JPH04211380A - ヒトプロテインcのグリコシル化突然変異体の発現のためのベクターおよび化合物 - Google Patents
ヒトプロテインcのグリコシル化突然変異体の発現のためのベクターおよび化合物Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は新規なチモーゲン(酵素前駆体)
型ヒトプロテインCをコードしている新規なDNA化合
物および組換えDNAベクターに関する。この本発明チ
モーゲンは操作されて、そのグリコシル化のパターンが
天然のヒトプロテインCチモーゲンと比較して大幅に改
変されている。炭水化物部分が高いレベルでシアル酸を
含有している場合には特に、グリコシル化はタンパク質
の分泌と機能性に重要な役割を果たし得る。本発明の新
規チモーゲンは、グリコシル化部位それぞれが個別に改
変しているよう構築されている。本発明の発現ベクター
は組換え宿主細胞において本発明のヒトプロテインCチ
モーゲンを発現することのできる簡単かつ効率的な手段
を提供するものである。本発明は、アミド分解活性およ
び抗凝血活性が活性化されれば天然型よりも高くなるよ
うなチモーゲン型プロテインCを生産するための方法に
関する。この新規チモーゲン型ヒトプロテインCは、種
々のグリコシル化部位のアミノ酸配列が当業界周知のも
のと異なっている。本発明の新規チモーゲン型プロテイ
ンCは凝血に関連した血液疾患を処置するうえで特に有
益である。 【0002】ビタミンK依存性血漿タンパク質であるプ
ロテインCは、ホメオスタシス(恒常性)の制御にとっ
て生理学的に極めて重要なものである。プロテインCは
、本明細書においては形成期プロテインCと呼んでいる
不活性な分子として合成される。形成期プロテインCは
、以下でより詳細に説明するように、複雑なプロセッシ
ングを受けて多くの種々の不活性分子を生じさせる。分
泌された不活性なプロテインCを本明細書ではチモーゲ
ンプロテインCと呼ぶことにする。プロテインCの活性
化は、トロンボモジュリン−トロンビン複合体が関与し
ている反応によって血液中で起こる。活性化プロテイン
Cは、そのコファクターであるプロテインSと共に、重
要な生理学的意義を有する抗凝血物質である。活性化プ
ロテインCは血管内の血栓形成を予防することができ、
また既に存在している血餅の広がりを抑制することがで
きる。活性型プロテインCの作用機序、および不活性な
チモーゲンが活性プロテアーゼに活性化される機序は最
近になって明らかにされた[概説としては、ガーディナ
ー(J.E.Gardiner)およびグリフィン(J
.H.Griffin)のProgress in H
ematology,13巻,265−278頁,エル
マー・ビー・ブラウン(Elmer B.Brown)
編,Grune and Stratton, Inc
.,1983、およびエスモン(Esmon,N.I.
)のProg.Hemost.Thromb.9:29
−55(1989)を参照のこと]。 【0003】プロテインCの活性化には、トロンビン、
凝血カスケードにおける最終セリンプロテアーゼ、およ
びトロンボモジュリンと呼ばれる内皮細胞膜−関連糖タ
ンパク質が関係している。トロンボモジュリンは、トロ
ンビンと一緒になって堅くて化学量論的な複合体を形成
する。トロンボモジュリンは、トロンビンと複合体化す
ると、トロンビンの機能性を劇的に変化させる。トロン
ビンは通常、フィブリノーゲンを凝固させ(clot)
、血小板を活性化し、そして凝固コファクターである第
Vおよび第VIII因子をそれぞれの活性型であるVa
およびVIIIaに変換させる。そして最後にトロンビ
ンはプロテインCを活性化するが、それは極めて遅く、
非効率的でしかなく、さらにその活性化は生理学的Ca
2+によって阻害される。これとは対照的に、トロンボ
モジュリンと複合体化したトロンビンはフィブリノーゲ
ンを凝固させず、血小板を活性化せず、または凝固コフ
ァクターである第V因子および第VIII因子をそれぞ
れ活性型の第Va因子および第VIIIa因子に変換さ
せないが、生理学的Ca2+の存在下、プロテインCチ
モーゲンの非常に効率的なアクチベーターになる。トロ
ンボモジュリン−トロンビンによるプロテインCチモー
ゲンの活性化の速度定数は、トロンビン単独の速度定数
よりも1,000倍も高い。 【0004】活性化プロテインCがどのようにして血液
凝固を低下調節(down−regulate)するの
かを理解するため、以下に凝血酵素系の簡単な説明を行
う。凝血系は、活性セリンプロテアーゼに至るチモーゲ
ンの一連の活性化に関連した連鎖反応と見なすのが最良
である。この連鎖反応は結果としてトロンビン酵素を産
生させるが、このトロンビン酵素は限定タンパク質分解
反応を介して血漿フィブリノーゲンを不溶性ゲルのフィ
ブリンに変換する酵素である。この凝血カスケードにお
ける2つの重要な事象は、凝固因子IXaによる凝固因
子XからXaへの変換、および凝固因子Xaによるプロ
トロンビンからトロンビンへの変換である。これら両反
応は共に、細胞表面上、最も顕著には血小板表面上で起
こり、そして両反応ともコファクター(補助因子)を必
要とする。この系中において主要なコファクターである
第V因子および第VIII因子は、比較的不活性な前駆
体として循環しているが、トロンビン分子が最初に幾つ
か形成されれば、トロンビンはループバック(loop
back)し、限定タンパク質分解を介してそれらコ
ファクターを活性化する。活性化されたコファクターで
ある第Va因子および第VIIIa因子はプロトロンビ
ンのトロンビンへの変換、および第X因子の第Xa因子
への変換をそれぞれ約5ケタの大きさだけ促進させる。 活性化プロテインCは、不活性な凝固因子である第Vお
よび第VIII因子の活性型である凝固コファクター第
Va因子および第VIIIa因子に対して優先的に作用
し、それらをタンパク質分解的に崩壊し、加水分解しそ
して不可逆的に破壊する。これとは対照的に、凝固因子
第Vおよび第VIII因子は、インビボにおいては、非
常に僅かしか反応しない活性化プロテインCに対する基
質である。 【0005】活性化プロテインCについての重要なコフ
ァクターは、別のビタミンK依存性血漿タンパク質であ
るプロテインSである。プロテインSは、第Va因子お
よび第VIIIa因子の活性化プロテインC介在性加水
分解を25倍実質的に増大させる。 【0006】プロテインCは、価値ある治療物質として
認識されている[例えば、1988年10月4日発行の
バング(Bang)らの米国特許第4,775,624
号を参照のこと]。活性化プロテインCは、例えばヘパ
リンおよび経口用ヒドロキシクマリン型抗凝血物質など
の入手し得る抗凝血物質よりも広い治療指数を有する新
規な抗血栓物質である。凝固因子Vの第Va因子への変
換、および第VIII因子の第VIIIa因子への変換
にはトロンビンが必要とされ、これら2つのコファクタ
ーの活性型は活性化プロテインCにとって優先的な基質
であるので、チモーゲンプロテインCまたは活性化プロ
テインCはいずれもトロンビンが生成されるまで機能し
ない。さらに、チモーゲンプロテインCが活性化される
には、トロンビンが必要であるが、その理由はトロンボ
モジュリン−トロンビン複合体が無ければ、プロテイン
Cチモーゲンはその活性型に効率的に変換されないから
である。 【0007】活性化プロテインCは、コファクター第V
aおよび第VIIIa因子を不活化することによって機
能するものであり、したがって需要性のある抗凝血物質
である。トロンビンは第Vおよび第VIII因子をそれ
らの活性型である第Vaおよび第VIIIa因子に変換
するのに必要であるので、プロテインCのみがトロンビ
ンが生成された後に抗凝血物質として機能する。このよ
うな活性化プロテインCとは対照的に、従来の抗凝血物
質は患者に投与されている限りは循環している間一定の
抗凝血状態を保持するので、出血という合併症発現の危
険性がプロテインCまたは活性化プロテインC以上に実
質的に増大される。したがって、活性化プロテインCは
、ヘパリンおよびヒドロキシクマリン類に替わる薬物と
して広範に臨床応用され得る需要性ある抗凝血物質であ
る。 【0008】遺伝的なプロテインC欠乏症など、ある種
の疾患症状では、プロテインCチモーゲンの治療学的重
要性は極めて高くなる。先天的なホモ接合性(homo
zygous)のプロテインC欠乏症では、罹患個体は
、しばしば致死的な散在性血管内凝血という病態である
電撃性紫斑病のために幼少年期に死亡してしまう。ヘテ
ロ接合性(heterozygous)のプロテインC
欠乏症では、罹患個体は重篤な再発性血栓塞栓症に見舞
われる。B型血友病または第IX因子欠乏症を処置する
よう設計された、不純物としてプロテインCを含有する
血漿タンパク質濃縮物は、ヘテロ接合性プロテインC欠
乏症における血管内凝血の予防および処置に有用である
ことが臨床的に十分確立されている。さらに、散在性血
管内凝血症などの血栓状態、ならびに重い外傷、重い手
術および癌などの、血栓症にかかり易くなった疾病状態
においては、プロテインCレベルが異常に低いことも注
目されている。 【0009】プロテインCの活性化および本発明の理解
を助けるため、形成期ヒトプロテインCのコード化配列
および対応するアミノ酸残基配列を以下に記載する。こ
のアミノ酸残基配列およびその相当する部分はさらに、
本発明の目的に沿って「天然ヒトプロテインC」の特性
をも表すものである。 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 [配列中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルであり、AL
Aはアラニン、ARGはアルギニン、ASNはアスパラ
ギン、ASPはアスパラギン酸、−COOHはカルボキ
シ末端、CYSはシステイン、GLNはグルタミン、G
LUはグルタミン酸、GLYはグリシン、HISはヒス
チジン、H2N−はアミノ末端、ILEはイソロイシン
、LEUはロイシン、LYSはリジン、METはメチオ
ニン、PHEはフェニルアラニン、PROはプロリン、
SERはセリン、THRはスレオニン、TRPはトリプ
トファン、TYRはチロシン、およびVALはバリンで
ある] 【0010】上記のDNA配列は、ヒトプロテインCを
コードしているヒト肝mRNAから調製されたcDNA
クローンから誘導された。当業者ならば、遺伝子コード
の同義性により、上記と同じアミノ酸残基配列をコード
する多くの異なるDNA配列を構築することができるこ
とは理解されよう。したがって、形成期ヒトプロテイン
Cの上記cDNA配列は、多くのあり得る形成期ヒトプ
ロテインCのコード化配列のうちのただ1つに過ぎない
。 cDNAクローンを構築するに当たっては、5’ポリG
配列、3’ポリC配列、および5’と3’とのPstI
制限酵素認識配列をプロテインCコード化cDNAの両
末端に作成した。これら2つのcDNAクローンを操作
して、形成期ヒトプロテインCのコード化配列とさらに
そのコード化領域の5’および3’末端における非翻訳
mRNAをコードするDNA部分をも含有しているDN
A分子を構築した。このDNA分子をプラスミドpBR
322のPstI部位に挿入し、プラスミドpHC7を
構築した。 したがって、プラスミドpHC7は上記のコード化配列
を含有しており、さらに形成期ヒトプロテインCコード
化配列の暗号鎖における5’および3’末端にそれぞれ
以下に記載の配列を付加的に含有している(ここでもそ
の分子の一方のストランド(鎖)のみを記載する):【
化8】 【0011】DNA塩基対の相補性により、2本鎖DN
A分子の一方の鎖の配列を描けば、反対の鎖の配列を決
定するのに十分である。プラスミドpHC7は、ノーザ
ン・リージォナル・リサーチ・ラボラトリー(NRRL
)[ペオリア、イリノイ]に寄託されており、そのパー
マネント・ストック・カルチャー・コレクションの一部
を構成している菌株、E.coli(大腸菌) K12
RR1/pHC7から常法に従って単離することがで
きる。E.coli K12 RR1/pHC7の培養
物は、受託番号NRRL B−15926の下に入手可
能である。プラスミドpHC7の制限部位および機能地
図を添付の図2に示す。 【0012】形成期プロテインCは以下のように模式図
的に表すことができる: 【化9】 プレ−プロ−プロテインCの分泌およびγ−カルボキシ
ル化の指令にとって重要である、シグナルペプチドおよ
びヒトプロテインCのプロ−ペプチドをコードしている
形成期ヒトプロテインCの1−42のアミノ酸残基であ
る。 LC−翻訳後修飾を受けるとプロテインCの2鎖チモー
ゲン(以下に記載するように、KRジペプチドの除去に
より1鎖チモーゲンから形成される)および活性型の両
方の軽鎖(LC)を構成する形成期プロテインCの43
−197アミノ酸残基である。 【0013】KR−形成期ヒトプロテインCの198−
199アミノ酸残基である。これらの残基は、まず(1
97−198または199−200残基間のいずれかが
)開裂され、次いでカルボキシペプチダーゼまたはアミ
ノペプチダーゼ作用を受けるという2段階反応によって
おそらくは除去される(これはウシプロテインCとの相
同性に基づいている)と考えられ、それにより2鎖プロ
テインCが生成される。 AP−チモーゲン型プロテインCから除去されて活性化
プロテインCを生成させる、活性ペプチドを構成してい
る形成期プロテインCの200−211アミノ酸残基で
ある。 AHC−翻訳後修飾を受けると活性プロテインCの活性
化重鎖(AHC)を構成する形成期プロテインCの21
2−461アミノ酸残基である。 HC−翻訳後修飾を受けると2鎖型プロテインCチモー
ゲンの重鎖を構成するアミノ酸残基200−461のA
PおよびAHCである。 【0014】ヒトプロテインCチモーゲンは、肝臓で合
成され、血中に存在しているセリンプロテアーゼ前駆体
である。プロテインCが完全な生物学的活性を発現する
ためには、ビタミンKを要する翻訳後修飾が必要とされ
る。成熟した2鎖のジスルフィド連結したプロテインC
チモーゲンは1鎖のチモーゲンから限定タンパク質分解
によって生成される。この限定タンパク質分解は、19
8および199アミノ酸残基の開裂および除去を包含し
ていると考えられる。この活性セリンプロテアーゼへの
2鎖チモーゲンの活性化はARG−LEUペプチド結合
(211および212残基)のタンパク質分解的開裂を
包含する。この後者の開裂により、2鎖チモーゲン分子
の比較的大きい(重)鎖のアミノ末端を構成する活性ペ
プチド、ドデカペプチド(200−211残基)が遊離
される。プロテインCは有意にグリコシル化されている
。すなわち、血漿由来のその成熟酵素は15−23%の
炭水化物を含有していると言われる。プロテインCはさ
らに、γ−カルボキシグルタミン酸およびβ−ヒドロキ
シアスパラギン酸(エリスロ−L−β−ヒドロキシアス
パルテート)などの、普通のアミノ酸でないものを多く
含有している。γ−カルボキシグルタミン酸(gla)
は、コファクター(補酵素)としてビタミンKを必要と
する肝ミクロゾームのカルボキシラーゼによるグルタミ
ン酸残基のγ−グルタミルカルボキシル化によって産生
される。 【0015】ヒトプロテインCの活性化も模式図的に表
すことができるので、それを以下に記載する。当業者で
あれば、この模式図で示された工程の順序がインビボに
おける経路順を必ずしも反映していないことは理解され
よう。 【化10】 【0016】本発明は、新規なプロテインCチモーゲン
の新規化合物、ベクター、形質転換体、およびそれを組
換え的に発現させる方法を提供するものである。本明細
書に記載している本発明の目的に沿って、以下のように
用語を定義する。 【0017】Ad2LP−2型アデノウイルスの主要な
後期プロモーター。 タンパク質またはペプチド中におけるアミノ酸残基は本
明細書においては以下の表1に記載する略語を使用して
いる: 【表1】 【0018】ApR−アンピシリン耐性表現型またはそ
れを付与する遺伝子。 BK−BKウイルス由来のDNA。 Enhまたはエンハンサー−BKウイルスのエンハンサ
ー。 epまたはSV40ep−T−抗原遺伝子のSV40初
期プロモーター、T−抗原結合部位、SV40エンハン
サー、およびSV40複製起点を含有するDNAセグメ
ント。 γ−カルボキシル化−グルタミン酸のγ−炭素にカルボ
キシ基を付加する反応。 γ−カルボキシル化タンパク質−幾つかのグルタミン酸
残基がγ−カルボキシル化を受けているタンパク質。 GBMT転写ユニット−アデノウイルスの主要な後期プ
ロモーターの上流調節要素に近づいて配置しているBK
ウイルスのP2エンハンサー(MLTF)、アデノウイ
ルス−2の主要な後期プロモーター、該プロモーターを
刺激する位置にあるポリ−GT要素、およびアデノウイ
ルスのスプライスされたトリパータイト(tripar
tite)リーダー配列を含むDNA配列を含有してい
る修飾された転写制御ユニット。このGBMT転写ユニ
ットはプラスミドpGT−hの約900塩基対のHin
dIII制限フラグメント上に見いだされる。 【0019】IVS−イントロンをコードしているDN
Aであって、介在配列とも呼ばれる。 MMTpro−マウスメタロチオネイン−I遺伝子のプ
ロモーター。 形成期タンパク質−mRNA転写物の翻訳の際に生成さ
れるポリペプチドであって、翻訳後修飾を受ける前のも
の。しかし、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル化お
よびアスパラギン酸残基のヒドロキシル化などの翻訳後
修飾は、タンパク質がmRNA転写物から完全に翻訳さ
れる前に起こり始めている場合がある。 NeoR−ネオマイシン耐性付与遺伝子であり、これは
抗生物質G418に対する耐性を付与するのにも使用す
ることができる。 【0020】pA−ポリアデニル化シグナルをコードし
ているDNA配列。 プロモーター−DNAをRNAに転写させるDNA配列
。 プロテインC活性−タンパク質分解的、アミド分解的、
エステル分解的および生物学的(抗凝血またはプロフィ
ブリン分解的)な活性に関与しているヒトプロテインC
の性質。タンパク質の抗凝血活性の試験方法は当業界周
知であり、グリンネル(Grinnell)らのBio
technology5:1189(1987)に記載
されている。 組換えDNAクローニングベクター−1つまたはそれ以
上の付加的なDNAセグメントを追加できるか、または
既に追加されているDNA分子を含有する物質であって
、例えば染色体に組込む因子、自律的に複製するプラス
ミド、およびファージがあるが、これらに限定されない
。 【0021】組換えDNA発現ベクター−プロモーター
が組み込まれており、それが遺伝子産物を発現するよう
に配置されている組換えDNAクローニングベクター。 組換えDNAベクター−組換えDNAクローニングまた
は発現ベクター。 レプリコン−プラスミドまたは他のベクターの自律的複
製を行わしめ、それを制御しているDNA配列。 制限フラグメント−1つまたはそれ以上の制限エンドヌ
クレアーゼ酵素の作用によって生成される線状DNA配
列。 感受性宿主細胞−特定の抗生物質または他の毒性化合物
の存在下では、それらの耐性を付与するDNAセグメン
トが無いために増殖することができない宿主細胞。 【0022】TcR−テトラサイクリン耐性表現型また
はそれを付与する遺伝子。 形質転換−受容宿主細胞の表現型を変化させるその受容
細胞へのDNAの導入。 形質転換体−形質転換を受けた受容宿主細胞。 翻訳活性化配列−mRNA転写物をペプチドまたはポリ
ペプチドに翻訳させるDNA配列であって、5’−AT
G−3’などの翻訳開始コドンおよびリボソーム結合部
位をコードしているDNA配列を含有するもの。 チモーゲン(酵素前駆体)−タンパク質分解酵素の酵素
学的に不活性な前駆体。本明細書で使用しているプロテ
インCチモーゲンとは、分泌された不活性型の1鎖また
は2鎖いずれかのプロテインCを意味する。 【0023】本明細書に添付の図面はすべて正確な縮尺
で描いていない。図1はプラスミドpLPC−Q097
、図2はpLPC−Q248、図3はpLPC−Q31
3、図4はpLPC−Q329、図5はpGTC、図6
はpGT−d、図7はpGT−hの制限部位および機能
地図をそれぞれ示している。 【0024】本発明は新規なチモーゲン型ヒトプロテイ
ンCの発現をコードしているDNA化合物を提供するも
のである。天然のヒトプロテインCチモーゲンおよび天
然のヒトプロテインCの生産方法はいくつか開示されて
いる[1988年10月4日発行のバングらの米国特許
第4,775,624号および欧州特許公開第2155
48号を参照のこと]。これらの従来の方法では、ヒト
の血中に存在するヒトプロテインCのチモーゲン型とは
アミノ酸配列が相違していないヒトプロテインCチモー
ゲン型を発現することができる。ヒト腎293セルライ
ンなどの特定の真核生物セルラインで発現させた場合、
ヒト血中に見いだされるチモーゲン型とは類似していな
