下に30分間撹拌す
る。得られる黒色の粉末を過して集め、水で洗
浄し真空下に乾燥する。この粉末は圧縮
(4000psi)するとき4×10-3S/cmの比電導度を
示す。 実施例 3 10容積%のピロールを含有するテトラヒドロフ
ラン(2ml)中にポリビニルクロライド(0.25
g)を溶かした溶液を実施例1と同様にガラスス
ライド上に拡げる。得られた薄いフイルムをガラ
ス面から剥ぎはなしてから実施例1の3塩化鉄溶
液中に1時間浸漬する。得られる灰色半透明のフ
イルムを水洗して真空下に乾燥する。このフイル
ムの比電導度を測定すると10-4S/cmである。 実施例 4 ナイロンステープルフアイバーの一試料(直径
30ミクロン、0.46g)を10容積%のピロールを含
有するアセトニトリル中に浸漬する。室温下−時
間を経てから、このフアイバー試料を取出し、蒸
留水で洗浄し、実施例1の3塩化鉄溶液中に1時
間室温下に浸漬する。得られる灰色のフアイバー
を取出し、蒸留水で洗浄し一晩真空下に乾燥す
る。処理されたフアイバーは下記の性質を示す
(比較のため処理前の性質を示す)
るものである。特に本発明は非多孔性高分子を母
体とする電気伝導性高分子混和物の製法に関する
ものである。 在来技術 電気伝導性高分子類は電池、光電池、静電気の
散逸、および電磁遮蔽のような各種の応用におけ
る金属導体や半導体の代替物として使用可能なた
めに多大の興味と関心の的となつている。在来慣
用の金属導体よりも電導性高分子の方がなお一層
有利な点は目方が軽いこと、価格が安いことおよ
び合成法や加工法により色々変つたものが得られ
ることにある。しかしながら現在生産されている
電気伝導性高分子系の大部分のものはこのような
応用分野において使用するには未だ十分な安定性
がなくまた加工性に乏しい。 電導性高分子混和物なるもの(すなわち1種以
上の従来からの高分子と緊密に混合されている電
導性の高分子類)がすでにいく人かの研究者によ
り与えられた電導性高分子に対して環境下の安定
性およびまたは機械的諸性質を改良しうる一つの
手段としてつくられている。この種の高分子混和
物に見られるさらにまだある有利な面は、適当に
加工された高分子の母体、たとえば薄いフイルム
または繊維の内部に電導性高分子成分が合成され
うるならばそのような成分の加工が不必要になる
ということである。 電導性高分子混和物を得るには大体次の三通り
の方法がある。 (1) 電導性高分子と母体となる高分子とを相溶性
の溶媒中に一しよに溶解してから後で溶媒を除
去する。 (2) 電導性高分子の生成に必要な化学反応が高分
子母体内で生起するように、触媒、単量体およ
びドープ剤をこの順序で母体となる高分子に含
浸させる。 (3) 電極表面上に母体となる高分子フイルムを被
覆し、ついでこの高分子被覆電極を陽極として
用いて適当な単量体と電解質から電気化学的陽
極での電導性高分子合成を行う。 上に第1番目に挙げた方法はドープされたフタ
ロシアニン高分子を電導性高分子として、アラミ
ド高分子を母体用高分子として、そして強酸(硫
酸、トリフリユオロメタンスルホン酸)を溶媒と
してそれぞれ使用し実際に行われている。ジヤー
ナルオブ、ケミカル、ソサイアテイ、化学通信、
1983年、1084−1085ページ、「紡糸繊維および電
気伝導性高分子の繊維混和物」、T.イナベ、J.W.
ライデングおよびT.J.マークスおよびマクロモレ
キユールズ1984年、17、260−262、編輯者への通
信、「加工しうる、配向された電気伝導性混成分
子/巨大分子よりなる物質」、T.イナベ、J.F.ロ
マツクス、T.J.マークス、J.W.ライデイング、C.
