JPH04251502A - 電気車制御装置 - Google Patents

電気車制御装置

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JPH04251502A
JPH04251502A JP3010397A JP1039791A JPH04251502A JP H04251502 A JPH04251502 A JP H04251502A JP 3010397 A JP3010397 A JP 3010397A JP 1039791 A JP1039791 A JP 1039791A JP H04251502 A JPH04251502 A JP H04251502A
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speed
driving wheel
torque
differential
motor
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JP3010397A
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Toshio Sasaki
敏夫 佐々木
Ichiro Miyashita
一郎 宮下
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

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  • Feedback Control In General (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Multiple Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変電圧可変周波数イ
ンバータ(以下VVVFインバータという)により複数
台の誘導電動機を制御する電気車、いわゆるVVVFイ
ンバータ車において、粘着性能が改善された電気車制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気車の粘着性能を改善するための方式
として、図9に示すものが知られている。図9は従来の
典型的な再粘着制御方式を採用したVVVFインバータ
システムの制御回路を示したものである。
【0003】1は電気車であり、車両1台分を表してい
る。101 はインバータ装置である。2A, 2B,
 2C, 2D(以下2A〜2Dのように表す)は誘導
電動機であり、3A〜3Dは誘導電動機2A〜2Dにそ
れぞれ対応する英字が示す動輪である。4A〜4Dは同
様に対応する英字が示す電動機回転速度検出器であり、
本例ではパルスジェネレータ(PG)を示し、電動機の
回転速度に比例する周波数のパルス列を発生するもので
ある。また、5A〜5Dは、対応する英字が示す電動機
回転周波数演算手段であり、各PG信号を各電動機の回
転周波数fMA〜fMDに変換する。更に7A〜7Dは
微分器であり、各電動機回転周波数を入力として、その
時間微分 dfMA/dt〜 dfMD/dtを出力す
るものである。108 は電動機周波数選択手段で、同
一のインバータ101 により駆動される電動機群の周
波数制御を行うための、基準となる電動機周波数を決定
するものである。基準の電動機周波数を選択するアルゴ
リズムとしては、予め決められた電動機の周波数に固定
する方法(力行時あるいは制動時において、最も空転し
難い軸のPG信号から電動機周波数を求める方法)、動
的に切り換える方法(力行時には各電動機周波数の最小
値とし、制動時には各電動機周波数の最大値とする方法
)などがある。
【0004】電動機周波数選択手段108 の出力は、
基準となる電動機周波数fM であり、後述するすべり
周波数指令fSSと加算点109 にて加算され、イン
バータ周波数指令fI となる。また、電動器群に電圧
/周波数比が一定の交流を供給するために、インバータ
周波数指令fI に110 で示されるV/f比器によ
りV/f比を掛けた値をインバータ出力電圧値とし、そ
の値を除算器111 によってフィルタコンデンサ電圧
検出値VC で割り、更に一次遅れフィルタ112を介
した値を変圧率指令αとする。 一次遅れフィルタ112 は安定化のために設けられた
ものである。
【0005】インバータ101 はインバータ周波数指
令fI に適したスイッチング周波数をもつキャリアと
、変圧率指令αに対応する振幅をもった三相正弦波信号
との交点を求めることにより、スイッチングのタイミン
グを求め、パルス幅変調を行い三相交流を各電動機に印
加するものである。
【0006】トルク電流パターン発生手段104 は、
加速・制動を目的とする運転士からのノッチ指令と、車
両の荷重を検出する応荷重装置からの信号とにより、所
要加速度に見合う電動機トルクに比例した電流パターン
Ip を生成する。以下、電動機トルクに比例する有効
電流をトルク電流と呼ぶことにする。トルク電流パター
ンIp と後述するトルク電流修正パターンIp’との
差であるトルク電流指令IISとトルク電流の検出値I
I との偏差が、電流制御手段107 に入力され、こ
の電流制御手段107 の出力がすべり周波数指令fS
Sとなる。
【0007】113 は空転検知手段であり、空転検知
手段113 は微分器7A〜7Dの出力である電動機周
波数微分 dfMA/dt〜 dfMD/dtの最大値
が所定値を越えた時点で、コンパレータ手段114 を
駆動する。このコンパレータ114 は一定時間Tの遅
れをもったオンオフ信号発生手段であり、コンパレータ
の状態が変化し、かつその状態が一定時間保持されたな
らば、空転検知信号SLIPをオン状態にする。また、
再粘着制御が行われ、電動機周波数微分の最大値が前述
の所定値を下回り、その状態が一定時間T保持されたな
