JPH04310234A - 2次元的に圧縮された単分子膜の製造装置 - Google Patents
2次元的に圧縮された単分子膜の製造装置Info
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- JPH04310234A JPH04310234A JP10042491A JP10042491A JPH04310234A JP H04310234 A JPH04310234 A JP H04310234A JP 10042491 A JP10042491 A JP 10042491A JP 10042491 A JP10042491 A JP 10042491A JP H04310234 A JPH04310234 A JP H04310234A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2次元的に圧縮された
単分子膜の製造方法及び製造装置に関する。更に詳しく
は、本発明は、液体表面層を少なくとも3方向から縮小
自在な仕切り手段により内側領域と外側領域とに仕切り
、内側領域の液体表面上に単分子膜を展開させ、仕切り
手段を少なくとも3方向から縮小させる2次元的に圧縮
された単分子膜の製造方法及び同方法を実施するための
装置に関する。 【0002】本発明の製造方法と装置を用いれば、均一
な膜構造の単分子膜、即ち、分子的厚さの超薄膜である
単分子膜の全面にわたり分子密度や配向が均一な2次元
的に圧縮された膜を効率的に製造することができる。こ
の2次元的に圧縮された単分子膜は、液体表面上で膜分
子密度、分子配向等の膜構造を制御し、その単層又は複
層を適当な固体基板またはその他の材料表面に移し取っ
て用いることができる。 【0003】単分子膜の産業上の利用は多方面にわたり
、例えば、繊維、紙、高分子材料、金属、セラミックス
、無機材料等の固体表面処理加工、超薄膜センサー、光
電変換素子、分子電子デバイス等に用いられている。 【0004】 【従来の技術および発明が解決しようとする問題点】水
、水銀等の液体表面上に展開した単分子膜を液面上で1
ないし2方向から二次元的に圧縮し、単分子膜の構造、
即ち単分子膜の密度、配向等を制御する方法は約100
年前に開発されている。その原理は図2に示す通りであ
る。たとえば、アルミニウム等の金属にパラフィン又は
テフロンコート等で撥水加工した枠付の水槽26に水を
張り、水面上に単分子膜を展開し、仕切り棒21、22
で水面を膜のある内側領域23と膜の無い外側領域24
、25に別け、仕切り棒22は固定し図2において仕切
り棒21を左から右に動かすと水面上の単分子膜は押し
縮められ、膜密度は面積の縮小とともに上昇する。 この際、密度変化と圧力変化の関係は分子面積と表面張
力によって測定することができる。上述の原理を応用す
る従来の方法の大多数においては、その断面が長方形、
正方形、円形又は楕円形等の形状であってその内面をパ
ラフィン又はテフロン処理により撥液加工してある撥液
性箱中に液体を満たし、液表面を箱の上縁部より数ミリ
メートル(たとえば、2〜3mm)盛り上げ、この表面
を撥水加工処理した仕切り棒又は仕切り糸にて区切り、
この区切られた表面部分に展開した単分子膜を仕切り棒
又は仕切り糸を一方向又は二方向から移動させて圧縮す
る。この方法の改良型として、最近、テフロンリボン巻
取り型単分子膜作製装置が提案された。同装置を図3を
参照して説明すると、水面33上で単分子膜31を実質
的に平行に延びる2本のテフロンリボン32、32によ
り囲み、このリボンをテフロンリボン巻取り装置34で
巻取ることにより仕切り部材35を移動させ単分子膜面
積を減小させ単分子膜31を二次元的に圧縮する。この
面積中の膜密度変化と圧力は表面圧センサ(図示せず)
で測定することができる。上記の方法は、膜の圧縮が一
方向又は二方向のみから行なわれ、広い水面上で膜を圧
縮すると、仕切り棒近傍で局所的圧縮が起こり、膜全体
の均一圧縮が困難な場合があった。また、膜製造時に単
分子膜領域からの膜漏れが問題となる事もあった。 【0005】 【問題点を解決するための手段および作用】従来の単分
子膜製造方法及び装置に係る上記の諸問題を解決すべく
研究した結果、本発明者は清浄な水面に展開した単分子
膜を少なくとも3方向から、最も好ましくは円形的に、
縮小自在な仕切り手段を用いて圧縮することにより所望
の単分子膜を効率良く製造できることを知見した。この
新規な知見に基づいて本発明に到達したものである。 【0006】従って、本発明の一つの目的は、従来法の
ものに比べ均一な膜構造の単分子膜、即ち、分子的厚さ
の超薄膜である単分子膜の全面にわたり分子密度や配向
が均一な膜を製造する方法を提供することである。 【0007】本発明の他の目的は、上記の単分子膜を単
分子膜領域からの膜漏れ等のトラブルなく効率的に製造
する方法を提供することである。 【0008】本発明の更に他の目的は、上記方法を実施
するに適した単分子膜製造装置を提供することである。 【0009】前記及びその他の諸目的、諸特徴及び諸利
益は、添付図面に参照して行なう次の詳細な記述より明
らかになろう。 【0010】本発明によれば、液体表面層を少なくとも
3方向から縮小自在な仕切り手段により内側領域と外側
領域とに仕切り、内側領域の液体表面上に単分子膜を展
開させることにより単分子膜が存在しない外側領域から
仕切られ且つ仕切り手段により囲繞された単分子膜領域
を形成し、該仕切り手段を少なくとも3方向から縮小さ
せて該単分子膜領域の面積を縮小し、得られる圧縮単分
子膜を液面から分離取得することを包含することを特徴
とする2次元的に圧縮された単分子膜の製造方法が提供
される。 【0011】また、本発明の他の態様によれば、液体表
面を形成するための液体容器と、液体が充填されたとき
に形成される液体表面層を内側領域と外側領域に仕切り
且つ内側領域を囲繞するように構成された少なくとも3
方向から縮小自在な仕切り手段と、ならびに該仕切り手
段を上記内側領域に対して少なくとも3方向から縮小さ
せるための縮小手段を包含する2次元的に圧縮された単
分子膜の製造装置が提供される。 【0012】対象となる単分子膜材料は極めて多様であ
るが、例えば、脂肪酸、リン脂質、生体関連高分子(た
ん白質、酵素など)、導電性有機化合物、光応答有機化
合物又は上記化合物の混合物を含む。上記化合物が有機
溶媒に可溶であれば有機溶媒に溶かし、有機溶媒に不溶
で水溶性の場合は含水有機溶媒に溶解させ、得られる液
を単分子膜として低分子密度で液体表面に展開する。有
機溶媒は揮発性のものが好ましく、たとえば、ベンゼン
、クロロホルムなどを有利に用いることができる。上記
液体としては、水、アルコール、グリセリン、フォルム
アミド、エチレングリコール、2−メチル−2オキサゾ
リドン、もしくは上記液体の混合物、又は、水銀、ガリ
ウム、もしくは水銀とアマルガムを形成した液体金属な
どを用いる。 【0013】仕切り手段としては、少なくとも3方向か
ら縮小自在に構成されていれば特に限定されないが、単
分子膜領域を囲繞するように屈曲された帯状構造体と該
帯状構造体の両端部を保持する撥液性保持部材を包含す
る仕切り手段又は可変翼式絞り装置を有利に用いること
ができる。 【0014】仕切り手段として単分子膜領域を囲繞する
ように屈曲された帯状構造体と帯状構造体の両端部を保
持する撥液性保持部材を包含する仕切り手段を用いる場
合、上記両端部の少なくとも一方が保持部材に対して摺
動可能に該保持部材に係合されており、上記の少なくと
も一方の端部から該帯状構造体を摺動かつ移動させて液
面での屈曲帯状構造体の長さを減少させることによって
仕切り手段の縮小を行なうことが好ましい。帯状構造体
の材料は、用いる液体に不溶であって単分子膜を展開し
た単分子膜領域を外側から仕切るに十分の強度をもって
おれば、特に限定されないが、ステンレススチールなど
が好ましく用いられる。又、その表面を撥水処理して有
