JPH04218645A - 熱疲労寿命に優れたフェライト系耐熱鋳鋼 - Google Patents
熱疲労寿命に優れたフェライト系耐熱鋳鋼Info
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Abstract
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Description
系部品等に適する耐熱鋳鋼に関し、特に熱疲労寿命、耐
酸化性といった耐久性に優れているとともに、鋳造性、
加工性に優れ、安価なコストで製造可能な耐熱鋳鋼及び
それからなる排気系部品に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の耐熱鋳鉄、耐熱鋳鋼としては、た
とえば表1に比較例として示すような組成のものがある
。自動車のエキゾーストマニフォールドやタービンハウ
ジング等の排気系部品等においては、使用条件が高温で
過酷であることから、表1に示すような高Si球状黒鉛
鋳鉄、ニレジスト鋳鉄(Ni−Cr−Cu系オーステナ
イト鋳鉄)等の耐熱鋳鉄や、特例的にオーステナイト鋳
鋼等の高価な高合金耐熱鋳鋼が採用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の耐熱
鋳鉄、耐熱鋳鋼のうち、たとえば高Si球状黒鉛鋳鉄や
ニレジスト鋳鉄は、比較的鋳造性が良好であるものの、
耐熱疲労性、あるいは耐酸化性といった耐久性に劣るこ
とから、900℃以上の高温となる部材には適用できな
い。また、オーステナイト系耐熱鋳鋼等の高合金耐熱鋳
鋼は、900℃以上での高温強度が優れているものの、
熱膨張係数が大きいことに起因して熱疲労寿命が短いと
いう欠点を有する。また鋳造性が悪いために、鋳造時に
ひけ巣や湯廻り不良等の鋳造欠陥が発生しやすく、さら
に機械加工性が悪いために、それから部品等を製造する
場合に、生産性が低いという問題点もあった。なお、そ
の他にフェライト系ステンレス鋳鋼もあるが、通常のフ
ェライト系ステンレス鋳鋼は、高温の耐久性を改善しよ
うとすると、室温における延性に乏しくなり、機械的衝
撃等の加わる部材には使用できないという問題がある。 【0004】従って、本発明は、上記従来の耐熱鋳鉄、
耐熱鋳鋼の問題点を解決し、耐熱疲労性、耐酸化性とい
った耐久性、及び鋳造性、加工性等に優れ、安価に製造
可能な耐熱鋳鋼を提供することを目的とする。 【0005】本発明のもう一つの目的は、かかる耐熱鋳
鋼からなる排気系部品を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、W、Nb及び/又はV、あるい
はそれらにNi、B、REM等を適量添加することによ
り、フェライト基地及び結晶粒界を強化し、室温におけ
る延性を損なわずに変態点を上昇させ、高温強度を向上
することができることを見出し、本発明に想到した。 【0007】すなわち、本発明のフェライト系耐熱鋳鋼
は、重量比率で C:0.05〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜1.0 %(ただし
各々は 0.5%以下) 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜90%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とする。 【0008】なお、本発明の第1の実施例によるフェラ
イト系耐熱鋳鋼は、重量比率で C:0.10〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % Ni:0.1 〜2.0 % N:0.01〜0.15% 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜90%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とする。 【0009】上記第1の実施例によるフェライト系耐熱
鋳鋼において、α相からγ相への変態点は900℃以上
である。 【0010】本発明の第2の実施例によるフェライト系
耐熱鋳鋼は、重量比率で C:0.05〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % V:0.01〜0.5 % B:0.001 〜0.01% Ni:0.05〜2.0 % 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜70%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とする。 【0011】上記第2の実施例によるフェライト系耐熱
鋳鋼において、α相からγ相への変態点は950℃以上
である。 【0012】本発明の第3の実施例によるフェライト系
耐熱鋳鋼は、重量比率で C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %残部:F
e及び不可避不純物からなる組成を有し、通常のα相の
ほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以下α’相
)を有するとともに、α’相の面積率(α’/α+α’
)が20〜80%であり、かつ鋳造後にγ+α混合領域
未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを特徴とす
る。 【0013】上記第3の実施例によるフェライト系耐熱
鋳鋼において、α相からγ相への変態点は1000℃以
上である。 【0014】本発明の第4の実施例によるフェライト系
耐熱鋳鋼は、重量比率で C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %B:0.
