JPH04337453A - Bod迅速測定方法及びこれに用いる微生物電極 - Google Patents

Bod迅速測定方法及びこれに用いる微生物電極

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JPH04337453A
JPH04337453A JP3137255A JP13725591A JPH04337453A JP H04337453 A JPH04337453 A JP H04337453A JP 3137255 A JP3137255 A JP 3137255A JP 13725591 A JP13725591 A JP 13725591A JP H04337453 A JPH04337453 A JP H04337453A
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microbial
bod
membrane
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electrode
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Mizuo Iki
壹岐 瑞雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、BOD迅速測定方法及
びこれに用いる微生物電極に係り、さらに詳しくは、懸
濁性浮遊物(有機性物質)を含む被測定液のBOD(生
物化学的酸素要求量)を正確、かつ、簡易迅速に測定す
ることができるBOD迅速測定方法及びこれに用いる微
生物電極に関する。 【0002】 【従来の技術】BODの測定方法については、日本工業
規格(工業排水試験方法JIS K 0102−198
6 )に詳細に定められている。 【0003】これは、排水を20°Cで5日間静置した
後にその溶存酸素の減少を測定するものであり、基準内
排水か否かの決定に5日間を要し、測定結果が判明する
までの間、排水を厳密にそのまま貯留しておかなければ
ならないものであった(以下、「公定5日間法」という
)。 【0004】また、この公定5日間法による場合には、
検水中に飽和させた溶存酸素のうち、バクテリヤによる
資化のため5日間の間に使用された消費酸素量が当初の
溶存酸素の40〜70%となるように検水中のBODを
予測して予め濃度を調製しておく必要がある。そのため
には、水の飽和溶存酸素濃度が20°Cで8.84mg
/g なので、消費酸素量を40〜70%にするために
は3.5 〜6.2 mg/リットル程度に稀釈してお
かなければならず、この点に作業上の困難さがあるとと
もに、測定精度を上げるためには熟練した測定者が必要
であり、さらには、バッチ式であるためにその自動化が
不可能であるなどの問題があった。 【0005】このため、公定5日間法にみられる上記問
題点を解決するものとして、微生物電極を用いてBOD
を迅速に測定する種々の方法が提案されるに至った。 【0006】このようなBOD迅速測定方法のうちの一
つには、微生物電極を備えた測定セル中に中性緩衝液を
流して中性条件を保たせるとともに、空気を吹き込むこ
とで実質的に酸素飽和の条件に保ち、このような条件下
で被測定液を供給し、この被測定液中のBOD成分に対
応する前記測定セル中の溶存酸素低下量、つまり微生物
の代謝により消費される溶存酸素量を隔膜式酸素電極の
出力として検出し、前記被測定液の代りにBOD既知の
標準液を供給した際の電流もしくは電圧の出力を基準と
し、所定の測定ステップ経過毎にその出力とBODとの
検量線を較正することで行なわれている。 【0007】図11は、上記BOD迅速測定方法の実施
に供される装置のシステム構成例を示すものである。 【0008】同図によれば、被測定液50と、BODが
既知である複数種類の標準液51と、スライムの発生を
抑制するための洗浄水52とがバルブ切替手段22を介
してローラポンプ23により選択的に一方の管路24の
側から恒温槽26内に供給されるようになっている。 【0009】また、中性緩衝液53もローラポンプ23
により他方の管路25の側から恒温槽26内に直接に供
給されるようになっており、これら一方の管路24と他
方の管路25とは、前記恒温槽26内で合流され、中性
緩衝液の存在下でエアポンプ27により酸素飽和状態と
された被測定液については測定セル28内に配設されて
いる微生物電極31を介して測定が行なわれ、しかる後
、排水路29を介して装置本体21外に排出されるよう
になっている。 【0010】また、前記微生物電極31からの出力は、
データ処理手段30を介して所定のデータ処理が行なわ
れ、測定データとして記録されるようになっている。 【0011】この場合、微生物電極31は、図12に示
すように、筒体33内に電解液34に浸漬させて配設さ
れるアノード電極35とカソード電極36と、このカソ
ード電極36に密着させて筒体33の一方の開口端面を
覆う隔膜37とからなる隔膜式溶存酸素電極32と、こ
の隔膜式溶存酸素電極32における前記隔膜37に密着
固定させて配設される微生物膜38とで構成されている
。 【0012】図13は、上記微生物電極31を構成して
いる微生物膜38の従来構造の一例を示すものであり、
リングスペーサ44を介して隔置される二枚の多孔性膜
39,41との間の空間部内にトリコスポロン(Tri
chosporon)属に属する酵母類の単一菌体から
なる微生物43が封入されて形成されており、この場合
の多孔性膜39,41は、孔径が 0.45 〜 0.