利に用いることができる。具体的な例としては、撥液性
材料を用いたある程度以上のバネ定数をもつ平板バネ、
半シリンダー型バネ、円筒状様バネ等を挙げることがで
きる。縮小手段は、上記の摺動、移動を効果的に行うこ
とのできるものであれば限定されない。縮小には、通常
の電動メカニズムを用いることができる。このようにし
て、帯状構造体により、単分子膜の存在しない外側領域
に対し単分子膜領域を多角形、円形、楕円形、半円形的
に仕切ることができる。保持部材の材料は、撥液性材料
である限り特に限定されないが、たとえば撥液性金属、
無機物又は重合体(テフロンなど)、及び撥液性重合体
で表面加工した用いる液に不溶の材料を有利に用いるこ
とができる。上記の帯状構造体の少なくとも一方の端部
の保持部材との摺動可能な係合方法は特に限定されない
が、帯状構造体の少なくとも一方の端部を保持部材に形
成したスリットを貫通させることにより有利に行なうこ
とができる。たとえば、上記帯状構造体として板バネを
用い、その1端を固定し、他端部を保持部材のスリット
に貫通保持させれば、単分子膜の存在しない外側領域に
対し単分子膜領域を円形的に仕切ることができる。その
際、スリットを貫通した端部を引張って板バネをスリッ
トを介して摺動、移動させることにより、液面での板バ
ネの長さを減少させ、円形の単分子膜領域の面積を縮小
させることができる。 【0015】図1を参照して、帯状構造体を用いる圧縮
方法の具体例を説明すると、単分子膜として形成される
べき、たとえば、脂肪酸、又はリン脂質をベンゼン、ク
ロロホルムなどの有機溶媒に溶かし、この溶液を数滴(
たとえば、全容積量で100μリットル程度)板バネ1
3で囲まれた水槽15内の水表面11上に滴下する。 5〜10分間、有機溶媒の蒸発を待つと、膜物質のみが
水面に残る。この水面上の単分子膜12を円形を保ちつ
つ板バネ13の一端をテフロン製撥液性保持部材14を
通して巻取ると、円の面積は減少し、このため膜物質が
寄せ集められ、円形内の膜物質密度が上昇し膜の圧縮が
達成される。このような圧縮単分子膜作成法は、単分子
膜圧縮方向が全方位にわたるため、仕切り棒近傍での極
所的圧縮が回避され、単分子膜全体の密度の均一化が速
やかに行われる。 【0016】更に、図4を参照して、上記圧縮法を詳細
に説明すると、厚さ1/10乃至数mm程度、幅数十m
m程度の板バネ41を円形に保持する(図4−a)。板
バネ41の一端はテフロン等撥液性材料又は同材料を用
いて金属に撥液加工をした材料からなる円柱状、角柱状
等種々形状の撥液性保持部材44に固定され、他端は摺
動可能に板バネ幅及び厚に等しいか近い撥液性を保ち得
る程度の撥液性保持部材44内部に切込まれたスリット
を通過する。もしくは、両端ともそのようなスリットを
通過させる。板バネ41を囲む周りの外箱45は材質を
問わないが、この外箱に入れる液体に溶けない材料又は
同材料で表面加工した材料を用いる。箱の断面形状は長
方形、正方形、楕円、円形等任意でよい。板バネ41は
外箱45の壁面高さより低い幅のものが用いられる(図
4−b)。一般に、単分子膜43を展開する液体表面4
2は清浄である事が条件となるので、図4−bに示すよ
うに、液面42を外箱壁上縁部より数mm(たとえば、
2〜3mm)高く盛り上げ、この表面を従来の仕切り棒
法で掃き清浄化する。掃き寄せられた表面汚れは従来法
のキャピラリー等による吸引又は掃引により除去される
。このように作られた清浄表面を持つ液体を箱下部ドレ
イン46から液体を排出し、図4−cのように板バネ幅
より低いか又は等しい位置に液面を設定する。板バネで
囲まれた液面上に、従来法におけるのと同様にして、単
分子膜を形成する化合物を分子密度を低くして展開する
。この展開膜は、図4−dに示すように、板バネ41の
両端又は一端を円形又は他の形を保ちつつ摺動かつ移動
させる事により膜物質密度を上げ二次元的に圧縮する。 図示しないが、この圧縮過程では表面張力、膜厚、表面
電位、その他を公知の方法により計測することができる
。撥液性保持部材内の上記の薄い切込スリットを帯状構
造体としての板バネが貫通する時、液体はそのスリット
内に取込まれることなく、従って上記貫通による単分子
膜物質の漏れもない。帯状構造体として板バネを用いた
例を示したが、撥液性のリボン状膜、仕切り棒、仕切り
糸等を用いても、本発明のスリット貫通方法を実施する
ことができる。 【0017】この膜漏れ防止の方法は、1ないし2方向
から単分子膜を圧縮する従来法にも適用可能である。従
って、本発明の更に他の態様によれば、少なくとも一方
が移動可能な2つの対向する縮小側仕切り部材(たとえ
ば、図5の符号54及び56により示されバネ付きステ
ンレススチール製部材等を含む、該部材の移動によって
単分子膜領域の面積が縮小する)と、一方の縮小側仕切
り部材にそれぞれ係合して実質的に平行に延びる2つの
対向する帯状構造体(たとえば、図5の符号55)であ
ってその各々の一端部が他方の縮小側仕切り部材に固定
されている上記2つの帯状構造体とを包含する仕切り手
段によって液体表面層を内側領域(図5の符号52)と
外側領域(図5の符号51)とに仕切り、内側領域の液
体表面上に単分子膜を展開させることにより単分子膜が
存在しない外側領域から仕切られ且つ仕切り手段により
囲繞された単分子膜領域を形成し、帯状構造体(図5の
符号55)を一方の縮小側仕切り部材との係合部を介し
て移動させることにより少なくとも一方の縮小側仕切り
部材(図5の符号56)を他方の縮小側仕切り部材(図
5の符号54)の方向へ移動させて単分子膜領域の面積
を縮小し、得られる圧縮単分子膜を液面から分離取得す
ることを包含する2次元的に圧縮された単分子膜の製造
方法にして、該仕切り手段の帯状構造体(図5の符号5
5)の縮小側仕切り部材(図5の符号54)との係合側
で該縮小側仕切り部材と接する部分に該帯状構造体を摺
動可能に係合保持する撥液性保持部材(たとえば、図5
の符号53)を設け、該保持部材を介して該帯状構造体
を摺動かつ移動させて液面での帯状構造体の長さを減少
させることによって、帯状構造体に縮小側仕切り部材が
接する部分を液密に保持しながら単分子膜領域の面積の
縮小を行なうことを特徴とする方法が提供される。更に
他の態様によれば、液体表面を形成するための液体容器
(たとえば、図5の符号58)と、液体が充填されたと
きに形成される液体表面層を内側領域(図5の符号52
)と外側領域(図5の符号51)に仕切り且つ内側領域
を囲繞するように構成された1方向または2方向から縮
小自在な仕切り手段とを包含し、該仕切り手段は、少な
くとも一方が移動可能な2つの対向する縮小側仕切り部
材(たとえば、図5の符号54及び56)と、一方の縮
小側仕切り部材にそれぞれ係合して実質的に平行に延び
る2つの対向する帯状構造体(たとえば、図5の符号5
5)であってその各々の一端部が他方の縮小側仕切り部
材に固定されている上記2つの帯状構造体とを包含し、
該仕切り手段の帯状構造体の縮小側仕切り部材との係合
側で該縮小側仕切り部材に接する部分に該帯状構造体を
摺動可能に係合保持する撥液性保持部材(たとえば、図
5の符号53)を設け、該保持部材を介して該帯状構造
体を摺動かつ移動させて液面での帯状構造体の長さを減
少させることによって内側領域を1方向または2方向か
ら縮小する際に、帯状構造体に縮小側仕切り部材が接す
る部分を液密に保持することを可能にするように構成さ
れたことを特徴とする2次元的に圧縮された単分子膜の
製造装置が提供される。リボン状膜等の帯状構造体(図
5の符号55)の円柱状、角柱状、平板状等各種形状の
保持部材(図5の符号53)への摺動可能な係合方法は
特に限定されないが、帯状構造体の少なくとも一方の端
部を保持部材に形成したスリット(図5−dの符号57
)に貫通させることにより有利に行なうことができる。 また、保持部材は、撥液性金属、撥液性無機物もしくは
撥液性重合体で形成されているか又は撥液性重合体を用
