JPH04289210A - 湿式紡糸装置 - Google Patents

湿式紡糸装置

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JPH04289210A
JPH04289210A JP7410291A JP7410291A JPH04289210A JP H04289210 A JPH04289210 A JP H04289210A JP 7410291 A JP7410291 A JP 7410291A JP 7410291 A JP7410291 A JP 7410291A JP H04289210 A JPH04289210 A JP H04289210A
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大森 昭夫
Tomoyuki Sano
佐野 友之
Shunpei Naramura
楢村 俊平
Kenji Nagamatsu
永松 健治
Kunio Yukiyoshi
雪吉 邦夫
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として強度に優れ
たビニルアルコール系ポリマー(以下、PVAと称する
)繊維を安価に、かつ安定的に製造するために利用され
る湿式紡糸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PVA系繊維は、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリアクリロトニリル系繊維に比べて強度、弾性
率が高いため、その主用途である産業資材用繊維として
はもとより、近年ではアスベスト代替のセメント補強材
、ゴム補強材あるいはプラスチック補強材など各種の補
強材に幅広く利用されつつある。
【0003】このような高強度なPVA系繊維を製造す
る方法として、従来から知られているものに、例えば特
開昭59−100710号公報や特開昭61−1087
11号公報等に開示されているように、高分子ポリエチ
レンのゲル紡糸超延伸の考え方を応用して、有機溶媒を
使用して乾湿式紡糸を行なう方法がある。
【0004】上記公報等に開示されている乾湿式紡糸方
法は、紡糸原液であるPVA溶液をノズルより押し出し
、空気層を介して凝固浴中に吐出させる方式であるので
、空気層における曵糸性の維持のためには、PVA溶液
の濃度を余り低くすることができず、したがって、高強
度繊維を得ることが困難である。また、PVA溶液の濃
度を低くすると、ノズル面にポリマー液が粘着して安定
な紡糸が行なえない。さらに、ノズルの吐出孔間のピッ
チが小さいと、ポリマー流同志が接触し易く、吐出直後
の空気層において、吐出糸同志が膠着するため安定な紡
糸ができず、紡糸ができたとしても膠着糸となり、この
膠着糸が延伸時に単糸切れを起こして延伸倍率を上げる
ことができないために、高強度繊維を得にくい。
【0005】従って、上記のような問題を解決するため
には、ノズルの吐出孔間ピッチを大きくしなければなら
ないが、そうすると、多ホール化が困難になり、工業的
生産をしようとすれば、コストの上昇を招く。仮に、孔
数を多くした極大ノズルを作製するとしても、大型であ
る故に、取扱い上および維持保全上で種々の不利がある
ばかりでなく、吐出孔間の吐出斑を起こし易いという別
の問題を生ずる。このように従来の乾湿式紡糸方法では
、工業的な生産を考えた場合、多くの問題を抱えている
。
【0006】上記のような乾湿式紡糸方法のもつ問題点
を生じないものとして、従来、例えば特公昭43−16
675号公報に開示されているような湿式紡糸方法も知
られている。この従来の湿式紡糸方法は、ノズルおよび
このノズルに至る紡糸原液配管を凝固浴内に浸漬させた
ものであるが、この場合は、凝固浴温度と原液温度とが
相互に影響を与え合い、原液と凝固浴との温度差が大き
いと、原液配管およびノズルの中心部と外周部とで温度
斑を生じて原液粘度に斑を発生するために、原液の吐出
を正常均一にすることができず、これが高強度なPVA
繊維の製造を妨げる一因となっており、特に、凝固浴温
度が20℃以下と低い場合に問題が顕著である。
【0007】以上の説明からも明らかなように、高強度
で緻密な良質のPVA繊維を生産性良く製造するにあた
っては、紡糸原液がノズルから押し出される際、他の問
題を発生しない範囲でできるかぎり高温にして、粘度を
低下させて紡糸原液の流動性を増加させること、および
凝固浴ができるだけ低温であることが望ましい。
【0008】前述の如く、湿式紡糸方式では高温の紡糸
原液が低温の凝固浴によってその温度の悪影響を受け、
ノズル部での外周部と中心部とにおける温度斑を生じさ
せ、それによるノズルからの吐出の不均一さを生じ、正
常安定した紡糸ができなくなり、良好な紡糸原糸を得る
ことがむずかしくなる。
【0009】これを防ぐためには、ノズル部ができるだ
け低温の凝固浴中に浸漬しないようにすることが考えら
れ、したがって、ノズル吐出面のみが凝固浴と接するよ
うに装置を構成することが考えられる。しかしこのよう
な構成によれば、温度的な悪影響は少なくなるが、該ノ
ズル孔全面に、乱れのない、かつ新鮮な凝固液を均一に
供給するのがむずかしくなるという新たな問題を引き起
こす。この場合、ノズルから吐出されたばかりの極めて
多数本の吐出糸条への凝固液の均一な供給ができなくな
るので、やはり正常均一な紡糸原糸が得られず、高強力
糸を得るという目的が達せられなくなるのである。
【0010】従って、湿式紡糸方式を採用せんとする場
合、ノズル部はどうしても凝固浴中に進出させ、凝固液
の自然な供給が行ない得る構成が必要となるのである。 つまり、湿式紡糸装置においては、このような構成を前
提としつつ、その上で、前に述べた低温凝固浴からの影
響を排除できる紡糸装置の構成が必要である。
【0011】また、湿式紡糸方法には、紡糸原液を凝固
浴中にその下方から上方へ導入する流上方式と、その逆
に上方から下方へ向けて導入する流下方式とがあり、両
方式を比較してみた場合、流下方式では、凝固浴槽の側
方から供給された凝固液を凝固浴槽内において下向きに
流動する紡糸原液の外周に沿って下降させることが難し
く、そのように供給しようとすれば、凝固浴槽を大型化
する必要があり、さらに、凝固液の供給速度を高速化す
ると、吐出原液および糸の拡がりを小さく安定化するこ
とができない。これに対して、流上方式は紡糸原液およ
び糸の凝固浴中での拡がりを小さく安定化しやすくて、
装置のコンパクト化および紡糸の安定性の面で流下方式
に比べて優れていることを見出した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
ノズルの多孔化が容易で、かつコンパクトで紡糸の安定
性に優れた流上方式の湿式紡糸装置において、正常均一
な吐出が可能で、しかも高強度で均質なPVA繊維を安
定かつ安価に製造することを目的としてなされたもので
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
、この発明に係る湿式紡糸装置は、高温の紡糸原液を低
温の凝固浴中にその下方から上方へ導入することにより
紡糸する湿式紡糸装置であって、凝固浴槽の下部に、上
部にノズルを備えた原液吐出装置が装着され、上記ノズ
ルの上端の原液吐出孔が凝固浴中に進出しており、上記
原液吐出装置における凝固浴中に浸漬した浸漬部の外周
に、上記凝固浴槽の下部から供給された凝固液を上記外
周に沿って上昇させながら上記原液吐出孔の周囲へ向か
わせる導入通路が形成され、上記原液吐出装置は、上記
ノズルヘ原液を供給する原液供給路と、この原液供給路
とノズルのうちの少なくとも原液供給路の外周を覆い、
かつ凝固浴の下面よりも上方へ進出して、原液を保温す
る熱媒通路と、この熱媒通路およびノズルの外周側に設
けられて上記原液吐出装置と凝固浴との間での熱伝導を
抑制する断熱カバーとを備えてなるものである。
【0014】この発明に用いるPVAは、30℃の水溶
液で粘度法により求めた平均重合度が1500未満であ
ると、高強度PVA繊維が得られず、平均重合度が15
00以上であると、高強度PVA繊維が得られる。粘度
平均重合度が3000以上、好ましくは4000以上で
あると、より高強度なPVA繊維が得られ易い。さらに
、好ましくは平均重合度が7000以上であれば、欠陥
になり易い分子鎖末端が少なく、かつ結晶間を連結する
タイ分子が多くなり、さらに高強度のPVA繊維が得ら
れ易い。ただし、粘度平均重合度が10000以上にな
ると、高強度PVA繊維は得られるが、現状の技術から
みてコストの上昇が避けられず、コストパーフォーマン
スの点で最適の平均重合度を選定することが望まれる。
【0015】この発明に用いるPVAのケン化度には特
別な限定はないが、98.5モル%以上が好ましく、9
9.9モル%以上であると、特に耐熱水性が優れるので
、さらに好ましい。この発明に用いるPVAの分岐度に
は特別な限定はないが、分岐度の低い直鎖状のものが好
ましい。また、この発明に用いるPVAは、他のビニル
基を有するモノマー、例えばエチレン、イタコン酸、ビ
ニルピロリドンなどのモノマーを10モル以下、好まし
くは共重合比率が2モル%以下の比率で共重合したポリ
ビニルアルコール系モノマーであってもよい。
【0016】この発明に用いる溶媒としては、PVAを
溶解するものならば特に限定はなく、ジメチルスルホキ
シド(以下、DMSOと称する)、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルイミダゾリジノン、水、グリセリン、エチ
レングリコール、ロダン塩などの水溶液およびこれら溶
媒同志の2種あるいはそれ以上の混合物、例えばDMS
Oと水、ジメチルホルムアミドとエチレングリコール、
エチレングリコールやグリセリンと水、さらに水とn−
プロパノールやイソプロパノール等が挙げられる。この
発明では、後述するように、凝固浴の温度を20℃以下
とすることが好ましい。したがって、上記溶媒の中で、
紡糸原液のゲル化温度が50℃以下となる溶媒組成が好
ましく、30℃以下のゲル化温度を示すか、または冷却
によってゲル化しない溶媒組成がさらに好ましい。中で
も、DMSOは80℃以下で溶解することができ、重合
度の低下が少ないので、特に好ましい溶媒である。
【0017】紡糸原液のPVA濃度は、PVAの重合度
や溶媒の種類によって異なるが、通常2〜30重量%、
好ましくは3〜20重量%とする。特に、この発明では
高強度繊維を得ることを目的としているため、紡糸時の
単糸切れや糸斑、単糸間の膠着等が生じない範囲でPV
A濃度を低くした方が好ましい。その理由は、PVA濃
度の低い方が分子鎖の絡みが少なく、高倍率に延伸が可
能となるからである。
【0018】紡糸原液の紡糸時の温度は、PVA濃度に
よって異なるが、通常40〜150℃とする。凝固浴の
温度は20℃以下とするのが好ましいから、紡糸原液と
凝固浴の温度差は30℃以上となるので、この発明の湿
式紡糸のごとく、紡糸原液と凝固浴の温度が相互に影響
し合う場合は、特に原液の温度斑を生じ易いので、十分
な配慮が必要である。
【0019】また、紡糸原液にはPVAと溶媒以外にも
目的に応じて種々の添加剤、例えば顔料などの着色剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸などのPH
調整剤、硼酸などのゲル化促進剤などを所要量添加して
もよい。さらに、DMSOのように、比較的高い凍結温
度を有する溶媒に対しては、メタノールなどの凝固作用
を有するものでもPVAが凝固しない範囲で添加すると
、凝固浴を溶媒の凍結温度以下としても紡糸原液が凍結
しないので好ましい場合がある。
【0020】この発明に用いる凝固液(浴)としては、
特に限定がなく、PVA繊維の凝固に使用されているボ
ウ硝や硫安などの塩類水溶液、苛性ソーダなどの強アル
カリ水溶液、これらを混合したアルカリ性塩類水溶液な
どの水系凝固浴、メタノール、エタノール、アセトンな
どのPVAに対して凝固作用を有する有機溶媒を主体と
する凝固浴およびこれらと原液溶媒との混合液、さらに
水系と有機溶媒系の凝固液との混合浴などが考えられる
。
【0021】凝固浴温度は20℃以下とするのが好まし
い。20℃を越えると、凝固糸はボイドが多く不透明化
し、均質でなく高強度繊維が得られない。凝固浴温度が
15℃以下であることがさらに好ましく、10℃以下で
あると、均質な凝固糸が得られる点で一層好ましい。た
だし、凝固浴温度があまり低いと、ノズルから吐出され
る紡糸原液が凍結し、吐出不能となることがあるので、
この点を十分に配慮した温度に設定することが重要であ
る。
【0022】つぎに、この発明に係る湿式紡糸装置の好
適実施態様について具体的に説明する。図1は、この発
明の湿式紡糸装置による紡糸方法のモデル図を示し、図
2は、この発明の湿式紡糸装置の要部の縦断面図を示す
。図1において、1は紡糸原液吐出装置で、この原液吐
出装置1は、40℃〜150℃に設定された高温の紡糸
原液を、図示省略したギヤポンプを介して所定量毎に計
量しながら上昇流動させる原液供給管路2と、この原液
供給管路2の上端部に装着された濾斗状のノズル部3と
、上記原液供給管路2の外周を覆い原液を保温する熱媒
通路4と、この熱媒通路4およびノズル部3の外周側に
設けられて原液吐出装置1と後述する凝固浴との間の熱
伝導を抑制する断熱カバー5とからなる。上記ノズル部
3は、図2に示すように、多孔式整流板6、フィルタ7
および押え板8の積層体と、多数の原液吐出孔9aを有
するノズル板9と、ノズル固定用キャップ10とからな
る。
【0023】11は凝固浴槽であり、その底部11aの
上端部に、上方へ向って延びる筒形の本体11bをボル
ト・ナット12により締結している。この凝固浴槽11
内には、20℃以下、好ましくは10℃以下の凝固液(
浴)13が収容されている。上記凝固浴槽11内の凝固
液(浴)13中には、上記原液吐出装置1における上半
部が浸漬され、これによって、上記ノズル部3先端の原
液吐出孔9aが凝固浴13中に進出している。14は凝
固浴供給管で、この凝固浴供給管14は上記凝固浴槽1
1の下部側面に開口させて接続されており、ここから供
給された凝固浴を、図2の矢印Uで示すように、上記原
液吐出装置1における凝固浴13中への浸漬部の外周に
沿って上昇させながら上記ノズル部3の原液吐出孔9a
の周囲へ向かわせる凝固浴導入通路15が、凝固浴槽1
1の内壁と断熱カバー5との間に形成されている。即ち
、上記構成によりノズル部3先端の原液吐出孔9aへの
凝固液の自然かつ均一な供給を可能にしているものであ
る。
【0024】上記熱媒通路4は、上記原液供給管路2の
外周にこの原液供給管路2と同芯状に配置された内外二
重管4A,4Bから構成されている。そのうち内側管4
Aの下端部近くには、温水やシリコンオイルなどの炭化
水素系で紡糸原液と同一の40℃〜150℃に設定され
た原液保温用熱媒の供給口4aが接続されているととも
に、外側管4Bの下端部には熱媒の排出口4bが接続さ
れ、かつ、上記内側管4Aの上端は上記ノズル部3の基
端部付近で開口しており、この開口部を介して内外二重
管4A,4Bが接続されて熱媒のUターン流路4cが形
成されている。こうして、熱媒供給口4aから入り、内
側管4A、Uターン流路4c、外側管4Bを経て熱媒排
出口4bから排出されるように形成された熱媒通路4は
、上記凝固浴13の下面よりも上方へ進出して、紡糸原
液を保温する。
【0025】また、上記断熱カバー5は、その目的がノ
ズル部3から吐出される直前の紡糸原液と凝固浴13と
の間の熱の授受を抑制して両者の温度が相互に影響し合
うことを防止する点にあり、これがこの発明の重要なポ
イントの1つである。この断熱カバー5は、ポリプロピ
レンやテフロンなどのプラスチック成形物、硬質発泡プ
ラスチック、軟質発泡プラスチック、セラミックなどの
ように、熱伝導率が1Kcal/m・hr・℃以下のも
のから構成されている。特に、取扱性の面からみて、ポ
リプロピレンなどのプラスチック成形物や硬質発泡プラ
スチック成形物が好ましい。この断熱カバー5はボルト
20を介して上記ノズル固定用キャプ10に固定され、
このノズル固定用キャップ10はボルト16を介して、
上記内外二重管4A,4Bの外側に嵌合されたステンレ
ス製筒体17に固定されており、また、この断熱カバー
5の上端外周には上方ほど小径になるような円錐面5a
が形成されていて、凝固浴導入通路15内を上昇してく
る凝固浴13がノズル部3の吐出孔9aの全周に均一に
まわりやすくしている。
【0026】なお、上記ステンレス製筒体17の下部に
図2に示すような断熱用空気溜り部18を形成して、低
温の凝固浴13の温度が高温の紡糸原液に影響を与えな
いようにすることが望ましいが、この空気溜り部18の
存在は特に必要としない。また、上記熱媒通路4は、そ
の上端がノズル部3の原液吐出孔9aを含む面と同一ま
たはほぼ同一高さレベルに達するように形成することが
理想的であるが、ノズル部3の原液吐出孔9aを含む面
から下方に10cm以内にその上端が位置するように形
成すれば、保温能力の面からは充分である。
【0027】図1において、19は紡糸筒12の上部に
配置されたゴデットローラであり、このローラ19によ
り凝固浴13から引き取られた凝固糸は、以下の工程に
従って繊維化される。すなわち、メタノールや水などの
抽出液により糸中の原液溶媒などを抽出洗條除去して乾
燥する。乾燥前に、1段あるいは好ましくは多段で合計
2倍以上の湿延伸を施しておけば、乾燥時の膠着を防止
することができる。より好ましくは、2.5倍ないし5
.5倍の湿延伸倍率に設定することである。湿延伸倍率
が6倍を越えると、単糸切れや断面変形などを招きやす
い。乾燥温度は30℃〜150℃が乾燥効率、性能維持
の面で好ましい。
【0028】次いで、高温高倍率で熱延伸し、分子を配
向結晶化させて高強度繊維とする。熱延伸は、210℃
以上、より好ましくは220℃〜250℃で、全延伸倍
率が16倍以上、より好ましくは18倍以上、さらに好
ましくは20倍以上となるように実施する。この発明の
紡糸方法においては、凝固斑、デニール斑のない均一な
紡糸ができるので、高延伸倍率が可能となり、高強度繊
維を得ることができる。熱延伸は乾熱でも、シリコンな
どの熱媒浴中、あるいは高温蒸気中などの湿熱でもよい
。また、1段あるいは2段以上で熱延伸してもよい。 さらに、必要に応じて熱処理や熱収縮を施してもよい。
【0029】
【作用】以上のごとく、この発明によれば、紡糸原液を
凝固浴中にその下方から上方へ導入する流上方式とする
ことと、熱媒通路を凝固浴の下面よりも上方へ進出させ
て、ノズルを凝固浴中に浸漬しながらも熱媒の循環によ
り吐出直前まで原液を保温させ、原液が熱媒により保温
されない非加熱ゾーンを短かくしたこと、およびその非
加熱ゾーンに設けた断熱カバーにより、ノズルの原液吐
出孔を除いて原液と凝固浴との間の熱伝導を抑制したこ
とに重要なポイントがあり、これらによって、ノズルの
吐出孔から吐出直前の高温原液と低温の凝固浴との間の
熱授受にともなうデニール斑や凝固斑の発生を抑えて、
均質な繊維の製造が可能となり、そのため、高強度PV
A繊維を安定かつ安価に製造することが可能である。
【0030】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。ただし
、この発明は以下の実施例に限定されるものでない。
【0031】粘度平均重合度4100、ケン化度99.
8モル%のPVAを9重量%となるようにDMSOに添
加し、さらに凍結防止剤としてメタノールを2重量%添
加して、80℃にて窒素雰囲気下で溶解して紡糸原液と
する。このようにして得られた紡糸原液を孔径0.12
mm、孔数600、孔ピッチ1.1mmのノズルより、
1℃のメタノール/DMSO=7/3よりなる凝固浴1
3中に吐出して、流上方式の湿式紡糸を実施した。この
際、原液供給管路の外側の熱媒通路に70℃の温水を循
環させた。この温水は、ノズルの原液吐出孔9aを含む
面から下4cmまで循環されるように配慮し、かつノズ
ル板9およびノズル固定用キャップ10は、熱伝導率が
1.0Kcal/m・hr・℃のポリプロピレン製断熱
カバー5により覆い、原液と凝固浴との間の熱の授受を
抑制した。そして、得られた凝固糸をメタノール浴に浸
漬し、DMSOを抽出するとともに、2段階で合計4.
5倍の湿延伸を施し、90℃の熱風で乾燥した。次いで
、180℃−200℃−235℃の温度勾配を有する熱
風炉中で全延伸倍率が22.5倍になるように熱延伸し
た。その結果、全工程を通じて、8時間以上にわたり断
糸などのトラブルがなく、安定しており、断面は円形で
均一であった。また、得られた繊維の強度は21.8g
/dで、単糸の変動率は7%であった。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、紡糸
原液の非加熱ゾーンを短かくし、かつその非加熱ゾーン
において、紡糸原液と凝固浴との間の熱伝導を抑制する
ことにより、従来の流上方式湿式紡糸方法の短所、つま
り紡糸原液と凝固浴の温度が相互に影響し合うことによ
る原液の温度斑および粘度斑の発生を防いで、原液を正
常均一に吐出させることができるとともに、流上方式湿
式紡糸方法の長所、つまり低濃度で多孔紡糸、コンパク
トで、かつ安定のよい紡糸機能をそのまま生かすことが
できる。これによって、高強度で均質なPVA繊維を安
定に製造することができ、このようにして得られたPV
A繊維は、自動車用タイヤやホース等のゴム資材分野、
繊維補強コンクリート(FRC)や繊維補強プラスチッ
ク(FRP)等の補強材分野などに幅広く有効に利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る湿式紡糸装置による流上方式紡
糸法を説明するためのモデル図である。
【図2】この発明の湿式紡糸装置の要部を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1…紡糸原液吐出装置、2…原液供給管路、3…ノズル
部、4…熱媒通路、5…断熱カバー、9a…原液吐出孔
、11…凝固浴槽、13…凝固液(浴)、14…凝固液
供給管、15…凝固浴導入通路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  高温の紡糸原液を低温の凝固浴中にそ
    の下方から上方へ導入することにより紡糸する湿式紡糸
    装置であって、凝固浴槽の下部に、上部にノズルを備え
    た原液吐出装置が装着され、上記ノズルの上端の原液吐
    出孔が凝固浴中に進出しており、上記原液吐出装置にお
    ける凝固浴中に浸漬した浸漬部の外周に、上記凝固浴槽
    の下部から供給された凝固液を上記外周に沿って上昇さ
    せながら上記原液吐出孔の周囲へ向かわせる導入通路が
    形成され、上記原液吐出装置は、上記ノズルヘ原液を供
    給する原液供給路と、この原液供給路とノズルのうちの
    少なくとも原液供給路の外周を覆い、かつ凝固浴の下面
    よりも上方へ進出して、原液を保温する熱媒通路と、こ
    の熱媒通路およびノズルの外周側に設けられて上記原液
    吐出装置と凝固浴との間での熱伝導を抑制する断熱カバ
    ーとを備えてなる湿式紡糸装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104099676A (zh) * 2014-07-11 2014-10-15 江苏鹰游纺机有限公司 腈纶长丝纺丝装置

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