6μm の多数の孔を有し、厚さが120 〜150 
μm であるテフロン膜や、ナイロン膜、セロハン膜、
酢酸セルロース膜により形成されたものが用いられてい
る。 【0013】図14は、上記微生物膜38における多孔
性膜39,41と封入された微生物43との間の関係を
模式的に示した説明図であり、トリコスポロン(Tri
chosporon)属に属する酵母類の単一菌体(例
えば長さが100 〜2000μm 程度で、幅が5〜
10μm 程度)からなる微生物43は、孔径が 0.
45 〜 0.6μm の孔40,42を備える多孔性
膜39,41を通過できない大きさを有して封入固定さ
れている。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
微生物電極31を用いたBOD迅速測定方法においては
、図14に示す微生物膜38の構造からも明らかなよう
に、封入された微生物43は多孔性膜40,42により
隔離されることになる。 【0015】このため、微生物43は、多孔性膜40,
42の孔径よりも十分に大きな被測定液中の懸濁性浮遊
物を資化しようとしても、多孔性膜40,42に阻止さ
れてこれに直接接触することができず、資化することが
できない。 【0016】しかも、単一菌であるトリコスポロン属に
属する酵母類(例えば、トリコスポロンクタネウムIF
O−10466 )を用いて形成される微生物膜38(
以下、「単一菌膜」という)を備えた微生物電極31を
利用する場合には、被測定液中に存在し得る有機物質の
うち、十分な分解を受けることができる成分については
別として、例えば、蛋白質や澱粉、脂肪などのような不
溶性成分については資化が困難なため正確な測定ができ
ないものであった。 【0017】このように、従来からあるBOD迅速測定
方法には、被測定液の有機成分のうち、短時間で資化さ
れるものだけがその測定対象成分とならざるを得ず(J
IS K3602−1990 第9頁の「適用範囲」の
項参照)、特に、有機的懸濁性浮遊物を含む被測定液に
おいては、さらに正確度が低下し、場合によってはBO
D測定が不可能となるなどの不都合があった。 【0018】そして、これは、被測定液中に存在する有
機的物質、特に有機的懸濁性浮遊物に対しての微生物電
極31を構成している上記微生物膜38上での資化作用
に限界があることに起因するものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】本発明は、従来方法にみ
られた上記課題に鑑み、短時間で資化されにくいため上
記JIS 規格で測定対象外とされた不溶性の有機成分
、特に懸濁性浮遊物や難分解性成分についても測定対象
に取り込むことで、被測定液中に存在する有機成分につ
いて公定5日間法による測定結果に対応する正確なBO
D測定を行なうことができるBOD迅速測定方法及びこ
れに用いる微生物電極を提供しようとするものである。 【0020】そのうち、本発明に係るBOD迅速測定方
法の構成上の特徴は、隔膜式溶存酸素電極と微生物膜と
からなる微生物電極を備えた測定セル中に、中性緩衝液
の存在下で酸素飽和状態とした被測定液を供給し、その
際に前記微生物電極により検知される出力とBOD既知
の有機物含有標準液供給時の基準出力とを比較し、当該
被測定液のBODを測定するBOD迅速測定方法におい
て、微生物電極を構成する前記微生物膜には、高分子材
からなる単層もしくは二層の多孔性膜に対し微生物を有
機的懸濁性浮遊物や有機的難分解性成分の資化をも可能
に付着させて形成したものを用いることにある。 【0021】なお、本発明における前記被測定液は、こ
の被測定液中に存在し得る有機物質を分解する酵素を添
加する前処理作業を経て測定セル中に供給したり、予め
ホモジナイス処理を行なって測定セルに供給してもよく
、さらに、前記微生物としては、バチルス(Bacil
lus)属、プソイドモーナス(Pseudomona
s) 属、エセリチア(Escherichia) 属
、ストレプトマイセス(Streptmyces )属
、マイコバクテリウム(Mycobacterium 
)属のうちの少なくともいずれかに属する複数種類のも
のを好適に用いることができる。 【0022】また、このBOD迅速測定方法に用いられ
