JPH04280837A - 熱線遮蔽ガラス - Google Patents

熱線遮蔽ガラス

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JPH04280837A
JPH04280837A JP6785091A JP6785091A JPH04280837A JP H04280837 A JPH04280837 A JP H04280837A JP 6785091 A JP6785091 A JP 6785091A JP 6785091 A JP6785091 A JP 6785091A JP H04280837 A JPH04280837 A JP H04280837A
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heat ray
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glass
tantalum
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日出海 中井
Toshiro Nagase
長瀬 敏郎
Hiroaki Kobayashi
浩明 小林
Atsushi Kawaguchi
淳 川口
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱線遮蔽ガラスに関し、
とりわけ単板の状態で使用可能な耐摩耗性を有し、自動
車や建築用の窓ガラスに適した熱線遮蔽性のガラスに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両や建築物の窓ガラスに、内部
に流入する太陽光エネルギーを低減する目的で,熱線遮
蔽性の被膜を被覆した熱線遮蔽ガラスが用いられてきて
いる。このような熱線遮蔽ガラスの例としては、Cu,
A1,Agのような金属膜や、窒化チタン、窒化ジルコ
ニウムのような金属窒化膜の熱線遮蔽特性を利用したも
の、あるいは高屈折率材料の膜と低屈折率材料の膜を交
互に積層して光学干渉作用により熱線を反射するように
したガラスが知られている。これらの中でCu,A1,
Agのような金属膜を利用したものは、化学的耐久性す
なわち酸やアルカリを含む雰囲気による腐食や、機械的
な耐久性すなわちスクラッチによる被膜の傷の問題を克
服するために、複層ガラスや合せガラスにして被膜を外
部環境に露出しないようにして用いられている。また、
熱線遮蔽性の被膜として耐久性が優れているといわれる
金属窒化膜を利用したものでも、単板ガラスとして用い
るには耐久性が十分とは言えない。したがって熱線遮蔽
ガラス耐久性を向上させるために、最上層に耐久性の優
れた保護膜を被覆する研究が活発に行われている。例え
ば、特開平1−314163号公報には、ホウ化ジルコ
ニウム(ZrB2 )ターゲットを減圧した酸素雰囲気
中で反応性スパッタリングして被覆したジルコニウムと
ホウ素の酸化膜を保護膜とする熱線遮蔽ガラスが開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両や建築用のガラス
のように直接外部の雰囲気にさらされる状態で用いられ
る場合、被膜には機械的及び化学的耐久性が要求される
が、とりわけスクラッチに対する耐摩耗性が強いことが
重要である。しかしながら、従来の技術では酸やアルカ
リに対して優れた化学的耐久性を維持しながら、スクラ
ッチに対する耐摩耗性等の機械的耐久性に優れた保護膜
は得られていない。前記したジルコニウムとホウ素の酸
化膜を保護膜としたものでは、耐酸性がやや劣っていて
、必ずしも実用上十分な耐久性を有しているとはいえな
かった。加えて、大面積のガラス板にその保護膜を大面
積の基板に膜を均一に被覆する上で最も優れた方法であ
る反応性スパッタリング法で被覆する場合、ターゲット
やターゲット上に形成される物質の電気伝導性が大きく
ないため、アーク放電が発生しやすくなり被覆プロセス
が不安定になるという問題点が生じていた。上記のアー
ク放電は、被覆プロセスを不安定にするばかりでなく、
ターゲット物質の粒子を保護膜に付着させ、その付着物
が原因となって膜剥がれ等の欠点が発生するという問題
があった。本発明は上記の従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであって、粒子の付着がなく、優れ
た化学的耐久性と機械的耐久性を併せもった保護膜が最
上層に設けられた熱線遮蔽ガラスを提供するものである
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明なガラス
板の上に少なくとも一層からなる熱線遮蔽性の被膜が被
覆され、前記熱線遮蔽性の被膜の上にシリコンとタンタ
ルと炭素と窒素と酸素とからなる可視光線の波長領域で
透明な保護膜が被覆された熱線遮蔽ガラスである。本発
明の熱線遮蔽ガラスの最上層の保護膜は、シリコンと炭
素と窒素と酸素とからなる薄膜が耐摩耗性が極めて優れ
て、かつ、低い屈折率を有することと、タンタルと炭素
と窒素と酸素とからなる薄膜が化学的耐久性が極めて優
れている性質を有することを見いだしたことによりなさ
れたものである。
【0005】本発明の保護膜は、SiTajCkNmO
nなる化学式(j,k,m,nは原子分率を表す)で表
すことができ、j,k,m,nの大きさや相対的な関係
は必要とする保護膜の耐久性や透明性や熱線遮蔽性を考
慮して定められる。すなわち可視域の全波長にわたって
透明であることを重視する場合は、mを小さな値としn
を相対的に大きな値とする。前記保護膜を高耐摩耗性と
高化学的耐久を併せもち、かつ、低屈折率の膜とするた
めには、jの値は0.2〜0.6の範囲に定めるのが好
ましい。jの値が0.2より小さいと化学的耐久性が低
下するので好ましくない。また、jの値が0.6より大
きいと膜の屈折率が2.0より大きくなり、さらに光の
吸収を生じやすくなるので好ましくない。kの値を0.
