JPH04320903A - 走査型トンネル顕微鏡、およびその探針移動機構の制御方法 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡、およびその探針移動機構の制御方法

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JPH04320903A
JPH04320903A JP9047191A JP9047191A JPH04320903A JP H04320903 A JPH04320903 A JP H04320903A JP 9047191 A JP9047191 A JP 9047191A JP 9047191 A JP9047191 A JP 9047191A JP H04320903 A JPH04320903 A JP H04320903A
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JP
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movement mechanism
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stroke
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Application number
JP9047191A
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English (en)
Inventor
Akira Hashimoto
昭 橋本
Teruo Igarashi
五十嵐 照夫
Yasuhiko Fukuchi
福地 康彦
Hiroshi Kuroda
浩史 黒田
Eiichi Hazaki
栄市 羽崎
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
およびその探針移動機構の制御方法に関し、特に、トン
ネル電流が流れるまで探針を試料に接近させる移動制御
において試料と探針の間の距離、および接近のための微
動用および粗動用の各圧電素子のストロークを適切に調
整するための位置制御機能を備えた走査型トンネル顕微
鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡では、探針が試料
に極めて接近した時に探針と試料の間に流れるトンネル
電流を利用することにより、試料に対する探針の位置を
制御し試料表面の凹凸形状を観察する。走査型トンネル
顕微鏡における探針の位置制御では、上記のトンネル電
流を検出し、トンネル電流の値が一定になるように、探
針の軸方向(探針の先端から根元に向かう方向:これを
Z軸方向とする)において、試料に対し探針を接近させ
たりまたは離反させることにより、試料に対する探針の
位置が調整される。また探針の軸方向に直角な平面では
、試料表面の観測領域を平面的に走査するように、X軸
およびY軸の方向に位置制御が行われる。位置制御にお
いて、探針の移動は圧電素子によって行われる。そして
探針の位置制御が行われる際、探針の空間座標に対応す
る物理量、すなわち探針をX,Y,Zの各軸方向に移動
させるために要する各圧電素子の駆動電圧をデータとし
て用いこれによりモニタ上に試料の観察面の鳥かん図を
表示したり、輝度変調像を表示する。上記の如くして得
られた走査型トンネル顕微鏡による画像は、試料面の凹
凸形状の情報を反映したものであり、この画像によって
試料面における原子レベルでの微細な形状を観察し、分
析することが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】走査型トンネル顕微鏡
において、探針の位置をX,Y,Zの各軸方向に移動さ
せるための駆動手段としては、微細な変形を生じる圧電
素子(ピエゾ素子ともいう)が使用される。圧電素子に
所要電圧を印加することにより、所要の伸長変形を行わ
せ、探針の位置を制御する。走査型トンネル顕微鏡で試
料の表面を測定するとき、探針は、その先端が、試料の
表面に対しトンネル電流が流れる程度の距離(約1nm
程度)まで接近せしめられ、さらに試料表面をXY走査
する時に、当該接近距離が一定に保持されるようにサー
ボ回路系で制御されながら、前記走査が行われる。
【0004】前述した探針の位置の制御において、探針
と試料表面との実際の距離、または試料表面における探