る微生物電極の構成上の特徴は、隔膜式溶存酸素電極に
おける隔膜に微生物膜を密着固定してなる微生物電極で
あって、前記微生物膜は、懸濁性浮遊物や難分解性成分
を分解して可溶化する酵素を生成するバチルス(Bac
illus)属、プソイドモーナス(Pseudomo
nas) 属、エセリチア(Escherichia)
 属、ストレプトマイセス(Streptmyces 
)属、マイコバクテリウム(Mycobacteriu
m )属のうちの少なくともいずれかに属する複数種類
の微生物を硝酸セルロース又はポリ沸化ビニリデンなど
の高分子材からなる単層もしくは二層の多孔性膜に付着
させて形成したことにある。   【0023】 【実施例】以下、図面を参酌して本発明の実施例を説明
する。本発明に係るBOD迅速測定方法の実施に供され
る装置のシステム構成は、微生物電極31を除き、図1
1に示すものと同様にして構成されており、以下、同一
の構成部材については同一の符号を用いて説明する。 【0024】図1〜図3は、本発明に係る微生物電極3
1における微生物膜11の構造例を示すものであり、そ
のいずれもが懸濁性浮遊物や難分解性成分を分解して可
溶化する酵素を生成するバチルス(Bacillus)
属、プソイドモーナス(Pseudomonas) 属
、エセリチア(Escherichia) 属のうちの
少なくともいずれかに属する複数種類の微生物17を硝
酸セルロースやポリ沸化ビニリデンなどの高分子材から
なる多孔性膜12が有している孔構造中に付着させて形
成されている。なお、硝酸セルロースやポリ沸化ビニリ
デンなどの高分子材からなる本発明の多孔性膜12は、
従来からある多孔性膜39,40に用いられているテフ
ロン膜や、ナイロン膜、セロハン膜、酢酸セルロース膜
に比し10〜1000倍程度の微生物付着力を保持して
いる。 【0025】このうち、図1に示す微生物膜11は、孔
径が2.5 〜10.0μm であるである多数の孔1
4を有して被測定液への接触側に配置される多孔性膜材
13と、孔径が同じく2.5 〜10.0μm である
である多数の孔16を有して図12に示す隔膜37への
接触側に配置される多孔性膜材15とからなる二層構造
の多孔性膜12の前記孔13,16のそれぞれに微生物
17を付着させて形成されている。 【0026】また、図2に示す微生物膜11は、孔径が
2.5 〜10.0μm である多数の孔14を有して
被測定液への接触側に配置される多孔性膜材13と、孔
径が0.2 〜0.5μm である多数の孔16を有し
て前記隔膜37への接触側に配置される多孔性膜材15
とからなる二層構造の多孔性膜12における前記孔14
のそれぞれに微生物17を付着させて形成されている。 【0027】さらに、図3に示す微生物膜11は、孔径
が2.5 〜10.0μm であるである多数の孔14
を有してなる単層構造の多孔性膜12の前記孔14のそ
れぞれに微生物17を付着させて形成されている。 【0028】本発明の微生物膜11に用いられる微生物
17(菌種)の選定と多孔性膜12の材質・形状、さら
には多孔性膜12への微生物17の付着方法によるBO
D測定法については、公定5日間法とは別の指標である
と考えるべきであるとしても、この公定5日間法のBO
D値の正確な推定は、公定5日間法に用いられる菌種群
を用い、かつ、被測定試料中の懸濁性浮遊物や難分解性
成分にも十分接触して資化できる上記図1〜図3に示す
構造とすることで達成できる。 【0029】そして、微生物17として利用される菌体
は、天然の土壌中や活性汚泥中のものを用いているもの
ではなく、常時同一の菌種量を含有した菌製剤を用いて
形成されるものが用いられるので、常に同一の条件の微
生物膜11を製作することができる。 【0030】このようにして形成される微生物膜11の
保存性については、未使用品の場合、蓋付き滅菌プラス
チックシャーレに入れ、デシケータ中に冷暗所保存すれ
ば短くても最低6か月は十分変質せずに保存することが
できる。 【0031】また、一旦、湿潤化させた微生物膜11に
ついては、中性緩衝液中に外部からの汚染のないように
保存すれば、室温で1〜6か月は良好状態のもとで保存
することができる。 【0032】一方、上記微生物膜11を形成する際の多
