JPH04354853A - 清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合金冷延板およびその製造方法 - Google Patents
清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合金冷延板およびその製造方法Info
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- JPH04354853A JPH04354853A JP15768591A JP15768591A JPH04354853A JP H04354853 A JPH04354853 A JP H04354853A JP 15768591 A JP15768591 A JP 15768591A JP 15768591 A JP15768591 A JP 15768591A JP H04354853 A JPH04354853 A JP H04354853A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高鮮明TVのシャド
ウマスク材として使用することができる、エッチング穿
孔時に、欠陥が発生せず、そして、熱膨張率の低い、清
浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合
金冷延板およびその製造方法に関するものである。
ウマスク材として使用することができる、エッチング穿
孔時に、欠陥が発生せず、そして、熱膨張率の低い、清
浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合
金冷延板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、Fe−Ni 系合金板は、主とし
て電子部品用材として使用されている。例えば、42w
t.%のニッケルを含有するFe−Ni 系合金板は、
電気伝導性、耐熱性、曲げ加工性、メッキ付着性および
ハンダ付け性において優れているので、ICリ−ドフレ
−ム材として使用されている。更に、熱膨張率が非常に
小さい、36wt.%のニッケルを含有するFe−Ni
系合金板は、カラ−テレビのシャドウマスク材または
低温の液体を保存するための容器の材料として使用され
ている。
て電子部品用材として使用されている。例えば、42w
t.%のニッケルを含有するFe−Ni 系合金板は、
電気伝導性、耐熱性、曲げ加工性、メッキ付着性および
ハンダ付け性において優れているので、ICリ−ドフレ
−ム材として使用されている。更に、熱膨張率が非常に
小さい、36wt.%のニッケルを含有するFe−Ni
系合金板は、カラ−テレビのシャドウマスク材または
低温の液体を保存するための容器の材料として使用され
ている。
【0003】高鮮明TVのシャドウマスク材としてのF
e−Ni 系合金冷延板には、エッチング穿孔時に欠陥
が発生せず、そして、熱膨張率が低いことが要求される
。TVのシャドウマスク材としてのFe−Ni 系合金
冷延板として、次に示すFe−Ni 系合金冷延板が提
案されている。
e−Ni 系合金冷延板には、エッチング穿孔時に欠陥
が発生せず、そして、熱膨張率が低いことが要求される
。TVのシャドウマスク材としてのFe−Ni 系合金
冷延板として、次に示すFe−Ni 系合金冷延板が提
案されている。
【0004】特開昭 62−161,936 号公報に
開示された、冷間圧延時の表面性状に優れた、本質的に
下記からなるFe−Ni 系合金冷延板: ニッケル : 30 〜 45 wt.
% 、マンガン : 0.3 〜 1.0 w
t.%、シリコン : 0.1 〜 0.3
wt.%、アルミニウム: 0.0004〜0.002
0 wt.% 、および、残り、鉄および不可避的不純
物、但し、前記不可避的不純物としての非金属介在物は
、図6に示すAl2O3−Mn0−SiO2系三元状態
図において、 ポイント1: Al2O3: 4 wt.% 、 MnO :58 wt.% 、 SiO2 :38 wt.% 、 ポイント2: Al2O3: 5 wt.% 、 MnO :49 wt.% 、 SiO2 :46 wt.% 、 ポイント3: Al2O3:23 wt.% 、 MnO :23 wt.% 、 SiO2 :54 wt.% 、 ポイント4: Al2O3:27 wt.% 、 MnO :31 wt.% 、 SiO2 :42 wt.% 、および、ポイント5: Al2O3:17 wt.% 、 MnO :54 wt.% 、 SiO2 :29 wt.% 、 を順次に結ぶ線によって囲まれた領域内の組成物からな
っている(以下、「先行技術」という)。
開示された、冷間圧延時の表面性状に優れた、本質的に
下記からなるFe−Ni 系合金冷延板: ニッケル : 30 〜 45 wt.
% 、マンガン : 0.3 〜 1.0 w
t.%、シリコン : 0.1 〜 0.3
wt.%、アルミニウム: 0.0004〜0.002
0 wt.% 、および、残り、鉄および不可避的不純
物、但し、前記不可避的不純物としての非金属介在物は
、図6に示すAl2O3−Mn0−SiO2系三元状態
図において、 ポイント1: Al2O3: 4 wt.% 、 MnO :58 wt.% 、 SiO2 :38 wt.% 、 ポイント2: Al2O3: 5 wt.% 、 MnO :49 wt.% 、 SiO2 :46 wt.% 、 ポイント3: Al2O3:23 wt.% 、 MnO :23 wt.% 、 SiO2 :54 wt.% 、 ポイント4: Al2O3:27 wt.% 、 MnO :31 wt.% 、 SiO2 :42 wt.% 、および、ポイント5: Al2O3:17 wt.% 、 MnO :54 wt.% 、 SiO2 :29 wt.% 、 を順次に結ぶ線によって囲まれた領域内の組成物からな
っている(以下、「先行技術」という)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術は、
次のような問題を含んでいる。即ち、非金属介在物が、
図6に示すAl2O3−MnO−SiO2系三元状態図
において、ポイント1、2、3、4および5を順次に結
ぶ線によって囲まれた領域内の組成物からなっているこ
とに起因して、非金属介在物が、最も温度の低い、1,
200 ℃の液相温度線に囲まれた、スペッサ−タイト
に近い領域内の組成物からなっている。その結果、非金
属介在物は、融点が低く、且つ、変形能が大きく、そし
て、その合計量が多い。非金属介在物の粒径が大きく、
または、融点の低い化合物の含有量が多いと、合金イン
ゴットを熱間圧延、冷間圧延して冷延板を調製したとき
に、冷延板中の非金属介在物が線状に変形し、その結果
、エッチング穿孔時に欠陥が生じる原因となる。
次のような問題を含んでいる。即ち、非金属介在物が、
図6に示すAl2O3−MnO−SiO2系三元状態図
において、ポイント1、2、3、4および5を順次に結
ぶ線によって囲まれた領域内の組成物からなっているこ
とに起因して、非金属介在物が、最も温度の低い、1,
200 ℃の液相温度線に囲まれた、スペッサ−タイト
に近い領域内の組成物からなっている。その結果、非金
属介在物は、融点が低く、且つ、変形能が大きく、そし
て、その合計量が多い。非金属介在物の粒径が大きく、
または、融点の低い化合物の含有量が多いと、合金イン
ゴットを熱間圧延、冷間圧延して冷延板を調製したとき
に、冷延板中の非金属介在物が線状に変形し、その結果
、エッチング穿孔時に欠陥が生じる原因となる。
【0006】このようなことから、高鮮明TVのシャド
ウマスク材として使用することができる、エッチング穿
孔時に欠陥が発生せず、そして、熱膨張率の低い、清浄
性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合金
冷延板が要求されているが、かかる合金冷延板およびそ
の製造方法は、まだ提案されていない。
ウマスク材として使用することができる、エッチング穿
孔時に欠陥が発生せず、そして、熱膨張率の低い、清浄
性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合金
冷延板が要求されているが、かかる合金冷延板およびそ
の製造方法は、まだ提案されていない。
【0007】従って、この発明の目的は、高鮮明TVの
シャドウマスク材として使用することができる、エッチ
ング穿孔時に欠陥が発生せず、そして、熱膨張率の低い
、清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni
系合金冷延板およびその製造方法を提供することにある
。
シャドウマスク材として使用することができる、エッチ
ング穿孔時に欠陥が発生せず、そして、熱膨張率の低い
、清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni
系合金冷延板およびその製造方法を提供することにある
。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、高鮮明TVのシャドウマスク材として使用す
ることができる、エッチング穿孔時に欠陥が発生せず、
そして、熱膨張率の低い、清浄性およびエッチング穿孔
性に優れたFe−Ni 系合金冷延板およびその製造方
法を開発すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、次の知
見を得た。
観点から、高鮮明TVのシャドウマスク材として使用す
ることができる、エッチング穿孔時に欠陥が発生せず、
そして、熱膨張率の低い、清浄性およびエッチング穿孔
性に優れたFe−Ni 系合金冷延板およびその製造方
法を開発すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、次の知
見を得た。
【0009】30から45wt.%の範囲内のニッケル
を含有する、脱燐および脱炭したFe−Ni 系溶融合
金を調製し、20から40wt.%の範囲内のCaO
を含有するMgO−CaO 系耐火物製の取鍋内におい
て、このように調製した前記Fe−Ni 系溶融合金に
アルミニウムおよびチタンを添加し、アルミニウムおよ
びチタンを添加した前記Fe−Ni 系溶融合金を、前
記取鍋内において、下記からなる CaO−Al2O3
− Ti02−MgO系スラグ: CaO およびAl2O3: 57 wt.%以上、T
i02 : 30 wt.%以下
、但し、CaO /(CaO +Al2O3 +Ti0
2) の比は0.7 以上、MgO
: 25 wt.% 以下 、SiO2
: 15 wt.% 以下、およ
び、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物 :
3 wt.%以下、と反応させて、前記Fe−Ni
系溶融合金を脱酸することにより、溶融合金中の溶存
酸素量が低下し、そして、溶融合金中に生成した酸化物
がスラグに吸収される。
を含有する、脱燐および脱炭したFe−Ni 系溶融合
金を調製し、20から40wt.%の範囲内のCaO
を含有するMgO−CaO 系耐火物製の取鍋内におい
て、このように調製した前記Fe−Ni 系溶融合金に
アルミニウムおよびチタンを添加し、アルミニウムおよ
びチタンを添加した前記Fe−Ni 系溶融合金を、前
記取鍋内において、下記からなる CaO−Al2O3
− Ti02−MgO系スラグ: CaO およびAl2O3: 57 wt.%以上、T
i02 : 30 wt.%以下
、但し、CaO /(CaO +Al2O3 +Ti0
2) の比は0.7 以上、MgO
: 25 wt.% 以下 、SiO2
: 15 wt.% 以下、およ
び、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物 :
3 wt.%以下、と反応させて、前記Fe−Ni
系溶融合金を脱酸することにより、溶融合金中の溶存
酸素量が低下し、そして、溶融合金中に生成した酸化物
がスラグに吸収される。
【0010】その結果、Fe−Ni 系合金冷延板中に
存在する非金属介在物の合計量が、酸素に換算して0.
002 wt.%以下になる。換言すれば、上述した溶
融合金中の溶存酸素量が低下するに伴って、溶融合金の
凝固時に、析出する非金属介在物の総量が低下するだけ
でなく、析出核となる低融点懸濁物が存在しないので、
非金属介在物の粒径の成長が抑制される。Fe−Ni
系合金冷延板中に存在する非金属介在物は、主として、
チタン酸化物からなっており、その粒径は6μm 以下
である。
存在する非金属介在物の合計量が、酸素に換算して0.
