JPH0433766B2 - - Google Patents
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- JPH0433766B2 JPH0433766B2 JP57155627A JP15562782A JPH0433766B2 JP H0433766 B2 JPH0433766 B2 JP H0433766B2 JP 57155627 A JP57155627 A JP 57155627A JP 15562782 A JP15562782 A JP 15562782A JP H0433766 B2 JPH0433766 B2 JP H0433766B2
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- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
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Description
本発明は各種臓器、特に心筋の描出、機能検査
などを主目的とした核医学用途に有用な、新しい
放射性金属標識つき放射性診断剤に関するもので
ある。すなわち本発明は、 (式中R、R′およびR″はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基からなる 群から選ば
れた基を表わし、nは0〜3の整数を表わす。) で示されるオチセミカルバゾン誘導体を含むこと
を特徴とする放射性金属標識つき放射性診断剤の
製造に有用な組成物に関するものであり、また他
の点からは化学式 (式中R、R′およびR″はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基からなる群 から選ば
れた基を表わし、nは0〜3の整数を表わす。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体を含むこと
を特徴とする放射性金属標識つき放射性診断剤の
製造に有用な組成物を、放射性金属イオンを含有
する溶液と接触させることからなる放射性金属標
識つき放射性診断剤に関するものである。 心筋の描出および機能検査を目的とした核医学
的用途に有用な放射性診断剤の備えるべき薬理学
的性質として、まず第一に選げられるのは、正常
な心筋に高い率で集積する性質である。更に心筋
内に一定期間(核医学検査に必要とする時間)そ
の場合にとどまることが要求され、かつ、心筋の
周囲に大量に存在する血液中の放射能と区別して
描出するために、心筋における単位重量当りの放
射能(%投与量/g)が、血液のそれを上まわる
事が要求される。このような性質を備えた放射性
診断剤を求めて、世界的に研究開発が勢力的に進
められた。その結果、カリウム類似体としての塩
化タリウム−201Tが製剤化され登場した。こ
の製剤は現在も核医学分野で広く使われており、
心臓核医学分野の進歩に果たした役割は高い評価
されている。しかしながら、タリウム−201は、
放出する特性X線エネルギーが、69−83KeVと
核医学診断目的には低すぎるきらいがあり、か
つ、そのエネルギー範囲が広く、単一ピーク(モ
ノクロマチツク)でない事から、昨今注目されて
いるシングルフオトンエミツシヨントモグラフイ
ー(SPECT)には適しないと言われている。更
に、タリウム−201は半減期が73.1時間と比較的
長く、被検患者の被暴を無視することができな
い。このような理由から、現在、核医学分野で賞
用されている優れた核的性質を持つテクネチウム
−99m、ガリウム−67′インジウム−111などで標
識された心筋集積性放射性医薬品が求められて久
しい。特にテクネチウム−99mは、半減期が6時
間と短かく、かつ、放出γ−線のエネルギーは
140KeVで前記のシングルフオトントエミツシヨ
ントモグラフイーにも適した核種であるばかりで
なく、ジエネレータ形式による供給が普及してお
り、この点からも、この核種で標識した心筋の診
断に有用な放射性医薬品を得ようとする試みが紹
介されている。しかしながら、実用に供し得るよ
うなテクネチウム−99m標識心筋スキヤニング剤
は見い出されていないのが現状である。 本発明者らは、ジチオセミカルバゾン化合物
が、テクネチウム−99mのような放射性金属イオ
ンと安定なキレート化合物を形成する能力を有す
る点と、ジチオセミカルバゾン基が導入される基
幹化合物の化合物系を変化させる事により、心筋
集積性を具備できる可能性に着目して実験検討を
加えた結果、心筋等の核医学診断目的に非常に優
れた性質を有する核医学診断剤を発見するに至つ
た。すなわち、化学式 (式中R、R′およびR″はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基からなる群 から選ば