らば、空転検知信号SLIPをオフ状態に戻す。ここで
、遅れ時間Tは、電動機周波数微分に混入するノイズに
よる誤検知を回避するために設けられたものである。
【0008】115 はトルク電流修正パターン発生手
段であり、空転検知信号SLIPに対応してトルク電流
修正パターンIp’を生成する。トルク電流修正パター
ン発生手段115 は空転検知信号SLIPがオン状態
となると、トルク電流修正パターンを急峻な勾配で増加
させ、空転が終了し空転検知信号SLIPがオフ状態と
なると、トルク電流修正パターンを緩慢な勾配で減少さ
せる。
【0009】トルク電流パターンIp は、加算点10
5 においてトルク電流修正パターンIp’が減算され
、トルク電流指令IISとなる。従って、空転発生と判
断すると電動機トルクを急速に絞り込み、また再粘着し
たと判断すると、電動機トルクを徐々に増加させる処理
が行われる。
【0010】102 は実効電流検出手段であり、電流
センサにより電動機群の各相電流を検出し実効電流を演
算するものである。また、103 はトルク電流演算手
段であり、実効電流検出手段102 の出力である実効
電流IM とインバータの出力電圧位相θとからトルク
電流II を演算するものである。
【0011】本例では、トルク電流パターンを絞り込む
方式を示した。この他にもすべり周波数を直接絞り込む
方式等様々な再粘着制御方式が提案されているが、空転
量が所定値以上・以下という二つの状態で切り替えると
言う意味では、上記例と本質的に同じものとなっている
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述のような従来の粘
着制御方式は、空転、滑走が実際に発生し、それが所定
値を超過しかつ所定時間経過しないと作用しないもので
あり、電動機トルクの修正量も予め設定された固定値を
用いるものであって、空転の度合いに応じたものではな
い。また、電動機トルクの修正方法は減少および増加を
反復するものであって、連続的に電動機トルクを調節し
得るVVVFインバータ車の特性を充分に活用したもの
とは言えない。更に、空転検知方法としては、複数の電
動機周波数のうち少なくとも一つが、所定値を一定時間
超過したならば空転発生と見なすものであり、空転発生
と判断した動輪以外の他の動輪において、どの程度の粘
着力が得られているかということを考慮したシステムに
はなっていない。従って、一つの動輪がレール面の汚れ
等の原因で空転した場合(以下1軸空転と呼ぶ)と、降
雨等により粘着力が全体に低下し、全ての動輪が一斉に
空転した場合(以下全軸空転と呼ぶ)での電動機トルク
の絞り量は同じ値であり、前者の状況ではトルクの絞り
過ぎになることは容易に予想されることである。
【0013】粘着力は、車輪とレールとの接触面の状態
により決まる物理現象であり、厳密に言うと各動輪毎に
異なるものと考えなければならない。従って、粘着制御
方式としては、各動輪での粘着状態に応じて最大の粘着
力が得られるように、動輪周駆動力を独立に制御できる
ものが理想的である。VVVFインバータを用いた電気
機関車では、各動輪の誘導電動機毎にインバータ装置を
設け、各動輪の動輪周駆動力を独立に制御できるものが
ある。しかしながら、動力分散形態をとるVVVFイン
バータ電車においては、インバータ装置の実装上の制約
あるいはコスト的な制約から、4台ないし8台の誘導電
動機を一台のインバータ装置で制御する方式を採るのが
一般的となっている。従ってVVVFインバータ電車で
の粘着制御は、各動輪軸における粘着状態に応じて、1
編成の列車全体での粘着力ができる限り最大となるよう
に制御するという、多目的制御系と捉えるべきである。
【0014】先に本願出願人が特願平2−328269
号で特許出願した「電気車制御装置」の明細書に記載し
たものは、各動輪におけるすべり率微分、粘着力微分お
よびクリープ速度を検出演算し、それらの値から基準と
なる動輪を定めて制御を行うものであり、一編成の列車
全体が得る粘着力を総合的に評価するものではなかった
。これに対して本発明は、全ての動輪における状態量を
検出演算するとともに、その状態量に基づいて各動輪毎
にトルク電流の修正パターンを求め、それらをファジィ
合成し、更に非ファジィ化処理を施して修正パターンの
確定値を求めるものであり、各動輪における粘着状態を
総合的に評価し、一編成の列車全体での粘着力の総和が
常に最大となるように電動機トルクを制御することを可
能にするものである。
【0015】さて、図10は、動輪とレールとの間にお
けるすべり率と粘着力との関係(以下粘着特性と呼ぶ)
を示したものである。ここで、すべり率とは動輪周速度
と対地車速度の差速度を動輪周速度で割った値を言い、
次式で定義される。     λ=(VM−VO)/VM         
                         
   (1)上式で、VO は対地車速度、VM は動
輪周速度を表す。 また、動輪周速度と対地車速度との差速度はクリープ速
度と呼ばれ、VS で表し、     VS=VM−VO             
                         
       (2)で定義される。
【0016】粘着力は、周知のように軸重に比例するが
、図10に示すようにすべり率の小さい範囲では、すべ
り率にもほぼ比例する。ある時点でのすべり率と粘着力
の値から、粘着特性上の位置が定まるが、これを動作点
と呼ぶことにする。
【0017】いま粘着力をF、電動機から動輪に伝達さ
れる駆動力(以下、動輪周駆動力と呼ぶ)をFM 、電
動機回転子や減速ギヤ及び動輪等の回転慣性系を加速す
る回転系駆動力(以下、単に回転系駆動力と呼ぶ)をF
R とすると、次式が成り立つ。     FM=F+FR              
                         
       (3)上式は、粘着力と回転系駆動力と
