JPH042379Y2 - - Google Patents

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JPH042379Y2
JPH042379Y2 JP10198085U JP10198085U JPH042379Y2 JP H042379 Y2 JPH042379 Y2 JP H042379Y2 JP 10198085 U JP10198085 U JP 10198085U JP 10198085 U JP10198085 U JP 10198085U JP H042379 Y2 JPH042379 Y2 JP H042379Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、直接膨張式もしくは略して直膨式と
呼ばれるバルククーラ用の蒸発器に係り、特に貯
乳タンクにタンクの底部中心から両側壁となるよ
うに直接取り付ける、乾式板状の蒸発器に関する
ものである。
(従来の技術) 一般に直膨式バルククーラは、第5図に示すよ
うに、圧縮機1、凝縮機2、受液器3、膨張弁
4、蒸発器5の順に冷媒を循環させて冷凍サイク
ルを構成し、蒸発器5を貯乳タンク6の底部から
両側壁の一部となるように取り付け、貯乳タンク
内で牛乳を冷却し低温保蔵するようになつてい
る。図中、7は感温筒、8は冷媒送出管、9は冷
媒吸入管である。そして、蒸発器5には、冷媒制
御方式が簡単で、冷媒量が少なくてすむ乾式板状
の蒸発器が用いられている。その蒸発器の冷却能
力は、現在、わが国におけるバルククーラの冷却
能力の判定が、搾乳後、牛乳中の細菌の増殖を抑
制するため、乳温を4.2℃まで冷却する時間(冷
却速度)を種々研究して取り決められた、米国
3A規格に準じて行われているので、この規格に
適応するものでなければならない。
上記の冷却能力に関し、蒸発器への冷媒流量
は、熱負荷の変動に対応し負荷とつり合うよう
に、蒸発器の出口近くの冷媒吸入管9に取り付け
られた感温筒7の作用で、膨張弁4が適当量を送
るようになつているが、蒸発器の冷却効率を高め
るには、蒸発器内に冷媒を満遍なく流動させ、冷
却面をムラなく冷却作用をするものにしなければ
ならない。一方、蒸発器冷却面の面積は、前記の
米国3A規格に適合するには、従来の実績から、
例えば縦断面が楕円形(以下、単に楕円形と略
す)の貯乳タンクの場合、タンク内の全長にわた
り底部中心から左右両側の周壁に、タンク内の高
さの45〜60%まで配設できるだけの大きさが必要
とされている。
第6〜8図は、上述のように楕円形貯乳タンク
に取り付ける在来の蒸発器の一例である。図にお
いて、32および34は、それぞれ矩形状鋼板の
表板および底板で、底板34は、表板32に長辺
部34a,34bをそろえて表板32の中央部に
重ね合わせ、上記の長辺部および底板の短辺部3
4c,34dが表板32に接着されている。
一字分の空白36,38および40は、表板と
底板を接着する線状溶着部で、底板34の長手方
向を垂直に4等分する個所に設けられ、14,…
…は短辺溶着部で、底板34の全面を表板32に
千鳥状に接着をしたものである。42は冷媒送出
管、44は冷媒吸入管で、それぞれ底板の長辺部
34aおよび34bの内側に近接し、前記の4等
分された各セクシヨンにおいて、底板34外面の
短辺方向の中心線上に各一端が固着されている。
なお、上述の4等分は、貯乳タンクの大小により
増減されるものである。
第6図のものは、以上のように構成したもの
を、さらに前記溶着部以外の底板部分を膨出し、
表板32と底板34の間にすき間すなわち冷媒通
路46を形成するとともに(第8図参照)、冷媒
送出管42と冷媒吸入管44を前述の各セクシヨ