れた基を表わし、nの0〜3の整数を表わす。) であらわされる化合物を還元剤と共に、またはそ
の非存在下に、適当な溶媒と混合することによ
り、心筋等の核医学診断に適した放射性診断剤の
製造に有用な組成物を製造し得ることを見い出し
た。更に上記の組成物を、放射性金属イオンを含
有する溶液と接触させるという極めて簡便な方法
により心筋等の核医学的診断に適した放射性金属
標識つき放射性診断剤を製造し得ることを見い出
した。 次に、本発明に使用しうる化合物の製造法につ
いて述べる。まず本発明に使用しうる化合物のう
ちRおよびR′が炭素数が1〜3のアルキル基で
あるような化合物は、相当するジアルキルアミン
誘導体を出発物質として次のような合成経路によ
り得ることができる。 (式中R″は水素原子、炭素数1〜3のアルキ
ル基を、nは0〜3の整数を表わす。)即ち、相
当するジアルキルアミン誘導体()に、Yu V
Markova(Chem.Abst.63 17951f(1965))らの
方法により、塩化プロピオニルを作用させて、プ
ロピオニル基を導入し、化合物()を得る。次
いで()に亜硝酸イソプロピルを作用させて、
相当するイソニトロソ化合物()を得る
(Nathan Levinらの方法、Org.Syn.Coll.Vol 3
191(1955)の方法を準用)。この化合物にPaul
A.Barrettらの方法(英国特許 966849(1960))
で、チオセミカルバジドまたは、そのN−アルキ
ル誘導体を縮合させて目的物()を得ることが
できる。 次に、本発明の化合物のうち、RおよびR′が
水素であるような化合物は、次の合成経路により
得ることができる。 (式中R″は水素原子、炭素数1〜3アルキル
基を、nは0〜3の整数を示す。) 即ち、相当するアミン誘導体()に、無水トリ
フロロ酢酸を作用させて、アミノ基を保護したア
シル体()を経由して、ジアルキルアミン化合
物の場合と同様に、p−プロピニオル誘導体
()を得る。Howard Newman の方法(J.
Org.chem.301287.(1965))を用いて、炭酸アルウ
ムでトリフロロアセチル基をはずしたのち、相当
するイソニトロソ化合物()を経由して、目的
とするジチオセミカルバゾン誘導体()を得る
ことができる。 該組成物において、その組成中に還元剤を含ま
ないものは、その組成物を放射性金属イオンを含
有する溶液と接触させて放射性診断剤を得るに際
して、系内に導入される放射性金属イオンの原子
価状態がキレート化合物生成上還元操作を特に要
しないような場合に有用である。例えば、核医学
診断において汎用されるガリウム−67、インジウ
ム−111のような放射性金属で標識する場合に有
用である。 また該組成物がその組成の中に還元剤を含むも
のは、放射金属イオンがそのままの原子価状態で
は該組成物中のジオチセミカルバゾン化合物と充
分に安定な結合を形成しないような場合に有用で
ある。例えば、核医学診断において汎用される過
テクネチウム酸塩の形で市販されているテクネチ
ウム−99mでは、そのままの原子価状態では安定
なキレート化合物を与えないので、過テクネチウ
ム酸塩を強固なキレート化合物の形成に有利な低
原子価状態に還元するために、還元剤をあらかじ
め核組成物中に含有させておけば、前述と同様な
簡単な方法により放射性金属標識つき放射性診断
剤を製造し得る。該組成物中はの還元剤の添加の
形態は、還元能を持つ化合物をそのまま該組成物
中に加える通常の方法に加えて、還元能を有する
金属イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させた形で
該組成物中に加える方法も採り得る。また、放射
性診断剤を製造するに際しては、還元剤をあらか
じめ含有させた組成物を放射性金属イオンを含む
溶液と接触させる方法の他、還元剤を含まない組
成物に放射性金属イオンを含む溶液を加えたの
ち、還元剤を陽イオン交換樹脂に吸着させた形
で、または陽イオン交換樹脂に吸着させずに加え
てもよい。ここで言う還元剤としては薬剤学上容
認されるものが使用されるが、好ましくは第一ス
ズ塩が挙げられる。本発明の実施において有用な
第一スズ塩は、二価のスズが形成する塩であつ
て、具体的には例えば、塩素イオン、フツ素イオ
ンなどのハロゲン陰イオン、硫酸イオン、硝酸イ
オンなどの複素無機酸残基イオン、酢酸イオン、
クエン酸イオンなどの有機酸残基イオンと形成す
る塩を言う。 本発明による該組成物は、そのまま溶液の形で
放射性金属による標識化に供してもよく、また、
凍結乾燥法または低温減圧蒸発法などの方法によ
り溶媒を除去した乾燥品の形にした後、放射性金
属による標識化に供してもよい。 製造にあつたて、例えば、pHを調節するため
の酸、塩基または適当な緩衝液の添加、アルコル
ビン酸の如き酸化防止作用を有する化合物の安定
化剤としての添加、または塩化ナトリウムの如き
等張化剤、ベンジルアルコールのような保存剤を
