JPH042064B2 - - Google Patents
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- JPH042064B2 JPH042064B2 JP62329160A JP32916087A JPH042064B2 JP H042064 B2 JPH042064 B2 JP H042064B2 JP 62329160 A JP62329160 A JP 62329160A JP 32916087 A JP32916087 A JP 32916087A JP H042064 B2 JPH042064 B2 JP H042064B2
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Description
<産業上の利用分野>
本発明は、血液流路部を、例えば酸溶液、アル
ブミン溶液、ポリヒドロキシエチルメタアクリレ
ート(以下、PHEMAという)などの化学的処
理、あるいはコロナ、プラズマなどの放電処理あ
るいはオゾン処理を施すことにより親水化して血
液に対する濡れ性を改良したハードシエル型の貯
血槽に関するものである。 <従来技術およびその問題点> 従来より医療用器具材にはさまざまなポリマー
が使われているが、一般的には疎水性のものがほ
とんどである。しかしその用途によつては、表面
の親水化処理が必要なものも少なくない。 たとえば開心術等に際には生体肺に代り体外循
環において血液中の二酸化炭素を除去し血液中に
酸素を添加するために、人工肺を組み込んだ血液
回路が用いられている。 このように人工肺を組み込んだ体外循環血液回
路においては、気泡が流入した場合にこれを除去
したり、万一回路チユーブ折れなどにより循環血
液量が減少した時に備えて、血液を貯留するため
の貯血槽が設けられている。 この貯血槽は、血液の貯血量の確認および大容
量の貯血量の確保の容易性などから、硬質部材製
のハードシエル型の貯血槽が一般的であり、人工
肺との一体化も容易なため、貯血槽を一体的に設
けた人工肺も提案されている。 しかし、このような貯血槽が疎水性であると、
血液やプライミング液が血液流路全体を使つて均
一に流れず、偏流となつて貯血部に流れ込み、気
泡を発生させるという問題があつた。 <発明が解決しようとする問題点> 従つて、本発明の目的は、血液流路面の全部ま
たは一部を親水化処理することにより血液および
プライミング液に対する濡れ性を改良し、貯血部
に流入する血液による気泡の発生を抑えた貯血槽
を提供することにある。 <問題点を解決するための手段> 本発明は、少なくとも一部が傾斜した血液流路
面と、該血液流路面の上流に位置して、ほぼ落差
のない底面を有する血液流入部と、該血液流路面
の下方に位置する貯血部と、該貯血部の下流に位
置する血液流出部とを有する貯血槽であつて、前
記血液流路面は親水性を有し、血液流入部から流
入した血液が血液流路面上を流下して貯血部に流
入する際に、血液流路面上において偏流が生じに
くく、血液流路面の全体に亙りほぼ均一に流れる
よう構成したことを特徴とする貯血槽を提供する
ものである。 ここで、前記親水性を有する血液流路面の水に
対する接触角が90゜未満、特に80゜以下であるのが
好ましい。 以下に本発明の貯血槽を人工肺組込型の貯血槽
を好適実施例として更に詳細に説明する。 人工肺と一体化されるハードシエル型貯血槽1
は、第1図に概略を示すように、血液導入口2、
この血液導入口に連通し、かつ血液導入口2より
ほぼ落差のない底面を有する血液流入部5、この
血液流入部に連通し血液流入部5より漸次下垂す
る底面を有する貯血部6およびこの貯血部6の下
部に設けられた血液排出口3を有する硬質部材に
より形成されたハウジング7を有するものであ
る。ここで、血液流入部5の底面および貯血部6
の底面あるいはさらにハウジング7の側面が血液
流路面4をなす。 このような構成を有する貯血槽は、人工肺の体
外循環回路中に設けられるが、例えば、第2図に
示すように人工肺および熱交換器と一体化された
人工肺装置となされることにより好適に用いられ
る。 第2図に示す好適実施例において、人工肺11
は円筒状のハウジング本体12およびその両開放
端部を閉鎖する取付けカバー13a,13bを有
するハウジングを具え、ハウジング内には多数の
中空糸膜14がハウジングの長手方向に沿つて並
列的に相互に離間配置されている。 そしてこれらの中空糸膜14の両端部はそれぞ
