JPH04280850A - セメンティング組成物およびその用途 - Google Patents

セメンティング組成物およびその用途

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JPH04280850A
JPH04280850A JP3145960A JP14596091A JPH04280850A JP H04280850 A JPH04280850 A JP H04280850A JP 3145960 A JP3145960 A JP 3145960A JP 14596091 A JP14596091 A JP 14596091A JP H04280850 A JPH04280850 A JP H04280850A
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cementing composition
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cementing
boron phosphate
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JP3145960A
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English (en)
Inventor
Tomio Suzuki
鈴木 富男
Yoshikimi Naitou
内藤 賀公
Kimie Watanabe
渡辺 貴美江
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Suzuki Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sangyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性ケイ酸アルカリ
液と特定された無水リン酸ホウ素の硬化剤とを主成分と
する水硬性セメンティング組成物とその用途に関するも
のであり、より詳細には、耐酸性および耐熱性に優れた
シロキサン結合を主鎖とするポリマーが、常温を含む 
220℃以下の温度で形成される結着剤、被覆材、固化
体、構造体に応用される施工性良好なセメンティング組
成物とその用途に関する。
【0002】
【従来技術】従来、無機質の水硬性セメンティング材と
してはポルトランドセメント、アルミナセメントさらに
は石膏等が一般に広く使用されてきた。しかし、ポルト
ランドセメントや石膏はカルシウムを主要成分としてお
り耐酸性がなく、しかもこれらのセメンティング材料は
いずれも水和型の硬化体であることから熱に弱く耐熱性
に乏しい。一方、水ガラス(以下本明細書では、ケイ酸
アルカリを「水ガラス」と略称することがある)で代表
されるケイ酸アルカリを主成分とするセメンティング材
料は、その結合形態がシロキサン結合(−Si−O−)
を主体としていることから、耐酸性や耐熱性が要求され
る固化体、バインダー、接着剤等の用途に期待されてい
る。しかし、この水ガラス系セメンティング材は、下記
する種々の欠点を有しており汎用されるに至っていない
。
【0003】水ガラスの硬化機構には、気乾型、水硬型
および反応型の三種がある。この内一般に応用されてい
るのは反応型である。この反応型は水ガラスに硬化剤を
添加するか、もしくは加温することにより、水ガラスが
持つシラノール基を脱水縮合させてシロキサン(−Si
−O−)結合のポリマーを形成させるタイプをいう。こ
の脱水縮合により生成するポリマー硬化体は、各種の固
化体、バインダー、結着剤、被覆材等の用途に適してい
る。
【0004】現在、商品化されている水ガラス系セメン
ティング材料は、水ガラス液をのり剤とし、これに硬化
剤と充填剤(骨材、機能剤等)を加えた三者より構成さ
れているのが一般的である。したがって、施工に際して
はこの三者を一旦混合混練してペースト状もしくはモル
タル状に調製してから施工に付している。しかし、水ガ
ラス系セメンティング材は、その施工性と生成硬化体の
諸物性早期発現のバランスが悪いのが一般的である。即
ち、施工性の良いセメンティング材は生成硬化体の諸物
性早期発現が遅く、生成硬化体の諸物性早期発現が速い
セメンティング材は施工性が悪い。したがって、水ガラ
ス系セメンティング材に関する研究は、この点に関する
改良研究、特に硬化剤ならびに硬化条件に関する研究が
多く、様々な改良技術が提案されている。
【0005】これら研究成果の一部は、「無機系接着剤
」[ 日本接着協会誌 12 394(1976)]に
整理して報告されている。自硬性タイプのケイ酸アルカ
リ組成物として米国特許第 2662022(1953
)号明細書があり、水ガラスによる耐酸モルタルとして
はケイフッ化ソーダを硬化剤とする例(窯協 69 2
84(1961) が知られている。また、変性水ガラ
スと無機質リン酸塩の組み合わせから成るセメンティン
グ組成物の例として、特公昭 53− 109558 
号、 特公昭 56−6387 号、 特公昭68−5
8306号、 特開昭57−32277号の各公報が挙
げられる。また、水ガラスの硬化剤としてホウ酸を用い
る例として、特公昭 47− 4464 号公報や、ホ
ウ酸塩を用いる例として特開昭48−44325号公報
が挙げられる。さらに特開昭50−54619号公報に
は、ホウ酸塩とリン酸塩等の混合焼成物を水ガラスの硬
化剤に用いる例が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】水ガラスを反応型で
硬化させた硬化体は、その硬化体中に水ガラスが持つア
ルカリ成分を共存することから幾つかの欠点を有してい
る。しかも、硬化体中に共存しているアルカリ成分は、
水可溶性が高くて活性が大きいことから、硬化体を水浸
漬すると共存しているアルカリイオンは容易に溶出して
くる傾向にある。したがって、一旦反応型により生成し
た硬化体を水と接触させると、この時溶出するアルカリ
イオンにより硬化体を形成しているシロキサン結合は容
易に再溶解する傾向にあり、その結果、硬化体は弱体化
してしまう。また、水溶解したアルカリイオンは大気中
の炭酸ガスと容易に反応して炭酸アルカリを副生し、硬
化体に所謂白化や白華現象を生起して商品価値を低下さ
せる傾向にある。
【0007】しかも、以上の問題点に加えて、水ガラス
を常温反応型によりポリマーを形成せしめ、耐水性等が
付与された硬化体とする材料を、セメンティング材とし
て商品化するには、つぎに掲げる問題点が未だ技術的に
解決されていない。 (A)水ガラス自身の粘性が本来高く、硬化剤等の添加
材料の混合が容易でない。水希釈等により水ガラス粘性
