JPH04330099A - 免疫グロブリン含有組成物 - Google Patents
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
組成物に関する。さらに詳しくは、ヘリコバクター・ピ
ロリ(Helicobactor pylori)で免
疫した哺乳動物(ウシなど)の初乳または乳汁から単離
したヘリコバクター・ピロリに特異的な免疫グロブリン
の単離法に関する。本発明はさらに、これら免疫グロブ
リン(抗体)を胃疾患の腸溶治療(enteric t
reatment)に有用な製剤の調製に使用すること
に関する。
由来のもの)を含有するタンパク質濃縮物の製造および
特定の免疫グロブリン集団に関する。さらに詳しくは、
本発明は、微生物ヘリコバクター・ピロリ[以前は文献
中でカンピロバクター・ピロリ(Campylobac
ter pylori)と呼ばれていた]に対する特異
性を示す活性免疫グロブリンおよびこのタンパク質を胃
腸管中でのヘリコバクター・ピロリのコロニー形成の管
理に使用することに関する。さらに詳しくは、本発明は
、乳汁分泌する哺乳動物にヘリコバクター・ピロリを注
射し、ついで該免疫哺乳動物により産生された初乳(ま
たは乳汁)から抗体を単離濃縮すること、および胃腸管
中に生息するヘリコバクター・ピロリの感染性を腸溶摂
取により減少させるために該濃縮物を使用することに関
する。該タンパク質(免疫グロブリン)濃縮物は、ヘリ
コバクター・ピロリの胃腸管中でのコロニー形成に付随
する後発症(胃炎および消化性潰瘍を含む)の治療に有
用である。
に、従来の文献には、乳汁由来の免疫学的因子を新生児
および乳幼児のための栄養製品中に導入および使用する
ことが開示されている。これら栄養製品を経口摂取する
ことにより、上記免疫学因子を胃腸管内における微生物
感染の結果に対する保護に利用することができる。米国
特許第3,992,521号および同第3,984,5
39号各明細書には、ウマまたはウシの血清から得た抗
体を含有する免疫製品の製造方法および免疫グロブリン
製品自体が開示されている。しかしながら、これら特許
には、本発明の特定の免疫グロブリン、その製造および
単離方法、該免疫グロブリンをヘリコバクター・ピロリ
により誘発された胃炎の治療に使用することのいずれも
示唆も開示もされていない。
は、乳汁分泌哺乳動物に死菌微生物の混合物を注射し、
ついで血清または乳汁から抗体を単離することからなる
抗体の調製方法が開示されている。しかしながら、この
特許には、ヘリコバクター・ピロリが抗体応答を引き起
こし得ること、および本発明の特定の治療剤は示唆も開
示もされていない。米国特許第1,573,995号明
細書には、大腸菌に対する特異性を示す免疫グロブリン
の調製および単離方法が開示されている。しかしながら
、この特許は、大腸菌以外の微生物の有用性については
示唆していない。同様に、下記文献には同様の方法が開
示されている:(1)ヒルパート(H.Hilpert
)ら、プロシーディングス・オブ・ザ・サーティーンス
・シンポジウム・スイーディッシュ・ニュートリーショ
ナル・ファウンデイション(Proceedings
of the13th Symposium Swed
ish Nutritional Foundatio
n);およびミーテンス(C.Mietens)ら、E
uropean J.Pediatrics、132、
239〜252(1979)。
ロータウイルスによるウシの免疫および該ウイルスに対
する免疫グロブリンのウシ乳汁からの単離を開示してい
る。この免疫グロブリンは、経口で子供に投与すると下
痢の発生頻度を減少させることがわかった[エビナら、
The Lancet(10/29/1983)、10
29〜1030、(1983);およびエビナら、Me
d.Microbiol.Immunol.,174、
177〜185、(1985)参照]。しかしながら、