れの開口が閉塞されない状態で隔壁15a,15
bによりハウジング本体12に液密に保持されて
いる。 また、一方の取付けカバー13aとハウジング
本体12と隔壁15aとで形成される中空糸膜の
内部空間に連通するガス流入空間16にはガス流
入ポート17が、他方の取付けカバー13bとハ
ウジング本体12と隔壁15bとで形成される中
空糸膜の内部空間に連通するガス流出空間18に
はガス流出ポート19がそれぞれ連通して設けら
れている。 さらに、ハウジング本体12内壁と両隔壁15
a,15bと中空糸膜14外壁とで構成される血
液室20には血液流入口21および血液流出口2
2が連通して設けられている。 この実施態様で示される人工肺11は、中空糸
膜14の内部空間に空気等の酸素含有ガスを吹送
し、中空糸膜14の外側に血液を流してガス交換
を行なうタイプのものである。 中空糸膜14として用いられる材質としては、
通常人工肺に使用されている疎水性の膜ならいか
なるものでもよく、例えば、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリプロピレン、シリコーン等が好適
である。 この人工肺11の血液流出口22には、第1図
につき前述したような構成の貯血槽1の血液導入
口2が液密に接続されている。 一方、人工肺の血液入口21には、熱交換器2
3が取り付けられている。熱交換器23にはケー
シング24内に多数の熱交換用管体25がケーシ
ング24の長手方向に沿つて並列的に相互に離間
して配置され、そしてこの熱交換用管体25の両
端部はそれぞれの開口が閉塞されない状態で隔壁
(図示せず)によりケーシング24の側壁に液密
に保持されている。 そしてこの隔壁とケーシング24の側壁と熱交
換用管体25の外壁とで構成される空間26に
は、血液入口ポート27および前記人工肺11の
血液流入口21が連通しており、一方該空間26
と液密に区間された熱交換用管体25の内部空間
には、ケーシング24の片方の隔壁の外側に連通
する水入口ポート28および同様にケーシング2
4の他方の隔壁の外側に連通する水出口ポート
(図示せず)がそれぞれ連通するよう構成されて
いる。 従つて、この実施態様に示される熱交換器23
は、血液入口ポート27より熱交換器23に血液
が流入し熱交換用管体25の外側を流れ、そのと
き水入口ポート28より熱交換用管体25の内部
には温水または冷水が流れて、熱交換用管体15
に接触する血液を加温したり冷却したりする。し
かしながら、熱交換用管体の内部に血液を流し熱
交換用管体の外部に冷却もしくは加温媒体を流す
方式の熱交換器を同様に用いることも可能であ
る。 本発明は、第1図につき例示する貯血槽につき
説明したように、貯血槽の血液流路面の全部もし
くは一部が親水性を有するものである。血液流路
面を構成する材質自体が親水性を有するものでも
よいが、以下には親水化処理したものの例を挙げ
る。血液流路面の親水化処理方法には種々ある
が、本発明において適用が可能なものの一例とし
て次のものがある。 (1) 酸処理 用いる酸としては、KMoO4/H2SO4溶液、
K2Cr2O7/H2SO4溶液などがあるが、特に
KMoO4/H2SO4溶液が好適である。この溶液
の各成分の濃度は、KMoO40.05〜1wt%、
H2SO490〜100wt%が親水化に好ましい。 また、上記の混酸に限られず、単独の酸、例
えばH2SO4のみを用いてもよい。 (2) アルブミン水溶液処理 アルブミン水溶液は0.5〜8w/v%のものを
用いるのが親水化に好適である。 (3) PHEMA処理 PHEMAすなわちポリヒドロキシエチルメ
タアクリレートを用いて処理を行うが、その濃
度は親水化には0.05〜4wt%がよい。 (4) コロナ放電処理 コロナ放電処理とは、いわゆる材質上でコロ
ナ放電を起し、表面に親水基を導入する方法で
あり、その処理時間は要求される親水化程度に
応じて定められる。 (5) プラズマ処理 プラズマ処理とは、グロー放電によつて作ら
れた活性種を用いて高分子表面を処理する方法
であり、その処理時間は要求される親水化程度
に応じて定められる。 (6) オゾン処理 オゾン処理とは、オゾンを表面に当てること
により表面に親水性の官能基を導入する方法で
ある。その処理時間は要求される親水化程度に
応じて定められる。 以上述べたように貯血槽の親水化処理方法には
種々あるが、親水化度の評価としては水に対する
濡れ性、すなわち、水との接触角で行うのがわか
りやすい。 このとき、貯血槽の構成部材において、水との