孔性膜12への微生物17の付着方法は、まず、菌製剤
から菌体群を損なわずに抽出する必要があるため、菌製
剤の適当量を中性緩衝液に浮遊させ、遠心分離器により
数度にわたり菌体群を洗滌しながら分離抽出する。 【0033】この抽出菌体群は、微生物電極31の隔膜
式溶存酸素電極32におけるカソード電極36面に被着
させるために必要な面積を有する高分子材からなる多孔
性膜12の孔14に対し真空濾過等の方法により微生物
17として付着させる。 【0034】この膜を図1〜図3に示すように二層もし
くは単層の微生物膜11として形成し、この微生物膜1
1における被測定液との接触面側には、2.5μm 以
上の孔径の多数の孔14を有する高分子材からなる多孔
性膜12を用いることで被測定液に微生物17としての
菌体群を直接接触させるようにする必要がある。 【0035】ところで、本発明の微生物膜11は、活性
汚泥に含まれる菌種のうちからBOD測定に有効な数種
類の菌体群を特定し、これらと同種の菌製剤から得られ
る菌体を使用しているので、さきのJIS K 360
2−1990 の解説中に指摘されているように、活性
汚泥を用いる場合と同様に微生物相が時間の経過と共に
変化する結果、その応答性に大きな経時的な変化が起こ
り、公定5日間法との相関を満足にとれなくなるなどの
問題を含むものではある。 【0036】しかし、本発明においては、微生物膜11
を予め中性緩衝液53を添加した被測定液、もしくはこ
れと同種の液中で曝気しながら数時間ないし十数時間前
後馴致した後に使用することにより上記欠点を解決して
安定した測定を行なうことができる。 【0037】一方、従来の微生物膜38である「単一菌
膜」を用いる場合には、次のような不都合がある。 【0038】すなわち、被測定液中の含有成分は、一種
だけとは限らず、むしろ多種類の成分を含有しているの
が普通であるのに対し、菌類は、どの含有成分をも同じ
酸化率によって酸化するとは限らない。 【0039】このため、異なった酸化率を有する複数の
成分を含有する被測定液に対するBOD値を公定5日間
法によるBOD値に近い測定値を示す測定法が当然、公
定5日間法によるBOD値に近く、相関性のよい値をと
ることができる。 【0040】次に示す表1は、公定5日間法によるBO
D測定値を100mg/リットルと設定した場合を想定
して得られるシュミレーション推定例を示すものであり
、表中の「BOD5 」は公定5日間法を、「混合菌膜
」は図1〜3に示す本発明の微生物膜11を、「単一菌
膜」は図14に示す従来タイプの微生物膜38をそれぞ
れ示す。 【0041】 【表1】 【0042】上表によれば、本発明の微生物膜11であ
る「混合菌膜」による場合には、いずれの試料において
も公定5日間法によるBOD測定値に対し5〜10%程
度の隔たりしかなかったのに対し、従来タイプの微生物
膜38である「単一菌膜」による場合には、試料の別に
より公定5日間法によるBOD測定値に対し20〜50
%もの隔たりがあり、これによっても、本発明の微生物
膜11によるBOD測定値が公定5日間法によるBOD
測定値と相関性のよいことを確認することができる。 【0043】次に、本発明の微生物膜11である「混合
菌膜」を装着させたBOD迅速装置と、単一菌トリコス
ポロンクタネウムを用いた従来タイプの微生物膜38で
ある「単一菌膜」を装着させたBOD迅速装置とを用い
、被測定液として同一の某下水処理場の試料を導入して
行なった測定結果と、公定5日間法によるBOD値とを
表2として示す。 【0044】 【表2】 【0045】上表によれば、公定5日間法の測定値を1
00 %とすると、流入生下水については、「混合菌膜
」が83%、「単一菌膜」が37%となり、懸濁性浮遊
物(SS成分)を除去した下水については、「混合菌膜
」が89%、「単一菌膜」が34%となり、さらには、
懸濁性浮遊物(SS成分)の少ない流出水については、
「混合菌膜」が100 %、「単一菌膜」が63%とな
った。 【0046】これにより、「単一菌膜」は、上記三種の
測定試料が懸濁性浮遊物はもとより、グラスファイバー
フィルター(GFP)を通過する1μm 以下の極微細
懸濁性浮遊物を含めた成分についても反応性が弱いこと
が判明する。 【0047】また、公定5日間法によるBOD値に近い