これら文献は、ヘリコバクター・ピロリに対する免疫グ
ロブリンがヘリコバクター・ピロリにより誘発された胃
炎の管理に有用であることを示唆も開示もしていない。
は、ワクチン接種したウシの乳汁を凝固させ、抗乳血清
(ホエー)を回収し、硫酸アンモニウムで免疫グロブリ
ンを選択的に沈殿させ、水に対して透析し、濾過し、乾
燥することによりワクチン接種したウシの乳汁から免疫
グロブリンを単離する方法が開示されている。血清保護
(seroprotection)試験によれば、米国
特許第4,051,231号に開示のタンパク質濃縮物
は、吸収なく、また消化管の作用を有意に損なうことな
く、局所的な受動免疫を付与することにより、ある種の
腸内病原性細菌および/またはウイルスに対する全身受
動保護を付与することが示された。しかしながら、この
特許は、そのような抗体がヘリコバクター・ピロリによ
り誘発された胃炎の進行を緩和するように働くことにつ
いては示唆も開示もしていない。
くの刊行物が存在する。ヘリコバクター・ピロリは、直
径が約0.85μmで平均長が2.9μmである。この
微生物は、滑らかな被覆、および鞘で覆われ末端が球根
状の4〜6個の極性鞭毛を有している。この微生物は、
新鮮な培地中では細長く曲がったグラム陰性桿菌として
認められる。ヘリコバクター・ピロリは、鞭毛に軸糸が
存在しないことにより他の胃内細菌およびスピロヘータ
から容易に識別可能である。さらに、ヘリコバクター・
ピロリの最適増殖条件は普通ではないため、他の腸内病
原菌から分離するのに役立つ。たとえば、ヘリコバクタ
ー・ピロリは増殖を維持するのに微空気(microa
erophilic)ガス環境(すなわち、低酸素含量
)を必要とする。ヘリコバクター・ピロリは、広範囲の
局所pH条件に耐性であるように思われ、また酸性条件
に対しては比較的耐性である。この耐性は、一部は該微
生物の外部タンパク質構造によるものと思われる。すな
わち、該外部タンパク質構造が大量のウレアーゼを含有
している結果、胃液中に天然に存在する尿素を開裂し、
そのため該微生物のすぐ周囲にアンモニアの緩衝層を形
成するためと思われる。
は多数の螺旋菌が生息するが、ヘリコバクター・ピロリ
を他の菌から区別するものは、該菌が胃および十二指腸
の内腔粘膜表面に殆ど限定されて局在し、しかも一般に
胃小窩の深部に存在するという観察である。ヘリコバク
ター・ピロリの撲滅および治療を困難にしているのは、
上記異常な増殖条件と胃腸管内での生息部位との組み合
わせである。ヘリコバクター・ピロリによる胃炎の治療
に適した理想的な抗菌剤は、局所活性を示さなければな
らず、低pH値で安定でなければならず、胃粘膜に容易
に浸透できなければならない。これら抗菌剤の望ましい
特性は容易に達成することができず、それゆえ抗菌剤を
用いたヘリコバクター・ピロリの満足のいく治療は未だ
行われていない。ヘリコバクター・ピロリにより引き起
こされる胃炎の管理に有効な薬剤の開発は、長年の念願
を達成するものである。
疾患の進行の主要な原因はヘリコバクター・ピロリであ
るという同意が浮上しつつある。詳しくは、下記文献が
本発明の背景を理解するのに有用である:カンピロバク
ター・ピロリ(Campylobactorpylor
i)、ティトガット(G.N.Tytgat)編、Ad
is Press Intntl.(1989)。一般
に、この文献は、ヘリコバクター・ピロリが胃炎および
消化性潰瘍疾患の進行に果す役割を開示している。これ
ら条件でヘリコバクター・ピロリが病因であることを支
持する重要な証拠は、抗生物質および/またはビスマス
化合物の使用により胃からヘリコバクター・ピロリを除
去すると胃疾患が緩解するという観察に基づいている。
潰瘍疾患の治療に用いられる主要な治療法は、ヒスタミ
ンH2−レセプターアンタゴニスト、ビスマス化合物、
および抗生物質などである。しかしながら、現在用いら
れているすべての治療法モダリティは治療後の再発割合