針のXY走査の実際の距離に関して、制御目標通りに位
置の制御が行われているか否かについて、直接的に確認
する手段を有していない。そのため、従来では、探針の
計測で得られたデータで、測定対象の画像を作成し、得
られた画像に基づいて、制御が目標通り行われたか否か
を判断していた。また従来技術として、探針の位置の制
御に関し、その精度を高める目的で、探針の試料表面へ
の接近を手動で行ったり、あるいはステッピングモータ
(1パルスで数十nm移動する)で行うように構成した
ものが存在する。しかし、かかる従来の探針位置制御の
構成では、充分に有効な精度のものが得られていないの
が、現状である。特に探針のZ軸方向の位置制御につい
て、探針が試料表面に所定距離だけ接近した時に流れる
トンネル電流を検出することにより観測を行うように構
成したものでは、トンネル電流において異常値が検出さ
れた時にはすでに手遅れであり、探針が試料に衝突し、
試料の観察表面を傷つけるおそれが生じる。
【0005】本発明の目的は、探針を試料表面に接近さ
せる探針の位置制御において、探針と試料との衝突をな
くし、試料表面に対する探針の位置を正確に制御する機
能を有した走査型トンネル顕微鏡、およびその探針移動
機構の制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る走査型トン
ネル顕微鏡は、探針と、試料の表面に対する探針の位置
を変化させる移動機構と、探針と試料との間にトンネル
電流を生じさせるための電圧を印加する電圧印加手段と
、トンネル電流を測定する測定手段と、測定されたトン
ネル電流が一定に保持されるように、移動機構を介して
探針と試料との間の距離を制御する制御手段と、移動機
構を介して探針に試料の表面を走査させる走査手段と、
探針で得られる試料の表面に関するデータを記録・処理
するデータ処理手段を備える走査型トンネル顕微鏡にお
いて、移動機構は粗動機構と微動機構からなり、制御手
段は、トンネル電流が検出されるまでの試料への探針の
接近移動については、粗動機構に設けられた圧電素子と
クランプ機構の各動作を組み合わせることにより行い、
トンネル電流が検出された後の探針の接近移動では粗動
機構による移動動作を一旦停止し、その後、微動機構の
接近用圧電素子のストロークをフルストロークよりも余
裕を有した長さに設定し、この状態でトンネル電流を測
定し得るように粗動機構の圧電素子のストロークを再調
整するように制御を行うことを特徴とする。本発明に係
る走査型トンネル顕微鏡の探針移動機構の制御方法は、
試料表面測定時に、粗動機構と微動機構の各動作の組み
合わせで、試料の表面に対する探針の位置を変化させ、
探針に流れるトンネル電流が一定に保持されるように探
針と試料との間の距離を制御するようにした走査型トン
ネル顕微鏡の探針移動機構の制御方法であり、粗動機構
のみによる探針移動でトンネル電流が検出された時、粗
動機構の移動動作は一旦停止され、その後、微動機構の
接近用圧電素子のストロークをフルストロークよりも余
裕を有した長さに設定した状態でトンネル電流を測定し
得るように粗動機構の圧電素子のストロークを再調整し
たことを特徴とする。本発明に係る走査型トンネル顕微
鏡の探針移動機構の制御方法は、前記の制御方法におい
て、微動機構の接近用圧電素子における余裕を有した長
さは、フルストロークのほぼ中間の長さであることを特
徴とする。本発明に係る走査型トンネル顕微鏡の探針移
動機構の制御方法は、前記制御方法において、さらに粗
動機構の接近のための圧電素子のストロークの再調整に
関し、そのストロークをフルストロークのほぼ中間値に
することを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明による走査型トンネル顕微鏡では、探針
を移動させるための移動機構に関し、探針が試料に対し
接近・離反する方向の移動において、大きな距離ステッ
プで移動できる粗動機構と小さい距離ステップで移動で
きる微動機構を備えると共に、その制御手段に、最初に
探針が試料に接近するときは粗動機構の圧電素子とクラ
ンプ機構でしゃくとり虫の如く前進を行い、トンネル電
流が検出される位置まで移動を行い、トンネル電流が検
出された状態において、粗動用の圧電素子を最も収縮さ
せ、最後に、最終的なトンネル電流検出状態にて粗動用
圧電素子と微動用圧電素子の各ストロークがそれぞれの
フルストロークの中間値になるように再調整を行う制御