接触角は90゜未満、好ましくは80゜以下にしておけ
ば、プライミング液および血液に対する濡れ性は
充分である。 <発明の作用> 第2図に示すような貯血槽1を人工肺11およ
び熱交換器と一体化した人工肺装置において、血
液流入ポート27より熱交換器23に流入した血
液は人工肺11の血液流入口21に至る間に加温
または冷却され、人工肺11の血液流入口21か
ら流入した血液は血液室20を通る間に中空糸膜
14を介して中空糸膜14の内部空間を流通する
酸素含有ガスとガス交換を行い、血液中の二酸化
炭素が除去され、自体で消費された酸素が供給さ
れる。 このようにして酸素を供給された血液は、人工
肺11の血液流出口22から流出し、連通する貯
血槽1の血液導入口2から貯血槽1内に流入す
る。血液導入口2より導入された血液は、この血
液導入口2に連通され、ほぼ落差のない底面を有
する血液流入部5に至り、血液流路面4をスムー
ズに送流され、静かに貯血部6内に流下し、貯留
される。 従来、この貯血槽1のハウジング7は、例え
ば、硬質塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、カーボ
ネイト樹脂などの疎水性を有する材料により形成
されていた。そのため、前記血液流路面4も疎水
性を有するため、無血プライミングを行なつた場
合、プライミング液が血液流路面4全体わたつて
流れずに偏つた流れになり、液流に乱れが生じ、
滝が池に落ちるがごとくにプライミング液が貯血
部6に流れ込み、プライミング液は貯血部6で泡
を発生させるという欠点を有していた。 本発明においては、第1図につき説明した貯血
槽1の血液流路面4が前述したような親水化方法
によつて親水化され、血液およびプライミング液
に対する濡れ性が向上されているため、血液およ
びプライミング液は血液流路面4を偏流したり、
一度に流れ込んだりすることなく、全体的に均質
な流れを形成するようになるから、ここで発泡す
るようなことはなくなる。 <実施例> 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明す
る。 比較例 第1図に示すような貯血槽を、ポリカーボネー
ト樹脂の射出成形により作製した。 実施例 1 比較例と同様に作製した貯血槽の血液流路面
を、0.4%KMnO4/concH2SO4溶液に5分間浸漬
した後、内液を排出して水洗後空気乾燥した。 実施例 2 比較例と同様に作製した人工肺に、4%アルブ
ミン溶液を満たし、30秒静置した。その後内液を
排出した後、クリーンベンチ内で風乾した。 実施例 3 比較例と同様に作製した貯血槽に、0.2w/v
%のPHEMAを含むメタノール溶液を満たし、
1分間静置した。その後内液を排出した後、クリ
ーンベンチ内で風乾した。 実施例 4 比較例で作製した貯血槽の血液流路面を、コロ
ナ放電装置(HFS202、春日電気社製)を用い、
厚さ80μmのテフロンシートを一枚巻いた幅10
mm、長さ20mmの電極に120V、6.5Aの電流を流し
てコロナ放電処理を行なつた。 実施例 5 比較例で作製した貯血槽をタンク内で、
10-1torr、30〜40℃で、100W、2minのプラズマ
処理を行つた。 実施例 6 ガラスのデシケータ中に比較例で作製した貯血
槽を入れ、デシケータ内の温度を50℃にした後、
0.8/minのO2をオゾン発生装置に流し、100V
でオゾンを発生させ、デシケータ内に流入させ
た。この処理を20分行なつた後、デシケータ内を
O2で置換した後、デシケータから取り出しオゾ
ン処理を終了した。 試験例 1 比較例および実施例1〜6で作製された貯血槽
の血液流路面の一部を切り取り、水に対する接触
角を測定したところ、表1に示す結果が得られ
た。
ブミン溶液、ポリヒドロキシエチルメタアクリレ
ート(以下、PHEMAという)などの化学的処
理、あるいはコロナ、プラズマなどの放電処理あ
るいはオゾン処理を施すことにより親水化して血
液に対する濡れ性を改良したハードシエル型の貯
血槽に関するものである。 <従来技術およびその問題点> 従来より医療用器具材にはさまざまなポリマー
が使われているが、一般的には疎水性のものがほ
とんどである。しかしその用途によつては、表面
の親水化処理が必要なものも少なくない。 たとえば開心術等に際には生体肺に代り体外循
環において血液中の二酸化炭素を除去し血液中に
酸素を添加するために、人工肺を組み込んだ血液
回路が用いられている。 このように人工肺を組み込んだ体外循環血液回