001 〜0.05% REM:0.001 〜0.05% 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜80%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とする。 【0015】上記第4の実施例によるフェライト系耐熱
鋳鋼において、α相からγ相への変態点は1000℃以
上である。 【0016】本発明の第5の実施例によるフェライト系
耐熱鋳鋼は、重量比率で C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %Ni:0
.1 〜2.0 % B:0.001 〜0.05% REM:0.001 〜0.05% 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜80%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とする。 【0017】上記第5の実施例によるフェライト系耐熱
鋳鋼において、α相からγ相への変態点は1000℃以
上である。 【0018】 【作用】上述したように、フェライト系耐熱鋳鋼に、重
量比率で、Wを1.0〜5.0 %、Nbおよび/また
はVを0.01〜1.0 %添加し、その他に必要に応
じてさらに、適当量のB、REM、Ni、Nを単独で又
は組み合わせて添加すると、α’相を含有する組織が得
られ、それにより、従来の高合金鋳鋼を上まわる耐熱疲
労性及び耐酸化性を有し、室温における延性を損なうこ
となく耐熱鋳鉄と同等の鋳造性、加工性を有し、かつ低
価格な耐熱鋳鋼が得られる。さらに変態点が900℃以
上となるので、耐熱疲労性が向上する。 【0019】以下、本発明のフェライト系耐熱鋳鋼の各
合金元素の組成範囲の限定理由について詳細に説明する
。本発明のフェライト系耐熱鋳鋼においては、C、Si
、Mn、Cr、W、Nbおよび/またはVを必須元素と
する。 【0020】(1) C(炭素):0.05〜0.45
%Cは、溶湯の流動性すなわち鋳造性を改善するととも
に、α’相を適当量生成する作用を有し、さらには90
0℃以上の高温における強度を高く維持する働きがある
。このような作用を有効に発揮するために、Cは0.0
5%以上必要である。なお、一般のフェライト系耐熱鋳
鋼では室温でα相のみであるが、炭素量の調整により、
高温から常温まで存在するα相のほかに、高温ではCが
固溶したγ相ができる。このγ相は冷却中に炭化物を析
出して(α相+炭化物)に変態する。このような相をα
’相と呼ぶ。 【0021】一方、Cの含有量が0.45%を超えると
α’相が存在しにくくなって、マルテンサイト組織にな
り、また耐酸化性、耐食性及び加工性の低下を引き起こ
すCr炭化物の析出が顕著になる。このためCは0.0
5〜0.45%とする。 【0022】(2) Si(ケイ素):0.4 〜2.
0 %Siは、本発明のFe−Cr系合金のγ相の範囲
を狭め、組織の安定性を増し、耐酸化性の改善の効果も
ある。さらに、鋳造性の改善、脱酸剤としての作用、鋳
物のピンホール欠陥の低減効果等もある。このような効
果を有効にするため、Siの含有量は0.4 %以上と
する。 しかし多すぎると、Cとのバランス(炭素当量)により
一次炭化物を粗大化し、鋳鋼の加工性を低下したり、ま
たフェライト基地組織中のSi含有量が過多となって延
性の低下を引き起こしたり、高温でのδ相を形成したり
する。このため、Siの含有量は2.0 %以下とする
。 【0023】(3) Mn(マンガン):0.3 〜1
.0 %Mnは、Siと同様に溶湯の脱酸剤として有効
であり、また鋳造時の湯流れ性を向上させて生産性を改
善する作用を有する。このような作用を有効に発揮させ
ため、Mnの含有量を0.3 〜1.0 %とする。 【0024】(4) Cr(クロム):16.0〜25
.0%Crは耐酸化性を改善し、フェライト組織を安定
にする元素であるが、その効果を確実にするため16.
0%以上とする。一方、多量の添加はCrの一次炭化物
を粗大化させ、高温でのδ相の形成を助長し、著しい脆
化を引き起こす。そのため、Crの上限を25.0%と
する。 【0025】(5) W(タングステン):1.0 〜
5.0 %Wはフェライト基地を強化して室温における
延性を損なわずに高温強度を向上させる作用を有する。 従って、耐クリープ性及び変態点上昇による耐熱疲労性
向上の目的で、1.0 %以上のWを添加する。しかし
、その含有量が5.0%を超えると、粗大な共晶炭化物
が生成し、延性の低下及び機械加工性の悪化を引き起こ
すので、5.0 %以下とする。 【0026】なお、Wとほぼ同様の効果は、Moを添加
しても得られるが(ただし、Moは原子量でWの2倍で
あるので、重量比率では添加量が1/2となる)、高温
でWの方がMoより安定であるので、本発明ではWを含
有する。 【0027】(6) Nb(ニオビウム)および/また
はV(バナジウム):0.01〜1.0 %Nb及びV
はCと結合して微細な炭化物を形成し、高温での引張強
さならびに耐熱疲労性を増大させる。またCrの炭化物
の生成を抑制することによって耐酸化性と切削性を向上
させる。このような目的でNbおよび/またはVの含有
量は0.01%以上とする。しかし、多量に添加すると
、結晶粒界に炭化物を形成し、またNb及びVの炭化物
を生成することによりCが消費され、α’相が形成され
にくくなり、強度と延性が著しく低下するため、各々0
.50%以下(合計1.0 %以下)とする。 【0028】なお、NbとVでは炭化物を形成する温度
域が異なるので、広い温度域にわたり析出強化(硬化)
作用が期待できる。従って、どちらか一方の単独含有の
みならず、複合添加により大きな効果が期待できる。 【0029】好ましい実施例においては、上記必須元素
の他に、Ni、B、REM(希土類金属)、Nを単独で
又は組み合わせて含有してもよい。 【0030】特に、第1実施例のフェライト系耐熱鋳鋼
は、上記必須元素の割合が以下の通りであるとともに、
C:0.10〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % さらにN及びNiを含有する。なお、N及びNiの添加
量の限定理由は以下の通りである。 【0031】(7) N(窒素):0.01〜0.15
%Nは、Cと同様に高温強度及び耐熱疲労性を改善する
元素で、0.01%以上で硬化が現れる。一方、製造の
安定性を確保するためとCr窒化物の析出により脆化を
避けるため、0.15%以下とする。 【0032】(8) Ni(ニッケル):0.1 〜2
.0 %Niは、Cと同様にγ相形成元素であり、α’
相を適当量存在させるためには、0.1 %以上添加す
るのが好ましい。一方、2.0 %を超えると耐酸化性
の優れたα相が減少し、かつα’相がマルテンサイト化
して著しく延性を低下させる。そのためNi含有量を2
.0 %以下とする。 【0033】第2実施例のフェライト系耐熱鋳鋼は、上
記必須元素の割合が以下の通りであるとともに、C:0
.05〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % V:0.01〜0.5 % さらにNi及びBを含有する。なお、この実施例の場合
、Niの添加量は0.05〜2.0 %である。また、
Bの添加量の限定理由は以下の通りである。 【0034】(9) B(ボロン):0.001 〜0
.01%Bは鋳鋼の結晶粒界を強化するほか、粒界炭化
物を微細にするとともに、その凝集粗大化を遅らせ、高
温強度と靱性を改善する作用を有する。このため、0.