の和が動輪周駆動力であり、粘着力が車体の加速に寄与
する分力であることを示している。
【0018】粘着力Fには上限FO があり、これを粘
着限界と称している。動輪周駆動力が加えられていない
状態(静止状態または惰行状態)では動作点は原点にあ
り、動輪周駆動力を加えるに従って粘着特性の左側の斜
面を登っていく。そして、あるすべり率λO において
粘着力が最大値FOとなる点Pに到達する。更に動輪周
駆動力を増やし続けると、粘着特性の右側の斜面を下が
り始め、粘着力Fが減少するので、式(3)から分かる
ように、回転系駆動力FR が増加し、動輪の回転速度
が急増することとなる。この現象がいわゆる空転である
。粘着力の限界点Pよりもすべり率の小さな領域をクリ
ープ領域、大きな領域を空転領域と呼ぶことにする。
【0019】粘着特性は、天候やレール面の状態によっ
て変動することが知られているが、一般的な傾向として
、乾燥状態では図10に示したように粘着力の上限値F
O が大きく、FO を与えるすべり率が小さく、一方
、湿潤状態では図11に示したように粘着力の上限値F
O が低下するとともに、全体として平坦な特性になる
【0020】通常、乾燥状態における粘着力の上限値F
O より低い粘着力で走行できるトルク電流パターンが
設定されるので、乾燥時にはクリープ領域における安定
な走行が可能である。ところが、降雨やレール面の油汚
れ等が原因で、図11のように粘着力の上限値FO が
所要粘着力よりも低くなる場合があり、通常の動輪周駆
動力を加えた場合においても、動作点は上限値FO を
与える点Pを通り過ぎ、空転領域に入り込むこととなる
【0021】そして、空転検知を用いた従来の再粘着制
御方式は、この空転領域に入ってから矢印bの方向に動
作点を戻すように動輪周駆動力を急減し、動作点をクリ
ープ領域に引き戻す。そして、再粘着と判断した時点で
、動輪周駆動力を徐々に増加させるが、このとき動作点
は矢印a方向に移行して、再び点Pを通過して空転領域
に入り込む。以降点Pを中心に左右に往復する動作を繰
り返すものとなる。
【0022】ここまでは、一つの動輪に着目した場合の
粘着特性、及び動作点の動きについて述べたものである
が、実際には複数の動輪があり、そのそれぞれにおける
粘着特性及び動作点は、図12に示すように当然異なっ
たものとなっている。何故ならば、粘着特性は動輪とレ
ールとの接触面の物理的諸条件により変動するものであ
り、また各誘導電動機の特性や動輪径差等により各動輪
の動輪周駆動力は必ずしも一致しているとは限らないか
らである。
【0023】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の基本技術
思想の理解を容易にするために示したものである。すな
わち、本発明はその原理上、ファジィ推論の持つ長所を
最適に活用して実現できるものである。これを図1の詳
細説明に入る前に説明する。ファジィ制御によると、複
雑で解析的には解けない制御系でも、熟練者のノウハウ
あるいは種々の状態に対してどのように操作すべきかと
いう知識があれば、これを制御則として言語表現し、i
f then 形式の推論を用いて操作量を求めること
ができる。前述のように、粘着特性は種々の要因(季節
、天候、レールの油汚れ、勾配、曲線通過等)により確
率的に変動するものであり、数式によるモデル化は困難
と言ってよい。そこで、観測可能な状態量から、粘着特
性の局所情報を推定し、どのように電動機トルクの制御
を行えば、粘着力を最大限に利用できるかという知識を
用いて、ファジィ制御系を構成することが有効となる。
【0024】また、ファジィ制御には、多目的制御を容
易に実現できるという特徴がある。即ち、異なる制御目
標が存在する場合に、それらを同時に満足するような制
御を実現できるということである。先に述べたように、
一台のインバータ装置で複数の誘導電動機を制御するV
VVFインバータ電車においては、各動輪毎に最大の粘
着力が得られるようにするという独立した制御目標があ
り、それを同一のインバータ装置の電圧周波数制御によ
って満足させるということであるから、多目的制御と見
なすことができる。従ってこの意味からも、ファジィ制
御の有効性が期待できることになる。
【0025】次にファジィ推論ブロックの入力となる前
件部変数の演算方法について説明する。本発明における
ファジィ推論の前件部変数としては、すべり率λの時間
微分dλ/dt、粘着力Fの時間微分 dF/dt及び
クリープ速度VS を用いるが、すべり率微分 dλ/
dtは式(1)を微分することにより容易に得られ、ま
たクリープ速度VS は式(2)により求められるので
、以下では粘着力微分 dF/dtの演算方法について
のみ説明を行うことにする。
【0026】さて電動機から駆動装置のピニオンへ至る
継手の捻じり、歯車装置のギヤのバックラッシュ、動輪
軸の捻じり等を無視すれば、前記式(3)における電動
機から動輪に伝達される動輪周駆動力FM および回転
系駆動力FR は次式で近似することができる。     FM=(z/r)KMII         
                         
   (4)    FR=(J/r2)dVM/dt
                         
          (5)ここで、zは電動機から動
輪への減速比、rは動輪半径、Jは回転慣性系の全慣性
モーメント(動輪への換算値)、KM は電動機トルク
定数、II は電動機1台当たりのトルク電流である。 また、動輪周速度VM は、電動機周波数fM に比例
するものとして、    VM=KO・fM     
                         
               (6)を用いることが
できる。但し、比例係数KO は    KO=2πr
/(p・z)                   
                 (7)であり、こ
こでpは誘導電動機の極対数を表す。