機能を持たせるように構成される。本発明による走査型
トンネル顕微鏡の探針移動機構の制御方法では、大きな
距離ステップで移動できる粗動機構と、小さい距離ステ
ップで移動できる微動機構を備える構成に基づき、最初
のトンネル電流検出のための接近動作では粗動機構の圧
電素子等によるしゃくとり虫的動作で移動を行い、トン
ネル電流の検出後には、粗動用圧電素子を最も短く収縮
させ、粗動用および微動用の各圧電素子のストロークを
調整しながら、探針を試料に再度接近させ、最終的に各
圧電素子のストロークがそれぞれフルストロークのほぼ
中間的な値で再度トンネル電流を検出するように接近動
作を制御するものである。前記の探針の試料への接近動
作の最中には、微動機構に関するトンネル電流検出シス
テムは作動状態に保持され、常にトンネル電流を検出で
きる状態に保持されている。
【0008】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。 微動機構の構成および動作 図1は、走査型トンネル顕微鏡における探針周辺部の微
動機構の構成と、探針を微動させる位置制御を行うため
のシステム構成と、探針で得られた測定データの検出・
処理部の構成を示している。微動機構は、走査型トンネ
ル顕微鏡の探針を移動させる移動機構の一部である。ま
ず、探針周辺部の構成および動作を説明する。図1にお
いて、1は探針であり、探針1は例えば導電性部材で形
成され、その先端は鋭く尖り、試料2の表面に臨んでい
る。探針1は、その軸方向が試料2の表面に直角になる
ように配置されている。探針1は、トライポッドヘッド
(図1中で図示せず)で、相互に直角になるように配置
された棒状の3本の微動用圧電素子3,4,5の交差部
に取付けられている。圧電素子3はZ軸方向の移動に関
与するアクチュエータ、圧電素子4はX軸方向の移動に
関与するアクチュエータ、圧電素子5はY軸方向の移動
に関与するアクチュエータである。探針1は、その軸方
向が圧電素子3の長手方向と一致するように、圧電素子
3の下端面に固定される。圧電素子3〜5は探針1を微
動させるためのアクチュエータである。圧電素子3によ
って探針1を試料2に微小距離(0〜十数μm)接近さ
せることができ、圧電素子4,5によって探針1を試料
2の表面における微小の領域をXY走査することができ
る。探針1は、前記トライポッドヘッドを介してステッ
ピングモータやストロークの大きな粗動用圧電素子など
の粗動機構によって支持され、Z軸方向について、かか
る粗動機構でその位置を相対的に大きく変えることがで
きる。粗動機構によって、トンネル電流が検出される位
置まで探針1を試料2の表面に接近させる。粗動機構の
構成については、図2を参照して後で説明する。
【0009】次に、探針1を微動させる位置制御を行う
ためのシステム構成および動作を説明する。後述する粗
動機構の動作に基づき、探針1が試料2の表面に接近し
、探針1と試料2との距離が原子レベルの微小距離にな
ると、それらの間にトンネル電流が流れる。この場合、
トンネル電流が流れるためには、探針1と試料2との間
に所定の電圧が印加されていることが条件となる。 図1では、電圧印加手段は明示されていない。探針1に
発生したトンネル電流は、トンネル電流検出部6で検出
される。検出されたトンネル電流は、電流・距離変換部
7によって、探針1と試料2の間の距離を表す信号に変
換される。探針1と試料2の表面との距離は一定に保持
されるものであり、次段のサーボ回路8は、電流・距離
変換部7から検出された距離の信号を入力し、検出され
た距離の値が一定値に保持されるように、Z軸方向の圧
電素子3の伸縮動作を制御する。試料2の表面における
探針1のX軸およびY軸の各方向の走査は、走査部9に
よって行われる。走査部9は、X軸方向用の圧電素子4
とY軸方向用の圧電素子5に対してこれらを伸縮するた
めの制御信号を与え、これらの圧電素子4,5によって
試料2の測定表面上で2次元的走査が行われる。X,Y
,Zの各軸方向の圧電素子3〜5の動作による探針1の
移動に伴い、圧電素子3〜5に印加される電圧、すなわ
ち各圧電素子の伸縮量を空間座標として記憶・演算部1
0に記憶する。記憶・演算部10に記憶された探針1の
位置データは、適宜に画像処理部11に取り出され、こ
の画像処理部11で試料2の観測表面の凹凸形状につい
ての画像処理を行い、モニタ部12に試料2の表面凹凸
をイメージで表示する。
【0010】上記の構成において、探針1と試料2との
間にトンネル電流が流れる場合、探針1と試料2との距