いて表面加工されている。摺動かつ移動される帯状構造
体の一端又は両端には帯状構造体の移動長さを測定する
ためのポテンシオメーター、磁気感知テープ、その他の
装置を設け、この長さの測定からコンピューターにより
円形又は他の形状の単分子膜領域の面積を同時的に求め
、フィードバック回路により摺動、移動速度又は面積を
任意に制御することができる。 【0018】更に、本発明において、少なくとも3方向
から縮小可能な仕切り手段として、複数金属薄板を組み
合わせた可変翼式絞り装置、即ち、シャッターバルブを
用いる場合、上記装置の内側窓部63を規定する内周縁
部が単分子膜の存在しない外側領域に対し単分子膜領域
を長方形、正方形、多角形、楕円形、半円形又は円形的
に圧縮する。シャッターバルブを用いる具体例を図6を
参照して説明する。シャッターバルブは、フランジ61
、可動リング66、シャッターパネル62、ドライブギ
ヤ67、ドライブシャフト65およびこれを囲む円形箱
(外枠箱)から成り、シャッターパネル62の絞り速度
はコンピューター制御される。外枠箱は、用いる液体に
不溶な材料又は同材料で表面加工したものを用いる。 外枠箱の底部には液体排水用のドレインとストップコッ
ク(図示しないが図4と同様)があり液面位置を調節す
ることができる。従来法と同様に、底部を二重にする事
によって下部に恒温水を循環させ、単分子膜下の液体の
温度を制御することができる。また、単分子膜を転写す
るための基板又は他の材料を液中に浸漬するための溝部
も外箱底部に設けることが出来る。フランジ61の材質
は問わないが、用いる液体に不溶な材料又は同材料で表
面加工したものを使用する。フランジ61は、直接単分
子膜展開のための液体と接触するので、ドライブシャフ
ト65、ドライブギヤ67等とは隔離されていることが
好ましい。しかし、隔離不十分であっても、シャッター
パネル62は、薄い撥液性の種々形状平板であるので、
平板が液面と接した瞬間に、液面上膜部分はフランジと
接する液体と隔離されるので、以後の膜を展開すべき液
面の汚染は進行しない。ただし、フランジが溶解物質を
含むと溶解が、拡散的に進行し液面上膜部分が汚染され
るので、フランジは液溶解物質を含まないものを用いる
ことが好ましい。 【0019】シャッターバルブを用いる液面の清浄およ
び単分子膜展開も、図4を参照して説明した板バネの場
合に類似している。まず、シャッターバルブのシャッタ
ーパネル62を最大に開く(図6−a)。この時のパネ
ルは、正方形、長方形、多角形、円形など任意の形でよ
い。シャッターパネルで囲まれた液面積を求める便宜上
、その形状はなるべく単純である事が望ましい。図6で
は円形状となっている。シャッターパネル62の内側窓
部63に純粋な液体、たとえば、水をそそぎ、フランジ
61のシャッターパネル開閉位置より数mm高いか又は
ほぼ等しい液面高さをストップコックにより設定する。 この時のシャッターパネル62の開口半径は、ドライブ
シャフト65部に取付けられたポテンシオメーターから
の電気的検出により正確に読取られ、コンピューターに
自動入力される。次に、シャッターパネル62を閉じ液
面積を縮小最少にする。この操作により、液面上に存在
する表面汚れは縮小面積部分に寄せ集められるので、こ
れを吸引清掃し清浄表面とする。この操作を数回くり返
せば、より清浄な表面が得られる。シャッターパネル6
2の表面は、材質の選択又は表面加工により撥液性とす
る。この性質により、液面がシャッターパネル下部面と
接した際、液面がフランジ61部分と隔離される事とな
り、その後のフランジ面、フランジ内からの汚染が起ら
なくなる。一方、単分子膜を展開すべき、内側窓部63
は、パネル面で平面的に完全に仕切られるため、ここか
らの膜分子の漏れの心配が全くない特徴を有する。清浄
液面を作った後、コンピューター自動制御によりシャッ
ターパネル62を伸ばし、面積を縮小しつつ表面圧又は
表面張力(ウイルヘルミー法による)を測定し、ウイル
ヘルミー板に対する浮力補正測定を行う。再びシャッタ
ーパネル62を開き、その開口パネル半径の絶対値をコ
ンピューターに入力後、単分子膜形成化合物を図4で述
べたと同様の方法によって展開する。膜展開後はシャッ
ターパネル62を等速又は等面積的に任意の速度でコン
ピューター制御しつつ、縮小手段により縮小させ、膜分
子密度を上昇させる。縮小手段としては、通常のシャッ
ターに設けられる絞り装置を好ましく用いることができ
る。この膜圧縮とともに、従来法の表面張力、表面圧、
表面電位、膜厚等の計測装置を組込むことにより種々の
計測が可能である。また、単分子膜の圧力を一定にコン
ピューター制御しつつ、基板又は他の被転写体に単分子
膜を転写する事も従来法と同様に可能である。この転写
のための基板又は他の被転写体の浸漬位置も従来法にお
けるのと同様に、外枠箱底部に設ける事ができる。膜の
展開、圧縮終了後は、残存する液面上膜を吸引除去し、
再び清浄表面を作成できる。不要となった液体は外枠箱
下部の排液ドレインから取去ることができる。くり返し
行う実験の結果主としてシャッターパネルに付着、残存
する汚れ物は化学実験用の清浄な紙、例えばキムワイプ
(十条キンバリ製清浄紙の商品名)を用いやわらかくぬ
ぐう事により簡単に除去できる。また、フランジ面の何
らかの理由による汚れ物の付着が起きた場合も、液体を
排液後同様の紙でぬぐい去るか又は水洗除去できる。 【0020】上記の少なくとも3方向から縮小自在な仕
切り手段を用いる本発明により、均一な膜構造の単分子
膜、即ち、分子的厚さの超薄膜である単分子膜の全面に
わたり分子密度や配向が均一な膜を製造することができ
る。また、前記した従来法における単分子膜圧縮に際し
しばしば問題となる膜の仕切り棒又は仕切り糸等からの
漏れも、本発明の撥液性保持部材を用いた方法によって
効果的に防止することができる。 【0021】本発明の方法の好ましい態様の具体的手順
及び装置の操作方法、ならびにその効果について以下に
更に詳細に説明する。 【0022】(1)板バネを用いた円形圧縮法撥水加工
した金属又は撥液性高分子材料(たとえばテフロン)か
ら成る外箱45は、断面形状が正方形、長方形、円形等
任意であるが、一般に正方形では30cm×30cm,
円形形では直径が30cm、高さは3〜5cm程度であ
る。板バネ41とこれの一端を支え、他端を通すスリッ
トつき撥水性保持部材44は外箱上面より下約1〜3c
mに位置している。スリットを通った板バネ端はポテン
シオメーター48を通過し板バネの移動距離が電圧変換
される。その移動距離からの板バネ41の半径変化が求
められ、板バネで囲まれた水面積が計算される。図4−
aでは箱の内部に蒸留水を注ぎ、箱の上面より2〜3m
m水面を盛リ上げる。20分程度水面を放置し、この水
面を仕切り棒47により水面を上方から下方に掃く。こ
れにより水面上にある水に不溶な汚れは外箱下端に掃き
寄せられる。掃き寄せられた汚れ物質は水面から吸引除
去される。このようにして、作られた清浄水面から仕切
り棒47をはずし、図4−bのストップコック46から
水を排出し、水面を水中にあった板バネの上面から2〜
3mm低い位置まで下げる(図4−c)。これにより、
板バネで囲まれた水面は内外に別れる。このとき、板バ
ネの半径は最大に設定しておく。板バネで囲まれた内水
面43に、単分子膜試料を揮発性の高い有機溶媒(例え
ば、ベンゼン、ヘキサン、クロロホルム)に溶かし、こ
の溶液を微量適下する。濃度は溶質の分子量に依存する
ので、一般的ではないが、脂肪酸では数ミリグラムを1
0cc程度の溶媒に溶かし、これを水面積約700cm
2に対し20〜30μリットル滴下する。滴下後5〜1
0分程度水面を静置・放置する。これにより、有機溶媒
は、完全に蒸発し、図4−aの領域43に単分子膜展開
された脂肪酸が残る。図示しないが、図4−aの板バネ
で囲まれた領域43のほぼ中央の水面にガラス板を接触
させる。ガラス板はスリガラス製で、長さ(t)は約2
cm、幅(w)は1cm,厚さ(d)は非常に薄い0.