001 %以上の添加が望ましい。一方多量に添加する
と、硼化物が析出し、高温強度、靱性が劣化するので、
0.01%を上限とする。従って、Bの含有量は、0.
001 〜0.01%とする。 【0035】第3実施例のフェライト系耐熱鋳鋼におい
ては、上記必須元素の添加量は以下の通りであり、C:
0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %これら以
外の元素は不要である。 【0036】第4実施例のフェライト系耐熱鋳鋼は、上
記必須元素の割合が以下の通りであるとともに、C:0
.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %さらにB
及びREMを含有する。なおこの実施例ではBの添加量
は0.001〜0.05%である。またREMの添加量
の限定理由は以下の通りである。 【0037】(10)REM(希土類金属):0.00
1 〜0.05% REMとは、Ce(セリウム)、La(ランタン)等を
主とした軽希土類元素であり、安定な酸化物を形成し、
耐酸化性を改善し、また結晶粒界を微細にする作用があ
る。このような作用を有効にするために、0.001
%以上添加する。一方、多量に添加すると、非金属介在
物となって特に延性に対して有害となる。そのため上限
を0.05%とする。 【0038】第5実施例のフェライト系耐熱鋳鋼は、上
記必須元素の割合が以下の通りであるとともに、C:0
.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %さらにN
i、B及びREMを含有する。なおこの実施例において
は、Niの添加量は0.1 〜2.0 %、Bの添加量
は0.001 〜0.05%、REMの添加量は0.0
01 〜0.05%である。 【0039】以上を要約すると、各実施例のフェライト
系耐熱鋳鋼の組成は以下の通りである。 【0040】第1実施例: C:0.10〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % Ni:0.1 〜2.0 % N:0.01〜0.15% 【0041】好ましい組成範囲は以下の通りである。 C:0.15〜0.25% Si:0.7 〜1.5 % Mn:0.4 〜0.7 % Cr:17〜22% W:1.2 〜3% Nb:0.02〜0.1 % Ni:0.3 〜1.5 % N:0.02〜0.08% 【0042】第2実施例: C:0.05〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % V:0.01〜0.5 % Ni:0.05〜2.0 % B:0.001 〜0.01% 【0043】好ましい組成範囲は以下の通りである。 C:0.08〜0.20% Si:0.7 〜1.5 % Mn:0.4 〜0.7 % Cr:17〜22% W:1.2 〜3% Nb:0.02〜0.1 % V:0.05〜0.4 % Ni:0.3 〜1.5 % B:0.002 〜0.008 % 【0044】第3実施例: C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %【004
5】好ましい組成範囲は以下の通りである。 C:0.20〜0.40% Si:0.7 〜1.5 % Mn:0.4 〜0.7 % Cr:18〜21% W:1.2 〜3.0 % Nbおよび/またはV:0.02〜0.4 %【004
6】第4実施例: C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %B:0.
001 〜0.05% REM:0.001 〜0.05% 【0047】好ましい組成範囲は以下の通りである。 C:0.20〜0.40% Si:0.7 〜1.5 % Mn:0.4 〜0.7 % Cr:18〜21% W:1.2 〜3.0 % Nbおよび/またはV:0.02〜0.4 %B:0.