を下げると強度ある硬化体が得られない。 (B)反応型の反応は、水ガラスのアルカリと、硬化剤
の酸との中和で起るシラノール基の脱水縮合反応が律速
している。しかし、実質的の施工に際しては、このアル
カリと酸との混合物が一定時間(少なくとも施工作業中
)脱水縮合反応をスタートせず施工作業可能なモルタル
状もしくは液状態を維持している必要がある。即ち、施
工作業中はアルカリ(水ガラス)と酸(硬化剤)との混
合物は脱水縮合反応を起こさず作業しやすい液粘性を維
持し、施工後は速やかに脱水縮合反応が進行して全体が
均質な硬化体となる必要があり、この両面を一つの条件
の中でバランス良く満足させる技術がない。 (C)シラノール基脱水縮合の反応速度は温度に律速し
ており、10℃の温度差が生成硬化体に大きく影響する
。したがって、自然条件下の現場施工では温度により作
業性が極度に制限される。この温度の影響を吸収する技
術がない。
【0008】以上のように水ガラス系セメンティング材
は、基本的欠点をいくつか有していることから使用範囲
や施工条件に多くの制限を必要とする。したがって、他
の材料では到底補えないような所、例えば耐熱性や耐酸
性が特に求められる所でのみ使用されてきた。しかし、
この場合も施工性を犠牲にするか、諸耐性発現までの時
間を犠牲にするか、常温での施工は諦めて温度処理を施
すか等の条件付きの妥協の産物としてのみに使用されて
いるのが現状である。
【0009】実際、水ガラスの硬化剤として一般に提案
されている化合物は、シラノール基の脱水縮合反応を促
進完成させる必要性から水中で酸性を呈するか溶解度の
高い化合物である。例えば、提案されているリン酸塩は
水中で容易に加水分解を起こし、酸としての活性が強く
。したがって、こうした硬化剤を水ガラスと接触させる
と、その接触場所でゲル化が起きてしまい、水ガラスと
硬化剤の混合物を施工作業可能な均質液状態で一定期間
確保することは難しい。一方、加水分解を起こさないリ
ン酸塩では、水ガラスのシラノール基を縮合させる能力
を持たない。この現象はホウ酸もしくはホウ酸塩を硬化
剤に用いた時も同様に起る。
【0010】以上のように、ケイ酸アルカリを硬化させ
る能力を持ちながら、水ガラスに配合された初期の段階
で均質液状態を一定時間保てて、施工後は諸耐性に優れ
てた硬化体を形成させる硬化剤は未だ開発されていない
。ましてやこうした目的でホウ酸化合物を水ガラスの硬
化剤に応用している例はない。また、ホウ酸とリン酸を
化合させて製造された市販のリン酸ホウ素は、後述する
実施例に示されているように、この水性懸濁体pHは1
 以下と小さく、強い酸性を示す。したがって、上記リ
ン酸塩の場合と同様に水ガラスと接触すると瞬時にゲル
化してしまい、少なくとも一定時間安定な均質混合液状
態を得ることは不可能であり、水ガラスの硬化剤として
は不適当である。
【0011】したがって、従来技術で水ガラスと硬化剤
との混合物の液状態を一定時間確保するためには、硬化
剤に水ガラスとの反応速度が遅くなるように工夫された
化合物を選んでおり、またその改良研究が行われてきた
。しかし、水ガラスに対する硬化剤の反応速度を遅くな
るよう工夫すれば混合液の可使時間は確保されても、こ
のような硬化剤では次に求められるシラノール基の脱水
縮合反応を常温で完成しようとする時、その反応速度が
極度に遅くなり、硬化体完成に長時間を要してしまい、
この条件では実用性に乏しい。このように従来のケイ酸
アルカリ系セメンティング組成物では、施工性ならびに
諸耐性発現までの両面における時間の関係においてバラ
ンスが悪く、当業界で満足できるセメンティング材とは
なっていない。
【0012】
【発明の目的】本発明の目的は、上記の問題点を解決し
て、少なくとも常温反応型の施工を可能にし、施工後は
常温で速やかにシロキサン結合のポリマー硬化体を形成
し、この硬化体がきわめて短時間で諸耐性を発現し、被
覆材、結着剤、固化体、構造体等の用途に適合させるケ
イ酸アルカリ系セメンティング組成物を提供することに
ある。そのためには、つぎのテーマを技術的に完成させ
る必要がある。 (1)ケイ酸アルカリと硬化剤との混合物が、施工作業
に必要な時間(通常最低60分)内は反応を保留し、ゲ
ル化させたり、液粘性を増加させたり、ポリマー化を進
行させたりすることなく、均質なペースト状もしくはモ
ルタル状を維持していること。 (2)目的場所に施工した後は、常温で速やか(最大2
4時間以内)に耐水性等の諸物性を発現すること。 (3)形成された硬化体が共存アルカリ成分による弊害
を排除し、弱体化したり、白化したりすることなく、長
期にわたる耐性を維持できること。 本発明者等は、水ガラス系セメンテング材料における以
上の問題点を解消し、本発明の目的を達成するために、
実験を繰り返し研究を重ね本発明に到達した。
【0013】
【問題点を解決するための手段】本発明は、前記目的を
達成するために提案されたものであり、特定されたリン
酸ホウ素を硬化剤に選んでいる点に重要な技術的特徴を
有している。すなわち、本発明によれば、水溶性ケイ酸
アルカリ液と無機質硬化剤、さらに必要に応じて填剤が
配合されたセメンティング組成物において、前記無機質
硬化剤として強熱減量が5 重量%以下、且つ5 重量
%水性懸濁体pHが1.8 ないし8.5の範囲で、化
学組成式がBPO4で表わされる微粉末の無水リン酸ホ
ウ素を使用するセメンティング組成物が提供される。
【0014】さらに本発明によれば、前記無機質硬化剤
の無水リン酸ホウ素に、酸化物基準で少なくとも20重
量%に相当するアルカリ土類金属が含有されているセメ
ンティング組成物が提供される。さらに本発明によれば
、前記無機質硬化剤が、予め20重量%以下量の水、界
面活性剤、カップリング剤より選ばれた1ないし2種以
上の組合わせ液体で湿潤状態に調製されているセメンテ
ィング組成物が提供される。さらに本発明によれば、水
溶性ケイ酸アルカリ液のアルカリ成分を式 M2O(M
はアルカリ金属元素)で表わして、該 M2O 100
重量部当り前記無機質硬化剤が30ないし 400重量
部の割合で配合されているセメンティング組成物が提供
される。さらに本発明によれば、前記填剤が、粒度 2
00ミクロン以下の充填剤、顔料、ボリュウム材より選
ばれた1ないし2種以上の組合わせ粉体であるセメンテ
ィング組成物が提供される。
【0015】さらに本発明によれば、前記セメンティン
グ組成物を、常温を含む 220℃以下の温度で硬化さ
せてシロキサン結合を主鎖とするポリマー硬化体を形成
させた結着剤ないしは被覆材が提供される。さらに本発
明によれば、前記セメンティング組成物 100重量部
に、骨材、補強材、成型体より選ばれた1ないし2種以
上の組合わせ配合剤が 100ないし 900重量部の