離は、通常、原子レベルの1nm程度であり、試料面の
凹凸状態を検出するためには、この距離を一定に保つよ
うに圧電素子3の動作を制御することが必要とされる。 トンネル電流は探針1と試料2の間の距離の変化に敏感
に変化し、これにより顕微鏡として高い分解能を得るこ
とができる。
【0011】粗動機構(インチワーム)の構成と動作次
に、図2を参照して粗動機構の構成と動作を説明する。 粗動機構は、通称でインチワームとも呼ばれ、前記探針
移動機構の一部を構成する。図2は粗動機構の側面図で
あり、本図で、図1で説明した要素と同一のものには同
一の符号を付している。1は探針、2は試料である。試
料2は、測定対象である表面が垂直になるように配置さ
れており、この表面に対し探針1は直角になるように配
置されている。したがって、図2では図示される如く、
X軸およびY軸が定義される。21は、側面から見てL
字型をしたベースで、試料2等を配置する支持部材であ
る。試料2は、ベース21の立壁部に固定される。22
は前記トライポッドヘッドであり、この図示例では、圧
電素子3,4の一端を固定し、全体として探針1と圧電
素子3〜5からなるアセンブリを支持している。粗動機
構は、Z軸方向に伸縮できるように配置された粗動用の
圧電素子23と、この圧電素子23の前側部(図中、左
側部)と後側部(図中、右側部)を適時なタイミングで
クランプする前クランプ部24と後クランプ部25を備
える。前クランプ部24と後クランプ部25は、ベース
21の水平壁部に配設される。各クランプ部24,25
は粗動用圧電素子23を固定するクランパ26と、クラ
ンパ26の動作を制御する圧電素子27とバネ28から
構成される。粗動用圧電素子23はベース21の水平壁
部に平行に配置され、その先部に、微動機構を備えたト
ライポッドヘッド22を取り付けている。
【0012】上記の構成を有する粗動機構を利用して、
トンネル電流が流れるようになるまで探針1を試料2に
接近させる。この場合において、微動機構では、サーボ
回路8により圧電素子3が最大の長さになるように電圧
を印加し、かつかかる状態において探針1の先端部が試
料2の表面から数十μm〜数百μmの所に存在するよう
にする。粗動機構による試料2への探針1の接近移動で
は、下記の如く、圧電素子23の伸縮動作と、前後のク
ランプ部24,25のクランプおよびアンクランプの反
復動作との組み合わせにより移動が行われる。
【0013】前クランプ部24の例を用いてクランプ部
の一般的動作を説明する。クランプ状態(オン動作状態
)では、圧電素子27は印加電圧がゼロで最縮状態にあ
り、バネ28で引っ張られたクランパ26はベース21
に密着した状態で圧電素子27を固定する。またクラン
プ状態を解除するとき、すなわちアンクランプ状態(オ
フ動作状態)には、圧電素子27に所要電圧を印加して
最伸状態とし、クランパ26をベース21より持ち上げ
、固定を解除する。粗動機構による探針1の試料2への
接近動作は、前後のクランプ部24,25のオン・オフ
動作と、圧電素子23を伸縮するための印加電圧のオン
・オフ動作を交互に繰り返すことにより、しゃくとり虫
方式で行われる。すなわち、後クランプ部25がオンさ
れた状態で圧電素子23の後部を固定し、前クランプ部
24をオフした状態にして、圧電素子23に所要電圧を
印加する。この電圧印加で、前部が拘束されない圧電素
子23は、最終的にそのストローク分だけ前側に伸長す
る。これによって、圧電素子23の前端に位置する探針
1は、試料2に向かって移動する。この移動において、
接近移動のための圧電素子23の伸ばしステップは、圧
電素子23のフルストローク値および圧電素子3のフル
ストローク値の関係に基づいて適切な値が設定され、か
つ状況に応じて任意に変更できるものである。かかる設
定の仕方については、以下に詳述される。上記の接近動
作において粗動用の圧電素子23のストロークが最伸状
態になった場合には、圧電素子23によってそれ以上前
進できないので、前クランプ部24をオン状態にし、後
クランプ部25をオフ状態とする。この状態で、圧電素
子23の印加電圧をゼロにすると、圧電素子23は後部
が拘束されていないので、前側に移動した形で最縮状態
になる。その後には、後クランプ部25を、再びオン動
作させてクランプ状態とし、前クランプ部24をアンク
ランプ状態にし、再び圧電素子23を伸ばしステップに
従って伸長せしめる。以上の動作を繰り返すことにより
、圧電素子23のしゃくとり虫的運動で、探針1を、試