が許容できないほどに高いため、臨床的に適当でないこ
とが一般に受け入れられている。加えて、これら治療法
の幾つかは有意の副作用を伴う。たとえば、ヘリコバク
ター・ピロリ感染の有効な抗生物質治療には長期間(4
〜6週間)にわたる治療が必要であり、その結果、下痢
や消化器系の不快感が認められる。ビスマス化合物もま
た多くの望ましくない副作用を示すことが知られている
。
プシンの分泌を抑制するH2−アンタゴニストの使用に
よって占められている。しかしながら、治療後の再発割
合は極めて高い。不確定の維持治療を行うことなく症候
の軽減および潰瘍の治癒を行うことが治療の主要な目的
であるので、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用
を有する粘膜「保護剤」が望ましいことがますます明ら
かになりつつある。それゆえ、医療社会では医薬および
/または栄養製剤に容易に利用することのできる保護剤
を必要としている。本発明は、ヘリコバクター・ピロリ
で免疫した乳汁分泌哺乳動物から得た免疫グロブリンを
腸内摂取することによりそのような保護を得ることがで
きるという発見によりそのような必要を満たすものであ
る。
開示または想起することができなかった。本発明の発見
は、その一部が胃粘膜のヘリコバクター・ピロリ感染の
治療に抗体(免疫グロブリン)を使用することおよび該
抗体自体に関する。ヘリコバクター・ピロリで免疫した
ウシから得た乳汁分泌由来の抗体は、他の免疫グロブリ
ン製造法に比べて多くの利点をもたらすであろう。その
ような利点としては、他の分離法に基づく抗体および製
品製造物に比べて多量、容易かつ高再生産性で免疫グロ
ブリンを単離できること、製品の製造が容易であること
、および費用が有意に節約できることなどが挙げられる
。
ヘリコバクター・ピロリに対して高度の免疫学的特異活
性を有する乳汁ベースの製品の製造方法に関する。本発
明の他の態様は、本明細書に開示した方法に従って製造
した特定の免疫グロブリン自体に関する。本発明のさら
に別の態様は、吸飲する個体にヘリコバクター・ピロリ
に対する保護を与える免疫学的成分を有する乳汁を産生
させるために哺乳動物を処置する方法に関する。本発明
のさらに他の態様は、これら特定の抗体(免疫グロブリ
ン)をヘリコバクター・ピロリにより引き起こされた胃
炎の治療に使用することに関する。
対する特異的活性を示す非変性免疫グロブリン、さらに
詳しくは、哺乳動物の乳汁分泌物から単離されヘリコバ
クター・ピロリに対する特異的活性を示す免疫グロブリ
ンを含有する組成物に関する。本発明はさらに、ヘリコ
バクター・ピロリに対する特異性を示す非変性免疫グロ
ブリンを含有することを特徴とする、ヘリコバクター・
ピロリにより引き起こされた胃炎の治療剤に関する。本
発明の治療剤は、単独または薬理学的および/または栄
養学的に許容し得る担体と組み合わせて用いることがで
き、粉末または液体の形状であってよい。
に対する特異性を示す免疫グロブリンの製造方法であっ
て、(1)乳汁分泌するまたは妊娠した哺乳動物をアジ
ュバント中に乳化したヘリコバクター・ピロリの細胞懸
濁液で免疫し、(2)該哺乳動物から初乳または乳汁を
得、ついで(3)該分泌物から免疫グロブリンを単離す
ることを特徴とする方法に関する。一般に本発明の組成
物は、ヘリコバクター・ピロリで免疫した哺乳動物の乳
汁分泌物から免疫グロブリンを単離して調製したもので
あり、該免疫グロブリンはヘリコバクター・ピロリに対
して特異的な抗菌作用を示す。
、有効量のヘリコバクター・ピロリ特異的免疫グロブリ
ン(ヘリコバクター・ピロリで免疫した哺乳動物の乳汁
分泌物から得たもの)をそのような治療を要する患者に
経口摂取することからなる。この免疫グロブリンは単独
または脂肪、油およびタンパク質などの他の物質と併用
して摂取してよい。最も広い態様において、本発明はヘ
リコバクター・ピロリに対する抗菌作用を示す新規組成