R.カンネウルフおよびK.J.ワイン参照。一般に、
この方法は他の周知の電導性高分子には使用でき
ない。というのはこのような電導性高分子はすべ
ての通常の溶媒に溶けないからである。 上に挙げた2番目の方法は、ポリアセチレン/
高分子混和物をつくるに用いられている。その方
法では母体となる高分子はまずチーグラー・ナツ
タ触媒溶液で含浸され、ついでアセチレンガス
(単量体)そして最後にヨー素ドープ剤で含浸さ
れる。ポリマー、1982年、第23巻、6月号、795
−797ペーシ「電気伝導性高分子組成物:ポリエ
チレン中でのアセチレンの重合」、M.B.ガルビン
およびG.E.ネク;マクロモレキユールズ1983年、
16、870−875「ポリアセチレン/ポリブタジエン
混和物の構造−特性関係、M.F.ルブナー、S.K.
トリパシー、J.シヨージヤーJr.およびP.コレワ、
ならびに米国特許第4394304号参照。この方法は
厳重な不活性雰囲気と真空配管技術が必要である
ので実施が困難である。おまけに、得られるポリ
アセチレン/高分子混和物は概してポリアセチレ
ン自体と同程度に環境下の安定性がよくない。 上に挙げた第3番目の方法は高分子を被覆した
電極表面上でピロール単量体の電気化学的酸化を
行うことによつてポリピロール/高分子の薄いフ
イル状混和物をつくるのに用いられた。このよう
にして得られた薄いフイル状混和物は安定性がよ
く(ポリピロール自体と同様)また機械的諸性質
も良好である(母体となる高分子成分による)。
ジヤーナル、オブ、ケミカル、ソサイエテイ化学
通信、1984年、1015−1016ページ、「ポリ(ビニ
ルクロライド)とポリピロールから成る電導性組
成物」M.A.デパオリ、R.J.ウオルトマン、A.F.
ダイアズ、およびJ.バーゴンならびにジヤーナ
ル、オブ、ケミカル、ソサイエテイ、化学通信、
1984年、817−818ページ「ピロールおよび高分子
被覆電極の重合」O.ニワおよびT.タマムラ参照。
この方法の主なる欠点は非常に薄いフイルムに限
られてしまうこと、および何段階にも及ぶ回分操
作が必要なために大規模には行ない難いことであ
る。 最近発見された、電気化学的につくられる電導
性ポリピロールの薄いフイルムとよく似て、ピロ
ールから得られる重合物質で化学的に得られるも
のがよく知られている。このような物質は一般に
“ピロールブラツク”と呼ばれておりピロールの
化学酸化により製造される。G.P.ガーデイニ「単
環ピロール類の酸化」、アドバンス・オブ・ヘテ
ロサイクリツク・ケミストリー15、67−98(1973)
およびその中の引用文献参照。これと同様に“ア
ニリンブラツク”や“エメラルデイン”という用
語はアニリンの化学的酸化で得られる、古くから
よく知られた重合物質に関するものであり、これ
らが最近では電気化学的につくられる電導性の高
分子、ポリアニリンの薄いフイルムと対比されて
いる。アメリカン・ケミカル・ソサイエテイの国
際大会、高分子前刷り、8月、1984、248−249ペ
ージ、「ポリアセチレンおよび“ポリアニリン”
の水系化学および電気化学:再充電可能な電池へ
の応用」、A.J.マクデイアミツド、J.C.シヤン、
M.ハルペルン、W.S.フアン、J.R.カルウチク、
R.J.マンモン、S.L.ムー、N.L.D.ソマシリおよび
W.ウー参照。ピロールやアニリンから得られる
このような化学的に製出される物質は一般に脆く
て処理しにくい不溶性の粉末である。とはいえ多
孔性の固体の間隙内にピロールブラツクを生成さ
せる方法が最近記載されており、化学的酸化剤と
ピロールで順次紙を処理すると紙が電気伝導性に
なるようになつた。ジヤーナル・オブ・エレクト
ロニツク・マテイーリアルズ、第13巻、第1号、
1984、211〜230ページ、「ポリピロール・紙組成
物のいくつかの性質」、R.B.ビヨルクルンドおよ
びI.ルンドシユトレーム、ならびに1983年12月22
日公告のドイツ出願P33 21 281.3号参照。この方
法は織布、フオーム、軽石、磁器および紙のよう
な多孔性物質上の電導性被覆としてピロールブラ
ツクを使用しうることを示すものである。しかし
母体高分子が非多孔質のものよりなる高分子混和