料2に向かって接近するよう前進させることができる。 探針1を試料2から後退させるときには、圧電素子23
の伸縮運動および前後のクランプ24,25のオン・オ
フ動作の順序を反対にすることにより行うことができる
【0014】粗動機構による移動では、圧電素子23へ
の印加電圧は、例えば0〜100Vの範囲で可能である
が、クランプ部24,25のオン・オフを切換える時点
で、圧電素子23を最伸状態に保持・設定することはし
ない。この場合、圧電素子23のストロークは、例えば
フルストロークの80〜90%程度の長さとし、圧電素
子23のストロークの上限値には或る程度の余裕幅を持
たせることにする。粗動機構による探針1の試料2への
接近動作において、後クランプ部25をオン動作、前ク
ランプ部24をオフ動作にした状態では、圧電素子23
を徐々に伸ばし最終的に最伸状態にする。この時の圧電
素子23に印加される電圧は100Vである。圧電素子
23が伸びきり状態になっても、トンネル電流が検出さ
れないときには、次の接近動作のため、前後のクランプ
部24,25のオン・オフ動作の切換えを行わなければ
ならない。この時には、クランプ部24,25の切換え
を行う前に、前述の通り、圧電素子23の長さを最伸状
態から余裕長さ分だけ後退させる。圧電素子23の所要
の収縮が完了した時点で、前クランプ24をオン動作、
後クランプ部25をオフ動作の状態に切換える。かかる
動作の制御に基づいて、クランプ部24,25の切換え
に起因する探針1の位置の変動で、探針1が試料2の表
面に衝突するのを防止している。
【0015】なお試料2の表面に対する探針1の接近動
作の最中において、粗動用圧電素子23によるストロー
クの状態と、探針1によるトンネル電流は、常に検出で
きるように回路的に設定されている。微動用圧電素子3
を最伸状態にして粗動用圧電素子23による接近動作を
行い、この状態でトンネル電流を検出すると、圧電素子
3にサーボがかかり、圧電素子3は最伸状態から縮む。 この場合には、探針1の試料2への衝突を避けるため、
さらに粗動用圧電素子23の印加電圧を0にして圧電素
子23を最縮状態とし、粗動機構による移動を完全に停
止する。加えてその後、サーボ回路8の動作状態をオフ
として、微動用圧電素子3のストロークも最縮状態とす
る。このため、粗動機構による接近動作で探針1がトン
ネル電流を検出した時には、一時的にサーボ制御状態が
解除される。
【0016】前述の粗動機構の構成に関して、粗動用圧
電素子23および前後のクランプ部24,25の圧電素
子27のそれぞれに各タイミングで必要とされる電圧を
印加する回路部分、および各圧電素子のオン・オフ動作
のタイミングを制御する手段については、図2で、その
図示が省略されている。これらの回路部分や制御手段は
、図1に示した微動機構のための制御系と連動するよう
に構成され、コンピュータ等を用いてその構成は容易に
実施できる。
【0017】トンネル電流が検出された後の粗動用圧電
素子23と微動用圧電素子3の各伸縮動作の制御   
          図3を参照して、粗動機構による探針1の接近移動でト
ンネル電流が検出された時、その後における粗動用圧電
素子23と微動用圧電素子3によるZ軸方向の移動、す
なわち探針1の試料2への自動接近の操作フローを説明
する。図3に示された圧電素子23を含む粗動機構の動
作とZ軸方向の微動用圧電素子3の動作の制御のための
フローチャートは、図示しない統括的な制御手段により
実行される。図3で示した圧電素子23と圧電素子3の
伸縮動作制御ための操作フローは、試料2の観察表面に
対しトンネル電流に基づく測定が開始される直前の最終
的な状態において、Z軸方向の移動を行うための2つの
圧電素子3,23が、共にそれぞれのフルストロークの
ほぼ中間位置の伸長状態で、トンネル電流が検出される
ように、各圧電素子3,23のストロークを再設定され
ることを目的とするものである。トンネル電流が検出さ
れる時点における粗動機構の圧電素子23への印加電圧
をVZOと仮定する。印加電圧VZOは、圧電素子23
の長さを電圧で示したものである。同様にして、圧電素
子23のフルストロークをVZL、圧電素子3のフルス
トロークをVZSであると仮定する。この初期設定の状
態は、ステップ31に記述される。次のステップ32で
は、トンネル電流が検出された時点での圧電素子23の
長さ(VZS/2+VZO)と、圧電素子23のフルス
トロークの1/2、すなわちVZL/2とを比較する。 ステップ32による比較判断で、得られた大小関係に基