ンにおいて冷媒通路46を介し連通に構成したも
のである。なお、底板を膨出加工をし冷媒通路4
6を形成する際、底板の全面に千鳥状に配設され
た短辺溶着部14,……で接着された部分は膨出
されずに仕切壁となり、蒸発器の内部にジグザグ
で長大な通路が形成される。
第9〜10図は、別な在来の蒸発器の一例を示
し、表板32、底板34、短辺溶着部14、……
は、第6図のものと同じである。図中、48,5
0および52は表板と底板を接着する線状溶着部
で、底板の長手方向を4等分する位置に、底板の
長辺部34a,34bに一端が交互に接着し、他
端が交互に長辺部34a,34bと等しい間隔を
介して接着しないように配設したものである。5
4は冷媒送出管、56は冷媒吸入管で、前記の線
状溶着部で仕切られた左右両端の区画において、
線状溶着部の一端が接着している長辺部(図では
34b)の内側に近接させ、底板外面の短辺方向
の中心線上に各一端を固着したものである。
その他、底板の溶着部以外の部分を膨出し、第
8図と同様に冷媒通路46を形成し、この冷媒通
路を介し冷媒送出管54と冷媒吸入管56を連通
させること、および線状溶着部の数を貯乳タンク
の大小によつて増減することは、第6図の場合と
同様である。
なお、第6図、第9図に示したものゝ各溶着
部、底板の四辺部と表板の接着部は、底板と表板
を重ねた上、下面からシーム溶接加工をしたもの
である。
以上に説明した在来の蒸発器は、楕円形の貯乳
タンクに取り付ける際、長手方向を貯乳タンクの
底部中心から左右両側の周壁の形状に合わせ、表
板32と一体に底板34を湾曲し、前述のように
タンクの底部中心から貯乳タンク内の高さの45〜
60%となるように、左右等分に配設される。した
がつて、第9図(第6図の場合も同様)の底板の
横幅W1(冷却面の横幅とほぼ同じになる)は、
楕円形タンクの形状によつて、大約の寸法が必然
的に決まるものである。底板の長さLは、加工に
適当な大きさと冷却面の冷却作用を考慮して決め
られている。一方、表板32は、底板34の両端
部から等寸法のはね出し部32aを設けて横幅W
2を決め、長さLを底板34と同じにする。上記
のはね出し部32aは、貯乳タンクへの取り付け
部になるものである。
さて、上述した第6図の蒸発器は、蒸発器内が
線状溶着部36,38および40によつて比較的
小面積に区分けされているので、第5図の冷凍サ
イクルで蒸発器内に送り出された冷媒(R12もし
くはR22)は、各セクシヨン内のジグザグな冷凍
通路46を満遍なく通過し、冷却面がムラなく冷
却作用をするようになつている。一方、第9図の
ものは、冷媒送出管54から蒸発器内に送り出さ
れた冷媒が、線状溶着部48の先端と長辺部34
aとの間の間隙を通過して長辺部34bに向つて
流動し、つぎに線状溶着部50の先端と長辺部3
4bとの間の間隙を通過して長辺部34aに向つ
て流動し、さらに線状溶着部52の先端部を回
り、冷媒吸入管56に吸引される。すなわち、冷
媒は蒸発器内を蛇行しながら気化し、冷却作用を
するようになつている。
(考案が解決しようとする問題点) 上述のように、第6図に示した蒸発器は、冷却
面がムラなく冷却作用をするようになつている
が、冷媒送出管42、冷媒吸入管44の本数が多
くなるために、部品点数の増加とともに、配管や
加工の手間が多くかゝつていた。とくに、貯乳タ
ンクの容量が大きくなると、複数の蒸発器を連設
する必要があるので、配管や加工の手間が非常に
多くなつていた。また、冷媒送出管42の本数が
多くなると、冷媒を均等に蒸発器に送り出すため
に分配器(図示省略)が必要になるが、冷媒量を
各冷媒送出管にバランスよく分配することがむず
かしくなるということも欠点とされていた。
さらに、前述した貯乳タンクへの取り付け関係