添加することは該組成物の目的とする用途をなん
ら妨げるものではない。 次に放射性金属標識つき放射性診断剤について
あるが、該組成物と接触させる放射性金属イオン
を含む水溶液へのpHを調整するための酸、塩基
または適当な緩衝液の添加、放射性金属イオンの
原子価状態を調節するための還元剤、又は酸化剤
の添加、および安定化剤、等張化剤、保存剤の添
加は、本放射性金属標識つき放射性診断剤の目的
とする用途をなんら妨げるものではない。 接触させる放射性金属の放射能は任意である
が、目的とする核医学診断を実施するに際して、
充分な情報が得られるような放射能であり、かつ
被検者の放射線被爆を可能な限り低くするような
放射能の範囲であることが望ましいのはいうまで
もない。 以上、本発明放射性診断剤を専ら心筋の描出、
機能検査に適用する場合について説明したが、こ
れは該診断剤の長所がそのような適用において最
も好適に発揮されるからであり、他の臓器たとえ
ば腎臓、肝臓および腫瘍等の描出、機能検査にも
同様に適用することが出来、このような場合も当
然に本発明の技術的範囲に包含される。 以下に実施例をあげながら、本発明をさらに具
体的に説明する。 実施例 1 1−(p−N,N、ジメチルアミノエチル)フ
エニルプロパン−1,2−ジオン−ビス(4−メ
チルチオセミカルバゾン)を含む組成物の調製 1−(p−N,N−ジメチルアミノエチル)フ
エニルプロパン−1,2−ジオン−ビス(4−メ
チルチオセミカルバゾン)3.9mgをとり、1N水酸
化ナトリウム溶液1ml、0.1M酢酸緩衝液(pH=
6.0)3mlおよび1N塩酸1mlを加えて、少時放置
して溶解せしめて澄明な組成物を得た。以上の操
作は全て無菌的に実施した。 実施例 2 塩化第一スズを含む組成物の調製 実施例1で得られた組成物1mlをとり、これに
塩化第一スズ溶液(0.15mg/ml濃度)0.1mlを加
え、少時振盪して、澄明な組成物を得た。容器上
部の空気を窒素で置換して密栓して保存した。 実施例 3 第一スズイオンを吸着したイオン交換樹脂を含
む組成物の調製 実施例1で得られた組成物1mlをとり、これに
第一スズイオンを吸着したイオン交換樹脂(ダウ
ンエツクス(Dowex)50W×8、樹脂1mgあた
り5.5ugの第一スズイオンを吸着)3mgを加えて、
少時振盪して、組成物を得た。容器上部の空気を
窒素で置換して、密栓して保存した。以上の操作
は全て無菌的におこなつた。 実施例 4 ガリウム−67標識つき放射性診断剤の調製 実施例1で得られた組成物1mlをとり、これ
に、塩化ガリウム(67Ga)溶液(10mCi/ml)
1mCiを加えて、少時振盪する事により、ガリウ
ム−67標識につき放射性診断剤を調製した。この
操作は無菌的に行つた。本診断剤の一部をとり、
シリカゲル薄層クロマトグラフイー(溶媒;10%
酢酸アンモニウム:メタノール=1:1)を実施
したところ、Rf0.55に単一の放射能ピークを与
え、放射性ガリウムが完全にキレート化されてい
ることが確認された。 実施例 5 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の調
製 実施例3で得られた組成物に市販の過テクネチ
ウム酸ナトリウム(99mTc)溶液(1mCi/ml)
1mCiを加え、約3分間ゆるやかに振盪した。つ
いで、イオン交換樹脂を別し、テクネチウム−
99m標識つき放射性診断剤を得た。以上の操作は
全て無菌的におこなつた。 実施例 6 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の物
理化学的性質 実施例5で得られたテクネチウム−99m標識つ
き放射性診断剤の物理化学的性質を測定して次の
結果を得た。 (1) pH6.0 (2) シリカゲル薄層クロマトグラフイー 10%酢酸アンモニウムとメタノールの等容量混
液を用いて展開して、クロマトグラムスキヤナー
で走査したところ、Rf=0.53〜0.57に単一の放射
能ピークを検出した。このクロマトグラム系にお
ける過テクネチウム酸イオン(99mTc)は、
Rf0.91をとることから、テクネチウム−99mは完
全にキレート化されていることが確認された。 (3) 電気泳動 0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)中、紙を永動
膜とし、電位差500Vで1時間電気永動試験をお
こなつた。永動膜を風乾後、クロマトグラムスキ
ヤナーで走査したところ、負側0.9〜1.0cmに単一
の放射能ピークを検出した。 この条件での電気永動で、過テクネチウム酸イ
オン(99mTc)は、正側に5.7〜6.0cm移動するこ
とが確認されている。電気泳動試験の結果より、
テクネウチム−99mは完全にキレート化されてお
り、かつ、キレート化合物は電気的に陽性である