い新規なグリコシル化パターンを有する天然ヒトプロテ
インCチモーゲンが分泌される。 【0025】本発明は、アミノ酸残基配列における部位
−特異的な変化によってグリコシル化パターンが改変さ
れたチモーゲン型ヒトプロテインCを提供するものであ
る。これらチモーゲン型を活性化した場合、天然のヒト
プロテインCと比較してアミド分解活性および抗凝血活
性が増大している。本発明はさらに、これら新規チモー
ゲン型プロテインCのDNA化合物、組換えDNA発現
ベクター、形質転換されたセルライン、およびこれらを
組換え的に発現させる方法を提供するものである。本発
明のチモーゲン型ヒトプロテインCを産生するための方
法は下記の工程(A)、(B)および(C)からなる方
法である: (A)真核生物宿主細胞を形質転換するに当たり、(i
)アミノ末端からカルボキシ末端にかけてアミノ酸配列
: 【化11】 [配列中、R1はASNまたはGLN、R2はASNま
たはGLN、R3はASNまたはGLN、R4はASN
またはGLNである] を含有するアミノ酸残基配列をコードしているDNA配
列、および (ii)該DNA配列を発現させるよう配置されている
プロモーターを含有する組換えDNAベクターを使用し
、(B)工程Aによって形質転換された該宿主細胞を該
DNA配列が発現され得る条件下で培養し、そして(C
)得られた培養物から該プロテインCチモーゲン型を回
収すること。この方法およびこの方法に有用な化合物に
ついては以下でより詳細に説明する。 【0026】本発明はさらに、これら新規なチモーゲン
型ヒトプロテインCを生産するための方法に有用である
DNA化合物を提供するものである。これら新規な化合
物はすべて、分泌を促すシグナルペプチド、および(ビ
タミンK依存性カルボキシラーゼの作用により)γ−カ
ルボキシル化されたタンパク質由来のプロペプチドを含
有するプレ−プロペプチドをコードしている。このよう
なプロペプチド配列は当業界周知である。例えば、シュ
ッティー(Suttie)らのProc.Natl.A
cad.Sci.,U.S.A.84:634−637
(1987)を参照のこと。好ましくは、また簡便に構
築するには、シグナルペプチドコード化配列およびプロ
ペプチドコード化配列の両者をγ−カルボキシル化タン
パク質のプレ−プロペプチドのアミノ酸残基配列から誘
導する。このようなγ−カルボキシル化タンパク質とし
ては、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロトロ
ンビン、プロテインS、プロテインZ、およびプロテイ
ンCが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の
ベクターに使用するには、ヒトプロテインCのプレ−プ
ロペプチドをコードしているDNA配列が最も好ましい
。 【0027】本発明のDNA化合物はさらに、プレ−プ
ロペプチドコード化配列の下流に隣接して位置し、かつ
それとの翻訳解読枠内にあるヒトプロテインCの軽鎖を
コードするコード化配列を含有している。このヒトプロ
テインCの軽鎖は、上記従来技術の項で説明した形成期
プロテインCの43から197個のアミノ酸残基をすべ
て含有している。ビタミンK依存性血漿タンパク質のア
ミノ末端部分、例えばプロテインCの軽鎖のアミノ末端
部分はカルシウム結合部位を有している。第VII因子
、第IX因子、第X因子、プロトロンビンおよびプロテ
インSなどのこれら血漿タンパク質のカルシウム結合ド
メインは、ヒトプロテインCの軽鎖のカルシウム結合ド
メインと同等の態様で使用することができる[欧州特許
公開第0215548A1号の12頁および13頁を参
照のこと]。本発明の新規なチモーゲン型の1つ(Q0
97)は、軽鎖内の139位におけるアスパラギン残基
がグルタミン残基に変化していることから、そのグリコ
シル化部位が除去されている。 【0028】本発明のDNA化合物はさらに、その軽鎖
コード化配列の下流に隣接して位置し、かつそれとの翻
訳解読枠内にあるジペプチド、LYS−ARG(KR)
をコードしているコード化配列をも含有している。LY
S−ARGなどの二塩基性ジペプチドが形成期タンパク
質内における軽鎖のカルボキシ−末端側に配置されてい
る。LYS−ARGジペプチドの発現タンパク質内にお
ける方向性は、本発明では問題でない。LYS−LYS
またはARG−ARGなどの二塩基性ジペプチドも本発
明では、LYS−ARGジペプチドと同様に使用できる
。しかし、天然のヒトプロテインC内のジペプチドであ
るLYS−ARGジペプチドが本発明にとっては好まし
い。 【0029】LYS−ARGジペプチドのコドンの直ぐ
下流は、活性ペプチドのコード化配列である。当業者で
あれば、本発明のチモーゲン型は、以下に説明するよう
に天然のヒトプロテインCチモーゲン型とは本来的に異
なっていることは理解されよう。 【0030】軽鎖の139位における置換に加えて他の
アミノ酸の置換も、得られたチモーゲンのアミド分解活
性および抗凝血活性を増大させ得る。この「得られたチ
モーゲン」なる用語では、形成期ヒトプロテインC内に
おけるアミノ酸の位置を引用して置換を表しているが、
(アミノ酸残基1から42の除去の結果として)第1に
分泌されてチモーゲン型になっていなければならない形
成期ヒトプロテインC、を示すために用いている。した
がって、(形成期ヒトプロテインC内の)139位のア
スパラギン残基をグルタミン残基と置換すると、本発明
の新規なチモーゲンが得られる。290、355または
371位のアスパラギン残基をグルタミン残基と置換さ
せても、本発明の新規なチモーゲン型が得られる。 【0031】このように本発明の好ましい新規チモーゲ
ン型ヒトプロテインCは、以下の(化12)で示される
アミノ酸残基配列を有する形成期ヒトプロテインC分子
の分泌およびプロセッシングの結果として得られる:【
化12】 [配列中、R1はASNまたはGLN、R2はASNま
たはGLN、R3はASNまたはGLN、R4はASN
またはGLNである]。 【0032】新規チモーゲンQ097は、139位のア
スパラギン残基がグルタミン残基と置換している。チモ
ーゲンQ248は、290位のアスパラギン残基がグル
タミン残基と置換している。チモーゲンQ313は35
5位のアスパラギン残基がグルタミン残基と置換してお
り、チモーゲンQ329は371位のアスパラギン残基
がグルタミン残基と置換している。 【0033】当業者ならば、遺伝子コードの同義性によ
り、種々のDNA化合物が上記のポリペプチドをコード
することができることを理解するであろう。したがって
、以下に記載する構築方法、および本発明の好ましいD
NA化合物、ベクターおよび形質転換法に対応する実施
例は単なる例示であって、本発明の範囲を限定するもの
ではない。さらに、ASNに代わってGLNを置換する
ことは例示であり、本発明の範囲を限定するものではな
く、CYSまたはPROを除く他の置換を使用すること
もできるであろう。また、当業者ならば、本発明の種々
の単一アミノ酸置換を組み合わせれば、他の新規チモー
ゲンが作成されることは理解されよう。 【0034】本発明のDNA化合物はすべて、ヒトプロ
テインC遺伝子の部位特異的突然変異によって調製した
。そして、突然変異チモーゲンをコードしている分子を
真核生物発現ベクター中にそのチモーゲン遺伝子がアデ
ノウイルス−2の主要な後期プロモーターによって発現
されるように挿入した。このベクターは、そのプロモー
ターからの発現を増強するよう配置されているBKウイ
ルスのP2エンハンサー要素をも含有している。その得
られたベクターを大腸菌(Escherichia c
oli)K12 AG1細胞に導入し、ノーザン・リー
ジォナル・リサーチ・ラボラトリー[イリノイ6160
4、ペオリア]に1990年1月9日に寄託してそのパ
ーマネント・ストック・カルチャー・コレクションを形
成させた。具体的な培養物および受託番号を以下の表2
に示す。 【0035】 【表2】 培養物
受託番号 E.c
oli(大腸菌)K12 AG1/pLPC−Q097
NRRL B−18608
E.coli(大腸菌)K12 AG1/pLP
C−Q248 NRRL B−18609
E.coli(大腸菌)K12 A
G1/pLPC−Q313 NRRL B−
18610 E.coli(大腸菌
)K12 AG1/pLPC−Q329 N
RRL B−18611 【0036】それ
らの培養物を入手し、常法によってプラスミドを単離し
、次いでそれを直接真核生物宿主細胞にトランスフェク
トすれば、チモーゲン型のヒトプロテインCを産生させ
ることができる。アデノウイルスE1A即時型(imm
ediate−early)遺伝子産物を発現する宿主
細胞内にプラスミドを導入することは、そのベクター上
に見いだされるBKエンハンサーがE1Aの存在下に発
現性を最も効率的に増大させるので、好ましい。当業者
ならば、多くの宿主細胞が大きなDNAウイルスの即時
型遺伝子産物を発現し、またはそれを発現するように調
製できることは十分に理解されよう。好ましいセルライ
ンはヒト腎293セルライン(アメリカン・タイプ・カ
ルチャー・コレクションから受託番号ATCC CRL
1573の下に入手可能である)またはシリアンハム
スターセルラインAV12(ATCC9595)である
。ヒト胚腎セルライン293が最も好ましいのである。 【0037】より高いレベルの発現を得るためには、種
々のチモーゲン型プロテインCをコードしている遺伝子
をその寄託されているベクターから切り出し、GBMT
転写制御ユニットを含有するベクター中に連結すればよ
い。具体的には、そのGBMTユニットによって駆動さ
れる天然ヒトプロテインC遺伝子を含有するプラスミド
pGT−hを受託番号NRRL B−18592の下に
NRRLから(E.coli K12 AG1として)
入手すればよい。GM48(NRRL B−15725
)などの、E.coli のdam ̄メチラーゼ菌株中
からプラスミドDNAを単離した後に制限酵素BclI
でそのプラスミドを消化することによって、プラスミド
バックボーンを開裂させる。得られた個々のプラスミド
からBclI消化によって新規チモーゲン遺伝子をそれ
ぞれ取り出すことができる。そのベクターバックボーン
を精製し、脱リン酸化し、次いで本発明の新規チモーゲ
ン遺伝子をBclI部位に連結する。次いで、発現され
るようにGBMT転写ユニットの後方に配置している新
規チモーゲン遺伝子を含有するプラスミドを293細胞
中に導入し、培養し、得られた培養物から当業界周知の
方法によって新規チモーゲンを精製すればよい。ヒトプ
ロテインCを細胞培養物から精製する1つの方法は、1
990年4月11日公開のヤン(Yan)の欧州特許公
開第0363126号に開示されている。 【0038】本発明の化合物はさらに本発明の形成期タ
ンパク質の分泌の際に生成されるチモーゲン型をも包含
している。したがって、本発明の化合物には、DNAコ
ード化配列、この配列を発現させる発現ベクター、この
コード化配列から生成されるmRNA転写物の翻訳の際
に生成される形成期タンパク質、この形成期タンパク質
の分泌の際に生成されるチモーゲン、およびそのチモー
ゲンの特定のものの活性化誘導体が包含される。 【0039】本発明のDNA化合物は化学的に、または
制限フラグメントを結合させて、または当業界既知の方
法を組み合わせて合成することができる。DNAの合成
装置も入手可能であり、それを使用して本発明の化合物
を構築することができる。 【0040】本発明の例示ベクターは、本発明のコード
化配列のアデノウイルス主要後期プロモーターによる転
写を刺激する位置にあるBKエンハンサーを含有してい
る。当業者は、大多数の真核生物プロモーター、エンハ
ンサー、および発現ベクターが当業界周知であり、それ
らが本発明の方法に使用できることを認識している。当
業者はさらに、真核生物発現ベクターはエンハンサー要
素が無くても機能できることを認識している。本発明の
重要な局面は、プロテインCチモーゲンを発現させるた
めに使用する特定のエンハンサー、またはプロモーター
にあるのではなく、本発明の新規コード化配列およびそ
の配列から生成される対応タンパク質にある。 【0041】しかし、プロモーター、エンハンサーおよ
び選択マーカーなどのベクター要素の選択性は、真核生
物宿主細胞によって産生されるタンパク質の最終レベル
に対して多大の影響を与える。1987年11月19日
公開の欧州特許公開第0245949号には、形成期ヒ
トプロテインCを発現させる位置にある真核生物プロモ
ーターを刺激するためのBKエンハンサーを利用する、
天然チモーゲンプロテインCのための多くの発現ベクタ
ーが開示されている。これらのベクターは、アデノウイ
ルスのE1A遺伝子産物のような大きなDNAウイルス
の即時型遺伝子産物をも発現させる真核生物細胞内に導
入した場合に特に高いレベルで発現させる。本明細書に
開示する例示ベクターpGT−Q097−h、pGT−
Q248−h、pGT−Q313−h、およびpGT−
329−hから明らかなように、GBMT−E1A遺伝
子産物の発現方法は本発明のベクターを用いて行う場合
に特に好ましい。 【0042】本発明の用途は特定の真核生物宿主細胞に
限定されるものではない。種々の真核生物宿主細胞がア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATC
C)[MD20852,ロックビル]などの寄託機関か
ら入手可能であり、本発明のベクターに使用するのに適
している。 具体的な宿主細胞の選択性の幅は、本発明のプロテイン
Cコード化DNA化合物を発現させるのに使用される特
定の発現ベクターによってある程度左右される。しかし
、形成期ヒトプロテインCおよび本発明の形成期ヒトプ
ロテインC誘導体は実質的に翻訳後修飾を受けるので、
宿主細胞の中には本発明のベクターに使用する上で比較
的好ましいものがある。欧州特許公開第0245949
号、およびグリンネル(Grinnell)らのBio
/Technology 5:1189(1987)に
は、ヒトプロテインCのようなγ−カルボキシル化タン
パク質の組換え的生産に使用するには、アデノウイルス
により形質転換されたヒト胚腎セルラインが特に好まし
いことが開示されている。このようなアデノウイルス形
質転換ヒト胚腎セルラインの1つは、受託番号ATCC
CRL 1573の下にATCCから入手され得る2
93セルラインである。この293セルラインも本発明
のベクターと共に使用するのに好ましい。 【0043】しかしながら、ヒトプロテインCチモーゲ
ンなどのγ−カルボキシル化タンパク質をアデノウイル
ス−形質転換セルラインにおいて産生させる利点が、ア
デノウイルス形質転換ヒト胚腎細胞に限定されるもので
はない。事実、アデノウイルス形質転換細胞は一般にγ
−カルボキシル化ヒトプロテインC生産のための宿主と
して普通よりも優れたものである。このタイプの1つの
特に好ましいセルラインは、受託番号ATCC CRL
9595の下にATCCから入手され得るAV12−
664(以下「AV12」と呼称する)セルラインであ
る。 AV12セルラインは、シリアン(Syrian)ハム
スターの首筋にヒトアデノウイルス12を注射し、得ら
れた腫瘍から細胞を単離することによって構築した。以
下に記載の実施例3は、例示ベクターpGT−Q097
−hを使用して293およびAV12セルラインの両者
を形質転換する方法を説明するものである。 【0044】本発明のベクターは種々の真核生物、特に
哺乳動物の宿主細胞を形質転換でき、そして発現させる
ことができる。安定な真核生物形質転換体を単離して同
定するための選択マーカーを保持していない本発明のベ
クターは、一時検定の目的ばかりでなく、同時形質転換
(cotransformation)[1983年8
月26日発行の米国特許第4,399,216号に記載
されている操作]にとっても有用である。本発明のベク
ターはさらにE.coli での複製を可能にする配列
をも含有しており、それは他の宿主生物よりもE.co
li においてプラスミドDNAを調製するうえで効率
的なのが通常である。 【0045】本発明のベクターに含有されているヒトプ
ロテインCのコード化配列は、その構造遺伝子に付随す
る特定のプロモーターが機能する宿主細胞内で発現され
る。本発明に使用するのに適している宿主細胞を以下の
表3に例示する。適当な脚注も記載している。 【0046】 【表3】 宿主細胞 起源
供給元
脚注HepG−2 ヒト肝臓肝
芽腫 *ATCC # HB 806
5 米国特許第4,393,
133号
にはこのセ
ルラインの使用が
記載されているCV−1 アフリ
カミドリザル腎臓 ATCC # CCL 70LL
C−MK2原体 アカゲザル腎臓
ATCC # CCL 7LLC−MK2誘導体
アカゲザル腎臓 ATCC #
CCL 7.1 ATCC番号CCL7より
も速く増殖する3T3
マウス胚線維芽細胞 ATCC # CC
L 92CHO−K1 チャイニーズ
ハムス ATCC # CCL 61
プロリン要求性。 ター卵巣
この宿主からは、
dhfr−誘導化D
XB11
などのCHO−K1の誘
導体を生成させる
ことができる。 HeLa ヒト子宮頚上皮様
ATCC # CCL 2RPMI822
6 ヒト骨髄腫
ATCC # CCL 155 IgGλ−型
軽鎖分泌
性。 H4IIEC3 ラット肝癌
ATCC # CRL 1600
この宿主からは、
8−アザグアニン耐
性のFAZA宿主細胞
などの誘
導体を生
成させることがで
き
る。 C127I マウス線維芽細胞
ATCC # CRL 1616HS−S
ultan ヒト形質細胞腫
ATCC # CRL 1484BHK−21
幼若ハムスター腎臓 AT
CC # CCL 10
*:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クション、メリーランド20852−1776、ロック
ビル、パークローン・ドライブ12301番 【0047】上記表3に示しているように、多くの哺乳
動物宿主細胞は、本発明の形成期タンパク質のシグナル
ペプチドを認識し、適切にプロセッシングするための必
須細胞メカニズムを有しており、また血漿中に存在する
ヒトプロテインCで観察されるような、グリコシル化、
γ−カルボキシル化およびβ−ヒドロキシル化などの翻
訳後修飾を行うことができる。しかし、既述したように
、HPCの最適の翻訳後プロセッシングはアデノウイル
ス−形質転換細胞にて起こる。以下に記載する広範なベ
クターが上記の真核生物宿主細胞の形質転換用に存在す
るが、例示しているベクターは本発明の範囲の限定を意
図するものではない。 【0048】pSV2型ベクターは、規定された真核生
物転写ユニット、すなわちプロモーター(ep)、介在
配列(IVS)およびポリアデニル化(pA)部位を構
成するSV40ゲノムのセグメントを含有している。S
V40のT−抗原が存在しない場合は、プラスミドpS
V2型のベクターは哺乳動物および他の真核生物宿主細
胞をそれら宿主細胞の染色体DNAへの組込みによって
形質転換する。種々のプラスミドpSV2型ベクター、
例えばSV40プロモーターが挿入遺伝子を転写させる
ものであるプラスミドpSV2−gpt、pSV2−n
eo、pSV2−dhfr、pSV2−hyg、および
pSV2−β−グロビンが構築されている[コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー,コールド・スプ
リング・ハーバー,ニューヨークによって発行されたグ
ルッツマン(Gluzman)編のEukaryoti
c Viral Vectors(1982)を参照の
こと]。これらのベクターは、本発明のコード化配列に
使用するのに適しており、アメリカン・タイプ・カルチ
ャー・コレクション(ATCC)またはノーザン・リー
ジォナル・リサーチ・ラボラトリー(NRRL)のいず
れかから入手可能である。 【0049】プラスミドpSV2−dhfr(ATCC
37146)は、SV40初期プロモーターの制御下
にあるネズミジヒドロ葉酸リダクターゼ(dhfr)遺
伝子を含有している。適切な条件下では、dhfr遺伝
子は宿主の染色体において増幅し、または複製すること
が知られている。シムケ(Schimke)のCell
37:703−713(1984)によって概説され
ているこの増幅法は、dhfr遺伝子に近接するDNA
配列、例えば本発明の形成期ヒトプロテインCをコード
している配列などに適用することができ、したがって本
発明のプロテインCチモーゲンの生産性を増大させるた
めに使用することができる。 【0050】本発明の形成期プロテインCおよびプロテ
インCチモーゲンを哺乳動物および他の真核生物宿主細
胞内で発現させるために構築したプラスミドは、広範な
範囲のプロモーターを利用することができる。本発明は
、本明細書に例示している特定の真核生物プロモーター
の使用に限定されるものではない。SV40後期プロモ
ーター、またはブッチャー(Bucher)らのNuc