002 〜0.03% REM:0.005 〜0.04% 【0048】第5実施例: C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %Ni:0
.1 〜2.0 % B:0.001 〜0.05% REM:0.001 〜0.05% 【0049】好ましい組成範囲は以下の通りである。 C:0.20〜0.40% Si:0.7 〜1.5 % Mn:0.4 〜0.7 % Cr:18〜21% W:1.2 〜3.0 % Nbおよび/またはV:0.02〜0.4 %Ni:0
.3 〜1.5 % B:0.002 〜0.008 % REM:0.005 〜0.04% 【0050】上記組成を有する本発明のフェライト系耐
熱鋳鋼は、通常のα相のほかにγ相からα相+炭化物に
変態したα’相を有する。なお通常のα相とは、δ(デ
ルタ)フェライトを意味する。また、析出した炭化物は
Fe、Cr、W、Nb等の炭化物(M23C6 、M7
C3 、MC等)である。 【0051】このα’相の面積率(α’/α+α’)が
20%未満では、室温における延性が低く、鋳鋼は極め
て脆い。一方、90%を超えると硬くなりすぎ、室温に
おける延性が低下するとともに、機械加工性が著しく悪
くなる。そのため面積率(α’/α+α’)は20〜9
0%とする。 【0052】また、フェライト系耐熱鋳鋼に対して、鋳
造後にγ+α混合領域未満の温度で焼鈍処理を施す。こ
のときの焼鈍処理の温度は、一般に700 〜850
℃であり、焼鈍時間は1〜10時間である。これは、α
’相がγ相に変態しない温度域である。 【0053】なお、使用温度域にα相からγ相への変態
点が存在すると、加熱─冷却のサイクルを受けて発生す
る熱応力が増大し、熱疲労寿命が短くなる。そのため、
900℃以上の変態点を有する必要がある。このように
高い変態点を有するためには、フェライト生成元素であ
るCr、Si、W、V、Nbとオーステナイト生成元素
であるC、Ni、Co、N、Mnのバランスが適正であ
ることが必要である。 【0054】なお、各実施例のフェライト系耐熱鋳鋼に
おける面積率及び変態点は以下の通りである。 【0055】第1実施例: 面積率:20〜90% 変態点:900℃以上 【0056】第2実施例: 面積率:20〜70% 変態点:950℃以上 【0057】第3〜第5実施例: 面積率:20〜80% 変態点:1000℃以上 【0058】このような本発明のフェライト系耐熱鋳鋼
は、特に自動車の排気系部品を製造するのに適している
。自動車の排気系部品として、過給機付き直列4気筒エ
ンジンに取り付けられた一体構造型エキゾーストマニフ
ォールドを図1に示す。エキゾーストマニフォールド1
はターボチャージャのタービンハウジング2に結合して
おり、またタービンハウジング2には、エキゾーストア
ウトレットパイプ3を介して排気ガス浄化用触媒コンバ
ータ容器4が接続している。さらにコンバータ容器4に
はメインキャタライザ5が接続している。メインキャタ
ライザ5の出口はマフラー(D)に連通している。一方
、タービンハウジング2は、インテークマニフォールド
Bに連通しており、かつCより吸気されるようになって
いる。なお排気ガスはAよりエキゾーストマニフォール
ド1に流入する。 【0059】このようなエキゾーストマニフォールド1
やタービンハウジング2は、熱容量を小さくするために
、できるだけ薄肉にするのが好ましい。エキゾーストマ
ニフォールド1及びタービンハウジング2の肉厚は、例
えば、それぞれ2.5〜3.4 mm、 2.7〜4.
1 mmである。 【0060】このような薄肉のフェライト系耐熱鋳鋼か
らなるエキゾーストマニフォールド1やタービンハウジ
ング2は、加熱冷却のサイクルを受けても亀裂が生ずる
ことがなく、優れた耐久性を有する。 【0061】 【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
。 【0062】実施例1〜9、比較例1〜5 表1に示
す種類の組成のフェライト系耐熱鋳鋼について、鋳造に
よりJIS規格のY形B号供試材を作製した。なお、鋳
造にあたっては、100kg用高周波炉を用いて大気中
溶解し、直ちに1550℃以上で出湯して約1500℃
で注湯した。 【0063】
表1
化学成分(重量
%) 実施例No. C
Si Mn Cr
W Nb 1
0.12 0.80 0.55
16.2 1.15 0.20
2 0.16
0.93 0.48 18.4 1
.95 0.34 3
0.21 1.14 0.62
20.1 3.52 0.15
4 0.25
1.52 0.78 22.4
4.05 0.08 5
0.28 1.03 0.5
7 24.8 4.78 0.12
6 0.18
0.88 0.60 18.4
1.25 0.45 7
0.20 1.08 0.
44 18.6 2.45 0.2
5 8 0.23
0.95 0.61 18.1
2.93 0.09 9
0.24 0.82 0
.53 17.8 2.02 0.
15 比較例No. 1 3.33
4.04 0.35 −
− − 2
2.01 4.82 0.45
1.91 − − 3
0.28 1.05
0.44 17.9 −
− 4 0.21
1.24 0.50 18.8
− − 5
0.12 1.05 0.48
18.1 − 1.12【00
64】
表1(続き)
化学成分(重量%) α’/(α+α’
) 変態点 実施例No.
Ni N (%
) (℃) 1
0.20 0.03
65 920
2 0.75
0.04 50
970 3
0.94 0.02
35 1020
4 1.45
0.04 30
1050 5
1.82 0.04
28 109
0 6 1.25
0.03 65
920 7
0.65 0.03
50 9
90 8 0.94
0.03 75
930 9
0.52 0.04
85
930 比較例No. 1 0.62*
− −
800〜850 2
35.3 −
− −
3 − −
93
910 4 9.1
− −
− 5
− −
0 >1100 (注)
*:Mo 【0065】実施例1〜9のフェライト系耐熱鋳鋼につ