範囲で予め加えられている配合物を、常温を含む 22
0℃以下の温度で硬化させてシロキサン結合を主鎖とす
るポリマー硬化体をバインダーとして一体化させた固化
体ないしは構造体が提供される。
【0016】
【作  用】上記で指摘したように、ケイ酸アルカリ系
セメンティング組成物が無機質被覆材、塗料や接着剤等
として実際に応用されるためには、(1) 組成物が作
業しやすい均質液状体であること、(2) 施工後は速
やかに耐水性等を発現すること、(3)共存アルカリ成
分の弊害が排除され諸耐性に優れていることの三点を同
時に解決することが必須条件である。こうした要望に応
えるための第一条件として、上述したように用いる硬化
剤が水ガラスに接触した初期に水ガラスをゲル化させて
しまい、混合組成物の液粘性を向上させたり不均質にし
てしまうようなことがあってはならない。
【0017】一般にリン酸ホウ素は、リン酸およびホウ
酸の混合水溶液を蒸発し、残留物を加熱するか、ホウ酸
とオルトリン酸水素二アンモニウムを加熱して製造され
ている。このリン酸ホウ素は、ホウ素が陽イオンとして
リン酸に結び付いている珍しい例であり、結晶は変形し
たクリストバル石型構造をしている。しかもこのリン酸
ホウ素は水にサスペンジョンさせると加水分解してpH
1 以下の酸性を示す。この化学式は BPO4・nH
2O (n=3、4、5、6)で与えられている。また
、このリン酸ホウ素が持つ結晶水を脱水せしめた無水物
は吸湿性が強く、変質しやすい化合物である。このこと
は後述する本実施例に記載するが、この無水物を常温の
室内で20日間放置すると約25%の水分を吸湿してし
まうことからも容易に理解される。このように、一般市
販のリン酸ホウ素は変質しやすく、しかも水ガラスに接
触した時に容易にゲル化反応を起こし、施工可能な均質
液状体を確保することができず、本発明のセメンティン
グ組成物用硬化剤としては不適当である。
【0018】本発明者等は研究と実験を重ね、微粉末の
リン酸ホウ素が、強熱減量で5 重量%以下、且つ5 
重量%の水性懸濁体pHで 1.8ないし 8.5の範
囲を呈する化合物に特定された硬化剤を使用した水硬性
セメンティング組成物は、前記の三条件を満足する組成
物に調製できるという新たな知見を得た。また、この組
成物は無機質の被覆材料、塗料、結着材、接着剤、固化
体、構造体等の用途に適していることを見出した。また
、本発明者等は、上記の特定された無水リン酸ホウ素の
調製方法として、アルカリ土類金属化合物の添加もしく
は添加せずして加熱処理する時は、原料リン酸ホウ素が
含有している遊離の酸分は固定もしくは除去されると共
に、この加熱処理によりリン酸分は脱水縮合されてポリ
リン酸塩となり加水分解の極度に遅い化合物に変化させ
得ることを見出した。
【0019】本発明で特定された微粉末の無水リン酸ホ
ウ素が、前記三条件を満足させる硬化剤に成り得る理由
については定かでないが、シリカのゾル−ゲル反応に関
する過去の研究成果、ならびに後述する実施例の結果等
から判断して、次のように推測することができる。すな
わち、本発明の無水リン酸ホウ素は、結晶水と遊離の酸
類(リン酸やホウ酸)を含まず、その強熱減量が5 重
量%以下と小さいこと、また、加水分解しにくいホウ酸
とのポリリン酸塩に変化していることから、水中での加
水分解速度が極度に遅く、pH 1.8未満の強い酸性
を呈することがない。したがって、ケイ酸アルカリ液と
の接触初期におけるシリカ分のゲル化反応を抑制し、混
合物を施工作業性可能な均質液状体に維持することが可
能になったものと思われる。
【0020】また、シリカのゾルはpH2 付近に等電
点があり、このpH値付近では安定なゾル状態を保ち、
このpH値が何れのサイドにずれてもシリカのゾルはゲ
ル化していくことが一般に知られている。本発明の無水
リン酸ホウ素が、5 重量%水性懸濁体のpHが 1.
8ないし 8.5の範囲に調製されていることから、こ
のpH領域とシリカゾルの安定領域とが重なり合ってい
ることも、混合初期において安定した均質液状体を維持
し得る理由と考えられる。
【0021】次に、本発明の無水リン酸ホウ素は、一旦
ケイ酸アルカリ液に添加されて安定した均質液状体を形
成した後、リン酸ホウ素はケイ酸アルカリのアルカリ成
分と水によりゆっくりと加水分解を開始する。以後加水
分解は急速に進行し、ここに生成したホウ酸とリン酸は
、ケイ酸アルカリが持つシラノール基の脱水縮合触媒と
して重要な役割を発揮し、シラノール基の脱水縮合は幾
何級数的に促進され、短時間に効率よくシロキサン結合
によるポリマーを完成させるものと思われる。しかも、
ここ生成したポリマーは強固なシロキサン結合による組
織で形成されていることから耐酸性および耐熱性等の諸
耐性に優れた物性を発揮する。
【0022】本発明においてさらに重要なことは、シラ
ノール基の脱水縮合触媒として大切な役目を果たしたホ
ウ酸とリン酸が二役目として、ケイ酸アルカリ液が含有
しているアルカリ成分を中和するに充分な量な酸量で配
合されていることから、硬化体中に共存するアルカリ成
分と塩を生成し、このアルカリ成分を固定化してしまう
役割を発揮するところにある。したがって本発明におい
ては、前述したようなアルカリイオン共存により起る各
種の弊害を阻止することが可能となる。
【0023】さらに本発明によれば、ケイ酸アルカリ液
と硬化剤の混合物に必要に応じて、粒度 200ミクロ
ン以下の粉末である填料の中から適宜選んで配合してお
くことによって、着色性、表面性状等を改質変化させる
だけでなく、生成ポリマーによる硬化体の組織をさらに
強固にし、諸耐性に安定した物性を与え、またその機能
性を向上させることが可能となる。
【0024】以上説明してきた本発明のセメンティング
組成物は、常温で目的箇所に直接施工することが可能で
あり、しかも、施工した材料が優れた各耐性を発揮する
。特に本施工組成物はシロキサン結合を主鎖としたポリ
マーで組織を形成していることから、熱に暴露される箇
所に施工された場合にも、常温から高温(例えば 80
0℃)までの各温度勾配に対して優れた耐熱性を発揮す
る。
【0025】さらに本発明にとって重要なことは、本発
明の組成物は耐熱性に優れるという特性に加えて、有機
溶剤等の有機成分を組成物中に全く含まないことから、
施工時の弊害臭気の発生や加熱時の有毒ガスの発生等の
危険性が全く持ち合わせていないことにある。したがっ
て、本発明の組成物は省資源であると共に安全性の面で
高く評価することができる。
【0026】本発明の組成物は、以上の利点から各所に
有用に使用することができるが、例えば、交通機関のト
ンネル、地下街、火力発電所の煙道、炉等の耐高熱部材
等の被覆材や塗料、目地や固め材、接着剤等の結着剤、