ことが確認された。 実施例7 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤のマ
ウス体内分布およびその経時変化 実施例5で得られたテクネチウム−99m標識つ
き放射性診断剤各0.1mlをとり、マウス(雌 1
群3匹)の尾静脈より投与し、一定時間後に屠殺
し解剖、臓器中の放射能を計測した。臓器単位重
量あたりの放射能分布(%投与量/g)の経時変
化をS.D.値と共に次表にまとめて示した。
などを主目的とした核医学用途に有用な、新しい
放射性金属標識つき放射性診断剤に関するもので
ある。すなわち本発明は、 (式中R、R′およびR″はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基からなる 群から選ば
れた基を表わし、nは0〜3の整数を表わす。) で示されるオチセミカルバゾン誘導体を含むこと
を特徴とする放射性金属標識つき放射性診断剤の
製造に有用な組成物に関するものであり、また他
の点からは化学式 (式中R、R′およびR″はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基からなる群 から選ば
れた基を表わし、nは0〜3の整数を表わす。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体を含むこと
を特徴とする放射性金属標識つき放射性診断剤の
製造に有用な組成物を、放射性金属イオンを含有
する溶液と接触させることからなる放射性金属標
識つき放射性診断剤に関するものである。 心筋の描出および機能検査を目的とした核医学
的用途に有用な放射性診断剤の備えるべき薬理学
的性質として、まず第一に選げられるのは、正常
な心筋に高い率で集積する性質である。更に心筋
内に一定期間(核医学検査に必要とする時間)そ
の場合にとどまることが要求され、かつ、心筋の
周囲に大量に存在する血液中の放射能と区別して
描出するために、心筋における単位重量当りの放
射能(%投与量/g)が、血液のそれを上まわる
事が要求される。このような性質を備えた放射性
診断剤を求めて、世界的に研究開発が勢力的に進
められた。その結果、カリウム類似体としての塩
化タリウム−201Tが製剤化され登場した。こ
の製剤は現在も核医学分野で広く使われており、
心臓核医学分野の進歩に果たした役割は高い評価
されている。しかしながら、タリウム−201は、
放出する特性X線エネルギーが、69−83KeVと
核医学診断目的には低すぎるきらいがあり、か
つ、そのエネルギー範囲が広く、単一ピーク(モ
ノクロマチツク)でない事から、昨今注目されて
いるシングルフオトンエミツシヨントモグラフイ
ー(SPECT)には適しないと言われている。更
に、タリウム−201は半減期が73.1時間と比較的
長く、被検患者の被暴を無視することができな
い。このような理由から、現在、核医学分野で賞
用されている優れた核的性質を持つテクネチウム
−99m、ガリウム−67′インジウム−111などで標
識された心筋集積性放射性医薬品が求められて久
しい。特にテクネチウム−99mは、半減期が6時
間と短かく、かつ、放出γ−線のエネルギーは
140KeVで前記のシングルフオトントエミツシヨ
ントモグラフイーにも適した核種であるばかりで
なく、ジエネレータ形式による供給が普及してお
り、この点からも、この核種で標識した心筋の診
断に有用な放射性医薬品を得ようとする試みが紹
介されている。しかしながら、実用に供し得るよ
うなテクネチウム−99m標識心筋スキヤニング剤
は見い出されていないのが現状である。 本発明者らは、ジチオセミカルバゾン化合物
が、テクネチウム−99mのような放射性金属イオ
ンと安定なキレート化合物を形成する能力を有す
る点と、ジチオセミカルバゾン基が導入される基
幹化合物の化合物系を変化させる事により、心筋
集積性を具備できる可能性に着目して実験検討を
加えた結果、心筋等の核医学診断目的に非常に優
れた性質を有する核医学診断剤を発見するに至つ
た。すなわち、化学式 (式中R、R′およびR″はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基からなる群 から選ば
れた基を表わし、nの0〜3の整数を表わす。) であらわされる化合物を還元剤と共に、またはそ
の非存在下に、適当な溶媒と混合することによ
り、心筋等の核医学診断に適した放射性診断剤の
製造に有用な組成物を製造し得ることを見い出し
た。更に上記の組成物を、放射性金属イオンを含
有する溶液と接触させるという極めて簡便な方法
により心筋等の核医学的診断に適した放射性金属
標識つき放射性診断剤を製造し得ることを見い出
した。 次に、本発明に使用しうる化合物の製造法につ
いて述べる。まず本発明に使用しうる化合物のう
ちRおよびR′が炭素数が1〜3のアルキル基で
あるような化合物は、相当するジアルキルアミン