1mm程度である。ガラス板の長さ方向の一端は細いガ
ラス棒で固定されており、この枠の他端は電気天秤に釣
下げられている。水面に接触前のガラス枠付ガラス板の
重さ(風袋)を除くか、又は測定しておくと、水面に接
触したガラス板に働く力(重さ)、表面張力γ、が次式
により計算される(ウイルヘルミー法)。 ここで、mは天秤に表われた重さ、gは重力の
加速度、θは水とガラス板との間の接触角、ρは水の密
度である。ふつう、天秤に表示された重さは電圧変換さ
れ、板バネの移動距離変化の電圧変化(ポテンシオメー
ター48による)とともにそれぞれX−Yレコーダーの
Y軸とX軸に入力されるか、又はコンピューターに入力
される。コンピューターへの入力によるデーター制御の
場合、領域43の面積は既知、この面に展開した単分子
膜の分子数も既知であるから、単位面積当たりの分子数
が求まり、この逆数、すなわち1分子が占める水面の平
均面積(A)を横軸に、単分子膜展開前の水の表面張力
γ0と展開後の力γとの差、すなわち表面圧π=γ0−
γをタテ軸にした演算をコンピューターに行なわせ、こ
れをグラフ表示させる。図4−aのポテンシオメーター
48に絡がった板バネの端をステッパーモーターにより
低速(0.5〜2cm/分)で引っ張ると板バネの半径
は減少し、これに伴いA値も小さくなるから、この変化
に対応したπとAの関係、すなわち表面圧−面積曲線が
測定される(図7)。ふつう、この種の測定は一定温度
で行なわれるから、図4−(a)の外箱45の底部には
恒温水循環回路が取り付けられており、水温が一定に保
たれている。 【0023】(2)可変翼式絞り装置を用いる方法図8
に示すような可変翼式絞り装置を用いても、上記とほぼ
同様の方法で単分子膜圧縮とπ−A曲線測定ができる。 図8−aは可変翼式絞り装置の側面概略線図であり、図
8−bはシャッターパネル完全開口時の上記装置の平面
概略線図であり、図8−cはシャッターパネル閉口途中
の上記装置の平面概略線図である。図8において、81
はコンピューター、82はポテンシオメーター、83は
ステッパーモーター、84は恒温循環水槽、85は基板
浸漬槽、86はフランジ(シャッター収納部)、87は
外枠槽、88は水面清掃用オーバーフロー受槽、89は
水オーバーフロー受槽水出口、90は恒温水出入口、9
1は水面汚れ、92は水面、93は仕切り棒、94はシ
ャッターパネルを示す。外枠槽87内に蒸留水を満たし
、外枠槽87の上面2〜3mm迄水面92を盛り上げる
。直方体上の仕切り棒を用いて、この水面を掃き、水面
の汚れ91を除去する。基板浸漬槽85の下にある排水
ドレインを用いて水を排出し、水面をシャッターパネル
94とほぼ同じ高さにする。この水面に単分子膜作成試
料を滴下し、溶媒を蒸発後シャッターパネル94を縮め
、単分子膜を圧縮する。圧縮に伴う単分子膜の表面圧は
、ウイルヘルミー法によりガラス板を用いた電気天秤に
より測定する。シャッターパネル94は円形で、ステッ
パーモーター83駆動により、可変翼に連結したギヤー
を回転させ、円形半径の拡張と縮小ができる。ステッパ
ーモーターの回転数はポテンシオメーター82に直結し
ており、この電圧変化が、表面圧とともにコンピュータ
ー81に入力され演算後表面圧−面積曲線としてグラフ
表示される。 【0024】図9は、ラングミュアー型従来法による単
分子膜の表面圧(π)−面積曲線(A)の測定例である
。この単分子膜装置は、20cm×50cm×2cmの
容積を持つ直方体水槽(外箱)を用いた水面の一方に仕
切り棒を固定し、他方の仕切り棒を一方の仕切り棒に対
し平行移動(モーター駆動)させて測定したπ−A曲線
である。ここでπはウィルヘルミー法を用いて測定した
。仕切り棒を水面積を縮める方向に動かすと、水面上の
単分子膜が圧縮され(密度が増す)、図9の横軸の右か
ら左へAが小さくなるとともに、πは単分子膜種に特有
な等温線を示す。この等温線は分子の配向と膜構造を反
映し、力(π)は膜分子と水分子との分子間相互作用を
表す。図9の(I)は、アラキジン酸を用いて形成した
単分子膜の20℃の測定例を示し、(II)は、β−γ
−ジペルミトイル−DL−α−グリセリルフォスファテ
ジルコリンを用いて形成した単分子膜の20℃の測定例
を示す。 【0025】本発明の単分子膜を圧縮制御する方法は、
従来法より等法的に行なわれ、目的に応じた展開槽の多
様化も可能にする膜漏れ防止を実現するものである。と
りわけ、従来法の一方向又は2方向からの単分子膜圧縮
制御に比べ等法的圧縮をなす本装置は、膜の局所的圧縮
を回避する目的を満たすものであり、これに付随した膜
漏れ防止法は従来法の装置の多様な形での使用に貢献す
るものである。
単分子膜の製造方法及び製造装置に関する。更に詳しく
は、本発明は、液体表面層を少なくとも3方向から縮小
自在な仕切り手段により内側領域と外側領域とに仕切り
、内側領域の液体表面上に単分子膜を展開させ、仕切り
手段を少なくとも3方向から縮小させる2次元的に圧縮
された単分子膜の製造方法及び同方法を実施するための
装置に関する。 【0002】本発明の製造方法と装置を用いれば、均一
な膜構造の単分子膜、即ち、分子的厚さの超薄膜である
単分子膜の全面にわたり分子密度や配向が均一な2次元
的に圧縮された膜を効率的に製造することができる。こ
の2次元的に圧縮された単分子膜は、液体表面上で膜分
子密度、分子配向等の膜構造を制御し、その単層又は複
層を適当な固体基板またはその他の材料表面に移し取っ
て用いることができる。 【0003】単分子膜の産業上の利用は多方面にわたり
、例えば、繊維、紙、高分子材料、金属、セラミックス
、無機材料等の固体表面処理加工、超薄膜センサー、光
電変換素子、分子電子デバイス等に用いられている。 【0004】 【従来の技術および発明が解決しようとする問題点】水
、水銀等の液体表面上に展開した単分子膜を液面上で1
ないし2方向から二次元的に圧縮し、単分子膜の構造、
即ち単分子膜の密度、配向等を制御する方法は約100
年前に開発されている。その原理は図2に示す通りであ
る。たとえば、アルミニウム等の金属にパラフィン又は
テフロンコート等で撥水加工した枠付の水槽26に水を
張り、水面上に単分子膜を展開し、仕切り棒21、22
で水面を膜のある内側領域23と膜の無い外側領域24
、25に別け、仕切り棒22は固定し図2において仕切
り棒21を左から右に動かすと水面上の単分子膜は押し
縮められ、膜密度は面積の縮小とともに上昇する。 この際、密度変化と圧力変化の関係は分子面積と表面張
力によって測定することができる。上述の原理を応用す
る従来の方法の大多数においては、その断面が長方形、
正方形、円形又は楕円形等の形状であってその内面をパ
ラフィン又はテフロン処理により撥液加工してある撥液
性箱中に液体を満たし、液表面を箱の上縁部より数ミリ
メートル(たとえば、2〜3mm)盛り上げ、この表面
を撥水加工処理した仕切り棒又は仕切り糸にて区切り、
この区切られた表面部分に展開した単分子膜を仕切り棒
又は仕切り糸を一方向又は二方向から移動させて圧縮す
る。この方法の改良型として、最近、テフロンリボン巻
取り型単分子膜作製装置が提案された。同装置を図3を
参照して説明すると、水面33上で単分子膜31を実質
的に平行に延びる2本のテフロンリボン32、32によ
り囲み、このリボンをテフロンリボン巻取り装置34で
巻取ることにより仕切り部材35を移動させ単分子膜面
積を減小させ単分子膜31を二次元的に圧縮する。この
面積中の膜密度変化と圧力は表面圧センサ(図示せず)
で測定することができる。上記の方法は、膜の圧縮が一
方向又は二方向のみから行なわれ、広い水面上で膜を圧
縮すると、仕切り棒近傍で局所的圧縮が起こり、膜全体
の均一圧縮が困難な場合があった。また、膜製造時に単
分子膜領域からの膜漏れが問題となる事もあった。 【0005】 【問題点を解決するための手段および作用】従来の単分
子膜製造方法及び装置に係る上記の諸問題を解決すべく
研究した結果、本発明者は清浄な水面に展開した単分子
膜を少なくとも3方向から、最も好ましくは円形的に、
縮小自在な仕切り手段を用いて圧縮することにより所望
の単分子膜を効率良く製造できることを知見した。この
新規な知見に基づいて本発明に到達したものである。 【0006】従って、本発明の一つの目的は、従来法の
ものに比べ均一な膜構造の単分子膜、即ち、分子的厚さ
の超薄膜である単分子膜の全面にわたり分子密度や配向
が均一な膜を製造する方法を提供することである。 【0007】本発明の他の目的は、上記の単分子膜を単
分子膜領域からの膜漏れ等のトラブルなく効率的に製造
する方法を提供することである。 【0008】本発明の更に他の目的は、上記方法を実施
するに適した単分子膜製造装置を提供することである。 【0009】前記及びその他の諸目的、諸特徴及び諸利
益は、添付図面に参照して行なう次の詳細な記述より明
らかになろう。 【0010】本発明によれば、液体表面層を少なくとも
3方向から縮小自在な仕切り手段により内側領域と外側
領域とに仕切り、内側領域の液体表面上に単分子膜を展
開させることにより単分子膜が存在しない外側領域から
仕切られ且つ仕切り手段により囲繞された単分子膜領域
を形成し、該仕切り手段を少なくとも3方向から縮小さ