l.Acids.Res. 14(24):1009(
1986)に開示されている真核生物プロモーター、ま
たは例えばエストロゲン−誘発性ニワトリオバルブミン
遺伝子、インターフェロン遺伝子、糖質コルチコイド誘
発性チロシン・アミノトランスフェラーゼ遺伝子、チミ
ジンキナーゼ遺伝子、および主要な初期および後期アデ
ノウイルス遺伝子などの真核生物遺伝子由来のプロモー
ターは容易に単離することができ、真核生物宿主細胞に
おいてヒトプロテインCチモーゲンを産生するように設
計した組換えDNA発現ベクター上に使用できるよう修
飾することが可能である。真核生物プロモーターは直列
して(タンデムとして)、本発明のコード化配列を発現
させるために使用することができる。さらには、広範な
真核生物宿主細胞を感染する多くのレトロウイルスが知
られている。そのレトロウイルスDNA内の長い末端反
復配列(long terminal repeats
)はプロモーター活性をコードしていることが多く、し
たがってそれも本発明のコード化配列を発現させるため
に使用することができる。 【0051】プラスミドpRSVcat(ATCC 3
7152)は、ニワトリおよび他の宿主細胞を感染する
ことで知られている、ロウス肉腫ウイルス(RSV)(
Rous Sarcomavirus)の長い末端反復
配列を含有している。このRSVの長い末端反復配列は
、プラスミドpRSVcatの〜0.76kb Nde
I−HindIII制限フラグメント上に単離すること
ができる。RSVの長い末端反復配列[ゴールマン(G
orman)らのP.N.A.S.79:6777(1
982)]は、本発明のベクターに使用するのに適して
いる。プラスミドpMSVi(NRRL B−1592
9)は、マウスおよび他の宿主細胞を感染することで知
られているネズミ肉腫ウイルス(MSV)の長い末端反
復配列を含有している。これらの反復配列は、本発明の
ベクターにおけるプロモーターとして使用するのに適し
ている。マウスメタロチオネイン(MMT)プロモータ
ーも真核生物宿主細胞で使用できるものとして十分に特
性化されており、本発明のベクター内で使用するのに適
している。このMMTプロモーターは、本発明の他のプ
ラスミドを構築するための出発物質として使用できる、
15kb のプラスミドpdBPV−MMTneo(A
TCC 37224)内に存在している。 【0052】本発明の例示DNA配列およびプラスミド
には多くの修飾および改変が可能である。例えば、遺伝
子コードの同義性により、コードされているポリペプチ
ドのコード化配列は変化させないで、ポリペプチドコー
ド化領域の全域にわたってのヌクレオチド、および翻訳
終止シグナル内のヌクレオチドを置換することができる
。このような置換可能な配列は、ヒトプロテインCの既
知のアミノ酸またはDNA配列から推定することができ
、そしてそれらは以下に記載の常法である合成法または
部位−特異的突然変異法によって構築することができる
。合成法は、イタクラらのScience 198:1
056(1977)およびクレア(Crea)らのPr
oc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.7
5:5765(1978)に実質的にしたがって実施す
ればよい。このように、本発明は、例示している特定の
DNA配列およびプラスミドに限定されるものではない
。 【0053】本発明のベクターを真核生物宿主細胞内に
導入した後では、選択可能な表現型に基づいて形質転換
体を選択することができる。この選択可能な表現型は、
発現ベクター上または宿主細胞内にその発現ベクターと
一緒に同時形質転換した他のベクター上に存在している
、いずれかの選択マーカーによって付与することができ
る。形質転換体を選択したなら、望ましくは、いずれの
形質転換体がその発現ベクターによってコードされてい
る所望のタンパク質を最も高いレベルで発現しているか
を同定する。このような同定法は、選択マーカーを含有
しているプラスミドのみを含有しており発現ベクターを
含有していない多くの形質転換体が生成される方法であ
る、同時形質転換法の場合には特に重要である。以下に
記載の実施例4では、所望のタンパク質を発現し、かつ
分泌する細胞を同定するためばかりでなく、分泌された
タンパク質の量をその方法によって他の細胞との比較に
おいて定量するためのプロトコールについて、説明して
いる。このプロトコールは所望のタンパク質を最も高い
レベルで分泌している生細胞を単離するのにも使用する
ことができる。 【0054】チモーゲン型ヒトプロテインCを活性化プ
ロテインC(APC)に活性化するための活性化方法は
従来技術であり、当業者には周知である。プロテインC
の活性化はトロンビン単独で、またはトロンビン/トロ
ンボモジュリン複合体によって、またはラッセルのヘビ
毒液(Russell’s viper venom)
によって、または広範な他の手段によって行うことがで
きる。プロテインCチモーゲンの活性は全アミド分解検
定または抗凝血検定のいずれかに基づいてトロンビン活
性化を追跡することによって測定することができる。ト
ロンビンの活性化およびプロテインC活性検定(アミド
分解および抗凝血性)をグリンネンらのBiotech
nology 5:1187−1192(1987)の
教示通りに行った。ヒトプロテインC炭水化物突然変異
体の特定のアミド分解活性を以下の表4に示す。 【0055】 【表4】 アミド分解活性
抗凝血活性a) 機能的活性の AP
C型 (U/mg)
(%) 相対的レベルc)
天然APC 32±10
119±24 1 Q097
80±10 118±11
2.5 Q248
NDb) ND
ND Q313
52±8 98±8
1.4 Q329 116±
16 128±21 3
.9 a)APTT検定によって測定した活性化プロテイ
ンCの量をアミド分解検定によって測定した量で割り算
する。 b)測定せず。 c)天然APCと比較した相対的アミド分解活性と相対
的抗凝血活性との積。 【0056】表4の検定で使用しているチモーゲン分子
の定量はELISA検定によって行ったが、その検定に
は、野生型分子と同じ程度で上記突然変異体または誘導
体と反応することができないモノクローナル抗体であっ
て、その野生型分子によって惹起させたものを使用した
。したがって、タンパク質含量に基づいてさらに精製し
、定量することにより、以下の表5に示すデータを得た
。 【0057】 【表5】
機能的活性(単位/mg)
アミド分解活性
抗凝血活性 HPC型
(対−野生型HPC) (対
−血漿野生型HPC) 血漿−由来
ND
250(1) 野生型APC
35 ± 5 (1)(n=7)
325 ± 65 (1.3)(n=5)
Q097 32 ± 4 (
0.9)(n=10) 303 ±
33 (1.2)(n=3) Q248
63 ± 12 (1.8)(n=8)
669 ± 172 (2.7)(n
=3) Q313 52 ±
7 (1.5)(n=9) 62
7 ± 99 (2.5)(n=3) Q329
47 ± 6 (1.4)(n=
9) 516 ± 29 (2.1
)(n=3) 最初の括弧内の数字は、血漿由来のHPCの活性に
対する倍率である。2番目の括弧は、二重試験または3
重試験で測定した独立した試料数(n)を示している。 【0058】上記表5に示した誘導体の増大した抗凝血
活性に加えて、突然変異Q313は、増大されたトロン
ビンに対する親和性を示し、トロンビン単独による、ま
たはコファクターであるトロンボモジュリンとの複合体
としての活性化速度を約3倍増大せしめた。この速度の
増大は、より感受性の高い臨床用のチモーゲン型プロテ
インCを作成するうえで有用であり、かつチモーゲン型
プロテインCを開裂して活性化プロテインCを作成する
ための産生方法を改良するうえでも有用である。チモー
ゲンQ313の活性化の速度論的パラメーターを以下の
表6に示す。 【0059】 【表6】 基質 Km
kcat kcat/Km
(μM)
(分−1) (分−1mM−
1) 野生型HPC 6.1 ± 0.45 n=3
480±14 79Q313
1.9 ± 0.50 n=4
380±14 200 上記の結果は、3つの独立した測定値の平均である
。 それぞれの値は、非直線回帰分析で測定した。 【0060】活性化プロテインCは、静脈内血栓の広が
りを防止し、動脈血栓の形成を予防し、そしてグラム陰
性敗血症、内毒血症および散在性血管内凝血に由来する
死および器官損傷を予防するための抗−血栓特性を本質
的に有している。特に重要なことは、本発明の活性化プ
ロテインC誘導体の増大した機能的活性により、安全性
の幅が拡大されると共に、上記の臨床適応症に投与する
投与量を減少させることができることである。 【0061】本発明の活性化組換えプロテインCチモー
ゲンは、深部静脈血栓、肺動脈塞栓症、末梢動脈血栓、
心臓または末梢動脈に起因する塞栓症、急性心筋梗塞、
血栓性発作、および播種性(散在性)血管内凝血などの
、血管内凝血に関連した広範な範囲の後天性疾患を処置
および予防するのに有用である。これらプロテインC誘
導体はさらに、再発性深部静脈血栓を提示するヘテロ接
合性プロテインC欠乏症に罹患した顕著に多い患者を処
置する場合、および電撃性紫斑病を伴ったホモ接合性プ
ロテインC欠乏症患者の場合にも効率的に使用すること
ができる。活性化プロテインCの治療上魅力的な適応例
は、低用量のヘパリンで処理するのが普通である深部静
脈血栓および肺動脈塞栓の予防である。 【0062】同様に、本発明のプロテインC誘導体は、
血小板機能を抑制できる薬物、経口用抗凝血物質または
それらの併用療法など、現在使用されている処置法では
満足できるほどに処置または予防できていない、けい動
脈において最も顕著な、末梢動脈の血栓に由来する塞栓
の処置にも使用することができる。 【0063】本発明の活性化誘導体は一旦活性化される
とプロ−フィブリン溶解性を有するので、急性の心筋梗
塞の処置に対しても有用である。これらの活性化誘導体
は急性期の心筋梗塞では組織プラスミノーゲンアクチベ
ーターと共に投与することができる。閉塞性の冠状動脈
血栓が溶解した後に、本発明の活性化誘導体をさらに数
日投与すれば、急性心筋梗塞の再発を予防することがで
きる。 【0064】活性化プロテインCは散在性血管内凝血の
処置に有用である。散在性血管内凝血症(DIC)に罹
患した患者に対しては膨大な臨床試験としてヘパリンお
よび経口用抗凝血物質が投与されてきたが、その成績は
期待はずれであった。散在性血管内凝血症では、活性化
プロテインCは、本発明のチモーゲンと同様に従来の抗
凝血物質よりも遥かに有用であった。 【0065】従来の抗凝血薬、特にワーファリンは侵食
性悪性腫瘍の処置に有用である。多くの腫瘍細胞は、局
所のフィブリン沈着をもたらす凝血系の活性化を誘発さ
せる物質を産生する。これらのフィブリン沈着は、癌細
胞が分裂して転移性損傷を形成し得る「病巣」として機
能する。しかし、ワーファリンまたは他の従来から抗凝
血物質療法は血小板数を著しく下落させ、かつ血小板減
少症はワーファリン療法と相俟って重篤な出血合併症の
許容できない高い危険性を患者に招来するので、これら
を投与することはできない。従来の抗凝血物質よりも選
択的であり、かつヘパリンまたは経口用抗凝血物質のい
ずれよりも治療指数の高い本発明のプロテインC誘導体
は活性化プロテインCと同様に、血小板減少症の患者に
比較的安全に投与することができ、したがって本発明の
活性化プロテインC誘導体を併用した効果的かつ集中的
な治療法を侵食癌の患者に施すことができる。 【0066】本発明のチモーゲンおよびその活性化体は
周知の方法にしたがって製剤化でき、本発明のヒトプロ
テインCチモーゲンまたは活性化プロテインCを医薬的
に許容できる担体ビヒクルを含有する混合物と混合する
ことによって、医薬的に有用な組成物とすることができ
る。適当な担体ビヒクルおよび他のヒトタンパク質、例
えばヒト血清アルブミンを含有するその製剤は、例えば
Remington’s Pharmaceutica
l Science 16版,1980[Mack P
ublishing Co.,オソル(Osol)ら編
]に記載されている。 このような組成物は、適量の担体ビヒクルと共に有効量
のプロテインCチモーゲンまたはその活性化体を含有し
、宿主に効率的に投与するのに適している医薬的に許容
し得る組成物である。プロテインC組成物は非経口的に
、またはその有効な形態で血流に供給できる他の方法に
よって投与することができる。 【0067】以下に実施例を記載し、方法、ならびに本
発明の代表的化合物、ベクターおよび形質転換体の構築
プロトコールについて説明するが、これらは本発明の範
囲を限定するものではない。 【0068】 実施例1 プラスミドpLPC−Q097の単離 大腸菌(E.coli)K12 AG1/pLPC
−Q097の凍結乾燥品をノーザン・リージォナル・リ
サーチ・ラボラトリー[イリノイ61604,ペオリア
]から受託番号NRRL B−18608の下に入手す
る。その凍結乾燥品を、LB培地[1リットル当たりバ
クト(Bacto)−トリプトン10g、バクト−酵母
エキス5gおよびNaCl 10g;pHを7.5に調
節]10ml を入れた試験管中にデカントし、32℃
で2時間インキュベートし、得られた培養物をアンピシ
リン50μg/ml に調整し、次いで37℃で一晩イ
ンキュベートする。 【0069】その一晩培養物を少量、50μg/ml
アンピシリンを含有するLB−寒天(15g/Lバクト
−寒天を含むLB培地)平板上に入れ、E.coli
K12 AG1/pLPC−Q097の単一のコロニー
単離物が得られるようにする。得られた単一コロニーを
50μg/ml アンピシリンを含有するLB培地10
ml に接種し、激しく振盪させながら37℃で一晩イ
ンキュベートした。その一晩培養物10ml を50μ
g/ml アンピシリンを含有するLB培地500ml
中に接種し、激しく振盪させながらインキュベートし
てその培養物を定常期に至らしめた。 【0070】以下の操作法は、マニアチス(Mania
tis)らのMolecular Cloning(コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー)(19
82)を改作したものである。 【0071】4℃における4000G、10分の遠心に
よって細胞を採取し、上清を捨てた。得られた細胞ペレ
ットを氷冷STE緩衝液[0.1M NaCl、10m
M トリス−HCl pH7.8、および1mM ED
TA]100ml 中で洗浄した。洗浄後、細胞ペレッ
トを5mg/ml リゾチームを含有する溶液1[50
mM グルコース、25mM トリス−HCl pH8
.0、および10mM EDTA]10ml 中に再懸
濁し、次いで室温に10分間放置した。 次いで、溶液2[0.2N NaOHおよび1%SDS
]20ml をリゾチーム処理細胞に加え、得られた溶
液を反転させて穏やかに混合した。この混合物を氷上で
10分間インキュベートした。 【0072】氷冷5M 酢酸カリウム(pH4.8)1
5ml を上記の細胞溶解−細胞混合物に加え、反転さ
せて溶液を混合した。その溶液を氷上で10分間インキ
ュベートした。氷酢酸11.5ml を水28.5ml
および5M 酢酸カリウムに加え、5M 酢酸カリウ
ム溶液を調製した(得られた溶液は、カリウムについて
は3M、酢酸については5M である)。 【0073】その細胞溶解混合物をベックマンSW27
(またはそれと同等の装置)によって4℃で20,00
0rpm、20分間遠心した。得られた細胞DNAおよ
び残骸は管の底にペレットを形成した。上清約36ml
を回収し、0.6容量のイソプロパノールを加え、混
合し、得られた溶液を室温で15分間放置した。そのプ
ラスミドDNAを12,000G、30分(室温)の遠
心によって採取した。上清を捨て、DNAペレットを7
0%エタノールで洗浄した(室温)。エタノール洗液を
デカントし、得られたペレットを真空乾燥機中で乾燥さ
せた。次いで、そのペレットをTE緩衝液[10mM
トリス−HCl pH8.0、および1mM EDTA
]8ml 中に再懸濁した。 【0074】CsCl(8g)をそのDNA溶液に加え
た。 臭化エチジウムの10mg/ml 水溶液約0.8ml
を各CsCl−DNA溶液10ml に加えた。この
溶液の最終密度は約1.55g/ml であり、臭化エ
チジウム濃度は約600μg/ml であった。この溶
液をベックマン50型遠心管に移し、パラフィン油で上
端まで満たし、栓をし、20℃で24時間45,000
rpmで遠心した。遠心後、DNAの2つのバンドが普
通光で観察された。その遠心管から栓をとり、次いで2
1番皮下注射針を遠心管の側面から挿入して低いほうの
DNAバンドを取り出した。 【0075】水−飽和1−ブタノールで数回抽出するこ
とにより臭化エチジウムを除去した。TE緩衝液に対し
て透析し、CsClを除去した。緩衝化フェノールで、
次いでクロロホルムで抽出した後、沈殿させ、得られた
DNAを70%エタノールで洗浄し、乾燥した。プラス
ミドpLPC−Q097約1mgが入手され、それを濃
度約1μg/μl でTE緩衝液中に4℃で保存した。 プラスミドpLPC−Q097の制限部位および機能地
図を添付の図1に示す。同様にして、プラスミドpLP
C−Q248、pLPC−Q313、およびpLPC−
Q329も、NRRLから入手可能なそれらの対応宿主
細胞から単離される。それらプラスミドの制限部位およ
び機能地図を添付の図面にそれぞれ示す。 【0076】 実施例2 プラスミドpGT−Q097−hの構築 プラスミド
pLPC−Q097、pLPC−Q248、pLPC−
Q313およびpLPC−Q329は、ヒトプロテイン
Cチモーゲンを高レベルで産生させるためには、真核生
物宿主細胞(好ましくは293細胞)に直接導入すれば
よい。この突然変異チモーゲンをコードしている遺伝子
がGBMT転写ユニットから駆動されるようなベクター
にその遺伝子を連結させれば、タンパク質の発現性およ
び分泌性を極めて高くすることができる。 【0077】プラスミドpGTCは、野生型ヒトプロテ
インCチモーゲン遺伝子がGBMT転写ユニットによっ
て駆動されているベクターの1つである。野生型のプロ
テインC遺伝子は、そのベクターのBclI制限フラグ
メント上から容易に取り出すことができ、本発明の遺伝
子はいずれもそのベクターのBclI制限フラグメント
上に挿入することができる。プラスミドDNAのBcl
Iによる消化は、配列5’−GATC−3’のアデニン
位のメチル化によって阻害される。したがって、プラス
ミドpGTCは、dam遺伝子によってコードされてい
るような、配列5’−GATC−3’のアデニン残基を
メチル化する産物であるアデニンメチラーゼを欠いてい
る大腸菌宿主細胞から調製した。大腸菌K12 GM4
8(NRRLB−15725)は機能的damメチラー
ゼを欠いており、したがってこれは、プラスミド誘導体
を構築する際の出発物質として使用できるプラスミドp
GTCのDNAを調製する目的として適切な宿主である
。 【0078】大腸菌K12 GM48細胞を培養し、形
質転換に対して感受性(コンピーテント)にし、実施例
1に記載の操作法に実質的に従ってプラスミドpGTC
を使用して大腸菌K12 GM48細胞を形質転換した
。 得られた形質転換細胞をアンピシリンを含有するL−寒
天上にプレートし、アンピシリン耐性の大腸菌K12
GM48/pGTC形質転換体がコロニーを形成したな
ら、実施例1の操作法に実質的に従って、その1つを使
用してプラスミドpGTC DNAを調製した。プラス
ミドpGTC DNA約1mgを入手し、TE緩衝液約
1ml 中に懸濁した。同様に、プラスミドpGT−h
およびpGT−dからプラスミドDNAを調製した。プ
ラスミドpGT−dは、BclI部位に遺伝子を有さな
いでGBMT転写ユニットを含有しており、したがって
あらゆる遺伝子を容易に挿入することができる。プラス
ミドpGT−dはさらにネズミdhfr遺伝子を含有し
ているので、メトトレキサート耐性表現型を使用してあ
らゆる形質転換体を選択でき、または増幅することがで
きる。プラスミドpGT−hは、GBMT転写ユニット
、目的遺伝子を容易に挿入できるBclI部位およびハ
イグラマイシン耐性付与遺伝子を含有している。これら
プラスミドのいずれかを含有する大腸菌K12 AG1
株は1990年1月18日にNRRLに寄託した。それ
ら菌株は受託番号NRRL B−18591(大腸菌K
12 AG1/pGT−dについて)、NRRL B−
18592(大腸菌K12 AG1/pGT−hについ
て)、およびNRRL B−18593(大腸菌K12
AG1/pGTCについて)の下に入手できる。これ
らプラスミドの制限部位および機能地図を添付の図面に
示す。 【0079】GM48細胞から調製したプラスミドpL
PC−Q097 DNA約10μl を、10×Bcl
I制限緩衝液[100mM トリス−HCl pH7.