【0027】式(4)、(5)および式(2)から粘着
力Fは、次のようになる。     F=(z/r)KMII−(J/r2)dVM
/dt                (8)ここで
、     K1=z・KM/r,    K2=J/r2
                      (9)
と置けば、式(8)は     F=K1II−K2dVM/dt      
                         
  (10)と書くことができる。従って粘着力微分は
、式(10)を微分することにより、    dF/dt=K1dII/dt−K2d2V/d
t2                       
  (10′) で与えられる。
【0028】次にファジィ制御則の詳細について説明す
る。ファジィ制御則は一例としてすべり率微分 dλ/
dtと、粘着力微分 dF/dtとの状態に応じてトル
ク電流修正パターン微分 dIp’/dtを出力する第
1のルール群と、緩慢な速度で徐々に大きい空転へと成
長する場合に対する歯止めとして、クリープ速度の大き
さによりトルク電流修正パターン微分 dIp’/dt
を出力する第2のルール群との複合形式で記述すること
ができる。
【0029】まず第1ルール群について説明する。ここ
では「すべり率微分 dλ/dtが正で大きく、粘着力
微分 dF/dtが負で大きければ、トルク電流指令を
大きく減らせ」で示すように、すべり率微分 dλ/d
t、粘着力微分 dF/dt及びトルク電流修正パター
ン微分 dIp’/dtのある範囲をそれぞれ図4、図
5、図6のメンパーシップ関数を使い、正負、大小の関
係を言語表現で表す。この表現は次のようなファジィラ
ベルを用いる。 PB          正で大きい PS          正で小さい ZO          零に近い NS          負で(絶対値が)小さいNB
          負で(絶対値が)大きいこれによ
り前述の例は、     if dλ/dt=PB and dF/dt
=NB then  dIp’/dt=PBと表せる。 ここで、 dIp’/dt=PBと正の値になるのは、
前述の図9と同様、図1において、トルク電流パターン
の修正を減算表現で行うためである。
【0030】また、メンバーシップ関数は図4〜図6の
ように三角形を使って表現できる。いま、すべり率微分
 dλ/dtとして〔 dλ/dt=+0.32 〕な
る値が検出されたとすると、図4に示されるように、 
dλ/dt=PSである適合度が 0.4、 dλ/d
t=PBである適合度が 0.6、他のファジィラベル
への適合度は0となる。同様に粘着力微分 dF/dt
についても測定値が検出されると、二つのファジィラベ
ルに対する適合度が確定する。ここで、各入力値のどの
程度の値をPBとし、NSとするか等については、設計
者の裁量に委ねることができる。
【0031】更に表1によりファジィ制御則(以下、単
に制御則と呼ぶ)を定義できる。ただし、単純化のため
車両は一方向のみ(λ≧0)の力行運転で考える。そし
て、図1においては、ファジィ推論ブロック8A〜8D
がこのような制御則とファジィ推論部を含むものである
。この第1のルール群は、後に詳述するが、動作点が常
に粘着特性の最大点に到達するように、電動機トルクを
制御する性質のものであり、粘着力を最大限に利用する
という本発明の根幹をなす制御則となっている。
【表1】
【0032】次にクリープ速度VS をファジィ推論に
利用する第2のルール群の目的と方法につき説明する。 図7はレール面が降雨の初期あるいは結露等により、非
常にすべり易い状態での粘着特性を示したものである。 この場合は前述の図10、図11に示した粘着限界点P
が明確でなく、殆ど平坦な傾向を示す場合である。この
場合、動作点が平坦領域に入り込むと、粘着力の変化が
殆どなくなり、 dF/dt=ZOとなる。ここでクリ
ープ速度が緩慢に成長すると、すべり率の変化も殆どな
いため、 dλ/dt=ZOとなり、制御則表からファ
ジィ推論は殆ど零を出力することになり、現状のトルク
電流指令を保持することになる。その結果、クリープ速
度は際限なく増加する状態となる。クリープ速度が大き
くなるとレールと動輪とのキシリ音、台車振動等が発生
し、保守上の問題を生じると同時に、乗り心地も損なう
ことになる。
【0033】この欠点を克服するために、クリープ速度
の評価を取り入れ、前述の制御則に対するバックアップ
とする。クリープ速度についての制御則は次のようなも
のである。 if VS=PS then  dIp’/dt=PS
if VS=PB then  dIp’/dt=PB
また、これらに対するメンバーシップ関数を図8に示す
。図8から分かるようにクリープ速度が5km/h以下
では、VS =PSである適合度も、VS =PBであ
る適合度もともに零となって、この制御則による出力、
すなわちトルク電流修正パターン微分 dIp’/dt
は零となる。また、クリープ速度が増加し、5km/h
以上となると、クリープ速度の大きさに応じて出力を増
加させるという制御則となっている。
【0034】すべり率でなく、クリープ速度を制限する
理由は、レールと動輪とのキシリ音や台車振動の発生の
原因となるのは、クリープ速度そのものの増大であって
、これを抑制するためには、すべり率ではなくクリープ
速度自体を評価する必要があるからである。
【0035】ここまでは、一つの動輪に着目した場合の
トルク電流の修正パターンを得るためのファジィ推論に
ついて述べたものである。次にこの推論を各動輪毎に行
い、得られた結果をmax 合成し、更に非ファジィ化
してトルク電流修正パターン微分を得る方法について詳
細に説明する。
【0036】前述のファジィ制御則は、第1ルール、第
2ルールを含めて次のような一般形で記述することがで
きる。     if dλ/dt=A1  dF/dt=B1
 VS=C1 then dIp’/dt=D1   