8以下、mの値を1.0以下で、nの値を1.5以上と
した組成の保護膜は、可視域における光学的な吸収が生
じない透明な膜となるのでさらに好ましい。さらに上記
の数値の範囲内でかつ、jの値を0.5以下とすると膜
の屈折率が1.7以下になるので、可視域において高透
過性、低反射性で、かつ、耐久性が優れた熱線遮蔽ガラ
スの保護膜とすることができる。保護膜の耐摩耗性に関
係するkとmの値の下限値は、厳密に定めることは困難
であるが,実用上としては、十分な耐摩耗性を有した保
護膜とするためには、kの値は0.3以上、mの値は0
.2以上とするが好ましい。このようにすることによっ
て保護膜の表面の平滑性が増し、耐摩耗性が向上する。
【0006】本発明にかかる保護膜の厚みとしては5n
m以上であることが好ましい。5nmより薄い厚みでは
、実用上必要な耐摩耗性を得ることが困難となる。一方
100nm以上に厚く被覆しても、耐摩耗性が著しく向
上することはなく、被覆に多くの時間を必要とする上に
、膜の剥離が生じやすくなるので好ましくない。これら
の理由から被覆の経済性、得られるガラスの光学特性を
考慮して、20〜50nmの範囲に設定するのがさらに
好ましい。透明なガラス板上に被覆される熱線遮蔽性の
被膜は可視光線の一部を透過し、太陽輻射エネルギーの
一部を反射するものであれば特に限定されるものではな
いが、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム
、窒化クロムの群から選ばれる少なくとも一種の金属窒
化物の膜が好んで用いられる。このときの金属窒化物の
膜の厚みは、可視光線透過率を高くするためには薄い方
が好ましく、熱線の遮蔽性を大きくするためには厚い方
が好ましいが、とりわけ自動車の窓ガラスとして要求さ
れる可視光線透過率の高いガラスとするには2〜7nm
の範囲が好ましい。さらに前記熱線遮蔽性の被膜は、低
屈折率材料の被膜と高屈折率材料の被膜が交互に積層さ
れた多層膜の構成であってもよい。これらの被膜の厚み
は遮蔽したい熱線の波長をλとすると、その光学膜厚で
約λ/4に定められる。ここで高屈折率材料の被膜とし
ては、TiO2 ,SnO2 ,In2 O3 ,IT
O,ZrO2 ,Ta2 O5 などの被膜を例示でき
、低屈折率材料の膜としては、SiO2 ,AI2 O
3 ,ZnO、SnO2 や本発明にかかる保護膜を例
示することができる。
【0007】本発明にかかるシリコンとタンタルと炭素
と窒素と酸素とからなる保護膜の被覆方法としては、減
圧した雰囲気内で行うスパッタリング法やアーク蒸着法
や真空蒸着法を用いることができるが、なかでもスパッ
タリング法が大きな面積の基板の上に安定して被膜を被
覆する上で好ましい。本発明の保護膜をスパッタリング
法で被覆するときは、炭化ケイ素と、炭化タンタルもし
くは窒化タンタルの少なくとも一種とを含む混合物の焼
結体からなるターゲットを用い、少なくとも窒素と酸素
とを含む減圧された雰囲気内で行う反応性スパッタリン
グ法が好んで用いられる。
【0008】ターゲット中に炭化タンタルもしくは窒化
タンタルを混合することにより、得られる保護膜の化学
的耐久性を向上させるのと同時に、ターゲットの電気抵
抗を低下させ、スパッタリング中にターゲット表面上に
形成される物質の電気抵抗を低下させることにより、被