物にこれらが用いられることは示していない。 電導性の高分子類ならびに高分子混和物に関す
る上記先行技術はどれもみな、価格が安く、電導
性が高く、環境下の安定性が良好で、どのように
も加工することができ、しかも機械的諸性質がよ
いというそういう性質を併せもつた単一な電導性
の高分子系を提供するということにまではならな
い。したがつて電導性高分子類が金属導体の代替
物になりうるという可能性がなおいまだ実現され
てはいないのである。 本発明の目的 本発明の一つの目的は価格が安く、電導性が高
く、環境下の安定性が良好で、どのようにも加工
することができ、しも機械的性質がよいというそ
ういう性質を併せもつ電気伝導性高分子物質を提
供することにある。本発明のもう一つの目的は電
気伝導性高分子混和物を提供することにある。本
発明のさらに目的とする所は通常絶縁性の高分子
物質の電気伝導度を、一種の後処理法のように行
われる単純な化学的手段により増加させる方法を
供与することにある。本発明のさらにまだある目
的は高分子物質の電気伝導度を、電導性の表面被
覆あるいは電導性の充填物の粒子に依存すること
なく、そしてまた母体となる高分子の機械的諸性
質をほとんど変えることなしに増加させる方法を
供与することにある。これら以外の目的はさらに
下記の記載により明瞭になるであろう。 本発明の説明 本発明は非多孔性の膨潤可能または可溶性の母
体高分子を下記の(a)および(b)をもつて、順序はど
ちらを先にしてもよいものとして含浸させること
よりなる電気伝導性高分子混和物を製造するため
の化学的酸化法に関するものである。 (a) ピロール、アニリンおよびそれらの置換され
た類似体より成る組から選ばれた1種以上の環
式化合物および (b) 3価の鉄化合物、4価のセリウム化合物、6
価のモリブデン−、タングステン−またはクロ
ム−化合物、2価の銅化合物、1価の銀化合
物、亜硝酸塩、キノン類、過酸化物類および過
酸類より成る組から選ばれた少くとも1種の化
学的酸化剤であつて前記母体高分子を膨潤させ
るかまたは可溶化させうる溶媒中に溶解されう
るもの。 ここに用いた術語「非多孔性の膨潤可能または
可溶性の母体高分子」とはその中にエラストマー
類も含まれ、熱可塑性高分子類も含まれるものと
する。したがつてここに用いられるエラストマー
類は、次のものに限定されるものではないがアク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、
ブタジエン−スチレン共重合体、クロロプレン−
アクリロニトリル共重合体、クロロスルホン酸化
ポリエチレン、エチルアクリレート−クロロエチ
レンビニルエーテル共重合体、イソブチレン−イ
ソプレン共重合体、イソブチレン−スチレン共重
合体、ポリクロロプレン共重合体、ポリイソブチ
レン、ポリサルフアイド、シリコーン類などを含
む。母体高分子としてここに用いられる熱可塑性
高分子類は、次のものに限定されるものではない
が、ポリビニルクロライドと高級ビニルクロライ
ドの共重合体、ポリビニルアセテート、ビニリデ
ンクロライド共重合体、ポリビニルブチラール、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタルデヒ
ドアセタール、ポリビニルホルマール、ポリカー
ボネート、ポリプロピレン、ポリウレタン、テト
ラフリユオロエチレン、クロロトリフリユオロエ
チレン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リルやスチレン−ブタジエンのようなスチレン共
重合体、エチルセルローズ、セルローズアセテー
ト、セルローズアセテートブチレート、セルロー
ズプロピオネート、セルローズアセテートプロピ
オネート、セルローズナイトレート、アクリロニ
トリル、ポリアミド、ポリメタクリレート、ポリ
アクリレート、エチレンテレフタレート重合体な
どを含む。上記のエラストマー類および熱可塑性
高分子類は電気伝導性高分子混和物を形成するた
めに母体高分子と関連して用いられる環式化合物
および化学的酸化剤に対して不活性でなければな
らない。さらにまた、該エラストマー類および熱
可塑性高分子類は高分子内で反応が生起しうるた