づいて、圧電素子3,23のストロークのそれぞれがほ
ぼ中間状態でトンネル電流を検出した状態になるように
、ステップ33またはステップ34,35のいずれかが
実行される。ステップ32の判定がYes であるとき
には、ステップ33で次式、
【0018】
【数1】
【0019】に基づきストロークVZKを算出し、前ク
ランプ部24と後クランプ部25のオン・オフ動作の切
換えを行い、ストロークVZKに相当する電圧を圧電素
子23に印加してその長さを調整する。ステップ32が
Noであるときには、ステップ34で次式、
【0020】
【数2】
【0021】に基づきストロークVZKを算出し、スト
ロークVZKに相当する電圧を圧電素子23に印加して
その長さを調整する。次には、ステップ35で前クラン
プ部24をオンとし、後クランプ部25をオフとした状
態で、圧電素子23への印加電圧をゼロとする。次のス
テップ36では前後のクランプ部24,25のオン・オ
フ動作の切換えを行う。さらに、次のステップ37では
、粗動機構の圧電素子23を徐々に伸長するための伸ば
しステップを設定し、設定した伸ばしステップに対応す
る電圧を圧電素子23に印加する。そして、トンネル電
流が検出された否かを判定する(ステップ38)。トン
ネル電流が検出されるまで、ステップ37,38を繰り
返す。この際、ステップ37では、必要に応じて、粗動
機構の圧電素子23のストローク量を検出し、所定の計
算値により、前記の伸ばしステップ、すなわち接近のた
めの速度を変更することもできる。圧電素子3,23が
それぞれ中間ストロークの状態で、トンネル電流が検出
された状態になった時には、待機状態に保持される(ス
テップ39)。
【0022】粗動機構のみによる探針1の移動でトンネ
ル電流が検出された後において、微動機構の圧電素子3
と粗動機構の圧電素子23の各ストローク状態が、上記
の如く制御される理由は、次の通りである。走査型トン
ネル顕微鏡を用いた測定では、観察領域として、広域用
には一辺が数μm〜数十μmの矩形範囲を設定し、原子
像用には一辺が数nmの矩形範囲を設定し、比較的に観
察領域の変化は広い範囲にわたる。また測定対象に応じ
て使用するX,Y,Zの各軸の微動用圧電素子3〜5に
ついても、それぞれ異なる動作範囲のものを使用するの
が、一般的である。一例を挙げると、広域用ではX軸お
よびY軸の各方向に約10μm程度、Z軸方向に数μm
であり、原子像用ではX軸およびY軸の各方向に数百n
m程度、Z軸方向に100nm程度のものである。また
粗動用の圧電素子23では、試料2への接近時に高速性
を要求されるので、フルストロークで数十μm程度のも
のが使用される。一方、粗動機構における最小の移動ピ
ッチは、A/D変換器の分解能により定められる。仮に
、広域用および原子像用のZ軸方向圧電素子3にそれぞ
れフルストローク3μmおよび60nm、また粗動用圧
電素子23にフルストローク15μmのものを用い、か
つA/D変換分解能を16ビットと仮定する。このとき
、粗動機構の圧電素子23の最小移動ピッチPは、15
×103 /216の計算により約0.23nmとなる
。 広域用微動機構を用いる場合には、粗動機構における試
料への移動ステップは、最小移動ピッチPの100倍(
23nm)程度に設定しても問題は起きない。しかし原
子像用の微動機構の場合には、広域用微動機構の場合と
同様に移動ステップを設定すると、探針1は試料2に簡
単に衝突する。そこで、原子像用の微動機構の場合、粗
動機構における圧電素子23の接近用の移動ステップを
小さくすれば、探針1と試料2との衝突を避けることが
できる。しかしながら、圧電素子23による接近用の移
動ステップを小さくすれば、探針1がトンネル電流が流
れる程度まで試料2に接近するのに非常に時間を要する
ことになる。したがって、Z軸方向の微動用圧電素子3
のフルストロークの長さに基づいて粗動用圧電素子23
の移動ステップを適切に設定する必要がある。具体的に
、粗動機構の圧電素子23によるストロークを検出し、
その長さが許容値を越えた場合には、移動ステップを小
さいに値になるように切換え、起る可能性のある衝突を
回避する。
【0023】図3のフローチャートで示された圧電素子
3,23のストローク調整関係、すなわち粗動機構の移
動によってトンネル電流が検出された時、その後に探針
1を試料2に自動接近させるためのZ軸方向に関する粗
動機構と微動機構の動作制御を、移動のイメージで具体
的に示すと、図4および図5の如くなる。ここで使用さ