路においては、気泡が流入した場合にこれを除去
したり、万一回路チユーブ折れなどにより循環血
液量が減少した時に備えて、血液を貯留するため
の貯血槽が設けられている。 この貯血槽は、血液の貯血量の確認および大容
量の貯血量の確保の容易性などから、硬質部材製
のハードシエル型の貯血槽が一般的であり、人工
肺との一体化も容易なため、貯血槽を一体的に設
けた人工肺も提案されている。 しかし、このような貯血槽が疎水性であると、
血液やプライミング液が血液流路全体を使つて均
一に流れず、偏流となつて貯血部に流れ込み、気
泡を発生させるという問題があつた。 <発明が解決しようとする問題点> 従つて、本発明の目的は、血液流路面の全部ま
たは一部を親水化処理することにより血液および
プライミング液に対する濡れ性を改良し、貯血部
に流入する血液による気泡の発生を抑えた貯血槽
を提供することにある。 <問題点を解決するための手段> 本発明は、少なくとも一部が傾斜した血液流路
面と、該血液流路面の上流に位置して、ほぼ落差
のない底面を有する血液流入部と、該血液流路面
の下方に位置する貯血部と、該貯血部の下流に位
置する血液流出部とを有する貯血槽であつて、前
記血液流路面は親水性を有し、血液流入部から流
入した血液が血液流路面上を流下して貯血部に流
入する際に、血液流路面上において偏流が生じに
くく、血液流路面の全体に亙りほぼ均一に流れる
よう構成したことを特徴とする貯血槽を提供する
ものである。 ここで、前記親水性を有する血液流路面の水に
対する接触角が90゜未満、特に80゜以下であるのが
好ましい。 以下に本発明の貯血槽を人工肺組込型の貯血槽
を好適実施例として更に詳細に説明する。 人工肺と一体化されるハードシエル型貯血槽1
は、第1図に概略を示すように、血液導入口2、
この血液導入口に連通し、かつ血液導入口2より
ほぼ落差のない底面を有する血液流入部5、この
血液流入部に連通し血液流入部5より漸次下垂す
る底面を有する貯血部6およびこの貯血部6の下
部に設けられた血液排出口3を有する硬質部材に
より形成されたハウジング7を有するものであ
る。ここで、血液流入部5の底面および貯血部6
の底面あるいはさらにハウジング7の側面が血液
流路面4をなす。 このような構成を有する貯血槽は、人工肺の体
外循環回路中に設けられるが、例えば、第2図に
示すように人工肺および熱交換器と一体化された
人工肺装置となされることにより好適に用いられ
る。 第2図に示す好適実施例において、人工肺11
は円筒状のハウジング本体12およびその両開放
端部を閉鎖する取付けカバー13a,13bを有
するハウジングを具え、ハウジング内には多数の
中空糸膜14がハウジングの長手方向に沿つて並
列的に相互に離間配置されている。 そしてこれらの中空糸膜14の両端部はそれぞ
れの開口が閉塞されない状態で隔壁15a,15
bによりハウジング本体12に液密に保持されて
いる。 また、一方の取付けカバー13aとハウジング
本体12と隔壁15aとで形成される中空糸膜の
内部空間に連通するガス流入空間16にはガス流
入ポート17が、他方の取付けカバー13bとハ
ウジング本体12と隔壁15bとで形成される中
空糸膜の内部空間に連通するガス流出空間18に
はガス流出ポート19がそれぞれ連通して設けら
れている。 さらに、ハウジング本体12内壁と両隔壁15
a,15bと中空糸膜14外壁とで構成される血
液室20には血液流入口21および血液流出口2
2が連通して設けられている。 この実施態様で示される人工肺11は、中空糸
膜14の内部空間に空気等の酸素含有ガスを吹送
し、中空糸膜14の外側に血液を流してガス交換
を行なうタイプのものである。 中空糸膜14として用いられる材質としては、
通常人工肺に使用されている疎水性の膜ならいか
なるものでもよく、例えば、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリプロピレン、シリコーン等が好適
である。 この人工肺11の血液流出口22には、第1図
につき前述したような構成の貯血槽1の血液導入
口2が液密に接続されている。 一方、人工肺の血液入口21には、熱交換器2
3が取り付けられている。熱交換器23にはケー
シング24内に多数の熱交換用管体25がケーシ
ング24の長手方向に沿つて並列的に相互に離間
して配置され、そしてこの熱交換用管体25の両
端部はそれぞれの開口が閉塞されない状態で隔壁
(図示せず)によりケーシング24の側壁に液密