  if dλ/dt=A2  dF/dt=B2 V
S=C2 then dIp’/dt=D2     
                         
     :                   
               :         
                         
:    if dλ/dt=AN  dF/dt=B
N VS=CN then dIp’/dt=DN こ
こで dλ/dt、 dF/dt、VS、 dIp’/
dtは、ある動輪におけるすべり率微分、粘着力微分、
クリープ速度及びトルク電流修正パターン微分を表し、
Aj(j=1〜N)は、すべり率微分についてのメンバ
ーシップ関数NB、NS、ZO、PS、PBのうちのい
ずれかを表すものである。同様に、Bj (j=1〜N
)、Cj (j=1〜N)、Dj (j=1〜N)はそ
れぞれ粘着力微分、クリープ速度、トルク電流修正パタ
ーン微分のメンバーシップ関数を表すものである。ここ
で、Nは全制御則数を表している。
【0037】本発明におけるファジィ推論としては、最
も一般的に用いられている max−min合成による
方法を用いる。いま前記のAj 、Bj 、Cj 、D
j に対応するメンバーシップ関数を、μAj、μBj
、μCj、μDjのように表す。図1に示す第A軸の動
輪でのすべり率微分、粘着力微分及びクリープ速度を、
 dλA/dt、 dFA/dt、VSAと書くことに
すれば、前記ファジィ制御則を適用した結果(以下ファ
ジィ結論と呼ぶことにする)は、次式に示すメンバーシ
ップ関数μOA として与えられる。     μOA=(ω1∧μD1)∪…∪(ωN∧μD
N)                  (11)こ
こで、ωj (j=1〜N)は前件部の適合度であり、
    ωj=μAj(dλA/dt)∧μBj(dF
A/dt)∧μCj(VSA)      (12)と
書くことができる。上式中、∧は min演算を、また
∪は集合和の演算(ここでは max演算)を表してい
る。
【0038】前述の第1のルール群では、クリープ速度
VS についての条件がなく、一方第2のルール群にお
いては、すべり率微分及び粘着力微分についての条件が
ない。対応する条件がない前件部変数の適合度は1とす
る。即ち、第1ルール群では μCj(dVSA/dt)=1 とし、第2ルール群では μAj(dλA/dt)=μBj(dFA/dt)=1
とする。
【0039】A軸と同様に、B軸、C軸、D軸について
もファジィ推論を実行し、ファジィ結論μOA、μOB
、μOC、μODを求める。こうして求めた各動輪につ
いてのこれらのファジィ結論を max合成し、重心計
算により非ファジィ化を行って最終的なトルク電流修正
パターン微分を得る。即ち     μ*=μOA∪μOB∪μOC∪μOD   
                         
(13) により、各ファジィ結論を max合成し、   dI
p’/dt={∫μ*(dIp’/dt) (dIp’
/dt)d(dIp’/dt)}          
    /{∫μ*(dIp’/dt)d(dIp’/
dt)}                (14)に
よりμ* の重心を求める。ここで式(14)の積分は
、メンパーシップ関数の台集合についての積分であり、
時間積分でないことに注意する。
【0040】また、各動輪のファジィ結論を max合
成するところでは、単に max合成するのではなく、
各動輪に対する重みγA 〜γD により重み付けを行
うこともできる。即ち、式(13)の代わりに次式を用
いる。     μ*=γA・μ0A∪γB・μ0B∪γC・μ
0C∪γD・μ0D                
                         
                      (13
′) ここで、・は代数積を表し、ファジィ結論のメン
バーシップ値を一様に定数倍する演算を表している。こ
こで、例えばA軸の動輪についての重みを1とし、その
他の重みを全て0とすれば、式 (13′) はμ*=
μ0A  となって、ファジィ推論の基準軸としてA軸を選択した
場合と同じ結果が得られる。即ち式 (13′) は、
基準軸を設定してファジィ推論を行う方式を一般化した
ものと捉えることができる。
【0041】次に、図1を詳細に説明する。図1におい
て、図9と同一符号のものは同一機能を有する部分を示
す。PG 4A 〜4Dの出力はそれぞれ電動機周波数
演算手段5A〜5Dにより各軸の電動機回転周波数fM
A〜fMDに変換され、演算装置6A〜6Dの入力とな
る。また、各誘導電動機の相電流検出値IuA 、Iv
A 〜IuD 、IvD 、インバータ装置 101の
出力電圧位相θおよび対地車速度V0 も演算装置6A
〜6Dに入力される。演算装置6A〜6Dは上記の情報
を入力とし、各動輪でのすべり率微分 dλA/dt〜
 dλD/dt、粘着力微分 dFA/dt〜 dFD
/dtおよびクリープ速度VSA〜VSDを演算し出力
するものである。
【0042】演算装置6A〜6Dの出力はファジィ推論
ブロック8A〜8Dに入力され、前述のファジィ制御則
に基づきそれぞれの動輪毎にファジィ推論が実行される
。ファジィ推論ブロック8A〜8Dの出力は、ファジィ
結論を表すメンバーシップ関数であり、各動輪毎のファ
ジィ結論μ0A 〜μ0D に対して代数積手段9A〜
9Dによって重み付けされ、 max合成手段11にて
 max合成演算が実行され、式(13)で示したファ
ジィ結論μ* を出力する。12は非ファジィ化手段で
あり、ファジィ推論μ* から式(14)で示した重心
計算を行うものであって、これにより確定値を得ること
ができる。
【0043】10は重み決定手段であり、各動輪のファ
ジィ結論μ0A 〜μ0D をどの位尊重するかという
重みγA〜γD を出力するものである。これは、動輪
毎にある一定値に固定したものでも良いし、運転中各状