れる圧電素子23のフルストロークは15μm、圧電素
子3のフルストロークは3μmであり、図4はトンネル
電流検出時の圧電素子23のストローク値が1μmであ
る場合の例を示し、図5は同ストローク値が10μmで
ある場合の例を示す。図4および図5では、装置構成は
模式的に示され、前図で説明した要素と同一のものには
同一の符号を付している。また図中、記号○はアンクラ
ンプ状態を示し、記号×はクランプ状態を示す。
【0024】図4の例を説明する。ステップS1では圧
電素子3のストロークはフルストロークVZSに設定さ
れ、前クランプ部24はアンクランプ状態、後クランプ
部25はクランプ状態である。ステップS1に示される
如くトンネル電流検出時の圧電素子23のストロークV
ZOが短いため、ステップ32にてYES の場合であ
る。次いで、ステップS2,S3で、各圧電素子3,2
3のストロークを最小のものにする。ステップS4では
、前後のクランプ部24,25のオン・オフ動作を切換
える。 ステップS5で、電圧VZKを圧電素子23に印加する
。 ステップS4,S5は、前記ステップ33を実行してい
る。次に、ステップS6でステップ36を実行し、前後
のクランプ部24,25のオン・オフ動作を切換える。 ステップS7では、微動用圧電素子3のストロークをフ
ルストロークに調整する。ステップS8では前記ステッ
プ37,38を実行し、トンネル電流が再度検出される
最終状態において、圧電素子3,23のストロークがそ
れぞれVZS/2、VZL/2となるように再調整が行
われる。
【0025】図5の例を説明する。ステップS11〜1
3は、それぞれ前記ステップS1〜3と同じ状態である
。ステップS11に示される如くトンネル電流検出時の
圧電素子23のストロークVZOが長いため、ステップ
32にてNOの場合である。ステップS14で、前後の
クランプ部24,25の動作状態を維持したまま圧電素
子23に電圧VZKを印加する。次のステップS15で
は前後のクランプ部24,25のオン・オフ動作を切換
え、ステップS16で圧電素子23のストロークを最小
にする。次に、ステップS17で前後のクランプ部24
,25のオン・オフ動作を再度切換える。ステップS1
8は前記ステップS7に対応し、ステップS19は前記
ステップS8に対応する。こうして、最終的に圧電素子
3,23の各ストロークはそれぞれのフルストロークの
ほぼ中間値に設定される。
【0026】なお、図4および図5の接近動作において
、図3で説明した、探針1の試料2への接近速度の切換
えについては、図4の例ではステップS8にて、また図
5の例ではステップS19にて、粗動機構の圧電素子2
3を徐々に伸ばしながら探針1を試料2に接近させる過
程で、そのストロークに所定のしきい値を設定すること
により行われる。
【0027】以上の接近のための制御によれば、XY走
査を行う際、微動用圧電素子3の動作範囲はフルストロ
ークの約1/2程度までとることができ、試料2の観察
表面の凹凸に対する探針1の追従性を向上させることが
できる。
【0028】またZ軸方向の微動用圧電素子3は、試料
の表面凹凸の程度や、観察領域の大きさに応じて異なる
性能のものを用いることになる。そのフルストロークは
、数十nmから数μm程度のものが用いられるが、探針
1の試料表面の接近時には、圧電素子3の動作範囲に対
応して粗動用圧電素子23の接近移動速度を切換えるこ
とにより、探針1の試料2への衝突を避けることができ
る。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、トンネル電流を検出するまで探針を試料に接近
させる移動動作において、最初のトンネル電流検出の情
報に基づき最終的に粗動用圧電素子と微動用圧電素子の
ストロークがそれぞれのフルストロークのほぼ中間値に
なるように設定したため、探針と試料との衝突を避ける
ことができる。また微動用圧電素子の動作範囲が最大に
確保されるため、XY走査時の微動用圧電素子の追従性
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型トンネル顕微鏡の微動機構
に関するシステムを概略的に示す構成図である。
【図2】粗動機構の側面図である。
【図3】粗動機構による探針の移動でトンネル電流が検
出された後の微動用圧電素子と粗動用圧電素子の各伸縮
動作の制御を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャートによる制御の第1例を具