誘導体を出発物質として次のような合成経路によ
り得ることができる。 (式中R″は水素原子、炭素数1〜3のアルキ
ル基を、nは0〜3の整数を表わす。)即ち、相
当するジアルキルアミン誘導体()に、Yu V
Markova(Chem.Abst.63 17951f(1965))らの
方法により、塩化プロピオニルを作用させて、プ
ロピオニル基を導入し、化合物()を得る。次
いで()に亜硝酸イソプロピルを作用させて、
相当するイソニトロソ化合物()を得る
(Nathan Levinらの方法、Org.Syn.Coll.Vol 3
191(1955)の方法を準用)。この化合物にPaul
A.Barrettらの方法(英国特許 966849(1960))
で、チオセミカルバジドまたは、そのN−アルキ
ル誘導体を縮合させて目的物()を得ることが
できる。 次に、本発明の化合物のうち、RおよびR′が
水素であるような化合物は、次の合成経路により
得ることができる。 (式中R″は水素原子、炭素数1〜3アルキル
基を、nは0〜3の整数を示す。) 即ち、相当するアミン誘導体()に、無水トリ
フロロ酢酸を作用させて、アミノ基を保護したア
シル体()を経由して、ジアルキルアミン化合
物の場合と同様に、p−プロピニオル誘導体
()を得る。Howard Newman の方法(J.
Org.chem.301287.(1965))を用いて、炭酸アルウ
ムでトリフロロアセチル基をはずしたのち、相当
するイソニトロソ化合物()を経由して、目的
とするジチオセミカルバゾン誘導体()を得る
ことができる。 該組成物において、その組成中に還元剤を含ま
ないものは、その組成物を放射性金属イオンを含
有する溶液と接触させて放射性診断剤を得るに際
して、系内に導入される放射性金属イオンの原子
価状態がキレート化合物生成上還元操作を特に要
しないような場合に有用である。例えば、核医学
診断において汎用されるガリウム−67、インジウ
ム−111のような放射性金属で標識する場合に有
用である。 また該組成物がその組成の中に還元剤を含むも
のは、放射金属イオンがそのままの原子価状態で
は該組成物中のジオチセミカルバゾン化合物と充
分に安定な結合を形成しないような場合に有用で
ある。例えば、核医学診断において汎用される過
テクネチウム酸塩の形で市販されているテクネチ
ウム−99mでは、そのままの原子価状態では安定
なキレート化合物を与えないので、過テクネチウ
ム酸塩を強固なキレート化合物の形成に有利な低
原子価状態に還元するために、還元剤をあらかじ
め核組成物中に含有させておけば、前述と同様な
簡単な方法により放射性金属標識つき放射性診断
剤を製造し得る。該組成物中はの還元剤の添加の
形態は、還元能を持つ化合物をそのまま該組成物
中に加える通常の方法に加えて、還元能を有する
金属イオンを陽イオン交換樹脂に吸着させた形で
該組成物中に加える方法も採り得る。また、放射
性診断剤を製造するに際しては、還元剤をあらか
じめ含有させた組成物を放射性金属イオンを含む
溶液と接触させる方法の他、還元剤を含まない組
成物に放射性金属イオンを含む溶液を加えたの
ち、還元剤を陽イオン交換樹脂に吸着させた形
で、または陽イオン交換樹脂に吸着させずに加え
てもよい。ここで言う還元剤としては薬剤学上容
認されるものが使用されるが、好ましくは第一ス
ズ塩が挙げられる。本発明の実施において有用な
第一スズ塩は、二価のスズが形成する塩であつ
て、具体的には例えば、塩素イオン、フツ素イオ
ンなどのハロゲン陰イオン、硫酸イオン、硝酸イ
オンなどの複素無機酸残基イオン、酢酸イオン、
クエン酸イオンなどの有機酸残基イオンと形成す
る塩を言う。 本発明による該組成物は、そのまま溶液の形で
放射性金属による標識化に供してもよく、また、
凍結乾燥法または低温減圧蒸発法などの方法によ
り溶媒を除去した乾燥品の形にした後、放射性金
属による標識化に供してもよい。 製造にあつたて、例えば、pHを調節するため
の酸、塩基または適当な緩衝液の添加、アルコル
ビン酸の如き酸化防止作用を有する化合物の安定
化剤としての添加、または塩化ナトリウムの如き
等張化剤、ベンジルアルコールのような保存剤を
添加することは該組成物の目的とする用途をなん
ら妨げるものではない。 次に放射性金属標識つき放射性診断剤について
あるが、該組成物と接触させる放射性金属イオン
を含む水溶液へのpHを調整するための酸、塩基
または適当な緩衝液の添加、放射性金属イオンの
原子価状態を調節するための還元剤、又は酸化剤
の添加、および安定化剤、等張化剤、保存剤の添
加は、本放射性金属標識つき放射性診断剤の目的
とする用途をなんら妨げるものではない。 接触させる放射性金属の放射能は任意である
が、目的とする核医学診断を実施するに際して、
充分な情報が得られるような放射能であり、かつ
被検者の放射線被爆を可能な限り低くするような
放射能の範囲であることが望ましいのはいうまで