物に関する。
ピロリで免疫した哺乳動物の乳汁分泌物から単離した免
疫グロブリンからなり、単独で、または脂質、タンパク
質または油などの他の天然または合成の可食製品と併用
して利用することができる。該組成物は、容易に単独か
または他の可食製品と併用して用い、胃疾患の治療に有
用な混合物とすることができる。
発明の有用性は、本発明の特定の抗体(免疫グロブリン
)をヘリコバクター・ピロリに感染した無菌のコブタに
摂取させることにより示される。本発明の特定抗体(免
疫グロブリン)を含有する栄養組成物を摂取させると、
アガープレート培地再単離および組織学的方法の両方に
よって示されるように、ヘリコバクター・ピロリによっ
て引き起こされた病理状態の減少または除去並びに種々
の胃上皮部位におけるヘリコバクター・ピロリ細菌のコ
ロニー形成レベルの減少が得られる。
ウシで産生させ(詳細は下記)、下記標準免疫化学法に
より特徴付ける。本発明の抗体の他の特徴付けは、たと
えば、免疫蛍光法などの一般的な免疫化学法により検出
されるように、ヘリコバクター・ピロリ凝集能、ヘリコ
バクター・ピロリ細菌の存在下での補体結合能、細菌増
殖抑制能、およびヘリコバクター・ピロリ抗原に対する
特異的結合能などを評価することにより行うことができ
る。
バクター・ピロリ特異的抗体を下記給餌計画に従ってヘ
リコバクター・ピロリのみを感染させた無菌のコブタに
与えた。ヘリコバクター・ピロリ特異的抗体を与えた後
、血液試料を取り出し、被験動物を屠殺した後に処理プ
ロトコールの微生物学的および組織病理学的評価を行っ
た。これらの研究の結果を、ヘリコバクター・ピロリ特
異的抗体を含有しない栄養調合乳であるシミラック(S
imilac)R[アボット・ラボラトリーズの子会社
のロス・ラボラトリーズ(Ross Laborato
ries)、オハイオ州コロンバス、の乳幼児栄養製品
]をベースにした非免疫乳汁を与えたヘリコバクター・
ピロリのみを感染させた無菌コブタ同腹子と比較した。
バクター・ピロリに特異的な抗体を含有する免疫グロブ
リン製剤を腸内摂取させると胃の種々領域に含まれるヘ
リコバクター・ピロリの生菌レベルが減少し、そのため
ヘリコバクター・ピロリにより引き起こされた胃炎の実
際的な治療法が得られることを見いだした。ヘリコバク
ター・ピロリ特異的抗体は単独か(すなわち、液体、錠
剤またはカプセルの形態にて)または種々の脂質、タン
パク質または油などの他の薬理学的に許容し得る担体と
併用して用いることができる(これら担体から栄養上お
よび/または薬理学上の利点が得られるかもしれない)
。
しく説明するが、本発明はこれらに限られるものではな
い。下記実施例は、ヘリコバクター・ピロリに特異的な
抗体の製造および使用並びに該使用の生理学的結果に関
する。さらに詳しく説明すると、実施例1および2は、
ヘリコバクター・ピロリ細菌で免疫した妊娠ウシから単
離した免疫グロブリンの製造および特徴付けに関する。 表1は、ヘリコバクター・ピロリで免疫したウシから単
離した初乳ホエイ製品の免疫学的特徴付けを非免疫(す
なわち、コントロール)ウシからのものと比較して示す
。このデータは、ヘリコバクター・ピロリで免疫したウ
シから得られたホエイ中に含まれるヘリコバクター・ピ
ロリ特異的抗体(免疫グロブリン)レベルの濃度は、非
免疫ウシからのものに比べて100倍以上増加している
ことを示している。実施例3は、免疫ウシと非免疫ウシ
から単離しヘリコバクター・ピロリに対して特異的な活
性を示す特定免疫グロブリンの生物物理学的および生物
学的特徴付けに関する。表2および表3に生物学的デー
タおよび生物物理学的データをそれぞれまとめて示す。
クター・ピロリで免疫した無菌ブタの食餌に上記免疫物
質を調合および使用すること、従って、ヘリコバクター
・ピロリにより引き起こされた胃炎の治療における該物
質の有用性に関する。表4のデータは、実施例5に記載
