JPH042229B2 - - Google Patents

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JPH042229B2
JPH042229B2 JP1107987A JP1107987A JPH042229B2 JP H042229 B2 JPH042229 B2 JP H042229B2 JP 1107987 A JP1107987 A JP 1107987A JP 1107987 A JP1107987 A JP 1107987A JP H042229 B2 JPH042229 B2 JP H042229B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は炭素源資化性好塩性酵母の発酵生産
方法に関するものである。 〔従来の技術〕 古くから、油脂類または炭化水素類を資化する
微生物は数多く知られており、その応用として石
油または天然ガス等を原料とする微生物菌体の製
造方法が近時盛んに提唱されるようになつた。し
かし、従来公知の酵母菌株では原料である油脂類
または炭化水素類の利用は全て淡水を利用して工
業化されるのが一般的であり、海水または人工海
水のような塩水を利用した工業化は皆無であると
言つてよい。一方海洋微生物も古くか知られては
いるが、その工業的な生産または利用等について
は殆んど開発されていない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように従来の技術においては海洋微生物の
工業的な生産または利用は殆んど行なわれておら
ず、また油脂類、炭化水素類を資化する微生物の
塩水を使用する工業的利用方法も開発されていな
いという問題点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の問題点を解決するために、この発明は炭
素源資化性好塩性酵母キヤンデイダ・マルトーサ
ーを、炭素源と天然もしくは人工の海水とを主要
成分とする栄養液中で好気的に培養し、炭素源資
化性好塩性酵母菌体を高濃度、高収率で分離した
後水洗し、高脂肪および高蛋白の酵母菌体を採取
するという手段を採用したものである。以下その
詳細を述べる。 まず、この発明に用いる炭素源資化性好塩性酵
母は各地の海洋生物を広汎に亘つて採集し、油脂
および炭化水素類の資化性を有し、しかも海水ま
たは人工海水を用いた栄養液中で菌体蛋白質の含
量、増殖速度の早い酵母として分離した油脂類、
炭化水素類等の炭素源資化性好塩性酵母であり、
この菌株は、分類学的諸性状からキヤンデイダ
(Candida)属に位置し、生育温度、澱粉の資化
性、発酵性と炭素化合物の資化性の点で比較する
とキヤンデイダ・マルトーサー(Candida
Maltosa)ATCC20184、ATCC20275等とは分離
源、好塩性の挙動が異なること以外は非常によく
一致していので、新菌株というよりは変種である
とする方が妥当であると考えられる。したがつて
この発明に使用する海産油脂酵母の菌株をキヤン
デイダ・マルトーサー・ノバ・SP(Candida
Maltosa−NOV−SP)と命名し、工業技術院微
生物工業研究所にこれを寄託〔受託番号:微工研
寄第9112号〕した。 この発明の酵母の菌学的諸性質を示すとつぎの
とおりである。 栄養増殖と形態的性質 (a) 地培における生育状態: 麦芽汁培地を使用して28℃、3日間培養し
た場合の細胞は球形または卵形で、大きさは
(3〜6)μm×(3〜8)μm程度であり、
多極出芽により増殖する。 (b) 子嚢胞子の形成: 石膏塊、ゴロドコワ寒天培地、酢酸ソーダ
寒天培地のいずれの培地によつても形成され
ない。 (c) 菌糸(仮性菌糸)の形成: プラストポアその他のバレイシヨ培地での
スライド培養で、仮性菌糸が良く発達し、プ
ラストポア、プラストコニデイアも良く形成
される。 (d) コロニーの性状: 17℃、4週間培養後のコロニーの性状は全縁
で台状に隆起して乳白色を呈し、表面は平滑で
光沢がある。 各生理的性質 最適生育条件: PH5.5、温度32℃、好気性、好塩性 生育の範囲: PH1.0〜9.0、温度1〜41℃ 硝酸塩の同化: 資化および還元をしない。 リトマスミルクによる反応: 凝固せず、青変 ゼラチンの液化: ある。 耐浸透圧性: ある。10%N合Cl培地 ビタミンの要求性: ビオチンを要求する。 カロチノイドの生成: ない。 エタノールの利用性: ある。 アルブチンの分解: ある。 エステルの生成: ない。 澱粉様物質の生成: ない。 顕著な有機酸の生成: ない。 窒素源の利用: ペプトン、硫安、尿素、アスパラギンをい
ずれも利用する。 皮膜の形成: 麦芽汁培地、17℃、4週間培養した場合、
環状の皮膜を形成する。 発酵性: グルコース(+)、ガラクトース(+)、サ
ツカロース(+)、マルトース(+)、ラクト