002 wt.%以下になる。換言すれば、上述した溶
融合金中の溶存酸素量が低下するに伴って、溶融合金の
凝固時に、析出する非金属介在物の総量が低下するだけ
でなく、析出核となる低融点懸濁物が存在しないので、
非金属介在物の粒径の成長が抑制される。Fe−Ni
系合金冷延板中に存在する非金属介在物は、主として、
チタン酸化物からなっており、その粒径は6μm 以下
である。
【0011】この発明は、上述した知見に基づいてなさ
れたものであって、この発明の、清浄性およびエッチン
グ穿孔性に優れたFe−Ni 系合金冷延板は、本質的
に下記からなっている。 ニッケル : 30 〜 45 wt.
% 、マンガン : 0.1 〜 1.0
wt.% 、残り、鉄および不可避的不純物、但し、前
記不可避的不純物としてのシリコン、クロム、チタン、
炭素、窒素、硫黄、燐、酸素、アルミニウムおよび非金
属介在物のそれぞれの含有量は、 シリコンについては、0.4 wt.%以下、クロムに
ついては、0.1 wt.%以下、チタンについては、
0.6 wt.%以下、炭素については、0.005
wt.%以下、窒素については、0.005 wt.%
以下、硫黄については、0.005 wt.%以下、燐
については、0.010 wt.%以下、酸素につ
いては、0.002 wt.%以下、アルミニウムにつ
いては、 0.030 wt.% 以下、および、非金
属介在物については、酸素に換算していて0.002
wt.%以下、からなり、前記非金属介在物は、主とし
てチタン酸化物からなっている。
れたものであって、この発明の、清浄性およびエッチン
グ穿孔性に優れたFe−Ni 系合金冷延板は、本質的
に下記からなっている。 ニッケル : 30 〜 45 wt.
% 、マンガン : 0.1 〜 1.0
wt.% 、残り、鉄および不可避的不純物、但し、前
記不可避的不純物としてのシリコン、クロム、チタン、
炭素、窒素、硫黄、燐、酸素、アルミニウムおよび非金
属介在物のそれぞれの含有量は、 シリコンについては、0.4 wt.%以下、クロムに
ついては、0.1 wt.%以下、チタンについては、
0.6 wt.%以下、炭素については、0.005
wt.%以下、窒素については、0.005 wt.%
以下、硫黄については、0.005 wt.%以下、燐
については、0.010 wt.%以下、酸素につ
いては、0.002 wt.%以下、アルミニウムにつ
いては、 0.030 wt.% 以下、および、非金
属介在物については、酸素に換算していて0.002
wt.%以下、からなり、前記非金属介在物は、主とし
てチタン酸化物からなっている。
【0012】この発明の、清浄性およびエッチング穿孔
性に優れたFe−Ni系合金冷延板の製造方法は、下記
ステップからなっている。30から45wt.%の範囲
内の量のニッケルを含有する、脱燐および脱炭したFe
−Ni系溶融合金を調製し、20から40wt.%の範
囲内の量のCaO を含有する、MgO−CaO 系耐
火物製の取鍋内において、このように調製した前記Fe
−Ni 系溶融合金にアルミニウムおよびチタンを添加
し、アルミニウムおよびチタンを添加した前記Fe−N
i 系溶融合金を、前記取鍋内において、下記からなる
CaO− Al2O3−Ti02−MgO系スラグ:
CaO およびAl2O3: 57 wt.%以上、T
i02 : 30 wt.%以下
、但し、CaO /(CaO +Al2O3 +Ti0
2) の比は、0.7 以上、MgO
: 25 wt.% 以下 、SiO2
: 15 wt.% 以下、お
よび、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物
: 3 wt.%下、と反応させて、前記Fe−Ni
系溶融合金を脱酸し、前記脱酸したFe−Ni系溶融
合金を、インゴットに鋳造し、そして前記インゴットを
分塊圧延し、熱間圧延し、そして、冷間圧延して、その
粒径が6μm 以下で、且つ、酸素に換算して0.00
2 wt.%以下の量の非金属介在物を含有するFe−
Ni 系合金冷延板を製造する。
性に優れたFe−Ni系合金冷延板の製造方法は、下記
ステップからなっている。30から45wt.%の範囲
内の量のニッケルを含有する、脱燐および脱炭したFe
−Ni系溶融合金を調製し、20から40wt.%の範
囲内の量のCaO を含有する、MgO−CaO 系耐
火物製の取鍋内において、このように調製した前記Fe
−Ni 系溶融合金にアルミニウムおよびチタンを添加
し、アルミニウムおよびチタンを添加した前記Fe−N
i 系溶融合金を、前記取鍋内において、下記からなる
CaO− Al2O3−Ti02−MgO系スラグ:
CaO およびAl2O3: 57 wt.%以上、T
i02 : 30 wt.%以下
、但し、CaO /(CaO +Al2O3 +Ti0
2) の比は、0.7 以上、MgO
: 25 wt.% 以下 、SiO2
: 15 wt.% 以下、お
よび、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物
: 3 wt.%下、と反応させて、前記Fe−Ni
系溶融合金を脱酸し、前記脱酸したFe−Ni系溶融
合金を、インゴットに鋳造し、そして前記インゴットを
分塊圧延し、熱間圧延し、そして、冷間圧延して、その
粒径が6μm 以下で、且つ、酸素に換算して0.00
2 wt.%以下の量の非金属介在物を含有するFe−
Ni 系合金冷延板を製造する。
【0013】この発明の、清浄性およびエッチング穿孔
性に優れたFe−Ni系合金冷延板の化学成分組成を、
上述した範囲内に限定した理由について、以下に述べる
。 (1)ニッケル:ニッケルは、Fe−Ni 系合金板の
熱膨張率に大きな影響を及ぼす成分である。ニッケル含
有量が、30から45wt.%の範囲内では、合金板の
熱膨張率が小さい。しかしながら、ニッケル含有量が、
30wt.%未満の場合には、合金板の熱膨張率が高く
なる。一方、ニッケル含有量が、45wt.%を超えて
も、合金の熱膨張率が高くなる。熱膨張率の高いFe−
Ni 系合金冷延板を、シャドウマスク材として使用し
たときには、色ずれの原因となる。従って、ニッケル含
有量は、30から45wt.%の範囲内に限定すべきで
ある。なおニッケルの原料として、インコニッケル(イ
ンタ−ナショナル社製のニッケルの商品名)、電解ニッ
ケルが通常用いられる。コストを低下させるために、コ
バルトを含有するト−ニメット(東京ニッケル社製のニ
ッケルの商品名)を使用してもよい。この際、1 wt
.%以下の量のコバルトが含まれるけれども、ニッケル
の含有量が、上述した範囲内であれば問題はない。
性に優れたFe−Ni系合金冷延板の化学成分組成を、
上述した範囲内に限定した理由について、以下に述べる
。 (1)ニッケル:ニッケルは、Fe−Ni 系合金板の
熱膨張率に大きな影響を及ぼす成分である。ニッケル含
有量が、30から45wt.%の範囲内では、合金板の
熱膨張率が小さい。しかしながら、ニッケル含有量が、
30wt.%未満の場合には、合金板の熱膨張率が高く
なる。一方、ニッケル含有量が、45wt.%を超えて
も、合金の熱膨張率が高くなる。熱膨張率の高いFe−
Ni 系合金冷延板を、シャドウマスク材として使用し
たときには、色ずれの原因となる。従って、ニッケル含
有量は、30から45wt.%の範囲内に限定すべきで
ある。なおニッケルの原料として、インコニッケル(イ
ンタ−ナショナル社製のニッケルの商品名)、電解ニッ
ケルが通常用いられる。コストを低下させるために、コ
バルトを含有するト−ニメット(東京ニッケル社製のニ
ッケルの商品名)を使用してもよい。この際、1 wt
.%以下の量のコバルトが含まれるけれども、ニッケル
の含有量が、上述した範囲内であれば問題はない。
【0014】(2)マンガン:マンガンは、Fe−Ni
系合金板の熱間加工性を向上させる作用を有している
。しかしながら、マンガン含有量が0.1wt.%未満
では、上述した作用に所望の効果が得られない。一方、
マンガン含有量が1.0 wt.%を超えると、合金板
の硬度が過度に高くなり、シャドウマスク材として適さ
ない。従って、マンガン含有量は、0.1 から1.0
wt.%の範囲内に限定すべきである。
系合金板の熱間加工性を向上させる作用を有している
。しかしながら、マンガン含有量が0.1wt.%未満
では、上述した作用に所望の効果が得られない。一方、
マンガン含有量が1.0 wt.%を超えると、合金板
の硬度が過度に高くなり、シャドウマスク材として適さ
ない。従って、マンガン含有量は、0.1 から1.0
wt.%の範囲内に限定すべきである。
【0015】(3)シリコン:シリコンは、Fe−Ni
系合金中に不可避的に混入する不純物の1つである。 シリコン含有量は、少ない程、好ましいが、シリコン含
有量を、工業的規模で大幅に低減させることは、経済性
の観点から困難である。しかしながら、シリコンの含有
量が0.4 wt.%を超えると、Fe−Ni 系合金
板のエッチング穿孔時に、エッチング液が汚れて、生産
性を低下させる。従って、シリコンの含有量は、0.4
wt.%以下に限定すべきである。
系合金中に不可避的に混入する不純物の1つである。 シリコン含有量は、少ない程、好ましいが、シリコン含
有量を、工業的規模で大幅に低減させることは、経済性
の観点から困難である。しかしながら、シリコンの含有
量が0.4 wt.%を超えると、Fe−Ni 系合金
板のエッチング穿孔時に、エッチング液が汚れて、生産
性を低下させる。従って、シリコンの含有量は、0.4
wt.%以下に限定すべきである。
【0016】(4)クロム:クロムは、Fe−Ni 系
合金中に不可避的に混入する不純物の1つである。クロ
ム含有量は、少ない程、好ましいが、クロム含有量を、
工業的規模で大幅に低減させることは、経済性の観点か
ら困難である。しかしながら、クロムの含有量が0.1
wt.%を超えると、Fe−Ni 系合金板のエッチ
ング穿孔速度が遅くなって、生産性を低下させ、そして
、合金板の熱膨張率が高くなって、色ずれが生じる。従
って、クロムの含有量は、0.1 wt.%以下に限定
すべきである。