せて該単分子膜領域の面積を縮小し、得られる圧縮単分
子膜を液面から分離取得することを包含することを特徴
とする2次元的に圧縮された単分子膜の製造方法が提供
される。 【0011】また、本発明の他の態様によれば、液体表
面を形成するための液体容器と、液体が充填されたとき
に形成される液体表面層を内側領域と外側領域に仕切り
且つ内側領域を囲繞するように構成された少なくとも3
方向から縮小自在な仕切り手段と、ならびに該仕切り手
段を上記内側領域に対して少なくとも3方向から縮小さ
せるための縮小手段を包含する2次元的に圧縮された単
分子膜の製造装置が提供される。 【0012】対象となる単分子膜材料は極めて多様であ
るが、例えば、脂肪酸、リン脂質、生体関連高分子(た
ん白質、酵素など)、導電性有機化合物、光応答有機化
合物又は上記化合物の混合物を含む。上記化合物が有機
溶媒に可溶であれば有機溶媒に溶かし、有機溶媒に不溶
で水溶性の場合は含水有機溶媒に溶解させ、得られる液
を単分子膜として低分子密度で液体表面に展開する。有
機溶媒は揮発性のものが好ましく、たとえば、ベンゼン
、クロロホルムなどを有利に用いることができる。上記
液体としては、水、アルコール、グリセリン、フォルム
アミド、エチレングリコール、2−メチル−2オキサゾ
リドン、もしくは上記液体の混合物、又は、水銀、ガリ
ウム、もしくは水銀とアマルガムを形成した液体金属な
どを用いる。 【0013】仕切り手段としては、少なくとも3方向か
ら縮小自在に構成されていれば特に限定されないが、単
分子膜領域を囲繞するように屈曲された帯状構造体と該
帯状構造体の両端部を保持する撥液性保持部材を包含す
る仕切り手段又は可変翼式絞り装置を有利に用いること
ができる。 【0014】仕切り手段として単分子膜領域を囲繞する
ように屈曲された帯状構造体と帯状構造体の両端部を保
持する撥液性保持部材を包含する仕切り手段を用いる場
合、上記両端部の少なくとも一方が保持部材に対して摺
動可能に該保持部材に係合されており、上記の少なくと
も一方の端部から該帯状構造体を摺動かつ移動させて液
面での屈曲帯状構造体の長さを減少させることによって
仕切り手段の縮小を行なうことが好ましい。帯状構造体
の材料は、用いる液体に不溶であって単分子膜を展開し
た単分子膜領域を外側から仕切るに十分の強度をもって
おれば、特に限定されないが、ステンレススチールなど
が好ましく用いられる。又、その表面を撥水処理して有
利に用いることができる。具体的な例としては、撥液性
材料を用いたある程度以上のバネ定数をもつ平板バネ、
半シリンダー型バネ、円筒状様バネ等を挙げることがで
きる。縮小手段は、上記の摺動、移動を効果的に行うこ
とのできるものであれば限定されない。縮小には、通常
の電動メカニズムを用いることができる。このようにし
て、帯状構造体により、単分子膜の存在しない外側領域
に対し単分子膜領域を多角形、円形、楕円形、半円形的
に仕切ることができる。保持部材の材料は、撥液性材料
である限り特に限定されないが、たとえば撥液性金属、
無機物又は重合体(テフロンなど)、及び撥液性重合体
で表面加工した用いる液に不溶の材料を有利に用いるこ
とができる。上記の帯状構造体の少なくとも一方の端部
の保持部材との摺動可能な係合方法は特に限定されない
が、帯状構造体の少なくとも一方の端部を保持部材に形
成したスリットを貫通させることにより有利に行なうこ
とができる。たとえば、上記帯状構造体として板バネを
用い、その1端を固定し、他端部を保持部材のスリット
に貫通保持させれば、単分子膜の存在しない外側領域に
対し単分子膜領域を円形的に仕切ることができる。その
際、スリットを貫通した端部を引張って板バネをスリッ
トを介して摺動、移動させることにより、液面での板バ
ネの長さを減少させ、円形の単分子膜領域の面積を縮小
させることができる。 【0015】図1を参照して、帯状構造体を用いる圧縮
方法の具体例を説明すると、単分子膜として形成される
べき、たとえば、脂肪酸、又はリン脂質をベンゼン、ク
ロロホルムなどの有機溶媒に溶かし、この溶液を数滴(
たとえば、全容積量で100μリットル程度)板バネ1
3で囲まれた水槽15内の水表面11上に滴下する。 5〜10分間、有機溶媒の蒸発を待つと、膜物質のみが
水面に残る。この水面上の単分子膜12を円形を保ちつ
つ板バネ13の一端をテフロン製撥液性保持部材14を
通して巻取ると、円の面積は減少し、このため膜物質が
寄せ集められ、円形内の膜物質密度が上昇し膜の圧縮が
達成される。このような圧縮単分子膜作成法は、単分子
膜圧縮方向が全方位にわたるため、仕切り棒近傍での極
所的圧縮が回避され、単分子膜全体の密度の均一化が速
やかに行われる。 【0016】更に、図4を参照して、上記圧縮法を詳細
に説明すると、厚さ1/10乃至数mm程度、幅数十m
m程度の板バネ41を円形に保持する(図4−a)。板
バネ41の一端はテフロン等撥液性材料又は同材料を用
いて金属に撥液加工をした材料からなる円柱状、角柱状
等種々形状の撥液性保持部材44に固定され、他端は摺
動可能に板バネ幅及び厚に等しいか近い撥液性を保ち得
る程度の撥液性保持部材44内部に切込まれたスリット
を通過する。もしくは、両端ともそのようなスリットを
通過させる。板バネ41を囲む周りの外箱45は材質を
問わないが、この外箱に入れる液体に溶けない材料又は
同材料で表面加工した材料を用いる。箱の断面形状は長
方形、正方形、楕円、円形等任意でよい。板バネ41は
外箱45の壁面高さより低い幅のものが用いられる(図
4−b)。一般に、単分子膜43を展開する液体表面4
2は清浄である事が条件となるので、図4−bに示すよ
うに、液面42を外箱壁上縁部より数mm(たとえば、
2〜3mm)高く盛り上げ、この表面を従来の仕切り棒
法で掃き清浄化する。掃き寄せられた表面汚れは従来法
のキャピラリー等による吸引又は掃引により除去される
。このように作られた清浄表面を持つ液体を箱下部ドレ
イン46から液体を排出し、図4−cのように板バネ幅
より低いか又は等しい位置に液面を設定する。板バネで
囲まれた液面上に、従来法におけるのと同様にして、単
分子膜を形成する化合物を分子密度を低くして展開する
。この展開膜は、図4−dに示すように、板バネ41の
両端又は一端を円形又は他の形を保ちつつ摺動かつ移動
させる事により膜物質密度を上げ二次元的に圧縮する。 図示しないが、この圧縮過程では表面張力、膜厚、表面
電位、その他を公知の方法により計測することができる
。撥液性保持部材内の上記の薄い切込スリットを帯状構
造体としての板バネが貫通する時、液体はそのスリット
内に取込まれることなく、従って上記貫通による単分子
膜物質の漏れもない。帯状構造体として板バネを用いた
例を示したが、撥液性のリボン状膜、仕切り棒、仕切り
糸等を用いても、本発明のスリット貫通方法を実施する
ことができる。 【0017】この膜漏れ防止の方法は、1ないし2方向
から単分子膜を圧縮する従来法にも適用可能である。従
って、本発明の更に他の態様によれば、少なくとも一方
が移動可能な2つの対向する縮小側仕切り部材(たとえ
ば、図5の符号54及び56により示されバネ付きステ
ンレススチール製部材等を含む、該部材の移動によって
単分子膜領域の面積が縮小する)と、一方の縮小側仕切
り部材にそれぞれ係合して実質的に平行に延びる2つの
対向する帯状構造体(たとえば、図5の符号55)であ
ってその各々の一端部が他方の縮小側仕切り部材に固定
されている上記2つの帯状構造体とを包含する仕切り手
段によって液体表面層を内側領域(図5の符号52)と
外側領域(図5の符号51)とに仕切り、内側領域の液
体表面上に単分子膜を展開させることにより単分子膜が
存在しない外側領域から仕切られ且つ仕切り手段により
囲繞された単分子膜領域を形成し、帯状構造体(図5の
符号55)を一方の縮小側仕切り部材との係合部を介し
て移動させることにより少なくとも一方の縮小側仕切り
部材(図5の符号56)を他方の縮小側仕切り部材(図
5の符号54)の方向へ移動させて単分子膜領域の面積
を縮小し、得られる圧縮単分子膜を液面から分離取得す
ることを包含する2次元的に圧縮された単分子膜の製造
方法にして、該仕切り手段の帯状構造体(図5の符号5
5)の縮小側仕切り部材(図5の符号54)との係合側
で該縮小側仕切り部材と接する部分に該帯状構造体を摺
動可能に係合保持する撥液性保持部材(たとえば、図5
の符号53)を設け、該保持部材を介して該帯状構造体
を摺動かつ移動させて液面での帯状構造体の長さを減少
させることによって、帯状構造体に縮小側仕切り部材が
接する部分を液密に保持しながら単分子膜領域の面積の
縮小を行なうことを特徴とする方法が提供される。更に
他の態様によれば、液体表面を形成するための液体容器
(たとえば、図5の符号58)と、液体が充填されたと
きに形成される液体表面層を内側領域(図5の符号52
)と外側領域(図5の符号51)に仕切り且つ内側領域
を囲繞するように構成された1方向または2方向から縮
小自在な仕切り手段とを包含し、該仕切り手段は、少な
くとも一方が移動可能な2つの対向する縮小側仕切り部
材(たとえば、図5の符号54及び56)と、一方の縮
小側仕切り部材にそれぞれ係合して実質的に平行に延び