のようにして経口摂取によりヘリコバクター・ピロリに
暴露させた被験動物がヘリコバクター・ピロリに対する
全身性の(血清に含まれる)抗体を産生させ、それゆえ
ヘリコバクター・ピロリ感染を達成する手段としてのヘ
リコバクター・ピロリ経口処理の有効性を確認できたこ
とを明らかに示している。
えることがヘリコバクター・ピロリ細菌の生菌レベルに
及ぼす影響の評価に関するものであり、ヘリコバクター
・ピロリ生菌は、ヘリコバクター・ピロリを前以て感染
させたコブタの種々の胃上皮部位からその後に回収する
ことができる。表5および6は、これら結果をまとめて
示す。このデータは、免疫調製物を与えた被験動物では
非免疫栄養物のみを与えた被験動物に比べて、調べたす
べての胃部位からのヘリコバクター・ピロリ生菌の回収
が顕著に減少したことを示している。これらの結果は、
ヘリコバクター・ピロリによって引き起こされた胃炎の
治療にヘリコバクター・ピロリ特異的抗体(免疫グロブ
リン)を使用することの有効性を明らかに示している。
ロリ細菌(ATCC株26695)で免疫したウシの初
乳から、ヘリコバクター・ピロリ特異的抗体を含有する
ホエイを調製した。フロイントの不完全アジュバント中
に乳化した該細菌を5×109コロニー形成単位(CF
U)/mlの濃度で用いた。各接種には、この物質12
mlを用いた。各ウシに対して下記免疫計画を用いた。 まず、ウシの乳の出を止める(drying off)
14日前(D−14)に皮下接種した。ついで、ウシの
乳の出を止める7日後(D+7)に乳房内にブースター
投与し、D+30に皮下に2回目のブースター投与を行
った。これと同じおよび同様の免疫計画は従来技術によ
って教示されており、上記計画はここで使用する方法を
完全に記載してはいるけれども、この記載はヘリコバク
ター・ピロリに対する抗体(免疫グロブリン)を産生さ
せることのできる免疫法を限定することを意図するもの
ではない。というのは、当業者であれば他の免疫法から
もまた同様の結果が得られることを容易に認識し理解す
ることができるであろうからである。
、初乳を回収し、レンネットホエイを調製し、このホエ
イを使用するときまで−20℃で凍結貯蔵した。ホエイ
を得るための単離法は、米国特許第4,051,235
号に大略が記載されている。基本的な工程は下記の通り
である。
から脂肪を除く。このことは、凍結した初乳を解凍し、
上部の液体部分を除くことにより部分的には行うことが
できる。ついで、残りの物質を完全に解凍し、遠心分離
により残留脂肪を可能な限り除く。得られた脱脂初乳1
L当たり1.5mgの塩化カルシウムを加え、同初乳1
L当たり1.5gの市販のレンニンを加えることにより
、該脱脂初乳を沈殿させる。ついで、この混合物を20
℃で充分に撹拌する。その後、この溶液を2〜5時間放
置すると溶液中のカゼインが沈殿する。ついで、沈殿し
たカゼインを遠心分離により除く。得られた溶液を以下
、「ウシ初乳ホエイ」(BCW)と呼ぶ。ついで、この
溶液を濾過により清澄化し、ついで下記方法によりタン
パク質および免疫グロブリン濃度を測定する。
ウシ初乳ホエイ(BCW)試料を、全タンパク質、免疫
グロブリンアイソタイプのタイプ特徴付け、IgG1含
量、および抗ヘリコバクター・ピロリ特異的抗体につい
て分析した。これらアッセイに用いた方法は当該技術分
野で用いられる標準法であり、それぞれ、染料結合法(
バイオラド)、放射免疫拡散法(INCバイオケミカル
ズ)、および酵素結合抗体イムノアッセイ法(ELIS
A)であった。
ロリ細胞溶解液(3.2μg/ml)でコーティングし
た。使用した検出抗体は、ウシIgG1タイプ抗体に対
する免疫特異性を有するモノクローナル抗体にアルカリ
ホスファターゼを結合させたものであった。このアッセ
イの指示試薬基質はp−ニトロフェニルホスフェートで
あった。発色の程度をダイナテックELISAプレート
リーダーで可視波長490nmにて測定し、標準統計法