から、冷却面の両端部がそれぞれ貯乳タンク周壁
のほぼ中間の高さになるので、両端部に設けられ
た冷却送出管42、冷媒吸入管44は、貯乳タン
ク両側壁の中央部附近に位置することになる。し
たがつて、配管長が長くなるとともに、バルクク
ーラの構造が複雑になるということも問題点であ
つた。
第9図のものは、冷媒送出管54、冷媒吸入管
56が1本宛なので、配管や加工の手間は少なく
て済むという利点がある。しかし、このものを、
前述したように貯乳タンクに取り付けると、蒸発
器の左右両端部が貯乳タンク両側壁の中央部附近
になり、冷媒送出管54、冷媒吸入管56もその
附近に位置することになる。周知のように、乾式
蒸発器の冷却作用は、冷媒送出管の附近では強
く、冷媒吸入管の附近になると気化が進み弱くな
るという特性がある。したがつて、冷媒送出管5
4、冷媒吸入管56が上述の位置になると、一方
の側壁部は冷却作用や強く、他方の側壁部は冷却
作用が弱くなるという問題点があつた。また、貯
乳タンク内の牛乳量が少ないときには、牛乳が貯
乳タンクの底部にたまり、最も冷却作用の強い側
壁部の冷却面には牛乳が接触をしないので、冷却
効果が低下するという欠点があつた。
また、この蒸発器は、冷媒通路が線状溶着部4
8,50および52によつて冷媒送出管54から
冷媒吸入管56に至るまで、1本の長い蛇行状の
通路になつている。したがつて、冷媒吸入管56
に近ずくにつれて冷媒の流動抵抗が大きくなり、
その結果、冷却効果が低下するという欠点もあつ
た。さらに、線状溶着部と底板の長辺部との角隅
部A(第9図の鎖線部で示す)に冷媒がゆきわた
らないために、冷却効率が低下するということも
問題点であつた。
そこで、本考案は、上述の問題点を解消するた
め、1本宛の冷媒送出管、冷媒吸入管を貯乳タン
クの底部外側中央部に位置をさせることが出来、
貯乳タンクの底部から両側の周壁部にかけて均等
に冷却作用が働き、蒸発器の角隅部にも冷媒がよ
くゆきわたり、冷却面がムラなく冷却作用をする
とともに、バルククーラ製作の手間が少なくて済
む蒸発器を提供することを目的とするものであ
る。
(問題点を解決するための手段) 上記の目的を達成するための本考案の構成を、
実施例に対応する第1〜4図によつて説明する。
図において、10および12はそれぞれ矩形状
鋼板の表板および底板で、表板10は蒸発器の冷
却面になるものである。底板12は、表板10の
中央部にその長辺部12a,12bを表板の長辺
部にそろえて重ね合わせ、底板の四辺部を表板に
接着し、さらに底板の全面を、千鳥状に配設する
短辺溶着部14,……で表板10に接着をする。
この構成要領は、第6図および第9図で説明した
従来のものと同様である。
本考案は、上述のように構成した底板12と表
板10を、さらにコ形溶着部16で接着をする。
すなわち、コ形溶着部16は、線状溶着部18の
両端部に、それぞれ間隙24,24を介し線状溶
着部18と直角に線状溶着部20,22を等長に
並設してコ形に形成するとともに、前記の線状溶
着部18を底板12の一方の長辺部(第1図では
12a)に平行にかた寄せ、長辺部12aと線状
溶着部18との間隔と、線状溶着部20,22の
端末と底板12のもう一方の長辺部12bとの間
の間隔とを等しくし、底板長手方向の垂直二等分
線イ−イに対し左右対称に配設をしたものであ
る。
以上のように表板と底板を接着したものを、さ
らに各接着部以外の底板部分を膨出し、冷媒通路
26(第4図参照)を形成する。そして、コ形溶
着部16内側の線状溶着部18の中央部に近接を
させ、冷媒送出管28の一端を底板外面に固着
し、線状溶着部18をかた寄せた側の底板の長辺
部12aの内側中央部に近接をさせ、冷媒吸入管
30の一端を底板に固着し、冷媒送出管28と冷
