JPH04276024A - 伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法

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JPH04276024A
JPH04276024A JP5839291A JP5839291A JPH04276024A JP H04276024 A JPH04276024 A JP H04276024A JP 5839291 A JP5839291 A JP 5839291A JP 5839291 A JP5839291 A JP 5839291A JP H04276024 A JPH04276024 A JP H04276024A
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雅司 堀
Hiroshi Kimura
浩 木村
Masayuki Kinoshita
木下 正行
Tomoyoshi Okita
大北 智良
Masahiro Yonezawa
米沢 雅弘
Hiroshi Owada
浩 大和田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロアアームなどの自動
車足廻り部品等に好適に使用される、成形性(とくに伸
びフランジ性)・溶接性・疲労特性に優れる高強度熱延
鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の運動が高まる中で
自動車は排ガス対策や省エネルギーのための燃費低減が
これまで以上に強く求められている。そのための有力な
対策の一つとして車体の軽量化があり、又、車体の安全
性向上を図ることともあわせて、使用する鋼板を高強度
化・薄肉化する努力が続けられている。その中でも、ロ
アアームなどの自動車足廻り部品に使用される熱延鋼板
は、伸びフランジ成形を主体とする過酷な成形を受け、
且つ製品としては重要保安部品としての高い部品強度が
必要とされる。従って、優れたプレス成形性、とくに良
好な伸びフランジ性を有する高強度鋼板の要求が高まっ
ている。
【0003】これらの要求に対応するかのように従来も
自動車の安全性向上やオイルショックを契機とした省エ
ネルギーのための車体軽量化ニーズに応えるため、析出
強化・固溶強化・変態組織強化などさまざまの強化手段
を駆使して各種の自動車用高強度熱延鋼板が提案されて
いる。
【0004】■  そのうちプレス成形性、とりわけ伸
びフランジ性の優れた高強度熱延鋼板の製造法に関する
ものとしては、例えば、固溶強化を主体としてフェライ
ト・パーライト組織を基本とする技術(特公昭64−1
0563)がある。
【0005】■  又、パーライトよりも強化能が大き
い変態組織強化を利用する例として、ベイナイト単相組
織を基本とする技術(特公昭63−37166)がある
【0006】■  更に、フェライトとベイナイトから
なる複合組織鋼(特公昭62−37089、同じく特公
平1−46583、同じく特公平2−48608、以上
3件の製造法に係る特許、及び特公昭61−96057
の鋼板に関する特許)がある。
【0007】■  一方、類似の特許として、フェライ
ト・ベイナイト・マルテンサイトの三相組織を基本とす
る技術(特公平1−43005、特開昭60−1812
32、以上2件の製造法に関する特許、及び特公平1−
33543の鋼板に関する特許)もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】自動車足廻りの部品な
どの用途に適用される高強度熱延鋼板としては、前述し
たように優れたプレス成形性、とくに優れた伸びフラン
ジ性を有することが必須で、且つ良好な強度・延性バラ
ンスを有することも必要である。又、同時に、強度レベ
ルについては降伏点設計された所定の部品機能を確実且
つ安定して確保するために、単なるTSの高強度のみで
なく降伏比についても適正な範囲に管理することが求め
られている。即ち、降伏比が低すぎると必要な部品強度
が実質的に確保できなくなり、逆に降伏比が高すぎると
成形時のスプリングバックが大きく所定の形状寸法が得
にくい問題が生ずる。
【0009】以上の要求特性の観点から上記■〜■の技
術を再検討してみると、これらの高強度熱延鋼板製造技
術では、プレス成形性(伸びフランジ性、延性)及び降
伏比といった最も重要且つ基本的な特性に関して、最近
の非常に厳しい、且つ今後ますます高度になると予測さ
れる自動車業界をはじめとするユーザーの要求に応えら
れない問題があった。
【0010】即ち、■の技術では、パーライトの強化能