測定値が得られる「混合菌膜」の成績から公定5日間法
によるBOD値を推定する場合、同系統の被測定液につ
いては比較的容易に行なうことができることが判明した
。なお、図4は、表2についてのグラフ図を示す。 【0048】また、次に示す表3は、某下水処理場の下
水試料につき、本発明の微生物膜11である「混合菌膜
」と、従来タイプの微生物膜38である「単一菌膜」と
によるBOD値を比較したものであり、図5は、そのグ
ラフ図である。 【0049】 【表3】 【0050】これによれば、「単一菌膜」のBOD値は
、流入生下水と1μmグラスファイバー濾紙(GFP)
濾過水とのいずれについても大差がないが、「混合菌膜
」のそれは、大きな差のあることが確認された。 【0051】この事実は、「混合菌膜」が流入生下水中
のSS成分(懸濁性浮遊物成分)と反応したことを窺わ
せ、流入生下水31.8mg/リットルと1μm GF
P濾過水で21.1mg/リットルとの間の差10.7
mg/リットルは、流入生下水中のSS成分のBOD値
であると推測される。 【0052】しかし、「単一菌膜」の場合は、流入生下
水と1μm GFP濾過水との間に大きな差を見出すこ
とができず、しかも、測定値自体も「混合菌膜」のそれ
よりも非常に低いことから、流入生下水中のSS成分と
ほとんど反応していないことを窺わせるものであった。 【0053】次に、図1〜図3に示した微生物膜11を
備える図12に示す構造の微生物電極31が組み込まれ
た図11の装置を用いて行なわれる本発明に係るBOD
迅速測定方法について説明する。 【0054】すなわち、隔膜式溶存酸素電極32と微生
物膜11とからなる微生物電極31を備えた測定セル2
8中に、中性緩衝液53の存在下で酸素飽和状態とした
被測定液を供給し、その際に前記微生物電極31により
検知される出力とBOD既知の有機物含有標準液51供
給時の基準出力とを比較し、当該被測定液のBODを測
定することで行なわれる。 【0055】なお、この場合、標準液51のための液槽
と、被測定液50のための液槽とのそれぞれにスターラ
ーを配設し、内容液を攪拌しながら測定セル28に送液
するならば、検量線、及び被測定液測定値の速やかな安
定を得ることができる。 【0056】そして、この場合、微生物電極31を構成
する前記微生物膜11は、既に述べたように硝酸セルロ
ース又はポリ沸化ビニリデンなどの高分子材からなる多
孔性膜12に対し微生物17を懸濁性浮遊物や難分解性
成分の資化をも可能に付着させて形成したものが用いら
れる。 【0057】この場合、被測定液に蛋白質や澱粉、脂肪
などの難分解性成分が濃厚に含まれているものについて
は、従来法に用いられる「単一菌膜」としての微生物膜
38によっては資化が不可能であり、さらには、本発明
の微生物膜11である「混合菌膜」によっても短時間に
資化されない部分が生じ、測定されないことがあるので
、この被測定液中に存在し得る有機物質を分解する酵素
、例えば、バチルス(Bacillus)属、プソイド
モーナス(Pseudomonas) 属、エセリチア
(Escherichia) 属、ストレプトマイセス
(Streptmyces )属、マイコバクテリウム
(Mycobacterium )属のうちの少なくと
もいずれかが生成する酵素を添加する前処理作業を経て
測定セル28中に供給するのが好ましい。 【0058】この場合、被測定液中には、以下に述べる
ような条件を考慮して選定される次の酵素を添加するこ
とにより、微生物膜11の資化能力を高め、しかも、公
定5日間法による測定値に非常に近い値で測定すること
が可能となる。 【0059】この場合に選定される酵素を次に例示する
。・酵素例 ■  蛋白質分解酵素  Microbial ser
ine proteinese酵素源  Bacill
us属、Escherichia 属、Pseudmo
nas属等■  澱粉分解酵素  α−Amylase
酵素源  Bacillus属(例えば、Bacill
us subtilis )等■  澱粉分解酵素  
β−Amylase酵素源  Bacillus属、P
seudmonas属、Streptmyces 属等
■  脂肪分解酵素  Phospholipase 
A2酵素源  Escherichia 属、Myco