媒吸入管30とを冷媒通路26を介し連通に構成
したものである。
(作用) 本考案は、蒸発器を以上のように構成したの
で、短辺溶着部14が、従来の蒸発器と同様に表
板10と底板12との間で仕切壁となり、冷媒通
路26を長大でジグザグな通路に形成し、冷媒送
出管28から蒸発器内に供給された冷媒を、満遍
なく蒸発器内に流動させる。コ形溶着部16は、
短辺溶着部14と同様に蒸発器内の仕切壁となつ
て冷媒通路26を形成するが、線状溶着部18と
底板12aとの間隔と、線状溶着部20,22の
端末と底板の長辺部12bとの間隔とが等しく、
また、イ−イ線に対し左右対称に配設され、底板
の短辺部12cと線状溶着20との間隔と、短辺
部12dと線状溶着部22との間隔も等しくなつ
ているので、これらの間を通過する冷媒をほぼ均
等に流動させる。そして、コ形溶着部16の間隙
24,24は、コ形溶着部16の内側から外側へ
冷媒を通過させる冷媒通路26になる。また、蒸
発器内の角隅部は、角隅部を線状溶着部18,2
0および22を底板の周縁部まで延長し、この延
長部と底板角隅部の二辺とで囲まれる四角形と見
なすと、各線状溶着部の長さを適当にすることに
よつて、冷媒がゆきわたるような小面積にするこ
とができる。
したがつて、本考案は、以下に述べるように、
冷媒を蒸発器内に流動させる。すなわち、圧縮機
の作用で、冷媒送出管28からコ形溶着部16の
一番奥深い中央部に送り出された冷媒は、圧縮機
の吸引作用を受け、一部は間隙24,24によつ
て形成される冷媒通路26を介しほぼ均等に両側
へ吸引され、線状溶着部18の両端部から外側へ
流出し、その他の大部分は、コ形溶着部16の区
画内を前記のジグザグな冷媒通路を通過しながら
長辺部12bに向つて流動する。これらの冷媒
は、冷媒送出管28から送り出されてまだ間がな
く冷却能力が大きいものなので、コ形溶着部16
の区画内の冷却面は、冷却作用がムラなく十分に
働くものになる。
上述の冷媒は、長辺部12bに近づくにつれ圧
縮機の作用により両側にほぼ均等に分かれ、線状
溶着部20,22の端末を外向きに回り、コ形溶
着部16の両外側の部分を長辺部12aに向つて
流動する。このとき、長辺部12bと線状溶着部
20,22の端末との間隔が等しくなつているの
で、冷媒は両側にほぼ均等に分かれるのである。
この冷媒は、コ形溶着部16の両外側部分を冷却
しながら、やがて線状溶着部18の両端部附近に
達するが、この附近の冷媒は、かなり長い経路を
通過しているので、気化が進み冷却能力が低下し
ている。しかし、線状溶着部18の両端部から外
方へ流出している冷却能力の強い冷媒が、冷却能
力の低下している冷媒に合流するので、それ以降
の冷媒流動過程においても、冷却面の冷却作用が
大きく低下するようなことがなくなるのである。
上記のように合流した後、冷媒は線状溶着部1
8の両端部を内向きに回り、長辺部12aの内側
中央部に設けられた冷媒吸入管30に向つて流動
する。このとき、線状溶着部18と長辺部12a
とは平行になつているので、冷媒はほぼ均等にこ
の間に進行し、冷媒吸入管30から圧縮機に吸引
される。
従来の蒸発器で問題点とされていた、蒸発器内
の角隅部に冷媒がゆきわたらないため、冷却作用
がムラになるという現象は、前述したようにコ形
溶着部16の寸法を適当に撰択し、角隅部の面積
を冷媒のゆきわたる大きさにすることによつて、
解消することが出来る。また、冷媒送出管28、
冷媒吸入管30は、底板の長手方向の中央部に設
けられているので、蒸発器と貯乳タンクに取り付
けると、タンクの外側底部中央線上に冷媒送出管
28、冷媒吸入管30が位置するようになる。し
たがつて、冷媒送出管28から供給された冷媒
は、タンクの底部からタンクの両側壁の一部とな