もない。 以上、本発明放射性診断剤を専ら心筋の描出、
機能検査に適用する場合について説明したが、こ
れは該診断剤の長所がそのような適用において最
も好適に発揮されるからであり、他の臓器たとえ
ば腎臓、肝臓および腫瘍等の描出、機能検査にも
同様に適用することが出来、このような場合も当
然に本発明の技術的範囲に包含される。 以下に実施例をあげながら、本発明をさらに具
体的に説明する。 実施例 1 1−(p−N,N、ジメチルアミノエチル)フ
エニルプロパン−1,2−ジオン−ビス(4−メ
チルチオセミカルバゾン)を含む組成物の調製 1−(p−N,N−ジメチルアミノエチル)フ
エニルプロパン−1,2−ジオン−ビス(4−メ
チルチオセミカルバゾン)3.9mgをとり、1N水酸
化ナトリウム溶液1ml、0.1M酢酸緩衝液(pH=
6.0)3mlおよび1N塩酸1mlを加えて、少時放置
して溶解せしめて澄明な組成物を得た。以上の操
作は全て無菌的に実施した。 実施例 2 塩化第一スズを含む組成物の調製 実施例1で得られた組成物1mlをとり、これに
塩化第一スズ溶液(0.15mg/ml濃度)0.1mlを加
え、少時振盪して、澄明な組成物を得た。容器上
部の空気を窒素で置換して密栓して保存した。 実施例 3 第一スズイオンを吸着したイオン交換樹脂を含
む組成物の調製 実施例1で得られた組成物1mlをとり、これに
第一スズイオンを吸着したイオン交換樹脂(ダウ
ンエツクス(Dowex)50W×8、樹脂1mgあた
り5.5ugの第一スズイオンを吸着)3mgを加えて、
少時振盪して、組成物を得た。容器上部の空気を
窒素で置換して、密栓して保存した。以上の操作
は全て無菌的におこなつた。 実施例 4 ガリウム−67標識つき放射性診断剤の調製 実施例1で得られた組成物1mlをとり、これ
に、塩化ガリウム(67Ga)溶液(10mCi/ml)
1mCiを加えて、少時振盪する事により、ガリウ
ム−67標識につき放射性診断剤を調製した。この
操作は無菌的に行つた。本診断剤の一部をとり、
シリカゲル薄層クロマトグラフイー(溶媒;10%
酢酸アンモニウム:メタノール=1:1)を実施
したところ、Rf0.55に単一の放射能ピークを与
え、放射性ガリウムが完全にキレート化されてい
ることが確認された。 実施例 5 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の調
製 実施例3で得られた組成物に市販の過テクネチ
ウム酸ナトリウム(99mTc)溶液(1mCi/ml)
1mCiを加え、約3分間ゆるやかに振盪した。つ
いで、イオン交換樹脂を別し、テクネチウム−
99m標識つき放射性診断剤を得た。以上の操作は
全て無菌的におこなつた。 実施例 6 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤の物
理化学的性質 実施例5で得られたテクネチウム−99m標識つ
き放射性診断剤の物理化学的性質を測定して次の
結果を得た。 (1) pH6.0 (2) シリカゲル薄層クロマトグラフイー 10%酢酸アンモニウムとメタノールの等容量混
液を用いて展開して、クロマトグラムスキヤナー
で走査したところ、Rf=0.53〜0.57に単一の放射
能ピークを検出した。このクロマトグラム系にお
ける過テクネチウム酸イオン(99mTc)は、
Rf0.91をとることから、テクネチウム−99mは完
全にキレート化されていることが確認された。 (3) 電気泳動 0.1Mリン酸緩衝液(pH=7.0)中、紙を永動
膜とし、電位差500Vで1時間電気永動試験をお
こなつた。永動膜を風乾後、クロマトグラムスキ
ヤナーで走査したところ、負側0.9〜1.0cmに単一
の放射能ピークを検出した。 この条件での電気永動で、過テクネチウム酸イ
オン(99mTc)は、正側に5.7〜6.0cm移動するこ
とが確認されている。電気泳動試験の結果より、
テクネウチム−99mは完全にキレート化されてお
り、かつ、キレート化合物は電気的に陽性である
ことが確認された。 実施例7 テクネチウム−99m標識つき放射性診断剤のマ
ウス体内分布およびその経時変化 実施例5で得られたテクネチウム−99m標識つ
き放射性診断剤各0.1mlをとり、マウス(雌 1
群3匹)の尾静脈より投与し、一定時間後に屠殺
し解剖、臓器中の放射能を計測した。臓器単位重
量あたりの放射能分布(%投与量/g)の経時変
化をS.D.値と共に次表にまとめて示した。
【表】
本実施例から明らかなように、本発明の放射性
診断剤は、投与後極めて短時間のうちに、肝臓、
腎臓、および心筋に高濃度に集積することが確認
された。特に心筋に対する集積率は、現在広く使
われている塩化タリウム(201T)のそれに匹
敵するものであり、かつ、最下欄に示したように
心筋/血液比も2以上と、該医学診断目的に充分
に使用できうる程度に高い事が確認された。 即ち、本発明の放射性診断剤は、投与後短時間