4、1.5M KCl、100mM MgCl2、およ
び10mM DTT]20μl、1mg/ml BSA
20μl、制限酵素BclI[ベセスダ・リサーチ・ラ
ボラトリーズ(Bethesda Research
Laboratories)(BRL)により規定され
た〜50単位。以下、本明細書で使用するすべての制限
酵素はここから入手した。]5μl、および水145μ
l と混合し、得られた反応物を37℃で2時間インキ
ュベートした。本明細書に記載している制限酵素反応は
、フェノール次いでクロロホルム抽出するという常法に
よって停止させ、次いでDNAを沈澱させてエタノール
洗浄し、そして得られたDNAをTE緩衝液中に再懸濁
している。次に、得られた消化DNAを1%アガロース
調製用ゲル(agarose prep gel)の電
気泳動に付し、次いでバイオラド(BioRad)Pr
ep−A−Gene キットをその製造元の教示に従っ
て使用し、突然変異遺伝子を含有する約1400塩基対
の制限フラグメントを精製する。 【0080】次いで、実施例1の教示に実質的に従って
プラスミドpGT−hを大腸菌K12 AG1/pGT
C(NRRL B−18592)から単離し、実施例2
のようにしてGM48中で増殖させて単離した。次いで
、プラスミドpGT−h DNAを上記のようにして制
限酵素BclIで消化した後、大きなベクターフラグメ
ントを単離し、精製した。このベクターフラグメントを
TE(pH8.0)を用いて90μl 容量にし、次い
で子牛腸内アルカリホスファターゼ10μl(0.05
単位)を加え、そのベクターの末端を脱リン酸化した。 得られた混合物を37℃で30分間インキュベートし、
次いで500mM EGTA(10μl)を加え、得ら
れた反応物を65℃で45分間インキュベートしてその
酵素を不活化した。次いで、その反応物をフェノール/
クロロホルム抽出し、エタノール沈澱し、洗浄し、水2
0μl 中に再懸濁した。 【0081】次に、そのBclI消化ベクターのバック
ボーン約7μl(10ng)をプラスミドpLPC−Q
097の約1400塩基対BclI制限フラグメント約
1μl(100mg)、10×リガーゼ緩衝液[0.5
M トリス−HCl pH7.6、100mM MgC
l2、100mM DTTおよび500μg/ml B
SA]1μl、およびT4 DNAリガーゼ1μl と
混合した。次いで、この連結反応物を16℃で12〜1
6時間インキュベートした。この連結反応により、GB
MT転写ユニットからの転写用に適して配向した突然変
異チモーゲン遺伝子を含有するプラスミド、またはその
遺伝子が反対の配向性で連結されたプラスミドが導かれ
得る。転写に対して適切な配向性の遺伝子を含有するプ
ラスミドをプラスミドpGT−Q097−hと命名した
。 【0082】凍結したコンピーテントな大腸菌K12
AG1細胞をストラテジーン(Strategene)
[カリフォルニア92121,サンジェゴ,タンセイ・
ロード3770番]から入手した。連結反応物約5μl
をコンピーテント細胞100μl と混合した後、得
られた細胞−DNA混合物を氷上で1時間インキュベー
トし、42℃で45秒間熱−ショックを与え、次いで氷
上で約2分間冷蔵した。得られた細胞−DNA混合物を
、ファルコン(Falcon)2059管中、SOC培
地1.0ml に希釈し、37℃で1時間インキュベー
トした。その100μlをアンピシリンを含有するLB
寒天平板上にプレートし、コロニーが現れるまで37℃
でインキュベートした。 【0083】得られたコロニーを個々に培養し、それぞ
れのコロニーのプラスミドDNAを制限酵素分析によっ
て調査した。プラスミドDNAの単離法は実施例1の操
作に実質的に従って行うが、それよりも小規模であり、
またCsCl工程は、適切な大腸菌K12 AG1/p
GT−Q097−h形質転換体が同定されるまで省いた
。同定された時点で、高度に精製されたプラスミドの調
製を大規模に行った。実施例1および2の教示に従えば
、あらゆる突然変異チモーゲン遺伝子を容易にあらゆる
GBMTベクターにクローンすることができ、それによ
りプラスミドpGT−Q097−h、pGT−Q248
−h、pGT−Q313−hおよびpGT−Q329−
hを作成することができる。 【0084】 実施例3 アデノウイルス−形質転換ヒト胚腎セルライン293お
よびアデ ノウイルス−形質転換シリアンハ
ムスター セルラインAV12 の形質転換
体のプラスミドpGT−Q097−hを使用する構築法
ヒト胚腎セルライン293は、アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクションから、受託番号ATCC
CRL 1573の下で入手できる。また、アデノウイ
ルスで形質転換されたシリアンハムスター セルライン
AV12も、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ションから、受託番号ATCC CRL 9595の下
で入手できる。以下に説明する形質転換操作法は宿主セ
ルラインとして293細胞について言及するものである
が、この操作法は、AV12セルラインなどのほとんど
の真核生物セルラインに、および本発明の発現ベクター
に一般的に適用可能である。 【0085】受託番号CRL 1573の下で293細
胞をATCCから入手し、それを、10%の熱−不活化
ウマ血清を含むイーグル(Eagle)の最少必須培地
(Gibco)中に全面単層の約5.5×106個の細
胞を含む25mm2フラスコとした。このフラスコを3
7℃でインキュベートし、培地を週2回交換した。培地
は、10%ウシ胎仔血清、50μg/ml ゲンタマイ
シンおよび10μg/ml AquaMEPHYTON
R フィトナジオン ビタミンK1[メルク・シャープ
・アンド・ドーム(Merck Sharp and
Dohme, Merck and Co.,Inc.
,West Point, PA19486)]を追加
したDMEM(Gibco)であった。培地を除き、ハ
ンクのバランス塩溶液(Hank’s Balance
d Salts solution)[Gibco]で
すすぎ、0.25%トリプシン(0.2g/L EDT
Aを含む)を1〜2分間加え、新鮮な培地ですすぎ、ア
スピレーター処理を行い、そして継代培養比1:5また
は1:10で新しいフラスコに分けることにより、細胞
を継代培養した。 【0086】形質転換する前日に、細胞を100mm皿
あたり0.7×106細胞の割合で接種した。TE緩衝
液に溶解し、滅菌したエタノール沈澱プラスミドDNA
を使用し、25μg/ml の形質転換用プラスミドD
NAおよび250mM CaCl2を含有する2×DN
A−CaCl2溶液を調製した。280mM NaCl
、50mM ヘペス(Hepes)および1.5mM
リン酸ナトリウムを含有する、pHを7.05〜7.1
5に調節した2×HBSSを調製した。前記2×DNA
−CaCl2溶液を等量の滅菌2× HBSSに滴加し
た。2×HBSSを入れた混合管に綿プラグ付きの1m
l の滅菌プラスチック製ピペットを挿入し、DNAを
加えながら、気泡を吹き込んだ。撹拌することなく室温
で30〜45分間、カルシウム−リン酸塩−DNA 沈
澱物を形成させた。 【0087】次に、プラスチック製ピペットで穏やかに
ピペッティングすることによりその沈澱物を混合し、受
容細胞を覆う増殖培地10mlに平板1個あたり1ml
の沈澱物を直接加えた。37℃で4時間インキュベー
トした後、その培地を新鮮な培地と取り替え、選択圧を
かける前に細胞をさらに72時間インキュベートした。 真核生物細胞内で機能する選択マーカーを含んでいない
プラスミドに対しては、プラスミドの混合物、即ち、選
択マーカーを欠いている本発明の発現ベクターおよび真
核生物細胞内で機能する選択マーカーを含んでいる発現
ベクターの混合物、を形質転換法に用いる。このような
同時形質転換系で使用できるベクターは多種あり、それ
にはプラスミドpSV2−dhfr(ATCC 371
46)、pSV2−neo(ATCC 37149)、
pSV2−gpt(ATCC 37145)、およびp
SV2−hyg(NRRL B−18039)がある。 プラスミドpSV2−hygは真核生物宿主細胞にハイ
グロマイシンB耐性を付与する。この同時形質転換法に
よれば、選択マーカーを持つプラスミドを含んでいる細
胞を選択することができる。これらの細胞をさらに試験
して形質転換用プラスミドの両方を含んでいる細胞を同
定する。当然ながら、本発明は、真核生物細胞用の選択
マーカーを含んでいるために、同時形質転換法を必要と
しない発現ベクターをも包含している。 【0088】ハイグロマイシン耐性を付与する遺伝子を
含んでいる、プラスミドpGT−Q097−hなどのプ
ラスミドでトランスフェクトされた細胞に対しては、最
終濃度が約200μg/ml となるようにハイグロマ
イシンBをその増殖培地に加える。次いで、3〜4日毎
に培地を交換しながら、2〜4週間、37℃で細胞をイ
ンキュベートする。得られたハイグロマイシン耐性のコ
ロニーを、その特徴を調べるため別々の培養フラスコに
移した。プラスミドpSV2−neoはネオマイシン(
G418をネオマイシンの代わりに用いることもできる
)に対する耐性を付与し、G418を最終濃度300μ
g/ml で加えること以外は実質的にハイグロマイシ
ン耐性細胞の選択法に従って、G418耐性コロニーの
選択を行った。 【0089】ジヒドロ葉酸リダクターゼ(dhfr)遺
伝子あるいはメトトレキサート耐性を付与するdhfr
遺伝子の誘導体(dhfr−mtx)を、dhfr−欠
損セルラインに遺伝子あるいはプラスミドを導入するた
めの選択マーカーとして用いること、ならびに、次にプ
ラスミドのコピー数を増幅するためにメトトレキサート
を用いることは、文献において十分に確立されている。 293細胞はdhfr陽性であるので、dhfr遺伝子
を含むプラスミドを含有している293形質転換体は、
dhfr陽性の表現型(ヒポキサンチンとチミジンを欠
く培地で増殖する能力)に基づいてのみでは選択されな
い。機能的なdhfr遺伝子を欠き、dhfrを含有す
るプラスミドで形質転換されたセルラインは、dhfr
+の表現型に基づいて選択することができる。dhfr
を産生する細胞において選択および増幅マーカーとして
dhfrを用いることは十分に研究されてはいないが、
文献中の証拠により、dhfr産生細胞中での遺伝子増
幅用に、および選択マーカーとしてdhfrを使用し得
ることが示唆されていると考えられる。本発明は、発現
ベクターに用いる選択マーカーによって限定されるもの
ではない。さらに、メタロチオネイン遺伝子、アデノシ
ン デアミナーゼ遺伝子、またはP−糖タンパク質遺伝
子で例示される多遺伝子耐性族の一員などの増幅マーカ
ーを用いることもできる。 【0090】プラスミドpGT−Q097−h、pGT
−Q248−h、pGT−Q313−hおよびpGT−
Q329−hを使用して293セルラインを形質転換し
、多くの形質転換体を得た。これらの形質転換体を実施
例4に記載のようにして分析した。 【0091】 実施例4 ヒトプロテインCチモーゲン突然変異体を分泌する細胞
の選択 実施例3で得られたハイグロマイシン耐性の形質転
換体を100mm2組織培養皿上において、組織培養皿
1個あたり数百の細胞クローンの密度で増殖させた。こ
の培地をデカントし、細胞をハンクのバランス塩溶液(
Gibco)5ml ずつで2回すすいだ。滅菌した0
.45%寒天[Sigma Type 4 アガロース
;カタログ番号A3643;シグマ・ケミカル(Sig
ma Chemical Co., P.O.Box
14508, St.Louis,MO 63178)
]の溶液を、1.8%寒天(47℃)1ml をダルベ
ッコの改変イーグル(DME)塩(Gibco)(37
℃)3ml と混合することによって調製し、この0.
45%寒天溶液2ml を細胞上に重層した。 【0092】ニトロセルロースフィルター(Schle
icher and Schuell, Inc.,
Keene, NH 03431)を煮沸し、次いで2
時間オートクレーブ処理し、細胞にとって毒性である浸
潤性物質を除去した。次に、このフィルターを寒天層の
上に置き、気泡を除去した後、得られた平板を37℃で
1〜3時間インキュベートした。次いで、後に行うコロ
ニーの同定を容易にするため、皿上のフィルターの最初
の方向がわかるように、あらかじめ印をつけておいたフ
ィルターを取り出し、PBS(50mMトリス−HCl
、pH=7.2および150mM NaCl)中に入れ
た。 【0093】フィルターの分析の間、皿上の細胞を生き
たままに保つため、1.8%寒天(47℃)2ml、D
ME塩(37℃)2ml、および20%ウシ胎仔血清を
含むDME塩(37℃)4mlからなる混合物8ml
を細胞上に重層した。次に、この細胞を37℃のインキ
ュベーター内に入れた。 【0094】フィルターで行う洗浄および反応はすべて
、フィルターを振動台(rocking platfo
rm)の上に置いて行った。始めにこのフィルターを、
5%のミルクを含むPBS中、室温でインキュベートす
ることによってブロックした。次に、このフィルターを
PBS中で4回すすいだ(1回のすすぎは5分間)。2
.5%ウシ血清アルブミン中の10μg/mlビオチン
化ヤギ抗−ヒトプロテインCポリクローナル抗体を、フ
ィルターを覆うに十分な量でフィルターに加え、次いで
これを37℃で1時間インキュベートした。 【0095】プロテインCに対する抗体を調製するため
に後に使用するプロテインCの精製は、キシール(Ki
siel)の J.Clin.Invest. 64:
761(1979)に記載のようにして行うことができ
る。ポリクローナル抗体は、キャバット(E.A.Ka
bat)の ”StructuralConcepts
in Immunology and Immuno
chemistry”, Hold,Rhinehar
t,およびWinston出版(1968)]に開示さ
れている方法によって調製することができる。また、本
検定で用いるのに適したモノクローナル抗体は、コーラ
ーおよびミルシュタイン[Kohler and Mi
lstein, 1975, Nature, 256
:495]の記載のようにして、または米国特許第4,
696,895号、EPO 公開番号第205046号
;ラウレル(Laurell)らの FEBS191(
1):75(1985);スズキ(Suzuki)らの
J.Biochem. 97:127−138(19
85);およびEPO 公開番号第138222号に記
載されているようにして調製することができる。本検定
で用いるアビジンDおよびビオチン化した西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ(HRP)は VectastainT
M キット[Vector Laboratories
, Inc., 30 Ingold Road, B
urlingame, CA 94010]から入手す
ることができる。また、ビオチンもVectorLab
oratories,Inc.から得られる。 【0096】フィルターを4℃のPBSで4回すすいだ
。次に、VectastainTM(Vector L
aboratories)キット中の製造元の指示に従
って、アビジンDおよびビオチン化西洋ワサビペルオキ
シダーゼを調製し、加えた。HRPとコンジュゲートし
たアビジンDとともに4℃で1時間(タンパク質が少量
分泌されているときには、もっと長いインキュベート時
間、例えば一晩を用いることができる)、フィルターを
インキュベートし、次いで、このフィルターを4℃のP
BSで4回すすいだ。 【0097】フィルターの指示色を発色させるため、氷
冷の100%メタノールに溶解したHRPカラー発色剤
(4−クロロ−1−ナフトール;Sigma)(約30
mg)をPBS(50ml)および30%H2O2(3
0μl)に加えた。 この混合物をニトロセルロースフィルターに加え、これ
を発色するまで室温でインキュベートした。本発明のヒ
トプロテインCチモーゲンを最大量分泌しているコロニ
ーは、フィルターの最も早い発色によってだけでなく、
フィルター上の一段と暗いスポットによっても示される
。 【0098】フィルターを発色させた後、もう一度この
フィルターを最初の平板と並べ、どのコロニーがフィル
ターのどのスポットと関係しているかを調べた。そして
、本発明のヒトプロテインCチモーゲンを最大に分泌し
ているコロニーを選び、これを該チモーゲンの製造に使
用した。 【0099】上記の検定が高分泌セルラインを同定する
ための単なる例示方法であるにすぎないことは当業者の
理解するところであろう。この方法において多種の検定
法を成功裏に用いることができる。例えば、ビオチン化
したヤギ抗プロテインC抗体を、ヤギ抗−プロテインC
抗体(IgG)およびビオチン化した抗−ヤギIgG抗
体と置き換えた2重−抗体反応を用いることができる。 【0100】チモーゲン突然変異体は細胞培養物から精
製することができる。その上清を組換え産物を産生する
細胞から除去し、ファルマシア[Pharmacia]
のFastflow−Qカラムで精製した。樹脂約1m
l を20mM トリス−HCl pH7.4、0.1
5M NaCl、5mM EDTAおよび4mM ベン
ズアミジンで平衡化した。上記の培養上清をトリス−H
Cl pH8.0、5mM EDTAおよび4mM ベ
ンズアミジンの添加によってpH7.4に調節した。上
清をカラム中の樹脂に入れ、3カラム容量のトリス−H
Cl pH7.4、0.15M NaCl、5mM E
DTAで、次いで3カラム容量の20mM トリス(H
Cl)、0.15M NaCl、4mM ベンズアミン
で洗浄した。10mM CaCl2を20mM トリス
−HCl pH7.4、0.15M NaCl、5mM
ベンズアミンに含有する溶出緩衝液を使用し、そのカ
ラムから組換え産物を溶出させた。 【0099】その産物の比活性をグリンネル(Grin
nell)らのBiotechnology 5:11
89−1192(1987)の操作法にしたがって以下
のようにして測定した。カラム溶出液を濃縮し、透析し
て得た産物を固定化トロンビン−トロンボモジュリン複
合体によってまず始めに活性化し、次いでその産物のア
ミド分解活性を、トリペプチド基質S−2366[ヘレ
ナ(Helena Labs)から入手]の加水分解に
よって測定した。この産物の抗凝血活性は、ヘレナから
得た試薬を使用し、活性化された部分的トロンボプラス
チン時間の延長度によって測定した。
型ヒトプロテインCをコードしている新規なDNA化合
物および組換えDNAベクターに関する。この本発明チ
モーゲンは操作されて、そのグリコシル化のパターンが
天然のヒトプロテインCチモーゲンと比較して大幅に改
変されている。炭水化物部分が高いレベルでシアル酸を
含有している場合には特に、グリコシル化はタンパク質
の分泌と機能性に重要な役割を果たし得る。本発明の新
規チモーゲンは、グリコシル化部位それぞれが個別に改
変しているよう構築されている。本発明の発現ベクター
は組換え宿主細胞において本発明のヒトプロテインCチ
モーゲンを発現することのできる簡単かつ効率的な手段
を提供するものである。本発明は、アミド分解活性およ
び抗凝血活性が活性化されれば天然型よりも高くなるよ
うなチモーゲン型プロテインCを生産するための方法に
関する。この新規チモーゲン型ヒトプロテインCは、種
々のグリコシル化部位のアミノ酸配列が当業界周知のも
のと異なっている。本発明の新規チモーゲン型プロテイ
ンCは凝血に関連した血液疾患を処置するうえで特に有
益である。 【0002】ビタミンK依存性血漿タンパク質であるプ
ロテインCは、ホメオスタシス(恒常性)の制御にとっ
て生理学的に極めて重要なものである。プロテインCは
、本明細書においては形成期プロテインCと呼んでいる
不活性な分子として合成される。形成期プロテインCは
、以下でより詳細に説明するように、複雑なプロセッシ
ングを受けて多くの種々の不活性分子を生じさせる。分
泌された不活性なプロテインCを本明細書ではチモーゲ
ンプロテインCと呼ぶことにする。プロテインCの活性
化は、トロンボモジュリン−トロンビン複合体が関与し
ている反応によって血液中で起こる。活性化プロテイン
Cは、そのコファクターであるプロテインSと共に、重
要な生理学的意義を有する抗凝血物質である。活性化プ
ロテインCは血管内の血栓形成を予防することができ、
また既に存在している血餅の広がりを抑制することがで
きる。活性型プロテインCの作用機序、および不活性な
チモーゲンが活性プロテアーゼに活性化される機序は最
近になって明らかにされた[概説としては、ガーディナ
ー(J.E.Gardiner)およびグリフィン(J
.H.Griffin)のProgress in H
ematology,13巻,265−278頁,エル
マー・ビー・ブラウン(Elmer B.Brown)
編,Grune and Stratton, Inc
.,1983、およびエスモン(Esmon,N.I.