めに環式単量体が化学的酸化剤の溶媒かの内の少
くともどちらか一方中に膨潤可能かあるいは可溶
性でなければならない。 前記した如く、環式単量体および化学的酸化剤
による母体高分子の含浸は順序の後先はどちらに
してもよい。つまり、母体となる高分子が環式単
量体によつて膨潤可能かまたは溶解される場合に
はその環式単量体をまず先に用いて母体高分子を
含浸させ、ついで溶媒に溶けている化学的酸化剤
を用いて含浸させる。これとはちがつて、母体高
分子を最初溶媒に溶けている化学的酸化剤を用い
て含浸させ、その後で環式単量体で含浸させると
いうやり方で行うこともできる。本発明の好まし
い実施の態様では溶媒中に溶けている化学的酸化
剤でまず母体高分子を含浸させ、後から環式単量
体で含浸させる。 母体となる高分子は、フイルム、薄板状、粉
状、繊維、または予め形成されたその他色々の形
状のものでよい。したがつてたとえば母体高分子
のゴム板のようなものをつくつてもよい。それを
後から本発明の方法で行えば電気伝導性にするこ
とができる。 母体となる高分子に電気伝導性を付与するため
にここに用いられる環式単量体はピロール、アニ
リンおよびこれら単量体の置換された類似体より
なる組から選ばれる。このような類似体は次のも
のに限定するものではないが、N−メチルピロー
ル、3−メチルピロール、3,5−ジメチルピロ
ール、2,2′−ビピロール、N−メチルアニリ
ン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリンお
よびN−フエニル−1,4−ジアミノベンゼンを
含む。 本発明を実施する際には母体高分子を膨潤させ
るかあるいは可溶化する溶媒と環式単量体とを併
用することもできる。この併用が行われる場合に
は単量体は通常25重量%にまで達する範囲内の量
で存在する。単量体は通常液状で加えられるが蒸
気として加えてもよい。 ここに用いられる化学的酸化剤はその原子価が
変化しうる金属イオンを含有する化合物である。
このような物質にはたとえばFeCl3Fe2(SO4)3、
K3〔Fe(CN)6〕、H3PO4・12M0O3、H3PO4・
12WO3、CrC3(NH4)2Ce(NO3)6、Ce(SO4)2、
CuCl2、AgNO3がある。上記の組の中で特に好
ましい化学的酸化剤は3塩化鉄である。 本発明では亜硝酸塩、キノン類、過酸化物類、
および過酸類のような金属を含有しない化合物も
また化学的酸化剤として用いることができる。こ
のような金属を含有しない化合物は次のものに限
定するわけではないが、HNO2、1,4−ベンゾ
キノン、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4
−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジ
シアノ−1,4−ベンゾキソン、過酸化水素、ペ
ルオキシ酢酸、ペルオキシ案息香酸、3−クロロ
−ペルオキシ案息香酸および過硫酸アンモニウム
を含む。上記の組の中で特に好ましい化学的酸化
剤は過硫酸アンモニウムである。 本発明の実施に当り、鉱酸類、有機カルボン酸
類およびスルホン酸類には限らないがこれらを含
む補助の酸を、上記た無機または有機の酸化剤と
併用することができる。したがつて硫酸、塩酸、
酢酸、トリフリユオロ酢酸、メタンスルホン酸あ
るいはトリフリユオロメタンスルホン酸を用いる
ことができる。このような酸は適当な溶媒中に酸
化剤と一しよに溶解してもよいし、またそれ自身
を酸化剤に対する溶媒として使用してもよい。補
助の酸の第一の役目は酸化重合過程のための触媒
の役をつとめることである。このような酸を添加
することは好ましいが、好ましい酸化剤と必ずし
もつねに一しよに用いる必要はない。補助の酸が
系に添加される場合には、酸化剤1モル当り0.01
〜100モルの酸になる範囲の量で添加される。 母体高分子中での環式単量体の重合は通常室温
下の普段と特別変らない条件の下で行われる。酸
化剤、単量体、溶媒、ならばに操作時間や温度の
ような処理条件を適当に選択することにより、電
導度、物理的外見、母体高分子表面への電導性高