るコ形溶着部16内の区画を冷却し、つぎにコ形
溶着部16の両外側部、すなわちタンクの左右側
壁部を冷却し、再びタンク底部中央の冷媒吸入管
30に吸引されるので、貯乳タンクの底部から両
側壁にかけての冷却面が、バランスよく冷却作用
をするものになる。
(実施例) つぎに、本考案の好適な具体例として、容量が
3000の楕円形貯乳タンク(楕円形の内面が長径
1.5m、短径1.2m、長さ2m)に取り付ける蒸発器
を、第1〜4図で説明する。
第1図は貯乳タンクに取り付ける前の平面状態
の蒸発器で、図中、底板の横幅W1は、前述した
ようにタンクの大きさが決まると、大約の寸法が
決まり、実施例は1.76mである。底板の長さL
は、冷却面の冷却作用を考慮し、従来のものも同
じであるが、1mとした。表板10の横幅W2は、
底板12の左右両端部に等長のはね出し部を設け
て2.1mとし、表板10の長さは、底板12と同
じく1mとした。表板の厚さは2mm、底板の厚さ
は膨出加工をするため、表板より薄い1mmとし、
いずれも矩形状のステンレス鋼板を用いた。
底板12は、表板10の中央部に長辺部12
a,12bを表板の長手方向にそろえて重ね合わ
せ、シーム溶接で連続密封状に長辺部12a,1
2b、短辺部12c,12dを接着し、さらに、
底板の全面を、千鳥状に配設するシーム溶接加工
の短辺溶着部14,…で、表板に接着をした。短
辺溶着部14の配設は、第1図および第3図のよ
うに、短辺溶着部の長手方向を底板の長辺部と平
行にピツチaで横列状に点々とならべ、その横列
を長辺部と平行にピツチaで上下に並設し、さら
に上下に隣接する横列の短辺溶着部14を、横方
向にa/2ピツチに並べたもので、a寸法は50mm
である。なお、短辺溶着部14,…は、幅×長さ
を約7×15mmとした。
つぎに、コ形溶着部16は、線状溶着部18を
底板の長手方向4等分個所の長辺部12aに1番
近い位置附近に平行にかた寄せ、長辺部12aと
の間隔を225〜300mmとし、線状溶着部20,22
の端末と長辺部12bとの間隔を、線状溶着部1
8と長辺部12aとの間隔に等しくした。さら
に、コ形溶着部16は、底板長手方向の垂直2等
分線イ−イ中心線に対し左右対称に配設し、線状
溶着部20,22の位置を、底板を長手方向に6
等分する個所の両外側の附近に設けるのが適当
で、底板の短辺部からの間隔を250〜300mmにし
た。また、コ形溶着部16の間隙24の適当な寸
法は、25〜75mmであつた。
さらに、コ形溶着部16は、線状溶着部18の
両端面を、線状溶着部20および22の外側面の
延長面と一致させるか、延長面の外側へ等長に突
設させるもので、第3図のb寸法は0〜50mmが適
当であつた。すなわち、線状溶着部18の両端面
が線状溶着部20,22の外側延長面よりも内側
にすると、間隙24の冷媒通路から流出する冷媒
が、直接長辺部12aに向つて流動するようにな
るので、コ形溶着部16の両角部と斜めに対向す
る蒸発器の角隅部に冷媒がゆきわたらなくなるだ
けでなく、前述のように冷却能力の低下している
冷媒に、間隙24の部分から流出する冷却能力の
強い冷媒の合流時期が遅れるため、蒸発器の冷却
作用がムラになつた。したがつて、前記のb寸法
は、線状溶着部20,22の外側延長面より内側
にならないようにしなければならない。
蒸発器内部の角隅部への冷媒の流動について
は、上述したコ形溶着部16の配設位置から、線
状溶着部18,20および22を底板の周縁部ま
で延長し、その延長部と底板のコーナー部とで形
成される四角形を角隅部とみなすと、その四角形
は一辺約0.3mの正方形になつた。蒸発器冷却面
の面積は、W1×Lで約1.76m2なので、上記正方
形の面積は、冷却面の面積の約5%と小いさなも