態量に応じて動的に変化する量であっても良い。一例と
して、各動輪における粘着力の大きさによって重み付け
を行うとすればγA 〜γD は以下のようになる。 γA=FA/(FA+FB+FC+FD)γB=FB/
(FA+FB+FC+FD)γC=FC/(FA+FB
+FC+FD)γD=FD/(FA+FB+FC+FD
)ここで、FA 〜FD は各動輪における粘着力を表
す。この重み付けを行えば、粘着力の大きい動輪のファ
ジィ結論を重視し、粘着力の小さい動輪のファジィ結論
はあまり重視しないという制御が実現できる。
【0044】さて、非ファジィ化手段12の出力である
、時々刻々のトルク電流指令修正パターン微分 dIp
’/dtは疑似積分手段13により積分され、トルク電
流修正パターンIp’として図9で説明でした、トルク
電流指令パターン発生手段が生成したトルク電流パター
ンIp に加算点105’で加えられ、以下図9と同様
にインバータの周波数、電圧制御を行うこととなる。
【0045】16は対地車速度検出手段であり、対地車
速度V0 を出力する。本例では、従輪14に取り付け
られたPG15の信号から演算する方式を示したが、特
にこの方法に限るものではない。
【0046】図2は図1の6A〜6Dで示した演算装置
の内部構造を表したものである。演算装置6A〜6Dは
入出力変数が異なるだけで、内部構造は同一であり、図
2では簡単のために動輪を区別するA〜Dの添え字は省
略した。 先ず、電動機周波数fM は、変換手段 604により
、動輪周速度換算値VM (以下簡単のため、単に動輪
周速度と呼ぶ)に変換される。図中のK0 は、前記式
(6)で定義したものである。動輪周速度VM は、加
算点 605において対地車速度V0 が減算され、そ
の結果が除算器 606により動輪従速度VM 自身で
割られ、すべり率λとなる。即ち、前記式(1)に従っ
てすべり率の演算が行われる。ここで、除算器 606
は、除数であるVM が非常に小さい値となる場合、即
ち低速の期間では除算を行わず、すべり率を強制的に0
とする処理を含むものとする。更に、すべり率を微分手
段 607により微分し、すべり率の時間微分 dλ/
dtを求める。ここで、微分手段 607は、動輪の回
転を表現するのに充分な低周波域での微分を行うもので
よく、高周波ノイズに対して減衰のよい二次遅れフィル
タと一体化されている。
【0047】一方、加算点 610では動輪周速度VM
 と対地車速度V0 との差速度が演算されて、ローパ
スフィルタ 711を介してクリープ速度VS となる
。また実効電流演算手段 601は、対応する誘導電動
機の相電流検出値Iu およびIv から実効電流IM
 を演算するものであり、図9および図1中 102で
示した実効電流演算手段と同一の機能をもつものである
。ただし、相電流の検出は誘導電動機1台毎について行
う。トルク電流演算手段 602は、実効電流値IM 
とインバータの出力電圧位相θとから、電動機トルクに
比例する電流、すなわちトルク電流I1 を演算するも
のである。トルク電流演算手段 602の出力であるト
ルク電流I1 は、微分手段 603を介して加算点 
609に加えられる。一方、動輪周速度VM は二次微
分手段 608を介して加算点 609で減算される。 即ち、式(10′)に従って粘着力微分の演算を行う。 微分手段 603及び二次微分手段 608のゲインK
1 ,K2 は式(6)に示したものである。また、微
分手段 603と二次微分手段 608とは、前述の微
分手段 607と同様、低周波分に対して微分動作をす
ればよく、高周波ノイズに対して遮断特性のよい二次遅
れフィルタと一体化されている。
【0048】ここで、フィルタ定数ω1〜ω4,ξ1〜
ξ4は微分あるいは二次微分により増幅される高周波ノ
イズを充分に減衰させるとともに、動輪周速度、対地車
速度に対して位相遅れがなるべく小さくなるように選べ
ばよい。また、フィルタとして二次遅れフィルタを用い
ているが、同様な特性をもつものであれば、特にこれに
限定されるものではない。以上の演算によりすべり率微
分 dλ/dt、粘着力微分 dF/dt及びクリープ
速度VS が求められる。
【0049】図3は図1では8A〜8Dで示したファジ
ィ推論ブロックの内部構造を示した図である。ファジィ
推論ブロック8A〜8Dは入出力変数が異なるだけで、
内部構造は同一であるから、図3では簡単のために、動
輪を区別するA〜Dの添え字は省略した。ファジィ推論
ブロックの入力である、すべり率微分 dλ/dt、粘
着力微分 dF/dt及びクリープ速度VS は、それ
ぞれ正規化手段801X〜801Zにより正規化されて
、ファジィ推論手段 802の入力となる。正規化とは
、図4〜図6および図8で定義したメンバーシップ関数
の定義された領域にある基準の範囲(例えば〔−1,+
1〕)になるようにスケーリングを行うことであり、こ
れにより同一形状のメンパーシップ関数を共用できるこ
とになる。ファジィ推論手段 802は、各正規化入力
に対してファジィルールブロック803に内蔵されたフ
ァジィ制御則を適用し、ファジィ推論を実行するもので
ある。ファジィルールブロック 803には、前述の第
1のルール群及び第2のルール群が格納されている。
【0050】普通のファジィ制御系の構成としては、フ
ァジィ推論ブロックの後段に完全積分器を設けるものが
多く、一般にファジィPI制御系などと呼んでいる。本
発明では、完全積分ではなく、次に示すような疑似積分
を用いた。これは、ファジィ推論の前件部変数に重畳す
るノイズによる影響が、完全積分によって蓄積・保持さ
れ、必要以上に大きいトルク電流修正パターンを出力す
るのを防止するためであり、非ファジィ化手段の出力が
零となった状態で、トルク電流修正パターンを徐々に減
少させるものがよい。疑似積分手段13はこのような特
性を持つものであって、一例としてτ/(1+τ・S)
で表される一次遅れ手段を用いることができる。ここで