いては、鋳造時の湯流れ性が良く、鋳造欠陥の発生が見
られなかった。次に、鋳造した本発明材(実施例1〜9
)の供試材(Yブロック)を加熱炉中にて800℃で2
時間保持後空冷する熱処理を行った。一方、比較材(比
較例1〜5)については、すべて鋳放しのまま試験に供
した。 【0066】なお、比較材(比較例1〜5)はいずれも
自動車のターボチャージャー用ハウジングやエキゾース
トマニフォールド等の耐熱部品に使用されているもので
、比較例1の供試材は、高Si球状黒鉛鋳鉄であり、比
較例2の供試材はニレジスト球状黒鉛鋳鉄であり、比較
例3の供試材はACI(Alloy Casting
Institute )規格のCB−30であり、また
比較例4の供試材は、オーステナイト系耐熱鋳鋼(JI
S規格SCH12)と称されるものの一種であり、さら
に比較例5の供試材は、高性能エンジン用エキゾースト
マニフォールドに使われているフェライト系耐熱鋳鋼(
NSHR−F2、日立金属(株)の商標)である。 【0067】表1に示す通り、本発明材1〜9は変態点
が900℃以上であり、比較材1及び3に比較して高い
ことがわかる。次に、鋳造後の各供試材を用いて、以下
に述べる各種の評価試験を行った。 【0068】(1) 室温引張試験 標点間距離が50mm、標点間の直径が14mmの丸棒
試験片(JIS規格4号試験片)を用いて行った。 【0069】(2) 高温引張試験 標点間距離が50mm、標点間の直径が10mmのつば
つき試験片を用いて、900℃の温度で行った。 【0070】(3) 熱疲労試験 標点間距離が20mm、標点間の直径が10mmの丸棒
試験片を用い、加熱冷却による伸び縮みを機械的に完全
に拘束した状態で、下記の条件下で、加熱冷却サイクル
を繰り返し、熱疲労破壊を起こさせた。 【0071】下限温度:100℃ 上限温度:900℃ 各1サイクル:12分 なお、試験機として電気−油圧サーボ方式の熱疲労試験
機を用いた。 【0072】(4) 酸化試験 直径10mm×長さ20mmの丸棒試験片を作製し、9
00℃において200時間大気中に保持し、取出し後に
ショットブラスト処理を施して酸化スケールを除去し、
酸化試験前後の単位面積当たりの重量変化(酸化減量:
mg/cm2 )を求めることにより、耐酸化性を評価
した。 【0073】以上の室温引張試験の結果を表2に、高温
引張試験、熱疲労試験及び酸化試験の結果を表3にそれ
ぞれ示す。 【0074】
表2
室温
0.2%耐力 引張強さ
伸び 硬さ 実施例No.
(MPa) (MPa) (
%) (HB ) 1
380
480 6 179
2
450 650
10 223
3 500
770 12
235 4
440 620
12 201
5 500
605 8
207 6
480 59
0 5 207
7 46
0 530
10 217 8
530
600 8 1
92 9
570 610
5 201 比較
例No. 1 5
10 640
11 215
2 245
510 19
139 3
540 760
4 240
4 250
560 20
170 5
300 370
1 149 【0
075】
表3
900
℃ 0.2%耐力 引
張強さ 伸び 熱疲労寿命 酸化減
量実施例No. (MPa) (MPa)
(%) (サイクル) (mg/cm2 )
1 20
36 44
82 2 2
23 40
50 276
1 3 25
44 48
514 1 4
27 48
52 157
2 5 20
40 51
553 1 6
24 50
54 360
1 7
23 46 48
331 1
8 26
52 38 531
1 9
28 58
40 480 1
比較例No. 1 20
40 33
9 200 2
40 90
44 23
20 3 25
42 58
18 1 4
65 128
31 35
2 5 1
5 28 93
185 2 【0076】表2及び表3から明らかなように、本発明
材1〜9はいずれも従来例である比較例1〜5の供試材
と比較して、高温強度、耐酸化性及び熱疲労寿命が著し
く改善されていることがわかる。これは適量のW、Nb
、Ni及びNを含有することにより、フェライト基地が
強化され、室温の延性を損なわずに変態点が900℃以
上に上昇したためである。 【0077】また表2に示す通り、本発明材1〜9は硬
さ(HB )が179〜235と比較的低く、機械加工
性にも優れていることがわかる。 【0078】なお、実施例8及び比較例5の耐熱鋳鋼に
ついて、顕微鏡写真(100 倍)をそれぞれ図2及び
図3に示す。 【0079】実施例10〜19 表4に示す種類の組成のフェライト系耐熱鋳鋼について
、実施例1と同様にしてJIS規格のY形B号供試材を
作製した。 【0080】実施例10〜19のフェライト系耐熱鋳鋼
については、鋳造時の湯流れ性が良く、鋳造欠陥の発生
が見られなかった。次に、鋳造した本発明材(実施例1
0〜19)の供試材(Yブロック)を加熱炉中にて80
0℃で2時間保持後空冷する熱処理を行った。 【0081】
表4
化学成分(重量
%) 実施例No. C Si
Mn Cr W
Nb V 10
0.11 0.88 0.48
15.9 1.48 0.02
0.20 11 0.1
5 1.00 0.65 18.9
2.05 0.42 0.08
12 0.22 1.
52 0.82 21.5 1.5
2 0.10 0.42 1
3 0.28 1.15 0
.52 23.6 4.20 0.
08 0.15 14
0.12 0.78 0.71
18.4 3.05 0.22 0
.05 15 0.18
0.92 0.45 20.4
1.94 0.05 0.18
16 0.08 1.08
0.52 18.2 4.99
0.07 0.07 17
0.12 1.11 0.49
18.6 2.25 0.35
0.25 18 0.
15 0.89 0.54 17.
8 1.88 0.08 0.16
19 0.11 1
.32 0.91 18.7 2.
12 0.13 0.10 【0082】
表4(続き)
化学成分(重量%) α’/(α+α’
) 変態点 実施例No.