ース(−)、ラフイノース(−)、 炭素源の利用性: グルコース(+)、マンノース(+)、ガラ
クトース(+)、フラクトース(+)、ラクト
ース(−)、サツカロース(+)、マルトース
(+)、トレハロース(+)、ラフイノース
(−)、エスクリン(+)、α−メチルグルコ
シド(+)、デキストリン(−)、デンプン
(−)、イヌリン(+)、メリビオース(−)、
キシロース(+)、アラビノース(−) 油脂の性: 牛脂肪、炭酸カルシウムおよびゴロドコワ
からなる寒天培地で25℃、1週間培養すると
油脂を分解してカルシウム塩を生成する。 高浸透圧性: ブドウ糖、ペプトンおよび酵母エキスから
なる培地に食塩を1〜3%間隔で加え、25
℃、4週間培養すると食塩15%で生育する。 以上の栄養増殖と形態学的性質および生理学的
諸性質とをロツダー(Lodder)らの「酵母類、
分類学的研究」(The Yeasts、a taxonomic
study)1970年版の内容と対比した結果、既知の
キヤンデイダ・マルトーサーの数種と菌種とは、
最高生育温度、耐浸透圧性、好塩性、耐塩性、油
脂の分解性の強さ等の点で相違している。 つぎにこの発明の炭素源資化性好塩性酵母を培
養するための栄養液(培知)中の主炭素源として
は動植物性油脂類、ノルマルパラフインもしくは
ノルマルパラフイン含有の炭化水素類、酢酸等の
有機酸類、エタノール等のアルコール類の一種ま
たは二種以上の混合物が好ましい。ここで動植物
性油脂類としては特に限定するものではないが、
パーム油、大豆油、ナタネ油、ツバキ油と植物
油、牛脂、乳製品を生産する際に副次的に産出さ
れるホエイ、タラ肝油、イカ肝油等の動物油また
はこれらの改質油もしは混合油等を例として挙げ
ることが出来る。そしてこれら炭素源の基質の栄
養液中の濃度は通常の場合0.01〜2.0%程度が適
当である。なお、栄養液中には上記炭素源のほか
に、通常の培知の場合と同様、微量栄養素および
無機物質の添加が必要であるが、特に無機物質は
たとえば塩化カリのようなカリ源、硫酸苦土のよ
うなマグネシウム源、硫酸亜鉛のような亜鉛源、
硫酸鉄のような鉄源などであつて、これら栄養素
は天然の海水中には既にある程度含まれているか
ら、天然の海水を用いるときは不足量を補充する
程度でよい。その他通常の酵母の培養の際のよう
にアンモニア、硫安、尿素等の窒素源または燐
酸、燐酸ソーダ、燐酸カリ等の燐源などを添加す
ることも出来る。また、微量栄養素としては、こ
の発明の菌株はビオチン要求性のものであるか
ら、ビオチンまたはビオチンと同様の生理活性を
有する同族化合物たとえばデスチオビオチン等、
さらにはビオチンを含む物質たとえば糖蜜、酵母
エキス、コーンスチープリカー等を例示すること
が出来るが、これら微量栄養素の添加は0.01〜
0.4%であればよい。そしてこの発明における栄
養液中の塩化ナトリウムの濃度は0.5〜5.0%の範
囲に調整しておくことが望ましく、培養温度は25
〜41℃、好ましくは27〜35℃、PH値は3.0〜6.5、
好ましくは4.0〜5.0であり、培養中は培養液に空
気のような酸素を含む気体を通気する。なお、培
養の状態によつては消泡剤たとえば大豆油、シリ
コーン系樹脂、脂肪酸誘導体系消泡剤を添加する
ことも出来る。 以上のように、この発明における培養条件その
ものは特殊なものではないが、菌体収率、菌体蛋
白質の含量、脂肪の含量、培養生産性等を向上さ
せるために、酸素吸収速度係数の高い培養装置を
採用することが望ましい。なお、天然海水の使用
に際してはたとえば流水式紫外線殺菌器、メンブ
レンフイルタ等を用いて滅菌処理を施すことが望
ましいことは言うまでもない。 〔実施例〕 実施例 1 菌株としてキヤンデイダマルトーサー・ノバ・
SP(Candida Maltosa−NOV−SP)〔微工研菌
寄第9112号〕、キヤンデイダ・マルトーサー
(Candi−da Maltosa−NOV−SP)〔微工研菌寄
第9112号〕、キヤンデイダ・マルトーサー
(Candida Maltosa ATCC 20184)およびピキ
ア・フアリノーサー(Pichia Farinosa IFO
0193)の三種を選んだ。 一方培地としてノルマルパラフイン(純度98
%)2%(重量/培地重量、以下同じ)、尿素5
%、燐酸0.3%、KCl0.1%、MgSO4・7H2O0.2%、
ZnSO4・7H2O30ppm、FeSO4・7H2O5ppm、
CuSo4・5H2O1ppm、MnSO4・(4〜6)
H2O3ppm、ビオチン0.03ppmおよび水道水から
なる培養液を調製し、これを内容積2リツトルの
坂口フラスコ18個にそれぞれ200mlずつ分注し、
加圧殺菌および苛性ソーダによるPH値(6.0)の
調整を行ない、それぞれのフラスコに上記の三種
の菌株をそれぞれ6個に植菌し、32℃、24時間振
盪培養し、各菌株それぞれの種母を得た。 つぎに、前記の培養液組成から尿素を除いた組
成のものを50%天然海水(濾過海水)と100%天