合金中に不可避的に混入する不純物の1つである。クロ
ム含有量は、少ない程、好ましいが、クロム含有量を、
工業的規模で大幅に低減させることは、経済性の観点か
ら困難である。しかしながら、クロムの含有量が0.1
wt.%を超えると、Fe−Ni 系合金板のエッチ
ング穿孔速度が遅くなって、生産性を低下させ、そして
、合金板の熱膨張率が高くなって、色ずれが生じる。従
って、クロムの含有量は、0.1 wt.%以下に限定
すべきである。
【0017】(5)チタン
チタンは、Fe−Ni 系合金中に不可避的に混入する
不純物の1つである。チタン含有量は、少ない程、好ま
しいが、チタン含有量を、工業的規模で大幅に低減させ
ることは、経済性の観点から困難である。しかしながら
、チタンの含有量が0.6 wt.%を超えると、合金
板の黒化処理性が低下し、且つ、チタン酸化物の被膜が
生成して、エッチング性能が低下する。従って、チタン
含有量は、0.6 wt.%以下に、より好ましくは0
.1 wt.%以下に限定すべきである。
不純物の1つである。チタン含有量は、少ない程、好ま
しいが、チタン含有量を、工業的規模で大幅に低減させ
ることは、経済性の観点から困難である。しかしながら
、チタンの含有量が0.6 wt.%を超えると、合金
板の黒化処理性が低下し、且つ、チタン酸化物の被膜が
生成して、エッチング性能が低下する。従って、チタン
含有量は、0.6 wt.%以下に、より好ましくは0
.1 wt.%以下に限定すべきである。
【0018】(6)炭素:炭素は、Fe−Ni 系合金
中に不可避的に混入する不純物の1つである。炭素含有
量は、少ない程、好ましいが、炭素含有量を、工業的規
模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難で
ある。 しかしながら、炭素含有量が0.005 wt.%を超
えると、Fe−Ni 系合金板中に鉄炭化物が多量に生
成して、合金板のエッチング穿孔性を阻害し、穿孔欠陥
を生じる原因となる。更に、炭素含有量が0.005
wt.%を超えると、合金板のプレス成形性が低下する
。従って、炭素含有量は、0.005wt.%以下に限
定すべきである。
中に不可避的に混入する不純物の1つである。炭素含有
量は、少ない程、好ましいが、炭素含有量を、工業的規
模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難で
ある。 しかしながら、炭素含有量が0.005 wt.%を超
えると、Fe−Ni 系合金板中に鉄炭化物が多量に生
成して、合金板のエッチング穿孔性を阻害し、穿孔欠陥
を生じる原因となる。更に、炭素含有量が0.005
wt.%を超えると、合金板のプレス成形性が低下する
。従って、炭素含有量は、0.005wt.%以下に限
定すべきである。
【0019】(7)窒素:窒素は、Fe−Ni 系合金
中に不可避的に混入する不純物の1つである。窒素含有
量は、少ない程、好ましいが、窒素含有量を、工業的規
模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難で
ある。 しかしながら、窒素含有量が0.005 wt.%を超
えると、合金板中に金属窒化物が多量に生成して、合金
板のエッチング穿孔性を阻害し、穿孔欠陥を生じる原因
となる。従って、窒素含有量は、0.005 wt.%
以下に限定すべきである。
中に不可避的に混入する不純物の1つである。窒素含有
量は、少ない程、好ましいが、窒素含有量を、工業的規
模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難で
ある。 しかしながら、窒素含有量が0.005 wt.%を超
えると、合金板中に金属窒化物が多量に生成して、合金
板のエッチング穿孔性を阻害し、穿孔欠陥を生じる原因
となる。従って、窒素含有量は、0.005 wt.%
以下に限定すべきである。
【0020】(8)硫黄:硫黄は、Fe−Ni 系合金
中に不可避的に混入する不純物の1つである。硫黄含有
量は、少ない程、好ましいが、硫黄含有量を、工業的規
模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難で
ある。 しかしながら、硫黄含有量が0.005 wt.%を超
えると、Fe−Ni 系合金板中に硫化物系非金属介在
物が多量に生成して、合金板のエッチング穿孔性を阻害
し、穿孔欠陥を生じる原因となる。従って、硫黄含有量
は、0.005 wt.%以下に限定すべきである。
中に不可避的に混入する不純物の1つである。硫黄含有
量は、少ない程、好ましいが、硫黄含有量を、工業的規
模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難で
ある。 しかしながら、硫黄含有量が0.005 wt.%を超
えると、Fe−Ni 系合金板中に硫化物系非金属介在
物が多量に生成して、合金板のエッチング穿孔性を阻害
し、穿孔欠陥を生じる原因となる。従って、硫黄含有量
は、0.005 wt.%以下に限定すべきである。
【0021】(9)燐:燐は、Fe−Ni 系合金中に
不可避的に混入する不純物の1つである。燐含有量は、
少ない程、好ましいが、燐含有量を、工業的規模で大幅
に低減させることは、経済性の観点から困難である。し
かしながら、リン含有量が 0.010wt.%を超え
ると、Fe−Ni 系合金板の熱間加工性が著しく劣化
する。従って、燐含有量は、0.010 wt.%以下
に限定すべきである。
不可避的に混入する不純物の1つである。燐含有量は、
少ない程、好ましいが、燐含有量を、工業的規模で大幅
に低減させることは、経済性の観点から困難である。し
かしながら、リン含有量が 0.010wt.%を超え
ると、Fe−Ni 系合金板の熱間加工性が著しく劣化
する。従って、燐含有量は、0.010 wt.%以下
に限定すべきである。
【0022】(10)酸素:酸素は、Fe−Ni 系合
金中に不可避的に混入する不純物の1つである。酸素含
有量は、少ない程、好ましいが、酸素含有量を、工業的
規模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難
である。 しかしながら、酸素含有量が0.002 wt.%を超
えると、合金中に酸化物系非金属介在物が多量に生成し
て、合金板のエッチング穿孔性を阻害し、穿孔欠陥を生
じる原因となる。従って、酸素含有量は、0.002
wt.%以下に限定すべきである。
金中に不可避的に混入する不純物の1つである。酸素含
有量は、少ない程、好ましいが、酸素含有量を、工業的
規模で大幅に低減させることは、経済性の観点から困難
である。 しかしながら、酸素含有量が0.002 wt.%を超
えると、合金中に酸化物系非金属介在物が多量に生成し
て、合金板のエッチング穿孔性を阻害し、穿孔欠陥を生
じる原因となる。従って、酸素含有量は、0.002
wt.%以下に限定すべきである。
【0023】(11)アルミニウム:アルミニウムは、
Fe−Ni 系合金中に不可避的に混入する不純物の1
つである。アルミニウム含有量は、少ない程、好ましい
が、アルミニウム含有量を、工業的規模で大幅に低減さ
せることは、経済性の観点から困難である。しかしなが
ら、アルミニウムが0.030wt.% を超えると、
合金板の黒化処理性が低下する。従って、アルミニウム
の含有量は、0.030wt.% 以下に限定すべきで
ある。
Fe−Ni 系合金中に不可避的に混入する不純物の1
つである。アルミニウム含有量は、少ない程、好ましい
が、アルミニウム含有量を、工業的規模で大幅に低減さ
せることは、経済性の観点から困難である。しかしなが
ら、アルミニウムが0.030wt.% を超えると、
合金板の黒化処理性が低下する。従って、アルミニウム
の含有量は、0.030wt.% 以下に限定すべきで
ある。
【0024】(12) 非金属介在物:非金属介在物は
、Fe−Ni 系合金板中に不可避的に混入する不純物
の1つである。非金属介在物は、主として、チタン酸化
物からなっており、Fe−Ni 系合金板のエッチング
穿孔性に大きな影響を及ぼす成分である。合金板中の非
金属介在物の含有量が、酸素に換算して0.002 w
t.%を超えると、合金板のエッチング穿孔性を阻害し
て、穿孔欠陥を生じる原因となる。従って、非金属介在
物の含有量は、酸素に換算して0.002 wt.%以
下に限定すべきである。
、Fe−Ni 系合金板中に不可避的に混入する不純物
の1つである。非金属介在物は、主として、チタン酸化
物からなっており、Fe−Ni 系合金板のエッチング
穿孔性に大きな影響を及ぼす成分である。合金板中の非
金属介在物の含有量が、酸素に換算して0.002 w
t.%を超えると、合金板のエッチング穿孔性を阻害し
て、穿孔欠陥を生じる原因となる。従って、非金属介在
物の含有量は、酸素に換算して0.002 wt.%以
下に限定すべきである。
【0025】次に、この発明に従って、Fe−Ni 系
溶融合金を取鍋内において精錬するに際して、20から
40wt.%の範囲内の量のCaO を含有する Mg
O−CaO系耐火物製の取鍋を使用する理由を、以下に
述べる。 (1) 耐火物中の CaOの含有量が 20 wt.
%未満では、スラグの耐火物中への侵潤深さ(pene
tration depth) が大きくなって、耐火
物の劣化が生じる。一方、CaOの含有量が40wt.
%を超えると、耐火物融点が低くなり、溶損度合い(
wornratio)が大きくなって、高温において長
時間にわたり溶融合金をスラグ精錬することが不可能に
なる。従って、耐火物中のCaO の含有量は、20か
ら40wt.%の範囲内に限定すべきである。
溶融合金を取鍋内において精錬するに際して、20から
40wt.%の範囲内の量のCaO を含有する Mg
O−CaO系耐火物製の取鍋を使用する理由を、以下に
述べる。 (1) 耐火物中の CaOの含有量が 20 wt.
%未満では、スラグの耐火物中への侵潤深さ(pene
tration depth) が大きくなって、耐火
物の劣化が生じる。一方、CaOの含有量が40wt.
%を超えると、耐火物融点が低くなり、溶損度合い(
wornratio)が大きくなって、高温において長
時間にわたり溶融合金をスラグ精錬することが不可能に
なる。従って、耐火物中のCaO の含有量は、20か
ら40wt.%の範囲内に限定すべきである。
【0026】上述したことを、図2を参照して詳述する
。図2において、「●」は、スラグの浸潤深さ、そして
、実線は、その浸潤深さ曲線を示し、「○」は、耐火物
の溶損度合いを、そして、破線は、その溶損度合い曲線
を示す。図2において、縦軸は、浸潤深さ、および、溶
損度合いを示す。横軸は、MgO および CaOの含
有量を示す。即ち、横軸の上部目盛りは、0 から10
0 wt.%のMgO 含有量を示し、そして、その下
部目盛りは、100 から 0 wt.% の CaO
含有量を示す。従って、横軸は、MgO および Ca
Oの合計量が常に 100 wt.% であることを示
している。例えば、MgO の含有量が 100 wt
.% のときは、 CaOの含有量は 0 wt.%
であり、そして、MgO の含有量が 20 wt.%
のときは、CaO の含有量は 80 wt.%である
。図2から明らかなように、CaO の含有量が、20
から40wt.%の範囲内のときには、スラグの浸潤深
さ、および、耐火物の溶損度合いが共に小さくなってい
る。
。図2において、「●」は、スラグの浸潤深さ、そして
、実線は、その浸潤深さ曲線を示し、「○」は、耐火物
の溶損度合いを、そして、破線は、その溶損度合い曲線
を示す。図2において、縦軸は、浸潤深さ、および、溶
損度合いを示す。横軸は、MgO および CaOの含
有量を示す。即ち、横軸の上部目盛りは、0 から10
0 wt.%のMgO 含有量を示し、そして、その下
部目盛りは、100 から 0 wt.% の CaO
含有量を示す。従って、横軸は、MgO および Ca
Oの合計量が常に 100 wt.% であることを示
している。例えば、MgO の含有量が 100 wt
.% のときは、 CaOの含有量は 0 wt.%
であり、そして、MgO の含有量が 20 wt.%
のときは、CaO の含有量は 80 wt.%である
。図2から明らかなように、CaO の含有量が、20
から40wt.%の範囲内のときには、スラグの浸潤深
さ、および、耐火物の溶損度合いが共に小さくなってい
る。
【0027】(2) MgO−CaO 系耐火物製の取
鍋は、合金酸化物の源であるFe2O3 、SiO2お
よびCr2O3 等の酸化物の含有量が少ないので、溶
融合金中の酸素濃度を低く維持して、シリコンおよびク
ロムのピックアップを防止することができる。従って、
MgO−CaO 系耐火物製の取鍋を使用すべきである
。
鍋は、合金酸化物の源であるFe2O3 、SiO2お
よびCr2O3 等の酸化物の含有量が少ないので、溶
融合金中の酸素濃度を低く維持して、シリコンおよびク
ロムのピックアップを防止することができる。従って、
MgO−CaO 系耐火物製の取鍋を使用すべきである
。
【0028】次に、この発明に従って、Fe−Ni 系
溶融合金を取鍋内において精錬するに際して、下記から
なるCaO−Al2O3−Ti02−MgO系スラグ:
CaO およびAl2O3: 57 wt.%以上、T
i02 : 30 wt.%以下
、但し、CaO /(CaO +Al2O3 +Ti0
2) の比は0.7 以上、MgO
: 25 wt.% 以下 、SiO2
: 15 wt.% 以下、およ
び、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物 :
3 wt以下、を使用する理由を、以下に述べる。
溶融合金を取鍋内において精錬するに際して、下記から
なるCaO−Al2O3−Ti02−MgO系スラグ:
CaO およびAl2O3: 57 wt.%以上、T
i02 : 30 wt.%以下
、但し、CaO /(CaO +Al2O3 +Ti0
2) の比は0.7 以上、MgO
: 25 wt.% 以下 、SiO2
: 15 wt.% 以下、およ
び、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物 :
3 wt以下、を使用する理由を、以下に述べる。
【0029】(1) CaO/(CaO+Al2O3
+Ti02) の比が0.7 未満では、スラグ中の
Al2O3 ,Ti02の活量が0.5 を超える。ス
ラグ中のAl2O3 ,Ti02の活量が0.5 を超
えると、AlおよびTiの量を一定にした場合のAlお
よびTiの脱酸力が低下する。従って、CaO/(Ca
O+Al2O3 +Ti02) の比は、0.7 以上
に限定すべきである。
+Ti02) の比が0.7 未満では、スラグ中の
Al2O3 ,Ti02の活量が0.5 を超える。ス
ラグ中のAl2O3 ,Ti02の活量が0.5 を超
えると、AlおよびTiの量を一定にした場合のAlお
よびTiの脱酸力が低下する。従って、CaO/(Ca
O+Al2O3 +Ti02) の比は、0.7 以上
に限定すべきである。
【0030】上述したことを、図3を参照して詳述する
。図3は、CaO−Al2O3−Ti02−MgO系ス
ラグ中のAl2O3 、Ti02およびCaO の各々
の活量と CaO /(CaO+Al2O3 +Ti0
2) の比との間の関係を示すグラフである。縦軸は、
Al2O3 、Ti02およびCaO の各々の活量
(aAl2O3,aTio2 and aCaO )
を示し、そして、横軸は、 CaO /(CaO+
Al2O3+Ti02) の比を示す。更に、図3は、
Al2O3 ,Ti02およびCaO の一般に知られ
ている3種類の等活量線を示す。図3から明らかなよう
に、CaO / (CaO+Al2O3+Ti02)
の比が、0.7 以上では、何れの Al2O3,Ti
02の等活量線においても、Al2O3 およびTi0
2の活量が 0.5以下に抑制される。その結果、Ca
O /(CaO +Al2O3+Ti02) の比が、
0.7 以上のときには、アルミニウムおよびチタンの
脱酸力が強いスラグを得ることができる。
。図3は、CaO−Al2O3−Ti02−MgO系ス
ラグ中のAl2O3 、Ti02およびCaO の各々
の活量と CaO /(CaO+Al2O3 +Ti0
2) の比との間の関係を示すグラフである。縦軸は、
Al2O3 、Ti02およびCaO の各々の活量
(aAl2O3,aTio2 and aCaO )
を示し、そして、横軸は、 CaO /(CaO+
Al2O3+Ti02) の比を示す。更に、図3は、
Al2O3 ,Ti02およびCaO の一般に知られ
ている3種類の等活量線を示す。図3から明らかなよう
に、CaO / (CaO+Al2O3+Ti02)
の比が、0.7 以上では、何れの Al2O3,Ti
02の等活量線においても、Al2O3 およびTi0
2の活量が 0.5以下に抑制される。その結果、Ca
O /(CaO +Al2O3+Ti02) の比が、
0.7 以上のときには、アルミニウムおよびチタンの
脱酸力が強いスラグを得ることができる。
【0031】(2) スラグ中のMgO の含有量が
、 25 wt.%を超えると、スラグの融点が上昇し
て、スラグのFe− Ni系溶融合金との反応が低下す
る。従って、 MgOの含有量は、25 wt.%以下
に限定すべきである。
、 25 wt.%を超えると、スラグの融点が上昇し
て、スラグのFe− Ni系溶融合金との反応が低下す
る。従って、 MgOの含有量は、25 wt.%以下
に限定すべきである。
【0032】(3) スラグ中のSiO2の含有量が
15 wt.% を超えると、スラグ中のSiO2の活
量(aSiO2) が上昇し、そして、Fe−Ni 系
溶融合金中の酸素量が、SiO2によって増加する。そ
の結果、Fe−Ni 系合金冷延板中に存在する酸素含
有量が、0.0020wt.%を超える。従って、Si
O2の含有量は、 15 wt.%以下に限定すべきで
ある。
15 wt.% を超えると、スラグ中のSiO2の活
量(aSiO2) が上昇し、そして、Fe−Ni 系
溶融合金中の酸素量が、SiO2によって増加する。そ
の結果、Fe−Ni 系合金冷延板中に存在する酸素含
有量が、0.0020wt.%を超える。従って、Si
O2の含有量は、 15 wt.%以下に限定すべきで
ある。
【0033】(4) スラグ中における、 Si よ
りも酸素親和力の弱い金属の酸化物の合計量が3 wt
.%を超えると、Fe−Ni 系合金冷延板中に存在す
る酸素含有量が、0.0020wt.%を超える。従っ
て、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物の合
計量は、3 wt.%以下に、そして、より望ましくは
、1.5 wt.%以下に限定すべきである。
りも酸素親和力の弱い金属の酸化物の合計量が3 wt
.%を超えると、Fe−Ni 系合金冷延板中に存在す
る酸素含有量が、0.0020wt.%を超える。従っ
て、シリコンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物の合
計量は、3 wt.%以下に、そして、より望ましくは
、1.5 wt.%以下に限定すべきである。
【0034】更に、上述したスラグを使用してFe−N
i 系溶融合金を脱酸することによって、清浄性に優れ
たFe−Ni 系合金冷延板を得ることができる理由を
、図4を参照して詳述する。図4は、1,550 ℃の
温度の、36wt.%のニッケルを含有するFe−Ni
系溶融合金において、アルミニウム、シリコンまたは
チタンによって脱酸が平衡状態に達したときの、脱酸に
使用したアルミニウム、シリコンまたはチタンの、溶融
合金中における溶存量と、そして、溶融合金中における
酸素の溶存量との間の関係を示すグラフである。
i 系溶融合金を脱酸することによって、清浄性に優れ
たFe−Ni 系合金冷延板を得ることができる理由を
、図4を参照して詳述する。図4は、1,550 ℃の
温度の、36wt.%のニッケルを含有するFe−Ni
系溶融合金において、アルミニウム、シリコンまたは
チタンによって脱酸が平衡状態に達したときの、脱酸に
使用したアルミニウム、シリコンまたはチタンの、溶融
合金中における溶存量と、そして、溶融合金中における
酸素の溶存量との間の関係を示すグラフである。
【0035】図4において、縦軸は、溶融合金中におけ
る酸素の溶存量を示し、そして、横軸は、溶融合金中に
おけるアルミニウム、シリコンまたはチタンの溶存量を
示す。更に、図4において、斜め実線は、Al2O3
の等活量線を示し、そして、斜め破線は、SiO2の等
活量線を示す。更に、図4において、「C」は、本発明
の上述したスラグを使用して溶融合金を脱酸した本発明
の溶融合金における、シリコン、アルミニウムまたはチ
タンの溶存量と酸素溶存量とを示し、そして、「A(A
1,A2 )」および「B」の各々は、本発明のスラグ
を使用しない、この発明の範囲外の方法(以下、「比較
用脱酸法」という)No. 1または2によって脱酸し
た溶融合金におけるシリコン、アルミニウムまたはチタ
ンの溶存量と酸素溶存量とを示す。
る酸素の溶存量を示し、そして、横軸は、溶融合金中に
おけるアルミニウム、シリコンまたはチタンの溶存量を
示す。更に、図4において、斜め実線は、Al2O3
の等活量線を示し、そして、斜め破線は、SiO2の等
活量線を示す。更に、図4において、「C」は、本発明
の上述したスラグを使用して溶融合金を脱酸した本発明
の溶融合金における、シリコン、アルミニウムまたはチ
タンの溶存量と酸素溶存量とを示し、そして、「A(A
1,A2 )」および「B」の各々は、本発明のスラグ
を使用しない、この発明の範囲外の方法(以下、「比較
用脱酸法」という)No. 1または2によって脱酸し
た溶融合金におけるシリコン、アルミニウムまたはチタ
ンの溶存量と酸素溶存量とを示す。
【0036】図4から明らかなように、本発明の溶融合
金においては、酸素溶存量が少ない。即ち、充分な量の
アルミニウム、チタンおよび上述したスラグの存在の下
に、溶融合金を強く攪拌することによって、平衡状態に
あるそれぞれの活量aAl2O3 、aTio2および
aSiO2が低下すると共に、平衡状態にある酸素濃
度は、より低く安定する。かくして、溶融合金中の酸化
物から成る非金属介在物は、スラグに吸着され除去され
る。その結果、溶融合金を清浄化し、そして、粒径が極
めて微細な、微量の非金属介在物を、溶融合金中に分布
させることができる。
金においては、酸素溶存量が少ない。即ち、充分な量の
アルミニウム、チタンおよび上述したスラグの存在の下
に、溶融合金を強く攪拌することによって、平衡状態に
あるそれぞれの活量aAl2O3 、aTio2および
aSiO2が低下すると共に、平衡状態にある酸素濃
度は、より低く安定する。かくして、溶融合金中の酸化
物から成る非金属介在物は、スラグに吸着され除去され
る。その結果、溶融合金を清浄化し、そして、粒径が極
めて微細な、微量の非金属介在物を、溶融合金中に分布
させることができる。
【0037】Fe−Ni 系合金インゴットの分塊圧延
において、圧延率を、70% 以上とし、そして、圧延
温度を、1,150 から1,250 ℃の範囲内とす
ることが望ましい。その理由は、次の通りである。 (1) 圧延率が70% 以上のときには、分塊圧延時
における合金の組織および合金中の非金属介在物を破砕
して、冷延板中の非金属介在物の粒径を極微細にする効
果がある。従って、圧延率を、70% 以上に限定すべ
きである。 (2) 圧延温度が1,150 ℃未満のときには、分
塊圧延が困難であり、一方、圧延温度が1,250 ℃
を超えるときには、マトリックス金属の変形抵抗が小さ
くなって、非金属介在物の破砕が困難になる。従って、
圧延温度を、1,150 から1,250 ℃の範囲内
に限定すべきである。
において、圧延率を、70% 以上とし、そして、圧延
温度を、1,150 から1,250 ℃の範囲内とす
ることが望ましい。その理由は、次の通りである。 (1) 圧延率が70% 以上のときには、分塊圧延時
における合金の組織および合金中の非金属介在物を破砕
して、冷延板中の非金属介在物の粒径を極微細にする効
果がある。従って、圧延率を、70% 以上に限定すべ
きである。 (2) 圧延温度が1,150 ℃未満のときには、分
塊圧延が困難であり、一方、圧延温度が1,250 ℃
を超えるときには、マトリックス金属の変形抵抗が小さ
くなって、非金属介在物の破砕が困難になる。従って、
圧延温度を、1,150 から1,250 ℃の範囲内
に限定すべきである。
【0038】
【実施例】次に、この発明の清浄性およびエッチング穿
孔性に優れた Fe−Ni系合金冷延板およびその製造
方法を、この発明の範囲外の比較例と対比しながら、実
施例により、更に詳細に説明する。表1に示す原料を使
用して、次の製造工程によって、Fe−Ni 系合金冷
延板を調製した。
孔性に優れた Fe−Ni系合金冷延板およびその製造
方法を、この発明の範囲外の比較例と対比しながら、実
施例により、更に詳細に説明する。表1に示す原料を使
用して、次の製造工程によって、Fe−Ni 系合金冷
延板を調製した。
【0039】
【表1】
【0040】
1.転炉を使用する精錬
2.下記を含むVAD(真空−電弧−脱ガスの省略)設
備を使用する精錬 脱燐精錬 ニッケル溶解 3.VOD(真空−酸素−脱炭の省略)設備を使用する
精錬 送酸脱炭 真空脱炭 スラグ脱酸 4.造塊 5.分塊圧延 6.熱間圧延 7.冷間圧延
備を使用する精錬 脱燐精錬 ニッケル溶解 3.VOD(真空−酸素−脱炭の省略)設備を使用する
精錬 送酸脱炭 真空脱炭 スラグ脱酸 4.造塊 5.分塊圧延 6.熱間圧延 7.冷間圧延
【0041】上述したVADおよびVOD設備を使用す
る精錬の工程を図1に示す。即ち、攪拌用ガスを吹き込
むための底部プラグを備えた250t上吹き転炉内にお
いて、脱燐溶銑を精錬して、未脱酸のままの溶鋼を得、
次いで、これを250t取鍋内に移した。次いで、この
ようにして得た250tの溶鋼のうち、20t を25
0t取鍋から50t 取鍋内に収容した。前記溶鋼の成
分組成は下記の通りであった。
る精錬の工程を図1に示す。即ち、攪拌用ガスを吹き込
むための底部プラグを備えた250t上吹き転炉内にお
いて、脱燐溶銑を精錬して、未脱酸のままの溶鋼を得、
次いで、これを250t取鍋内に移した。次いで、この
ようにして得た250tの溶鋼のうち、20t を25
0t取鍋から50t 取鍋内に収容した。前記溶鋼の成
分組成は下記の通りであった。
【0042】
【0043】上述した20tの溶鋼を、57.2 wt
.% のMgO 、38.4 wt.% のCaO 、
1.6 wt.%のSiO2および0.2 wt.%の
Al2O3 からなるマグネシア−ドロマイト煉瓦を使
用した別の20t取鍋に、ロ−タリ−ノズルで注湯した
。次いで、前記取鍋をVAD(真空−電弧−脱ガス)設
備内に配置し、そして、ここで前記溶鋼を脱燐した。こ
のように、未脱酸のままの溶鋼を使用することによって
、溶鋼中に窒素が吸収されることを防止した。次いで、
除滓した後、減圧下において、3相電極加熱装置によっ
て、取鍋内の溶鋼を 1,600℃以上の温度に加熱し
ながら、下記条件下で、純ニッケル塊およびニッケル合
金塊を、取鍋内に装入して、これを溶解した。
.% のMgO 、38.4 wt.% のCaO 、
1.6 wt.%のSiO2および0.2 wt.%の
Al2O3 からなるマグネシア−ドロマイト煉瓦を使
用した別の20t取鍋に、ロ−タリ−ノズルで注湯した
。次いで、前記取鍋をVAD(真空−電弧−脱ガス)設
備内に配置し、そして、ここで前記溶鋼を脱燐した。こ
のように、未脱酸のままの溶鋼を使用することによって
、溶鋼中に窒素が吸収されることを防止した。次いで、
除滓した後、減圧下において、3相電極加熱装置によっ
て、取鍋内の溶鋼を 1,600℃以上の温度に加熱し
ながら、下記条件下で、純ニッケル塊およびニッケル合
金塊を、取鍋内に装入して、これを溶解した。
【0044】
真空度 :200
〜600 Torr、底吹きアルゴンガスの流量:0
.5 〜1.5 Nl/min.t、溶滓剤の投入時期
:VAD 精錬開始直前、溶滓剤の組
成 :焼石灰 15 Kg/T
、 蛍石 4 Kg/T。
〜600 Torr、底吹きアルゴンガスの流量:0
.5 〜1.5 Nl/min.t、溶滓剤の投入時期
:VAD 精錬開始直前、溶滓剤の組
成 :焼石灰 15 Kg/T
、 蛍石 4 Kg/T。
【0045】ニッケルの溶解後、今や約30t に増量
した、取鍋内のこのようにして得られたFe−Ni 系
溶融合金を、下記条件下で、1,700 ℃以上、より
好ましくは、1,750 ℃以上の温度に加熱した。 真空度 : 2
00 〜400 Torr、底吹きアルゴンガスの流量
: 0.5 〜1.5 Nl/min.t、造滓剤投
入 : なし。
した、取鍋内のこのようにして得られたFe−Ni 系
溶融合金を、下記条件下で、1,700 ℃以上、より
好ましくは、1,750 ℃以上の温度に加熱した。 真空度 : 2
00 〜400 Torr、底吹きアルゴンガスの流量
: 0.5 〜1.5 Nl/min.t、造滓剤投
入 : なし。
【0046】この段階における、Fe−Ni 系溶融合
金中の炭素およびニッケル含有量を調べた結果は、次の
通りであった。
金中の炭素およびニッケル含有量を調べた結果は、次の
通りであった。
【0047】ニッケル溶解後の上述した加熱によって、
次のVOD(真空−酸素−脱炭)設備を使用した精錬完
了後の加熱は不要であった。次いで、前記取鍋を、VO
D設備内に移して、ここでFe−Ni 系溶融合金を脱
炭した。溶融合金の脱炭は、上吹きランスによって酸素
を吹き込みながら行なう脱炭(以下、「上吹きランスに
よる送酸脱炭」という)、および、減圧下における真空
脱炭からなっていた。
次のVOD(真空−酸素−脱炭)設備を使用した精錬完
了後の加熱は不要であった。次いで、前記取鍋を、VO
D設備内に移して、ここでFe−Ni 系溶融合金を脱
炭した。溶融合金の脱炭は、上吹きランスによって酸素
を吹き込みながら行なう脱炭(以下、「上吹きランスに
よる送酸脱炭」という)、および、減圧下における真空
脱炭からなっていた。
【0048】先ず、上吹きランスによる送酸脱炭を、下
記条件下で行った。 真空度
:100 Torr以下、底吹きアルゴンの流量
:1.0 〜2.0 Nl/min.t、上
吹き酸素ガスの流量 :0.8 〜1.
2 Nm3/min.t 、 送酸量
: 2〜5 Nm3/t 、ランス−溶融合金表面間
の距離:700 〜 900 mm 、溶滓剤投入
:なし。
記条件下で行った。 真空度
:100 Torr以下、底吹きアルゴンの流量
:1.0 〜2.0 Nl/min.t、上
吹き酸素ガスの流量 :0.8 〜1.
2 Nm3/min.t 、 送酸量
: 2〜5 Nm3/t 、ランス−溶融合金表面間
の距離:700 〜 900 mm 、溶滓剤投入
:なし。
【0049】このようにして、酸素を富化したFe−N
i 系溶融合金を、底吹きアルゴンガスによって攪拌し
ながら、炭素−酸素間反応を促進させることによって、
その炭素含有量が 0.005wt.%以下に減少する
まで、溶融合金を減圧下で脱炭した。なお、上述した上
吹きランスによる送酸脱炭の末期において、取鍋を再度
VOD設備に移し、そして、溶融合金中にニッケルを添
加して、溶融合金中のニッケル成分を微調整し、そして
、溶融合金の温度を、約1,750 ℃に調整した。こ
の段階における、溶融合金中のニッケル、炭素および窒
素の含有量は、次の通りであった。
i 系溶融合金を、底吹きアルゴンガスによって攪拌し
ながら、炭素−酸素間反応を促進させることによって、
その炭素含有量が 0.005wt.%以下に減少する
まで、溶融合金を減圧下で脱炭した。なお、上述した上
吹きランスによる送酸脱炭の末期において、取鍋を再度
VOD設備に移し、そして、溶融合金中にニッケルを添
加して、溶融合金中のニッケル成分を微調整し、そして
、溶融合金の温度を、約1,750 ℃に調整した。こ
の段階における、溶融合金中のニッケル、炭素および窒
素の含有量は、次の通りであった。
【0050】
【0051】次いで、減圧処理下における真空脱炭を、
下記条件下で行った。 真空度
:1 Torr以下、底吹きアルゴンガスの流量
:1.5 〜2.5 Nl/min.t、 溶滓剤投入
:なし、真空脱炭開始時の溶融合金の温度:1,745
℃その結果、その炭素含有量が、0.0009wt.
%以下に減少するまで、Fe−Ni 系溶融合金を脱炭
することができた。
下記条件下で行った。 真空度
:1 Torr以下、底吹きアルゴンガスの流量
:1.5 〜2.5 Nl/min.t、 溶滓剤投入
:なし、真空脱炭開始時の溶融合金の温度:1,745
℃その結果、その炭素含有量が、0.0009wt.
%以下に減少するまで、Fe−Ni 系溶融合金を脱炭
することができた。
【0052】次いで、引き続きVOD設備内において、
Fe−Ni 系溶融合金中に、チタン合金、アルミニウ
ムなどの脱酸剤および溶滓剤を添加し、そして、底吹き
アルゴンガスによって溶融合金を強く攪拌しながら、下
記条件下において、溶融合金とスラグとの間の反応によ
って、溶融合金を脱酸した(以下、「本発明の脱酸法」
という)。
Fe−Ni 系溶融合金中に、チタン合金、アルミニウ
ムなどの脱酸剤および溶滓剤を添加し、そして、底吹き
アルゴンガスによって溶融合金を強く攪拌しながら、下
記条件下において、溶融合金とスラグとの間の反応によ
って、溶融合金を脱酸した(以下、「本発明の脱酸法」
という)。
【0053】
真空度 :1Torr以下
、底吹きアルゴンの流量:0.5 〜 2.5 Nl/
min.t、溶滓剤および脱酸剤の投入(2回) 第1回投入 溶滓剤の組成: 焼石灰 :30 Kg/t 、蛍石
: 5 Kg/t 、脱酸剤
の組成: アルミニウム :10 Kg/t 、フェロシリ
コン : 2 Kg/t 、フェロチタン :
8 Kg/t 、投入時期: 脱酸精錬開始直前、 第2回投入 添加物の組成:溶融合金成分の微調整剤、投入時期
: 脱酸精錬中期。
、底吹きアルゴンの流量:0.5 〜 2.5 Nl/
min.t、溶滓剤および脱酸剤の投入(2回) 第1回投入 溶滓剤の組成: 焼石灰 :30 Kg/t 、蛍石
: 5 Kg/t 、脱酸剤
の組成: アルミニウム :10 Kg/t 、フェロシリ
コン : 2 Kg/t 、フェロチタン :
8 Kg/t 、投入時期: 脱酸精錬開始直前、 第2回投入 添加物の組成:溶融合金成分の微調整剤、投入時期
: 脱酸精錬中期。
【0054】溶融合金をスラグによって脱酸する前の、
Fe− Ni系溶融合金中のチタン、シリコンおよびS
ol.Alの含有量は、次の通りであった。
Fe− Ni系溶融合金中のチタン、シリコンおよびS
ol.Alの含有量は、次の通りであった。
【0055】上述した、溶融合金と反応させたCaO−
Al2O3−Ti02−MgO系スラグは、下記からな
っていた。 (a) 成分組成 (b) CaO /(CaO+Al2O3 +Ti0
2) の比 : 0.58(c) Si よりも酸素
親和力の弱い金属の酸化物の合計含有量( 即ち、T.
Fe+MnO+Cr2O3):0.9 wt.%
Al2O3−Ti02−MgO系スラグは、下記からな
っていた。 (a) 成分組成 (b) CaO /(CaO+Al2O3 +Ti0
2) の比 : 0.58(c) Si よりも酸素
親和力の弱い金属の酸化物の合計含有量( 即ち、T.
Fe+MnO+Cr2O3):0.9 wt.%
【00
56】Fe−Ni 系溶融合金のVOD 設備内におけ
る上述した脱酸精錬の結果は、下記の通りであった。 溶融合金中のSi含有量 :0
.1 〜0.3 wt.%、 SiO2の活量(aSiO2)の推定値 :0.
001 〜0.005 、溶融合金中のTiの含有量
:0.1 〜0.6 wt
.%、 TiO2の活量(a TiO2)の推定値 :1
0−2 〜10−8、平衡酸素の推定濃度
:1 〜2ppm 、および
、 溶融合金中の T. 酸素の実績含有量:7〜14 p
pm。
56】Fe−Ni 系溶融合金のVOD 設備内におけ
る上述した脱酸精錬の結果は、下記の通りであった。 溶融合金中のSi含有量 :0
.1 〜0.3 wt.%、 SiO2の活量(aSiO2)の推定値 :0.
001 〜0.005 、溶融合金中のTiの含有量
:0.1 〜0.6 wt
.%、 TiO2の活量(a TiO2)の推定値 :1
0−2 〜10−8、平衡酸素の推定濃度
:1 〜2ppm 、および
、 溶融合金中の T. 酸素の実績含有量:7〜14 p
pm。
【0057】更に、Fe−Ni 系溶融合金とスラグと
の間の反応による、溶融合金の上述した脱酸は、高い真
空度の下に、溶融合金を強く攪拌しながら行われたので
、溶融合金中への吸窒を防止することができた。なお、
スラグによるFe−Ni 系溶融合金の上述した脱酸は
、炭素ピックアップを防止するために、ア−ク加熱を適
用しないで行われた。
の間の反応による、溶融合金の上述した脱酸は、高い真
空度の下に、溶融合金を強く攪拌しながら行われたので
、溶融合金中への吸窒を防止することができた。なお、
スラグによるFe−Ni 系溶融合金の上述した脱酸は
、炭素ピックアップを防止するために、ア−ク加熱を適
用しないで行われた。
【0058】このときのFe−Ni 系溶融合金の成分
組成は次の通りであった。
組成は次の通りであった。
【0059】次いで、VAD設備およびVOD設備にお
ける処理の終了後、上広型の7tまたは5t鋳型を使用
して、下注ぎ造塊法によって、下記条件で、Fe−Ni
系溶融合金をインゴットに鋳造した。 (1) 注入流の温度:1,490 〜 1,525℃
、(2) 鋳込み速度 : 150 〜 190m
m/ 分、(3) シ−ルの状況:取鍋ノズルと注入管
との間を覆いで囲み、そして、アルゴンガスを、130
Nm3/Hr の割合で供給した。
ける処理の終了後、上広型の7tまたは5t鋳型を使用
して、下注ぎ造塊法によって、下記条件で、Fe−Ni
系溶融合金をインゴットに鋳造した。 (1) 注入流の温度:1,490 〜 1,525℃
、(2) 鋳込み速度 : 150 〜 190m
m/ 分、(3) シ−ルの状況:取鍋ノズルと注入管
との間を覆いで囲み、そして、アルゴンガスを、130
Nm3/Hr の割合で供給した。
【0060】注入流を、アルゴンガスによって、大気か
ら完全に密閉したので、鋳込みを開始してから2分経過
以降は、覆い内の酸素濃度は、0.1 % 以下であっ
た。その結果、空気の巻き込みによる、溶融合金の再酸
化または溶融合金中への吸窒を防止することができた。
ら完全に密閉したので、鋳込みを開始してから2分経過
以降は、覆い内の酸素濃度は、0.1 % 以下であっ
た。その結果、空気の巻き込みによる、溶融合金の再酸
化または溶融合金中への吸窒を防止することができた。
【0061】注入流から採取したFe−Ni 系溶融合
金の成分組成は次の通りであった。
金の成分組成は次の通りであった。
【0062】このようにして調製した下注インゴットの
湯道部分の凝固塊中の非金属介在物を、SEM(走査電
子顕微鏡)分析した結果、非金属介在物は、チタン酸化
物からなっていた。そして、湯道部分の凝固塊中のSo
l.Al、窒素および酸素の含有量は次の通りであった
。
湯道部分の凝固塊中の非金属介在物を、SEM(走査電
子顕微鏡)分析した結果、非金属介在物は、チタン酸化
物からなっていた。そして、湯道部分の凝固塊中のSo
l.Al、窒素および酸素の含有量は次の通りであった
。
【0063】次いで、このように調製したインゴットを
、70% 以上の圧下率、および、1,150 から1
,250 ℃の範囲内の温度において、分塊圧延し、次
いで、スラブの表面手入れ、熱間圧延、脱スケ−ル、冷
間圧延、焼鈍、冷間圧延および歪取り熱処理からなる一
連の工程によって、表3に示す、0.15 mm の厚
さを有する、本発明のFe−Ni 系合金冷延板の供試
体(以下、「本発明の供試体という」)No. 1〜3
を調製した。
、70% 以上の圧下率、および、1,150 から1
,250 ℃の範囲内の温度において、分塊圧延し、次
いで、スラブの表面手入れ、熱間圧延、脱スケ−ル、冷
間圧延、焼鈍、冷間圧延および歪取り熱処理からなる一
連の工程によって、表3に示す、0.15 mm の厚
さを有する、本発明のFe−Ni 系合金冷延板の供試
体(以下、「本発明の供試体という」)No. 1〜3
を調製した。
【0064】
【表3】
【0065】本発明の供試体No. 1の成分組成は、
次の通りであった:
次の通りであった:
【0066】更に、本発明の供試体No. 1のトップ
端およびボトム端におけるマンガン、シリコン、硫黄、
窒素および酸素の分布状態を調べた結果は次の通りであ
った。 上記から、本発明供試体No. 1中のマンガン、
シリコン、硫黄、窒素および酸素は、実用レベルでは、
極めて均一に分布していることがわかる。
端およびボトム端におけるマンガン、シリコン、硫黄、
窒素および酸素の分布状態を調べた結果は次の通りであ
った。 上記から、本発明供試体No. 1中のマンガン、
シリコン、硫黄、窒素および酸素は、実用レベルでは、
極めて均一に分布していることがわかる。
【0067】次いで、比較のために、脱酸精錬を減圧下
において、スラグを使用することなく、シリコンおよび
マンガンを使用して行なった(以下、「比較用脱酸法
No.1」という)以外は、上述した本発明におけると
同一の工程によって、表3に併せて示す、0.15 m
m の厚さを有する、本発明の範囲外のFe−Ni 系
合金冷延板の供試体(以下、「比較用供試体」という)
No. 1および2を調製した。
において、スラグを使用することなく、シリコンおよび
マンガンを使用して行なった(以下、「比較用脱酸法
No.1」という)以外は、上述した本発明におけると
同一の工程によって、表3に併せて示す、0.15 m
m の厚さを有する、本発明の範囲外のFe−Ni 系
合金冷延板の供試体(以下、「比較用供試体」という)
No. 1および2を調製した。
【0068】比較用脱酸法 No.1 によると、脱酸
精錬における酸化物からなる非金属介在物は、主として
、Al2O3 、MnOおよび SiO2 からなって
おり、そして、その組成は、図1に示す、スペッサ−タ
イトの領域内にあり、そして、その融点が低く、且つ、
熱間圧延において展伸性が高かった。
精錬における酸化物からなる非金属介在物は、主として
、Al2O3 、MnOおよび SiO2 からなって
おり、そして、その組成は、図1に示す、スペッサ−タ
イトの領域内にあり、そして、その融点が低く、且つ、
熱間圧延において展伸性が高かった。
【0069】上述した比較用脱酸法 No.1 におけ
る脱酸精錬の結果は、下記の通りであった。 溶融合金中のSi含有量 :0
.1 〜0.3 wt.%、SiO2の活量(aSiO
2)の推定値 :0.1 〜0.3 、溶融合金
中のSol.Alの含有量 :0.0004
〜0.0020 wt.% 、 Al2O3 の活量(a Al2O3 )の推定値:0
.10〜0.20、平衡酸素の推定濃度
:10〜15 ppm、および 溶融合金中の T. 酸素の実績含有量:25〜35
ppm。
る脱酸精錬の結果は、下記の通りであった。 溶融合金中のSi含有量 :0
.1 〜0.3 wt.%、SiO2の活量(aSiO
2)の推定値 :0.1 〜0.3 、溶融合金
中のSol.Alの含有量 :0.0004
〜0.0020 wt.% 、 Al2O3 の活量(a Al2O3 )の推定値:0
.10〜0.20、平衡酸素の推定濃度
:10〜15 ppm、および 溶融合金中の T. 酸素の実績含有量:25〜35
ppm。
【0070】更に、比較のために、脱酸精錬を減圧下に
おいて、スラグを使用することなく、アルミニウムを使
用して行なった(以下、「比較用脱酸法 No.2 」
という)以外は、上述した本発明におけると同一の工程
によって、表3に示す、0.15 mm の厚さを有す
る、本発明の範囲外のFe−Ni 系合金冷延板の供試
体(以下、「比較用供試体」という)No. 3および
4を調製した。比較用脱酸法 No.2 によると、脱
酸精錬における酸化物からなる非金属介在物は、主とし
て、Al2O3 からなっており、そして、融点が高く
、且つ、熱間圧延において展伸性が低かった。
おいて、スラグを使用することなく、アルミニウムを使
用して行なった(以下、「比較用脱酸法 No.2 」
という)以外は、上述した本発明におけると同一の工程
によって、表3に示す、0.15 mm の厚さを有す
る、本発明の範囲外のFe−Ni 系合金冷延板の供試
体(以下、「比較用供試体」という)No. 3および
4を調製した。比較用脱酸法 No.2 によると、脱
酸精錬における酸化物からなる非金属介在物は、主とし
て、Al2O3 からなっており、そして、融点が高く
、且つ、熱間圧延において展伸性が低かった。
【0071】上述した比較用脱酸法No.2における脱
酸精錬の結果は、下記の通りであった。 溶融合金中のSi含有量 :0
.1 〜0.3 wt.%、SiO2の活量(aSiO
2)の推定値 :0.1 〜0.2 、溶融合金
中のSol.Alの含有量 :0.005
〜0.030 wt.%、 Al2O3 の活量(a Al2O3 )の推定値:1
、平衡酸素の推定濃度 :
3 ppm 、および溶融合金中の T. 酸素の実績
含有量:15〜20 ppm。
酸精錬の結果は、下記の通りであった。 溶融合金中のSi含有量 :0
.1 〜0.3 wt.%、SiO2の活量(aSiO
2)の推定値 :0.1 〜0.2 、溶融合金
中のSol.Alの含有量 :0.005
〜0.030 wt.%、 Al2O3 の活量(a Al2O3 )の推定値:1
、平衡酸素の推定濃度 :
3 ppm 、および溶融合金中の T. 酸素の実績
含有量:15〜20 ppm。
【0072】表3から明らかなように、供試体中におけ
るT.O 含有量は、本発明供試体No.1〜3におい
て最も少なく、次いで、比較用供試体No. 3および
4がこれに続き、そして、比較用供試体No. 1およ
び2において、多かった。即ち、図4から明らかなよう
に、本発明の脱酸法においては、比較用脱酸法No.
1および2に比して、平衡酸素の濃度が低下し、そして
、スラグによる懸濁介在物の吸着除去による効果によっ
て、T.酸素含有量が低下している。
るT.O 含有量は、本発明供試体No.1〜3におい
て最も少なく、次いで、比較用供試体No. 3および
4がこれに続き、そして、比較用供試体No. 1およ
び2において、多かった。即ち、図4から明らかなよう
に、本発明の脱酸法においては、比較用脱酸法No.
1および2に比して、平衡酸素の濃度が低下し、そして
、スラグによる懸濁介在物の吸着除去による効果によっ
て、T.酸素含有量が低下している。
【0073】次いで、このように調製した本発明供試体
No. 1〜3、並びに、比較用供試体No. 1〜4
の各々における、長手方向の板厚断面内の60mm2
の区域内を、800 倍の顕微鏡によって観察して、そ
の区域内に存在する非金属介在物の幅および長さを測定
した。その際、非金属介在物を、形状および大きさによ
って下記の通り分類し、そして、1mm2 当たりに存
在する非金属介在物の個数を測定した。 (a) 長さ/幅の比が3以下の非金属介在物(以下、
「球状非金属介在物」という)、および、(b) 長さ
/幅の比が3を超える非金属介在物(以下「線状非金属
介在物」という)。その結果を、表4に示す。
No. 1〜3、並びに、比較用供試体No. 1〜4
の各々における、長手方向の板厚断面内の60mm2
の区域内を、800 倍の顕微鏡によって観察して、そ
の区域内に存在する非金属介在物の幅および長さを測定
した。その際、非金属介在物を、形状および大きさによ
って下記の通り分類し、そして、1mm2 当たりに存
在する非金属介在物の個数を測定した。 (a) 長さ/幅の比が3以下の非金属介在物(以下、
「球状非金属介在物」という)、および、(b) 長さ
/幅の比が3を超える非金属介在物(以下「線状非金属
介在物」という)。その結果を、表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】表4に示すように、本発明供試体 No.
1〜3における非金属介在物の数は、次の通りであった
。即ち、本発明供試体No. 1においては、幅3μm
未満の球状非金属介在物が6個のみであり、本発明供
試体No. 2においては、幅8μm 未満の球状非金
属介在物が8個と、幅 3μm 〜 6μm 未満の球
状非金属介在物が1個のみであり、そして、本発明供試
体No. 3においては、幅3μm 未満の球状非金属
介在物が7個のみであった。このように、本発明供試体
においては、粒径が極めて小さい球状非金属介在物が少
量存在するのみであった。
1〜3における非金属介在物の数は、次の通りであった
。即ち、本発明供試体No. 1においては、幅3μm
未満の球状非金属介在物が6個のみであり、本発明供
試体No. 2においては、幅8μm 未満の球状非金
属介在物が8個と、幅 3μm 〜 6μm 未満の球
状非金属介在物が1個のみであり、そして、本発明供試
体No. 3においては、幅3μm 未満の球状非金属
介在物が7個のみであった。このように、本発明供試体
においては、粒径が極めて小さい球状非金属介在物が少
量存在するのみであった。
【0076】一方、比較用供試体 No.1における非
金属介在物の数は、次の通りであった。 球状非金属介在物の数: 幅 3μm 未満 : 8個、幅
3μm 〜 6μm 未満 : 1個、線状非金
属介在物の数: 幅 3μm 未満 :20個、幅
3μm 以上 : 8個。 上記のように、比較用供試体 No.1においては、線
状非金属介在物が多数存在しており、従って、非金属介
在物の粒径が大きいことがわかった。上述したことは、
比較用供試体 No.2に関しても、同様であった。
金属介在物の数は、次の通りであった。 球状非金属介在物の数: 幅 3μm 未満 : 8個、幅
3μm 〜 6μm 未満 : 1個、線状非金
属介在物の数: 幅 3μm 未満 :20個、幅
3μm 以上 : 8個。 上記のように、比較用供試体 No.1においては、線
状非金属介在物が多数存在しており、従って、非金属介
在物の粒径が大きいことがわかった。上述したことは、
比較用供試体 No.2に関しても、同様であった。
【0077】更に、比較用供試体 No.3における非
金属介在物の数は、次の通りであった。球状非金属介在
物の数: 幅 3μm 未満 :10個、幅
3μm 〜 6μm 未満 : 4個、幅 6μm
〜14μm 未満 : 1個、線状非金属介在物
の数: 幅 3μm 未満 1個、
幅 3μm 以上 なし。
金属介在物の数は、次の通りであった。球状非金属介在
物の数: 幅 3μm 未満 :10個、幅
3μm 〜 6μm 未満 : 4個、幅 6μm
〜14μm 未満 : 1個、線状非金属介在物
の数: 幅 3μm 未満 1個、
幅 3μm 以上 なし。
【0078】即ち、比較用供試体 No.5においては
、本発明供試体No. 1〜3に比して、球状非金属介
在物の数が多かった。上述したことは、比較用供試体
No.6に関しても、同様であった。
、本発明供試体No. 1〜3に比して、球状非金属介
在物の数が多かった。上述したことは、比較用供試体
No.6に関しても、同様であった。
【0079】上述したように、比較用供試体No. 1
〜4の何れも、非金属介在物の数が多く、および/また
は、非金属介在物の粒径が大きかった。その結果、Fe
−Ni 系合金冷延板のエッチング穿孔性を阻害した。 これに対して、本発明供試体No. 1〜3においては
、非金属介在物の数が少なく、そして、その粒径が小さ
かった。その結果、Fe− Ni系合金冷延板のエッチ
ング穿孔性に優れていた。
〜4の何れも、非金属介在物の数が多く、および/また
は、非金属介在物の粒径が大きかった。その結果、Fe
−Ni 系合金冷延板のエッチング穿孔性を阻害した。 これに対して、本発明供試体No. 1〜3においては
、非金属介在物の数が少なく、そして、その粒径が小さ
かった。その結果、Fe− Ni系合金冷延板のエッチ
ング穿孔性に優れていた。
【0080】次に、上述した本発明供試体No. 1〜
3、および、比較用供試体No. 1〜4に対して、実
際に、直径 135ー 280μm のピッチエッチン
グ穿孔を実施して、その結果を調べた。エッチング穿孔
を実施したそれぞれの供試体を、顕微鏡によって観察し
たところ、エッチング穿孔欠陥は、図5に示す、(A)
、(B) 、(C) および(D) の4つの型に分
類することができた。その結果を、表4に、併せて示す
。
3、および、比較用供試体No. 1〜4に対して、実
際に、直径 135ー 280μm のピッチエッチン
グ穿孔を実施して、その結果を調べた。エッチング穿孔
を実施したそれぞれの供試体を、顕微鏡によって観察し
たところ、エッチング穿孔欠陥は、図5に示す、(A)
、(B) 、(C) および(D) の4つの型に分
類することができた。その結果を、表4に、併せて示す
。
【0081】本発明供試体 No.1および3における
、エッチング穿孔不良発生率は、皆無であった。上述し
たように、非金属介在物の数が少なかったこと、および
、その粒径が小さかったことに起因して、本発明供試体
No.1および3は、エッチング穿孔性に優れている
ことが明らかであった。本発明供試体 No.2におい
ても、(C)型および(D) 型の欠陥が発生したが、
その発生率は、極めて少なく、エッチング穿孔性に優れ
ていることが明らかであった。
、エッチング穿孔不良発生率は、皆無であった。上述し
たように、非金属介在物の数が少なかったこと、および
、その粒径が小さかったことに起因して、本発明供試体
No.1および3は、エッチング穿孔性に優れている
ことが明らかであった。本発明供試体 No.2におい
ても、(C)型および(D) 型の欠陥が発生したが、
その発生率は、極めて少なく、エッチング穿孔性に優れ
ていることが明らかであった。
【0082】一方、比較用供試体 No.1においては
、エッチング穿孔不良発生状況は、次の通りであった。 (A) 型の不良発生率: 0.04%、(B) 型
の不良発生率: 0.03%、(C) 型の不良発生
率: 2.35%、および(D) 型の不良発生率:
2.54%、
、エッチング穿孔不良発生状況は、次の通りであった。 (A) 型の不良発生率: 0.04%、(B) 型
の不良発生率: 0.03%、(C) 型の不良発生
率: 2.35%、および(D) 型の不良発生率:
2.54%、
【0083】上述したところから明ら
かなように、比較用供試体 No.1においては、エッ
チング穿孔不良発生率が高かった。即ち、上述したよう
に、線状非金属介在物の数が多いことに起因して、比較
用供試体 No.1は、エッチング穿孔性に劣っている
ことが明らかであった。上述したことは、比較用供試体
No.2に関しても、同様であった。
かなように、比較用供試体 No.1においては、エッ
チング穿孔不良発生率が高かった。即ち、上述したよう
に、線状非金属介在物の数が多いことに起因して、比較
用供試体 No.1は、エッチング穿孔性に劣っている
ことが明らかであった。上述したことは、比較用供試体
No.2に関しても、同様であった。
【0084】更に、比較用供試体 No.3においては
、エッチング穿孔不良発生状況は、次の通りであった。 (A) 型の不良発生率: 0.75%、(B) 型
の不良発生率: 0.04%、(C) 型の不良発生
率: 0.50%、および(D) 型の不良発生率:
0.01%。
、エッチング穿孔不良発生状況は、次の通りであった。 (A) 型の不良発生率: 0.75%、(B) 型
の不良発生率: 0.04%、(C) 型の不良発生
率: 0.50%、および(D) 型の不良発生率:
0.01%。
【0085】上述したところから明らかなように、比較
用供試体 No.3においては、本発明供試体No.
1〜3に比して、エッチング穿孔不良発生率が高かった
。即ち、上述したように、球状非金属介在物の数が多い
ことに起因して、比較用供試体 No.3は、エッチン
グ穿孔性に劣っていることが明らかであった。上述した
ことは、比較用供試体 No.4に関しても、同様であ
った。
用供試体 No.3においては、本発明供試体No.
1〜3に比して、エッチング穿孔不良発生率が高かった
。即ち、上述したように、球状非金属介在物の数が多い
ことに起因して、比較用供試体 No.3は、エッチン
グ穿孔性に劣っていることが明らかであった。上述した
ことは、比較用供試体 No.4に関しても、同様であ
った。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
、高鮮明TVのシャドウマスクとして使用するができる
、エッチング穿孔時に欠陥が発生せず、そして、熱膨張
率の低い、清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe
−Ni 系合金冷延板およびその製造方法を提供するこ
とができ、かくして、工業上有用な効果がもたらされる
。
、高鮮明TVのシャドウマスクとして使用するができる
、エッチング穿孔時に欠陥が発生せず、そして、熱膨張
率の低い、清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe
−Ni 系合金冷延板およびその製造方法を提供するこ
とができ、かくして、工業上有用な効果がもたらされる
。
【図1】この発明によるFe−Ni 系溶融合金の精錬
のためのプロセスの1例を示す工程系統図である。
のためのプロセスの1例を示す工程系統図である。
【図2】取鍋で構成するMgO−CaO 系耐火物中の
、CaO 含有量と、前記耐火物の溶損度合と前記耐火
物中へのスラグの浸潤深さとの間の関係を示すグラフで
ある。
、CaO 含有量と、前記耐火物の溶損度合と前記耐火
物中へのスラグの浸潤深さとの間の関係を示すグラフで
ある。
【図3】CaO−Al2O3−MgO 系スラグ中のA
l2O3 およびCaO の各々の活量と、CaO /
(CaO+Al2O3)の比との間の関係を示すグラ
フである。
l2O3 およびCaO の各々の活量と、CaO /
(CaO+Al2O3)の比との間の関係を示すグラ
フである。
【図4】1,550 ℃の温度の、36wt.%のニッ
ケルを含有するFe−Ni 系溶融合金中における「S
i−脱酸平衡」状態にある溶存シリコンレベル、「Al
−脱酸平衡」状態にある溶存アルミニウムレベル、また
は、「Tiー脱酸平衡」状態にある溶存チタンレベルと
、そして、平衡溶存酸素レベルとの間の関係を示すグラ
フである。
ケルを含有するFe−Ni 系溶融合金中における「S
i−脱酸平衡」状態にある溶存シリコンレベル、「Al
−脱酸平衡」状態にある溶存アルミニウムレベル、また
は、「Tiー脱酸平衡」状態にある溶存チタンレベルと
、そして、平衡溶存酸素レベルとの間の関係を示すグラ
フである。
【図5A〜図5D】Fe−Ni 系合金板のエッチング
穿孔時に発生する欠陥の状態を示す概略説明図である。
穿孔時に発生する欠陥の状態を示す概略説明図である。
【図6】従来の Fe−Ni系合金冷延板中に存在する
非金属介在物の組成の領域を示すAl2 O3−MnO
−SiO2 三元系状態図である。
非金属介在物の組成の領域を示すAl2 O3−MnO
−SiO2 三元系状態図である。
Claims (5)
- 【請求項1】ニッケル : 30 〜 4
5wt.% 、マンガン : 0.1 〜
1.0 wt.% 、および残り、鉄および不可避的不
純物、但し、前記不可避的不純物としてのシリコン、ク
ロム、チタン、炭素、窒素、硫黄、燐、酸素、アルミニ
ウムおよび非金属介在物のそれぞれの含有量は、シリコ
ンについては、0.4 wt.%以下、クロムについて
は、0.1 wt.%以下、チタンについては、0.6
wt.%以下、炭素については、0.005 wt.
%以下、窒素については、0.005 wt.%以下、
硫黄については、0.005 wt.%以下、燐 に
ついては、0.010 wt.%以下、酸素については
、0.002 wt.%以下、アルミニウムについては
、0.030 wt.%以下、および、非金属介在物に
ついては、酸素に換算して、0.002 wt.%以下
、からなり、前記非金属介在物は、主としてチタン酸化
物からなっていることを特徴とする、清浄性およびエッ
チング穿孔性に優れたFe−Ni系合金冷延板。 - 【請求項2】 30から45wt.%の範囲内の量の
ニッケルを含有する、脱燐および脱炭したFe−Ni
系溶融合金を調製し、20から40wt.%の範囲内の
量のCaO を含有するMgO−CaO 系耐火物製の
取鍋内において、このように調製した前記Fe−Ni
系溶融合金にアルミニウムおよびチタンを添加し、アル
ミニウムおよびチタンを添加した前記Fe−Ni 系溶
融合金を、前記取鍋内において、下記からなる CaO
−Al2O3−Ti02−MgO 系スラグ:CaO
およびAl2O3: 57 wt.% 以上、Ti0
2 : 30 wt.% 以下
、但し、CaO/(CaO+Al2O3 +Ti02)
の比は0.7 以上、MgO
: 25 wt.% 以下、SiO2
: 15 wt.% 以下、および、シリ
コンよりも酸素親和力の弱い金属の酸化物の合計量 :
3 wt.% 以下、と反応させて、前記Fe−
Ni系溶融合金を脱酸し、前記脱酸したFe−Ni
系溶融合金を、インゴットに鋳造し、そして、前記イン
ゴットを分塊圧延し、熱間圧延し、そして、冷間圧延し
て、その粒径が6μm 以下で、且つ、酸素に換算して
0.002 wt.%以下の合計量の非金属介在物を含
有するFe−Ni 系合金冷延板を製造することを特徴
とする、清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−
Ni 系合金冷延板の製造方法。 - 【請求項3】 前記Fe−Ni 系溶融合金の前記調
製は、転炉内において溶鋼を精錬し、そして、前記溶鋼
を、600 トル以下に減圧された前記取鍋内において
、脱燐し、溶融ニッケルを添加し、そして、脱炭するこ
とからなっている、請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記Fe−Ni 系溶融合金の前記脱
酸は、1 トル以下に減圧された前記取鍋内において行
う、請求項2記載の方法。 - 【請求項5】 前記インゴットの前記分塊圧延は、7
0% 以上の圧下率および1,150 から1,250
℃の範囲内の温度において行われる、請求項2から4
の何れか1つに記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15768591A JP3362399B2 (ja) | 1991-05-31 | 1991-05-31 | 清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合金冷延板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15768591A JP3362399B2 (ja) | 1991-05-31 | 1991-05-31 | 清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合金冷延板およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04354853A true JPH04354853A (ja) | 1992-12-09 |
| JP3362399B2 JP3362399B2 (ja) | 2003-01-07 |
Family
ID=15655153
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15768591A Expired - Fee Related JP3362399B2 (ja) | 1991-05-31 | 1991-05-31 | 清浄性およびエッチング穿孔性に優れたFe−Ni 系合金冷延板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3362399B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09263827A (ja) * | 1996-03-28 | 1997-10-07 | Nisshin Steel Co Ltd | スジむら発生のないシャドウマスク用素材の製造方法 |
| US5891271A (en) * | 1997-03-27 | 1999-04-06 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | S-containing Fe--Ni alloys for electron gun parts and punched electron gun parts |
| DE19753857B4 (de) * | 1997-03-24 | 2004-11-04 | Nikko Metal Manufacturing Co., Ltd., Koza | Fe-Ni-Legierungswerkstoffe für elektronische Bauteile |
| JP2020172078A (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 凸版印刷株式会社 | インクジェットヘッド用流路パーツの製造方法 |
-
1991
- 1991-05-31 JP JP15768591A patent/JP3362399B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09263827A (ja) * | 1996-03-28 | 1997-10-07 | Nisshin Steel Co Ltd | スジむら発生のないシャドウマスク用素材の製造方法 |
| DE19753857B4 (de) * | 1997-03-24 | 2004-11-04 | Nikko Metal Manufacturing Co., Ltd., Koza | Fe-Ni-Legierungswerkstoffe für elektronische Bauteile |
| US5891271A (en) * | 1997-03-27 | 1999-04-06 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | S-containing Fe--Ni alloys for electron gun parts and punched electron gun parts |
| JP2020172078A (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 凸版印刷株式会社 | インクジェットヘッド用流路パーツの製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3362399B2 (ja) | 2003-01-07 |
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