さらに、耐火性建材や構造物等に求められる固化体や構
造体として好適に使用することができる。また、近年の
自然環境の変化にともない、酸性雨や酸性霧など屋外建
造物に使用する材料に耐酸性が要求されており、本発明
組成物がこれらの材料の被覆材や接着剤等として、また
その構造体や固化体として好適に使用することができる
。
【0027】
【発明の具体的説明】本発明の無水リン酸ホウ素微粉末
は、工業的に製造市販されているリン酸ホウ素等を原料
として 110ないし 900℃、好適には 400な
いし 800℃の温度範囲で加熱処理し、原料中の結晶
水を脱離させると共に、原料が含有している遊離の酸類
(リン酸、ホウ酸)を除去し、必要に応じて粉砕・分級
することによって調製される。この結果、ここに調製さ
れたリン酸ホウ素粉末の物性を、強熱減量が5 重量%
以下で、5 重量%水性懸濁体のpHが 1.8ないし
8.5 の範囲、好適には 2.2ないし 6.0の範
囲に管理することが可能となる。
【0028】この時の加熱温度が 110℃より低い時
は、結晶水が化合物中に残り、リン酸ホウ素の強熱減量
を5 重量%以内にすることができない。また、5 重
量%水性懸濁体のpHを 1.8以上に保つことができ
ない。一方、加熱温度を 900℃以上にすると、得ら
れるリン酸ホウ素は水中で加水分解しにくく、不活性な
化合物となり、本発明の目的とするケイ酸アルカリの脱
水縮合の酸触媒になりにくい。
【0029】本発明における無水リン酸ホウ素粉末のさ
らに好適な調製法として、アルカリ土類金属成分を酸化
物基準で少なくとも20重量%に相当する量を予め原料
リン酸ホウ素に配合してから加熱処理する方法を採用す
ることができる。この結果、原料リン酸ホウ素が含有し
ていた遊離のリン酸やホウ酸を揮散させてしまうことな
く不活性化することが可能となり、5 重量%水性懸濁
体のpHが 1.8ないし8.5 の範囲、好適には2
.2 ないし8.0 の範囲に管理することが可能とな
る。配合されるアルカリ土類金属成分としては、マグネ
シウム、カルシウム、バリウム等の酸化物、水酸化物、
炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩等を挙げること
ができる。特に、バリウム塩を用いて調製したリン酸ホ
ウ素は、セメンティング組成物の施工作業可使時間を長
期に亙り確保する上で好適である。
【0030】本発明における無水リン酸ホウ素粉末のさ
らにまた好適な調製法として、本発明無水リン酸ホウ素
が上述したように水と接触した時に強い酸性を示さない
ことに鑑み、予め20重量%以下の量の、水、界面活性
剤、カップリング剤等の液状改質剤をリン酸ホウ素に配
合して、リン酸ホウ素を湿潤状態としておく方法を採用
することができる。ここに用いる界面活性剤もしくはカ
ップリング剤等の液状改質剤としては、アルカリ性溶液
に強い中性もしくは塩基性界面活性剤もしくはシランカ
ップリング剤やチタンカップリング剤等を選ぶことがで
きる。
【0031】従来用いられてきた硬化剤のリン酸塩や、
ホウ酸塩は、これに予め水を配合しておいてからケイ酸
アルカリに混合すると、前記リン酸塩やホウ酸塩は加え
られた水により直ちに加水分解を起こしてしまっており
、遊離のリン酸やホウ酸を生成しているため、ケイ酸ア
ルカリを瞬時にゲル化させてしまい、施工作業可能な均
質液状体を得ることはできい。しかるに、本発明の無水
リン酸ホウ素は、これに予め水等の液状改質剤を配合し
てバサバサ状、ペースト状、可塑状の湿潤状態にしても
、この湿潤状態のリン酸ホウ素をケイ酸アルカリと接触
させても直ちにゲル化等のトラブルを起こすことなく、
しかもセメンティング組成物の混合性やその後の施工作
業性を改良することが可能であり、本発明に好適である
。
【0032】本発明で用いられるケイ酸アルカリ液とし
ては、通常水ガラスと呼ばれている粉状体もしくは液状
体いずれのタイプのケイ酸アルカリを原料とすることが
できる。粉状のケイ酸アルカリは水溶性ないし水分散性
のケイ酸アルカリであればよく、液状体のケイ酸アルカ
リは粉状ケイ酸アルカリの約50%水溶液もしくはその
希釈液であってよい。本発明の目的には、M2O・nS
iO2・mH2O (式中、M はリチウム、カリウム
、ナトリウムのアルカリ金属)の組成式で表わして、n
 が1ないし4の範囲にあり、m が12ないし24の
範囲にあるケイ酸アルカリを、セメンティング組成物の
使用目的、用途、施工条件等によって随時選ぶことがで
きる。この時、n の数が1より小さい時はアルカリ成
分が多すぎて耐水性に優れたセメンティング組成物が得
られない。また、n の数が4より大きい時は良好なシ
ロキサン結合のポリマー形成が期待できず、強度の高い
硬化体が得られない。n の数は、本セメンティング組
成物に求められる用途や作業性に応じて上記の範囲から
適宜選択することができる。
【0033】ケイ酸アルカリのアルカリ金属種としては
、入手の容易さおよび安価であることからナトリウムが
好適である。とくに、ケイ酸ナトリウムの溶液である水
ガラス(JIS 規格品)が好適である。しかし、セメ
ンティング組成物の利用分野や使用目的、また求められ
る硬化体物性等によって、カリウムやリチウムを単独に
、さらにはナトリウムを含めたアルカリ金属との組み合
わせによりるケイ酸塩であるケイ酸アルカリ液を使用す
ることができる。ケイ酸アルカリ液の濃度は、シリカ(
SiO2)基準で10ないし33重量%の範囲からセメ
ンティング組成物の利用分野や使用目的、また求められ
る硬化体物性等によって適宜選ぶことができる。
【0034】さらに本発明においては、セメンティング
組成物の可使時間や硬化体強度等の諸物性を向上させる
ために、用いるケイ酸アルカリ液に予めホウ酸塩(例え
ばホウ酸ソーダ、ホウ酸亜鉛等)やケイフッ化物(例え
ばケイフッ化ソーダ等)が添加養生された変性ケイ酸ア
ルカリ液を使用することができる。また、セメンティン
グ組成物の可使時間や作業性、さらには硬化体物性等を
向上させるために、界面活性剤、ポリシロキサン、樹脂
類が添加された複合変性ケイ酸アルカリ液を使用するこ
とができる。
【0035】本発明のセメンティング組成物は、ケイ酸
アルカリ液のアルカリ成分をM2O(Mはアルカリ金属
成分)の酸化物基準で表わして、そのM2O 100重
量部当り無水リン酸ホウ素の微粉末を硬化剤として30
ないし 400重量部、好適には50ないし 300重
量部の割合で配合することができる。ケイ酸アルカリ液
に配合する硬化剤配合割合をM2O 100重量部当り
30重量部よりも少ない時は、セメンティング組成物硬
化体に期待する諸物性が得られない。また、その配合割
合を 400重量部以上にしても格別硬化体の諸物性を
向上させることは期待できない。