bacterium 属等■  脂肪分解酵素  Ly
sophospholipase酵素源    Esc
herichia 属【0060】そして、本発明方法
の実施に供されるBOD迅速測定装置の装置本体21の
側に供給される被測定液50は、多孔性膜12に付着さ
せる菌種群が生産し、蛋白質や澱粉、脂肪を分解する上
記酵素を水溶化あるいは水和化した一種もしくは数種を
予め試料に添加したものが用いられ、その際の添加量は
、極く微量ではあるが、反応必要量よりも数倍程度過剰
であっても得られる測定値には殆ど影響がなく、むしろ
、過小量のほうが適切な測定値よりも小さくなる傾向に
ある。 【0061】また、適切添加量の決定は、添加量を数段
階に段階分けしてBOD迅速測定を行なうことで、さほ
どの手数を要せずに対応することができる。以下に、酵
素を添加してBOD測定を行なった実験例を示す。 【0062】まず、次に示す表4は、微粒子状の蛋白質
をその構成成分として含むスキムミルク溶液に酵素を添
加した際の本発明の微生物膜11である「混合菌膜」と
従来タイプの微生物膜38である「単一菌膜」とのBO
D値を比較したものであり、図6は、そのグラフ図であ
る。 【0063】 【表4】 【0064】スキムミルク溶液は、SS成分が非常に少
ないので、酵素を添加しない状態のもとでは「単一菌膜
」によるBOD値の方が「混合菌膜」のそれよりも高い
。 【0065】このことは、「単一菌膜」の方が「混合菌
膜」よりも溶解しているスキムミルクに対し反応し易い
ことを窺わせるが、それでも公定5日間法による測定値
には大きく及ばないものであった。。 【0066】また、酵素を添加した場合には、「単一菌
膜」と「混合菌膜」との双方共にBOD値が上昇するこ
とが確認された。 【0067】しかし、「混合菌膜」については、酵素を
1.0mg /リットル以上添加してもBOD値に変化
は認められず、公定5日間法による測定結果と極めて近
い測定結果が得られることが確認された。 【0068】一方、「単一菌膜」については、酵素を過
剰に添加すると、公定5日間法のBOD値を大きく越え
てしまい、その添加量を調整しなければならない困難さ
のあることを窺わせる。 【0069】また、次に示す表5は、かつお節液に酵素
を添加した際の本発明の微生物膜11である「混合菌膜
」のBOD値を公定5日間法による測定値と比較したも
のであり、図7は、そのグラフ図である。 【0070】 【表5】 【0071】これによれば、「混合菌膜」については、
酵素を2.0mg /リットル添加することで公定5日
間法の測定値と極めて近いBOD測定値が得られること
を確認することができた。 【0072】一方、前記被測定液50に含まれる懸濁性
浮遊物(固形質)が微生物膜11における微生物17の
大きさに比較して相対的に大きなものである場合には、
この固形質を超音波ホモジナイザーにより予め微細化し
た後の被測定液を測定セル28中に供給することで、酵
素の分解力と微生物膜11の資化力とを向上させること
ができる。 【0073】以下に、超音波ホモジナイザーによる被測
定液の微細化を行なった実験例を示す。 【0074】まず、次に示す表6は、某下水処理場から
採取された下水試料を超音波ホモジナイザーにより予め
微細化した後、本発明の微生物膜11である「混合菌膜
」と従来タイプの微生物膜38である「単一菌膜」との
BOD値を比較したものであり、図8は、そのグラフ図
である。 【0075】 【表6】 【0076】これによれば、「混合菌膜」と「単一菌膜
」とのいずれについても、ホモジナイズ処理時間を長く
とることでBOD値が高くなることが確認される一方、
10分を越えると数値的にさほど変化しないことも判明
した。 【0077】したがって、最低でも10分間程度はホモ
ジナイズ処理を行なわないと、公定5日間法によるBO
D値に近づかないであろうと思われる。 【0078】また、さきに表3と図5とで説明したよう
に、「単一菌膜」は、流入生下水中のSS成分とほとん
ど反応しないことが推測されており、これは、「混合菌
膜」のBOD値との差が大きく出た今回の実験結果から
も、「混合菌膜」のほうが「単一菌膜」よりも流入生下
水中のSS成分とより多く反応することからも裏付けら