る2つの対向する帯状構造体(たとえば、図5の符号5
5)であってその各々の一端部が他方の縮小側仕切り部
材に固定されている上記2つの帯状構造体とを包含し、
該仕切り手段の帯状構造体の縮小側仕切り部材との係合
側で該縮小側仕切り部材に接する部分に該帯状構造体を
摺動可能に係合保持する撥液性保持部材(たとえば、図
5の符号53)を設け、該保持部材を介して該帯状構造
体を摺動かつ移動させて液面での帯状構造体の長さを減
少させることによって内側領域を1方向または2方向か
ら縮小する際に、帯状構造体に縮小側仕切り部材が接す
る部分を液密に保持することを可能にするように構成さ
れたことを特徴とする2次元的に圧縮された単分子膜の
製造装置が提供される。リボン状膜等の帯状構造体(図
5の符号55)の円柱状、角柱状、平板状等各種形状の
保持部材(図5の符号53)への摺動可能な係合方法は
特に限定されないが、帯状構造体の少なくとも一方の端
部を保持部材に形成したスリット(図5−dの符号57
)に貫通させることにより有利に行なうことができる。 また、保持部材は、撥液性金属、撥液性無機物もしくは
撥液性重合体で形成されているか又は撥液性重合体を用
いて表面加工されている。摺動かつ移動される帯状構造
体の一端又は両端には帯状構造体の移動長さを測定する
ためのポテンシオメーター、磁気感知テープ、その他の
装置を設け、この長さの測定からコンピューターにより
円形又は他の形状の単分子膜領域の面積を同時的に求め
、フィードバック回路により摺動、移動速度又は面積を
任意に制御することができる。 【0018】更に、本発明において、少なくとも3方向
から縮小可能な仕切り手段として、複数金属薄板を組み
合わせた可変翼式絞り装置、即ち、シャッターバルブを
用いる場合、上記装置の内側窓部63を規定する内周縁
部が単分子膜の存在しない外側領域に対し単分子膜領域
を長方形、正方形、多角形、楕円形、半円形又は円形的
に圧縮する。シャッターバルブを用いる具体例を図6を
参照して説明する。シャッターバルブは、フランジ61
、可動リング66、シャッターパネル62、ドライブギ
ヤ67、ドライブシャフト65およびこれを囲む円形箱
(外枠箱)から成り、シャッターパネル62の絞り速度
はコンピューター制御される。外枠箱は、用いる液体に
不溶な材料又は同材料で表面加工したものを用いる。 外枠箱の底部には液体排水用のドレインとストップコッ
ク(図示しないが図4と同様)があり液面位置を調節す
ることができる。従来法と同様に、底部を二重にする事
によって下部に恒温水を循環させ、単分子膜下の液体の
温度を制御することができる。また、単分子膜を転写す
るための基板又は他の材料を液中に浸漬するための溝部
も外箱底部に設けることが出来る。フランジ61の材質
は問わないが、用いる液体に不溶な材料又は同材料で表
面加工したものを使用する。フランジ61は、直接単分
子膜展開のための液体と接触するので、ドライブシャフ
ト65、ドライブギヤ67等とは隔離されていることが
好ましい。しかし、隔離不十分であっても、シャッター
パネル62は、薄い撥液性の種々形状平板であるので、
平板が液面と接した瞬間に、液面上膜部分はフランジと
接する液体と隔離されるので、以後の膜を展開すべき液
面の汚染は進行しない。ただし、フランジが溶解物質を
含むと溶解が、拡散的に進行し液面上膜部分が汚染され
るので、フランジは液溶解物質を含まないものを用いる
ことが好ましい。 【0019】シャッターバルブを用いる液面の清浄およ
び単分子膜展開も、図4を参照して説明した板バネの場
合に類似している。まず、シャッターバルブのシャッタ
ーパネル62を最大に開く(図6−a)。この時のパネ
ルは、正方形、長方形、多角形、円形など任意の形でよ
い。シャッターパネルで囲まれた液面積を求める便宜上
、その形状はなるべく単純である事が望ましい。図6で
は円形状となっている。シャッターパネル62の内側窓
部63に純粋な液体、たとえば、水をそそぎ、フランジ
61のシャッターパネル開閉位置より数mm高いか又は
ほぼ等しい液面高さをストップコックにより設定する。 この時のシャッターパネル62の開口半径は、ドライブ
シャフト65部に取付けられたポテンシオメーターから
の電気的検出により正確に読取られ、コンピューターに
自動入力される。次に、シャッターパネル62を閉じ液
面積を縮小最少にする。この操作により、液面上に存在
する表面汚れは縮小面積部分に寄せ集められるので、こ
れを吸引清掃し清浄表面とする。この操作を数回くり返
せば、より清浄な表面が得られる。シャッターパネル6
2の表面は、材質の選択又は表面加工により撥液性とす
る。この性質により、液面がシャッターパネル下部面と
接した際、液面がフランジ61部分と隔離される事とな
り、その後のフランジ面、フランジ内からの汚染が起ら
なくなる。一方、単分子膜を展開すべき、内側窓部63
は、パネル面で平面的に完全に仕切られるため、ここか
らの膜分子の漏れの心配が全くない特徴を有する。清浄
液面を作った後、コンピューター自動制御によりシャッ
ターパネル62を伸ばし、面積を縮小しつつ表面圧又は
表面張力(ウイルヘルミー法による)を測定し、ウイル
ヘルミー板に対する浮力補正測定を行う。再びシャッタ
ーパネル62を開き、その開口パネル半径の絶対値をコ
ンピューターに入力後、単分子膜形成化合物を図4で述
べたと同様の方法によって展開する。膜展開後はシャッ
ターパネル62を等速又は等面積的に任意の速度でコン
ピューター制御しつつ、縮小手段により縮小させ、膜分
子密度を上昇させる。縮小手段としては、通常のシャッ
ターに設けられる絞り装置を好ましく用いることができ
る。この膜圧縮とともに、従来法の表面張力、表面圧、
表面電位、膜厚等の計測装置を組込むことにより種々の
計測が可能である。また、単分子膜の圧力を一定にコン
ピューター制御しつつ、基板又は他の被転写体に単分子
膜を転写する事も従来法と同様に可能である。この転写
のための基板又は他の被転写体の浸漬位置も従来法にお
けるのと同様に、外枠箱底部に設ける事ができる。膜の
展開、圧縮終了後は、残存する液面上膜を吸引除去し、
再び清浄表面を作成できる。不要となった液体は外枠箱
下部の排液ドレインから取去ることができる。くり返し
行う実験の結果主としてシャッターパネルに付着、残存
する汚れ物は化学実験用の清浄な紙、例えばキムワイプ
(十条キンバリ製清浄紙の商品名)を用いやわらかくぬ
ぐう事により簡単に除去できる。また、フランジ面の何
らかの理由による汚れ物の付着が起きた場合も、液体を
排液後同様の紙でぬぐい去るか又は水洗除去できる。 【0020】上記の少なくとも3方向から縮小自在な仕
切り手段を用いる本発明により、均一な膜構造の単分子
膜、即ち、分子的厚さの超薄膜である単分子膜の全面に
わたり分子密度や配向が均一な膜を製造することができ
る。また、前記した従来法における単分子膜圧縮に際し
しばしば問題となる膜の仕切り棒又は仕切り糸等からの
漏れも、本発明の撥液性保持部材を用いた方法によって
効果的に防止することができる。 【0021】本発明の方法の好ましい態様の具体的手順
及び装置の操作方法、ならびにその効果について以下に
更に詳細に説明する。 【0022】(1)板バネを用いた円形圧縮法撥水加工
した金属又は撥液性高分子材料(たとえばテフロン)か
ら成る外箱45は、断面形状が正方形、長方形、円形等
任意であるが、一般に正方形では30cm×30cm,
円形形では直径が30cm、高さは3〜5cm程度であ
る。板バネ41とこれの一端を支え、他端を通すスリッ
トつき撥水性保持部材44は外箱上面より下約1〜3c
mに位置している。スリットを通った板バネ端はポテン
シオメーター48を通過し板バネの移動距離が電圧変換
される。その移動距離からの板バネ41の半径変化が求
められ、板バネで囲まれた水面積が計算される。図4−
aでは箱の内部に蒸留水を注ぎ、箱の上面より2〜3m
m水面を盛リ上げる。20分程度水面を放置し、この水
面を仕切り棒47により水面を上方から下方に掃く。こ
れにより水面上にある水に不溶な汚れは外箱下端に掃き
寄せられる。掃き寄せられた汚れ物質は水面から吸引除
去される。このようにして、作られた清浄水面から仕切
り棒47をはずし、図4−bのストップコック46から
水を排出し、水面を水中にあった板バネの上面から2〜
3mm低い位置まで下げる(図4−c)。これにより、
板バネで囲まれた水面は内外に別れる。このとき、板バ
ネの半径は最大に設定しておく。板バネで囲まれた内水
面43に、単分子膜試料を揮発性の高い有機溶媒(例え
ば、ベンゼン、ヘキサン、クロロホルム)に溶かし、こ
の溶液を微量適下する。濃度は溶質の分子量に依存する
ので、一般的ではないが、脂肪酸では数ミリグラムを1
0cc程度の溶媒に溶かし、これを水面積約700cm
2に対し20〜30μリットル滴下する。滴下後5〜1
0分程度水面を静置・放置する。これにより、有機溶媒
は、完全に蒸発し、図4−aの領域43に単分子膜展開
された脂肪酸が残る。図示しないが、図4−aの板バネ
で囲まれた領域43のほぼ中央の水面にガラス板を接触
させる。ガラス板はスリガラス製で、長さ(t)は約2
cm、幅(w)は1cm,厚さ(d)は非常に薄い0.