が小さいため強度レベルの割に比較的多量のC量が必要
であり、得られる伸びフランジ性のレベルには限界があ
る(TS×λ<4000kgf/mm2・%)。
【0011】又、■の技術では、軟質・高延性なフェラ
イトを含まないため得られる延性レベルには限界があっ
た(TS×El<1600kgf/mm2・%)。
【0012】更に、■の技術では、降伏強度(又は降伏
比)の下限を管理して適用部品の強度機能(静的に耐変
形強度や疲労強度特性)を確実に確保するという思想は
全く見られない。従ってこれらの従来技術では通常の場
合、降伏比は0.5〜0.6程度であり、補助的強化手
段としてNb,Ti,V,Zrなどの析出強化元素を添
加した場合には、降伏比を0.8程度まで高められるが
、この場合は強度・延性バランスの劣化が避けられない
。又、ベイナイトの体積率が高い場合にも高い降伏比が
得られる場合があるが、この場合には良好な成形性を安
定して維持することが難しいという問題があった。
【0013】一方、■の技術は、微量のマルテンサイト
導入による低降伏比化を主たる目標の一つとして開発さ
れたもので、基本的な技術思想や手段が全く異なり、こ
の場合の対象材の降伏比はほとんどが0.65未満であ
る。 一部の比較的に降伏比の高いケースでも降伏比は0.7
5未満である。
【0014】本発明は、以上ような観点から、従来技術
で達成されなかった総合特性バランスの優れた高強度熱
延鋼板を、低コストで、且つ安定して製造できるように
するもので、そのような高強度熱延鋼板としては、上述
のような目的・用途に対して最も好適な総合特性を具備
するものであって、具体的にはTS 50〜60kgf
/mm2、降伏比0.75〜0.85であって、且つ極
めて優れた強度・伸びフランジ性バランス、及び良好な
強度・延性バランスを有するほか、溶製性や疲労特性に
も優れていなければならない。ここで、伸びフランジ性
のレベルについては穴拡げ率(λ:%)で評価した場合
、TS×λの値で9000kgf/mm2・%以上を極
めて良好なレベルとするものであり、又、延性のレベル
についてはTS×Elの値で1600kgf/mm2・
%以上のレベルを指す。
【0015】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上述の
ような観点から、従来材・従来法にみられる問題点を解
決し、特に伸びフランジ性の見地から、従来材・従来法
を凌駕する性能を具備した熱延鋼板を低コストで、安定
して製造する方法を検討した結果、まず比較的低炭素を
ベースとするC−Si−Mn鋼において平均粒径5μm
以下の如く極めて微細なフェライトとベイナイトの混合
組織とし、且つ適度なスキンパス圧延を付加することに
より、従来にない優れたプレス成形性、とりわけ伸びフ
ランジ性と強度とのバランスが達成できることがわかっ
た。
【0016】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、その骨子は次の通りである。
【0017】即ち、重量%でC:0.04〜0.08%
、Si:0.10〜0.50%、Mn:1.00〜1.
80%、S:0.0002〜0.0010%、Al:0
.005〜0.050%、N:0.0010〜0.00
30%を含み、残部Fe及び他の不可避的不純物より成
る成分組成の鋼を熱延により製造する。この熱延はAr
3〜(Ar3+40℃)を仕上温度とし、且つ仕上温度
〜(仕上温度+50℃)の間で70〜90%の圧下率に
より熱間圧延を行う。続いて冷却処理を行うが、熱間圧
延終了後直ちに120〜200℃/Sの冷却速度で62
0〜680℃の温度域に冷却すると共に、その後3〜7
秒保持し又は空冷し、次いで50〜150℃/Sの冷却
速度で400〜450℃の温度に冷却して巻取る。 更に伸長率1.5〜3.0%の範囲でスキンパスを行う
。これらの工程を経て、極めて微細なフェライト相とベ
イナイト相の複合組織からなる伸びフランジ性に優れた
高強度熱延鋼板が得られることになる。ここで得られる
熱延鋼板は、平均粒径が5μm以下のような微細なフェ
ライトと、ベイナイトからなる混合組織を呈し、強度が
50〜60kgf/mm2級であり、強度−伸びフラン
ジ性バランス(TS×λ)が9000kgf/mm2・
%以上で、且つ強度−伸びバランス(TS×El)が1
600kgf/mm2・%以上を具備する伸びフランジ
性の優れたものである。ここではTSは引張強度、λは
穴拡げ率、Elは伸びを示す。
【0018】又、第2発明では上記構成に加えて、その
鋼組成中にREM,Ca,Mg等の選択的添加元素を含
むもので、上記第1発明の鋼成分組成を有する他、RE
M:0.005〜0.1%、Ca:0.0005〜0.