分子の侵透の深さおよび電導性高分子成分に帰因
する母体高分子の重量増加のような高分子混和物
の最終的諸性質を制御することができる。 実際に得られる性質について典型的な範囲は次
のようである。 電導度(S/cm):10-10〜1 外見:黒色、灰色、緑色、半透明ないし不透明。 電導性高分子の侵透の深さ(ミクロン):1〜
1000 電導性高分子に帰因する重量増加:0.1%〜20% 母体高分子中の環式単量体対酸化剤のモル比は
0.01〜100の範囲内である。酸化されたポリピロ
ールを生成するために1−電子酸化剤とピロール
の間で行われる反応の化学量論からは酸化剤対ピ
ロールのモル比として2:1ないし3:1が必要
となる。 本発明の方法によつて形成される電導性高分子
は静電気の散逸や電磁遮蔽のような応用における
金属導体または半導体として使用することができ
る。 下記の実施例は本発明を説明することに役立つ
であろう。しかしそれを限定するものではない。
特に断らない限り、部および100分率はすべて重
量によるものである。 実施例 1 ポリビニルアセテート(0.2g)を5容積%の
ピロールを含有する酢酸エチル(2ml)に溶解す
る。得られる溶液をガラススライド上に拡げて薄
いフイルム(20ミクロン厚さ)にする、溶媒は蒸
散させる。この被覆されたガラススライドを次に
3塩化鉄を塩酸(0.01M)中に溶かした溶液中
(0.1M)に浸漬する。1時間以内に、酸化剤に曝
らされた部分でフイルムは灰色、半透明となるが
曝らされない部分は透明のまゝである。ガラスス
ライドを水で洗浄し室温下30分間乾燥させる。フ
イルムの灰色部分は0.5cm離れた2つの接触点間
で約10-4オームの表面抵抗をもつているが曝らさ
れなかつた部分は1010オーム以上の表面抵抗をも
つている。 実施例 2 ポリビニルクロライド(0.25g)の粗粉を5容
積%のピロールを含有するアセトニトリル(2
ml)中に懸濁させ、室温下に1時間撹拌する。得
られる粉末を過して集め、実施例1の3塩化鉄
溶液中に懸濁させ、ついで室温下に30分間撹拌す
る。得られる黒色の粉末を過して集め、水で洗
浄し真空下に乾燥する。この粉末は圧縮
(4000psi)するとき4×10-3S/cmの比電導度を
示す。 実施例 3 10容積%のピロールを含有するテトラヒドロフ
ラン(2ml)中にポリビニルクロライド(0.25
g)を溶かした溶液を実施例1と同様にガラスス
ライド上に拡げる。得られた薄いフイルムをガラ
ス面から剥ぎはなしてから実施例1の3塩化鉄溶
液中に1時間浸漬する。得られる灰色半透明のフ
イルムを水洗して真空下に乾燥する。このフイル
ムの比電導度を測定すると10-4S/cmである。 実施例 4 ナイロンステープルフアイバーの一試料(直径
30ミクロン、0.46g)を10容積%のピロールを含
有するアセトニトリル中に浸漬する。室温下−時
間を経てから、このフアイバー試料を取出し、蒸
留水で洗浄し、実施例1の3塩化鉄溶液中に1時
間室温下に浸漬する。得られる灰色のフアイバー
を取出し、蒸留水で洗浄し一晩真空下に乾燥す
る。処理されたフアイバーは下記の性質を示す
(比較のため処理前の性質を示す)
【表】
実施例 5
平滑な表面をもち、33.2×2.5×0.5cmの大きさ
をもつたポリウレタンゴムの一試料を5重量%の
三塩化鉄6水和物を含有するアセトニトリル中に
浸漬する。室温下1時間を経てからこの試料を取
り出し、払つて乾かしてから、10容積%のピロー
ルを含有する石油エーテル中に浸漬する。室温下
1時間を経てから、この試料を取出し室温で72時
間乾燥させる。処理された試料は下記の性質を示
す(比較のために処理前の性質を示す)
をもつたポリウレタンゴムの一試料を5重量%の
三塩化鉄6水和物を含有するアセトニトリル中に
浸漬する。室温下1時間を経てからこの試料を取
り出し、払つて乾かしてから、10容積%のピロー
ルを含有する石油エーテル中に浸漬する。室温下
1時間を経てから、この試料を取出し室温で72時
間乾燥させる。処理された試料は下記の性質を示
す(比較のために処理前の性質を示す)
【表】
上記被処理試料の断面は高分子中に生じた黒色
が高分子表面から約0.5mm(500ミクロン)の深度