)のProg.Hemost.Thromb.9:29
−55(1989)を参照のこと]。 【0003】プロテインCの活性化には、トロンビン、
凝血カスケードにおける最終セリンプロテアーゼ、およ
びトロンボモジュリンと呼ばれる内皮細胞膜−関連糖タ
ンパク質が関係している。トロンボモジュリンは、トロ
ンビンと一緒になって堅くて化学量論的な複合体を形成
する。トロンボモジュリンは、トロンビンと複合体化す
ると、トロンビンの機能性を劇的に変化させる。トロン
ビンは通常、フィブリノーゲンを凝固させ(clot)
、血小板を活性化し、そして凝固コファクターである第
Vおよび第VIII因子をそれぞれの活性型であるVa
およびVIIIaに変換させる。そして最後にトロンビ
ンはプロテインCを活性化するが、それは極めて遅く、
非効率的でしかなく、さらにその活性化は生理学的Ca
2+によって阻害される。これとは対照的に、トロンボ
モジュリンと複合体化したトロンビンはフィブリノーゲ
ンを凝固させず、血小板を活性化せず、または凝固コフ
ァクターである第V因子および第VIII因子をそれぞ
れ活性型の第Va因子および第VIIIa因子に変換さ
せないが、生理学的Ca2+の存在下、プロテインCチ
モーゲンの非常に効率的なアクチベーターになる。トロ
ンボモジュリン−トロンビンによるプロテインCチモー
ゲンの活性化の速度定数は、トロンビン単独の速度定数
よりも1,000倍も高い。 【0004】活性化プロテインCがどのようにして血液
凝固を低下調節(down−regulate)するの
かを理解するため、以下に凝血酵素系の簡単な説明を行
う。凝血系は、活性セリンプロテアーゼに至るチモーゲ
ンの一連の活性化に関連した連鎖反応と見なすのが最良
である。この連鎖反応は結果としてトロンビン酵素を産
生させるが、このトロンビン酵素は限定タンパク質分解
反応を介して血漿フィブリノーゲンを不溶性ゲルのフィ
ブリンに変換する酵素である。この凝血カスケードにお
ける2つの重要な事象は、凝固因子IXaによる凝固因
子XからXaへの変換、および凝固因子Xaによるプロ
トロンビンからトロンビンへの変換である。これら両反
応は共に、細胞表面上、最も顕著には血小板表面上で起
こり、そして両反応ともコファクター(補助因子)を必
要とする。この系中において主要なコファクターである
第V因子および第VIII因子は、比較的不活性な前駆
体として循環しているが、トロンビン分子が最初に幾つ
か形成されれば、トロンビンはループバック(loop
back)し、限定タンパク質分解を介してそれらコ
ファクターを活性化する。活性化されたコファクターで
ある第Va因子および第VIIIa因子はプロトロンビ
ンのトロンビンへの変換、および第X因子の第Xa因子
への変換をそれぞれ約5ケタの大きさだけ促進させる。 活性化プロテインCは、不活性な凝固因子である第Vお
よび第VIII因子の活性型である凝固コファクター第
Va因子および第VIIIa因子に対して優先的に作用
し、それらをタンパク質分解的に崩壊し、加水分解しそ
して不可逆的に破壊する。これとは対照的に、凝固因子
第Vおよび第VIII因子は、インビボにおいては、非
常に僅かしか反応しない活性化プロテインCに対する基
質である。 【0005】活性化プロテインCについての重要なコフ
ァクターは、別のビタミンK依存性血漿タンパク質であ
るプロテインSである。プロテインSは、第Va因子お
よび第VIIIa因子の活性化プロテインC介在性加水
分解を25倍実質的に増大させる。 【0006】プロテインCは、価値ある治療物質として
認識されている[例えば、1988年10月4日発行の
バング(Bang)らの米国特許第4,775,624
号を参照のこと]。活性化プロテインCは、例えばヘパ
リンおよび経口用ヒドロキシクマリン型抗凝血物質など
の入手し得る抗凝血物質よりも広い治療指数を有する新
規な抗血栓物質である。凝固因子Vの第Va因子への変
換、および第VIII因子の第VIIIa因子への変換
にはトロンビンが必要とされ、これら2つのコファクタ
ーの活性型は活性化プロテインCにとって優先的な基質
であるので、チモーゲンプロテインCまたは活性化プロ
テインCはいずれもトロンビンが生成されるまで機能し
ない。さらに、チモーゲンプロテインCが活性化される
には、トロンビンが必要であるが、その理由はトロンボ
モジュリン−トロンビン複合体が無ければ、プロテイン
Cチモーゲンはその活性型に効率的に変換されないから
である。 【0007】活性化プロテインCは、コファクター第V
aおよび第VIIIa因子を不活化することによって機
能するものであり、したがって需要性のある抗凝血物質
である。トロンビンは第Vおよび第VIII因子をそれ
らの活性型である第Vaおよび第VIIIa因子に変換
するのに必要であるので、プロテインCのみがトロンビ
ンが生成された後に抗凝血物質として機能する。このよ
うな活性化プロテインCとは対照的に、従来の抗凝血物
質は患者に投与されている限りは循環している間一定の
抗凝血状態を保持するので、出血という合併症発現の危
険性がプロテインCまたは活性化プロテインC以上に実
質的に増大される。したがって、活性化プロテインCは
、ヘパリンおよびヒドロキシクマリン類に替わる薬物と
して広範に臨床応用され得る需要性ある抗凝血物質であ
る。 【0008】遺伝的なプロテインC欠乏症など、ある種
の疾患症状では、プロテインCチモーゲンの治療学的重
要性は極めて高くなる。先天的なホモ接合性(homo
zygous)のプロテインC欠乏症では、罹患個体は
、しばしば致死的な散在性血管内凝血という病態である
電撃性紫斑病のために幼少年期に死亡してしまう。ヘテ
ロ接合性(heterozygous)のプロテインC
欠乏症では、罹患個体は重篤な再発性血栓塞栓症に見舞
われる。B型血友病または第IX因子欠乏症を処置する
よう設計された、不純物としてプロテインCを含有する
血漿タンパク質濃縮物は、ヘテロ接合性プロテインC欠
乏症における血管内凝血の予防および処置に有用である
ことが臨床的に十分確立されている。さらに、散在性血
管内凝血症などの血栓状態、ならびに重い外傷、重い手
術および癌などの、血栓症にかかり易くなった疾病状態
においては、プロテインCレベルが異常に低いことも注
目されている。 【0009】プロテインCの活性化および本発明の理解
を助けるため、形成期ヒトプロテインCのコード化配列
および対応するアミノ酸残基配列を以下に記載する。こ
のアミノ酸残基配列およびその相当する部分はさらに、
本発明の目的に沿って「天然ヒトプロテインC」の特性
をも表すものである。 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 [配列中、Aはデオキシアデニル、Gはデオキシグアニ
ル、Cはデオキシシチジル、Tはチミジルであり、AL
Aはアラニン、ARGはアルギニン、ASNはアスパラ
ギン、ASPはアスパラギン酸、−COOHはカルボキ
シ末端、CYSはシステイン、GLNはグルタミン、G
LUはグルタミン酸、GLYはグリシン、HISはヒス
チジン、H2N−はアミノ末端、ILEはイソロイシン
、LEUはロイシン、LYSはリジン、METはメチオ
ニン、PHEはフェニルアラニン、PROはプロリン、
SERはセリン、THRはスレオニン、TRPはトリプ
トファン、TYRはチロシン、およびVALはバリンで
ある] 【0010】上記のDNA配列は、ヒトプロテインCを
コードしているヒト肝mRNAから調製されたcDNA
クローンから誘導された。当業者ならば、遺伝子コード
の同義性により、上記と同じアミノ酸残基配列をコード
する多くの異なるDNA配列を構築することができるこ
とは理解されよう。したがって、形成期ヒトプロテイン
Cの上記cDNA配列は、多くのあり得る形成期ヒトプ
ロテインCのコード化配列のうちのただ1つに過ぎない
。 cDNAクローンを構築するに当たっては、5’ポリG
配列、3’ポリC配列、および5’と3’とのPstI
制限酵素認識配列をプロテインCコード化cDNAの両
末端に作成した。これら2つのcDNAクローンを操作
して、形成期ヒトプロテインCのコード化配列とさらに
そのコード化領域の5’および3’末端における非翻訳
mRNAをコードするDNA部分をも含有しているDN
A分子を構築した。このDNA分子をプラスミドpBR
322のPstI部位に挿入し、プラスミドpHC7を
構築した。 したがって、プラスミドpHC7は上記のコード化配列
を含有しており、さらに形成期ヒトプロテインCコード
化配列の暗号鎖における5’および3’末端にそれぞれ
以下に記載の配列を付加的に含有している(ここでもそ
の分子の一方のストランド(鎖)のみを記載する):【
化8】 【0011】DNA塩基対の相補性により、2本鎖DN
A分子の一方の鎖の配列を描けば、反対の鎖の配列を決
定するのに十分である。プラスミドpHC7は、ノーザ
ン・リージォナル・リサーチ・ラボラトリー(NRRL
)[ペオリア、イリノイ]に寄託されており、そのパー
マネント・ストック・カルチャー・コレクションの一部
を構成している菌株、E.coli(大腸菌) K12
RR1/pHC7から常法に従って単離することがで
きる。E.coli K12 RR1/pHC7の培養
物は、受託番号NRRL B−15926の下に入手可
能である。プラスミドpHC7の制限部位および機能地
図を添付の図2に示す。 【0012】形成期プロテインCは以下のように模式図
的に表すことができる: 【化9】 プレ−プロ−プロテインCの分泌およびγ−カルボキシ
ル化の指令にとって重要である、シグナルペプチドおよ
びヒトプロテインCのプロ−ペプチドをコードしている
形成期ヒトプロテインCの1−42のアミノ酸残基であ
る。 LC−翻訳後修飾を受けるとプロテインCの2鎖チモー
ゲン(以下に記載するように、KRジペプチドの除去に
より1鎖チモーゲンから形成される)および活性型の両
方の軽鎖(LC)を構成する形成期プロテインCの43
−197アミノ酸残基である。 【0013】KR−形成期ヒトプロテインCの198−
199アミノ酸残基である。これらの残基は、まず(1
97−198または199−200残基間のいずれかが
)開裂され、次いでカルボキシペプチダーゼまたはアミ
ノペプチダーゼ作用を受けるという2段階反応によって
おそらくは除去される(これはウシプロテインCとの相
同性に基づいている)と考えられ、それにより2鎖プロ
テインCが生成される。 AP−チモーゲン型プロテインCから除去されて活性化
プロテインCを生成させる、活性ペプチドを構成してい
る形成期プロテインCの200−211アミノ酸残基で
ある。 AHC−翻訳後修飾を受けると活性プロテインCの活性
化重鎖(AHC)を構成する形成期プロテインCの21
2−461アミノ酸残基である。 HC−翻訳後修飾を受けると2鎖型プロテインCチモー
ゲンの重鎖を構成するアミノ酸残基200−461のA
PおよびAHCである。 【0014】ヒトプロテインCチモーゲンは、肝臓で合
成され、血中に存在しているセリンプロテアーゼ前駆体
である。プロテインCが完全な生物学的活性を発現する
ためには、ビタミンKを要する翻訳後修飾が必要とされ
る。成熟した2鎖のジスルフィド連結したプロテインC
チモーゲンは1鎖のチモーゲンから限定タンパク質分解
によって生成される。この限定タンパク質分解は、19
8および199アミノ酸残基の開裂および除去を包含し
ていると考えられる。この活性セリンプロテアーゼへの
2鎖チモーゲンの活性化はARG−LEUペプチド結合
(211および212残基)のタンパク質分解的開裂を
包含する。この後者の開裂により、2鎖チモーゲン分子
の比較的大きい(重)鎖のアミノ末端を構成する活性ペ
プチド、ドデカペプチド(200−211残基)が遊離
される。プロテインCは有意にグリコシル化されている
。すなわち、血漿由来のその成熟酵素は15−23%の
炭水化物を含有していると言われる。プロテインCはさ
らに、γ−カルボキシグルタミン酸およびβ−ヒドロキ
シアスパラギン酸(エリスロ−L−β−ヒドロキシアス
パルテート)などの、普通のアミノ酸でないものを多く
含有している。γ−カルボキシグルタミン酸(gla)
は、コファクター(補酵素)としてビタミンKを必要と
する肝ミクロゾームのカルボキシラーゼによるグルタミ
ン酸残基のγ−グルタミルカルボキシル化によって産生
される。 【0015】ヒトプロテインCの活性化も模式図的に表
すことができるので、それを以下に記載する。当業者で
あれば、この模式図で示された工程の順序がインビボに
おける経路順を必ずしも反映していないことは理解され
よう。 【化10】 【0016】本発明は、新規なプロテインCチモーゲン
の新規化合物、ベクター、形質転換体、およびそれを組
換え的に発現させる方法を提供するものである。本明細
書に記載している本発明の目的に沿って、以下のように
用語を定義する。 【0017】Ad2LP−2型アデノウイルスの主要な
後期プロモーター。 タンパク質またはペプチド中におけるアミノ酸残基は本
明細書においては以下の表1に記載する略語を使用して
いる: 【表1】 【0018】ApR−アンピシリン耐性表現型またはそ
れを付与する遺伝子。 BK−BKウイルス由来のDNA。 Enhまたはエンハンサー−BKウイルスのエンハンサ
ー。 epまたはSV40ep−T−抗原遺伝子のSV40初
期プロモーター、T−抗原結合部位、SV40エンハン
サー、およびSV40複製起点を含有するDNAセグメ
ント。 γ−カルボキシル化−グルタミン酸のγ−炭素にカルボ
キシ基を付加する反応。 γ−カルボキシル化タンパク質−幾つかのグルタミン酸
残基がγ−カルボキシル化を受けているタンパク質。 GBMT転写ユニット−アデノウイルスの主要な後期プ
ロモーターの上流調節要素に近づいて配置しているBK
ウイルスのP2エンハンサー(MLTF)、アデノウイ
ルス−2の主要な後期プロモーター、該プロモーターを
刺激する位置にあるポリ−GT要素、およびアデノウイ
ルスのスプライスされたトリパータイト(tripar
tite)リーダー配列を含むDNA配列を含有してい
る修飾された転写制御ユニット。このGBMT転写ユニ
ットはプラスミドpGT−hの約900塩基対のHin
dIII制限フラグメント上に見いだされる。 【0019】IVS−イントロンをコードしているDN
Aであって、介在配列とも呼ばれる。 MMTpro−マウスメタロチオネイン−I遺伝子のプ
ロモーター。 形成期タンパク質−mRNA転写物の翻訳の際に生成さ
れるポリペプチドであって、翻訳後修飾を受ける前のも
の。しかし、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル化お
よびアスパラギン酸残基のヒドロキシル化などの翻訳後
修飾は、タンパク質がmRNA転写物から完全に翻訳さ
れる前に起こり始めている場合がある。 NeoR−ネオマイシン耐性付与遺伝子であり、これは
抗生物質G418に対する耐性を付与するのにも使用す
ることができる。 【0020】pA−ポリアデニル化シグナルをコードし
ているDNA配列。 プロモーター−DNAをRNAに転写させるDNA配列
。 プロテインC活性−タンパク質分解的、アミド分解的、
エステル分解的および生物学的(抗凝血またはプロフィ
ブリン分解的)な活性に関与しているヒトプロテインC
の性質。タンパク質の抗凝血活性の試験方法は当業界周
知であり、グリンネル(Grinnell)らのBio
technology5:1189(1987)に記載
されている。 組換えDNAクローニングベクター−1つまたはそれ以
上の付加的なDNAセグメントを追加できるか、または
既に追加されているDNA分子を含有する物質であって
、例えば染色体に組込む因子、自律的に複製するプラス
ミド、およびファージがあるが、これらに限定されない
。 【0021】組換えDNA発現ベクター−プロモーター
が組み込まれており、それが遺伝子産物を発現するよう
に配置されている組換えDNAクローニングベクター。 組換えDNAベクター−組換えDNAクローニングまた
は発現ベクター。 レプリコン−プラスミドまたは他のベクターの自律的複
製を行わしめ、それを制御しているDNA配列。 制限フラグメント−1つまたはそれ以上の制限エンドヌ
クレアーゼ酵素の作用によって生成される線状DNA配
列。 感受性宿主細胞−特定の抗生物質または他の毒性化合物
の存在下では、それらの耐性を付与するDNAセグメン
トが無いために増殖することができない宿主細胞。 【0022】TcR−テトラサイクリン耐性表現型また
はそれを付与する遺伝子。 形質転換−受容宿主細胞の表現型を変化させるその受容
細胞へのDNAの導入。 形質転換体−形質転換を受けた受容宿主細胞。 翻訳活性化配列−mRNA転写物をペプチドまたはポリ
ペプチドに翻訳させるDNA配列であって、5’−AT
G−3’などの翻訳開始コドンおよびリボソーム結合部
位をコードしているDNA配列を含有するもの。 チモーゲン(酵素前駆体)−タンパク質分解酵素の酵素
学的に不活性な前駆体。本明細書で使用しているプロテ
インCチモーゲンとは、分泌された不活性型の1鎖また
は2鎖いずれかのプロテインCを意味する。 【0023】本明細書に添付の図面はすべて正確な縮尺
で描いていない。図1はプラスミドpLPC−Q097
、図2はpLPC−Q248、図3はpLPC−Q31
3、図4はpLPC−Q329、図5はpGTC、図6
はpGT−d、図7はpGT−hの制限部位および機能
地図をそれぞれ示している。 【0024】本発明は新規なチモーゲン型ヒトプロテイ
ンCの発現をコードしているDNA化合物を提供するも
のである。天然のヒトプロテインCチモーゲンおよび天
然のヒトプロテインCの生産方法はいくつか開示されて
いる[1988年10月4日発行のバングらの米国特許
第4,775,624号および欧州特許公開第2155
48号を参照のこと]。これらの従来の方法では、ヒト
の血中に存在するヒトプロテインCのチモーゲン型とは
アミノ酸配列が相違していないヒトプロテインCチモー
ゲン型を発現することができる。ヒト腎293セルライ
ンなどの特定の真核生物セルラインで発現させた場合、
ヒト血中に見いだされるチモーゲン型とは類似していな
い新規なグリコシル化パターンを有する天然ヒトプロテ
インCチモーゲンが分泌される。 【0025】本発明は、アミノ酸残基配列における部位
−特異的な変化によってグリコシル化パターンが改変さ
れたチモーゲン型ヒトプロテインCを提供するものであ
る。これらチモーゲン型を活性化した場合、天然のヒト
プロテインCと比較してアミド分解活性および抗凝血活
性が増大している。本発明はさらに、これら新規チモー
ゲン型プロテインCのDNA化合物、組換えDNA発現
ベクター、形質転換されたセルライン、およびこれらを
組換え的に発現させる方法を提供するものである。本発
明のチモーゲン型ヒトプロテインCを産生するための方
法は下記の工程(A)、(B)および(C)からなる方
法である: (A)真核生物宿主細胞を形質転換するに当たり、(i
)アミノ末端からカルボキシ末端にかけてアミノ酸配列
: 【化11】 [配列中、R1はASNまたはGLN、R2はASNま
たはGLN、R3はASNまたはGLN、R4はASN
またはGLNである] を含有するアミノ酸残基配列をコードしているDNA配
列、および (ii)該DNA配列を発現させるよう配置されている
プロモーターを含有する組換えDNAベクターを使用し
、(B)工程Aによって形質転換された該宿主細胞を該
DNA配列が発現され得る条件下で培養し、そして(C
)得られた培養物から該プロテインCチモーゲン型を回
収すること。この方法およびこの方法に有用な化合物に
ついては以下でより詳細に説明する。 【0026】本発明はさらに、これら新規なチモーゲン
型ヒトプロテインCを生産するための方法に有用である
DNA化合物を提供するものである。これら新規な化合
物はすべて、分泌を促すシグナルペプチド、および(ビ
タミンK依存性カルボキシラーゼの作用により)γ−カ
ルボキシル化されたタンパク質由来のプロペプチドを含
有するプレ−プロペプチドをコードしている。このよう