に従ってデータを分析した。これら研究の結果を表1に
まとめて示す。これらデータは、非免疫ウシから得られ
た初乳ホエイに比べてヘリコバクター・ピロリに経口暴
露したウシから得られた初乳ホエイでは、免疫グロブリ
ン(IgG1)濃度が100倍以上増加したことを明ら
かに示している。
びヘリコバクター・ピロリで免疫しなかったウシ(コン
トロール)から得られた初乳ホエイ。 b:非希釈初乳ホエイでの非調節(nonadjust
ed)ELISA力価(免疫=77,000およびコン
トロール=860)。このアッセイでは、ヘリコバクタ
ー・ピロリに特異的な抗体を検出する。
の特徴付け) ヘリコバクター・ピロリ特異的抗体は、多くの方法で特
徴付けることができる。本研究の目的のためには、免疫
グロブリンの生物学的活性は凝集アッセイにより決定し
(表2)、生物物理学的な特徴付けはBCW中に含まれ
る主要な免疫グロブリンアイソタイプの物理特性を考慮
して得ることができる(表3)。
の特定抗体の存在および相対濃度を決定するのに用いら
れる古典的方法である(たとえば、腸チフスのためのウ
ィダール試験など)。凝集には、細菌の外表面抗原上の
特定部位に特異的抗体が結合した結果、細菌が大きな塊
に集合することが含まれる。それゆえ、適当な細菌懸濁
液と該細菌で前以て免疫した動物から得た免疫グロブリ
ン調製物とを混合すると、細菌のクランピング(凝集)
を容易に観察することができる。所定の抗体調製物の強
度(力価)を評価するには、該抗体を希釈し(たとえば
、2倍系列希釈)、凝集作用を示す最後の希釈を決定す
ればよい。細菌凝集を視覚化するには、U字型プラスチ
ックマイクロタイタープレートの底に沈降した細菌のパ
ターンを調べればよい。非凝集細菌は沈降して密なボタ
ン(tight button)を形成するが、凝集細
菌はボタンの形成が妨げられ、プラスチックウエルの底
に拡散パターンとして沈降する。
希釈液を調製し、ついで適当に希釈した細菌(ホルマリ
ン固定ヘリコバクター・ピロリまたは大腸菌)を加えた
。ついで、凝集の終点の読み取りを容易にするため、メ
チレンブルーを含有する緩衝液を加えた。4℃で18時
間インキュベートした後、プレートを調べた。その後、
凝集の程度を決定し、上記で定義したように凝集を示す
抗体の最低系列希釈として結果を表した。この研究の結
果を表2に示す。これらデータは、ヘリコバクター・ピ
ロリに対して産生されBCW中に含まれる抗体がヘリコ
バクター・ピロリと高力価(すなわち、希釈)で特異的
に反応するが、他のウイルスおよび細菌抗原とは有意に
は反応しないことを明らかに示している。同様に、非免
疫ウシまたは関係のない細菌またはウイルス抗原で免疫
したウシからの同様の免疫グロブリン調製物は、ヘリコ
バクター・ピロリとは有意に反応しない。
109細胞/mlに調節し、マイクロタイタープレート
中の2倍抗体希釈液に加えた。凝集細菌の視覚化を促進
するため、メチレンブルー(0.01%)を細菌希釈液
(0.01Mリン酸緩衝食塩水、pH7.0)に加えた
。 b:ヒトロータウイルス(HRV) 初乳中に認められる主要な抗体クラスは、IgG1アイ
ソタイプサブクラスの免疫グロブリンタイプG(IgG
)である。これら抗体は、下記表3に記載する物理特性
を有する。
的特徴付け)主要な免疫グロブリンクラス:
IgG1分子量:
160,000ダルトン沈降係数(S20,
w):
6.7s吸光係数(E1%280):
12.2等電
点:
5.5〜6.8炭水化物含
量:
3%
調製)上記アッセイに従って、BCW試料を市販のシミ
ラックR乳幼児用調合乳(ロス・ラボラトリーズ)に添
加して17mg IgG1/mlの標準濃度とした。混
合後、試料を加熱処理し、抗生物質混合物を加えて生菌
細菌のいない生成物を得た。このことは、無菌コブタモ
デルの必要条件である。抗生物質の個々の濃度は、ヘリ
コバクター・ピロリの増殖に対してだけは抑制しないよ