体的に示す説明図である。
【図5】図3のフローチャートによる制御の第2例を具
体的に示す説明図である。
【符号の説明】
1          探針 2          試料 3          Z軸方向の微動用圧電素子4,
5          走査のための微動用圧電素子6
          トンネル電流検出部7     
     電流・距離変換部8          サ
ーボ回路 9          走査部 10          記憶・演算部11     
     画像処理部 12          モニタ 21          ベース 22          トライポッドヘッド23  
        Z軸方向の粗動用圧電素子24   
       前クランプ部25          
後クランプ部26          クランパ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  探針と、試料の表面に対する前記探針
    の位置を変化させる移動機構と、前記探針と前記試料と
    の間にトンネル電流を生じさせるための電圧を印加する
    電圧印加手段と、前記トンネル電流を測定する測定手段
    と、測定されたトンネル電流が一定に保持されるように
    、前記移動機構を介して前記探針と前記試料との間の距
    離を制御する制御手段と、前記移動機構を介して前記探
    針に前記試料の表面を走査させる走査手段と、前記探針
    で得られる前記試料の表面に関するデータを記録・処理
    するデータ処理手段を備える走査型トンネル顕微鏡にお
    いて、前記移動機構は粗動機構と微動機構からなり、前
    記制御手段は、前記トンネル電流が検出されるまでの試
    料への探針の接近移動については、前記粗動機構に設け
    られた圧電素子とクランプ機構の各動作を組み合わせる
    ことにより行い、前記トンネル電流が検出された後の前
    記探針の接近移動では、前記粗動機構による移動動作を
    一旦停止し、その後、前記微動機構の接近用圧電素子の
    ストロークをフルストロークよりも余裕を有した長さに
    設定し、この状態で前記トンネル電流を測定し得るよう
    に前記粗動機構の圧電素子のストロークを再調整するよ
    うに制御を行うことを特徴とする走査型トンネル顕微鏡
  2. 【請求項2】  試料表面測定時に、粗動機構と微動機
    構の各動作の組み合わせで、試料の表面に対する探針の
    位置を変化させ、前記探針に流れるトンネル電流が一定
    に保持されるように前記探針と前記試料との間の距離を
    制御するようにした走査型トンネル顕微鏡の探針移動機
    構の制御方法であり、前記粗動機構のみによる探針移動
    で前記トンネル電流が検出された時、前記粗動機構の移
    動動作は一旦停止され、その後、前記微動機構の接近用
    圧電素子のストロークをフルストロークよりも余裕を有
    した長さに設定した状態で前記トンネル電流を測定し得
    るように前記粗動機構の圧電素子のストロークを再調整
    したことを特徴とする走査型トンネル顕微鏡の探針移動
    機構の制御方法。
  3. 【請求項3】  請求項2記載の走査型トンネル顕微鏡
    の探針移動機構の制御方法において、前記接近用圧電素
    子における余裕を有した長さは、フルストロークのほぼ
    中間の長さであることを特徴とする走査型トンネル顕微
    鏡の探針移動機構の制御方法。
  4. 【請求項4】  請求項2または3に記載の走査型トン
    ネル顕微鏡の探針移動機構の制御方法において、前記粗
    動機構の前記圧電素子のストロークは、フルストローク
    のほぼ中間の長さであることを特徴とする走査型トンネ
    ル顕微鏡の探針移動機構の制御方法。
JP9047191A 1991-04-22 1991-04-22 走査型トンネル顕微鏡、およびその探針移動機構の制御方法 Pending JPH04320903A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003023198A (ja) * 2001-07-09 2003-01-24 Gigaphoton Inc レーザ装置用波長制御装置及び制御方法

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