JPH04357645A - X線管用ターゲットの製造法 - Google Patents

X線管用ターゲットの製造法

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JPH04357645A
JPH04357645A JP23788191A JP23788191A JPH04357645A JP H04357645 A JPH04357645 A JP H04357645A JP 23788191 A JP23788191 A JP 23788191A JP 23788191 A JP23788191 A JP 23788191A JP H04357645 A JPH04357645 A JP H04357645A
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graphite
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rhenium
ray tube
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昇 馬場
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Masatake Fukushima
福島 正武
Masateru Suwa
正輝 諏訪
Ichiro Inamura
稲村 一郎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エックス(以下、Xと
記載する)線管に用いられるX線ターゲットの製造法に
関する。
【0002】本発明に係るX線ターゲットを用いたX線
管は、医療機器のX線シーテー(以下、CTと記載する
。Computed Tomography の略)装
置に使用するのに好適である。
【0003】
【従来の技術】X線管に用いられる回転陽極のX線ター
ゲットの一例が、特公昭47−8263号公報に記載さ
れている。該特許公報には、石墨を基体とし、電子線が
照射される部分近傍のみにタングステン・レニウム合金
被覆を施した構造のX線ターゲット及び石墨基体とタン
グステン・レニウム合金被覆との間にレニウムの中間層
を介在させた構造のX線ターゲットが示されている。か
かる構造のX線ターゲットは、石墨の大きな熱容量がタ
ングステン・レニウム合金被覆を熱的な過大負荷から守
ると記載されている。
【0004】特開昭60−202643号公報には、X
線ターゲットを備えたX線管球の構造について示されて
おり、又、特開昭61−183861号公報には、X線
管球を内蔵したX線管の構造の一例が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】医療機器のX線CT装
置に要求される性質としては、診断時間の短縮及び処理
画像の鮮明化などがある。
【0006】これらの要求に応じるためには、X線管の
入力を増加してX線放射量を多くすることが必要になる
【0007】X線ターゲットは、陰極からの電子線を受
けてX線を発生するわけであるが、X線を発生する際に
電子線のほとんどは熱に変換され、X線ターゲットは高
温に加熱される。X線ターゲットの加熱温度は、入力を
増加するにしたがい上昇していく。
【0008】本発明者の検討結果によれば、特公昭47
−8263号公報に記載の発明のように、X線ターゲッ
トの基体を黒鉛で構成し、電子線が衝突する部分にX線
発生金属材料を被覆したものは、X線発生金属被覆から
黒鉛基体への熱伝導性が悪く、入力が増加するとX線発
生金属被覆が黒鉛基体から剥れ易くなる。
【0009】このように従来のX線ターゲットは、黒鉛
が有する大きな熱容量を有効に活用できていない。
【0010】本発明の目的は、X線発生金属被覆と黒鉛
基体との接着性が良好であり且つX線発生金属被覆に生
じた熱を黒鉛基体へ速やかに伝達することができるX線
ターゲットの製造法を提供するにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、かかるX線ター
ゲットを具備したX線管球及びX線管を提供するにある
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒鉛基体上の
電子線照射面にX線発生金属被覆層を形成する工程を含
むX線ターゲットの製造法において、前記工程の前に黒
鉛基体とX線発生金属被覆層との界面に、黒鉛と非反応
性であり且つ黒鉛及びX線発生金属被覆とほぼ同等の熱
膨張係数を有する金属中間層を常圧又は常圧近辺の圧力
下で化学気相めっきによって形成することを特徴とする
。この金属中間層を被覆した後、X線発生金属を化学気
相めっき,スパッタリング或は溶射などの手段により被
覆することによって製造することができる。
【0013】常圧又は常圧近辺の圧力下で化学気相めっ
きを施すことによって、金属中間層を黒鉛基体の内部に
浸透させることが可能となる。
【0014】
【作用】本発明の製法によって得られたX線ターゲット
は、既に述べた従来のX線ターゲットにくらべてX線発
生金属被覆層が剥離しにくいが、この効果は金属中間層
が黒鉛基体の内部にまで浸透していることに基づいてい
る。
【0015】金属中間層を黒鉛基体内部へ浸透させたこ
とにより、両者の接触面積が著しく増加し、X線発生金
属被覆層に発生した熱が黒鉛基体へ速やかに伝達される
。しかも黒鉛基体内部へ浸透した金属中間層は、楔とし
ての働きを有し、X線発生金属被覆層を黒鉛基体から剥
れにくくする。
【0016】本発明者らの実験によれば、金属中間層を
黒鉛基体の内部へ浸透させないときには、X線発生金属
被覆層を剥離させずにX線管へ流し得る限界の管電圧及
び管電流は、およそ120KV,350mAであった。 これに対し、金属中間層を黒鉛基体内部へ浸透させたも
のでは、管電圧120KV,管電流600mAを負荷す
ることが可能である。
【0017】(イ)X線ターゲットの構成本発明のX線
ターゲットは、基体が黒鉛からなる。黒鉛基体は、金属
にくらべて熱容量が大きい上に熱伝導性もよく、しかも
軽量である。この軽量であるという利点は、特開昭60
−202643号公報に記載の如き構造のX線管球に本
発明のX線ターゲットを組み込むだけで使用でき、しか
も管入力を増加させることができるという効果をもたら
す。
【0018】黒鉛基体は、必ずしも黒鉛のみからなる必
要はない。黒鉛と金属粉とを混合して焼結したものでも
よい。たとえば黒鉛とタングステン粉末との焼結体より
なる基体は、熱伝導性がよいうえに強度的にも強く、本
発明に係るX線ターゲットの基体として十分に使用可能
である。黒鉛と金属粉との焼結体とするときの金属粉の
量は、黒鉛自身が持っている熱容量を大きく損うことの
ないように配慮して決めるべきである。黒鉛の量は、最
少でも体積比で50%を超えるようにすべきである。
【0019】基体はまた、黒鉛の薄板と他の部材よりな
る薄板とを重ね合せて積層構造としてもよい。この場合
の他の部材としては、金属又はセラミックなどを使用で
きる。黒鉛の薄板と熱伝導性炭化けい素焼結体の薄板と
を積層して基体を構成することにより、基体の強度を高
めることができる。
【0020】黒鉛基体の電子線が衝突する部分近傍を覆
うX線発生金属被覆層の材料は、電子線の照射を受けて
も溶解しないように高い融点を有するものから選ばれる
。X線発生金属被覆層は、殆どの場合におよそ2500
℃前後にまで加熱される。したがって、2500℃以上
の高融点を有し且つX線を発生する金属から選ぶことが
望ましい。タングステン或はタングステン・レニウム合
金は、X線発生金属被覆層の材料としてきめわて好適で
ある。レニウム単独でも使用できなくもないが、タング
ステン或はタングステン・レニウム合金にくらべると劣
るうえ、非常に高価である。
【0021】黒鉛とタングステンとは、容易に反応し炭
化物を生成してしまう。したがって、黒鉛基体上にタン
グステン或はタングステン・レニウム合金を直接被覆し
たのでは、両者の界面に脆い炭化物が生成し、容易に剥
離してしまう。
【0022】このことから、黒鉛と反応しないか或はほ
とんど反応しない金属を、両者の中間に介在させること
が必要となる。この金属も又、電子線照射によって溶解
しないように高融点、具体的には2500℃以上の融点
を有するものから選ぶことが望ましい。
【0023】この金属中間層の材料としては、レニウム
が最良である。レニウムは、熱膨張率においても黒鉛の
熱膨張率に近似しており、したがって、黒鉛とレニウム
の界面には熱応力が集中しにくい。
【0024】金属中間層は、具鉛基体の表面の空孔に浸
入し内部まで浸透していることが必要である。このよう
に黒鉛基体の内部にまで金属中間層を浸透させることに
よって、既に述べたようにX線発生金属被覆層を剥離し
にくくでき、X線管に負荷する入力を増加して診断時間
の短縮及び処理画像の鮮明化をはかることができる。図
1及び図2は、本発明の製造法によって得られるX線タ
ーゲットの一実施例を示す断面図である。図1は、電子
線が当たる部分近傍の拡大図であり、図2はX線ターゲ
ット全体の概略図である。
【0025】黒鉛基体1の表面の一部をX線発生金属被
覆層2が覆い、両者の中間に金属中間層3が介在し且つ
黒鉛基体1の内部に浸透している。
【0026】金属中間層3は、その浸透深さとして黒鉛
基体表面と金属中間層の浸透部先端との間の距離を10
μm以上を有するように製造するのがよい。
【0027】金属中間層の浸透深さが小さいとX線発生
金属被覆層が剥離しやすくなり、X線管の負荷入力を増
加して診断時間の短縮或は処理画像の鮮明化を図りにく
くなる。
【0028】X線CT装置において、血管等の細部診断
を可能とするには、1500〜2000キロヒートユニ
ット(KHU)ないしはそれ以上の熱容量を保有するX
線ターゲットが必要になる。金属中間層の浸透深さを1
0μm以上とすることによりこの要求を十分に満足する
ことができる。
【0029】X線発生金属被覆層2の厚さは、電子線が
入り込む深さよりも大にすべきである。電子線が入り込
む深さはおよそ10〜15μmであるので、X線発生金
属被覆層の深さを20μm以上とするのがよい。X線発
生金属被覆層を必要以上に厚くすることは、X線ターゲ
ットの重量増加を招き、高速で回転させたときに軸受を
摩耗させて回転のぶれ等をきたす原因となる。このこと
からX線発生金属被覆層の厚さは最大でも500μm程
度に止めることが望ましく、50〜200μm程度の厚
さにすることが特に望ましい。
【0030】金属中間層の総厚さのうち、黒鉛基体の表
面を覆っている部分の厚さは、3μm以上、通常は5〜
10μmもあれば十分である。金属中間層は、黒鉛基体
上に脆い炭化物層を生成させないためのバリヤとして作
用しており、この作用は黒鉛基体表面を覆う金属中間層
の厚さが3μmもあれば十分に達せられる。金属中間層
の厚さが薄い場合には、層の内部を黒鉛が拡散してX線
発生金属被覆層と反応し、その反応生成物である炭化物
を金属中間層とX線発生金属被覆層との界面に生成する
ことがある。しかし、この場合の炭化物の存在は、X線
発生金属被覆層と金属中間層との接着性を損なうには至
らない。したがって、かかる炭化物層が生成することは
、一向にかまわない。
【0031】X線発生金属被覆層から黒鉛基体への熱伝
導性をより良くするために、X線発生金属被覆層を柱状
晶組織とすることが望ましい。このような柱状晶組織は
、化学気相めっきの手法を用いて被覆することによって
容易に得られる。
【0032】しかしながら、このように柱状晶組織とし
た場合には、電子線の衝突によって微細な割れが発生し
やすく、この割れが進展してX線減量につながるおそれ
がある。このことから、X線発生金属被覆層を二層にし
、電子線が当たる最表面層を微細組織とし、その下部を
柱状晶組織とすることが望ましい。最表面層の微細組織
は、その下部の柱状晶よりも微細とする。
【0033】微細組織の最表面層は、化学気相めっきの
設定条件を制御することによって得ることができるし、
スパッタリング或は溶射の手法を用いることによっても
得ることができる。
【0034】純金属は、合金にくらべて一般に熱伝導性
がよい。反対に合金にすると一般に純金属にくらべて再
結晶温度が上昇し、電子線を入射したときにより高い温
度に耐えることができるようになる。このことから、最
表面層は合金で形成し、その下部の柱状晶は純金属で形
成することが望ましい。タングステン・レニウム合金よ
りなる最表面層とその下部の純タングステン柱状晶とか
らなる二層構造のX線発生金属被覆層にすることは、高
熱容量且つ高熱伝導性のX線ターゲットを実現するため
にきわめて望ましい。この場合のタングステン・レニウ
ム合金の成分組成は、レニウムが1〜10重量%、残り
タングステンとすることが望ましい。
【0035】図3は、二層構造のX線発生金属被覆層を
有する本発明のX線ターゲットの一部断面図を示してい
る。X線発生金属被覆層2は、最表面層4と下部柱状晶
層5とからなる。1aは黒鉛基体1の空孔を示している
。このように二層構造としたときのX線発生金属層の合
計厚さは20〜500μmが望ましく、このうち最表面
層の厚さは50〜200μm、下部柱状晶層の厚さは5
0〜300μm程度が望ましい。
【0036】図4は、黒鉛基体1を三枚の板を積層した
構造とし、そのうちの一枚にセラミックス焼結板を使用
した例を示している。図4において、符号6が黒鉛板で
あり、二枚の黒鉛板の間にセラミックス焼結体7をサン
ドイッチしている。セラミックス焼結体としては、熱伝
導性のよいもの、例えばベリリアを含む炭化けい素焼結
体などを使用することが望ましい。このようにセラミッ
クス焼結体をサンドイッチした構造とすることにより黒
鉛基体の機械的強度を高めることができる。
【0037】(ロ)X線ターゲットの製造法X線ターゲ
ットの黒鉛基体は、焼結によって作ることができる。焼
結によって作られた黒鉛基体は、そのままで多くの空孔
を有しており、本発明のX線ターゲットにおける黒鉛基
体の要件すなわち多孔質黒鉛基体であるという要件を具
備する。
【0038】黒鉛基体の表面近傍の空孔を更に多くした
い場合には、大気中で加熱したのち熱湯中に浸漬して表
面を粗くしてもよいし、或は薬品中に浸漬して人工的に
空孔を作ってもよい。他に適当な空孔形成手段があるな
らばそれでもよく、上記方法に限定されるものではない
【0039】金属中間層は、黒鉛基体の表面近傍の空孔
内に浸透させなければならないので、常圧又は常圧近辺
の圧力下で化学気相めっきして形成することが必要とな
る。スパッタリング或は溶射による方法は、金属中間層
の浸透深さを10μm以上にすることがむずかしい。
【0040】化学気相めっき(CVD又はケミカル・ベ
ーパー・デポジションとも云う)の圧力を10−2To
rrとして金属中間層を形成させた実験では、金属中間
層を黒鉛基体の内部まで十分に浸透させることができな
かった。これより化学気相めっきを行う場合の圧力は、
常圧近辺として行うことが必要である。好適な雰囲気圧
力は常圧である。高い真空となる減圧下での処理は、金
属中間層の黒鉛基体内部への浸透を阻害するので、避け
るべきである。
【0041】金属中間層を化学気相めっきによって形成
する場合には、黒鉛基体を加熱しておくことが望ましく
、この加熱温度によって最大浸透深さが著しく影響を受
ける。黒鉛基体の好適な加熱温度は200〜300℃で
ある。加熱温度が低いと熱分解が低いと熱分解が進みに
くく、黒鉛基体の内部にまで十分に金属中間層を生成浸
透させることができない。加熱温度が高すぎると、黒鉛
基体の表面上でのみ熱分解が進行し、黒鉛基体の表面上
に金属中間層が析出して内部に浸透しない。
【0042】X線発生金属被覆層は、化学気相めっき、
スパッタリング或は溶射などによって形成することが望
ましい。柱状晶組織とする場合には、化学気相めっきを
行うことが望ましい。微細な組織を得る場合には、スパ
ッタリング或は溶射を行うのが簡便でよい。
【0043】X線発生金属被覆層を二層構造とし、微細
な組織の最表面層とその下部の柱状晶層を単一の工程で
形成する場合には、化学気相めっきを採用し、最表面層
形成時に被覆層形成用ガスの組成,圧力,温度,還元性
ガスなどをコントロールすることにより実現可能である
【0044】(ハ)X線管球及びX線管の構造図5は、
本発明の製造法によって得られるX線管ターゲットを用
いた一実施例によるX線管の概略断面図を示しており、
図6は回転陽極の概略断面図を示している。
【0045】X線管10は、密閉容器11内にX線管球
100を内蔵している。この容器内のX線管球100の
周囲には冷却媒体15が充填されている。
【0046】密閉容器11は、X線放射窓12を有する
。X線放射窓12は、例えばガラス板の外側面或は内側
面にX線が放射される部分を残して鉛スリットを張った
ものが望ましい。X線放射射12を除く密閉容器内側に
もX線しゃへい用材料例えば鉛板を張ることが望ましい
【0047】X線管は、特開昭61−183861号公
報にも記載されているようにX線放射とともに多量の熱
を発生する。この発生した熱を強制冷却するために密閉
容器内に冷却媒体15を充填し且つ循環させる。冷却媒
体としては、液体のもの例えば油を入れることが多い。
【0048】X線管球100は、真空管110内に回転
陽極120と陰極130を有する。真空管110は通常
はガラス管よりなる。回転陽極120は、X線ターゲッ
ト121とこのX線ターゲットの回転機構とを具備する
。X線ターゲットの回転機構はモータ・ロータを備えて
おり、X線管球の外側の前記ロータと対向する位置にモ
ータ・ステータ125を有する。X線ターゲットの回転
機構については、特開昭61−183861号にも本発
明ときわめて類似の構造がかなり詳しく記載されている
【0049】陰極130は、電子線放出のためのフィラ
メントを備えており、放出された電子線131はX線タ
ーゲット121に入射し密閉容器11のX線放射窓12
から放射される。符号129は陽極端子を示し、符号1
39は陰極端子を示している。又、符号141,142
は、X線管球100が密閉容器11に衝突して破損した
りするのを防止するクッションを示している。符号11
1は、真空管内を真空吸引し、最終的に管端を封じた部
分すなわち真空封止部を示している。
【0050】図5では密閉容器11の上端にゴムの蓋1
3がかぶせてある。これは、何らかの原因によりX線管
が破壊したときにも、冷却媒体が管外部へ洩れて出ない
ようにするためである。ゴム蓋13は、ゴムのもつ伸縮
作用によって冷却媒体の流出を阻止する。
【0051】回転陽極120は、図6に示すようにX線
ターゲット121とその回転機構とを具備する。回転機
構は、回転軸122と円筒状のロータ123とを有する
。ロータ123の材料としては、銅が好適である。回転
軸122の周囲は、固定軸124で包囲されており、回
転軸と固定軸の間に軸受126具体的には玉軸受が設け
られている。符号127は軸受126のストッパである
。又、符号128は、ロータ123と固定軸124との
間のスペーサである。固定軸124は、固定部材150
に固定されている。
【0052】X線管球及び回転陽極の構造に関しては、
特開昭60−202643号公報にも本発明と類似の構
造が示されている。
【0053】X線CT装置による診断時間の短縮及び処
理画像の鮮明化を図るためには、X線ターゲットを大型
化して熱容量を高めることが必要になる。しかし、X線
ターゲットが大型化し重量が増大すると、軸受にかかる
負荷が増加し、回転軸との摺動部から摩耗粉が発生して
回転軸が偏心するようになる。又、摩耗粉の発生により
耐電圧が低下し、使用不能に陥ることがある。
【0054】このことから、大型のX線ターゲットを用
いる場合には、それに適する回転陽極の開発或は回転機
構の改良が必要になる。しかし、本発明のX線ターゲッ
トは、黒鉛を基体としており、重量の重いタングステン
・レニウム等のX線発生材料は、ターゲットの表面のご
く一部にしか用いていないので、図6に示す構造の回転
陽極に組み入れて用いることができ、且つ高熱容量を発
現できる。
【0055】従来のきわめて一般的な構造の回転陽極に
組み入れて使用でき、且つ高熱容量化が図れるという点
で、きわめて画期的である。
【0056】
【実施例】
(実施例1)基体として黒鉛,中間層にレニウム,X線
発生金属材料の下地をタングステン,最表面をタングス
テン・レニウム合金としたターゲットを試作した。図3
はターゲット表面付近の断面構造である。黒鉛基体1は
多数の空孔1aを有する。金属中間層3は黒鉛基体1の
表面部分の空孔1aに浸透して層状をなし、その上に二
層構造よりなるX線発生金属被覆層2を有する。このタ
ーゲットの作製はまず、黒鉛基体1aを機械加工し、そ
の際に生じた切削粉の空孔1aへの目ずまり等を除去す
るため純水で超音波洗浄を行い、1500℃の真空中で
空焼きの熱処理を施した。その後、化学気相めっき法で
金属中間層3のレニウム層,X線発生金属被覆層2とし
て柱状結晶タングステン層5および微細結晶タングステ
ン・レニウム合金層4を単一工程で連続的に設けた。
【0057】タングステン・レニウム合金の成分は、レ
ニウム5重量%、残りタングステンである。この合金層
の厚さは100μm、タングステン層の厚さは200μ
mである。レニウム層のうち黒鉛基体表面に介在する厚
さはおよそ10μmであり、黒鉛基体内部への最大浸透
深さは約100μmであった。化学気相めっきは常圧で
弗化レニウム及びタングステンを水素で還元する方法で
行ったが、弗化レニウム及び弗化タングステンとも析出
条件が温度,圧力等によって異なる。そこで、金属中間
層3のレニウムが黒鉛基体1の表面空孔1aに十分浸透
するように約300℃に基体温度を調整しめっきした。 一方、タングステンは析出温度は幅広いが、温度が高く
なるほど柱状結晶の粒径及び表面の凹凸が大きくなる。 また、タングステン・レニウム合金は温度によって結晶
粒径形態が変化する。そこで今回は、金属中間層3の上
に基体温度約550℃でタングステンの柱状結晶5,基
体温度約450℃でタングステン・レニウム合金の微細
結晶4を設けた。このようにして得られたターゲットは
軽量で熱輻射率,熱容量が大きく、過酷な使用条件化に
おいても、黒鉛基体1と金属中間層3とが強固な結合を
有するため、剥離及び熱伝導性の低下等の問題がない。
【0058】図7は、このX線ターゲット及び従来のタ
ーゲットを図5に示す構造のX線管に組み込んで、管電
圧120KV,管電流400mAでX線を発生させたと
きのX線減量とスキャン数との関係する特性図である。
【0059】従来のターゲットとしては、黒鉛基体にレ
ニウム層を介してタングステン・レニウム層を設け且つ
レニウム層の浸透がない構造とした黒鉛ベースターゲッ
ト及びモリブデン基体の電子線照射面にタングステン・
レニウム合金層を焼結によって形成した金属ターゲット
を用いた。
【0060】図7において、電圧120KV,電流40
0mAの使用条件でのターゲットのX線量変化を見ると
、レニウム層の浸透がない黒鉛ベースターゲット及び、
金属ターゲットに比べ本発明ターゲットはX線の減量が
少ない。また本発明のターゲットは電圧120KV,電
流600mAの負荷という大入力を照射しても何等変化
は認められなかった。
【0061】(実施例2)実施例1において、最表層の
タングステン・レニウム合金に代えて、微細結晶の純タ
ングステンにしても同様の効果が得られた。
【0062】(実施例3)ターゲットは既に述べたごと
く熱応力によって、金属中間層及びX線発生金属被覆層
の剥離が発生してはならない。そこで、金属中間層の成
膜法と黒鉛基体との密着性について検討した。一つはス
パッタ法であり、もう一つは化学気相めっき法である。 まず、スパッタ法は純度99.9%以上のスパッタ用レ
ニウム・ターゲットを上、黒鉛基体を下に配置したスパ
ッタ・ダウン方式でレニウムを成膜した。スパッタガス
はアルゴンであり、圧力は0.01Torr でレニウ
ムを10μm程度黒鉛基体上にスパッタ成膜した。その
結果、黒鉛基体特有の空孔へのレニウムの浸透は見られ
なかった。さらに、汚れや空孔の少ない高密度黒鉛基体
にスパッタ成膜したものは、1000〜1500℃の真
空熱処理によって、ふくれ現象がしばしば見られた。従
って、中間層をスパッタ法で設ける場合は、特に基板の
前処理方法等に注意する必要がある。
【0063】次に、化学気相めっきにおいて例えば弗化
レニウムを常圧の水素還元方式でレニウムを析出する場
合、温度によって黒鉛基体空孔へのレニウムの浸透状態
や析出速度さらには、その膜質が異なる。例えば温度を
200〜300℃程度にすると、黒鉛基体の表面部空孔
に十分浸透したレニウム膜が得られるが400℃では黒
鉛基体上へレニウムは厚く析出するが、空孔への浸透が
不十分である。さらに温度が高くなり500℃になると
、粉末状のレニウムが析出し、中間層として不適当な状
態になる。従って、中間層と黒鉛基体との窓着性は、2
00〜300℃の温度下での化学気相めっき法によるも
のが適当である。
【0064】(実施例4)熱容量を黒鉛で、回転速度を
金属,セラミック等で担当する形の複合基体を用いるこ
とが考えられる。そこで、図4に示すターゲットを試作
した。複合基体は高熱伝導セラミックとして知られてい
るベリリア(BeO)入り炭化けい素(SiC)焼結板
7と黒鉛板6の積層体であり、SiCをホットプレスで
焼結する際、上,下にスペーサとして用いる黒鉛とSi
Cが強固に接着したものを、ターゲット形状に加工した
。その後、純水で洗浄、1500℃の真空加熱を行い、
金属中間層3のレニウム,X線発生金属被覆層1を化学
気相めっき法で設けた。なお、この時のX線発生金属被
覆層1はタングステン・レニウムの微細単一結晶層にし
た。このターゲットにおいても実施例1と同様な効果が
得られると共に、さらに、回転破壊強度が2倍以上にで
きた。
【0065】黒鉛は局部的あるいは全体的に無定形な空
孔を有すると同時に、数多くの金属と反応して硬くて脆
い化合物を作る。そこで、ターゲットの中間層は化合物
を作りにくい高融点の金属から選ばれる。しかし、異種
材料であるため、実負荷中にその界面には大きな熱応力
が集中する。そこで、本発明のように基板が本来有する
空孔まで中間層が浸透して結合していれば、熱伝導率が
損われないので従来のような熱応力によるX線発生材料
の剥離の問題は防止できるので、信頼性の高いターゲッ
トの製造が可能である。このターゲットは同形の金属タ
ーゲットに比べて重量が1/3以下と軽量であり、熱容
量的には2倍以上のターゲットができる。従って本発明
によれば電子線による大電流を入力できるのでX線画像
の高鮮明化と診断効率の向上(撮影時間の短縮)の効果
がある。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように本発明の製造法によっ
て得られるX線管用ターゲットは、X線発生金属被覆層
が剥れにくくしかもこの被覆層から黒鉛基体への熱伝導
性がよい。したがって高熱容量X線ターゲットとして好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法によって得られる一実施例によ
るX線ターゲットの概略断面図の一部拡大断面図である
【図2】本発明の製造法によって得られる一実施例によ
るX線ターゲットの概略断面図の全体の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例によるX線ターゲットの一
部拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施例によるX線ターゲットの全
体の断面図である。
【図5】本発明のX線管の一実施例を示す概略断面図で
ある。
【図6】本発明の回転陽極の一実施例を示す概略断面図
である。
【図7】各種X線ターゲットを組み込んだX線管の使用
時のスキャン数とX線減量の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1…黒鉛基体、2…X線発生金属被覆層、3…金属中間
層、10…X線管、100…X線管球、120…回転陽
極、121…X線ターゲット。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】黒鉛焼結体よりなる基体上の電子線照射面
    にX線発生金属を被覆する工程を含むX線管用ターゲッ
    トの製造法において、前記工程の前に前記黒鉛基体表面
    に黒鉛と非反応性の金属中間層を常圧近辺の圧力下で化
    学気相めっきを施すことによって形成するとともに前記
    金属を前記黒鉛基体空孔内に浸透させることを特徴とす
    るX線管用ターゲットの製造法。
  2. 【請求項2】前記X線発生金属がタングステン・レニウ
    ム合金又はタングステンよりなり、前記金属中間層がレ
    ニウムである請求項1のX線管用ターゲットの製造法。
  3. 【請求項3】前記化学気相めっき温度が200〜300
    ℃である請求項1又は2のX線管用ターゲットの製造法
  4. 【請求項4】黒鉛基体上の電子線照射面にX線発生金属
    を被覆する工程を含むX線管用ターゲットの製造法にお
    いて、前記工程の前に、常圧近辺の圧力を満足する条件
    下で化学気相めっきを施すことによって前記黒鉛基体表
    面にレニウム層を被覆すると共にレニウムを前記黒鉛基
    体内に浸透させる工程を含み、その後、タングステン下
    部層とタングステン・レニウム合金の最表面層よりなる
    二層構造のX線発生金属被覆層を順次形成することを特
    徴とするX線管用ターゲットの製造法。
  5. 【請求項5】前記タングステン下部層を化学気相めっき
    によって柱状晶組織に形成する請求項4のX線管用ター
    ゲットの製造法。
  6. 【請求項6】前記タングステン・レニウム最表面層を化
    学気相めっき,スパッタリング及び溶射のいずれかの手
    段によって微細組織に形成する請求項4のX線管用ター
    ゲットの製造法。
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