然海水(濾過海水)とにそれぞれ溶解した液20リ
ツトルずつを内容積30リツトルのジヤー・フアー
メンター6個に分注し、120℃、15分間殺菌およ
び苛性ソーダによるPH値(6.0)の調整を行ない、
50%海水系および100%海水系のジヤー・フアー
メンターのそれぞれに前記三種類の菌株の種母培
養液600mlを個別に加えて植菌した。 さらに5%アンモニア水をそれぞれのフラスコ
に注加して、PH値を5.0に保ちながら、撹拌数
700rpm、通気量毎分30リツトル、温度32℃の条
件下で通気撹拌培養を72時間行ない、アンモニア
消費停止後菌体を分離水洗し、菌体収率、粗蛋白
含量および増殖率を測定し、その結果を第1表に
まとめた。なお比較のため海水の代わりに100%
淡水(水道水)を使用した以外全く同じ操作を行
なつて培養したものについても測定し、その結果
も第1表に併記した。 第1表の結果から、三つの炭化水素資化性酵母
はいずれもノルマルパラフインのような炭化水素
類と天然海水培地とから酵母菌体が増殖するこ
と、キヤンデイダ・マルトーサー・ノバ・SP〔微
【表】 研菌寄第9112号〕は他の二つの菌株より菌体収
率、粗蛋白含量、増殖率、耐塩性のすべての点で
優れていること、さらにキヤンデイダ・マルトー
サー・ノバ・SP〔微工研菌寄第9112号〕は海水濃
度50%以上、特に100%濃度において顕著に他の
二つの菌株より酵母菌体を高収率で採取するとい
う目的によく適合する海産酵母であることが明ら
【表】 となつた。 実施例 2 菌株をキヤンデイダマルトーサー・ノバ・SP
の1株とし、NaCl26.75g、KCl0.75g、
MgCl23.42g、MgSO42.10g、CaCl20.51g、蒸
溜水1000mlで調製した人工海水にパーム油、大豆
油、タラ肝油、牛脂、エタノールを各2%(w/
v)ずつ炭素源(殺菌済)として加えた栄養液を
使用したこと以外は実施例1と全く同じ方法で培
養および各種の測定を行なつた。得られた結果は
第2表にまとめたとおりであり、キヤンデイダ・
マルトーサー・ノバ・SP〔微工研菌寄第9112号〕
は炭素源として炭化水素類、アルコール類、動植
物油類など非常に幅広い炭素源から高収率で高蛋
白、高脂肪の酵母菌体を生産すること、また人工
海水を使用してもその生産性は天然海水と同程度
であることが明らかである。 実施例 3 実施例2と同一の種母および本培養用栄養液を
使用し、この種母培養液をジヤー・フアーメンタ
に植菌した後、対数増殖期に連続培養して移行し
た。炭素源にパーム油(殺菌済)を用い天然海水
(濾過海水)100%で連続用培地を作り、連続培養
中菌濃度1.5〜1.9%、パーム油基質濃度0.1〜0.4
%の条件で炭素源のパーム油を除いた栄養培地を
連続注加し、パーム油(殺菌済)を32℃に保温し
て別に連続注加を行なつた。 培養条件は撹拌数1000rpm、通気量毎分30リツ
トル、PH値5.0、温度32℃とし、それぞれ自動制
御を行なつた。連続培養の連続状態は良好であ
り、連続培養は2週間(336時間)で打切つ
〔効果〕
以上述べたことから明らかなように、この発明
の炭素源資化性好塩性酵母の発酵生産方法によれ
ば従来全く願みられなかつた天然または人工の海
水中においても酵母菌体を高濃度・高収率で培養
することが出来、高脂肪および高蛋白の酵母菌体
を工業的生産規模で利用することが可能となつた
ので、この発明の意義はきわめて大きいと言え
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素源資化性好塩性酵母キヤンデイダ・マル
    トーサーを、炭素源と天然もしくは人工の海水と
    を主要成分とする栄養液中で好気的に培養し、炭
    素源資化性好塩性酵母菌体を高濃度、高収率で分
    離した後水洗し、高脂肪および高蛋白の酵母菌体
    を採取することを特徴とする炭素源資化性好塩性
    酵母の発酵生産方法。 2 栄養液中の炭素源が主として動植物性油脂
    類、ノルマルパラフインもしくはノルマルパラフ
    イン含有の炭化水素類、酢酸等の有機酸類、エタ
    ノール等のアルコール類の一種または二種以上の
    混合物である特許請求の範囲第1項記載の炭素源
    資化性好塩性酵母の発酵生産方法。 3 炭素源資化性好塩性酵母キヤンデイダ・マル
    トーサーがキヤンデイダ・マルトーサー・ノバ・
    SP(Candida Maltosa−NOV−SP)〔微工研菌
    寄第9112号〕である特許請求の範囲第1項記載の
    炭素源資化性好塩性酵母の発酵生産方法。
JP1107987A 1987-01-19 1987-01-19 炭素源資化性好塩性酵母の発酵生産方法 Granted JPS63177782A (ja)

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