Ni B (%
) (℃) 10
0.07 0.002
60 970
11 0.5
0 0.008 30
1045 12
1.50 0.005
28 1
080 13
0.59 0.003
22 1100 1
4 0.12 0.00
6 30
1030 15
1.02 0.003
25 1080
16 1.89 0
.004 30
1040 17
0.15 0.006
35 1010
18 0.11
0.009 50
960 19
0.09 0.004
40 102
0 【0083】表4に示す通り、本発明材10〜
19は変態点が950℃以上であり、比較材1〜4と比
較して高いことがわかる。次に、鋳造後の各供試材を用
いて、室温引張試験、高温引張試験、熱疲労試験及び酸
化試験を、実施例1〜9と同じ条件で行った。 【0084】以上の室温引張試験の結果を表5に、高温
引張試験、熱疲労試験及び酸化試験の結果を表6にそれ
ぞれ示す。 【0085】
表5
室温
0.2%耐力 引張強さ
伸び 硬さ 実施例No.
(MPa) (MPa) (
%) (HB ) 10
420
460 5 21
2 11
450 530
6 212
12 360
390 4
183 13
460 480
4 217
14 400
430 5
201 15
450
475 5 20
7 16
370 500
4 187
17 385
490 5
174 18
430 480
6 182
19 410
450 6
179 【0086】
表6
900
℃ 0.2%耐力 引
張強さ 伸び 熱疲労寿命 酸化減
量実施例No. (MPa) (MPa)
(%) (サイクル) (mg/cm2 )
10 20
41 45 2
10 3 11
22 46
54 185
2 12 21
42 47
201 1 13
25 5
0 44 251
1 14
23 46 4
8 268 2
15 25
52 60 2
66 1 16
22 44
53 189
2 17 22
47 46
248 1 18
24 4
8 57 322
2 19
23 48 5
1 250 1【
0087】表5及び表6から明らかなように、本発明材
10〜19はいずれも従来例である比較例1〜5の供試
材と比較して、高温強度、耐酸化性及び熱疲労寿命が著
しく改善されていることがわかる。これは適量のW、N
b、V、B、Niを含有することにより、フェライト基
地が強化され、室温の延性を損なわずに変態点が950
℃以上に上昇したためである。 【0088】また表5に示す通り、本発明材10〜19
は硬さ(HB )が174〜217と比較的低く、機械
加工性にも優れていることがわかる。 【0089】なお、実施例18の耐熱鋳鋼について、顕
微鏡写真(100倍)を図4に示す。 【0090】実施例20〜34 表7に示す種類の組成のフェライト系耐熱鋳鋼について
、実施例1と同様にしてJIS規格のY形B号供試材を
作製した。 【0091】
表7
化学成分(重量
%) 実施例No. C Si
Mn Cr W
Nb V 20
0.16 0.82 0.44
18.6 1.52 0.05
− 21 0.22
1.52 0.53 20.5
3.08 − 0.35
22 0.33 1.02
0.66 21.8 2.52
0.4 0.09 23
0.42 1.09 0.6
9 18.3 3.85 0.15
0.15 24 0
.30 1.82 0.95 21
.5 2.04 0.25 0.0
3 25 0.22
1.05 0.42 18.6 1
.06 0.10 0.05
26 0.31 0.92
0.61 20.3 3.80
0.35 0.10 27
0.45 0.80 0.49
21.8 2.25 0.05
0.38 28 0.29
0.95 0.58 20.3
2.09 0.05 0.05
29 0.15 0.8
9 0.43 20.9 2.49
0.25 0.20 30
0.17 1.08 0.
62 17.9 1.44 0.0
5 0.30 31
0.30 0.98 0.48 2
0.5 2.95 0.42 0.
05 32 0.43
1.80 0.81 21.8
3.72 0.15 0.18
33 0.25 0.94
0.52 18.9 2.05
0.08 0.02 34
0.31 1.04 0.49
18.5 2.11 0.06
0.03 【0092】
表7(続き)
化学成分(重量%) α’/(α+α’
) 変態点 実施例No. Ni
B REM (%)
(℃) 20
− − −
55 1010
21 − −
− 62
1060 22 −
− − 5
8 1070 23
− − −
72 10
50 24 −
− − 48
>1100 25
− 0.005 0.01
78 104
0 26 − 0.
04 0.005 52
>1100 27
− 0.005 0.008
68 10
20 28 − 0
.01 0.009 70
>1100 29
− 0.008 0.04
38 >1
100 30 0.42
0.005 0.03
45 1050 3
1 1.05 0.02 0
.005 60
1040 32 1.8
6 0.005 0.003
68 1020
33 0.75 0.04
0.005 65
1060 34
0.57 0.004 0.01
56 1080 【
0093】実施例20〜34のフェライト系耐熱鋳鋼に
ついては、鋳造時の湯流れ性が良く、鋳造欠陥の発生が
見られなかった。次に、鋳造した本発明材(実施例20
〜34)の供試材(Yブロック)を加熱炉中にて800
℃で2時間保持後空冷する熱処理を行った。 【0094】表7に示す通り、本発明材20〜34は変
態点が1000℃以上であり、比較材1及び3に比較し
て高いことがわかる。 【0095】次に、鋳造後の各供試材を用いて、実施例
1と同じ各種の評価試験を行った。なお高温引張試験は
900℃及び1000℃の2温度で行った。また酸化試
験も900℃及び1000℃において行った。 【0096】さらに熱疲労試験の条件は以下の通りであ
った。 下限温度:150℃ 上限温度:900℃及び1000℃ 各1サイクル:12分 【0097】以上の室温引張試験の結果を表8に、高温
引張試験、熱疲労試験及び酸化試験の結果を表9(at
900℃)及び表10(at1000℃)にそれぞれ示
す。 【0098】
表8
室温
0.2%耐力 引張強さ
伸び 硬さ 実施例No.