覆プロセスの安定性を大幅に向上させることができる。 炭化ケイ素と、炭化タンタルもしくは窒化タンタルとの
混合割合としては、炭化タンタルもしくは窒化タンタル
の体積比率で表して、10〜50体積%さらには25〜
50体積%が好ましい。25体積%より少ないとターゲ
ット中で炭化タンタルもしくは窒化タンタルが連続的な
構造をとりにくくなり、電気抵抗が小さくならないので
好ましくない。また、50体積%より多いと得られる保
護膜の屈折率が高くなり、また可視域で光の吸収がでや
すくなるので好ましくない。上記のターゲットの成分の
割合は得られる保護膜中の珪素とタンタルの比率を表す
値のjに対応する。また、反応性スパッタリングで保護
膜を被覆する際の雰囲気のガス組成を変えることにより
保護膜の組成を調整することができる。雰囲気中のガス
としてはアルゴンやネオンのような不活性ガスの量を含
ませることができ、その量は多すぎないように定められ
る。窒素が少なくとも0.2Pa以上の分圧を有し全圧
の40%以上を占めるように雰囲気の組成を調整するの
が耐久性がよい保護膜を得る上で好ましい。これにより
得られる保護膜の吸収を少なくし、反応性スパッタリン
グの安定性も増すことができる。さらに、屈折率が小さ
く光の吸収が実質的になく、耐摩耗性や化学的耐久性に
優れた保護膜とするには、スパッタリングをするときの
雰囲気の酸素の分圧は全圧の10%以上とすることが好
ましい。
【0009】本発明にかかる保護膜は、光の吸収率が小
さいことから可視光線透過率が高く、また屈折率が小さ
いことから表面反射率を小さくすることができるので、
熱線遮蔽性の被膜の厚みと保護膜の厚みを適当に選ぶこ
とにより、特に自動車の窓ガラスに適した可視光線透過
率が70%以上の熱線遮蔽性の窓ガラスとすることがで
きる。本発明の透明なガラス板としては、無色透明のフ
ロートガラスやブロンズ、グレー、ブルーなどの着色透
明フロートガラスを用いることができる。
【0010】
【作用】本発明の熱線遮蔽ガラスの最上層のシリコンと
タンタルと炭素と窒素と酸素とからなる保護膜は、可視
域で透明でかつ化学的耐久性や摩耗強度が高く、透明な
ガラス板上に被覆された熱線遮蔽性の被膜を周囲の環境
からの化学的な腐食や摩耗やスクラッチなどの外力から
保護し、キズなどの欠点を生じにくくする。また、保護
膜の厚みおよび屈折率を調整することにより、熱線遮蔽
ガラスの可視光線反射率を低く抑えることができる。さ
らに、本発明の保護膜を反応性スパッタリング法で被覆
するに際して用いるターゲット中の炭化タンタルや窒化
タンタルは、スパッタリング中のターゲットの電気抵抗
を低下させることにより保護膜の被覆のときのグロー放
電を安定させ、異常放電が起こらないように作用し、粒
子が保護膜に付着することによって生ずる膜欠点の発生
を抑える。
【0011】
【実施例】実施例に基づいて、以下に本発明を詳細に説
明する。図1は、本発明の熱線遮蔽ガラスの一部断面図
で、1はガラス板、2は熱線遮蔽性の被膜、3はシリコ
ンとタンタルと炭素と窒素と酸素とからなる保護膜であ
る。
【0012】実施例1 シリコンとタンタルと炭素と窒素と酸素とからなる保護
膜の被覆は、炭化ケイ素と炭化タンタルまたは窒化タン
タルを微量の焼結助剤を用いて焼結させたターゲットを
窒素と酸素とからなる雰囲気中で反応性スパッタするこ