なプロペプチド配列は当業界周知である。例えば、シュ
ッティー(Suttie)らのProc.Natl.A
cad.Sci.,U.S.A.84:634−637
(1987)を参照のこと。好ましくは、また簡便に構
築するには、シグナルペプチドコード化配列およびプロ
ペプチドコード化配列の両者をγ−カルボキシル化タン
パク質のプレ−プロペプチドのアミノ酸残基配列から誘
導する。このようなγ−カルボキシル化タンパク質とし
ては、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロトロ
ンビン、プロテインS、プロテインZ、およびプロテイ
ンCが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の
ベクターに使用するには、ヒトプロテインCのプレ−プ
ロペプチドをコードしているDNA配列が最も好ましい
。 【0027】本発明のDNA化合物はさらに、プレ−プ
ロペプチドコード化配列の下流に隣接して位置し、かつ
それとの翻訳解読枠内にあるヒトプロテインCの軽鎖を
コードするコード化配列を含有している。このヒトプロ
テインCの軽鎖は、上記従来技術の項で説明した形成期
プロテインCの43から197個のアミノ酸残基をすべ
て含有している。ビタミンK依存性血漿タンパク質のア
ミノ末端部分、例えばプロテインCの軽鎖のアミノ末端
部分はカルシウム結合部位を有している。第VII因子
、第IX因子、第X因子、プロトロンビンおよびプロテ
インSなどのこれら血漿タンパク質のカルシウム結合ド
メインは、ヒトプロテインCの軽鎖のカルシウム結合ド
メインと同等の態様で使用することができる[欧州特許
公開第0215548A1号の12頁および13頁を参
照のこと]。本発明の新規なチモーゲン型の1つ(Q0
97)は、軽鎖内の139位におけるアスパラギン残基
がグルタミン残基に変化していることから、そのグリコ
シル化部位が除去されている。 【0028】本発明のDNA化合物はさらに、その軽鎖
コード化配列の下流に隣接して位置し、かつそれとの翻
訳解読枠内にあるジペプチド、LYS−ARG(KR)
をコードしているコード化配列をも含有している。LY
S−ARGなどの二塩基性ジペプチドが形成期タンパク
質内における軽鎖のカルボキシ−末端側に配置されてい
る。LYS−ARGジペプチドの発現タンパク質内にお
ける方向性は、本発明では問題でない。LYS−LYS
またはARG−ARGなどの二塩基性ジペプチドも本発
明では、LYS−ARGジペプチドと同様に使用できる
。しかし、天然のヒトプロテインC内のジペプチドであ
るLYS−ARGジペプチドが本発明にとっては好まし
い。 【0029】LYS−ARGジペプチドのコドンの直ぐ
下流は、活性ペプチドのコード化配列である。当業者で
あれば、本発明のチモーゲン型は、以下に説明するよう
に天然のヒトプロテインCチモーゲン型とは本来的に異
なっていることは理解されよう。 【0030】軽鎖の139位における置換に加えて他の
アミノ酸の置換も、得られたチモーゲンのアミド分解活
性および抗凝血活性を増大させ得る。この「得られたチ
モーゲン」なる用語では、形成期ヒトプロテインC内に
おけるアミノ酸の位置を引用して置換を表しているが、
(アミノ酸残基1から42の除去の結果として)第1に
分泌されてチモーゲン型になっていなければならない形
成期ヒトプロテインC、を示すために用いている。した
がって、(形成期ヒトプロテインC内の)139位のア
スパラギン残基をグルタミン残基と置換すると、本発明
の新規なチモーゲンが得られる。290、355または
371位のアスパラギン残基をグルタミン残基と置換さ
せても、本発明の新規なチモーゲン型が得られる。 【0031】このように本発明の好ましい新規チモーゲ
ン型ヒトプロテインCは、以下の(化12)で示される
アミノ酸残基配列を有する形成期ヒトプロテインC分子
の分泌およびプロセッシングの結果として得られる:【
化12】 [配列中、R1はASNまたはGLN、R2はASNま
たはGLN、R3はASNまたはGLN、R4はASN
またはGLNである]。 【0032】新規チモーゲンQ097は、139位のア
スパラギン残基がグルタミン残基と置換している。チモ
ーゲンQ248は、290位のアスパラギン残基がグル
タミン残基と置換している。チモーゲンQ313は35
5位のアスパラギン残基がグルタミン残基と置換してお
り、チモーゲンQ329は371位のアスパラギン残基
がグルタミン残基と置換している。 【0033】当業者ならば、遺伝子コードの同義性によ
り、種々のDNA化合物が上記のポリペプチドをコード
することができることを理解するであろう。したがって
、以下に記載する構築方法、および本発明の好ましいD
NA化合物、ベクターおよび形質転換法に対応する実施
例は単なる例示であって、本発明の範囲を限定するもの
ではない。さらに、ASNに代わってGLNを置換する
ことは例示であり、本発明の範囲を限定するものではな
く、CYSまたはPROを除く他の置換を使用すること
もできるであろう。また、当業者ならば、本発明の種々
の単一アミノ酸置換を組み合わせれば、他の新規チモー
ゲンが作成されることは理解されよう。 【0034】本発明のDNA化合物はすべて、ヒトプロ
テインC遺伝子の部位特異的突然変異によって調製した
。そして、突然変異チモーゲンをコードしている分子を
真核生物発現ベクター中にそのチモーゲン遺伝子がアデ
ノウイルス−2の主要な後期プロモーターによって発現
されるように挿入した。このベクターは、そのプロモー
ターからの発現を増強するよう配置されているBKウイ
ルスのP2エンハンサー要素をも含有している。その得
られたベクターを大腸菌(Escherichia c
oli)K12 AG1細胞に導入し、ノーザン・リー
ジォナル・リサーチ・ラボラトリー[イリノイ6160
4、ペオリア]に1990年1月9日に寄託してそのパ
ーマネント・ストック・カルチャー・コレクションを形
成させた。具体的な培養物および受託番号を以下の表2
に示す。 【0035】 【表2】 培養物
受託番号 E.c
oli(大腸菌)K12 AG1/pLPC−Q097
NRRL B−18608
E.coli(大腸菌)K12 AG1/pLP
C−Q248 NRRL B−18609
E.coli(大腸菌)K12 A
G1/pLPC−Q313 NRRL B−
18610 E.coli(大腸菌
)K12 AG1/pLPC−Q329 N
RRL B−18611 【0036】それ
らの培養物を入手し、常法によってプラスミドを単離し
、次いでそれを直接真核生物宿主細胞にトランスフェク
トすれば、チモーゲン型のヒトプロテインCを産生させ
ることができる。アデノウイルスE1A即時型(imm
ediate−early)遺伝子産物を発現する宿主
細胞内にプラスミドを導入することは、そのベクター上
に見いだされるBKエンハンサーがE1Aの存在下に発
現性を最も効率的に増大させるので、好ましい。当業者
ならば、多くの宿主細胞が大きなDNAウイルスの即時
型遺伝子産物を発現し、またはそれを発現するように調
製できることは十分に理解されよう。好ましいセルライ
ンはヒト腎293セルライン(アメリカン・タイプ・カ
ルチャー・コレクションから受託番号ATCC CRL
1573の下に入手可能である)またはシリアンハム
スターセルラインAV12(ATCC9595)である
。ヒト胚腎セルライン293が最も好ましいのである。 【0037】より高いレベルの発現を得るためには、種
々のチモーゲン型プロテインCをコードしている遺伝子
をその寄託されているベクターから切り出し、GBMT
転写制御ユニットを含有するベクター中に連結すればよ
い。具体的には、そのGBMTユニットによって駆動さ
れる天然ヒトプロテインC遺伝子を含有するプラスミド
pGT−hを受託番号NRRL B−18592の下に
NRRLから(E.coli K12 AG1として)
入手すればよい。GM48(NRRL B−15725
)などの、E.coli のdam ̄メチラーゼ菌株中
からプラスミドDNAを単離した後に制限酵素BclI
でそのプラスミドを消化することによって、プラスミド
バックボーンを開裂させる。得られた個々のプラスミド
からBclI消化によって新規チモーゲン遺伝子をそれ
ぞれ取り出すことができる。そのベクターバックボーン
を精製し、脱リン酸化し、次いで本発明の新規チモーゲ
ン遺伝子をBclI部位に連結する。次いで、発現され
るようにGBMT転写ユニットの後方に配置している新
規チモーゲン遺伝子を含有するプラスミドを293細胞
中に導入し、培養し、得られた培養物から当業界周知の
方法によって新規チモーゲンを精製すればよい。ヒトプ
ロテインCを細胞培養物から精製する1つの方法は、1
990年4月11日公開のヤン(Yan)の欧州特許公
開第0363126号に開示されている。 【0038】本発明の化合物はさらに本発明の形成期タ
ンパク質の分泌の際に生成されるチモーゲン型をも包含
している。したがって、本発明の化合物には、DNAコ
ード化配列、この配列を発現させる発現ベクター、この
コード化配列から生成されるmRNA転写物の翻訳の際
に生成される形成期タンパク質、この形成期タンパク質
の分泌の際に生成されるチモーゲン、およびそのチモー
ゲンの特定のものの活性化誘導体が包含される。 【0039】本発明のDNA化合物は化学的に、または
制限フラグメントを結合させて、または当業界既知の方
法を組み合わせて合成することができる。DNAの合成
装置も入手可能であり、それを使用して本発明の化合物
を構築することができる。 【0040】本発明の例示ベクターは、本発明のコード
化配列のアデノウイルス主要後期プロモーターによる転
写を刺激する位置にあるBKエンハンサーを含有してい
る。当業者は、大多数の真核生物プロモーター、エンハ
ンサー、および発現ベクターが当業界周知であり、それ
らが本発明の方法に使用できることを認識している。当
業者はさらに、真核生物発現ベクターはエンハンサー要
素が無くても機能できることを認識している。本発明の
重要な局面は、プロテインCチモーゲンを発現させるた
めに使用する特定のエンハンサー、またはプロモーター
にあるのではなく、本発明の新規コード化配列およびそ
の配列から生成される対応タンパク質にある。 【0041】しかし、プロモーター、エンハンサーおよ
び選択マーカーなどのベクター要素の選択性は、真核生
物宿主細胞によって産生されるタンパク質の最終レベル
に対して多大の影響を与える。1987年11月19日
公開の欧州特許公開第0245949号には、形成期ヒ
トプロテインCを発現させる位置にある真核生物プロモ
ーターを刺激するためのBKエンハンサーを利用する、
天然チモーゲンプロテインCのための多くの発現ベクタ
ーが開示されている。これらのベクターは、アデノウイ
ルスのE1A遺伝子産物のような大きなDNAウイルス
の即時型遺伝子産物をも発現させる真核生物細胞内に導
入した場合に特に高いレベルで発現させる。本明細書に
開示する例示ベクターpGT−Q097−h、pGT−
Q248−h、pGT−Q313−h、およびpGT−
329−hから明らかなように、GBMT−E1A遺伝
子産物の発現方法は本発明のベクターを用いて行う場合
に特に好ましい。 【0042】本発明の用途は特定の真核生物宿主細胞に
限定されるものではない。種々の真核生物宿主細胞がア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATC
C)[MD20852,ロックビル]などの寄託機関か
ら入手可能であり、本発明のベクターに使用するのに適
している。 具体的な宿主細胞の選択性の幅は、本発明のプロテイン
Cコード化DNA化合物を発現させるのに使用される特
定の発現ベクターによってある程度左右される。しかし
、形成期ヒトプロテインCおよび本発明の形成期ヒトプ
ロテインC誘導体は実質的に翻訳後修飾を受けるので、
宿主細胞の中には本発明のベクターに使用する上で比較
的好ましいものがある。欧州特許公開第0245949
号、およびグリンネル(Grinnell)らのBio
/Technology 5:1189(1987)に
は、ヒトプロテインCのようなγ−カルボキシル化タン
パク質の組換え的生産に使用するには、アデノウイルス
により形質転換されたヒト胚腎セルラインが特に好まし
いことが開示されている。このようなアデノウイルス形
質転換ヒト胚腎セルラインの1つは、受託番号ATCC
CRL 1573の下にATCCから入手され得る2
93セルラインである。この293セルラインも本発明
のベクターと共に使用するのに好ましい。 【0043】しかしながら、ヒトプロテインCチモーゲ
ンなどのγ−カルボキシル化タンパク質をアデノウイル
ス−形質転換セルラインにおいて産生させる利点が、ア
デノウイルス形質転換ヒト胚腎細胞に限定されるもので
はない。事実、アデノウイルス形質転換細胞は一般にγ
−カルボキシル化ヒトプロテインC生産のための宿主と
して普通よりも優れたものである。このタイプの1つの
特に好ましいセルラインは、受託番号ATCC CRL
9595の下にATCCから入手され得るAV12−
664(以下「AV12」と呼称する)セルラインであ
る。 AV12セルラインは、シリアン(Syrian)ハム
スターの首筋にヒトアデノウイルス12を注射し、得ら
れた腫瘍から細胞を単離することによって構築した。以
下に記載の実施例3は、例示ベクターpGT−Q097
−hを使用して293およびAV12セルラインの両者
を形質転換する方法を説明するものである。 【0044】本発明のベクターは種々の真核生物、特に
哺乳動物の宿主細胞を形質転換でき、そして発現させる
ことができる。安定な真核生物形質転換体を単離して同
定するための選択マーカーを保持していない本発明のベ
クターは、一時検定の目的ばかりでなく、同時形質転換
(cotransformation)[1983年8
月26日発行の米国特許第4,399,216号に記載
されている操作]にとっても有用である。本発明のベク
ターはさらにE.coli での複製を可能にする配列
をも含有しており、それは他の宿主生物よりもE.co
li においてプラスミドDNAを調製するうえで効率
的なのが通常である。 【0045】本発明のベクターに含有されているヒトプ
ロテインCのコード化配列は、その構造遺伝子に付随す
る特定のプロモーターが機能する宿主細胞内で発現され
る。本発明に使用するのに適している宿主細胞を以下の
表3に例示する。適当な脚注も記載している。 【0046】 【表3】 宿主細胞 起源
供給元
脚注HepG−2 ヒト肝臓肝
芽腫 *ATCC # HB 806
5 米国特許第4,393,
133号
にはこのセ
ルラインの使用が
記載されているCV−1 アフリ
カミドリザル腎臓 ATCC # CCL 70LL
C−MK2原体 アカゲザル腎臓
ATCC # CCL 7LLC−MK2誘導体
アカゲザル腎臓 ATCC #
CCL 7.1 ATCC番号CCL7より
も速く増殖する3T3
マウス胚線維芽細胞 ATCC # CC
L 92CHO−K1 チャイニーズ
ハムス ATCC # CCL 61
プロリン要求性。 ター卵巣
この宿主からは、
dhfr−誘導化D
XB11
などのCHO−K1の誘
導体を生成させる
ことができる。 HeLa ヒト子宮頚上皮様
ATCC # CCL 2RPMI822
6 ヒト骨髄腫
ATCC # CCL 155 IgGλ−型
軽鎖分泌
性。 H4IIEC3 ラット肝癌
ATCC # CRL 1600
この宿主からは、
8−アザグアニン耐
性のFAZA宿主細胞
などの誘
導体を生
成させることがで
き
る。 C127I マウス線維芽細胞
ATCC # CRL 1616HS−S
ultan ヒト形質細胞腫
ATCC # CRL 1484BHK−21
幼若ハムスター腎臓 AT
CC # CCL 10
*:アメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クション、メリーランド20852−1776、ロック
ビル、パークローン・ドライブ12301番 【0047】上記表3に示しているように、多くの哺乳
動物宿主細胞は、本発明の形成期タンパク質のシグナル
ペプチドを認識し、適切にプロセッシングするための必
須細胞メカニズムを有しており、また血漿中に存在する
ヒトプロテインCで観察されるような、グリコシル化、
γ−カルボキシル化およびβ−ヒドロキシル化などの翻
訳後修飾を行うことができる。しかし、既述したように
、HPCの最適の翻訳後プロセッシングはアデノウイル
ス−形質転換細胞にて起こる。以下に記載する広範なベ
クターが上記の真核生物宿主細胞の形質転換用に存在す
るが、例示しているベクターは本発明の範囲の限定を意
図するものではない。 【0048】pSV2型ベクターは、規定された真核生
物転写ユニット、すなわちプロモーター(ep)、介在
配列(IVS)およびポリアデニル化(pA)部位を構
成するSV40ゲノムのセグメントを含有している。S
V40のT−抗原が存在しない場合は、プラスミドpS
V2型のベクターは哺乳動物および他の真核生物宿主細
胞をそれら宿主細胞の染色体DNAへの組込みによって
形質転換する。種々のプラスミドpSV2型ベクター、
例えばSV40プロモーターが挿入遺伝子を転写させる
ものであるプラスミドpSV2−gpt、pSV2−n
eo、pSV2−dhfr、pSV2−hyg、および
pSV2−β−グロビンが構築されている[コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー,コールド・スプ
リング・ハーバー,ニューヨークによって発行されたグ
ルッツマン(Gluzman)編のEukaryoti
c Viral Vectors(1982)を参照の
こと]。これらのベクターは、本発明のコード化配列に
使用するのに適しており、アメリカン・タイプ・カルチ
ャー・コレクション(ATCC)またはノーザン・リー
ジォナル・リサーチ・ラボラトリー(NRRL)のいず
れかから入手可能である。 【0049】プラスミドpSV2−dhfr(ATCC
37146)は、SV40初期プロモーターの制御下
にあるネズミジヒドロ葉酸リダクターゼ(dhfr)遺
伝子を含有している。適切な条件下では、dhfr遺伝
子は宿主の染色体において増幅し、または複製すること
が知られている。シムケ(Schimke)のCell
37:703−713(1984)によって概説され
ているこの増幅法は、dhfr遺伝子に近接するDNA
配列、例えば本発明の形成期ヒトプロテインCをコード
している配列などに適用することができ、したがって本
発明のプロテインCチモーゲンの生産性を増大させるた
めに使用することができる。 【0050】本発明の形成期プロテインCおよびプロテ
インCチモーゲンを哺乳動物および他の真核生物宿主細
胞内で発現させるために構築したプラスミドは、広範な
範囲のプロモーターを利用することができる。本発明は
、本明細書に例示している特定の真核生物プロモーター
の使用に限定されるものではない。SV40後期プロモ
ーター、またはブッチャー(Bucher)らのNuc
l.Acids.Res. 14(24):1009(
1986)に開示されている真核生物プロモーター、ま
たは例えばエストロゲン−誘発性ニワトリオバルブミン
遺伝子、インターフェロン遺伝子、糖質コルチコイド誘
発性チロシン・アミノトランスフェラーゼ遺伝子、チミ
ジンキナーゼ遺伝子、および主要な初期および後期アデ
ノウイルス遺伝子などの真核生物遺伝子由来のプロモー
ターは容易に単離することができ、真核生物宿主細胞に
おいてヒトプロテインCチモーゲンを産生するように設
計した組換えDNA発現ベクター上に使用できるよう修
飾することが可能である。真核生物プロモーターは直列
して(タンデムとして)、本発明のコード化配列を発現
させるために使用することができる。さらには、広範な
真核生物宿主細胞を感染する多くのレトロウイルスが知
られている。そのレトロウイルスDNA内の長い末端反
復配列(long terminal repeats