【0036】本発明においてはケイ酸アルカリの硬化剤
として、特定された無水リン酸ホウ素の微粉末を主硬化
剤として用いるが、硬化の促進や遅延、さらに硬化体強
度や諸耐性の向上等を目的に、本発明の硬化剤に水ガラ
スの硬化剤等として一般的に使用されている化合物を硬
化助剤として併用することができる。この硬化助剤とし
て好適な例を挙げれば、酸化物(ZnO、MgO、 C
aO、Al2O3 等)、水酸化物(Mg(OH)2、
 Al(OH)3 等)、フロロケイ酸塩 (Na2S
iF6、 K2SiF6、BaSiF6等)、リン酸塩
(Ca3(PO4)2、Mg2P2O7・8H2O、A
lPO4、Al(H2PO4)3、 Zn3(PO4)
3、SiP2O7等)ケイ酸塩( Al2O3・nSi
O2、MgO・nSiO2 等)等の微粉末の天然品、
合成品、精製品、焼成品の単独もしくは2 種以上の組
み合わせで選ぶことができる。これらの硬化助剤は、主
硬化剤である無水のリン酸ホウ素に対して、50重量%
までの量で配合することができる。
【0037】本発明のセメンティング組成物には、硬化
体に求められる物性、機能性、施工性、用途目的等に応
じて、200 ミクロン以下の粉末である充填剤、顔料
、ボリュウム材等の粉体を填剤として配合使用すること
ができる。これらの填剤は、作業性や諸物性を損なわな
い範囲、例えば、ケイ酸アルカリと無水リン酸ホウ素か
らなる混合物 100重量部に対して0.1ないし80
0重量%の量割合で、単独もしくは2 種以上の組み合
わせで添加使用することができる。
【0038】その一例を下記に示す。充填剤としては、
ステンレス、シリコンや鉄等の金属および合金の粉末、
ガラス粉末、陶磁器粉末、ダイヤモンド粉末、酸化ケイ
素(硅砂粉末、硅石粉末、シリカ粉末、シリカヒュウム
等)、溶融アルミナ粉、マグネシヤ粉、炭酸カルシウム
、ジルコンサンド、各種粘土(ベントナイト、スメクタ
イト、ガイロメ、木節粘土等の精製品)、焼成クレー(
ボーキサイト、モンモリロナイト、カオリン等の焼成品
)、石膏、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、硫
酸バリウム、フッ化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、
ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、炭酸バリウム、
水酸化バリウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、フライ
アッシュ等の粒度 200ミクロン以下の粉末の中から
適宜選んで、必要に応じて予備実験をしてから使用する
ことができる。
【0039】顔料としては、二酸化チタン、弁柄、酸化
クロム、黄鉛、カーボンブラック、群青等の無機質有色
顔料、さらにシリカ系ホワイトカーボン、アルミナ、酸
化亜鉛、磁性酸化鉄、窒化ホウ素、炭化ケイ素、各種の
粘土粉末等の無機質機能性顔料が目的に応じて使用する
ことができる。
【0040】ボリュウム材としては、各種雲母、アスベ
スト、フレーク状金属粉や、ガラス繊維、ロックウール
、天然鉱物繊維、カーボン繊維等の無機質繊維、さらに
各種粒度分布ならびに形状を有する硅石、硅砂、ロウ石
、長石、シャモット、ムライト、アルミナ、ドロマイト
、マグネシヤ、ジルコニヤ、カルシヤ、ジルコン、炭素
、黒鉛、炭化物、窒化物等の耐熱耐火物等の粉末で粒度
 200ミクロン以下の粉体の中から適宜選んで使用す
ることができる。
【0041】以上の各填剤は、セメンティング組成物の
使用目的等を考慮して、その粒度構成、細孔容積、比表
面積、吸水性等の性状に充分配慮して、粉砕、分級、混
合、燒結、精製等の施された材料を単独もしくは2種以
上の組み合わせで使用することが大切である。また、こ
れらの填剤は、填剤が含有している水分に充分注意して
取り扱うことが重要である。一般に填剤が水を含んでい
る時は予め除去するか、コーティングやシンタリング処
理により吸水性等を防止しておく必要がある。また作業
性や使用目的等に合わせて、これら填剤が各種のカップ
リング材や界面活性剤等で表面処理されている粉末をも
使用することができる。
【0042】本発明のセメンティング組成物には、組成
物の分散性、含浸性、消泡性、流動性、塗布性等の諸性
能を改善するために、該セメンティング組成物の物性な
らびに作業性等を損なわない範囲で、各種界面活性剤や
有機化合物、例えば、カップリング材、シリコン系化合
物、樹脂類等を予め添加配合しておくことができる。
【0043】ケイ酸アルカリ液部分と硬化剤等の粉体部
分との混合は、本発明のセメンティング組成物が反応型
であることから、できる限り施工直前に混合して作業性
を確保するよう配慮することが好ましい。混合方法は、
セメンティング組成物の内容や使用目的等により自ずと
異なるが、土木業界、セメント業界、コンクリート業界
、塗料業界等の各施工業界で一般に用いられている混合
機、例えば、モルタルミキサー、撹拌機、混合機、ホモ
ジナイザー等の中から適宜選んで均質な液状態が得られ
る方法を採用することができる。混合時ならびに作業時
の気象条件や環境条件等を考慮して、混合前の材料(液
部や粉部)を予め冷却したり加温したりして使用目的の
温度条件に調製してから使用することもできる。
【0044】均質液状態に混合されたモルタル状、ペー
スト状もしくは液状の本発明セメンティング組成物は、
それ自体公知の方法、例えば、吹き付け法、スプレー法
、ハケ塗り、ローラー塗り、コテ塗り、流し込み、盛り
付法、パッチング法等の当業界で汎用されている施工方
法で目的や用途等に合わせ施工することができる。
【0045】本発明では、本発明のセメンティング組成
物をバインダーとして、その硬化体に求められる施工性
、物性、機能性、用途目的等に応じて、骨材、補強材、
成型体等を一体化させて固化体もしくは構造体にして提
供することができる。この時好適に使用される骨材、補
強材、成型体は、粒度 200ミクロン以上の下記する
材料の中から適宜選ぶことができる。これらの材料は、
用途目的、作業性、諸物性等を損なわない範囲、例えば
、セメンティング組成物 100重量部に対し100な
いし 900重量部範囲の量割合で接触させて一体化さ
れた固化体もしくは構造体にすることができる。
【0046】本発明で用られる粒度 200ミクロン以
上の好適な骨材、補強材、成型体等としては、例えば、
硅石、硅砂、ロウ石、長石、シャモット、ムライト、ア
ルミナ、ドロマイト、マグネシヤ、ジルコニヤ、カルシ
ヤ、ジルコン、炭素、黒鉛、炭化もしくは窒化物等の各
種骨材を使用することができる。さらに、人工的に製造
されたガラスビーズ、ガラスフレーク、金属フレーク、