にまで浸透し、それより内部の方は透明のまゝで
残つていることを示す。 実施例 6 3塩化鉄3水和物(0.1M)を含有するエタノ
ール(2ml)中にポリピニルアセテート(0.2g)
を溶かす。この黄色の溶液をガラススライド上に
拡げて薄いフイルム(20ミクロン)となし、溶媒
を窒素気流の下に蒸発させる。この被覆されたス
ライドを次には10容積%のピロールを含有する石
油エーテル中に浸漬する。10分後にこのフイルム
を溶液から取出す。処理された(黒色の)フイル
ムの表面抵抗を測定すると、約105オーム(2つ
の探針は1cm間隔)であつたが、これに対して、
ピロールに曝らされなかつたり、あるいはピロー
ルに曝らさせる前に3塩化鉄で含浸されていなか
つた同様なフイルムでは1010オーム以上であつ
た。 実施例 7 実施例6のポリビニルアセテート/3塩化鉄フ
イルムをピロールの入つている小さなビーカーの
口の上にかざす。このピロールを加熱板上で温め
ると、数分以内でこのピロールの蒸気に曝らされ
た部分が透明黄色であつたのが暗褐色に変ること
が見られる。この曝らされた部分の表面での抵抗
を測定すると約105オーム(2つの探針、0.5cm隔
離)である。 実施例 8 3塩化鉄(0.1M)を含有する塩酸(0.01M)
の2ml中にポリビニルアルコール(0.2g)を溶
かす。得られる溶液をガラススライド上に拡げて
薄いフイルム(20ミクロン)となし室温下に1時
間乾燥させる。このガラスを背面にしたフイルム
をついで10容積%のピロールを含有するアセトニ
トリル中に浸漬すると、フイルムの色は急変し
て、透明な黄色から暗褐色に転ずる、室温下30分
を経てからこのフイルムをガラス面から取外ずし
アセトニトリルで洗浄する。得られるフイルムの
比電導度は測定するとフイルムのピロールに曝ら
された側も曝らされなかつた側もどちらも
0.03S/cmであつた。 実施例 9 ポリビニルクロライド(0.2g)を10容積%の
アニリンを含有するテトラヒドロフラン(2ml)
中に溶解する。得られる溶液を実施例1と同様に
薄い層に拡げて伸ばし室温下に1時間乾燥する。
このガラスを背面にした高分子フイルムを次には
塩酸(0.1M)に溶かした10%過硫酸アンモニウ
ム溶液中に浸漬する。室温下に1時間を経てから
このフイルムを取出し、蒸留水で洗浄し室温で1
時間乾燥させる。得られる暗緑色半透明のフイル
ムの表面抵抗は測定すると5×105オーム(2つ
の探針0.5cm隔離)であつた。 実施例 10 実施例4のポリピロール/ナイロンフアイバー
の安定度を種々の条件の下で単一のフアイバーの
一定の長さ当りの抵抗を調べることによつて試験
した。表1にその結果を示す。
が高分子表面から約0.5mm(500ミクロン)の深度
にまで浸透し、それより内部の方は透明のまゝで
残つていることを示す。 実施例 6 3塩化鉄3水和物(0.1M)を含有するエタノ
ール(2ml)中にポリピニルアセテート(0.2g)
を溶かす。この黄色の溶液をガラススライド上に
拡げて薄いフイルム(20ミクロン)となし、溶媒
を窒素気流の下に蒸発させる。この被覆されたス
ライドを次には10容積%のピロールを含有する石
油エーテル中に浸漬する。10分後にこのフイルム
を溶液から取出す。処理された(黒色の)フイル
ムの表面抵抗を測定すると、約105オーム(2つ
の探針は1cm間隔)であつたが、これに対して、
ピロールに曝らされなかつたり、あるいはピロー
ルに曝らさせる前に3塩化鉄で含浸されていなか
つた同様なフイルムでは1010オーム以上であつ
た。 実施例 7 実施例6のポリビニルアセテート/3塩化鉄フ
イルムをピロールの入つている小さなビーカーの
口の上にかざす。このピロールを加熱板上で温め
ると、数分以内でこのピロールの蒸気に曝らされ
た部分が透明黄色であつたのが暗褐色に変ること
が見られる。この曝らされた部分の表面での抵抗
を測定すると約105オーム(2つの探針、0.5cm隔
離)である。 実施例 8 3塩化鉄(0.1M)を含有する塩酸(0.01M)
の2ml中にポリビニルアルコール(0.2g)を溶
かす。得られる溶液をガラススライド上に拡げて
薄いフイルム(20ミクロン)となし室温下に1時