)はプロモーター活性をコードしていることが多く、し
たがってそれも本発明のコード化配列を発現させるため
に使用することができる。 【0051】プラスミドpRSVcat(ATCC 3
7152)は、ニワトリおよび他の宿主細胞を感染する
ことで知られている、ロウス肉腫ウイルス(RSV)(
Rous Sarcomavirus)の長い末端反復
配列を含有している。このRSVの長い末端反復配列は
、プラスミドpRSVcatの〜0.76kb Nde
I−HindIII制限フラグメント上に単離すること
ができる。RSVの長い末端反復配列[ゴールマン(G
orman)らのP.N.A.S.79:6777(1
982)]は、本発明のベクターに使用するのに適して
いる。プラスミドpMSVi(NRRL B−1592
9)は、マウスおよび他の宿主細胞を感染することで知
られているネズミ肉腫ウイルス(MSV)の長い末端反
復配列を含有している。これらの反復配列は、本発明の
ベクターにおけるプロモーターとして使用するのに適し
ている。マウスメタロチオネイン(MMT)プロモータ
ーも真核生物宿主細胞で使用できるものとして十分に特
性化されており、本発明のベクター内で使用するのに適
している。このMMTプロモーターは、本発明の他のプ
ラスミドを構築するための出発物質として使用できる、
15kb のプラスミドpdBPV−MMTneo(A
TCC 37224)内に存在している。 【0052】本発明の例示DNA配列およびプラスミド
には多くの修飾および改変が可能である。例えば、遺伝
子コードの同義性により、コードされているポリペプチ
ドのコード化配列は変化させないで、ポリペプチドコー
ド化領域の全域にわたってのヌクレオチド、および翻訳
終止シグナル内のヌクレオチドを置換することができる
。このような置換可能な配列は、ヒトプロテインCの既
知のアミノ酸またはDNA配列から推定することができ
、そしてそれらは以下に記載の常法である合成法または
部位−特異的突然変異法によって構築することができる
。合成法は、イタクラらのScience 198:1
056(1977)およびクレア(Crea)らのPr
oc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.7
5:5765(1978)に実質的にしたがって実施す
ればよい。このように、本発明は、例示している特定の
DNA配列およびプラスミドに限定されるものではない
。 【0053】本発明のベクターを真核生物宿主細胞内に
導入した後では、選択可能な表現型に基づいて形質転換
体を選択することができる。この選択可能な表現型は、
発現ベクター上または宿主細胞内にその発現ベクターと
一緒に同時形質転換した他のベクター上に存在している
、いずれかの選択マーカーによって付与することができ
る。形質転換体を選択したなら、望ましくは、いずれの
形質転換体がその発現ベクターによってコードされてい
る所望のタンパク質を最も高いレベルで発現しているか
を同定する。このような同定法は、選択マーカーを含有
しているプラスミドのみを含有しており発現ベクターを
含有していない多くの形質転換体が生成される方法であ
る、同時形質転換法の場合には特に重要である。以下に
記載の実施例4では、所望のタンパク質を発現し、かつ
分泌する細胞を同定するためばかりでなく、分泌された
タンパク質の量をその方法によって他の細胞との比較に
おいて定量するためのプロトコールについて、説明して
いる。このプロトコールは所望のタンパク質を最も高い
レベルで分泌している生細胞を単離するのにも使用する
ことができる。 【0054】チモーゲン型ヒトプロテインCを活性化プ
ロテインC(APC)に活性化するための活性化方法は
従来技術であり、当業者には周知である。プロテインC
の活性化はトロンビン単独で、またはトロンビン/トロ
ンボモジュリン複合体によって、またはラッセルのヘビ
毒液(Russell’s viper venom)
によって、または広範な他の手段によって行うことがで
きる。プロテインCチモーゲンの活性は全アミド分解検
定または抗凝血検定のいずれかに基づいてトロンビン活
性化を追跡することによって測定することができる。ト
ロンビンの活性化およびプロテインC活性検定(アミド
分解および抗凝血性)をグリンネンらのBiotech
nology 5:1187−1192(1987)の
教示通りに行った。ヒトプロテインC炭水化物突然変異
体の特定のアミド分解活性を以下の表4に示す。 【0055】 【表4】 アミド分解活性
抗凝血活性a) 機能的活性の AP
C型 (U/mg)
(%) 相対的レベルc)
天然APC 32±10
119±24 1 Q097
80±10 118±11
2.5 Q248
NDb) ND
ND Q313
52±8 98±8
1.4 Q329 116±
16 128±21 3
.9 a)APTT検定によって測定した活性化プロテイ
ンCの量をアミド分解検定によって測定した量で割り算
する。 b)測定せず。 c)天然APCと比較した相対的アミド分解活性と相対
的抗凝血活性との積。 【0056】表4の検定で使用しているチモーゲン分子
の定量はELISA検定によって行ったが、その検定に
は、野生型分子と同じ程度で上記突然変異体または誘導
体と反応することができないモノクローナル抗体であっ
て、その野生型分子によって惹起させたものを使用した
。したがって、タンパク質含量に基づいてさらに精製し
、定量することにより、以下の表5に示すデータを得た
。 【0057】 【表5】
機能的活性(単位/mg)
アミド分解活性
抗凝血活性 HPC型
(対−野生型HPC) (対
−血漿野生型HPC) 血漿−由来
ND
250(1) 野生型APC
35 ± 5 (1)(n=7)
325 ± 65 (1.3)(n=5)
Q097 32 ± 4 (
0.9)(n=10) 303 ±
33 (1.2)(n=3) Q248
63 ± 12 (1.8)(n=8)
669 ± 172 (2.7)(n
=3) Q313 52 ±
7 (1.5)(n=9) 62
7 ± 99 (2.5)(n=3) Q329
47 ± 6 (1.4)(n=
9) 516 ± 29 (2.1
)(n=3) 最初の括弧内の数字は、血漿由来のHPCの活性に
対する倍率である。2番目の括弧は、二重試験または3
重試験で測定した独立した試料数(n)を示している。 【0058】上記表5に示した誘導体の増大した抗凝血
活性に加えて、突然変異Q313は、増大されたトロン
ビンに対する親和性を示し、トロンビン単独による、ま
たはコファクターであるトロンボモジュリンとの複合体
としての活性化速度を約3倍増大せしめた。この速度の
増大は、より感受性の高い臨床用のチモーゲン型プロテ
インCを作成するうえで有用であり、かつチモーゲン型
プロテインCを開裂して活性化プロテインCを作成する
ための産生方法を改良するうえでも有用である。チモー
ゲンQ313の活性化の速度論的パラメーターを以下の
表6に示す。 【0059】 【表6】 基質 Km
kcat kcat/Km
(μM)
(分−1) (分−1mM−
1) 野生型HPC 6.1 ± 0.45 n=3
480±14 79Q313
1.9 ± 0.50 n=4
380±14 200 上記の結果は、3つの独立した測定値の平均である
。 それぞれの値は、非直線回帰分析で測定した。 【0060】活性化プロテインCは、静脈内血栓の広が
りを防止し、動脈血栓の形成を予防し、そしてグラム陰
性敗血症、内毒血症および散在性血管内凝血に由来する
死および器官損傷を予防するための抗−血栓特性を本質
的に有している。特に重要なことは、本発明の活性化プ
ロテインC誘導体の増大した機能的活性により、安全性
の幅が拡大されると共に、上記の臨床適応症に投与する
投与量を減少させることができることである。 【0061】本発明の活性化組換えプロテインCチモー
ゲンは、深部静脈血栓、肺動脈塞栓症、末梢動脈血栓、
心臓または末梢動脈に起因する塞栓症、急性心筋梗塞、
血栓性発作、および播種性(散在性)血管内凝血などの
、血管内凝血に関連した広範な範囲の後天性疾患を処置
および予防するのに有用である。これらプロテインC誘
導体はさらに、再発性深部静脈血栓を提示するヘテロ接
合性プロテインC欠乏症に罹患した顕著に多い患者を処
置する場合、および電撃性紫斑病を伴ったホモ接合性プ
ロテインC欠乏症患者の場合にも効率的に使用すること
ができる。活性化プロテインCの治療上魅力的な適応例
は、低用量のヘパリンで処理するのが普通である深部静
脈血栓および肺動脈塞栓の予防である。 【0062】同様に、本発明のプロテインC誘導体は、
血小板機能を抑制できる薬物、経口用抗凝血物質または
それらの併用療法など、現在使用されている処置法では
満足できるほどに処置または予防できていない、けい動
脈において最も顕著な、末梢動脈の血栓に由来する塞栓
の処置にも使用することができる。 【0063】本発明の活性化誘導体は一旦活性化される
とプロ−フィブリン溶解性を有するので、急性の心筋梗
塞の処置に対しても有用である。これらの活性化誘導体
は急性期の心筋梗塞では組織プラスミノーゲンアクチベ
ーターと共に投与することができる。閉塞性の冠状動脈
血栓が溶解した後に、本発明の活性化誘導体をさらに数
日投与すれば、急性心筋梗塞の再発を予防することがで
きる。 【0064】活性化プロテインCは散在性血管内凝血の
処置に有用である。散在性血管内凝血症(DIC)に罹
患した患者に対しては膨大な臨床試験としてヘパリンお
よび経口用抗凝血物質が投与されてきたが、その成績は
期待はずれであった。散在性血管内凝血症では、活性化
プロテインCは、本発明のチモーゲンと同様に従来の抗
凝血物質よりも遥かに有用であった。 【0065】従来の抗凝血薬、特にワーファリンは侵食
性悪性腫瘍の処置に有用である。多くの腫瘍細胞は、局
所のフィブリン沈着をもたらす凝血系の活性化を誘発さ
せる物質を産生する。これらのフィブリン沈着は、癌細
胞が分裂して転移性損傷を形成し得る「病巣」として機
能する。しかし、ワーファリンまたは他の従来から抗凝
血物質療法は血小板数を著しく下落させ、かつ血小板減
少症はワーファリン療法と相俟って重篤な出血合併症の
許容できない高い危険性を患者に招来するので、これら
を投与することはできない。従来の抗凝血物質よりも選
択的であり、かつヘパリンまたは経口用抗凝血物質のい
ずれよりも治療指数の高い本発明のプロテインC誘導体
は活性化プロテインCと同様に、血小板減少症の患者に
比較的安全に投与することができ、したがって本発明の
活性化プロテインC誘導体を併用した効果的かつ集中的
な治療法を侵食癌の患者に施すことができる。 【0066】本発明のチモーゲンおよびその活性化体は
周知の方法にしたがって製剤化でき、本発明のヒトプロ
テインCチモーゲンまたは活性化プロテインCを医薬的
に許容できる担体ビヒクルを含有する混合物と混合する
ことによって、医薬的に有用な組成物とすることができ
る。適当な担体ビヒクルおよび他のヒトタンパク質、例
えばヒト血清アルブミンを含有するその製剤は、例えば
Remington’s Pharmaceutica
l Science 16版,1980[Mack P
ublishing Co.,オソル(Osol)ら編
]に記載されている。 このような組成物は、適量の担体ビヒクルと共に有効量
のプロテインCチモーゲンまたはその活性化体を含有し
、宿主に効率的に投与するのに適している医薬的に許容
し得る組成物である。プロテインC組成物は非経口的に
、またはその有効な形態で血流に供給できる他の方法に
よって投与することができる。 【0067】以下に実施例を記載し、方法、ならびに本
発明の代表的化合物、ベクターおよび形質転換体の構築
プロトコールについて説明するが、これらは本発明の範
囲を限定するものではない。 【0068】 実施例1 プラスミドpLPC−Q097の単離 大腸菌(E.coli)K12 AG1/pLPC
−Q097の凍結乾燥品をノーザン・リージォナル・リ
サーチ・ラボラトリー[イリノイ61604,ペオリア
]から受託番号NRRL B−18608の下に入手す
る。その凍結乾燥品を、LB培地[1リットル当たりバ
クト(Bacto)−トリプトン10g、バクト−酵母
エキス5gおよびNaCl 10g;pHを7.5に調
節]10ml を入れた試験管中にデカントし、32℃
で2時間インキュベートし、得られた培養物をアンピシ
リン50μg/ml に調整し、次いで37℃で一晩イ
ンキュベートする。 【0069】その一晩培養物を少量、50μg/ml
アンピシリンを含有するLB−寒天(15g/Lバクト
−寒天を含むLB培地)平板上に入れ、E.coli
K12 AG1/pLPC−Q097の単一のコロニー
単離物が得られるようにする。得られた単一コロニーを
50μg/ml アンピシリンを含有するLB培地10
ml に接種し、激しく振盪させながら37℃で一晩イ
ンキュベートした。その一晩培養物10ml を50μ
g/ml アンピシリンを含有するLB培地500ml
中に接種し、激しく振盪させながらインキュベートし
てその培養物を定常期に至らしめた。 【0070】以下の操作法は、マニアチス(Mania
tis)らのMolecular Cloning(コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー)(19
82)を改作したものである。 【0071】4℃における4000G、10分の遠心に
よって細胞を採取し、上清を捨てた。得られた細胞ペレ
ットを氷冷STE緩衝液[0.1M NaCl、10m
M トリス−HCl pH7.8、および1mM ED
TA]100ml 中で洗浄した。洗浄後、細胞ペレッ
トを5mg/ml リゾチームを含有する溶液1[50
mM グルコース、25mM トリス−HCl pH8
.0、および10mM EDTA]10ml 中に再懸
濁し、次いで室温に10分間放置した。 次いで、溶液2[0.2N NaOHおよび1%SDS
]20ml をリゾチーム処理細胞に加え、得られた溶
液を反転させて穏やかに混合した。この混合物を氷上で
10分間インキュベートした。 【0072】氷冷5M 酢酸カリウム(pH4.8)1
5ml を上記の細胞溶解−細胞混合物に加え、反転さ
せて溶液を混合した。その溶液を氷上で10分間インキ
ュベートした。氷酢酸11.5ml を水28.5ml
および5M 酢酸カリウムに加え、5M 酢酸カリウ
ム溶液を調製した(得られた溶液は、カリウムについて
は3M、酢酸については5M である)。 【0073】その細胞溶解混合物をベックマンSW27
(またはそれと同等の装置)によって4℃で20,00
0rpm、20分間遠心した。得られた細胞DNAおよ
び残骸は管の底にペレットを形成した。上清約36ml
を回収し、0.6容量のイソプロパノールを加え、混
合し、得られた溶液を室温で15分間放置した。そのプ
ラスミドDNAを12,000G、30分(室温)の遠
心によって採取した。上清を捨て、DNAペレットを7
0%エタノールで洗浄した(室温)。エタノール洗液を
デカントし、得られたペレットを真空乾燥機中で乾燥さ
せた。次いで、そのペレットをTE緩衝液[10mM
トリス−HCl pH8.0、および1mM EDTA
]8ml 中に再懸濁した。 【0074】CsCl(8g)をそのDNA溶液に加え
た。 臭化エチジウムの10mg/ml 水溶液約0.8ml
を各CsCl−DNA溶液10ml に加えた。この
溶液の最終密度は約1.55g/ml であり、臭化エ
チジウム濃度は約600μg/ml であった。この溶
液をベックマン50型遠心管に移し、パラフィン油で上
端まで満たし、栓をし、20℃で24時間45,000
rpmで遠心した。遠心後、DNAの2つのバンドが普
通光で観察された。その遠心管から栓をとり、次いで2
1番皮下注射針を遠心管の側面から挿入して低いほうの
DNAバンドを取り出した。 【0075】水−飽和1−ブタノールで数回抽出するこ
とにより臭化エチジウムを除去した。TE緩衝液に対し
て透析し、CsClを除去した。緩衝化フェノールで、
次いでクロロホルムで抽出した後、沈殿させ、得られた
DNAを70%エタノールで洗浄し、乾燥した。プラス
ミドpLPC−Q097約1mgが入手され、それを濃
度約1μg/μl でTE緩衝液中に4℃で保存した。 プラスミドpLPC−Q097の制限部位および機能地
図を添付の図1に示す。同様にして、プラスミドpLP
C−Q248、pLPC−Q313、およびpLPC−
Q329も、NRRLから入手可能なそれらの対応宿主
細胞から単離される。それらプラスミドの制限部位およ
び機能地図を添付の図面にそれぞれ示す。 【0076】 実施例2 プラスミドpGT−Q097−hの構築 プラスミド
pLPC−Q097、pLPC−Q248、pLPC−
Q313およびpLPC−Q329は、ヒトプロテイン
Cチモーゲンを高レベルで産生させるためには、真核生
物宿主細胞(好ましくは293細胞)に直接導入すれば
よい。この突然変異チモーゲンをコードしている遺伝子
がGBMT転写ユニットから駆動されるようなベクター
にその遺伝子を連結させれば、タンパク質の発現性およ
び分泌性を極めて高くすることができる。 【0077】プラスミドpGTCは、野生型ヒトプロテ
インCチモーゲン遺伝子がGBMT転写ユニットによっ
て駆動されているベクターの1つである。野生型のプロ
テインC遺伝子は、そのベクターのBclI制限フラグ
メント上から容易に取り出すことができ、本発明の遺伝
子はいずれもそのベクターのBclI制限フラグメント
上に挿入することができる。プラスミドDNAのBcl
Iによる消化は、配列5’−GATC−3’のアデニン
位のメチル化によって阻害される。したがって、プラス
ミドpGTCは、dam遺伝子によってコードされてい
るような、配列5’−GATC−3’のアデニン残基を
メチル化する産物であるアデニンメチラーゼを欠いてい
る大腸菌宿主細胞から調製した。大腸菌K12 GM4
8(NRRLB−15725)は機能的damメチラー
ゼを欠いており、したがってこれは、プラスミド誘導体
を構築する際の出発物質として使用できるプラスミドp
GTCのDNAを調製する目的として適切な宿主である
。 【0078】大腸菌K12 GM48細胞を培養し、形
質転換に対して感受性(コンピーテント)にし、実施例
1に記載の操作法に実質的に従ってプラスミドpGTC
を使用して大腸菌K12 GM48細胞を形質転換した
。 得られた形質転換細胞をアンピシリンを含有するL−寒
天上にプレートし、アンピシリン耐性の大腸菌K12
GM48/pGTC形質転換体がコロニーを形成したな
ら、実施例1の操作法に実質的に従って、その1つを使
用してプラスミドpGTC DNAを調製した。プラス
ミドpGTC DNA約1mgを入手し、TE緩衝液約
1ml 中に懸濁した。同様に、プラスミドpGT−h
およびpGT−dからプラスミドDNAを調製した。プ
ラスミドpGT−dは、BclI部位に遺伝子を有さな
いでGBMT転写ユニットを含有しており、したがって
あらゆる遺伝子を容易に挿入することができる。プラス
ミドpGT−dはさらにネズミdhfr遺伝子を含有し
ているので、メトトレキサート耐性表現型を使用してあ
らゆる形質転換体を選択でき、または増幅することがで
きる。プラスミドpGT−hは、GBMT転写ユニット
、目的遺伝子を容易に挿入できるBclI部位およびハ
イグラマイシン耐性付与遺伝子を含有している。これら
プラスミドのいずれかを含有する大腸菌K12 AG1
株は1990年1月18日にNRRLに寄託した。それ
ら菌株は受託番号NRRL B−18591(大腸菌K
12 AG1/pGT−dについて)、NRRL B−
18592(大腸菌K12 AG1/pGT−hについ
て)、およびNRRL B−18593(大腸菌K12
AG1/pGTCについて)の下に入手できる。これ
らプラスミドの制限部位および機能地図を添付の図面に
示す。 【0079】GM48細胞から調製したプラスミドpL
PC−Q097 DNA約10μl を、10×Bcl
I制限緩衝液[100mM トリス−HCl pH7.