とによりおこなった。保護膜の最適な被覆条件を見つけ
るために、保護膜単層の被覆と得られた膜の評価を実施
した。ターゲットとして65体積%(32重量%)のS
iCと30体積%(66重量%)のTaCと焼結助剤と
からなるものを用いた(残分は焼結助剤からなる)。清
浄にされた2.1mm厚のフロートガラス板をスパッタ
装置に入れ、ターゲットを設置した真空槽を約5×10
−4Paまで排気し、その後窒素と酸素の合計流量で1
00sccmのガスをスパッタ装置に導入して、真空槽
内の圧力を0.4Paに調節した。そして、直流電源か
らターゲットに電力を投入し放電を開始し、4Aの電流
値で約75nmの膜厚の被膜をガラス基板上に成膜した
。 真空槽に導入する窒素と酸素のガス流量の比を変えて、
同様の手順を繰り返し、7種類の予備サンプル1〜7を
作成した。得られた予備サンプルの耐摩耗性、耐アルカ
リ性、耐酸性、屈折率、化学組成を表1,表2にまとめ
て示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】耐摩耗性は市販のテーバー摩耗試験機を用
いて、No,CS10Fの2つの摩耗輪に各500gの
荷重をかけ、60rpmの回転数で1000回転の摩耗
を被膜に加えた後の透過率変化とヘイズ率で評価した。 耐アルカリ性と耐酸性は、それぞれ0.1NのNaOH
,H2 SO4 溶液に240Hr浸漬し、その前後で
の透過率変化と反射率変化で評価した。屈折率はエリプ
ソメーターを用いて、632.8nmの波長での屈折率
nと消衰係数kを測定した。化学組成はESCAを用い
て測定した。
【0016】以上の予備実験から、可視光線の領域で光
の吸収がなく透明で、耐摩耗性、耐アルカリ性、耐酸性
のいずれにも優れた保護膜とするには、少なくとも酸素
を10%以上含む雰囲気でスパッタすることが好ましい
ことがわかった。次に、スパッタリングに用いるターゲ
ットの組成の最適な条件を知るために、異なった組成の
焼結体を用意し、電気抵抗を測定した。その結果、炭化
ケイ素のマトリックス中に混合する炭化タンタルの容積
分率を20%から30%に変えることによって、焼結体
の電気抵抗が2×10−1Ω・cmから1×10−3Ω
・cmまで急激に低下することがわかった。実際に、炭
化ケイ素中に30容積%の炭化タンタルと微量の焼結助
剤を混合して焼結したターゲットを用いることによって
、直流スパッタリングをするときの雰囲気が酸素100
%であっても放電安定性が大幅に向上し、少なくとも数
時間は有害な異常アーク放電を生じることなく直流スパ
ッタリングが行えることを確認した。一方、炭化タンタ
ルの含有量が20容積%のターゲットを用いた場合は、
雰囲気中の酸素が約30%以下の条件でスパッタした時
は数時間以上安定して放電するのに対して、さらに酸素
を増大させていくと徐々に異常アーク放電が発生するよ
うになり、放電安定性が低下することがわかった。次に
、炭化ケイ素中に混合するタンタル化合物を、炭化タン
タルから窒化タンタルに変えた場合は、含有量が同じ3
0容積%であっても、焼結体の電気抵抗は、8×10−
2Ω・cm程度であって放電安定性の点で炭化タンタル
よりも劣ることがわかった。次に、混合するタンタル化
合物の量の上限について知るために、炭化ケイ素50容
積%と窒化タンタル50容積%を含むターゲットを用い