1mm程度である。ガラス板の長さ方向の一端は細いガ
ラス棒で固定されており、この枠の他端は電気天秤に釣
下げられている。水面に接触前のガラス枠付ガラス板の
重さ(風袋)を除くか、又は測定しておくと、水面に接
触したガラス板に働く力(重さ)、表面張力γ、が次式
により計算される(ウイルヘルミー法)。 ここで、mは天秤に表われた重さ、gは重力の
加速度、θは水とガラス板との間の接触角、ρは水の密
度である。ふつう、天秤に表示された重さは電圧変換さ
れ、板バネの移動距離変化の電圧変化(ポテンシオメー
ター48による)とともにそれぞれX−Yレコーダーの
Y軸とX軸に入力されるか、又はコンピューターに入力
される。コンピューターへの入力によるデーター制御の
場合、領域43の面積は既知、この面に展開した単分子
膜の分子数も既知であるから、単位面積当たりの分子数
が求まり、この逆数、すなわち1分子が占める水面の平
均面積(A)を横軸に、単分子膜展開前の水の表面張力
γ0と展開後の力γとの差、すなわち表面圧π=γ0−
γをタテ軸にした演算をコンピューターに行なわせ、こ
れをグラフ表示させる。図4−aのポテンシオメーター
48に絡がった板バネの端をステッパーモーターにより
低速(0.5〜2cm/分)で引っ張ると板バネの半径
は減少し、これに伴いA値も小さくなるから、この変化
に対応したπとAの関係、すなわち表面圧−面積曲線が
測定される(図7)。ふつう、この種の測定は一定温度
で行なわれるから、図4−(a)の外箱45の底部には
恒温水循環回路が取り付けられており、水温が一定に保
たれている。 【0023】(2)可変翼式絞り装置を用いる方法図8
に示すような可変翼式絞り装置を用いても、上記とほぼ
同様の方法で単分子膜圧縮とπ−A曲線測定ができる。 図8−aは可変翼式絞り装置の側面概略線図であり、図
8−bはシャッターパネル完全開口時の上記装置の平面
概略線図であり、図8−cはシャッターパネル閉口途中
の上記装置の平面概略線図である。図8において、81
はコンピューター、82はポテンシオメーター、83は
ステッパーモーター、84は恒温循環水槽、85は基板
浸漬槽、86はフランジ(シャッター収納部)、87は
外枠槽、88は水面清掃用オーバーフロー受槽、89は
水オーバーフロー受槽水出口、90は恒温水出入口、9
1は水面汚れ、92は水面、93は仕切り棒、94はシ
ャッターパネルを示す。外枠槽87内に蒸留水を満たし
、外枠槽87の上面2〜3mm迄水面92を盛り上げる
。直方体上の仕切り棒を用いて、この水面を掃き、水面
の汚れ91を除去する。基板浸漬槽85の下にある排水
ドレインを用いて水を排出し、水面をシャッターパネル
94とほぼ同じ高さにする。この水面に単分子膜作成試
料を滴下し、溶媒を蒸発後シャッターパネル94を縮め
、単分子膜を圧縮する。圧縮に伴う単分子膜の表面圧は
、ウイルヘルミー法によりガラス板を用いた電気天秤に
より測定する。シャッターパネル94は円形で、ステッ
パーモーター83駆動により、可変翼に連結したギヤー
を回転させ、円形半径の拡張と縮小ができる。ステッパ
ーモーターの回転数はポテンシオメーター82に直結し
ており、この電圧変化が、表面圧とともにコンピュータ
ー81に入力され演算後表面圧−面積曲線としてグラフ
表示される。 【0024】図9は、ラングミュアー型従来法による単
分子膜の表面圧(π)−面積曲線(A)の測定例である
。この単分子膜装置は、20cm×50cm×2cmの
容積を持つ直方体水槽(外箱)を用いた水面の一方に仕
切り棒を固定し、他方の仕切り棒を一方の仕切り棒に対
し平行移動(モーター駆動)させて測定したπ−A曲線
である。ここでπはウィルヘルミー法を用いて測定した
。仕切り棒を水面積を縮める方向に動かすと、水面上の
単分子膜が圧縮され(密度が増す)、図9の横軸の右か
ら左へAが小さくなるとともに、πは単分子膜種に特有
な等温線を示す。この等温線は分子の配向と膜構造を反
映し、力(π)は膜分子と水分子との分子間相互作用を
表す。図9の(I)は、アラキジン酸を用いて形成した
単分子膜の20℃の測定例を示し、(II)は、β−γ
−ジペルミトイル−DL−α−グリセリルフォスファテ
ジルコリンを用いて形成した単分子膜の20℃の測定例
を示す。 【0025】本発明の単分子膜を圧縮制御する方法は、
従来法より等法的に行なわれ、目的に応じた展開槽の多
様化も可能にする膜漏れ防止を実現するものである。と
りわけ、従来法の一方向又は2方向からの単分子膜圧縮
制御に比べ等法的圧縮をなす本装置は、膜の局所的圧縮
を回避する目的を満たすものであり、これに付随した膜
漏れ防止法は従来法の装置の多様な形での使用に貢献す
るものである。
【図1】図1は、本発明による圧縮方法の一態様を示す
説明図である。
説明図である。
11 水表面
12 単分子膜
13 板バネ
14 撥液性保持部材
15 水槽
【図2】図2は、従来法による単分子膜圧縮の原理を示
す説明図である。
す説明図である。
21、22 仕切り棒
23 単分子膜
24、25 水表面
26 水槽
【図3】図3は、従来のテフロンリボン巻取り型単分子
膜作製装置の原理を示す説明図である。
膜作製装置の原理を示す説明図である。
31 単分子膜
32 テフロンリボン
33 水表面
34 テフロンリボン巻取り装置
35 仕切り手段
【図4】図4は、板バネを用いる本発明の単分子膜製造
方法及び装置を示す説明図である。
方法及び装置を示す説明図である。
41 板バネ
42 液体表面
43 単分子膜
44 撥液性保持部材
45 外箱
46 箱下部ドレイン
【図5】図5は、本発明による膜漏れ防止の方法の一態
様を示す説明図である。
様を示す説明図である。
51 液体表面層の外側領域
52 液体表面層の内側領域
53 撥液性保持部材
54、56 縮小側仕切り部材
55 帯状構造体
57 スリット
【図6】図6は、シャッターバルブを用いる本発明の単
分子膜製造方法及び装置を示す説明図である。
分子膜製造方法及び装置を示す説明図である。
61 フランジ
62 シャッターパネル
63 内側窓部
64 単分子膜
65 ドライブシャフト
66 可動リング
67 ドライブギヤ
【図7】図7は、板バネを用いた円形圧縮法に関し、1
分子が占める水面の平均面積(横軸)と表面圧(縦軸)
の関係を示すグラフである。
分子が占める水面の平均面積(横軸)と表面圧(縦軸)
の関係を示すグラフである。
【図8】図8−aは、可変翼式絞り装置の側面概略線図
であり、図8−bはシャッターパネル完全開口時の上記
装置の平面概略線図であり、図8−cはシャッターパネ
ル閉口途中の上記装置の平面概略線図である。
であり、図8−bはシャッターパネル完全開口時の上記
装置の平面概略線図であり、図8−cはシャッターパネ
ル閉口途中の上記装置の平面概略線図である。
81 コンピューター
82 ポテンシオメーター
83 ステッパーモーター
84 恒温循環水槽
85 基板浸漬槽
86 フランジ(シャッター収納部)87 外枠槽
88 水面清掃用オーバーフロー受槽89 水オー
バーフロー受槽水出口 90 恒温水出入口 91 水面汚れ 92 水面 93 仕切り棒 94 シャッターパネル
バーフロー受槽水出口 90 恒温水出入口 91 水面汚れ 92 水面 93 仕切り棒 94 シャッターパネル
【図9】図9は、ラングミュアー型従来法による単分子
膜の1分子が占める水面の平均面積(横軸)と表面圧(
縦軸)の関係を示すグラフである。
膜の1分子が占める水面の平均面積(横軸)と表面圧(
縦軸)の関係を示すグラフである。
Claims (19)
- 【請求項1】 液体表面層を少なくとも3方向から縮
小自在な仕切り手段により内側領域と外側領域とに仕切
り、内側領域の液体表面上に単分子膜を展開させること
により単分子膜が存在しない外側領域から仕切られ且つ
仕切り手段により囲繞された単分子膜領域を形成し、該
仕切り手段を少なくとも3方向から縮小させて該単分子
膜領域の面積を縮小し、得られる圧縮単分子膜を液面か
ら分離取得することを包含することを特徴とする2次元
的に圧縮された単分子膜の製造方法。 - 【請求項2】 仕切り手段が、該単分子膜領域を囲繞
するように屈曲された帯状構造体、および該帯状構造体
の両端部を保持する撥液性保持部材を包含し、該両端部
の少なくとも1方が保持部材に対して摺動可能に該保持