のになり、冷媒が角隅部に十分にゆきわたるもの
になつた。
つぎに、冷媒送出管28と冷媒吸入管30は、
呼び径20の配管用ステンレス鋼管を用い、既に
説明した底板12の個所に、それぞれ一端を固着
し、他端は図示を省略したが、適当長の銅管をろ
う付けで接続し、冷媒吸入管30を圧縮機に、冷
媒送出管28を膨張弁に連結をした。
また、冷媒通路26の形成は、公知の要領、す
なわち、冷媒吸入管30を一時的に閉塞してお
き、冷媒送出管28から高圧ガスを圧入すると、
表板よりも厚さの薄い底板が膨出され、表板と底
板を接着しているコ形溶着部16、短辺溶着部1
4,……の接着部が膨出されず、この部分が仕切
壁となつて冷媒通路26が形成される。底板12
の膨出量は、従来の蒸発器と同じく1.6〜1.8mmに
した。
以上のように構成した蒸発器を、冷却面がムラ
なく冷却作用をするかどうかを、つぎのようにし
て確かめた。すなわち、貯乳タンクに取り付ける
前の蒸発器を、冷却面を上面にし水平に室内に置
き、蒸発器を取り付ける予定のバルククーラの冷
凍機に連結し、実機と同じ条件で冷媒を循環さ
せ、蒸発器の冷却面に一様に噴霧状態で水をかけ
る。そうすると、冷却作用の働いている個所は直
ちに氷結して白くなるが、そうでない個所はいつ
までも氷結しないので、冷却面の冷却作用を確か
めることができる。
本考案の蒸発器は、上述の実験方法によつて冷
却作用が冷却面にムラなく働くように、コ形溶着
部16、短辺溶着部14,……の配設ならびに寸
法関係を見出したもので、とくに、コ形溶着部1
6に間隙24を設けることによつて、底板12a
両端部の蒸発器角隅部に、冷却作用が働くものに
することができたのである。そして、実施例の蒸
発器は、長さLが1mなので、前述したように楕
円形タンクの形状に合わせて長手方向を湾曲し、
容量3000のタンク内の長さ2mに対し、2個を
その短辺方向を連接して前述のように貯乳タンク
内に設置するものである。同じ楕円形の断面で容
量4000の貯乳タンクは、長さが3mである。こ
の場合は、3個を連設する。なお、本考案は、上
述した楕円形タンクに限定されるものでなく、平
底角形タンクの底部にも四角形平板状のまゝか、
両端部を折曲し底部から側壁の一部にかけて配設
することが出来るものである。
(考案の効果) 本考案は、以上説明したように、蒸発器内にコ
形溶着部を設けたので、蒸発器冷却面の角隅部を
冷媒が十分にゆきわたる小面積にすることがで
き、また、コ形溶着部の両角部に設けた間隙によ
つて形成される冷媒通路から、冷媒送出管で供給
されて間がない冷却能力の強い冷媒を、コ形溶着
部の区画内から外部へ流出させ、この附近にくる
までにかなりの経路を通過し冷却能力の低下して
いる冷媒に合流させることができるので、通常で
あれば冷却作用が弱くなる冷媒吸入管の附近で
も、それ程冷却作用を低下させないようにするこ
とができる。そして、従来のものと同様に、蒸発
器内の全面に千鳥状に配設された短辺溶着部によ
つて、冷媒通路がジグザグでかつ長大な通路に形
成されているので、冷媒を蒸発器内に満遍なく流
動させることができる。
以上のように、冷媒が蒸発器の角隅部によくゆ
きわたり、冷媒の冷却能力が冷媒吸入管の附近で
もそれ程低下せず、蒸発器内全体に満遍なく冷媒
を流動させるので、蒸発器の冷却面をムラなく冷
却作用をするものにできる。
また、コ形溶着部は底板長手方向の垂直2等分
に対し左右対称に設けられ、さらに底板の一方の
長辺部に平行にかた寄せられ、冷媒送出管がコ形
溶着部の一番奥深い中央部に設けられている。し
たがつて、蒸発器を長手方向に湾曲し、楕円形タ
ンクの底部中心から左右の側壁に等分に取り付け
ると、コ形溶着部はタンク底部の長さ方向の中央
部に位置し、この部分には冷媒送出管から出て間