て上記したのと同様の方法で、窒素80%と酸素20%
を含む雰囲気中で直流スパッタリングして被膜を形成し
たところ、得られた膜は明らかに光の吸収が認められる
程度に褐色に着色しており、また耐摩耗性を評価したと
ころ、可視光透過率の変化率とヘイズ率が大きな値を示
し耐摩耗性にやや劣ることがわかった。
【0017】実施例2 2つのカソードが設置された直流マグネトロンスパッタ
装置の第一のカソードには金属チタンを、第二のカソー
ドには約30容積%の炭化タンタルと微量の焼結助剤を
含んだ炭化ケイ素焼結体を、それぞれターゲットとして
設置した。清浄にされた4mm厚のブロンズ着色透明フ
ロートガラスをスパッタ装置の真空槽に入れ、真空ポン
プで5.3×10−4Paまで真空に排気した。その後
、窒素ガスを100sccmの流量で真空槽内の圧力を
0.4Paに調節した。そして、直流電源から金属チタ
ンターゲットに電力を投入しスパッタ放電を開始させた
。5Aの電流値にセットした後、このカソード上を所定
のスピードでガラス基板を通過させることにより、ガラ
ス基板上に約5nmの窒化チタンの被膜を形成した。 カソードへの電力の印加を停止し、さらにガスの導入を
停止して、再び真空ポンプで5.3×10−4Paまで
排気後、窒素ガスを85sccmと酸素ガスを15sc
cmの流量で真空槽内に導入し、圧力を0.4Paに調
整した。そして直流電源から第二のカソードに電力を印
加し、4Aの電流値でスパッタ放電を開始した。そうし
て、再びガラス基板を所定のスピードでこのカソード上
を通過させることにより、前記窒化チタンの被膜の上に
約20nmの厚みのシリコンとタンタルと炭素と窒素と
酸素とからなる被膜を形成した。このようにして得たサ
ンプル1は、可視光線透過率が72.7%、太陽光線透
過率が64.3%、ガラス面からの可視光線反射率が8
.6%という性能を示す熱線遮蔽ガラスであった。この
サンプル1に上述した予備サンプルに対して行ったのと
同一の方法で、耐摩耗性、耐アルカリ性および耐酸性を
評価した結果を表3に示す。
【0018】
【表3】
【0019】実施例3 次に、保護膜をスパッタで成膜する際のガスの組成を、
窒素ガスを80sccmと酸素ガスを20sccmとし
た以外は全く同一の手順によって、4mm厚ブロンズ着
色透明フロートガラス基板上に窒化チタンの被膜と、シ
リコンとタンタルと炭素と窒素と酸素からなる保護膜を
被膜したサンプル2を得た。サンプル2は、可視光線透
過率が73.4%、太陽光線透過率が65.2%、ガラ
ス面からの可視光線反射率が8.8%という性能を示す
熱線遮蔽ガラスであった。サンプル1と同様に耐久性を
評価した結果を表3に示した。サンプル1、2とも優れ
た耐摩耗性、耐アルカリ性及び耐酸性を示す熱線遮蔽ガ
ラスであることがわかった。
【0020】実施例4 3つのマグネトロンカソードを有するスパッタリング装
置の、第一のカソードに金属錫のターゲットを、第二の
カソードに金属チタンのターゲットを、第三のカソード
に約30容積%の炭化タンタルと微量の焼結助剤を含ん
だ炭化ケイ素焼結体のターゲットを設置した。清浄にさ
れた4mm厚のブロンズ着色フロートガラスをスパッタ
装置の真空槽に入れ、真空ポンプで真空槽内を7×10
−4Paまで排気した。アルゴン20sccm、酸素8
0sccmの混合ガスを真空槽内に導入し、圧力を0.