、時定数τとしては比較的長い(数秒のオーダ)ものを
用いる。更に、疑似積分手段13は、その疑似積分値の
上限値をトルク電流パターンIp とし、下限値を零と
するリミッタ機能を兼ね備えたものとなっており、トル
ク電流指令IISがトルク電流パターンIp 以上の値
になること、及び零以下の値になることを禁止している
【0051】
【作用】図1〜3に示される各手段、特にファジィ推論
ブロック8A〜8Dにについて、先に示した粘着特性の
図10、図11および制御則を定義する表1と関連させ
て説明する。なお、表1において、■〜■はそれぞれ破
線で囲まれた領域を表すものとする。
【0052】通常の粘着状態では図10において動作点
は点Pより左側にあり、λ0 以下のすべり率で動輪周
駆動力を発生する。この時クリープ速度は小さい値にな
るので、図8のメンパーシップ関数から分かるように、
VS=PSである適合度、およびVS=PBである適合
度ともに0となり、クリープ速度による第2ルール群は
作用しないようになっている。
【0053】さて、降雨等により粘着力が低下して図1
1に示すような粘着特性になったとする。この時は点P
近傍にて運転することが理想となる。いま、粘着力が低
下すると空転が発生し、すべり率λが増加して矢印dの
方向に動作点が移ろうとする。この時、 dλ/dt>
0, dF/dt<0となるため、制御則の表1におい
ては■で示される部分が対応し、 dIp’/dt=P
S、またはdIp’/dt=PBであるから、電動機ト
ルクを減少させて矢印bの方向へ戻すように作用する。 即ち、制御則の表1中の■の部分にある     if dλ/dt=PS AND dF/dt
=NS then  dIp’/dt=PS    i
f dλ/dt=PS AND dF/dt=NB t
hen  dIp’/dt=PB    if dλ/
dt=PB AND dF/dt=NS then  
dIp’/dt=PB    if dλ/dt=PB
 AND dF/dt=NB then  dIp’/
dt=PB等の制御則が、すべり率微分 dλ/dt、
粘着力微分 dF/dtの値に応じて使われる。
【0054】更に、矢印bのモードに移行すると、 d
λ/dt<0, dF/dt>0となり、制御則の表1
で■で示された部分の制御則が作用し、 dIp’/d
t=NS、即ちトルク電流指令を少し増すように作用す
る。これは実際に電動機トルクが増して動輪周駆動力が
再び増加に転じるまでの遅れが見込まれた経験的な制御
則である。これにより、動作点が点Pを通り通り越して
矢印cの領域に入り込まず、点P近傍でバランスするよ
うな作用を促進できる。
【0055】次に、動作点が点Pを通り越してクリープ
領域内に戻り、矢印cの方向に移行している場合は、 
dλ/dt<0, dF/dt<0となるため、制御則
表中■で示された部分の制御則が対応し、 dIp’/
dt=NSまたは dIp’/dt=NB、即ちトルク
電流指令を増すように作用する。これにより電動機トル
クが増加し、動作点は矢印aが示す方向へ移行する。
【0056】動作点が矢印aの状態にある場合は、 d
λ/dt>0, dF/dt>0であるから制御則表中
■で示された部分の制御則が対応し、 dIp’/dt
=NS、即ちトルク電流指令を少し増やすよう作用し、
点Pに到達すべく電動機トルクを徐々に増加させる。
【0057】粘着力限界点Pは時々刻々変動するため、
制御系は前述のモードを反復し、点Pを常に追跡するよ
うに作動する。粘着力が一定の値に安定すれば、制御則
表のほぼ中央近傍に平衡し、動作点を点P近傍に安定す
ることができる。
【0058】また図7に示したような平坦な粘着特性を
示す状態では、すべり率微分が小さい値となるため、ク
リープ速度の緩慢な成長を捉えきれず、クリープ速度が
徐々に増えることになるが、この場合はクリープ速度の
評価による第2のルール群により、クリープ速度がある
値以内に制限され、クリープ速度の制限内で最大の粘着
力が得られるようにトルク電流の修正を行うこととなる
【0059】以上が一つの動輪に着目した場合のファジ
ィ制御則の作用である。次いで各動輪毎のファジィ結論
を max合成し非ファジィ化する本発明の多目的制御
としての作用について説明する。
【0060】図12および図13は、各動輪における粘
着特性と動作点および、本発明による粘着制御を適用し
た場合の動作点の動きを図示したものである。図12 
(a)はレール面の汚れ等によりA軸の粘着特性だけが
低下し、A軸のみが空転した場合を示している。このと
きA軸での動作点は空転領域に入り込むので、電動機ト
ルクを減らす方向、即ちトルク電流修正パターンを増加
するようなファジィ結論が得られるが、他のB〜D軸に
おいては動作点がクリープ領域側にあるため、電動機ト
ルクを増やす方向、即ちトルク電流修正パターンを減ら
すようなファジィ結論が得られる。そして、この相反す
る二つのファジィ結論が max合成され、ほぼ中間の
結論の電動機トルクを少し増やす方向、即ちトルク電流
修正パターンを少し減らすような結論が得られる。この
結果、図12 (b)に示すような位置に各動作点が移
行し、電動機トルクを必要以上に減らすことなく、全体
の粘着力を最大限に利用することが可能となる。
【0061】また図13 (a)は、降雨等により全動
輪における粘着特性が低下した場合を表したものである
。この時、全動輪の動作点は空転領域に入り込むため、
電動機トルクを減らす方向、即ちトルク電流修正パター
ンを増加するという同一のファジィ結論が得られる。こ
れらを max合成してもやはりトルク電流修正パター
ンを増加するという結論となるので、図13 (b)に
示すように、各動作点はクリープ領域に引き戻されるこ
とになる。
【0062】
【実施例】具体的には図1に示した制御ブロック図の部
分を全ディジタル化したものとすることができる。即ち