パーライト、各種の合成軽量骨材、スラッグやフライア
ッシュ等の産業廃棄物よる粉末状もしくは顆粒状の人工
骨材等を使用することができる。さらにまた、木、竹、
植物性繊維、フレーク状もしくは繊維状金属や、ガラス
繊維、ロックウール、天然鉱物繊維、カーボン繊維等の
無機質繊維や、有機系繊維等のステーブル、織物、スラ
イバー、網、ネット、マット、織布、不織布等の繊維質
補強材や成型体も使用できる。さらにまた、以上の骨材
等を素材として成型された成型体等も使用することがで
きる。
【0047】本発明で用られる以上の骨材、補強材、成
型体等は各種の粒度構成ならびに形状を有しているが、
それらは用途目的や求められる諸物性等により適宜選び
使用することができる。また、施工作業上や用途目的等
によっては、各種カップリング材、界面活性剤、樹脂類
等で予め処理された材料をも使用することができる。
【0048】これらの骨材、補強材、成型体等に対して
本発明のセメンティング組成物をバインダーに一体化し
た固化体もしくは構造体とするさせる方法は種々あるが
、例えば、骨材、補強材、成型体等と本発明のセメンテ
ィング組成物を一緒に混合した後一定の型枠や容器内で
全体を硬化させる方法や、さらには骨材、補強材、成型
体等を予め型枠や容器内に投入しておき、ついでその中
に混合液状化させた本発明組成物を流し込んで硬化させ
て一体化させる方法がある。これらの方法は、目的、用
途、環境条件等により適宜選んで採用することができる
。
【0049】本発明のセメンティング組成物を、結着剤
や被覆材、また固化体や構造体の用途目的に供するため
には、必要に応じて充填剤、顔料、ボリュウム材、骨材
、補強材、成型体等と一緒に常温を含む 220℃以下
の温度で硬化させてシロキサン結合を主鎖とするポリマ
ー硬化体を形成させることにより可能となる。しかし、
特定される用途目的や施工条件によっては、220 ℃
以下の加熱下、加圧下、脱気下および脱水下等の条件下
で施工することも可能である。また所望により、減圧下
、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で施工することも可
能である。また、ケイ酸アルカリに活性である炭酸ガス
雰囲気中での施工も可能である。
【0050】本発明のセメンティング組成物を製造工場
のライン等で大量生産する材料として使用される時には
、以上の施工条件の中から適宜目的にあった条件を選び
出して採用することができるが、一般には、製品の生産
性を向上させるためにも加熱下、加圧下、脱気下および
脱水下等の条件下で施工することが好ましい。
【0051】本発明のセメンティング組成物が、結着剤
、被覆材、固化体、構造体等の用途目的に使用される施
工対象は、特に限定されるものではないが、次の被施工
場所や対象物等を例として挙げることができる。紙やパ
ルプ、鉄等金属、ステンレス等合金、岩石、ガラス、石
膏、セラミックス、スラッグ、アスファルト、木材、繊
維等で構成されている部品、各種材料、構造物、各種装
置、床、壁、ブロック、煙道、煙突、炉および炉回り、
道路、トンネル、橋、建材、建造物等の表面;また、ロ
ットマーキングの必要なインゴットや装置等の面;また
、被含浸対象物として上記材料による各種織物、成型体
、構造物、ハニカム体等をそれぞれ有用な被施工場所や
対象物等として挙げることができる。
【0052】また、本発明のセメンティング組成物は、
上記の各箇所における補修、下地処理、前処理、穴埋め
材、仕上げ材、盛り付け材、耐スベリ材等の材料として
有用に使用することができる。さらにまた、本発明の組
成物に各種の窯業材料、繊維質材料、研磨材、耐摩耗材
、各種の無機化合物等が配合されて、耐水、耐熱、耐火
、耐酸等の各種ニーズに応える材料に応用できるし、上
記と同様の各種材料の固化材、加工材、接着剤、結着剤
、目地材等として、化学工場、食品工場、メッキ工場、
温泉、食堂、ホテル等の厨房、煙道、排水溝、建材等に
応用できる。
【0053】さらにまた、本発明のセメンティング組成
物は、ポルトランドセメント等に比べて流動性がよいこ
とから、各種成型用型材の流し込み成型固め材として、
また、耐火炉材、煙突、ボイラー、構造物等の損傷箇所
の流し込み補修材料として、さらにまた、ガラクタ状(
不定形)もしくは特定な形状に成型された産業廃棄物、
例えば、原子力発電所等から廃棄される放射性廃棄物の
固形体等を処理処分する注入固化材として有用に使用す
ることができる。
【0054】さらにまた本発明のセメンティング組成物
は、タンク、タワー、建造物等の構造物や装置類のアン
カー固定材、さらに上記した各分野での埋め込みや可塑
性パッチング材が求められる箇所での固定セメント材と
しても有用に使用することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、水硬性ケイ酸アルカリ
系セメンティング組成物を、被覆材、結着剤、固化体、
構造体等の用途に供するに際して、少なくとも常温反応
型の施工を可能にし、施工後は常温で速やかに不燃性の
シロキサン結合からなるポリマー硬化体を形成させ、こ
の硬化体が短時間に諸耐性を有効に発現させる材料を、
省資源で地球環境に優しい素材と方法で確保し、安全性
が高く、耐水性、耐熱性、耐酸性等に優れた製品として
提供することができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例をもって説明す
るが、まず、本発明の硬化剤無水リン酸ホウ素の調製方
法とその物性について説明し、次いで、このリン酸ホウ
素を用いたセメンティング組成物の応用例で、本組成物
の特性について説明する。応用例は、被覆材としての塗
料や接着剤等として比較的薄膜を形成させるタイプと、
床材や注入固化材等としてまとまった構造体や固化体を
形成させるタイプの二種類で説明する。本実施例は本発
明の組成物が適応できる施工分野での試験結果の一部を
示したにすぎない。
【0057】I.  硬化剤の調製 市販の工業用リン酸ホウ素粉末(試料番号C−1:米山
化学社製)を原料として、このリン酸ホウ素を500 
℃で60分間加熱処理し、ついで 325メッシュ篩い
を通過せしめて本発明の無機質硬化剤の無水リン酸ホウ
素粉末(試料番号A−1)を調製した。また原料リン酸
ホウ素に対し、市販試薬の炭酸バリウム(BaCO3)
 3重量%を加え、乾式で均質に分散せしめた後600
 ℃で60分間加熱処理し、325 メッシュ篩いを通
過せしめてバリウムがドープされた無機質硬化剤の無水
リン酸ホウ素粉末(試料番号A−2)を調製した。また
、前記の方法で調製した無水リン酸ホウ素粉末(試料番
号A−1)を原料にメチルメトキシシランのオリゴマー
であるシランカップリング材(東レ・ダウコーニング社