がない冷却能力の強い冷媒が通過するので、タン
クへの牛乳投入量の少ない場合でも、牛乳が冷却
作用の強い冷却面に接触し、効果的に冷却作用を
受けることができる。冷媒吸入管もコ形溶着部を
かた寄せた側の底板の長辺部内側中央部に設けら
れているので、冷媒送出管と同じく冷媒吸入管が
タンク底部の中央部に配管され、冷媒送出管、冷
媒吸入管とも配管長を短かくできるとともに、タ
ンクの左右両側にバランスよく冷却作用が働くよ
うになる。そして、蒸発器単体の冷媒送出管、冷
媒吸入管は各1本宛なので、貯乳タンク内に複数
個の蒸発器を連設する場合でも、配管の長さや加
工の手間が少なくて済むものにできる。
以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、冷却面がムラなく冷却作用をし、冷却効率の
良好が蒸発器が得られるとともに、配管や加工の
手間が少なくなり、バルククーラの製作コストを
低下することができる等、大きな効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る蒸発器の一例を示す一部
破断の平面図、第2図は正面図、第3図は第1図
の一部拡大平面図、第4図は第3図−線に沿
う一部の拡大縦断端面図、第5図は直膨式バルク
クーラの基本的冷凍サイクルの模式図、第6図は
従来の蒸発器の一例を示す一部破断の平面図、第
7図は第6図の正面図、第8図は第6図−線
に沿う一部の拡大縦断端面図、第9図は従来の別
な蒸発器を示す一部破断の平面図、第10図は第
9図の正面図である。 10……表板、12……底板、12a,12b
……底板の長辺部、12c,12d……底板の短
辺部、14……短辺溶着部、16……コ形溶着
部、18,20,22……線状溶着部、24,2
4……間隙、26……冷媒通路、28……冷媒送
出管、30……冷媒吸入管。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 蒸発器の冷却面となる矩形状鋼板の表板10
    と、長辺部を表板10にそろえて表板の中央部
    に重ね合せ、四辺部を表板に接着する矩形状鋼
    板の底板12と、この底板の全面に千鳥状に配
    設し底板を表板に接着する短辺溶着部14,…
    …とを備えたものにおいて、さらに前記の表板
    と底板をコ形溶着部16で接着するとともに、
    このコ形溶着部16を、線状溶着部18の両端
    部と直角にそれぞれ間隙24を介し線状溶着部
    20,22を等長に並設し、線状溶着部18を
    底板12の一方の長辺部に平行にかた寄せ、こ
    の長辺部と線状溶着部18との間隔と、線状溶
    着部20,22の端末と底板12のもう一方の
    長辺部との間隔とを等しくするとともに、底板
    長手方向の垂直2等分線に対し左右対称に配設
    するものに形成し、上記各溶着部以外の底板部
    分を膨出して冷媒通路26に形成し、コ形溶着
    部16の内側かつ線状溶着部18の中央部と近
    接に冷媒送出管28と、線状溶着部18をかた
    寄せた側の底板の長辺部内側中央部と近接に冷
    媒吸入管30とを、それぞれ底板12の外面に
    一端を固着するとともに、冷媒通路26を介し
    連通に配設したことを特徴とする直膨式バルク
    クーラ用蒸発器。 (2) コ形溶着部16は、線状溶着部18の両端面
    が、それぞれ線状溶着部20および22の外側
    延長面より内側に位置しないものである実用新
    案登録請求の範囲第1項記載の直膨式バルクク
    ーラ用蒸発器。
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