うに選択した。他のすべての細菌の増殖は抑制された。 コントロールの食餌は、上記と同じタイプかつ量の抗生
物質混合物を含有するシミラックRであった。
のコブタを無菌的に出産させ、無菌インキュベーター中
に保持した。これら一腹の動物群のうち、11匹を無作
為に2つの実験群に分けた: 群I:コントロールのシミラックR栄養物のみを与えた
5匹のコブタ;および 群II:ヘリコバクター・ピロリ抗体を含有するシミラ
ックRを与えた6匹のコブタ これら両実験群とも、シメチジンで前処理した後、3日
齢のときに2×109CFU/mlのヘリコバクター・
ピロリで経口感染させた。
4に示すように、ELISAアッセイにより各コブタの
血清試料中のヘリコバクター・ピロリ特異的ブタ抗体を
検出することにより確立した。この表のデータは、感染
前の血清に比べて両群の動物が、3種の免疫グロブリン
アイソタイプのすべてについて各血清中に明らかに有意
なレベルの抗体を産生させたことを示している。
R単独(群I)かまたはヘリコバクター・ピロリ特異的
抗体を含有するシミラックR(群II)のいずれかを1
7mg IgG1/mlの濃度にてコブタに与えた。こ
れら動物に、それぞれ30mlの食餌物質を1日に3回
与えた。食餌後、抗体を含有しない乳汁代替食餌(15
0ml)を各動物に与えた。この給餌プロトコールを2
0日間続けた。
齢のときに血液試料を各動物から採取し、動物を安楽死
させ、検死を行った。これら血液試料を血清に処理し、
ブタ抗ヘリコバクター・ピロリ抗体の存在について分析
した。検死のときに胃上皮試料(1〜2cm2)を5つ
の異なる解剖部位から採り、ついで細菌のコロニー形成
および感染の組織学的証拠について評価した。胃の噴門
部、底部、幽門部、洞部、および憩室部から生検を採取
した。
選択アガープレート上に置き、すじを付けた。接種した
プレートを5%O2、10%CO2および80%N2か
らなる減酸素雰囲気のガスジャー中、37℃にてインキ
ュベートした。この気体混合物は、ヘリコバクター・ピ
ロリの増殖を選択的に容易にするものである。5〜8日
後に細菌の増殖についてプレートを調べた。推定ヘリコ
バクター・ピロリコロニーを新たな培地上で継代培養し
た。細菌増殖並びに生検に付随する粘液物質の両方にグ
ラム染色を行った。細菌の同定は、標準酵素(カタラー
ゼ、オキシダーゼ、ウレアーゼ)アッセイおよび抗生物
質感度(ナリジクス酸およびセファロシン)アッセイに
より確認した。これらアッセイで得られたプロフィール
により、調べた細菌の種類の正確な同定が可能となった
。 この方法は、当該技術分野における標準法である。これ
ら研究の結果を表5および6にまとめて示す。
を再単離して行ったデータを表5に示す。免疫調製物を
与えたコブタと免疫なしの栄養物のみを与えたコブタと
を比較して示した。非免疫栄養物を与えたコブタでは、
アッセイした5つの胃上皮生検部位の84%においてヘ
リコバクター・ピロリに典型的な小さな細菌コロニーが
認められた。これに対して、抗ヘリコバクター・ピロリ
特異的抗体を含有する栄養物を与えたコブタでは、生検
の37%しかコロニーが観察されなかった。コントロー
ルのコブタ(すなわち、非免疫調製物を与えた被験動物
)からは生菌ヘリコバクター・ピロリ細菌が100%単
離されたが、免疫調製物を与えたコブタからは生菌ヘリ
コバクター・ピロリは50%しか単離されなかった。こ
の細菌がヘリコバクター・ピロリであるとの同定は、生
化学的アッセイを用いて確認した。片側スチューデント
「t」検定またはノンパラメトリックランキング法(ウ
イルコクソン検定)を用い、95%の信頼レベルで差異
は有意である。
(10日前に)した各コブタに、シミラック中に希釈し
たヘリコバクター・ピロリ免疫初乳(1.5g IgG
1/90ml/日、3回の給餌にて)(免疫群)かまた
はシミラック単独(非免疫群)を20日間与えた。 b:I=希釈免疫初乳を与えたコブタ;NI=非免疫調
製物(シミラックRTF)を与えたコブタc:選択アガ