製  SR−2402 )を5 重量%で含有する水溶
液8 重量%を加え、混練混合して無水リン酸ホウ素ペ
ースト(試料番号A−3)を調製した。なお、比較例硬
化剤として原料としたリン酸ホウ素(試料番号C−1)
とリン酸塩化合物の中からリン酸亜鉛粉末(市販試薬:
試料番号C−2)とリン酸ケイ素(水澤化学社製:試料
番号C−3)を選んだ。以上、本発明の試料三種類と比
較例となる試料三種類について、下記に示す試験方法で
各物性を測定し、その結果を表1に併せ表示する。
【0058】II. 物性の試験方法 強熱減量:試料を 800℃で恒量にし、この時の重量
減を重量(%) で表示。 5 重量%水性懸濁体のpH:5 重量%に相当する量
の試料を精製水(イオン交換水)200 ml に採り
、20℃で60分間撹拌し、この時の液pHをpHメー
タ(日立−堀場製N−5 型)で測定。 吸湿率:20℃で相対湿度80%のデシケーター中に試
料粉末約10g を20日間静置し、この間の重量増加
率(%) で表示。 主たる化合物:粉末法によるX線回折法で測定、主たる
化合物を同定。 水ガラスとの初期反応性:JIS 規格品の3 号水ガ
ラス(SiO2 27.0%、 Na2O 9.5%、
 モル比2.9) 100 ml に粉末試料20g 
を加えて10分間撹拌し、直ちに混合物を40メッシュ
の金網で濾過し、金網の上に残存した混合物の量を%で
測定。この場合、混合物が均質な液状態を維持している
とほぼ100 %金網を通過し金網上の残存量はないが
、混合物がゲル状物を生成したり、高い増粘性を生じて
いると、金網上の残存量%は増加する。金網上の残存量
%に比例して硬化剤と水ガラスの初期反応性が進み、施
工作業性が確保されていないと判断した。
【0059】以上の結果、比較例とした市販のリン酸ホ
ウ素は、強熱減量が大きく、5%水性懸濁体のpHが1
 以下と低い。そのため、ケイ酸アルカリである水ガラ
スとの初期反応性がすこぶる高く、セメンティング組成
物として施工可能な均質液状態が全く得られない。しか
も、20日間の吸湿率も約25%と高く、不安定な化合
物であることが理解される。また、比較例のリン酸ケイ
素とリン酸亜鉛は、無水リン酸ホウ素に近い物性を示す
が、その主たる結晶形はそれぞれピロリン酸ケイ素とリ
ン酸亜鉛であり、初期反応性は低く、施工作業可能な均
質液状体は形成したが、5%水性懸濁体 pH は低く
、水ガラスとの混合物は、混合後急速に(10分以内)
に液粘性を増し、施工作業性を低下さる液状態であった
。
【0060】これに対して、本発明の無水リン酸ホウ素
は、バリウムのドープ処理の有無に関係なく、強熱減量
は5 重量%以下と小さく、5%水性懸濁体のpHが2
.2 以上と高く、特にバリウムのドープ処理をしたリ
ン酸ホウ素は5%水性懸濁体のpHが7.8 と高く、
また20日間の吸湿率も約5 %以下と低く、水ガラス
との初期反応性はゼロであった。また、一旦本発明の無
水リン酸ホウ素とした粉末をシランカップリング材を含
有する水溶液で予め湿潤状態としたリン酸ホウ素ペース
トも初期反応性はゼロである。したがって、本発明の無
水のリン酸ホウ素を硬化剤としたセメンティング組成物
は、混合初期において均質液状態をまず形成し、施工作
業が可能であることがよく理解される。
【0061】III. 応用例で用いたその他の材料用
いたケイ酸アルカリ液の組成を表2に、填剤および骨材
の種類内容を表3に表示する。なお、各材料の選択と配
合割合は、各応用組成物で示す。 実施例  1 本実施例において、無水リン酸ホウ素を硬化剤とし、表
4に示す配合で撹拌混合して混合ペーストとしたセメン
ティング組成物を被覆材用塗料に応用する例で説明する
。なお、比較例に硬化剤としてリン酸亜鉛とリン酸ケイ
素を用いた例で説明する。被覆材用塗料としての評価は
、下記に示す試験方法により行った。その結果を表4に
併せて表示する。
【0062】被覆材用塗料としての試験方法:(1) 
可使時間 混合したペースト 50ml を180ml の紙製容
器に採って20±3 ℃に放置し、該ペーストの流動性
が無くなるまでの時間を可使時間とした。なお、この試
験法で測定した可使時間は、実際の塗布可能な可使時間
より長く成る傾向があるが、本実施例では、便宜上本方
法を採用した。
【0063】(2) 耐水性発現までの時間鋼板に塗布
した試験板の塗布直後を開始時間として、一定時間毎に
20℃の水道水中に30分浸漬し、該試験板の塗布面を
指で擦り、剥れや塗布物の脱離がなくなる時点までの時
間を耐水性発現の時間(h) とした。
【0064】(3) 塗膜外観 鋼板に塗布した試験板の外観を肉眼観察し、あわ、膨れ
、割れ、剥れ、むらが認められない試験板を良好とした
。
【0065】(4) 耐酸性 板ガラスに塗布した試験板を用い、JIS K 540
0の7.5 に記載の試験方法に準拠し、20℃に保た
れた20重量%濃度の硫酸溶液を選び、この硫酸溶液に
30日間浸漬し、該塗布面に膨れ、あわ、剥れ、穴、軟
化、溶出が発生してない試験板を耐酸性ありとした。
【0066】(5) 耐熱性 鋼板に塗布した試験板を用い、JIS K 5400に
記載の試験方法に準拠し、600 ℃に保持された電気
炉内に20分間暴露し、ついで室温にて放冷し、塗布面
に膨れ、クラック、剥れ等がなく、塗膜が堅牢な状態に
ある試験板を耐熱性ありとした。
【0067】(6) 密着性 鋼板に塗布した試験板を用い、JIS K 5400の
6.15に記載の碁盤目試験法に準拠し、塗布面にカッ
ターナイフで1.0 mm感覚の碁盤目状の切込を入れ
、切込んだ碁盤目状の傷の状態を観察して、JIS K
 5400の6.15に記載の評価点数(0ないし10
)により点数評価で表示した。
【0068】以上の結果、無水リン酸ホウ素を硬化剤と
したケイ酸アルカリ系セメンティング組成物は、施工作
業に必要な時間を均質なペースト状態で確保できると共
に、塗布後は約1 日で諸耐性を発現し、しかも耐熱性
および耐酸性等の各耐性に優れており、無機質塗料や被
覆材料として悪臭等の弊害なく有効に応用される材料で
あることがよく理解される。
【0069】実施例  2 本実施例において、無水リン酸ホウ素を硬化剤とし、表
5に示す配合で撹拌混合して混合ペーストとしたセメン
ティング組成物を結着剤に応用する例で説明する。なお
、比較例に硬化剤としてリン酸亜鉛を用いた組成物で説
明する。結着剤としての評価は、下記に示す試験方法に
より行った。その結果を表5に併せて表示する。
【0070】結着剤としての試験方法:(1).混合ペ
ーストの可使時間 被覆材の場合と同様の試験方法で可使時間とした。 (2).混合ペストの耐水性発現までの時間被覆材の場
合と同様の試験方法で耐水性発現の時間(h) とした