01%、Mg:0.0005〜0.01%のうち1種乃
至2種以上を含むものである。
【0019】これらの発明は、鋼成分・熱間圧延条件・
スキンパス伸長率の各製造因子を総て適正に制御しては
じめて達成されるものであり、以下、本発明について詳
細に説明する。
【0020】(A) 本発明の成分系 Cは、ベイナイトを生成させ目標とする強度を確保する
ために必須な元素である。本発明で対象とする50〜6
0kgf/mm2の強度を得るには、0.04%が必要
であり、これを下限とする。一方、Cをいたずらに増加
させるとベイナイトを硬化させることにより、伸びフラ
ンジ性が劣化するため0.08%を上限とする。
【0021】Siは、フェライトの生成を促進し、本鋼
板のフェライトとベイナイトの複合組織化に不可欠で、
且つ強度上昇や延性を与えるのに好適な元素であり、0
.10%以上の添加が必要である。しかし、その含有量
が高くなると鋼板表面に赤スケールが生成し、表面性状
が劣化するため、0.50%をSi量の上限と定めた。
【0022】Mnは、ベイナイト組織形成に不可欠の元
素であり、本発明の強度レベルを確保するためには、1
.00%以上の添加が必要であり、これを下限とした。 一方、Mn量が多すぎると溶接性と加工性が悪化するの
で、上限を1.80%とした。
【0023】Sは、鋼中のMnと結合しA系介在物(M
nS系介在物)を生じ、伸びフランジ性を低下させる不
純物元素であるので、極力低減することが望ましい。本
発明者等は、引張強さ50kgf/mm2級の熱延鋼板
を用いてS量と穴拡げ率の関係を調べ、図1に示す結果
を得た。S量が0.0010%以下になると穴拡げ率が
急激に上昇するため、これを上限とした。又、製鋼での
経済性を考慮して下限は0.0002%とした。
【0024】Alは、脱酸元素として不可欠であり、そ
の効果が期待でき、且つ連続鋳造が実施できる添加量と
しては0.005%が限度であるので、0.005%を
その下限とした。一方0.050%を超える範囲では脱
酸効果が飽和することになるので、0.050%をその
上限とした。
【0025】Nは、伸びフランジ性を劣化させる不純物
であり減ずる必要があるので、悪影響が顕著となる0.
0030%を上限とした。一方、極低N化するためには
製鋼での余分のコストアップとなるため製鋼での経済性
から下限を0.0010%とした。
【0026】REM,Ca及びMgの各元素は、A系介
在物(Al2O3系介在物)の形態制御(球状化)によ
り、伸びフランジ性を改善できる元素である。このため
第2発明ではその1種又は2種以上を添加することとし
ているが、添加量が多すぎると介在物量が増加し、却っ
て、伸びフランジ性が劣化するため、これらの上限をR
EM,Ca,Mgにつき夫々0.1%、0.01%、0
.01%とした。一方、下限は介在物形態制御効果が期
待できる添加量として夫々0.005%、0.0005
%、0.0005%とした。
【0027】(B) 熱延条件 イ. 熱間仕上圧延条件 まず微細なフェライト相とベイナイト相からなる複合相
を得るため、オーステナイトの微細化とオーステナイト
の加工によるフェライト変態の促進を図る必要がある。 そのためAr3〜(Ar3+40℃)の温度範囲で圧延
を仕上げ、且つ仕上温度〜(仕上温度+50℃)の温度
範囲で合計70〜90%の圧下率を採る必要がある。
【0028】以上の圧延条件のうち圧延仕上温度が(A
r3+40℃)より高温の場合、オーステナイトの微細
化が十分でないため微細なフェライトとベイナイトの複
合組織が得られなくなり、伸びフランジ性が低下する。
【0029】一方、Ar3点以下の仕上温度では、生成
したフェライトが加工され、却って延性、伸びフランジ
性が劣化することになる。
【0030】更に、図2に、下記表1に示すA鋼を用い
て実験を行った時に得られた仕上温度〜(仕上温度+5
0℃)の間の圧下率と穴拡げ率(λ値)及びフェライト