部材に係合されており、上記の少なくとも一方の端部か
ら該帯状構造体を摺動かつ移動させて液面での屈曲帯状
構造体の長さを減少させることによって仕切り手段の縮
小を行なうことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 上記の少なくとも1方の端部の保持部
材との摺動可能な係合が、少なくとも1方の端部を保持
部材に形成したスリットを貫通させることによりなされ
ていることを特徴とする請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 該帯状構造体が板バネであって、単分
子膜の存在しない外側領域に対し該単分子膜領域を円形
、楕円形、又は半円形的に仕切ることを特徴とする請求
項2又は3に記載の方法。 - 【請求項5】 該仕切り手段が可変翼式絞り装置であ
って、その内側窓部を規定する内周縁部が単分子膜の存
在しない外側領域に対し該単分子膜領域を長方形、正方
形、多角形、楕円形、半円形又は円形的に仕切ることを
特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 撥液性保持部材が撥液性金属、無機物
、又は重合体で形成されているか又は撥液性重合体を用
いて表面加工されていることを特徴とする請求項2〜4
のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 該液体が水、アルコール、グリセリン
、フォルムアミド、エチレングリコール、2−メチル−
2オキサゾリドン、もしくは上記液体の混合物、又は、
水銀、ガリウム、もしくは水銀とアマルガムを形成した
液体金属であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
かに記載の方法。 - 【請求項8】 該単分子膜が、脂肪酸、リン脂質、生
体関連高分子、導電性有機化合物及び光応答有機化合物
から成る群より選ばれる少なくとも一種の化合物で形成
された単分子膜であることを特徴とする請求項1〜7の
いずれかに記載の方法。 - 【請求項9】 液体表面を形成するための液体容器、
液体が充填されたときに形成される液体表面層を内側領
域と外側領域に仕切り且つ内側領域を囲繞するように構
成された少なくとも3方向から縮小自在な仕切り手段、
ならびに該仕切り手段を上記内側領域に対して少なくと
も3方向から縮小させるための縮小手段を包含する2次
元的に圧縮された単分子膜の製造装置。 - 【請求項10】 該仕切り手段が、該内側領域を囲繞
するように屈曲された帯状構造体、および該帯状構造体
の両端部を保持する撥液性保持部材を包含し、該両端部
の少なくとも1方が保持部材に対して摺動可能に該保持
部材に係合されていることを特徴とする請求項9に記載
の装置。 - 【請求項11】 該保持部材の摺動可能な係合手段が
スリットであることを特徴とする請求項10に記載の装
置。 - 【請求項12】 該帯状構造体が板バネであって上記
内側領域を円形、楕円形、又は半円形的に仕切るように
構成されていることを特徴とする請求項10又は11に
記載の装置。 - 【請求項13】 撥液性保持部材が撥液性金属、無機
物又は重合体で形成されているか又は撥液性重合体を用
いて表面加工されていることを特徴とする請求項10〜
12のいずれかに記載の装置。 - 【請求項14】 該仕切り手段が可変翼式絞り装置で
あって、その内側窓部を規定する内周縁部が該外側領域
に対して該内側領域を長方形、正方形、多角形、楕円形
、半円形又は円形的に仕切るように構成されていること
を特徴とする請求項9に記載の装置。 - 【請求項15】 少なくとも一方が移動可能な2つの
対向する縮小側仕切り部材と、一方の縮小側仕切り部材
にそれぞれ係合して実質的に平行に延びる2つの対向す
る帯状構造体であってその各々の一端部が他方の縮小側
仕切り部材に固定されている該2つの帯状構造体とを包
含する仕切り手段によって液体表面層を内側領域と外側
領域とに仕切り、内側領域の液体表面上に単分子膜を展
開させることにより単分子膜が存在しない外側領域から
仕切られ且つ仕切り手段により囲繞された単分子膜領域
を形成し、帯状構造体を一方の縮小側仕切り部材との係
合部を介して移動させることにより少なくとも一方の縮
小側仕切り部材を他方の縮小側仕切り部材の方向へ移動
させて単分子膜領域の面積を縮小し、得られる圧縮単分
子膜を液面から分離取得することを包含する2次元的に
圧縮された単分子膜の製造方法にして、該仕切り手段の
帯状構造体の縮小側仕切り部材との係合側で該縮小側仕
切り部材と接する部分に該帯状構造体を摺動可能に係合
保持する撥液性保持部材を設け、該保持部材を介して該
帯状構造体を摺動かつ移動させて液面での帯状構造体の
長さを減少させることによって、帯状構造体に縮小側仕
切り部材が接する部分を液密に保持しながら単分子膜領
域の面積の縮小を行なうことを特徴とする方法。 - 【請求項16】 帯状構造体の保持部材への摺動可能
な係合保持が、保持部材に形成したスリットに帯状構造
体を貫通させることによりなされていることを特徴とす
る請求項15に記載の方法。 - 【請求項17】 液体表面を形成するための液体容器
と、液体が充填されたときに形成される液体表面層を内
側領域と外側領域に仕切り且つ内側領域を囲繞するよう
に構成された1方向または2方向から縮小自在な仕切り
手段とを包含し、該仕切り手段は、少なくとも一方が移
動可能な2つの対向する縮小側仕切り部材と、一方の縮
小側仕切り部材にそれぞれ係合して実質的に平行に延び
る2つの対向する帯状構造体であってその各々の一端部
が他方の縮小側仕切り部材に固定されている該2つの帯
状構造体とを包含し、該仕切り手段の帯状構造体の縮小
側仕切り部材との係合側で該縮小側仕切り部材と接する
部分に該帯状構造体を摺動可能に係合保持する撥液性保
持部材を設け、該保持部材を介して該帯状構造体を摺動
かつ移動させて液面での帯状構造体の長さを減少させる
ことによって内側領域を1方向または2方向から縮小す
る際に、帯状構造体に縮小側仕切り部材が接する部分を
液密に保持することを可能にするように構成されたこと
を特徴とする2次元的に圧縮された単分子膜の製造装置
。 - 【請求項18】 該保持部材の摺動可能な係合手段が
スリットであることを特徴とする請求項17に記載の装
置。 - 【請求項19】 撥液性保持部材が撥液性金属、無機
物又は重合体で形成されているか又は撥液性重合体を用
いて表面加工されていることを特徴とする請求項17又
は18に記載の装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10042491A JPH04310234A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 2次元的に圧縮された単分子膜の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10042491A JPH04310234A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 2次元的に圧縮された単分子膜の製造装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04310234A true JPH04310234A (ja) | 1992-11-02 |
Family
ID=14273589
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10042491A Pending JPH04310234A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 2次元的に圧縮された単分子膜の製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04310234A (ja) |
-
1991
- 1991-04-05 JP JP10042491A patent/JPH04310234A/ja active Pending
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