4、1.5M KCl、100mM MgCl2、およ
び10mM DTT]20μl、1mg/ml BSA
20μl、制限酵素BclI[ベセスダ・リサーチ・ラ
ボラトリーズ(Bethesda Research
Laboratories)(BRL)により規定され
た〜50単位。以下、本明細書で使用するすべての制限
酵素はここから入手した。]5μl、および水145μ
l と混合し、得られた反応物を37℃で2時間インキ
ュベートした。本明細書に記載している制限酵素反応は
、フェノール次いでクロロホルム抽出するという常法に
よって停止させ、次いでDNAを沈澱させてエタノール
洗浄し、そして得られたDNAをTE緩衝液中に再懸濁
している。次に、得られた消化DNAを1%アガロース
調製用ゲル(agarose prep gel)の電
気泳動に付し、次いでバイオラド(BioRad)Pr
ep−A−Gene キットをその製造元の教示に従っ
て使用し、突然変異遺伝子を含有する約1400塩基対
の制限フラグメントを精製する。 【0080】次いで、実施例1の教示に実質的に従って
プラスミドpGT−hを大腸菌K12 AG1/pGT
C(NRRL B−18592)から単離し、実施例2
のようにしてGM48中で増殖させて単離した。次いで
、プラスミドpGT−h DNAを上記のようにして制
限酵素BclIで消化した後、大きなベクターフラグメ
ントを単離し、精製した。このベクターフラグメントを
TE(pH8.0)を用いて90μl 容量にし、次い
で子牛腸内アルカリホスファターゼ10μl(0.05
単位)を加え、そのベクターの末端を脱リン酸化した。 得られた混合物を37℃で30分間インキュベートし、
次いで500mM EGTA(10μl)を加え、得ら
れた反応物を65℃で45分間インキュベートしてその
酵素を不活化した。次いで、その反応物をフェノール/
クロロホルム抽出し、エタノール沈澱し、洗浄し、水2
0μl 中に再懸濁した。 【0081】次に、そのBclI消化ベクターのバック
ボーン約7μl(10ng)をプラスミドpLPC−Q
097の約1400塩基対BclI制限フラグメント約
1μl(100mg)、10×リガーゼ緩衝液[0.5
M トリス−HCl pH7.6、100mM MgC
l2、100mM DTTおよび500μg/ml B
SA]1μl、およびT4 DNAリガーゼ1μl と
混合した。次いで、この連結反応物を16℃で12〜1
6時間インキュベートした。この連結反応により、GB
MT転写ユニットからの転写用に適して配向した突然変
異チモーゲン遺伝子を含有するプラスミド、またはその
遺伝子が反対の配向性で連結されたプラスミドが導かれ
得る。転写に対して適切な配向性の遺伝子を含有するプ
ラスミドをプラスミドpGT−Q097−hと命名した
。 【0082】凍結したコンピーテントな大腸菌K12
AG1細胞をストラテジーン(Strategene)
[カリフォルニア92121,サンジェゴ,タンセイ・
ロード3770番]から入手した。連結反応物約5μl
をコンピーテント細胞100μl と混合した後、得
られた細胞−DNA混合物を氷上で1時間インキュベー
トし、42℃で45秒間熱−ショックを与え、次いで氷
上で約2分間冷蔵した。得られた細胞−DNA混合物を
、ファルコン(Falcon)2059管中、SOC培
地1.0ml に希釈し、37℃で1時間インキュベー
トした。その100μlをアンピシリンを含有するLB
寒天平板上にプレートし、コロニーが現れるまで37℃
でインキュベートした。 【0083】得られたコロニーを個々に培養し、それぞ
れのコロニーのプラスミドDNAを制限酵素分析によっ
て調査した。プラスミドDNAの単離法は実施例1の操
作に実質的に従って行うが、それよりも小規模であり、
またCsCl工程は、適切な大腸菌K12 AG1/p
GT−Q097−h形質転換体が同定されるまで省いた
。同定された時点で、高度に精製されたプラスミドの調
製を大規模に行った。実施例1および2の教示に従えば
、あらゆる突然変異チモーゲン遺伝子を容易にあらゆる
GBMTベクターにクローンすることができ、それによ
りプラスミドpGT−Q097−h、pGT−Q248
−h、pGT−Q313−hおよびpGT−Q329−
hを作成することができる。 【0084】 実施例3 アデノウイルス−形質転換ヒト胚腎セルライン293お
よびアデ ノウイルス−形質転換シリアンハ
ムスター セルラインAV12 の形質転換
体のプラスミドpGT−Q097−hを使用する構築法
ヒト胚腎セルライン293は、アメリカン・タイプ
・カルチャー・コレクションから、受託番号ATCC
CRL 1573の下で入手できる。また、アデノウイ
ルスで形質転換されたシリアンハムスター セルライン
AV12も、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
ションから、受託番号ATCC CRL 9595の下
で入手できる。以下に説明する形質転換操作法は宿主セ
ルラインとして293細胞について言及するものである
が、この操作法は、AV12セルラインなどのほとんど
の真核生物セルラインに、および本発明の発現ベクター
に一般的に適用可能である。 【0085】受託番号CRL 1573の下で293細
胞をATCCから入手し、それを、10%の熱−不活化
ウマ血清を含むイーグル(Eagle)の最少必須培地
(Gibco)中に全面単層の約5.5×106個の細
胞を含む25mm2フラスコとした。このフラスコを3
7℃でインキュベートし、培地を週2回交換した。培地
は、10%ウシ胎仔血清、50μg/ml ゲンタマイ
シンおよび10μg/ml AquaMEPHYTON
R フィトナジオン ビタミンK1[メルク・シャープ
・アンド・ドーム(Merck Sharp and
Dohme, Merck and Co.,Inc.
,West Point, PA19486)]を追加
したDMEM(Gibco)であった。培地を除き、ハ
ンクのバランス塩溶液(Hank’s Balance
d Salts solution)[Gibco]で
すすぎ、0.25%トリプシン(0.2g/L EDT
Aを含む)を1〜2分間加え、新鮮な培地ですすぎ、ア
スピレーター処理を行い、そして継代培養比1:5また
は1:10で新しいフラスコに分けることにより、細胞
を継代培養した。 【0086】形質転換する前日に、細胞を100mm皿
あたり0.7×106細胞の割合で接種した。TE緩衝
液に溶解し、滅菌したエタノール沈澱プラスミドDNA
を使用し、25μg/ml の形質転換用プラスミドD
NAおよび250mM CaCl2を含有する2×DN
A−CaCl2溶液を調製した。280mM NaCl
、50mM ヘペス(Hepes)および1.5mM
リン酸ナトリウムを含有する、pHを7.05〜7.1
5に調節した2×HBSSを調製した。前記2×DNA
−CaCl2溶液を等量の滅菌2× HBSSに滴加し
た。2×HBSSを入れた混合管に綿プラグ付きの1m
l の滅菌プラスチック製ピペットを挿入し、DNAを
加えながら、気泡を吹き込んだ。撹拌することなく室温
で30〜45分間、カルシウム−リン酸塩−DNA 沈
澱物を形成させた。 【0087】次に、プラスチック製ピペットで穏やかに
ピペッティングすることによりその沈澱物を混合し、受
容細胞を覆う増殖培地10mlに平板1個あたり1ml
の沈澱物を直接加えた。37℃で4時間インキュベー
トした後、その培地を新鮮な培地と取り替え、選択圧を
かける前に細胞をさらに72時間インキュベートした。 真核生物細胞内で機能する選択マーカーを含んでいない
プラスミドに対しては、プラスミドの混合物、即ち、選
択マーカーを欠いている本発明の発現ベクターおよび真
核生物細胞内で機能する選択マーカーを含んでいる発現
ベクターの混合物、を形質転換法に用いる。このような
同時形質転換系で使用できるベクターは多種あり、それ
にはプラスミドpSV2−dhfr(ATCC 371
46)、pSV2−neo(ATCC 37149)、
pSV2−gpt(ATCC 37145)、およびp
SV2−hyg(NRRL B−18039)がある。 プラスミドpSV2−hygは真核生物宿主細胞にハイ
グロマイシンB耐性を付与する。この同時形質転換法に
よれば、選択マーカーを持つプラスミドを含んでいる細
胞を選択することができる。これらの細胞をさらに試験
して形質転換用プラスミドの両方を含んでいる細胞を同
定する。当然ながら、本発明は、真核生物細胞用の選択
マーカーを含んでいるために、同時形質転換法を必要と
しない発現ベクターをも包含している。 【0088】ハイグロマイシン耐性を付与する遺伝子を
含んでいる、プラスミドpGT−Q097−hなどのプ
ラスミドでトランスフェクトされた細胞に対しては、最
終濃度が約200μg/ml となるようにハイグロマ
イシンBをその増殖培地に加える。次いで、3〜4日毎
に培地を交換しながら、2〜4週間、37℃で細胞をイ
ンキュベートする。得られたハイグロマイシン耐性のコ
ロニーを、その特徴を調べるため別々の培養フラスコに
移した。プラスミドpSV2−neoはネオマイシン(
G418をネオマイシンの代わりに用いることもできる
)に対する耐性を付与し、G418を最終濃度300μ
g/ml で加えること以外は実質的にハイグロマイシ
ン耐性細胞の選択法に従って、G418耐性コロニーの
選択を行った。 【0089】ジヒドロ葉酸リダクターゼ(dhfr)遺
伝子あるいはメトトレキサート耐性を付与するdhfr
遺伝子の誘導体(dhfr−mtx)を、dhfr−欠
損セルラインに遺伝子あるいはプラスミドを導入するた
めの選択マーカーとして用いること、ならびに、次にプ
ラスミドのコピー数を増幅するためにメトトレキサート
を用いることは、文献において十分に確立されている。 293細胞はdhfr陽性であるので、dhfr遺伝子
を含むプラスミドを含有している293形質転換体は、
dhfr陽性の表現型(ヒポキサンチンとチミジンを欠
く培地で増殖する能力)に基づいてのみでは選択されな
い。機能的なdhfr遺伝子を欠き、dhfrを含有す
るプラスミドで形質転換されたセルラインは、dhfr
+の表現型に基づいて選択することができる。dhfr
を産生する細胞において選択および増幅マーカーとして
dhfrを用いることは十分に研究されてはいないが、
文献中の証拠により、dhfr産生細胞中での遺伝子増
幅用に、および選択マーカーとしてdhfrを使用し得
ることが示唆されていると考えられる。本発明は、発現
ベクターに用いる選択マーカーによって限定されるもの
ではない。さらに、メタロチオネイン遺伝子、アデノシ
ン デアミナーゼ遺伝子、またはP−糖タンパク質遺伝
子で例示される多遺伝子耐性族の一員などの増幅マーカ
ーを用いることもできる。 【0090】プラスミドpGT−Q097−h、pGT
−Q248−h、pGT−Q313−hおよびpGT−
Q329−hを使用して293セルラインを形質転換し
、多くの形質転換体を得た。これらの形質転換体を実施
例4に記載のようにして分析した。 【0091】 実施例4 ヒトプロテインCチモーゲン突然変異体を分泌する細胞
の選択 実施例3で得られたハイグロマイシン耐性の形質転
換体を100mm2組織培養皿上において、組織培養皿
1個あたり数百の細胞クローンの密度で増殖させた。こ
の培地をデカントし、細胞をハンクのバランス塩溶液(
Gibco)5ml ずつで2回すすいだ。滅菌した0
.45%寒天[Sigma Type 4 アガロース
;カタログ番号A3643;シグマ・ケミカル(Sig
ma Chemical Co., P.O.Box
14508, St.Louis,MO 63178)
]の溶液を、1.8%寒天(47℃)1ml をダルベ
ッコの改変イーグル(DME)塩(Gibco)(37
℃)3ml と混合することによって調製し、この0.
45%寒天溶液2ml を細胞上に重層した。 【0092】ニトロセルロースフィルター(Schle
icher and Schuell, Inc.,
Keene, NH 03431)を煮沸し、次いで2
時間オートクレーブ処理し、細胞にとって毒性である浸
潤性物質を除去した。次に、このフィルターを寒天層の
上に置き、気泡を除去した後、得られた平板を37℃で
1〜3時間インキュベートした。次いで、後に行うコロ
ニーの同定を容易にするため、皿上のフィルターの最初
の方向がわかるように、あらかじめ印をつけておいたフ
ィルターを取り出し、PBS(50mMトリス−HCl
、pH=7.2および150mM NaCl)中に入れ
た。 【0093】フィルターの分析の間、皿上の細胞を生き
たままに保つため、1.8%寒天(47℃)2ml、D
ME塩(37℃)2ml、および20%ウシ胎仔血清を
含むDME塩(37℃)4mlからなる混合物8ml
を細胞上に重層した。次に、この細胞を37℃のインキ
ュベーター内に入れた。 【0094】フィルターで行う洗浄および反応はすべて
、フィルターを振動台(rocking platfo
rm)の上に置いて行った。始めにこのフィルターを、
5%のミルクを含むPBS中、室温でインキュベートす
ることによってブロックした。次に、このフィルターを
PBS中で4回すすいだ(1回のすすぎは5分間)。2
.5%ウシ血清アルブミン中の10μg/mlビオチン
化ヤギ抗−ヒトプロテインCポリクローナル抗体を、フ
ィルターを覆うに十分な量でフィルターに加え、次いで
これを37℃で1時間インキュベートした。 【0095】プロテインCに対する抗体を調製するため
に後に使用するプロテインCの精製は、キシール(Ki
siel)の J.Clin.Invest. 64:
761(1979)に記載のようにして行うことができ
る。ポリクローナル抗体は、キャバット(E.A.Ka
bat)の ”StructuralConcepts
in Immunology and Immuno
chemistry”, Hold,Rhinehar
t,およびWinston出版(1968)]に開示さ
れている方法によって調製することができる。また、本
検定で用いるのに適したモノクローナル抗体は、コーラ
ーおよびミルシュタイン[Kohler and Mi
lstein, 1975, Nature, 256
:495]の記載のようにして、または米国特許第4,
696,895号、EPO 公開番号第205046号
;ラウレル(Laurell)らの FEBS191(
1):75(1985);スズキ(Suzuki)らの
J.Biochem. 97:127−138(19
85);およびEPO 公開番号第138222号に記
載されているようにして調製することができる。本検定
で用いるアビジンDおよびビオチン化した西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ(HRP)は VectastainT
M キット[Vector Laboratories
, Inc., 30 Ingold Road, B
urlingame, CA 94010]から入手す
ることができる。また、ビオチンもVectorLab
oratories,Inc.から得られる。 【0096】フィルターを4℃のPBSで4回すすいだ
。次に、VectastainTM(Vector L
aboratories)キット中の製造元の指示に従
って、アビジンDおよびビオチン化西洋ワサビペルオキ
シダーゼを調製し、加えた。HRPとコンジュゲートし
たアビジンDとともに4℃で1時間(タンパク質が少量
分泌されているときには、もっと長いインキュベート時
間、例えば一晩を用いることができる)、フィルターを
インキュベートし、次いで、このフィルターを4℃のP
BSで4回すすいだ。 【0097】フィルターの指示色を発色させるため、氷
冷の100%メタノールに溶解したHRPカラー発色剤
(4−クロロ−1−ナフトール;Sigma)(約30
mg)をPBS(50ml)および30%H2O2(3
0μl)に加えた。 この混合物をニトロセルロースフィルターに加え、これ
を発色するまで室温でインキュベートした。本発明のヒ
トプロテインCチモーゲンを最大量分泌しているコロニ
ーは、フィルターの最も早い発色によってだけでなく、
フィルター上の一段と暗いスポットによっても示される
。 【0098】フィルターを発色させた後、もう一度この
フィルターを最初の平板と並べ、どのコロニーがフィル
ターのどのスポットと関係しているかを調べた。そして
、本発明のヒトプロテインCチモーゲンを最大に分泌し
ているコロニーを選び、これを該チモーゲンの製造に使
用した。 【0099】上記の検定が高分泌セルラインを同定する
ための単なる例示方法であるにすぎないことは当業者の
理解するところであろう。この方法において多種の検定
法を成功裏に用いることができる。例えば、ビオチン化
したヤギ抗プロテインC抗体を、ヤギ抗−プロテインC
抗体(IgG)およびビオチン化した抗−ヤギIgG抗
体と置き換えた2重−抗体反応を用いることができる。 【0100】チモーゲン突然変異体は細胞培養物から精
製することができる。その上清を組換え産物を産生する
細胞から除去し、ファルマシア[Pharmacia]
のFastflow−Qカラムで精製した。樹脂約1m
l を20mM トリス−HCl pH7.4、0.1
5M NaCl、5mM EDTAおよび4mM ベン
ズアミジンで平衡化した。上記の培養上清をトリス−H
Cl pH8.0、5mM EDTAおよび4mM ベ
ンズアミジンの添加によってpH7.4に調節した。上
清をカラム中の樹脂に入れ、3カラム容量のトリス−H
Cl pH7.4、0.15M NaCl、5mM E
DTAで、次いで3カラム容量の20mM トリス(H
Cl)、0.15M NaCl、4mM ベンズアミン
で洗浄した。10mM CaCl2を20mM トリス
−HCl pH7.4、0.15M NaCl、5mM
ベンズアミンに含有する溶出緩衝液を使用し、そのカ
ラムから組換え産物を溶出させた。 【0099】その産物の比活性をグリンネル(Grin
nell)らのBiotechnology 5:11
89−1192(1987)の操作法にしたがって以下
のようにして測定した。カラム溶出液を濃縮し、透析し
て得た産物を固定化トロンビン−トロンボモジュリン複
合体によってまず始めに活性化し、次いでその産物のア
ミド分解活性を、トリペプチド基質S−2366[ヘレ
ナ(Helena Labs)から入手]の加水分解に
よって測定した。この産物の抗凝血活性は、ヘレナから
得た試薬を使用し、活性化された部分的トロンボプラス
チン時間の延長度によって測定した。
【図1】 プラスミドpLPC−Q097の制限部位
および機能地図。
および機能地図。
【図2】 プラスミドpLPC−Q248の制限部位
および機能地図。
および機能地図。
【図3】 プラスミドpLPC−Q313の制限部位
および機能地図。
および機能地図。
【図4】 プラスミドpLPC−Q329の制限部位
および機能地図。
および機能地図。
【図5】 プラスミドpGTCの制限部位および機能
地図。
地図。
【図6】 プラスミドpGT−dの制限部位および機
能地図。
能地図。
【図7】 プラスミドpGT−hの制限部位および機
能地図。
能地図。
Claims (20)
- 【請求項1】 配列式: 【化1】 [式中、R1はASNまたはGLN、R2はASNまた
はGLN、R3はASNまたはGLN、R4はASNま
たはGLNである] で示されるアミノ酸配列をアミノ末端からカルボキシ末
端の方向に含有するタンパク質をコードしているコード
化配列を含有する組換えDNA化合物。 - 【請求項2】 請求項1に記載のDNA化合物を含有
する組換えDNA発現ベクター。 - 【請求項3】 R1がGLN、R2がASN、R3が
ASN、R4がASNである請求項2に記載のベクター
。 - 【請求項4】 プラスミドpLPC−Q097または
プラスミドpGT−Q097−hである請求項3に記載
のベクター。 - 【請求項5】 R1がASN、R2がGLN、R3が
ASN、R4がASNである請求項2に記載のベクター
。 - 【請求項6】 プラスミドpLPC−Q248または
プラスミドpGT−Q248−hである請求項5に記載
のベクター。 - 【請求項7】 R1がASN、R2がASN、R3が
GLN、R4がASNである請求項2に記載のベクター
。 - 【請求項8】 プラスミドpLPC−Q313または
プラスミドpGT−Q313−hである請求項7に記載
のベクター。 - 【請求項9】 R1がASN、R2がASN、R3が
ASN、R4がGLNである請求項2に記載のベクター
。 - 【請求項10】 プラスミドpLPC−Q329また
はプラスミドpGT−Q329−hである請求項9に記
載のベクター。 - 【請求項11】 請求項2に記載のベクターによって
形質転換されている真核生物宿主細胞。 - 【請求項12】 293/pLPC−Q097、29
3/pLPC−Q248、293/pLPC−Q313
、293/pLPC−Q329、293/pGT−Q0
97−h、293/pGT−Q248−h、293/p
GT−Q313−h、および293/pGT−Q329
−hの中から選ばれる請求項11に記載の真核生物宿主
細胞。 - 【請求項13】 真核生物宿主細胞から分泌させてチ
モーゲン型ヒトプロテインCを組換え的に生産する方法
であって、 (A)(i)配列式: 【化2】 [式中、R1はASNまたはGLN、R2はASNまた
はGLN、R3はASNまたはGLN、R4はASNま
たはGLNである] で示されるアミノ酸残基配列をアミノ末端からカルボキ
シ末端の方向に含有するアミノ酸残基配列をコードして
いるDNA配列、および (ii)該DNA配列を発現させるよう配置されている
プロモーター、を含有する組換えDNAベクターによっ
て真核生物宿主細胞を形質転換し、 (B)工程Aによって形質転換された該宿主細胞を該D
NA配列が発現され得る条件下で培養し、そして(C)
得られた培養物からチモーゲン型プロテインCを回収す
ること、を特徴とする方法。 - 【請求項14】 工程Bにおいて培養する宿主細胞が
、293/pLPC−Q097、293/pLPC−Q
248、293/pLPC−Q313、293/pLP
C−Q329、293/pGT−Q097−h、293
/pGT−Q248−h、293/pGT−Q313−
h、および293/pGT−Q329−hの中から選ば
れる請求項13に記載の方法。 - 【請求項15】 アミノ酸残基配列が、配列式:【化
3】 [式中、R1はASNまたはGLN、R2はASNまた
はGLN、R3はASNまたはGLN、R4はASNま
たはGLNである] を含有するチモーゲン型ヒトプロテインC。 - 【請求項16】 R1がGLN、R2がASN、R3
がASN、R4がASNである請求項15に記載のチモ
ーゲン型ヒトプロテインC。 - 【請求項17】 R1がASN、R2がGLN、R3
がASN、R4がASNである請求項15に記載のチモ
ーゲン型ヒトプロテインC。 - 【請求項18】 R1がASN、R2がASN、R3
がGLN、R4がASNである請求項15に記載のチモ
ーゲン型ヒトプロテインC。 - 【請求項19】 R1がASN、R2がASN、R3
がASN、R4がGLNである請求項15に記載のチモ
ーゲン型ヒトプロテインC。 - 【請求項20】 請求項13に記載の方法によって生
産される活性化されたチモーゲン型ヒトプロテインCを
投与することを特徴とする、血管内凝血に関連した疾患
を処置するための方法。
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