粒径の関係を示す。尚、その他の熱延・冷却・スキンパ
ス条件は、本発明の規定条件内のものとした。
【0031】
【表1】
【0032】同図からも明らかなように、70%以上の
圧下率で、非常に優れたλ値が得られており、その際の
組織は極めて微細になっている。従って、圧下率の下限
を70%とした。これに対し、90%を超える圧下はミ
ル能力からみて困難であり、実用的ではないのでこれを
上限とした。
【0033】ロ. 仕上圧延終了直後の急冷条件次に変
態点(Ar3点)直上での大圧下による微細なオーステ
ナイトから微細なフェライトを析出させ、且つ約80%
以上のフェライトを熱延ランナウト・テーブル上で短時
間に変態させるためには、仕上圧延後620〜680℃
の範囲の温度まで、120〜200℃/Sの平均冷却速
度で冷却する必要がある。このような構成は本発明者等
の次のような実験結果から得られたものである。
【0034】図3は、前記表1中のB鋼を用いて、熱延
仕上後の冷却速度を種々変えることにより(他の条件は
本発明条件として)、板厚2.6mmの熱延鋼板のλ値
とフェライト粒径との関係を求めたものである。
【0035】同図から、伸びフランジ性の優れるフェラ
イト平均粒径5μm以下のような微細組織とするには、
仕上圧延後の冷却速度は120℃/S以上とする必要が
あることがわかる。即ち、120℃/S未満の冷却では
、微細なフェライトとベイナイトからなる組織は得られ
ず、優れたλ値は得られないことになる。一方、冷却速
度の上限は実験設備での制御性から200℃/Sとした
【0036】ハ. 中間温度域での保持又は空冷本発明
で620〜680℃までの急冷に続き、3〜7秒の保持
又は空冷を行うこととしているが、その理由としては、
フェライト変態を短時間に起こさせ、約80%以上の適
正なフェライトを変態させるためである。そのうち保持
又は空冷の時間が3秒未満ではフェライトの生成量が不
十分であるため、3秒をその下限とする。一方、上限は
パーライトが生成しない条件で制限されるべきであるが
、実際には実機での操業面、生産性の点などから7秒と
した。これはフェライトの生成量からみても十分な時間
である。
【0037】ニ. 保持又は空冷から巻取り温度までの
冷却速度 この工程の急冷により最終的な微細フェライトとベイナ
イトの複合組織が得られるが、この際の冷却速度の下限
はパーライトの生成を避けることから規定される。つま
り50℃/S未満ではパーライトノーズにかかり、適正
な複合組織とならないため、優れた伸びフランジ性が達
成できないことになる。一方、150℃/Sを超えると
、次の巻取り温度の制御性が低下し材質の安定性を低下
させるため、これを上限とした。
【0038】ホ. 巻取り温度 本来、硬質のベイナイト自体に適度の延性を付与させる
ため400〜450℃で巻取る必要がある。図4に巻取
り温度による穴拡げ率(λ)及びTSの変化を示した。 この時使用した供試材はS:0.05%、S:0.50
%、Mn:1.45%の鋼を1200℃に加熱し、83
0℃で仕上圧延を終了して二段冷却後巻取り温度を変化
させて得た種々の鋼板である。 尚、他の熱延条件、冷却条件及びスキンパス条件は本発
明で規定された条件内である。同図から400〜450
℃の温度域で伸びフランジ性の最良域が存在することが
わかる。一方、これより低温の巻取りの場合は硬質のベ
イナイトやマルテンサイトが生成するため、高強度には
なるが伸びフランジ性を低下させることになる。これに
より高温の巻取りでは、パーライトが生成し伸びフラン
ジ性が低下することになる。
【0039】ヘ. スキンパス伸長率 図5に、前記表1に示された本発明のB鋼を用いて、本
発明の熱延条件及び冷却条件で製造した板厚2.9mm
の熱延鋼板を供試材とし、これにスキンパスを行った時
の穴拡げ率、伸びに及ぼすスキンパス伸長率の影響を示
している。この図からスキンパス伸長率を1.5〜3.