ープレートからのコロニー増殖に基づく。 ヘリコバクター・ピロリの確認は適当な生化学試験(ウ
レアーゼ、カタラーゼ、オキシダーゼおよびナリジクス
酸およびセファロシンに対する感受性)により行った。 d:統計的評価(2試料、片側t検定)。免疫付与群は
非免疫付与群に比べて有意に低かった(p=0.029
8)。
後に組織生検とともに単離した粘液物質にグラム染色を
行った(ヘリコバクター・ピロリはグラム陰性細菌であ
る)。特に、グラム陰性細菌に関して陽性の生検試料の
数を決定した。この情報は表6にまとめて示してある。 これらのデータから、表5に含まれる情報が、非免疫栄
養物を与えたコブタで認められるグラム陰性細菌の発生
頻度が78%であるのに対して、抗ヘリコバクター・ピ
ロリ特異的抗体を含有する栄養物を与えたコブタで認め
られる同菌の発生頻度は35%であることを示している
。この差異は90%の信頼レベルにて有意である。
タ;NI=非免疫調製物(シミラックRTF)を与えた
コブタ b:選択アガープレートからのコロニー増殖に基づく。 ヘリコバクター・ピロリの確認は適当な生化学試験(ウ
レアーゼ、カタラーゼ、オキシダーゼおよびナリジクス
酸およびセファロシンに対する感受性)により行った。 c:典型的なヘリコバクター・ピロリのミクロコロニー
を有するプレートおよび同コロニーを有しないプレート
からの接種物のグラム染色(GNR=グラム陰性桿菌)
。
要点は、すべての被験動物がヘリコバクター・ピロリ細
菌で確かに感染されていたという決定にある。このこと
の証拠は、表4に含まれるデータ、すなわち、ヘリコバ
クター・ピロリによる感染後にすべてのコブタがヘリコ
バクター・ピロリに対する抗体を産生し(すなわち、血
清変換)、ヘリコバクター・ピロリに特異的な活性を示
す抗体(免疫グロブリン)を血清中に含有していたこと
により示される。このことは、実験の終了時にコブタ血
清のELISA分析を行うことにより決定した。表4に
含まれるデータは、すべての被験動物が有意量の抗ヘリ
コバクター・ピロリ特異的抗体を産生させたこと、それ
ゆえヘリコバクター・ピロリにより感染されていたに違
いないことを明らかに示している。
コバクター・ピロリが存在すると胃炎が引き起こされる
と考えられる。従来の治療法は重大な副作用を有し、し
ばしば疾患の再発を防ぐことができなかった。医療社会
では該疾患に対する治療または防御策が長い間求められ
てきたが、本発明はその必要性を満たすものである。
Claims (9)
- 【請求項1】 細菌ヘリコバクター・ピロリに対する
特異活性を示す非変性免疫グロブリンを含有する組成物
。 - 【請求項2】 免疫グロブリンが哺乳動物の乳分泌物
から単離したものである請求項1に記載の組成物。 - 【請求項3】 免疫グロブリンがハイブリドーマ法に
より調製したものである請求項1に記載の組成物。 - 【請求項4】 免疫グロブリンが遺伝子工学法により
調製したものである請求項1に記載の組成物。 - 【請求項5】 細菌ヘリコバクター・ピロリに対する
特異活性を示す非変性免疫グロブリンを含有することを
特徴とする、ヘリコバクター・ピロリに伴う胃炎の治療
剤。 - 【請求項6】 薬理学的および/または栄養学的に許
容し得る担体を含有する、請求項5に記載の治療剤。 - 【請求項7】 粉末または液体の形態である請求項6
に記載の治療剤。 - 【請求項8】 免疫グロブリンが哺乳動物の乳分泌物
から単離したものである請求項5に記載の治療剤。 - 【請求項9】 ヘリコバクター・ピロリに対する特異
性を示す免疫グロブリンの調製方法であって、(1)乳
汁分泌するまたは妊娠した哺乳動物をヘリコバクター・
ピロリの細胞懸濁液で免疫し、(2)該哺乳動物から初
乳または乳汁を得、ついで(3)該分泌物から免疫グロ
ブリンを単離することを特徴とする方法。
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