(MPa) (MPa) (
%) (HB ) 20
360
460 5 17
0 21
340 475
6 192
22 380
500 8
207 23
425 570
4 212
24 350
490 4
212 25
345
450 4 20
7 26
335 425
6 202
27 405
480 8
197 28
410 510
4 207
29 395
495 6
193 30
470
580 4 19
7 31
520 600
6 201
32 550
650 4
223 33
505 595
6 212
34 535
605 4
217 【0099】
表9
900
℃ 0.2%耐力 引
張強さ 伸び 熱疲労寿命 酸化減
量実施例No. (MPa) (MPa)
(%) (サイクル) (mg/cm2 )
20 21
37 50 1
80 2 21
24 39
45 215
1 22 25
41 38
232 1 23
28 4
3 42 368
2 24
27 40 5
5 342 1
25 29
45 52 4
45 2 26
23 38
62 382
1 27 30
48 33
489 1 28
28 4
4 54 325
1 29
22 42 5
8 288 2
30 21
44 65 4
68 1 31
25 46
50 325
2 32 27
48 35
225 2 33
28 5
2 45 252
1 34
29 50 6
0 365 1【
0100】
表10
1000
℃ 0.2%耐力 引
張強さ 伸び 熱疲労寿命 酸化減
量実施例No. (MPa) (MPa)
(%) (サイクル) (mg/cm2 )
20 14
24 80
95 29 21
16 25
92 180
8 22 1
7 28 98
195 13
23 17
29 100 290
14 24
15 26
115 242
22 25 18
30 108
350 33 2
6 14
23 84 290
11 27
19 31
96 365
18 28 15
24 76
254 15 29
15 25
88 205
9 30
14 23 10
2 305 18
31 14
24 123
205 34 32
18 29
135 154
46 33
17 29 149
175 26
34 16
26 156 22
5 21 【0101】表8、表9及び表10から明らかなように
、本発明材20〜34はいずれも従来例である比較例1
〜5の供試材と比較して、高温強度、耐酸化性及び熱疲
労寿命が著しく改善されていることがわかる。これは適
量のW、B、REM等を含有することにより、フェライ
ト基地が強化され、室温の延性を損なわずに変態点が1
000℃以上に上昇したためである。 【0102】また表8に示す通り、本発明材20〜34
は硬さ(HB )が170〜223と比較的低く、機械
加工性にも優れていることがわかる。 【0103】なお実施例31の耐熱鋳鋼について、顕微
鏡写真(100 倍)を図5に示す。 【0104】次に、実施例5、15及び26のフェライ
ト系耐熱鋳鋼を用いて、それぞれ図1に示すエキゾース
トマニフォールド(肉厚: 2.5〜3.4 mm)及
びタービンハウジング(肉厚: 2.7〜4.1mm)
を鋳造した。得られた耐熱鋳鋼部品はいずれも健全なも
のであった。さらに、これらの鋳造部品に機械加工を施
して、切削性の評価を行ったが、いずれのものにも何等
問題は生じなかった。 【0105】次に、図1に示すように、エキゾーストマ
ニフォールドとターボチャージャハウジングを組み付け
た直列4気筒で排気量2000ccの高性能ガソリンエ
ンジンのテスト機により、耐久試験を実施した。試験条
件として、6000回転での全負荷運転(連続14分間
)−アイドリング(1分間)−完全停止(14分間)−
アイドリング(1分間)を1サイクルとする熱冷(GO
−STOP)サイクルを、 500サイクルまで実施し
た。全負荷時の排気ガス温度は、ターボチャージャハウ
ジングの入口で 930℃であった。この条件下でのエ
キゾーストマニフォールドの表面最高温度は集合部で約
870℃、ターボチャージャハウジングの表面最高温
度はウェストゲート部で約 890℃であった。評価試
験の結果、熱変形によるガス漏れや熱亀裂は生じず、優
れた耐久性及び信頼性を有することが確認された。 【0106】一方、表11に示す化学成分の高Si球状
黒鉛鋳鉄によりエキゾーストマニフォールドを作製し、
また同表の化学成分のNI−RESIST D2 (I
NCO社の商標名)なるオーステナイト球状黒鉛鋳鉄に
よりターボチャージャハウジングを作製した。同じエン
ジンにこれらの部品を取付けて、前記と同じ条件で試験
を行った。この結果、高Si球状黒鉛鋳鉄製エキゾース
トマニフォールドは、98サイクルで集合部近傍に酸化
による熱亀裂が生じ、使用不能となった。その後、エキ
ゾーストマニフォールドを実施例5のものに取り替え、
試験を続行したところ、 324サイクル目にオーステ
ナイト球状黒鉛鋳鉄製のターボチャージャハウジングの
スクロール部に肉厚を貫通する亀裂が生じた。以上の結
果、本発明品であるエキゾーストマニフォールド及びタ
ーボチャージャハウジングは、優れた耐熱性を有してい
ることが明らかとなった。 【0107】
表11
化学
成分(重量%)材種
C Si
Mn P S 高Si
球状黒鉛鋳鉄 3.15 3.
95 0.47 0.024
0.008 オーステナイト 球状黒鉛鋳鉄 2.91
2.61 0.81 0.
018 0.010 【0108】
化学成分(重量%)材種
Cr
Ni Mo
Mg 高Si球状黒鉛鋳鉄
0.03 − 0.55
0.048 オーステナイト 球状黒鉛鋳鉄 2.