で、心筋に高濃度に集積する性質を有し、かつ、
心筋/血液比も充分に高く、心筋の描出、動態、
機能検査を目的とする核医学診断の用途に極めて
有用である。また、本実施例からも明らかなよう
に、肝臓、およ腎臓等に対する集積率も血液のそ
れに対して高く、これらの臓器の核医学診断の用
途にも充分有用である。 実施例8 ガリウム−67標識つき放射性診断剤のマスウ体
内分布およびその経時変化 実施例4で得られたガリウム−67標識つき放射
性診断剤について、実施例7と同様の実験を行
い、実施例7とほぼ同様の結果を得た。 実施例 9 放射性金属標識つき放射性診断剤の毒性 実施例4および実施例5に示した方法により得
られた放射性診断剤の放射能を適度に減衰させた
後、S.D.系雌雄ラツト各5匹の各群に対し、体重
100gあたり1mlを(予定している人体投与量の
300倍に相当)、また、ICR系雌雄マウス各5匹の
各群に対し、体重10g当たり0.5ml(予定している
人体投与量の1500倍)をいずれも静脈内投与し
た。別に対照群として同種の各動物群に対して同
容量の生理食塩水を静脈内投与した。以上の各動
物を10日間飼育し、毎日体重変化を記録した。体
重変化において、放射性金属標識つき放射性診断
剤を投与した群と対照群との間には有意の差は認
められなかつた。10日間の飼育観察の後、すべて
の動物を解剖し、各臓器について異常の有無を観
察したが、異常を認めた動物はなかつた。 すなわち本発明の放射性診断剤は予定している人
体投与量の300ないし、1500倍を2種の実験動物
に投与した場合においても、全く異常は認められ
なかつた。 以上の実施例を示した本発明を説明してきた
が、当業者はこれらの実施例が本発明を例示する
ために意図されたものでありその範囲をなんら制
限するものではないことを理解すべきである。
診断剤は、投与後極めて短時間のうちに、肝臓、
腎臓、および心筋に高濃度に集積することが確認
された。特に心筋に対する集積率は、現在広く使
われている塩化タリウム(201T)のそれに匹
敵するものであり、かつ、最下欄に示したように
心筋/血液比も2以上と、該医学診断目的に充分
に使用できうる程度に高い事が確認された。 即ち、本発明の放射性診断剤は、投与後短時間
で、心筋に高濃度に集積する性質を有し、かつ、
心筋/血液比も充分に高く、心筋の描出、動態、
機能検査を目的とする核医学診断の用途に極めて
有用である。また、本実施例からも明らかなよう
に、肝臓、およ腎臓等に対する集積率も血液のそ
れに対して高く、これらの臓器の核医学診断の用
途にも充分有用である。 実施例8 ガリウム−67標識つき放射性診断剤のマスウ体
内分布およびその経時変化 実施例4で得られたガリウム−67標識つき放射
性診断剤について、実施例7と同様の実験を行
い、実施例7とほぼ同様の結果を得た。 実施例 9 放射性金属標識つき放射性診断剤の毒性 実施例4および実施例5に示した方法により得
られた放射性診断剤の放射能を適度に減衰させた
後、S.D.系雌雄ラツト各5匹の各群に対し、体重
100gあたり1mlを(予定している人体投与量の
300倍に相当)、また、ICR系雌雄マウス各5匹の
各群に対し、体重10g当たり0.5ml(予定している
人体投与量の1500倍)をいずれも静脈内投与し
た。別に対照群として同種の各動物群に対して同
容量の生理食塩水を静脈内投与した。以上の各動
物を10日間飼育し、毎日体重変化を記録した。体
重変化において、放射性金属標識つき放射性診断
剤を投与した群と対照群との間には有意の差は認
められなかつた。10日間の飼育観察の後、すべて
の動物を解剖し、各臓器について異常の有無を観
察したが、異常を認めた動物はなかつた。 すなわち本発明の放射性診断剤は予定している人
体投与量の300ないし、1500倍を2種の実験動物
に投与した場合においても、全く異常は認められ
なかつた。 以上の実施例を示した本発明を説明してきた
が、当業者はこれらの実施例が本発明を例示する
ために意図されたものでありその範囲をなんら制
限するものではないことを理解すべきである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 式 (式中、R、R′およびR″はそれぞれ水素原子
または炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜3の
整数を表す。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体からなる放
射性金属標識用担体。 2 式 (式中、R、R′およびR″はそれぞれ水素原子
または炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜3の
整数を表す。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体からなる放