に保持されている。 そしてこの隔壁とケーシング24の側壁と熱交
換用管体25の外壁とで構成される空間26に
は、血液入口ポート27および前記人工肺11の
血液流入口21が連通しており、一方該空間26
と液密に区間された熱交換用管体25の内部空間
には、ケーシング24の片方の隔壁の外側に連通
する水入口ポート28および同様にケーシング2
4の他方の隔壁の外側に連通する水出口ポート
(図示せず)がそれぞれ連通するよう構成されて
いる。 従つて、この実施態様に示される熱交換器23
は、血液入口ポート27より熱交換器23に血液
が流入し熱交換用管体25の外側を流れ、そのと
き水入口ポート28より熱交換用管体25の内部
には温水または冷水が流れて、熱交換用管体15
に接触する血液を加温したり冷却したりする。し
かしながら、熱交換用管体の内部に血液を流し熱
交換用管体の外部に冷却もしくは加温媒体を流す
方式の熱交換器を同様に用いることも可能であ
る。 本発明は、第1図につき例示する貯血槽につき
説明したように、貯血槽の血液流路面の全部もし
くは一部が親水性を有するものである。血液流路
面を構成する材質自体が親水性を有するものでも
よいが、以下には親水化処理したものの例を挙げ
る。血液流路面の親水化処理方法には種々ある
が、本発明において適用が可能なものの一例とし
て次のものがある。 (1) 酸処理 用いる酸としては、KMoO4/H2SO4溶液、
K2Cr2O7/H2SO4溶液などがあるが、特に
KMoO4/H2SO4溶液が好適である。この溶液
の各成分の濃度は、KMoO40.05〜1wt%、
H2SO490〜100wt%が親水化に好ましい。 また、上記の混酸に限られず、単独の酸、例
えばH2SO4のみを用いてもよい。 (2) アルブミン水溶液処理 アルブミン水溶液は0.5〜8w/v%のものを
用いるのが親水化に好適である。 (3) PHEMA処理 PHEMAすなわちポリヒドロキシエチルメ
タアクリレートを用いて処理を行うが、その濃
度は親水化には0.05〜4wt%がよい。 (4) コロナ放電処理 コロナ放電処理とは、いわゆる材質上でコロ
ナ放電を起し、表面に親水基を導入する方法で
あり、その処理時間は要求される親水化程度に
応じて定められる。 (5) プラズマ処理 プラズマ処理とは、グロー放電によつて作ら
れた活性種を用いて高分子表面を処理する方法
であり、その処理時間は要求される親水化程度
に応じて定められる。 (6) オゾン処理 オゾン処理とは、オゾンを表面に当てること
により表面に親水性の官能基を導入する方法で
ある。その処理時間は要求される親水化程度に
応じて定められる。 以上述べたように貯血槽の親水化処理方法には
種々あるが、親水化度の評価としては水に対する
濡れ性、すなわち、水との接触角で行うのがわか
りやすい。 このとき、貯血槽の構成部材において、水との
接触角は90゜未満、好ましくは80゜以下にしておけ
ば、プライミング液および血液に対する濡れ性は
充分である。 <発明の作用> 第2図に示すような貯血槽1を人工肺11およ
び熱交換器と一体化した人工肺装置において、血
液流入ポート27より熱交換器23に流入した血
液は人工肺11の血液流入口21に至る間に加温
または冷却され、人工肺11の血液流入口21か
ら流入した血液は血液室20を通る間に中空糸膜
14を介して中空糸膜14の内部空間を流通する
酸素含有ガスとガス交換を行い、血液中の二酸化
炭素が除去され、自体で消費された酸素が供給さ
れる。 このようにして酸素を供給された血液は、人工
肺11の血液流出口22から流出し、連通する貯
血槽1の血液導入口2から貯血槽1内に流入す
る。血液導入口2より導入された血液は、この血
液導入口2に連通され、ほぼ落差のない底面を有
する血液流入部5に至り、血液流路面4をスムー
ズに送流され、静かに貯血部6内に流下し、貯留
される。 従来、この貯血槽1のハウジング7は、例え
ば、硬質塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、カーボ
ネイト樹脂などの疎水性を有する材料により形成
されていた。そのため、前記血液流路面4も疎水
性を有するため、無血プライミングを行なつた場
合、プライミング液が血液流路面4全体わたつて
流れずに偏つた流れになり、液流に乱れが生じ、
滝が池に落ちるがごとくにプライミング液が貯血
部6に流れ込み、プライミング液は貯血部6で泡
を発生させるという欠点を有していた。 本発明においては、第1図につき説明した貯血
槽1の血液流路面4が前述したような親水化方法