33Paに調節した。錫のターゲットのカソードに5A
の電流を印加し、所定時間スパッタリングを行い基板ガ
ラス上に65nmのSnO2 膜を被覆した。次に真空
槽内の雰囲気をアルゴン40sccm,酸素60scc
mの混合ガスにほぼ完全に置換し、圧力を0.4Paに
調整し、チタンのターゲットのカソードに8Aの電流を
印加し所定時間スパッタリングを行い、SnO2 膜の
上に50nmのTiO2 膜を被覆した。次に真空槽内
の雰囲気をアルゴン20sccm,酸素80sccmの
混合ガスにほぼ完全に置換し、圧力を0.4Paに調整
した。錫のターゲットのカソードに5Aの電流を印加し
所定時間スパッタリングを行い、TiO2 膜の上に4
0nmのSnO2 膜を被覆した。最後に真空槽内の雰
囲気を窒素80sccm、酸素20sccmの混合ガス
にほぼ完全に置換し、0.4Paに調整した。炭化タン
タルと炭化ケイ素の焼結体のターゲットのカソードに4
Aの電流を印加し所定時間スパッタリングを行いSnO
2 膜の上に15nmの厚みのシリコンとタンタルと炭
素と窒素と酸素とからなる被膜を形成した。このように
して得られたサンプル3は、可視光線透過率が75.3
%、太陽光線透過率が60.8%、ガラス面側からの可
視光線反射率が8.5%という特性を示す熱線遮蔽ガラ
スであることがわかった。このサンプル3に対して上述
したのと同様の方法で耐摩耗性、耐アルカリ性および耐
酸性を評価した結果を表3に示した。サンプル3も優れ
た耐久性を示すことがわかった。
【0021】実施例5 実施例1、2と同じ装置を用いて同様の方法で窒化チタ
ンの被膜の上にシリコンとタンタルと炭素と窒素と酸素
とからなる被膜を形成した。但し、シリコンとタンタル
と炭素と窒素と酸素とからなる被膜を形成する際に、タ
ーゲットとして40容積%の窒化タンタルと微量の焼結
助剤を含む炭化ケイ素焼結体を用いた。清浄にされた4
mm厚のブロンズ着色透明フロートガラスをスパッタ装
置の真空槽に入れ、真空ポンプで5.3×10−4Pa
まで真空に排気した。その後、窒素ガスを100scc
mの流量で真空槽内の圧力を0.4Paに調節した。そ
して、直流電源から金属チタンターゲットに電力を投入
しスパッタ放電を開始させた。5Aの電流値にセットし
た後、このカソード上を所定のスピードでガラス基板を
通過させることにより、ガラス基板上に約5nmの窒化
チタンの被膜を形成した。カソードへの電力の印加を停
止し、さらにガスの導入を停止して、再び真空ポンプで
5.3×10−4Paまで排気後、窒素ガスを80sc
cmと酸素ガスを20sccmの流量で真空槽内に導入
し、圧力を0.4Paに調整した。そして直流電源から
第二のカソードに電力を印加し、4Aの電流値でスパッ
タ放電を開始した。そうして、再びガラス基板を所定の
スピードでこのカソード上を通過させることにより、前
記窒化チタンの被膜の上に約20nmの厚みのシリコン
とタンタルと炭素と窒素と酸素とからなる被膜を形成し
た。このようにして得たサンプル4は、可視光線透過率
が70.7%、太陽光線透過率が62.3%、ガラス面
からの可視光線反射率が8.9%という性能を示す熱線
遮蔽ガラスであった。このサンプル4に対して同様の方
法で、耐摩耗性、耐アルカリ性および耐酸性を評価した
結果を表3に示す。サンプル4も優れた耐久性を示す熱
線遮蔽ガラスであることがわかった。
【0022】比較例1 実施例1、2と同様の、2つのカソードが設置された直
流マグネトロンスパッタ装置の一方のカソードには金属
チタンを、他方のカソードには約18重量%の遊離のシ
リコンを含む炭化ケイ素焼結体(タンタルは全く含まな
い)を、それぞれターゲットとして設置した。清浄にさ
れた4mm厚のブロンズ着色フロートガラス板をスパッ
タ装置の真空槽に入れ、真空ポンプで5.3×10−4
Paまで真空に排気した。その後、窒素ガスを100s
ccmの流量で真空槽内に導入して圧力を0.4Paに
調節した。そして、直流電源から金属チタンターゲット
に電力を投入しスパッタ放電を開始した。5Aの電流値
にセットした後、ターゲットの上方をガラス基板を所定
のスピードで通過させることにより、5nmの厚みの窒
化チタンの被膜を形成した。ターゲットへの電力の印加
を停止し、さらにガス導入を停止して、再び真空ポンプ
で5.3×10−4Paまで排気後、窒素ガスを95s
ccm、酸素ガスを5sccm真空槽内に導入し、圧力
を0.4Paに調整した。そして直流電源から炭化ケイ
素ターゲットに電力を印加し、2Aの電流値でスパッタ
放電を開始した。その後ターゲット上を所定のスピード
でガラス基板を通過させることにより、シリコンと炭素
と窒素と酸素とからなる保護膜を20nmの厚みで形成
した。このようにして得られた比較サンプル1は、可視
光線透過率が73.5%、太陽光線透過率65.5%、
ガラス面側からの可視光線反射率が7.6%という光学
特性を示す熱線遮蔽ガラスであった。この比較サンプル
1に対して実施例と同様の方法でテーバー摩耗試験によ
る耐摩耗性の評価と、耐アルカリ性、耐酸性を評価した
結果を表3に示した。優れた耐摩耗性を示すが、耐アル
カリ性に劣ることがわかる。
【0023】比較例2 実施例3と全く同様の方法で、最上層に本発明にかかる
保護膜を形成しない例として、4m厚ブロンズ着色フロ
ートガラス板上に、65nmの厚みのSnO2 膜と、
50nmの厚みのTiO2 膜と、50nmの厚みのS
nO2 膜をこの順序で形成した。得られた比較サンプ
ル2は、可視光線透過率が75.2%、太陽光線透過率
が61.4%、ガラス面側からの可視光線反射率が8.