射性金属標識用担体と、放射性金属を当該担体と
キレート結合可能な原子価状態に還元することが
できる量の還元剤を含有してなる、放射性金属標
識担体組成物。 3 還元剤が第1スズ塩である、特許請求の範囲
第2項記載の放射性金属標識用担体組成物。 4 式 (式中、R、R′およびR″はそれぞれ水素原子
または炭素数1〜3のアルキル基、nは0〜3の
整数を表す。) で示されるチオセミカルバゾン誘導体からなる
放射性金属標識用担体に、放射性金属を担持させ
てなる、放射性診断剤。 5 放射性金属がテクネチウムである、特許請求
の範囲第4項記載の放射性診断剤。 6 テクネチウムが過テクネウチム酸イオンであ
る、特許請求の範囲第5項記載の放射性診断剤。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57155627A JPS5944328A (ja) | 1982-09-07 | 1982-09-07 | 新規な核医学用放射性診断剤 |
| US06/438,776 US4511550A (en) | 1982-09-07 | 1982-11-03 | 1-(p-Substituted or unsubstituted aminoalkyl)phenylpropane-1,2-dione bis(thiosemicarbazone) derivatives, and their production and use |
| AU90235/82A AU533722B1 (en) | 1982-09-07 | 1982-11-08 | Phenylpropane-1,2-dione bis(thio-semicarbazone) derivatives |
| CA000416231A CA1219592A (en) | 1982-09-07 | 1982-11-24 | 1-(p-substituted or unsubstituted aminoalkyl) phenyl- propane-1,2-dione bis(thiosemicarbazone) derivatives, and their production and use |
| EP82111698A EP0103049B1 (en) | 1982-09-07 | 1982-12-16 | 1-(p-substituted or unsubstituted aminoalkyl)phenylpropane-1,2-dione bis(thiosemicarbazone) derivatives, and their production and use |
| DE8282111698T DE3270316D1 (en) | 1982-09-07 | 1982-12-16 | 1-(p-substituted or unsubstituted aminoalkyl)phenylpropane-1,2-dione bis(thiosemicarbazone) derivatives, and their production and use |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57155627A JPS5944328A (ja) | 1982-09-07 | 1982-09-07 | 新規な核医学用放射性診断剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5944328A JPS5944328A (ja) | 1984-03-12 |
| JPH0433766B2 true JPH0433766B2 (ja) | 1992-06-04 |
Family
ID=15610127
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57155627A Granted JPS5944328A (ja) | 1982-09-07 | 1982-09-07 | 新規な核医学用放射性診断剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5944328A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6060301B1 (ja) * | 2016-06-08 | 2017-01-11 | 日本メジフィジックス株式会社 | 心筋核医学画像データの解析方法及び解析装置 |
-
1982
- 1982-09-07 JP JP57155627A patent/JPS5944328A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5944328A (ja) | 1984-03-12 |
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