によつて親水化され、血液およびプライミング液
に対する濡れ性が向上されているため、血液およ
びプライミング液は血液流路面4を偏流したり、
一度に流れ込んだりすることなく、全体的に均質
な流れを形成するようになるから、ここで発泡す
るようなことはなくなる。 <実施例> 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明す
る。 比較例 第1図に示すような貯血槽を、ポリカーボネー
ト樹脂の射出成形により作製した。 実施例 1 比較例と同様に作製した貯血槽の血液流路面
を、0.4%KMnO4/concH2SO4溶液に5分間浸漬
した後、内液を排出して水洗後空気乾燥した。 実施例 2 比較例と同様に作製した人工肺に、4%アルブ
ミン溶液を満たし、30秒静置した。その後内液を
排出した後、クリーンベンチ内で風乾した。 実施例 3 比較例と同様に作製した貯血槽に、0.2w/v
%のPHEMAを含むメタノール溶液を満たし、
1分間静置した。その後内液を排出した後、クリ
ーンベンチ内で風乾した。 実施例 4 比較例で作製した貯血槽の血液流路面を、コロ
ナ放電装置(HFS202、春日電気社製)を用い、
厚さ80μmのテフロンシートを一枚巻いた幅10
mm、長さ20mmの電極に120V、6.5Aの電流を流し
てコロナ放電処理を行なつた。 実施例 5 比較例で作製した貯血槽をタンク内で、
10-1torr、30〜40℃で、100W、2minのプラズマ
処理を行つた。 実施例 6 ガラスのデシケータ中に比較例で作製した貯血
槽を入れ、デシケータ内の温度を50℃にした後、
0.8/minのO2をオゾン発生装置に流し、100V
でオゾンを発生させ、デシケータ内に流入させ
た。この処理を20分行なつた後、デシケータ内を
O2で置換した後、デシケータから取り出しオゾ
ン処理を終了した。 試験例 1 比較例および実施例1〜6で作製された貯血槽
の血液流路面の一部を切り取り、水に対する接触
角を測定したところ、表1に示す結果が得られ
た。
【表】
試験例 2
比較例および実施例1〜6で作製された貯血槽
について、貯血部に300mlの生理食塩水を貯めた
状態で、血液流路面に同じく生理食塩水を4/
minで流し、血液流路面での生理食塩水の流れ方
および貯血部での泡の発生を観察した。その結果
を表2に示す。
について、貯血部に300mlの生理食塩水を貯めた
状態で、血液流路面に同じく生理食塩水を4/
minで流し、血液流路面での生理食塩水の流れ方
および貯血部での泡の発生を観察した。その結果
を表2に示す。
【表】
<発明の効果>
本発明の貯血槽は、特に血液流路面が親水性を
有するので、プライミング液および血液に対する
濡れ性が極めてすぐれる。 従つて、ほぼ落差のない底面を有する血液流入
部を含む血液流路面を流れる血液が偏つた流れに
ならず、均一に流下するので、血液が血液流路面
から貯血部に流入する際の気泡の発生を抑えるこ
とができる。
有するので、プライミング液および血液に対する
濡れ性が極めてすぐれる。 従つて、ほぼ落差のない底面を有する血液流入
部を含む血液流路面を流れる血液が偏つた流れに
ならず、均一に流下するので、血液が血液流路面
から貯血部に流入する際の気泡の発生を抑えるこ
とができる。
第1図は、本発明および従来例に適用される貯
血槽の一実施例を示す縦断面図である。第2図
は、本発明に適用される中空糸膜を有する人工肺
装置を示す一部切欠正面図である。 符号の説明、1……貯血槽、2……血液導入
口、3……血液導出口、4……血液流路面(血液
接触面)、5……血液流入部、6……貯血部、1
1……人工肺、14……中空糸膜、14a……中
空糸膜外壁(血液接触面)、16……ガス流入空
間、17……ガス流入ポート、18……ガス流出
空間、19……ガス流出ポート、20……血液
室、21……血液流入口、22……血液流出口、
23……熱交換器、25……熱交換用管体、27
……血液入口ポート、28……水入口ポート。
血槽の一実施例を示す縦断面図である。第2図
は、本発明に適用される中空糸膜を有する人工肺
装置を示す一部切欠正面図である。 符号の説明、1……貯血槽、2……血液導入
口、3……血液導出口、4……血液流路面(血液
接触面)、5……血液流入部、6……貯血部、1
1……人工肺、14……中空糸膜、14a……中
空糸膜外壁(血液接触面)、16……ガス流入空
間、17……ガス流入ポート、18……ガス流出
空間、19……ガス流出ポート、20……血液