間乾燥させる。このガラスを背面にしたフイルム
をついで10容積%のピロールを含有するアセトニ
トリル中に浸漬すると、フイルムの色は急変し
て、透明な黄色から暗褐色に転ずる、室温下30分
を経てからこのフイルムをガラス面から取外ずし
アセトニトリルで洗浄する。得られるフイルムの
比電導度は測定するとフイルムのピロールに曝ら
された側も曝らされなかつた側もどちらも
0.03S/cmであつた。 実施例 9 ポリビニルクロライド(0.2g)を10容積%の
アニリンを含有するテトラヒドロフラン(2ml)
中に溶解する。得られる溶液を実施例1と同様に
薄い層に拡げて伸ばし室温下に1時間乾燥する。
このガラスを背面にした高分子フイルムを次には
塩酸(0.1M)に溶かした10%過硫酸アンモニウ
ム溶液中に浸漬する。室温下に1時間を経てから
このフイルムを取出し、蒸留水で洗浄し室温で1
時間乾燥させる。得られる暗緑色半透明のフイル
ムの表面抵抗は測定すると5×105オーム(2つ
の探針0.5cm隔離)であつた。 実施例 10 実施例4のポリピロール/ナイロンフアイバー
の安定度を種々の条件の下で単一のフアイバーの
一定の長さ当りの抵抗を調べることによつて試験
した。表1にその結果を示す。
【表】
実施例 11
ポリビニルアルコールの粒子(約1mm径)を3
塩化鉄水和物(0.1M)が含まれているメタノー
ル中に30分間懸濁させてから過して集め、メタ
ノールで洗浄する。得られる黄色の粒子をピロー
ル(10%)が含まれているアセトニトリル中に60
分間懸濁させると、粒子は黒色に変る。この粒子
を集め、アセトニトリルで洗浄し、ついで真空下
に一晩乾燥する。4000psiで圧縮するとこの粒子
は約5×10-4S/cmの体積電導度を示す。 実施例 12 10容積%のピロールを含有するメチレンクロラ
イド(2ml)中にポリカボネート(0.25g)を溶
かした溶液を実施例1と同様にガラススライド上
に拡げて伸ばす。得られる薄いフイルムを実施例
1の3塩化鉄溶液中に1時間浸漬する。得られる
灰色半透明のフイルムをガラス面から剥がし、水
で洗浄し真空下に乾燥する。このフイルムの比電
導度は測定すると2×10-2S/cmであつた。
塩化鉄水和物(0.1M)が含まれているメタノー
ル中に30分間懸濁させてから過して集め、メタ
ノールで洗浄する。得られる黄色の粒子をピロー
ル(10%)が含まれているアセトニトリル中に60
分間懸濁させると、粒子は黒色に変る。この粒子
を集め、アセトニトリルで洗浄し、ついで真空下
に一晩乾燥する。4000psiで圧縮するとこの粒子
は約5×10-4S/cmの体積電導度を示す。 実施例 12 10容積%のピロールを含有するメチレンクロラ
イド(2ml)中にポリカボネート(0.25g)を溶
かした溶液を実施例1と同様にガラススライド上
に拡げて伸ばす。得られる薄いフイルムを実施例
1の3塩化鉄溶液中に1時間浸漬する。得られる
灰色半透明のフイルムをガラス面から剥がし、水
で洗浄し真空下に乾燥する。このフイルムの比電
導度は測定すると2×10-2S/cmであつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a) ピロール、アニリンおよびそれらの置換
された類似体から選ばれた環式単量体を非多孔
性重合体中に拡散させるか、またはこの環式単
量体と非多孔性重合体とをそれらのための溶媒
中で共溶解させその後にこの溶媒を蒸発させ、 (b) 次いでこの含浸させた重合体を含浸させた重
合体の表面層内で、上記した環式単量体と反応
してそれを電気伝導性の重合体の酸化生成物に
変換することができる酸化剤である3価の鉄化
合物、4価のセリウム化合物、6価のモリブデ
ン、タングステンまたはクロム化合物、2価の
銅化合物、1価の銀化合物、亜硝酸塩類、キノ
ン類、過酸化物類および過酸類から成る群から
選ばれる少なくとも1つの化学酸化剤を含有す
る溶液に曝らすことからなる、電気伝導性重合
体を含浸させることによつてこの非多孔性重合
体の1mmまでの深さの表面層に電気伝導性を付
与する方法。 2 酸化的重合反応を接触するために、酸化剤に
少なくとも1種の触媒量の酸を加える特許請求の