0%の範囲でとることにより、穴拡げ率が最高の領域に
入ることが明らかである。適正なスキンパスの付与は本
発明の重要な要素の一つであり、これまでに示された成
分と熱延条件の適正化で得られる伸びフランジ性を更に
向上させるために必要な製造因子である。しかし、伸長
率が1.5%未満ではスキンパスによる伸びフランジ性
改善効果は小さく、そのため1.5%を下限とした。一
方、3.0%を超えると伸びフランジ性は劣化するので
3.0%を上限とした。このスキンパスによる伸びフラ
ンジ性改善効果の本質的な原因は必ずしも明確ではない
が、適正なスキンパスによりサブ組織の均一化が働いて
いるように思われる。
【0040】
【実施例】〈実施例1〉本発明者等は、まず前記表1に
示す成分組成を有する10種の鋼を溶製した。このうち
鋼A〜Eが本発明規定成分を満足する鋼であり、又、鋼
F〜Jは比較鋼である。このうち表1の鋼A〜Jを用い
、熱延・冷却・スキンパスを下記表2に示す各条件(本
発明で規定された範囲内)で行い、板厚2.6mmの熱
延鋼板を製造した。こうして得られた鋼板の機械的性質
を調べるために、引張試験と伸びフランジ性の指標とな
る「穴拡げ試験」による穴拡げ率を測定し、同表に併せ
て示した。尚、「穴拡げ率」は前記熱延鋼板に直径10
mmの円形打ち抜き穴を形成した後、該穴に60°円錐
ポンチを押し当て穴拡げ加工を行い、穴縁に亀裂を生じ
た時点の穴の拡大率で示した。
【0041】
【表2】
【0042】同表から本発明で規定された成分組成を有
するA〜Eの鋼では、強度−延性バランスを示す「TS
×El」の値が1600以上で且つ降伏比YRが0.7
5以上を満たすと共に、強度−伸びフランジ性バランス
を示す「TS×λ」の値が9000以上の高い値を有す
る50〜60kgf/mm2級の強度レベルの伸びフラ
ンジ性に極めて優れた熱延鋼板が安定して得られること
がわかる。特に鋼EのCa添加鋼を用いた本発明鋼5に
よって得られた熱延鋼板は、より優れた伸びフランジ性
を示すことが明らかとなった。
【0043】これに対して、鋼の組成が本発明から外れ
ている鋼F〜Jの比較鋼6〜10の熱延鋼板は、「TS
×λ」が高々6000程度であって伸びフランジ性が良
くない。これは微細なフェライトとベイナイトからなる
最適な組織が得られていないためである。
【0044】〈実施例2〉前記した表1のA〜D鋼を用
いて、下記表3に示すように熱延・冷却・スキンパスの
各条件を種々変化させて、板厚2.6mmの熱延鋼板を
製造した。得られた機械試験値をこの表3に併せて示し
た。 尚、同表では、穴拡げ試験で機械的特性を評価している
【0045】
【表3】
【0046】本発明法の熱延・冷却・スキンパスの各条
件のいずれかを満足していない比較材11〜21のTS
×λは高々5200程度で、いずれも本発明でいう組織
の適正化が達成されないことから本発明の9000以上
の優れた強度−伸びフランジ性バランス(TS×λ)は
得られていない。
【0047】即ち、比較材11では、熱延仕上温度FT
が上限(Ar3+40℃)を超えており、又、比較材1
2では、仕上温度から「仕上温度+50℃」での圧下率
が70%未満のため、オーステナイトの微細化が不十分
になることから、適正フェライト量の確保とフェライト
の微細化が不十分となり、優れた伸びフランジ性は得ら
れない。
【0048】比較材13は、熱延仕上後の急冷の冷却速
度が小さいため細粒フェライトが得られず、目標特性に
到達しなかったものである。
【0049】比較材14は、中間保持温度が高すぎる場
合であり、反対に比較材15は、中間保持温度が低すぎ
る場合であって、いずれもフェライト量が不十分なため
、伸びフランジ性は良好ではない。
【0050】比較材16は、圧延直後の冷却に続く空冷
(中間保持)時間が0.5秒と短いため、フェライト量
が少なく伸びフランジ性が悪い。
【0051】比較材17は、中間保持後の急冷の冷却速
度が遅い場合であり、又、比較材18は、巻取り温度が
600℃と高いため、いずれも鋼板冷却中にパーライト