57 21.5 −
0.084 【0109】 【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明によれば、
とくにW、Nb及び/又はV、さらに必要に応じB、R
EM、Ni、Nを単独又は組み合わせて適量添加するこ
とにより、それぞれフェライト基地及び結晶粒界を強化
し、室温における延性を損なわずに、変態点を上昇させ
、高温強度を向上している。そのため、とくに重要な高
温引張強度、耐熱疲労性、耐酸化性について、従来の耐
熱鋳鋼を上まわる特性を示す。また、鋳造性、加工性に
優れているので、安価に製造することができる。このよ
うな本発明のフェライト系耐熱鋳鋼は、エンジン排気系
部品等に特に好適である。本発明のフェライト系耐熱鋳
鋼からなる排気系部品は熱亀裂を生ずることなく、極め
て優れた耐久性を示す。
るエキゾーストマニフォールド及びタービンハウジング
を示す概略図である。
表す顕微鏡写真(100 倍)である。
真(100 倍)である。
を表す顕微鏡写真(100 倍)である。
を表す顕微鏡写真(100 倍)である。
タービンハウジング 3 エキゾーストアウトレットパイプ4
コンバータ容器 5 メインキャタライザ
Claims (15)
- 【請求項1】 重量比率で C:0.05〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜1.0 %(ただし
各々は 0.5%以下)残部:Fe及び不可避不純物か
らなる組成を有し、通常のα相のほかにγ相からα相+
炭化物に変態した相(以下α’相)を有するとともに、
α’相の面積率(α’/α+α’)が20〜90%であ
り、かつ鋳造後にγ+α混合領域未満の温度で焼鈍処理
が施こされていることを特徴とするフェライト系耐熱鋳
鋼。 - 【請求項2】 請求項1に記載のフェライト系耐熱鋳
鋼において、α相からγ相への変態点が900℃以上で
あることを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項3】 重量比率で C:0.10〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % Ni:0.1 〜2.0 % N:0.01〜0.15% 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜90%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項4】 請求項3に記載のフェライト系耐熱鋳
鋼において、α相からγ相への変態点が900℃以上で
あることを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項5】 重量比率で C:0.05〜0.30% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:16.0〜25.0% W:1.0 〜5.0 % Nb:0.01〜0.5 % V:0.01〜0.5 % B:0.001 〜0.01% Ni:0.05〜2.0 % 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜70%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項6】 請求項5に記載のフェライト系耐熱鋳
鋼において、α相からγ相への変態点が950℃以上で
あることを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項7】 重量比率で C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %残部:F
e及び不可避不純物からなる組成を有し、通常のα相の
ほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以下α’相
)を有するとともに、α’相の面積率(α’/α+α’
)が20〜80%であり、かつ鋳造後にγ+α混合領域
未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを特徴とす
るフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項8】 請求項7に記載のフェライト系耐熱鋳
鋼において、α相からγ相への変態点が1000℃以上
であることを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項9】 重量比率で C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %B:0.
001 〜0.05% REM:0.001 〜0.05% 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜80%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項10】 請求項9に記載のフェライト系耐熱
鋳鋼において、α相からγ相への変態点が1000℃以
上であることを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項11】 重量比率で C:0.15〜0.45% Si:0.4 〜2.0 % Mn:0.3 〜1.0 % Cr:17.0〜22.0% W:1.0 〜4.0 % Nbおよび/またはV:0.01〜0.5 %Ni:0
.1 〜2.0 % B:0.001 〜0.05% REM:0.001 〜0.05% 残部:Fe及び不可避不純物からなる組成を有し、通常
のα相のほかにγ相からα相+炭化物に変態した相(以
下α’相)を有するとともに、α’相の面積率(α’/
α+α’)が20〜80%であり、かつ鋳造後にγ+α
混合領域未満の温度で焼鈍処理が施こされていることを
特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項12】 請求項11に記載のフェライト系耐
熱鋳鋼において、α相からγ相への変態点が1000℃
以上であることを特徴とするフェライト系耐熱鋳鋼。 - 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載
のフェライト系耐熱鋳鋼からなる排気系部品。 - 【請求項14】 請求項13に記載の排気系部品にお
いて、エキゾーストマニフォールドであることを特徴と
する排気系部品。 - 【請求項15】 請求項13に記載の排気系部品にお
いて、タービンハウジングであることを特徴とする排気
系部品。
Priority Applications (4)
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|---|---|---|---|
| JP3081647A JPH0826438B2 (ja) | 1990-03-27 | 1991-03-20 | 熱疲労寿命に優れたフェライト系耐熱鋳鋼 |
| US07/674,949 US5152850A (en) | 1990-03-27 | 1991-03-26 | Heat-resistant, ferritic cast steel and exhaust equipment member made thereof |
| DE69120129T DE69120129T2 (de) | 1990-03-27 | 1991-03-27 | Hitzebeständiger Stahl |
| EP91302694A EP0449611B1 (en) | 1990-03-27 | 1991-03-27 | Heat resistant steel |
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| JP7775990 | 1990-03-27 | ||
| JP20546290 | 1990-08-02 | ||
| JP2-77759 | 1990-08-02 | ||
| JP2-205462 | 1990-08-02 | ||
| JP3081647A JPH0826438B2 (ja) | 1990-03-27 | 1991-03-20 | 熱疲労寿命に優れたフェライト系耐熱鋳鋼 |
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| JPH0826438B2 JPH0826438B2 (ja) | 1996-03-13 |
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