室、21……血液流入口、22……血液流出口、
23……熱交換器、25……熱交換用管体、27
……血液入口ポート、28……水入口ポート。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくとも一部が傾斜した血液流路面と、該
血液流路面の上流に位置して、ほぼ落差のない底
面を有する血液流入部と、該血液流路面の下方に
位置する貯血部と、該貯血部の下流に位置する血
液流出部とを有する貯血槽であつて、前記血液流
路面は親水性を有し、血液流入部から流入した血
液が血液流路面上を流下して貯血部に流入する際
に、血液流路面上において偏流が生じにくく、血
液流路面の全体に亙りほぼ均一に流れるよう構成
したことを特徴とする貯血槽。 2 前記親水性を有する血液流路面の水に対する
接触角が90゜未満である特許請求の範囲第1項記
載の貯血槽。 3 前記接触角が80゜以下である特許請求の範囲
第2項記載の貯血槽。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62329160A JPH01170470A (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | 貯血槽 |
| AU27448/88A AU611244B2 (en) | 1987-12-25 | 1988-12-22 | Medical instrument |
| US07/288,868 US5211913A (en) | 1987-12-25 | 1988-12-23 | Medical instrument |
| DE3854424T DE3854424T2 (de) | 1987-12-25 | 1988-12-23 | Medizinisches Instrument. |
| EP88403321A EP0323341B1 (en) | 1987-12-25 | 1988-12-23 | Medical instrument |
| US08/009,759 US5429802A (en) | 1987-12-25 | 1993-01-27 | Medical instrument |
| US08/439,240 US5582794A (en) | 1987-12-25 | 1995-05-11 | Medical instrument |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62329160A JPH01170470A (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | 貯血槽 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01170470A JPH01170470A (ja) | 1989-07-05 |
| JPH042064B2 true JPH042064B2 (ja) | 1992-01-16 |
Family
ID=18218314
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62329160A Granted JPH01170470A (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | 貯血槽 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01170470A (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60246762A (ja) * | 1984-05-22 | 1985-12-06 | 川澄化学工業株式会社 | 体外循環回路用ドリツプチヤンバ− |
| JPH026045Y2 (ja) * | 1985-06-25 | 1990-02-14 | ||
| JPS6243565U (ja) * | 1985-09-05 | 1987-03-16 |
-
1987
- 1987-12-25 JP JP62329160A patent/JPH01170470A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01170470A (ja) | 1989-07-05 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |