JPH04304351A - 生産効率が高く深絞り性に優れるZn系溶融めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
生産効率が高く深絞り性に優れるZn系溶融めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH04304351A JPH04304351A JP8921291A JP8921291A JPH04304351A JP H04304351 A JPH04304351 A JP H04304351A JP 8921291 A JP8921291 A JP 8921291A JP 8921291 A JP8921291 A JP 8921291A JP H04304351 A JPH04304351 A JP H04304351A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Zn系溶融めっきを施
した▲r▼値1.4以上を有する深絞り用熱延鋼板の製
造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にZn系溶融めっき熱延鋼板は熱間
圧延終了後、コイルに巻取られ100℃未満に長時間か
けて自然冷却された後、酸洗ラインにおいて80℃程度
でデスケーリングされ、さらにその後、溶融めっきライ
ンで処理される。なお、Zn系溶融めっき冷延鋼板の場
合は酸洗と溶融めっきの間に冷間圧延が行われる。また
、溶融めっきラインとしては、酸化性雰囲気ガス中で7
00〜800℃程度に加熱し、酸洗工程およびその後の
搬送時に鋼板表面に付着したスマット等と呼ばれる異物
(Fe酸化物、Fe+珪酸塩等)、油脂等の表面汚物を
燃焼除去させ、さらに水素雰囲気ガス中で還元すること
により、めっき密着性に必要な表面清浄性を確保し、そ
の後非酸化性もしくは還元性雰囲気中でめっき浴温近傍
まで冷却して溶融めっきするいわゆるゼンジマー法、あ
るいは水素雰囲気ガス中で700〜800℃程度に加熱
し、スマット、油脂等の表面汚物を除去し、めっき密着
性に必要な表面清浄性を確保し、その後非酸化性もしく
は還元性雰囲気中でめっき浴温近傍まで冷却して溶融め
っきするいわゆる無酸化炉法が採用されている。 【0003】Zn系溶融めっき熱延鋼板の場合、酸洗工
程およびその後の搬送時に鋼板表面に付着したスマット
、油脂等の表面汚物を燃焼、還元により除去し、めっき
密着性に必要な表面清浄性を確保するため、700〜8
00℃程度への加熱が避けられないのである。 【0004】しかるにめっき密着性に必要な表面清浄性
を確保するために、100℃未満の低温から700〜8
00℃程度の高温まで加熱することは膨大なエネルギー
・長大な加熱炉を必要とするため、操業コスト負担が大
きい。さらに、その後、両者の中間的温度であるめっき
浴温(500℃程度)近傍まで冷却することは熱エネル
ギーの多大な損失である。さらに高温の水素雰囲気中で
は鋼板に水素が吸蔵され、めっき後、この水素が鋼板と
めっきの界面に放出され、めっき表面にふくれ状の欠陥
を誘起するという欠点がある。以上の問題を解決する方
法として、例えばめっき前処理としてNiまたはNi系
合金を被覆する方法(特開昭61−44168号公報)
が開示されているが、加熱温度の低減は可能なものの、
前処理温度が150℃以下であるため、一旦コイルを冷
却する必要があり、巻取り後の所要日数を短縮できない
ばかりか、コイルの保有熱を利用することが出来ず、依
然としてエネルギー損失はまぬがれず、さらに前処理工
程数増のため、操業コストが増大する。また、めっき表
面のふくれ状欠陥(外観の劣化のみならず、耐剥離性、
耐食性の劣化につながる)を避けるため、加熱温度を6
00〜720℃に低減する方法(特開昭52−9554
3号公報)が開示されているが、酸による洗浄のため、
鋼板温度は一旦100℃未満に低下するため、巻取り後
の所要日数を短縮できないばかりか、コイルの保有熱を
利用することはできず、600〜720℃の加熱温度で
は依然として膨大なエネルギー・長大な加熱炉を必要と
するため、操業コスト低減効果は小さい。 【0005】さらに特開昭61−204332号公報で
は、300〜800℃の温度範囲で、歪速度300S−
1で仕上げ圧延し、その後400℃以下で巻取った後連
続溶融めっきラインで再結晶、めっき処理を行う発明が
ある。この発明はα域圧延で高歪速度が必要なため、現
状の連続圧延ラインとしては非常に圧延負荷が大きい。 【0006】一方、熱延鋼板の絞り性を向上させる鋼板
としては、温間圧延で潤滑を施す高▲r▼値熱延鋼板の
製造方法がある。(特開昭61−3844号公報等)こ
れは、通常の熱延工程を利用して▲r▼値を向上させる
方法が使用されている。この方法は析出物の固定を目的
に低温加熱を行い、その後α域で高潤滑圧延を行った後
に自己焼鈍もしくは再結晶処理によって高▲r▼値熱延
鋼板を得るものであった。この発明では、熱延で高濃度
の潤滑を施さなければ十分摩擦係数を下げることができ
ないため、圧延中のスリップを起こすなどの障害をとも
なっていた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記に示した温間潤滑
圧延法では、連続的に鋼板を製造している製造ラインで
実施する場合、次記する多大の問題点が生じている。 【0008】■低温加熱の実施:通常の熱延工程の加熱
温度は、通常のホットファイナル材が仕上げ温度をAr
3 以上を確保するために1100℃以上を確保してい
る。このため温間潤滑圧延法のように加熱炉を低温にし
て鋼板を製造すると、通常加熱温度と低温加熱温度の設
定温度変更に要する時間のロスが生じ、生産効率を悪化
させる。 【0009】■α域圧延:仕上げ温度を低温にするため
、粗圧延から、仕上げ圧延までの間で時間調整が必要と
なり、ここでも時間のロスが生じ、同様に生産効率を悪
化させる。 【0010】■高潤滑:高潤滑の圧延油を用いるために
、通常の製品を製造する場合は濃度を薄く変える必要が
あり、さらにロールに付着した油を取り除くなどの手間
が必要となり、作業性、生産効率を悪化させる。 【0011】■熱延鋼板にZnめっきを施す工程では、
酸による洗浄のため鋼板温度は一旦100℃未満に低下
するため、巻取り後の所要日数を短縮できないばかりか
、コイルの保有熱を利用できずめっき前の加熱工程で依
然として膨大なエネルギー・長大な加熱炉を必要とする
ため操業コスト低減効果は低い。 【0012】本発明は、これらの問題点を伴なわず、深
絞り性を有する亜鉛めっき熱延鋼板を製造する方法を提
供するものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、重量%で、C:0.05%以下、N:0.
01%以下で、CおよびNの含有量と、Ti及びNbの
一方或は両方の含有量が、0.4(Ti/48+Nb/
93)≦C/12+N/14≦1.2(Ti/48+N
b/93)の関係にある熱延鋼板用鋼を、Ar3 変態
点以上で熱間圧延を終了した後、700〜800℃で巻
取りを行い、引続き500℃〜800℃で圧延を行なっ
た後にコイル状に400℃以上で巻取り、その後600
℃以上で再結晶焼鈍を行い、400℃以上でドライデス
ケーリングを行い、その後めっき前板温調整を400〜
600℃で行って、Zn系溶融めっきを連続的に行い、
かつ、少なくともドライデスケーリング完了以降は非酸
化性もしくは還元性に雰囲気調整することを特徴とする
めっき表面性状およびめっき密着性に優れ深絞り性に優
れるZn系溶融めっき熱延鋼板の製造方法を第1の手段
とし、重量%で、C:0.05%以下、N:0.01%
以下で、CおよびNの含有量と、Ti及びNbの一方或
は両方の含有量が、0.4(Ti/48+Nb/93)
≦C/12+N/14≦1.2(Ti/48+Nb/9
3)の関係にある熱延鋼板用鋼を、Ar3 変態点以上
で熱間圧延を終了した後、700〜800℃で巻取りを
行い、引続き500〜800℃で圧延を行なった後にコ
イル状に600℃以上で巻取り、400℃以上でドライ
デスケーリングを行い、その後めっき前板温調整を40
0〜600℃で行って、Zn系溶融めっきを連続的に行
い、かつ少なくともドライデスケーリング完了以降は非
酸化性もしくは還元性に雰囲気調整することを特徴とす
るめっき表面性状およびめっき密着性に優れ深絞り性に
優れるZn系溶融めっき熱延鋼板の製造方法を第2の手
段とするものである。 【0014】本発明で言う熱延鋼板とは以下に示すC,
N,Nb,Tiの限定を満たし、その他はJIS G
3131の規程を満たすP,S含有量である鋼を示す。 【0015】 【作用】Znめっき熱延鋼板の▲r▼値を向上させるこ
とは、鋼板の材質特性向上と共に、同様な用途の冷延鋼
板の代替材として使用可能になるために、多大のメリッ
トがある。 【0016】その方法の一つである、潤滑圧延法は、高
い▲r▼値が得られ、絞り性も冷延鋼板と比較しても高
い部類にある。しかし、この鋼板の製造には、低温加熱
、α域圧延、高潤滑等、これまでのラインに対し多大の
負荷をかけることになり、生産効率を悪化させる要因に
なっていた。 【0017】本発明者らは、これらの問題点を解決する
ため、 【0018】■通常の熱延工程を高▲r▼値熱延鋼板製
造のための前工程(準備工程)に位置づけし、生産障害
を出さない条件の製造方法の検討。 【0019】■負荷の大きいα域潤滑圧延は後工程とし
て位置づけ、専用のラインとしての生産方法の検討。 【0020】■■と■の分化を最大に生かして生産効率
の向上と製品の特性向上を計る検討。 【0021】■さらに、熱延鋼板用めっきラインとの連
続化を考え、熱的に省エネ、省工程が可能な連続ライン
の検討。 【0022】を重ね、通常の熱延工程を生産障害なく稼
働するためには、加熱温度を1100〜1200℃の範
囲とし、仕上げ圧延温度はAr3 変態点以上で完了し
て後巻取る必要がある等の知見を得た。 【0023】一方、温間潤滑圧延法では、α域圧延前に
材料の、固溶C,Nをできる限り減らして高潤滑で圧延
することが必要であるが、溶融めっきを施す場合には潤
滑は必要としない知見を得た。また、コイル顕熱を利用
して熱延めっきラインと連続化するために、ドライデス
ケが必要で、さらにその後のめっきラインまでの温度規
制が必要である等の知見を得た。本発明は、これらの知
見に基づいて得られている。以下に条件限定について詳
細に記す。 【0024】(1)鋼板化学成分 本発明において、鋼板化学成分の限定は、熱延材質すな
わち深絞り性(▲r▼値)を高くするために規制される
。本発明で適用するα域圧延法で、深絞り性を向上させ
るためには、深絞り性に有効な結晶方位、{111}面
強度比を増加し、有害な{100}面強度比を低減する
ため、熱延前の鋼板中の固溶C,Nを低減する必要があ
る。そのためには、C≦0.05%、N≦0.01%と
する必要がある。しかし、工業的に可能な下限は略10
ppm程度である。更にC,Nを極微量まで低減させる
ことは不可避的にコストが増大する。 【0025】このコストの増大を防止するため、本発明
ではNb,Tiを添加してC,Nを析出物の形で固定す
る。しかし、このNb,Tiの添加もコストも増大する
ためC,N量とのバランスを取る必要がある。従って、
本発明では、C/12+N/14≦1.2(Ti/48
+Nb/93)の式によって上記のバランスを取り、固
溶CとNを炭窒化物として十分固定し、固溶C,Nを減
少させて{111}/{100}を比を向上させ、深絞
り性を向上させている。 【0026】また、0.4(Ti/48+Nb/93)
≦C/12+N/14の条件を設け、{111}/{1
00}比の向上が飽和して以降のNb,Tiの過剰な添
加を防ぎ、無用なコスト上昇を防止している。 【0027】また、P,S,Mnについては多すぎると
軟質化および延性の劣化をおこすため、P≦0.03%
,S≦0.035%,Mn≦0.5%とする。 【0028】(2)圧延素材 従来の温間潤滑圧延法では圧延素材は熱延鋼板中の固溶
C,Nを減少するためにTi,Nbとの炭窒化物を析出
させた方がよく、析出しやすいように低温加熱で行う方
がよい。しかし、本発明では、それに伴う生産効率の悪
化をさけ、巻取り工程で析出を狙うため、圧延素材条件
の限定はなく、通常の連続鋳造スラブ、薄肉の連続鋳造
スラブ、ダイレクトローリング法などの適用も可である
。 【0029】(3)熱間圧延条件 細粒のフェライトを得るには、仕上げ圧延温度を850
℃〜950℃とするのが望ましい。圧下率については特
に限定しないが、仕上げ全体の圧下率及び後半の圧下率
を高めることで更に細粒を得られることは言うまでもな
い。 【0030】(4)巻取り温度条件 本発明の手段の中で最も重要な巻取り温度は800〜7
00℃の温度とする。 【0031】従来は、圧延前に炭窒化物を析出させるた
めには加熱工程での析出を利用していた。そのためには
低温加熱が必要となり、上述したように不可避的に生産
効率が悪化していた。 【0032】(5)温間圧延条件 これに続く温間圧延工程は、高温巻取りの顕熱を利用す
るため、従来のようにα域圧延を行うための仕上げ圧延
前での待ちによる時間ロスは生じない。巻取り後にその
まま圧延を行うことも可能であり、また所定温度になっ
たコイルを選択して圧延を行うことも可能である。 【0033】一般に圧延前に、鋼板中の固溶C,Nがな
い状態でフェライト域で圧延を行うと▲r▼値を向上さ
せる{111}面強度が増加する。しかし、通常の圧延
では板厚の中心相の{111}は発達するが、表層は、
剪断歪の影響によって{110}が発達し、▲r▼値の
向上を阻害する。したがって、それを防止するために、
高▲r▼値熱延鋼板を製造する場合は、低温で潤滑を施
しつつ圧延を行う。この時、圧延仕上げ温度が低いほど
中心層の{111}の発達は大きくなるが低すぎると圧
延負荷が大きくなり、圧延に支障を来すことになる。圧
延温度がα域の高温領域では回復が早く、歪の蓄積が少
なくなり、{111}面強度は低下する。従って仕上げ
圧延工程でのα域の歪を多く蓄積させるために最終仕上
げ温度の上限は800とした。以上より熱延仕上げ圧延
温度範囲は圧延温度500℃〜800℃とした。 【0034】また、本発明者らは、連続工程に於てZn
溶融めっきを行うと、熱延工程で潤滑圧延を施さなくと
も高い▲r▼値を得られることを発見した。この原因は
、明確ではないが、Znめっき処理によって表層に合金
層ができる際に、▲r▼値向上に悪影響を及ぼす{11
0}面の層が消失してしまうためと考えられる。したが
って、温間圧延材に亜鉛めっき処理を施す場合には、潤
滑は施さなくともよく、本発明では仕上げ温度を500
℃から800℃の条件のみに規制している。 【0035】(6)温間圧延後の巻取り温度条件本発明
に於て温間圧延後の巻取り温度の下限は400℃とする
。以下に限定理由について述べる。巻き取り温度が40
0℃未満では、コイルの保有熱の有効利用ができなくな
り、エネルギ損失を生ずるため、めっき前の400〜6
00℃への温度調整に要する設備が長大となり、設備コ
ストの低減効果を享受できない。また、本発明の熱延鋼
板は、高▲r▼値を付加するために、温間圧延を行う。 このために巻取り温度は低くなる可能性が高い。 従って、再結晶を起こさせるために、600℃以上の再
結晶焼鈍が必要である。 【0036】しかし、近接コイラーなどで高温巻取りを
行い、巻取り温度を再結晶可能な600℃以上に確保で
きた場合は再結晶焼鈍工程は不要である。 【0037】温間圧延以降の工程は、後工程のデスケー
リング効率を高めるため、スケール厚を薄くする工程条
件を採用することも可能である。例えばAr、N2 等
の不活性雰囲気中での圧延、スケール制御作用を有する
溶媒を含む冷却水での圧延スタンド間、ホットランテー
ブル上での冷却、巻取ったコイルのN2 シール雰囲気
BOX内での冷却などの採用が可能である。また、連続
化を狙って温間圧延後に巻き取らずにそのまま再結晶焼
鈍工程もしくはドライデスケーリング工程につなぐこと
も可能である。 【0038】(7)デスケーリング条件デスケーリング
は酸液を使用しないドライデスケーリングに限定される
。これにより酸洗工程に起因する鋼板表面に付着したス
マットの発生が避けられるため、異物を加熱燃焼除去さ
せることなく、めっき密着性に必要な表面清浄性を確保
することが可能となる。具体的なドライデスケーリング
の方法としては真空アーク(10−4〜10−4Tor
r)、プラズマ、反応(還元)、磁性研磨(数十ミクロ
ン〜数百ミクロンの磁性粉を使用)、ショットブラスト
、サンドブラスト、グリッドブラスト、ワイヤーブラシ
、グラインダーなどを単独ないしは組合せ利用すること
ができる。 【0039】なお、ドライデスケーリングにより得られ
ためっき密着性に必要な表面清浄性を維持するため、少
なくともドライデスケーリング完了後はアンゴン、窒素
等の不活性ガス雰囲気、不活性ガスと水素の混合雰囲気
、水素雰囲気等の非酸化性もしくは還元性雰囲気に維持
する必要がある。非酸化性もしくは還元性雰囲気中でド
ライデスケーリングを実施してもよいことはいうまでも
ない。特にSi等を多量に含有する難めっき材に対して
は還元性雰囲気を採用することが望ましい。 【0040】また、ドライデスケーリングは400℃以
上で開始し、400〜600℃で実施終了させなければ
ならない。以下にその限定理由を述べる。 【0041】ドライデスケーリング温度が400℃未満
では通板時の曲げ曲げ戻し等に伴う鋼板の変形により腰
折れと称される歪模様が発生し、外観品位を害する。さ
らに、コイルの保有熱の有効利用ができなくなり、エネ
ルギ損失を生ずるため、400〜600°へのめっき前
の板温調整に要する設備が長大となり、設備コストの低
減効果を享受できない。 【0042】(8)ドライデスケーリング後の工程条件
ドライデスケーリングにより得られためっき密着性に必
要な表面清浄性を維持するため、ドライデスケーリング
後、連続的に非酸化性もしくは還元性雰囲気中で400
〜600℃にめっき前板温調整を行い、溶融めっきを行
う。特にSi等を多量に含有する難めっき材に対しては
還元性雰囲気を採用することが望ましい、以下にめっき
前板温の限定理由を述べる。400℃未満ではいわゆる
「ぬれ性」が確保できず、不めっきないしはめっき密着
性の劣化を生ずる。一方、600℃を越えると、還元雰
囲気中の水素が鋼板中へ吸蔵されやすくなり、めっき表
面のふくれ状欠陥を生じやすくなる。さらにZnとFe
の合金化反応が過度に進行し、Γ相等を脆いめっき層が
出現し、めっき密着性を劣化させる。また、温度調整に
要するエネルギーコスト・設備コストの観点からも60
0℃を越えると損失が多大となる。 【0043】 【表1】 【0044】 【表2】 【0045】さらにめっき完了後、必要とされる特性・
用途に応じてスキンパス、クロメート処理、ボンデ処理
、塗装などの種々の後処理を適宜選択することが可能で
ある。 【0046】 【実施例】(1)実施例1 表1、2に供試材の化学成分、熱延条件および温間圧延
条件を示す。このコイルを直ちに750℃で再結晶焼鈍
を行い、450℃で真空アークによるドライデスケーリ
ングを行った後、80%N2 −20%H2 雰囲気で
めっき前板温を480℃に調整し、めっき浴温470℃
のZn−0.2%Al成分のめっき浴中で190g/m
2 の付着量のめっき処理を行い、めっき密着性をDU
PONT衝撃試験機で、めっき表面のふくれ状欠陥を目
視で、材質を▲r▼値測定(引張試験)で評価した。 【0047】なお、評価はめっき後、30日経過してか
ら実施した。結果を表3に示す。鋼記号A〜Eの種々の
成分系に対し、優れためっき密着性を示し、ふくれ状欠
陥、▲r▼値低下も認められず、良好なめっき製品が得
られた。 【0048】さらに裸耐食性、塗装耐食性を塩水噴霧試
験で、化成処理性を化成皮膜付着量で、塗装密着性をエ
リクセン試験で評価したが、いずれの特性も良好であっ
た。しかし、Al材は温間圧延温度が800℃以上のた
めに{111}面強度の発達が妨げられ、B3材は巻取
り温度が低かったために、炭窒化物の析出が不十分で固
溶C,Nが固着できなかったため、同様にC材はTi,
Nb無添加で固溶C,Nが固着できなかったためにいず
れも1.4以上の高い▲r▼値は得られなかった。 【0049】B2材は圧延時の潤滑の必要性を見るため
に、高潤滑油を用い、その他はB1とほぼ同じ条件で製
造したものであるが、B1とB2はほぼ同じ値の▲r▼
値が得られ、Znめっき鋼板は無潤滑圧延でも高い▲r
▼値が得られた。 【0050】 【表3】 【0051】(2)実施例2 表1,2に示した条件で製造されたコイルを用いて表4
に示す温度で磁性研磨と還元の併用によるドライデスケ
ーリングを行い、85%N2 −15%H2 雰囲気中
でめっき前板温調整を行った後、めっき浴温470℃の
Zn−0.10%Alめっき浴成分中で溶融めっきを行
って90g/m2のめっき付着の後、めっき密着性をD
UPONT衝撃試験機で、めっき表面のふくれ状欠陥お
よび腰折れを目視で、材質劣化を引張試験で評価した。 なお、評価はめっき後、30日経過してから実施した。 【0052】結果を表4に示す。 No.1はドライデ
スケーリング温度が高すぎるため、ふくれ状欠陥が発生
した。またドライデスケを条件内に揃えても No.2
のようにめっき前板温が高すぎるとふくれ状欠陥が発生
し、さらにZnとFeの合金化が過度に進行したため、
めっき密着性も劣化を生じた。また逆に No.3はめ
っき前板温が低すぎるため、めっき密着性が劣化し、不
めっき部を生じた。また、 No.7は焼鈍温度が低す
ぎ、鋼板が再結晶できなかったために高い▲r▼値は得
られなかった。 No.5.9は、ドライデスケ温度が低く、十分な熱
利用ができず、コストメリットは小さかった。 【0053】No4,6,8は本発明の条件を満たして
おり、優れためっき密着性を示し、ふくれ状欠陥・腰折
れ・はみとめられず、しかも▲r▼値は高い深絞り性に
優れる良好なめっき製品が得られた(凡例は表2に同じ
)。 【0054】 【表4】 【0055】(3)実施例3 表1〜3に示した条件で製造されたコイルA2を用いて
600℃で真空アークによるドライデスケーリングを行
い、100%N2 雰囲気中で表5に示す温度で板温調
整し、溶融めっきを行い付着量を150g/m2 とし
て、めっき密着性をDUPONT衝撃試験機で、めっき
表面のふくれ状欠陥を目視で、▲r▼値を引張試験で評
価した。なお、評価はめっき後、30日経過してから実
施した。結果を表5に示す。各種浴成分に対し、優れた
めっき密着性を示し、ふくれ状欠陥・▲r▼値低下もみ
とめられず、良好なめっき製品が得られた(凡例は表3
に同じ)。 【0056】 【表5】 鋼記号:A2 デスケーリング温度:600℃ 雰囲気:100%N2 めっき付着量:150g/m2 【0057】 【発明の効果】以上説明した本発明によると、通常熱延
工程ラインの生産性を下げることなく高い絞り性を有す
る高▲r▼値めっき熱延鋼板を円滑、安定して製造する
ことが可能となり、この種製品の製造費を大幅に低減す
るため等、この種分野にもたらす効果は大きい。
した▲r▼値1.4以上を有する深絞り用熱延鋼板の製
造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にZn系溶融めっき熱延鋼板は熱間
圧延終了後、コイルに巻取られ100℃未満に長時間か
けて自然冷却された後、酸洗ラインにおいて80℃程度
でデスケーリングされ、さらにその後、溶融めっきライ
ンで処理される。なお、Zn系溶融めっき冷延鋼板の場
合は酸洗と溶融めっきの間に冷間圧延が行われる。また
、溶融めっきラインとしては、酸化性雰囲気ガス中で7
00〜800℃程度に加熱し、酸洗工程およびその後の
搬送時に鋼板表面に付着したスマット等と呼ばれる異物
(Fe酸化物、Fe+珪酸塩等)、油脂等の表面汚物を
燃焼除去させ、さらに水素雰囲気ガス中で還元すること
により、めっき密着性に必要な表面清浄性を確保し、そ
の後非酸化性もしくは還元性雰囲気中でめっき浴温近傍
まで冷却して溶融めっきするいわゆるゼンジマー法、あ
るいは水素雰囲気ガス中で700〜800℃程度に加熱
し、スマット、油脂等の表面汚物を除去し、めっき密着
性に必要な表面清浄性を確保し、その後非酸化性もしく
は還元性雰囲気中でめっき浴温近傍まで冷却して溶融め
っきするいわゆる無酸化炉法が採用されている。 【0003】Zn系溶融めっき熱延鋼板の場合、酸洗工
程およびその後の搬送時に鋼板表面に付着したスマット
、油脂等の表面汚物を燃焼、還元により除去し、めっき
密着性に必要な表面清浄性を確保するため、700〜8
00℃程度への加熱が避けられないのである。 【0004】しかるにめっき密着性に必要な表面清浄性
を確保するために、100℃未満の低温から700〜8
00℃程度の高温まで加熱することは膨大なエネルギー
・長大な加熱炉を必要とするため、操業コスト負担が大
きい。さらに、その後、両者の中間的温度であるめっき
浴温(500℃程度)近傍まで冷却することは熱エネル
ギーの多大な損失である。さらに高温の水素雰囲気中で
は鋼板に水素が吸蔵され、めっき後、この水素が鋼板と
めっきの界面に放出され、めっき表面にふくれ状の欠陥
を誘起するという欠点がある。以上の問題を解決する方
法として、例えばめっき前処理としてNiまたはNi系
合金を被覆する方法(特開昭61−44168号公報)
が開示されているが、加熱温度の低減は可能なものの、
前処理温度が150℃以下であるため、一旦コイルを冷
却する必要があり、巻取り後の所要日数を短縮できない
ばかりか、コイルの保有熱を利用することが出来ず、依
然としてエネルギー損失はまぬがれず、さらに前処理工
程数増のため、操業コストが増大する。また、めっき表
面のふくれ状欠陥(外観の劣化のみならず、耐剥離性、
耐食性の劣化につながる)を避けるため、加熱温度を6
00〜720℃に低減する方法(特開昭52−9554
3号公報)が開示されているが、酸による洗浄のため、
鋼板温度は一旦100℃未満に低下するため、巻取り後
の所要日数を短縮できないばかりか、コイルの保有熱を
利用することはできず、600〜720℃の加熱温度で
は依然として膨大なエネルギー・長大な加熱炉を必要と
するため、操業コスト低減効果は小さい。 【0005】さらに特開昭61−204332号公報で
は、300〜800℃の温度範囲で、歪速度300S−
1で仕上げ圧延し、その後400℃以下で巻取った後連
続溶融めっきラインで再結晶、めっき処理を行う発明が
ある。この発明はα域圧延で高歪速度が必要なため、現
状の連続圧延ラインとしては非常に圧延負荷が大きい。 【0006】一方、熱延鋼板の絞り性を向上させる鋼板
としては、温間圧延で潤滑を施す高▲r▼値熱延鋼板の
製造方法がある。(特開昭61−3844号公報等)こ
れは、通常の熱延工程を利用して▲r▼値を向上させる
方法が使用されている。この方法は析出物の固定を目的
に低温加熱を行い、その後α域で高潤滑圧延を行った後
に自己焼鈍もしくは再結晶処理によって高▲r▼値熱延
鋼板を得るものであった。この発明では、熱延で高濃度
の潤滑を施さなければ十分摩擦係数を下げることができ
ないため、圧延中のスリップを起こすなどの障害をとも
なっていた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記に示した温間潤滑
圧延法では、連続的に鋼板を製造している製造ラインで
実施する場合、次記する多大の問題点が生じている。 【0008】■低温加熱の実施:通常の熱延工程の加熱
温度は、通常のホットファイナル材が仕上げ温度をAr
3 以上を確保するために1100℃以上を確保してい
る。このため温間潤滑圧延法のように加熱炉を低温にし
て鋼板を製造すると、通常加熱温度と低温加熱温度の設
定温度変更に要する時間のロスが生じ、生産効率を悪化
させる。 【0009】■α域圧延:仕上げ温度を低温にするため
、粗圧延から、仕上げ圧延までの間で時間調整が必要と
なり、ここでも時間のロスが生じ、同様に生産効率を悪
化させる。 【0010】■高潤滑:高潤滑の圧延油を用いるために
、通常の製品を製造する場合は濃度を薄く変える必要が
あり、さらにロールに付着した油を取り除くなどの手間
が必要となり、作業性、生産効率を悪化させる。 【0011】■熱延鋼板にZnめっきを施す工程では、
酸による洗浄のため鋼板温度は一旦100℃未満に低下
するため、巻取り後の所要日数を短縮できないばかりか
、コイルの保有熱を利用できずめっき前の加熱工程で依
然として膨大なエネルギー・長大な加熱炉を必要とする
ため操業コスト低減効果は低い。 【0012】本発明は、これらの問題点を伴なわず、深
絞り性を有する亜鉛めっき熱延鋼板を製造する方法を提
供するものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、重量%で、C:0.05%以下、N:0.
01%以下で、CおよびNの含有量と、Ti及びNbの
一方或は両方の含有量が、0.4(Ti/48+Nb/
93)≦C/12+N/14≦1.2(Ti/48+N
b/93)の関係にある熱延鋼板用鋼を、Ar3 変態
点以上で熱間圧延を終了した後、700〜800℃で巻
取りを行い、引続き500℃〜800℃で圧延を行なっ
た後にコイル状に400℃以上で巻取り、その後600
℃以上で再結晶焼鈍を行い、400℃以上でドライデス
ケーリングを行い、その後めっき前板温調整を400〜
600℃で行って、Zn系溶融めっきを連続的に行い、
かつ、少なくともドライデスケーリング完了以降は非酸
化性もしくは還元性に雰囲気調整することを特徴とする
めっき表面性状およびめっき密着性に優れ深絞り性に優
れるZn系溶融めっき熱延鋼板の製造方法を第1の手段
とし、重量%で、C:0.05%以下、N:0.01%
以下で、CおよびNの含有量と、Ti及びNbの一方或
は両方の含有量が、0.4(Ti/48+Nb/93)
≦C/12+N/14≦1.2(Ti/48+Nb/9
3)の関係にある熱延鋼板用鋼を、Ar3 変態点以上
で熱間圧延を終了した後、700〜800℃で巻取りを
行い、引続き500〜800℃で圧延を行なった後にコ
イル状に600℃以上で巻取り、400℃以上でドライ
デスケーリングを行い、その後めっき前板温調整を40
0〜600℃で行って、Zn系溶融めっきを連続的に行
い、かつ少なくともドライデスケーリング完了以降は非
酸化性もしくは還元性に雰囲気調整することを特徴とす
るめっき表面性状およびめっき密着性に優れ深絞り性に
優れるZn系溶融めっき熱延鋼板の製造方法を第2の手
段とするものである。 【0014】本発明で言う熱延鋼板とは以下に示すC,
N,Nb,Tiの限定を満たし、その他はJIS G
3131の規程を満たすP,S含有量である鋼を示す。 【0015】 【作用】Znめっき熱延鋼板の▲r▼値を向上させるこ
とは、鋼板の材質特性向上と共に、同様な用途の冷延鋼
板の代替材として使用可能になるために、多大のメリッ
トがある。 【0016】その方法の一つである、潤滑圧延法は、高
い▲r▼値が得られ、絞り性も冷延鋼板と比較しても高
い部類にある。しかし、この鋼板の製造には、低温加熱
、α域圧延、高潤滑等、これまでのラインに対し多大の
負荷をかけることになり、生産効率を悪化させる要因に
なっていた。 【0017】本発明者らは、これらの問題点を解決する
ため、 【0018】■通常の熱延工程を高▲r▼値熱延鋼板製
造のための前工程(準備工程)に位置づけし、生産障害
を出さない条件の製造方法の検討。 【0019】■負荷の大きいα域潤滑圧延は後工程とし
て位置づけ、専用のラインとしての生産方法の検討。 【0020】■■と■の分化を最大に生かして生産効率
の向上と製品の特性向上を計る検討。 【0021】■さらに、熱延鋼板用めっきラインとの連
続化を考え、熱的に省エネ、省工程が可能な連続ライン
の検討。 【0022】を重ね、通常の熱延工程を生産障害なく稼
働するためには、加熱温度を1100〜1200℃の範
囲とし、仕上げ圧延温度はAr3 変態点以上で完了し
て後巻取る必要がある等の知見を得た。 【0023】一方、温間潤滑圧延法では、α域圧延前に
材料の、固溶C,Nをできる限り減らして高潤滑で圧延
することが必要であるが、溶融めっきを施す場合には潤
滑は必要としない知見を得た。また、コイル顕熱を利用
して熱延めっきラインと連続化するために、ドライデス
ケが必要で、さらにその後のめっきラインまでの温度規
制が必要である等の知見を得た。本発明は、これらの知
見に基づいて得られている。以下に条件限定について詳
細に記す。 【0024】(1)鋼板化学成分 本発明において、鋼板化学成分の限定は、熱延材質すな
わち深絞り性(▲r▼値)を高くするために規制される
。本発明で適用するα域圧延法で、深絞り性を向上させ
るためには、深絞り性に有効な結晶方位、{111}面
強度比を増加し、有害な{100}面強度比を低減する
ため、熱延前の鋼板中の固溶C,Nを低減する必要があ
る。そのためには、C≦0.05%、N≦0.01%と
する必要がある。しかし、工業的に可能な下限は略10
ppm程度である。更にC,Nを極微量まで低減させる
ことは不可避的にコストが増大する。 【0025】このコストの増大を防止するため、本発明
ではNb,Tiを添加してC,Nを析出物の形で固定す
る。しかし、このNb,Tiの添加もコストも増大する
ためC,N量とのバランスを取る必要がある。従って、
本発明では、C/12+N/14≦1.2(Ti/48
+Nb/93)の式によって上記のバランスを取り、固
溶CとNを炭窒化物として十分固定し、固溶C,Nを減
少させて{111}/{100}を比を向上させ、深絞
り性を向上させている。 【0026】また、0.4(Ti/48+Nb/93)
≦C/12+N/14の条件を設け、{111}/{1
00}比の向上が飽和して以降のNb,Tiの過剰な添
加を防ぎ、無用なコスト上昇を防止している。 【0027】また、P,S,Mnについては多すぎると
軟質化および延性の劣化をおこすため、P≦0.03%
,S≦0.035%,Mn≦0.5%とする。 【0028】(2)圧延素材 従来の温間潤滑圧延法では圧延素材は熱延鋼板中の固溶
C,Nを減少するためにTi,Nbとの炭窒化物を析出
させた方がよく、析出しやすいように低温加熱で行う方
がよい。しかし、本発明では、それに伴う生産効率の悪
化をさけ、巻取り工程で析出を狙うため、圧延素材条件
の限定はなく、通常の連続鋳造スラブ、薄肉の連続鋳造
スラブ、ダイレクトローリング法などの適用も可である
。 【0029】(3)熱間圧延条件 細粒のフェライトを得るには、仕上げ圧延温度を850
℃〜950℃とするのが望ましい。圧下率については特
に限定しないが、仕上げ全体の圧下率及び後半の圧下率
を高めることで更に細粒を得られることは言うまでもな
い。 【0030】(4)巻取り温度条件 本発明の手段の中で最も重要な巻取り温度は800〜7
00℃の温度とする。 【0031】従来は、圧延前に炭窒化物を析出させるた
めには加熱工程での析出を利用していた。そのためには
低温加熱が必要となり、上述したように不可避的に生産
効率が悪化していた。 【0032】(5)温間圧延条件 これに続く温間圧延工程は、高温巻取りの顕熱を利用す
るため、従来のようにα域圧延を行うための仕上げ圧延
前での待ちによる時間ロスは生じない。巻取り後にその
まま圧延を行うことも可能であり、また所定温度になっ
たコイルを選択して圧延を行うことも可能である。 【0033】一般に圧延前に、鋼板中の固溶C,Nがな
い状態でフェライト域で圧延を行うと▲r▼値を向上さ
せる{111}面強度が増加する。しかし、通常の圧延
では板厚の中心相の{111}は発達するが、表層は、
剪断歪の影響によって{110}が発達し、▲r▼値の
向上を阻害する。したがって、それを防止するために、
高▲r▼値熱延鋼板を製造する場合は、低温で潤滑を施
しつつ圧延を行う。この時、圧延仕上げ温度が低いほど
中心層の{111}の発達は大きくなるが低すぎると圧
延負荷が大きくなり、圧延に支障を来すことになる。圧
延温度がα域の高温領域では回復が早く、歪の蓄積が少
なくなり、{111}面強度は低下する。従って仕上げ
圧延工程でのα域の歪を多く蓄積させるために最終仕上
げ温度の上限は800とした。以上より熱延仕上げ圧延
温度範囲は圧延温度500℃〜800℃とした。 【0034】また、本発明者らは、連続工程に於てZn
溶融めっきを行うと、熱延工程で潤滑圧延を施さなくと
も高い▲r▼値を得られることを発見した。この原因は
、明確ではないが、Znめっき処理によって表層に合金
層ができる際に、▲r▼値向上に悪影響を及ぼす{11
0}面の層が消失してしまうためと考えられる。したが
って、温間圧延材に亜鉛めっき処理を施す場合には、潤
滑は施さなくともよく、本発明では仕上げ温度を500
℃から800℃の条件のみに規制している。 【0035】(6)温間圧延後の巻取り温度条件本発明
に於て温間圧延後の巻取り温度の下限は400℃とする
。以下に限定理由について述べる。巻き取り温度が40
0℃未満では、コイルの保有熱の有効利用ができなくな
り、エネルギ損失を生ずるため、めっき前の400〜6
00℃への温度調整に要する設備が長大となり、設備コ
ストの低減効果を享受できない。また、本発明の熱延鋼
板は、高▲r▼値を付加するために、温間圧延を行う。 このために巻取り温度は低くなる可能性が高い。 従って、再結晶を起こさせるために、600℃以上の再
結晶焼鈍が必要である。 【0036】しかし、近接コイラーなどで高温巻取りを
行い、巻取り温度を再結晶可能な600℃以上に確保で
きた場合は再結晶焼鈍工程は不要である。 【0037】温間圧延以降の工程は、後工程のデスケー
リング効率を高めるため、スケール厚を薄くする工程条
件を採用することも可能である。例えばAr、N2 等
の不活性雰囲気中での圧延、スケール制御作用を有する
溶媒を含む冷却水での圧延スタンド間、ホットランテー
ブル上での冷却、巻取ったコイルのN2 シール雰囲気
BOX内での冷却などの採用が可能である。また、連続
化を狙って温間圧延後に巻き取らずにそのまま再結晶焼
鈍工程もしくはドライデスケーリング工程につなぐこと
も可能である。 【0038】(7)デスケーリング条件デスケーリング
は酸液を使用しないドライデスケーリングに限定される
。これにより酸洗工程に起因する鋼板表面に付着したス
マットの発生が避けられるため、異物を加熱燃焼除去さ
せることなく、めっき密着性に必要な表面清浄性を確保
することが可能となる。具体的なドライデスケーリング
の方法としては真空アーク(10−4〜10−4Tor
r)、プラズマ、反応(還元)、磁性研磨(数十ミクロ
ン〜数百ミクロンの磁性粉を使用)、ショットブラスト
、サンドブラスト、グリッドブラスト、ワイヤーブラシ
、グラインダーなどを単独ないしは組合せ利用すること
ができる。 【0039】なお、ドライデスケーリングにより得られ
ためっき密着性に必要な表面清浄性を維持するため、少
なくともドライデスケーリング完了後はアンゴン、窒素
等の不活性ガス雰囲気、不活性ガスと水素の混合雰囲気
、水素雰囲気等の非酸化性もしくは還元性雰囲気に維持
する必要がある。非酸化性もしくは還元性雰囲気中でド
ライデスケーリングを実施してもよいことはいうまでも
ない。特にSi等を多量に含有する難めっき材に対して
は還元性雰囲気を採用することが望ましい。 【0040】また、ドライデスケーリングは400℃以
上で開始し、400〜600℃で実施終了させなければ
ならない。以下にその限定理由を述べる。 【0041】ドライデスケーリング温度が400℃未満
では通板時の曲げ曲げ戻し等に伴う鋼板の変形により腰
折れと称される歪模様が発生し、外観品位を害する。さ
らに、コイルの保有熱の有効利用ができなくなり、エネ
ルギ損失を生ずるため、400〜600°へのめっき前
の板温調整に要する設備が長大となり、設備コストの低
減効果を享受できない。 【0042】(8)ドライデスケーリング後の工程条件
ドライデスケーリングにより得られためっき密着性に必
要な表面清浄性を維持するため、ドライデスケーリング
後、連続的に非酸化性もしくは還元性雰囲気中で400
〜600℃にめっき前板温調整を行い、溶融めっきを行
う。特にSi等を多量に含有する難めっき材に対しては
還元性雰囲気を採用することが望ましい、以下にめっき
前板温の限定理由を述べる。400℃未満ではいわゆる
「ぬれ性」が確保できず、不めっきないしはめっき密着
性の劣化を生ずる。一方、600℃を越えると、還元雰
囲気中の水素が鋼板中へ吸蔵されやすくなり、めっき表
面のふくれ状欠陥を生じやすくなる。さらにZnとFe
の合金化反応が過度に進行し、Γ相等を脆いめっき層が
出現し、めっき密着性を劣化させる。また、温度調整に
要するエネルギーコスト・設備コストの観点からも60
0℃を越えると損失が多大となる。 【0043】 【表1】 【0044】 【表2】 【0045】さらにめっき完了後、必要とされる特性・
用途に応じてスキンパス、クロメート処理、ボンデ処理
、塗装などの種々の後処理を適宜選択することが可能で
ある。 【0046】 【実施例】(1)実施例1 表1、2に供試材の化学成分、熱延条件および温間圧延
条件を示す。このコイルを直ちに750℃で再結晶焼鈍
を行い、450℃で真空アークによるドライデスケーリ
ングを行った後、80%N2 −20%H2 雰囲気で
めっき前板温を480℃に調整し、めっき浴温470℃
のZn−0.2%Al成分のめっき浴中で190g/m
2 の付着量のめっき処理を行い、めっき密着性をDU
PONT衝撃試験機で、めっき表面のふくれ状欠陥を目
視で、材質を▲r▼値測定(引張試験)で評価した。 【0047】なお、評価はめっき後、30日経過してか
ら実施した。結果を表3に示す。鋼記号A〜Eの種々の
成分系に対し、優れためっき密着性を示し、ふくれ状欠
陥、▲r▼値低下も認められず、良好なめっき製品が得
られた。 【0048】さらに裸耐食性、塗装耐食性を塩水噴霧試
験で、化成処理性を化成皮膜付着量で、塗装密着性をエ
リクセン試験で評価したが、いずれの特性も良好であっ
た。しかし、Al材は温間圧延温度が800℃以上のた
めに{111}面強度の発達が妨げられ、B3材は巻取
り温度が低かったために、炭窒化物の析出が不十分で固
溶C,Nが固着できなかったため、同様にC材はTi,
Nb無添加で固溶C,Nが固着できなかったためにいず
れも1.4以上の高い▲r▼値は得られなかった。 【0049】B2材は圧延時の潤滑の必要性を見るため
に、高潤滑油を用い、その他はB1とほぼ同じ条件で製
造したものであるが、B1とB2はほぼ同じ値の▲r▼
値が得られ、Znめっき鋼板は無潤滑圧延でも高い▲r
▼値が得られた。 【0050】 【表3】 【0051】(2)実施例2 表1,2に示した条件で製造されたコイルを用いて表4
に示す温度で磁性研磨と還元の併用によるドライデスケ
ーリングを行い、85%N2 −15%H2 雰囲気中
でめっき前板温調整を行った後、めっき浴温470℃の
Zn−0.10%Alめっき浴成分中で溶融めっきを行
って90g/m2のめっき付着の後、めっき密着性をD
UPONT衝撃試験機で、めっき表面のふくれ状欠陥お
よび腰折れを目視で、材質劣化を引張試験で評価した。 なお、評価はめっき後、30日経過してから実施した。 【0052】結果を表4に示す。 No.1はドライデ
スケーリング温度が高すぎるため、ふくれ状欠陥が発生
した。またドライデスケを条件内に揃えても No.2
のようにめっき前板温が高すぎるとふくれ状欠陥が発生
し、さらにZnとFeの合金化が過度に進行したため、
めっき密着性も劣化を生じた。また逆に No.3はめ
っき前板温が低すぎるため、めっき密着性が劣化し、不
めっき部を生じた。また、 No.7は焼鈍温度が低す
ぎ、鋼板が再結晶できなかったために高い▲r▼値は得
られなかった。 No.5.9は、ドライデスケ温度が低く、十分な熱
利用ができず、コストメリットは小さかった。 【0053】No4,6,8は本発明の条件を満たして
おり、優れためっき密着性を示し、ふくれ状欠陥・腰折
れ・はみとめられず、しかも▲r▼値は高い深絞り性に
優れる良好なめっき製品が得られた(凡例は表2に同じ
)。 【0054】 【表4】 【0055】(3)実施例3 表1〜3に示した条件で製造されたコイルA2を用いて
600℃で真空アークによるドライデスケーリングを行
い、100%N2 雰囲気中で表5に示す温度で板温調
整し、溶融めっきを行い付着量を150g/m2 とし
て、めっき密着性をDUPONT衝撃試験機で、めっき
表面のふくれ状欠陥を目視で、▲r▼値を引張試験で評
価した。なお、評価はめっき後、30日経過してから実
施した。結果を表5に示す。各種浴成分に対し、優れた
めっき密着性を示し、ふくれ状欠陥・▲r▼値低下もみ
とめられず、良好なめっき製品が得られた(凡例は表3
に同じ)。 【0056】 【表5】 鋼記号:A2 デスケーリング温度:600℃ 雰囲気:100%N2 めっき付着量:150g/m2 【0057】 【発明の効果】以上説明した本発明によると、通常熱延
工程ラインの生産性を下げることなく高い絞り性を有す
る高▲r▼値めっき熱延鋼板を円滑、安定して製造する
ことが可能となり、この種製品の製造費を大幅に低減す
るため等、この種分野にもたらす効果は大きい。
【図1】本発明で温間圧延後600℃以上の確保が可能
な製造設備の例を示したものである。
な製造設備の例を示したものである。
1 熱間圧延
2 ホットランテーブル
3 コイル
4 保温台車
5 温間圧延
6 ドライデスケーリング
7 めっき前板温調整
8 亜鉛系溶融めっき
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.05%以下、N:
0.01%以下で、CおよびNの含有量と、Ti及びN
bの一方或は両方の含有量が、0.4(Ti/48+N
b/93)≦C/12+N/14≦1.2(Ti/48
+Nb/93)の関係にある熱延鋼板用鋼を、Ar3
変態点以上で熱間圧延を終了した後、700〜800℃
で巻取りを行い、引続き500℃〜800℃で圧延を行
なった後にコイル状に400℃以上で巻取り、その後6
00℃以上で再結晶焼鈍を行い、400℃以上でドライ
デスケーリングを行い、その後めっき前板温調整を40
0〜600℃で行って、Zn系溶融めっきを連続的に行
い、かつ、少なくともドライデスケーリング完了以降は
非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整することを特徴と
するめっき表面性状およびめっき密着性に優れ深絞り性
に優れるZn系溶融めっき熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.05%以下、N:
0.01%以下で、CおよびNの含有量と、Ti及びN
bの一方或は両方の含有量が、0.4(Ti/48+N
b/93)≦C/12+N/14≦1.2(Ti/48
+Nb/93)の関係にある熱延鋼板用鋼を、Ar3
変態点以上で熱間圧延を終了した後、700〜800℃
で巻取りを行い、引続き500℃〜800℃で圧延を行
なった後にコイル状に600℃以上で巻取り、400℃
以上でドライデスケーリングを行い、その後めっき前板
温調整を400〜600℃で行って、Zn系溶融めっき
を連続的に行い、かつ、少なくともドライデスケーリン
グ完了以降は非酸化性もしくは還元性に雰囲気調整する
ことを特徴とするめっき表面性状およびめっき密着性に
優れ深絞り性に優れるZn系溶融めっき熱延鋼板の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8921291A JPH04304351A (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 生産効率が高く深絞り性に優れるZn系溶融めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8921291A JPH04304351A (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 生産効率が高く深絞り性に優れるZn系溶融めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04304351A true JPH04304351A (ja) | 1992-10-27 |
Family
ID=13964413
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8921291A Withdrawn JPH04304351A (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 生産効率が高く深絞り性に優れるZn系溶融めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04304351A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012062559A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Kobe Steel Ltd | 高熱伝導性鋼板 |
| JP2013170299A (ja) * | 2012-02-21 | 2013-09-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 金属コイル材の製造方法及び金属コイル材 |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP8921291A patent/JPH04304351A/ja not_active Withdrawn
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| JP2013170299A (ja) * | 2012-02-21 | 2013-09-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 金属コイル材の製造方法及び金属コイル材 |
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