れている。 【0079】また、次に示す表7は、かつお節液を超音
波ホモジナイザーにより予め微細化した後、本発明の微
生物膜11である「混合菌膜」と従来タイプの微生物膜
38である「単一菌膜」とのBOD値を比較したもので
あり、図9は、そのグラフ図である。 【0080】 【表7】 【0081】これによれば、「単一菌膜」によるBOD
測定値は、ホモジナイズ処理時間が9分を経過した後、
徐々に高くなっている。 【0082】一方、「混合菌膜」によるBOD測定値は
、ホモジナイズ処理時間が9分を越えるとほとんど変化
がなくなっている。 【0083】これに反し、「単一菌膜」の方は、3〜9
分のホモジナイズ処理時間では十分な資化ができず、3
0分のホモジナイズ処理時間を要してようやく「混合菌
膜」の3分のホモジナイズ処理時間を経た場合と同程度
の資化レベルに到達するにとどまっている。このことは
、SS成分がかなり微細化されても「単一菌膜」の方は
資化能力が著しく劣っているものであることを示してい
る。 【0084】すなわち、BOD値そのものは、「混合菌
膜」の方が高く、このことからも、「混合菌膜」のBO
D値は、SS成分の資化能力の高さに深く関係している
ものであることを窺わせる。 【0085】また、図10は、某下水処理場の流入下水
のホモジナイズ未処理時におけるSS成分が126 (
mg/リットル)で、9分間ホモジナイズ処理した後の
SS成分が98(mg/リットル)となった処理液につ
いて「混合菌膜」によりBOD値を測定して得られたグ
ラフ図である。 【0086】同図によれば、「混合菌膜」を用いること
で、流入下水に対する超音波ホモジナイザーによる固形
物の微細化処理を行なうことのみで公定5日間法による
BOD測定値とほぼ一致するBOD値を得ることができ
た。 【0087】 【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、従来
から用いられているアセチルセルロース膜に比較して優
れた微生物付着特性を有している多孔性膜を用いている
ので、被測定液中の懸濁性浮遊物や難分解性成分に直接
接触することができる状態のもとで微生物を付着させて
おくことができ、したがって、よく反応させて公定5日
間法との間の差が小さいBOD測定を行なうことができ
、公定5日間法との相関性を保持させながらBODを迅
速、かつ、正確に測定することができる。 【0088】また、本発明方法における被測定液に多孔
性膜に付着させた菌種群が生産する酵素を添加してある
場合には、微生物膜の資化能力を向上させることができ
、また、モジナイズ前処理を施して固形質を微細化した
被測定液を用いる場合には、酵素の分解力や微生物膜の
資化能力をさらに一段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微生物電極を構成する微生物膜の
基本構造を模式的に示す説明図である。
【図2】図1に示す微生物膜の変形例を模式的に示す説
明図である。
【図3】本発明に係る微生物電極を構成する微生物膜の
他例を模式的に示す説明図である。
【図4】被測定試料の別による公定5日間法と混合菌膜
法(本発明)と単一菌膜法(従来法)とのBOD値を比
較したグラフ図である。
【図5】被測定試料の別による混合菌膜法(本発明)と
単一菌膜法(従来法)とのBOD値を比較したグラフ図
である。
【図6】スキムミルク溶液に酵素を添加した際の公定5
日間法と混合菌膜法(本発明)と単一菌膜法(従来法)
とのBOD値を比較したグラフ図である。
【図7】かつお節液に酵素を添加した際の公定5日間法
と混合菌膜法(本発明)とのBOD値を比較したグラフ
図である。
【図8】下水試料をホモジナイズ処理した後の混合菌膜
法(本発明)と単一菌膜法(従来法)とのBOD値を比
較したグラフ図である。
【図9】かつお節液をホモジナイズ処理した後の混合菌
膜法(本発明)と単一菌膜法(従来法)とのBOD値を
比較したグラフ図である。
【図10】下水試料についてのホモジナイズ未処理時と
ホモジナイズ処理後とについての公定5日間法と混合菌
膜法(本発明)とのBOD値を比較したグラフ図である
【図11】BOD迅速処理装置の一例としての全体シス
テムを示す概略構成図である。
【図12】従来からある微生物電極の構造例を示す説明