が生成し低い伸びフランジ性しか示さない。
【0052】比較材19は、巻取り温度が180℃と低
いため、第2相がマルテンサイトとなり、強度は高いも
のの、伸びフランジ性は低く、TS×λの値も4703
と低い。
【0053】比較材20は、スキンパス伸長率が0.5
%の場合、一方、比較材21は、スキンパス伸長率が4
.0%と本発明の規定の範囲外であり、優れた伸びフラ
ンジ性は得られていない。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この本発明によれ
ば、現行の熱間圧延工程に格別な変更を加えることなく
、しかも格別に高価な素材を使用せずに伸びフランジ性
に優れた熱延高強度鋼板を低コストで、且つ安定して製
造することができるなど、工業的に非常に有用な効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中のS量と伸びフランジ性(穴拡げ率)の関
係を示すグラフである。
【図2】仕上温度〜(仕上温度+50℃)の間の圧下率
とフェライトの平均粒径及び伸びフランジ性(穴拡げ率
)の関係を示すグラフである。
【図3】仕上圧延後の冷却速度とフェライトの平均粒径
及び伸びフランジ性(穴拡げ率)との関係を示すグラフ
である。
【図4】巻取り温度と強度及び伸びフランジ性(穴拡げ
率)との関係を示すグラフである。
【図5】スキンパス伸長率と伸びフランジ性(穴拡げ率
)及び延性(伸び)との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量%でC:0.04〜0.08%、
    Si:0.10〜0.50%、Mn:1.00〜1.8
    0%、S:0.0002〜0.0010%、Al:0.
    005〜0.050%、N:0.0010〜0.003
    0%を含有し、残部Fe及び他の不可避的不純物からな
    る鋼に対し、Ar3〜(Ar3+40℃)を仕上温度と
    し、且つ仕上温度〜(仕上温度+50℃)の間で70〜
    90%の圧下率により熱間圧延を行い、続いて直ちに1
    20〜200℃/Sの冷却速度で620〜680℃の温
    度域に冷却すると共に、その後3〜7秒保持し又は空冷
    し、次いで50〜150℃/Sの冷却速度で400〜4
    50℃の温度に冷却して巻取り、更に伸長率1.5〜3
    .0%の範囲でスキンパスを行うことを特徴とする極め
    て微細なフェライト相とベイナイト相の複合組織からな
    る伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】  重量%でC:0.04〜0.08%、
    Si:0.10〜0.50%、Mn:1.00〜1.8
    0%、S:0.0002〜0.0010%、Al:0.
    005〜0.050%、N:0.0010〜0.003
    0%を含み、更にREM:0.005〜0.1%、Ca
    :0.0005〜0.01%及びMg:0.0005〜
    0.01%のうち1種乃至2種以上の元素を含有し、残
    部Fe及び他の不可避的不純物からなる鋼に対し、Ar
    3〜(Ar3+40℃)を仕上温度とし、且つ仕上温度
    〜(仕上温度+50℃)の間で70〜90%の圧下率に
    より熱間圧延を行い、続いて直ちに120〜200℃/
    Sの冷却速度で620〜680℃の温度域に冷却すると
    共に、その後3〜7秒保持し又は空冷し、次いで50〜
    150℃/Sの冷却速度で400〜450℃の温度に冷
    却して巻取り、更に伸長率1.5〜3.0%の範囲でス
    キンパスを行うことを特徴とする極めて微細なフェライ
    ト相とベイナイト相の複合組織からなる伸びフランジ性
    に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
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