9%という光学特性を示す熱線遮蔽ガラスであった。こ
の比較サンプル2に対しても同様の耐摩耗性と耐アルカ
リ性と耐酸性の評価を行った結果を、表3に示す。比較
的優れた耐薬品性を示すが、耐摩耗性にやや劣ることが
わかる。
【0024】
【発明の効果】本発明の熱線遮蔽ガラスの空気と接する
最外層は、シリコンとタンタルと炭素と窒素と酸素とか
らなる化学的耐久性や耐摩耗性に優れた保護膜を有する
ので、直接外気に触れる状態で使用しても腐食したりス
クラッチ等による傷を生じることがない。したがって自
動車の窓ガラスや建物の窓ガラスとして複層ガラスや合
わせガラスにすることなく単板の状態で用いることがで
きる。また、本発明の熱線遮蔽ガラスは直流スパッタリ
ング法により安定して被覆できるので、大きな面積のガ
ラス板に安定して被覆することができる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱線遮蔽ガラスの一部断面図
【002
6】
【符号の説明】
1    ガラス板、 2    熱線遮蔽性の被膜、 3    シリコンとタンタルと炭素と窒素と酸素とか
らなる保護膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  透明なガラス板の上に少なくとも一層
    からなる熱線遮蔽性の被膜が被覆され、前記熱線遮蔽性
    の被膜の上に、シリコンとタンタルと炭素と窒素と酸素
    とからなる可視光線の波長域で透明な保護膜が被覆され
    た熱線遮蔽ガラス。
  2. 【請求項2】  前記保護膜の組成をSiTaj Ck
     Nm On (j,k,m,nは原子分率)なる化学
    式で表したとき、0.2≦j≦0.6,k≦0.8,m
    ≦1.0,n≧1.5としたことを特徴とする請求項1
    に記載の熱線遮蔽ガラス。
  3. 【請求項3】  前記熱線遮蔽性の被膜が、窒化チタン
    、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化クロムの群
    から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の熱線遮蔽ガラス。
  4. 【請求項4】  前記熱線遮蔽性の被膜が、底屈折率材
    料からなる被膜と高屈折率材料からなる被膜が交互に多
    層積層された被膜からなることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の熱線遮蔽ガラス。
  5. 【請求項5】  前記保護膜の厚みが、5nm以上10
    0nm以下である請求項1ないし4のいずれかの項に記
    載の熱線遮蔽ガラス。
  6. 【請求項6】  可視光線透過率が70%以上としたこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載
    の熱線遮蔽ガラス。
  7. 【請求項7】  前記保護膜が、炭化ケイ素と、炭化タ
    ンタルまたは窒化タンタルの少なくとも一種とを含む混
    合物からなるターゲットを用いて、少なくとも酸素と窒
    素とを含む減圧された雰囲気内で直流反応性スパッタリ
    ングにより被覆されたことを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれかの項に記載の熱線遮蔽ガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012121277A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Bridgestone Corp 熱線遮蔽ガラス、及びこれを用いた複層ガラス

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