、16ビットDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)
等の採用により実現することができる。本例においては
速度検出器としてPGを用いているので、速度検出につ
いてはディジタル演算が可能である。また実効電流検出
手段 102または実効電流演算手段601 において
、電流検出値をA/D変換器によりディジタル化するこ
とにより、次段への信号は全てディジタル演算で処理す
ることができる。更に、正規化手段801X〜801Z
は各入力を29ステップに量子化することを兼ねたもの
である。従って、ファジィ推論ブロック8A〜8Dに含
まれるメンバーシップ関数は0から1に至る勾配をステ
ップで近似した階段波形として実現できる。また、加算
点105’以降のインバータ制御部は別のマイクロプロ
セッサを用いたディジタル制御系であるが、より高速、
高ビット数のマイクロプロセッサを用いれば、DSPで
構成したファジィ制御部を包含することも可能である。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、ファジィ制御手法
と粘着に関する情報とを組み合わせることにより、数学
的な情報処理手法と設計者による知識等の長所を格別に
兼備した制御系を実現できる。このように本発明によれ
ば、従来の空転検知に基づく再粘着法による、オンオフ
的に反復する問題点を除去し、トルクを連続的に変化さ
せるVVVFインバータを効用し得るものである。更に
、全動輪における状態量を総合的に評価し、粘着力を最
大限に利用することができ、粘着特性低下時の加速度の
維持を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の基本技術思想を容易にするため
示した粘着制御システム例の全体ブロック図である。
【図2】図2はすべり率微分、粘着力微分およびクリー
プ速度を演算するための演算装置のブロック図である。
【図3】図3はファジィ推論ブロックの内部構造を表す
ブロック図である。
【図4】図4はすべり率微分のメンバーシップ関数を示
すグラフである。
【図5】図5は粘着力微分のメンバーシップ関数を示す
グラフである。
【図6】図6は、トルク電流修正パターン微分のメンバ
ーシップ関数を示すグラフである。
【図7】図7はすべり易い状態での平坦な粘着特性を示
すグラフである。
【図8】図8はクリープ速度のメンバーシップ関数を示
すグラフである。
【図9】図9は従来の再粘着制御を用いたVVVFイン
バータの制御回路を示すブロック図である。
【図10】図10は乾燥時での粘着特性を示すグラフで
ある。
【図11】図11は湿潤状態にある時の粘着特性を示す
グラフである。
【図12】図12は、1軸空転時の各動輪における粘着
特性と動作点の動きを示した図である。
【図13】図13は全軸空転の場合の各動輪における粘
着特性と動作点の動きを表した図である。
【符号の説明】
1  電気車 2A〜2D  誘導電動機 3A〜3D  動輪 4A〜4D,15  電動機速度検出器(PG)5A〜
5D  電動機周波数演算手段 6A〜6D  演算装置 7A〜7D  微分器 8A〜8D  ファジィ推論ブロック 9A〜9D  代数積手段 10  重み決定手段 11   max合成手段 12  非ファジィ化手段 13  疑似積分手段 14  従輪 16  対地車速度演算手段 101 インバータ 102 実効電流検出手段 103, 602  トルク電流演算手段104 トル
ク電流パターン発生手段 107 電流制御手段 108 電動機周波数選択手段 110 V/f比器 111, 606  除算器 112 一次遅れフィルタ 113 空転検知手段 114 コンパレータ手段 115 トルク電流修正パターン発生手段601 実効
電流演算手段 603, 607  微分手段 604 変換手段 606 二次微分手段 801X, 801Y, 801Z  正規化手段80
2 ファジィ推論手段 803 ファジィルールブロック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  可変電圧可変周波数インバータにより
    複数台の誘導電動機を制御する電気車において、各動輪
    の動輪周速度を検出演算する手段と、対地車速度を検出
    演算する手段と、前記動輪周速度と体地車速度とから各
    動輪のすべり率を演算する手段と、各動輪の動輪周粘着
    力を演算する手段と、前記すべり率および粘着力の時間
    微分を演算する手段と、前記すべり率時間微分と粘着力
    時間微分および差速度を前件部変数としかつ前記誘導電
    動機のトルク指令値を後件部変数とするとともに、差速
    度が小さいときはすべり率微分と粘着力微分を用いて、
    粘着力が増大可能な方向に電動機トルク指令を修正する
    第1のルール群、差速度が大きいときには差速度の大き
    さに応じて電動機トルクを絞り込む第2のルール群を具
    備し、各動輪毎にファジィ推論を実行し、得られた結果
    をmax 合成し、更に非ファジィ化処理を施して、最
    終的な電動機トルク指令の修正パターンを得る手段を設
    けたことを特徴とする電気車制御装置。
  2. 【請求項2】  前記誘導電動機のトルクをトルク成分
    に相当する電流により指令制御するようにした請求項1
    記載の電気車制御装置。
  3. 【請求項3】  前記誘導電動機のトルクを電気信号か
    ら演算されたトルクにより指令制御するようにした請求
    項1記載の電気車制御装置。
  4. 【請求項4】  前記第1のルール群から推論される結
    果を一次遅れ手段を介したものを第1の電動機トルク指
    令修正信号とするようにした請求項3記載の電気車制御
    装置。
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