図である。
【図13】図12の微生物電極を構成している微生物膜
の詳細を示す説明図である。
【図14】図13の微生物膜の詳細な構造を示す説明図
である。
【符号の説明】
11  微生物膜 12  多孔性膜 13  多孔性膜材 14  孔 15  多孔性膜材 16  孔 17  微生物 21  装置本体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  隔膜式溶存酸素電極と微生物膜とから
    なる微生物電極を備えた測定セル中に、中性緩衝液の存
    在下で酸素飽和状態とした被測定液を供給し、その際に
    前記微生物電極により検知される出力とBOD既知の有
    機物含有標準液供給時の基準出力とを比較し、当該被測
    定液のBODを測定するBOD迅速測定方法において、
    微生物電極を構成する前記微生物膜には、高分子材から
    なる単層もしくは二層の多孔性膜に対し微生物を有機的
    懸濁性浮遊物や有機的難分解性成分の資化をも可能に付
    着させて形成したものを用いることを特徴とするBOD
    迅速測定方法。
  2. 【請求項2】  前記被測定液は、この被測定液中に存
    在し得る有機物質を分解する酵素を添加する前処理作業
    を経て測定セル中に供給することを特徴とする請求項1
    記載のBOD迅速測定方法。
  3. 【請求項3】  前記被測定液は、この被測定液中の固
    形質を微細化するホモジナイズ処理を経て測定セルに供
    給することを特徴とする請求項1又は2記載のBOD迅
    速測定方法。
  4. 【請求項4】  前記微生物は、バチルス(Bacil
    lus)属、プソイドモーナス(Pseudomona
    s) 属、エセリチア(Escherichia) 属
    、ストレプトマイセス(Streptmyces )属
    、マイコバクテリウム(Mycobacterium 
    )属のうちの少なくともいずれかに属する複数種類であ
    ることを特徴とする請求項1,2,3いずれか記載のB
    OD迅速測定方法。
  5. 【請求項5】  隔膜式溶存酸素電極における隔膜に微
    生物膜を密着固定してなる微生物電極において、前記微
    生物膜は、有機的懸濁性浮遊物もしくは難分解性成分を
    分解して可溶化する酵素を生成するバチルス(Baci
    llus)属、プソイドモーナス(Pseudomon
    as) 属、エセリチア(Escherichia) 
    属、ストレプトマイセス(Streptmyces )
    属、マイコバクテリウム(Mycobacterium
     )属のうちの少なくともいずれかに属する複数種類の
    微生物を硝酸セルロース又はポリ沸化ビニリデンなどの
    高分子材からなる単層もしくは二層の多孔性膜に付着さ
    せて形成したことを特徴とする微生物電極。
  6. 【請求項6】  前記微生物膜は、孔径が2.5 〜1
    0.0μm である多数の孔を有して被測定液への接触
    側に配置される多孔性膜材と、孔径が2.5 〜10.
    0μm である多数の孔を有して隔膜への接触側に配置
    される多孔性膜材とからなる二層構造の多孔性膜の前記
    孔のそれぞれに微生物を付着させて形成したことを特徴
    とする請求項3記載の微生物電極。
  7. 【請求項7】  前記微生物膜は、孔径が2.5 〜1
    0.0μm である多数の孔を有して被測定液への接触
    側に配置される多孔性膜材と、孔径が0.2 〜0.5
     μm である多数の孔を有して隔膜への接触側に配置
    される多孔性膜材とからなる二層構造の多孔性膜の前記
    孔のそれぞれに微生物を付着させて形成したことを特徴
    とする請求項3記載の微生物電極。
  8. 【請求項8】  前記微生物膜は、孔径が2.5 〜1
    0.0μm である多数の孔を有する単層構造の多孔性
    膜の前記孔のそれぞれに微生物を付着させて形成したこ
    とを特徴とする請求項3記載の微生物電極。
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