範囲第1項記載の方法。 3 環式単量体がピロールであり、酸化剤が3塩
化鉄である特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 環式単量体がアニリンであり酸化剤が過硫酸
アンモニウムである特許請求の範囲第1項記載の
方法。 5 母体の重合体がポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルおよびポ
リウレタンから成る群から選ばれる1つである特
許請求の範囲第1項記載の方法。 6 母体の重合体が繊維、織布、またはうすいフ
イルムとして存在するものである特許請求の範囲
第1項記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US68588784A | 1984-12-24 | 1984-12-24 | |
| US685887 | 1984-12-24 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61235428A JPS61235428A (ja) | 1986-10-20 |
| JPH0419253B2 true JPH0419253B2 (ja) | 1992-03-30 |
Family
ID=24754093
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29181385A Granted JPS61235428A (ja) | 1984-12-24 | 1985-12-24 | 非多孔性重合体の表面層に電気伝導性を付与する方法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61235428A (ja) |
| AU (1) | AU576024B2 (ja) |
| BR (1) | BR8504899A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62299575A (ja) * | 1986-06-19 | 1987-12-26 | 株式会社クラレ | 導電性繊維製品及びその製造法 |
| JP5072616B2 (ja) * | 2008-01-21 | 2012-11-14 | 昭和電工株式会社 | 帯電防止膜形成用組成物の製造方法 |
| CN110105569A (zh) * | 2019-04-23 | 2019-08-09 | 太仓萃励新能源科技有限公司 | 一种银负载聚3,4-乙基二氧吡咯的合成方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4455244A (en) * | 1982-06-07 | 1984-06-19 | Standard Oil Company (Indiana) | Oxidized mannich condensation product |
| JPS61127736A (ja) * | 1984-11-26 | 1986-06-16 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 導電性樹脂複合体の製造方法 |
-
1985
- 1985-10-04 BR BR8504899A patent/BR8504899A/pt unknown
- 1985-11-12 AU AU49766/85A patent/AU576024B2/en not_active Ceased
- 1985-12-24 JP JP29181385A patent/JPS61235428A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| AU576024B2 (en) | 1988-08-11 |
| BR8504899A (pt) | 1986-07-22 |
| JPS61235428A (ja) | 1986-10-20 |
| AU4976685A (en) | 1986-07-03 |
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