。 (3).硬化体外観 被覆材の場合と同様の試験方法で評価した。 (4).耐酸性 被覆材の場合と同様の試験方法で評価した。 (5).耐熱性 被覆材の場合と同様に記載の試験方法に準拠し、400
 ℃に保持された電気炉内に20分間暴露し、ついで室
温にて放冷し、硬化体に膨れ、クラック、剥れ等がなく
、硬化体が堅牢な状態にある試験板を耐熱性ありとした
。 (6).圧縮強度 JIS A 1108に記載の方法に準拠し、混合ペー
ストを長方形の型(2×2 ×8 cm)に流し込み、
24時間室温に放置してた後脱型して、JIS A 1
132に記載の方法に準拠して圧縮試験機を用いて圧縮
強度(kg/cm2)を求めた。 (7).接着性 鋼板上に40×40×15 cm になるように作成し
た型の中に混合ペーストを流し込み、7 日間25℃の
条件下で養生して鋼板に接着した試験片を調製する。次
いで、建設省建築研究所式の接着試験法に準拠し、試験
機アタッチメントをエポキシ樹脂系接着剤で接着し、試
験機の油圧で上部の方向に引っ張り、被接着体と試験固
化体との接着面が剥離させた時の荷重(P) から、接
着力(kg/cm2)を測定した。
【0071】以上の結果、無水リン酸ホウ素を硬化剤と
したケイ酸アルカリ系セメンティング組成物は、施工作
業に必要な時間を均質なペースト状態で確保できると共
に、施工後は約1 日で諸耐性を発現し、しかも耐熱性
、耐酸性、強度、接着性等の各耐性に優れており、結着
剤として各種バインダー、接着剤、固め材、補修材等に
悪臭等の弊害なく有効に応用される材料であることがよ
く理解される。
【0072】実施例3 本実施例において、無水リン酸ホウ素を硬化剤とした実
施例2で用いた混合ペースト(試料番号2−2)のセメ
ンティング組成物を固化体(試料番号3−1)や構造体
(試料番号3−2)に応用する例で説明する。固化体な
らびに構造体の調製は下記に示す方法で行い、その評価
は下記に示す試験方法により行った。その結果は下記に
それぞれ示す。
【0073】固化体ならびに構造体としての試験方法:
(1).可使時間 被覆材の場合と同様の試験方法で可使時間とした。 (2).耐水性発現までの時間 被覆材の場合と同様の試験方法で耐水性発現の時間(h
) とした。 (3).硬化体外観 被覆材の場合と同様の試験方法で評価した。 (4).耐酸性 被覆材の場合と同様の試験方法で評価した。 (5).耐熱性 結着剤の場合と同様の試験方法で評価した。 (6).圧縮強度 結着剤の場合と同様に試験方法で評価した。 (7).接着性 結着剤の場合と同様に試験方法で評価した。
【0074】固化体としての調製は、骨材に人工骨材粒
(パムコ3〜6号)2Kgと5号硅砂1 Kgの混合骨
材を選び、この混合骨材に実施例2で調製した混合ペー
スト(試料番号2−2)1 Kgを加えて撹拌してモル
タル状混合物の床材を得た。この床材をコンクリート床
の上に厚さ5 mmでコテ塗りでスムースに施工できた
。ここに調製した床材の物性を上記の試験方法に付して
評価した。その結果は、可使時間  50分、物性発現
時間  24時間、硬化体時間  良好、耐酸性  あ
り、耐熱性  あり、圧縮強度(Kg/cm2)  3
80 、接着性(Kg/cm2)  20であり、本セ
メンティング組成物が耐熱性および耐酸性等の諸耐性に
優れた床材として作業性よく施工できることが良く理解
される。
【0075】構造体としての調製は、産業廃棄物として
副生する無機化合物塩類(硫酸ソーダと硫酸カルシウム
の混合物)粉末の円柱型成型品(15φ×15mm)を
石油缶(20リッター)にセットした鉄製金網ネットで
升目状格子(升目間隔70mm)に組み立てた中に充填
し、この充填物の中に実施例2で調製した混合ペースト
(試料番号2−2)を注入し硬化させて、全体が一体化
した構造体とした。注入硬化させた産業廃棄物成型体と
補強体からなる構造体を7 日間常温に放置した試験片
について、その圧縮強度を測定し、その結果は 370
(Kg/cm2)であった。 以上の結果、本セメンティング組成物を用いて、骨材、
補強剤、成型体等の集合体に注ぎ硬化させる時は、全体
が一体化した構造体として耐熱性等の優れた物性を発揮
することが良く理解される。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性ケイ酸アルカリ液と無機質硬化剤、
    さらに必要に応じて填剤が配合されたセメンティング組
    成物において、前記無機質硬化剤として強熱減量が5 
    重量%以下、且つ5 重量%水性懸濁体pHが1.8 
    ないし8.5 の範囲で、化学組成式がBPO4で表わ
    される微粉末の無水リン酸ホウ素を使用することを特徴
    とするセメンティング組成物。
  2. 【請求項2】前記無機質硬化剤が、無水リン酸ホウ素に
    酸化物基準で少なくとも20重量%に相当するアルカリ
    土類金属が含有されている請求項1記載のセメンティン
    グ組成物。
  3. 【請求項3】前記無機質硬化剤が、予め20重量%以下
    量の水、界面活性剤、カップリング剤より選ばれた1な
    いし2種以上の組合わせ液体で湿潤状態に調製されてい
    る請求項1または2記載のセメンティング組成物。
  4. 【請求項4】水溶性ケイ酸アルカリ液のアルカリ成分を
    式 M2O (Mはアルカリ金属元素)で表わして、該
     M2O 100重量部当り前記の無機質硬化剤が30
    ないし400 重量部の割合で配合されている請求項1
    ないし3のいずれか1項記載のセメンティング組成物。
  5. 【請求項5】前記填剤が、粒度 200ミクロン以下の
    充填剤、顔料、ボリュウム材より選ばれた1ないし2種
    以上の組合わせ粉体である請求項1ないし4のいずれか
    1項記載のセメンティング組成物。
  6. 【請求項6】前記の請求項1ないし5のいずれか1項記
    載のセメンティング組成物を、常温を含む220 ℃以
    下の温度で硬化させてシロキサン結合を主鎖とするポリ
    マー硬化体を形成させることを特徴とする結着剤ないし
    は被覆材。
  7. 【請求項7】前記の請求項1ないし5のいずれか1項記
    載のセメンティング組成物 100重量部に、骨材、補
    強材、成型体より選ばれた1ないし2種以上の組合わせ
    配合材が 100ないし 900重量部の範囲で予め加
    えられている配合物を、常温を含む 220℃以下の温
    度で硬化させてシロキサン結合を主鎖とするポリマー硬
    化体をバインダーとして一体化させることを特徴とする
    固化体ないしは構造体。
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